以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図7を参照して、本実施形態による熱交換器100の構成について説明する。本実施形態では、自動車、鉄道車両、船舶、航空機などの移動体に用いられ、熱交換器100の外部を流れる外部流体との熱交換により、冷却対象流体の冷却(放熱)を行う熱交換器100の例について説明する。
より具体的には、図1に示す本実施形態の熱交換器100は、航空機エンジン用の熱交換器であり、航空機エンジン内に搭載され、航空機エンジン内の空気流と熱交換を行う空冷式の熱交換器(冷却器)として設けられている。航空機エンジンは、ガスタービンエンジンなど、筒状のケーシング内に外部から取り込んだ空気を利用して推進力を発生するタイプのエンジンであり、ケーシング内に高速の空気流が発生する。冷却対象流体は、たとえば、エンジンの潤滑油、エンジンにより駆動させる発電機の潤滑油などである。
(熱交換器の全体構成)
図1〜図3を参照して、熱交換器100の全体構成を説明する。熱交換器100は、サーフェスクーラとして構成されている。サーフェスクーラは、中空板状のコア部1の表面に設けた放熱フィン2に沿って流れる空気流によって、コア部1の内部を流れる冷却対象流体を冷却するタイプの熱交換器である。熱交換器100は、全体として湾曲した板状形状に形成され、航空機エンジン内の湾曲面S(図2参照)に沿うように配置される。航空機エンジン内の湾曲面Sは、たとえばエンジンのファンケーシングの内周面であるが、空気流にさらされる部位であればエンジン内のどのような部位に設置されてもよい。
熱交換器100は、概ね円筒状の湾曲面Sに沿って周方向(C方向)に1/n周(nは1以上の実数)程度の長さに設けられる。たとえば、熱交換器100は、1/8周程度の長さに形成されるが、熱交換器100は、航空機エンジン内の湾曲面Sの実質的に全周にわたって延びる円環状形状であってもよい。空気流は、概ね航空機エンジン内の軸方向(タービンの回転軸方向)であるA方向(図1参照)に沿って流れる。航空機エンジン内の湾曲面Sは、必ずしも完全な円筒状曲面にはならないため、その場合の熱交換器100の曲率半径は、軸方向(A方向)の位置によって異なる。
図1および図2に示したコア部1は、航空機用エンジン内の湾曲面Sに沿う湾曲形状を有する。コア部1は、湾曲面Sと対向する側の第1表面11a(図2参照)と、第1表面11aとは反対側の第2表面12a(図2参照)とを有する中空板状の形状を有する。コア部1の内部には、流路3(図3参照)が形成されている。
図3に示すように、コア部1は、一対の板状のベース部10を板厚方向に重ね合わせて構成されている。具体的には、一対のベース部10は、第1表面11a側の第1ベース部11と、第2表面12a側の第2ベース部12とを含んでいる。なお、第1ベース部11および第2ベース部12は、それぞれ、特許請求の範囲の「ベース部」の一例である。第1ベース部11の外表面が第1表面11aであり、第2ベース部12の外表面が第2表面12aである。第2ベース部12の内表面には、凹部からなる流路3が形成されており、流路3内にコルゲートフィン31が配置されている。流路3の開放面側が第1ベース部11によって覆われることにより、コア部1の内部に冷却対象流体を流通させる流路3が構成されている。
流路3は、往路3aと復路3bとを含んだ折り返し形状を有する。往路3aおよび復路3bは、第2ベース部12の内面側に形成された周壁12bおよび仕切部12cによって区画されている。往路3aは、コア部1の長手方向(C方向)の一端から他端にわたって延び、復路3bは、コア部1の長手方向の他端から一端にわたって延びる。往路3aと復路3bとは、コア部1の他端側で連通している。第1ベース部11の長手方向の一端部に、流入ポート13aと流出ポート13bとを有するヘッダ部13が設けられている。流入ポート13aは、コア部1の一端側において往路3aと外部とを連通させる。流出ポート13bは、コア部1の一端側において復路3bと外部とを連通させる。流入ポート13aおよび流出ポート13bの各々は、図示しない冷却対象流体の流通経路に接続される。
コルゲートフィン31は、流路3(往路3a、復路3b)の延びる方向と直交する方向(流路幅方向)に波状に形成された板状フィンである。コルゲートフィン31は、厚み方向の両側の第1ベース部11および第2ベース部12とそれぞれ接合され、流路3の内部を複数の微細な流路に区画している。
複数の放熱フィン2は、第1ベース部11の第1表面11aおよび第2ベース部12の第2表面12aの少なくとも一方に形成される。図1〜図3の構成例では、複数の放熱フィン2が第1ベース部11および第2ベース部12の両方に設けられている。複数の放熱フィン2は、第1ベース部11(第1表面11a)および第2ベース部12(第2表面12a)の一方にのみ設けられてもよい。
