JP2020006562A - 金属張積層板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリイミド層と金属層との熱膨張係数の差に起因するポリイミド層の寸法変化が抑制された金属張積層板の製造方法の提供。【解決手段】I)単層又は複数層のポリイミド層を含む絶縁層と、絶縁層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板を準備する工程、II)工程Iの後に、金属張積層板に対して80℃〜360℃の熱処理を行う工程を含み、工程IIの後に、III)金属層をエッチング加工することによりパターニングする工程、IV)工程IIIの後に、80℃〜140℃の範囲内の温度で熱処理を行う工程を含み、さらに、工程IVの後で、V)絶縁層をパターニングする工程、を含む金属張積層板の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、金属張積層板の製造方法に関し、詳しくは、金属層がパターニングされており、例えば電子部品の材料や、電子部品の製造装置における部品などの用途に好ましく利用可能な金属張積層板の製造方法に関するものである。
近年、ポリイミドと金属層から構成される金属張積層板は、例えば、フレキシブルプリント配線板(FPC)、フレキシブル太陽電池、リチウムイオン電池の負極材、ハードディスクドライブのサスペンション、液晶表示装置(LCD)の材料、有機ELディスプレイ材料等の各種電子機器に広く使用されている。
また、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化の進展に伴い、金属張積層板には従来からの要求である耐熱性や接着性に加え、薄く軽量であることや、金属層のファインパターン化、ポリイミドの微細加工性、更なる高寸法安定性等が求められてきている。また、最近では、実装技術の進歩により配線の高密度化、FPCの多層化が進み、それに伴い高耐屈曲性も要求されるようになっている。例えば、ラミネート法によって屈曲特性に優れたフレキシブル銅張積層板を製造することを目的として、銅箔とポリイミドフィルムとを加熱圧着させた後で、更に、加熱圧着における加熱温度以上の温度に加熱する再加熱工程を設けることで、銅箔の弾性率を低下させるとともに、銅箔の立方体組織を発達させることが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、10ppm/K以下の熱膨張係数を有するポリイミド積層体とアルミニウム合金箔とが積層された金属張積層板が提案されている(例えば、特許文献2)。
ポリイミド層と金属層とが積層された金属張積層板において、ポリイミド層と金属層の熱膨張係数に差がある場合、ポリイミド層と金属層の界面に内部応力が生じる。この内部応力によって、金属層をエッチング加工した金属張積層板の段階でポリイミド層の寸法変化が大きくなる。また、金属層をエッチングした金属張積層板に対し、例えば乾燥処理等の熱処理をおこなった場合にもポリイミド層に寸法変化が生じる。
従って、本発明は、ポリイミド層と金属層との熱膨張係数の差に起因するポリイミド層の寸法変化が抑制された金属張積層板を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリイミド層と金属層とが積層された金属張積層板を製造する過程で、金属層をエッチングしパターニングする前の段階で予備的な熱処理を行うことによって、ポリイミド層に残留する応力を解放することが可能となり、高寸法安定性が担保できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の金属張積層板の製造方法は、下記の工程I及びII、
I)単層又は複数層のポリイミド層を含む絶縁層と、該絶縁層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板を準備する工程、
II)前記工程Iの後に、前記金属張積層板に対して80℃〜360℃の熱処理を行う工程、
を含んでいる。そして、本発明の金属張積層板の製造方法は、前記金属層の熱膨張係数をCTEm、前記絶縁層の熱膨張係数をCTEiとした場合に、前記CTEmが18ppm/K以下、前記CTEiが15ppm/K以下であり、かつ、|CTEm−CTEi|≧2ppm/Kの関係を満たすものである。
I)単層又は複数層のポリイミド層を含む絶縁層と、該絶縁層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板を準備する工程、
II)前記工程Iの後に、前記金属張積層板に対して80℃〜360℃の熱処理を行う工程、
を含んでいる。そして、本発明の金属張積層板の製造方法は、前記金属層の熱膨張係数をCTEm、前記絶縁層の熱膨張係数をCTEiとした場合に、前記CTEmが18ppm/K以下、前記CTEiが15ppm/K以下であり、かつ、|CTEm−CTEi|≧2ppm/Kの関係を満たすものである。
本発明の金属張積層板の製造方法は、前記工程IIの後に、更に下記の工程III及びIV、
III)前記金属層をエッチング加工することによりパターニングする工程、
IV)前記工程IIIの後に、80℃〜140℃の範囲内の温度で熱処理を行う工程、
を含んでいてもよい。
III)前記金属層をエッチング加工することによりパターニングする工程、
IV)前記工程IIIの後に、80℃〜140℃の範囲内の温度で熱処理を行う工程、
を含んでいてもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、前記工程IVの後に、更に下記の工程V、
V)前記絶縁層をパターニングする工程、
を含んでいてもよい。
V)前記絶縁層をパターニングする工程、
を含んでいてもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、前記CTEm−CTEiが2ppm/Kより大きくてもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、前記CTEiが10ppm/K以下であってもよく、かつ前記絶縁層の吸湿膨張係数(CHE)が20ppm/%RH以下であってもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、前記絶縁層が、単層のポリイミド層からなるものであってもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、前記金属層上で、前記ポリイミド層を構成するポリイミドのイミド化を行ってもよい。
