JP2020007900A - ボラード - Google Patents

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Abstract

【課題】用水路等へ転落してしまった際や、洪水や津波等の災害時において、救命具として利用できるボラードを提供する。【解決手段】施工面に立設するための芯棒100と、下端面に設けられた芯棒挿入口202から内側の芯棒挿入孔201に芯棒100を挿入することにより芯棒100の外周面を覆った状態とする筒状のカバー200とを備えたボラード10において、カバー200を、ボラード10の設置後も芯棒100から取り外し可能な状態で芯棒100に取り付けるようにし、平常時にはボラード10として使用しながらも、非常時には芯棒100から取り外したカバー200を救命用フロートとして使用することができるようにした。【選択図】 図3

Description

本発明は、ボラードに関する。
用水路等への転落事故は、日本全国において毎年相当数発生しており、中には死亡者が出るケースもある。例えば、岡山県下では、2016年9月15日から2017年9月30日までの約一年間に用水路や側溝への転落事故が298件発生しており、うち22件が死亡事故であった。このような事故を防止するためには、道路と用水路等との境界部分等に柵を設けることも考えられるが、大きなコストがかかることが問題となっている。また、柵を設けた場合には、用水路等からの農業用水の引き込みや用水路等の掃除がしにくくなるといった問題もある。
そこで、道路と用水路等との境界部分にボラードを設置して転落事故の防止が図られることもある。このようなボラードとしては、例えば、特許文献の図1に記載のものが挙げられる。しかし、このようなボラードは、通常数十センチメートルから数メートルおきに設置されるものであり、その間に障壁となるものが無いため、道路と用水路等との境界を認識させることはできても、転落事故自体を防ぐことはできない。このため、ボラードを施工した用水路等においても人や自転車が転落し、場合によっては死亡事故や重大事故につながることもある。
特許第5762910号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、用水路等への転落を防止することができるだけでなく、万一転落してしまった際に救命具として利用することのできるボラードを提供するものである。また、洪水や津波等の災害時においても救命具として利用することができるボラードを提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
施工面に立設するための芯棒と、
下端面に設けられた芯棒挿入口から内側の芯棒挿入孔に芯棒を挿入することにより芯棒の外周面を覆った状態とする筒状のカバーと
を備えたボラードであって、
カバーが、ボラードの設置後も芯棒から取り外し可能な状態で芯棒に取り付けられ、
平常時にはボラードとして使用しながらも、非常時には芯棒から取り外したカバーを救命用フロートとして使用することができる
ことを特徴とするボラード
を提供することによって解決される。
これにより、用水路等へ転落したときには、カバーを芯棒から取り外して救命用フロートとして転落した人の近くに投げ入れることで、転落した人がこれに掴まって溺れないようにすることができる。また、転落した人が溺れることを防ぐだけでなく、二次的な事故を防ぐこともできる。というのも、転落した人を助けようとして救助人が用水路内に入った結果、その救助人も溺れてしまうという事態も想定されるところ、本発明のボラードを用いれば、救助者が用水路内に入らなくても転落した人を助けることができるからである。加えて、本発明のボラードは、洪水や津波等の災害時においても有用なものとなっている。というのも、災害時においては、いつどこで救命が必要となるか分からないところ、本発明のボラードは路上の至るところに常設されるものであるため、突然の災害に見舞われた場合であっても、近くに設置されたボラードからカバーを取り外して、すぐに救命用フロートとして使用することが可能だからである。なお、本明細書においては、カバーを芯棒に取り付けた状態で本発明のボラードを使用する際のことを「平常時」と表現し、カバーを芯棒から取り外して救命用フロートとして使用する際のことを「非常時」と表現することがある。
本発明のボラードにおいて、カバーを芯棒に取り付ける方法は特に限定されないが、芯棒の外周部に設けられた第一嵌合部を、カバーの内周部に設けられた第一被嵌合部に嵌合させることにより、カバーを芯棒に取り付けることができるようにすると好ましい。というのも、本発明のボラードのカバーを救命用フロートとして使用する際には、一刻を争う事態が予想されるため、ドライバーやスパナ等の器具を用いることなくカバーを芯棒から簡単に取り外せるようにしておく必要があるところ、このような取り付け構造を採用することで、平常時にはカバーを芯棒にしっかりと取り付けることができるとともに、救命用フロートが必要となった際にはカバーを芯棒から簡単に取り外すことが可能になるからである。なお、第一嵌合部と第一被嵌合部とは、互いに着脱自在に嵌合可能な構造となっていれば、その具体的な構造を限定されないが、通常、凸部と凹部との嵌合構造とされる。第一嵌合部と第一被嵌合部は、どちらを凸部とし、どちらを凹部としてもよい。
本発明のボラードにおいては、芯棒から外したカバーをそのまま救命用フロートとして使用するようにしてもよいが、その場合には芯棒挿入口から芯棒挿入孔に入り込んだ水がカバーの浮力を低下させるおそれがある。このため、本発明のボラードにおいては、カバーにおける芯棒挿入孔の上端側を閉塞された閉塞部とするとともに、カバーを救命用フロートとして使用する際に芯棒挿入口を塞ぐためのキャップを備えるとより好ましい。これにより、芯棒挿入孔に水が流入しないようにして、カバーの浮力を維持することができる。
