以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。以下の説明では、本発明の動物状態判定装置を、動物用トイレ、サーバ及び携帯端末に適用した実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る動物状態判定装置を含む動物状態判定システム100の概略構成を示す図である。動物状態判定システム100は、サーバ10、ネットワーク30、及び動物用トイレ20−1、20−2、20−N、携帯端末21−1、21−2、21−N、給餌装置22−1、22−2、22−Nを含む。なお、“N”は1以上の整数である。以下、動物用トイレ20−1、20−2、20−Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を動物用トイレ20と称する。携帯端末21−1、21−2、21−Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を携帯端末21と称する。給餌装置22−1、22−2、22−Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を給餌装置22と称する。
動物用トイレ20、及び給餌装置22は、ネコの飼い主宅に設けられている。携帯端末21は、飼い主の携帯端末である。動物用トイレ20は、携帯端末21と通信可能である。携帯端末21は、ネットワーク30を介してサーバ10と通信可能である。給餌装置22は、ネットワーク30を介してサーバ10と通信可能である。飼い主は、飼い主宅以外からも種々の通信装置を用いてサーバ10と通信可能である。例えば、図1に示されるように、飼い主は、携帯端末40及びPC(Personal Computer)41等の通信装置によって、飼い主宅以外からもサーバ10と通信可能である。ネットワーク30は、インターネットや一般電話回線等で構成される。
図2は、ネコの飼い主宅におけるネットワーク構成を示す図である。飼い主宅には、ネットワーク30と接続するルータ50が設けられている。携帯端末21とルータ50は、有線通信又は無線通信によって通信可能に接続される。携帯端末21とルータ50とは、例えば無線LANにより接続される。動物用トイレ20と携帯端末21は、有線通信又は無線通信によって通信可能に接続される。動物用トイレ20と携帯端末21とは、例えばBluetooth(登録商標) Low Energy(以下、「BLE」という)により接続される。給餌装置22と携帯端末21は、BLEにより接続される。
次に、動物用トイレ20、携帯端末21、給餌装置22、及びサーバ10の構成について説明する。図3は、動物用トイレ20の構成を示すブロック図である。動物用トイレ20は、排泄検出部301、排泄行動検出部302、ネコID取得部303、状態情報管理部305、及び状態情報出力部306で構成される。動物用トイレ20には、ネコの排泄物を受けるシートとして吸収シートが設置される。吸収シートは、例えば水分を吸収する素材を用いて構成される。そのため、吸収シートは、ネコが排泄した尿を吸収することができる。動物用トイレ20には、ネコの便を受ける物体としてネコ砂が設置される。ネコ砂は、例えば便の表面に吸着して便の周囲を取り囲むような素材を用いて構成される。
また、動物用トイレ20は、演算装置(例えばCPU(Central Processing Unit))、記憶装置(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory))、RTC(Real Time Clock)、通信デバイス等を備える。動物用トイレ20が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置には、動物用トイレ20を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
排泄検出部301は、動物用トイレ20に進入したネコの排泄の有無や、排泄の開始および終了を検出する。排泄検出部301によって検出された情報を、以下の説明では排泄検知情報と表現することがある。排泄検出部301は、例えば、動物用トイレ20に配置された液体センサやタッチセンサ、温度センサなどのセンシング装置や、動物用トイレ20内で排泄する動物や、動物の排泄物を撮影することで得られた画像を解析することにより排泄を検出する。排泄検出部301で検出された排泄検知情報は、ネコIDと、RTCから取得された時刻情報とともに、状態情報管理部305に出力される。状態情報管理部305は、排泄検知情報、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。なお、動物用トイレ20はカメラを備える構成であってもよい。
排泄動作検出部302は、ネコが動物用トイレ20に進入および退出したこと、または、ネコが動物用トイレ20に進入可能な個所を通過したか否かにより入退出を検出する。また、排泄動作検出部302は、ネコの動物用トイレ20内における排泄動作を検出する。排泄動作検出部302によって検出された情報を、以下の説明では排泄動作情報と表現することがある。排泄動作検出部302は、例えば、動物用トイレ20において動物が進入可能な個所や、動物用トイレ20内に取り付けられた赤外線センサ、タッチセンサ、光学センサ、温度センサなどのセンシング装置や、カメラで動物が進入可能な個所や動物用トイレ20内を撮影することで得られた画像を解析することにより、入退出や排泄動作を検出する。排泄動作検出部302で検出された排泄動作情報は、ネコIDと、RTCから取得された時刻情報とともに、状態情報管理部305に出力される。状態情報管理部305は、排泄動作情報、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。
