JP2019535794A - 色素を含有する固体経口組成物 - Google Patents

色素を含有する固体経口組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、結腸における病理の検出を改善する方法および結腸における粘膜病変にフラグ付けする方法に関する。

Description

内視鏡検査は、胃腸管の炎症性、潰瘍性および新生物性の病理の診断にとって格別に重要な診断技術である。
実際、内視鏡検査は、管腔の内側から、胃腸腔を覆っている粘膜の保存および発達状態、ならびにその表面噴霧から、変形および/または新生物および/または潰瘍の存在を観察することを可能にする。
ますます強力になり洗練された内視鏡プローブがこの技術を顕著に改善してきた。用いられる材料の進歩も、照明技術および解像力に関する性能を改善してきた。
最近になって、画像拡大、および従来技術の解像診断力を増幅することができる対比色を局所的に発生するのに使用される生体染色色素を伴う、従来の診断−治療状況が改善されてきた。診断内視鏡処置における色素の使用は、変性特徴を示す疑わしい領域を特定するために特に有用である「色素内視鏡検査」により説明される。
着色の使用は、内視鏡分析の第2部における、内視鏡プローブを引き出すステップの間および検査される粘膜管を的確に洗浄した後に、一般に採用されている。現在、色素は、内視鏡プローブの作業チャネルに直接挿入されたカテーテルまたはキャピラリーパイプ(capillary pipe)を使用して、ある一定の容量の色素含有溶液を噴霧することによって粘膜に適用される。
細胞表面への色素の拡散、または生活細胞(vital cell)による吸収の程度は、正常な生命力を有する細胞と、進行した複製段階の新生物細胞などの細胞とを著しく区別する。
通常使用される色素は、主に以下の、メチレンブルー、コンゴレッド、カルミンインジゴおよび/またはトルイジンブルーであるが、これらに限らない。
メチレンブルーおよびトルイジンブルーは、腸粘膜全体に均一に吸収されるが、その吸収は、炎症性環境において、特に炎症(phlogosis)、すなわち炎症(inflammation)が悪化していると低減される。この特徴によって、2つの色素は、炎症過程が寛解であるかを確認するためにも有用であり、偽ポリープと真性ポリープを識別するためにも有用である。事実、炎症性または悪性/前悪性の結腸上皮は、細胞質および杯細胞の減少を示し、これらは量が低減しているかそれとも不在である。これらの変質は、メチレンブルーの取り込みの減少をもたらし、結腸粘膜が病理過程により影響を受けていないときのより均一な染色パターンとは対照的に、フォーカルライトブル(focal light blue)もしくはピンク(未染色)または不均一染色(斑点)粘膜の内視鏡外見をもたらす。この概念と異なり、カルミンインジゴは細胞により吸収されず、粘膜構造の可視性を高め、かつ正常および異常な結腸パターンの詳細を高める造影剤として機能する。したがって、カルミンインジゴは、長期間の炎症形態における適用が見出され、対比色を用いない従来の白色光内視鏡により検出することが困難である腫瘍形態を含有しうる、平坦な病変を強調するために使用することができる。
染色手順において、その使用により、色素を適用することに伴う難題のために、解決することが困難でありうる幾つかの実践上の問題が明らかになることに注意を払うべきである。まず最初に、内視鏡検査が実施される施設の調剤室は、一般に0.1%から1%の範囲の色素濃度を有する溶液を調製することができなければならず、次に色素は、評価の対象になる粘膜表面を均一に覆うように、均一に(専用の噴霧カテーテルを使用して)分配されなければならない。
さらに、噴霧された過剰量の色素は、洗浄および吸引操作により数分後に除去されるべきである。その過剰量色素の除去は、結腸鏡検査の際のそれぞれの染色噴霧プロセスの繰り返すたびに、追加の時間を必要とする。したがってこのプロセスは、看護師および医師の両方にとって時間がかかることであり、内視鏡処置のスケジュールの効率性を最大限にすることを困難にする。この処置は、これが操作者依存性になる傾向があり、得られた特定の染色パターンおよびそれらの有意性を評価することができる適切なレベルの専門知識を得る専用の学習曲線を必要とするので、十分に希なである。
まさにこれらの条件が同時に存在する必要性が、色素内視鏡検査処置を実施することの困難さに寄与している。これらの困難さは、処置が、病院および胃腸病学に特化した養護施設内の少数の内視鏡検査ユニットのみにより実施されるという結果をもたらしている。
さらに他の問題がもたらされている。粘膜壁への溶液の従来の局所噴霧は、潜在しているが、まだ検出するには小さすぎる形態を明らかにできないことがあり、消化系の変性過程を明らかにできないことがある。
