JP2020000022A - 作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】何らかの事情で車体が傾いた場合でも安定的に走行することができる作業車両を提供する。【解決手段】作業車両は、車体を操舵する操舵装置11と、車体の傾きを検出する傾き検出装置42と、走行基準ラインに基づいて操舵装置11の自動操舵を行う制御装置60と、を備え、制御装置60は、自動操舵中に傾き検出装置42で検出した車体の傾きが所定以上となった場合に、自動操舵で設定された第1操舵角とは異なる第2操舵角に変更する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、作業車両に関する。
従来、農作業機として特許文献1が知られている。特許文献1の農作業機は、手動操舵による手動走行と、基準走行ラインに平行に設定される設定走行ラインに沿って自動操舵により走行する自動走行とを切替自在な走行機体と、手動走行と自動走行とを切替自在な切替スイッチとを備えている。また、農作業機は、畝に沿って走行中に右指示ボタンを押した後、基準走行ラインの始点が設定され、走行中に左指示ボタンを押すことによって基準走行ラインの終点が設定される。即ち、自動操舵前に基準走行ラインの設定を行っている。
特開2017−123803号公報
特許文献1の農作業機では、切替スイッチによって手動走行から自動走行に切り換えることにより、簡単に自動走行を行うことができる。しかしながら、農作業機において、何らかの事情で走行機体が傾いた場合に安定的に自動走行を行うのが難しいのが実情である。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、何らかの事情で車体が傾いた場合でも安定的に走行することができる作業車両を提供することを目的とする。
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
作業車両は、車体を操舵する操舵装置と、前記車体の傾きを検出する傾き検出装置と、走行基準ラインに基づいて前記操舵装置の自動操舵を行う制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記自動操舵中に前記傾き検出装置で検出した車体の傾きが所定以上となった場合に、前記自動操舵で設定された第1操舵角とは異なる第2操舵角に変更する。
前記制御装置は、前記傾き検出装置で検出した前記車体の幅方向の傾きが所定以上となった場合に、前記第2操舵角に設定する。
前記制御装置は、前記第2操舵角を、前記車体が安定する方向に設定する。
前記制御装置は、前記車体の幅方向の傾きが変化したときに、前記車体が幅方向の一方側に傾いたときには他方側に操舵角を設定し、幅方向の他方側に傾いたときには一方側に操舵角を設定する。
前記制御装置は、前記傾き検出装置が検出した傾きの変化の大きさ及び変化の継続時間に応じて操舵角を算出する。
前記操舵装置は、前記第2操舵角に変更後、当該第2操舵角に操舵した操舵方向と反対側に操舵を行う。
前記操舵装置は、前記第2操舵角に変更後、当該前記操舵装置の操舵角を、前記自動操舵で設定された第1操舵角にする。
作業車両は、手動操舵により車体の操舵を行うステアリングハンドルと、前記自動操舵の開始及び終了のいずれかを切り換える操舵切換スイッチと、を備えている。
作業車両は、前記車体の位置を検出可能な測位装置と、前記測位装置で検出された車体の位置を前記走行基準ラインの開始位置及び終了位置に設定する基準ライン設定スイッチと、を備えている。
本発明によれば、何らかの事情で車体が傾いた場合でも安定的に走行することができる。
トラクタの構成及び制御ブロック図を示す図である。 自動操舵を説明する説明図である。 プッシュスイッチにおける補正量を説明する説明図である。 スライドスイッチにおける補正量を説明する説明図である。 プッシュスイッチにおける第1補正部及び第2補正部を示す図である。 スライドスイッチにおける第1補正部及び第2補正部を示す図である。 自動操舵中で直進中に演算車体位置が右にずれた場合の状態を示している。 自動操舵中で直進中に演算車体位置が左にずれた場合の状態を示している。 運転席の前方のカバーを運転席側から見た図である。 自動操舵における制御を説明する説明図である。 自動操舵中のトラクタの後輪が障害物に乗り上げた状態を示す図である。 図8の状態が発生した後、カウンタ制御を行うことができるトラクタと、トラクタ制御を行うことができないトラクタとの挙動について説明する説明図である。 自動操舵中のトラクタの後輪が障害物に落ち込んだ状態を示す図である。 図10の状態が発生した後、カウンタ制御を行うことができるトラクタと、トラクタ制御を行うことができないトラクタとの挙動について説明する説明図である。 トラクタの全体図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図12は作業車両1の一実施形態を示す側面図であり、図12は作業車両1の一実施形態を示す平面図である。本実施形態の場合、作業車両1はトラクタである。但し、作業車両1は、トラクタに限定されず、コンバインや移植機等の農業機械(農業車両)であってもよいし、ローダ作業機等の建設機械(建設車両)等であってもよい。
以下、トラクタ(作業車両)1の運転席10に着座した運転者の前側(図12の矢印A1方向)を前方、運転者の後側(図12の矢印A2方向)を後方、運転者の左側を左方、運転者の右側を右方として説明する。また、作業車両1の前後方向に直交する方向である水平方向を車体幅方向として説明する。
図12に示すように、トラクタ1は、車体3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。車体3は走行装置7を有していて走行可能である。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7Rも、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。
原動機4は、ディーゼルエンジン、電動モータ等であって、この実施形態ではディーゼルエンジンで構成されている。変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。車体3には運転席10が設けられている。
