JP2020006578A - フッ素樹脂粉体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性等の特性を保った状態で微粉化可能なフッ素樹脂粉体の製造方法を提供する。【解決手段】フッ素樹脂粉体の製造方法は、湿式の臼式法によりフッ素樹脂の粗粉を粉砕して、前記粗粉よりも平均粒径の小さい微粉を生成する工程(S3)を含み、前記(S3)工程では、前記粗粉が分散助剤を含有する水に分散している。【選択図】図1

Description

本発明は、フッ素樹脂粉体の製造方法に関するものである。
従来、粉末状のフッ素樹脂(フッ素樹脂粉体)は、低摩擦特性、耐摩耗性、非粘着性、摺動性、耐熱性、耐薬品性等の優れた特性を有している。そのため、摺動体等の機械部品などに用いられている。
このようなフッ素樹脂粉体の製造方法として、例えば、特許文献1には、フッ素樹脂のシートまたはブロック等を機械的に粉砕して、所定粒径のフッ素樹脂粉体を得る方法が記載されている。
特開平10−316761号公報
本発明者の検討によれば、耐摩耗性等の特性を保った状態でフッ素樹脂を粉砕してフッ素樹脂粉体を微粉化(例えば平均粒径20μm以下)することが難しいことがわかった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性等の特性を保った状態で微粉化可能なフッ素樹脂粉体の製造方法を提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
[1](a)湿式の臼式法によりフッ素樹脂の粗粉を粉砕して、前記粗粉よりも平均粒径の小さい微粉を生成する工程を含み、前記(a)工程では、前記粗粉が分散助剤を含有する水に分散している、フッ素樹脂粉体の製造方法。
[2][1]記載のフッ素樹脂粉体の製造方法において、(b)フッ素樹脂の成形体に、酸素不存在下で、かつ、前記フッ素樹脂の融点以上に加熱した状態で電離性放射線を照射し、前記フッ素樹脂を架橋する工程と、(c)前記(b)工程の後に、前記成形体を粉砕して、前記粗粉を生成する工程と、を前記(a)工程の前にさらに含む。
[3][1]記載のフッ素樹脂粉体の製造方法において、前記(a)工程の後に、(d)前記微粉を、湿式の臼式法により粉砕し、前記微粉よりも平均粒径の小さい微粉を生成する工程をさらに含み、前記(d)工程では、前記微粉が前記分散助剤を含有する水に分散している。
本発明によれば、耐摩耗性等の特性を保った状態で微粉化可能なフッ素樹脂粉体の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るフッ素樹脂粉体の製造工程を示すプロセスフロー図である。 図1に示す架橋工程を示す模式図である。 図1に示す粗粉化工程を示す模式図である。 図1に示す微粉化工程を示す模式図である。 図1に示す微粉化工程によって得られた実施例1〜実施例4のフッ素樹脂粉体の粒度分布を示すグラフである。 図5に示す実施例1〜実施例4のフッ素樹脂粉体の粒度分布から算出した粒径の累積分布において、50%になる点の粒径および90%になる点の粒径と、図1に示す微粉化工程における粉砕回数との関係を示すデータ図である。 比較例1のフッ素樹脂粉体の粒度分布から算出した粒径の累積分布において、50%になる点の粒径および90%になる点の粒径と、図1に示す微粉化工程における処理時間との関係を示すデータ図である。 比較例2のフッ素樹脂粉体の粒度分布から算出した粒径の累積分布において、50%になる点の粒径および90%になる点の粒径と、図1に示す微粉化工程における処理時間との関係を示すデータ図である。 本発明で得られるフッ素樹脂粉体を用いた保護膜の一例を示す模式図である。
(検討事項)
まず、実施の形態を説明する前に、本発明者が検討した事項について説明する。
