以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ゲーム機3は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。ゲーム機3は、各種のカードをプレイに使用するカードゲームを提供するカードゲーム機として構成されている。より具体的には、ゲーム機3は、このようなカードゲームとして、各選手に対応するカードを利用し、各カードに対応する選手をゲーム中に再現しつつ、各選手への指示や育成等を通じて監督としての役割をプレイするシミュレーション形式の野球ゲームを提供する。なお、ゲーム機3は、このような野球ゲームに限定されず、また、シミュレーション形式に限定されず、適宜に各種のゲームを提供してよい。
ゲームシステム1には、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3に野球ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
次に、図2を参照してゲーム機3の構成を説明する。図2は一台のゲーム機3の一例を示している。図示例のゲーム機3は筐体10を有している。筐体10には、出力装置としてのモニタ11と、入力装置としての読み取り装置12と、カード排出機構13と、が設けられている。モニタ11は、野球ゲームを提供するためのゲーム画面を表示する周知の表示装置である。モニタ11は、野球ゲームをプレイ中のユーザの正面に位置するように配置される。カード排出機構13は、読み取り装置12の左側方(野球ゲームをプレイするためにモニタ11と向き合うようにユーザが位置する場合の左側方)に配置される。カード排出機構13は、野球ゲームで使用可能なカードを生成し、排出するための機構である。なお、ゲーム機3には、例えば、その他にも公知のゲーム機と同様に各種の出力装置或いは入力装置が接続され得る。例えば、そのような入力装置には、現金、代替硬貨、メダル、電子通貨(ポイントを含む)等を利用してユーザからゲームに必要な所定の対価を徴収するための対価徴収装置が含まれてもよい。そして、そのような装置によって、例えば電子通貨の残量を記録するカードを介して電子通貨等の各種の対価が徴収されてよい。しかし、それらの説明は省略する。
一方、読み取り装置12は、モニタ11の下方に配置される。読み取り装置12は、野球ゲームに使用可能なカードの情報を読み取ったり野球ゲームをプレイするための各種のプレイ行為を入力したりするための装置である。読み取り装置12には、そのようなカードが配置される配置面AAが設けられる。図3は、配置面AAを拡大して示す平面図である。図3に示すように、配置面AAは、複数の区画領域DRを含んでいる。各区画領域DRには、野球ゲームに使用可能なカードが配置される。各区画領域DRの間には、境界15が設けられている。つまり、各区画領域DRは、境界15によって仕切られ、互いが区別されるように形成される。このため、各区画領域DRでは、カードの各区画領域DR間を跨ぐ移動(左右方向の移動)が制限される。図3の例では、このような区画領域DRとして配置面AAに10個の区画領域DRが形成されている。また、各区画領域DRには、各区画領域DRに配置されたカードの上下方向への移動を制限するための制限部材16が設けられている。このため、各区画領域DRは、このような制限部材16を介して上下に更に区別されている。各区画領域DRの横方向(幅方向)は、カードの幅とほぼ同じかそれより少し広い程度に形成されている。また、各区画領域DRにおいて、制限部材16より下の領域(以下、下部領域という場合がある)の上下方向の長さ(奥行方向の長さ)はカードの上下方向長さとほぼ同じかそれより少し広い程度に形成されている。これにより、下部領域内ではカードは上下方向(奥行方向)及び横方向(幅方向)にはほとんど移動できないようになっている。一方、各区画領域DRにおいて制限部材16より上の領域(以下、上部領域という場合がある)では横方向(幅方向)は下部領域と同じとなっているが、上下方向(奥行方向)は概ねカードの上下方向長さの3倍程度に形成されている。これにより、上部領域ではカードは上下方向(奥行方向)に移動可能となっており、ゲーム内容に応じて多様な使い方ができるようになっている。そして、このような配置面AAの下には、後述の配置画面を表示するための表示部37が配置される。
次に、図4を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部23が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、ユーザに野球ゲームを含む各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部23には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDも記録される。サーバ用データSDは、野球ゲーム用の各種のデータを含み得るが、このようなデータとして図4の例ではキャラクタデータ25及びカードデータ26が示されている。キャラクタデータ25は、野球ゲームの各選手を定義するパラメータを管理するためのデータである。キャラクタデータ25では、各選手を識別するために選手毎にユニークなキャラクタIDを介して各選手のパラメータが管理される。一方、カードデータ26は、野球ゲーム用の各カードに関連付けられる情報を管理するためのデータである。カードデータ26では、各カードを識別するためにカード毎にユニークなカードIDを介して各カードの情報が管理される。キャラクタデータ25及びカードデータ26の詳細は更に後述する。
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、サービス提供部24が設けられる。サービス提供部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム提供部33が設けられる。ゲーム提供部33は、ゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行するとともに、センターサーバ2のサービス提供部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。具体的には、ゲーム提供部33は、例えば、このようなゲームの進行に必要な各種の演算制御の一部として、スタメン登録処理、及び選手強化処理を実行する。これらの処理の手順については後述する。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図4の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、プログラムPG2に従ってユーザに所定の野球ゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、例えば野球ゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータ、或いは前回までのプレイ結果(過去の実績)等の各ユーザに固有の内容を次回以降に引き継ぐためのプレイデータといった各種のデータを含んでいてよいが、図4の例ではキャラクタデータ25及びカードデータ26が示されている。キャラクタデータ25及びカードデータ26は、必要な部分を含むように配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。
また、ゲーム機3には、図2のモニタ11及びカード排出機構13が制御ユニット31の出力装置として設けられている。モニタ11は上述のとおりである。一方、カード排出機構13は、プリンタ38を含んでいる。プリンタ38は、制御ユニット31からの出力信号に基づいて、画像、各種コード等の記号、或いは文字等を印刷するための周知の出力装置である。カード排出機構13は、このようなプリンタ38を介して印刷によりカード39を生成(排出)するように構成されている。
