JP2020004367A - 生産システム、生産方法及び制御装置 - Google Patents

生産システム、生産方法及び制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、複数の工程を経て製造される製品の品質を安定化させることを解決課題とする。【解決手段】本発明は、複数の工程を有する生産プロセスによって、原料から製品を生産する生産システムであって、工程を担う複数の生産設備と、複数の生産設備に各々設定される制御目標値を決定する制御装置と、を備え、制御装置は、生産プロセスに投入される原料の特性の情報を取得すると、一種以上の原料における複数項目の特性の組み合わせからなる原料特性毎に区分された複数のグループに各々設定されるルートであり、各工程において製造条件毎に区分された複数のグループの工程間における組み合わせ毎に区分された各ロットの品質項目に基づいて優劣が判定された、各ロットが生産プロセスを経る際に辿った製造条件のルートの優劣に応じて特定されたグループの組み合わせの情報を参照し、複数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定される制御目標値を決定する、生産システムである。【選択図】図15

Description

本発明は、生産システム、生産方法、制御装置、及び生産プロセスの解析方法に関する。
医薬品や食品の製造においては、製品の品質を維持するために各種工程の制御目標値や上限値、下限値が決定されている。例えば、医薬品の錠剤の製造においては、最終製品となる錠剤が所定の溶質性となるように、粉粒体に各種処理を施す造粒機や乾燥機の制御目標値が決定される。生産プロセスにおけるこのような制御目標値は、様々な方法で決定される(例えば、特許文献1−2を参照)。
特開2009−021348号公報 特表2012−515984号公報
例えば、粉体の原料を取り扱う製造現場では、混合や造粒、乾燥といった各工程を担う装置がそれぞれ用意され、各工程間における原料(以下、「中間製品」も含む)の移動が配管を用いて連続的に行われたり、或いは、容器を用いて間欠的に行われたりする。よって、各工程に流入する原料の状態は、上位工程で行われた処理の内容や、原料メーカーから出荷された際の原料の特性といった各種の影響を不可避的に受けることとなる。したがって、各工程を担う装置の制御目標値は、一意的に定まるものでなく、経験や推測に基づいて動的に調整される場合がある。
しかしながら、様々な工程を有する生産システムの場合、最終製品の状態は、様々な工程で行われた多数の処理内容が相互に影響し合った結果であるため、例えば、特定の工程で用いられている制御目標値の変更を試みながらプロセス全体を改善することは容易でない。
そこで、本発明は、複数の工程を経て製造される製品の品質を安定化させることを解決課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、過去に各ロットが生産プロセスを経る際に辿った製造条件のルートの優劣に応じて特定されたグループの組み合わせの情報を基に、生産設備の制御目標値を決定することにした。
また、本発明は、複数の工程を有する生産プロセスによって、原料から製品を生産する生産システムであって、工程を担う複数の生産設備と、複数の生産設備に各々設定される制御目標値を決定する制御装置と、を備え、制御装置は、生産プロセスに投入される原料の特性の情報を取得すると、一種以上の原料における複数項目の特性の組み合わせからなる原料特性毎に区分された複数のグループに各々設定されるルートであり、各工程において製造条件毎に区分された複数のグループの工程間における組み合わせ毎に区分された各ロットの品質項目に基づいて優劣が判定された、各ロットが生産プロセスを経る際に辿った製造条件のルートの優劣に応じて特定されたグループの組み合わせの情報を参照し、複
数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定される制御目標値を決定する、生産システムである。
ここで、製造条件とは、生産プロセスにおける各種の計測値、制御量、その他の情報を含む概念であり、例えば、上限値や下限値といった閾値に限定されるものではない。また、情報を取得するとは、制御装置が情報を能動的に取得する態様に限定されるものでなく、例えば、オペレータが手動で情報を入力する場合のように、制御装置が情報を受動的に取得する態様も含まれる概念である。
上記の生産システムであれば、生産プロセスに投入される原料の特性の情報を基に、過去の生産実績に基づいた制御目標値の決定が行われる。よって、製造状態に関わり無く一律に固定の制御目標値を各機器に設定する場合に比べると、製品の品質をより安定化させることができる。
なお、制御装置は、グループの組み合わせのうち少なくとも製品の品質の条件が満たされる何れかの組み合わせの情報を参照し、複数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定される制御目標値を決定してもよい。制御目標値がこのようにして決定されれば、品質の条件を満たす製品の生産が可能となる。
また、制御装置は、決定した制御目標値を複数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定してもよい。制御目標値の設定がこのように行われれば、例えば、制御目標値を製造状態の変化に応じて自律的に変更させることが可能となる。
また、制御装置は、生産プロセスで製品が生産されている状態において、複数の工程のうち少なくとも何れかの工程の状態を示す製造条件の情報を取得すると、取得した情報を基に、製品のロットがルートの製造条件に沿っているか否かの判定を行ってもよい。このような判定が行われれば、製造条件に沿っていないロットの発生を検知することが可能となる。
また、組み合わせの情報は、工程毎の状態を示す製造条件及び製品の品質を示す品質項目を含むデータを生産プロセスのロット毎に収集し、工程の製造条件に応じて各工程を複数のグループに区分し、グループの組み合わせ毎にロットを複数のルートに区分し、ルートの品質項目に応じてルートの優劣を判定し、ルートの優劣に応じて特定されたグループの好適な組み合わせの情報であってもよい。このようにして作成された組み合わせの情報であれば、過去の生産実績により製品の品質の優劣が把握されたルートで制御目標値の決定が可能となる。
