JP2020007072A - コアホルダ及びこれを用いたウェブ搬送装置並びに処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コアが回転支持される支持軸の軸方向位置を移動させることなく、コアの端部位置を簡単に調整可能とすることにある。【解決手段】コアホルダ1は、回転可能な支持軸12aに固定される固定ホルダ2と、固定ホルダ2に対して支持軸12aの軸方向に沿って移動可能に設けられ、コア14の端部と係わり合って当該コア14の端部位置を規制する可動ホルダ3と、支持軸12aの軸方向に沿う方向につき固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の位置を調整する位置調整手段4と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ウェブが繰出し又は巻取り可能に保持される管状のコアの端部を芯出しした状態で回転可能に保持するコアホルダに係り、特に、コアの端部位置の調整手法を改善したコアホルダ及びこれを用いたウェブ搬送装置並びに処理装置に関する。
一般に、ウェブ搬送装置では、ウェブ搬送用の芯管(コアに相当)を巻出機(繰出機に相当)又は巻取機に保持する一般的な方法として、駆動軸に設けられたテーパ形状のコアチャック(コアホルダに相当)を用い、相対する端面のコアチャックから芯管に圧力を掛け巻出機又巻取機に保持する方法が既に提供されている(例えば特許文献1参照)。また、ウェブ交換の際は芯管ごとコアチャックから開放して交換を行う。
このようなウェブ搬送装置において、ウェブの搬送位置調整機構を持たない装置に於いては、交換した芯管全長の製造誤差や、前工程で発生する巻出機又は巻取機で生ずるウェブ位置の差異及び、芯管の経年劣化等により、ウェブの搬送位置が基準位置として定められる許容範囲内に収まらない場合がある。
このような場合は、特許文献2のようにコアチャックを巻出軸又は巻取軸ごと移動させる機構を設けたり、ウェブ搬送時に超音波センサなどを用いた自動蛇行調整装置を用いたりして搬送時に発生する位置ずれを解決することが一般的であるが、巻出又は巻取機構の構造が複雑となり、巻出又は巻取機構の大型化やコスト上昇の要因となる。
また、芯管の取り付け時に基準位置からの差がある場合、自動蛇行調整装置の補正可能域外になることもあり、基準位置に近い範囲にウェブが有るように芯管を取り付けることが望ましい。
特開平6−278917号公報(従来の技術,図4) 特開平6−218821号公報(実施例,図3)
このように、軸ごと移動させる機構を設けることはウェブ搬送装置の大型化とコストアップにつながる点で問題となっていた。
そこで、本発明者は、ウェブ搬送の位置決めを容易にできる機構を省スペースかつ低コストで提供することを目的とし、本発明を案出するに至った。
つまり、本発明が解決しようとする技術的課題は、コアが回転支持される支持軸の軸方向位置を移動させることなく、コアの端部位置を簡単に調整可能とすることにある。
本発明の第1の技術的特徴は、ウェブが繰出し又は巻取り可能に保持される管状のコアの端部を芯出しした状態で回転可能に保持するコアホルダであって、回転可能な支持軸に固定される固定ホルダと、前記固定ホルダに対して前記支持軸の軸方向に沿って移動可能に設けられ、前記コアの端部と係わり合って当該コアの端部位置を規制する可動ホルダと、前記支持軸の軸方向に沿う方向につき前記固定ホルダに対する前記可動ホルダの位置を調整する位置調整手段と、を備えたことを特徴とするコアホルダである。
本発明の第2の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えたコアホルダにおいて、前記可動ホルダは回転操作可能な操作部を有し、前記位置調整手段は、前記固定ホルダ及び前記可動ホルダの一方に雌ねじ部を形成すると共に、他方には前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を形成し、前記操作部を回転操作することで前記固定ホルダに対する前記可動ホルダの位置を調整した後、位置調整された前記可動ホルダを拘束手段にて拘束することを特徴とするコアホルダである。
本発明の第3の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えたコアホルダにおいて、前記可動ホルダは前記支持軸の軸方向に沿って移動操作可能な操作部を有し、前記位置調整手段は、前記固定ホルダに対して前記可動ホルダを摺動可能に保持し、前記操作部を移動操作することで前記固定ホルダに対する前記可動ホルダの位置を調整した後、位置調整された前記可動ホルダを拘束手段にて拘束することを特徴とするコアホルダである。