さらに、ゲーム機3には、図3の読み取り装置12も設けられている。読み取り装置12は、読み取り部36及び表示部37を含んでいる。読み取り部36は、ユーザが所持するカード39から情報を取得するための装置である。読み取り部36は、例えば、所定の規則に従って生成されたコード(パターン)を介して各種の情報がカード39に記録されている場合に、そのようなコードを介して(それを読み取ることにより)そのコードに含まれる情報を取得するように構成される。具体的には、例えばゲームに各選手を再現するためのカード39には、選手の再現に必要な情報としてカード39毎にユニークなカードIDの情報を記録するコードが印刷される。そして、読み取り装置12は、このようなコードを介してカード39のカードIDを読み取るために使用される。
なお、各選手に対応するカード39のコードは、例えばカードデータ26によって各カード39に対応するキャラクタIDの情報が管理されていない場合等、各種の情報としてキャラクタIDの情報を更に含んでいてよい。一方で、ユーザ毎に各選手のパラメータが管理される場合には、カードIDの代わりにユーザ毎にユニークなユーザIDの情報がコードを介して各カード39に記録されていてもよい。つまり、カードIDの情報は省略され、各カード39にはユーザID及びキャラクタIDの情報が記録されていてもよい。あるいは、このようなコードは、選手の再現に必要な情報として各カード39に対応する選手のパラメータの情報自体を含んでいてもよい。
また、読み取り部36は、カード39が配置面AAに配置されている場合に、その配置面AAにおけるカード39の配置態様(配置位置や配置角度、或いは裏表等)の情報を取得するために使用されてもよい。具体的には、このような読み取り部36として、カメラが使用されてよい。カメラ(読み取り部36)は、コードがカード39の表面(配置面AAに配置された場合の上側の面)に設けられている場合には上側からコードを撮影するように配置されてもよいし、コードがカード39の裏面(配置面AAに配置された場合の下側の面)に設けられている場合には下側からコードを撮影するように配置されてもよい。なお、読み取り部36は、例えばその他にも近距離無線通信を利用してカード39の情報を取得するように構成されてもよい。この場合、カード39には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体が設けられ、それらを介してカードID等の情報が記録されていてよい。また、それらのICチップ等への情報の書き込みを通じてカード39が生成されてもよい。
一方、表示部37は、配置面AAにカード39の配置に関連する各種の情報を提示するための配置画面を表示する周知の表示装置である。具体的には、表示部37として、プロジェクタが使用されてもよいし、モニタが使用されてもよい。また、読み取り部36がカード39の情報を下側から取得する場合には、そのようなモニタとして、赤外線透過型のモニタが使用されてもよい。この場合、読み取り装置12は、更にカード39のコードに対して赤外線を照射する赤外線照射部(不図示)を含んでいてよい。また、カード39には、赤外線に反応する方式(例えば一部が赤外線を反射し、その他が赤外線を吸収する等)を介してコードが印刷されていてよい。そして、読み取り部36(例えばカメラ)は、そのような赤外線に反応するコードを赤外線透過型のモニタの下側から読み取ってもよい。
次に、配置面AAに表示部37を介して提示される配置画面の一例について説明する。ゲーム機3は、カード39を利用しつつ上述の野球ゲームを提供するように構成されている。具体的には、ゲーム機3は、キャラクタとしての各選手を定義するパラメータを特定するためのカードIDを記録するカード39(以下、選手カード39と呼ぶ場合がある)が配置面AAに配置される場合に、その配置面AAの選手カード39からカードIDと配置態様とを取得することによりその配置態様を利用しつつカードIDによって特定されるパラメータの各選手を野球ゲームに再現するように構成されている。配置面AAは、表示部37としてモニタが利用される場合にそのモニタの表示面によって形成されてもよいし、そのような表示面の上にガラス材等の表示面を保護するための保護部材が配置される場合にはその保護部材によって形成されてもよい。以下、読み取り装置12がそのような保護部材を含み、表示部37及び保護部材として、赤外線透過型のモニタ及びガラスをそれぞれ採用している場合について説明する。
表示部37には、上述のような野球ゲームを提供するために、配置画面の一種としてエントリー画面及び指示画面が表示される。つまり、配置面AAには、表示部37を介して配置画面の一種としてエントリー画面及び指示画面が提示される。エントリー画面は、選手カード39に対応する選手を野球ゲームに再現(エントリー)する場合に提示される配置画面である。図5は、エントリー画面の一例を模式的に示す図である。また、図5の例は、図3の例の配置面AAに対応するように表示されるエントリー画面の一例を示している。この場合、図5に示すように、エントリー画面60は、複数の配置領域DAを含んでいる。複数の配置領域DAは、複数の区画領域DRにそれぞれ対応するように提示される。また、各配置領域DAは、読み取りエリア61、及び指示エリア62を含んでいる。これらの読み取りエリア61、及び指示エリア62は、各区画領域DRの制限部材16によって区別される上下にそれぞれ配置される。
読み取りエリア61は、選手カード39のコードの情報(カードIDの情報)を読み取るためのエリアである。読み取りエリア61に選手カード39が配置された場合には、ゲーム機3は、読み取り部36を介してその選手カード39のカードIDを取得する。一方、指示エリア62は、野球ゲームに登場する選手の行動に変化を生じさせる(換言すればユーザの意思を反映させる)指示を実行するためのエリアである。このため、指示エリア62は、各選手カード39に対応する選手のエントリー後、主として後述の指示画面において野球ゲームのプレイ中に使用される。指示エリア62では、処理の簡略化等のために、カードIDの情報の読み取りが省略されてよい。つまり、指示エリア62は、カードIDの取得が行われずに指示の特定が実行されるエリアとして構成されてもよい。
図5の例では、エントリー画面60は、図3の例の配置面AAに対応するように、10個の配置領域DAを含んでいる。同様に、10個の配置領域DAにそれぞれ対応する10個の読み取りエリア61及び10個の指示エリア62が制限部材16の上下にそれぞれ位置するように形成されている。この場合、これらの読み取りエリア61を介して、10枚の選手カード39にそれぞれ対応する10人の選手がゲームに再現される。また、10個の読み取りエリア61は、左から順に打順を示す9つの野手用の読み取りエリア61と、1つのピッチャー用の読み取りエリア61とに分けられる。つまり、9個の配置領域DAは、左から右に向かって打順に対応する時系列を示すように左右方向に順に並べられ、各配置領域DAに対応する読み取りエリア61への選手カード39の配置を通じてその選手カード39に対応する選手の打順が特定される。また、右端の配置領域DAは、打順とは別に投手に対応し、その読み取りエリア61への選手カード39の配置を通じてその選手カード39に対応する選手が投手として特定される。なお、ピッチャー用の読み取りエリア61(右端の読み取りエリア61)はDH(Designated Hitter)有りのゲームモードが選択された場合に使用される。すなわち、DHなしのモードが選択された場合、読み取りエリア61の左から順に9つが使用されてよい。一方、DH有りのゲームモードが選択された場合、右端から2番目の読み取りエリア61がDHの選手を読み取るための読み取りエリア61として使用され、右端の読み取りエリア61がピッチャーとして使用する選手の読み取りエリア61として使用される。