本発明方法によれば、金属層をパターニングする前の金属張積層板に対し、80℃〜360℃の範囲内の温度で熱処理を実施することで、金属配線形成やポリイミド層への穴あけ加工等を行った後の工程で発生する熱処理時のポリイミド層の寸法変化を効果的に抑制することができる。従って、本発明方法によって製造される金属張積層板を、各種の電子部品の材料として、あるいは、電子部品の製造装置における部品として使用することによって、当該電子部品の信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態について説明する。本実施の形態の金属張積層板の製造方法は、下記の工程I及びIIを含むことができる。
工程I:
工程Iでは、単層又は複数層のポリイミド層を含む絶縁層と、該絶縁層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板を準備する。
工程Iでは、単層又は複数層のポリイミド層を含む絶縁層と、該絶縁層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板を準備する。
<絶縁層>
絶縁層は、単層又は複数層のポリイミド層を含むものである。ポリイミド層を構成するポリイミドは、特に限定されるものではない。ポリイミド層を構成する好ましいポリイミドについては、後述する。
絶縁層は、単層又は複数層のポリイミド層を含むものである。ポリイミド層を構成するポリイミドは、特に限定されるものではない。ポリイミド層を構成する好ましいポリイミドについては、後述する。
絶縁層の厚みは、低スティッフネス性や絶縁層上へ微細加工を可能とするために、例えば3〜10μmの範囲内、好ましくは3〜7μmの範囲内、より好ましくは4〜6μmの範囲内がよい。絶縁層の厚みが3μm未満であると、加工時に破断する場合があり、10μmを超えるとCTE制御が困難となり、カールが生じる傾向になる。
絶縁層の熱膨張係数(CTE)は、15ppm/K以下、好ましくは−5ppm/K〜10ppm/Kの範囲内、より好ましくは−3ppm/K〜5ppm/Kの範囲内がよい。絶縁層のCTEが15ppm/Kを超えると、電子部品を実装する際に熱が加わることで、金属層をエッチング加工して得られるパターンにずれが生じやすくなる傾向にある。またCTEが15ppm/K以下の金属層上にポリイミド層を形成した際に、金属層とポリイミド層間のCTE差により内部応力が生じやすい傾向にある。
絶縁層におけるポリイミド層を構成するポリイミドは、特に限定されるものではない。なお、ポリイミド層を構成する好ましいポリイミドについては、後述する。
絶縁層は、必要に応じて、無機フィラーを含有してもよい。具体的には、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
<金属層>
金属張積層板における金属層は、熱膨張係数(CTE)が18ppm/K以下であればその材質に特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、低熱膨張の観点から鉄、ニッケル、ステンレス及びこれらの合金が好ましい。
金属張積層板における金属層は、熱膨張係数(CTE)が18ppm/K以下であればその材質に特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、低熱膨張の観点から鉄、ニッケル、ステンレス及びこれらの合金が好ましい。
金属層の厚みは特に限定されるものではないが、破断や変形を抑制できる厚みにするのがよく、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは10〜50μmの範囲内がよい。生産安定性及びハンドリング性の観点から、金属層の厚みの下限値は5μmとすることが好ましい。
<金属張積層板>
本実施の形態において、金属張積層板は、片面金属張積層板でもよいし、両面金属張積層板でもよい。
本実施の形態において、金属張積層板は、片面金属張積層板でもよいし、両面金属張積層板でもよい。
(金属張積層板の調製)
金属張積層板は、例えばポリイミドフィルムを用意し、これに金属をスパッタリングしてシード層を形成した後、例えばメッキによって金属層を形成することによって調製してもよい。
金属張積層板は、例えばポリイミドフィルムを用意し、これに金属をスパッタリングしてシード層を形成した後、例えばメッキによって金属層を形成することによって調製してもよい。
また、金属張積層板は、ポリイミドフィルムを用意し、これに金属箔を熱圧着などでラミネートする方法(ラミネート法)によって調製してもよい。この場合、ポリイミド層と金属箔の接着性を高めるために、ポリイミド層を構成するためのポリイミドフィルムの表面に、例えばプラズマ処理などの改質処理を施しても良い。また、ポリイミドフィルムにおける金属層に接する層を熱可塑性ポリイミド層としてもよい。
また、金属張積層板は、金属箔上に、ポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥した後、イミド化してポリイミド層を形成するする方法(キャスト法)によって調製してもよい。ここで、ポリイミド層が複数層を含む場合は、例えば金属箔上に、ポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥することを複数回繰り返した後、イミド化を行ってもよいし、多層押出により、金属箔上に同時にポリアミド酸を多層に積層した状態で塗布・乾燥した後、イミド化を行ってもよい。キャスト法によってポリイミド層を形成する場合は、金属箔上でポリアミド酸のイミド化を完結させることが好ましい。ポリアミド酸層が支持基材に固定された状態でイミド化されるので、イミド化過程におけるポリイミド層の伸縮変化を抑制して、ポリイミド層の厚みや寸法の精度を維持することができる。
工程II:
工程IIでは、工程Iの後に、金属張積層板に対して80℃〜360℃の熱処理を行う。この熱処理は、工程IIよりも後で行われる熱処理(「本加熱処理」という)に先立つ予備的な熱処理(「第1の事前加熱処理」という)である。第1の事前加熱処理を行うことによって、本加熱処理による温度変化に対する寸法安定性を高めることができる。すなわち、第1の事前加熱処理は、ポリイミド層と金属層とが積層された金属張積層板のポリイミド層に残留する応力を解放する作用を有するため、工程IIの第1の事前加熱処理より後の工程での温度変化に対する高寸法安定性が担保できる。なお、本加熱処理の目的は問われず、例えば乾燥処理、ラミネート処理、スパッタリング処理、蒸着処理など温度変化を伴う各種プロセスにおける熱処理であってもよい。
工程IIでは、工程Iの後に、金属張積層板に対して80℃〜360℃の熱処理を行う。この熱処理は、工程IIよりも後で行われる熱処理(「本加熱処理」という)に先立つ予備的な熱処理(「第1の事前加熱処理」という)である。第1の事前加熱処理を行うことによって、本加熱処理による温度変化に対する寸法安定性を高めることができる。すなわち、第1の事前加熱処理は、ポリイミド層と金属層とが積層された金属張積層板のポリイミド層に残留する応力を解放する作用を有するため、工程IIの第1の事前加熱処理より後の工程での温度変化に対する高寸法安定性が担保できる。なお、本加熱処理の目的は問われず、例えば乾燥処理、ラミネート処理、スパッタリング処理、蒸着処理など温度変化を伴う各種プロセスにおける熱処理であってもよい。