本発明の第4の技術的特徴は、第1乃至第3の技術的特徴のいずれかを備えたコアホルダにおいて、前記可動ホルダは、前記コアの端部位置を規制するときに、前記コアの端部に形成された被係止部に係止されて当該コアを回り止めする係止部を有することを特徴とするコアホルダである。
本発明の第5の技術的特徴は、第4の技術的特徴を備えたコアホルダにおいて、前記位置調整手段は、前記可動ホルダを前記係止部を介して前記固定ホルダに拘束する拘束手段を有することを特徴とするコアホルダである。
本発明の第6の技術的特徴は、ウェブが管状のコアに対して繰出し又は巻取り可能に保持され、当該ウェブを搬送するウェブ搬送装置であって、第1乃至第5の技術的特徴のいずれかを備えたコアホルダと、当該コアホルダの固定ホルダが固定される回転可能な支持軸を有し、当該支持軸を回転させる駆動手段と、を備えたことを特徴とするウェブ搬送装置である。
本発明の第7の技術的特徴は、第6の技術的特徴を備えたウェブ搬送装置において、前記コアの一端部を芯出しした状態で保持する第1乃至第5の技術的特徴のいずれかを備えたコアホルダと、前記コアホルダにて芯出しされる前記コアの一端部とは反対側の他端部に対向して設けられ、当該コアの他端部を芯出しした状態で押圧保持する対向コアホルダと、を備えたことを特徴とするウェブ搬送装置である。
本発明の第8の技術的特徴は、第6又は第7の技術的特徴を備えたウェブ搬送装置と、前記ウェブ搬送装置にて搬送されるウェブに対して予め決められた処理を施す処理部と、を備えたことを特徴とする処理装置である。
本発明の第1の技術的特徴によれば、コアが回転支持される支持軸の軸方向位置を移動させることなく、コアの端部位置を簡単に調整することができる。
本発明の第2の技術的特徴によれば、固定ホルダと可動ホルダとの間でねじ結合方式を採用しない場合に比べて、固定ホルダに対する可動ホルダの移動量を細かく調整することができる。
本発明の第3の技術的特徴によれば、可動ホルダと固定ホルダとの間をねじ結合させることなく、固定ホルダに対する可動ホルダの位置を調整することができる。
本発明の第4の技術的特徴によれば、コアホルダとコアとの間の回り止めを抑制し、コアホルダからコアへ回転駆動力を確実に伝達することができる。
本発明の第5の技術的特徴によれば、拘束手段とコアの回り止め手段とを異なる箇所に設ける場合に比べて、コアホルダによるコアの保持作業を簡単に行うことができる。
本発明の第6の技術的特徴によれば、コアが回転支持される支持軸の軸方向位置を移動させることなく、コアの端部位置を簡単に調整可能なコアホルダを含むウェブ搬送装置を提供することができる。
本発明の第7の技術的特徴によれば、コアの一端部位置を規制し、当該規制位置を基準にコアが簡単に設置可能なウェブ搬送装置を提供することができる。
本発明の第8の技術的特徴によれば、コアの端部位置を簡単に調整可能なコアホルダを含むウェブ搬送装置により、ウェブの搬送方向に交差する幅方向位置を適正位置に保ってウェブに対して所定の処理を施すことができる。
(a)は本発明が適用されたウェブ搬送装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)に示すウェブ搬送装置のBで囲まれたコアホルダ周辺領域の詳細を示す説明図、(c)は(a)中C方向から見た矢視図である。 実施の形態1に係るウェブ搬送装置を用いた処理装置の全体構成を示す説明図である。 実施の形態1に係るウェブ搬送装置の要部を示す説明図である。 図3中、ウェブ搬送装置のIV部分の詳細を示す断面説明図である。 (a)は図4に示すコアホルダの一要素である固定ホルダの取付構造を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図である。 (a)は図4に示すコアホルダの一要素である可動ホルダの操作リングの構成を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図である。 (a)は図4に示すコアホルダの一要素である可動ホルダのホルダ本体の構成を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図である。 (a)は図4に示すコアホルダにてコア端部を保持したときのコアに対するコアホルダの回り止め機構を示す説明図、(b)はコアホルダからコア端部を離したときの回り止め機構を示す説明図である。 (a)は図4に示すコアホルダの拘束機構の構成例を示す分解説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は(b)中C−C線断面説明図、(d)は(a)中D方向から見た矢視図である。 (a)はコアホルダの拘束機構が働いていないときの状態を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)はコアホルダの拘束機構が働いているときの状態を示す説明図、(d)は(c)中D方向から見た矢視図である。 実施の形態2に係るコアホルダの一要素である可動ホルダの要部を示す説明図である。