ネコID取得部303は、動物用トイレ20に接近したネコや、動物用トイレ20内に進入したネコからネコIDを取得する。ネコID取得部303は、例えばネコに予め取り付けられたネコ用デバイスから、ネコに一意に割り当てられたネコを識別するためのID(以下、「ネコID」という)を取得する。または、ネコID取得部303は、動物用トイレ20に進入するネコをカメラで撮影することで得られる画像を解析することで進入したネコを特定し、特定されたネコのネコIDを取得してもよい。取得されたネコIDは、排泄検出部301及び排泄動作検出部302に出力される。
状態情報管理部305は、排泄検出部301及び排泄動作検出部302により出力された情報に基づき、ネコの動物用トイレ20への進入日時、動物用トイレ20からの退出日時、進入時の排泄予備動作の回数、排泄開始日時、排泄終了日時を判定する。そして、状態情報管理部305は、これらの判定結果を、ネコIDに紐付けて記憶装置に記憶する。
状態情報管理部305は、取得部、判定部として機能する。状態情報管理部305は、ネコの排泄時間に関する排泄時間情報を算出するため、行動情報を取得する。排泄時間情報とは、排泄における時間に関する情報である。行動情報とは、ネコの動物用トイレ20内での行動に関する情報である。例えば、行動情報は、進入、排泄前の徘徊、排泄直前の停止(以下「排泄予備動作」という。)、排泄開始、排泄終了及び退出などの行動を示す。
状態情報管理部305は、排泄時間情報及び判定情報に基づいて、ネコの健康状態を判定する。例えば、状態情報管理部305は、行動情報と、排泄検出部301で検出された排泄検知情報と、排泄動作検出部302で検出された排泄動作情報と、に基づき、排泄時間情報を算出する。排泄時間情報は、侵入の時刻、排泄前の徘徊時間、排泄直前の停止状態である時間、排泄開始の時刻、排泄終了の時刻及び退出の時刻である。状態情報管理部305は、排泄開始の時刻及び排泄終了の時刻に基づいて、排泄時間を算出する。状態情報管理部305は、排泄時間情報及び判定情報に基づいて、ネコの健康状態を判定する。
状態情報管理部305は、判定情報に基づいて、排泄に要する所定の時間を判定に用いる閾値として算出する。状態情報管理部305は、排泄時間情報及び閾値に基づいて、現在のネコの健康状態を判定する。排泄時間情報の中で、排泄に要する時間(排泄前の徘徊時間、排泄直前の停止状態である時間、排泄時間)が閾値を超過する場合、状態情報管理部305は、ネコの健康状態が悪い可能性が高い(尿路結石や腎不全などの病気である可能性が高い)と判定する。排泄時間情報の中で、排泄に要する時間(排泄前の徘徊時間、排泄直前の停止状態である時間、排泄時間)が閾値以内である場合、状態情報管理部305は、ネコが健康である可能性が高いと判定する。以下では、状態情報管理部305が行う判定方法の具体例を図4及び図5を用いて説明する。
上記進入日時などの判定方法について説明する。図4は、ネコが動物用トイレ20に進入し、尿と便を排泄してから退出するまでの排泄行動情報及び排泄検知情報の変化を示す図である。図4のグラフの縦軸は、排泄動作検知装置によるネコの排泄行動の測定値(以下「排泄行動測定値」という。)および排泄情報検知装置によるネコの排泄の測定値(以下「排泄測定値」という。)である。図4のグラフの横軸は、時間を示している。また、図4のグラフでは、ネコの進入前の排泄行動測定値及び排泄測定値を零基準としている。本実施形態の排泄測定値は、排泄の有無を示すフラグとして検出されるが、これに限定されず、排泄の有無が判定できれば他の測定方法であってもよい。
ネコが動物用トイレ20に進入したタイミングT1で、排泄行動測定値が増加する。状態情報管理部305は、排泄行動測定値が増加したタイミングT1をネコの動物用トイレ20への進入日時として記憶する。その後、タイミングT2まで排泄行動測定値は増加するが、タイミングT2からタイミングT3まで排泄行動測定値が増減する。この状態は、ネコが筐体内で所望の位置に移動している状態である。タイミングT3からタイミングT4では、排泄行動測定値はほぼ変化しない。この状態は、ネコは排泄を開始するために体を動かしていない停止状態である。状態情報管理部305は、排泄行動測定値がほぼ変化しない状態となったタイミングT3を停止開始日時として記憶する。
タイミングT4にて、排泄測定値が増加する。状態情報管理部305は、排泄測定値が増加したタイミングT4を排泄開始日時として記憶する。また、状態情報管理部305は、排泄開始日時または停止状態が終了したタイミングを停止終了日時として記憶する。タイミングT5から、排泄測定値はほぼ一定に戻り、また排泄行動測定値が減少していく。タイミングT6にて、排泄行動測定値は下げ止まる。状態情報管理部305は、このタイミングT6を退出日時として記憶する。図4の場合、状態情報管理部305は、排泄時間情報及び判定情報に基づいて、ネコが健康である可能性が高いと判定する。
状態情報管理部305は、侵入日時から退出日時の間で、排泄測定値が変動しなかった場合には、排尿していないと判定する。また、排泄予備動作が検出されたにもかかわらず、排泄測定値に変動がなかった場合、排泄がなかったと判定する。
状態情報出力部306は、状態情報記憶部205により記憶された進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数を携帯端末21に出力する。携帯端末21に出力された進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、記憶装置から削除されてもよい。