第1の事前加熱処理の温度は、80℃〜360℃の範囲内であり、100℃〜320℃の範囲内の温度が好ましい。第1の事前加熱処理の温度が80℃より低温であると、本加熱処理での寸法変化が大きくなり、360℃より高いとポリイミドの熱分解が生じる懸念がある。
また、第1の事前加熱処理は、本加熱処理の温度に対して、−40℃から+240℃の範囲内の温度で行うことが好ましく、−20℃から+200℃であることがより好ましい。本加熱処理の温度を基準に、ほぼ同等か、それよりも高い温度で第1の事前加熱処理を行うことによって、ポリイミド層に残留する応力のうち、本加熱処理によって解放される可能性がある部分を確実に解放させて、寸法安定性を高めることができる。例えば、本加熱処理の温度が100℃〜120℃である場合、第1の事前加熱処理の温度は、60℃〜360℃の範囲内とすることが好ましい。
また、第1の事前加熱処理は、本加熱処理の温度に対して、−40℃から+240℃の範囲内の温度で行うことが好ましく、−20℃から+200℃であることがより好ましい。本加熱処理の温度を基準に、ほぼ同等か、それよりも高い温度で第1の事前加熱処理を行うことによって、ポリイミド層に残留する応力のうち、本加熱処理によって解放される可能性がある部分を確実に解放させて、寸法安定性を高めることができる。例えば、本加熱処理の温度が100℃〜120℃である場合、第1の事前加熱処理の温度は、60℃〜360℃の範囲内とすることが好ましい。
第1の事前加熱処理の時間は、例えば1分〜120分の範囲内が好ましく、30分〜90分の範囲内がより好ましい。第1の事前加熱処理の時間が1分未満であると、応力の解放が不十分となって発明の効果が得られず、120分を超えると、金属張積層板に過剰な熱履歴を加えることになるほか、エネルギー効率の点でも無駄が大きくなる。
第1の事前加熱処理は、金属層に悪影響を及ぼさない雰囲気下であれば特に制限されず、例えば大気中や窒素ガスなどの不活性ガス中で行ってもよい。
本実施の形態の金属張積層板の製造方法は、上記工程I及びIIに加え、さらに任意の工程を含むことができる。例えば、以下の工程III〜Vのいずれかの工程を行ってもよい。
工程III:
工程IIIでは、工程IIの後で、金属張積層板の金属層をエッチング加工することによりパターニングする。例えば、フォトリソグラフィー技術とエッチングによって金属張積層板の金属層を部分的に除去する。パターニング後の金属張積層板は、絶縁層と金属層が積層されている部位と、金属層が除去されて存在せず、絶縁層のみが存在する部位とを有する。パターニングの目的は問われず、例えば、配線形成、マスク形成、電磁波吸収体用のパターン形成等の目的であってもよい。
工程IIIでは、工程IIの後で、金属張積層板の金属層をエッチング加工することによりパターニングする。例えば、フォトリソグラフィー技術とエッチングによって金属張積層板の金属層を部分的に除去する。パターニング後の金属張積層板は、絶縁層と金属層が積層されている部位と、金属層が除去されて存在せず、絶縁層のみが存在する部位とを有する。パターニングの目的は問われず、例えば、配線形成、マスク形成、電磁波吸収体用のパターン形成等の目的であってもよい。
工程IV:
工程IVでは、工程IIIの後に、パターニングされた金属張積層板に対して、80℃〜140℃の範囲内の温度で熱処理を行う。この熱処理は、工程IVよりも後で行われる本加熱処理に先立つ予備的な熱処理(「第2の事前加熱処理」という)である。第1の事前加熱処理に加え、さらに第2の事前加熱処理を行うことによって、本加熱処理による温度変化に対する寸法安定性をよりいっそう高めることができる。すなわち、第2の事前加熱処理は、金属張積層板の金属層をエッチングしパターニングした後で、ポリイミド層に残留する応力を解放する作用を有するため、以降の工程での温度変化に対する高寸法安定性が担保できる。
工程IVでは、工程IIIの後に、パターニングされた金属張積層板に対して、80℃〜140℃の範囲内の温度で熱処理を行う。この熱処理は、工程IVよりも後で行われる本加熱処理に先立つ予備的な熱処理(「第2の事前加熱処理」という)である。第1の事前加熱処理に加え、さらに第2の事前加熱処理を行うことによって、本加熱処理による温度変化に対する寸法安定性をよりいっそう高めることができる。すなわち、第2の事前加熱処理は、金属張積層板の金属層をエッチングしパターニングした後で、ポリイミド層に残留する応力を解放する作用を有するため、以降の工程での温度変化に対する高寸法安定性が担保できる。
第2の事前加熱処理の温度は、80℃〜140℃の範囲内の温度が好ましい。第2の事前加熱処理の温度が80℃より低温であると、本加熱処理での寸法変化が大きくなり、140℃より高いとパターニングされた金属層のピッチを大きく変化させてしまうことがある。
また、第2の事前加熱処理は、本加熱処理の温度に対して、±20℃の範囲内の温度で行うことが好ましく、±10℃であることがより好ましい。本加熱処理の温度に近い温度で第2の事前加熱処理を行うことによって、ポリイミド層に残留する応力のうち、本加熱処理によって解放される可能性がある部分を確実に解放させて、寸法安定性を高めることができる。例えば、本加熱処理の温度が100℃〜120℃である場合、第2の事前加熱処理の温度は、80℃〜140℃の範囲内とすることが好ましい。
また、第2の事前加熱処理は、本加熱処理の温度に対して、±20℃の範囲内の温度で行うことが好ましく、±10℃であることがより好ましい。本加熱処理の温度に近い温度で第2の事前加熱処理を行うことによって、ポリイミド層に残留する応力のうち、本加熱処理によって解放される可能性がある部分を確実に解放させて、寸法安定性を高めることができる。例えば、本加熱処理の温度が100℃〜120℃である場合、第2の事前加熱処理の温度は、80℃〜140℃の範囲内とすることが好ましい。
第2の事前加熱処理の時間は、例えば20分〜120分の範囲内が好ましく、40分〜90分の範囲内がより好ましい。第2の事前加熱処理の時間が20分未満であると、第2の事前加熱処理の効果が得られず、120分を超えると、パターニングされた金属張積層板に過剰な熱履歴を加えることになるほか、エネルギー効率の点でも無駄が大きくなる。
第2の事前加熱処理は、パターン化された金属層に悪影響を及ぼさない雰囲気下であれば特に制限されず、例えば大気中や窒素ガスなどの不活性ガス中で行ってもよい。
工程V:
工程Vでは、工程II、工程III、又は工程IVの後で、絶縁層の一部を部分的に除去することによってパターニングする。絶縁層をパターニング後の金属張積層板は、工程IIIを実施した場合、絶縁層と金属層が積層されている部位と、金属層が除去されて存在せず、絶縁層のみが存在する部位と、絶縁層も金属層も存在しない貫通開口部位と、を有する。パターニングの目的は問われず、例えば、スルーホール形成、マスク形成等の目的であってもよい。
工程Vでは、工程II、工程III、又は工程IVの後で、絶縁層の一部を部分的に除去することによってパターニングする。絶縁層をパターニング後の金属張積層板は、工程IIIを実施した場合、絶縁層と金属層が積層されている部位と、金属層が除去されて存在せず、絶縁層のみが存在する部位と、絶縁層も金属層も存在しない貫通開口部位と、を有する。パターニングの目的は問われず、例えば、スルーホール形成、マスク形成等の目的であってもよい。
以上のようにして得られる金属張積層板は、電子機器の製造等において、高い寸法安定性が求められる場面で好ましく使用できる。すなわち、金属張積層板は、例えばFPC等の配線材料、ハードディスクドライブのサスペンション材料など各種の電子部品の材料として有用であるほか、例えば、印刷用のマスクなど、電子部品の製造装置における部品として各種のプロセスに好ましく使用できる。
また、金属張積層板は、例えば、金属層の熱膨張係数をCTEm、絶縁層の熱膨張係数をCTEiとした場合に、前記CTEmが18ppm/K以下、CTEiが15ppm/K以下であり、かつ、|CTEm−CTEi|≧2ppm/Kの関係を満たすものであり、さらに、CTEm−CTEiが2ppm/Kより大きいことが好ましい。|CTEm−CTEi|≧2ppm/Kの関係を充足する金属張積層板は、ポリイミド層と金属層の界面に内部応力が生じやすく、金属層をエッチング加工した段階や、本加熱処理の段階でポリイミド層の寸法変化が大きくなりやすいことから、第1の事前加熱処理若しくは第2の事前加熱処理による寸法変化の抑制効果が発揮されやすい。
金属張積層板において、寸法変化は、金属層と絶縁層を構成するポリイミド層とのCTE差、及びポリイミド層の吸湿膨張係数(CHE)に依存する。
例えば、金属層のCTE<ポリイミド層のCTEである場合は、ポリイミド層に圧縮方向の残留応力が発生する。この場合、応力が開放できない場合でもCHEで調整可能となる場合がある。
一方、金属層のCTE>ポリイミド層のCTEである場合、ポリイミド層に伸長方向の残留応力が発生する。この際、CHEが大きいと、金属層をエッチングし、パターニングした後の伸長方向の寸法変化量が大きくなる。このため、より低CHEのポリイミドを使用することが好ましい。
以上のような観点から、金属張積層板は、CTEiが10ppm/K以下であり、かつ、絶縁層の吸湿膨張係数(CHE)が20ppm/%RH以下であることがより好ましい。
例えば、金属層のCTE<ポリイミド層のCTEである場合は、ポリイミド層に圧縮方向の残留応力が発生する。この場合、応力が開放できない場合でもCHEで調整可能となる場合がある。
一方、金属層のCTE>ポリイミド層のCTEである場合、ポリイミド層に伸長方向の残留応力が発生する。この際、CHEが大きいと、金属層をエッチングし、パターニングした後の伸長方向の寸法変化量が大きくなる。このため、より低CHEのポリイミドを使用することが好ましい。
以上のような観点から、金属張積層板は、CTEiが10ppm/K以下であり、かつ、絶縁層の吸湿膨張係数(CHE)が20ppm/%RH以下であることがより好ましい。
<ポリイミド>
次に、絶縁層におけるポリイミド層を構成するポリイミドについて説明する。ポリイミド層を構成するポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミンと、を反応させて得られるポリアミド酸をイミド化して得られるものである。従って、本実施の形態において、ポリイミド層を構成するポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基及びジアミンから誘導されるジアミン残基を含むものである。なお、本発明において、テトラカルボン酸残基とは、テトラカルボン酸二無水物から誘導された4価の基のことを表し、ジアミン残基とは、ジアミン化合物から誘導された2価の基のことを表す。
次に、絶縁層におけるポリイミド層を構成するポリイミドについて説明する。ポリイミド層を構成するポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミンと、を反応させて得られるポリアミド酸をイミド化して得られるものである。従って、本実施の形態において、ポリイミド層を構成するポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基及びジアミンから誘導されるジアミン残基を含むものである。なお、本発明において、テトラカルボン酸残基とは、テトラカルボン酸二無水物から誘導された4価の基のことを表し、ジアミン残基とは、ジアミン化合物から誘導された2価の基のことを表す。
以下、酸無水物とジアミンを説明することにより、本実施の形態で用いるポリイミドの具体例が理解される。
ポリイミド層に含まれるテトラカルボン酸残基としては、特に制限はないが、例えば3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(i−BPDA)等から誘導されるテトラカルボン酸残基が好ましく挙げられる。これらの中でも、s−BPDAから誘導されるテトラカルボン酸残基(以下、s−BPDA残基ともいう。)は、秩序構造を形成しやすく、高温環境下での面内リタデーション(RO)の変化量を小さくすることができるので特に好ましい。また、s−BPDA残基は、ポリイミド前駆体のポリアミド酸としてのゲル膜の自己支持性を付与できるが、イミド化後のCTEを増大させる傾向になる。このような観点から、s−BPDA残基は、ポリイミドに含まれる全テトラカルボン酸残基に対して、好ましくは10〜70モル%の範囲内、より好ましくは10〜50モル%の範囲内がよい。
ポリイミドに含まれる上記s−BPDA残基以外のテトラカルボン酸残基としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)から誘導されるテトラカルボン酸残基(以下、PMDA残基ともいう。)が好ましく挙げられる。PMDA残基は、ポリイミドに含まれる全テトラカルボン酸残基に対して、好ましくは30〜90モル%の範囲内、より好ましくは50〜90モル%の範囲内がよい。PMDA残基は任意であるが、熱膨張係数の制御とガラス転移温度の制御の役割を担う残基である。