各放熱フィン2は、板状形状を有する。各放熱フィン2は、第1ベース部11および第2ベース部12の各表面(11a、12a)から略垂直な方向に立ち上がるように設けられている。各放熱フィン2は、互いに間隔を隔てて並んで配列されるとともに、ベース部10(11、12)の表面に沿って延びるように設けられている。具体的には、各放熱フィン2は、互いに略平行に、略等間隔(略等ピッチ)で設けられている。図1において、複数の放熱フィン2は、コア部1の短手方向(A方向)に向けて延びている。なお、複数の放熱フィン2は、軸方向(A方向)に対して傾斜してもよい。また、複数の放熱フィン2は、平行でなくてもよく、フィン間の間隔も一定でなくてもよい。個々の放熱フィン2の構造については、後述する。
それぞれの放熱フィン2は、ベース部(第1ベース部11および第2ベース部12)とは別個に形成された上で、第1ベース部11および第2ベース部12の各々に接続されている。コア部1は、たとえば、第1ベース部11、第2ベース部12、各放熱フィン2、コルゲートフィン31を組み立ててろう付けなどによって互いに接合することにより、形成される。
図3に示したように、冷却対象流体は、ヘッダ部13の流入ポート13aからコア部1の内部の流路3に流入する。冷却対象流体は、流路3内でコルゲートフィン31によって区画された微細な流路部分に分配されて、往路3a、復路3bを順に流れる。一方、コア部1の外側では、航空機エンジンの稼働に伴って、高速の空気流がコア部1の表面の各放熱フィン2に沿って通過する。その結果、コア部1の内部(流路3内)を流れる冷却対象流体と、外部の空気流との間で、コア部1および各放熱フィン2を介して熱交換が行われる。つまり、高温の冷却対象流体の熱がコルゲートフィン31、第1ベース部11および第2ベース部12を介して各放熱フィン2に伝達し、各放熱フィン2から外部の空気流に対して放出される。冷却された冷却対象流体は、ヘッダ部13の流出ポート13bから熱交換器100の外部に流出し、冷却対象流体が利用される装置(エンジンや発電機など)に戻される。
(放熱フィン)
次に、本実施形態による熱交換器100の放熱フィン2の構成について説明する。図1〜図3に示した熱交換器100の個々の放熱フィン2は、詳細には図4に示したような形状に形成されている。図4は、放熱フィン2の延びる方向(A方向)に対して直交する断面における放熱フィン2の形状を示している。図4の下側が、ベース部10(第1ベース部11または第2ベース部12)の表面(11aまたは12a)側である。以下、放熱フィン2がベース部10の表面から突出するZ方向(表面と直交する方向)を放熱フィン2の高さ方向とする。図4の左右方向が放熱フィン2の厚み方向であり、高さ方向および厚み方向と直交する奥行き方向(長手方向)は、A方向に一致する。なお、図1〜図3では、便宜的に、各放熱フィン2を単純な平板状形状として簡略化して図示している。
〈放熱フィンの構成材料〉
図4に示すように、放熱フィン2は、一方表面2aおよび他方表面2bを構成する第1伝熱材21と、第1伝熱材21により外表面が覆われた第2伝熱材22と、を含んで構成された板状部材である。すなわち、放熱フィン2は、一方表面2a側および他方表面2b側の第1伝熱材21によって第2伝熱材22を内包した多層構造を有している。詳細は後述するが、放熱フィン2は、一対の平板状の第1伝熱材21の間に、平面視で第1伝熱材21よりも小さい平板状の第2伝熱材22を配置(図9参照)して第1伝熱材21同士を接合(図10参照)することにより形成されている。
第1伝熱材21と第2伝熱材22とは、互いに異なる材料によって構成されている。放熱フィン2の外表面を構成する第1伝熱材21には、熱伝導率のみならず、航空機エンジン内の振動や高速な空気流にも耐えられる強度、外部空気や水分との接触による腐食を抑止可能な耐食性、第1ベース部11および第2ベース部12との接合性(接合の容易さおよび接合強度)などを兼ね備えた、総合的な性能が要求される。これに対し、第2伝熱材22は、第1伝熱材21によって内包されているため、たとえば強度、耐食性や接合性についての制約が少なくて済む分、より高い熱伝導率を有する材料を採用しうる。そこで、本実施形態では、第2伝熱材22は、第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有する材料によって構成されている。
本実施形態では、第1伝熱材21は、アルミニウムまたはアルミニウム合金により構成されている。以下では、アルミニウムまたはアルミニウム合金をまとめて、アルミ材と表記する。
第2伝熱材22は、第1伝熱材21と同一または同種の金属材料と、第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有する材料とを含む複合材料により構成されている。第1伝熱材21はアルミ材により構成されているので、第2伝熱材22は、金属材料としてアルミ材を含む。第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有する材料として、黒鉛(グラファイト)、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、C/Cコンポジットなどの炭素材料、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素などの高熱伝導材料がある。金属材料と高熱伝導材料との複合材料を採用することによって、第1伝熱材21よりも高い熱伝導性能を有しながら、第2伝熱材として必要な強度等の性能を制御できる。