動物用トイレ20が携帯端末21と通信可能な場合、進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、リアルタイムで出力される。一方、動物用トイレ20が携帯端末21と通信不可能な場合、進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、記憶装置にバッファリングされる。その後、携帯端末21と通信可能となったときにバッファリングされた進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数が出力されてもよい。
以上のように、状態情報管理部305は、行動情報に基づいて、排泄前の徘徊時間、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数を、を算出する。状態情報管理部305は、停止開始日時から停止終了日時の時間(停止状態の時間)と、排泄開始日時から排泄終了日時(排泄時間)と、排泄前の徘徊時間と、の少なくとも1つ以上に基づいて、ネコの健康状態を判定する。
図5は、ネコが動物用トイレ20に進入し、尿と便を排泄してから退出するまでの排泄行動測定値及び排泄測定値の変化を示す図である。図5のグラフの縦軸は、排泄行動測定値および排泄測定値である。図5のグラフの横軸は、時間を示している。
ネコが動物用トイレ20に進入したタイミングT1で、排泄行動測定値が増加する。状態情報管理部305は、排泄行動測定値が増加したタイミングT1をネコの動物用トイレ20への進入日時として記憶する。その後、タイミングT2まで排泄行動測定値は増加するが、タイミングT2からタイミングT3まで排泄行動測定値が増減する。この状態は、ネコが筐体内で所望の位置に移動している状態である。タイミングT3からタイミングT4では、排泄行動測定値はほぼ変化しない。この状態は、ネコは排泄を開始するために体を動かしていない停止状態である。状態情報管理部305は、排泄行動測定値がほぼ変化しない状態となったタイミングT3を停止開始日時として記憶する。
タイミングT4にて、排泄測定値が増加する。状態情報管理部305は、排泄測定値が増加したタイミングT4を排泄開始日時として記憶する。また、状態情報管理部305は、排泄開始日時または停止状態が終了したタイミングを停止終了日時として記憶する。図5では、タイミングT5からタイミングT6までの間と、タイミングT8からタイミングT9までの間、排泄行動測定値はほぼ変化しない。このため、タイミングT5からタイミングT6までの間と、タイミングT8からタイミングT9までの間、ネコは再度停止状態になる。状態情報管理部305は、排泄時間情報及び判定情報に基づいて、ネコが尿路結石や腎不全などの病気である可能性が高いと判定する。
ネコは、タイミングT6からタイミングT8までの間は、排泄行動を行っているが、排泄測定値はタイミングT6からタイミングT7までの間しか増加していない。このため、状態情報管理部305は、排泄行動測定値及び排泄測定値に基づいて、ネコの健康状態を異常であると判定する。すなわち、状態情報管理部305は、ネコが排泄をしたいのにもかかわらず実際は尿が排泄されていない、と判断する。また、状態情報管理部305は、排泄開始日時または停止状態が終了したタイミングを停止終了日時として記憶する。タイミングT10から、排泄測定値はほぼ一定となり、また排泄行動測定値が減少していく。タイミングT12にて、排泄行動測定値は下げ止まる。状態情報管理部305は、このタイミングT12を退出日時として記憶する。
状態情報出力部306は、状態情報記憶部205により記憶された進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数を携帯端末21に出力する。携帯端末21に出力された進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、記憶装置から削除されてもよい。
動物用トイレ20が携帯端末21と通信可能な場合、進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、リアルタイムで出力される。一方、動物用トイレ20が携帯端末21と通信不可能な場合、進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、記憶装置にバッファリングされ、携帯端末21と通信可能となったときにバッファリングされた進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数が出力される。なお、出力先は、動物用トイレ20、携帯端末21及びPC41の少なくとも一つである。
以上のように、状態情報管理部305は、行動情報に基づいて、排泄前の徘徊時間、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄測定値、生体情報測定値、及び排泄行動測定値を算出する。状態情報管理部305は、停止開始日時から停止終了日時の時間(停止状態の時間)と、排泄開始日時から排泄終了日時(排泄時間)と、排泄前の徘徊時間と、の少なくとも1つ以上に基づいて、ネコの健康状態を判定する。なお、本実施形態では、一例として状態情報管理部305が健康状態の判定をすると説明したが、状態情報管理部305と、サーバ10の全体ネコ情報管理部345と、携帯端末21の比較部325と、の内少なくとも1つの機能部が同様の判定を行ってもよい。
図6は、給餌装置22の構成を示すブロック図である。給餌装置22は、フード重量検出部312、水重量検出部313、ネコID取得部314、給餌情報管理部316、及び給餌情報出力部317で構成される。
また、給餌装置22は、演算装置(例えばCPU、記憶装置(例えば、ROM、RAM、RTC、通信デバイス等を備える。給餌装置22が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置は、給餌装置22を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