その他のテトラカルボン酸残基としては、例えば、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸無水物、2,3',3,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-、2,3,3',4'-又は3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,7,8-、1,2,6,7-又は1,2,9,10-フェナンスレン-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,3,5,6-シクロヘキサン二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-又は2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-(又は1,4,5,8-)テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-(又は2,3,6,7-)テトラカルボン酸二無水物、2,3,8,9-、3,4,9,10-、4,5,10,11-又は5,6,11,12-ペリレン-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基が挙げられる。
ポリイミド層に含まれるジアミン残基としては、特に制限はないが、例えば下記の一般式(A1)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が好ましく挙げられる。
上記式(A1)において、連結基Xは単結合を示し、Yは独立に水素原子、又はハロゲン若しくはフェニル基で置換されてもよい炭素数1〜3の1価の炭化水素、又は炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、又はアルケニル基を示し、nは0〜2の整数を示し、p及びqは独立に0〜4の整数を示す。ここで、「独立に」とは、上記式(A1)において、複数の置換基Y、整数p、qが、同一でもよいし、異なっていてもよいことを意味する。
一般式(A1)で表されるジアミン残基は、剛直構造を有するため、低CTE化を発現することができる。このような観点から、一般式(A1)で表されるジアミン残基は、ポリイミドに含まれる全ジアミン残基に対して、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは60モル%〜100モル%の範囲内がよい。
また、一般式(A1)で表されるジアミン残基として、例えば下記の一般式(1)で表されるジアミン残基が好ましく挙げられる。
上記式(1)において、R1、R2は、独立に、ハロゲン原子若しくはフェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数2〜3のアルケニル基を示す。
一般式(1)で表されるジアミン残基は、秩序構造を形成しやすく、特に高温環境下での面内リタデーション(RO)の変化量を有利に抑制することができる。このような観点から、一般式(1)で表されるジアミン残基は、ポリイミドに含まれる全ジアミン残基に対して、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは60〜90モル%の範囲内がよい。
一般式(1)で表されるジアミン残基の好ましい具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−TB)、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−EB)、2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(m−EOB)、2,2’−ジプロポキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(m−POB)、2,2’−n−プロピル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−NPB)、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノビフェニル(VAB)、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。これらの中でも特に、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−TB)は、秩序構造を形成しやすく、高温環境下での面内リタデーション(RO)の変化量を小さくすることができるので特に好ましい。
なお、本明細書において、「ジアミン化合物」は、末端の二つのアミノ基における水素原子が置換されていてもよく、例えば−NR3R4(ここで、R3,R4は、独立にアルキル基などの任意の置換基を意味する)であってもよい。
また、ポリイミドフィルムとした場合の伸度及び折り曲げ耐性等を向上させるため、ポリイミドが、下記の一般式(2)〜(4)で表されるジアミン残基からなる群より選ばれる少なくとも1種のジアミン残基を含むことが好ましい。
上記式(2)において、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、又はハロゲン原子、あるいは炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基、又はアルケニル基を示し、Xは独立に−O−、−S−、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−CO−、−COO−、−SO2−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、m及びnは独立に1〜4の整数を示す。
上記式(3)において、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子、又はハロゲン原子、あるいは炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基、又はアルケニル基を示し、Xは独立に−O−、−S−、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−CO−、−COO−、−SO2−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、m、n及びoは独立に1〜4の整数を示す。
上記式(4)において、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子、又はハロゲン原子、あるいは炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基、又はアルケニル基を示し、X1及びX2はそれぞれ独立に単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−CO−、−COO−、−SO2−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示すが、X1及びX2の両方が単結合である場合を除くものとし、m、n、o及びpは独立に1〜4の整数を示す。