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用されたウェブ搬送装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
この種のウェブ搬送装置10は、ウェブWが管状のコア(芯管に相当)14に対して繰出し又は巻取り可能に保持され、当該ウェブWを所定の経路に沿って搬送するものである。
そして、この種のウェブ搬送装置10を用いた処理装置(図示せず)は、搬送されるウェブWに対して所定の処理を施す処理部(図示せず)を備えるものであればよい。ここで、処理部としてはメッキ処理やスパッタ処理を実施する機能部が挙げられる。
図1(a)において、ウェブ搬送装置10は、コア14の一端部を芯出しした状態で保持するコアホルダ(芯管保持具に相当)1と、コアホルダ1にて芯出しされるコア14の一端部とは反対側の他端部に対向して設けられ、当該コア14の他端部を芯出しした状態で押圧保持する対向コアホルダ11と、を備えている。
本例は、コア14の一端部側に位置調整機能付きのコアホルダ1を配置し、コア14の他端部側に押圧機能(例えばコアホルダ本体を押圧するバネ機構やエアシリンダ)付きの対向コアホルダ11を配置した態様である。
本実施の形態において、コアホルダ1は、図1(b)に示すように、回転可能な支持軸12aに固定される固定ホルダ2と、固定ホルダ2に対して支持軸12aの軸方向に沿って移動可能に設けられ、コア14の端部と係わり合って当該コア14の端部位置を規制する可動ホルダ3と、支持軸12aの軸方向に沿う方向につき固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の位置を調整する位置調整手段4と、を備えている。尚、図1(a)中、符号12は支持軸12aを回転させる駆動手段である。
このような技術的手段において、コアホルダ1はコア14の一端部側に支持軸12aに対して位置調整可能に設けられる態様が一般的であり、対向コアホルダ11はコア14の他端部を保持可能な構成であれば適宜選定して差し支えなく、支持軸12bに対して位置調整可能であることは要しない。
ここで、固定ホルダ2は、支持軸12aに対して予め決められた位置関係で固定されればよく、固定手法についてはキー溝に回り止めキーを介在させる等適宜選定して差し支えない。
また、可動ホルダ3は固定ホルダ2に対して支持軸12aの軸方向に沿って移動可能であればよく、固定ホルダ2の代表的態様としては固定ホルダ2の外周部を取り囲む筒状の形状を有した態様が挙げられる。
更に、位置調整手段4は、支持軸12aの軸方向に沿う方向につき、固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の位置を調整し、所望の調整位置にて拘束し得る態様であれば適宜選定して差し支えない。
次に、本実施の形態に係るコアホルダ1の代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、位置調整手段4の代表的態様としては、可動ホルダ3は回転操作可能な操作部3aを有し、位置調整手段4は、固定ホルダ2及び可動ホルダ3の一方に雌ねじ部を形成すると共に、他方には雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を形成し、操作部3aを回転操作することで固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の位置を調整した後、位置調整された可動ホルダ3を拘束手段5にて拘束する態様が挙げられる。可動ホルダ3の操作部3aは操作者が操作する部分(ノブ等)を意味し、可動ホルダ3のホルダ本体3bと操作部3aとが一体的に設けられていてもよいし、別体のものを止め具を介して止着してもよい。
