JP2020005536A - 凍結コンテナ装置及びそれを用いた凍結システム - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞を凍結させる際に、細胞へのダメージを最小限に抑えることができる適切な温度及び速度で凍結させることができる凍結コンテナ装置を提供する。【解決手段】凍結コンテナ装置10は、台座11と、台座11から突出して台座11の上に細胞容器12を支持する複数の支持部材とを備える。複数の支持部材は、所定の熱伝導率を有する伝熱ロッド13と、伝熱ロッド13よりも熱伝導率の低い支持ピン14、15、16とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば血液細胞や培養細胞等の細胞を凍結させる凍結コンテナ装置及びそれを用いた凍結システムに関する。
この種の細胞を凍結させる装置として、冷却室と、一端で冷却室内の凍結対象物の中央部分と接触するとともに、他端でペルチェ素子の冷却部と接触し、ペルチェ素子の冷熱を凍結対象物の中央部分に伝え、凍結対象物を局部冷却して植氷する植氷部材と、ペルチェ素子の排熱部と冷却室内の空気の双方に冷熱を伝える伝熱部材と、冷凍機とを有するものが開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、凍結対象物の中央部分を局部的に冷却して植氷しているので、凍結対象物の凍結する温度及び速度が、周囲の温度環境に影響を受けやすく、制御が難しい。したがって、凍結対象物の生存率、即ち、凍結前に生存している凍結対象の細胞に対して、凍結および解凍を行った後に生存している細胞の割合が低下し、全体として細胞の生存率が低下するおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、細胞を凍結させる際に、細胞へのダメージを最小限に抑えて解凍後の細胞の生存率を向上させることができる凍結コンテナ装置及びそれを用いた凍結システムを提供することを課題とする。
(1)本発明に係る凍結コンテナ装置は、細胞を含む凍結保護溶液が貯留された細胞容器を収容し、低温の恒温槽庫内において前記細胞容器を冷却して前記細胞を凍結させる凍結コンテナ装置であって、台座と、該台座から突出して前記台座の上に前記細胞容器を支持する複数の支持部材と、を備え、前記複数の支持部材は、所定の熱伝導率を有する第1支持部材と、該第1支持部材よりも熱伝導率の低い第2支持部材と、を有することを特徴とする。
(2)本発明に係る凍結コンテナ装置は、上記(1)に記載の凍結コンテナ装置であって、前記複数の支持部材により前記細胞容器を支持した状態で前記台座と前記細胞容器との間に介在される第1断熱部材を備えていることを特徴とする。
(3)本発明に係る凍結コンテナ装置は、上記(2)に記載の凍結コンテナ装置であって、前記複数の支持部材により支持された前記細胞容器を覆い、前記台座との間に前記細胞容器を収容する室内空間を形成する第2断熱部材を備えていることを特徴とする。
(4)本発明に係る凍結コンテナ装置は、上記(1)から上記(3)のいずれか一つに記載の凍結コンテナ装置であって、前記複数の支持部材は、一以上の前記第1支持部材と、二以上の前記第2支持部材を有し、前記第1支持部材の少なくとも一つと前記第2支持部材の少なくとも一つが、前記細胞容器の底面でかつ該底面に沿った方向一方側と他方側に離間した位置を支持するように配置されていることを特徴とする。
(5)本発明に係る凍結コンテナ装置は、上記(1)から上記(4)のいずれか一つに記載の凍結コンテナ装置であって、前記台座及び前記第1支持部材は、金属材料により構成され、前記第2支持部材は、合成樹脂材により構成されていることを特徴とする。
(6)本発明に係る凍結コンテナ装置は、上記(3)に記載の凍結コンテナ装置であって、前記細胞容器とともに前記室内空間に収容される予め設定された熱容量を有する蓄熱体を備えることを特徴とする。
(7)本発明に係る凍結コンテナ装置は、上記(6)に記載の凍結コンテナ装置であって、前記蓄熱体は、前記細胞容器の上に載置される金属ブロックからなることを特徴とする。
(8)本発明に係る凍結システムは、上記(1)から上記(7)のいずれか一つに記載の凍結コンテナ装置と、該凍結コンテナ装置を収容する恒温槽庫と、該恒温槽庫の庫内を冷却する冷却装置と、前記恒温槽庫の庫内において温度を計測する温度計測装置と、該温度計測装置により計測された温度に基づいて前記冷却装置を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
上記(1)に記載した本発明に係る凍結コンテナ装置は、細胞を含む凍結保護溶液が貯留された細胞容器を収容し、低温の恒温槽庫内において前記細胞容器を冷却して前記細胞を凍結させる凍結コンテナ装置であって、台座と、該台座から突出して前記台座の上に前記細胞容器を支持する複数の支持部材と、を備え、前記複数の支持部材は、所定の熱伝導率を有する第1支持部材と、該第1支持部材よりも熱伝導率の低い第2支持部材と、を有する。
この構成によれば、第2支持部材の方が第1支持部材よりも熱伝導率が低いので、低温の恒温槽庫内に配置された際に、第1支持部材から細胞容器に伝えられる冷熱の量と、第2支持部材から細胞容器に伝えられる冷熱の量との間に意図的に差を設けて、細胞容器内の凍結保護溶液に所定の温度勾配を生じさせることができる。
したがって、第1支持部材によって支持される細胞容器の第1接触箇所を、第2支持部材によって支持される第2接触箇所よりも先に冷却して、細胞容器内の凍結保護溶液全体が過度の過冷却になる前に、凍結保護溶液の第1接触箇所に対応する部分に氷晶核を局所的に発生させることができる。そして、その局所的に発生させた氷晶核を、第2接触箇所に向けて緩速に成長させる植氷操作を行うことができ、凍結保護溶液内において氷晶核を成長させる方向及び速度を精密に制御することができる。
これにより、例えば第1支持部材と第2支持部材の間を離してそれぞれ細胞容器に接触させることによって、凍結保護溶液中において氷晶核が緩速に成長する距離を長く確保することができる。したがって、細胞の生存率が低くなる範囲を、最初に氷晶核を局所的に発生させる箇所である第1接触箇所に限定し、そこから第2接触箇所までの範囲を細胞の生存率が高い領域とすることができる。したがって、細胞を凍結させる際に細胞へのダメージを最小限に抑えて解凍後の細胞の生存率を向上させることができる。
上記(2)に記載した本発明に係る凍結コンテナ装置は、複数の支持部材により細胞容器を支持した状態で台座と細胞容器との間に介在される第1断熱部材を備えている。この構成によれば、支持部材を通じて細胞容器に伝えられる冷熱が支持部材の途中で放熱されるのを抑制できる。
上記(3)に記載した本発明に係る凍結コンテナ装置は、複数の支持部材により細胞容器を支持した状態で台座の上から被せられて台座との間に細胞容器を収容する室内空間を形成する第2断熱部材を備えている。この構成によれば、細胞容器に対して冷熱を伝えるルートを、物理的に接触する支持部材のみに限定することができる。したがって、低温の恒温槽庫内における配置位置などの周囲環境から外乱を受けることなく、細胞容器を冷却することにより凍結保護溶液及び細胞を安定して凍結することができる。