なお、「独立に」とは、上記式(2)から(4)の内の一つにおいて、または(2)から(4)において、複数の連結基X、連結基X1、X2、複数の置換基R5、R6、R7、R8、さらに、整数m、n、o、pが、同一でもよいし、異なっていてもよいことを意味する。
一般式(2)〜(4)で表されるジアミン残基は、屈曲性の部位を有するので、ポリイミドフィルムに柔軟性を付与することができる。ここで、一般式(3)及び(4)で表されるジアミン残基は、ベンゼン環が3個又は4個であるので、熱膨張係数(CTE)の増加を抑制するために、ベンゼン環に結合する末端基はパラ位とすることが好ましい。また、ポリイミドフィルムに柔軟性を付与しながら熱膨張係数(CTE)の増加を抑制する観点から、一般式(2)〜(4)で表されるジアミン残基は、合計量でポリイミドに含まれる全ジアミン残基に対して、好ましくは10〜50モル%の範囲内、より好ましくは10〜30モル%の範囲内がよい。一般式(2)〜(4)で表されるジアミン残基が10モル%未満であると、フィルムとした場合の伸度が低下し、折り曲げ耐性等の低下が生じる。一方、50モル%を超えると、分子の配向性が低下し、低CTE化が困難となる。
一般式(2)において、基R5及びR6の好ましい例としては、水素原子又は炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基、あるいは炭素数1〜3のアルコキシ基若、又はアルケニル基を挙げることができる。また、一般式(2)において、連結基Xの好ましい例としては、−O−、−S−、−CH2−、−CH(CH3)−、−SO2−又は−CO−を挙げることができる。一般式(2)で表されるジアミン残基の好ましい具体例としては、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(4,4'-DAPE)、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルプロパン、3,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
一般式(3)において、基R5、R6及びR7の好ましい例としては、水素原子又は炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基、あるいは炭素数1〜3のアルコキシ基、又はアルケニル基を挙げることができる。また、一般式(3)において、連結基Xの好ましい例としては、−O−、−S−、−CH2−、−CH(CH3)−、−SO2−又は−CO−を挙げることができる。一般式(3)で表されるジアミン残基の好ましい具体例としては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、ビス(4‐アミノフェノキシ)−2,5−ジ−tert−ブチルベンゼン(DTBAB)、4,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゾフェノン(BAPK)、1,3-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
一般式(4)において、基R5、R6、R7及びR8の好ましい例としては、水素原子又は炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基、あるいは炭素数1〜3のアルコキシ基、又はアルケニル基を挙げることができる。また、一般式(4)において、連結基X1及びX2の好ましい例としては、単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CH(CH3)−、−SO2−又は−CO−を挙げることができる。但し、屈曲部位を付与する観点から、連結基X1及びX2の両方が単結合である場合を除くものとする。一般式(4)で表されるジアミン残基の好ましい具体例としては、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル(BAPE)、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
その他のジアミン残基としては、例えば、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、9,9-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-メチレンジ-o-トルイジン、4,4’-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4’-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、3,3’-ジアミノジフェニルエタン、3,3’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシベンジジン、3,3''-ジアミノ-p-テルフェニル、4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジン等の芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
ポリイミドにおいて、上記テトラカルボン酸残基及びジアミン残基の種類や、2種以上のテトラカルボン酸残基又はジアミン残基を適用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張係数、貯蔵弾性率、引張弾性率等を制御することができる。また、非熱可塑性ポリイミドにおいて、ポリイミドの構造単位を複数有する場合は、ブロックとして存在しても、ランダムに存在していてもよいが、面内リタデーション(RO)のばらつきを抑制する観点から、ランダムに存在することが好ましい。
<ポリイミドの合成>
一般にポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物を溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