ネコID取得部314は、給餌装置22に接近したネコからネコIDを取得する。このように構成されることによって、ネコID取得部314は、自装置において提供されるキャットフード又は水を飲食したネコのネコIDを取得する。取得されたネコIDは、フード重量検出部312及び水重量検出部313に出力される。フード重量検出部312は、自装置に蓄えられているキャットフードの重量を所定周期(例えば、100ミリ秒周期等)で検出する。自装置に蓄えられているキャットフードは、給餌装置22に接近したネコが摂食可能な状態となるようにネコに対して提供される。キャットフードの提供技術は、既知の技術を用いて実現可能である。フード重量は、ネコによってキャットフードが摂食されることによって減少する。フード重量検出部312によって検出された重量を、以下の説明ではフード重量と表現することがある。検出されたフード重量は、ネコIDと、RTCから取得された時刻情報とともに、給餌情報管理部316に出力される。給餌情報管理部316は、フード重量、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。
水重量検出部313は、水の重量を所定周期(例えば、100ミリ秒周期等)で検出する。自装置に蓄えられている水は、給餌装置22に接近したネコが摂取可能な状態となるようにネコに対して提供される。水の提供技術は、既知の技術を用いて実現可能である。水の重量は、ネコによって水が摂取されることによって減少する。水重量検出部313によって検出された重量を、以下の説明では水重量と表現することがある。検出された水重量は、ネコIDと、RTCから取得された時刻情報とともに、状態情報管理部305に出力される。給餌情報管理部316は、水重量、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。
給餌情報管理部316は、フード重量が変化したときに、変化前のフード重量と変化後のフード重量の差分をフード摂取量として記憶する。給餌情報管理部316は、水重量が変化したときに、変化前の水重量と変化後の水重量の差分を水摂取量として記憶する。また、給餌情報管理部316は、フード重量が変化したとき、または水重量が変化したときの日時を給餌日時として記憶する。給餌情報管理部316は、フード摂取量又は水摂取量と給餌日時とを対応付けて記憶する。以下の説明では、フード摂取量、水摂取量、給餌日時などの給餌(動物の飲食物)に関する情報を「飲食物情報」という。
給餌情報出力部317は、給餌情報管理部316により記憶されたフード摂取量、及び水摂取量を携帯端末21に出力する。出力されるフード摂取量、及び水摂取量は、ネコIDと時刻情報とともに携帯端末21に出力される。携帯端末21に出力されたフード摂取量、及び水摂取量は、紐付けられているネコIDや時刻情報とともに、給餌情報管理部316から削除されてもよい。
図7は、携帯端末21の構成を示すブロック図である。携帯端末21は、状態情報受信部321、給餌情報受信部322、判定情報取得部323、個別ネコ情報管理部324、比較部325、比較結果出力部326、ネコ情報出力部327、ユーザ情報登録部328、ユーザ情報出力部329、ネコ属性情報登録部330、ネコ属性情報出力部331、トイレ情報登録部332、及びトイレ情報出力部333で構成される。
また、携帯端末21は、演算装置(例えばCPU、記憶装置(例えば、ROM、RAM、RTC、通信デバイス、表示デバイス、入力デバイス等を備える。携帯端末21が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置は、携帯端末21を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
状態情報受信部321は、動物用トイレ20から進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄測定値、生体情報測定値、及び排泄行動測定値を受信し、個別ネコ情報管理部324に出力する。給餌情報受信部322は、給餌装置22からフード摂取量と水摂取量と、それらに紐付けられたネコIDと時刻情報とを受信し、個別ネコ情報管理部324に出力する。生体情報測定値とは、例えば、ネコの排泄中の撮影画像やネコの体長の推定値等、ネコの体に関する測定情報を表す。排泄行動測定値とは、例えば、ネコの入退出の検出値や、ネコのトイレ内における行動の光学的測定値や力学的測定値、温度測定値などの測定値であり、ネコの行動に関する測定情報を表す。排泄測定値とは、ネコの便の色やネコの尿の有無、ネコの尿の勢い、便か尿かを示す排泄種別などの、ネコの排泄に関する測定情報を表す。
図8は、携帯端末21の記憶装置に記憶されるデータベース(以下、「DB」という)、及び判定情報を示す図である。図8(A)は、排泄DBを示す図である。排泄DBは、上述した進入日時、退出日時、停止開始日時、排泄開始日時、排泄終了日時、排泄測定値、生体情報測定値、および排泄行動測定値で構成される。
図8(B)は、給餌DBを示す図である。給餌DBは、給餌日時、給餌種別、及び給餌量で構成される。このうち、給餌種別は、飲食物がキャットフードか水を示す。また、給餌量における単位は、水の場合にはml(ミリリットル)、キャットフードの場合にはg(グラム)を示す。
また、個別ネコ情報管理部324は、上記排泄DB及び給餌DBを用いて、動物の健康状態を判定するための判定情報(個別排泄、個別給餌)を生成する。図8(C)は、判定情報(個別排泄)を示し、図8(D)は、判定情報(個別給餌)を示す。図8(C)、図8(D)に示される判定情報は、排泄DB及び給餌DBに示されるパラメータの平均値であり、集計期間は、例えば3か月などが挙げられる。