また、生産プロセスは、原料の粉体から製品を連続生産する連続生産プロセスであり、複数の生産設備は、原料の粉体に第1の処理を行う第1処理装置と、第1処理装置が第1の処理を行った粉体へ第2の処理を行う第2処理装置と、第1処理装置から送られた粉体が流入する検査室を有する検査選別装置と、を有し、検査選別装置は、検査室に所定量の粉体が溜まると、第1処理装置から検査室へ繋がる経路を閉鎖した後に検査室内の粉体の検査を実行し、検査を終えると、検査室内から粉体を排出した後に閉鎖を解除する装置であり、制御装置は、検査選別装置で検査室内の粉体の特性の情報を取得すると、組み合わせの情報を参照し、第2処理装置に設定される制御目標値を決定するものであってもよい。このような生産システムであれば、例えば、粉状の原料から製品を連続的に生産する場合においても粉体の特性の情報が精度良く得られるため、過去の生産実績に基づいた制御目標値の決定を適切に行うことができる。
また、制御装置は、組み合わせの情報を参照した結果、検査室内の粉体が何れのグルー
プにも区分されない場合、検査選別装置に検査室内の粉体を第2処理装置へ排出させないものであってもよい。このような生産システムであれば、ルートから逸脱したロットが第2処理装置へ送られるのを防ぐことが可能となる。
また、本発明は、方法の側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、複数の工程を有する生産プロセスによって、原料から製品を生産する生産方法であって、工程を担う複数の生産設備を作動させる工程と、複数の生産設備に各々設定される制御目標値を制御装置に決定させる工程と、を有し、制御装置に決定させる工程では、前記生産プロセスに投入される原料の特性の情報を取得すると、一種以上の原料における複数項目の特性の組み合わせからなる原料特性毎に区分された複数のグループに各々設定されるルートであり、各工程において製造条件毎に区分された複数のグループの工程間における組み合わせ毎に区分された各ロットの品質項目に基づいて優劣が判定された、前記各ロットが前記生産プロセスを経る際に辿った製造条件のルートの優劣に応じて特定された前記グループの組み合わせの情報を参照し、前記複数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定される制御目標値を決定するものであってもよい。
また、本発明は、制御装置の側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、複数の工程を有する生産プロセスによって、原料から製品を生産する生産システムの制御装置であって、工程を担う複数の生産設備に各々設定される制御目標値を決定する処理を実行する処理部と、処理部が決定した制御目標値を出力する出力部と、を備え、処理部は、生産プロセスに投入される原料の特性の情報を取得すると、一種以上の原料における複数項目の特性の組み合わせからなる原料特性毎に区分された複数のグループに各々設定されるルートであり、各工程において製造条件毎に区分された複数のグループの工程間における組み合わせ毎に区分された各ロットの品質項目に基づいて優劣が判定された、各ロットが生産プロセスを経る際に辿った製造条件のルートの優劣に応じて特定されたグループの組み合わせの情報を参照し、複数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定される制御目標値を決定するものであってもよい。
また、本発明は、解析方法の側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、複数の工程で構成され、原料から製品を生産する生産プロセスの解析方法であって、生産プロセスに投入される原料の特性の情報と、複数の工程のうち少なくとも何れかの工程の状態を示す製造条件の情報とを、生産プロセスのロット毎に取得するステップと、原料の特性及び工程の製造条件に応じて、前記原料を一種以上の原料における複数項目の特性の組み合わせからなる原料特性毎のグループ、及び、各工程を複数のグループに区分するステップと、グループの組み合わせ毎にロットを複数のルートに区分するステップと、ルートの品質項目に応じてルートの優劣を判定するステップと、ルートの優劣に応じて、グループの好適な組み合わせを特定するステップと、を有する、生産プロセスの解析方法であってもよい。
上記の生産システム、生産方法、制御装置、及び生産プロセスの解析方法であれば、複数の工程を経て製造される製品の品質を安定化させることが可能である。
図1は、実施形態に係る連続生産システムを示した図である。 図2は、連続生産システムに備わる検査選別装置の一例を示した図である。 図3は、検査選別装置の動作説明図である。 図4は、本実施形態に係る生産プロセスの解析方法の手順を示すフローチャートである。 第1の工程におけるロット毎の主成分得点及びグループを示すグラフである。 第2の工程におけるロット毎の主成分得点及びグループを示すグラフである。 第3の工程におけるロット毎の主成分得点及びグループを示すグラフである。 第4の工程におけるロット毎の主成分得点及びグループを示すグラフである。 第5の工程におけるロット毎の主成分得点及びグループを示すグラフである。 第6の工程におけるロット毎の主成分得点及びグループを示すグラフである。 各工程のグループの組み合わせ及びプロダクトデータを示す表である。 図11のCase4〜7に対応する各工程のグループの組み合わせを示す図である。 図13は、制御装置で行われる処理の一例を示した図である。 図14は、特性に応じて複数のグループに分類された原料の一例を示した図である。 図15は、原料データを生産プロセスの解析に取り込んだ場合に出現するルートの一例を示した図である。 図16は、特定のロットが予定のルートを辿っている様子をイメージした図である。 図17は、特定のロットが予定のルートから逸脱した様子をイメージした図である。
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、単なる例示であり、本開示の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
