JP2020006418A - 中間ストーク - Google Patents
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Abstract
Description
下部連結部は、好ましくは、内筒の下部に設けられる下部内側保持体と、外筒の下部に設けられ、金属製部材を構成する下部外側保持体と、下部内側保持体と下部外側保持体を接続し、金属製部材を構成する下部ブラケットを備える。
上部連結部は、好ましくは、内筒の上部に設けられる上部内側保持体と、外筒の上部に設けられ、金属製部材を構成する上部外側保持体と、上部内側保持体と上部外側保持体を接続し、金属製部材を構成する上部ブラケットを備える。
好ましくは、下部内側保持体および上部内側保持体の一方または双方が、軸線方向に対して内筒に摺動可能に嵌合される。
この場合、好ましくは、内筒と外筒の間にヒータが配置される。
保持炉10は、図1に示すように溶湯Mを保持する坩堝11と、坩堝11の上部の開口を塞ぐ蓋13と、蓋13に金属材料製のブラケットを介して係止される耐火素材製のストーク15と、を備える。
保持炉10は、必要最小限の要素だけが示されており、他の付帯機器、設備を備えることができる。
鋳造金型20は、図1に示すように、上下で分割される一対の下金型21、上金型23と、下金型21を支持する固定プラテン25と、上金型23を支持する可動プラテン27と、を備える。鋳造金型20には下金型21に湯口22が設けられており、中間ストーク30を通ってきた溶湯Mは、この湯口22を通って下金型21と上金型23の間に形成される金型キャビティ24に供給される。可動プラテン27は、図示を省略する駆動源により昇降され、下金型21および上金型23の型開閉動作が行われる。
鋳造金型20も必要最小限の要素だけが示されており、他の付帯機器、設備を備えることができる。
中間ストーク30は、保持炉10から鋳造金型20へ溶湯を流す役割を担う。中間ストーク30は、保持炉10と鋳造金型20に対して取り付けおよび取り外しが可能とされている。
内筒31は、保持炉10から鋳造金型20に向けて供給される溶湯Mが内部を流れる。本実施形態における内筒31は、主に耐溶損性の観点から、耐火材料の一種であるセラミックス材料から構成される。
摺動部に関わる内筒31と下部内側保持体42が同じセラミックス材料から構成されていれば、内筒31の外径と下部内側保持体42の内径の径方向Rにおける熱変形量の差異が微小である。これにより、溶湯Mが浸入するのを防ぐのに要求される隙間、例えば0.2mm以下にすることは、セラミックス材料の加工精度上、極めて容易である。この0.2mm以下という値が、本発明における溶湯が浸入するのを防止可能な嵌め合い精度に該当する。
次に、外筒33は、内筒31の周囲を取り囲み、自己が負荷を受けることで内筒31に周囲からの負荷が伝わるのを避ける機能を発揮する。外筒33はセラミックス材料よりも機械的強度に優れる金属材料で構成される。ここでいう周囲とは、保持炉10(ストーク15)および鋳造金型20をいう。
[連結機構40]
連結機構40は、構成する素材(材料)が異なる内筒31と外筒33の線膨脹係数の差に起因する熱変形量の差異を吸収しながら、内筒31と外筒33を連結する機能を有する。また、連結機構40は保持炉10および鋳造金型20からの負荷を内筒31ではなく外筒33で受け、この負荷が直接内筒31に作用しないようにすることによって、セラミックス材料からなる内筒31が破損しないように、内筒31と外筒33を連結する機能を有する。連結機構40は、これら二つの機能を発揮するように、以下の構成を備える。
下部連結部41は、図2に示すように、内筒31の下方外周面に嵌合される下部内側保持体42と、外筒33の下方に設けられ、金属製部材を構成する下部外側保持体43と、下部内側保持体42と下部外側保持体43を連結し、金属製部材を構成する下部ブラケット44と、を備える。
把持爪44B、44Bと把持片42Bの間には、耐熱パッキン49が軸線方向Cに圧縮された状態で介在している。ところが、耐熱パッキン49の軸線方向Cの圧縮代が残された状態であり、かつ、圧縮された耐熱パッキン49により、把持爪44B、44Bと把持片42Bとの間に、それぞれ、軸線方向Cの所定の押圧力が作用した状態である。この支持形態により、下部ブラケット44と、下部ブラケット44に支持された下部内側保持体42とを、軸線方向Cあるいは径方向Rに相対的に移動させようとする負荷が作用しない限り、この押圧力により、下部ブラケット44及び下部内側保持体42は軸線方向Cの相対的な移動を制約される。また、把持爪44B、44Bと把持片42Bとの間にそれぞれ作用する軸線方向Cの押圧力に伴う、把持爪44B、44Bと把持片42Bとの間にそれぞれ作用する摩擦力により、下部ブラケット44及び下部内側保持体42は径方向Rの相対的な移動が制約される。
