JP2020001147A - 電動工具およびその制御方法、制御プログラム - Google Patents

電動工具およびその制御方法、制御プログラム Download PDF

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啓之 伊夫伎
Hiroyuki Ibuki
啓之 伊夫伎
充典 杉浦
Michinori Sugiura
充典 杉浦
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Abstract

【課題】使用者が自ら各種作業に適したモードを選択することなく、その作業ごとに最適なモードを自動的に選択して作業を実施することが可能な電動工具およびその制御方法、制御プログラムを提供する。【解決手段】電動工具10は、モータ16と、トリガスイッチ12と、スイッチング回路(ゲート回路13およびFETアレイ14)と、制御部20とを備えている。トリガスイッチ12は、操作量に応じてモータ16の回転速度を設定する。スイッチング回路は、複数のスイッチング素子14aを有し、モータ16に対して電力を供給する。制御部20は、トリガスイッチ12において設定された回転速度に基づいてモータ16を回転駆動させるようにスイッチング回路を制御するとともに、作業モードを推定するための試行モードを有しており、試行モードにおいて取得されたモータ16の特性値に基づいて、作業モードを推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電動工具およびその制御方法、制御プログラムに関する。
電動工具は、通常、工場出荷時に設定されたモータ制御パラメータをそのまま使用して、ネジ締め、ドリル加工等の各種作業が実施される。このため、ドリル加工やテクスネジ締め加工等において、様々な加工部材(金属や欅などの硬い材料、石膏や杉などの柔らかい材料、天然無垢木材のような不均質材、石膏ボードや集成材などの均質材)に対して、いずれも中庸の作業性しか得られないという問題があった。
例えば、特許文献1には、所定のサンプルモードにおいて学習動作を実施し、モータの使用状況を学習して制御情報(例えば、モータによる締め付け時間、電流制限値、回転数等)として記憶することで、ユーザごとに最適な駆動モードを実現できる電動工具について開示されている。
特開2015−091626号公報
しかしながら、上記従来の電動工具では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された電動工具では、使用者が所望の作業モード(例えば、「木材モード」、「ボルトモード」、「テクス用厚板モード」、「テクス用薄板モード」の4種)を選択する場合には、その都度、作業ごとに最適なモードを選択するスイッチを操作しなくてはならないという煩わしさがあった。さらに、使用者は、予め用意された作業モードの中から最適と判断した1つの作業モードを選択する必要があるため、選択できるモード数が予め用意された数種類に限定されるという問題があった。
本発明の課題は、使用者が自ら各種作業に適したモードを選択することなく、その作業ごとに最適なモードを自動的に選択して作業を実施することが可能な電動工具およびその制御方法、制御プログラムを提供することにある。
第1の発明に係る電動工具は、直流モータと、速度設定部と、スイッチング回路と、制御部と、を備えている。速度設定部は、操作量に応じて直流モータの回転速度を設定する。スイッチング回路は、複数のスイッチング素子を有し、直流モータに対して電力を供給する。制御部は、速度設定部において設定された回転速度に基づいて直流モータを回転駆動させるようにスイッチング回路を制御するとともに、作業モードを推定するための試行モードを有しており、試行モードにおいて取得された直流モータの特性値に基づいて、作業モードを推定する。
ここでは、例えば、テクスネジ締め、ドリル加工、ボルト締め、ボルト緩め等の電動工具を用いた各種作業を開始する際に、所定の試行モードにおいて、当該作業対象となる加工材料に対して電動工具を用いた作業を行い、取得された直流モータの特性値に基づいて、当該作業に最適な作業モードを推定する。
ここで、推定される作業モードとしては、例えば、テクスネジを用いた作業を行うテクスモード、ボルトを締め付けるボルト締めモード、ボルトを緩めるボルト緩めモード、長いネジ締め等を行う強モード、化粧材等のネジ締めを行う中モード、石膏ボード等へのネジ締めを行う弱モード、鉄工用ドリルを用いた鉄工ドリルモード、木工用ドリルを用いた木工ドリルモード等が含まれる。
また、試行モードに設定された状態で、当該作業の対象となる加工材料に対して作業を実施して取得される直流モータの特性値には、直流モータを流れる電流値、回転パルス等が含まれる。
これにより、作業を実施する前に、試行モードに設定された状態で当該作業を実施することで取得された特性値を用いて、当該作業に最適な作業モードを推測することができる。
よって、使用者が自ら各種作業に適したモードを選択することなく、その作業ごとに最適なモードを自動的に選択して作業を実施することができる。
第2の発明に係る電動工具は、第1の発明に係る電動工具であって、制御部は、推定された作業モードに基づいて、速度設定部の操作量に応じて直流モータを制御する。
ここでは、作業モードの推定後、作業を実施する際には、推定された作業モードが自動的に選択された状態で、速度設定部の操作量に応じて直流モータを制御する。
これにより、自動的に最適な作業モードが選択された状態で作業を開始することができる。
よって、各作業ごとに最適化された制御条件で作業を実施することができるため、作業効率を向上させることができる。
第3の発明に係る電動工具は、第1または第2の発明に係る電動工具であって、特性値には、試行モードにおいて取得された直流モータの電流値および回転パルスの少なくとも一方が含まれる。
ここでは、作業モードの推定に用いられる直流モータの特性値として、直流モータを流れる電流値および回転パルスの少なくとも一方を用いる。
これにより、試行モードにおいて取得された直流モータの電流値および/または回転パルスを用いて、最適な作業モードを推定することができる。
第4の発明に係る電動工具は、第3の発明に係る電動工具であって、制御部は、直流モータが有負荷状態になった時点の所定時間後の第1電流値、有負荷状態から無負荷状態へ変化した時点から所定時間前の第2電流値、有負荷状態となった総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点からTall1/3経過時点の第3電流値およびTall2/3経過時点の第4電流値の比、有負荷状態での総回転数の少なくとも1つの特徴量を用いて、作業モードを推定する。
ここでは、上述した直流モータの電流値から第1電流値、第2電流値、第3および第4電流値の比を求め、上述した回転パルスから有負荷状態での総回転数を求めて、これら4つの特徴量を用いて、作業モードを推定する。
ここで、これら4つの特徴量は、それぞれの作業モードにおいて特徴が現れやすい特徴量として設定される。
これにより、これら4つの特徴量の1つあるいは複数を組み合わせて作業モードの推定を行うことで、作業モードの推定の精度を向上させることができる。
第5の発明に係る電動工具は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る電動工具であって、試行モードの実施時に使用者によって操作される試行スイッチを、さらに備えている。
ここでは、作業開始前に試行モードを実施する際に、使用者によって、例えば、電動工具の外表面に設けられた試行スイッチが操作される。
これにより、最適な作業モードを推定するために実施される試行モードを実施する際に、使用者が操作しやすい位置に試行スイッチが設けられていることで、容易に試行モードを実施することができる。
第6の発明に係る電動工具は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る電動工具であって、制御部によって推定される作業モードには、テクスモード、ボルト締めモード、ボルト緩めモード、強モード、中モード、弱モード、鉄工モード、木工モードのうちの少なくとも1つが含まれる。
ここでは、推定される作業モードの一例として、テクスモード、ボルト締めモード、ボルト緩めモード、強モード、中モード、弱モード、鉄工モード、木工モードを挙げている。
これにより、各種作業モードにおいて特徴的な特性値を検出することで、各種作業に対して最適な作業モードを推定することができる。
第7の発明に係る電動工具は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る電動工具であって、制御部によって推定された作業モードを保存する記憶部を、さらに備えている。
ここでは、推定された作業モードを記憶部に保存する。
これにより、制御部によって推定され、記憶部に保存された作業モードを用いて、作業を開始することで、当該作業に最適な作業モードに自動的に設定された状態で作業を行うことができる。
第8の発明に係る電動工具は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る電動工具であって、制御部は、推定された作業モードが所定の作業モードである場合には、直流モータの電流値の変化を検出し、変化の割合が所定の閾値を超えると、直流モータの回転を停止させる。
ここでは、推定された作業モードが特定の作業モードである場合において、直流モータの電流値の変化が所定の閾値を越えると、直流モータの回転を停止させる停止制御を実施する。
ここで、特定の作業モードには、例えば、テクスネジ締めを行うテクスモード、ボルトを緩めるボルト緩めモード等が含まれる。
これにより、例えば、テクスモードにおいて、テクスネジを所望の締め付け状態まで達し、電流値が閾値を超える変化率を示した場合には、テクスネジの頭飛びや破断等を防止するために、直流モータの回転を停止させることができる。
また、例えば、ボルト緩めモードにおいて、ボルトの回転抵抗が軽くなり、電流値が所定の閾値を超える変化率を示した場合には、外れたボルトが落下してしまうことを防止するために、直流モータの回転を停止させることができる。