より具体的には、本実施形態では、第2伝熱材22は、外表面(第1伝熱材21との界面IF、図6参照)においてアルミ材と、第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有する材料とが混在するように形成された金属基複合材料により構成されている。そして、本実施形態では、第2伝熱材は、第1伝熱材よりも高い熱伝導率を有する材料として炭素材料を含む。炭素材料としては、たとえば黒鉛である。金属基複合材料は、基材である金属材料(アルミ材)中に、異なる材料(炭素材料)を一体的に含有させた材料であるが、体積割合としてアルミ材と炭素材料とのいずれが大きくてもよい。
第2伝熱材22に用いる金属基複合材料は、たとえばアルミ材と炭素材料の粉末を混合して焼結する方法や、多孔性のある炭素材料の押出材や炭素繊維の成形体(プリフォーム)に対して、金属材料の溶湯を流し込み加圧する加圧含浸法などにより作成され得るが、作成方法は特に限定されない。
このように構成された第2伝熱材22は、機械的性質が第1伝熱材21に近く、第1伝熱材21よりも軽量(低比重)でかつ熱伝導率が高い。そのため、第1伝熱材21および第2伝熱材22により構成される放熱フィン2は、放熱性能が高いだけでなく高い強度や軽量さが要求される航空機用の熱交換器100に、特に適している。
〈放熱フィンの構造〉
図4に示すように、放熱フィン2は、第1部分20aと、第1部分20aよりも厚みが小さい第2部分20bと、を有する。第1部分20aは、ベース部10(第1ベース部11または第2ベース部12)の表面から立ち上がる根元側部分である。第2部分20bは、放熱フィン2のうちで第1部分20aよりも先端側に配置された部分である。第2部分20bは、放熱フィン2の先端部を構成している。
第1部分20aは、放熱フィン2のうちで、第1伝熱材21および第2伝熱材22を含む部分である。すなわち、第1部分20aは、一方表面2a側の第1伝熱材21aと、他方表面2b側の第1伝熱材21bと、これらの第1伝熱材21aおよび21bの間の第2伝熱材22とを含んだ多層構造を有する。第1部分20aは、高さ寸法h1および厚みt1を有する。
図4に示す例では、一方表面2a側の第1伝熱材21aと、他方表面2b側の第1伝熱材21bとは、略等しい厚みt3を有する。第2伝熱材22は、厚みt3よりも大きい厚みt4を有する。これにより、第1部分20aに占める第2伝熱材22の割合が大きくなるので、放熱フィン2の放熱性能を向上させることが可能である。第1伝熱材21は、内側に配置された第2伝熱材22との界面が外部に露出しないように覆う被覆材としての機能を有する。そのため、第1伝熱材21の厚みt3は、被覆材としての機能を確保可能な程度の厚みが設定される。第2伝熱材22の厚みt4は、第1伝熱材21の厚みt3を確保した上で、極力大きくなるように設定されるが、厚みt3以下でもよい。
本実施形態では、第1部分20aの第1伝熱材21と第2伝熱材22とは、互いに接触した状態で相互に接合されている。すなわち、第1部分20aにおいて、第1伝熱材21と第2伝熱材22とは、ろう材や接着剤などの接合材を介在することなく、直接接触した状態で接合されている。なお、通常、炭素材料などの高熱伝導材とアルミ材などの金属材料とは接合することが困難である。これに対して、本実施形態では、金属基複合材料により構成された第2伝熱材22が、微視的には、図6に示すように外表面(界面IF)においてアルミニウム相41と炭素材料相42とが混在した状態となっている。第1伝熱材21の方は、アルミ材の相43により構成されている。そのため、第1伝熱材21と第2伝熱材22とは、界面IFにおいて、共通するアルミニウムの部分(相41および相43)で合金を形成して接合される。第2伝熱材22では、アルミニウム相41と炭素材料相42とが混在するため、接合されたアルミニウム相41の組織のアンカー効果によって、炭素材料相42の部分も一体的に固定および保持される。
図4に戻り、第2部分20bは、放熱フィン2のうちで、第1伝熱材21を含む部分である。すなわち、第2部分20bは、一方表面2a側の第1伝熱材21aと、他方表面2b側の第1伝熱材21bとを含む。第2部分20bは、第2伝熱材22を含まない。第2部分20bは、高さ寸法h2および厚みt2を有する。図4の例では、第2部分20bの高さ寸法h2は、第1部分20aの高さ寸法h1よりも小さい。第2部分20bの高さ寸法h2は、第1部分20aの高さ寸法h1よりも大きくてもよい。
第2部分20bにおいて、一方表面2a側の第1伝熱材21aと、他方表面2b側の第1伝熱材21bとは、相互に接合されて一体化している。このように、第2部分20bは、第2伝熱材22を含まない分だけ、第1部分20aよりも小さい厚みを有している。