また、車体3の後部には、3点リンク機構等で構成された連結部8が設けられている。連結部8には、作業装置を着脱可能である。作業装置を連結部8に連結することによって、車体3によって作業装置を牽引することができる。作業装置は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。
図1に示すように、変速装置5は、主軸(推進軸)5aと、主変速部5bと、副変速部5cと、シャトル部5dと、PTO動力伝達部5eと、前変速部5fと、を備えている。推進軸5aは、変速装置5のハウジングケース(ミッションケース)に回転自在に支持され、当該推進軸5aには、エンジン4のクランク軸からの動力が伝達される。主変速部5bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。主変速部5bは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、推進軸5aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
副変速部5cは、主変速部5bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。副変速部5cは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部5bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
シャトル部5dは、シャトル軸12と、前後進切替部13とを有している。シャトル軸12には、副変速部5cから出力された動力がギア等を介して伝達される。前後進切換部13は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸12の回転方向、即ち、トラクタ1の前進及び後進を切り換える。シャトル軸12は、後輪デフ装置20Rに接続されている。後輪デフ装置20Rは、後輪7Rが取り付けられた後車軸21Rを回転自在に支持している。
PTO動力伝達部5eは、PTO推進軸14と、PTOクラッチ15とを有している。PTO推進軸14は、回転自在に支持され、推進軸5aからの動力が伝達可能である。PTO推進軸14は、ギア等を介してPTO軸16に接続されている。PTOクラッチ15は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によって、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達する状態と、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達しない状態とに切り換わる。
前変速部5fは、第1クラッチ17と、第2クラッチ18とを有している。第1クラッチ17及び第2クラッチは、推進軸5aからの動力が伝達可能であって、例えば、シャトル軸12の動力が、ギア及び伝動軸を介して伝達される。第1クラッチ17及び第2クラッチ18からの動力は、前伝動軸22を介して前車軸21Fに伝達可能である。具体的には、前伝動軸22は、前輪デフ装置20Fに接続され、前輪デフ装置20Fは、前輪7Fが取り付けられた前車軸21Fを回転自在に支持している。
第1クラッチ17及び第2クラッチ18は、油圧クラッチ等で構成されている。第1クラッチ17には油路が接続され、当該油路には油圧ポンプから吐出した作動油が供給される第1作動弁25に接続されている。第1クラッチ17は、第1作動弁25の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。第2クラッチ18には油路が接続され、当該油路には第2作動弁26に接続されている。第2クラッチ18は、第2作動弁26の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。第1作動弁25及び第2作動弁26は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、接続状態又は切断状態に切り換わる。
第1クラッチ17が切断状態で且つ第2クラッチ18が接続状態である場合、第2クラッチ18を通じてシャトル軸12の動力が前輪7Fに伝達される。これにより、前輪及び後輪が動力によって駆動する四輪駆動(4WD)で且つ前輪と後輪との回転速度が略同じとなる(4WD等速状態)。一方、第1クラッチ17が接続状態で且つ第2クラッチ18が切断状態である場合、四輪駆動になり且つ前輪の回転速度が後輪の回転速度に比べて速くなる(4WD増速状態)。また、第1クラッチ17及び第2クラッチ18が切断状態である場合、シャトル軸12の動力が前輪7Fに伝達されないため、後輪が動力によって駆動する二輪駆動(2WD)となる。
トラクタ1は、測位装置40を備えている。測位装置40は、D−GPS、GPS、GLONASS、北斗、ガリレオ、みちびき等の衛星測位システム(測位衛星)により、自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出可能である。即ち、測位装置40は、測位衛星から送信された衛星信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、衛星信号に基づいて位置(例えば、緯度、経度)を検出する。測位装置40は、受信装置41と、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)42とを有している。受信装置41は、アンテナ等を有していて測位衛星から送信された衛星信号を受信する装置であり、慣性計測装置42とは別に車体3に取付けられている。この実施形態では、受信装置41は、車体3に設けられたロプスに取付けられている。なお、受信装置41の取付箇所は、実施形態に限定されない。
慣性計測装置42は、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等を有している。車体3、例えば、運転席10の下方に設けられ、慣性計測装置42によって、車体3のロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することができる。
図1に示すように、トラクタ1は、操舵装置11を備えている。操舵装置11は、運転者の操作によって車体3の操舵を行う手動操舵と、運転者の操作によらずに自動的に車体3の操舵を行う自動操舵とを行うことが可能な装置である。