上記のように、芯棒挿入口を塞ぐためのキャップを備える場合において、キャップを芯棒挿入口に取り付けるための取付構造は特に限定されないが、上述したようにカバーの内周部に第一被嵌合部を設ける場合には、キャップの外周部に第二嵌合部を設け、これをカバーにおける第一被嵌合部に嵌合させることにより、キャップを芯棒挿入口に取り付けて芯棒挿入口を塞ぐことができるようにすると好ましい。これにより、カバー等の構造をシンプルなものとすることができる。
このような場合においては、更に、平常時にキャップを取り付けておくためのキャップ取付凹部をカバーにおける閉塞部の上面側に設け、キャップにおける第二嵌合部を、キャップ取付凹部の内周部に設けられた第二被嵌合部に嵌合させることにより、キャップをキャップ取付凹部に取り付けておくことができるようにすると好ましい。これにより、平常時にはキャップをカバーの上端部分と一体化させておくことができ、キャップを、いつでも使える状態で、かつボラードの通常の機能を妨げることなく、格納しておくことができる。
本発明のボラードにおいては、カバーを発泡樹脂又は発泡ゴムで形成すると好ましい。これにより、カバーのクッション性を高めることができるとともに、カバーの比重を小さくすることができ、カバーの浮力をより大きくすることができる。
本発明のボラードにおいては、カバーの外面を樹脂膜又はゴム膜で覆うようにするとより好ましい。これにより、カバーの強度及び防水性を高めることができる。また、カバーを発泡樹脂又は発泡ゴムで形成する場合には、その発泡孔に水が入り込まないようにすることができる。
本発明のボラードにおいては、カバーの外面に、畜光材又は光を反射する反射材を設けるようにするとより好ましい。これにより、夜間や悪天候時におけるボラードの視認性を高めることができる。
本発明のボラードにおいては、救命用フロートとして使用される部分に、GPS受信機を設けるようにするとより好ましい。これにより、洪水や津波等の災害時や、流れの速い川等において救命用フロートが使用されたために、救命用フロートが元の設置場所から離れた箇所に流された場合であっても、その救命用フロートの位置を正確に特定して、要救助者を迅速に救助することが可能になる。
本発明のボラードにおいては、救命用フロートとして使用される部分に、救命用フロートの傾きを測定する姿勢センサを設けるようにするとより好ましい。これにより、ボラードの姿勢を知ることができ、ボラードがどのような状態にあるのかをより高い精度で判別することが可能になる。
本発明のボラードにおいては、救命用フロートとして使用される部分に、救命用フロートが水没したことを検知する水没センサを設けるようにするとより好ましい。これにより、救命用フロートが救助のために水に投げ入れられたことや、ボラードの周辺が浸水してボラードが水没したことを検知することができる。
本発明のボラードにおいては、救命用フロートとして使用される部分に、カバーが芯棒から取り外されたことを検知する取外検知センサを設けるようにするとより好ましい。これにより、そのボラードのカバーがフロートとして使用されているか否かを高い確度で判別することが可能になる。というのも、カバーをフロートとして使用する際には、必ずカバーを芯棒から取り外す必要があるからである。また、前述した姿勢センサや水没センサによって得られる情報と組み合わせることによって、その確度をより高めることができる。
以上のように、本発明によって、用水路等への転落を防止することができるだけでなく、万一転落してしまった際に救命具として利用することのできるボラードを提供することが可能になる。また、洪水や津波等の災害時においても救命具として利用することができるボラードを提供することも可能になる。
施工後の第一実施態様のボラードを、ボラードの中心線を含む平面で切断した断面図である。 第一実施態様のボラードを分解した様子を示した斜視図である。 第一実施態様のボラードを分解した様子を、ボラードの中心線を含む平面で切断した断面図である。 第一実施態様のボラードにおいて、カバーを芯棒に取り付ける様子を示した一部破断斜視図である。 第一実施態様のボラードにおいて、芯棒挿入口をキャップで塞いだ状態のカバーを、カバーの中心線を含む平面で切断した断面図である。 第二実施態様のボラードにおいて、カバーを芯棒に取り付ける様子を示した斜視図である。 第三実施態様のボラードにおいて、カバーを芯棒に取り付ける様子を示した斜視図である。 第四実施態様のボラードを分解した様子を、図3と同じ平面で切断した断面図である。 第四実施態様のボラードの構成を示すブロック図である。 第五実施態様のボラードを分解した様子を、図3と同じ平面で切断した断面図である。
1.第一実施態様
本発明の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。図1は、施工後の第一実施態様のボラード10を、ボラード10の中心線を含む平面で切断した断面図である。図2は、第一実施態様のボラード10を分解した様子を示した斜視図である。図3は、第一実施態様のボラード10を分解した様子を、ボラード10の中心線を含む平面で切断した断面図である。本実施態様のボラード10は、図1に示すように、芯棒100と、カバー200とを備えたものとなっており、カバー200の上端部には、後述するキャップ210が着脱可能に取り付けられている。カバー200は、後述するように、芯棒100から外して救命用フロートとして使用することができるものとなっている。
