JP2020002997A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Toshifumi Maehara
利史 前原
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Abstract

【課題】アクチュエータと、ブレーキアームへ拡開力を伝達する駆動方向変換機構とに位置変動が生じた場合であっても、出力部材と入力部材とを力の伝達可能な接続状態に維持できるディスクブレーキ装置を提供する。【解決手段】ディスクブレーキ装置100は、ブレーキ本体11に対して一端部23と他端部25との間の支持部27が回動可能に支持され、他端部25でブレーキロータ35を挟圧する一対のブレーキアーム13と、ブレーキ本体11に取り付けられて出力部材47を進退動させるエアチャンバ43と、出力部材の移動力をブレーキアーム13の拡開揺動する方向に変換する駆動方向変換機構95と、出力部材と駆動方向変換機構の入力部材との間に設けられ、出力部材に対する駆動方向変換機構の位置変動に対応して入力部材を出力部材に追従させるための追従機構97と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ディスクブレーキ装置に関する。
主に鉄道車両等で用いられるディスクブレーキ装置は、空圧(特許文献1、2等)や、サーボモータの回転(特許文献3等)を動力発生源とした梃子式のものが一般的である。この種のディスクブレーキ装置では、キャリパを小型化するためにウェッジ等の倍力機構を併用しているものが多い。
特開2008−151167号公報 特開2008−151168号公報 特許第4629980号公報
しかしながら、動力発生源からの出力でブレーキアームを拡開する機構では、レバー機構等の梃子式の駆動方向変換機構が用いられるが、動力発生源(アクチュエータ)と駆動方向変換機構とには位置変動の生じる場合がある。この位置変動が大きいと、動力発生源の出力部材と、駆動方向変換機構の入力部材との間で力が伝達されにくくなる場合がある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、アクチュエータの出力部材と、ブレーキアームへ拡開力を伝達する駆動方向変換機構の入力部材とに位置変動が生じた場合であっても、出力部材と入力部材とを力の伝達可能な接続状態に維持できるディスクブレーキ装置を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 車体に支持されるブレーキ本体と、前記ブレーキ本体に対して一端部と他端部との間の支持部が回動可能に支持され、前記他端部にそれぞれ取り付けられたパッドアッセンブリがブレーキロータを両側から挟圧する一対のブレーキアームと、前記ブレーキ本体に取り付けられ、出力部材を進退動させるアクチュエータと、前記出力部材の進退動方向の移動力を前記一対のブレーキアームの前記一端部を拡開揺動する拡開方向の駆動力に変換する駆動方向変換機構と、前記出力部材と前記駆動方向変換機構の入力部材との間に設けられ、前記出力部材に対する前記駆動方向変換機構の位置変動に対応して前記入力部材を前記出力部材に追従させるための追従機構と、を備えることを特徴とするディスクブレーキ装置。
上記(1)の構成のディスクブレーキ装置によれば、車体に支持されるブレーキ本体には、出力部材を進退させるアクチュエータが固定される。更に、ブレーキアームは、一端部と他端部との間の支持部が、ブレーキ本体に回動軸を介して支持されて回動自在となる。駆動方向変換機構は、出力部材の進出方向の移動力を、一対のブレーキアームの一端部を拡開する方向に変換する。一端部同士が拡開された一対のブレーキアームは、他端部にそれぞれ取り付けられたパッドアッセンブリがブレーキロータを両側から挟圧する。
出力部材と駆動方向変換機構との間には、ブレーキロータの傾きや、ばね上ばね下の位相差により位置変動が生じる場合があり、この位置変動により、出力部材と駆動方向変換機構の入力部材とはずれる。追従機構は、このずれを吸収し、位置変動が生じた場合であっても出力部材と入力部材とを力の伝達可能な接続状態に維持することができる。
(2) 上記(1)に記載のディスクブレーキ装置であって、前記駆動方向変換機構は、一端が前記一端部に連結されたカムホルダに対してそれぞれ回動可能に連結されると共に、他端が前記出力部材に対してそれぞれ回動可能に連結される一対のカムレバーと、前記カムホルダにそれぞれ回転自在に保持され、前記一端に設けられた回動中心軸を介して回動可能に連結された前記カムレバーの回動によって伝達される力を倍力して前記支持部を回動支点に前記ブレーキアームを回動させる偏心カムと、前記回動中心軸を一対の前記一端部の拡開方向に沿う直線上に案内するレバー保持部材と、を備えることを特徴とするディスクブレーキ装置。
上記(2)の構成のディスクブレーキ装置によれば、一端部と他端部との間の支持部が、ブレーキ本体に対してそれぞれ回動可能に支持される一対のブレーキアームの一端部には、一対のカムホルダがそれぞれ連結されている。一対のブレーキアームは、それぞれのカムホルダが離間すれば、一端部が拡開し、支持部を回動中心に回動した他端部のパッドアッセンブリがブレーキロータを挟圧する。
各カムホルダには、一対のカムレバーのそれぞれの一端(外端)が回動可能に連結される。この一対のカムレバーのそれぞれの他端(内端)は、レバーピン等の入力部材により回動自在に連結される。入力部材には、出力部材が連結されている。出力部材は、入力部材を軸線直交方向に押圧可能とする。