なお、図4では、模式的に第1部分20aと第2部分20bとの境界部分25における厚みの変化を略直角の段差状に示しているが、必ずしも段差状になっている必要はなく、斜めに傾斜した斜面状になっていてもよい。
また、本実施形態では、放熱フィン2は、高さ方向の下端部において第2伝熱材22を含まない接続部23によりベース部10(第1ベース部11または第2ベース部12)に接続されている。すなわち、第1部分20aよりもベース部10側には、接続部23が設けられている。放熱フィン2は、この接続部23において、ベース部10(第1ベース部11または第2ベース部12)に接続されている。
接続部23における放熱フィン2とベース部10との接続は、ろう付けなどの冶金的接合、または、カシメ、ボルトによる締結などの機械的接合を採用できる。図4の例では、ろう付けによって放熱フィン2の接続部23とベース部10とが一体化されている。これにより、接続部23においてベース部10と放熱フィン2との間が一体化し、カシメなどの機械的接合により接続されている場合と比べて高い熱伝達性能を確保できる。
なお、接続部23は、第1伝熱材21により構成されている。そして、ベース部10が、第1伝熱材21と同一または同種の材料により形成されている。すなわち、ベース部10と接続部23(第1伝熱材21)とが、同一または同種のアルミ材により構成されている。そのため、接続部23を構成する第1伝熱材21とベース部10とは、ろう付けなどの冶金的接合によって合金を形成し、容易かつ強固に接合可能である。
熱交換器100では、このような構成の放熱フィン2が、図4に示すように、略等間隔で並んで配置されている。各放熱フィン2は、高さ方向(Z方向)の根元側の第1部分20aと先端側の第2部分20bとの厚みの相違に起因して、高さ方向(Z方向)において先端に向かって先細りとなる断面形状を有している。根元側の第1部分20aは、相対的に大きい厚みt1を有し、かつ中心に熱伝導率の高い第2伝熱材22が高さ方向に延びるため、コア部1側(ベース部10側)からの入熱を効率よく先端側まで伝えることが可能である。先端側の第2部分20bは、相対的に小さい厚みt2を有しているため、隣り合う放熱フィン2の間隔(隙間)が、第1部分20aのD1から、第2部分20bではD2に拡大している。これにより、航空機エンジン内の空気が放熱フィン2に沿って流れる際の空気抵抗が抑制されるので、放熱フィン2の空気抵抗が航空機エンジンの推力を低下させる影響を軽減することができる。
また、図5に示すように、本実施形態では、放熱フィン2は、第3部分20cを有する。第3部分20cは、ベース部10の表面に沿って延びる方向(A方向、放熱フィン2の長手方向)の両端の端縁部24に設けられ、第1伝熱材21を含み第1部分20aよりも厚みが小さい。第3部分20cは、第2伝熱材22を含まない。このため、第1部分20aは、A方向において、両端の端縁部24の間(両端の第3部分20cの間)に設けられている。第2伝熱材22を含まない領域(第2部分20b、第3部分20c、接続部23)は、第1部分20aの周囲を取り囲むように、第1部分20aの周縁に沿って設けられている。
このため、図7に示すように放熱フィン2の端縁部24を高さ方向(Z方向)から見ると、第3部分20cが設けられた端縁部24におけるフィン間隔D2が、第1部分20aが設けられた位置におけるフィン間隔D1よりも大きくなっている。放熱フィン2は、航空機エンジン内の軸方向(A方向)に沿って延びているため、航空機エンジン内を流れる空気Gが、放熱フィン2の一方側の端縁部24から流入し、放熱フィン2に沿ってA方向に進んで、他方側の端縁部24から流出する。そのため、本実施形態では、端縁部24におけるフィン間隔D2が拡大している形状によって、熱交換器100の外部を流れる空気を放熱フィン2間の隙間に誘い込み、空気Gの流量を増大させる作用が得られる。
(熱交換器の製造方法)
次に、図8〜図12を参照して、本実施形態による熱交換器100の製造方法について説明する。
本実施形態の熱交換器100の製造方法は、少なくとも、以下の各工程(1)〜(3)を備える。(1)一対の平板状の第1伝熱材21の間に、第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有する平板状の第2伝熱材22を配置する工程。(2)一対の第1伝熱材21の対向面同士を接合することにより、第2伝熱材22の外表面が覆われた放熱フィン2を形成する工程。(3)第1伝熱材21および第2伝熱材22を含む第1部分20aに対して、第2伝熱材22を含まずに第1伝熱材21を含み第1部分20aよりも厚みが小さい第2部分20bが、第1部分20aよりも高さ方向の先端側となるように放熱フィン2をベース部10に接続する工程。