芯棒100は、芯材としてボラード10の強度を確保するとともに、ボラード10を施工面に固定するための部材となっている。芯棒100を施工面に固定する方法は、特に限定されず、ボルト等で固定するようにしてもよいが、本実施態様においては、図1に示すように、芯棒100の下端側に設けられた埋設部110を施工面に埋設することによって芯棒100を施工面に固定している。芯棒100における埋設部110よりもやや上方に位置する部分の外周部には、第一嵌合部120を設けている。この第一嵌合部120は、後述するカバー200の第一被嵌合部205と嵌合させるための部分となっている。芯棒100の素材は特に限定されず、樹脂やゴム、木、金属等とすることができる。芯棒100の素材を金属とする場合には、芯棒100を中空状(パイプ状)に形成すると、芯棒100を軽量化することができ、原料の節約にもなるため好ましい。本実施態様においては、環境負荷を低減するため、芯棒100を再生樹脂で形成している。
カバー200は、平常時においては、図1に示すように芯棒100の外周面を覆った状態で使用され、緩衝材として機能する一方、非常時には、芯棒100から取り外して救命用フロートとして使用することができるものとなっている。カバー200の外部形状は、芯棒100の外周面を覆うことができるようになっていれば特に限定されず、球状や多角柱状や不定形の柱状であってもよいが、本実施態様においては、図2に示すように円柱状としている。また、カバー200は、芯棒100の外周面の全部を覆うものである必要はなく、芯棒100の一部を露出させるものであってもよい。
カバー200は、図3に示すように、その内部が空洞状の芯棒挿入孔201となっている。この芯棒挿入孔201の下端側は、カバー200の下端面に設けられた芯棒挿入口202を通じて外部に開放された状態となっている。このため、この芯棒挿入口202を通じて芯棒挿入孔201内に芯棒100を挿入することができるようになっている。一方、芯棒挿入孔201の上端側は、カバー200の上端部に設けられた閉塞部203によって閉塞された状態となっている。この閉塞部203の上面には、後述するキャップ210を取り付けるためのキャップ取付凹部204を設けている。
芯棒挿入孔201の周壁(カバー200の内周部)には、第一被嵌合部205を設けており、芯棒100を芯棒挿入孔201に挿入した際に、この第一被嵌合部205に対して芯棒100の第一嵌合部120を嵌合させることができるようになっている。このように、カバー200の内周部に設けられた第一被嵌合部205に対して芯棒100の外周部に設けられた第一嵌合部120を嵌合させる構造を採用することにより、非常時にはカバー200を芯棒100から簡単に取り外すことができるとともに、平常時にはカバー200が芯棒100から不用意に外れないようにすることができるようになっている。カバー200の内周部において、第一被嵌合部205を設ける位置は特に限定されないが、第一被嵌合部205を芯棒挿入口202の付近に設けるようにすると、後述するキャップ210の第二嵌合部213を第一被嵌合部205に嵌合させやすくなるため好ましい。
図4は、第一実施態様のボラード10において、カバー200を芯棒100に取り付ける様子を示した一部破断斜視図である。第一嵌合部120と第一被嵌合部205とは、互いに着脱自在に嵌合可能となっていればその具体的な構造を限定されないが、通常、凸部と凹部との嵌合構造とされる。第一嵌合部120と第一被嵌合部205とは、どちらを凸部とし、どちらを凹部としてもよい。凸部と凹部との具体的な形状は特に限定されず、スクリュー形状等とすることもできるが、本実施態様においては、図4に示すように、第一嵌合部120を一対の突起部として形成しており、第一被嵌合部205を環状の溝部として形成している。加えて、芯棒挿入口202の縁部から第一被嵌合部205にかけて、一対の案内溝205aを設けている。なお、図4においては、カバー200を一部破断させた都合上、一対の案内溝205aのうち一方のみを表示している。
以下、第一嵌合部120と第一被嵌合部205とを嵌合させて、カバー200を芯棒100に取り付ける手順について説明する。まず、カバー200の芯棒挿入口202に芯棒100を上端側から挿入していき(矢印I)、第一嵌合部120が芯棒挿入口202の手前に来るあたりで止める。次に、一対の第一嵌合部120の位置を一対の案内溝205aの位置に合わせてから、芯棒100を矢印Iの方向へ更に押し込み、第一嵌合部120を第一被嵌合部205内に配する。この状態で、芯棒100を周方向いずれか(矢印II)に回転させる。これにより、第一被嵌合部205内における第一嵌合部120の位置を案内溝205aの位置からずらして、第一嵌合部120が第一被嵌合部205から外れないようにすることができ、カバー200が芯棒100から抜けないようにすることができる。カバー200を芯棒100から外す際には、芯棒100を周方向いずれか(矢印II)に回転させて、第一嵌合部120の位置を案内溝205aの位置に合わせてから、矢印Iとは反対方向に芯棒100を引き抜くようにする。
このような構成を採用することにより、第一嵌合部120及び第一被嵌合部205が外部から見えないようにすることができ、平常時におけるボラード10外部形状をシンプルなものとすることができる。また、子供等が不必要にカバー200を取り外す等の悪戯を防ぐこともできる。本実施態様においては、第一嵌合部120を一対の突起部として形成しているが、突起の数は2個に限定されない。しかし、突起の数を多くしすぎると、カバー200を芯棒100に着脱する際の操作性が低下するおそれがある。このため、突起の数は1個以上10個以下とすると好ましい。