さらに、それぞれのカムホルダには、偏心カムが回動自在に保持されている。一対のカムレバーのそれぞれの一端には、回動中心軸が設けられる。カムレバーは、この回動中心軸が偏心カムに軸支されることで、カムホルダのそれぞれに回動可能に連結されている。一対の偏心カムに軸支されたそれぞれの回動中心軸は、レバー保持部材によりブレーキアームの一端部の拡開方向に沿う直線上に案内される。
一対のカムレバーは、入力部材が軸線直交方向に押圧されると、それぞれの回動中心軸が拡開方向に沿う直線上で離反方向に移動する。一対の回動中心軸は、それぞれの偏心カムを介して一対のカムホルダを離反方向に移動させる(第1増幅機構)。偏心カムは、自身のカムの回転中心線に対して回動中心軸を偏芯して軸支している。偏心カムは、この偏芯によりカムレバーの一端における変位を、カムホルダを離反方向へ移動させる送り量に反映させることができる(第2増幅機構)。従って、偏心カムは、この離反方向の変位を反映させた送り量により、カムレバーに伝達された力を倍力してカムホルダを介しブレーキアームの一端部を拡開できる。
このように、本構成のディスクブレーキ装置では、カムレバーと、ブレーキアームの一端部とを連結するカムホルダに、偏心カムを組み込んで保持している。カムレバーは、偏心カムを介してカムホルダに連結されているので、倍力機構をコンパクトに構成できる。また、本構成のディスクブレーキ装置は、偏心カムにおけるカムの回転中心線に対する回動中心軸の偏芯量を変えることで、倍力の調整を容易に行うことも可能となる。更に、本構成のディスクブレーキ装置は、一対のカムレバーと偏心カムによって大きな倍力比を設定することが可能になり、最大出力の小さいアクチュエータを使用することができる。
(3) 上記(2)に記載のディスクブレーキ装置であって、前記追従機構は、前記入力部材を回動自在に支持する嵌合穴と、前記拡開方向と直交する方向に進退動する前記出力部材の先端部をピボット支持するピボット軸受穴とを有する揺動ジョイント部材により構成される、ことを特徴とするディスクブレーキ装置。
上記(3)の構成のディスクブレーキ装置によれば、追従機構が、揺動ジョイント部材を有する。揺動ジョイント部材には、駆動方向変換機構の入力部材を回動自在に支持する嵌合穴が形成される。また、揺動ジョイント部材には、ブレーキアームの拡開方向と直交する方向に進退動する出力部材の先端部をピボット支持するピボット軸受穴が形成される。追従機構は、出力部材が進出すると、揺動ジョイント部材のピボット軸受穴が押圧される。押圧された揺動ジョイント部材は、嵌合穴に挿入されている駆動方向変換機構の入力部材を同方向に押圧する。この際、ブレーキロータの傾きにより生じた出力部材と入力部材との位置変動は、揺動ジョイント部材の嵌合穴で入力部材が回動することにより吸収される。また、ばね上ばね下の位相差により生じた出力部材と入力部材との位置変動は、出力部材の先端部に対して揺動ジョイント部材がピボット運動することにより吸収される。
(4) 上記(2)に記載のディスクブレーキ装置であって、前記追従機構は、前記入力部材を前記拡開方向へ移動自在に支持するスライド溝を有して前記拡開方向と直交する方向に進退動する前記出力部材に固定された直動ジョイント部材により構成される、ことを特徴とするディスクブレーキ装置。
上記(4)の構成のディスクブレーキ装置によれば、追従機構が、直動ジョイント部材を有する。直動ジョイント部材は、ブレーキアームの拡開方向と直交する方向に進退動する出力部材に固定される。直動ジョイント部材には、駆動方向変換機構の入力部材をブレーキアームの拡開方向へ移動自在に支持するスライド溝が形成される。追従機構は、出力部材が進出すると、進出方向と直交方向のスライド溝に支持される入力部材を同方向に押圧する。この際、ブレーキロータの傾きにより生じた出力部材と入力部材との位置変動は、スライド溝で入力部材が回動することにより吸収される。また、ばね上ばね下の位相差により生じた出力部材と入力部材との位置変動は、入力部材がスライド溝に沿って移動することにより吸収される。
(5) 上記(1)〜(4)の何れか1つに記載のディスクブレーキ装置であって、前記車体に取り付けられた取付部材に支持される前記ブレーキ本体が、前記一対のブレーキアームの回動軸の間に挟まれてこれらに直交する方向に延びる前記取付部材の吊り下げ軸に回転自在に保持され、前記ブレーキ本体と前記取付部材との間に設けられて前記ブレーキ本体の揺動を抑制する方向に付勢するばね部材が、前記アクチュエータと共に前記ブレーキ本体に固定されている、ことを特徴とするディスクブレーキ装置。
上記(5)の構成のディスクブレーキ装置によれば、ブレーキ本体は、車体側に固定される吊り下げ軸回りに揺動(ローリング)自在に保持される。車体側に固定される取付部材と、取付部材に固定された吊り下げ軸に対して揺動自在となったブレーキ本体との間には、ばね部材がアクチュエータと共にブレーキ本体に固定されたて設けられる。ばね部材は、ブレーキ本体の揺動を抑制する方向に、ブレーキ本体を付勢する。
本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、アクチュエータの出力部材と、ブレーキアームへ拡開力を伝達する駆動方向変換機構の入力部材とに位置変動が生じた場合であっても、出力部材と入力部材とを力の伝達可能な接続状態に維持できる。
以上、本発明について明確に開示した。更に、以下の発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)の記載から本発明はより明確且つ十分に読み取れるであろう。