判定情報(個別排泄)における各パラメータについて説明する。平均滞在時間は、集計期間における進入日時から退出日時までの平均時間を示す。平均停止時間は、集計期間における停止開始日時から停止終了日時までの平均時間を示す。平均排泄時間は、集計期間における排泄開始日時から排泄終了日時までの平均時間を示す。平均排泄回数は、集計期間における1日の排泄回数の平均値を示す。平均排泄行動測定値は、排泄回数および排泄時間とは異なる排泄行動測定値の各項目の集計期間における平均値を示す。平均排泄測定値は、排泄測定値の集計期間における平均値を示す。平均生体情報測定値は、集計期間における生体情報測定値の各項目の平均値を示す。
判定情報(個別給餌)は、ネコIDをキーにして、平均給餌量から平均給餌回数まで、4つのパラメータで構成されるが、1番目の平均給餌量と2番目の平均給餌回数は、飲食物がキャットフードの場合の判定情報であり、3番目の平均給餌量と4番目の平均給餌回数は、飲食物が水の場合の判定情報である。
判定情報(個別給餌)における各パラメータについて説明する。平均給餌量は、集計期間における1日の給餌量の平均値を示す。平均給餌回数は、集計期間における1日の給餌回数の平均値を示す。以上説明した判定情報(個別排泄)及び判定情報(個別給餌)をまとめて判定情報(個別)と表現する。
図7の説明に戻り、ネコ情報出力部327は、個別ネコ情報管理部324が記憶した、排泄DB及び給餌DBに示される各情報をサーバ10に出力する。判定情報取得部323は、サーバ10から判定情報(同種排泄)、判定情報(同種給餌)を取得し、個別ネコ情報管理部324から判定情報(個別)を取得する。判定情報(同種排泄)、判定情報(同種給餌)とは、他のネコの状態情報等に基づく判定情報である。判定情報(同種排泄)及び判定情報(同種給餌)をまとめて判定情報(同種)と表現する。判定情報(同種)についての詳細は後述する。
比較部325は、状態情報と判定情報とを比較し、比較結果を比較結果出力部326に出力する。状態情報とは、ネコの排泄に関する排泄情報と、ネコに関する生体情報と、のうち少なくとも一方を含む情報である。比較結果とは、状態情報管理部305で判定された健康状態を示す情報である。比較結果出力部326は、比較部325が出力した比較結果を表示デバイスや他の装置に出力する。また、比較部325は、状態情報出力部306から出力されたネコの健康状態に基づいて、健康状態に対応付けられた提示情報を比較結果出力部326に出力する。比較結果出力部326は、比較部325から出力された提示情報を表示デバイスや他の装置に出力する。
ユーザ情報登録部328は、ユーザにより入力されたネコの飼い主の国籍、性別、生年月日、及び姓名を取得する。ユーザ情報出力部329は、ユーザ情報登録部328によって取得された各情報をサーバ10に出力する。ネコ属性情報登録部330は、ユーザにより入力されたネコの品種、性別、生年月日、及び名を取得する。品種IDは、ネコの品種に一意に割り当てられた品種を識別するためのIDである。性別は、ネコの性別を示す。生年月日は、ネコの生年月日を示す。名は、ネコの名を示す。
ネコ属性情報出力部331は、ネコ属性情報登録部330によって取得された各情報をサーバ10に出力する。トイレ情報登録部332は、ユーザにより入力されたトイレID、動物用トイレ20の使用開始日、及びシートの交換日時を取得する。トイレIDは、トイレに一意に割り当てられた識別情報である。交換日時は、トイレIDに示されるトイレでシートが交換された日時を示す。トイレ情報出力部333は、トイレ情報登録部332によって取得された各情報をサーバ10に出力する。シートの交換日時は、シートを交換するたびにユーザにより入力される。
図9は、状態情報テーブルの具体例を示すデータテーブルである。状態情報テーブルとは、状態情報管理部305によって格納される、ネコID、排泄動作情報、排泄検知情報及び時刻情報のデータテーブルである。ネコID、排泄予備動作回数、排泄動作情報(入室日時、退室日時、排泄開始日時、排泄終了日時)、排泄検知情報(排泄有無)の各データ項目に関しては、図2で説明したため、説明を省略する。なお、状態情報テーブルは、上記以外のデータ項目を格納してもよい。
図10は、サーバ10の構成を示すブロック図である。サーバ10は、ネコ情報受信部341、ユーザ情報受信部342、ネコ属性情報受信部343、トイレ情報受信部344、全体ネコ情報管理部345、登録情報管理部346、判定情報提供部347、及びネコ情報提供部348で構成される。なお、サーバ10は、各飼い主の携帯端末21と通信するため、各飼主が飼っているネコの情報を受信する。
また、サーバ10は、演算装置(例えばCPU)、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive))、RTC、通信デバイス、表示デバイス、入力デバイス等を備える。サーバ10が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置は、サーバ10を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
ネコ情報受信部341は、携帯端末21のネコ情報出力部327により出力された情報を受信し、全体ネコ情報管理部345に出力する。なお、ネコ情報出力部327により出力された情報は、図7に示される排泄DB及び給餌DBに示される情報である。
全体ネコ情報管理部345は、ネコ情報受信部341に出力された情報を、記憶装置に記憶する。従って、図7で示した排泄DB、及び給餌DBは、サーバ10にも記憶される。全体ネコ情報管理部345は、上記排泄DB及び給餌DBを用いて、動物の健康状態を判定するための判定情報(同種排泄、同種給餌)を生成する。判定情報(同種排泄)及び判定情報(同種給餌)をまとめて判定情報(同種)と表現する。判定情報(同種)についての詳細は後述する。