操舵装置11は、ステアリングハンドル(ステアリングホイール)30と、ステアリングハンドル30を回転可能に支持するステアリングシャフト(回転軸)31とを有している。また、操舵装置11は、補助機構(パワーステアリング装置)32を有している。補助機構32は、油圧等によってステアリングシャフト31(ステアリングハンドル30)の回転を補助する。補助機構32は、油圧ポンプ33と、油圧ポンプ33から吐出した作動油が供給される制御弁34と、制御弁34により作動するステアリングシリンダ35とを含んでいる。制御弁34は、例えば、スプール等の移動によって切り換え可能な3位置切換弁であり、ステアリングシャフト31の操舵方向(回転方向)に対応して切り換わる。ステアリングシリンダ35は、前輪7Fの向きを変えるアーム(ナックルアーム)36に接続されている。
したがって、運転者がステアリングハンドル30を把持して一方向又は他方向に操作すれば、当該ステアリングハンドル30の回転方向に対応して制御弁34の切換位置及び開度が切り換わり、当該制御弁34の切換位置及び開度に応じてステアリングシリンダ35が左又は右に伸縮することによって、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。つまり、車体3は、ステアリングハンドル30の手動操舵によって、進行方向を左又は右に変更することができる。
次に、自動操舵について説明する。
図2に示すように、自動操舵を行うに際しては、まず、自動操舵を行う前に走行基準ラインL1を設定する。走行基準ラインL1の設定後に、当該走行基準ラインL1に平行な走行予定ラインL2の設定を行うことによって自動操舵を行うことができる。自動操舵では、測位装置40によって測定された車体位置と走行予定ラインをL2とが一致するように、トラクタ1(車体3)の進行方向の操舵を自動的に行う。
具体的には、自動操舵を行う前にトラクタ1(車体3)を圃場内の所定位置に移動させ(S1)、所定位置にて運転者がトラクタ1に設けられた操舵切換スイッチ52の操作を行うと(S2)、測位装置40によって測定された車体位置が走行基準ラインL1の始点P10に設定される(S3)。また、トラクタ1(車体3)を走行基準ラインL1の始点P10から移動させ(S4)、所定の位置で運転者が操舵切換スイッチ52の操作を行うと(S5)、測位装置40によって測定された車体位置が走行基準ラインL1の終点P11に設定される(S6)。したがって、始点P10と終点P11とを結ぶ直線が走行基準ラインL1として設定される。
走行基準ラインL1の設定後(S6後)、例えば、トラクタ1(車体3)を、走行基準ラインL1を設定した場所とは異なる場所に移動させ(S7)、運転者が操舵切換スイッチ52の操作を行うと(S8)、走行基準ラインL1に平行な直線である走行予定ラインL2が設定される(S9)。走行予定ラインL2の設定後、自動操舵が開始され、トラクタ1(車体3)の進行方向が走行予定ラインL2に沿うように変更される。例えば、現在の車体位置が走行予定ラインL2に対して左側にある場合には、前輪7Fが右に操舵され、現在の車体位置が走行予定ラインL2に対して右側にある場合には、前輪7Fが左に操舵される。なお、自動操舵中において、トラクタ1(車体3)の走行速度(車速)は、運転者が手動で当該トラクタ1に設けられたアクセル部材(アクセルペダル、アクセルレバー)の操作量を変更したり、変速装置の変速段を変更することにより変更することができる。
また、自動操舵の開始後、運転者が任意の箇所で操舵切換スイッチ52の操作を行うと、自動操舵を終了することができる。即ち、走行予定ラインL2の終点は、操舵切換スイッチ52の操作による自動操舵の終了によって設定することができる。つまり、走行予定ラインL2の始点から終点までの長さは、走行基準ラインL1よりも長く設定したり、短く設定することができる。言い換えれば、走行予定ラインL2は、走行基準ラインL1の長さとは関連付けされておらず、走行予定ラインL2によって、走行基準ラインL1の長さよりも長い距離を自動操舵しながら走行させることができる。
図1に示すように、操舵装置11は、自動操舵機構37を有している。自動操舵機構37は、車体3の自動操舵を行う機構であって、測位装置40で検出された車体3の位置(車体位置)に基づいて車体3を自動操舵する。自動操舵機構37は、ステアリングモータ38とギア機構39とを備えている。ステアリングモータ38は、車体位置に基づいて、回転方向、回転速度、回転角度等が制御可能なモータである。ギア機構39は、ステアリングシャフト31に設けられ且つ当該ステアリングシャフト31と供回りするギアと、ステアリングモータ38の回転軸に設けられ且つ当該回転軸と供回りするギアとを含んでいる。ステアリングモータ38の回転軸が回転すると、ギア機構39を介して、ステアリングシャフト31が自動的に回転(回動)し、車体位置が走行予定ラインL2に一致するように、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。
図1に示すように、トラクタ1は、表示装置45を備えている。表示装置45は、トラクタ1に関する様々な情報を表示可能な装置であって、少なくともトラクタ1の運転情報を表示可能である。表示装置45は、運転席10の前方に設けられている。
図1に示すように、トラクタ1は、設定スイッチ51を備えている。設定スイッチ51は、少なくとも自動操舵の開始前の設定を行う設定モードに切り換えるスイッチである。設定モードは、自動操舵を開始する前に当該自動操舵に関する様々な設定を行うモードであり、例えば、走行基準ラインL1の始点、終点の設定等を行うモードである。
設定スイッチ51は、ON又はOFFに切換可能であり、ONである場合には設定モードが有効である信号を出力し、OFFである場合には設定モードが無効である信号を出力する。また、設定スイッチ51は、ONである場合には設定モードが有効である信号を表示装置45に出力し、OFFである場合には設定モードが無効である信号を表示装置45に出力する。