本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置の全体構造を示す斜視図である。 図1に示したディスクブレーキ装置の水平断面図である。 図1に示したディスクブレーキ装置の側断面図である。 図3に示した吊り下げ軸に直交する方向の縦断面図である。 (a)は図2に示したパワーユニットの斜視図、(b)は(a)に示したパワーユニットの分解斜視図である。 (a)は図2に示したレバー機構の斜視図、(b)は(a)に示したレバー機構の分解斜視図である。 図6に示したレバー機構を更に分解した要部斜視図である。 (a)は図5に示したパワーユニットの水平断面図、(b)は(a)に示したレバー機構の概略構成図である。 図2に示したレバー機構の作用図である。 (a)は図2に示したディスクブレーキ装置の開放時の動作説明図、(b)は図2に示したディスクブレーキ装置の通常制動時の動作説明図である。 (a)は図10に示したディスクブレーキ装置のブレーキロータ傾き時の動作説明図、(b)は図10に示したディスクブレーキ装置の上下位相発生時の動作説明図である。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ装置の全体構造を示す斜視図である。 図12に示したディスクブレーキ装置の水平断面図である。 図13に示したディスクブレーキ装置の側断面図である。 図13に示した吊り下げ軸に直交する方向の縦断面図である。 (a)は図13に示したパワーユニットの斜視図、(b)は(a)に示したパワーユニットの分解斜視図である。 (a)は図16に示したレバー機構の斜視図、(b)は(a)に示したレバー機構の分解斜視図である。 図17に示したレバー機構を更に分解した要部斜視図である。 図13に示したパワーユニットの水平断面図である。 (a)は図13に示したディスクブレーキ装置の開放時の動作説明図、(b)は図13に示したディスクブレーキ装置の通常制動時の動作説明図である。 (a)は図20に示したディスクブレーキ装置のブレーキロータ傾き時の動作説明図、(b)は図20に示したディスクブレーキ装置の上下位相発生時の動作説明図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置100の全体構造を示す斜視図である。
本第1実施形態に係るディスクブレーキ装置100は、例えば鉄道車両用ディスクブレーキに好適に用いることができる。
ディスクブレーキ装置100は、ブレーキ本体11と、ブレーキアーム13と、アクチュエータとしてのエアチャンバ43と、駆動方向変換機構としてのレバー機構95と、追従機構97と、を主要な部材として有する。
ブレーキ本体11は、車体に固定される取付部材21により支持される。
図2は図1に示したディスクブレーキ装置100の水平断面である。
一対のブレーキアーム13は、ブレーキ本体11に対して一端部23と他端部25との間の支持部27が、回動軸29により回動可能に支持される。一対のブレーキアーム13は、それぞれの他端部25に、複数のライニング31を備えたパッドアッセンブリ33が取り付けられる。一対のブレーキアーム13は、一端部23が離反する方向に拡開されることにより、一対のパッドアッセンブリ33で車輪の両面に配置されたブレーキロータ35を両側から挟圧する。
図3は図1に示したディスクブレーキ装置100の側断面図である。
ディスクブレーキ装置100では、ブレーキ本体11が、吊り下げ軸37に回転自在に保持される。これにより、ブレーキ本体11は、車体に取り付けられた取付部材21に、吊り下げ軸37を介して支持される。吊り下げ軸37は、一対のブレーキアーム13の回動軸29の間に挟まれて、これらに直交し且つ車輪軌道に沿う方向に延びる。
ブレーキ本体11と取付部材21との間には、図1に示すばね部材39が設けられている。ばね部材39は、揺動を抑制する方向にブレーキ本体11を付勢する。
ブレーキ本体11には、動力発生源であるパワーユニット99が固定される。パワーユニット99は、アクチュエータとしてのエアチャンバ43と、レバー機構ユニット101と、からなる。エアチャンバ43は、吊り下げ軸37と同方向の出力部材であるロッド47を備える。エアチャンバ43に内蔵されたエアピストン46後端側のエア室48に、圧縮空気が供給されると、リターンスプリング49に抗してロッド47を軸線に沿う方向に進出させる。即ち、エアチャンバ43は、ブレーキ本体11に取り付けられ、ロッド47を進退可能として作動する。
レバー機構ユニット101は、エアチャンバ43と一体に固定され、エアチャンバ43からのロッド47がパッドアッセンブリ33に接近離反する方向へ進退自在に挿入される。レバー機構ユニット101は、レバー機構95を収容する。レバー機構ユニット101は、ロッド47が進出することにより、図2に示すレバー機構95の入力部材であるレバーピン53が押圧されるように構成されている。
図4は図3に示した吊り下げ軸37に直交する方向の縦断面図である。
レバー機構95は、一対のカムレバー15を有する。カムレバー15は、図2に示す一端55が、ブレーキアーム13の一端部23に連結されたカムホルダ57に対してそれぞれ回動可能に連結される。一対のカムレバー15は、図2に示すように、ロッド47が挿入される後述の揺動ジョイント部材105に連結されたレバーピン53に対してそれぞれの他端59が回動可能に連結される。
図2に示すように、カムホルダ57には、偏心カム17がそれぞれ回転自在に保持される。偏心カム17は、カムレバー15の一端55に設けられた回動中心軸61を介してカムレバー15と回動可能に連結される。偏心カム17は、カムレバー15の回動によって伝達される力を倍力して、支持部27を回動支点にブレーキアーム13を回動させる。
レバー機構ユニット101には、図2及び図4に示すレバー保持部材19が設けられる。レバー保持部材19は、回動中心軸61を、一対のブレーキアーム13における一端部23の拡開方向に沿う直線X上にそれぞれ案内する。
