JPH0160441B2 - - Google Patents

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JPH0160441B2
JPH0160441B2 JP19283682A JP19283682A JPH0160441B2 JP H0160441 B2 JPH0160441 B2 JP H0160441B2 JP 19283682 A JP19283682 A JP 19283682A JP 19283682 A JP19283682 A JP 19283682A JP H0160441 B2 JPH0160441 B2 JP H0160441B2
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cooling
temperature
suspended liquid
freezing
liquid
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Masato Hirata
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Taiyo Sanso Co Ltd
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Taiyo Sanso Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、生体細胞或は組織の凍結保存方法に
係る。近時、医学・細胞学・免疫学・遺伝子工学
などの研究、応用が盛になるにつれ、種々の生体
細胞や組織を凍結保存する必要性が増大してきて
いる。即ち、血小板、淋巴球、白血球、骨髄等の
血液成分や、角膜・皮膚等の生体細胞や組織、白
血病細胞その他の腫瘍細胞、精子、卵子、受精卵
等の人工授精材料、バクテリア、ウイルス等の微
生物株や組織培養細胞等を凍結保存して、必要な
時に解凍し、研究や治療等の用途に供する方法が
広く行われる様になつてきている。 しかし、之等生体の細胞や組織は、その凍結操
作に於ける冷却速度が過大で急激な凍結を起した
り、温度制御が不良で温度の乱高下を招くと大き
な影響を受ける。急激な温度変化や凍結・解凍
は、デリケートな生体の細胞や組織に所謂失活の
現象を惹起し、移植・培養の目的を達し得ないこ
とも屡々である。冷却のスピードは、余りに速過
ぎても、余りに遅過ぎても細胞は損傷を受け、例
えば液体窒素中に浸漬する瞬間凍結では、生体の
細胞や組織は破壊されてしまう。 そこでこの失活を防ぎ、凍結保存・解凍後の生
残率即ち生体細胞或は組織の回収率を向上させる
為の工夫が従来から行われており、単位時間当り
の降下温度を一定のプログラム(計画)に従つて
制御するプログラム(計画)温度制御による凍結
方法が一般に推奨され、プログラムフリーザーと
名付けた装置も幾種か市販されている。之等の装
置で凍結・解凍を行つた後の生体細胞或は組織の
回収率としては、実験の結果では最高65%程度の
成績しか得られなかつた。残念ながら十分満足し
得る成績とは言い難のがその実情である。その回
収率の高さや信頼性は、研究や応用の成否の鍵と
なるものであるから、この回収率については更に
一段と信頼性のある向上が望まれている現状にあ
る。この種の装置の中には、生体の細胞・組織を
保護液中に懸濁浮游させた浮游液を収容する容器
として、軽金属素材に細胞毒性を低下させるため
の鍍金或は樹脂コーテイングを施した容器を用
い、キヤツプ装着後プラスチクステープを巻いて
シールした後、冷却室内に並べて凍結保存をする
ものがある一方、ポリエチレンやポリプロピレン
等のポリオレフイン、或はポリエステルやテフロ
ン等のプラスチクス製容器を用い、キヤツプを本
体に螺子溝で固着させ冷却室に収容、凍結保存を
するものもある。軽金属素材に鍍金或は樹脂コー