さらに、溶液の局所噴霧は、色素の短い機能時間をもたらしうる。特に、色素の噴霧と観察の間の時間は、一般にわずか数秒間または2、3分間であり、良好なコントラストの発現、また、良好な染色効力の達成をもたらす色素の一定の吸収を可能にするには、短すぎることが知られている時間である。これらの問題は、内視鏡検査医が、例えば生検において、良好な検出および評価を得るために介入することを困難にすることがある。
さらに、処置を実施するそれぞれの内視鏡検査医の経験は、いくぶん主観的であり、内視鏡および関連する診断評価の両方の実施に追加的な問題を生じる。実践上の困難さとして、操作者の経験および都合からもたらされるそのような主観性は、望ましくないことに結果に大きなばらつきをもたらしうる。そして内視鏡検査医の経験は、重要な役割を果たし、経験の少ない内視鏡検査医と比較して、経験の多い内視鏡検査医は、色素が現行の色素内視鏡検査に従って噴霧されるとき、疑わしい範囲を見つけることができ、試験結果の主観性をさらに増大させる。
試験結果におけるかなりのばらつきは、また、使用される装置によって、ならびに診断評価の実施に対する特定の患者の許容性によってもたらされることもある。
国際公開第2014/060199号パンフレット 国際公開第2011/107945号パンフレット 国際公開第00/76481号パンフレット 国際公開第00/76478号パンフレット 米国特許第8,545,811号明細書
このように、診断内視鏡検査における色素の使用に簡素性および安全性の両方についてさらなる改善を提供する必要性が生じている。治療範囲を評価する際の改善された効果のために、投与手段を改善して、色素の均質で完全な分布を提供することが望ましい。
そして、上記から明らかなように、改善された診断評価を可能にするために、内視鏡評価の客観性を高める改善を得ることが望ましい。
特に、結腸内視鏡検査(結腸鏡検査)の場合では、改善された粘膜染色を提供する、および診断内視鏡検査評価の有効性を改良する必要性が依然として存在する。
少なくとも1種の色素および少なくとも1種の生理学的に許容される賦形剤を含有する錠剤の形態であり、内視鏡検査の前に規定されたスケジュールに従って経口投与される特定の固体組成物は、改善された粘膜染色を提供することができ、色素と結腸粘膜との適切な相互作用を確実にして、病変のフラグ付け(flagging)を得ることができ、その結果として病変が周囲の健康な粘膜と区別されることが、驚くべきことに発見された。
いくつかの実施形態では、結腸鏡検査を受けるヒトの腺腫および癌腫の検出および可視化の助けとして、固体組成物をヒトに投与する、本明細書に開示されているいずれかの方法が提供される。本明細書に記載されているいずれかの実施形態では、用語「腸洗浄溶液」は、ヒトにより消費される任意の水性前処置液または水溶液を意味し、通常の水道水もしくはボトルに入った飲料水、または浸透圧性緩下剤、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化カリウム、ピコ硫酸ナトリウム、ピコ硫酸カリウム、および香味料の1つまたは複数をはじめとする、本明細書に記載されている他の化合物を含む。
いくつかの実施形態では、固形組成物をヒトに投与して、以前の結腸鏡検査でポリープの既往歴を有する患者を含む、結腸直腸癌(CRC)の高いリスクのある患者、結腸直腸がんを有する患者、および家族歴を有する患者を含む、スクリーニング結腸鏡検査(screening colonoscopy)を受ける患者において結腸腺癌を可視化する、本明細書に開示されているいずれかの方法が提供される。
一態様では、本発明は、結腸における病理の検出を改善する方法であって、4リットルの腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
a)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
b)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
c)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従って、ヒトに投与され、
各単位投与量の固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有し、これにより腺腫検出率が、少なくとも約40%である、
方法を提供する。