ユーザ情報受信部342は、携帯端末21のユーザ情報出力部329により出力された情報を受信し、登録情報管理部346に出力する。ネコ属性情報受信部343は、携帯端末21のネコ属性情報出力部331により出力された情報を受信し、登録情報管理部346に出力する。トイレ情報受信部344は、携帯端末21のトイレ情報出力部333により出力された情報を受信し、登録情報管理部346に出力する。登録情報管理部346は、ユーザ情報受信部342、ネコ属性情報受信部343、及びトイレ情報受信部344が出力した情報を記憶装置に記憶する。
登録情報管理部346は、予め健康状態に対応付けられた提示情報を記憶する。提示情報とは、動物に関連する施設、動物の健康に関連するサービス、動物に関連する商品、ユーザへの提案、のうち少なくとも1つ以上に関する情報である。例えば、動物に関する施設の提示情報は、動物病院、動物用クリニック、またはペットショップなどの動物の健康維持のための施設情報である。例えば、動物の健康に関連するサービスの提示情報は、運動させるためのサービス、動物の保険、健康診断、または行政・NPO(Non-Profit Organization)などの団体が実施している支援サービスなどのサービス情報である。例えば、動物に関連する商品の提示情報は、ダイエット用の餌、動物用の健康グッズ、又は危険防止グッズなどの商品の情報である。例えば、ユーザへの提案の提示情報は、体重の通知、肥満度の通知、気温の通知、尿量の通知、飲水量の通知、給餌量の通知、ユーザが動物の体質を改善するために利用する情報(Webページや本など)、ユーザがチェック可能な動物の状態の項目、又は動物の体質改善・体調改善のための情報、生体情報、排泄行動情報、排泄情報などのユーザに対する提案情報である。
判定情報提供部347は、判定情報(同種)を携帯端末21、40、PC41等に提供する。ネコ情報提供部348は、サーバ10に記憶された排泄DB、及び給餌DBに示される情報を、携帯端末21、40、PC41等に提供する。
図11は、サーバ10の記憶装置に記憶されるデータベースを示す図である。図11(A)は、排泄DBを示す図である。図11(B)は、給餌DBを示す図である。排泄DB及び給餌DBは、図7の排泄DB及び給餌DBと同じ構成のため、説明を省略する。図11(C)は、ユーザDBを示す図である。ユーザDBは、ユーザに関する各種情報を記録するためのDBである。ユーザDBは、ユーザID、国籍、性別、生年月日、及び姓名で構成される。ユーザIDは、ユーザ登録時に、ユーザに一意に割り当てられたユーザを識別するためのIDである。
図11(D)は、品種DBを示す図である。品種DBは、品種ID、及び品種名で構成される。品種IDは、品種名(雑種も含む)に一意に割り当てられた品種名を識別するためのIDである。図11(E)は、ネコDBを示す図である。ネコDBは、ネコID、ユーザID、品種ID、性別、生年月日、及び名で構成される。ネコDBに示されるユーザIDは、ネコIDに対応するネコの飼い主のユーザIDである。
図11(F)は、トイレDBを示す図である。トイレDBは、トイレID、及びユーザIDで構成される。トイレIDに示されるユーザIDは、トイレIDに対応するトイレの所有者のユーザIDである。図11(G)は、シートDBを示す図である。シートDBは、トイレID、及び交換日時で構成される。
全体ネコ情報管理部345は、上記排泄DB及び給餌DBを用いて、動物の健康状態を判定するための判定情報(同種)を生成する。図12は、サーバ10の記憶装置に記憶される判定情報を示す図である。図12(A)は、判定情報(同種排泄)を示し、図12(B)は、判定情報(同種給餌)を示す。図12(A)、図12(B)に示される判定情報は、排泄DB及び給餌DBに示されるパラメータの平均値であり、集計期間は、例えば3か月などが挙げられる。
判定情報(同種排泄)は、品種IDをキーにして、生年ごとに設けられる。従って、判定情報(同種排泄)は、各品種の生年ごとの判定情報である。
判定情報(個別排泄)における各パラメータについて説明する。平均滞在時間は、集計期間における進入日時から退出日時までの平均時間を示す。平均停止時間は、集計期間における停止開始日時から停止終了日時までの平均時間を示す。平均排泄時間は、集計期間における排泄開始日時から排泄終了日時までの平均時間を示す。平均排泄回数は、集計期間における1日の排泄回数の平均値を示す。平均排泄行動測定値は、停止時間、排泄回数および排泄時間とは異なる排泄行動測定値の各項目の集計期間における平均値を示す。平均排泄測定値は、集計期間における排泄測定値の各項目の平均値を示す。平均生体情報測定値は、集計期間における生体情報測定値の各項目の平均値を示す。
判定情報(同種給餌)は、品種IDをキーにして、生年ごとに設けられる。従って、判定情報(同種給餌)は、各品種の生年ごとの判定情報である。
判定情報(同種給餌)は、平均給餌量から平均給餌回数まで、4つのパラメータが含まれるが、1番目の平均給餌量と2番目の平均給餌回数は、飲食物がキャットフードの場合の判定情報であり、3番目の平均給餌量と4番目の平均給餌回数は、飲食物が水の場合の判定情報である。
判定情報(個別給餌)における各パラメータについて説明する。平均給餌量は、集計期間における1日の給餌量の平均値を示す。平均給餌回数は、集計期間における1日の給餌回数の平均値を示す。
携帯端末21で動作するアプリケーション(以下「ネコアプリ」という。)の動作について説明する。動物用トイレ20は、動物状態情報を検出し、携帯端末21に送信する。携帯端末21は、ネコアプリによって、受信した動物状態情報を表示する。図13は、異常と判断された場合の携帯端末21の表示例を示す図である。aの表示例は、ネコがトイレに進入している間に、排尿行動(動作が静止に近い状態となる)の回数と、尿が出た(排泄時間に変化が発生した)回数とを比較し、排尿行動に対して尿が出た回数が少ない場合に表示される画面である。病気の可能性が高いと判定された場合、アプリケーションは、「近くの動物病院」や「いつものかかりつけの病院」などの動物の健康に関する提示情報を出力する。