テイングを施した容器は熱伝導率が高く、寒冷エ
ネルギーの供給に迅速に対応し得る点温度制御上
有利であるが、プラスチクス製に比べて高価であ
るのと、鍍金或は樹脂コーテイング皮膜のピンホ
ールや耐久性ひいては細胞毒性に関し信頼性に些
か欠ける点があるのではないかとの危惧を残して
いる点に加え、外部から内部の様子が観られない
という欠点があり、シールにプラスチクステープ
を巻付けて使用すると熱伝導率の高い利点が減殺
される上に、接着性のテープを巻く手間は思つた
より繁雑で、テープの殺菌や使用される粘着剤の
寒冷劣化等のトラブルを考えるとかなり厄介であ
る。一方プラスチクス容器の場合は、キヤツプは
螺子止めで殺菌やシール操作が簡単で扱い易く、
低価格で製造できて使い棄てし易い。内部の浮游
液の状況も液状のまゝであるか、凍結したか等外
部から容易に透視、観察し得るという大きな長所
を有する上に、細胞毒性についての危惧をしなく
て済みその面での信頼性が高い反面、軽金属製の
ものに比して熱伝導率が低いという欠点を免れ得
ない。 凍結・解凍を安心して実施することができ、各
段階に於ける生体細胞・組織の状態を観察・確認
しながら操作を進め得て、しかも従来よりも高い
回収率を得たいという願望は、この分野に携る者
にとつては切実なものがあつたが、この様な願望
を如何にして実現するかは、残された技術的課題
であつた。 しかるに本発明者は、この問題に取組んで鋭意
研究を進めた結果、遂にそれを解決することに成
功し、本発明を完成するに至つた。 本発明は、「生体細胞或は組織を保護液中に浮
游懸濁させた生体細胞或は組織の浮游液を冷却室
内に収容し、この浮游液にそれを振盪或は撹拌す
る力を作用させながら冷却室に寒冷エネルギーを
供給し、この浮游液の冷却・凍結曲線が実質的に
直線上に乗る様に設定した操作計画曲線に従つ
て、浮游液の内温が凝固点に達する迄はその内温
の検出値と操作計画曲線との偏差に応じて寒冷エ
ネルギーの供給速度を制御し、浮游液が凝固点に
達したら上記操作計画曲線に従つて寒冷エネルギ
ーの供給速度を急増させ、上記浮游液を収容する
冷却室内で浮游液外の雰囲気温度をこの浮游液の
凝固点よりも低い一定温度に一定時間保つ様に液
相から固相への相遷移の間の寒冷エネルギー供給
速度を制御し、その後は再び固化した浮游液の内
温の検出値と操作計画曲線との偏差に応じて寒冷
エネルギーの供給速度を制御する如く、夫々の冷
却・凍結の段階に対応して上記寒冷エネルギーの
供給速度を制御し、生体細胞或は組織を冷却凍結
することを特徴とする生体細胞或は組織の凍結保
存方法。」に関する。 本発明の方法は、血小板、淋巴球、白血球、骨
髄等の血液成分や、角膜、皮膚等の生体細胞や組
織、白血病細胞その他の腫瘍細胞、精子、卵子、
受精卵等の人工授精材料、バクテリア、ウイルス
等の微生物株や組織培養細胞等を凍結保存する場
合に適用される。凍結保存に当つては、上に挙げ
た如き材料には、凍害保護の為グリセリンやジメ
チルスルホキサイド(DMSO)等を水或は生理
的食塩水に溶解して得られる保護液を添加し、生
体細胞或は組織をこの保護液中に浮游懸濁させた
浮游液をポリプロピレン等のプラスチクス製或は
アルミニウム合金等の金属製のアンプル、チユー
ブ、サツク、バツグといつた容器に入れて凍結装
置の冷却室内に収容する。 実施例1〜2で使用する冷却凍結装置を示す第
1図によつて該装置を説明する。1は本発明の方
法を実施するために用いる冷却・凍結装置外装、
2は断熱材3で内張りした冷却室、4は生体細胞
或は組織の浮游液を容れた容器、5はこの容器を
収容するラツク、6は浮游液を容れた容器をラツ
クと共に振盪する支持台、7は上記支持台を動か
すクランク軸、8は振盪用駆動モータ、9はフア
ン、10はフアン用モータ、11は寒冷エネルギ
ー供給用液化窒素噴出管、12は液化窒素供給量
制御用電磁弁、13は安全弁、14は浮游液内温