トラクタ1は、操舵切換スイッチ52を備えている。操舵切換スイッチ52は、自動操舵の開始又は終了を切り換えるスイッチである。具体的には、操舵切換スイッチ52は、中立位置から上、下、前、後に切換可能であり、設定モードが有効である状態で中立位置から下方に切り換えられた場合には自動操舵の開始を出力し、設定モードが有効である状態で中立位置から上方に切り換えられた場合には自動操舵の終了を出力する。また、操舵切換スイッチ52は、設定モードが有効である状態で中立位置から後に切り換えられた場合には、現在の車体位置を走行基準ラインL1の始点P10に設定することを出力し、操舵切換スイッチ52は、設定モードが有効である状態で中立位置から前に切り換えられた場合には、現在の車体位置を走行基準ラインL1の終点P11に設定することを出力する。即ち、操舵切換スイッチ52は、走行基準ラインL1の開始位置(始点P10)及び終了位置(終点P11)を設定する基準ライン設定スイッチを兼用している。なお、操舵切換スイッチ52は、自動操舵の開始又は終了を切り換える操舵切換スイッチ52と、基準ライン設定スイッチとは別体に構成してもよい。
トラクタ1は、補正スイッチ53を備えている。補正スイッチ53は、測位装置40によって測定された車体位置(緯度、経度)を補正するスイッチである。即ち、補正スイッチ53は、衛星信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)と、慣性計測装置42で計測した測定情報(加速度、角速度)とで演算された車体位置(演算車体位置という)を補正するスイッチである。
補正スイッチ53は、押圧可能なプッシュスイッチ又はスライド可能なスライドスイッチで構成されている。以下、補正スイッチ53がプッシュスイッチ、スライドスイッチのそれぞれである場合について説明する。
補正スイッチ53がプッシュスイッチである場合、当該プッシュスイッチの操作回数に基づいて、補正量が設定される。補正量は、補正量=操作回数×1回の操作回数当たりの補正量により決定される。例えば、図3Aに示すように、プッシュスイッチを操作する毎に、補正量が数センチ或いは数十センチずつ増加する。プッシュスイッチの操作回数は、第1制御装置60Aに入力され、当該第1制御装置60Aが操作回数に基づいて補正量を設定(演算)する。
また、補正スイッチ53がスライドスイッチである場合、当該スライドスイッチの操作量(変位量)に基づいて、補正量が設定される。例えば、補正量は、補正量=所定位置からの変位量により決定される。例えば、図3Bに示すように、スライドスイッチの変位量が5mm増加する毎に、補正量が数センチ或いは数十センチずつ増加する。スライドスイッチの操作量(変位量)は、第1制御装置60Aに入力され、当該第1制御装置60Aが変位量に基づいて補正量を設定(演算)する。なお、上述した補正量の増加方法及び増加の割合は、上述した数値に限定されない。
詳しくは、図4A及び図4Bに示すように、補正スイッチ53は、第1補正部53Aと、第2補正部53Bとを有している。第1補正部53Aは、車体3の幅方向における一方側、即ち、左側に対応する車体位置の補正を指令する部分である。第2補正部53Bは、車体3の幅方向における他方側、即ち、右側に対応する車体位置の補正を指令する部分である。
図4Aに示すように、補正スイッチ53がプッシュスイッチである場合、第1補正部53A及び第2補正部53Bは、操作を行う毎に自動的に復帰するON又はOFFのスイッチである。第1補正部53Aを構成するスイッチと第2補正部53Bを構成するスイッチとは一体化されている。なお、第1補正部53Aを構成するスイッチと第2補正部53Bを構成するスイッチとは互いに離間して配置されていてもよい。図3Aに示すように、第1補正部53Aを押圧する毎に、車体3の左側に対応する補正量(左補正量)が増加する。また、第2補正部53Bを押圧する毎に、車体3の右側に対応する補正量(右補正量)が増加する。
図4Bに示すように、補正スイッチ53がスライドスイッチである場合、第1補正部53A及び第2補正部53Bは、長孔の長手方向に沿って左又は右に移動する摘み部55を含んでいる。補正スイッチ53がスライドスイッチである場合、第1補正部53Aと第2補正部53Bとは互いに幅方向に離間して配置されている。図3Bに示すように、摘み部55を予め定められた基準位置から徐々に左側へ変位させると、変位量に応じて左補正量が増加する。また、摘み部55を予め定められた基準位置から徐々に右側へ変位させると、変位量に応じて右補正量が増加する。なお、図4Bに示すように、スライドスイッチである場合、第1補正部53Aと第2補正部53Bとを一体化に形成し、摘み部55の基準位置を中央部に設定し、基準位置から左側に移動した場合に左補正量が設定され、摘み部55を中間位置から右側に移動した場合に右補正量が設定される構成としてもよい。
次に、補正スイッチ53による補正量(左補正量、右補正量)と、走行予定ラインL2と、トラクタ1(車体3)の挙動(走行軌跡)との関係について説明する。
図5Aは、自動操舵中で直進中に演算車体位置W1が右にずれた場合の状態を示している。図5Aに示すように、自動操舵が開始された状態において、実際のトラクタ1(車体3)の位置(実際位置W2)と演算車体位置W1とが一致し、且つ、実際位置W2と走行予定ラインL2とが一致している場合、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。即ち、測位装置40の測位に誤差がなく、測位装置40で検出した車体位置(演算車体位置W1)が実際位置W2と同じである区間P1では、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。なお、測位装置40の測位に誤差がなく補正も行われていない場合は、演算車体位置W1と、補正量で補正した補正後の車体位置(補正車体位置)W3とは同じ値である。補正車体位置W3は、補正車体位置W3=演算車体位置W1−補正量である。
ここで、位置P20の付近において、実際位置W2が走行予定ラインL2に対してズレていないのにも関わらず、様々な影響により、測位装置40の測位に誤差が生じ、測位装置40で検出した車体位置W1が走行予定ラインL2(実際位置W2)に対して右側にズレてしまい、ズレ量W4が維持されているとすると、トラクタ1は、演算車体位置W1と走行予定ラインL2とにズレが生じたと判断し、演算車体位置W1と走行予定ラインL2とのズレ量W4を解消するように、当該トラクタ1を左に操舵する。そうすると、トラクタ1の実際位置W2は左の操舵によって走行予定ラインL2にシフトする。その後、運転者がトラクタ1が走行予定ラインL2からズレていることに気づき、位置P21にて第2補正部53Bを操舵して右補正量を零から増加させたとする。演算車体位置W1に対して右補正量が加えられ、補正後の車体位置(補正車体位置)W3は、実際位置W2と略同じにすることができる。つまり、第2補正部53Bによって右補正量を設定することにより、位置P20の付近において発生したズレ量W4を解消する方向に、測位装置40の車体位置を補正することができる。なお、図5Aの位置P21に示すように、車体位置の補正後、トラクタ1の実際位置W2が走行予定ラインL2から左側に離れている場合は、トラクタ1は右に操舵され、当該トラクタ1の実際位置W2を、走行予定ラインL2に一致させることができる。
