JP2020001531A - 接触状態検出装置、接触状態検出方法及びプログラム - Google Patents

接触状態検出装置、接触状態検出方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】操舵部材への接触状態の検出精度を向上する接触状態検出装置等を提供する。【解決手段】車両用操舵装置1のステアリングホイール11への接触状態を検出する接触状態検出装置100は、ステアリングシャフト5に発生するトルクを検出するトルクセンサ21と、トルクセンサ21の検出値である第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行った微分値である第2取得値から第n+1取得値を算出するトルク微分処理部511と、第1取得値から第n+1取得値で構成される入力データを用いて演算することによって、ステアリングホイール11に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報を出力する状態判定部515とを備え、nは、1以上の整数である。【選択図】図3

Description

本発明は、操舵部材への接触状態検出装置、接触状態検出方法及びプログラムに関する。
近年、車両を制御するために、ステアリングホイール等の操舵部材に対する運転者の接触状態を検出する技術が検討されている。例えば、特許文献1は、運転者がステアリングホイールから手を放した状態であるハンドルフリー状態を判定する技術を開示している。この技術では、ステアリングの操舵角と操舵角速度とに基づいて、外部から入力されるトルクとしての外乱トルクが推定され、外乱トルクとステアリングの回転軸の軸トルクとが加算演算されることによって、操舵トルクが推定される。そして、操舵トルクの絶対値が閾値未満の状態が所定時間経過した場合、ハンドルフリー状態であると判定される。
特開2002−104223号公報 特開2017−114324号公報
特許文献1の技術では、ハンドルフリー状態の検出に要する時間が長くなる可能性ある。さらに、運転者が小さい操舵トルクでステアリングを把持している場合、ハンドルフリー状態であると判定される可能性がある。このため、特許文献1の技術は、誤検出を生じる可能性がある。
そこで、本発明は、操舵部材への接触状態の検出精度を向上する接触状態検出装置、接触状態検出方法及びプログラムを提供する。
本発明の一態様に係る接触状態検出装置は、車両用操舵装置の操舵部材への接触状態を検出する接触状態検出装置であって、前記操舵部材に発生するトルクを検出するトルク検出部と、前記トルク検出部の検出値である第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行った微分値である第2取得値から第n+1取得値を算出する微分処理部と、前記第1取得値から前記第n+1取得値で構成される入力データを用いて演算することによって、前記操舵部材に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報を出力する演算部とを備え、nは、1以上の整数である。
本発明の一態様に係る接触状態検出方法は、車両用操舵装置の操舵部材への接触状態を検出する接触状態検出方法であって、前記操舵部材に発生するトルク値を、第1取得値として取得し、前記第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行った微分値である第2取得値から第n+1取得値を算出し、前記第1取得値から前記第n+1取得値で構成される入力データを用いて演算することによって、前記操舵部材に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報を出力し、nは、1以上の整数である。
本発明の一態様に係るプログラムは、車両用操舵装置の操舵部材に発生するトルク値を、第1取得値として取得し、前記第1取得値に1次時間微分からn次時間微分を行った微分値である第2取得値から第n+1取得値を算出し、前記第1取得値から前記第n+1取得値で構成される入力データを用いて演算することによって、前記操舵部材に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報を出力し、nは、1以上の整数である。
本発明に係る接触状態検出装置等によると、操舵部材への接触状態の検出精度を向上することが可能になる。
実施の形態1に係る接触状態検出装置を備える車両用操舵装置の構成の一例を示す概略図 実施の形態1に係る接触状態検出装置の機能的な構成の一例を示すブロック図 実施の形態1に係る接触状態検出装置の各構成要素の処理の流れの一例を示す図 ニューラルネットワークのモデルの一例を示す図 学習装置の学習を説明するための図 実施の形態1に係る接触状態検出装置の接触状態の検出動作の一例を示すフローチャート 実施の形態1の変形例に係る接触状態検出装置の各構成要素の処理の流れの一例を示す図 実施の形態2に係る接触状態検出装置の機能的な構成の一例を示すブロック図 実施の形態2に係る接触状態検出装置の各構成要素の処理の流れの一例を示す図 実施の形態3に係る接触状態検出装置の機能的な構成の一例を示すブロック図 実施の形態3に係る接触状態検出装置の各構成要素の処理の流れの一例を示す図
以下、実施の形態に係る接触状態検出装置等を、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明される実施の形態は、包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ(工程)、並びに、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。さらに、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る接触状態検出装置100及び接触状態検出装置100を備える車両用操舵装置1の構成を説明する。本実施の形態では、接触状態検出装置100は、車両に搭載された車両用操舵装置1に備えられるとして説明する。車両の例は、自動車、トラック、バス、二輪車、搬送車、鉄道、建設機械、農耕機械及び荷役機械である。本実施の形態では、車両は自動車であるとし、自動車は、エンジンを備える自動車、エンジン及びモータを備えるハイブリッド自動車、及び、エンジンを備えずモータを備える電気自動車のいずれであってもよい。
図1は、実施の形態1に係る接触状態検出装置100を備える車両用操舵装置1の構成の一例を示す概略図である。図1に示すように、車両用操舵装置1は、車両Aに搭載され、モータの回転駆動力により操舵をトルクアシストするステアリング装置である。車両用操舵装置1は、車両Aの運転者によって操作される操舵機構2と、運転者による操舵機構2への入力に応じて転舵輪60を転舵させる転舵機構3と、運転者の操舵を補助するための補助機構4とを備えている。転舵輪60は、車両Aの舵取り用の車輪である。
操舵機構2は、ステアリングホイール11と接続されたステアリングシャフト5を備える。本実施の形態の場合、ステアリングシャフト5は、コラムシャフト5a、インターミディエイトシャフト5b及びピニオンシャフト5cで構成されている。コラムシャフト5a、インターミディエイトシャフト5b及びピニオンシャフト5cは、互いの端部において、屈曲した状態で回転できるように、自在継手を介してこの順で連結されている。コラムシャフト5aは、ステアリングホイール11と接続される。ピニオンシャフト5cは、後述する転舵機構3のラックシャフト6と接続される。ここで、ステアリングホイール11及びステアリングシャフト5は、操舵部材の一例である。