前述したように、フッ素樹脂粉体は、低摩擦特性、耐摩耗性、非粘着性、摺動性、耐熱性、耐薬品性等の優れた特性を有している。そのため、金属等からなる基材上に、フッ素樹脂粉体を用いた保護膜(保護部材、コーティング膜)を形成することが行われる。このように、基材上にフッ素樹脂粉体を含む保護膜を形成することで、基材のみの場合に比べて、耐摩耗性(摺動特性)を高めることができる。その結果、例えば機械部品等の基材の耐久性を高めることができる。
ここで、例えば40μmよりも大きい平均粒径を有するフッ素樹脂粉体を含む保護膜を基材上に形成すると、表面の粗い保護膜となってしまう。そのため、例えばフッ素樹脂粉体を用いた保護膜を基材上に形成するのであれば、このフッ素樹脂粉体の平均粒径は40μm以下であることが好ましく、平均粒径が20μm以下であればより好ましい。ただし、フッ素樹脂は弾性や自己潤滑性を有しているため、フッ素樹脂を粉砕して微粉化することは難しい。
また、フッ素樹脂にはない耐摩耗性を付与するために、フッ素樹脂に対して架橋処理を行い、架橋フッ素樹脂として用いることがある。架橋フッ素樹脂とは、フッ素樹脂を構成する炭素鎖の一つを他の炭素鎖に結合させて分岐させる(架橋反応)ことで硬度や耐摩耗性を架橋前に比べて高めたフッ素樹脂をいう。基材上に架橋フッ素樹脂粉体を含む保護膜を形成することができれば、未架橋のフッ素樹脂を含む保護膜に比べて、耐摩耗性(摺動特性)をさらに高めることができる。
ただし、架橋フッ素樹脂は、未架橋のフッ素樹脂に比べて耐摩耗性が向上しているため、架橋フッ素樹脂を粉砕して架橋フッ素樹脂粉体(例えば平均粒径40μm以下)を生成することは、未架橋のフッ素樹脂粉体を生成する場合に比べて難しい。
そこで、従来、フッ素樹脂に対して脆化処理を行い、その後粉砕するという方法が採用されている。脆化処理とは、架橋フッ素樹脂に対して、常温、大気圧下で電離性放射線を照射するものである。この脆化処理を行うことによって、架橋フッ素樹脂は粉砕しやすくなり、例えば40μm以下のフッ素樹脂粉体を生成することができる。
しかし、脆化処理を行ったフッ素樹脂は、脆化処理前のフッ素樹脂に比べて、耐摩耗性等が低下するという問題が生じる。架橋フッ素樹脂でも同様に、基材上に脆化処理を行った架橋フッ素樹脂粉体を含む保護膜を形成した場合に、架橋フッ素樹脂の耐摩耗性を活かすことができない。
そこで、本発明者は、フッ素樹脂を微粉化する粉砕方法として、臼式法を適用することを検討した。臼式法とは、上下に配置された一対の砥石を有する臼式粉砕機において、一対の砥石のうちの一方を回転させ、原材料が一対の砥石間を通過する際に原材料に対して発生するせん断力によって原材料を粉砕する方法である。この方法であれば、粉砕対象のフッ素樹脂粉体の平均粒径が小さくなってもフッ素樹脂粉体に発生するせん断力が十分働くため、フッ素樹脂を微粉化できると考えられる。そして、この臼式法は、架橋されたフッ素樹脂に対しても適用できると考えられる。
しかし、本発明者の検討によれば、フッ素樹脂を微粉化する際に臼式法を用いると次のような問題があることがわかった。まず、臼式粉砕機において、一対の砥石間には摩擦熱が発生する。そのため、粉砕対象のフッ素樹脂粉体の平均粒径が小さくなると、フッ素樹脂粉体がフッ素樹脂の融点以上に加熱され、フッ素樹脂粉体同士が溶けて一体化してしまうおそれがある。この場合には、フッ素樹脂粉体の平均粒径を小さくすることができない。
そこで、このような摩擦熱の問題を解消するために、臼式粉砕機にフッ素樹脂粉体のみを投入する(乾式)のではなく、臼式粉砕機にフッ素樹脂粉体とともに水を投入するという方法が考えられる(湿式)。水は熱容量が大きいため、前述の摩擦熱は投入された水に吸収され、フッ素樹脂粉体の溶解を防止することができる。