bの表示例は、動物用トイレ20を利用しているネコが進入から排尿するまでの時間と、他の動物用トイレ20を利用しているネコの進入から排尿するまでの時間の平均時間と、を比べて、閾値以上の差がある場合に表示される画面である。病気の可能性が高いと判定された場合、アプリケーションは、「近くの動物病院」や「いつものかかりつけの病院」などの動物の健康に関する提示情報を出力する。a及びbの画面を表示することにより、ユーザ(例えば、ネコの飼い主)は、ネコが排尿をしようとしても尿が出ていない可能性があることを認知することができる。さらに、ユーザは、動物の健康に関する提示情報に基づいて、動物病院などの施設の予約が可能になる。図13では、例えば、たま(ネコの名前)が動物用トイレ20に入室した時間と、排泄予備動作回数と、排泄回数と、健康状態の判定結果と、提示情報が表示される。このため、図13の表示例のような画面を表示することにより、ユーザ(例えば、ネコの飼い主)は、提示情報を認知することができる。
図14は、提示情報の具体例(施設の詳細の情報)を示す図である。図14の表示例は、図13で病院の表示が押下された場合に表示される画面である。病気の可能性が高いと判定された場合、携帯端末21は、ネットワーク30を介し、「近くの動物病院」や「いつものかかりつけの病院」などの動物の健康に関する施設の情報(以降「施設情報」という。)を出力する。施設情報は、施設が営業時間帯である場合、aの表示例を表示し、施設が営業時間帯でない場合、bの表示例を表示する。なお、マップを押下することで、携帯端末21は、当該施設までの案内を行ってもよい。また、電話番号を押下することで、携帯端末21は、当該施設に電話をかけてもよい。図14では、例えば、動物病院の名前と、専門と、動物病院の住所と、診察時間と、時間外の救急が可能か否かの情報と、電話番号と、が提示情報として表示される。
サーバ10が動物用トイレ20から各種の情報を受信し、ネコの健康状態を判定するシステムであった場合、ネコの健康状態が異常と判定されたときにサーバ10から携帯端末21に対して通知を送信することが考えられる。図15は、サーバ10から携帯端末21に対して異常が通知された場合の表示例を示す図である。aの表示例は、携帯端末21がサーバ10から通知を受信した場合、携帯端末21にインストールされたアプリケーションが通知をアイコンで表示した例である。bの表示例は、携帯端末21が、アプリケーションの実行指示(アプリケーションのアイコンの選択など)を受け付けた場合、アプリケーションが起動し、通知内容(ネコの健康状態が異常と判定された結果)を表示した例である。このとき、アプリケーションは、「近くの動物病院」や「いつものかかりつけの病院」などの動物の健康に関する提示情報を出力する。
また、動物用トイレ20を利用するネコの排泄情報を携帯端末21に表示させるようにしてもよい。図16は、ネコの排泄情報の表示例を示す図である。例えば、aの表示例は、動物用トイレ20を利用するネコの平均排泄回数(1日当たりのトイレへの進入回数や排泄の検出回数等)や、ネコの平均の動物用トイレ20の滞在時間(進入から退室までの平均時間)、他のネコや一般的なネコと動物用トイレ20を利用するネコとの排尿時間の比較結果、排尿できなかった回数などを提示した例である。図15では、例えば、たま(ネコの名前)が1日当たりの動物用トイレ20に入室した回数の平均と、動物用トイレ20に滞在した時間の平均と、同じ猫種の排泄までにかかる平均時間と比較した排尿時間が長いか否かの比較結果と、排尿できなかった回数と、健康状態の判定結果とが表示される。bの表示例は、比較結果に異常がみられる場合、結果に排泄の傾向(「排尿が長い傾向があります。」や「排尿できなかった回数が多いです。」などの出力)や、対処の提案(病院への通院を促す出力)をaの表示例と合わせて提示する。なお、携帯端末21による情報の提示は、ディスプレイの表示だけでなくスピーカーによる音声や振動といったものであってもよい。
図17は、提示情報の具体例(グッズ及びペットショップの情報)を示す図である。例えば、aの表示例では、現在のネコの画像の特徴量と、過去のネコの画像の特徴量とを比較し、画像の特徴量が所定の閾値を超過している場合、グッズの情報を提示情報として出力する。例えば、bの表示例では、現在のネコの食事量と、過去のネコの食事量又は他のネコの食事量の少なくとも一方を比較し、食事量が所定の閾値を超過しているか否かを表示する。このとき、食事量が所定の閾値を超過する又は下回る場合、ペットショップの情報を提示情報として出力する。
図18は、健康状態を判定する処理内容を示すフローチャートである。
まず、状態情報管理部305は、行動情報を含む状態情報を取得する(ステップS101)。判定情報取得部323は、判定情報を取得する(ステップS102)。状態情報管理部305は、行動情報と、排泄検知情報と、排泄行動情報とに基づき、排泄時間情報を算出する(ステップS103)。状態情報管理部305は、排泄時間情報に含まれる動物が排泄を開始するために体を動かしていない停止状態を表す時間が過去の動物の排泄に要する時間以内であるか否かを判定する(ステップS104)。停止状態の時間が過去の動物の排泄に要する時間以内である場合、状態情報管理部305は、動物が健康である可能性が高いと判定する(ステップS105)。アプリケーションは、状態情報管理部305の判定結果(動物の健康状態)をユーザに表示する(ステップS106)。停止状態の時間が過去の動物の排泄に要する時間を超過する場合、状態情報管理部305は、動物が病気である可能性が高いと判定する(ステップS107)。その後ステップS106に遷移する。