転舵機構3は、転舵輪60に接続されるラックシャフト6と、ラックアンドピニオン装置7とを備える。ラックアンドピニオン装置7は、ピニオンシャフト5cの回転をラックシャフト6の往復動に変換する。転舵機構3は、ピニオンシャフト5cから伝達される回転駆動力をラックシャフト6の直線駆動力に変換して転舵輪60に伝達し、転舵輪60を転舵方向に回転させる。
補助機構4は、操舵のアシスト力をステアリングシャフト5に付与するモータ8と、モータ8の回転駆動力をステアリングシャフト5に伝達する減速機9とを備える。モータ8は、後述するECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)50の制御により、動作する。減速機9は、モータ8と接続され、モータ8を駆動源として操舵を補助するためのアシスト力をステアリングシャフト5に付与する装置である。減速機9は、モータ8の回転速度を減速させ且つ回転駆動力を増強してステアリングシャフト5に伝達する。モータ8の例は、電動モータである。減速機9の例は、ウォーム減速機である。ウォーム減速機は、モータ8によって回転駆動されるウォームシャフト9aと、ステアリングシャフト5と一体に回転するウォームホイール9bとを有している。ウォームシャフト9aは、外周面にらせん状の歯を有するネジ状の歯車であり、ウォームホイール9bは、外周に複数の歯を有する円板状の歯車である。小径のウォームシャフト9aの歯と大径のウォームホイール9bの歯とが噛み合っている。
本実施の形態の場合、減速機9は、ピニオンシャフト5cに接続されている。しかしながら、減速機9は、コラムシャフト5a又はインターミディエイトシャフト5bに接続されてもよく、ラックシャフト6に接続されてもよい。
また、コラムシャフト5aは、入力軸部5aaと、出力軸部5abと、トーションバー部5acとを含む。入力軸部5aaは、ステアリングホイール11と接続され、ステアリングホイール11から運転者の操舵力が入力される。出力軸部5abは、インターミディエイトシャフト5bと接続され、ステアリングホイール11から入力される運転者の操舵力を、インターミディエイトシャフト5bに伝達する。トーションバー部5acは、入力軸部5aaと出力軸部5abとの間に配置され、入力軸部5aaに入力される操舵力を出力軸部5abに伝達する。トーションバー部5acは、入力軸部5aa及び出力軸部5abよりも、軸心を中心とするねじれ方向の剛性が低く構成されている。トーションバー部5acの構成材料の例は、ばね鋼である。操舵力が入力軸部5aaに入力されると、トーションバー部5acは軸心を中心に捻れつつ操舵力を出力軸部5abに伝達する。
また、車両用操舵装置1は、運転者によってステアリングホイール11を介してステアリングシャフト5に加えられるトルクを検出するためのトルクセンサ21を備える。トルクセンサ21は、トーションバー部5acに配置され、トーションバー部5acの捩れ量、つまり入力軸部5aa及び出力軸部5abの相対回転角を検出することによって、トルクを検出する。トルクセンサ21が検出するトルクは、運転者が操舵のためにステアリングホイール11に加える操舵トルクに相当する。トルクセンサ21は、検出信号をECU50に送信する。ここで、トルクセンサ21は、トルク検出部の一例である。
さらに、車両用操舵装置1は、入力軸部5aaの回転角度を検出する回転角センサ22を備える。回転角センサ22は、入力軸部5aaに配置され、入力軸部5aaの軸心周りの回転量、つまり、回転角度を検出する。回転角センサ22が検出する回転角は、運転者が操舵のためにステアリングホイール11に加える操舵角に相当する。回転角センサ22は、検出信号をECU50に送信する。ここで、回転角センサ22は、回転量検出部の一例である。
また、車両用操舵装置1は、ECU50を備える。ECU50は、モータ8、トルクセンサ21及び回転角センサ22等と電気的に接続されている。さらに、ECU50は、車両Aに搭載される車速センサ31と電気的に接続され、車速センサ31から車両Aの速度である車速を示す信号を取得する。ECU50は、トルクセンサ21及び車速センサ31から取得されるトルク及び車速の信号に基づき、モータ8に供給する電流を制御し、モータ8がピニオンシャフト5cに与えるアシスト力を制御する。ECU50は、トルクセンサ21及び回転角センサ22から取得されるトルク及び回転角の信号に基づき、ステアリングホイール11に対する運転者の接触状態を検出する。具体的には、ECU50は、運転者がステアリングホイール11を握っているハンズオン状態であるか、運転者がステアリングホイール11を握っていないハンズオフ状態であるかを検出する。ECU50の詳細は後述する。ECU50と、トルクセンサ21と、回転角センサ22とは、本実施の形態に係る接触状態検出装置100を構成する。
ECU50は、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ及びメモリを備えるマイクロコンピュータで構成されてもよい。メモリの例は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ、及び、ROM(Read-Only Memory)等の不揮発性メモリであってもよい。ECU50の一部又は全部の機能は、CPUがRAMを作業用のメモリとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって達成されてもよい。ECU50の一部又は全部の機能は、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路によって達成されてもよい。ECU50の一部又は全部の機能は、上記のソフトウェア機能とハードウェア回路との組み合わせによって構成されてもよい。ECU50、モータ8及び上記の各センサ等の間の通信は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介した通信であってもよい。
図2及び図3を参照しつつ、ECU50を含む接触状態検出装置100の構成を説明する。図2は、実施の形態1に係る接触状態検出装置100の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図3は、実施の形態1に係る接触状態検出装置100の各構成要素の処理の流れの一例を示す図である。接触状態検出装置100は、トルクセンサ21と、回転角センサ22と、ECU50とを備える。ECU50は、制御部51と、駆動回路52と、電流検出部53とを備える。制御部51は、トルク微分処理部511と、角度微分処理部512と、トルクフィルタ513と、角度フィルタ514と、状態判定部515と、記憶部516と、モータ制御部517とを含む。
駆動回路52は、制御部51によって制御され、図示しない車両Aのバッテリの電力をモータ8に供給する。駆動回路52は、インバータ回路で構成される。電流検出部53は、モータ8を流れる電流であるモータ電流の大きさを検出し、制御部51に出力する。電流検出部53は、電流を計測する回路等で構成される。記憶部516は、種々の情報の格納及び取り出しを可能にする。記憶部516は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、ハードディスクドライブ、又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置によって実現される。
記憶部516は、制御部51が動作するために用いる閾値、マップ、数式、及び後述する判定モデル等の種々の情報を格納する。記憶部516は、制御部51が動作するためのプログラムを格納してもよい。記憶部516は、本実施の形態では、ECU50内において、制御部51に含まれているが、制御部51とは別に設けられてもよく、ECU50の外部に配置されてもよい。