<ハードウェア構成>
図1は、実施形態に係る連続生産システム1を示した図である。本実施形態では、原料の粉体から製品を連続生産する場合を例に説明するが、例えば、各工程を担う装置間で原料が容器等により間欠的に移動されるバッチ式にも適用可能である。また、本実施形態では、医薬品を製造する場合を例に説明するが、例えば、食品やその他各種製品の製造にも適用可能である。また、本実施形態では、粉体から製品を連続生産する場合を例に説明するが、例えば、粉体以外の物質を含む原料、或いは、粉体以外の原料から製品を連続生産する場合にも適用可能である。
連続生産システム1は、粉状の原料から錠剤を生産するシステムであり、図1に示すように、混合機2、造粒機3、乾燥機4、混合機5、打錠機6、コーティング機7、これらを制御する制御装置8を備える。混合機2は、粉体の原料が投入される投入口を有し、錠剤の原料である各種の粉や液体を混合する。造粒機3は、混合機2で混合された原料を小粒子群に結着させて粒状にする。乾燥機4は、造粒機3で造粒された原料に各種の追加原料を加えて乾燥させる。混合機5は、乾燥機4で乾燥された粒状の原料を混合する。打錠機6は、混合機5で混合された粒状の原料を型枠に入れて圧縮し、錠剤にする。コーティング機7は、打錠機6で固化された錠剤にコーティングを施す。連続生産システム1では、混合機2からコーティング機7へ至る一連の設備が繋がっている。よって、連続生産システム1では、混合機2に投入された原料に対し、混合機2からコーティング機7へ至る一連の設備でそれぞれ行われる様々な処理が連続的に行われる。
なお、図1では、混合機2からコーティング機7へ至る一連の機器が1つずつ図示され
ているが、連続生産システム1はこのような形態に限定されるものではない。例えば、混合機2や造粒機3、乾燥機4が1乃至複数用意されており、複数種の原料が混合機5で混合されるようにしてもよい。
混合機2からコーティング機7へ至る一連の設備は、制御装置8によって制御される。制御装置8は、各種の演算処理を担うCPU(Central Processing Unit)(本願でいう
「処理部」の一例である)やメモリ、入出力インターフェース(本願でいう「出力部」の一例である)を有しており、連続生産システム1において実現される生産プロセスの各工程における製造条件の情報を基に、混合機2や造粒機3、乾燥機4、混合機5、打錠機6、コーティング機7の制御目標値を決定する。制御装置8が参照する計測値としては、例えば、混合機2に備わるスクリューフィーダーの回転速度や乾燥機4の温度といった混合機2からコーティング機7までの各機器から得られる値の他、各機器を繋ぐ経路の途中に設けられたセンサから得られる値が含まれる。各機器を繋ぐ経路の途中に設けられるセンサの位置としては、例えば、図1において符号A〜Eで示されるような位置が挙げられる。乾燥機4と混合機5とを繋ぐ経路の途中にある符号Cにセンサが設置されていれば、制御装置8は、例えば、乾燥機4を出た原料の性状に応じて造粒機3や混合機5の操作量を変更することができる。また、例えば、混合機2と造粒機3とを繋ぐ経路の途中にある符号Bにセンサが設置されていれば、制御装置8は、例えば、混合機2を出た原料の性状に応じて当該原料の行先を造粒機3以外へ変更することが可能となる。
図2は、連続生産システム1に備わる検査選別装置10の一例を示した図である。検査選別装置10は、連続生産システム1の適宜の箇所に設けることが可能である。検査選別装置10は、例えば、図1において符号A〜Eで示されるような、混合機2からコーティング機7へ至る各機器を繋ぐ経路の途中に設けられる。
なお、連続生産システム1に備わるセンサは、図1において符号A〜Eで示されるような箇所に限定されるものでなく、例えば、連続生産システム1を構成する各機器にも備わっている。そして、制御装置8は、このように各所に設けられたセンサから、原料の投入量、流量、加熱等の各種処理を行う装置内の温度、攪拌速度、その他の多種多様な測定値を得る。
検査選別装置10は、検査選別装置10の上流側に繋がる機器から送られた原料が流入する流入経路11、流入経路11の下端に設置された入口側仕切弁12、入口側仕切弁12の下側に形成された検査室16、入口側仕切弁12付近に設けられたエアー吹込み経路13、検査室16の壁面を構成すると共に検査室16内を周囲から透視可能にするサイトグラス14、サイトグラス14の下部に設置された出口側仕切弁18を備える。検査室16の周囲には、サイトグラス14を通して検査室16内の光学的な測定を行うレーザーセンサ15,24と分光分析計17が設けられている。検査選別装置10では、入口側仕切弁12が開弁状態にあり且つ出口側仕切弁18が閉弁状態において、検査選別装置10の上流側に繋がる機器から原料が送られると、検査室16には当該原料が溜まる。そして、検査室16に所定の量の原料が溜まったことがレーザーセンサ15に検知されると入口側仕切弁12が閉じ、分光分析計17を使った原料の検査が行われる。出口側仕切弁18の下側には弁孔19,20を有する流路切替弁21が設けられており、検査を終えた原料は検査結果に応じて流出経路22或いは流出経路23へ送られる。そして、検査室16に残留する原料の有無がレーザーセンサ24で検査される。なお、本実施形態では、分光分析計17の一例として近赤外線センサを用いたものを例に説明するが、本願で開示する連続生産システムはこのような形態に限定されるものではない。また、本実施形態では、流路切替弁21の一例としていわゆるダイバーダ弁を例に説明するが、本願で開示する連続生産システムはこのような形態に限定されるものでなく、その他の方式の流路切替機構を用いたものであってもよい。
図3は、検査選別装置10の動作説明図である。検査選別装置10は、連続生産システム1の制御装置8に接続されている。そして、検査選別装置10は、連続生産システム1の制御装置8から送られる制御信号に従い、以下のように動作する。すなわち、検査選別装置10では、入口側仕切弁12が開弁状態にあり且つ出口側仕切弁18が閉弁状態において、検査選別装置10の上流側に繋がる機器から原料が送られると、図3(A)に示されるように、検査室16内に原料が溜まる。そして、検査室16内に溜まる原料が所定の高さに達したことがレーザーセンサ15によって検知されると、図3(B)に示されるように、入口側仕切弁12が閉じる。入口側仕切弁12が閉じると、流入経路11から検査室16への新たな原料の流入が停止する。流入経路11から検査室16への新たな原料の流入が停止されている間、検査室16内の原料の嵩密度は一定に保たれる。そこで、入口側仕切弁12が閉じられた後は、分光分析計17を使った検査室16内の原料の検査が開始される。分光分析計17を使った検査が入口側仕切弁12の閉弁状態で行われれば、検査室16内に溜まる原料の高さの増大に起因する原料の嵩密度の変化が無いため、安定した検査結果を得ることが可能となる。