この結果、特定の作業モードにおいて、それ以上回転させる必要がないことを電流値の変化率によって検出することで、各作業モードにおいて最適なモータ制御を実施することができる。
第9の発明に係る電動工具は、第1から第8の発明のいずれか1つに係る電動工具であって、制御部は、試行モードにおいて取得される特性値に基づいて、作業モードを、ファジィ推論を用いて推定する。
ここでは、上述した最適な作業モードの推定を、ファジィ推論を用いて実施する。
これにより、上述した試行モードにおいて取得された特性値に基づいて、ファジィ推論を用いて、最適な作業モードの推定を実施することで、当該作業に最適な作業モードを自動的に選択して作業を実施することができる。
第10の発明に係る電動工具の制御方法は、第1から第9の発明のいずれか1つに係る電動工具の制御方法であって、試行モードにおいて、予め設定された制御条件にて直流モータを回転駆動させるステップと、試行モードにおいて、直流モータに関する特性値を取得するステップと、試行モードにおいて取得された特性値に基づいて、作業モードを推定するステップと、を備えている。
ここでは、例えば、テクスネジ締め、ドリル加工、ボルト締め、ボルト緩め等の電動工具を用いた各種作業を開始する際に、所定の試行モードにおいて、当該作業対象となる加工材料に対して電動工具を用いた作業を行い、取得された直流モータの特性値に基づいて、当該作業に最適な作業モードを推定する。
ここで、推定される作業モードとしては、例えば、テクスネジを用いた作業を行うテクスモード、ボルトを締め付けるボルト締めモード、ボルトを緩めるボルト緩めモード、長いネジ締め等を行う強モード、化粧材等のネジ締めを行う中モード、石膏ボード等へのネジ締めを行う弱モード、鉄工用ドリルを用いた鉄工ドリルモード、木工用ドリルを用いた木工ドリルモード等が含まれる。
また、試行モードに設定された状態で、当該作業の対象となる加工材料に対して作業を実施して取得される直流モータの特性値には、直流モータを流れる電流値、回転パルス等が含まれる。
これにより、作業を実施する前に、試行モードに設定された状態で当該作業を実施することで取得された特性値を用いて、当該作業に最適な作業モードを推測することができる。
よって、使用者が自ら各種作業に適したモードを選択することなく、その作業ごとに最適なモードを自動的に選択して作業を実施することができる。
第11の発明に係る電動工具の制御方法は、第10の発明に係る電動工具の制御方法であって、推定された作業モードに基づいて、速度設定部の操作量に応じて直流モータを制御するステップを、さらに備えている。
ここでは、作業モードの推定後、作業を実施する際には、推定された作業モードが自動的に選択された状態で、速度設定部の操作量に応じて直流モータを制御する。
これにより、自動的に最適な作業モードが選択された状態で作業を開始することができる。
よって、各作業ごとに最適化された制御条件で作業を実施することができるため、作業効率を向上させることができる。
第12の発明に係る電動工具の制御方法は、第10または第11の発明に係る電動工具の制御方法であって、特性値には、試行モードにおいて取得された直流モータの電流値および回転パルスの少なくとも一方が含まれる。
ここでは、作業モードの推定に用いられる直流モータの特性値として、直流モータを流れる電流値および回転パルスの少なくとも一方を用いる。
これにより、試行モードにおいて取得された直流モータの電流値および/または回転パルスを用いて、最適な作業モードを推定することができる。
第13の発明に係る電動工具の制御方法は、第12の発明に係る電動工具の制御方法であって、作業モードを推定するステップでは、直流モータが有負荷状態になった時点の所定時間後の第1電流値、有負荷状態から無負荷状態へ変化した時点から所定時間前の第2電流値、有負荷状態となった総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点からTall1/3経過時点の第3電流値およびTall2/3経過時点の第4電流値の比、有負荷状態での総回転数の少なくとも1つの特徴量を用いて、作業モードを推定する。
ここでは、上述した直流モータの電流値から第1電流値、第2電流値、第3および第4電流値の比を求め、上述した回転パルスから有負荷状態での総回転数を求め、これら4つの特徴量を用いて、作業モードを推定する。
ここで、これら4つの特徴量は、それぞれの作業モードにおいて特徴が現れやすい特徴量として設定される。
これにより、これら4つの特徴量の1つあるいは複数を組み合わせて作業モードの推定を行うことで、作業モードの推定の精度を向上させることができる。
第14の発明に係る電動工具の制御方法は、第10から第13の発明のいずれか1つに係る電動工具の制御方法であって、推定される作業モードには、テクスモード、ボルト締めモード、ボルト緩めモード、強モード、中モード、弱モード、鉄工モード、木工モードのうちの少なくとも1つが含まれる。
ここでは、推定される作業モードの一例として、テクスモード、ボルト締めモード、ボルト緩めモード、強モード、中モード、弱モード、鉄工モード、木工モードを挙げている。
これにより、各種作業モードにおいて特徴的な特性値を検出することで、各種作業に対して最適な作業モードを推定することができる。
第15の発明に係る電動工具の制御方法は、第10から第14の発明のいずれか1つに係る電動工具の制御方法であって、推定された作業モードが所定の作業モードである場合には、直流モータの電流値の変化を検出し、変化の割合が所定の閾値を超えると、直流モータの回転を停止させるステップを、さらに備えている。
ここでは、推定された作業モードが特定の作業モードである場合において、直流モータの電流値の変化が所定の閾値を越えると、直流モータの回転を停止させる停止制御を実施する。
ここで、特定の作業モードには、例えば、テクスネジ締めを行うテクスモード、ボルトを緩めるボルト緩めモード等が含まれる。
これにより、例えば、テクスモードにおいて、テクスネジを所望の締め付け状態まで達し、電流値が閾値を超える変化率を示した場合には、テクスネジの頭飛びや破断等を防止するために、直流モータの回転を停止させることができる。
また、例えば、ボルト緩めモードにおいて、ボルトの回転抵抗が軽くなり、電流値が所定の閾値を超える変化率を示した場合には、外れたボルトが落下してしまうことを防止するために、直流モータの回転を停止させることができる。
この結果、特定の作業モードにおいて、それ以上回転させる必要がないことを電流値の変化率によって検出することで、各作業モードにおいて最適なモータ制御を実施することができる。
第16の発明に係る電動工具の制御方法は、第10から第15の発明のいずれか1つに係る電動工具の制御方法であって、作業モードの推定には、ファジィ推論が用いられる。
ここでは、上述した最適な作業モードの推定を、ファジィ推論を用いて実施する。
これにより、上述した試行モードにおいて取得された特性値に基づいて、ファジィ推論を用いて、最適な作業モードの推定を実施することで、当該作業に最適な作業モードを自動的に選択して作業を実施することができる。
第17の発明に係る電動工具の制御プログラムは、第1から第9の発明のいずれか1つに係る電動工具の制御プログラムであって、試行モードにおいて、予め設定された制御条件にて直流モータを回転駆動させるステップと、試行モードにおいて、直流モータに関する特性値を取得するステップと、試行モードにおいて取得された特性値に基づいて、作業モードを推定するステップと、を備えた電動工具の制御方法を、コンピュータに実行させる。
ここでは、例えば、テクスネジ締め、ドリル加工、ボルト締め、ボルト緩め等の電動工具を用いた各種作業を開始する際に、所定の試行モードにおいて、当該作業対象となる加工材料に対して電動工具を用いた作業を行い、取得された直流モータの特性値に基づいて、当該作業に最適な作業モードを推定する。
ここで、推定される作業モードとしては、例えば、テクスネジを用いた作業を行うテクスモード、ボルトを締め付けるボルト締めモード、ボルトを緩めるボルト緩めモード、長いネジ締め等を行う強モード、化粧材等のネジ締めを行う中モード、石膏ボード等へのネジ締めを行う弱モード、鉄工用ドリルを用いた鉄工ドリルモード、木工用ドリルを用いた木工ドリルモード等が含まれる。
また、試行モードに設定された状態で、当該作業の対象となる加工材料に対して作業を実施して取得される直流モータの特性値には、直流モータを流れる電流値、回転パルス等が含まれる。
これにより、作業を実施する前に、試行モードに設定された状態で当該作業を実施することで取得された特性値を用いて、当該作業に最適な作業モードを推測することができる。
よって、使用者が自ら各種作業に適したモードを選択することなく、その作業ごとに最適なモードを自動的に選択して作業を実施することができる。
本発明に係る電動工具によれば、使用者が自ら所望のモードを選択することなく、最適なモードで作業を実施することができる。