同様に、図5の例では、10個の指示エリアは、そのような10個の読み取りエリア61にそれぞれ対応するようにそれらの上に配置されている。これらの10個の指示エリア62は、各読み取りエリア61を介して再現された選手に対する指示がその読み取りエリア61に対応する指示エリア62によって特定されるように、10個の読み取りエリア61を介して再現された10人の選手への指示にそれぞれ使用される。このため、指示エリア62は、エントリー画面60では直接的に使用されなくてもよい。
なお、読み取りエリア61及び指示エリア62の数は適宜でよい。例えば、一つの読み取りエリア61を通じて複数の選手が再現されてもよい。この場合、複数の選手にそれぞれ対応するように複数の指示エリア62が設けられてもよいし、一つの指示エリア62を介して各選手への指示が実現されてもよい。つまり、読み取りエリア61と指示エリア62とは数が一致していなくてもよい。また、指示エリア62は、読み取りエリア61を介して再現された選手以外の選手への指示に使用されてもよい。配置領域DAの数も同様に適宜でよい。
一方、指示画面は、ゲーム中の各選手に対する指示の入力が要求される場合に提示される配置画面である。より具体的には、指示画面は、選手カード39を介して各選手がゲームに再現された後に、その各選手への指示を実行するために提示される。図6は、指示画面の一例を模式的に示す図である。図6に示すように、指示画面70は、エントリー画面60と同様に、複数の配置領域DAを含み、各配置領域DAには読み取りエリア61及び指示エリア62が形成される。指示エリア62は、上述のとおり各選手への指示に使用される。一方、読み取りエリア61は、指示画面70では指示エリア62を補助するために使用される。
図6の例では、各読み取りエリア61には、各読み取りエリア61で読み取られた選手カード39に対応する選手(各指示エリア62の指示対象の選手)のパラメータの内容が表示されている。つまり、エントリー画面60から指示画面70に移行した場合、読み取りエリア61は、指示エリア62を介した指示を補助するように、このようなパラメータ等の情報を表示するためのエリアとして機能する。具体的には、読み取りエリア61には、“ミート”、“パワー”等のパラメータの項目、及び各項目の内容を示す数値(例えば左端の場合、“ミート”の内容を示す“72”)が表示されている。一方、各指示エリア62には、選手カード39(主として指示対象の選手に対応する選手カード39が使用されるが、指示エリア62においてカードID等の情報の読み取りが省略される場合には指示対象とは別の選手カード39が使用されてもよい)が配置されている。そして、各指示エリア62では、このような選手カード39を上下方向にスライドさせることにより指示対象の選手への指示が実現される。つまり、各指示エリア62は、選手カード39の配置態様として指示エリア62における上下方向の配置位置を利用し、各選手への指示として、例えば各指示エリア62における選手カード39の配置位置に応じて各選手のパラメータを変化させるために使用される。なお、指示エリア62による指示はパラメータの変更に限定されない。指示エリア62では各種の方法によって各種の行動が指示されてよい。例えば、指示エリア62は、選手カード39の上下方向へのスライドにより複数の行動候補から実行対象の行動を選択するように使用されてもよい。
次に、所定の対価と引き換えに提供される野球ゲームの範囲(以下、ゲーム範囲と呼ぶ場合がある)について説明する。図7は、ゲーム範囲の一例を説明するための説明図である。図6に示すように、ゲーム範囲は、時間経過の順に、準備工程、プレイ工程、及び終了工程を含んでいる。準備工程は、野球ゲームのプレイに必要な準備を整えるための工程である。準備工程は、例えばエントリーフェイズ、強化フェイズ、及びカード購入フェイズを含んでいる。エントリーフェイズは、各選手カード39に対応する選手をエントリーするためのフェイズである。エントリーフェイズにおいて、上述のエントリー画面60が提供される。強化フェイズは、各選手を強化する(各選手に特典を付与する)ためのフェイズである。強化フェイズは、エントリーフェイズの後に提供される。強化フェイズの詳細は更に後述する。
また、カード購入フェイズは、選手カード39をユーザが購入する(換言すればユーザに販売する)ためのフェイズである。カード購入フェイズは、例えば選手カード39を所有していない場合(初回プレイの場合など)に提供される。この場合、カード購入フェイズは、エントリーフェイズの代わりに提供される。つまり、この場合、エントリーフェイズは省略される。なお、カード購入フェイズは、ユーザが選手カード39の購入を希望した場合等、適宜に提供されてよい。この場合、カード購入フェイズは、エントリーフェイズ、及び強化フェイズの前後のタイミングにおいて適宜に提供されてよい。つまり、カード購入フェイズは、エントリーフェイズが提供される場合にも提供されてよい。
プレイ工程は、ユーザが実際に野球ゲームをプレイするための工程である。具体的には、プレイ工程は、プレイフェイズを含んでいる。プレイフェイズは、上述のようなシミュレーション形式の野球ゲームが提供されるフェイズである。つまり、各ユーザは、プレイフェイズにおいて野球ゲームを実際にプレイする。一方、終了工程は、プレイフェイズにおけるゲームのプレイ結果を処理してゲームのプレイを終了させるための工程である。終了工程は、例えば払出フェイズを含んでいる。払出フェイズは、選手カード39を新しく払い出す(提供する、あるいは付与する)ためのフェイズである。カード購入フェイズで選手カード39が購入された場合も払出フェイズにおいてその購入した選手カード39の払出が実行される。また、プレイフェイズにおいて払出条件が満たされた場合にも、払出フェイズにおいて選手カード39の払出が実行される。例えば、ゲームの終了時点で選手カード39を払い出すように払出条件が設定され、あるいはゲームのプレイにおいて所定の成績を獲得した場合に選手カード39を払い出すように払出条件が設定され、それらの払出条件が満たされた場合に選手カード39が払い出される。また、払出対象の選手カード39(適宜の枚数でよい)は、所定の候補からユーザによって選択されてもよいし、抽選によって決定されてもよい。なお、払出対象の選手カード39は被印刷媒体への印刷等により生成されてもよいし、予め生成済みの選手カード39の在庫が用意されている場合にはその在庫が払出対象の選手カード39として機能し、排出されてもよい。
次に、図8及び図9を参照して、強化フェイズの詳細を説明する。図8は、同じ選手に対応する複数の選手カード39を利用して各選手に特典を付与する(各選手を強化する)場合の強化フェイズの一例を説明するための説明図である。この場合、図8に示すように、強化フェイズでは、スタメン選手群SGの各選手80が、それと同じ選手80に対応する強化用選手群EGの各選手80によって強化される。つまり、そのような強化用選手群EGによってスタメン選手群SGの各選手80に特典が付与される。具体的には、まずエントリーフェイズにおいてエントリー画面60を通じて登録された各選手カード39に対応する選手80がスタメン選手群SGとして機能する。一方、強化フェイズにおいても、再度エントリー画面60が提供される。そして、そのようなエントリー画面60を通じて登録された各選手カード39に対応する選手80が強化用選手群EGとして機能する。この場合、各選手80が本発明のキャラクタとして機能する。そして、エントリーフェイズ、及び強化フェイズが、本発明の第1登録機会及び第2登録機会としてそれぞれ機能する。また、スタメン選手群SGの各選手80が本発明の寄与キャラクタとして機能する。同様に、スタメン選手群SG及び強化用選手群EGのD選手80D或いはF選手80Fが本発明の複数の同じキャラクタとして機能する。また、スタメン選手群SGのD選手80D或いはF選手80Fが本発明の一のキャラクタとして機能する。一方で、強化用選手群EGのD選手80D或いはF選手80Fが本発明の同じキャラクタとして機能する。