検査室16内に溜まる原料の検査が完了した後は、検査結果に応じ流路切替弁21の切替動作が行われる。例えば、検査室16内に溜まる原料の検査結果が良好な場合、図3(C)に示されるように、検査室16内に溜まる原料に対して次に行う処理を担う機器が繋がる流出経路22が弁孔20と連通するように流路切替弁21の向きが切り替わる。また、例えば、検査室16内に溜まる原料の検査結果が不良の場合、検査室16内に溜まる原料を廃棄するための流出経路23が弁孔19と連通するように流路切替弁21の向きが切り替わる。流路切替弁21の切替動作が完了した後は、図3(D)に示されるように、出口側仕切弁18が開くと同時もしくは開いてから一定時間経過後にエアー吹込み経路13から検査室16内へのエアーブローが開始され、検査室16内にあった原料は検査室16内から速やかに排出される。原料の排出が完了した後は、エアー吹込み経路13から検査室16内へのエアーブローが停止されると同時に出口側仕切弁18が閉じ、レーザーセンサ24を使って残留原料の光学的な検査が行われ、洗浄効果が確認された後、入口側仕切弁12が再び開く。入口側仕切弁12が開くと、入口側仕切弁12が閉じている間に検査選別装置10の上流側の機器から送られて入口側仕切弁12の上側に溜まっていた原料が検査室16内に流入する。
検査選別装置10では、図3(A)〜(D)を使って説明した上記一連の動作が数十秒から数分単位で繰り返し行われる。よって、検査選別装置10の上流側や下流側に繋がる機器の連続的な動作に実質的な支障を与える可能性は殆ど無い。そして、分光分析計17を使った原料の検査は、レーザーセンサ15によって検知される所定の高さで入口側仕切弁12が閉弁状態で行われるため、原料の嵩密度が毎回一定の状態で行われることになる。よって、粉体の嵩密度次第で分光分析計17の計測値が変動する可能性も殆ど無い。したがって、検査選別装置10を使った検査であれば、粉状の原料から錠剤を連続的に生産する連続生産システム1においても、粉体の嵩密度次第で変動するような計測値を精度良く得ることが可能である。また、検査選別装置10であれば、連続生産システム1で連続的に取り扱われる原料の全てを検査室16で検査し、流路切替弁21で選別することが可能であるため、仮に連続生産システム1で不良品が一時的に発生した場合であっても、検査室16内に溜まる量の単位で良品と不良品とに分別することが可能であり、廃棄される原料を可及的に低減することが可能となる。
<処理フロー>
以下、制御装置8によって実現される連続生産システム1の動作内容について説明する。以下の動作内容の説明は、主に、準備段階の内容と本稼働段階の内容とに大別される。準備段階では、連続生産システム1の各機器を動作させた際に観測された各工程の状態を
示す製造条件の情報を基に、制御装置8に各機器の制御目標値を決定させる際の基礎的な情報の用意が行われる。そして、本稼働段階では、準備段階で得られた基礎的な情報を基に、制御装置8が各機器の制御目標値の決定を行う。制御装置8によって決定された制御目標値は、制御装置8と各機器との間を繋ぐ制御用の通信経路を通じて自動的に各機器へ設定されてもよいし、或いは、オペレータにより各機器に手動で設定されてもよい。
<準備段階>
図4は、本実施形態に係る生産プロセスの解析方法の手順を示すフローチャートである。
まず、動作済みの生産プロセスについて、制御装置8は、センサが測定した製造条件の情報(プロセスデータとプロダクトデータ)を収集する(ステップS1)。このステップS1では、ロット毎のプロセスデータ及びプロダクトデータを制御装置8に記憶する。
次に、ステップS1で収集したプロセスデータ及びプロダクトデータを標準化して中間変数に変換する(ステップS2)。
ステップS2で行うデータの標準化処理は、公知のものであり、具体的には、数式1に基づいて制御装置8が演算する。
次に、ステップS2で求めた中間変数に基づいて主成分負荷量及び主成分得点を求める(ステップS3)。ステップ3では、まず、中間変数における相関係数行列を作成し、相関係数行列の固有値と固有ベクトルを導出する。相関係数行列は、中間変数がx1、x2、x3・・のときに、第1主成分PC1は、数式2で示すように表される。また、第N主成分PCnは、数式3で示すように表される。そして、係数a11、a12、a13・・を1行目の要素、係数an1、an2、an3・・をn行目の要素に用いることにより、相関係数行列が形成される。

次に、相関係数行列の固有ベクトルから主成分得点を求める。また、相関係数行列の固有値から各主成分の寄与率を求める。主成分の寄与率は、固有値を固有値の総和で割ることで得られる。ここで、固有値の大きい方から、第1主成分、第2主成分・・第N主成分を決定する。
具体的には、制御装置8が、各ロットの中間変数x1、x2、x3と相関係数行列の各係数とに基づいて、第1主成分PC1、第2主成分PC2・・の値、即ち、主成分得点を算出する。図5は、第1の工程の製造条件について、第1主成分を横軸、第2主成分を縦軸とする座標系に主成分得点をプロットしたグラフである。
次に、制御装置8は、図5に示す主成分得点にクラスター分析を適用して、各ロットを複数のグループに区分する(ステップS4)。「クラスター分析」とは、解析対象データ(クラスター)を類似性に着目して複数のグループに分類する方法であり、階層的クラスタリングや分類最適化クラスタリング等が知られている。本実施例におけるクラスター分析が着目する「類似性」とは、各ロットの主成分得点同士の距離をいう。本実施例では、階層的クラスタリングの一つである凝集型階層的クラスタリングを用いた。また、クラスター間の距離算出方法として、安定して解を得られるウォード法を用いた。「ウォード法」とは、2つのクラスターを併合した際の偏差平方和の増加量が最小になるクラスターを選択するものである。例えば、クラスターA、Bを併合してクラスターCを生成する場合、クラスターA、B、C内の偏差平方和Sa、Sb、Scは、それぞれ数式4〜6のように表される。