上記(4)に記載した本発明に係る凍結コンテナ装置は、複数の支持部材が、一以上の前記第1支持部材と、二以上の前記第2支持部材を有し、前記第1支持部材の少なくとも一つと前記第2支持部材の少なくとも一つが、前記細胞容器の底面でかつ該底面に沿った方向一方側と他方側に離間した位置を支持するように配置されている構成を有しているので、第1接触箇所から第2接触箇所までの距離を長く確保でき、細胞容器の凍結保護溶液中に局所的に発生させた氷晶核を第2接触箇所に向けて緩速に成長させることができる。したがって、凍結保護溶液のより多くの部分が過冷却状態となるのを防ぎ、細胞の生存率を高く保ちながら凍結保管することができる。
上記(5)に記載した本発明に係る凍結コンテナ装置は、台座及び第1支持部材は、金属材料により構成され、第2支持部材は、合成樹脂材により構成されているので、台座及び第1支持部材の熱伝導率が高く、第2支持部材の熱伝導率が低くなり、冷熱を、第2支持部材よりも確実に速く第1支持部材から細胞容器の凍結保護溶液に伝えることができる。したがって、細胞容器の第1接触箇所を局所的に冷却して凍結保護溶液の対応する部分に氷晶核を局所的に発生させ、その局所的に発生させた氷晶核を、第2接触箇所に向けて緩速に成長させて溶液全体を凍結させることができる。
上記(6)に記載した本発明に係る凍結コンテナ装置は、細胞容器とともに室内空間に収容される予め設定された熱容量を有する蓄熱体を備えるので、細胞容器内の対象物を凍結させる際の温度降下を、対象物の仕様条件に合わせた緩慢凍結の温度降下となるように調整することができる。
上記(7)に記載した本発明に係る凍結コンテナ装置は、蓄熱体が細胞容器の上に載置される金属ブロックからなることが好ましい。蓄熱体の好ましい一形態を規定したものであり、簡単に用意して実施することができる。
上記(8)に記載した本発明に係る凍結システムは、恒温槽庫の庫内において計測された温度に基づき冷却装置を制御するので、恒温槽庫内を所定の冷却速度で冷却することができる。したがって、凍結初期の過冷却解除の発生や凍結速度などの細胞容器内の凍結状態を把握することができる。そして、細胞容器内の細胞を凍結させる際の温度降下の速度を、細胞の仕様条件に合わせた緩慢凍結の温度降下の速度となるように調整することができる。したがって、緩慢凍結により確実に細胞の凍結が行われ、解凍後の細胞の生存率が高められるという効果が得られる。
本発明によれば、比較的に小型で高い生存率を確保することができる凍結コンテナ装置を提供することができる。
本発明に係る凍結コンテナ装置を適用した第1実施形態に係る細胞の凍結コンテナ装置10および第2実施形態に係る細胞の凍結コンテナ装置20について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る凍結コンテナ装置10は、細胞を含む凍結保護溶液12dが貯留された細胞容器12を収容し、低温の恒温槽庫内において細胞容器12を冷却して細胞を凍結させる構成を有している。凍結コンテナ装置10は、図1(a)、図1(b)に示すように、台座11と、伝熱ロッド13と、支持ピン14、15、16と、収容容器17と、断熱部材21、22、23を備えている。伝熱ロッド13と支持ピン14、15、16は、台座11から突出して台座11の上に細胞容器12を支持する複数の支持部材を構成する。
第1実施形態に係る凍結コンテナ装置10は、細胞を含む凍結保護溶液12dが貯留された細胞容器12を収容し、低温の恒温槽庫内において細胞容器12を冷却して細胞を凍結させる構成を有している。凍結コンテナ装置10は、図1(a)、図1(b)に示すように、台座11と、伝熱ロッド13と、支持ピン14、15、16と、収容容器17と、断熱部材21、22、23を備えている。伝熱ロッド13と支持ピン14、15、16は、台座11から突出して台座11の上に細胞容器12を支持する複数の支持部材を構成する。
凍結コンテナ装置10は、例えば−80℃の低温の恒温槽庫に収容され、恒温槽庫内の冷熱が台座11に伝わり、台座11から伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16を介して細胞容器12に伝わり、細胞容器12内の凍結保護溶液12d中の細胞を凍結保護溶液12dとともに凍結させる構成を有している。凍結コンテナ装置10は、1分間に−0.5℃から−2℃ずつ低下する緩慢凍結により細胞を凍結させるように構成されている。
第1実施形態に係る凍結コンテナ装置10における台座11は、本発明に係る凍結コンテナ装置における台座に対応し、伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16は、本発明に係る凍結コンテナ装置における複数の支持部材に対応し、伝熱ロッド13は、本発明に係る凍結コンテナ装置における第1支持部材に対応し、同様に、支持ピン14、15、16は、本発明に係る凍結コンテナ装置における第2支持部材に対応する。
細胞容器12は、例えばプラスチックシャーレにより構成することができ、図2(a)に示すように、合成樹脂材からなる上皿12aおよび下皿12bを有している。上皿12aは、外径D2、高さh1、厚みt2の一端が開口する有底円筒形を有している。下皿12bは、上皿12aの内部に挿入され、上皿12aと同様に一端が開口する有底円筒形を有している。下皿12bは、伝熱ロッド13および複数の支持ピン14、15、16の上に載せられる平坦な底面を有している。下皿12bの底面は、第1接触箇所12cで伝熱ロッド13と接触し、第2接触箇所12f、12g、12hで支持ピン14、15、16と接触する。
細胞容器12を構成する合成樹脂材としては、例えば透明のポリスチレン(PS)が挙げられる。上皿12aの外径D2は、例えば40mm程度、高さh1は13mm程度、厚みt2は、2mm程度で形成されている。下皿12bは、細胞を入れた凍結保護溶液12dを貯留できるように構成されており、底面は所定の収容面積(mm2)を有している。
下皿12bには、所定量の凍結保護溶液12dが貯留されている。凍結保護溶液12dは、例えば1.5mlが貯留され、深さが1.5mm程度になっている。凍結保護溶液12dは、細胞容器12内の細胞の凍結過程で細胞内に氷晶が形成されて細胞が損傷を受けてしまう細胞内凍結を抑制する機能を有している。凍結保護溶液12dとしては、例えば極東製薬工業製のCP−5Eが挙げられる。本明細書において、「凍結保護溶液」は、凍結中に細胞を保護する物質を含有している溶液を指す。凍結保護溶液の種類は限定されず、例えばDMSO、プロピレングリコール、グリセロール、プロパンジオール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ホルムアミド、ソルビトール及びマンニトール等の糖、CP-5E等の市販の凍結保護溶液、並びにそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
細胞には、細胞を培養して人工的に作られた多能性の幹細胞、いわゆるiPS細胞や、受精卵が数回分裂した段階で得られる胚性幹細胞、いわゆるES細胞などの生体細胞が含まれる。iPS細胞は、人工で合成された人工基質上で単層に成長させる接着培養やいわゆるフィーダーフリー培養で培養された細胞が用いられる。