図5は、第一実施態様のボラード10において、芯棒挿入口202をキャップ210で塞いだ状態のカバー200を、カバー200の中心線を含む平面で切断した断面図である。カバー200は、芯棒100から取り外したままの状態(芯棒挿入孔201が開放された状態)で、救命用フロートとして使用することもできる(以下、このような場合を「カバー200を開放型フロートとする場合」と表現することがある。)。しかし、この場合には、芯棒挿入孔201内に水が流入可能となるため、カバー200の浮力を確保するためには、カバー200の成形材料の比重を小さくするとともに、カバー200の体積をある程度大きく確保する必要があり、カバー200の設計自由度が低下するおそれがある。そこで、本実施態様においては、キャップ210を備えて、図5に示すように、このキャップ210でカバー200の芯棒挿入口202を塞ぐことができるようにしている。(以下、このような場合を「カバー200を閉塞型フロートとする場合」と表現することがある。)。これにより、芯棒挿入口202を通じて芯棒挿入孔201内に水が流入しないようにして、カバー200の浮力を大きく確保することが可能となっている。なお、キャップ210は、芯棒挿入口202を塞いだ際に、芯棒挿入孔201に水が一度に大量に流入することを防ぐことができる程度のものであればよく、芯棒挿入口202を密栓できるものである必要はない。
キャップ210を芯棒挿入口202に取り付けるための取付構造は特に限定されず、キャップ210を芯棒挿入口202に螺合させるようにすることもできる。あるいは、キャップ210の外周部と芯棒挿入口202の内周部との隙間にОリングやパッキンを介在させて、そのОリングやパッキンの押しつぶし応力によってキャップ210が芯棒挿入口202から外れないようにすることもできる。しかし、本実施態様のボラード10では、既に述べたように、芯棒100の第一嵌合部120を嵌合させるための第一被嵌合部205をカバー200における芯棒挿入口202付近の内周部に設けているところ、この第一被嵌合部205を利用してキャップ210を芯棒挿入口202に取り付けるようにすることで、カバー200等の構造をシンプルにしている。
すなわち、本実施態様においては、図2に示すように、キャップ210を、頭部211と、芯棒挿入口202に挿入するための挿入部212とで構成するとともに、挿入部212の外周部に第二嵌合部213を設けている。この第二嵌合部213の形状は、芯棒100に設けられた第一嵌合部120と同様の突起状としている。これにより、第二嵌合部213を、カバー200内壁の第一被嵌合部205に嵌合させることができるようにしている。このとき、キャップ210とカバー200とが当接する部分(例えば挿入部212の外周部や、カバー200における芯棒挿入口202の周辺)に撥水加工を施すようにすると、キャップ210と芯棒挿入口202との隙間から芯棒挿入孔201内に水が入りにくくすることができるため好ましい。第二嵌合部213と第一被嵌合部205とを嵌合させて、キャップ210を芯棒挿入口202に取り付ける手順は、上で述べた第一嵌合部120と第一被嵌合部205とを嵌合させる手順と同様のため、説明を省略する。
ところで、キャップ210は、カバー200とは別体であることに加えて、基本的には、非常時にのみ使用されるものである。このため、平常時におけるキャップ210の格納構造には工夫が必要である。というのも、キャップ210をカバー200とは分離した状態で保管等するようにした場合には、いざというときにキャップ210を利用することができないおそれがあるからである。また、キャップ210を紐やチェーンなどでカバー200に取り付けておくようにした場合には、その紐やチェーンに通行人の衣服等が絡まって転倒事故を起こすおそれや、紐やチェーンが悪戯の対象となるおそれがある。さらに、キャップ210をカバー200の外周面に取り付けた場合には、キャップ210が人や自転車の通行の妨げになるおそれや、ボラードに接触した自動車等に傷が付きやすくなるおそれがある。
この点、本実施態様においては、図1に示すように、平常時には、カバー200の上端部(閉塞部203の上面)に設けたキャップ取付凹部204にキャップ210を取り付けておくことができるようになっている。これにより、平常時にはキャップ210をカバー200の上端部と一体化させて、邪魔にならない状態でキャップ210を保管することができるようになっている。キャップ210をキャップ取付凹部204に取り付ける方法は特に限定されないが、本実施態様においては、キャップ210の挿入部212に設けられた第二嵌合部213を利用することで、キャップ210やキャップ取付凹部204の構造をシンプルなものとしている。
すなわち、本実施態様においては、キャップ取付凹部204の内周部に、第二被嵌合部206を設けている。この第二被嵌合部206は、カバー200内壁に設けられた第一被嵌合部205と同様に、一対の案内溝(図4の案内溝205aに相当する案内溝)を備えた環状の溝部としている。これにより、キャップ210の第二嵌合部213を第二被嵌合部206に嵌合させることができるようにしている。第二嵌合部213と第二被嵌合部206とを嵌合させて、キャップ210をキャップ取付凹部204に取り付ける手順は、上で述べた第一嵌合部120と第一被嵌合部205とを嵌合させる手順と同様のため、説明を省略する。
カバー200は、その大きさを特に限定されないが、救命用フロートとして使用するためには、ある程度体積を大きくすることが好ましい。浮力は、水を排除できる体積に比例するからである。このため、浮力発生有効体積(カバー200を救命用フロートとして使用する際に浮力を発生させる体積。具体的には、カバー200を開放型フロートとする場合には、カバー200の実体積をいい、カバー200を閉塞型フロートとする場合には、カバー200及びキャップ210の実体積に、芯棒挿入孔201のうち内部空洞として残る部分の体積を加えたものをいう。以下同じ。)は、通常、1500cm以上とされる。カバーの浮力発生有効体積は、3000cm以上とすると好ましく、5000cm以上とするとより好ましく、7000cm以上とするとさらに好ましい。カバー200の浮力発生有効体積は、10000cm以上とさらに大きくすることもできる。しかし、カバー200が大きくなりすぎると、ボラード10の設置場所が限られるおそれや、カバー200を芯棒100から取り外して用水路等へ投げ込む等の操作を行いにくくなるおそれがある。このため、浮力発生有効体積は、30000cm以下程度とすると好ましい。