本発明の一実施形態に係る電動工具の構成を示す制御ブロック図。 (a)は、図1の電動工具の記憶部に保存されているトリガスイッチの操作量と目標回転速度との関係を示すテーブル。(b)は、そのテーブルのグラフ。 図1の電動工具の制御方法の流れを示すフローチャート。 図3の初期設定の流れを示すローチャート。 (a)および(b)は、図1の電動工具のトリガスイッチの操作量と出力Dutyとのデフォルト状態での関係を示すテーブルおよびグラフ。 図3の試行モードでの処理の流れを示すフローチャート。 図3の作業モード推定の処理の流れを示すフローチャート。 (a)〜(d)は、電流値と回転パルスとを用いた各パラメータと各作業モードとの関係を示すメンバシップ関数を示すグラフ。 電流値と回転パルスとを用いた各パラメータと各作業モードとの関係をメンバシップ関数の数値として示したテーブル。 (a)〜(d)は、電流値と回転パルスとを用いた各パラメータと各作業モードとの関係を示すメンバシップ関数を用いた適合度の算出方法を示すグラフ。 各作業モードにおける電動工具のトリガスイッチの操作量と出力Dutyとの関係を示すグラフ。 (a)は、テクスネジモードを示す図。(b)は、テクスネジモードにおける段階的な作業を示す図。(c)は、テクスネジモードにおけるモータ電流とモータ速度との関係を示すグラフ。(d)は、テクスネジモードにおけるトリガスイッチのON/OFFを示すグラフ。(e)は、テクスネジモードにおける方向スイッチの正転/反転を示すグラフ。 (a)は、ボルト締め作業の様子を示す図。(b)は、ボルト作業におけるモータ電流とモータ速度との関係を示すグラフ。(c)は、ボルト締め作業におけるトリガスイッチのON/OFFを示すグラフ。(d)は、ボルト締め作業における方向スイッチの正転/反転を示すグラフ。 (a)は、ボルト緩め作業の様子を示す図。(b)は、ボルト緩め作業におけるモータ電流とモータ速度との関係を示すグラフ。(c)は、ボルト緩め作業におけるトリガスイッチのON/OFFを示すグラフ。(d)は、ボルト緩め作業における方向スイッチの正転/反転を示すグラフ。 (a)は、タッピングネジ締め(下穴あり)作業の様子を示す図。(b)は、タッピングネジ締め作業におけるモータ電流とモータ速度との関係を示すグラフ。(c)は、タッピングネジ締め作業におけるトリガスイッチのON/OFFを示すグラフ。(d)は、タッピングネジ締め作業における方向スイッチの正転/反転を示すグラフ。 (a)は、鉄工用ドリルを用いた作業の様子を示す図。(b)は、鉄工用ドリルを用いた作業におけるモータ電流とモータ速度との関係を示すグラフ。(c)は、鉄工用ドリルを用いた作業におけるトリガスイッチのON/OFFを示すグラフ。(d)は、鉄工用ドリルを用いた作業における方向スイッチの正転/反転を示すグラフ。 (a)は、木工用ドリルを用いた作業の様子を示す図。(b)は、木工用ドリルを用いた作業におけるモータ電流とモータ速度との関係を示すグラフ。(c)は、木工用ドリルを用いた作業におけるトリガスイッチのON/OFFを示すグラフ。(d)は、木工用ドリルを用いた作業における方向スイッチの正転/反転を示すグラフ。 図3の試行結果実行モードの処理の流れを示すフローチャート。
本発明の一実施形態に係る電動工具について、図1〜図18を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態に係る電動工具10は、バッテリ11から電力を供給されるブラシレスモータ(モータ16)によって、先端部分に装着されたドライバ、ドリル等の先端工具を回転駆動させる。そして、電動工具10は、図1に示すように、バッテリ(電源部)11、トリガスイッチ(速度設定部)12、スイッチング回路(ゲート回路13、FET(Field Effect Transistor)アレイ14)、電流検出抵抗15、モータ16、磁極位置検出回路17、試行スイッチ18、および制御部20を備えている。
バッテリ(電源部)11は、例えば、電動工具10の把持部分に装着される交換可能な充電池であって、電動工具10の電源として使用される。また、バッテリ11は、図1に示すように、FETアレイ14と制御部20とに接続されており、それぞれに電力を供給する。
なお、図示は省略したが、電動工具10の駆動装置内には、バッテリ11の電圧を所定の定電圧Vcc(例えば、5V)に降圧した定電圧電源を生成する定電圧電源装置が設けられている。定電圧電源(Vcc)は、制御部20を含む当該駆動装置内の所定の回路を動作させるための電源として用いられる。
トリガスイッチ(速度設定部)12は、電動工具10のモータ16を、操作量(引込み量)に応じた回転速度で回転駆動させるための操作部分であって、図1に示すように、可変抵抗器を含む。可変抵抗器は、その一端が定電圧Vccに、他端がグランドラインに接続されている。トリガスイッチ12は、いわゆるポテンショメータとして構成されており、定電圧Vccを電源として、トリガスイッチ12の操作量に応じた電圧(トリガ操作量信号)を、制御部20のトリガ操作量信号入力ポートに入力する。
ゲート回路13は、FETアレイ14とともにスイッチング回路を構成し、図1に示すように、FETアレイ14内の各スイッチング素子14aを個々にオン/オフさせるために設けられている。そして、ゲート回路13に含まれる6つのゲートドライバ13aは、制御部20によって制御される。
FETアレイ14は、図1に示すように、モータ16の各相の端子とバッテリ11の正極側とを接続するハイサイドスイッチと、同じくモータ16の各相の端子とバッテリ11の負極側とを接続するローサイドスイッチと、を含む6つのスイッチング素子14aからなるハーフブリッジ回路として構成されている。
また、FETアレイ14を構成するスイッチング素子14aは、nチャネルのFETによって構成されている。各スイッチング素子14aには、ゲート−ソース間に閾値以上の駆動電圧を印加することで、各スイッチング素子14aをオンさせるゲート回路13が接続されている。
電流検出抵抗15は、モータ16に流れる電流を検出するために設けられており、図1に示すように、後述する電流演算部25と接続されている。
モータ16は、図1に示すように、3相(U相、V相、W相)ブラシレスモータによって構成されており、各相の端子は、FETアレイ14を介して、直流電源としてのバッテリ11に接続されている。そして、モータ16は、3つのコイル16aと3つのホールIC(またはホール素子)16bと回転子16cとを有している。
コイル16aは、3相(U相、V相、W相)の各相ごとに設けられており、ロータ側の回転子16cに近接する位置であって、ステータ側に配置されている。
ホールIC(またはホール素子)16bは、モータ16の回転位置に応じて(すなわち、モータ16が所定量回転する毎に)、磁極位置検出回路17を介して、制御部20へパルス信号を出力する。
回転子16cは、ドリル等の先端工具が装着され、図1に示すように、一対のN極と一対のS極とを含む永久磁石が埋め込まれて構成されており、3つのコイル16aに対して対向配置されている。
磁極位置検出回路17は、図1に示すように、3つのホールIC16bの出力信号に基づいて、3相(U相、V相、W相)のコイル16aと回転子16cとの位置関係を検出する。そして、磁極位置検出回路17は、検出した結果を、制御部20(回転カウンタ23)へ送信する。
試行スイッチ18は、例えば、電動工具10の外表面に設けられたボタン式のスイッチである。そして、試行スイッチ18は、図1に示すように、作業モード推定部24に接続されており、使用者によって操作されると、作業モード推定部24に対して、作業モードを推定するための試行モードを実行する信号を送信する。
制御部20は、電動工具10のモータ16を回転駆動する際の制御条件に従って、モータ16の回転駆動を制御する。
本実施形態の電動工具10では、制御部20が、モータ16の回転位置を検出する磁極位置検出回路17からのパルス信号に基づいてモータ16の回転位置、現在速度を演算する。そして、制御部20は、現在の回転速度がトリガスイッチ12の操作量よって定まる目標回転速度と一致するように、モータ16をPWM(Pulse Width Modulation)制御する。
ここで、制御部20は、トリガスイッチ12が操作されてON状態になると、モータ16に含まれるホールIC16bからの検出信号に基づいて、ゲート回路13を介してFETアレイ14内の各スイッチング素子14aをON/OFFさせる。これにより、制御部20は、モータ16の各相のコイル16aへの通電電流を制御して、モータ16を所定の方向へ所定の回転速度になるように回転駆動させる。そして、制御部20は、ゲート回路13に対して、各スイッチング素子14aを駆動するための制御信号を入力する。
制御部20に取り込まれたトリガ操作量信号は、テーブル参照部21に入力され、記憶部26に保存されている各作業モードのテーブルが参照されて、出力Dutyに変換される。
図2(a)は、トリガスイッチ12の操作量に対する目標回転速度の関係を示す目標回転速度テーブルの一例を示す。トリガスイッチ12の操作量に対するモータ16の目標回転速度は、図2(b)のグラフに示すように、操作量が増加するに従って、増加(一部不変)するように設定される。
本実施形態の電動工具10では、このような構成により、使用者がトリガスイッチ12を操作すると(例えば、少量引くと)、可変抵抗器からのトリガ操作量信号に従って出力Dutyが設定され、モータ16のPWM制御が開始される。すなわち、トリガスイッチ12の操作量が大きいほど、モータ16が高速で回転するように、つまり駆動デューティ比が高くなるように、FETアレイ14の駆動デューティ比が調整される。
また、本実施形態の電動工具10では、制御部20が、ホールIC16bからのパルス信号に基づいて、モータ16の転流制御を行うとともに、同パルス数をカウントする。また、制御部20は、トリガスイッチ12の操作量、「トリガスイッチ操作量−出力Dutyテーブル」、記憶部26に予め記憶された各種作業モード等に基づいて、モータ16をPWM制御する。
より具体的には、制御部20は、図1に示すように、テーブル参照部21、操作量演算部22、回転カウンタ23、作業モード推定部24、電流演算部25、記憶部26、およびPWM信号生成部27を備えている。
テーブル参照部21は、記憶部26に保存された目標回転速度テーブル(グラフ)(図2(a)および図2(b)参照)を参照して、現在のトリガスイッチ12の操作量に対応する目標回転速度を求める。そして、テーブル参照部21は、操作量演算部22へ目標回転速度を送信する。
また、テーブル参照部21は、後述する作業モード推定部24からテーブル指定信号を受信して、作業モード推定部24において推定された作業モードに対応する目標回転速度テーブル(例えば、グラフの傾き等)を指定する。なお、作業モード推定部24における作業モードの推定については、後段にて詳述する。
操作量演算部22は、テーブル参照部21から受信したトリガスイッチ12の操作量に対応するモータ16の目標回転速度を受信して、目標回転速度でモータ16を回転させるように、PWM信号生成部27へデューティ比を送信する。また、操作量演算部22は、作業モード推定部24において推定された作業モードが特定の作業モードであって、かつ所定の停止条件を満たす場合には、作業モード推定部24からモータ16の回転を停止させる停止制御信号を受信する。なお、停止制御についても、後段にて詳述する。
回転カウンタ23は、磁極位置検出回路17と接続されており、磁極位置検出回路17から受信した検出結果に基づいて、現在のモータ16の実際の回転速度を演算する。そして、回転カウンタ23は、演算した実際の回転速度を、記憶部26へ送信する。