本例の位置調整手段4は、固定ホルダ2及び可動ホルダ3を螺合(ねじ結合)方式で係合させ、操作部3aを回転操作することで、可動ホルダ3を移動させ、所望の位置で停止した後、拘束手段5で拘束するようにすればよい。本例では、操作部3aの1回転でねじピッチが1ピッチ進む程度の細かい調整が可能である。ここで、拘束手段5としては操作部3aの回転操作位置を拘束する態様に限らず、操作部3a以外の箇所で可動ホルダ3の移動を拘束するようにしてもよい。
また、位置調整手段4の他の代表的態様としては、可動ホルダ3は支持軸12aの軸方向に沿って移動操作可能な操作部3aを有し、位置調整手段4は、固定ホルダ2に対して可動ホルダ3を摺動可能に保持し、操作部3aを移動操作することで固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の位置を調整した後、位置調整された可動ホルダ3を拘束手段5にて拘束する態様が挙げられる。本例の位置調整手段4は、固定ホルダ2に対して可動ホルダ3を所定方向に沿って摺動可能に保持し、移動範囲内の任意の位置で拘束可能な拘束手段5を備えていればよい。
更に、コアホルダ1の好ましい態様としては、可動ホルダ3は、図1(c)に示すように、コア14の端部位置を規制するときに、コア14の端部に形成された被係止部6に係止されて当該コア14を回り止めする係止部7を有する態様が挙げられる。本例は、コア14の一部に形成された被係止部6(例えばキー溝)に、可動ホルダ3の係止部7(例えばキー)を係止させ、可動ホルダ3に対してコア14を回り止めする態様である。
また、本例において、位置調整手段4の好ましい態様としては、可動ホルダ3を係止部7を介して固定ホルダ2に拘束する拘束手段5を有する態様が挙げられる。本例は、位置調整手段4の拘束手段5が係止部7を介してコア14の端部に形成された被係止部6に係止され、可動ホルダ3が固定ホルダ2に拘束され、かつ、コア14に対しても回り止めされた状態で係止される。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
−電気めっき装置の全体構成−
図2は実施の形態1に係るウェブ搬送装置を用いた処理装置としての電気めっき装置の全体構成を示す。
同図において、電気めっき装置100は、めっき液101が貯められた略直方体形状のめっき槽102を有し、その長手方向の両側壁の外側には繰出しロール103及び巻取りロール104が夫々設けられている。ここで、繰出しロール103は長尺な導電性フィルム基板(例えば金属薄膜層付ポリイミドフィルム)からなるウェブWを繰出すウェブ搬送装置に相当し、また、巻取りロール104はめっき処理が施されたウェブWを巻取るウェブ搬送装置に相当する。
本例では、繰出しロール103から繰り出されたウェブWは、第1案内ロール111で略水平方向に案内された後、めっき槽102の上方に位置する第1給電ロール121で電気めっきに必要な電力が供給されて略鉛直下方に案内される。そして、ウェブWはめっき槽102内のめっき液101に浸漬し、めっき槽102内を略鉛直下方に向かって走行した後、めっき槽102の底面近傍に位置する第1反転ロール131によって反転され、めっき液101内を略鉛直上方に向かって走行した後、めっき槽102の上方に位置する第2案内ロール112によってめっき槽102から引き上げられる。また、めっき槽102内には、第1反転ロール131の前後に位置するウェブWの被めっき面に夫々対向するように第1アノード対141が設けられ、ウェブWが第1アノード対141に沿って走行する間に被めっき面に電気めっきが施される。
以後同様にして、第2案内ロール112によってめっき液101から引き上げられたウェブWは、第2給電ロール122、第2反転ロール132及び第3案内ロール113による2回目のめっき液101への浸漬の際に第2アノード対142によって2回目の電気めっきが施され、第3給電ロール123、第3反転ロール133及び第4案内ロール114による3回目のめっき液101への浸漬の際に第3アノード対143によって3回目の電気めっきが施され、第4給電ロール124、第4反転ロール134及び第5案内ロール115による4回目のめっき液101への浸漬の際に第4アノード対144によって4回目の電気めっきが施される。
このようにして、複数回(本例では4回)の電気めっき処理を繰り返すことにより、ウェブWの被めっき面に所定膜厚のめっき層が形成され、第5案内ロール115によって引き上げられたウェブWは巻取りロール104に巻き取られる。
−ウェブ搬送装置−
図3は実施の形態1に係る電気めっき装置100で用いられるウェブ搬送装置10(繰出しロール103、巻取りロール104)の構成例を示す。