工程(1)では、図8および図9に示すように、まず一対の第1伝熱材21と、平面視で第1伝熱材21よりも小さい第2伝熱材22とが準備される。図8は、一対の第1伝熱材21により第2伝熱材22を挟み込んで所定位置に配置した状態の平面図であり、図9は、図8の第1伝熱材21および第2伝熱材22を端面方向から見た図である。
第1伝熱材21および第2伝熱材22は、形成される放熱フィン2(図4および図5参照)の高さおよび長さに応じた寸法に形成される。第1伝熱材21の縦横寸法は、放熱フィン2の総高さ、および長手方向(A方向)の長さL1(図5参照)に対応する。第2伝熱材22の縦横寸法は、第1部分20aの高さ寸法h1および長手方向(A方向)の長さL2(図5参照)に対応する。
平面視において、第2伝熱材22は、第1伝熱材21の各辺から所定距離だけ内側に位置するように配置される。この際、図8における第2伝熱材22の上辺と図8における第1伝熱材21の上辺との間隔d1が、第2部分20bの高さ寸法h2の分だけ確保される。図8における第2伝熱材22の左右各辺と図8における第1伝熱材21の左右各辺との間隔d2、d3が、それぞれ、A方向における端縁部24の長さL3(図5参照)の分だけ確保される。図8における第2伝熱材22の下辺と図8における第1伝熱材21の下辺との間隔d4が、接続部23のために確保する接続しろの分だけ確保される。
工程(2)は、細分化すると2段階の処理を含みうる。すなわち、図10に示すように、第2伝熱材22を包むように一対の第1伝熱材21を厚み方向に変形させる処理(成形処理)と、少なくとも一対の第1伝熱材21の対向面同士を接合する(接合処理)とが含まれうる。接合の方法によっては、成形処理と接合処理とは実質的に同時に行いうる。
成形処理は、特に限定されないが、たとえばプレス加工などの加圧によって塑性変形を生じさせることにより実現される。一対の第1伝熱材21を互いに近づける方向に加圧することにより、一対の第1伝熱材21の対向面OF(図9参照)同士が互いに密着される。図8の第2伝熱材22の周囲に確保された間隔d1、d2、d3、d4の接合しろの部分で対向面OF同士が密着する結果、第2伝熱材22が一対の第1伝熱材21により全面を覆われる。
図10において、接合処理は、特に限定されないが、たとえば拡散接合が採用できる。拡散接合としては、真空ホットプレスや、熱間等方圧加圧法(HIP)などがある。これらの接合法では、真空または不活性ガス環境下で、所定の高温に維持して接合面同士を加圧することにより、材料同士が一体化(接合)される。拡散接合により、一対の第1伝熱材21の対向面OF同士が接合される。本実施形態では、拡散接合によって第1伝熱材21と第2伝熱材22との界面IFも接合される。真空ホットプレスの場合、機械的に加圧(プレス)を行うため、成型処理を同時に行いうる。つまり、加圧により接合面同士を密着させるので、第2伝熱材22を包むように第1伝熱材21の加圧変形させる成型処理と、接合処理とをまとめて実施しうる。
接合方法の他の例としては、ろう付けや溶接である。ろう付けの場合、各第1伝熱材21の対向面OFにろう材(図示せず)が設けられる。予め成型処理が行われた後、ろう付けによって、第1伝熱材21の対向面OF同士、および第1伝熱材21と第2伝熱材22との界面IFが、ろう材を介して一体化される。ろう付けを行う場合、成型処理を行った段階で仮固定をしておき、後述する他の箇所のろう付け処理とともにまとめて接合処理を実施してもよい。
工程(2)によって第1伝熱材21および第2伝熱材22が接合されると、第1部分20a、第2部分20b、第3部分20cおよび接続部23を有する断面形状の放熱フィン2が得られる。第1伝熱材21のみからなる第2部分20bおよび第3部分20cは、図11に示すように、第2伝熱材22を含んだ第1部分20aの周囲を取り囲むように形成される。高さ方向(Z方向)の上端(先端)側の第2部分20bは、第1部分20aよりも高さ方向の先端側に設けられた高さ寸法h2の部分である。高さ方向の下端側の第2部分20bの長さは、接続部23のための接続しろに相当する。放熱フィン2の長手方向(A方向)における両端の第3部分20cは、端縁部24に対応している。
このように、本実施形態では、各第1伝熱材21と第2伝熱材22とを、平面視で上下左右の各方向に所望の寸法差を有するように形成および配置することにより、第1伝熱材21同士および第1伝熱材21と第2伝熱材22とを接合するだけで、図11に示した形状の放熱フィン2を得ることができる。このため、放熱フィン2に対して後加工を行うとしても、寸法誤差を修正するための加工や、ベース部10との接続のための加工等で済み、放熱フィン2の第1部分20a、第2部分20bおよび第3部分20cを削り出し等によって成形する必要がない。
工程(3)では、別途準備されたベース部10(第1ベース部11または第2ベース部12)に対して、放熱フィン2が接続される。この際、放熱フィン2の接続部23をベース部10に固定するだけで、第1部分20aに対して、第2部分20bが高さ方向の先端側となるように放熱フィン2が固定される。