図2に示すように、偏心カム17は、カムホルダ57に対するカムの回転中心線63からオフセットされた位置で回動中心軸61に回動可能に連結される。偏心カム17は、カムレバー15の回動によって、回動中心軸61を中心として、カムの回転中心線63を円弧状の軌跡を描いて回動(移動)させる。
図5の(a)は図2に示したパワーユニット99の斜視図、図5の(b)は(a)に示したパワーユニット99の分解斜視図である。
パワーユニット99は、レバー機構ユニット101の両側からカバー部材103を貫通してリンクロッド85が突出する。リンクロッド85は、ブレーキアーム13の一端部23を拡開方向に押圧する。レバー機構ユニット101には、レバー機構95が収容される。レバー機構95は、駆動方向変換機構を構成する。
図6の(a)は図2に示したレバー機構95の斜視図、図6の(b)は(a)に示したレバー機構95の分解斜視図である。
レバー機構95は、ロッド47の進退動方向の移動力を、一対のブレーキアーム13の一端部23を拡開揺動する拡開方向の駆動力に変換する。
ロッド47とレバー機構95のレバーピン53との間には、追従機構97が設けられる。追従機構97は、ロッド47に対するレバー機構95の位置変動に対応して、レバーピン53をロッド47に追従させるよう動作する。
図7は図6に示したレバー機構95を更に分解した要部斜視図である。
偏心カム17は、カムの回転中心線63(図2参照)を中心軸とする円柱状に形成される。偏心カム17は、カムホルダ57に形成された円柱状のカム保持穴65に回転自在に保持される。偏心カム17とカム保持穴65との間には、円筒状の軸受ブッシュ67が挿入される。軸受ブッシュ67は、偏心カム17とカム保持穴65との摩擦を低減する。
回動中心軸61は、ベアリング69を介してレバー保持部材19に形成されたガイド溝71(図6参照)に案内される。ベアリング69は、内輪が回動中心軸61に固定される。ベアリング69は、この内輪に対し複数の転動体を介して外輪が回転自在に設けられている。ベアリング69は、外輪の外周がガイド溝71に案内される。
偏心カム17は、カムの回転中心線63を挟んで回動中心軸61の反対側をロックピン73が貫通している。更に、偏心カム17を貫通したロックピン73は、カムレバー15を貫通する。つまり、カムレバー15と偏心カム17とは、回動中心軸61とロックピン73の2本が貫通することにより、相対回転不能に連結されている。
カムレバー15は、回動中心軸61を介して連結された偏心カム17をカムの回転中心線63方向から挟む一対のレバー部材75により構成される。従って、カムレバー15は、偏心カム17を挟んで二対となった合計4枚のレバー部材75により構成されている。レバー部材75のそれぞれの一端55は、ベアリング69を通して貫通した回動中心軸61の先端にワッシャ77、ナット79が締結されて偏心カム17に固定される。この偏心カム17は、それぞれのカムホルダ57のカム保持穴65で回動自在となる。
カムホルダ57には、アジャスタ機構81が設けられる。アジャスタ機構81は、カムの回転中心線63に対するブレーキアーム13の一端部23の連結部材83を介した連結位置を、回転により伸長可能とする出力軸となるリンクロッド85を有する。リンクロッド85は、調整用歯車87を備える。調整用歯車87の歯には、アジャスタスプリング89に付勢されるアジャスタレバー91が噛み合う。アジャスタレバー91は、ライニング31の摩耗量が一定以上になると、調整用歯車87を一山分回転させた位置でリンクロッド85を送り出した後、調整用歯車87に噛み合って調整用歯車87を回転規制する。
図6に示すように、追従機構97は、揺動ジョイント部材105により構成される。揺動ジョイント部材105は、それぞれのレバーピン53を回動自在に支持する一対の嵌合穴107を有する。揺動ジョイント部材105は、嵌合穴107の形成された面に直交する側面に、ピボット軸受穴109を有する。ピボット軸受穴109は、深さ方向に小内径となる略円錐形状に形成される。ピボット軸受穴109は、ブレーキアーム13の拡開方向と直交する方向に進退動するロッド47の先端部をピボット支持する。
図8の(a)は図5に示したパワーユニット99の水平断面図、図8の(b)は(a)に示したレバー機構95の概略構成図である。
パワーユニット99は、エアチャンバ43に内蔵されたエアピストン46後端側のエア室48に圧縮空気が供給されると、ロッド47をレバー機構ユニット101へ進出させる。レバー機構ユニット101に進出したロッド47は、レバー機構95の揺動ジョイント部材105を押圧する。レバー機構95は、揺動ジョイント部材105が押圧されると、嵌合穴107に嵌合したレバーピン53を押圧する。レバー機構95は、レバーピン53が押圧されることにより、カムレバー15により偏心カム17を介してカムホルダ57を拡開方向へ移動する。
次に、上記したディスクブレーキ装置100の作用を説明する。
本第1実施形態に係るディスクブレーキ装置100では、車体に、ブレーキ本体11が支持される。ブレーキ本体11には、エアチャンバ43が固定される。エアチャンバ43は、ロッド47を進退させる。ブレーキ本体11には、一対のブレーキアーム13が回動可能に支持される。ブレーキアーム13は、一端部23と他端部25との間の支持部27が、ブレーキ本体11に回動軸29を介して支持されて回動自在となる。レバー機構95は、ロッド47の進出方向の移動力を、一対のブレーキアーム13の一端部23を拡開する方向に変換する。一端部同士が拡開された一対のブレーキアーム13は、他端部25にそれぞれ取り付けられたパッドアッセンブリ33が車輪の両面に配置されたブレーキロータ35を両側から挟圧する。