図5Bは、自動操舵中で直進中に演算車体位置W1が左にずれた場合の状態を示している。図5Bに示すように、自動操舵が開始された状態において、実際位置W2と演算車体位置W1とが一致し、且つ、実際位置W2と走行予定ラインL2とが一致している場合、図5Aと同様に、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。即ち、図5Aと同様に、測位装置40の測位に誤差がない区間P2では、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。また、図5Aと同様に、演算車体位置W1と補正車体位置W3とは同じ値である。
ここで、位置P22において、様々な影響により、測位装置40の測位に誤差が生じ、測位装置40で検出した車体位置W1が実際位置W2に対して左側にズレてしまい、ズレ量W5が維持されているとすると、トラクタ1は、演算車体位置W1と走行予定ラインL2とのズレ量W5を解消するように、当該トラクタ1を右に操舵する。その後、運転者がトラクタ1が走行予定ラインL2からズレていることに気づき、運転者が位置P23にて第1補正部53Aを操舵して左補正量を零から増加させたとする。そうすると、演算車体位置W1に対して左補正量が加えられ、補正後の車体位置(補正車体位置)W3は、実際位置W2と略同じにすることができる。つまり、第1補正部53Aによって左補正量を設定することにより、位置P22の付近において発生したズレ量W5を解消する方向に、測位装置40の車体位置を補正することができる。なお、図5Bの位置P23に示すように、車体位置の補正後、トラクタ1の実際位置W2が走行予定ラインL2から右側に離れている場合は、トラクタ1は左に操舵され、当該トラクタ1の実際位置W2を、走行予定ラインL2に一致させることができる。
次に、設定スイッチ51、補正スイッチ53について説明する。
図6に示すように、ステアリングシャフト31の外周は、ステアリングポスト180により覆われている。ステアリングポスト180の外周は、カバー177により覆われている。カバー177は、運転席10の前方に設けられている。カバー177は、パネルカバー178とコラムカバー179とを含んでいる。
パネルカバー178は、表示装置45を支持している。パネルカバー178の上板部178aには、表示装置45を支持する支持部178eが設けられている。支持部178eは、ステアリングシャフト31の前方且つステアリングハンドル30の下方において表示装置45を支持している。また、上板部178aは、設定スイッチ51及び補正スイッチ53が取り付けられた取付面178fを有している。取付面178fは、支持部178eの後方であって且つステアリングハンドル30の下方に設けられている。支持部178eと取付面178fとは連続しており、支持部178eは上板部178aの前部に位置し、取付面178fは上板部178aの後部に位置している。設定スイッチ51、補正スイッチ53は、取付面178fに取り付けられている。これにより、設定スイッチ51、補正スイッチ53は、ステアリングシャフト31の周囲に配置されている。
パネルカバー178の左板部178bからはシャトルレバー181が突出している。シャトルレバー181は、車体3の走行方向を切り換える操作を行う部材である。より詳しく説明すると、シャトルレバー181を前方に操作(揺動)することにより、前後進切換部13が走行装置7へ前進動力を出力する状態となり、車体3の走行方向が前進方向に切り換えられる。また、シャトルレバー181を後方に操作(揺動)することにより、前後進切換部13が走行装置7へ後進動力を出力する状態となり、車体3の走行方向が後進方向に切り換えられる。シャトルレバー181が中立位置にあるときには、走行装置7へ動力が出力されない。
コラムカバー179は、ステアリングハンドル30の下方に配置されており、ステアリングシャフト31の上部の周囲を覆っている。コラムカバー179は、略四角筒状に形成されており、パネルカバー178の取付面178fから上方に突出している。つまり、取付面178fは、コラムカバー179の周囲に設けられている。そのため、取付面178fに取り付けられた設定スイッチ51、補正スイッチ53は、コラムカバー179の周囲に配置されている。
次に、設定スイッチ51、操舵切換スイッチ52、補正スイッチ53のそれぞれの配置について詳しく説明する。図6に示すように、設定スイッチ51、操舵切換スイッチ52、補正スイッチ53は、ステアリングシャフト31の周囲に配置されている。
設定スイッチ51は、ステアリングシャフト31の一側方(左方)に配置されている。操舵切換スイッチ52は、ステアリングシャフト31の一側方(左方)に配置されている。本実施形態の場合、操舵切換スイッチ52は、揺動可能なレバーから構成されている。操舵切換スイッチ52は、ステアリングシャフト31側に設けられた基端部を支点として揺動可能である。操舵切換スイッチ52の基端部は、コラムカバー179の内部に設けられている。操舵切換スイッチ52は、コラムカバー179の一側方(左方)に突出している。
補正スイッチ53は、ステアリングシャフト31の他側方(右方)に配置されている。より詳しくは、補正スイッチ53は、ステアリングシャフト31の右方且つ後方(斜め右後方)に配置されている。補正スイッチ53は、コラムカバー179との位置関係では、コラムカバー179の右方且つ後方(斜め右後方)に配置されている。補正スイッチ53は、パネルカバー178の取付面178fとの位置関係では、取付面178fの右後部に配置されている。補正スイッチ53が傾斜した取付面178fの後部に配置されていることによって、補正スイッチ53とステアリングハンドル30との距離を長く確保することができる。これにより、意図しない補正スイッチ53の操作やステアリングハンドル30の操舵をより確実に防止できる。