モータ制御部517は、車速センサ31によって検出される車速、トルクセンサ21によって検出されるトルク、及び、電流検出部53によって検出されるモータ電流に基づいて、駆動回路52を駆動制御することによって、操舵状況に応じた操舵補助を実現する。具体的には、モータ制御部517は、トルク及び車速に基づき、モータ8に流れるモータ電流の目標値である電流指令値を決定する。電流指令値は、操舵状況に応じた操舵補助力(「アシストトルク」とも呼ぶ)の目標値に対応している。そして、モータ制御部517は、電流検出部53によって検出されるモータ電流が電流指令値に近づくように、駆動回路52を駆動制御する。また、モータ制御部517は、後述する状態判定部515の判定結果に基づき、駆動回路52を駆動制御する。具体的には、判定結果がハンズオン状態である場合、モータ制御部517は、駆動回路52にモータ8へ電力を供給させ、操舵補助を実施させる。判定結果がハンズオフ状態である場合、モータ制御部517は、駆動回路52にモータ8への電力供給を停止させ、操舵補助を停止させる。
トルク微分処理部511は、トルクセンサ21から経時的に出力されるトルク値を示す信号を取得し、当該信号値を時間微分する。トルクセンサ21は、所定のセンシング周期毎に検出を行い、センシング周期の例は、400μ秒であるが、これに限定されない。トルク微分処理部511は、トルクセンサ21から取得されるトルク値を示す信号値を第1トルク取得値とし、第1トルク取得値に1次時間微分〜n次時間微分それぞれを行った微分値である第2トルク取得値〜第n+1トルク取得値を算出する。上記の「n」は、1以上の整数である。第2トルク取得値〜第n+1トルク取得値はそれぞれ、第1トルク取得値の1次時間微分値〜n次時間微分値である。各微分値は、第1トルク取得値の挙動を示す。トルク微分処理部511は、算出したトルク取得値をトルクフィルタ513に出力する。なお、トルクセンサ21の信号値は、計測時刻と対応付けられた計測値を含む。計測時刻と計測値との対応付けは、例えば、計測値が取得される際に、トルクセンサ21によって行われてもよい。トルク微分処理部511によって出力される第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値はそれぞれ、信号値又はその微分値と、信号値の計測時刻とを含む。ここで、トルク微分処理部511は、微分処理部の一例である。
角度微分処理部512は、回転角センサ22から経時的に出力される角度値を示す信号を取得し、当該信号値を時間微分する。回転角センサ22は、所定のセンシング周期毎に検出を行い、センシング周期の例は、400μ秒であるが、これに限定されない。角度微分処理部512は、回転角センサ22から取得される角度値を示す信号値を第1角度取得値とし、第1角度取得値に1次時間微分〜n次時間微分それぞれを行った微分値である第2角度取得値〜第n+1角度取得値を算出する。第2角度取得値〜第n+1角度取得値はそれぞれ、第1角度取得値の1次時間微分値〜n次時間微分値である。各微分値は、第1角度取得値の挙動を示す。角度微分処理部512は、算出した角度取得値を角度フィルタ514に出力する。なお、回転角センサ22の信号値は、計測時刻と対応付けられた計測値を含む。計測時刻と計測値との対応付けは、例えば、計測値が取得される際に、回転角センサ22によって行われてもよい。角度微分処理部512によって出力される第1角度取得値〜第n+1角度取得値はそれぞれ、信号値又はその微分値と、信号値の計測時刻とを含む。ここで、角度微分処理部512は微分処理部の一例であり、角度取得値は回転取得値の一例である。
トルクフィルタ513は、ローパスフィルタ(「LPF」とも表記する)であり、トルク微分処理部511から出力されるトルク取得値を示す信号を取得し、当該信号から高周波成分を除去する。トルクフィルタ513は、高周波成分を除去後の信号を、状態判定部515に出力する。本実施の形態では、トルクフィルタ513は、第1トルク取得値を示す信号〜第n+1トルク取得値を示す信号それぞれに対して、高周波成分を除去する。これにより、操舵と関係のないノイズ等の信号が除去される。トルクフィルタ513の例は、デジタルフィルタである。ここで、トルクフィルタ513は、フィルタ部の一例である。
角度フィルタ514は、ローパスフィルタであり、角度微分処理部512から出力される角度取得値を示す信号を取得し、当該信号から高周波成分を除去する。角度フィルタ514は、高周波成分を除去後の信号を、状態判定部515に出力する。本実施の形態では、角度フィルタ514は、第1角度取得値を示す信号〜第n+1角度取得値を示す信号それぞれに対して、高周波成分を除去する。これにより、操舵と関係のないノイズ等の信号が除去される。角度フィルタ514の例は、デジタルフィルタである。ここで、角度フィルタ514は、フィルタ部の一例である。
状態判定部515は、トルクフィルタ513から取得される第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値それぞれを示す信号からなるデータと、角度フィルタ514から取得される第1角度取得値〜第n+1角度取得値それぞれを示す信号からなるデータとを、入力データとして用いる。そして、状態判定部515は、当該入力データを用いて演算することによって、運転者がステアリングホイール11を握っているハンズオン状態であるか、運転者がステアリングホイール11を握っていないハンズオフ状態(手放し状態)であるかを判定する。状態判定部515は、判定結果をモータ制御部517に出力する。ここで、状態判定部515は、演算部の一例であり、判定結果は、操舵部材に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報の一例である。
状態判定部515は、判定モデルを用いて判定結果を出力する。判定モデルは、記憶部516に格納されている。判定モデルは、入力データに対する出力データを出力する。判定モデルは、高周波成分除去後の第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値のデータと、高周波成分除去後の第1角度取得値〜第n+1角度取得値のデータとを入力データとし、ハンズオン状態又はハンズオフ状態の判定結果を出力データとする。第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値のデータの計測時刻と、第1角度取得値〜第n+1角度取得値のデータの計測時刻とは、互いに対応し、同じ又は近傍である。つまり、第1トルク取得値は、第1角度取得値の発生時に発生したトルク値である。
本実施の形態では、判定モデルは、学習データを用いて学習することによって判定精度を向上する。判定モデルに適用される学習モデルは、ニューラルネットワーク(Neural Network)であり、学習方法は、Neuroevolution(Genetic Programming等)やDeep learningを用いた機械学習による方法であってもよい。ニューラルネットワークは、脳神経系をモデルにした情報処理モデルである。ニューラルネットワークは、入力層及び出力層を含む複数のノード層で構成されている。ノード層には、1つ以上のノードが含まれる。例えば、図4に示すように、ニューラルネットワークが、入力層、中間層及び出力層で構成される場合、ニューラルネットワークは、入力層のノードに入力された情報について、入力層から中間層への出力処理、中間層での処理、中間層から出力層への出力処理、出力層での処理を順次行い、入力情報に適合する出力結果を出力する。なお、1つの層の各ノードは、次の層の各ノードと接続されており、ノード間の接続には、重み付けがされている。1つの層のノードの情報は、ノード間の接続の重み付けが付与されて、次の層のノードに出力される。なお、図4は、ニューラルネットワークのモデルの一例を示す図である。
または、判定モデルは、公知のリカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)(「回帰型ニューラルネットワーク」)で構成されてもよい。