一般にポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物を溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。ポリアミド酸の溶液の粘度は、500cps〜100,000cpsの範囲内であることが好ましい。この範囲を外れると、コーター等による塗工作業の際にフィルムに厚みムラ、スジ等の不良が発生し易くなる。ポリアミド酸をイミド化させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。また、120℃〜160℃の範囲内の温度において、30秒間を超える熱処理を行うことが好ましく、30秒間を超え10分以下の時間で熱処理を行うことがより好ましい。120℃〜160℃の範囲内の温度での熱処理時間が30秒以下であると、厚さ方向の配向差が生じやすく、また低CTE化が困難になる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[粘度の測定]
粘度の測定は、E型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV−II+Pro)を用いて、25℃における粘度を測定した。トルクが10%〜90%になるよう回転数を設定し、測定を開始してから2分経過後、粘度が安定した時の値を読み取った。
粘度の測定は、E型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV−II+Pro)を用いて、25℃における粘度を測定した。トルクが10%〜90%になるよう回転数を設定し、測定を開始してから2分経過後、粘度が安定した時の値を読み取った。
[吸湿膨張係数(CHE)及び寸法変化率の測定]
80mm×80mmのサイズの金属張積層板を準備した。この積層板の金属層の上に、ドライフィルムレジストを設けた後、露光、現像して、図1に示すように、縦方向(MD)及び横方向(TD)のそれぞれ50mm間隔で5箇所を測定可能とする16個の直径1mmのレジストパターンを形成し、位置測定用ターゲットを調製した。
1)吸湿膨張係数(CHE)の測定
位置測定用ターゲットにおけるレジストパターン開孔部の金属層の露出部分をエッチング(エッチング液の温度;40℃以下、エッチング時間;10分以内)により除去し、図2に示すように、16個の金属層残存点を有する評価サンプルを調製した。この評価サンプルを120℃で2時間乾燥した後、23℃/30%RH・50%RH・70%RHの恒温恒湿機で各湿度において24時間静置し、二次元測長機により縦方向及び横方向の各5箇所について測定した各湿度での金属層残存点間の寸法変化の平均値から吸湿膨張係数(ppm/%RH)を求めた。
2)寸法変化率の測定
温度;23±2℃、相対湿度;50±5%の雰囲気中にて、位置測定用ターゲットにおけるレジストパターンのターゲット間の距離を測定した後、レジストパターン開孔部の金属層の露出部分をエッチング(エッチング液の温度;40℃以下、エッチング時間;10分以内)により除去し、図2に示すように、16個の金属層残存点を有する評価サンプルを調製した。この評価サンプルを温度;23±2℃、相対湿度;50±5%の雰囲気中にて24±4時間静置後、金属層残存点間の距離を測定した。縦方向及び横方向の各5箇所の常態に対する寸法変化率を算出し、各々の平均値をもってエッチング後寸法変化率とする。
次に、評価サンプルを120℃のオーブンで1時間加熱処理し、その後の金属層残存点間の距離を測定した。縦方向及び横方向の各5箇所の加熱後の寸法変化率を算出し、各々の平均値をもって加熱後寸法変化率とする。
各寸法変化率は下記数式により出した。
エッチング後寸法変化率(%)=(B−A)/A × 100
A ; レジスト現像後のターゲット間の距離
B ; 金属層エッチング後の金属層残存点間の距離
加熱後寸法変化率(%)=(C−B)/B × 100
B ; 金属層エッチング後の金属層残存点間の距離
C ; 加熱後の金属層残存点間の距離
80mm×80mmのサイズの金属張積層板を準備した。この積層板の金属層の上に、ドライフィルムレジストを設けた後、露光、現像して、図1に示すように、縦方向(MD)及び横方向(TD)のそれぞれ50mm間隔で5箇所を測定可能とする16個の直径1mmのレジストパターンを形成し、位置測定用ターゲットを調製した。
1)吸湿膨張係数(CHE)の測定
位置測定用ターゲットにおけるレジストパターン開孔部の金属層の露出部分をエッチング(エッチング液の温度;40℃以下、エッチング時間;10分以内)により除去し、図2に示すように、16個の金属層残存点を有する評価サンプルを調製した。この評価サンプルを120℃で2時間乾燥した後、23℃/30%RH・50%RH・70%RHの恒温恒湿機で各湿度において24時間静置し、二次元測長機により縦方向及び横方向の各5箇所について測定した各湿度での金属層残存点間の寸法変化の平均値から吸湿膨張係数(ppm/%RH)を求めた。
2)寸法変化率の測定
温度;23±2℃、相対湿度;50±5%の雰囲気中にて、位置測定用ターゲットにおけるレジストパターンのターゲット間の距離を測定した後、レジストパターン開孔部の金属層の露出部分をエッチング(エッチング液の温度;40℃以下、エッチング時間;10分以内)により除去し、図2に示すように、16個の金属層残存点を有する評価サンプルを調製した。この評価サンプルを温度;23±2℃、相対湿度;50±5%の雰囲気中にて24±4時間静置後、金属層残存点間の距離を測定した。縦方向及び横方向の各5箇所の常態に対する寸法変化率を算出し、各々の平均値をもってエッチング後寸法変化率とする。
次に、評価サンプルを120℃のオーブンで1時間加熱処理し、その後の金属層残存点間の距離を測定した。縦方向及び横方向の各5箇所の加熱後の寸法変化率を算出し、各々の平均値をもって加熱後寸法変化率とする。
各寸法変化率は下記数式により出した。
エッチング後寸法変化率(%)=(B−A)/A × 100
A ; レジスト現像後のターゲット間の距離
B ; 金属層エッチング後の金属層残存点間の距離
加熱後寸法変化率(%)=(C−B)/B × 100
B ; 金属層エッチング後の金属層残存点間の距離
C ; 加熱後の金属層残存点間の距離
[熱膨張係数(CTE)の測定]
3mm×15mmのサイズのポリイミド層およびインバー箔を、それぞれ熱機械分析(TMA:装置名TMA/SS6100)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(10℃/min)、降温速度(5℃/min)で20℃から360℃の温度範囲で昇温・降温させて引張り試験を行い、降温時の360℃から25℃への温度変化に対する伸び量の変化から熱膨張係数(ppm/K)を測定した。
3mm×15mmのサイズのポリイミド層およびインバー箔を、それぞれ熱機械分析(TMA:装置名TMA/SS6100)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(10℃/min)、降温速度(5℃/min)で20℃から360℃の温度範囲で昇温・降温させて引張り試験を行い、降温時の360℃から25℃への温度変化に対する伸び量の変化から熱膨張係数(ppm/K)を測定した。
実施例及び比較例に用いた略号は、以下の化合物を示す。