一実施形態では、ヒトの結腸における病理の検出を改善する方法であって、8錠の固体組成物およびある容量の腸クリーニング溶液をヒトに経口投与することを含み、固体組成物が、以下のスケジュール:(a)少なくとも1リットルの腸洗浄溶液を消費し、続いて3錠の固体組成物をヒトに投与することを含む第1の用量、(b)固体組成物の第1の用量の投与の約1時間後に、3錠の固体組成物をヒトに投与することを含む第2の用量、および(c)固体組成物の第2の用量の投与の約1時間後に、2錠の固体組成物をヒトに投与することを含む第3の用量、に従って、腸洗浄溶液の摂取中に、3回の用量(three doses)で、経口投与される方法が提供される。いくつかの実施形態では、合計で少なくとも1リットルの腸洗浄溶液が、8錠の固体組成物の投与と組み合わされてヒトにより消費される。いくつかの実施形態では、少なくとも2リットルの腸洗浄溶液が、8錠の固体組成物の投与と組み合わされてヒトにより消費される。いくつかの実施形態では、少なくとも3リットルの腸洗浄溶液が、8錠の固体組成物の投与と組み合わされてヒトにより消費される。いくつかの実施形態では、合計で4リットルの腸洗浄溶液が、8錠の固体組成物の投与と組み合わされてヒトにより消費される。いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液の全容量が、内視鏡処置がヒトに実施される少なくとも8時間前に、8錠の固体組成物と組み合わされてヒトにより消費される。いくつかの実施形態では、ヒトは、腸洗浄溶液の総容量の半分以下を、内視鏡処置が実施される前日に、8錠の固体組成物の投与と組み合わせて消費し、腸前処置溶液(bowel preparation solution)の残りの部分を、内視鏡処置が実施される当日に消費する。いくつかの実施形態では、腸前処置溶液の全容量が、内視鏡処置の少なくとも2時間前に消費される。いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液は、(a)内視鏡処置の前日にヒトが少なくとも16オンスの容量の腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を、8錠の固体組成物の投与と組み合わせて、1時間かけて消費する、および(b)内視鏡処置の当日にヒトが少なくとも16オンスの腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費する、スケジュールに従って、ヒトにより消費される。
一実施形態では、内視鏡処置中にヒトの結腸における病理の検出を改善する方法であって、8錠の固体組成物およびある容量の腸クリーニング溶液をヒトに経口投与することを含み、固体組成物が、腸洗浄溶液の摂取中に、以下のスケジュール:(a)内視鏡処置の前日にヒトが少なくとも16オンスの容量の腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費する、および(b)内視鏡処置の当日にヒトが少なくとも16オンスの腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費する、に従って経口投与される、方法が提供される。いくつかの実施形態では、8錠全ての固体組成物が内視鏡処置の前日にヒトに投与される。いくつかの実施形態では、8錠の固体組成物の一部が内視鏡処置の前日にヒトに投与され、固体組成物の残りの錠剤が内視鏡処置の当日にヒトに投与される。いくつかの実施形態では、腸前処置溶液の全容量が、内視鏡処置の少なくとも2時間前に消費される。いくつかの実施形態では、8錠の固体組成物が内視鏡処置の少なくとも8時間前にヒトに投与される。
いくつかの実施形態では、ヒトが8錠の固体組成物の投与を受け、ある容量の腸洗浄溶液を消費し、腸クリーニング溶液が、以下のスケジュール:(a)内視鏡処置の前日にヒトが少なくとも16オンスの容量の腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費する、および(b)内視鏡処置の当日にヒトが少なくとも16オンスの腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費する、に従って消費される、開示されているいずれかの方法が提供される。いくつかの実施形態では、ヒトが8錠全ての固体組成物の投与を受け、腸洗浄溶液の全容量を内視鏡処置の少なくとも8時間前に消費する。いくつかの実施形態では、ヒトが8錠全ての固体組成物の投与を内視鏡処置の前日に受け、腸洗浄溶液の全容量を内視鏡処置の少なくとも2時間前または2時間前までに消費する。いくつかの実施形態では、ヒトが8錠全ての固体組成物の投与を内視鏡処置の少なくとも8時間前に受け、腸洗浄溶液の全容量を内視鏡処置の少なくとも2時間前または2時間前までに消費する。