上述の通り、設定スイッチ51、操舵切換スイッチ52、補正スイッチ53は、ステアリングシャフト31の周囲に配置されている。言い換えれば、設定スイッチ51、操舵切換スイッチ52、補正スイッチ53は、ステアリングシャフト31の周囲に集約して存在している。そのため、運転者は、各スイッチの位置を一目瞭然で把握することができる。加えて、運転者は、運転席10に着座したままの状態で姿勢を変えずに各スイッチを操作することができる。そのため、操作性が良好となり、且つ誤操作を防止することができる。また、各スイッチから配策されるハーネス(配線)を短くすることができる。
尚、上述したスイッチの配置について、左と右とを入れ替えて配置してもよい。つまり、一側方が左方であって他側方が右方であってもよいし、一側方が右方であって他側方が左方であってもよい。具体的には、例えば、設定スイッチ51及び操舵切換スイッチ52をステアリングシャフト31の右方に配置し、補正スイッチ53をステアリングシャフト31の左方に配置してもよい。
図1に示すように、トラクタ1は、複数の制御装置60を備えている。複数の制御装置60は、トラクタ1における走行系の制御、作業系の制御、車体位置の演算等を行う装置である。複数の制御装置60は、第1制御装置60A、第2制御装置60B及び第3制御装置60Cである。
第1制御装置60Aは、受信装置41が受信した衛星信号(受信情報)と、慣性計測装置42が測定した測定情報(加速度、角速度等)を受信し、受信情報及び測定情報に基づいて車体位置を求める。例えば、第1制御装置60Aは、補正スイッチ53による補正量が零である場合、即ち、補正スイッチ53による車体位置の補正が指令されていない場合、受信情報と測定情報とで演算された演算車体位置W1に対して補正を行わず、演算車体位置W1を自動操舵時に用いる車体位置に決定する。一方、第1制御装置60Aは、補正スイッチ53による車体位置の補正が指令されている場合、補正スイッチ53の操作回数及び補正スイッチ53の操作量(変位量)のいずれかに基づいて車体位置の補正量を設定し、演算車体位置W1を補正量で補正した補正車体位置W3を自動操舵時に用いる車体位置に決定する。
第1制御装置60Aは、車体位置(演算車体位置W1、補正車体位置W3)及び走行予定ラインL2に基づいて制御信号を設定し、制御信号を第2制御装置60Bに出力する。第2制御装置60Bは、自動操舵制御部200を有している。自動操舵制御部200は、第2制御装置60Bに設けられた電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されている。自動操舵制御部200は、第1制御装置60Aから出力された制御信号に基づいて車体3が走行予定ラインL2に沿って走行するように自動操舵機構37のステアリングモータ38を制御する。
図7に示すように、車体位置と走行予定ラインL2との偏差が閾値未満である場合、自動操舵制御部200は、ステアリングモータ38の回転軸の回転角を維持する。車体位置と走行予定ラインL2との偏差(位置偏差)が閾値以上であって、トラクタ1が走行予定ラインL2に対して左側に位置している場合は、自動操舵制御部200は、トラクタ1の操舵方向が右方向となるようにステアリングモータ38の回転軸を回転する。即ち、自動操舵制御部200は、位置偏差が零となるように、右方向の操舵角を設定する。車体位置と走行予定ラインL2との偏差が閾値以上であって、トラクタ1が走行予定ラインL2に対して右側に位置している場合は、自動操舵制御部200は、トラクタ1の操舵方向が左方向となるようにステアリングモータ38の回転軸を回転する。即ち、自動操舵制御部200は、位置偏差が零となるように、左方向の操舵角を設定する。
なお、上述した実施形態では、車体位置と走行予定ラインL2との偏差に基づいて操舵装置11の操舵角を変更していたが、走行予定ラインL2の方位とトラクタ1(車体3)の進行方向(走行方向)の方位(車体方位)F1とが異なる場合、即ち、走行予定ラインL2に対する車体方位F1の角度θgが閾値以上である場合、自動操舵制御部200は、角度θgが零になる(車体方位F1が走行予定ラインL2の方位に一致する)ように操舵角を設定してもよい。また、自動操舵制御部200は、偏差(位置偏差)に基づいて求めた操舵角と、方位(方位偏差)に基づいて求めた操舵角とに基づいて、自動操舵における最終の操舵角を設定してもよい。上述した実施形態における自動操舵における操舵角の設定は一例であり、限定されない。
第3制御装置60Cは、運転席10の周囲に設けられた操作部材の操作に応じて、連結部8を昇降させる。なお、第1制御装置60A、第2制御装置60B及び第3制御装置60Cは一体化されていてもよい。また、上述した走行系の制御、作業系の制御、車体位置の演算は限定されない。以上のように、制御装置60によって、トラクタ1(車体3)を自動操舵することができる。
さて、制御装置60は、自動操舵中において、トラクタ1(車体3)の傾きが所定以上となった場合は、自動操舵で設定された第1操舵角θ1とは異なる第2操舵角θ2に変更する。例えば、制御装置60は、自動操舵中において、トラクタ1(車体3)を監視する。そして、トラクタ1(車体3)の傾きが予め定められた所定未満である場合、上述したように、自動操舵制御部200は、位置偏差、方位偏差が零となるように操舵装置11の操舵角(第1操舵角)θ1を設定する。一方で、トラクタ1(車体3)の傾きが予め定められた所定以上である場合、上述したように、制御装置60は、トラクタ1(車体3)の走行が安定するように、操舵装置11の操舵角(第2操舵角)θ2を設定する。
なお、トラクタ1(車体3)の傾きは、トラクタ1(車体3)に設けられた傾き検出装置で検出する。この実施形態では、傾き検出装置は、例えば、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等を有する慣性計測装置42であり、トラクタ1(車体3)の傾きを検出することができる。なお。傾き検出装置は、複数の測位装置40で構成される装置(例えば、GPSコンパス等)であってもよいし、その他の装置であってもよい。
以下、トラクタ1(車体3)の傾きが変化した場合について詳しく説明する。制御装置60は、カウンタ制御部230を有している。カウンタ制御部230は、上述したように、操舵装置11の操舵角を自動操舵における第1操舵角θ1とは異なる第2操舵角θ2に変更すると共に、変更した第2操舵角θ2で操舵装置11を制御する。カウンタ制御部230は、制御装置60に設けられた電気・電子部品、当該制御装置60に組み込まれたプログラム等から構成されている。