判定モデルの機械学習は、ECU50によって行われてもよく、ECU50とは離れた位置に配置されたサーバ装置等の外部機器である学習装置70によって行われてもよい。本実施の形態では、学習装置70が判定モデルの機械学習を行う。学習装置70で学習された判定モデルは、不揮発性メモリ等の記録媒体、又は、インターネットなどの通信網等を介した無線通信により、記憶部516に送られてもよい。
本実施の形態では、判定モデルの学習は、学習装置70によってオフラインで行われる。なお、オンラインは、車両の走行中を示し、オフラインは、車両の非走行時を示す。オフラインでは、事前に取得されたデータ、及び、人工的に作成されたデータ等の車両の非走行時に取得されるデータが使用される。判定モデルの学習には、教師信号あり学習(「教師あり学習」とも呼ばれる)が用いられる。教師あり学習では、入力データ、つまり入力信号に対する判定モデルの出力データが、教師信号と合致するようにニューラルネットワーク内の重み付けが調整される。
本実施の形態では、図5に示すように、学習装置70が備える学習部71は、複数の運転者の運転履歴から、判定モデルを構成する判定ニューラルネットワーク(「判定NN」とも表記する)を構築する。なお、図5は、学習装置70の学習を説明するための図である。複数の運転者は、不特定多数の運転者であってよく、車両Aと関連していてもよく関連していなくてもよい。各運転者の運転履歴は、各運転者の運転中に取得されたデータであり、操舵トルクと、当該操舵トルクの発生時の操舵角と、当該操舵トルク及び操舵角の発生時でのハンズオン又はハンズオフの状態の情報とを含む。ハンズオン又はハンズオフの状態の情報は、運転者による入力装置への入力信号、カメラによる運転者の撮影画像、ステアリングホイールに設けられた接触センサの検出信号等に基づき、生成されてもよい。
学習部71は、運転履歴に含まれる操舵トルクと当該操舵トルクに対して1次時間微分〜n次時間微分それぞれを行って得られる微分値とで構成される演算操舵トルクと、当該操舵トルクの発生時の操舵角と当該操舵角に対して1次時間微分〜n次時間微分それぞれを行って得られる微分値とで構成される演算操舵角とを入力信号とする。そして、学習部71は、演算操舵トルク及び演算操舵角の操舵トルク及び操舵角の発生時のハンズオン又はハンズオフの状態を教師信号とする。そして、学習部71は、出力データが教師信号と合致するように判定ニューラルネットワークに学習させる。なお、学習部71は、判定ニューラルネットワークの学習のために、複数の運転者の汎用的な運転履歴だけでなく、車両Aの特定の運転者の運転履歴も用いてもよい。
このような判定ニューラルネットワークは、操舵トルク及び操舵角の現在のデータだけでなく、これらの微分データを入力データとするため、操舵トルク及び操舵角の挙動を考慮した演算を行うことができ、ハンズオン状態又はハンズオフ状態の判定精度を向上することができる。例えば、運転者のステアリングホイール11の切り替えし時点では、運転者がステアリングホイール11を握っていても、トルクセンサ21によって検出されるトルクは、零になる。このような状態に対して、判定ニューラルネットワークは、切り替えし時点での操舵トルク及び操舵角の挙動を示すデータを入力データとするため、ハンズオン状態であると判定することができる。また、運転者が、非常に小さい操舵トルクでステアリングホイール11を握り続けている場合、判定ニューラルネットワークは、ハンズオン状態が継続されていると判定することができる。よって、判定ニューラルネットワークで構成される判定モデルを用いる状態判定部515は、高い精度でハンズオン状態又はハンズオフ状態を判定することができる。
次に、図3及び図6を参照しつつ、実施の形態1に係る接触状態検出装置100の接触状態の検出動作を説明する。図6は、実施の形態1に係る接触状態検出装置100の接触状態の検出動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、制御部51は、トルクセンサ21と回転角センサ22とからそれぞれ、トーションバー部5acに発生するトルクを示すトルク信号と、ステアリングシャフト5に発生する回転角を示す角度信号とを取得する。制御部51は、トルクセンサ21及び回転角センサ22によってセンシング周期毎に検出される信号を取得する。センシング周期の例は、1m秒である。
次いで、ステップS2において、トルク微分処理部511は、取得されたトルク信号値を第1トルク取得値とし、第1トルク取得値に対して1次時間微分〜n次時間微分それぞれを行った第2トルク取得値〜第n+1トルク取得値を算出する。トルク微分処理部511は、第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値それぞれを示す信号を、トルクフィルタ513に出力する。また、角度微分処理部512は、取得された角度信号値を第1角度取得値とし、第1角度取得値に対して1次時間微分〜n次時間微分それぞれを行った第2角度取得値〜第n+1角度取得値を算出する。角度微分処理部512は、第1角度取得値〜第n+1角度取得値それぞれを示す信号を、角度フィルタ514に出力する。このように、ステップS2では、トルク信号値及び角度信号値の微分演算処理が行われる。
次いで、ステップS3において、トルクフィルタ513は、取得された第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値を示す信号それぞれから高周波成分を除去し、状態判定部515に出力する。また、角度フィルタ514は、取得された第1角度取得値〜第n+1角度取得値を示す信号それぞれから高周波成分を除去し、状態判定部515に出力する。
次いで、ステップS4において、状態判定部515は、高周波成分除去処理後の第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値及び第1角度取得値〜第n+1角度取得値それぞれを示す信号値のデータを入力データとし、当該入力データを、判定モデルを構成する判定ニューラルネットワークに入力する。
次いで、ステップS5において、判定ニューラルネットワークは、入力データに対する出力データであるハンズオン状態又はハンズオフ状態の判定結果を出力し、状態判定部515は、判定結果をモータ制御部517に出力する。モータ制御部517は、ハンズオン状態である場合、操舵補助を実施し、ハンズオフ状態である場合、操舵補助を停止する。
上述したように、実施の形態1に係る接触状態検出装置100は、車両用操舵装置1の操舵部材としてのステアリングホイール11への接触状態を検出する。接触状態検出装置100は、操舵部材としてのステアリングシャフト5に発生するトルクを検出するトルク検出部としてのトルクセンサ21と、トルクセンサ21の検出値である第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行った微分値である第2取得値から第n+1取得値を算出する微分処理部としてのトルク微分処理部511と、第1取得値から第n+1取得値で構成される入力データを用いて演算することによって、ステアリングホイール11に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報を出力する演算部としての状態判定部515とを備え、nは、1以上の整数である。
上記構成によると、状態判定部515は、トルクの検出値だけでなく、当該検出値の時間微分値を用いて、ハンズオン状態又はハンズオフ状態を判定する。トルクの検出値の時間微分値は、トルクの時間的な挙動を示す。トルクの検出値のみを用いた判定では、ハンズオン状態又はハンズオフ状態の誤判定が生じる可能性がある。しかしながら、トルクの時間的な挙動を用いた判定では、ハンズオン状態のトルクの時間的な挙動及びハンズオフ状態のトルクの時間的な挙動に基づく判定を行うことができるため、高精度な判定が可能である。さらに、微分の次元数が増えると、示されるトルクの挙動数も増えるため、さらに高精度な判定が可能である。よって、接触状態検出装置100は、ステアリングホイール11への接触状態の検出精度を向上することができる。