ベース部10への放熱フィン2の接続方法は、特に限定されず、冶金的接合または機械的接合のいずれでもよい。たとえば図12(A)に示すように、接続部23に対応する溝14をベース部10に形成し、接続部23を溝14に嵌合させ、塑性変形によって固定するカシメによって接続してもよいし、ボルト等による締結でもよい。また、接続部23を溝14に嵌合させることによって放熱フィン2をベース部10に対して仮固定し、ろう付けまたは溶接によって放熱フィン2とベース部10とを一体化させてもよい。本実施形態では、ろう付けによる接合が採用される。航空機用途では、熱交換器100自体が航空機に搭載されて移動するため、特に強固な接続が求められる。そのため、放熱フィン2とベース部10とを一体化させて強固な接合が可能なろう付けによる接合が、航空機に搭載される熱交換器100のベース部10への放熱フィン2の接続方法として特に好適である。
ベース部10への放熱フィン2の他の接続方法として、接続部23の厚みが小さい下端部分(第2伝熱材22を含まない部分)(図11参照)を、図12(B)に示すように後加工によって除去した上で、ベース部10の表面と接合してもよい。接合方法としては、溶接やろう付けなどを採用しうる。さらに、図12(C)に示すように、下端部分を除去した接続部23を溝14に嵌合させて、溶接やろう付けなどによって接続してもよい。図12(C)では、接続部23の厚みと溝14の深さとが略一致している。この場合、接続部23を溝14に嵌合させると、放熱フィン2の第2伝熱材22の下端位置が、ベース部10の表面(第1表面11aまたは第2表面12a)と略一致する。溝14の深さをさらに大きくして、第2伝熱材22の下端位置がベース部10の内部(表面よりも内側)に到達するようにしてもよい。ベース部10への放熱フィン2の接続は、図12(A)〜(C)に示した以外の他の手法を採用してもよい。
なお、図3に示したように、第1ベース部11、第2ベース部12、コルゲートフィン31を組み立ててろう付けなどによって互いに接合することにより、熱交換器100が形成される。上記の通り、工程(3)における放熱フィン2の接続方法として、ろう付けを採用する場合には、第1ベース部11、第2ベース部12、コルゲートフィン31の組み立て(仮固定)も合わせて行い、一括してろう付けしてもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有する第2伝熱材22を放熱フィン2内部に設けるので、放熱フィン2の全体を単一材料(第1伝熱材21)により形成する場合よりも高性能の放熱フィン2が得られる。そして、第2伝熱材22が、第1伝熱材21により外表面の全体を覆われている(内包されている)ので、異種材料の界面IFが露出せず、異種材料界面における腐食の発生を抑制することができる。また、厚みの大きい第1部分20aをベース部10側に配置することによって、断面積の増大と第2伝熱材22による高い熱伝導率との両方により、放熱フィン2内部の熱伝導量を増加させることができる。また、高さ方向の先端側に、厚みの小さい第2部分20bを配置することによって、熱交換量を確保しつつ、空気流の流れ抵抗を抑制して圧力損失を低減することができる。このように、放熱フィン2の内部構造(第1伝熱材21と第2伝熱材22との配置)に起因して生じる第1部分20aと第2部分20bとの厚みの差異をそのまま利用して、所望の断面形状の放熱フィン2を得ることができるため、所望の断面形状を得るための切削加工などによって第2伝熱材22の異種材料界面(界面IF)を露出させるおそれが無い。以上の結果、本実施形態によれば、複合材料の放熱フィン2を備えた熱交換器であって、圧力損失を低減可能な断面形状を得ることができ、かつ、異種材料界面における腐食の発生も抑制可能な熱交換器100を提供することができる。
また、第1伝熱材21は、アルミニウムまたはアルミニウム合金により構成され、第2伝熱材22は、第1伝熱材21と同一または同種の金属材料と、第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有する材料とを含む複合材料により構成されているので、放熱フィン2の表面を構成する第1伝熱材21には好適なフィン材料として広く用いられるアルミニウム(合金)を用いつつ、第2伝熱材22として、第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有し第1伝熱材21とも接合可能な複合材料を用いることができる。その結果、第1伝熱材21同士を接合するだけでなく、第1伝熱材21と第2伝熱材22とを直接またはろう材や接着剤等を介して接合して、第1伝熱材21と第2伝熱材22との間の熱抵抗を小さくすることができるので、放熱フィン2の性能を向上させることができる。