いくつかの実施形態では、ヒトが8錠の固体組成物の投与を受け、ある容量の腸洗浄溶液を消費し、4リットルが消費されるまで、または直腸流出液が透明になるまで、4リットルの腸クリーニング溶液の総容量が10分毎に240mL(8オンス)の速度で消費される、開示されているいずれかの方法が提供される。いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液が1時間当たり約1.2リットルから1時間当たり約1.8リットルの速度で経鼻胃管によりヒトに送達される、開示されているいずれかの方法が提供される。いくつかの実施形態では、ヒトがある容量の腸洗浄溶液を、4リットルが消費されるまで、または水様便が透明になり、固形分を含まなくなるまで、25mL/kg/時間の速度で飲む、開示されているいずれかの方法が提供される。いくつかの実施形態では、ヒトが8錠全ての固体組成物の投与を受け、腸洗浄溶液の全容量を内視鏡処置の少なくとも8時間前に消費する。いくつかの実施形態では、ヒトが8錠全ての固体組成物の投与を内視鏡処置の前日に少なくとも1リットルの腸洗浄溶液の後に受け、腸洗浄溶液の全容量の摂取を内視鏡処置の少なくとも2時間前または2時間前までに完了する。いくつかの実施形態では、ヒトが8錠全ての固体組成物の投与を内視鏡処置の少なくとも8時間前に少なくとも1リットルの腸洗浄溶液の後に受け、腸洗浄溶液の全容量の摂取を内視鏡処置の少なくとも2時間前または2時間前までに完了する。
いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液は、浸透圧性緩下剤、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化カリウム、ピコ硫酸カリウム、ピコ硫酸ナトリウムおよび香味料の1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液は、ポリエチレングリコール3350などのポリエチレングリコール、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムを含む。いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液は、リン酸塩を含有しない。いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液は、ヒトにより消費されるとヒトにおいて任意の臨床的に有意な電解質シフトを生じない。いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液は、ヒトにより消費されるとヒトにおいて任意の臨床的に有意な電解質シフトを生じない量で、リン酸塩を含むことができる。いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液は、希釈される経口液剤の形態である。いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液は、粉末を水に、または電解質溶液などの水を含む組成物に溶解することによって調製される。いくつかの実施形態では、腸前処置溶液は、有効量の硫酸ナトリウム、有効量の硫酸マグネシウムおよび有効量の硫酸カリウムを含む、約100mLから約1000mLの高張性水溶液を含み、この組成物は、ヒトによる消費後にヒトにおいて任意の臨床的な電解質シフトを生じない。いくつかの実施形態では、腸前処置溶液は、有効量の硫酸ナトリウム、有効量の硫酸マグネシウムおよび有効量の硫酸カリウムを含む、約100mLから約1000mLの高張性水溶液から本質的になり、この組成物は、ヒトによる消費後にヒトにおいて任意の臨床的な電解質シフトを生じない。
いくつかの実施形態では、腸洗浄溶液を、1回もしくはそれ以上の用量、または2回もしくはそれ以上の用量、または3回もしくはそれ以上の用量、または4回もしくはそれ以上の用量、または5回もしくはそれ以上の用量、または6回もしくはそれ以上の用量、または7回もしくはそれ以上の用量、または8回もしくはそれ以上の用量、または9回もしくはそれ以上の用量、または10回もしくはそれ以上の用量、または11回もしくはそれ以上の用量、または12回もしくはそれ以上の用量、または13回もしくはそれ以上の用量、または14回もしくはそれ以上の用量、または15回もしくはそれ以上の用量、または16回もしくはそれ以上の用量、または17回もしくはそれ以上の用量、または18回もしくはそれ以上の用量、または19回もしくはそれ以上の用量、または20回もしくはそれ以上の用量でヒトに投与することができる、本明細書に開示されているいずれかの方法が提供される。