出力部材であるロッド47とレバー機構95との間には、ブレーキロータ35の傾きや、ばね上ばね下の位相差により位置変動が生じる場合がある。この位置変動により、ロッド47と、レバー機構95のレバーピン53とはずれる。追従機構97は、このずれを吸収し、位置変動が生じた場合であってもロッド47とレバーピン53とを力の伝達可能な接続状態に維持する。
本第1実施形態に係るディスクブレーキ装置100では、一対のブレーキアーム13の一端部23と他端部25との間の支持部27が、ブレーキ本体11に対してそれぞれ回動可能に支持される。ブレーキアーム13は、それぞれの他端部25に、ブレーキロータ35を両側から挟圧するパッドアッセンブリ33が取り付けられている。また、ブレーキ本体11には、ロッド47を進退動させるエアチャンバ43が取り付けられている。一対のブレーキアーム13の一端部23には、一対のカムホルダ57がそれぞれ連結されている。一対のブレーキアーム13は、それぞれのカムホルダ57が離間すれば、一端部23が拡開し、支持部27を回動中心に回動した他端部25のパッドアッセンブリ33が車輪の両面に配置されたブレーキロータ35を挟圧する。
各カムホルダ57には、一対のカムレバー15のそれぞれの一端55(外端)が回動可能に連結される。この一対のカムレバー15のそれぞれの他端59(内端)は、レバーピン53により回動自在に連結される。このレバーピン53には、ロッド47が連結されている。ロッド47は、レバーピン53を軸線直交方向に押圧可能とする。
さらに、それぞれのカムホルダ57には、偏心カム17が回動自在に保持されている。一対のカムレバー15のそれぞの一端55には、回動中心軸61が設けられる。カムレバー15は、この回動中心軸61が偏心カム17に軸支されることで、カムホルダ57のそれぞれに回動可能に連結されている。一対の偏心カム17に軸支されたそれぞれの回動中心軸61は、レバー保持部材19によりブレーキアーム13の一端部23の拡開方向に沿う直線X上に案内される。
図9は図2に示したレバー機構95の作用図である。
一対のカムレバー15は、レバーピン53が軸線直交方向に押圧されると、それぞれの回動中心軸61が拡開方向に沿う直線X上で離反方向に移動する。一対の回動中心軸61は、それぞれの偏心カム17を介して一対のカムホルダ57を離反方向に移動させる(第1増幅機構)。偏心カム17は、自身のカムの回転中心線63に対して回動中心軸61を偏芯して軸支している。偏心カム17は、この偏芯によりカムレバー15の一端55における変位δを、カムホルダ57を離反方向へ移動させる送り量Δに反映させることができる(第2増幅機構)。送り量Δは、レバー回転中心93からの移動量となる。従って、偏心カム17は、この離反方向の変位δを反映させた送り量Δにより、カムレバー15に伝達された力を倍力してカムホルダ57を介しブレーキアーム13の一端部23を拡開できる。
このように、本第1実施形態に係るディスクブレーキ装置100では、カムレバー15と、ブレーキアーム13の一端部23とを連結するカムホルダ57に、偏心カム17を組み込んで保持している。カムレバー15は、偏心カム17を介してカムホルダ57に連結されているので、倍力機構をコンパクトに構成できる。また、本第1実施形態のディスクブレーキ装置100は、偏心カム17におけるカムの回転中心線63に対する回動中心軸61の偏芯量を変えることで、倍力の調整を容易に行うことも可能となる。更に、本第1実施形態に係るディスクブレーキ装置100は、一対のカムレバー15と偏心カム17によって大きな倍力比を設定することが可能になり、最大出力の小さいエアチャンバ43を使用することができる。
本第1実施形態に係るディスクブレーキ装置100では、揺動ジョイント部材105に、レバー機構95のレバーピン53を回動自在に支持する一対の嵌合穴107が形成される。また、揺動ジョイント部材105には、ブレーキアーム13の拡開方向と直交する方向に進退動するロッド47の先端部をピボット支持するピボット軸受穴109が形成される。追従機構97は、ロッド47が進出すると、揺動ジョイント部材105のピボット軸受穴109が押圧される。押圧された揺動ジョイント部材105は、嵌合穴107に挿入されているレバー機構95のレバーピン53を同方向に押圧する。
図10の(a)は図2に示したディスクブレーキ装置100の開放時の動作説明図、(b)は図2に示したディスクブレーキ装置100の通常制動時の動作説明図である。
この際、ブレーキロータ35の傾きにより生じたロッド47とレバーピン53との位置変動は、揺動ジョイント部材105の嵌合穴107でロッド47が回動することにより吸収される。
図11の(a)は図10に示したディスクブレーキ装置100のブレーキロータ傾き時の動作説明図、(b)は図10に示したディスクブレーキ装置100の上下位相発生時の動作説明図である。
また、ばね上ばね下の位相差により生じたロッド47とレバーピン53との位置変動は、図11の(b)に示すレバー機構95の矢印方向の移動によって生じる。この位置変動は、ロッド47の先端部に対して揺動ジョイント部材105がピボット運動することにより吸収される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ装置200を説明する。
図12は本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ装置200の全体構造を示す斜視図である。なお、本第2実施形態において上記第1実施形態と同等の部材・部位には同一の符号を付して説明する。
ディスクブレーキ装置200は、ブレーキ本体11と、ブレーキアーム13と、アクチュエータとしてのモータギアユニット111と、駆動方向変換機構としてのレバー機構113と、追従機構115と、を主要な部材として有する。