測定センサー、15は冷却室雰囲気温測定センサ
ー、16は制御用マイクロコンピユータ、17は
温度記録計、18はヒータ、19はダクト、20
はダクト出口、21は液化窒素供給ラインであ
る。 生体細胞或は組織の浮游液(以下、省略して単
に浮游液と呼ぶ)を容れた容器4は、冷却室2内
に振盪可能な様に設けられたラツク5に載せ、振
盪用駆動モータ8とこれに連結したクランク軸7
によりラツク上の浮游液を振盪させる。浮游液を
冷却するための寒冷エネルギーを供給するには、
液化窒素噴出管11から液化ガスを噴出させ、こ
の液化ガスの供給速度は、制御用マイクロコンピ
ユータ16によつて作動する電磁弁12を開閉す
ることによつて制御する。マイクロコンピユータ
16には、浮游液内温測定センサー14及び冷却
室雰囲気温測定センサー15で検出される温度デ
ータを入力し、コンピユータに内蔵する記憶装置
に記憶させた操作計画曲線を実現する様に上記電
磁弁の開閉を制御する。フアン用モータ10によ
つて駆動するフアン9は、冷却室内の温度を均一
にするために作動させる。センサー14,15に
よつて測定した温度データは、マイクロコンピユ
ータ16を介して温度記録計17で記録させる。 この様にして本発明の方法を実施して浮游液を
冷却凍結した場合の時間―温度の関係を、第2図
に示した。実線は浮游液内温の操作計画(目標)
曲線であり、殆どこの直線状の目標曲線と重なつ
た点線が、浮游液内温として検出された温度を示
している。浮游液に振盪力を与えながら、冷却開
始点Aから次第に温度を下げ凝固点Bに達する迄
は、浮游液内温度とこの目標曲線との偏差をOな
らしめる様に、液化窒素の供給速度を電磁弁を細
かく開閉して制御する。B点に達したら、電磁弁
の操作は記憶装置の記憶に基いて、冷却室内雰囲
気温が一点鎖線で示したB→F→Gのコースを辿
る様に切替えさせる。即ちBで電磁弁は連続開の
状態となり、F→G間で冷却室雰囲気温を一定時
間一定に保ち、G点に達したら、再び電磁弁操作
を浮游液内温と目標曲線との偏差をOならしめる
作動に切替える。B→F→G間では、浮游液の液
相から固相への相遷移に伴つて発生する凝固熱を
吸収して、浮游液内温の下降を目標曲線に沿つて
直線状にするためには、上述の如く寒冷エネルギ
ー供給速度制御の基準とする検出温を切替えるこ
とが極めて重要である。G点で再びこの切替えを
行うことによつて、浮游液内温は直線状に下降す
ると共に、冷却室内温は凝固熱の余燼によつて若
干上昇し、一点鎖線によつて示した如くG→H→
Iの如き曲線を描く。 記憶装置に電子プログラムとして入力すべきB
→F→Gという折線グラフを設定するには、試行
錯誤による予備試験を行うのであるが、凝固点は
保護液の種類・濃度によつて殆ど決定されるの
で、一定の保護液の一定の濃度の浮游液の凝固点
と目標曲線の所望の勾配即ち冷却速度を決めて、
操作計画曲線を設定すれば、浮游液に入れる生体
細胞・組織の種類が異つても、同一の操作計画曲
線を用いてその冷却凍結を行つて差支えない。 本発明の方法が、浮液を冷却凍結させる際に温
度を途中で乱高下させる様なことがなく、凝固を
起す相遷移の間も浮游液内温が如何に直線的に下
降するかを理解し易くするため、他の種々の制御
方法を実験した場合の温度・時間曲線即ち冷却凍
結曲線を第3図〜第7図に示した。 第3図は、冷却室内雰囲気温(一点鎖線)を一
定勾配で下降させ、浮游液の凝固点に達しても特
に操作を変えない場合を示す。浮游液の温度(点
線)は、冷却室雰囲気温(一点鎖線)が下降する
につれ、一定の温度差を以つて降下するが、凝固
点Bに到達すると発生する凝固熱により浮游液温
はB→Cと横這いになり、C点に至つて再び下降
に転じ、D→Eでは再び最初の下降曲線上に乗
る。この場合は、浮游液に振盪・撹拌力を与えて
も与えなくても、浮游液内温の曲線は同様の形を
とる。たゞし、振盪撹拌力を与えると浮游液内温
と冷却室内雰囲気温との温度差が小さくなり、振