数式4〜6により、クラスターC内の偏差平方和Scは、以下のようになる。
数式7のΔSabは、クラスターA、Bを併合してクラスターCを生成した際の偏差平方和の増分であることを意味する。したがって、各併合段階でΔSabが最小になるようにクラスターを選択して併合することにより、クラスタリングを進めていく。
本実施形態では、図5に示すように、第1〜第5の固有ベクトルまでの5次元空間で6つのグループ1〜6に区分した。なお、グループ1〜6は、図5中のクラスター1〜6にそれぞれ対応する。また、グループの数は、6つに眼定されるものではなく、ハンドリングし易い数であれば5つ以下でも7つ以上であっても構わない。
同様にして、第2〜第6の工程についても、主成分得点をグラフ上にプロットし、複数のグループに区分する。図6〜10は、第2〜第6の工程の製造条件について、主成分得点及びグループ(クラスター)を示すグラフである。
次に、第1〜第6の工程における各グループの組み合わせ毎にロットの生成過程を複数のルートに区分する(ステップS5)。本実施形態では、過去の生産実績に基づいて16種類のルートが存在することが判明したため、16のルートに区分した。図11に、全ルートの内訳を示す。なお、図11における「Case」は、上述したルートに相当し、図11中の数字は、第1〜第6の工程におけるグループの数字に対応する。また、図12に、ルートを構成するグループの組み合わせの例として、Case4〜7に対応するルートを示す。
次に、ルート毎にプロダクトデータの優劣を判定する(ステップS6)。このステップS6では、制御装置8は、プロダクトデータ(外観検査不良率等)から得られる中間変数を図11のCase1〜16に属するロット毎に呼び出し、これらプロダクトデータの優劣を判定する。
なお、プロダクトデータの優劣は、ルート毎に区分された複数のロット(ロット群)内の平均値に基づいて行うのが好ましい。これにより、ルート内のロット群のプロダクトデータのばらつきが平準化され、ルート間のプロダクトデータの良否の傾向を大局的に把握することができる。
また、プロダクトデータの優劣は、ルート内におけるプロダクトデータの偏差の大小や最大値及び最小値の差(範囲)の大小に基づいて判定しでも構わないし、平均値、偏差又はR値等を2つ以上組み合わせて判定しでも構わない。平均値と偏差とを組み合わせてプロダクトデータの優劣を判定するものとして、例えば、ルート内の平均値が同一の場合には、ルート内の偏差が小さいものを優と判断することが考えられる。これにより、ルート内でのプロダクトデータのばらつきを考慮したルート間のプロダクトデータの優劣の傾向を大局的に把握することができる。
そして、制御装置8は、ルート毎のプロダクトデータを比較してその優劣を決定する。図11では、各ルートにおけるプロダクトデータとしての外観検査不良率をそれらの優劣に応じて優、良、可の3段階で評価した。
次に、ルート毎のプロダクトデータの優劣に応じて、第1〜第6の工程のグループの好適な組み合わせを特定する(ステップS7)。例えば、優と判定されたCase4、5と、良と判定されたCase6、7とを比較すると、これらは、第1、第2、第4、第6の工程は同ーのグループであるものの、第3の工程では異なるグループである。また、第5の工程はグループ1、2の何れであってもプロダクトデータには大きく影響しないものと推測される。すなわち、第1の工程のグループ2、第2の工程のグループ2を経たルートでは、第3の工程のグループ1を組み合わせることが好ましいと分かる。
また、優と判定されたCase14と、良と判定されたCase15とを比較すると、これらは、第1〜第4、第6の工程は同ーのグループであるものの、第5の工程では異なるグループである。すなわち、第1の工程のグループ5、第2の工程のグループ3、第3の工程のグループ4、第4の工程のグループ2、第5の工程のグループ1、第6の工程のグループ1の組み合わせが好ましいことが分かる。なお、本実施形態における「好適な組み合わせ」とは、プロダクトデータの改善に寄与する組み合わせを意味するものであり、プロダクトデータが最も優れた組み合わせのみを意図するものではない。
ステップS7で選定された組み合わせに基づいて、各工程の製造条件を設定する場合には、各グループのプロセスデータの平均値を製造条件の初期値に設定し、このときのプロダクトデータの良否を確認しながら製造条件を微調整するのが好ましい。プロセスデータの平均値を初期値に設定することにより、過去の状態を逸脱することなく、すなわち製造設備等に過度な負荷をかけることなく、第1〜第6の工程のグループの好ましい組み合わせを再現することができる。
<本稼働段階>
次に、上記の準備段階で得られた基礎的な情報を基にして行われる制御装置8の処理を説明する。
連続生産システム1では、粉状の原料が混合機2に投入されると、原料の粉や液体の混合が混合機2において行われ、混合機2で混合された原料を小粒子群に結着させて粒状にする処理が造粒機3において行われ、造粒機3で造粒された原料の乾燥が乾燥機4において行われ、乾燥機4で乾燥された原料の混合が混合機5において行われ、混合機5で混合された原料を圧縮して錠剤にする処理が打錠機6において行われ、当該錠剤にコーティングを施す処理がコーティング機7において行われる。制御装置8は、混合機2からコーティング機7へ至る一連の機器が適切に動作するよう、各機器の制御目標値の変更や経路の途中に設けられた弁の切替処理を実行する。その際、制御装置8は、上記の準備段階で得られた基礎的な情報を基に、各機器の制御目標値の変更や経路の途中に設けられた弁の切替処理を実行する。
図13は、制御装置8で行われる処理の一例を示した図である。連続生産システム1の各設備が稼働すると、制御装置8では、図13に示される処理フローが実行される。すなわち、連続生産システム1の各設備が稼働すると、制御装置8は、各工程の現在の製造条件の情報を取得する(S11)。そして、制御装置8は、準備段階で作成された複数のルートのうち何れかのルートを選択する(S12)。ルートの選択は、取得した現在の製造条件の情報を基にして行われる。連続生産システム1では、連続生産システム1において実現されるプロセスのうち最初の工程を担うのは混合機2であるため、制御装置8は、混合機2から取得された現在の製造条件の情報を基にしてルートの選択を行う。