ブレーキ本体11は、車体に固定される取付部材21により支持される。
図13は図12に示したディスクブレーキ装置200の水平断面図である。
一対のブレーキアーム13は、ブレーキ本体11に対して一端部23と他端部25との間の支持部27が、回動軸29により回動可能に支持される。一対のブレーキアーム13は、それぞれの他端部25に、複数のライニング31を備えたパッドアッセンブリ33が取り付けられる。一対のブレーキアーム13は、一端部23が離反する方向に拡開されることにより、一対のパッドアッセンブリ33で車輪の両面に配置されたブレーキロータ35を両側から挟圧する。
図14は図13に示したディスクブレーキ装置200の側断面図である。
ディスクブレーキ装置200では、ブレーキ本体11が、吊り下げ軸37に回転自在に保持される。これにより、ブレーキ本体11は、車体に取り付けられた取付部材21に、吊り下げ軸37を介して支持される。吊り下げ軸37は、一対のブレーキアーム13の回動軸29の間に挟まれて、これらに直交し且つ車輪軌道に沿う方向に延びる。
ブレーキ本体11と取付部材21との間には、ばね部材39が設けられている(図1参照)。ばね部材39は、揺動を抑制する方向にブレーキ本体11を付勢する。
ブレーキ本体11には、動力発生源であるパワーユニット117が固定される。パワーユニット117は、電磁保持ブレーキ119と、アクチュエータとしてのモータギアユニット111と、ばねユニット121と、レバー機構ユニット123と、からなる。
電磁保持ブレーキ119には、電磁保持用のソレノイド125が備えられる。電磁保持ブレーキ119は、ソレノイド125への通電により、ボールねじ127に軸力を加え、レバー機構113を直接駆動可能としている。
モータギアユニット111は、ばねユニット121を貫通してレバー機構ユニット123に達するボールねじ127を備える。ボールねじ127には、出力部材であるボールナット129が螺合される。ボールナット129は、モータギアユニット111の駆動によりボールねじ127が回転されると、拡開方向と直交する方向に進退動する。
ボールナット129には、直動ジョイント部材131が固定される。直動ジョイント部材131は、ボールナット129と共にレバー機構ユニット123の内方で進退する。レバー機構ユニット123は、レバー機構113を収容する。レバー機構ユニット123は、ボールナット129及び直動ジョイント部材131が進出することにより、レバー機構113の入力部材(レバーピン53)が押圧されるように構成されている。
ばねユニット121は、ボールねじ127を中心に円周方向に複数(本実施例では3つ)のコイルばね133を等間隔に備える。ばねユニット121は、電磁保持ブレーキ119を作動させた際の復帰用の付勢力を蓄勢する。
図15は図13に示した吊り下げ軸37に直交する方向の縦断面図である。
レバー機構113は、一対のカムレバー15を有する。カムレバー15は、図13に示す一端55が、ブレーキアーム13の一端部23に連結されたカムホルダ57に対してそれぞれ回動可能に連結される。一対のカムレバー15は、図13に示すように、ボールねじ127と一体固定される直動ジョイント部材131に連結されたレバーピン53に対してそれぞれの他端59が回動可能に連結される。
図13に示すように、カムホルダ57には、偏心カム17がそれぞれ回転自在に保持される。偏心カム17は、カムレバー15の一端55に設けられた回動中心軸61を介してカムレバー15と回動可能に連結される。偏心カム17は、カムレバー15の回動によって伝達される力を倍力して、支持部27を回動支点にブレーキアーム13を回動させる。
レバー機構ユニット123には、図15に示すレバー保持部材19が設けられる。レバー保持部材19は、回動中心軸61を、一対のブレーキアーム13における一端部23の拡開方向に沿う直線X上にそれぞれ案内する。
図13に示すように、偏心カム17は、カムホルダ57に対するカムの回転中心線63からオフセットされた位置で回動中心軸61に回動可能に連結される。偏心カム17は、カムレバー15の回動によって、回動中心軸61を中心として、カムの回転中心線63を円弧状の軌跡を描いて回動(移動)させる。
図16の(a)は図13に示したパワーユニット117の斜視図、図16の(b)は(a)に示したパワーユニット117の分解斜視図である。
パワーユニット117は、レバー機構ユニット123の両側からカバー部材103を貫通してリンクロッド85が突出する。リンクロッド85は、ブレーキアーム13の一端部23を拡開方向に押圧する。レバー機構ユニット123には、レバー機構113が収容される。レバー機構113は、駆動方向変換機構を構成する。
図17の(a)は図16に示したレバー機構113の斜視図、図17の(b)は(a)に示したレバー機構113の分解斜視図である。
レバー機構113は、ボールナット129の進退動方向の移動力を、一対のブレーキアーム13の一端部23を拡開揺動する拡開方向の駆動力に変換する。
ボールナット129とレバー機構113のレバーピン53との間には、追従機構115が設けられる。追従機構115は、ボールナット129に固定された直動ジョイント部材131により構成される。直動ジョイント部材131は、レバーピン53を拡開方向へ移動自在に支持するスライド溝135を有して拡開方向と直交する方向に進退動する。
図18は図17に示したレバー機構113を更に分解した要部斜視図である。