具体的には、カウンタ制御部230は、自動操舵でトラクタ1(車体3)が走行している場合、傾き検出装置で検出したトラクタ1(車体3)の傾き、例えば、トラクタ1(車体3)の幅方向の傾き(ロール角)を監視する。トラクタ1の前輪7F又は後輪7Rが石等に乗り上げたり、窪み等に嵌り込むことにより、ロール角が所定以上になると、カウンタ制御部230は、車体3が安定する方向の操舵方向及び第2操舵角θ2を設定して、操舵装置11を制御するカウンタ制御を行う。言い換えれば、カウンタ制御部230は、ロール角が所定以上になると、車体3の傾きを小さくする方向に第2操舵角θ2で操舵装置11にカウンタ制御を実行する。
例えば、カウンタ制御部230は、車体3の幅方向の傾き(ロール角)が変化したときに、車体3が幅方向の一方側に傾いたときには他方側に第2操舵角θ2を設定し、幅方向の他方側に傾いたときには一方側に第2操舵角θ2を設定する。
図8は、自動操舵中のトラクタ1の後輪7Rが凸状の障害物240に乗り上げた状態を示している。このとき、トラクタ1(車体3)は幅方向・左方にΔα傾斜しており、それによりトラクタ1には左向きの力LFが発生する。
図9に示すように、カウンタ制御が行えないトラクタTR1である場合、前輪7Fの舵角は0°のままであるため、当該トラクタTR1は、走行装置7より発生する推進力TF1にて前進しようとする一方、トラクタTR1(車体3)には傾斜による左向きの力LFが作用するため、トラクタTR1の進行方向は、推進力TF1と左向きの力LFの合成力F1方向となる。
これに対して、カウンタ制御を行えるトラクタ(カウンタ制御部230を有するトラクタ)TR2においては、カウンタ制御部230は、車体3が左方にΔα傾斜している旨の信号を取得すると、右方向への第2操舵角θ2を演算する。カウンタ制御部230は、傾き検出装置が検出した傾きの変化の大きさ及び変化の継続時間に応じて第2操舵角θ2を算出する。例えば、カウンタ制御部230は、傾き検出装置が検出したロール角の大きさに基づいて、第2操舵角θ2の大きさを決定する。また、カウンタ制御部230は、車体3のロール角が所定以上継続している時間(傾きの継続時間は障害物240の前後方向の長さに依存する)に応じて第2操舵角θ2を継時的に増減させてもよい。
カウンタ制御部230は、第2操舵角θ2を演算すると、前輪7Fが右方向に第2操舵角θ2で操舵するように操舵装置11を制御する。このとき、トラクタTR2の走行装置7より発生する推進力TF2は、前輪7Fが第2操舵角θ2に設定されていることにより斜め右前方への力になる。また、トラクタTR2にもトラクタTR1と同様の左向きの力LFが作用するため、トラクタTR2の進行方向は、推進力TF2と左向きの力LFの合成力F2方向となる。
上述した実施形態では、操舵装置11によって第2操舵角θ2にしているが、当該第2操舵角θ2にした後は、操舵装置11は、第2操舵角θにした操舵方向とは反対側に操舵を行う。例えば、操舵装置11によって前輪7Fを右方向に第2操舵角θ2で操舵した後は、当該操舵装置11は前輪7Fを右方向とは反対側の左方向に操舵を行う。操舵装置11が前輪7Fを右方向とは反対側の左方向に操舵を行う場合、当該操舵装置11は、反対側に操舵したときの操舵角を、自動操舵によって設定した第1操舵角θ1にしてもよい。
以上のように、カウンタ制御が行えないトラクタTR1が障害物240に乗り上げた場合、当該トラクタTR1が車体3が傾いた方向(合成力F1方向)に進行し易くなるのに対して、カウンタ制御を行うトラクタTR2は、合成力F2方向に示すように、車体3が傾いた方向(合成力F1方向)に進行することを抑制することができる。なお、圃場H1では、走行時における走行装置7(前輪7F及び後輪7R)の回転方向への走行抵抗が大きいため、上述したように、車体3が傾いた方向と反対方向に操舵をすることによって、障害物240に乗り上げたときの車体3の走行の挙動を安定化することができる。
上述した実施形態では、操舵装置11によって第2操舵角θ2しているが、当該第2操舵角θ2にした後は、操舵装置11は、第2操舵角θにした操舵方向とは反対側に操舵を行う。例えば、
図10は、自動操舵中のトラクタ1の後輪7Rが凹状の障害物241に落ち込んだ状態を示している。
このとき、トラクタ1(車体3)は幅方向・右方にΔβ傾斜しており、それによりトラクタ1には右向きの力RFが発生している。
図11に示すように、カウンタ制御が行えないトラクタTR1である場合、前輪7Fの舵角は0°のままであるため、当該トラクタTR1は、走行装置7より発生する推進力TF1にて前進しようとする一方、トラクタTR1(車体3)には傾斜による右向きの力RFが作用するため、トラクタTR1の進行方向は、推進力TF1と右向きの力RFの合成力F1方向となる。
これに対して、カウンタ制御が行えるトラクタTR2においては、カウンタ制御部230は、車体3が右方にΔβ傾斜している旨の信号を取得すると、左方向への第2操舵角θ2を演算する。カウンタ制御部230は、傾き検出装置が検出した傾きの変化の大きさ及び変化の継続時間に応じて第2操舵角θ2を算出する。例えば、カウンタ制御部230は、傾き検出装置が検出したロール角の大きさに基づいて、第2操舵角θ2の大きさを決定する。また、カウンタ制御部230は、車体3のロール角が所定以上継続している時間(傾きの継続時間は障害物241の前後方向の長さに依存する)に応じて第2操舵角θ2を継時的に増減させてもよい。
カウンタ制御部230は、第2操舵角θ2を演算すると、前輪7Fが左方向に第2操舵角θ2で操舵するように操舵装置11を制御する。このとき、トラクタTR2の走行装置7より発生する推進力TF2は、前輪7Fが第2操舵角θ2に設定されていることにより斜め左前方への力になる。また、トラクタTR2にもトラクタTR1と同様の右向きの力RFが作用するため、トラクタTR2の進行方向は、推進力TF2と右向きの力RFの合成力F2方向となる。
上述した実施形態でも、操舵装置11によって第2操舵角θ2にした後は、操舵装置11は、第2操舵角θにした操舵方向とは反対側に操舵を行う。例えば、操舵装置11によって前輪7Fを左方向に第2操舵角θ2で操舵した後は、当該操舵装置11は前輪7Fを左方向とは反対側の右方向に操舵を行う。操舵装置11が前輪7Fを左方向とは反対側の右方向に操舵を行う場合、当該操舵装置11は、反対側に操舵したときの操舵角を、自動操舵によって設定した第1操舵角θ1にしてもよい。