カバー200の高さは、その設置場所に応じて適宜変更することができ、特に限定されないが、低すぎると、浮力発生有効体積を確保しにくくなる。また、カバー200に人が掴まりにくくなる。このため、ボラード10の高さは、20cm以上とすると好ましく、40cm以上とするとより好ましく、60cm以上とすると更に好ましい。しかし、カバー200の高さを高くしすぎると、自動車等の運転者の視界の妨げとなったり、通行人に圧迫感を与えたりするおそれがあるだけでなく、カバー200を芯棒100から引き抜きにくくなるおそれもある。このため、カバー200の高さは、150cm以下とすると好ましく、120cm以下とするとより好ましく、100cm以下とすると更に好ましい。本実施態様においては、カバー200の高さを80cm程度としている。
カバー200は、その材質を特に限定されない。カバー200を閉塞型フロートとする場合には、カバー200の比重を1より大きくする(例えば、1.5や3や5等)ことも可能である。しかし、カバー200をより水に浮きやすくするためには、カバー200の比重を小さくした方が好ましい。このため、カバー200は、その比重が、1未満となる材質で形成すると好ましい。カバー200の比重は、0.2以下とするとより好ましく、0.1以下とすると更に好ましく、0.05以下とするとより一層好ましい。本実施態様のボラード10においては、カバー200の比重が0.02程度となっている。
カバー200の材質は、樹脂やゴム、木、金属等とすることができる。中でも、発泡樹脂や発泡ゴム等の発泡体でカバー200を形成すると、カバー200の比重を小さくすることができるだけでなく、自動車や人等がボラード10に接触した際のクッション性を高めることもできるため好ましい。また、これらの原料として再生樹脂や再生ゴムを用いると、環境負荷を低減できるため好ましい。本実施態様のボラード10においては、カバー200を発泡スチロールで形成している。
カバー200は、上述したような材質で成形したものをそのまま使用することもできるが、その外面を樹脂膜やゴム膜で覆うようにすると好ましい。特に、カバー200を発泡体で形成する場合には、カバー200を膜で覆うことによって、その発泡孔に水が入らないようにすることができるために好ましい。樹脂膜又はゴム膜の形成方法は、特に限定されず、あらかじめ製膜されたものをカバー200の外面に貼り付けるようにしてもよいし、カバー200の外面に直接塗装するようにしてもよい。本実施態様のボラード10においては、カバー200の外面にウレタン塗装を施している。
また、カバー200の外面に、畜光材や、光を反射する反射材を設けることも好ましい。これにより、夜間や悪天候時等におけるボラード10の視認性を高めることができるとともに、夜間にカバー200を救命用フロートとして使用する事態が発生した場合には、要救命者の位置を知らせることもできるようになるからである。畜光材としては、有機系蓄光材料を採用することもできるが、耐候性の高い無機系蓄光材料を使用することが好ましい。反射材としては、特に、再帰性反射材を用いると、入射した方向に光を返すことができ、車のヘッドライト等を運転者側に効率的に反射して、ボラード10の視認性をより高めることができるために好ましい。これらの畜光材や反射材は、シート状に形成されたものをカバー200の外面に貼り付けるようにしてもよいし、カバー200の外面に直接塗装するようにしてもよい。カバー200の外面には、畜光材と反射材との一方だけを設けることも、両方を設けることもできる。
以上で述べたボラード10は、その施工場所を特に限定されず、道路や広場等、様々な場所に設けることができる。ただし、既に述べたように、本実施態様のボラード10は、カバー200をフロートとして利用できるものである。このため、本実施態様のボラード10は、水路や池や河川や沼湖や海等、人が溺れる可能性のある場所の近く(洪水や津波等の水害により水没する虞のある場所も含む。)に設置するものとして好適である。特に、水路等と陸地との境界部付近に設置するものとして好適である。水路等と陸地との境界部付近にボラード10を設置する場合には、複数本のボラード10を、水路等と陸地との境界部に沿って所定間隔毎に施工することが好ましい。この場合には、隣り合うボラード10を、ロープやチェーン等の線材で繋いで、隣り合うボラード10間に線材が架け渡された状態とすると、ボラード10の隙間から水路等に人等が転落することを防ぐことも可能になる。
2.第二実施態様
図6は、第二実施態様のボラード10において、カバー200を芯棒100に取り付ける様子を示した斜視図である。第二実施態様のボラード10においては、図6に示すように、第一被嵌合部205が、カバー200の内周部から外周部にかけて貫通した一対のスリット溝として形成されている。第一被嵌合部205の下端側(カバー200における下端側。以下同じ。)は、上下方向の溝部である案内部205bとなっており、第一被嵌合部205の上端側(カバー200における上端側。以下同じ。)は、周方向片側に屈曲した屈曲部205cとなっている。
第二実施態様のボラード10において、カバー200を芯棒100に取り付ける際には、まず、カバー200の芯棒挿入口202に芯棒100を上端側から挿入していき(矢印III)、第一嵌合部120が芯棒挿入口202の手前に来るあたりで止める。次に、一対の第一嵌合部120の位置を案内部205bの位置に合わせてから、芯棒100を矢印IIIの方向へ更に押し込み、第一嵌合部120を案内部205bの上端に配する。この状態で、芯棒100を周方向における屈曲部205cが屈曲している方向に回転させる(矢印IV)。これにより、第一嵌合部120を第一被嵌合部205における屈曲部205cに嵌合させて、芯棒100からカバー200が抜けないようにすることができる。カバー200を芯棒100から外す際には、芯棒100を周方向における矢印IVとは逆方向に回転させて、第一嵌合部120の位置を案内部205bの位置に合わせてから、矢印IIIとは反対方向に芯棒100を引き抜くようにする。