作業モード推定部24は、試行スイッチ18から受信した試行モードを実行する信号を受信すると、試行モードにおいて取得されたモータ16の電流値および回転パルスを、記憶部26から読み出して、作業モードの推定を行う。
ここで、本実施形態において、作業モード推定部24によって推定される作業モードには、例えば、テクスモード、ボルト締めモード、ボルト緩めモード、強モード、中モード、弱モード、鉄工モード、木工モードが含まれる。
テクスモードとは、テクスネジを用いた作業(図12(a)参照)を実施するためのモードであって、締め付け過ぎによるテクスネジのネジ頭への負荷を低減するように制御される。
ボルト締めモードとは、ボルトを締め付ける作業(図13(a)参照)を実施するためのモードであって、作業開始当初から負荷トルクが小さく、締め付けが完了すると負荷トルクが上昇することを想定した制御が行われる。
ボルト緩めモードとは、締結されたボルトを緩める作業(図14(a)参照)を実施するためのモードであって、作業開始当初は負荷トルクが大きく、ボルトが緩むと負荷トルクが一気に低下することを想定した制御が行われる。
強モードとは、例えば、長いネジを用いた作業等を実施するためのモードであって、作業開始からデフォルトの設定よりも高速回転するように制御される。
中モードとは、例えば、石膏ボード貼りや化粧材へのネジ締め等の作業(図15(a)参照)を実施するためのモードであって、デフォルトの設定よりもやや低速で回転するように制御される。
弱モードとは、例えば、石膏ボードへの仕上げのネジ締め等の作業を実施するためのモードであって、中モードの設定よりもさらに低速で回転するように制御される。
鉄工モードとは、鉄工用ドリルを用いた作業(図16(a)参照)を実施するためのモードであって、作業開始当初はゆっくり締め始め、徐々に回転速度を上げていくように制御される。
木工モードとは、木工用ドリルを用いた作業(図17(a)参照)を実施するためのモードであって、作業開始当初はゆっくり締め始め、鉄工モードよりも低い回転速度で、徐々に回転速度を上げていくように制御される。
本実施形態の電動工具10では、試行スイッチ18を操作して設定された試行モードにおいて作業を実施した結果、取得されたモータ16の特性値(電流値および回転パルス)を用いて、作業モード推定部24が、当該作業に最適な作業モードを推定する。なお、作業モードの推定処理については、後段にて詳述する。
電流演算部25は、図1に示すように、FETアレイ14と電流検出抵抗15との間に接続されており、モータ16を流れる電流を演算する。そして、電流演算部25は、演算結果(電流値)を、記憶部26へ送信する。
記憶部26は、図2(a)に示すトリガスイッチ12の操作量とモータ16の目標回転数との関係を示すテーブル、および図5(a)に示すトリガスイッチ12の操作量と出力Dutyとの関係を示すテーブルを保存する。さらに、本実施形態では、記憶部26は、回転カウンタ23から受信したモータ16の回転パルス、電流演算部25から受信したモータ16の電流値、および後述する電動工具10の制御方法を実施するための制御プログラムを保存する。
PWM信号生成部27は、テーブル参照部21から受信したトリガスイッチ12のトリガ操作量信号に基づいて、記憶部26に保存されている各作業モードのテーブルが参照されて、出力Dutyに変換される。
また、PWM信号生成部27は、作業モード推定部24において作業モードが推定された後には、推定された作業モードに応じて、出力Dutyが出力される。
<作業モードの推定>
本実施形態の電動工具10では、図3に示すフローチャートに従って、試行モードに設定された状態で実施された作業時に取得された電流値および回転パルスを用いて、当該作業に最適な作業モードを推定する。そして、推定結果に基づいて、自動的に設定された作業モードによって、当該作業を行う。
すなわち、ステップS1では、電動工具10に充電済みのバッテリ11が接続されると初期設定が行われる。
初期設定は、図4に示すフローチャートに従って実施される。
具体的には、ステップS11において、試行結果データがリセットされる。
ステップS12では、回転カウンタ23をクリアする処理が実施される。これにより、制御部20の動作に必要な各種の初期化処理が行われる。
初期設定が完了すると、再び、図3に示すフローチャートに戻る。
ステップS2では、制御部20が、使用者によってトリガスイッチ12が操作され、ON状態となるまで待機する。ここで、使用者によってトリガスイッチ12が操作されると、ステップS3へ進む。
ステップS3では、試行スイッチ18が操作されて、ON状態になっているか否かを判定する。ここで、試行スイッチ18がON状態である場合には、ステップS9へ進み、試行モードを実行する。一方、試行スイッチ18がON状態でなければ、ステップS4へ進む。
ステップS4では、試行スイッチ18がOFF状態であるため、試行結果データが保持されているか確認する。ここで、試行結果データが保持されている場合には、ステップS10へ進み、試行結果実行モードを実行する。一方、試行結果データが保持されていない場合には、ステップS5へ進む。
ステップS5では、トリガスイッチ12の操作量が読み出される。具体的には、トリガスイッチ12で抵抗分圧された電位が、A/Dコンバータを介して制御部20へ取り込まれる。
ステップS6では、読み出されたトリガスイッチ12の操作量に比例した出力Dutyが出力される(図5(a)および図5(b)参照)。
ステップS7では、トリガスイッチ12が操作されなくなるまで、ステップS5からステップS7の処理を繰り返し行う。
そして、ステップS7において、トリガスイッチ12が開放された状態(OFF状態)になると、出力Duty=0を出力する。
ステップS8では、モータ16の回転を停止させた後、ステップS2に戻って、ステップS2以降の処理を繰り返す。
次に、ステップS3において試行スイッチ18が操作されてON状態であり、ステップS9の試行モードを実行する場合の処理について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS21では、制御部20は、磁極位置検出回路17の出力パルスカウンタをリセットする。
ステップS22では、制御部20は、トリガスイッチ12の操作量を読み出す。すなわち、制御部20は、トリガスイッチ12で抵抗分圧された電位を、A/Dコンバータ(図示せず)を介して取り込む。
ステップS23では、制御部20は、読み出されたトリガスイッチ12の操作量に比例した出力Dutyを出力する。
ステップS24では、制御部20は、電流演算部25において算出されたモータ16の電流値および回転カウンタ23において得られた回転数を、時系列データとして記憶部26に保存させる。
ステップS25では、トリガスイッチ12が操作された状態(ON状態)が継続している場合には、ステップS22へ戻り、それ以降の動作を繰り返し行う。一方、トリガスイッチ12が開放された状態(OFF状態)である場合には、制御部20は、出力Duty=0を出力して、モータ16の回転を停止させる。
続いて、ステップS3において試行スイッチ18が操作されてON状態、かつステップS4において試行結果データがある場合に、ステップS10の試行結果実行モードを実行する場合の処理について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、試行結果実行モードでは、ステップS9において、試行モードが実行された後、試行モードにおいて取得されたモータ16の電流値と回転カウンタ23から取得された回転パルスとの時系列のデータを用いて、下記5つの値を抽出する。
(1)有負荷状態となった時点から0.5秒後の電流値ion(第1電流値)
なお、負荷の有無は、電流値に閾値を設け(例えば1.0A)、それ以上ならば、有負荷、それ未満なら無負荷と判断する。
(2)有負荷状態から無負荷状態へ変化する時点の0.5秒前の電流値をioff(第2電流値)
(3)有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall1/3経過時点の電流値をi(第3電流値)
(4)有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall2/3経過時点の電流値をi(第4電流値)
(5)有負荷下の総回転数N(回転パルスを積算カウント)
具体的には、ステップS31では、制御部20は、モータ16が有負荷状態となった時点から0.5秒後の電流値ionを抽出する。
ステップS32では、制御部20は、モータ16が有負荷状態から無負荷状態へ変化した時点から0.5秒前の電流値ioffを抽出する。
ステップS33では、制御部20は、モータ16の有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall1/3経過時点の電流値iを抽出する。
ステップS34では、制御部20は、モータ16の有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall2/3経過時点の電流値iを抽出する。
ステップS35では、制御部20は、モータ16の有負荷状態における回転パルスを積算カウントして、総回転数Nを抽出する。
ステップS36では、制御部20は、ファジィ推論を実行し、試行モードにおいて取得されたモータ16の特性値から抽出された上記5つの値(ion,ioff,i,i,N)を用いて、当該作業に最適な作業モードを推定する。
ステップS37では、制御部20は、試行モードを実行した結果(推定された作業モード)を、記憶部26に保存させて、処理を終了する。
<ファジィ推論>
本実施形態の電動工具10では、上述したように、作業モードの推定を行う際に、ファジィ推論を用いる。
ファジィ推論を用いた作業モードの推定では、まず初めに、先に求められた5つの値から算出された以下の4つの特徴量ion,ioff,i/i,Nを、図8(a)〜図8(d)に示す各作業モードに対応するメンバシップ関数として定めておく。
なお、図8(a)〜図8(d)に示すメンバシップ関数は、各作業モードの適合度を、度合い(0〜1.0)で示したものである。
このようにファジィ推論のメンバシップ関数を用いることで、各作業モードの適合度を、実際の作業中に取得された特性値(電流値、回転パルス)と結びつけることができる。
本実施形態において推定される作業モードしては、上述したように、以下の8つの作業モードが想定されている。