しかし、フッ素樹脂は撥水性を有しているため、臼式粉砕機に水とともに投入しようとしても、フッ素樹脂は水に浮き上がった状態になる。後述の図4を用いて説明すると、臼式粉砕機103のホッパー105にフッ素樹脂粉体12と水104とを投入すると、ホッパー105の下部に水104が溜まり、この水104上にフッ素樹脂粉体12が浮き上がった状態になる。そのため、フッ素樹脂を臼式粉砕機の内部に導入することができず、フッ素樹脂の微粉化ができないという問題が生じた。なお、投入するフッ素樹脂粉体の平均粒径が小さくなればなるほど、この問題は顕著になる。
以上より、臼式法による粉砕工程を工夫することにより、微粉化されたフッ素樹脂粉体を得ることが望まれる。
(実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、実施の形態を示す各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
図1に示すように、本実施の形態のフッ素樹脂粉体の製造方法は、フッ素樹脂の架橋工程(S1)と、架橋したフッ素樹脂を粗粉(例えば平均粒径1〜2mmの粉体)に粉砕する粗粉化工程(S2)と、粗粉化されたフッ素樹脂を微粉(例えば平均粒径20μm以下であって、好ましくは平均粒径約5μmの粉体)に粉砕する微粉化工程(S3)とを含んでいる。
フッ素樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等を用いることができる。これらのうちの2種類以上のフッ素樹脂を併用することもできる。前述の保護膜に用いるフッ素樹脂粉体としては、ポリテトラフルオロエチレンが最も好適である。
図2に示すように、架橋工程(S1)では、フッ素樹脂の成形体(シート)10に対して、無酸素雰囲気中または約500ppm以下の濃度の低酸素雰囲気中で、かつ、フッ素樹脂の融点以上(好ましくは融点よりも10〜30℃高い温度)に加熱した状態で、電子線等の電離性放射線101を照射線量1kGy〜10MGyで照射し、フッ素樹脂を架橋する。架橋工程(S1)においては、フッ素樹脂を融点以上に加熱することによって、フッ素樹脂を構成する炭素鎖の分子運動を活発化させることによって、架橋反応を効率よく促進させることができる。ただし、フッ素樹脂の加熱温度が高すぎると、熱分解反応や解重合反応が生じるおそれがある。そのため、加熱温度は、融点よりも10〜30℃高い温度が好ましい。また、フッ素樹脂に対する放射線の照射は、照射時の酸化を防止するため、前述のように、酸素不存在下、すなわち真空中または不活性ガス雰囲気中において行うことが好ましい。
また、粗粉化工程(S2)では、架橋したフッ素樹脂の成形体を機械的に粉砕し、粗粉(例えば平均粒径1〜2mm)にする。架橋したフッ素樹脂の成形体がシート状である場合、粉砕方法はカッターミル(カットミル)法を適用することが好ましい。カッターミル法とは、カッターなどを取り付けたロータを高速回転させ、せん断力あるいは切断力によって原材料を粉砕する方法である。すなわち、図3に示すように、粗粉化工程(S2)では、架橋したフッ素樹脂の成形体11を、カッターミル102により粉砕し、架橋したフッ素樹脂の粗粉12に粉砕する。粗粉化工程(S2)において、カッターミル法以外の粉砕方法の例としては、ハンマーミル法、ボールミル法またはピンミル法等が挙げられる。ハンマーミル法とは、高速回転するハンマーによって原材料に衝撃を加え粉砕する方法である。ボールミル法とは、原材料と硬質のボールとを容器に入れて、その容器を回転させることによって、原材料をボールによりすりつぶして粉砕する方法である。また、ピンミル法とは、向かい合った2枚の円板の表面に数十本程度のピンを互いに噛み合うように設け、片方の円板または両方の円板を高速で回転させ、円板間に供給された原材料が遠心力で円周方向に移動する間にピンとの衝撃やせん断力によって原材料を粉砕する方法である。