盪撹拌を与えないとこの温度差が大きくなる。 第4図は、実績で示した目標曲線に対して、点
線で示した浮游液内温度を近づけるため、目標温
度より一定温度低い冷却室内雰囲気温の目標曲線
(一点鎖線)を設定し、冷却室内温の検出値とこ
の目標値との偏差をOならしめる様に、液化窒素
供給用電磁弁の開閉をマイクロコンピユータ制御
した場合を示す。浮游液に振盪撹拌力は与えな
い。次第に冷却して浮游液が凝固点に達する迄
は、浮游液内の温度曲線は小さな波動を示しなが
ら下降するが、凝固点に達したところでは波動は
大きくなり、この波動が小さくなる迄には相当時
間がかゝることが示されている。 第5図は、実線で示した目標曲線に対して、点
線で示した浮游液内温度を近づけるため、両温度
の偏差をOならしめる様に、液化窒素供給の電磁
弁をマイクロコンピユータ制御した場合を示す。
これは浮游液に振盪撹拌力は与えず、凝固点Bに
達し相遷移が開始されても電磁弁の制御方法を変
えない場合である。過冷却や急激な温度上昇を交
互に繰返して温度が乱高下するのを免れない。 第6図は、浮游液を振盪し、実線で示した設定
目標温度曲線に乗せようと、浮游液内温度と該曲
線との偏差をOにする様に、液化窒素供給の電磁
弁開閉をマイクロコンピユータ制御した場合を示
す。浮游液内温が凝固点Bに達する迄は、本発明
の方法と同一の条件で極めて良好な制御となり、
浮游液内温曲線を示す点線は、殆ど目標温度曲線
である実線と重なつているが、凝固点Bに達した
後は、相遷移により発生する大量の熱を吸収する
には、浮游液内温と目標曲線との偏差から電磁弁
を開閉する制御という操作では若干のタイムラグ
を免れず、目標曲線に対し過熱・過冷を交互に繰
返す波を発生させ、これを目標曲線に乗る様に収
斂させるには相当の時間を要し、相当低温の領域
に達してしまうことが分る。 第7図では、浮游液に振盪を与えず浮游液の凝
固点までは浮游液内温の目標温度曲線(実線)か
らの偏差をOならしめる様に液化窒素供給弁の開
閉をマイクロコンピユータ制御し、凝固点Bに達
したら冷却室内雰囲気温を一定温度まで下げてそ
の後は再び浮游液内温度と目標温度曲線との偏差
をOにする様に液化窒素供給の電磁弁の開閉をコ
ンピユータ制御した場合である。即ちこの場合は
本発明の方法に於ける振盪撹拌力を与えない場合
に相当するのであるが、この場合浮游液内の温度
分布が不均一になるためか浮游液内温曲線を示す
点線は目標温度曲線に対し、冷却開始直後から過
冷・過熱を交互に繰返し、凝固点Bで液化窒素を
多量に供給した後はこの過冷・過熱の波の振幅が
増大された恰好で温度制御の状態は不良であつ
た。 これ等の実験結果から分る様に、本発明の方法
は、(1)浮游液にそれを振盪或は撹拌する力を作用
させることと、(2)冷却・凍結の段階に対応して冷
却室に供給する寒冷エネルギーの供給速度を制御
すること、この制御の内容としては、浮游液の冷
却・凍結曲線が実質的に直線上に乗る様に設定し
た操作計画曲線に従つて浮游液の内温が凝固点
に達する迄はその内温の検出値と操作計画曲線と
の偏差に応じて寒冷エネルギーの供給速度を制御
し、浮游液が凝固点に達したら上記操作曲線に
従つて寒冷エネルギーの供給速度を急増させ、上
記浮游液を収容する冷却室内で浮游液外の雰囲気
温度を、この浮游液の凝固点よりも低い一定温度
に一定時間保つ様に、液相から固相への相遷移の
間の寒冷エネルギー供給速度を制御し、その後
は再び固化した浮游液の内温の検出値と操作計画
曲線との偏差に応じて寒冷エネルギーの供給速度
を制御することが必須の要件であり、この要件を
外すと目的とする良好な温度制御を実現すること
はできないが、これ等の要件を満たすと、冷却凍
結時の温度制御を驚く程精緻に実施し得るのであ
る。この著しい効果は、生体細胞或は組織の浮游
液を容れる容器が、金属製のものは勿論、プラス
チクス製のものであつても充分発揮されるので、