図8の例では、エントリーフェイズのエントリー画面60を通じてスタメン選手群SGとしてA選手80A〜J選手80Jの10人の選手80が登録されている。一方、強化フェイズでは、エントリー画面60を通じて4枚の選手カード39が登録されている。具体的には、二人のD選手80Dにそれぞれ対応する二枚の選手カード39、F選手80Fに対応する一枚の選手カード39、及びK選手80Kに対応する一枚の選手カード39がそれぞれ強化フェイズにおいて強化用選手群EGとして登録されている。この場合、強化用選手群EGと共通する(同じ)スタメン選手群SGの各選手80に特典が付与される。より具体的には、スタメン選手群SGの各選手80のうちD選手80D及びF選手80Fが強化用選手群EGのD選手80D及びF選手80Fと共通しているので、これらのD選手80D及びF選手80Fに特典が付与される。
例えば、このような強化用選手群EGを利用した特典として、パラメータの向上(強化)が利用される。また、このような特典の価値は、強化用選手群EGとして登録される選手80の数に応じて高くなる。より具体的には、このような特典として、例えば投手の場合には“球速”、“制球”といった各パラメータの値が、野手の場合は“ミート”、“パワー”といった各パラメータの値が、それぞれ所定値向上する。また、このような向上は、D選手80Dの場合、二人のD選手80D(強化用選手群EG)に基づいて各パラメータの値が“2”(所定値=2)増加し、F選手80Fの場合、一人のF選手80D(強化用選手群EG)に基づいて各パラメータの値が“1” (所定値=1)増加するといった具合に実行される。つまり、強化用選手群EGに含まれる同じ選手80の数に応じて向上対象の所定値が増加する。
なお、特典の価値は、強化用選手群EGとして登録される同じ選手80の数に応じて適宜に向上してよい。例えば、上述のような強化用選手群EGとして登録される同じ選手80の数に応じて一律にパラメータが増加する形態だけでなく、強化用選手群EGとして登録される同じ選手80の数に応じて増加対象のパラメータの項目(例えば、“球速”や“ミート”等)の数が増えてもよい。つまり、例えば増加対象の選手80が野手のときには、強化用選手群EGとして同じ選手80が一人登録された場合に“ミート”が“1”増加し、二人登録された場合に“パワー”が“1”増加するといった具合に、人数に応じて所定値増加するパラメータの項目の数が増加してよい。また、この場合の増加対象はユーザの指定、ランダム、固定等、適宜に設定されてよい。
さらに、このような増加対象或いは増加する際の所定値は、各選手カード39に複数の種別が設定される場合にはそのような種別に応じて変化してよいし、各選手カード39の希少性(いわゆるレア度)に応じて変化してもよい。例えば、複数の種別として、野球ゲームにおいて通常に払い出される“通常”、イベント時に限定して払い出される“イベント配布”、各選手80のプレイシーズン(時期)を示す“年度”等が設定されている場合には、“通常”は“1”を、“イベント配布”は“2”を、所定値として利用してよい。また、“年度”は年度に応じて異なるパラメータの項目(増加対象)を“1”増加させてもよい。同様に、各選手カード39の希少性を数値化することによりその数値に応じて所定値或いは増加対象を変化させてもよい。さらに、同じ選手80であってもレベル等、成長度合いが相違する場合には、所定値の増加に与える影響が相違していてもよい。あるいは、ユーザと各選手80との間の親密度、若しくはユーザ間に形成される親密度といった親密度の概念に応じてパラメータの増加の仕方は変化してもよい。具体的には、例えばユーザが特定の選手80を所定期間に多頻度(所定回数以上)使用している場合に、その選手80とユーザとの間に親密度が設定され、そのような親密度が設定された選手80にはボーナス(特典)的に強化値が追加されてもよい。同様に、ユーザ間で選手カード80の貸し借りが行われれる場合において、多頻度(所定回数以上)に選手カード39の貸し借りを行うユーザ間に親密度が設定されてもよい。そして、そのような親密度が設定されたユーザから借りた選手カード39の選手80には同様に特典的な強化値が付加されてもよい。また、このような親密度は多頻度の程度(例えば貸し借りが行わる毎等)に応じて向上し、同様にその特典も親密度の向上に応じて変化してよい。親密度は所定期間ごとにリセットされてもよいし、最後の貸し借りから所定期間の経過によりリセットされるようにしてもよい。さらに、所定範囲のユーザの使用頻度に応じて、このような強化値が各選手80に付加されてもよい。具体的には、全ユーザを対象にした使用頻度(各選手80と全ユーザとの間の親密度と捉えられてもよい)を算出し、そのような使用頻度に応じて、例えば全ユーザ間において使用頻度の高い各選手80等に同様の強化値が付与されてもよい。使用頻度は所定期間ごとに集計されるようにしてもよい。また、このような特典が付与されるべき選手80はゲームシステム1の管理者等によって設定されてもよい。具体的には、例えば、現実の試合において活躍している選手80等がゲームシステム1の管理者によって設定され、そのような選手80が強化対象とされた場合に、上述のような強化値が付与されてもよい。あるいは、ゲームのプレイ状況が、このような強化値の付与に利用されてもよい。例えば、このようなプレイ状況として各選手80に調子の概念が設定される場合には、そのような調子が利用されてもよい。具体的には、試合中の各選手80のパラメータとして、各選手80を定義するパラメータではなく、そのようなパラメータに日毎若しくは試合の内容等のプレイ状況を利用する条件に応じて変動する変動値(調子の概念を実現するもの)が積算されたパラメータが使用される場合、そのような変動値に応じて上述のような強化値が付与されてもよい。つまり、変動値が所定値以上の場合(調子が良いまたは悪いと判別される場合)に上述の強化値が付与されてもよい。この場合、各選手80の強化に調子の概念が考慮されるため、選手強化の戦略性をより多様化することができる。
一方、枚数に応じたパラメータの増加も、1枚の場合に“1”、2枚の場合に“2”といった線形に限定されない。1枚〜2枚が“1”、“2枚〜4枚”が“2”といった具合に一定間隔毎に増加してもよいし、例えば1枚のときに“1”、2枚のときに“3”、4枚のときに“5”といった具合に非線形に増加してもよい。さらに、特典の内容もパラメータの強化に限定されない。例えば、特典として特別な画像(通常と相違する特別のユニフォーム、特別のグローブ等)が利用され、このような特別な画像によりプレイ中に表示される選手80が表示されてもよい。つまり、このような特典として、ユーザの利益に寄与する各種の変化が採用されてよい。
また、強化対象とされる同じ選手80もキャラクタIDが同じ選手80に限定されない。例えば、強化対象とされる同じ選手80(同じ選手80としてカウントされる対象)として、上述の種別や希少性が利用されてもよい。つまり、同じキャラクタIDであって、かつ種別や希少性が同じ選手80が強化用選手群EGとスタメン選手群SGとの間で同じ選手80としてカウントされてもよい。さらに、特典の価値に反映されるように強化用選手群EGとスタメン選手群SGとの間で数がカウントされる選手80のキャラクタIDは、それらの選手80間に何らかの共通性が存在している限り、相違していてもよい。例えば、ユーザ間若しくは各選手80間にグループ(所定の条件に基づくもの)が形成される場合には、そのような同じグループに属する各選手80が特典の価値に反映するための各選手80として(換言すれば同じ選手80の概念に含まれる各選手80として)カウントされてもよい。また、各選手80に属性が設定される場合、あるいは各選手80の能力(例えば特定のアイテムの使用の可否、特定の行為の実行の可否等)が設定される場合には、そのような属性や能力を共通にする各選手80が特典の価値に反映するための各選手80としてカウントされてもよい。さらに、ゲームが前作、今作といった具合に、あるいは旧バージョン、新バージョンといった具合にシリーズ化されている場合、同じシリーズに属する各選手80(例えば前作のゲームに登場する各選手80、或いは前作から継続して登場している各選手80等)が特典の価値に反映するための各選手80としてカウントされてもよい(換言すれば、このようなシリーズを条件にグループ化され、上述のとおり同じグループが同じ選手80の概念として利用されてよい)。