また、実施の形態1に係る接触状態検出装置100において、状態判定部515は、ニューラルネットワークで構成されてもよい。上記構成によると、状態判定部515におけるフレキシブル且つ高精度な判定処理が、簡易に実現可能である。
また、実施の形態1に係る接触状態検出装置100は、ステアリングホイール11の回転量を検出する回転量検出部としての回転角センサ22をさらに備えてもよい。さらに、トルク微分処理部511及び角度微分処理部512はそれぞれ、トルクセンサ21及び回転角センサ22の検出値を第1取得値として、第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行ってもよい。なお、第k取得値は、トルクセンサ21の検出値にk−1次時間微分を行った第kトルク取得値と、回転角センサ22の検出値にk−1次時間微分を行った第k回転取得値としての第k角度取得値とで構成され、k=1,・・・・,nである。上記構成によると、状態判定部515は、トルクの検出値及びその時間微分値だけでなく、操舵角の検出値及びその時間微分値を用いて、ハンズオン状態又はハンズオフ状態を判定する。つまり、状態判定部515は、ステアリングホイール11及びステアリングシャフト5からなる操舵部材の2つ状態を用いて判定するため、高精度な判定が可能である。
なお、実施の形態1では、接触状態検出装置100は、トルクの検出値及び操舵角の検出値並びにこれらの時間微分値を用いて、ハンズオン状態又はハンズオフ状態を判定したがこれに限定されない。接触状態検出装置100は、トルクの検出値及びその時間微分値のみを用いて、ハンズオン状態又はハンズオフ状態を判定してもよい。ハンズオン状態では、ステアリングシャフト5にトルクが発生することが多い。このため、トルクの検出値及びその時間微分値のみを用いた判定でも、高精度な判定が可能である。
また、実施の形態1に係る接触状態検出装置100は、第1取得値から第n+1取得値にローパスフィルタを適用するフィルタ部としてのトルクフィルタ513及び角度フィルタ514をさらに備え、状態判定部515は、ローパスフィルタ適用後の第1取得値から第n+1取得値で構成されるデータを、入力データとしてもよい。上記構成によると、取得値から、ノイズ、並びに、トルクセンサ21及び回転角センサ22の誤検出等による値が除去される。よって、状態判定部515の判定精度が向上する。
また、実施の形態1に係る接触状態検出装置100において、状態判定部515は、トルク微分処理部511及び角度微分処理部512で算出された第1トルク取得値から第n+1トルク取得値及び第1角度取得値から第n+1角度取得値と、状態判定部515によって算出された過去の演算値とで構成されるデータを、入力データとしてもよい。上記構成において、上記の過去の演算値の例は、状態判定部515の判定モデルを構成するニューラルネットワークの中間層において、過去に算出された演算値である。つまり、過去の演算値は、上記トルク取得値及び角度取得値よりも過去に取得されたトルク取得値及び角度取得値を入力データとして、ニューラルネットワークの中間層が算出した演算値である。このようなニュートラルネットワークは、リカレントニューラルネットワークと呼ばれ、その出力は、第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値及び第1角度取得値〜第n+1角度取得値の経時的な挙動を考慮した出力であるため、出力精度を向上することができる。なお、過去の演算値として、ニューラルネットワークの過去の出力値が用いられてもよい。
[実施の形態1の変形例]
実施の形態1の変形例に係る接触状態検出装置では、トルクフィルタ513及び角度フィルタ514での処理が、実施の形態1と異なる。以下、本変形例について、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、実施の形態1と同様の点の説明を省略する。
図7を参照しつつ、実施の形態1の変形例に係る接触状態検出装置の構成を説明する。図7は、実施の形態1の変形例に係る接触状態検出装置の各構成要素の処理の流れの一例を示す図である。本変形例では、トルク微分処理部511は、第1トルク取得値に対して、一階時間微分をする毎にトルクフィルタ513のローパスフィルタ処理を行うことによって、第k+1トルク取得値を算出する。なお、k=1,・・・・,nである。具体的には、トルク微分処理部511は、第k+1トルク取得値を算出する場合、第kトルク取得値にローパスフィルタを適用し、ローパスフィルタ適用後の第kトルク取得値を一階時間微分することによって、第k+1トルク取得値を算出する。よって、トルク微分処理部511は、第1トルク取得値に対して、ローパスフィルタ適用とその後の一階時間微分との組み合わせの処理をk回繰り返すことによって、第k+1トルク取得値を算出し、さらに、第k+1トルク取得値にローパスフィルタ適用し、ローパスフィルタ適用後の第k+1トルク取得値を状態判定部515に出力する。第k+1トルク取得値は、n+1回のローパスフィルタ処理とn回の時間微分処理とを交互に受けることによって、生成される。
同様に、角度微分処理部512は、第1角度取得値に対して、一階時間微分をする毎に角度フィルタ514のローパスフィルタ処理を行うことによって、第k+1角度取得値を算出する。具体的には、角度微分処理部512は、第k+1角度取得値を算出する場合、第k角度取得値にローパスフィルタを適用し、ローパスフィルタ適用後の第k角度取得値を一階時間微分することによって、第k+1角度取得値を算出する。よって、角度微分処理部512は、第1角度取得値に対して、ローパスフィルタ適用とその後の一階時間微分との組み合わせの処理をk回繰り返すことによって、第k+1角度取得値を算出し、さらに、第k+1角度取得値にローパスフィルタ適用し、ローパスフィルタ適用後の第k+1角度取得値を状態判定部515に出力する。第k+1角度取得値は、k+1回のローパスフィルタ処理とk回の微分処理とを交互に受けることによって、生成される。なお、ローパスフィルタ適用と一階時間微分との組み合わせにおいて、これらの順序が上記と逆であってもよい。
状態判定部515は、実施の形態1と同様に、判定モデルを用いて判定結果を出力する。状態判定部515は、判定結果をモータ制御部517に出力する。本変形例の判定モデルは、ローパスフィルタ適用後の第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値及び第1角度取得値〜第n+1角度取得値を入力データとし、実施の形態1と同様の出力データ、つまり、ハンズオン状態又はハンズオフ状態の判定結果を出力する。判定モデルは、判定ニューラルネットワークで構成される。このような判定ニューラルネットワークも、入力信号を上記入力データと同様のデータとし、教師信号をハンズオン状態又はハンズオフ状態の判定結果とすることで、実施の形態1と同様に構築可能である。
本変形例に係る接触状態検出装置のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。また、本変形例に係る接触状態検出装置によると、実施の形態1と同様の効果が得られる。