台座11は、高い熱伝導率を有する金属材料からなり、直径D1、厚みt1の円盤形状を有している。台座11の中央部分には、4個の貫通孔11aが形成されており、各貫通孔11aに固定ねじ24、25、26、27が挿入されて、伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16が固定されている。台座11を構成する金属材料としては、例えば熱伝導率が約236W/(m・K)のアルミニウムA5056が挙げられる。また、例えば直径D1は、95mm程度、厚みt1は、3mm程度で形成される。
伝熱ロッド13は、高い熱伝導率を有する金属材料からなり、図1(a)、図2(b)に示すように、外径D3、長さL1の丸棒で形成されており、両端部には面取りCが施されている。一端には、ねじ穴13aが形成されている。伝熱ロッド13は、台座11に基端が当接した状態で固定され、台座11からの冷熱が伝わるようになっている。また、伝熱ロッド13は、先端が細胞容器12の底面の第1接触箇所12cに物理的に接触して、細胞容器12の底面を支持しかつ細胞容器12に冷熱を伝えるように構成されており、所定の接触面積(mm2)を有している。この接触面積は、下皿12bの収容面積よりも極めて小さく形成されている。
伝熱ロッド13の金属材料には、台座11と同様の熱伝導率が約236W/(m・K)のアルミニウムA5056を用いることができる。伝熱ロッド13は、例えば外径D3が6mm程度、長さL1が35mm程度で形成されている。
支持ピン14は、伝熱ロッド13よりも熱伝導率が低い合成樹脂材からなり、図1(a)、図2(c)に示すように、外径D4、長さL2の丸棒で形成されており、基端には、ねじ穴14aが形成されている。支持ピン14の先端は、傾斜角θで形成されたテーパ部14bを有しており、テーパ部14bの先端は半球状に形成され、下皿12bの底面に点接触し、細胞容器12を支持するように構成されている。
また、支持ピン14は、伝熱ロッド13と同様に、固定ねじ25によって基端が台座11に固定されている。支持ピン14を構成する合成樹脂材としては、例えば、熱伝導率が約0.233W/(m・K)のポリアセタール(POM)が挙げられる。支持ピン14は、例えば外径D4が6mm程度、長さL2が35mm程度で形成されている。
支持ピン15、16は、支持ピン14と同様に構成されている。本実施形態では、支持ピンを支持ピン14、15、16の3本で構成し、伝熱ロッド13を含めて細胞容器12を4本で支持する4点支持で構成した場合について説明した。
収容容器17は、伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16により支持された細胞容器12を覆い、台座11との間に細胞容器12を収容する室内空間を形成する構成を有する。収容容器17は、例えば合成樹脂材からなり、図1(a)に示すように、台座11との間に形成される室内空間には、細胞容器12、伝熱ロッド13、支持ピン14、15、16および断熱部材21、22が収容されるようになっている。収容容器17は、一端で開口し、外径D5、内径D6、厚みt3、高さh2を有する有底筒状に形成されており、厚みt3の内部は、空洞で形成されている。
収容容器17は、厚みt3の内部の空洞に、組織名が2−プロパノール、慣用名がイソプロピルアルコールのいわゆるイソプロパノールからなる液体および空気が充填され密閉された構成を有しており、収容容器17の内部と外部との間を断熱する構成を有している。合成樹脂材としては、例えば、ポリプロピレン(PP)が挙げられる。収容容器17は、例えば、外径D5が68mm程度、内径D6が49mm程度、厚みt3が9.5mm程度、高さh2が90mm程度で形成されている。具体的には、日本フリーザー製の凍結処理容器バイセルを使用してもよい。
収容容器17は、細胞容器12を室内空間に収容して外部から熱的に隔離し、細胞容器12に対して冷熱を伝えるルートを、物理的に接触する伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16のみに限定することができる。これにより、凍結コンテナ装置10は、恒温槽庫内における配置位置などの周囲環境から外乱を受けることなく、細胞容器12に対して冷熱を安定して供給することができる。
断熱部材21および断熱部材22は、伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16により細胞容器12を支持した状態で台座11と細胞容器12との間に介在される構成を有している。断熱部材21及び断熱部材22は、例えば合成樹脂材からなり、外径D7、厚みt4の円盤状で形成されており、伝熱ロッド13、支持ピン14、15、16がそれぞれ挿入される4個の貫通孔21a、22aがそれぞれ形成されている。合成樹脂材としては、例えば熱伝導率が約0.0461W/(m・K)の発泡ポリエチレン(EPE)が挙げられる。
断熱部材21および断熱部材22は、それぞれ外径D7が48mm程度、厚みt4が10mm程度で形成されており、互いに積み重ねた状態で収容容器17の内部空間の下方に配置されている。断熱部材21および断熱部材22は、
断熱部材21および断熱部材22は、収容容器17の内部空間の下方に位置し、外径D7が収容容器17の内径D6とほぼ同じ寸法となっているので、断熱部材21および断熱部材22が収容容器17に収まった状態で、収容容器17が移動しないよう保持する機能および収容容器17の着脱の際の位置決めの機能も有している。
断熱部材23は、合成樹脂材からなり、外径D8、厚みt4の円盤状で形成されており、伝熱ロッド13、支持ピン14、15、16がそれぞれ挿入される4個の貫通孔23aが形成されている。合成樹脂材としては、断熱部材21と同様、熱伝導率が約0.0461W/(m・K)の発泡ポリエチレン(EPE)が挙げられる。
断熱部材23は、外径D8が85mm程度、厚みt4が10mm程度で形成されており、収容容器17の開口の下方に位置し、台座11と収容容器17との間に設けられている。
断熱部材21、22、23は、台座11から伝熱ロッド13を介して細胞容器12の第1接触箇所12cに冷熱が伝えられる際に侵入熱や過度の冷却を抑制する機能を有している。断熱部材21、22、23は、互いに向かい合う面で接着されており、一体化されている。したがって、収容容器17を取り外す際に、断熱部材21および断熱部材22が収容容器17に付着し、収容容器17とともに取り外されることはなく、収容容器17のみを取り外すことができる。
なお、第1実施形態に係る凍結コンテナ装置10における断熱部材21、22、23は、本発明に係る凍結コンテナ装置における第1断熱部材に対応し、第1実施形態に係る凍結コンテナ装置10における収容容器17は、本発明に係る凍結コンテナ装置における第2断熱部材に対応している。
固定ねじ24は、台座11から伝熱ロッド13に冷熱が効率よく伝わるよう熱伝導率の高い金属材料で形成されている。固定ねじ25、26、27は、金属材料でもよく合成樹脂材でもよい。