上部連結部45は、図1および図2に示すように、内筒31の上方に設けられる上部内側保持体46と、外筒33の上端に設けられ、金属製部材を構成する上部外側保持体47と、上部内側保持体46と上部外側保持体47を連結し、金属製部材を構成する上部ブラケット48と、を備える。
上部外側保持体47は、平面視して円環状の形態をなしており、外筒33の上端に外筒33と一体的に形成されているが、別体として作製された上部外側保持体47を溶接その他の手法により外筒33の上端に固定してもよい。
上部ブラケット48は、例えばボルト、その他の手段により上部外側保持体47に支持される。また、上部ブラケット48の、把持爪48B、48Bの間に形成される、内筒31の上部内側保持体46を収納する空間の内径は、内筒31の上部内側保持体46の外径よりも大きく、上部ブラケット48の把持爪48Bの内径は、内筒31の外径よりも大きい。そのため、上部ブラケット48と、上部ブラケット48に支持された、内筒31(上部内側保持体46)は、径方向Rに所定の隙間が確保された状態で支持されており、径方向Rに摺動可能である。この径方向Rの摺動も中間ストーク30および連結機構40に熱変形が生じたときに起こる。
把持爪48B、48Bと上部内側保持体46の間には、耐熱パッキン49が軸線方向Cに圧縮された状態で介在している。ところが、耐熱パッキン49の軸線方向Cの圧縮代が残された状態であり、かつ、圧縮された耐熱パッキン49により、把持爪48B、48Bと上部内側保持体46との間に、それぞれ、軸線方向Cの所定の押圧力が作用した状態である。この支持形態により、上部ブラケット48と、上部ブラケット48に支持された内筒31(上部内側保持体46)とを、軸線方向Cあるいは径方向Rに相対的に移動させようとする負荷が作用しない限り、この押圧力により、上部ブラケット48及び内筒31(上部内側保持体46)は軸線方向Cの相対的な移動を制約される。また、把持爪48B、48Bと上部内側保持体46との間にそれぞれ作用する軸線方向Cの押圧力に伴う、把持爪48B、48Bと上部内側保持体46との間にそれぞれ作用する摩擦力により、上部ブラケット48及び内筒31(上部内側保持体46)は径方向Rの相対的な移動が制約される。
中間ストーク30は、下部連結部41の下部ブラケット44の下端が保持炉10のストーク15の金属材料製のブラケット上面に接している。保持炉10からの軸線方向Cや径方向Rに作用する負荷は、保持炉10の蓋13に固定されるこの金属材料製のブラケットを介して中間ストーク30の金属材料製の下部ブラケット44に伝えられる。
中間ストーク30の内径(RI30)はストーク15の内径(RI18)よりも小さく設定されている。
また、中間ストーク30は、図1に示すように、外筒33の上部外側保持体47が鋳造金型20の固定プラテン25に固定されている。鋳造金型20や固定プラテン25からの軸線方向Cや径方向Rに作用する負荷は、金属材料製の上部ブラケット48や上部外側保持体47に伝えられる。
次に、鋳造装置1を用いて鋳造する際の中間ストーク30の挙動を説明する。
内筒31と外筒33との軸線方向Cの熱変形については、線膨張係数が大きい外筒33の方が内筒31よりも熱変形量が大きい。この内筒31と外筒33との熱変形量の差異は、内筒31と下部内側保持体42の移動可能な嵌合と、連結機構40の下部ブラケット44、上部ブラケット48による、下部内側保持体42、内筒31(上部内側保持体46)の把持構造と、によって吸収される。
中間ストーク30おいては、外筒33の方が内筒31よりも熱変形量が大きいので、径方向Rに内筒31、外筒33が熱変形した場合、内筒31と外筒33の間を支持する上部ブラケット48と下部ブラケット44と支持対象から径方向Rに離間するように移動する。具体的には、上部ブラケット48が内筒31の上部内側保持体46に対して径方向Rに離間するように移動し、下部ブラケット44が、下部内側保持体42(把持片42B)に対して径方向Rに離間するように移動する。
上下方向において、中間ストーク30は金属製部材が連続して設けられる。つまり、下方から下部ブラケット44、下部外側保持体43、外筒33、上部外側保持体47および上部ブラケット48が、上下方向に連続している。下部ブラケット44を保持炉10のストーク15を支持する金属製部材からなるブラケットの上面に当接するように中間ストーク30を配置する。また、上部ブラケット48を鋳造金型20の下金型21に当接させるとともに、外筒33の上部外側保持体47を固定プラテン25に固定するように中間ストーク30を配置する。そうすれば、中間ストーク30は、保持炉10および鋳造金型20から受ける負荷を連続する金属製部材で受けることができる。これにより、金属材料よりも機械的強度の低いセラミックス材料からなる内筒31は、周囲から受ける負荷をほとんど受けることがない。