図19は、動物状態判定装置の処理を示すシーケンス図である。なお、図19では、データの解析は、状態情報管理部305ではなく、サーバ10の全体ネコ情報管理部345が行う場合を説明する。動物用トイレ20は、排泄測定値及び排泄行動測定値のデータを測定する(ステップS201)。次に動物用トイレ20は、測定したデータを携帯端末21に送る(ステップS202)。携帯端末21は、取得したデータを記憶する(ステップS203)。携帯端末21は、測定データをサーバ10に送る(ステップS204)。サーバ10は、受け取ったデータを記憶する。そして、サーバ10は、受け取ったデータを全体ネコ情報管理部345で解析する(ステップS205)。サーバ10は、データを解析した結果を記憶する(ステップS206)。サーバ10は、解析結果に対応付けられた提示情報を特定する(ステップS207)。なお、データの解析は、携帯端末21で行ってもよい。携帯端末21でデータを解析することにより、解析のために通信を都度行う必要がなくなるため、オフラインでの利用も可能となる。
サーバ10は、解析結果及び提示情報を携帯端末21に送る(ステップS208)。携帯端末21は、ユーザに解析結果及び提示情報の少なくとも一方を表示する(ステップS209)。携帯端末21は、情報表示指示を受信した場合(ステップS210)、表示リクエスト通知をサーバ10に送る(ステップS211)。サーバ10は、表示リクエストを受信すると、表示リクエストに対応付けられた提示情報を特定する(ステップS212)。サーバ10は、特定した提示情報を表示データとして携帯端末21に送る(ステップS213)。携帯端末21は受信した表示データをユーザに表示する(ステップS214)。
図20は、動物状態判定装置の処理を示すシーケンス図である。なお、図19で説明した処理に関しては、説明を省略する。
まず、動物用トイレ20は、ステップS201を行う。次に動物用トイレ20は、測定データをサーバ10に送る(ステップS301)。サーバ10は、受信した測定データを記憶する(ステップS302)。携帯端末21は、サーバ10に測定データの解析リクエストを通知する(ステップS303)。その後ステップS205〜ステップS214の処理を行う。なお、測定データの解析は、解析リクエストを受信する前に行われてもよい。これにより、サーバ10のみが測定データを記憶するため、携帯端末21の処理負担が軽減する。
このように構成された動物健康提案装置によれば、状態情報管理部305及び比較部325を備えることで、動物の健康状態に対応した提示情報をユーザに対して提案することができる。状態情報管理部305は、行動情報と、排泄検出部301で検出される排泄測定値と、排泄動作検出部302で検出される排泄行動測定値とを取得する。また、判定情報取得部323を備えることで判定情報を取得する。状態情報管理部305は、行動情報と、排泄測定値と、排泄行動測定値とに基づき、排泄時間情報を算出する。また、状態情報管理部305は、判定情報に基づいて、過去の動物の排泄に要する時間を算出する。したがって、状態情報管理部305は、例えば、排泄時間情報に含まれる動物が排泄を開始するために体を動かしていない停止状態を表す時間が過去の動物の排泄に要する時間以内である場合、動物が健康である可能性が高いと判定する。状態情報管理部305は、例えば、排泄時間情報に含まれる動物が排泄を開始するために体を動かしていない停止状態を表す時間が過去の動物の排泄に要する時間を超過する場合、動物が健康でない可能性が高いと判定する。
比較部325は、状態情報管理部305で判定された動物の健康状態に基づいて、健康状態に対応付けられた提示情報を出力する。ユーザは、比較部325が出力する提示情報を確認することで、動物の健康に関するレコメンドの情報を知ることができる。
[変形例]
状態情報管理部305は、排泄行動測定値の増減の変化を偏微分することで、侵入の時間、排泄前の徘徊時間、排泄直前の停止状態の時間、排泄開始の時間、排泄終了の時間及び退出の時間の閾値を算出してもよい。
状態情報管理部305は、行動情報及び排泄時間情報の少なくとも一方を記憶してもよい。
状態情報管理部305は、排泄動作検出部302から取得した排泄行動測定値の情報が所定の閾値を超える異常な値である場合、排泄時間情報の算出時に異常な値を排除してもよい。
判定情報取得部323は、ネットワーク30を介して現在地から所定の距離内に存在する動物に関する施設を施設情報として取得してもよい。これにより、ユーザは、現在地から最寄りの動物に関する施設を知ることができる。
判定情報取得部323は、ネットワーク30を介して他の動物の提示情報を取得してもよい。これにより、ユーザは、ネコだけでなく、犬やウサギなどの動物の提示情報を取得することができる。
比較結果出力部326は、ネットワーク30を介して提示情報を他の携帯端末21に出力してもよい。
比較結果出力部326は、提示情報に加え、動物の健康状態をさらに出力してもよい。これにより、ユーザは、提示情報に加え、動物の健康状態をさらに知ることができる。
比較結果出力部326は、行動情報、生体情報、排泄測定値及び排泄行動測定値などの動物に関する行動のログを出力してもよい。例えば、比較結果出力部326は、行動のログを動物用トイレ20、携帯端末21及びPC41のうち、少なくとも1つに出力してもよい。これにより、ユーザは動物の行動履歴を知ることができる。
比較結果出力部326は、ネットワーク30を介して、提示情報で提示される施設の予約を行ってもよい。比較結果出力部326は、施設の予約を行う際、状態情報管理部305から出力された健康状態を施設に通知してもよい。比較結果出力部326は、施設の診療時間、医師、担当者などの施設の情報に基づいて、予約先の施設を決定してもよい。
比較結果出力部326は、提示情報としてウェブサイトを表示してもよい。
上述した実施形態における動物健康提案装置の処理をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。