同図において、ウェブ搬送装置10は、管状のコア(芯管)14の一端部を芯出しした状態で保持するコアホルダ1と、コアホルダ1にて芯出しされるコア14の一端部とは反対側の他端部に対向して設けられ、当該コア14の他端部を芯出しした状態で押圧保持する対向コアホルダ11と、を備えている。
尚、本例では、コア14の内径部の両端は軸方向外側に向かって次第に拡開するテーパ面14a,14bを有している。
本例では、コアホルダ1は、駆動装置15にて回転可能な駆動軸15aの端部に設けられ、駆動軸15aの軸方向に沿って位置調整可能な機能を具備し、コア14の一端部位置を規制するようになっている。尚、図3中符号16は駆動軸15aを回転支持する軸受である。
一方、対向コアホルダ11は、追従回転可能な従動軸15bの端部に設けられ、当該従動軸15bが回転支持される軸受17をエアシリンダからなる押圧機構18によって従動軸15bの軸方向に沿って進退可能に支持し、押圧機構18にてコア14の他端部を所定の押圧力にて押圧し、位置調整されたコアホルダ1の規制位置に対しコア14の一端部を押し付けるものである。
−コアホルダの構成例−
本例において、コアホルダ1は、図4に示すように、回転可能な駆動軸15aに固定される固定ホルダ2と、固定ホルダ2に対して駆動軸15aの軸方向に沿って移動可能に設けられ、コア14の端部と係わり合って当該コア14の端部位置を規制する可動ホルダ3と、駆動軸15aの軸方向に沿う方向につき固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の位置を調整する位置調整機構40と、を備えている。
<固定ホルダ>
固定ホルダ2は、図4及び図5(a)(b)に示すように、駆動軸15aの端部に形成された段付部19に嵌まる環状基部20を有し、段付部19及び環状基部20の挿入孔21には駆動軸15aの軸方向に延びるキー溝22を形成すると共に、当該キー溝22に回り止めキー23を差し込み、環状基部20の段付部19の端部側に固定板24を止め具25で止着することにより、駆動軸15aに対して締結固定するようになっている。
本例では、固定ホルダ2の環状基部20の外周には駆動軸15aの軸方向に沿って螺旋状に延びる雄ねじ部26が形成されている。
<可動ホルダ>
可動ホルダ3は、図4、図6及び図7に示すように、固定ホルダ2の外周部を取り囲む筒状の調整リング30と、当該調整リング30に連結される筒状のホルダリング35とを備えている。
本例において、可動ホルダ3は、固定ホルダ2に対して駆動軸15aの軸方向に沿って相対移動可能に設けられていればよい。
特に、本例では、図6(a)(b)に示すように、調整リング30の内周面には固定ホルダ2の雄ねじ部26と螺合(ねじ結合)する雌ねじ部31が形成され、調整リング30を回転操作することで固定ホルダ2に対して調整リング30が相対移動するようになっている。
また、調整リング30の外周部には径方向外側に張り出すフランジ部32が設けられ、当該フランジ部32の外周面には回転操作するためのローレット加工された操作部(操作ノブ)33が形成されている。
更に、調整リング30のフランジ部32を除く外周面にはホルダリング35の内周面が嵌り合うようになっており、周方向の複数箇所(本例では4箇所)には接合ねじ34の先端部が引っ掛かる引っ掛け孔34aが形成されている。
一方、ホルダリング35は、その外周面のうちコア14の端部に対向する箇所にはコア14のテーパ面14aに対応して端部に向かって次第に縮径するテーパ面36を有している。そして、ホルダリング35のテーパ面36以外の周方向の複数箇所には結合ねじのねじ孔37が調整リング30の引っ掛け孔34aに対応して設けられている。そして、ホルダリング35の内周面にはスラスト荷重による損傷を防止するためのブッシュ39(図4参照)を保持する保持溝38が形成されている。
尚、本例では、可動ホルダ3は、調整リング30及びホルダリング35の2部品を結合することで一体化しているが、一つの部品で構成してもよいことは勿論である。
<位置調整機構>
位置調整機構40は、固定ホルダ2に対して可動ホルダ3の調整リング30をねじ結合させ、調整リング30の操作部33を回転操作することで固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の相対位置を調整した後、位置調整された可動ホルダ3が拘束可能な拘束機構41を有している。
尚、図4に示すように、固定ホルダ2の環状基部20の端部周辺には径方向に突出するストッパ55が設けられており、当該ストッパ55が可動ホルダ3のホルダリング35の内周面の一部に形成された規制溝56内に配置され、可動ホルダ3の移動量が所定範囲に規制されるようになっている。