また、第2伝熱材22が、外表面においてアルミ材と、第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有する材料とが混在するように形成された金属基複合材料により構成されているので、第2伝熱材22の熱伝導率を効果的に向上させることができるとともに、アルミ材を基材とすることによって、たとえば炭素材料などの熱伝導率の高い材料のみを用いる場合よりも高い強度を確保することができる。また、第1伝熱材21またはろう材に用いられるアルミニウムと第2伝熱材22の表面に存在するアルミニウムとを接合させることができる。その結果、第2伝熱材22の表面に存在するアルミニウムのアンカー効果によって、第1伝熱材21と強固に接合することができ、放熱フィン2の強度向上および熱抵抗の低減を図ることができる。
さらに、第2伝熱材22が、第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有する材料として炭素材料を含むので、熱伝導率の高い炭素材料を含有させることによって、第2伝熱材22の熱伝導率を効果的に向上させることができる。また、表面にアルミ材および炭素材料が混在する金属基複合材料を用いるので、第2伝熱材22の表面(界面IF)に存在するアルミニウムのアンカー効果によって、アルミ材などの金属材料とは接合することが困難な炭素材料を含む第2伝熱材22であっても第1伝熱材21と強固に接合できる。
特に、本実施形態では、第1伝熱材21と第2伝熱材22とが、互いに接触した状態で相互に接合されているので、第1伝熱材21と第2伝熱材22との間に別途ろう材や接着剤を設けることなく、放熱フィン2の構造を簡素化することができる。また、ろう材や接着剤を設けない分、第2伝熱材22の厚みを大きくすることができるので、放熱フィン2の放熱性能をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、ベース部10の表面に沿って延びる方向(A方向)の両端の端縁部24に、第1伝熱材21を含み第1部分20aよりも厚みが小さい第3部分20cを設けるので、放熱フィン2の形成時に第1部分20aの外周側に形成される第3部分20cをそのまま利用して、放熱フィン2のベース部10の表面に沿って延びる方向の両端の端縁部24にも、厚みの小さい第3部分20cを設ける事ができる。この端縁部24において放熱フィン2の厚みが小さくなることによって、入口部分の隙間(間隔D2)を拡大して外部流体を誘い込む作用を得ることができる。その結果、各放熱フィン2の間の隙間(間隔D2)に流入する外部流体の流量を増大させることができるので、熱交換器100の性能をさらに向上させることができる。
また、ベース部10が、第1伝熱材21と同一または同種の材料により形成され、放熱フィン2は、高さ方向の下端部において第2伝熱材22を含まない接続部23によりベース部10に接続されているので、第1部分20aの周囲に形成される第2部分20bの一部を接続部23として利用して、第2伝熱材22とベース部10との異種材料界面を露出させることなく放熱フィン2をベース部10に接続することができる。これにより、第1伝熱材21とベース部10とを容易かつ強固に接合することができるとともに、接続部23の腐食を抑制することができる。
また、放熱フィン2が、一対の平板状の第1伝熱材21の間に、平面視で第1伝熱材21よりも小さい平板状の第2伝熱材22を配置して第1伝熱材21の対向面OF同士を接合することにより形成された多層構造を有するので、単純な平板形状の第1伝熱材21および第2伝熱材22を用意して、第1伝熱材21の間に第2伝熱材22を配置して第1伝熱材21の対向面OF同士を接合するだけで、容易に、第1部分20aおよび第2部分20bを有する放熱フィン2を得ることができる。
また、本実施形態の熱交換器の製造方法によれば、板状の伝熱材同士を接合するだけで、上記した構成の熱交換器100を得ることができる。すなわち、上記したように、一対の第1伝熱材21の間に第2伝熱材22を挟んで第1伝熱材21の対向面同士を接合することによって、一対の第1伝熱材21と第2伝熱材22とを含む厚みの大きい第1部分20aの周囲に、第2伝熱材22が存在せず一対の第1伝熱材21同士が接合された厚みの小さい部分が形成されるので、厚みの大きい第1部分20aをベース部10側に配置し、厚みの小さい部分を第2部分20bとして先端側に配置することによって、異種材料界面における腐食の発生を回避しつつ、熱交換量を確保し、外部流体の流れ抵抗を抑制して圧力損失を低減することが可能な放熱フィン2(熱交換器100)を得ることができる。また、第1部分20aと第2部分20bとの厚みの差異をそのまま利用して、第1伝熱材21および第2伝熱材22を含む第1部分20aに対して、第1伝熱材21を含み第1部分20aよりも厚みが小さい第2部分20bが、第1部分20aよりも高さ方向の先端側となる所望の断面形状の放熱フィン2を得るため、上記所望の断面形状を得るための切削加工などによって第2伝熱材22の異種材料界面(界面IF)を露出させるおそれが無い。さらに、板状の伝熱材同士を接合するだけで、第1部分20aと第2部分20bとを有する放熱フィン2が得られるので、所望の断面形状の放熱フィン2を得るための後加工が不要であるか、必要な場合でも最小限で済ますことができ、工数の増大を抑制することができる。