また、微粉化工程(S3)では、架橋したフッ素樹脂の粗粉をさらに機械的に粉砕し、微粉(例えば平均粒径20μm以下であって、好ましくは平均粒径約5μmの粉体)にする。本実施の形態の微粉化工程(S3)では、粉砕方法として臼式法を適用している。臼式法とは、上下に配置された一対の砥石のうちの一方を回転させ、原材料が一対の砥石間を通過する際に原材料に対して発生するせん断力によって原材料を粉砕する方法である。すなわち、図4に示すように、微粉化工程(S3)では、架橋したフッ素樹脂の粗粉12を、臼式粉砕機103により粉砕し、架橋したフッ素樹脂の微粉13に粉砕する。
特に、本実施の形態では、湿式の臼式法により、フッ素樹脂を粉砕している。すなわち、臼式粉砕機103において、架橋したフッ素樹脂の粗粉12に水104を加えながら粉砕している。特に、水104には分散助剤(図示せず)を加えている。分散助剤としては、フッ素樹脂と水との親和性を有するものであって、例えば、イソプロピルアルコール等のアルコール系の分散助剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩等の陰イオン(アニオン)系界面活性剤、または、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン(ノニオン)系界面活性剤が挙げられる。
また、本実施の形態の微粉化工程(S3)は、湿式の臼式法による粉砕を繰り返し、フッ素樹脂粉体をさらに細かくする工程を含んでいる。すなわち、微粉化工程(S3)は、図4に示す架橋したフッ素樹脂の微粉13を再び臼式粉砕機103に投入し粉砕することを繰り返す工程を含んでいる。そして、この工程では、臼式粉砕機103において、架橋したフッ素樹脂の微粉13に水104を加えながら粉砕している。特に、水104には分散助剤(図示せず)を加えている。
以下、本実施の形態のフッ素樹脂の製造方法の効果について説明する。
まず、本実施の形態のフッ素樹脂の製造方法では、架橋工程(S1)においてフッ素樹脂の成形体(シート)に対して放射線を照射している。これにより、フッ素樹脂に対して放射線を均一に照射することができ、その結果、フッ素樹脂の架橋反応を均質に行うことができる。
また、フッ素樹脂の粉砕工程として、微粉化工程(S3)の前に、粗粉化工程(S2)を有している。こうすることで、架橋されたフッ素樹脂の成形体を粗粉化して、フッ素樹脂を臼式粉砕機に投入可能な大きさにすることができる。
そして、微粉化工程(S3)において、臼式粉砕機にフッ素樹脂の粗粉を、分散助剤を含有する水とともに投入している。こうすることで、前述したように、臼式粉砕機において発生する摩擦熱が熱容量の大きい水に吸収され、フッ素樹脂粉体の溶解を防止することができる。さらに、分散助剤によって、フッ素樹脂粉体を水に分散させることができる。その結果、フッ素樹脂粉体を臼式法によって微粉化することが可能となる。具体的には、図4に示すように、臼式粉砕機103のホッパー105にフッ素樹脂粉体12と水104と分散助剤(図示せず)を投入すると、ホッパー105にはフッ素樹脂粉体12が分散した液体が溜まるため、この液体を臼式粉砕機103に導入することができる。その結果、フッ素樹脂粉体12を臼式粉砕機103に導入して、臼式法によりフッ素樹脂の微粉13を得ることができる。そして、本実施の形態では、架橋されたフッ素樹脂であっても、脆化させることなく微粉化することが可能となる。
また、微粉化工程(S3)では、臼式法による粉砕を繰り返し、フッ素樹脂粉体をさらに細かくする工程を含んでいる。こうすることで、後述の実施例で示されるように、平均粒径20μm以下、特に平均粒径5μm以下のフッ素樹脂粉体を得ることができる。