さらに、変形例に係る接触状態検出装置において、トルクフィルタ513及び角度フィルタ514はそれぞれ、第kトルク取得値及び第k角度取得値にローパスフィルタを適用し、トルク微分処理部511及び角度微分処理部512はそれぞれ、ローパスフィルタ適用後の第kトルク取得値及び第k角度取得値を時間微分することによって、第k+1トルク取得値及び第k+1角度取得値を算出してもよい。なお、k=1,・・・・,nである。上記構成によると、第kトルク取得値及び第k角度取得値を用いて、第k+1トルク取得値及び第k+1角度取得値が算出される。さらに、算出の度にローパスフィルタが適用される。これにより、第k+1トルク取得値及び第k+1角度取得値の算出精度が向上する。よって、状態判定部515の判定精度が向上する。
また、変形例に係る接触状態検出装置は、第1トルク取得値及び第1角度取得値それぞれに対して、k+1回のローパスフィルタ処理とk回の微分処理とを交互に行うことによって、第k+1トルク取得値及び第k+1角度取得値を算出していたが、これに限定されない。ローパスフィルタ処理の回数は、k回以下であってもよい。この場合、1〜k回の微分処理のいずれに対して、ローパスフィルタ処理が適用されてもよい。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る接触状態検出装置200は、制御部251の状態判定部2515の出力が、実施の形態1と異なる。以下、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、実施の形態1と同様の点の説明を省略する。
図8及び図9を参照しつつ、実施の形態2に係る接触状態検出装置200の構成を説明する。図8は、実施の形態2に係る接触状態検出装置200の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図9は、実施の形態2に係る接触状態検出装置200の各構成要素の処理の流れの一例を示す図である。接触状態検出装置200は、トルクセンサ21と、回転角センサ22と、ECU50とを備える。ECU50は、制御部251と、駆動回路52と、電流検出部53とを備える。制御部251は、トルク微分処理部511と、角度微分処理部512と、トルクフィルタ513と、角度フィルタ514と、状態判定部2515と、記憶部516と、モータ制御部517と、決定部2518とを含む。
状態判定部2515は、実施の形態1と同様に、判定モデルを用いて判定結果を出力する。状態判定部2515は、判定結果を決定部2518に出力する。実施の形態2における判定モデルは、実施の形態1と同様の入力データが入力されると、ハンズオン状態及びハンズオフ状態の確率を示す数値を出力する。具体的には、判定モデルは、「0」から「1」の間の数値を出力する。出力値「1」である場合、ハンズオン状態である確率が100%であり、出力値「0」である場合、ハンズオフ状態である確率が100%である。出力値が「1」に近づく程、ハンズオン状態である確率が高くなり、出力値が「0」に近づく程、ハンズオフである確率が高くなる。判定モデルは、判定ニューラルネットワークで構成される。このような判定ニューラルネットワークも、入力信号を実施の形態1と同様の入力信号とし、教師信号をハンズオン状態の確率とすることで、実施の形態1と同様に構築可能である。ここで、出力値は、操舵部材に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報の一例である。
決定部2518は、状態判定部2515から取得される出力値に対して、ハンズオン状態又はハンズオフ状態を決定する。決定部2518は、出力値が閾値よりも大きい場合、ハンズオン状態であると判定し、出力値が閾値以下である場合、ハンズオフ状態であると判定する。なお、決定部2518は、出力値の継続時間を考慮してもよい。決定部2518は、出力値が閾値よりも大きい状態が所定時間以上継続する場合、ハンズオン状態であると判定し、そうでない場合、ハンズオフ状態であると判定してもよい。決定部2518は、決定結果をモータ制御部517に出力する。閾値の例は、0.5以上の値である。所定時間の例は、1秒間以上の時間である。ここで、決定部2518は、判定部の一例である。
実施の形態2に係る接触状態検出装置200のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。また、実施の形態2に係る接触状態検出装置200によると、実施の形態1と同様の効果が得られる。
さらに、実施の形態2に係る接触状態検出装置200は、状態判定部2515によって出力されるハンズオン状態又はハンズオフ状態の情報が示す値と閾値との比較結果に基づき、ハンズオン状態又はハンズオフ状態を判定する判定部としての決定部2518をさらに備えてもよい。上記構成によると、状態判定部2515がハンズオン状態又はハンズオフ状態を決定せず、ハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す値を出力する場合でも、決定部2518によってハンズオン状態又はハンズオフ状態が決定される。このため、車両毎に異なる閾値が設定される場合でも、計算量が大きい判定モデルを変更する必要がなく、同じ判定モデルの使用が可能である。よって、接触状態検出装置200の汎用性が向上する。
また、実施の形態2に係る接触状態検出装置200において、決定部2518は、ハンズオン状態又はハンズオフ状態の情報が示す値が閾値よりも大きい状態が所定時間以上継続する場合、ハンズオン状態を判定し、それ以外の場合、ハンズオフ状態を判定してもよい。上記構成によると、ハンズオン状態及びハンズオフ状態は、一瞬ではなく、ある程度の時間継続するため、決定部2518は、高い精度でハンズオン状態及びハンズオフ状態を決定することができる。
また、実施の形態2に係る接触状態検出装置200は、実施の形態1の変形例と同様に、第k+1トルク取得値及び第k+1角度取得値を算出してもよい。これにより、接触状態検出装置200の判定精度が向上し得る。
[実施の形態3]
実施の形態3に係る接触状態検出装置300は、制御部351の状態判定部3515の入力が、実施の形態1と異なる。以下、実施の形態3について、実施の形態1及び2と異なる点を中心に説明し、実施の形態1又は2と同様の点の説明を省略する。
図10及び図11を参照しつつ、実施の形態3に係る接触状態検出装置300の構成を説明する。図10は、実施の形態3に係る接触状態検出装置300の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図11は、実施の形態3に係る接触状態検出装置300の各構成要素の処理の流れの一例を示す図である。接触状態検出装置300は、トルクセンサ21と、回転角センサ22と、ECU50とを備える。ECU50は、制御部351と、駆動回路52と、電流検出部53とを備える。制御部351は、推定部3519と、微分処理部3511と、フィルタ3513と、状態判定部3515と、記憶部516と、モータ制御部517とを含む。
推定部3519は、トルクセンサ21によって検出されるトルクと、回転角センサ22によって検出される回転角とを用いて、運転者によってステアリングホイール11に加えられるドライバトルクを推定する。さらに、推定部3519は、推定したドライバトルクを微分処理部3511に出力する。出力されるドライバトルクは、ドライバトルクの値と、対応するトルク及び回転角の検出時刻とを含む。トルクセンサ21によって検出されるトルクは、運転者からの操舵入力に起因するトルク以外に、路面からの外力である負荷トルクを含み得る。さらに、運転者のステアリングホイール11の切り替えし時点では、運転者がステアリングホイール11を握っていても、トルクセンサ21によって検出されるトルクは、零になる。推定部3519は、上記のような要素を除去することによって、運転者によってステアリングホイール11に加えられるトルクであるドライバトルクを推定する。