本例において、拘束機構41は、調整リング30のフランジ部32に周方向に対して所定角度θ(本例では22.5度)間隔でロック孔42を複数開設しておき、予め決められた位置にて出没するロックピン43(図9参照)を所望の位置のロック孔42に挿入させることで、可動ホルダ3、具体的には調整リング30の周方向の移動を拘束し、固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の相対位置を固定するようになっている。
特に、本例では、可動ホルダ3は、図8(a)(b)に示すように、コア14の端部に対して回り止めした状態で保持される回り止め機構60を有している。
この回り止め機構60は、図4、図7(a)〜(c)及び図8(a)(b)に示すように、可動ホルダ3のホルダリング35の外周の一部にチャネル状の凹所61を形成し、当該凹所61に断面略矩形状の回り止めキー62を固定すると共に、この回り止めキー62の一部をテーパ面36より露出させ、コア14の端部には回り止めキー62の露出した一部が係止部として係止される被係止部としての略U字状に切り欠かれた切欠溝63を設けたものである。尚、符号66は回り止めキー62の取付孔である。
ここで、拘束機構41と回り止め機構60とは別々に設けていても差し支えないが、本実施の形態では、拘束機構41が回り止め機構60の一要素を利用して設けられている。
つまり、本例では、拘束機構41は、図9(a)〜(d)に示すように、回り止め機構60の一要素である回り止めキー62内に調整リング30のロック孔42に面して開口し且つロックピン43が出没可能に収容される収容孔45を形成し、この収容孔45内には例えばコイルスプリングからなる付勢スプリング46を介在させてロックピン43を収容し、更に、回り止めキー62にはロックピン43の出没方向に沿って延び且つ付勢スプリング46側で屈曲するL字状の操作溝47を収容孔45に連通した状態で形成し、一方、ロックピン43にはロックピン43の出没方向に交差する方向に貫通する貫通孔48を形成すると共に、この貫通孔48には操作ピン49を挿入するようにしたものである。
本例では、回り止めキー62はロックピン43の収容孔45以外の箇所にねじ挿入孔64が形成されており、取付ねじ65にて固定されるようになっている。また、回り止めキー62の収容孔45に面した箇所のうち、操作溝47の屈曲部47aから離れた側の終端に対向した箇所には操作ピン49が係止可能な係止孔50が形成されている。更に、ロックピン43は貫通孔48を挟んだ一端部には調整リング30のロック孔42に挿入可能な断面略半円状の突片51が設けられ、他端側には段付き小径部52が設けられ、付勢スプリング46の一端が保持されるようになっている。
次に、本実施の形態に係る拘束機構41の作動について説明する。
先ず、拘束機構41を組み付ける場合には、図9(a)に示すように、回り止めキー62の収容孔45内に付勢スプリング46を圧縮変形させながらロックピン43を挿入し、収容孔45内にロックピン43を収容した状態で操作溝47からロックピン43の貫通孔48に操作ピン49を挿入し、図10(a)(b)に示すように、操作溝47の屈曲部47aまで操作ピン49を移動させて引っ掛けるようにすればよい。
この状態において、ロックピン43は、図10(a)(b)に示すように、回り止めキー62の収容孔45内に収容された状態に保たれる。このため、ロックピン43が可動ホルダ3のロック孔42に挿入されることはなく、可動ホルダ3の調整リング30は操作部33を回転操作することで固定ホルダ2に対して相対移動するようになっている。
また、拘束機構41を働かせる場合には、図10(c)(d)に示すように、固定ホルダ2に対して可動ホルダ3の相対位置を調整した段階で、調整リング30のロック孔42のうちロックピン43に対応する位置に最も近いロック孔42をロックピン43と対応する位置に移動させ、ロックピン43の操作ピン49を操作溝47の屈曲部47aから外すように揺動操作すればよく、操作ピン49が操作溝47の屈曲部47aから外れると、付勢スプリング46の付勢力によってロックピン43が回り止めキー62の収容孔45から突出し、対応するロック孔42に嵌まる。この状態で、ロックピン43は操作溝47の屈曲部47aから反対側の終端に位置することから、収容孔45内の係止孔50に操作ピン49の先端部を係止させることでロックピン43の位置を固定するようにすればよい。
−ウェブ搬送装置の位置合わせ作業−
本実施の形態に示すように、電気めっき装置100によるめっき処理を適切に行うには、ウェブ搬送装置10のウェブWの繰出し位置又は巻取り位置を適正位置に位置合わせすることが必要である。