熱伝導の不良を危惧することなくプラスチクス製
容器を使用でき、その場合、細胞毒性の懸念、容
器を使い棄てにすることによるコスト高等を免
れ、しかも透明又は半透明の容器はその中を観察
し得るしキヤツプの着脱も容易で、本発明は生体
細胞或は組織の浮游液の冷却凍結による保存の技
術を著るしく進歩させるものである。 本発明の方法では、浮游液に振盪撹拌力を与え
て浮游液内部の温度の均一化と伝熱の促進が行わ
れるので、浮游液の容器を或る程度大きくでき
る。既述の説明及び後述の実施例では、浮游液を
容れた容器をラツクに載せ、このラツクを冷却室
内に設置した支持台に載せ、この支持台をモータ
に連結したクランク軸によつて往復運動させるこ
とによつて、浮游液を振盪しているが、ラツクを
収容した冷却室全体を振盪しても差支えなく、或
る程度大きな容器を使用する場合は、容器中に生
体細胞或は組織に対して無害の材料(例えばプラ
スチクスやセラミツクス等)で被覆した電磁撹拌
用回転子を入れて撹拌してもよく、振盪と撹拌を
併用しても差支えない。 本発明の方法に於て、寒冷エネルギーを供給す
る手段としては、液化ガスを冷却室内に直接吹込
んで蒸発させ蒸発潜熱を奪うことによつて冷却す
る方法が使い易いが、冷却室の壁面或は冷却室内
部室間に冷却管を設け、冷却管中に深冷した冷媒
(液化ガス)を通して冷却することもできる。こ
の間接冷却に用いる液化ガスとしては一般に凍結
機用の冷媒として使用できるものであれば何れも
使用でき、例えばアンモニア、炭酸ガス、クロロ
メチル、フロンガス(フレオン)、亜硫酸ガス、
クロロエチル、ジクロルメタン、エタン等は使い
易い。冷却室内に直接吹込んで冷却に用いるガス
は、生体細胞・組織に無害なもの、防災上問
題の少いものである必要がある。代表的なものと
しては、液化窒素、液化ヘリウム、液化空気等が
あげられるが、上記,の条件を満たす限り、
例えば、ネオン、アルゴン等の不活性ガス液化物
や、窒素富化ガス(窒素以外に無害の成分の混在
したもの)の液化物の如き混合ガスを使用するこ
ともできる。 液化ガスを直接冷却室に吹込む場合のガスの噴
出管は、冷却室の容量・構造と必要な寒冷エネル
ギーの供給速度に対応して、その寸法・個数・設
置場所等を適宜決定する必要がある。浮游液の相
遷移の際には急激に寒冷エネルギーを供給しなけ
ればならないので、この様な供給速度の激変に即
応するために、一般に噴出管は複数個設置して供
給速度の緩急に応じて夫々の開閉を別々に行い且
つ綜合的に制御することが望ましい。 温度制御を肌理細かく設定操作計画曲線に忠実
に行うためには、温度センサー、マイクロコンピ
ユータ等が鋭敏、正確であることも当然望まし
い。また、寒冷エネルギーの供給速度制御に直結
する電磁弁や温度を均一に且つ熱交換を促進する
ためのフアンや振盪撹拌装置等も装置全体のバラ
ンスを崩さない様、夫々の性能を選ぶ必要があ
り、これ等は本発明の範囲内で適宜設計を変更し
得る。 次に実施例を挙げて、本発明に更に説明を加え
るが、これ等の実施例は、単に本発明の説明の為
に示したものであり、これ等実施例によつて何等
本願が限定されるものではなく、本発明はその趣
旨を逸脱しない限りその実施態様を広汎に変形し
得ることは勿論である。 実施例1〜2及び対照例1〜2 ヒト淋巴球細胞(実施例1及び対照例1)及び
マウス白血病細胞(実施例2及び対照例2)を試
料として、第1図に示した本発明の方法を実施す
る様に製作した装置(実施例)及び、市販の冷却
凍結装置(対照例、米国ユニオンカーバイト社
製、型番 CRF―1、液化窒素噴射冷却式、試
行錯誤により設定したプログラムに基き、液化窒
素供給速度を電磁弁により制御、凝固点では液化
窒素を急増して噴射、各点に於ける供給量制御は
経過時間に対して行われ、測定温度による修正は
行わない。プログラムに組みずみ)の冷却室内ラ
ツクに収容した。 試料は、夫々の細胞の懸濁液1.8mlに保護液と