例えば、図11に示した16のルートが準備段階で用意されており、第1の工程を担う混合機2から取得された製造条件がグループ5に属するものであった場合、制御装置8は、グループ5が採り得る2つのルート(Case14〜15)のうち最終製品の品質が比較的良好なCase14のルートを選択する。
そして、制御装置8は、ルートの選択を行った後、選択したルートに沿った製造条件となるように連続生産システム1の各機器の制御目標値を設定する(S13)。制御装置8が各機器の制御目標値を設定することにより、連続生産システム1の各機器では、制御装置8が設定した制御目標値に沿った動作が行われる。
例えば、ステップS12でCase14のルートが選択された場合、制御装置8は、各工程を担う連続生産システム1の各機器の制御目標値が、図11に示されたCase14の場合における各工程の既定の製造条件となるように、ステップS13において各機器に対する制御目標値の設定を行う。これにより、連続生産システム1の各機器では、制御装置8が設定した制御目標値に沿った動作が行われる。そして、特段の異常が無ければ、図12において特定のルートで示されるような既定の製造条件を各ロットが辿ることになる。
そこで、制御装置8は、各ロットが特段の異常無く予定のルートを辿っていることを監視するために、各工程における現在の製造条件を取得する処理(S14)と、取得した現在の製造条件が、ステップS12で選択したルートで既定されている製造条件に沿っているか否かを判定する処理(S15)とを実行する。そして、制御装置8は、ステップS15で否定判定を行った場合、ステップS12で選択したルートを変更するか否かを判定する処理(S16)を実行する。
なお、ステップS15の判定処理は、例えば、図12において各ルートに既定される製造条件に対し、許容される製造条件の差分が各々設定されており、ステップS14で取得した現在の製造条件が差分の範囲内にあるか否かに応じて行われるものであってもよいし、或いは、図12において各ルートに既定される製造条件が予め上限値と下限値とを既定するものであり、ステップS14で取得した現在の製造条件が上限値と下限値との間にあるか否かに応じて行われるものであってもよい。
また、ステップS16の判定処理は、例えば、現在の製造条件がルートを逸脱していることをオペレータに対して通知し、当該オペレータに対しルート変更の可否の判断を要求するものであってもよいし、或いは、図12に示したような複数あるルートの情報を制御装置8が参照し、ステップS12で選択したルートとは異なる他の代替ルートがあるか否かによって判定するものであってもよい。
連続生産システム1の各設備が稼働している間、制御装置8によって上記一連の処理が実行されることにより、過去の生産実績によって品質を維持できることが既に確認された幾つかのルートの製造条件に沿うように各ロットへの処理が行われる。すなわち、連続生産システム1では、制御装置8による上記処理が実行されることにより、過去の生産実績を基にした最適な制御目標値の設定が現在の製造状態に応じて行われるため、例えば、従来行われているような、製造状態に関わり無く一律に固定の制御目標値を各機器に設定する場合に比べると、製品の品質をより安定化させることができる。
なお、連続生産システム1では、医薬品である錠剤を粉状の原料から連続的に生産するシステムであるため、ステップS15で肯定判定が行われた場合に、該当するロットが次工程へ流れるのを防止する処理を行うようにしてもよい。特定のロットが次工程へ流れるのを防止する処理は、例えば、連続生産システム1の適宜の箇所に配置された検査選別装置10を以下のように用いることで実現可能である。以下、検査選別装置10が図1の符号Cに設置された場合に連続生産システム1で実現可能となる全体の制御フローの一例について説明する。
図1に示した連続生産システム1の乾燥機4では、造粒機3で造粒された原料に各種の追加原料が加えられて乾燥が行われる。乾燥機4には、加熱乾燥を行うための1以上のヒータが設けられており、適切な乾燥温度となるようにヒータの通電量が制御装置8で調整される。また、乾燥機4には、可変速のブロワーが設けられており、造粒機3で造粒された原料が乾燥機4内を適切な風速で通過するようにブロワーの回転速度が制御装置8で調整される。
ここで、乾燥機4と混合機5を繋ぐ経路の途中、すなわち、図1の符号Cに示される部位に上記の検査選別装置10が設置されていれば、乾燥機4における製造条件がルートから逸脱した場合に、連続的に処理される原料が、次工程を担う混合機5へ流れるのを防止することができる。よって、当該原料を混合機5以外の機器へ移送して適切な処理を施したり、或いは、連続生産システム1の系外へ排出したりすることが可能となる。
<変形例>
以下、上記実施形態の変形例について説明する。上記実施形態では、本稼働段階におけるルートの選択が、第1の工程を担う混合機2から取得された製造条件の情報を用いて行われていたが、連続生産システム1は、例えば、原料の特性を基にしてルートの選択を行うようにしてもよい。以下、本変形例の詳細について説明する。
本変形例のハードウェア構成は、基本的に上記実施形態の連続生産システム1と同様であるため、上記実施形態の連続生産システム1と同一の符号を用いて説明することとし、各機器の詳細な説明については省略する。また、本変形例も上記実施形態と同様、原料の粉体から製品を連続生産する場合を例に説明するが、例えば、各工程を担う装置間で原料が容器等により間欠的に移動されるバッチ式にも適用可能である。また、本変形例では、医薬品を製造する場合を例に説明するが、例えば、食品やその他各種製品の製造にも適用可能である。
<処理フロー>
以下、本変形例において制御装置8によって実現される連続生産システム1の動作内容について説明する。本変形例においても、上記実施形態と同様、制御装置8によって実現される連続生産システム1の動作内容の説明は、主に、準備段階の内容と本稼働段階の内容とに大別される。そこで、まず、準備段階の内容の説明を行った後、本稼働段階の内容の説明を行う。
<準備段階>