なお、本実施の形態と異なり、粗粉化工程(S2)と架橋工程(S1)との順序を逆にすることも考えられる。すなわち、この場合のフッ素樹脂粉体の製造方法は、フッ素樹脂を粗粉に粉砕する粗粉化工程(S2)と、粗粉化されたフッ素樹脂を架橋する架橋工程(S1)と、架橋したフッ素樹脂の粗粉を微粉に粉砕する微粉化工程(S3)とを含む。こうすることで、本実施の形態と同様に、フッ素樹脂を脆化することなく架橋されたフッ素樹脂粉体を得ることができる。ただし、前述したように、架橋工程(S1)においてフッ素樹脂の融点以上に加熱する必要があるため、架橋対象とするフッ素樹脂粉体の粒径が小さいとフッ素樹脂粉体同士が溶融して一体化してしまうおそれがある。また、本実施の形態のように、架橋工程(S1)においてフッ素樹脂の成形体(特にシート)に対して放射線を照射した方が、フッ素樹脂に対して放射線を均一に照射することができ、その結果、フッ素樹脂の架橋反応を均質に行うことができる。これらの観点では、粗粉化後に架橋する製造方法よりも本実施の形態の製造方法の方が有利である。
本実施の形態では、フッ素樹脂の成形体(シート)を原材料として、架橋工程(S1)により架橋フッ素樹脂を生成する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、架橋フッ素樹脂の成形体を原材料とした場合のフッ素樹脂粉体の製造方法は、粗粉化工程(S2)と、微粉化工程(S3)とを含み、架橋工程(S1)を省略することができる。
また、微粉化工程(S3)では、臼式法による粉砕を繰り返し、フッ素樹脂粉体をさらに細かくする工程を含む場合を例に説明したが、これに限定されず、臼式法による粉砕を1回のみ行って、平均粒径20μm以下のフッ素樹脂粉体を生成してもよい。ただし、平均粒径10μm以下、特に平均粒径5μm以下のフッ素樹脂粉体を得る必要がある場合には、臼式法による粉砕を複数回行うことが好ましい。
<フッ素樹脂粉体を用いた保護膜>
図9は、本発明の一実施の形態に係るフッ素樹脂粉体を用いた保護膜(保護部材、コーティング膜)を示す模式図である。図9に示すように、保護膜3は、金属等からなる基材1上に形成されている。保護膜3は、フッ素樹脂の微粉(フッ素樹脂粉体)13とコーティング剤2とからなる。この保護膜3は、基材1と親和性の高い樹脂(図示せず)を基材1上に塗布した後、フッ素樹脂の微粉13を分散させたコーティング剤2を塗布し、焼成することによって形成される。このように、基材1上に保護膜3を形成することで、基材1のみの場合に比べて、耐摩耗性(摩擦特性)を高めることができる。これにより、例えば機械部品等の基材1の耐久性を高めることができる。
特に、図9に示すように、20μm以下(より好ましくは5μm以下)の平均粒径を有するフッ素樹脂の微粉13を含む保護膜3を基材1上に形成すると、表面の滑らかな保護膜3となる。こうすることで、保護膜3は高い耐摩耗性を有し、例えば機械部品等の基材1の耐久性をさらに高めることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜実施例4、比較例1および比較例2の構成>
実施例1〜実施例4、比較例1および比較例2で用いた原材料は、テトラフルオロエチレンからなるフッ素樹脂シート(厚さ1mm)である。
<実施例1〜実施例4の製造方法>
実施例1〜実施例4は以下の方法で作製した。各条件は一例である。
(S1)架橋工程
フッ素樹脂のシートに対して、0.1Torr以下の真空度で、かつ、340℃に加熱した状態で電子線(照射線量100kGy)を照射し、フッ素樹脂を架橋した。
(S2)粗粉化工程
(S1)工程の後、架橋したフッ素樹脂シートをカッターミル法により粉砕し、架橋フッ素樹脂の粗粉(平均粒径1〜2mm)を得た。
(S3)微粉化工程
(S2)工程の後、イソプロピルアルコール(分散助剤)の水溶液とともに、架橋フッ素樹脂の粗粉を臼式粉砕機に投入し、投入された架橋フッ素樹脂の粗粉を粉砕することによって、架橋フッ素樹脂の微粉を得た。この架橋フッ素樹脂の微粉を実施例1とした。すなわち、臼式粉砕機による粉砕回数が1回のものを実施例1としている。
その後、イソプロピルアルコールの水溶液とともに、得られた架橋フッ素樹脂の微粉を再び臼式粉砕機に投入し、投入された架橋フッ素樹脂の微粉をさらに粉砕することによって、平均粒径のより小さい架橋フッ素樹脂の微粉を得た。