してジメチルスルホキサイド0.2mlを添加して生
成する浮游液として試験に供した。夫々の浮游液
は、容量4mlのプラスチクス製瓶(NUNC
vial、米国ユニオンカーバイド社製品)に入れ、
夫々の冷却凍結装置の冷却室内のラツクに載せ
た。 浮游液内温の冷却速度の目標値は、すべて−1
℃/分として冷却凍結実験を行つた。 実施例1及び2では、凍結後−150℃まで冷却、
また対照例1及び2では、凍結後−80℃まで冷却
し、その後−196℃の液化窒素式凍結保管容器に
移して、一昼夜この温度で保管した。 次に試料を37℃の恒温槽中で解凍し、遠心洗滌
(1000rpm、10分間、2回)後、常法によりカウ
ント試験に供した(エリスロシンB0.02%濃度) 試験の結果を第1表に示した。生細胞回収率
が、実施例では対照例に比較して断然優秀であ
り、極めて好い成績を示した。 なお、参考のため、対照例1及び2の場合の冷
却凍結曲線を第8図に示した。実施例1及び2の
場合の冷却・凍結曲線は既述の第2図であり、両
図を比較すると、本発明の方法を実施すると温度
制御が極めて良好に行われることが理解される。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施する際に用いる冷
却凍結装置の1例を示す説明図、第2図は本発明
の方法を実施した場合の浮游液の冷却凍結曲線、
第3図〜第7図は、制御方法を種々変えた場合を
比較する冷却凍結曲線、第8図は市販の冷却凍結
装置の1例によつて得られる冷却凍結曲線であ
る。 1…冷却凍結装置外装、2…冷却室、3…断熱
材、4…生体細胞或は組織の浮游液を容れた容
器、5…ラツク、6…支持台、7…クランク軸、
8…振盪用駆動モータ、9…フアン、10…モー
タ、11…液化窒素噴出孔、12…制御用電磁
弁、13…安全弁、14…浮游液内温測定センサ
ー、15…雰囲気温測定センサー、16…制御用
マイクロコンピユータ、17…温度記録計、18
…ヒータ、19…ダクト、20…ダクト出口、2
1…液化窒素供給ライン。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 生体細胞或は組織を保護液中に浮游懸濁させ
    た生体細胞或は組織の浮游液を冷却室内に収容
    し、この浮游液にそれを振盪或は撹拌する力を作
    用させながら冷却室に寒冷エネルギーを供給し、
    この浮游液の冷却・凍結曲線が実質的に直線上に
    乗る様に設定した操作計画曲線に従つて、浮游液
    の内温が凝固点に達する迄はその内温の検出値と
    操作計画曲線との偏差に応じて寒冷エネルギーの
    供給速度を制御し、浮游液が凝固点に達したら上
    記操作計画曲線に従つて寒冷エネルギーの供給速
    度を急増させ、上記浮游液を収容する冷却室内で
    浮游液外の雰囲気温度をこの浮游液の凝固点より
    も低い一定温度に一定時間保つ様に液相から固相
    への相遷移の間の寒冷エネルギー供給速度を制御
    し、その後は再び固化した浮游液の内温の検出値
    と操作計画曲線との偏差に応じて寒冷エネルギー
    の供給速度を制御する如く、夫々の冷却・凍結の
    段階に対応して上記寒冷エネルギーの供給速度を
    制御し、生体細胞或は組織を冷却凍結することを
    特徴とする生体細胞或は組織の凍結保存方法。
JP19283682A 1982-11-01 1982-11-01 生体細胞或は組織の凍結保存方法 Granted JPS5982301A (ja)

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JPS5982301A JPS5982301A (ja) 1984-05-12
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