一方で、図8の例では、強化用選手群EGのうちK選手80Kはスタメン選手群SGに含まれていないので、このK選手80Kに対応する選手カード39の登録は強化フェイズでは登録不可としてエラー処理される。つまり、強化フェイズのエントリー画面60ではK選手80Kに対応する選手カード39の登録はできない。なお、スタメン選手群SGに存在しない選手(図7の例のK選手80K)の強化用選手群EGとしての登録は、エラー処理(登録不可)に限定されない。例えば、そのような選手80の登録も受け付けつつ、その選手80に対応する強化対象の選手が存在しないためにその選手80は特典の付与に使用されなくてもよい。
また、強化フェイズの強化結果(特典)は消去条件が満たされた場合に消去される。消去条件は、強化フェイズが提供される毎に満たされる。このため、強化対象の選手80及びその内容は強化フェイズを通じて適宜に変更される。図9は、時間経過に伴う強化対象選手の変化の一例を説明するための説明図である。図9の例は、強化フェイズが3回提供される場合の強化内容の変化の一例を示している。この場合、図9に示すように、強化フェイズが提供される毎に前回までの強化内容が消去され、時間の経過(t)に伴い強化対象及びその内容が変化する第1強化期、第2強化期、及び第3強化期が設けられる。
図9の例では、第1強化期ではスタメン選手群SGのA選手80Aが強化され、第2強化期ではスタメン選手群SGのA選手80A及びB選手の二人が強化され、第3強化期では再度第1強化期と同様にA選手80Aが強化されている。より具体的には、第1強化期では、強化用選手群EGとして四人のA選手80Aが登録され、そのような四人のA選手80Aに対応する強化(特典)がスタメン選手群SGのA選手80Aに付与される。この強化内容は、次回に強化フェイズが提供されるまで維持される(第2強化期以降も同様)。
一方、次回の強化フェイズの提供とともに、消去条件が満たされ、前回(第1強化期)の強化内容が消去される。そして、次回の強化フェイズ(第2強化期)では、強化用選手群EGとして二人のA選手80A及び二人のB選手80Bが登録され、それらの二人のA選手80A及び二人のB選手80Bに対応する強化がスタメン選手群SGのA選手80A及びB選手80Bにそれぞれ付与される。つまり、第2強化期では第1強化期と強化対象の選手80が相違し、かつ強化の内容(四人によるA選手80Aの強化、あるいは二人ずつによるA選手80A及びB選手80Bの強化)が相違している。この場合、第2強化期では、第1強化期よりもA選手80Aの強化に使用される選手カード39は二枚少なくなる。
同様に、第2強化期の更に次の強化フェイズの提供に伴い消去条件が満たされ、第2強化期の強化内容は消去される。そして、その次の強化フェイズ(第3強化期)では、再度第1強化期と同様に、強化用選手群EGの四人のA選手によってスタメン選手群SGのA選手80Aが強化されている。このため、第2強化期において一部が不要になったものの、第3強化期の実現のために第1強化期と同数のA選手80Aに対応する選手カード39が必要とされる。つまり、第3強化期を実現するためには、一時不要となったA選手80に対応する二枚の選手カード39の所持の維持が要求される。このように強化フェイズを通じて、適宜の数の各選手カード39によって適宜の選手80が対象等を変化させつつ強化される。
なお、第1強化期においてスタメン選手群SGのA選手として登録される選手カード39と、第2強化期あるいは第3強化期においてスタメン選手群SGのA選手として登録される選手カード39とは一致していなくてもよい。つまり、第1強化期において強化用選手群EG及びスタメン選手群SGとして使用されたA選手80Aに対応する5枚の選手カード39が適宜に強化用選手群EG及びスタメン選手群SGとして使用されてよい。また、強化用選手群EGとして登録される各選手カード39は、スタメン選手群SGとして登録された各選手カード39の所有者と一致していなくてもよい。つまり、知人から借りた選手カード39が強化フェイズにおいて強化用選手群EGとして登録されてもよい。この場合、スタメン選手群SGの各選手80の所有者と強化用選手群EGの各選手80の所有者との相違は、特典の内容に反映されてもよいし、反映されなくてもよい。つまり、知人から借りた選手カード39が強化用選手群EGとして使用される場合も、自己が所有する選手カード39が強化用選手群EGとして使用される場合と同様の特典が付与されてもよい。あるいは、この場合の特典は、自己が所有する選手カード39が強化用選手群EGとして使用される場合よりも価値が劣る、若しくは反対に価値が高い(知人の存在が重視される場合)といった具合に相違していてもよい。
また、消去条件は適宜に設定されてよい。図9の例では、強化フェイズの提供毎に消去条件が満たされているが、例えば消去条件は強化フェイズにおいて前回と異なる選手カード39(選手80の相違としてキャラクタIDで管理されてもよいし、カードの種別等、その他の情報が考慮されてもよい)が強化対象或いは強化用選手群EGとして登録された場合に満たされてもよい。具体的には、例えば、図9の例において、第2強化期において第1強化期とは異なるB選手80Bが強化対象として登録された場合或いは強化用選手群EGとして登録された場合に、消去条件は満たされてもよい。この場合、このB選手80Bが本発明の異なるキャラクタ或いは別のキャラクタとして機能する。また、消去条件はゲーム範囲の提供が終了する毎に満たされてもよい。この場合、このゲーム範囲が本発明の所定範囲として機能する。さらに、強化フェイズでは無制限に選手カード39が強化用選手群EGとして登録されてもよいし、このような登録は強化用選手群EGとして使用可能な選手カード39の数を制限するための制限条件に基づいて制限されてもよい。例えば、制限条件として所定数が採用されてもよい。このような所定数として、例えば10人(スタメン選手群SGと同数)が利用されてもよいし、その他の適宜の数が利用されてもよい。また、所定数は、例えばスタメン登録した選手80毎若しくは選手カード39のレアリティ(希少性)毎に異なるようにしてもよい。あるいは、制限条件としてパラメータの増加の上限値が採用され、そのような上限値に達した場合に制限条件が満たされてもよい。さらに、制限条件として所有者が利用され、例えば所有する選手カード39以外の使用が制限されてもよい。
次に、キャラクタデータ25及びカードデータ26の詳細について説明する。図10は、キャラクタデータ25の構成の一例を示す図である。図10に示すように、キャラクタデータ25は、各選手80の基礎(初期)パラメータを選手80毎に管理するキャラクタレコード25Rを含んでいる。また、キャラクタレコード25Rは、“キャラクタID”、及び“パラメータ(初期)”の情報を含んでいる。“キャラクタID”は、上述のキャラクタIDを示す情報である。キャラクタIDは、同じ選手80(例えば同じA選手80間)には同じIDが使用される。“パラメータ(初期)”は、各選手80の初期パラメータの内容を示す情報である。各選手80は、ゲーム開始当初は、“パラメータ(初期)”に基づいて同じパラメータ(“パワー:50”等)によって定義される。キャラクタレコード25Rには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
図11は、カードデータ26の構成の一例を示す図である。より具体的には、図11の例は、各選手カード39に対応するカードデータ26の構成の一例を示している。この場合、図11に示すように、カードデータ26は、各選手カード39に固有の各種の情報を選手カード39毎に管理するカードレコード26Rを含んでいる。また、カードレコード26Rは、“カードID”、“キャラクタID”、“ユーザID”、“パラメータ(差分)”、“種別”、及び“希少性”の情報を含んでいる。つまり、図11の例では、これらの情報が各選手カード39に関連付けられている。