(a)テクスモード(スクリューネジ)
(b)ボルト締めモード
(c)ボルト緩めモード
(d)強モード(長ネジ、コーチネジ)
(e)中モード(石膏ボード、化粧材貼り)
(f)弱モード(小径の機械ネジ)
(g)鉄工モード(鉄工用ドリル)
(h)木工モード(木工用ドリル)
なお、図8(a)〜図8(d)に示すメンバシップ関数において、各作業モードを上下に併記している箇所については、これらの作業モードを示すラインが重なっていることを意味する。
ファジィ推論では、4つの特徴量をメンバシップ関数にあてはめて、各作業モードの適合ポイントを求める。次に、作業モード毎に4つの適合ポイントが合計される。そして、合計された適合ポイントが最大となった作業モードが、試行結果として記憶される。
なお、電流値ionと上記8つの作業モードとは、メンバシップ関数において、図8(a)に示すように表される。
つまり、図8(a)では、電流値ionが5A以下と小さい場合には、(b)ボルト締めモード、あるいは(f)弱モードの適合ポイントが加算される。そして、電流値ionが2〜10Aの範囲にある場合には、(a)テクスモード、(d)強モード、(e)中モード、(h)木工モード、(g)鉄工モードの適合ポイントが加算される。そして、電流値ionが18A以上と大きい場合には、(c)ボルト緩めモードの適合ポイントが加算される。
電流値ioffと上記8つの作業モードとは、メンバシップ関数において、図8(b)に示すように表される。
つまり、図8(b)では、電流値ioffが10A以下と小さい場合には、(c)ボルト緩めモード、(h)木工モードの適合ポイントが加算される。電流値ioffが20A以下である場合には、(f)弱モード、(g)鉄工モードの適合ポイントが加算される。さらに、電流値ioffが10〜30Aの範囲にある場合には、(e)中モードの適合ポイントが加算される。また、電流値ioffが10〜40Aの範囲にある場合には、(a)テクスモードの適合ポイントが加算される。さらに、電流値ioffが20A以上である場合には、(b)ボルト締めモード、(d)強モードの適合ポイントが加算される。
電流値の比(i/i)と上記8つの作業モードとは、メンバシップ関数において、図8(c)に示すように表される。
つまり、図8(c)では、i/iが0.8より小さい場合には、(d)強モード、(g)鉄工モードの適合ポイントが加算される。そして、i/iが0.7から0.9の範囲にある場合には、(e)中モード、(h)木工モードの適合ポイントが加算される。さらに、i/iが0.85から1.0の範囲にある場合には、(f)弱モードの適合ポイントが加算される。さらに、i/iが0.9から1.1の範囲にある場合には、(b)ボルト締めモード、(c)ボルト緩めモードの適合ポイントが加算される。そして、i/iが1.0以上である場合には、(a)テクスモードの適合ポイントが加算される。
総回転数Nと上記8つの作業モードとは、メンバシップ関数において、図8(d)に示すように表される。
つまり、図8(d)では、総回転数Nが6より小さい場合には、(c)ボルト緩めモードの適合ポイントが加算される。また、総回転数Nが9より小さい場合には、(f)弱モードの適合ポイントが加算される。さらに、総回転数Nが4から11の範囲である場合には、(a)テクスモードの適合ポイントが加算される。総回転数Nが7から15の範囲である場合には、(e)中モード、(h)木工モードの適合ポイントが加算される。さらに、総回転数Nが11より大きい場合には、(d)強モード、(g)鉄工モードの適合ポイントが加算される。さらに、総回転数Nが12よりも大きい場合には、(b)ボルト締めモードの適合ポイントが加算される。
ここで、ファジィ推論において、各作業モードの適合度の算出について、具体的に説明すれば以下の通りである。
ここでは、図9に示すように、4つの特徴量(ion,ioff,i/i,N)について、それぞれ、3A、12A、9/4=2.3、8の場合について説明する。
4つの特徴量から、各作業モードの適合度を算出した結果、図9に示すように、ionについては、(a)テクスモードの適合度は0.2、(b)ボルト締めモード、(e)中モード、(h)木工モードの適合度は0.3、(f)弱モードの適合度は0.6、その他の作業モードの適合度は0であった。
これらの適合度は、図10(a)〜図10(d)に示すメンバシップ関数から得ることができる。
4つの特徴量のうち、電流値ionについては、図10(a)に示すように、(a)テクスモードの適合度は0.2、(b)ボルト締めモード、(e)中モード、(h)木工モードの適合度は0.3、(f)弱モードの適合度は0.6、その他の作業モードの適合度は0であった。
次に、電流値ioffについては、図10(b)に示すように、(e)中モードの適合度は0.1、(a)テクスモードの適合度は0.2、(f)弱モードおよび(g)鉄工モードの適合度は0.6、その他の作業モードの適合度は0であった。
次に、i/iについては、図10(c)に示すように、(a)テクスモードの適合度は1.0、その他の作業モードの適合度は0であった。
次に、総回転数Nについては、図10(d)に示すように、(e)中モード、(f)弱モード、(h)木工モードの適合度は0.3、(a)テクスモードの適合度は0.9、その他の作業モードの適合度は0であった。
以上の4つの特徴量を用いて算出された各作業モードの適合度は、図9に示すように、(a)テクスモード=2.3
(b)ボルト締めモード=0.3
(c)ボルト緩めモード=0
(d)強モード=0
(e)中モード=0.7
(f)弱モード=1.5
(g)鉄工モード=0.6
(h)木工モード=0.6
であった。
本実施形態の電動工具10では、以上のように、各作業モードの適合度を数値として求めることで、最も大きい数値の作業モードを最も可能性が高いものとし、これを推定結果として採用する。よって、上記の例では、最も大きい数値2.3の適合度になった(a)テクスモードが推定される。
よって、図3に示すステップS10の試行結果実行モードでは、図9の試行モードにおいて推定された(a)テクスモードに対応するトリガスイッチ12の操作量と出力Dutyとの関係を示すグラフ(図11参照)が選択されて、モータ16を最適な制御条件によって制御することができる。
すなわち、図11に示すように、推定された(a)テクスモードでは、デフォルトのグラフと比較して、作業開始直後から低速回転となるように出力Dutyが調整され、トリガスイッチ12の操作量が大きくなると、出力Dutyが一定となる期間を経て、徐々に出力Dutyを上昇させていき、出力Duty=70%に達すると、それ以上の出力にならないように制御される。
これにより、テクスネジを用いた作業を実施する際に、テクスネジを締めすぎてネジ頭を飛ばしてしまう等の作業上の課題を解消して、適切な作業を実施することができる。また、試行モード中に取得された電流値および回転パルスを用いて推定された作業モードに対応するテーブルまたはグラフ(図11参照)に従ってモータ16の制御を行うことで、各作業の作業性を向上させることができる。
なお、図11に示すグラフでは、デフォルト用のグラフに加えて、(a)テクスモード、(b)ボルト締めモード、(c)ボルト緩めモード、(d)強モード、(e)中モード、(f)弱モード、(g)鉄工モード、(h)木工モード用のグラフを示している。
そして、図11では、(b)ボルト締めモード用のグラフと(c)ボルト緩めモード用のグラフとが重ねて表示されているものとする。
<各作業の特性>
本実施形態の電動工具10では、試行モードにおいて取得された電流値および回転パルスを用いて、以下のファジィルールに従って、作業モードの推定を行う。
ルール(1)モータ16の回転速度が速く、電流値が小さく、最後に電流値が急上昇する場合、「ボルト締め」作業と推定する。
ルール(2)作業開始当初からモータ16の回転負荷が極めて大きく、その後、一挙に低下するとともに、トリガスイッチ12がOFFになるまで電流ピークがない場合、「ボルト緩め」作業と推定する。
ルール(3)作業開始当初は、モータ16の回転負荷が小さく、そのあと漸増し、最後に急増する(突当り)場合、「ネジ締め」作業と推定する。
ルール(4)作業開始当初は、モータ16の回転負荷が大きく、そのあと漸減し、最後に急減する(抜け)場合、「ネジ緩め(ネジ外し)」作業と推定する。
ルール(5)作業開始当初は、モータ16の回転負荷が小さく、そのあと漸増する場合、「厚板へのドリル穴あけ」作業と推定する。
ルール(6)作業開始当初は、モータ16の回転負荷が小さく、そのあと漸増し、最後に急減する(抜け)場合、「薄板へのドリル穴あけ」作業と推定する。
本実施形態では、各作業中に取得される以下の特性値(モータ16の電流値、回転速度等)を用いて、上記ファジィルール(1)〜(6)に基づいて、作業モードの推定が行われる。
なお、以下の説明では、(d)強モードおよび(f)弱モードが推定される場合については、(e)中モードとほぼ同様であることから、その説明を省略する。
(a)テクスモード
テクスモードは、先端工具としてドライバを装着し、図12(a)に示すように、テクスネジを用いた作業(参照)を実施するためのモードであって、作業完了時における締め付け過ぎによるテクスネジのネジ頭への負荷を低減するように制御される。
テクスネジを用いた作業は、図12(b)に示すように、加工材料の表面への接触、下穴開け、タップ立て、締め付けという4段階で行われる。
このとき、モータ16の電流値は、図12(c)に示すように、テクスネジが作業材料の表面に接触してから上昇し、下穴開けに移行すると、上昇率が緩やかになる。そして、モータ16の電流値は、タップ立てに移行すると、電流値は急激に低下した後で徐々に上昇した後、締め付け作業において、急激に上昇した後、一定になるという特性を示す。
また、モータ16の回転速度は、図12(c)に示すように、テクスネジが作業材料の表面に接触した状態から作業が開始されて上昇し、下穴開けに移行すると、緩やかに下降した後、タップ立てに移行すると、電流値は一旦急激に低下した後で徐々に上昇した後、締め付け作業において、再度、急激に上昇するという特性を示す。
また、作業中のトリガスイッチ12は、図12(d)に示すように、作業開始と同時にON状態へ移行し、締め付け作業が完了すると、テクスネジのネジ頭が飛ぶことを防止するために、後述する停止制御によって自動的にOFF状態へ移行する。