次いで、本実施形態に係る凍結コンテナ装置10における冷熱を細胞容器12に伝える作用について説明する。
本実施形態に係る凍結コンテナ装置10の構成は、熱解析することで最適化されていることが確認された。即ち、図3に示すように、凍結コンテナ装置10を−80℃の図示しない恒温槽庫に入れると、恒温槽庫内の−80℃の雰囲気温度、即ち収容容器17の外部の−80℃の空気の温度が台座11に伝わり、台座11から伝熱ロッド13に伝わる。図3は、−80℃の恒温槽庫内に凍結コンテナ装置10を配置して600秒後の温度分布を示す図である。図3では、台座11および断熱部材23の一部と伝熱ロッド13が−80℃になっている。
このとき、伝熱ロッド13よりも熱伝導率の低い支持ピン15は、台座11に接触している部分については−80℃になっているものの、細胞容器12に接触している部分については15℃となっており、伝熱ロッド13と比較して熱の伝導が極めて遅いことが分かる。
また、伝熱ロッド13に伝わった−80℃の冷熱は、細胞容器12の底面の第1接触箇所12cから細胞容器12に伝わり、第1接触箇所12cにおける温度は−75℃となっている。これに対して、支持ピン15の先端が接触している第2接触箇所12gは、ほぼ20℃となっており、−80℃の冷熱が伝わっていないことが分かる。
また、細胞容器12の第1接触箇所12cに伝わった冷熱は、第1接触箇所12cから徐々に細胞容器12の底面中央部に伝わることが分かる。さらに冷熱は、第1接触箇所12cの反対側の端部である第2接触箇所12gに伝えられることが推定される。このような凍結コンテナ装置10の熱解析により、凍結コンテナ装置10は、細胞容器12内の凍結保護溶液12dの第1接触箇所12cに対応する部分に局所的に氷晶核を形成することができ、植氷させることができることが分かる。
次いで、本実施形態に係る凍結コンテナ装置10における各構成要素の温度履歴について図面を参照して説明する。
まず、凍結コンテナ装置10における各構成要素の温度測定位置は、図4(a)に示すように、細胞容器12内の凍結保護溶液12dの表面部分における1〜6のポイント、庫内と表示された恒温槽庫の内部、プレートと表示された台座11、ロッドと表示された伝熱ロッド13、気相と表示された収容容器17の室内空間の総計10箇所となっている。
なお、温度測定位置の1〜6までの間で、測定点2−3、3−4、4−5、5−6については、界面進行速度(mm/min)を測定しており、凝固界面の進行する速さを観察している。これによると、測定点2−3は1.1(mm/min)、測定点3−4は5.3(mm/min)、測定点4−5は3.2(mm/min)、測定点5−6は3.8(mm/min)となっている。
図4(b)のグラフは、各構成要素の経過時間minに対する温度変化を表している。例えば、庫内と表示された恒温槽庫の内部の温度は、図4(b)の最も下に位置する破線で表されており、経過時間数min後から80minまでの間、−80℃よりもやや高い温度でほぼ一定に保たれていることが確認できる。
プレートと表示された台座11の温度は、図4(b)の実線で表されており、経過時間0のときに20℃で、10min後で約−65℃、20min後で約−75℃、その後−80℃よりもやや高い温度でほぼ一定に保たれており、各構成要素のなかで最も急速に−80℃に近づいている。
ロッドと表示された伝熱ロッド13の温度は、図4(b)の細かな破線で表されており、経過時間0のときに約20℃で、10min後で約−35℃、20min後で約−45℃、その後徐々に低下し60min後で、−80℃よりもやや高い温度でほぼ一定に保たれている。
凍結保護溶液12dの表面部分における1のポイントは、伝熱ロッド13の次に温度の低下が速くなっており、図4(b)の下から4番目の一点鎖線で表されている。1のポイントでは、経過時間10min後の−6℃で、急に温度が上昇し、再び温度が低下し、20min後で−20℃、30min後から60min後まで徐々に低下し、それ以降は、−80℃よりもやや高い温度でほぼ一定に保たれている。
1のポイントにおいて、−6℃で、急に温度が上昇したのは、過冷却解除による潜熱の影響である。したがって、0℃から−6℃までは、凍結が起きない過冷却の状態となっている。−6℃で、過冷却解除がされて、氷晶核が凍結保護溶液12dの表面部分における1のポイント付近で形成され、植氷がされたことが分かる。
図4(b)の最も上側の破線が、凍結保護溶液12dの表面部分における6のポイントであり、他のポイントと比較して、最も冷熱の伝わりが遅くなっていることが分かる。凍結保護溶液12dの表面部分における他のポイントも、6のポイントよりは、温度低下が速いものの、同様の曲線となっている。
図4(b)のグラフから、冷熱は、細胞容器12の第1接触箇所12cから周辺に伝えられ、細胞容器12の第2接触箇所12f、12g、12hに伝えられることが分かる。そして、伝えられた冷熱により、凍結保護溶液12dが第1接触箇所12cから第2接触箇所12f、12g、12hに向かって順次冷却され、凍結される。凍結保護溶液12dは、第1接触箇所12cに対応する部分が過冷却状態となり、その過冷却状態が解除されて氷晶核が局所的に発生する。そして、局所的に発生した氷晶核は、第2接触箇所12f、12g、12hに向けて緩速に成長する。このように、凍結保護溶液12dは、氷晶核の成長する方向及び速度が精密に制御される。
凍結保護溶液12dに含まれる細胞は、伝熱ロッド13が接触する細胞容器12の第1接触箇所12cにおける解凍後の生存率よりも、底面中央部および第2接触箇所の方が比較的に解凍後の生存率が高い。したがって、細胞を凍結させる際に細胞へのダメージを最小限に抑えて、全体として解凍後の細胞の生存率を向上させることができる。
次いで、植氷の有無による細胞の生存率について図5(a)、図5(b)を参照して説明する。
図5(a)、図5(b)のグラフは、各構成要素の経過時間minに対する温度変化を表しており、図5(a)は本実施形態の凍結コンテナ装置を用いて植氷操作をおこなったときのグラフ、図5(b)は、植氷操作なしのグラフとなっている。
庫内と表示された恒温槽庫の内部は、図5(a)の最も下に位置する破線で表されており、経過時間数min後から130minまでの間、−80℃よりもやや高い温度でほぼ一定に保たれていることが確認できる。
庫内と表示された恒温槽庫の内部は、図5(a)の最も下に位置する破線で表されており、経過時間数min後から130minまでの間、−80℃よりもやや高い温度でほぼ一定に保たれていることが確認できる。
本実施形態の凍結コンテナ装置10を用いた場合、アルミプレートと表示された台座11の温度は、図5(a)の実線で表されており、経過時間0のときに20℃で、10min後で約−65℃、20min後で約−70℃、その後−80℃よりもやや高い温度でほぼ一定に保たれており、各構成要素のなかで最も急速に−80℃に近づいている。
アルミ棒と表示された伝熱ロッド13の温度は、図5(a)の細かな破線で表されており、経過時間0のときに約20℃で、10min後で約−30℃、20min後で約−40℃、その後徐々に低下し120min後で、−80℃よりもやや高い温度でほぼ一定に保たれている。