本変形例における生産プロセスの解析方法の手順を、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
上記実施形態と同様、まず、動作済みの生産プロセスについて、制御装置8は、製造条件の情報(プロセスデータとプロダクトデータ)を収集する(ステップS1)。この際、上記実施形態では、センサが測定した製造条件の情報を収集していたが、本変形例では、センサが測定したプロセスデータの他に、原料データ(原料の物性、組成等)についても収集される。原料データは、例えば、原料メーカーから提供される。
そして、本変形例の制御装置8では、上記実施形態と同様、データを標準化する処理(ステップS2)や、中間変数に基づいて主成分負荷量及び主成分得点を求める処理(ステップS3)、各ロットを複数のグループに区分する処理(ステップS4)、各グループの組み合わせ毎にロットの生成過程を複数のルートに区分する処理(ステップS5)、ルート毎にプロダクトデータの優劣を判定する処理(ステップS6)、グループの好適な組み合わせを特定する処理(ステップS7)が行われる。
例えば、ステップS2においては、既述した数式1に基づいたデータの標準化処理が行われる。また、ステップS3においては、中間変数における相関係数行列の作成や、相関係数行列の固有値と固有ベクトルの導出が行われた後、相関係数行列の固有ベクトルから主成分得点が求められ、相関係数行列の固有値から各主成分の寄与率が求められる。また、ステップS4においては、主成分得点にクラスター分析を適用して、各ロットを複数のグループに区分する処理が行われる。そして、ステップS5の処理が行われた後のステップS6においては、プロダクトデータ(外観検査不良率等)から得られる中間変数をロット毎に呼び出し、これらプロダクトデータの優劣を判定することにより、ルート毎のプロダクトデータの優劣の判定が行われる。また、ステップS7においては、ルート毎のプロダクトデータの優劣を比較することにより、品質が比較的良好となる各工程のグループの組み合わせが特定される。
図14は、特性に応じて複数のグループに分類された原料の一例を示した図である。粉
体等の各種原料には、特定のメーカーから仕入れた同一の製品であっても、図14に示されるように、ロットによって特性に多少のばらつきがある。そこで、本変形例では、このような原料の特性に関する情報を原料データとして生産プロセスの解析に取り込んでいる。よって、過去の生産実績に基づく生産プロセスの解析を行うと、最終製品の品質が比較的良好となるルートが原料特性に応じて幾つか存在する場合が生じる。
図15は、原料データを生産プロセスの解析に取り込んだ場合に出現するルートの一例を示した図である。粉体等の各種原料には、ロットによって特性に多少のばらつきがあるため、原料データを標準化して中間変数に変換し、主成分得点を求めると、主成分得点をプロットした図15の「原料特性」のグラフにも示されるように、原料特性のばらつきがグラフ上に出現する。本変形例では、原料特性のばらつきを示す主成分得点にクラスター分析を適用して、各原料を複数のグループに区分する処理が行われる。
また、本変形例では、各原料を複数のグループに区分する処理の他に、各工程についても主成分得点を複数のグループに区分する処理が行われる。図15の「第1工程」から「第n工程」までに示される幾つかのグラフは、各工程の製造条件について、主成分得点及びグループ(クラスター)を示したグラフである。
そして、本変形例では、原料特性及び各工程における各グループの組み合わせ毎にロットの生成過程を複数のルートに区分する処理が行われた後、ルート毎にプロダクトデータの優劣の判定が行われ、図15に示されるように、原料特性を起点とした幾つかのルートが抽出される。
<本稼働段階>
次に、上記の準備段階で得られた基礎的な情報を基にして本変形例における制御装置8で行われる処理を説明する。なお、本変形例における制御装置8で行われる処理は、基本的には上記実施形態の場合と同様であるため、上記実施形態との相違点を中心に説明する。
本変形例の制御装置8では、連続生産システム1の各設備が稼働すると、図13に示されたのと同等の処理フローが実行される。すなわち、連続生産システム1の各設備が稼働すると、制御装置8は、製造条件を取得する(S11)。この際、制御装置8は、原料データを製造条件として取得する。原料データは、例えば、オペレータの操作により入力される。そして、制御装置8は、準備段階で作成された複数のルートのうち何れかのルートを選択する(S12)。ルートの選択は、取得した原料データを基にして行われる。そして、制御装置8は、ルートの選択を行った後、選択したルートに沿った製造条件となるように連続生産システム1の各機器の制御目標値を設定する(S13)。これにより、連続生産システム1の各機器では、制御装置8が設定した制御目標値に沿った動作が行われ、特段の異常が無ければ、図16に示されるように、選択された予定のルートを現在のロットが辿ることになる。選択された予定のルートを現在のロットが辿っていることの確認は、各工程における現在の製造条件の情報を取得する処理(S14)と、取得した現在の製造条件が、ステップS12で選択したルートで既定されている製造条件に沿っているか否かを判定する処理(S15)とによって行われる。
ここで、図17に示されるように、選択された予定のルートを現在のロットが外れた場合、ステップS15では否定判定が行われる。そして、ステップS12で選択したルートを変更するか否かを判定する処理(S16)が実行される。
連続生産システム1の各設備が稼働している間、本変形例の制御装置8によって上記一連の処理が実行されることにより、連続生産システム1に投入された原料の特性に応じて
、過去の生産実績によって品質を維持できることが既に確認された幾つかのルートの製造条件に沿うように各ロットへの処理が行われる。よって、例えば、原料の特性や製造状態に関わり無く一律に固定の制御目標値を各機器に設定する場合に比べると、製品の品質をより安定化させることができる。
なお、特定のロットが次工程へ流れるのを防止する処理については、前述の実施形態の説明と同様に本変形例へ適用可能である。
1・・連続生産システム
2・・混合機
3・・造粒機
4・・乾燥機
5・・混合機
6・・打錠機
7・・コーティング機
8・・制御装置
10・・検査選別装置
11・・流入経路
12・・入口側仕切弁