さらに、作業中のモータ16の回転方向を切り換える方向スイッチは、図12(e)に示すように、正転側となっている。
以上のように、テクスモードでは、モータ16の電流値および回転数が図12(c)に示すような変化を示す。よって、試行モードにおいて、上述した有負荷状態となった時点から0.5秒後の電流値ion(第1電流値)、有負荷状態から無負荷状態へ変化する時点の0.5秒前の電流値をioff(第2電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall1/3経過時点の電流値をi(第3電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall2/3経過時点の電流値をi(第4電流値)、(5)有負荷下の総回転数N(回転パルスを積算カウント)という5つの値から4つの特徴量ion,ioff,i/i,Nを算出することで、これらの4つの特徴量が、テクス作業の特性に合致した場合には、この作業をテクスネジを用いた作業と判定し、当該作業にはテクスモードが最適と推定することができる。
そして、実際の作業を実施する際には、図11に示す、テクスモードに対応する「トリガスイッチ12の操作量と出力Dutyとの関係を示すグラフ」が選択された状態で、作業を実施することで、テクスネジを用いた作業に最適なモータ制御を実施することができる。
(b)ボルト締めモード
ボルト締めモードは、先端工具としてソケットを装着し、図13(a)に示すように、ボルトとナットとを締め付ける作業を実施するためのモードであって、作業開始当初から負荷トルクが小さく、締め付けが完了すると負荷トルクが上昇することを想定した制御が行われる。
具体的には、ボルト締め作業を実施中のモータ16の電流値は、図13(b)に示すように、作業開始から低い電流値で推移し、締め付けに移行すると、急激に上昇するという特性を示す。
また、モータ16の回転速度は、図13(b)に示すように、作業開始当初から急上昇して、締め付け作業までは高い値のままほぼ一定で推移し、締め付け作業に移行すると、急激に低下するという特性を示す。
また、作業中のトリガスイッチ12は、図13(c)に示すように、作業開始と同時にON状態へ移行し、締め付け作業が完了すると、OFF状態へ移行する。
さらに、作業中のモータ16の回転方向を切り換える方向スイッチは、図13(d)に示すように、正転側となっている。
以上のように、ボルト締め作業では、モータ16の電流値および回転数が図13(b)に示すような変化を示す。よって、試行モードにおいて、上述した有負荷状態となった時点から0.5秒後の電流値ion(第1電流値)、有負荷状態から無負荷状態へ変化する時点の0.5秒前の電流値をioff(第2電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall1/3経過時点の電流値をi(第3電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall2/3経過時点の電流値をi(第4電流値)、(5)有負荷下の総回転数N(回転パルスを積算カウント)という5つの値から4つの特徴量ion,ioff,i/i,Nを算出することで、これらの4つの特徴量が、ボルト締め作業の特性に合致した場合には、この作業をボルト締め作業と判定し、当該作業にはボルト締めモードが最適と推定することができる。
そして、実際の作業を実施する際には、図11に示す、ボルト締めモードに対応する「トリガスイッチ12の操作量と出力Dutyとの関係を示すグラフ」が選択された状態で、作業を実施することで、ボルト締め作業に最適なモータ制御を実施することができる。
(c)ボルト緩めモード
ボルト緩めモードは、先端工具としてソケットを装着し、図14(a)に示すように、締結されたボルトとナットを緩める作業を実施するためのモードであって、作業開始当初は負荷トルクが大きく、ボルトが緩むと負荷トルクが一気に低下することを想定した制御が行われる。
具体的には、ボルト緩め作業を実施中のモータ16の電流値は、図14(b)に示すように、作業開始から締結状態のボルトを緩めるために高い電流値で推移し、ボルトを緩めた状態へ移行すると、急激に下降するという特性を示す。
また、モータ16の回転速度は、図14(b)に示すように、作業開始当初は0から徐々に上昇し、ボルトが緩めた状態へ移行すると、回転負荷が急激に低下するため、急激に上昇するという特性を示す。
また、作業中のトリガスイッチ12は、図14(c)に示すように、作業開始と同時にON状態へ移行し、ボルトが緩められた状態へ移行すると、緩んだボルト(あるいはナット)の落下を防止するために、後述する停止制御によって自動的にOFF状態へ移行する。
さらに、作業中のモータ16の回転方向を切り換える方向スイッチは、図14(d)に示すように、逆転側となっている。
以上のように、ボルト緩め作業では、モータ16の電流値および回転数が図14(b)に示すような変化を示す。よって、試行モードにおいて、上述した有負荷状態となった時点から0.5秒後の電流値ion(第1電流値)、有負荷状態から無負荷状態へ変化する時点の0.5秒前の電流値をioff(第2電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall1/3経過時点の電流値をi(第3電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall2/3経過時点の電流値をi(第4電流値)、(5)有負荷下の総回転数N(回転パルスを積算カウント)という5つの値から4つの特徴量ion,ioff,i/i,Nを算出することで、これらの4つの特徴量が、ボルト緩め作業の特性に合致した場合には、この作業をボルト緩め作業と判定し、当該作業にはボルト緩めモードが最適と推定することができる。
そして、実際の作業を実施する際には、図11に示す、ボルト緩めモードに対応する「トリガスイッチ12の操作量と出力Dutyとの関係を示すグラフ」が選択された状態で、作業を実施することで、ボルト緩め作業に最適なモータ制御を実施することができる。
(e)中モード
中モードは、先端工具としてドライバを装着し、図15(a)に示すように、例えば、タッピングネジ等を用いて、下穴加工が施された石膏ボード貼りや化粧材へのネジ締め等の作業を実施するためのモードであって、デフォルトの設定よりもやや低速で回転するように制御される。
具体的には、ネジ締め作業を実施中のモータ16の電流値は、図15(b)に示すように、作業開始は回転負荷が小さいために低い電流値で推移し、ネジが下穴内へ入っていくに従って徐々に電流値が上昇し、締め付け作業に移行すると、急激に上昇するという特性を示す。
また、モータ16の回転速度は、図15(b)に示すように、作業開始当初は回転負荷が小さいために急激に上昇し、ネジが下穴内へ入っていくに従って徐々に低下していき、締め付け作業に移行すると、急激に上昇するという特性を示す。
また、作業中のトリガスイッチ12は、図15(c)に示すように、作業開始と同時にON状態へ移行し、ネジの締め付け作業が完了するとOFF状態へ移行する。
さらに、作業中のモータ16の回転方向を切り換える方向スイッチは、図15(d)に示すように、正転側となっている。
以上のように、ネジ締め作業では、モータ16の電流値および回転数が図15(b)に示すような変化を示す。よって、試行モードにおいて、上述した有負荷状態となった時点から0.5秒後の電流値ion(第1電流値)、有負荷状態から無負荷状態へ変化する時点の0.5秒前の電流値をioff(第2電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall1/3経過時点の電流値をi(第3電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall2/3経過時点の電流値をi(第4電流値)、(5)有負荷下の総回転数N(回転パルスを積算カウント)という5つの値から4つの特徴量ion,ioff,i/i,Nを算出することで、これらの4つの特徴量が、ネジ締め作業の特性に合致した場合には、この作業をネジ締め作業と判定し、当該作業には中モードが最適と推定することができる。
そして、実際の作業を実施する際には、図11に示す、中モードに対応する「トリガスイッチ12の操作量と出力Dutyとの関係を示すグラフ」が選択された状態で、作業を実施することで、ネジ締め作業に最適なモータ制御を実施することができる。
(g)鉄工モード
鉄工モードは、図16(a)に示すように、先端工具として鉄工用ドリルを用いて、鉄等の加工作業を実施するためのモードであって、作業開始当初はゆっくり締め始め、徐々に回転速度を上げていくように制御される。
具体的には、鉄工用ドリルを用いた作業を実施中のモータ16の電流値は、図16(b)に示すように、作業開始から徐々に上昇し、鉄工用ドリルが加工穴の奥へ進むに従って徐々に電流値が上昇し、加工材料を貫通すると、回転負荷が急激に低下するため急激に下降するという特性を示す。
また、モータ16の回転速度は、図16(b)に示すように、作業開始当初から一定の回転速度まで上昇した後、ほぼ一定のまま推移し、加工材料を貫通すると、回転負荷が急激に低下するため急激に上昇するという特性を示す。
また、作業中のトリガスイッチ12は、図16(c)に示すように、作業開始と同時にON状態へ移行し、鉄工用ドリルが加工材料を貫通するとOFF状態へ移行する。
さらに、作業中のモータ16の回転方向を切り換える方向スイッチは、図16(d)に示すように、正転側となっている。
以上のように、鉄工用ドリルを用いた作業では、モータ16の電流値および回転数が図16(b)に示すような変化を示す。よって、試行モードにおいて、上述した有負荷状態となった時点から0.5秒後の電流値ion(第1電流値)、有負荷状態から無負荷状態へ変化する時点の0.5秒前の電流値をioff(第2電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall1/3経過時点の電流値をi(第3電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall2/3経過時点の電流値をi(第4電流値)、(5)有負荷下の総回転数N(回転パルスを積算カウント)という5つの値から4つの特徴量ion,ioff,i/i,Nを算出することで、これらの4つの特徴量が、鉄工用ドリルを用いた作業の特性に合致した場合には、この作業を鉄工用ドリルを用いた作業と判定し、当該作業には鉄工モードが最適と推定することができる。