以上のように、カウンタ制御が行えないトラクタTR1が障害物241に落ち込んだ場合、当該カウンタ制御が行えないトラクタTR1は、車体3が傾いた方向(合成力F1方向)に進行し易くなるのに対して、カウンタ制御を行うトラクタTR2は、合成力F2方向に示すように、車体3が傾いた方向(合成力F1方向)に進行することを抑制することができる。
なお、上述したように、トラクタ1が所定以上傾いた場合は、カウンタ制御部230によって当該トラクタ1が安定する方向に操舵装置11の操舵を行うが、制御装置60は、トラクタ1が所定以上傾いた後、所定時間後のトラクタ1の傾きが所定以下に収束しているか否かを判断し、収束している場合には、カウンタ制御部230によるカウンタ制御から自動操舵制御部200による自動操舵の制御に切り換える。
作業車両1は、車体3を操舵する操舵装置11と、車体3の傾きを検出する傾き検出装置と、走行基準ラインL1に基づいて操舵装置11の自動操舵を行う制御装置60Bと、を備え、制御装置60Bは、自動操舵中に傾き検出装置で検出した車体3の傾きが所定以上となった場合に、自動操舵で設定された第1操舵角θ1とは異なる第2操舵角θ2に変更する。これによれば、例えば、作業車両1(車体3)が自動操舵中に障害物240、241を通過することによって当該車体3の傾きが急に変化して所定以上となった場合でも車体3を安定化することができる。
制御装置60Bは、傾き検出装置で検出した車体3の幅方向の傾きが所定以上となった場合に、第2操舵角θ2に設定する。これによれば、作業車両1(車体3)が幅方向に傾いたとしても、第2操舵角θ2を設定することで車体3を安定化の方向に推移させることができる。
制御装置60Bは、第2操舵角θ2を、車体3が安定する方向に設定する。これによれば、車体3を安定化することができる。
制御装置60Bは、車体3の幅方向の傾きが変化したときに、車体3が幅方向の一方側に傾いたときには他方側に操舵角を設定し、幅方向の他方側に傾いたときには一方側に操舵角を設定する。これによれば、障害物240、241によって変化した車体3の挙動を変更することができ、最終的に、車体3の安定化を図ることができる。
制御装置60Bは、傾き検出装置が検出した傾きの変化の大きさ及び変化の継続時間に応じて操舵角を算出する。これによれば、障害物240、241によって車体3の傾きが変化した度合(変化の大きさ、継続時間)に応じた操舵角を設定しているため、車体3の挙動が変化してから当該車体3を安定化するまでの過程での車体3の揺れ等を抑えることが可能である。
操舵装置11は、第2操舵角θ2に変更後、当該第2操舵角θ2に操舵した操舵方向と反対側に操舵を行う。これによれば、カウンタ制御によって少なくとも第1操舵角θ1から第2操舵角θ2に変更した後に、第2操舵角θ2に操舵した方向と反対側に操舵することによって、車体3の挙動を安定化させることができる。
操舵装置11は、第2操舵角θ2に変更後、当該前記操舵装置11の操舵角を、自動操舵で設定された第1操舵角θ1にする。これによれば、カウンタ制御によって少なくとも第1操舵角θ1から第2操舵角θ2に変更した後に、自動操舵の第1操舵角θ1にすることにより、より車体3の挙動を安定化させることができる。
作業車両1は、手動操舵により車体3の操舵を行うステアリングハンドル30と、自動操舵の開始及び終了のいずれかを切り換える操舵切換スイッチ52と、を備えている。これによれば、手動操舵から自動操舵に切り換えて走行を行う場合であっても車体3を安定化することができる。
作業車両1は、車体3の位置を検出可能な測位装置40と、測位装置40で検出された車体3の位置を走行基準ラインL1の開始位置及び終了位置に設定する基準ライン設定スイッチと、を備えている。これによれば、簡単に走行基準ラインL1の設定を行うことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 作業車両
3 車体
11 操舵装置
30 ステアリングハンドル
40 測位装置
60 制御装置
240、241 障害物
θ1 第1操舵角
θ2 第2操舵角

Claims (9)

  1. 車体を操舵する操舵装置と、
    前記車体の傾きを検出する傾き検出装置と、
    走行基準ラインに基づいて前記操舵装置の自動操舵を行う制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記自動操舵中に前記傾き検出装置で検出した車体の傾きが所定以上となった場合に、前記自動操舵で設定された第1操舵角とは異なる第2操舵角に変更する作業車両。
  2. 前記制御装置は、前記傾き検出装置で検出した前記車体の幅方向の傾きが所定以上となった場合に、前記第2操舵角に設定する請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記制御装置は、前記第2操舵角を、前記車体が安定する方向に設定する請求項1又は2に記載の作業車両。
  4. 前記制御装置は、前記車体の幅方向の傾きが変化したときに、前記車体が幅方向の一方側に傾いたときには他方側に操舵角を設定し、幅方向の他方側に傾いたときには一方側に操舵角を設定する請求項1〜3のいずれかに記載の作業車両。
  5. 前記制御装置は、前記傾き検出装置が検出した傾きの変化の大きさ及び変化の継続時間に応じて操舵角を算出する請求項1〜4のいずれかに記載の作業車両。
  6. 前記操舵装置は、前記第2操舵角に変更後、当該第2操舵角に操舵した操舵方向と反対側に操舵を行う請求項1〜5のいずれかに記載の作業車両。
  7. 前記操舵装置は、前記第2操舵角に変更後、当該前記操舵装置の操舵角を、前記自動操舵で設定された第1操舵角にする請求項6に記載の作業車両。
  8. 手動操舵により車体の操舵を行うステアリングハンドルと、
    前記自動操舵の開始及び終了のいずれかを切り換える操舵切換スイッチと、
    を備えている請求項1〜7のいずれかに記載の作業車両。
  9. 前記車体の位置を検出可能な測位装置と、
    前記測位装置で検出された車体の位置を前記走行基準ラインの開始位置及び終了位置に設定する基準ライン設定スイッチと、
    を備えている請求項1〜8のいずれかに記載の作業車両。
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