液中(アルミ棒真上)と表示された凍結保護溶液12dの第1接触箇所12cに対応する部分は、伝熱ロッド13の次に温度の低下が速くなっており、図5(a)の下から4番目の一点鎖線で表されている。その温度は、経過時間10min後の−20℃を過ぎたところで、急に上昇し、再び低下し、20min後で−30℃、40min後から130min後まで徐々に低下している。
−20℃で、急に温度が上昇したのは、過冷却解除による潜熱の影響である。したがって、0℃から−20℃までは数分間、凍結が起きない過度の過冷却状態となっている。−20℃で、過冷却解除がされて、氷晶核が細胞容器12の第1接触箇所12c付近の凍結保護溶液12dの表面部分で形成され、植氷がされたことが分かる。
そして、液中(アルミ棒右側)と表示された凍結保護溶液12dの第2接触箇所12gに対応する部分は、凍結保護溶液12dの第1接触箇所12cに対応する部分よりも温度の低下が遅くなっており、図5(a)において二点鎖線で表されている。
図5(a)のグラフから、冷熱は、細胞容器12の第1接触箇所12cから周辺に伝えられ、細胞容器12の第2接触箇所12f、12g、12hに伝えられることが分かる。そして、伝えられた冷熱により、凍結保護溶液12dが第1接触箇所12cから第2接触箇所12f、12g、12hに向かって順次冷却され、凍結される。凍結保護溶液12dに含まれる細胞は、伝熱ロッド13が接触する細胞容器12の第1接触箇所12cに対応する部分における解凍後の生存率は低いが、底面中央部および第2接触箇所の方は比較的に解凍後の生存率が高いので、全体として細胞の解凍後の生存率が高められ、結果として生存率が46%と高くなっている。
なお、生存率は、図6(a)に示すように、細胞塊からなるコロニーが多数生成され、凍結前に生存している細胞を100%とし、凍結した後に解凍した際、生存している細胞の割合を表している。解凍は、例えば、37℃の金属ブロックの上で凍結した細胞を2分程度の短時間で急速に解凍する方法で行われる。
生存率は、解凍後の細胞を顕微鏡で観察し細胞数やコロニーなどの生存状態を確認することで求められる。生存率が46%の状態は、図6(b)に示されている。図6(a)に示す細胞の状態と比較して、生存率が46%の状態は、コロニーが少なくなっており細胞数も少なくなっている。
図5(b)は、植氷操作なしの場合、つまり、本実施形態の凍結コンテナ装置を用いず、細胞容器を恒温槽庫内にそのまま直接配置した場合の温度変化を示すグラフである。図5(b)に示す植氷なしの場合、庫内と表示された恒温槽庫の内部は、図5(a)の場合と同様、最も下に位置する破線で表されており、経過時間数min後から130minまでの間−80℃よりもやや高い温度でほぼ一定に保たれていることが確認できる。
しかしながら、液中と表示された細胞容器12内の凍結保護溶液12dは、点線で表されるように、45min後で、急に温度が上昇し、再び温度が低下し、100min後まで徐々に低下している。
−20℃で、急に温度が上昇したのは、過冷却解除による潜熱の影響であり、0℃から−20℃までは、凍結が起きない過冷却の状態が45minと、比較的に長い間続いている。この場合、過冷却解除により細胞が損傷する範囲は広範囲に拡大して、生存率が2%となっている。生存率が2%の状態は、図7(c)に示されるように、コロニーが極端に少なくなっており細胞数も極端に少なくなっている。
以下、本実施形態に係る凍結コンテナ装置10の効果について説明する。
本実施形態に係る凍結コンテナ装置10は、台座11と、台座11から突出して台座11の上に細胞容器12を支持する複数の支持部材を備え、その複数の支持部材は、所定の熱伝導率を有する伝熱ロッド13と、伝熱ロッド13よりも熱伝導率の低い支持ピン14、15、16を有している。細胞容器12には、細胞を含む凍結保護溶液12dが貯留されている。
本実施形態に係る凍結コンテナ装置10によれば、支持ピン14、15、16の熱伝導率が伝熱ロッド13の熱伝導率よりも低いので、恒温槽庫内に配置された際に、伝熱ロッド13により細胞容器12を冷却する冷熱の量と、支持ピン14、15、16により細胞容器12を冷却する冷熱の量との間に意図的に差を設けることができ、細胞容器12内の凍結保護溶液12dに所定の温度勾配を生じさせることができる。
したがって、細胞容器12の第1接触箇所12cを第2接触箇所12f、12g、12hよりも速く冷却して、凍結保護溶液12d全体が過度の過冷却になる前に、凍結保護溶液12dの第1接触箇所12cに対応する部分に氷晶核を局所的に発生させる。そして、その局所的に発生させた氷晶核を、第2接触箇所12f、12g、12hに向けて緩速に成長させる植氷操作を行うことができ、氷晶核を成長させる方向及び速度を精密に制御することができる。
従来は、凍結対象物の中央部分にペルチェ素子の冷熱を伝える構成であったので、氷晶核を成長させる方向及び速度を精密に制御することができず、細胞の生存率が低下するおそれがあった。これに対して、本実施形態に係る凍結コンテナ装置10は、熱伝導率の高い伝熱ロッド13と熱伝導率の低い支持ピン14で細胞容器12を支持することにより、氷晶核を成長させる方向及び速度を精密に制御することができる。
これにより、例えば細胞容器12の底面中央部を間に介して離間する第1接触箇所12cと第2接触箇所12gのように、伝熱ロッド13と支持ピン14との間を離してそれぞれ細胞容器12の底面に接触させることによって、凍結保護溶液12d中において氷晶核が緩速に成長する距離を長く確保することができる。したがって、細胞の生存率が低くなる範囲を、最初に氷晶核を局所的に発生させる箇所である第1接触箇所12cに限定し、そこから第2接触箇所までの範囲を細胞の生存率が高い領域とすることができる。したがって、細胞を凍結させる際に細胞へのダメージを最小限に抑えて解凍後の細胞の生存率を向上させることができる。また、冷熱が、伝熱ロッド13を介して細胞容器12の第1接触箇所12cに伝えられるので、比較的に小型の凍結コンテナ装置とすることができる。
また、本実施形態に係る凍結コンテナ装置10は、伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16を囲む断熱部材21、22、23を有しているので、台座11から伝熱ロッド13を介して細胞容器12の第1接触箇所12cに冷熱が伝えられる際に侵入熱や過度の冷却を抑制されるという効果が得られる。また、このような構成により、緩慢凍結により確実に細胞の凍結が行われ、解凍後の細胞の生存率が高められるという効果が得られる。
また、本実施形態に係る凍結コンテナ装置10は、細胞容器12の収容面積に対して伝熱ロッド13と細胞容器12との接触面積が小さい面積となるように伝熱ロッド13が構成されている。したがって、細胞の生存率が低くなる範囲を小さくし、細胞を凍結させる際に細胞へのダメージを最小限に抑えて解凍後の細胞の生存率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る凍結コンテナ装置10は、伝熱ロッド13が、1本であり金属材料で形成され、支持ピン14、15、16が、3本であり合成樹脂で形成されている。この構成により、伝熱ロッド13の熱伝導率が高く、支持ピン14、15、16の熱伝導率が低くなり、冷熱が、支持ピン14、15、16よりも確実に速く伝熱ロッド13から細胞容器12の第1接触箇所12cに伝えられる。したがって、凍結保護溶液12dの第1接触箇所12cに対応する部分を急冷し、それ以外の部分については徐冷することができる。