このときの第1の作業は、コアホルダ1によるコア14の端部規制位置を適正位置に調整することである。
この場合、可動ホルダ3の調整リング30の操作部33を適宜回転操作することで、操作部33の1回転当たりのねじピッチが1ピッチ進むことから、固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の駆動軸15aの軸方向に沿う相対位置を高精度に調整することが可能である。
そして、固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の相対位置が適正位置に到達した段階では、拘束機構41によるロックピン43を調整リング30の対向するロック孔42に挿入して係止するようにすればよい。この状態において、拘束機構41は固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の回転方向の移動を拘束することから、固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の相対位置が固定される。
この後、コア14の他端部に対して対向コアホルダ11を押圧移動させ、位置調整されたコアホルダ1に対してコア14の一端部を押し付けるようにすればよい。
この段階において、コア14の両端部はコアホルダ1、対向コアホルダ11に芯出しされた状態で保持される。このとき、コアホルダ1は、固定ホルダ2と可動ホルダ3とを一体化し、回り止め機構60により回り止めした状態でコア14の一端部を保持していることから、駆動軸15aからの駆動力はコアホルダ1を介してコア14に確実に伝達される。
また、対向コアホルダ11については押圧機構18によってコア14の他端部に押圧されていることから、コア14の他端部も対向コアホルダ11を介して安定的に従動回転するようになっている。尚、対向コアホルダ11とコア14の他端部との回り止めをより強固にするという観点から、コアホルダ1の回り止め機構60と同様な回り止め機構を付加するようにしてもよいことは勿論である。
◎実施の形態2
図11は実施の形態2に係るウェブ搬送装置で用いられるコアホルダの要部を示す。
同図において、コアホルダ1の基本的構成は、実施の形態1と略同様に、固定ホルダ2、可動ホルダ3及び位置調整機構40を備えているが、固定ホルダ2及び可動ホルダ3の相対移動方式及び位置調整機構40の構成が実施の形態1と異なるものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、可動ホルダ3は調整リング30及びホルダリング35を結合したものであるが、固定ホルダ2に対して調整リング30を駆動軸15aの軸方向に沿って摺動(摺り移動)可能に保持するようにしたものである。この場合、調整リング30の内周面は固定ホルダ2の外周面に対して摺動し易い平滑面であってもよいし、摺動方向に沿って案内溝と当該案内溝に係わり合う案内突片とを有する態様でも差し支えない。
また、本例の位置調整機構40では、拘束機構41として例えば可動ホルダ3の2箇所に径方向に貫通するねじ孔71,72を設け、このねじ孔71,72に押さえねじ73,74を差し込む一方、固定ホルダ2の周面のうち押さえねじ73,74に対向する箇所には可動ホルダ3の移動方向に向かって傾斜方向が反対向きの傾斜面75,76を設け、一方の押さえねじ73を対応する傾斜面75に当接させることで可動ホルダ3の一方向への移動を拘束し、他方の押さえねじ74を対応する傾斜面76に当接させることで可動ホルダ3の他方への移動を拘束するものである。
本例においては、固定ホルダ2と可動ホルダ3とを相対移動させる方式としてねじ結合させない方式を採用し、固定ホルダ2に対する可動ホルダ3の相対位置を容易に調整することが可能である。
本発明によれば、ウェブ搬送装置において、コアに巻き付けられたウェブの位置調整を行う際に、コアホルダの支持軸の位置を調整しなくても、支持軸に連結されたコアホルダについて位置調整するだけで素早く実施することが可能である。
また、コアホルダに位置調整機能を具備させるようにしたので、位置調整機構を持たないウェブ搬送装置につき、ウェブの位置調整機能を付加することが可能となる。
更に、真空蒸着装置や電気めっき装置などの処理装置のウェブ搬送につき、ウェブ搬送装置に位置調整機能付きのコアホルダを採用することで、蒸着用ターゲットやめっき用電極などとの位置合わせを容易に実現することが可能である。
W ウェブ
1 コアホルダ
2 固定ホルダ
3 可動ホルダ
3a 操作部
3b ホルダ本体
4 位置調整手段