“カードID”、“キャラクタID”、及び“ユーザID”は、上述のカードID、キャラクタID、及びユーザIDをそれぞれ示す情報である。“パラメータ(差分)”は、基礎(初期)パラメータからの変化分(差分)のパラメータの内容(“パワー:1”等)を示す情報である。つまり、各選手カード39の選手80に固有の成長分(変化分)は“パラメータ(差分)”としてカードデータ26によって管理される。そして、各選手カード39の選手80がゲームにおいて使用される場合には、キャラクタデータ25の“パラメータ(初期)”(“パワー:50”等)及びカードデータ26の“パラメータ(差分)”(“パワー:1”等)の情報によって各選手カード39の選手80がゲームに再現される。また、“種別”及び“希少性”は、上述のカードの種別(“通常”等)及び希少性をそれぞれ示す情報である。“種別”の情報によって、同じ選手80に対応する選手カード39であっても別々の種別として管理される。同様に、“希少性”の情報によって各選手カード39の希少性が管理される。例えば、このような希少性は、数値化され、その数値を示す情報が“希少性”の情報として使用されてもよい。カードレコード26Rには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。また、各選手80を識別するキャラクタIDの情報、これをカードデータ26に基づいて特定するためのカードID、及びカードIDの情報を記録する選手カード39が、本発明の識別情報、特定用情報、及び記録媒体としてそれぞれ機能する。
次に、図12及び図13を参照して、ゲーム提供部33が実行するスタメン登録処理、及び選手強化処理について説明する。スタメン登録処理は、各選手カード39の選手80をスタメン選手群SGとして登録するための処理である。図12の例は、エントリーフェイズにおいてエントリー画面60を通じてスタメン選手群SGが登録される場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、エントリーフェイズの提供開始(例えば対価の徴収等、所定のゲーム開始条件が満たされた場合、あるいはエントリーフェイズの提供を指示する操作がユーザによって実行された場合に提供開始されてよい)に伴い図12のスタメン登録処理を開始し、まずエントリー画面60を提供する(ステップS101)。つまり、ゲーム提供部33はエントリー画面60を表示部37に表示させる。続いてゲーム提供部33は、読み取り部36の出力結果に基づいてエントリー画面60の読み取りエリア61に選手カード39があるか否か、つまり配置されているか否か判別する(ステップS102)。読み取りエリア61に選手カード39が配置されていない(読み取りエリア61に選手カード39がない)場合、ゲーム提供部33はステップS102の判別を繰り返し実行する。つまり、ゲーム提供部33は、読み取りエリア61に選手カード39が配置されるまでステップS102の判別を繰り返す。なお、この場合、ゲーム提供部33は、所定回数或いは所定の期間等、中断条件が満たされた場合にステップS102の判別を終了してよい。
一方、読み取りエリア61に選手カード39が配置されている(読み取りエリア61に選手カード39がある)場合、ゲーム提供部33は読み取り部36の出力結果に基づいて読み取りエリア61に配置された選手カード39のカードIDの情報を取得する(ステップS103)。続いてゲーム提供部33は、ステップS103で取得したカードID或いは読み取りエリア61(守備位置、或いは打順)が既にスタメン選手群SGとして登録済みのカードID或いは読み取りエリア61(例えばDH制が導入されていないリーグの対戦に該当する場合には投手に限り、打順に該当する読み取りエリア61及び投手に該当する読み取りエリア61において重複が許容されてもよい)に該当するか否か判別する(ステップS104)。ステップS103で取得したカードID或いは読み取りエリア61が既に登録済みのカードID或いは読み取りエリア61に該当する場合、ゲーム提供部33は表示部37にエラー(登録不可)を表示させる(ステップS105)。そして、ゲーム提供部33は、エラーの表示後にステップS102に戻り、再度ステップS102の処理を実行する。
一方、ステップS103で取得したカードID或いは読み取りエリア61が既に登録済みのカードID或いは読み取りエリア61に該当しない場合、ゲーム提供部33は終了条件が満たされるか否か判別する(S106)。終了条件は、例えば、スタメン選手群SGとして選手80が制限数(例えば10名)まで登録された場合、所定期間が経過した場合、あるいはエントリーフェイズの終了を希望する操作がユーザによって実行された場合に満たされる。終了条件が満たされない場合、ゲーム提供部33はやはりステップS102に戻り、再度ステップS102の処理を実行する。一方、終了条件が満たされる場合、ゲーム提供部33は今回の処理を終了する。これにより、エントリー画面60が提供され、そのようなエントリー画面60を通じてエントリーフェイズが実現される。換言すれば、このようなエントリーフェイズを通じてスタメン選手群SGを登録する機会が提供される。
一方、選手強化処理は、強化フェイズにおいて各選手80に特典を付与するための処理である。図13の例は、エントリー画面60を通じてスタメン選手群SGと同じ選手80を強化用選手群EGとして登録することにより強化フェイズが実現される場合を示している。また、図13の例は、強化用選手群EGの登録が制限条件に基づいて所定数に制限される場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、強化フェイズの提供開始(例えばエントリーフェイズの提供後に強化フェイズの提供を希望する所定の操作が実行された場合に提供開始されてよい)に伴い図13の選手強化処理を開始し、まずエントリー画面60を提供する(ステップS201)。つまり、ゲーム提供部33はエントリー画面60を表示部37に表示させる。続いてゲーム提供部33は、読み取り部36の出力結果に基づいてエントリー画面60の読み取りエリア61に選手カード39があるか否か、つまり配置されているか否か判別する(ステップS202)。読み取りエリア61に選手カード39が配置されていない(読み取りエリア61に選手カード39がない)場合、ゲーム提供部33はステップS202の判別を繰り返し実行する。つまり、ゲーム提供部33は、読み取りエリア61に選手カード39が配置されるまでステップS202の判別を繰り返す。なお、この場合、ゲーム提供部33は、所定回数或いは所定の期間等、中断条件が満たされた場合にステップS202の判別を終了してよい。
一方、読み取りエリア61に選手カード39が配置されている(読み取りエリア61に選手カード39がある)場合、ゲーム提供部33は読み取り部36の出力結果に基づいて読み取りエリア61に配置された選手カード39のカードIDの情報を取得する(ステップS203)。続いてゲーム提供部33は、ステップS203で取得したカードID及びカードデータ26に基づいて読み取りエリア61に配置された選手カード39に対応する選手80を判別する(ステップS204)。次にゲーム提供部33は、制限条件が満たされるか否か、つまり強化用選手群EGが所定数に達したか否か判別する(ステップS205)。制限条件が満たされる(強化用選手群EGが所定数に達している)場合、ゲーム提供部33は登録対象の選手80、つまり強化用選手群EGの選手80の数を所定数に制限する(ステップS206)。この場合、ゲーム提供部33は、制限対象(強化用選手群EGへの登録が排除される選手80)を所定の条件(例えば最後に強化用選手群EGに登録された選手80等)に基づいて決定してもよいし、選択機会の付与とともにユーザの選択に基づいて決定してもよい。この場合において、今回登録の選手80を強化用選手群EGから除外する場合、つまり今回の登録を制限する場合、ゲーム提供部33はエラーを表示してよい。