また、本実施形態に係る凍結コンテナ装置10では、細胞容器12を伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16により4点で支持しているので、伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16により細胞容器12が、確実に支持されるという効果が得られる。なお、本実施形態に係る凍結コンテナ装置10においては、他の支持構造で構成するようにしてもよい。例えば、支持ピン2本、伝熱ロッド1本の3本で支持する3点支持で構成してもよい。3点支持の場合、伝熱ロッドと支持ピンの両方を確実に下皿12bの底面に接触させることができ、冷熱を確実に伝達しかつ安定して支持することができる。
また、本実施形態に係る凍結コンテナ装置10では、複数の支持部材が伝熱ロッド13と支持ピン14、15、16により構成される場合について説明したが、細胞容器12を乗せて支持し、凍結保護溶液に温度勾配を形成できる構成を有するものであればよい。したがって、例えば、一以上の伝熱ロッドと、二以上の支持ピンを有しており、一以上の伝熱ロッドの少なくとも一つと、二以上の支持ピンの少なくとも一つが、細胞容器12の底面でかつ底面に沿った方向一方側と他方側に離間した位置を支持するように配置されている構成としてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る凍結コンテナ装置20について図面を参照して説明する。本実施形態において特徴的なことは、凍結コンテナ装置20が、細胞容器12の上に載置される蓄熱体28を備えることである。
次に、本発明の第2実施形態に係る凍結コンテナ装置20について図面を参照して説明する。本実施形態において特徴的なことは、凍結コンテナ装置20が、細胞容器12の上に載置される蓄熱体28を備えることである。
本実施形態に係る凍結コンテナ装置20は、蓄熱体28以外の構成要素が第1実施形態に係る凍結コンテナ装置10と同様に構成されている。したがって、第1実施形態に係る凍結コンテナ装置10と同一の構成要素については、凍結コンテナ装置10と同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる構成要素について説明する。
凍結コンテナ装置20は、図7(a)、図7(b)に示すように、台座11と、細胞容器12と、伝熱ロッド13と、支持ピン14、15、16と、収容容器17Aと、断熱部材21A、22A、23Aと、固定ねじ24、25、26、27と、金属ブロック28と、カバー29とにより構成されている。凍結コンテナ装置20は、第1実施形態に係る凍結コンテナ装置10と同様、−80℃の恒温槽庫に入れられることにより、恒温槽庫内の冷熱が台座11に伝わり、台座11から伝熱ロッド13を介して細胞容器12に伝わり、細胞容器12内の凍結保護溶液と細胞が凍結されるように構成されている。
金属ブロック28は、細胞容器12とともに収容容器17A内に収容される。金属ブロック28は、予め設定された熱容量を有する蓄熱体を構成し、対象物の仕様条件に合わせた緩慢凍結の温度降下となるように調整する機能を有する。凍結コンテナ装置20は、1分間に−0.5℃から−2℃ずつ低下する緩慢凍結により細胞を凍結させるように構成されている。
収容容器17Aは、伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16により支持された細胞容器12を、細胞容器12の上に載置された金属ブロック28とともに覆い、収容容器17Aと台座11との間に細胞容器12及び金属ブロック28を収容する室内空間を形成する構成を有する。収容容器17Aは、例えば合成樹脂材からなり、図7(a)に示すように、台座11との間に形成される室内空間には、細胞容器12、伝熱ロッド13、支持ピン14、15、16、断熱部材21A、22A、23A、金属ブロック28およびカバー29が収容される。収容容器17Aは、一端で開口し、外径D11、内径D12、厚みt11、高さh11を有する有底筒状に形成されており、厚みt11の内部は、空洞で形成されている。
厚みt11の内部の空洞には、組織名が2−プロパノール、慣用名がイソプロピルアルコールのいわゆるイソプロパノールからなる液体および空気が充填され密閉されている。合成樹脂材としては、例えば、ポリプロピレン(PP)が挙げられる。収容容器17Aは、例えば、外径D11が115mm程度、内径D12が95mm程度、厚みt11が9.5mm程度、高さh11が80mm程度で形成されている。
断熱部材21Aは、合成樹脂材からなり、外径が収容容器17Aの内径D12と同様の寸法で、厚みt12の円盤状で形成されており、伝熱ロッド13、支持ピン14、15、16がそれぞれ挿入される4個の貫通孔が形成されている。合成樹脂材としては、例えば熱伝導率が約0.0461W/(m・K)の発泡ポリエチレン(EPE)が挙げられる。
断熱部材21Aは、厚みt12が10mm程度で形成されており、収容容器17Aの内部空間の下方に位置している。断熱部材21Aは、台座11から伝熱ロッド13を介して細胞容器12の第1接触箇所12cに冷熱が伝えられる際に侵入熱や過度の冷却を抑制する機能を有しており、細胞容器12が、1分間に−0.5℃から−2℃ずつ低下する緩慢凍結作用に寄与している。断熱部材22A、23Aも、断熱部材21Aと同様に構成されている。
断熱部材21A、22A、23Aは、収容容器17Aの内部空間の下方に位置し、外径が収容容器17Aの内径D12とほぼ同じ寸法となっているので、断熱部材21A、22A、23Aが収容容器17Aに収まった状態で、収容容器17Aが移動しないよう保持する機能および収容容器17Aの着脱の際の位置決めの機能を有している。
なお、断熱部材21A、22A、23Aは、互いに向かい合う面で接着されており、一体化されている。したがって、収容容器17Aを台座11から取り外す際に、断熱部材21A、22A、23Aが収容容器17Aに付着して収容容器17Aとともに取り外されるということはなく、収容容器17Aのみを取り外すことができる。
金属ブロック28は、細胞容器12の上に載置された状態で収容容器17Aと台座11との間の室内空間に収容される。金属ブロック28は、高い熱伝導率を有する金属材料からなり、直径D13、厚みt13を有する円盤状で形成されている。金属材料としては、例えば熱伝導率が約236W/(m・K)のアルミニウムA5056が挙げられる。また、直径D13は、例えば60mm程度、厚みt13は、9mm程度で形成される。
カバー29は、金属材料または合成樹脂材からなる、両端で開口する円筒部材で構成されており、細胞容器12の側面の周囲に所定の厚みの気相が形成されるように構成されている。
以下、本実施形態に係る凍結コンテナ装置20の効果について説明する。