そして、実際の作業を実施する際には、図11に示す、鉄工モードに対応する「トリガスイッチ12の操作量と出力Dutyとの関係を示すグラフ」が選択された状態で、作業を実施することで、鉄工用ドリルを用いた作業に最適なモータ制御を実施することができる。
(h)木工モード
木工モードは、図17(a)に示すように、先端工具として木工用ドリルを用いて木材の加工作業を実施するためのモードであって、作業開始当初はゆっくり締め始め、鉄工モードよりも低い回転速度で、徐々に回転速度を上げていくように制御される。
具体的には、木工用ドリルを用いた作業を実施中のモータ16の電流値は、図17(b)に示すように、作業開始から徐々に上昇し、木工用ドリルが加工穴の奥へ進んでもほぼ一定のまま推移し、加工材料を貫通すると、回転負荷が急激に低下するため急激に下降するという特性を示す。
また、モータ16の回転速度は、図17(b)に示すように、作業開始当初から一定の回転速度まで上昇した後、ほぼ一定のまま推移し、加工材料を貫通すると、回転負荷が急激に低下するためさらに上昇するという特性を示す。
また、作業中のトリガスイッチ12は、図17(c)に示すように、作業開始と同時にON状態へ移行し、木工用ドリルが加工材料を貫通するとOFF状態へ移行する。
さらに、作業中のモータ16の回転方向を切り換える方向スイッチは、図17(d)に示すように、正転側となっている。
ここで、上記(g)鉄工モードと(h)木工モードとを比較すると、図16(b)および図17(b)に示すように、加工材料(鉄と木)の硬さが異なるため、鉄工用ドリルを用いた作業の方が木工用ドリルを用いた作業よりも、加工中のモータ16の電流が大きく、回転速度は小さくなる。
以上のように、木工用ドリルを用いた作業では、モータ16の電流値および回転数が図17(b)に示すような変化を示す。よって、試行モードにおいて、上述した有負荷状態となった時点から0.5秒後の電流値ion(第1電流値)、有負荷状態から無負荷状態へ変化する時点の0.5秒前の電流値をioff(第2電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall1/3経過時点の電流値をi(第3電流値)、有負荷総時間をTallとした時、有負荷状態となった時点から、Tall2/3経過時点の電流値をi(第4電流値)、(5)有負荷下の総回転数N(回転パルスを積算カウント)という5つの値から4つの特徴量ion,ioff,i/i,Nを算出することで、これらの4つの特徴量が、木工用ドリルを用いた作業の特性に合致した場合には、この作業を木工用ドリルを用いた作業と判定し、当該作業には木工モードが最適と推定することができる。
そして、実際の作業を実施する際には、図11に示す、木工モードに対応する「トリガスイッチ12の操作量と出力Dutyとの関係を示すグラフ」が選択された状態で、作業を実施することで、木工用ドリルを用いた作業に最適なモータ制御を実施することができる。
<推定された作業モードの実行およびモータ16の停止制御>
本実施形態の電動工具10によって実施される制御方法のうち、図3のステップS10の試行結果実行モードにおける処理について、図18に示すフローチャートを用いて説明する。
すなわち、ステップS41では、制御部20が、試行モードにおいて推定された作業モードが、(a)テクスモード、(c)ボルト緩めモードのいずれかであるか否かを判定する。ここで、推定された作業モードが、(a)または(c)である場合には、ステップS45へ進む。一方、推定された作業モードが、(a)または(c)ではない場合には、ステップS42へ進む。
ステップS42では、ステップS41において推定された作業モードが(a)または(c)ではないと判定されているため、モータ16を停止させる条件の判定は行わず、制御部20は、トリガスイッチ12の操作量を読み出す。具体的には、トリガスイッチ12で抵抗分圧された電位をA/Dコンバータを介して制御部20へ取り込む。
ステップS43では、制御部20が、記憶部26に保存された各作業モードに対応する「トリガスイッチ12の操作量−出力Dutyテーブル」(図11参照)を参照し、その操作量を出力する。
これにより、推定された作業モードごとに最適なモータ制御を実施することで、使用者は、同じ作業を繰り返す場合において、自ら最適な作業モードを設定する等の特別な操作なしで、常に最適なモータ制御設定の下で、快適に作業することができる。
ステップS44では、制御部20が、トリガスイッチ12が開放された状態(OFF状態)である場合には、出力Duty=0を出力してモータ16の回転を停止させる。一方、トリガスイッチ12が操作された状態(ON状態)が継続している場合には、制御部20は、ステップS42へ戻り、ステップS42からステップS44の処理を繰り返し行う。
一方、ステップS41において推定された作業モードが(a)または(c)ではないと判定された場合には、モータ16を停止させる条件を満たすか否かを判定するために、ステップS45において、単位時間当たりのモータ16の電流の変化量(電流の変化率)を算出する。
ステップS46では、ステップS45において算出された電流の変化量が、推定された作業モードごとに、モータ16の回転を停止させる条件を満たすか否かを判定する。
例えば、ステップS41において(a)テクスモードが推定されている場合には、単位時間当たりの電流変化量(電流変化率)が5A/sec以上になることを、モータ16の回転を停止させる条件とする。
よって、推定された(a)テクスモードにおいて電流の変化率が5A/sec以上という停止条件を満たす場合には、制御部20は、出力Duty=0を出力して、モータ16の回転を停止させる。
すなわち、推定された(a)テクスモードで作業を行う場合には、電流の変化率が5A/sec以上という停止条件を満たすと、自動的にモータ16の回転を停止させる。
これにより、推定された作業モードが(a)テクスモードである場合には、制御部20が、モータ16に急激な負荷が掛かった(電流変化率が5A/sec以上という条件を満たす)と判定した場合に、トリガスイッチ12の操作量に関わらず、モータ16の回転を停止させる。この結果、テクスネジを用いた作業完了時におけるテクスネジの締め過ぎを防止して、ネジ頭飛びや破断等の不具合を効果的に防止することができる。
一方、ステップS41において(c)ボルト緩めモードが推定されている場合には、単位時間当たりの電流の変化量(電流変化率)が−1A/sec以上になることを、モータ16の回転を停止させる条件とする。
よって、推定された(c)ボルト緩めモードにおいて電流の変化率が−1A/sec以上という停止条件を満たす場合には、制御部20は、出力Duty=0を出力して、モータ16の回転を停止させる。
すなわち、推定された(c)ボルト緩めモードで作業を行う場合には、電流の変化率が−1A/sec以上という停止条件を満たすと、自動的にモータ16の回転を停止させる。
これにより、推定された作業モードが(c)ボルト緩めモードである場合には、制御部20が、モータ16の負荷が急激に低下した(電流変化率が−1A/sec以上という条件を満たす)と判定した場合に、トリガスイッチ12の操作量に関わらず、モータ16の回転を停止させる。この結果、ボルト緩め作業完了時におけるボルト(またはナット)の脱落を効果的に防止することができる。
一方、ステップS47では、ステップS46において所定の停止条件を満たしていないと判定されているため、モータ16を停止させる条件の判定は行わず、制御部20は、トリガスイッチ12の操作量を読み出す。具体的には、トリガスイッチ12で抵抗分圧された電位をA/Dコンバータを介して制御部20へ取り込む。
ステップS48では、制御部20が、記憶部26に保存された各作業モードに対応する「トリガスイッチ12の操作量−出力Dutyテーブル」(図11参照)を参照し、その操作量を出力する。
これにより、推定された作業モードごとに最適なモータ制御を実施することで、使用者は、同じ作業を繰り返す場合において、自ら最適な作業モードを設定する等の特別な操作なしで、常に最適なモータ制御設定の下で、快適に作業することができる。
ステップS49では、制御部20が、トリガスイッチ12が開放された状態(OFF状態)である場合には、出力Duty=0を出力してモータ16の回転を停止させる。一方、トリガスイッチ12が操作された状態(ON状態)が継続している場合には、制御部20は、ステップS45へ戻り、ステップS45からステップS49の処理を繰り返し行う。
本実施形態の電動工具10では、以上のように、同種の作業が繰り返し実施される場合において、当該作業に最適な作業モードを自動的に設定するために、制御部20が、試行モードに設定された状態において取得されたモータ16の特性値(電流値および回転パルス等)に基づいて、作業モードを推定する。
通常、電動工具は、一台で複数の機能(例えば、ドリルドライバの場合には、ネジ締め、ナット締め、穴あけドリル等)を有している。従来は、使用者が作業内容を想定して自ら最適な作業モードを選択して、手動で切り換える必要があった。
本実施形態の電動工具10によれば、試行モードにおいて実際の作業を実施して取得された特性値を用いて、当該作業に最適な作業モードを推定することで、使用者が自ら各種作業に適したモードを選択することなく、その作業ごとに最適なモードを自動的に選択して作業を実施することができる。
よって、使用者の使い勝手を向上させるとともに、作業効率が向上することで、バッテリ11の消費電力を低減することができる。
さらに、当該作業に最適な作業モードが選択されて作業を実施することで、作業ミス(失敗)が減るため、作業歩留りを向上させて、加工材料のロスを減少させることができる。
また、作業モードの推定は、試行モードにおいてトリガスイッチ12がON状態になった後、OFF状態へ移行した後、次の作業の開始(トリガスイッチ12がON状態へ移行)するまでの間に実行される。このため、制御部20の作業モードの推定処理に係る負荷は小さく、低コストで実現が可能となる。