このような構成を採用することにより、ボラード10を芯棒100から取り外す方法が外部から一見して理解しやすいようにすることができるため、非常時において慌てている際や、本発明のボラード10を初めて見た人であっても、迅速かつ容易にカバー200を救命用フロートとして使用することができる。これ以外の構成については、図1から図5に示す第一実施態様のボラード10と同じ構成を採用することができる。
3.第三実施態様
図7は、第三実施態様のボラード10において、カバー200を芯棒100に取り付ける様子を示した斜視図である。図7に示す第三実施態様のボラード10では、キャップ210に、太陽光発電パネル301と発光体302を設けている。キャップ210には、太陽光発電パネル301が発電した電力を蓄えるためのバッテリー(図示省略)や周囲が暗くなったことを検知するための照度センサ(図示省略)を設けることも好ましい。これにより、周囲が暗くなった夜間にボラード10を積極的に発光させ、夜間におけるボラード10の視認性をより高めることが可能になる。発光体302としては、発光ダイオードを使用すると、発光体302を少ない電力で発光させるだけでなく、発光体302を長寿命なものとすることもできるために好ましい。
4.第四実施態様
図8は、第四実施態様のボラード10を分解した様子を、図3と同じ平面で切断した断面図である。図9は、第四実施態様のボラード10の構成を示すブロック図である。図9のブロック図においては、電力の供給経路を太い実線で、データの通信経路を太い点線で、それぞれ表示している。第四実施態様のボラード10は、図8に示すように、カバー200部分に、GPS受信機401と、姿勢センサ402と、水没センサ403と、取外検知センサ404と、通信モジュール405とを備えたものとなっている。これにより、カバー200を、単に救命用フロートとして使用することができるだけでなく、その救命用フロートの位置や状況を発信する情報発信機としても使用することができるようになっている。以下、情報発信機としてカバー200を使用する方法について詳しく説明する。
図9に示すように、GPS受信機401は、人工衛星(測位衛星)901から発信された信号を受信することで、自身の位置情報を得るものとなっている。姿勢センサ402は、重力方向に対するカバー200の傾きを測定するものとなっている。水没センサ403は、カバー200が水没したことを検知するものとなっている。取外検知センサ404は、カバー200が芯棒100から取り外されたことを検知するものとなっている。
これらGPS受信機401や姿勢センサ402や水没センサ403や取外検知センサ404によって得られた位置情報やセンサ情報は、通信モジュール405を通じて受信局902へと有線又は無線により送信(図の例では、無線送信)され、受信局902から監視センター903へと送信される。監視センター903では、得られたセンサ情報に基づいてボラード10及びカバー200の置かれている状況を分析する。表1に、その分析の例を示す。
Figure 2020007900
表1において、「OFF」は異常が検知されていないことを示しており、「ON」は異常が検知されていることを示している。具体的には、姿勢センサ402の場合には、姿勢センサ402が検知した傾きが閾値未満のときには「OFF」、閾値以上のときには「ON」と表している。また、水没センサ403の場合には、カバー200の水没を水没センサ403が検知していないときには「OFF」、検知したときには「ON」と表している。さらに、取外検知センサ404の場合には、カバー200が芯棒100から取り外されたことを取外検知センサ404が検知していないときには「OFF」、検知したときには「ON」と表している。
監視センター903では、表1に示すように、姿勢センサ402、水没センサ403及び取外検知センサ404の出力信号の組み合わせによって、ボラード10やカバー200が置かれている状況を判断する。例えば、表1におけるパターン8の場合には、カバー200が芯棒100から外されて水没しており、かつ傾いていることから、要救命者を救命するためにカバー200が水に投げ入れられた可能性が高いと判断できる。この場合、監視センター903は、消防隊やレスキュー隊等に救命指令を出すとともに、GPS受信機401によって得られた位置情報を伝える。これにより、迅速で効率的な救命活動を行うことができる。
一方、表1におけるパターン2やパターン4では、カバー200が芯棒100から外されているが、傾いていない状態となっている。カバー200が水に投げ入れられて水面に浮いているにもかかわらず、全く傾かないという状況は考えにくい。このため、この場合には、悪戯等によって芯棒100から外されたカバー200が傾きの少ない状態で放置されたか、姿勢センサ402又は取外検知センサ404に何らかの不具合が生じている可能性が高いと判断できる。また、パターン6では、カバー200が芯棒100から外されて傾いているが、水没はしていない状態となっている。この場合も、悪戯等によってカバー200が芯棒100から外されたこと等が想定される。さらに、パターン3やパターン7では、カバー200が芯棒100から外されていないにもかかわらず、水没した状態となっている。この場合には、そのボラード10が設置された箇所において、洪水や津波等により水位が上がっている可能性が高いと判断できる。さらにまた、パターン5では、カバー200が、芯棒100から外されていないにもかかわらず、傾いている。この場合には、ボラード10が設置された箇所で地崩れや地盤沈下や土砂の流入等が発生して、ボラード10がその設置箇所の地盤ごと傾いたか移動した可能性が高いと判断できる。