13・・エアー吹込み経路
14・・サイトグラス
15,24・・レーザーセンサ
16・・検査室
17・・分光分析計
18・・出口側仕切弁
19,20・・弁孔
21・・流路切替弁
22,23・・流出経路

Claims (9)

  1. 複数の工程を有する生産プロセスによって、原料から製品を連続生産する生産システムであって、
    粉体の原料が連続して順に流れる前記工程を担う複数の生産設備と、
    前記複数の生産設備に各々設定される制御目標値を決定する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記生産プロセスに投入された原料の特性の情報を取得すると、一種以上の原料における複数項目の特性の組み合わせからなる原料特性毎に区分された複数のグループに各々設定されるルートであり、各工程において製造条件毎に区分された複数のグループの工程間における組み合わせ毎に区分された各ロットの品質項目に基づいて優劣が判定された、前記各ロットが前記生産プロセスを経る際に辿った製造状態のルートの優劣に応じて特定された前記グループの組み合わせの情報を参照し、原料が連続して順に流れている最中の前記複数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定される変更用の制御目標値を出力する、
    生産システム。
  2. 前記制御装置は、前記グループの組み合わせのうち少なくとも製品の品質の条件が満たされる何れかの組み合わせの情報を参照し、前記複数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定される制御目標値を決定する、
    請求項1に記載の生産システム。
  3. 前記制御装置は、決定した制御目標値を前記複数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定する、
    請求項1または2に記載の生産システム。
  4. 前記制御装置は、前記生産プロセスで前記製品が生産されている状態において、前記複数の工程のうち少なくとも何れかの工程の状態を示す製造条件の情報を取得すると、取得した情報を基に、前記製品のロットが前記ルートの製造条件に沿っているか否かの判定を行う、
    請求項1から3の何れか一項に記載の生産システム。
  5. 前記組み合わせの情報は、前記工程毎の状態を示す製造条件及び前記製品の品質を示す品質項目を含むデータを前記生産プロセスのロット毎に収集し、前記工程の製造条件に応じて各工程を複数のグループに区分し、前記グループの組み合わせ毎に前記ロットを複数のルートに区分し、前記ルートの品質項目に応じて前記ルートの優劣を判定し、前記ルートの優劣に応じて特定された前記グループの好適な組み合わせの情報である、
    請求項1から4の何れか一項に記載の生産システム。
  6. 前記生産プロセスは、原料の粉体から製品を連続生産する連続生産プロセスであり、
    前記複数の生産設備は、原料の粉体に第1の処理を行う第1処理装置と、前記第1処理装置が前記第1の処理を行った粉体へ第2の処理を行う第2処理装置と、前記第1処理装置から送られた粉体が流入する検査室を有する検査選別装置と、を有し、
    前記検査選別装置は、前記検査室に所定量の粉体が溜まると、前記第1処理装置から前記検査室へ繋がる経路を閉鎖した後に前記検査室内の粉体の検査を実行し、前記検査を終えると、前記検査室内から粉体を排出した後に前記閉鎖を解除する装置であり、
    前記制御装置は、前記検査選別装置で前記検査室内の粉体の特性の情報を取得すると、前記組み合わせの情報を参照し、前記第2処理装置に設定される制御目標値を決定する、
    請求項1から5の何れか一項に記載の生産システム。
  7. 前記制御装置は、前記組み合わせの情報を参照した結果、前記検査室内の粉体が前記何
    れのグループにも区分されない場合、前記検査選別装置に前記検査室内の粉体を前記第2処理装置へ排出させない、
    請求項6に記載の生産システム。
  8. 複数の工程を有する生産プロセスによって、原料から製品を連続生産する生産方法であって、
    粉体の原料が連続して順に流れる前記工程を担う複数の生産設備を作動させる工程と、
    前記複数の生産設備に各々設定される制御目標値を制御装置に決定させる工程と、を有し、
    前記制御装置に決定させる工程では、前記生産プロセスに投入された原料の特性の情報を取得すると、一種以上の原料における複数項目の特性の組み合わせからなる原料特性毎に区分された複数のグループに各々設定されるルートであり、各工程において製造条件毎に区分された複数のグループの工程間における組み合わせ毎に区分された各ロットの品質項目に基づいて優劣が判定された、前記各ロットが前記生産プロセスを経る際に辿った製造状態のルートの優劣に応じて特定された前記グループの組み合わせの情報を参照し、原料が連続して順に流れている最中の前記複数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定される変更用の制御目標値を出力する、
    生産方法。
  9. 複数の工程を有する生産プロセスによって、原料から製品を連続生産する生産システムの制御装置であって、
    粉体の原料が連続して順に流れる前記工程を担う複数の生産設備に各々設定される制御目標値を決定する処理を実行する処理部と、
    前記処理部が決定した制御目標値を出力する出力部と、を備え、
    前記処理部は、前記生産プロセスに投入された原料の特性の情報を取得すると、一種以上の原料における複数項目の特性の組み合わせからなる原料特性毎に区分された複数のグループに各々設定されるルートであり、各工程において製造条件毎に区分された複数のグループの工程間における組み合わせ毎に区分された各ロットの品質項目に基づいて優劣が判定された、前記各ロットが前記生産プロセスを経る際に辿った製造状態のルートの優劣に応じて特定された前記グループの組み合わせの情報を参照し、原料が連続して順に流れている最中の前記複数の生産設備のうち少なくとも何れかに設定される変更用の制御目標値を出力する、
    制御装置。
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