一対のカムレバー15は、他端59がレバーピン53により回動自在に連結される。このレバーピン53が、直動ジョイント部材131のスライド溝135に挿入される。直動ジョイント部材131は、平行な一対の外面のそれぞれにスライド溝135を有する。一対のレバーピン53は、これらのスライド溝135にそれぞれ挿入される。スライド溝135に挿入されたレバーピン53は、スライド溝内で回動が可能となるとともに、スライド溝135に沿う移動が可能となる。レバー機構113において、その他の偏心カム17、回動中心軸61と、カムレバー15、カムホルダ57、レバー保持部材19の構成は、上記したレバー機構95と同様である。
図19は図13に示したパワーユニット117の水平断面図である。
パワーユニット117は、モータギアユニット111に給電されると、ボールねじ127を回転させる。パワーユニット117は、ボールねじ127を回転することにより、相対回転の規制されたボールナット129、即ち、直動ジョイント部材131をレバー機構ユニット123へ進出させる。レバー機構ユニット123に進出した直動ジョイント部材131は、レバー機構ユニット123のレバーピン53を押圧する。レバー機構113は、レバーピン53が押圧されることにより、カムレバー15により偏心カム17を介してカムホルダ57を拡開方向へ移動する。
次に、上記したディスクブレーキ装置200の作用を説明する。
本第2実施形態に係るディスクブレーキ装置200では、追従機構115が、直動ジョイント部材131を有する。直動ジョイント部材131は、ブレーキアーム13の拡開方向と直交する方向に進退動するボールナット129に固定される。直動ジョイント部材131には、駆動方向変換機構であるレバー機構113のレバーピン53をブレーキアーム13の拡開方向へ移動自在に支持するスライド溝135が形成される。追従機構115は、ボールナット129が進出すると、進出方向と直交方向のスライド溝135に支持されるレバーピン53を同方向に押圧する。
本第2実施形態に係るディスクブレーキ装置200のレバー機構113による倍力動作は、上記第1実施形態に係るディスクブレーキ装置100と同一であるので説明は省略する。
一端部同士が拡開された一対のブレーキアーム13は、他端部25にそれぞれ取り付けられたパッドアッセンブリ33が車輪の両面に配置されたブレーキロータ35を両側から挟圧する。
出力部材であるロッド47とレバー機構113との間には、ブレーキロータ35の傾きや、ばね上ばね下の位相差により位置変動の生じる場合がある。この位置変動により、出力部材であるボールナット129と、レバー機構113の入力部材であるレバーピン53とはずれる。追従機構115は、このずれを吸収し、位置変動が生じた場合であってもボールナット129とレバーピン53とを力の伝達可能な接続状態に維持する。
追従機構115は、ボールナット129が進出すると、直動ジョイント部材131のスライド溝135がレバー機構113のレバーピン53を同方向に押圧する。
図20の(a)は図13に示したディスクブレーキ装置200の開放時の動作説明図、(b)は図13に示したディスクブレーキ装置200の通常制動時の動作説明図である。
この際、ブレーキロータ35の傾きにより生じたボールナット129とレバーピン53との位置変動は、スライド溝135でレバーピン53が回動することにより吸収される。
図21の(a)は図20に示したディスクブレーキ装置200のブレーキロータ傾き時の動作説明図、(b)は図20に示したディスクブレーキ装置200の上下位相発生時の動作説明図である。
また、ばね上ばね下の位相差により生じたボールナット129とレバーピン53との位置変動は、図21の(b)に示すレバー機構113の矢印方向の移動によって生じる。この位置変動は、レバーピン53がスライド溝135に沿って移動することにより吸収される。
従って、本実施形態に係るディスクブレーキ装置100,200によれば、エアチャンバ43及びモータギアユニット111のロッド47及びボールナット129と、ブレーキアーム13へ拡開力を伝達するレバー機構95,113のレバーピン53とに位置変動が生じた場合であっても、ロッド47及びボールナット129とレバーピン53とを力の伝達可能な接続状態に維持できる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ここで、上述した本発明に係るディスクブレーキ装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車体に支持されるブレーキ本体(11)と、
前記ブレーキ本体に対して一端部(23)と他端部(25)との間の支持部(27)が回動可能に支持され、前記他端部にそれぞれ取り付けられたパッドアッセンブリ(33)がブレーキロータ(35)を両側から挟圧する一対のブレーキアーム(13)と、
前記ブレーキ本体に取り付けられ、出力部材(ロッド47、ボールナット)を進退動させるアクチュエータ(エアチャンバ43、モータギアユニット111)と、
前記出力部材の進退動方向の移動力を前記一対のブレーキアームの前記一端部を拡開揺動する拡開方向の駆動力に変換する駆動方向変換機構(レバー機構95,113)と、
前記出力部材と前記駆動方向変換機構の入力部材(レバーピン53)との間に設けられ、前記出力部材に対する前記駆動方向変換機構の位置変動に対応して前記入力部材を前記出力部材に追従させるための追従機構(97,115)と、
を備えることを特徴とするディスクブレーキ装置(100,200)。
[2] 上記[1]に記載のディスクブレーキ装置であって、
前記駆動方向変換機構(レバー機構95,113)は、
一端(55)が前記一端部(23)に連結されたカムホルダ(57)に対してそれぞれ回動可能に連結されると共に、他端(59)が前記出力部材(ロッド47、ボールナット129)に対してそれぞれ回動可能に連結される一対のカムレバー(15)と、