このように、本実施態様のボラード10においては、GPS受信機401に加えて各種のセンサを備えて、これらから得られるセンサ情報を組み合わせることによって、より精度よく状況を判断することができ、効率的に対応を取ることができるようになっている。
GPS受信機401や、姿勢センサ402や、通信モジュール405は、カバー200における取付箇所を特に限定されない。本実施態様においては、図8に示すように、カバー200における閉塞部203の下方にセンサボックス410を埋め込んであり、このセンサボックス410の内部に、GPS受信機401、姿勢センサ402及び通信モジュール405を取り付けている。
姿勢センサ402は、カバー200の傾きを測定することができるものであれば、その具体的な種類を特に限定されない。姿勢センサ402としては、自身にかかる加速度の方向や大きさを測定することができる加速度センサを好適に用いることができる。
水没センサ403は、カバー200が水没したことを検知することができれば、その具体的な種類を特に限定されないが、カバー200が雨等で単に濡れた場合と、カバー200が水没した場合とを区別できるものであることが好ましい。このため、本実施態様においては、水没センサ403として、一対の電極を有し、その一対の電極間に水が継続的に存在したことを、その一対の電極間の静電容量の変化としてとらえることのできる静電容量センサを採用している。水没センサ403のカバー200における取付箇所も特に限定されないが、本実施態様においては、図8に示すように、カバー200の外周面に水没センサ403を取り付けている。水没センサ403の上方には、水没センサ403に雨水がかからないようにするための雨除け403aを設けてもよい。カバー200を開放型フロートとする場合には、水没センサ403を芯棒挿入孔201の内壁等に設けることもできる。
取外検知センサ404は、カバー200が芯棒100から取り外されたことを検知することができれば、その種類を特に限定されず、非接触型のものとしてもよいが、本実施態様においては、取外検知センサ404として、接触型センサであるリミットスイッチを採用している。他には、取外検知センサ404として、引抜検知型センサ(挿入体と、被挿入体とを備え、被挿入体に挿入されていた挿入体が被挿入体から引き抜かれた際に検知信号を出力するセンサ)を採用することもできる。すなわち、引抜検知型センサの挿入体又は被挿入体のうち一方をカバー200に、他方を芯棒100に、それぞれ取り付けておき、カバー200が芯棒100に取り付けられているときには挿入体が被挿入体に挿入され、カバー200が芯棒100から取り外されると挿入体が被挿入体から引き抜かれるようにすることで、カバー200が芯棒100から取り外されたことを検知するようにしてもよい。取外検知センサ404のカバー200における取付箇所も特に限定されないが、本実施態様においては、図8に示すように、取外検知センサ404を芯棒挿入孔201の内周壁に設けている。取外検知センサ404は、第一被嵌合部205の内部や、芯棒挿入口202の周縁部等に設けてもよい。
GPS受信機401や、各種センサや、通信モジュール405等に電力を供給する方法は、特に限定されないが、カバー200を芯棒100から外して救命用フロートとして使用する際にも電力を供給し続ける必要があることを考えると、救命用フロートとして使用する部分に何らかの電力供給源を設ける必要がある。そこで、本実施態様においては、図8に示すように、カバー200の外周面に太陽光発電装置(太陽光発電シート又はパネル)501を備えている。この太陽光発電装置501は、図9に示すように、蓄電池である第一バッテリー502に接続されている。太陽光発電装置501によって発電された電力は、第一バッテリー502に一旦蓄電された後、GPS受信機401や、各種センサや、通信モジュール405等に供給されるようになっている。第一バッテリー502は、救命用フロートとして使用する部分に設けられていれば、その取付箇所を特に限定されないが、本実施態様においては、センサボックス410(図8)内に設けている。
加えて、本実施態様においては、図9に示すように、第一バッテリー502が、太陽光発電装置501だけでなく、第二バッテリー503にも接続されている。この第二バッテリー503は、比較的大きな容量を有するものとなっており、第一バッテリー502は、太陽光発電装置501からだけでなく、第二バッテリー503からも電力供給を受けることができるようになっている。これにより、天候等の影響により太陽光発電装置501のみでは十分な電力を得られない場合にも、安定して電力を供給することができる。第二バッテリー503の取付箇所は、特に限定されないが、第二バッテリー503の容量をある程度確保しようとすると、第二バッテリー503が相応の重量を有するようになるため、これを救命用フロートとして使用する部分に取り付けると、救命用フロートの見掛けの浮力(救命用フロートに作用する浮力から、救命用フロートに作用する重力を引いた値)が小さくなってしまう。このため、本実施態様においては、第二バッテリー503を芯棒100に取り付けている。具体的には、図8に示すように、芯棒100の少なくとも一部(図8においては、上端部)を筒状に形成し、当該筒状部分の内部に第二バッテリー503を取り付けている。
第二バッテリー503と第一バッテリー502とを接続する電線(図8では図示省略)の中間部分には、図9に示すように、引っ張ることによって第二バッテリー503側と第一バッテリー502側とに容易に分離するコネクタ504が設けてある。カバー200を芯棒100から取り外した際には、このコネクタ504部分で第二バッテリー503と第一バッテリー502とが断線するようになっている。なお、このコネクタ504部分における断線は、基本的にはカバー200が芯棒100から取り外されたときにしか起こらないようになっているため、このコネクタ504を取外検知センサ404として流用してもよい。あるいは、上記の引抜検知型センサの挿入体と被挿入体事態を、コネクタ504として機能させることもできる。