本実施形態に係る凍結コンテナ装置20は、台座11と、細胞容器12と、伝熱ロッド13と、支持ピン14、15、16と、金属ブロック28と、カバー29と、各構成要素を収容する収容容器17Aとを備えている。
この構成により、冷熱は台座11から伝熱ロッド13に伝えられ、伝熱ロッド13を介して細胞容器12の第1接触箇所12cに伝えられる。支持ピン14、15、16は伝熱ロッド13の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有しているので、冷熱は支持ピン14、15、16よりも速く伝熱ロッド13から細胞容器12の第1接触箇所12cに伝えられる。これにより、凍結保護溶液12dの第1接触箇所12cに対応する部分が急冷され、それ以外の部分については徐冷される。
冷熱は、細胞容器12の第1接触箇所12cから周辺に伝えられ第2接触箇所12f、12g、12hに伝えられる。伝えられた冷熱により細胞が順次冷却され、凍結される。細胞容器12の上に載置されている金属ブロック28は、細胞容器12の冷熱がカバー29を通じて収容容器17の室内空間の気相100に伝えられ、その気相100の冷熱が金属ブロック28に伝えられることによって冷却される。金属ブロック28は、予め設定された熱容量を有する蓄熱体であり、細胞容器12とともに室内空間に収容されるので、細胞容器12内の対象物である細胞を凍結させる際の温度降下の速度を、細胞の仕様条件に合わせた緩慢凍結の温度降下の速度となるように調整することができる。したがって、凍結保護溶液の第1接触箇所12cに対応する部分以外については1分間に−0.5℃から−2℃ずつ低下する緩慢凍結を確実に実現することができる。したがって、より確実に細胞の凍結が行われ、解凍後の細胞の生存率が高められるという効果が得られる。
本実施形態の凍結コンテナ装置20によれば、複数種類の金属ブロックの中から、細胞容器12内の対象物に応じて最適な熱容量を有する金属ブロックを選択して用いることができる。したがって、細胞容器12内の対象物を凍結させる際の温度降下の速度を、対象物の仕様条件に合わせた緩慢凍結の温度降下の速度に簡単に調整することができる。したがって、細胞容器12内の対象物に応じて収容容器17Aの厚さや恒温槽庫の庫内温度を調整する作業を省略することができる。
従来は、細胞を凍結する順、すなわち凍結のルートは定まっておらずランダムに起きていたので、細胞の生存率が低下していた。これに対して、本実施形態に係る凍結コンテナ装置20では、定まったルートで凍結が行われるという効果が得られる。凍結された細胞は、伝熱ロッド13が接触する細胞容器12の第1接触箇所12cにおける解凍後の生存率よりも、第2接触箇所12f、12g、12hの方が比較的に解凍後の生存率が高いので、全体として細胞の解凍後の生存率が高められるという効果が得られる。
また、本実施形態に係る凍結コンテナ装置20は、伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16を囲む断熱部材21A、22A、23Aを有しているので、台座11から伝熱ロッド13を介して細胞容器12の第1接触箇所12cに冷熱が伝えられる際に侵入熱や過度の冷却が抑制されるという効果が得られる。また、このような構成により、凍結保護溶液の第1接触箇所12cに対応する部分以外については、1分間に−0.5℃から−2℃ずつ低下する緩慢凍結により確実に細胞の凍結が行われ、解凍後の細胞の生存率が高められるという効果が得られる。
また、本実施形態に係る凍結コンテナ装置20においても、伝熱ロッド13が、細胞容器12の収容面積に対して伝熱ロッド13と細胞容器12との接触面積が小さい面積となるように構成されている。したがって、細胞の生存率が低くなる範囲を小さくし、細胞を凍結させる際に細胞へのダメージを最小限に抑えて解凍後の細胞の生存率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る凍結コンテナ装置20は、伝熱ロッド13が1本であり、金属材料で形成され、支持ピン14、15、16が3本であり、合成樹脂で形成されている。この構成により、伝熱ロッド13の熱伝導率が高く、支持ピン14、15、16の熱伝導率が低くなり、冷熱が、支持ピン14、15、16よりも確実に速く伝熱ロッド13から細胞容器12の第1接触箇所12cに伝えられる。したがって、凍結保護溶液の第1接触箇所12cに対応する部分を急冷し、それ以外の部分については徐冷することができる。また、細胞容器12が、伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16による4点支持となり、伝熱ロッド13および支持ピン14、15、16により細胞容器12が、確実に支持されるという効果が得られる。
第1実施形態に係る凍結コンテナ装置10および第2実施形態に係る凍結コンテナ装置20においては、細胞が、人工で合成された人工基質上で単層に成長させる接着培養の場合について説明した。しかしながら、本発明に係る凍結コンテナ装置においては、接着培養以外の細胞で構成するようにしてもよい。例えば、細胞は、細胞の栄養素の供給源や細胞の増殖に必要な足場や液相を与える培地の中で細胞を自由に浮遊させて成長させる浮遊培養であってもよい。
この場合、細胞が、接着培養または浮遊培養によって成長させた細胞に適用されるので、接着培養だけでなく浮遊培養にも適用される。その結果、細胞の培養の種類が増大し凍結コンテナ装置の汎用性が高められるという効果が得られる。
第1実施形態に係る凍結コンテナ装置10および第2実施形態に係る凍結コンテナ装置20においては、伝熱ロッド13が、細胞容器12の第1接触箇所12cと接触し、第1接触箇所12cを介して冷熱を凍結保護溶液に伝える構造で構成した場合について説明した。しかしながら、本発明に係る凍結コンテナ装置においては、伝熱ロッド13が、細胞容器12の第1接触箇所12cと接触する構造以外の構造で構成してもよい。例えば、伝熱ロッド13が細胞容器12の外周側面の一部に接触する構造で構成するようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る凍結システムの構成を概略的に示す図である。本実施形態は、第1実施形態または第2実施形態に係る凍結コンテナ装置を用いた凍結システムについてのものである。以下では、第1実施形態の凍結コンテナ装置10を用いた場合について説明するが、第2実施形態の凍結コンテナ装置20を用いてもよい。
次に、本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る凍結システムの構成を概略的に示す図である。本実施形態は、第1実施形態または第2実施形態に係る凍結コンテナ装置を用いた凍結システムについてのものである。以下では、第1実施形態の凍結コンテナ装置10を用いた場合について説明するが、第2実施形態の凍結コンテナ装置20を用いてもよい。
凍結システムは、図8に示すように、凍結コンテナ装置10を収容する恒温槽庫400と、恒温槽庫400の庫内を冷却する冷却装置401と、恒温槽庫400の庫内において温度を計測する温度計測装置と、温度計測装置により計測された温度に基づいて冷却装置401を制御する制御装置402を備える。