なお、作業が切り替わる際には、リセットボタン(図示せず)を操作することで、これまでの学習内容を消去して初期状態へ戻すことができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、試行モードにおいて取得された5つの値ion,ioff,i,i,Nから、4つの特徴量ion,ioff,i/i,Nを算出して、最適な作業モードを推定する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記5つの値のうち、2つ、3つ、4つあるいは6つ以上を組み合わせて、最適な作業モードの推定を実施してもよい。
すなわち、本発明において、試行モードにおいて取得される値は、上記5つの値に限らず、より少ない値であってもよいし、より多い値であってもよい。
また、試行モードにおいて取得される値は、上記5つの種類に限らず、他の種類の値を用いてもよい。
(B)
上記実施形態では、作業モードの推定に用いられる4つの特徴量のうち、ion,ioffについて、有負荷状態となった時点から0.5秒後の電流値をion、有負荷状態から無負荷状態へ変化する時点の0.5秒前の電流値をioffとした例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、有負荷状態となって時点から0.1秒後、あるいは1.0秒後の電流値をionとしてもよい。また、有負荷状態から無負荷状態へ変化する時点の0.1秒前、あるいは0.8秒後の電流値をioffとしてもよい。
つまり、特徴量ion,ioffは、作業モードごとに変化が検出されやすい時点での電流値が用いられるように設定されていればよい。
(C)
上記実施形態では、推定される作業モードとして、テクスモード、ボルト締めモード、ボルト緩めモード、強モード、中モード、弱モード、鉄工モード、木工モードを挙げた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、推定される作業モードは、上記作業モードに限らず、上記各作業モード以外の作業モードであってもよい。
(D)
上記実施形態では、作業モードの推定に用いられるモータ16の特性値として、電流値と回転パルスとが用いられた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明において作業モードの推定に用いられる特性値としては、電流値および回転パルス以外の特性値を用いてもよい。
(E)
上記実施形態では、作業モードを推定する際に、ファジィ推論を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の電動工具のモータの制御方法では、ファジィ推論の使用は必須ではなく、これ以外の方法によって実施されてもよい。
(F)
上記実施形態では、モータ16として、ブラシレスモータを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、トリガスイッチの操作量に応じて回転駆動されるブラシレスモータ以外の直流モータを用いてもよい。
(G)
上記実施形態では、本発明を、電動工具10および電動工具10の制御方法として実現した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態において説明した電動工具10の制御方法をコンピュータに実行させる制御プログラムとして、本発明を実現してもよい。
この制御プログラムは、図1に示す記憶部26に保存されていればよく、CPUによって読み出されることで、上述した制御方法をコンピュータに実行させることができる。
本発明の電動工具は、使用者が自ら各種作業に適したモードを選択することなく、その作業ごとに最適なモードを自動的に選択して作業を実施することができるという効果を奏することから、各種作業において使用される電動工具に対して広く適用可能である。
10 電動工具
11 バッテリ(電源部)
12 トリガスイッチ(速度設定部)
13 ゲート回路(スイッチング回路)
13a ゲートドライバ
14 FETアレイ(スイッチング回路)
14a スイッチング素子
15 電流検出抵抗
16 モータ(直流モータ)
16a コイル
16b ホールIC
16c 回転子
17 磁極位置検出回路
18 試行スイッチ
20 制御部
21 テーブル参照部
22 操作量演算部
23 回転カウンタ
24 作業モード推定部
25 電流演算部
26 記憶部
27 PWM信号生成部

Claims (17)

  1. 直流モータと、
    操作量に応じて前記直流モータの回転速度を設定する速度設定部と、
    複数のスイッチング素子を有し、前記直流モータに対して電力を供給するスイッチング回路と、
    前記速度設定部において設定された回転速度に基づいて前記直流モータを回転駆動させるように前記スイッチング回路を制御するとともに、作業モードを推定するための試行モードを有しており、前記試行モードにおいて取得された前記直流モータの特性値に基づいて、前記作業モードを推定する制御部と、
    を備えている電動工具。
  2. 前記制御部は、前記推定された前記作業モードに基づいて、前記速度設定部の操作量に応じて前記直流モータを制御する、
    請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記特性値には、前記試行モードにおいて取得された前記直流モータの電流値および回転パルスの少なくとも一方が含まれる、
    請求項1または2に記載の電動工具。
  4. 前記制御部は、前記直流モータが有負荷状態になった時点の所定時間後の第1電流値、前記有負荷状態から無負荷状態へ変化した時点から所定時間前の第2電流値、前記有負荷状態となった総時間をTallとした時、前記有負荷状態となった時点からTall1/3経過時点の第3電流値およびTall2/3経過時点の第4電流値の比、前記有負荷状態での総回転数の少なくとも1つの特徴量を用いて、前記作業モードを推定する、
    請求項3に記載の電動工具。
  5. 前記試行モードの実施時に使用者によって操作される試行スイッチを、さらに備えている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電動工具。
  6. 前記制御部によって推定される前記作業モードには、テクスモード、ボルト締めモード、ボルト緩めモード、強モード、中モード、弱モード、鉄工モード、木工モードのうちの少なくとも1つが含まれる、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電動工具。
  7. 前記制御部によって推定された前記作業モードを保存する記憶部を、さらに備えている、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電動工具。
  8. 前記制御部は、推定された前記作業モードが所定の作業モードである場合には、前記直流モータの電流値の変化を検出し、前記変化の割合が所定の閾値を超えると、前記直流モータの回転を停止させる、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の電動工具。
  9. 前記制御部は、前記試行モードにおいて取得される前記特性値に基づいて、前記作業モードを、ファジィ推論を用いて推定する、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の電動工具。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の電動工具の制御方法であって、
    前記試行モードにおいて、予め設定された前記制御条件にて前記直流モータを回転駆動させるステップと、
    前記試行モードにおいて、前記直流モータに関する前記特性値を取得するステップと、
    前記試行モードにおいて取得された前記特性値に基づいて、前記作業モードを推定するステップと、
    を備えた電動工具の制御方法。
  11. 前記推定された前記作業モードに基づいて、前記速度設定部の操作量に応じて前記直流モータを制御するステップを、さらに備えた、
    請求項10に記載の電動工具の制御方法。
  12. 前記特性値には、前記試行モードにおいて取得された前記直流モータの電流値および回転パルスの少なくとも一方が含まれる、
    請求項10または11に記載の電動工具の制御方法。
  13. 前記作業モードを推定するステップでは、前記直流モータが有負荷状態になった時点の所定時間後の第1電流値、前記有負荷状態から無負荷状態へ変化した時点から所定時間前の第2電流値、前記有負荷状態となった総時間をTallとした時、前記有負荷状態となった時点からTall1/3経過時点の第3電流値およびTall2/3経過時点の第4電流値の比、前記有負荷状態での総回転数の少なくとも1つの特徴量を用いて、前記作業モードを推定する、
    請求項12に記載の電動工具の制御方法。
  14. 推定される前記作業モードには、テクスモード、ボルト締めモード、ボルト緩めモード、強モード、中モード、弱モード、鉄工モード、木工モードのうちの少なくとも1つが含まれる、
    請求項10から13のいずれか1項に記載の電動工具の制御方法。
  15. 推定された前記作業モードが所定の作業モードである場合には、前記直流モータの電流値の変化を検出し、前記変化の割合が所定の閾値を超えると、前記直流モータの回転を停止させるステップを、さらに備えた、
    請求項10から14のいずれか1項に記載の電動工具の制御方法。
  16. 前記作業モードの推定には、ファジィ推論が用いられる、
    請求項10から15のいずれか1項に記載の電動工具の制御方法。
  17. 請求項1から9のいずれか1項に記載の電動工具の制御プログラムであって、
    前記試行モードにおいて、予め設定された前記制御条件にて前記直流モータを回転駆動させるステップと、
    前記試行モードにおいて、前記直流モータに関する前記特性値を取得するステップと、
    前記試行モードにおいて取得された前記特性値に基づいて、前記作業モードを推定するステップと、
    を備えた電動工具の制御方法を、コンピュータに実行させる制御プログラム。
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