ドライバトルクの推定方法は、特許文献2に記載されているため、その詳細を省略する。特許文献2によると、ドライバトルクは、トルクセンサ21によって検出されるトルクと、レゾルバ等の回転センサによって検出されるモータ8のロータの回転角及びその角速度とを用いて検出される。モータ8のロータの回転角は、回転角センサ22によって検出される操舵角に対応する。このため、本実施の形態では、推定部3519は、トルクセンサ21のトルクと回転角センサ22の回転角及びその角速度とを用いて、ドライバトルクを推定する。
微分処理部3511の構成は、実施の形態1のトルク微分処理部511及び角度微分処理部512の構成と同様である。微分処理部3511は、トルクセンサ21から取得されるトルク値及び回転角センサ22の角度値の代わりに、ドライバトルク値を第1取得値とする。微分処理部3511は、第1取得値に1次時間微分〜n次時間微分それぞれを行った微分値である第2取得値〜第n+1取得値を算出する。第2取得値〜第n+1取得値はそれぞれ、第1取得値の1次時間微分値〜n次時間微分値である。各微分値は、第1取得値つまりドライバトルクの挙動を示す。微分処理部3511は、算出した取得値をフィルタ3513に出力する。
フィルタ3513の構成は、実施の形態1のトルクフィルタ513及び角度フィルタ514の構成と同様である。フィルタ3513、ローパスフィルタであり、微分処理部3511から出力される第1取得値〜第n+1取得値それぞれを示す信号を取得し、当該信号それぞれから高周波成分を除去する。フィルタ3513は、高周波成分を除去後の信号を、状態判定部3515に出力する。
状態判定部3515は、実施の形態1と同様に、判定モデルを用いて判定結果を出力する。状態判定部3515は、判定結果をモータ制御部517に出力する。実施の形態3における判定モデルは、ローパスフィルタ適用後の第1取得値〜第n+1取得値それぞれを示す信号値からなるデータを入力データとし、実施の形態1と同様の出力データ、つまり、ハンズオン状態又はハンズオフ状態の判定結果を出力する。判定モデルは、判定ニューラルネットワークで構成される。このような判定ニューラルネットワークも、入力信号をドライバトルクで構成される第1取得値〜第n+1取得値とし、教師信号をハンズオン状態又はハンズオフ状態の判定結果とすることで、実施の形態1と同様に構築可能である。
実施の形態3に係る接触状態検出装置300のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。また、実施の形態3に係る接触状態検出装置300によると、実施の形態1と同様の効果が得られる。
さらに、実施の形態3に係る接触状態検出装置300は、運転者によってステアリングホイール11に加えられるドライバトルクを推定する推定部3519をさらに備え、推定部3519は、トルクセンサ21及び回転角センサ22の検出値に基づくドライバトルクを推定し、状態判定部3515は、ドライバトルクを第1取得値として、第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行ってもよい。上記構成によると、推定部3519は、運転者によってステアリングホイール11に加えられる操舵入力を、ドライバトルクとして高精度に推定することができる。そして、状態判定部3515は、このようなドライバトルクから算出されるデータを入力データとして、ハンズオン状態又はハンズオフ状態を判定するため、高精度な判定が可能である。
また、実施の形態3に係る接触状態検出装置300は、実施の形態2と同様に、決定部を備えてもよい。この場合、状態判定部3515は、ドライバトルクから算出される第1取得値〜第n+1取得値を入力データとして、ハンズオン状態及びハンズオフ状態の確率を示す数値を出力してもよい。
また、実施の形態3に係る接触状態検出装置300は、実施の形態1の変形例と同様に、ローパスフィルタ適用後の第k取得値を一次時間微分することによって、第k+1取得値を算出してもよい。これにより、接触状態検出装置300の判定精度が向上し得る。
[その他]
以上、本発明の1つ以上の態様に係る接触状態検出装置等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の1つ以上の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、実施の形態に係る接触状態検出装置において、状態判定部は、トルクセンサ21の検出値から算出される第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値と、回転角センサ22の検出値から算出される第1角度取得値〜第n+1角度取得値とを、入力データとしたが、これに限定されない。例えば、状態判定部は、第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値のみを、入力データとしてもよい。ハンズオン状態では、ステアリングシャフト5にトルクが発生することが多い。トルクセンサ21の検出値は、回転角センサ22の検出値よりも、ハンズオン状態を反映し得る。このため、第1トルク取得値〜第n+1トルク取得値のみを用いた状態判定部の判定でも、高精度な判定が可能である。
また、実施の形態に係る接触状態検出装置は、操舵機構と転舵機構とが機械的に接続されている車両用操舵装置1に備えられたが、これに限定されない。接触状態検出装置を備える車両用操舵装置は、操舵機構と転舵機構とが機械的に接続されていないステア・バイ・ワイヤシステムを構成してもよい。さらに、車両用操舵装置は、左右独立操舵可能なステア・バイ・ワイヤシステムを構成してもよい。上記ステア・バイ・ワイヤシステムでは、左右の転舵輪それぞれの転舵機構は、互いに機械的に結合されておらず、操舵機構とも機械的に結合されていない。左右の転舵機構は、各転舵機構に設けられたアクチュエータによって動作する。
また、実施の形態に係る接触状態検出装置は、車両に搭載されたが、これに限定されず、操舵部材を備えるいかなる装置等に搭載されてもよい。例えば、接触状態検出装置は、船舶、又は航空機に搭載されてもよい。
また、実施の形態において、接触状態検出装置の状態判定部のハンズオン状態及びハンズオフ状態の判定結果は、車両用操舵装置1の操舵補助の実施の可否に用いられていたが、これに限定されず、いかなる用途に用いられてもよい。例えば、車両Aが自動運転機能を有する場合、状態判定部の判定結果は、自動運転機能の稼動及び非稼動、つまりON/OFFの制御のために用いられてもよい。例えば、自動運転中に状態判定部がハンズオン状態を判定すると、自動運転機能がOFFされてもよい。又は、手動運転中に状態判定部が一定期間以上にわたるハンズオフ状態を判定すると、警告が発せられてもよい。なお、自動運転機能は、運転者の運転を支援する一部自動運転機能、並びに、操作及び判断等の運転者の行為が介入しない完全自動運転機能を含んでもよい。
また、上述したように、本発明の技術は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読取可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM等の不揮発性の記録媒体を含む。
例えば、上記実施の形態に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUなどのプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、上記構成要素の一部又は全部は、脱着可能なIC(Integrated Circuit)カード又は単体のモジュールから構成されてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記のLSI又はシステムLSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。これらICカード及びモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