一方、制限条件が満たされない(強化用選手群EGが所定数に達していない)場合、或いはステップS206の制限の後に、ゲーム提供部33は消去条件が満たされるか否か判別する(ステップS207)。消去条件は、上述のとおり強化フェイズの提供毎に満たされる。このため、基本的にステップS207において消去条件は満たされる。そして、消去条件が満たされる場合、ゲーム提供部33は、過去の特典を消去する(ステップS208)。つまり、ゲーム提供部33は、前回の強化フェイズでスタメン選手群SGの各選手80に付与された特典を消去(リセット)する。より具体的には、例えば特典としてパラメータの強化(上昇)が付与されている場合には、ゲーム提供部33は、このようなパラメータの上昇分を消去する(元に戻す)。
一方、消去条件が満たされない場合、或いはステップS208の消去後に、ゲーム提供部33は終了条件が満たされるか否か判別する(S209)。終了条件は、例えば、強化フェイズの終了を希望する操作がユーザによって実行された場合に満たされる。あるいは、終了条件は、強化用選手群EGとして選手80が制限数(例えば10名)まで登録された場合に満たされてもよい。この場合、このような終了条件が制限条件として機能するため、上述のステップS205及びS206の処理は省略されてよい。
ステップS209において終了条件が満たされない場合、ゲーム提供部33はステップS202に戻り、再度ステップS202の処理を実行する。一方、終了条件が満たされる場合、対象のスタメン選手群SGの選手80に特典を付与する(ステップS210)。より具体的には、ゲーム提供部33は、強化用選手群EGに登録された選手80の数に応じて、その選手80と同じスタメン選手群SGの選手80のパラメータを強化する(パラメータの値を向上させる)。そして、ゲーム提供部33は、このような特典を付与した後に今回の処理を終了する。これにより、エントリー画面60が提供され、そのようなエントリー画面60を通じて強化フェイズが実現される。換言すれば、このような強化フェイズを通じてスタメン選手群SGの各選手80に特典を付与する機会が提供される。そして、強化用選手群EGに登録されたスタメン選手群SGと同じ選手80の数に応じて、その特典の価値が向上する。
以上に説明したように、この形態によれば、ユーザによって強化用選手群EGとしてスタメン選手群SGと同じ選手80が登録された場合に、スタメン選手群SGのその同じ選手80に特典が付与される。より具体的には、そのような同じ選手80のパラメータが強化される(向上する)。このため、強化用選手群EGへの登録により複数の同じ選手80に対応する選手カード39の所持に特典(パラメータの強化等の有利な効果)を与えることができ、かつこのようなユーザの登録を通じてその特典にユーザの意思を反映する余地を与えることができる。また、消去条件が満たされた場合には、その特典が消去される。このため、このような消去条件を利用し、そのような特典が付与される対象の選手80を変更することができる。また、例えばそのような特典の価値が強化用選手群EGとして登録された同じ選手80の数が増えるほど高くなる場合等、強化用選手群EGに含まれる同じ選手80の数に応じて特典の内容が変化する場合には、同じ選手80の重複に伴う特典の内容にも変化を生じさせることができる。結果として、そのような特典を付与するための強化用選手群EGとしての登録(どのような選手80を何人登録するか等)、或いはスタメン選手群SGとしての登録に戦略性を与えることができる。つまり、同じ選手80に対応する選手カード39の重複所持に価値を与えることができるだけでなく、そのような重複所持に新しいゲーム要素を与えることができる。
また、制限条件に基づいて登録数が所定数に制限される場合には、強化用選手群EGの選手数に制限が与えられる。このため、例えば強化用選手群EGに含まれる同じ選手80の数に応じてパラメータの上昇値等が変化する場合等、強化用選手群EGの各選手80の登録の仕方等に応じて特典の価値が変化する場合に与えられる戦略性に更に制限を設定することができる。これにより、強化用選手群EGへの選手80の使用の難易度を上げることができる。同様に、強化用選手群EGによって強化されるべき強化対象の選手80、つまりスタメン選手群SGの登録もユーザに委ねられているので、このような強化対象の選手80(換言すれば特典の付与対象として機能する選手80)の選択にもユーザの意思を反映する余地を与えることができる。これにより、このような選択ができない場合に比べて特典の付与に関する戦略性をより多様化することができる。
さらに、スタメン選手群SG及び強化用選手群EGへの登録には選手カード39が要求され、かつ一度特典が付与されても消去条件が満たされた場合にはその特典が消去(リセット)されるため、特典の消去後に特典等、再度特典の付与が必要な場合には、同じ選手80に対応する重複した選手カード39の所持が要求される。これにより、重複する同じ選手80に対応する複数の選手カード39の継続的な所持を促進し、そのような選手カード39の破棄を抑制することができる。結果として、重複する同じ選手80の選手カード39の価値を向上させることができる。これらにより、ゲームの興趣性も向上させることができる。
以上の形態において、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図12の手順を実行することにより本発明の第1機会付与手段として機能する。具体的には、ゲーム提供部33が図12のステップS101の処理を実行することにより第1機会付与手段として機能する。また、ゲーム機3のゲーム提供部33が図13の手順を実行することにより本発明の第2機会付与手段、特典付与手段、特典消去手段、及び使用制限手段として機能する。具体的には、ゲーム提供部33が図13のステップS201の処理を実行することにより第2機会付与手段として、図13のステップS210の処理を実行することにより特典付与手段として、図13のステップS208の処理を実行することにより特典消去手段として、図13のステップS206(或いはS209でもよい)の処理を実行することにより使用制限手段として、それぞれ機能する。さらに、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図12の手順のステップS103の処理及び図13の手順のステップS203の処理を実行することにより本発明の情報取得手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、選手カード39の使用を通じてスタメン選手群SG等のゲーム用の選手80が登録されている。しかし、スタメン選手群SG等の選手80の登録は、このような形態に限定されない。例えば、選手カード39の使用は省略されてよい。つまり、ゲーム中にのみ存在する電子的な複数の選手80からスタメン選手群SG等の対象の選手80がユーザによって選択されてよい。また、このような選択は、各種の選択画面等を通じて適宜に実行されてよい。同様に、強化対象の選手80も選択画面等の各種の方法によって選択されてよい。そして、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム等のゲーム機3が提供する各種のゲームの各種のキャラクタ(人格的要素を持つものに限定されず、車等の各種の存在を含む)が選手80と同様の役割を果たしてよい。