PMDA:ピロメリット酸二無水物
s−BPDA:3,3',4,4'‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
m‐TB:2,2'‐ジメチル‐4,4'‐ジアミノビフェニル
TPE−R:1,3-ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
PMDA:ピロメリット酸二無水物
s−BPDA:3,3',4,4'‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
m‐TB:2,2'‐ジメチル‐4,4'‐ジアミノビフェニル
TPE−R:1,3-ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
(合成例1)
窒素気流下で、反応槽に、30.390gのm−TB(0.1432モル)及び5.978gのTPE−R(0.0205モル)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、24.480gのPMDA(0.1122モル)及び14.152gのs−BPDA(0.0481モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液1(イミド基濃度32.8重量%)を調製した。ポリアミド酸溶液1の溶液粘度は18,400cpsであった。
窒素気流下で、反応槽に、30.390gのm−TB(0.1432モル)及び5.978gのTPE−R(0.0205モル)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、24.480gのPMDA(0.1122モル)及び14.152gのs−BPDA(0.0481モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液1(イミド基濃度32.8重量%)を調製した。ポリアミド酸溶液1の溶液粘度は18,400cpsであった。
[金属張積層体1の製造]
厚さ30μmのインバー箔の片面に、ポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが約6μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から160℃までの間の熱処理を60分間行い、更に160℃から360℃までの段階的な熱処理を60分以内で行うことでイミド化を完結し、金属張積層体1を調製した。この際、金属箔をエッチング後のポリイミドフィルムのCTEは1.6ppm/K、CHEは9.6ppm/%RHであった。また使用したインバー箔のCTEは7.1ppm/Kであった。
厚さ30μmのインバー箔の片面に、ポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが約6μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から160℃までの間の熱処理を60分間行い、更に160℃から360℃までの段階的な熱処理を60分以内で行うことでイミド化を完結し、金属張積層体1を調製した。この際、金属箔をエッチング後のポリイミドフィルムのCTEは1.6ppm/K、CHEは9.6ppm/%RHであった。また使用したインバー箔のCTEは7.1ppm/Kであった。
[実施例1]
得られた金属張積層体1について、事前加熱を120℃で60分行った後、エッチング後寸法変化率及び加熱後寸法変化率の評価を実施した。各寸法変化率は、エッチング後寸法変化率0.07%、加熱後寸法変化率0.01%であった。評価結果を表1に示す。
得られた金属張積層体1について、事前加熱を120℃で60分行った後、エッチング後寸法変化率及び加熱後寸法変化率の評価を実施した。各寸法変化率は、エッチング後寸法変化率0.07%、加熱後寸法変化率0.01%であった。評価結果を表1に示す。
[実施例2〜実施例5]
実施例1と同様に金属張積層体1について、実施例1と事前加熱温度のみ変更し、エッチング後寸法変化率及び加熱後寸法変化率の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様に金属張積層体1について、実施例1と事前加熱温度のみ変更し、エッチング後寸法変化率及び加熱後寸法変化率の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様に金属張積層体1について、事前加熱処理を実施せずにエッチング後寸法変化率及び加熱後寸法変化率の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様に金属張積層体1について、事前加熱処理を実施せずにエッチング後寸法変化率及び加熱後寸法変化率の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。
Claims (7)
- 下記の工程I及びII、
I)単層又は複数層のポリイミド層を含む絶縁層と、該絶縁層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板を準備する工程、
II)前記工程Iの後に、前記金属張積層板に対して80℃〜360℃の熱処理を行う工程、
を含み、
前記金属層の熱膨張係数をCTEm、前記絶縁層の熱膨張係数をCTEiとした場合に、前記CTEmが18ppm/K以下、前記CTEiが15ppm/K以下であり、かつ、|CTEm−CTEi|≧2ppm/Kの関係を満たす金属張積層板の製造方法。 - 前記工程IIの後に、更に下記の工程III及びIV、
III)前記金属層をエッチング加工することによりパターニングする工程、
IV)前記工程IIIの後に、80℃〜140℃の範囲内の温度で熱処理を行う工程、
を含む請求項1に記載の金属張積層板の製造方法。 - 前記工程IVの後に、更に下記の工程V、
V)前記絶縁層をパターニングする工程、
を含む請求項2に記載の金属張積層板の製造方法。 - 前記CTEm−CTEiが2ppm/Kより大きい請求項1から3のいずれかに記載の金属張積層板の製造方法。
- 前記CTEiが10ppm/K以下であり、かつ前記絶縁層の吸湿膨張係数(CHE)が20ppm/%RH以下である請求項1から3のいずれかに記載の金属張積層板の製造方法。
- 前記絶縁層が、単層のポリイミド層からなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の金属張積層板の製造方法。
- 前記金属層上で、前記ポリイミド層を構成するポリイミドのイミド化を行う請求項1から6のいずれかに記載の金属張積層板の製造方法。
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