また、本発明の接触状態検出方法は、例えば、車両用操舵装置の操舵部材への接触状態を検出する接触状態検出方法であって、前記操舵部材に発生するトルク値を、第1取得値として取得し、前記第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行った微分値である第2取得値から第n+1取得値を算出し、前記第1取得値から前記第n+1取得値で構成される入力データを用いて演算することによって、前記操舵部材に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報を出力し、nは、1以上の整数である。このような接触状態検出方法は、MPU(Micro Processing Unit)及びCPUなどのプロセッサ、LSIなどの回路、ICカード又は単体のモジュール等によって、実現されてもよい。
さらに、本発明の技術は、ソフトウェアプログラム又はソフトウェアプログラムからなるデジタル信号によって実現されてもよく、プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。例えば、このようなプログラムは、車両用操舵装置の操舵部材に発生するトルク値を、第1取得値として取得し、前記第1取得値に1次時間微分からn次時間微分を行った微分値である第2取得値から第n+1取得値を算出し、前記第1取得値から前記第n+1取得値で構成される入力データを用いて演算することによって、前記操舵部材に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報を出力し、nは、1以上の整数であることをコンピュータに実行させる。
また、上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを1つの機能ブロックとして実現したり、1つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
本発明に係る接触状態検出装置は、操舵部材を備える装置に有用である。
1 車両用操舵装置、5 ステアリングシャフト、11 ステアリングホイール、21 トルクセンサ(トルク検出部)、22 回転角センサ(回転量検出部)、51,251,351 制御部、100,200,300 接触状態検出装置、511 トルク微分処理部(微分処理部)、512 角度微分処理部(微分処理部)、513 トルクフィルタ(フィルタ部)、514 角度フィルタ(フィルタ部)、515,2515,3515 状態判定部(演算部)、2518 決定部(判定部)、3511 微分処理部、3513 フィルタ(フィルタ部)、3519 推定部、A 車両

Claims (11)

  1. 車両用操舵装置の操舵部材への接触状態を検出する接触状態検出装置であって、
    前記操舵部材に発生するトルクを検出するトルク検出部と、
    前記トルク検出部の検出値である第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行った微分値である第2取得値から第n+1取得値を算出する微分処理部と、
    前記第1取得値から前記第n+1取得値で構成される入力データを用いて演算することによって、前記操舵部材に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報を出力する演算部とを備え、
    nは、1以上の整数である
    接触状態検出装置。
  2. 前記演算部は、ニューラルネットワークで構成される
    請求項1に記載の接触状態検出装置。
  3. 前記第1取得値から前記第n+1取得値にローパスフィルタを適用するフィルタ部をさらに備え、
    前記演算部は、前記ローパスフィルタ適用後の前記第1取得値から前記第n+1取得値で構成されるデータを、前記入力データとする
    請求項1または2に記載の接触状態検出装置。
  4. 前記フィルタ部は、第k取得値に前記ローパスフィルタを適用し、
    前記微分処理部は、前記ローパスフィルタ適用後の前記第k取得値を時間微分することによって、前記第k+1取得値を算出し、
    k=1,・・・・,nである
    請求項3に記載の接触状態検出装置。
  5. 前記操舵部材の回転量を検出する回転量検出部をさらに備え、
    前記微分処理部は、前記トルク検出部及び前記回転量検出部の検出値を前記第1取得値として、前記第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行い、
    第k+1取得値は、前記トルク検出部の検出値にk次時間微分を行った第k+1トルク取得値と、前記回転量検出部の検出値にk次時間微分を行った第k+1回転取得値とで構成され、
    k=1,・・・・,nである
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の接触状態検出装置。
  6. 前記操舵部材の回転量を検出する回転量検出部と、
    運転者によって前記操舵部材に加えられるドライバトルクを推定する推定部とをさらに備え、
    前記推定部は、前記トルク検出部及び前記回転量検出部の検出値に基づく前記ドライバトルクを推定し、
    前記微分処理部は、前記ドライバトルクを前記第1取得値として、前記第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行う
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の接触状態検出装置。
  7. 前記演算部によって出力される前記情報が示す値と閾値との比較結果に基づき、前記ハンズオン状態又は前記ハンズオフ状態を判定する判定部をさらに備える
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の接触状態検出装置。
  8. 前記判定部は、前記情報が示す値が前記閾値よりも大きい状態が所定時間以上継続する場合、前記ハンズオン状態を判定し、それ以外の場合、前記ハンズオフ状態を判定する
    請求項7に記載の接触状態検出装置。
  9. 前記演算部は、前記微分処理部で算出された前記第1取得値から前記第n+1取得値と、前記演算部によって算出された過去の演算値とで構成されるデータを、前記入力データとする
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の接触状態検出装置。
  10. 車両用操舵装置の操舵部材への接触状態を検出する接触状態検出方法であって、
    前記操舵部材に発生するトルク値を、第1取得値として取得し、
    前記第1取得値に1次時間微分からn次時間微分それぞれを行った微分値である第2取得値から第n+1取得値を算出し、
    前記第1取得値から前記第n+1取得値で構成される入力データを用いて演算することによって、前記操舵部材に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報を出力し、
    nは、1以上の整数である
    接触状態検出方法。
  11. 車両用操舵装置の操舵部材に発生するトルク値を、第1取得値として取得し、
    前記第1取得値に1次時間微分からn次時間微分を行った微分値である第2取得値から第n+1取得値を算出し、
    前記第1取得値から前記第n+1取得値で構成される入力データを用いて演算することによって、前記操舵部材に対するハンズオン状態又はハンズオフ状態を示す情報を出力し、
    nは、1以上の整数である
    ことをコンピュータに実行させるプログラム。
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