なお、下部内側保持体42と上部ブラケット48の間および上部内側保持体46と上部ブラケット48の間には耐熱パッキン49が設けられている。ところが、耐熱パッキン49が存在したとしても、受ける負荷を連続する金属製部材で受けるという作用に影響を与えない。つまり、当該作用を害さない限り、本実施形態は下部ブラケット44〜上部ブラケット48の間に金属製以外の部材が介在することを許容する。
鋳造装置1は、内筒31の内径(RI31)が、保持炉10に設けられるストーク15の内径(RI15)よりも小さい。つまり、内筒31の内周面の面積を小さくし、結果的に、溶湯Mの流通による内筒31の内周面への酸化物の絶対的な付着量を減少させる。これにより、得られる鋳造物の品質を確保できる。
この隙間は空気断熱槽として機能するので、内筒31を流れる溶湯Mの温度低下を抑えることができる。
なお、図5においては、図2に示されている上部ブラケット48のボルト挿入用の孔の記載を省略して、ガス流通路50が示されている。
10 保持炉
11 坩堝
13 蓋
15 ストーク
20 鋳造金型
21 下金型
22 湯口
23 上金型
25 固定プラテン
27 可動プラテン
30 中間ストーク
31 内筒
33 外筒
40 連結機構
41 下部連結部
42 下部内側保持体
42A 嵌合筒
42B 把持片
43 下部外側保持体
44 下部ブラケット
44A 接合片
44B 把持爪
45 上部連結部
46 上部内側保持体
47 上部外側保持体
48 上部ブラケット
48A 接合片
48B 把持爪
49 耐熱パッキン
50 ガス流通路
51 導入路
53 吹込路
55 フィルタ
M 溶湯
C 軸線方向
R 径方向
Claims (8)
- 保持炉に保持される溶湯を金型キャビティに充填させるよう構成された鋳造装置の中間ストークであって、
セラミックス材料からなる内筒と、
前記内筒の周囲に配置される金属材料製の外筒と、
前記内筒の軸線方向に前記内筒と前記外筒とが相対的に移動できるように、前記内筒と前記外筒とを連結する、金属製部材を含む連結機構と、を備え、
前記軸線方向において、前記外筒と前記連結機構の前記金属製部材とが上下方向に連続している、
ことを特徴とする中間ストーク。 - 前記連結機構は、下部連結部と上部連結部を備え、
下部連結部は、前記内筒の下部に設けられる下部内側保持体と、前記外筒の下部に設けられ、前記金属製部材を構成する下部外側保持体と、前記下部内側保持体と前記下部外側保持体を接続し、前記金属製部材を構成する下部ブラケットを備え、
上部連結部は、前記内筒の上部に設けられる上部内側保持体と、前記外筒の上部に設けられ、前記金属製部材を構成する上部外側保持体と、前記上部内側保持体と前記上部外側保持体を接続し、前記金属製部材を構成する上部ブラケットを備え、
前記下部内側保持体および前記上部内側保持体の一方または双方が、前記軸線方向に対して前記内筒に摺動可能に嵌合される、
請求項1に記載の中間ストーク。 - 前記外筒と一体をなす前記下部外側保持体が前記下部ブラケットに支持されるとともに、前記下部ブラケットが前記下部内側保持体を把持し、かつ、前記内筒の下端が前記下部内側保持体よりも下方に突き出し、
前記外筒と一体をなす前記上部外側保持体に支持される、前記上部ブラケットが前記上部内側保持体を把持する、
請求項2に記載の中間ストーク。 - 前記溶湯が浸入するのを防止可能な嵌め合い精度で、前記下部内側保持体が前記内筒に前記軸線方向に摺動可能に嵌合される、
請求項2または請求項3に記載に中間ストーク。 - 前記内筒の内径が、前記保持炉に設けられるストークの内径よりも小さい、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載に中間ストーク。 - 前記下部内側保持体および前記上部内側保持体が前記内筒と同じ窒化けい素系セラミックス材料から構成される、
請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載に中間ストーク。 - 前記内筒と前記外筒の間にヒータが配置される、
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載に中間ストーク。 - 前記内筒、前記上部内側保持体および前記上部ブラケットを前記径方向に貫通するガス流通路と、
前記ガス流通路に設けられるフィルタと、を備え、
前記フィルタは、ガスの流通を許容するが、前記溶湯の浸入を防止する、
請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の中間ストーク。
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