これらの結果、複合材料の放熱フィン2を備えた熱交換器であって、工数の増大を抑制しつつ圧力損失を低減可能な断面形状を得ることができ、かつ、異種材料界面における腐食の発生も抑制可能な熱交換器100を提供することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、サーフェスクーラである熱交換器の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、放熱フィンを備えた熱交換器であればよく、サーフェスクーラ以外の各種のヒートシンクに適用してもよい。その場合、航空機エンジン内の湾曲面Sに沿って熱交換器を設ける必要はない。熱交換器は、航空機以外の移動体に設けてもよいし、移動体以外の固定設置される装置等に設けられてもよい。
また、上記実施形態では、冷却対象流体として、エンジンの潤滑油や発電機の潤滑油などである例を示したが、本発明はこれに限られない。冷却対象流体の種類は特に限定されない。冷却対象流体は、どのような流体であってもよい。また、冷却対象は流体である必要はなく、装置の発熱箇所や電気回路を構成する半導体素子または部品等であってもよい。
たとえば図13に示した変形例では、熱交換器200は、半導体素子などの冷却対象110の上面上に配置されるヒートシンクである。ベース部10は、平板状の板部材であり、冷却対象110の上面と熱的に接続されている。熱交換器200は、固定設置されており、図示しない送風ファンなどの強制送風による空気流との熱交換により、冷却対象110を冷却する。固定設置されるタイプの熱交換器200では、外部流体が空気以外である水冷方式などであってもよい。
また、上記実施形態では、第1伝熱材21がアルミ材(アルミニウムまたはアルミニウム合金)により構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1伝熱材が、ステンレス鋼、チタン、銅、インコネル(登録商標)などから構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、ベース部10が、第1伝熱材21と同一または同種の材料により形成され、接合時に合金を形成して一体化しうるようにした例を示したが、本発明はこれに限られない。ベース部が、第1伝熱材とは異なり合金を形成し難い材料によって構成されていてもよい。その場合は、ろう付けや溶接などの冶金的接合ではなく、カシメや締結などの機械的接合により放熱フィンをベース部に接続すればよい。
また、上記実施形態では、第2伝熱材22が第1伝熱材21と同一または同種の金属材料と、第1伝熱材21よりも高い熱伝導率を有する材料とを含む複合材料により構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2伝熱材が、第1伝熱材とは異なる単一材料、または第1伝熱材の構成材料を含まない複合材料によって構成されていてもよい。たとえば、第2伝熱材が炭素材料のみ(炭素材料を所定形状に成型するための添加物を含みうる)によって構成されていてもよいし、炭化ケイ素などのセラミック材料によって構成されていてもよい。したがって、第2伝熱材22は、アルミニウムおよび炭素材料を含有する金属基複合材料以外の材料によって構成されていてもよい。
なお、第1伝熱材21の構成材料と、第2伝熱材22の構成材料との組み合わせによっては、第1伝熱材21と第2伝熱材22とが相互に接合し難い場合があるが、第1伝熱材21と第2伝熱材22とは、互いに接触した状態で相互に接合しなくてもよい。第2伝熱材22が第1伝熱材21によって全体を覆われて固定されるため、第1伝熱材21と第2伝熱材22とが面接触しているだけの状態でもよい。第1伝熱材21と第2伝熱材22とがろう材を介して接合しうる場合には、第1伝熱材21と第2伝熱材22との間にろう材を設けてもよい。
また、上記実施形態では、複数の放熱フィン2の各々が図4に示したような所定形状に形成される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、放熱フィンが第1部分および第2部分を有していれば、全ての放熱フィンが同じ形状に形成されている必要はなく、各放熱フィンの形状が互いに異なっていてもよい。たとえば、第1部分と第2部分との高さ寸法や厚みの比率が異なっていたり、総高さや最大厚みが異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、放熱フィン2が、1つの第1部分20aと1つの第2部分20bとを有する構成例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2部分20bよりも先端側に、さらに厚みが小さい部分をさらに設けることにより、厚みが複数段階で絞られる形状となるように放熱フィンを形成してもよい。この場合の第2部分20bよりも厚みが小さい部分は、例えば、放熱フィンの形成に伴って形成される第2部分の一部に対してプレス加工を行うなどにより形成されうる。