恒温槽庫400は、少なくとも1個以上の凍結コンテナ装置10を収納することができ、庫内の温度を例えば−80℃の低温状態に保つことができる構造を有する。冷却装置401は、恒温槽庫400に取り付けられており、例えばコンプレッサにより冷媒を圧縮して熱交換器に供給することより庫内を冷却する構造を有する。
温度計測装置は、例えば熱電対などの温度計測センサを有しており、庫内における各部の温度を計測する。温度計測センサは、収容容器17の容器内の気相部109dと、伝熱ロッド13の上部109eと、細胞容器12の底面部109hと、台座11(109f)と、恒温槽庫40の庫内気相部109gの温度を計測する。
制御装置402は、温度計測装置109による各部109d〜109gの温度に基づいて所定の冷却速度が得られるように冷却装置401の運転制御を行う。また、制御装置402は、凍結対象物と温度履歴に基づいてプログラムされた冷却装置401の運転方法を記憶し、そのプログラムされた運転方法に基づいて冷却装置401の運転制御を行ってもよい。冷却装置401は、必要に応じて、記憶手段や表示手段などの各種手段に接続してもよい。
上記した凍結システムによれば、各部109d〜109gの温度に基づいて冷却装置401を制御し、恒温槽庫400の庫内を所定の冷却速度で冷却することができる。したがって、例えば凍結初期の過冷却解除の発生や凍結速度などの細胞容器12内の凍結状態を把握することができる。そして、細胞容器12内の対象物である細胞を凍結させる際の温度降下の速度を、細胞の仕様条件に合わせた緩慢凍結の温度降下の速度となるように調整することができる。したがって、緩慢凍結により確実に細胞の凍結が行われ、解凍後の細胞の生存率が高められるという効果が得られる。
以上、本発明の第1実施形態から第3実施形態について詳述したが、本発明は、前記の第1実施形態から第3実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
10、20・・・凍結コンテナ装置
11・・・台座
11a、21a、22a、23a・・・・貫通孔
12・・・細胞容器
12a・・・上皿
12b・・・下皿
12c・・・第1接触箇所
12d・・・凍結保護溶液
12f、12g、12h・・・第2接触箇所
13・・・伝熱ロッド(支持部材:第1支持部材)
13a、14a・・・ねじ穴
14、15、16・・・支持ピン(支持部材:第2支持部材)
14b・・・テーパ部
17、17A・・・収容容器(第2断熱部材)
21、21A、22、22A、23、23A・・・断熱部材(第1断熱部材)
24、25、26、27・・・固定ねじ
28・・・金属ブロック
29・・・カバー
400・・・恒温槽庫
401・・・冷却装置
402・・・制御装置
11・・・台座
11a、21a、22a、23a・・・・貫通孔
12・・・細胞容器
12a・・・上皿
12b・・・下皿
12c・・・第1接触箇所
12d・・・凍結保護溶液
12f、12g、12h・・・第2接触箇所
13・・・伝熱ロッド(支持部材:第1支持部材)
13a、14a・・・ねじ穴
14、15、16・・・支持ピン(支持部材:第2支持部材)
14b・・・テーパ部
17、17A・・・収容容器(第2断熱部材)
21、21A、22、22A、23、23A・・・断熱部材(第1断熱部材)
24、25、26、27・・・固定ねじ
28・・・金属ブロック
29・・・カバー
400・・・恒温槽庫
401・・・冷却装置
402・・・制御装置
Claims (8)
- 細胞を含む凍結保護溶液が貯留された細胞容器を収容し、低温の恒温槽庫内において前記細胞容器を冷却して前記細胞を凍結させる凍結コンテナ装置であって、
台座と、
該台座から突出して前記台座の上に前記細胞容器を支持する複数の支持部材と、
を備え、
前記複数の支持部材は、
所定の熱伝導率を有する第1支持部材と、
該第1支持部材よりも熱伝導率の低い第2支持部材と、
を有することを特徴とする凍結コンテナ装置。 - 前記複数の支持部材により前記細胞容器を支持した状態で前記台座と前記細胞容器との間に介在される第1断熱部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の凍結コンテナ装置。
- 前記複数の支持部材により支持された前記細胞容器を覆い、前記台座との間に前記細胞容器を収容する室内空間を形成する第2断熱部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載の凍結コンテナ装置。
- 前記複数の支持部材は、一以上の前記第1支持部材と、二以上の前記第2支持部材を有し、前記第1支持部材の少なくとも一つと前記第2支持部材の少なくとも一つが、前記細胞容器の底面でかつ該底面に沿った方向一方側と他方側に離間した位置を支持するように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の凍結コンテナ装置。
- 前記台座及び前記第1支持部材は、金属材料により構成され、前記第2支持部材は、合成樹脂材により構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の凍結コンテナ装置。
- 前記細胞容器とともに前記室内空間に収容される予め設定された熱容量を有する蓄熱体を備えることを特徴とする請求項3に記載の凍結コンテナ装置。
- 前記蓄熱体は、前記細胞容器の上に載置される金属ブロックからなることを特徴とする請求項6に記載の凍結コンテナ装置。
- 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の凍結コンテナ装置と、
該凍結コンテナ装置を収容する恒温槽庫と、
該恒温槽庫の庫内を冷却する冷却装置と、
前記恒温槽庫の庫内において温度を計測する温度計測装置と、
該温度計測装置により計測された温度に基づいて前記冷却装置を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする凍結システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018128161A JP2020005536A (ja) | 2018-07-05 | 2018-07-05 | 凍結コンテナ装置及びそれを用いた凍結システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112961775A (zh) * | 2021-03-10 | 2021-06-15 | 秦娟 | 一种细胞复苏装置 |
-
2018
- 2018-07-05 JP JP2018128161A patent/JP2020005536A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112961775A (zh) * | 2021-03-10 | 2021-06-15 | 秦娟 | 一种细胞复苏装置 |
CN112961775B (zh) * | 2021-03-10 | 2023-05-12 | 秦娟 | 一种细胞复苏装置 |
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