本実施態様においては、姿勢センサ402や水没センサ403や取外検知センサ404を、ボラード10やカバー200の置かれている状況を判断するために用いたが、これに加えて、これらのセンサを、他の装置のスイッチとして用いるようにしてもよい。すなわち、例えば、すべてのセンサがOFF状態にあるとき(表1におけるパターン1の場合)には、通信モジュール405から受信局902へのデータ送信は一定の期間を空けて定期的に行う程度にしておき、いずれかのセンサがON状態となったとき(表1におけるパターン2〜8の場合)や、要救命状態と判断されるとき(表1におけるパターン8の場合)にのみ、通信モジュール405から受信局902へのデータ送信を連続的に行うようにしてもよい。これにより、データ送信にかかる電力消費を抑えることができる。
また、センサをスイッチとして用いる別の例としては、カバー200にブザーを備えておき、カバー200が芯棒100から取り外されたことを取外検知センサ404が検知すると、ブザーから警報音が発せられるようにしてもよい。これにより、近隣の住民や通行人に異常を知らせることができ、より迅速に要救命者を救命することができる。
さらに別の例としては、洪水や津波等によって、カバー200が芯棒100に取り付けられたまま水没した場合(表1におけるパターン3やパターン7の場合)に、第一嵌合部120が芯棒100の内部へ自動的に(電動で)引き込まれるようにして、カバー200が浮力によって芯棒100から外れるようにしてもよい。これにより、冠水した地域に設けられたボラード10のカバー200を自動的に救命用フロートとして浮遊させることができ、逃げ遅れた人がこれにつかまって救助を待つことができる。
5.第五実施態様
図10は、第五実施態様のボラード10を分解した様子を、図3と同じ平面で切断した断面図である。第五実施態様においては、基本的な構成は第四実施態様と同様となっているが、センサボックス410を設ける位置が異なっている。すなわち、第五実施態様のボラード10においては、GPS受信機401、姿勢センサ402、通信モジュール405及び第一バッテリー502を内蔵したセンサボックス410を、カバー200ではなくキャップ210の内部に設けている。
10 ボラード
100 芯棒
110 埋設部
120 第一嵌合部
200 カバー
201 芯棒挿入孔
202 芯棒挿入口
203 閉塞部
204 キャップ取付凹部
205 第一被嵌合部
205a 案内溝
205b 案内部
205c 屈曲部
206 第二被嵌合部
210 キャップ
211 頭部
212 挿入部
213 第二嵌合部
301 太陽光発電パネル
302 発光体
401 GPS受信機
402 姿勢センサ
403 水没センサ
403a 雨除け
404 取外検知センサ
405 通信モジュール
410 センサボックス
501 太陽光発電装置
502 第一バッテリー
503 第二バッテリー
504 コネクタ
901 人工衛星(測位衛星)
902 受信局
903 監視センター

Claims (12)

  1. 施工面に立設するための芯棒と、
    下端面に設けられた芯棒挿入口から内側の芯棒挿入孔に芯棒を挿入することにより芯棒の外周面を覆った状態とする筒状のカバーと
    を備えたボラードであって、
    カバーが、ボラードの設置後も芯棒から取り外し可能な状態で芯棒に取り付けられ、
    平常時にはボラードとして使用しながらも、非常時には芯棒から取り外したカバーを救命用フロートとして使用することができる
    ことを特徴とするボラード。
  2. 芯棒の外周部に設けられた第一嵌合部を、カバーの内周部に設けられた第一被嵌合部に嵌合させることにより、カバーを芯棒に取り付けることができるようにした請求項1に記載のボラード。
  3. カバーにおける芯棒挿入孔の上端側が閉塞された閉塞部とされるとともに、
    カバーを救命用フロートとして使用する際に芯棒挿入口を塞ぐためのキャップを備えた
    請求項2に記載のボラード。
  4. キャップの外周部に設けられた第二嵌合部を、カバーにおける第一被嵌合部に嵌合させることにより、キャップを芯棒挿入口に取り付けて芯棒挿入口を塞ぐことができるようにした請求項3記載のボラード。
  5. 平常時にキャップを取り付けておくためのキャップ取付凹部がカバーにおける閉塞部の上面側に設けられ、
    キャップにおける第二嵌合部を、キャップ取付凹部の内周部に設けられた第二被嵌合部に嵌合させることにより、キャップをキャップ取付凹部に取り付けておくことができるようにした
    請求項4記載のボラード。
  6. カバーが発泡樹脂又は発泡ゴムで形成された請求項1〜5いずれか記載のボラード。
  7. カバーの外面が樹脂膜又はゴム膜で覆われた請求項1〜6いずれか記載のボラード。
  8. カバーの外面に、畜光材又は光を反射する反射材が設けられた請求項1〜7いずれか記載のボラード。
  9. 救命用フロートとして使用される部分に、GPS受信機が設けられた請求項1〜8いずれか記載のボラード。
  10. 救命用フロートとして使用される部分に、救命用フロートの傾きを測定する姿勢センサが設けられた請求項1〜9いずれか記載のボラード。
  11. 救命用フロートとして使用される部分に、救命用フロートが水没したことを検知する水没センサが設けられた請求項1〜10いずれか記載のボラード。
  12. 救命用フロートとして使用される部分に、カバーが芯棒から取り外されたことを検知する取外検知センサが設けられた請求項1〜11いずれか記載のボラード。
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