また、ゲーム機3はアーケードゲーム機に限定されず、据え置き型のいわゆる家庭用ゲーム装置やユーザ端末装置4等がゲーム機3として利用されてもよい。また、ゲーム機3はこれらのユーザ端末装置4等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。さらに、ゲーム装置がセンターサーバ2として機能してもよい。つまり、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3等のゲーム装置が実行してもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、キャラクタ(80)毎に設定される識別情報(例えばキャラクタID)によって互いに識別される複数のキャラクタを含むゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記ゲームのユーザによって前記識別情報が共通する複数の同じキャラクタ(例えばA選手80A)が使用された場合に、当該複数の同じキャラクタのうちの一のキャラクタを定義するパラメータに特典を付与する特典付与手段(31)と、前記特典を消去するための消去条件が満たされた場合に、前記一のキャラクタに付与された前記特典を消去する特典消去手段(31)と、を備えるものである。
本発明によれば、複数のキャラクタのうちユーザによって互いに同じキャラクタが使用された場合にそれらの一つに特典が付与される。このため、このようなユーザの使用を通じて、キャラクタが重複する場合の特典にユーザの意思を反映する余地を与えることができる。また、消去条件が満たされた場合には、その付与された特典が消去される。このため、このような消去条件を利用し、特典が付与される対象のキャラクタを変更することができる。また、例えばそのような特典の価値が同じキャラクタの数が増えるほど高くなる場合等、同じキャラクタの数に応じて特典の内容が変化する場合(例えば、その他にも使用の時期、使用の順番や組み合わせといった使用の仕方等、適宜の条件で価値の内容は変化してよい)には、キャラクタの重複に伴う特典の内容にも変化を生じさせることができる。結果として、どのようなキャラクタを重複的に使用するか、そのうちのどのキャラクタに特典を付与するか、或いはその特典の内容をどのようなものにするか、といった戦略性を同じキャラクタの使用に与えることができる。つまり、キャラクタの重複に価値を与えることができるだけでなく、そのような重複に新しいゲーム要素を与えることができる。これらにより、ゲームの興趣性を向上させることもできる。
同じキャラクタとして使用されるキャラクタの数は適宜でよい。このため、そのような数に制限が設けられていてもよいし、制限は設けられていなくてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記複数の同じキャラクタとして使用されるキャラクタの数を制限するための制限条件が満たされた場合に、前記特典の付与のために使用される前記複数の同じキャラクタの数を所定数に制限する使用制限手段(31)を備える態様が採用されてもよい。この場合、制限条件に基づいて同じキャラクタとして使用されるキャラクタの数に制限が与えられる。このため、例えば同じキャラクタの数に応じて特典の内容が変化する場合等、同じキャラクタの使用の仕方等に応じて特典の価値が変化する場合に与えられる戦略性に更に制限を設定することができる。これにより、同じキャラクタの使用の難易度を上げることができるので、ゲームの興趣性を更に向上させることができる。
複数の同じキャラクタのうち、一のキャラクタとして機能するキャラクタは各種の条件で決定されてよい。例えば、ゲームのプレイ状況、ランダム選択、或いはユーザの選択といった各種の条件が利用されてよい。また、ゲームのプレイ状況として、前回のプレイにおいて最も活躍したキャラクタ、或いはその逆等の適宜の過去のプレイ状況が利用されてもよいし、ゲーム中に特定の条件(例えば所定値以上の獲得スコア等)を満たした場合等の各種の現在のプレイ状況が利用されてもよい。同様に、一のキャラクタはユーザによって適宜の形態で選択されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記複数のキャラクタのうち前記ゲームの進行に寄与するキャラクタとしての寄与キャラクタ(SG)を前記ユーザに登録させるための第1登録機会(例えばエントリーフェイズ)を付与する第1機会付与手段(31)と、前記寄与キャラクタと同じキャラクタが登録された場合に当該同じキャラクタ及び前記寄与キャラクタが前記複数の同じキャラクタとして機能するように前記同じキャラクタを前記ユーザに登録させるための第2登録機会(例えば強化フェイズ)を付与する第2機会付与手段(31)と、を備え、前記特典付与手段は、前記寄与キャラクタ及び前記同じキャラクタのうち前記寄与キャラクタが前記一のキャラクタとして機能するように前記寄与キャラクタを定義するパラメータに前記特典を付与する態様が採用されてもよい。この場合、特典の付与対象として機能するキャラクタの選択にもユーザの意思を反映する余地を与えることができる。これにより、同じキャラクタの使用に付与される戦略性をより多様化することができる。
消去条件として、各種の条件が採用されてよい。例えば、第1登録機会及び第2登録機会が付与される本発明の一態様において、前記特典消去手段は、所定範囲(例えばゲーム範囲)のプレイが終了した場合、前記第1登録機会を通じて前回の前記第1登録機会において前記寄与キャラクタとして登録されたキャラクタとは異なるキャラクタ(例えばB選手80B)が前記寄与キャラクタとして登録された場合、及び前記第2登録機会を通じて前回の前記第2登録機会とは別のキャラクタ(例えばB選手80B)が前記同じキャラクタとして登録された場合の少なくとも一つの場合に前記消去条件が満たされたと判別し、前記一のキャラクタの前記特典を消去してもよい。
第1付与機会及び第2付与機会は、各種の態様で付与されてよい。例えば、複数の使用対象を順に選択する第1登録機会において最初(或いは最後)等の所定の順番に使用対象として選択された同じキャラクタが一のキャラクタとして機能する場合等、第1付与機会及び第2付与機会は、同時に付与されてもよい。あるいは、これらは、例えば第1登録機会において第2登録機会が付与される場合等、いずれか一方が他方の一部として提供されてもよい。また、例えば、第1登録機会及び第2登録機会が付与される本発明の一態様において、前記第2機会付与手段は、前記第2登録機会を前記第1登録機会とは別に付与してよい。
また、複数のキャラクタとして、適宜のキャラクタが利用されてよい。例えば、これらのキャラクタは電子的にゲーム中にのみ存在するキャラクタであってよい。あるいは、これらのキャラクタは、カードやフィギュア等の各種の物理的な媒体に関連付けられていてもよい。そして、それらの物理的な媒体の使用に伴い各キャラクタがゲームに再現されてもよい。このため、例えば、第1登録機会及び第2登録機会が付与される本発明の一態様として、前記識別情報を特定するための特定用情報(例えばカードID)を記録することにより前記識別情報のキャラクタに対応する各記録媒体(39)から前記第1登録機会及び前記第2登録機会において前記特定用情報を取得する情報取得手段(31)を備え、前記特典付与手段は、前記特定用情報に基づいて前記第2登録機会において前記同じキャラクタに対応する記録媒体から前記識別情報が特定された場合に前記複数の同じキャラクタが前記ゲームに使用されたと判別し、前記特典を付与する態様が採用されてもよい。この場合、同じキャラクタを使用するためには、それらにそれぞれ対応する記録媒体の使用が要求される。一方で、一度特典が付与されても、消去条件が満たされた場合にはその特典がリセットされてしまう。このため、再度特典を得るためには、同じキャラクタに対応する複数の記録媒体の所持が要求される。これらにより、重複するキャラクタに対応する記録媒体の所有を促進し、そのような記録媒体が破棄されることを抑制することができる。結果として、キャラクタの重複する各記録媒体の価値をより向上させることができる。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記ゲームを提供するための出力装置(11)、及び前記ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置(36)に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。