ここで、臼式粉砕機による粉砕回数が7回のものを実施例2と、粉砕回数が13回のものを実施例3と、粉砕回数が14回のものを実施例4とした。
<比較例1および比較例2の製造方法>
比較例1および比較例2は以下の方法で作製した。各条件は一例である。なお、比較例1および比較例2において、(S1)架橋工程および(S2)粗粉化工程は、上記実施例1〜実施例4と同じである一方、(S3)微粉化工程が上記実施例1〜実施例4と異なる。
比較例1では、(S3)微粉化工程において、臼式粉砕機の代わりに湿式ホモジナイザーを用いた。この湿式ホモジナイザーは、液体中で刃を高速で回転させることによって原材料を粉砕するものを採用した。比較例1では、(S2)工程の後、平均粒径20μm程度まで臼式粉砕機で微粉化させた後、イソプロピルアルコール(分散助剤)の水溶液とともに、架橋フッ素樹脂の粗粉を湿式ホモジナイザーに投入し、投入された架橋フッ素樹脂の粗粉を粉砕することによって、架橋フッ素樹脂の微粉を得た。
また、比較例2では、(S3)微粉化工程において、臼式粉砕機の代わりに湿式ジェットミルを用いた。この湿式ジェットミルは、原材料を含む液体をノズルから噴出させ、生じたジェット気流によって原材料を加速させ、加速した粒子同士の衝突等によって原材料を粉砕するものを採用した。比較例2では、(S2)工程の後、平均粒径20μm程度まで臼式粉砕機で微粉化させた後、イソプロピルアルコール(分散助剤)の水溶液とともに、架橋フッ素樹脂の粗粉を湿式ジェットミルに投入し、投入された架橋フッ素樹脂の粗粉を粉砕することによって、架橋フッ素樹脂の微粉を得た。
<実施例1〜実施例4の結果>
実施例1〜実施例4の結果について、図5および図6にまとめた。図5は、(S3)微粉化工程によって得られた実施例1〜実施例4のフッ素樹脂粉体の粒度分布を示すグラフである。図6は、図5に示す実施例1〜実施例4のフッ素樹脂粉体の粒度分布から算出した粒径の累積分布において、50vol%になる点の粒径および90vol%になる点の粒径と、(S3)微粉化工程における粉砕回数との関係を示すデータ図である。
ここでは、臼式法による粉砕回数と平均粒径との関係について検討する。図5および図6に示すように、実施例1(粉砕回数1回)において、粒径の累積分布において50vol%になる点の粒径(D50%)は、15.79μm、粒径の累積分布において90vol%になる点の粒径(D90%)は、34.55μmである。実施例2(粉砕回数7回)において、D50%は、7.35μm、D90%は、14.64μmである。実施例3(粉砕回数13回)において、D50%は、4.81μm、D90%は、10.42μmである。実施例4(粉砕回数14回)において、D50%は、4.3μm、D90%は、10.7μmである。ここで、平均粒径は、粒子の累積分布において50vol%を示すときの粒径、すなわちD50%を指す。そして、D90%は、全粒子の中でのほぼ最大粒径を表している。
実施例1〜実施例4の結果から、分散助剤を用いた湿式の臼式法によって、平均粒径20μm以下の架橋フッ素樹脂粉体を生成できることが示された。実施例1からわかるように、臼式粉砕機による粉砕回数が1回のみであっても、微粉化が可能である。また、実施例3および実施例4からわかるように、粉砕回数が13回程度で平均粒径が4μm程度、また最大粒径が10μm程度となり、これ以上粉砕回数を増やしても平均粒径および最大粒径は変化しない。これより、臼式粉砕機による粉砕回数は、10回程度が好ましいといえる。以上より、臼式法を繰り返し適用することによって、平均粒径5μm以下の架橋フッ素樹脂の微粉を生成できることがわかった。
<比較例1および比較例2の結果>