5 拘束手段
6 被係止部
7 係止部
10 ウェブ搬送装置
11 対向コアホルダ
12 駆動手段
12a,12b 支持軸
14 コア
14a,14b テーパ面
15 駆動装置
15a 駆動軸
15b 従動軸
16,17 軸受
18 押圧機構
19 段付部
20 環状基部
21 挿入孔
22 キー溝
23 回り止めキー
24 固定板
25 止め具
26 雄ねじ部
30 調整リング
31 雌ねじ部
32 フランジ部
33 操作部
34 接合ねじ
34a 引っ掛け孔
35 ホルダリング
36 テーパ面
37 ねじ孔
38 保持溝
39 ブッシュ
40 位置調整機構
41 拘束機構
42 ロック孔
43 ロックピン
45 収容孔
46 付勢スプリング
47 操作溝
47a 屈曲部
48 貫通孔
49 操作ピン
50 係止孔
51 突片
52 段付き小径部
55 ストッパ
56 規制溝
60 回り止め機構
61 凹所
62 回り止めキー
63 切欠溝
64 ねじ挿入孔
65 取付ねじ
66 取付孔
71,72 ねじ孔
73,74 押さえねじ
75,76 傾斜面
100 電気めっき装置
101 めっき液
102 めっき槽
103 繰出しロール
104 巻取りロール
111〜115 第1〜第5案内ロール
121〜124 第1〜第4給電ロール
131〜134 第1〜第4反転ロール
141〜144 第1〜第4アノード対

Claims (8)

  1. ウェブが繰出し又は巻取り可能に保持される管状のコアの端部を芯出しした状態で回転可能に保持するコアホルダであって、
    回転可能な支持軸に固定される固定ホルダと、
    前記固定ホルダに対して前記支持軸の軸方向に沿って移動可能に設けられ、前記コアの端部と係わり合って当該コアの端部位置を規制する可動ホルダと、
    前記支持軸の軸方向に沿う方向につき前記固定ホルダに対する前記可動ホルダの位置を調整する位置調整手段と、
    を備えたことを特徴とするコアホルダ。
  2. 請求項1に記載のコアホルダにおいて、
    前記可動ホルダは回転操作可能な操作部を有し、
    前記位置調整手段は、前記固定ホルダ及び前記可動ホルダの一方に雌ねじ部を形成すると共に、他方には前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を形成し、前記操作部を回転操作することで前記固定ホルダに対する前記可動ホルダの位置を調整した後、位置調整された前記可動ホルダを拘束手段にて拘束することを特徴とするコアホルダ。
  3. 請求項1に記載のコアホルダにおいて、
    前記可動ホルダは前記支持軸の軸方向に沿って移動操作可能な操作部を有し、
    前記位置調整手段は、前記固定ホルダに対して前記可動ホルダを摺動可能に保持し、前記操作部を移動操作することで前記固定ホルダに対する前記可動ホルダの位置を調整した後、位置調整された前記可動ホルダを拘束手段にて拘束することを特徴とするコアホルダ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のコアホルダにおいて、
    前記可動ホルダは、前記コアの端部位置を規制するときに、前記コアの端部に形成された被係止部に係止されて当該コアを回り止めする係止部を有することを特徴とするコアホルダ。
  5. 請求項4に記載のコアホルダにおいて、
    前記位置調整手段は、前記可動ホルダを前記係止部を介して前記固定ホルダに拘束する拘束手段を有することを特徴とするコアホルダ。
  6. ウェブが管状のコアに対して繰出し又は巻取り可能に保持され、当該ウェブを搬送するウェブ搬送装置であって、
    請求項1乃至5のいずれかに記載のコアホルダと、
    当該コアホルダの固定ホルダが固定される回転可能な支持軸を有し、当該支持軸を回転させる駆動手段と、
    を備えたことを特徴とするウェブ搬送装置。
  7. 請求項6に記載のウェブ搬送装置において、
    前記コアの一端部を芯出しした状態で保持する請求項1乃至5のいずれかに記載のコアホルダと、
    前記コアホルダにて芯出しされる前記コアの一端部とは反対側の他端部に対向して設けられ、当該コアの他端部を芯出しした状態で押圧保持する対向コアホルダと、を備えたことを特徴とするウェブ搬送装置。
  8. 請求項6又は7に記載のウェブ搬送装置と、
    前記ウェブ搬送装置にて搬送されるウェブに対して予め決められた処理を施す処理部と、
    を備えたことを特徴とする処理装置。
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