前記カムホルダにそれぞれ回転自在に保持され、前記一端に設けられた回動中心軸(61)を介して回動可能に連結された前記カムレバーの回動によって伝達される力を倍力して前記支持部(27)を回動支点に前記ブレーキアーム(13)を回動させる偏心カム(17)と、
前記回動中心軸を一対の前記一端部の拡開方向に沿う直線(X)上に案内するレバー保持部材(19)と、
を備えることを特徴とするディスクブレーキ装置(100,200)。
[3] 上記[2]に記載のディスクブレーキ装置であって、
前記追従機構(97)は、
前記入力部材(53)を回動自在に支持する嵌合穴(107)と、前記拡開方向と直交する方向に進退動する前記出力部材(ロッド47)の先端部をピボット支持するピボット軸受穴(109)とを有する揺動ジョイント部材(105)により構成される、
ことを特徴とするディスクブレーキ装置(100)。
[4] 上記[2]に記載のディスクブレーキ装置であって、
前記追従機構(115)は、
前記入力部材(レバーピン53)を前記拡開方向へ移動自在に支持するスライド溝(135)を有して前記拡開方向と直交する方向に進退動する前記出力部材(ボールナット129)に固定された直動ジョイント部材(131)により構成される、
ことを特徴とするディスクブレーキ装置(200)。
[5] 上記[1]〜[4]の何れか1つに記載のディスクブレーキ装置であって、
前記車体に取り付けられた取付部材(21)に支持される前記ブレーキ本体(11)が、前記一対のブレーキアーム(13)の回動軸(29)の間に挟まれてこれらに直交する方向に延びる前記取付部材の吊り下げ軸(37)に回転自在に保持され、
前記ブレーキ本体と前記取付部材との間に設けられて前記ブレーキ本体の揺動を抑制する方向に付勢するばね部材(39)が、前記アクチュエータ(エアチャンバ43、モータギアユニット111)と共に前記ブレーキ本体に固定されている、
ことを特徴とするディスクブレーキ装置(100,200)。
11…ブレーキ本体
13…ブレーキアーム
15…カムレバー
17…偏心カム
19…レバー保持部材
21…取付部材
23…一端部
25…他端部
27…支持部
29…回動軸
33…パッドアッセンブリ
35…ブレーキロータ
37…吊り下げ軸
39…ばね部材
43…エアチャンバ(アクチュエータ)
47…ロッド(出力部材)
53…レバーピン(入力部材)
55…一端
57…カムホルダ
59…他端
61…回動中心軸
95…レバー機構(駆動方向変換機構)
97…追従機構
100,200…ディスクブレーキ装置
105…揺動ジョイント部材
107…嵌合穴
109…ピボット軸受穴
111…モータギアユニット(アクチュエータ)
113…レバー機構(駆動方向変換機構)
115…追従機構
129…ボールナット(出力部材)
131…直動ジョイント部材
135…スライド溝

Claims (5)

  1. 車体に支持されるブレーキ本体と、
    前記ブレーキ本体に対して一端部と他端部との間の支持部が回動可能に支持され、前記他端部にそれぞれ取り付けられたパッドアッセンブリがブレーキロータを両側から挟圧する一対のブレーキアームと、
    前記ブレーキ本体に取り付けられ、出力部材を進退動させるアクチュエータと、
    前記出力部材の進退動方向の移動力を前記一対のブレーキアームの前記一端部を拡開揺動する拡開方向の駆動力に変換する駆動方向変換機構と、
    前記出力部材と前記駆動方向変換機構の入力部材との間に設けられ、前記出力部材に対する前記駆動方向変換機構の位置変動に対応して前記入力部材を前記出力部材に追従させるための追従機構と、
    を備えることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記駆動方向変換機構は、
    一端が前記一端部に連結されたカムホルダに対してそれぞれ回動可能に連結されると共に、他端が前記出力部材に対してそれぞれ回動可能に連結される一対のカムレバーと、
    前記カムホルダにそれぞれ回転自在に保持され、前記一端に設けられた回動中心軸を介して回動可能に連結された前記カムレバーの回動によって伝達される力を倍力して前記支持部を回動支点に前記ブレーキアームを回動させる偏心カムと、
    前記回動中心軸を一対の前記一端部の拡開方向に沿う直線上に案内するレバー保持部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記追従機構は、
    前記入力部材を回動自在に支持する嵌合穴と、前記拡開方向と直交する方向に進退動する前記出力部材の先端部をピボット支持するピボット軸受穴とを有する揺動ジョイント部材により構成される、
    ことを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記追従機構は、
    前記入力部材を前記拡開方向へ移動自在に支持するスライド溝を有して前記拡開方向と直交する方向に進退動する前記出力部材に固定された直動ジョイント部材により構成される、
    ことを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記車体に取り付けられた取付部材に支持される前記ブレーキ本体が、前記一対のブレーキアームの回動軸の間に挟まれてこれらに直交する方向に延びる前記取付部材の吊り下げ軸に回転自在に保持され、
    前記ブレーキ本体と前記取付部材との間に設けられて前記ブレーキ本体の揺動を抑制する方向に付勢するばね部材が、前記アクチュエータと共に前記ブレーキ本体に固定されている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のディスクブレーキ装置。
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