比較例1および比較例2の結果について、図7および図8にまとめた。図7は、比較例1のフッ素樹脂粉体の粒度分布から算出した粒径の累積分布において、50%になる点の粒径および90%になる点の粒径と、(S3)微粉化工程における処理時間との関係を示すデータ図である。図8は、比較例2のフッ素樹脂粉体の粒度分布から算出した粒径の累積分布において、50%になる点の粒径および90%になる点の粒径と、(S3)微粉化工程における処理時間との関係を示すデータ図である。
以下、架橋フッ素樹脂を臼式法以外の粉砕方法によって粉砕した結果について説明する。前述したように、比較例1では湿式ホモジナイザーを、比較例2では湿式ジェットミルを用いた。
図7に示すように、比較例1(湿式ホモジナイザー)において、処理時間0分(処理前)では、粒径の累積分布において50%になる点の粒径(D50%)は、21.5μm、粒径の累積分布において90%になる点の粒径(D90%)は、88.0μmである。比較例1において、処理時間5分では、D50%は、20.8μm、D90%は、74μmである。比較例1において、処理時間10分では、D50%は、20.7μm、D90%は、74μmである。
図8に示すように、比較例2(湿式ジェットミル)において、処理時間0分(処理前)では、粒径の累積分布において50%になる点の粒径(D50%)は、21.5μm、粒径の累積分布において90%になる点の粒径(D90%)は、88.0μmである。比較例2において、処理時間15分では、D50%は、21.5μm、D90%は、87.0μmである。
比較例1および比較例2からわかるように、処理時間にかかわらず、架橋フッ素樹脂の粉体の平均粒径は20μm程度と変化がみられない。そのため、湿式ホモジナイザーおよび湿式ジェットミルでは、平均粒径が20μm以下の架橋フッ素樹脂粉体を得ることはできない。従って、湿式ホモジナイザーおよび湿式ジェットミルによって架橋フッ素樹脂を粉砕して、平均粒径が20μm以下の架橋フッ素樹脂粉体を得るためには、前述したように脆化処理を行う必要がある。この場合には、架橋フッ素樹脂粉体の耐摩耗性等が、脆化処理前に比べて低下するという問題が生じる。
逆に、実施例1〜実施例4から、架橋フッ素樹脂を臼式法により粉砕することで、脆化処理を行うことなく平均粒径20μm以下の架橋フッ素樹脂粉体を得ることができることが示された。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 基材
2 コーティング剤
3 保護膜
10 フッ素樹脂成形体(シート)
11 架橋フッ素樹脂成形体(シート)
12 架橋フッ素樹脂の粗粉(フッ素樹脂粉体)
13 架橋フッ素樹脂の微粉(フッ素樹脂粉体)
101 電子線
102 カッターミル(カットミル)
103 臼式粉砕機
104 水
105 ホッパー

Claims (3)

  1. (a)湿式の臼式法によりフッ素樹脂の粗粉を粉砕して、前記粗粉よりも平均粒径の小さい微粉を生成する工程、
    を含み、
    前記(a)工程では、前記粗粉が分散助剤を含有する水に分散している、フッ素樹脂粉体の製造方法。
  2. 請求項1記載のフッ素樹脂粉体の製造方法において、
    (b)フッ素樹脂の成形体に、酸素不存在下で、かつ、前記フッ素樹脂の融点以上に加熱した状態で電離性放射線を照射し、前記フッ素樹脂を架橋する工程と、
    (c)前記(b)工程の後に、前記成形体を粉砕して、前記粗粉を生成する工程と、
    を前記(a)工程の前にさらに含む、フッ素樹脂粉体の製造方法。
  3. 請求項1記載のフッ素樹脂粉体の製造方法において、
    前記(a)工程の後に、
    (d)前記微粉を、湿式の臼式法により粉砕し、前記微粉よりも平均粒径の小さい粉体を生成する工程、
    をさらに含み、
    前記(d)工程では、前記微粉が前記分散助剤を含有する水に分散している、フッ素樹脂粉体の製造方法。
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