いくつかの実施形態では、ヒトが、少なくとも1リットル、または少なくとも2リットル、または少なくとも3リットル、または少なくとも4リットルの腸洗浄溶液を、固体組成物の第1の用量の投与前に消費する、本明細書に開示されているいずれかの方法が提供される。いくつかの実施形態では、ヒトが、少なくとも1リットルの腸洗浄溶液を、固体組成物の第1の用量の投与前に消費する、本明細書に開示されているいずれかの方法が提供される。いくつかの実施形態では、ヒトが、少なくとも1リットル、または少なくとも2リットル、または少なくとも3リットル、または少なくとも4リットルの腸洗浄溶液を、固体組成物の第1の用量の投与前に消費し、ヒトが8錠の固体組成物の投与を内視鏡処置の少なくとも8時間前に受け、ヒトが腸洗浄溶液の全容量を内視鏡処置の少なくとも8時間前に消費する、本明細書に開示されているいずれかの方法が提供される。いくつかの実施形態では、ヒトが、少なくとも1リットル、または少なくとも2リットル、または少なくとも3リットル、または少なくとも4リットルの腸洗浄溶液を、固体組成物の第1の用量の投与前に消費し、ヒトが8錠の固体組成物の投与を内視鏡処置の少なくとも8時間前に受け、ヒトが腸洗浄溶液の全容量を内視鏡処置の少なくとも2時間前に消費する、本明細書に開示されているいずれかの方法が提供される。
いくつかの実施形態では、ヒトが8錠の固体組成物の投与を受け、4リットルの腸洗浄溶液の総容量を下記の表のスケジュールに従って消費する、開示されているいずれかの方法が提供される。
Figure 2019535794
いくつかの実施形態では、ヒトは、腸洗浄前処置液の摂取中に、8錠全ての固体組成物を単回経口投与で経口投与される、本明細書に開示されているいずれかの方法が提供される。いくつかの実施形態では、8錠は少なくとも1リットルの腸洗浄前処置液の摂取後に投与される。いくつかの実施形態では、8錠は内視鏡処置の少なくとも8時間前に投与される。いくつかの実施形態では、8錠は内視鏡処置の前夜に投与される。
いくつかの実施形態では、ヒトは、腸洗浄前処置液の摂取中に、8錠全ての固体組成物を分割用量レジメンに従って経口投与される、本明細書に開示されているいずれかの方法が提供される。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは2回の経口投与を含む。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは3回の経口投与を含む。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは4回の経口投与を含む。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは5回の経口投与を含む。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは6回の経口投与を含む。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは7回の経口投与を含む。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは8回の経口投与を含む。いくつかの実施形態では、それぞれの経口投与は、1から7個の錠剤を含む。いくつかの実施形態では、それぞれの経口投与は、1個、または2個、または3個、または4個、または5個、または6個、または7個の錠剤を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量の固体組成物は少なくとも1リットルの腸洗浄前処置液の後に投与される。いくつかの実施形態では、第1の用量の固体組成物は少なくとも2リットルの腸洗浄前処置液の後に投与される。いくつかの実施形態では、第1の用量の固体組成物は少なくとも3リットルの腸洗浄前処置液の後に投与される。いくつかの実施形態では、第1の用量の固体組成物は腸前処置液の全容量が消費された後に投与される。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは、固体組成物の経口投与から次のものまで約30分間の時間枠を含む。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは、固体組成物の経口投与から次のものまで約60分間の時間枠を含む。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは、固体組成物の経口投与から次のものまで約90分間の時間枠を含む。いくつかの実施形態では、分割用量レジメンは、固体組成物の経口投与から次のものまで約120分間の時間枠を含む。一実施形態では、ヒトの結腸における病理の検出を改善する方法であって、8錠の固体組成物およびある容量の腸クリーニング溶液をヒトに経口投与することを含み、固体組成物が、以下のスケジュール:(a)少なくとも1リットルの腸洗浄溶液を消費し、続いて3錠の固体組成物をヒトに投与することを含む第1の用量、(b)固体組成物の第1の用量の投与の約1時間後に、3錠の固体組成物をヒトに投与することを含む第2の用量、および(c)固体組成物の第2の用量の投与の約1時間後に、2錠の固体組成物をヒトに投与することを含む第3の用量、に従って、腸洗浄溶液の摂取中、3回の用量で、経口投与される方法が提供される。
一実施形態では、腺腫検出率は、少なくとも約40%、または少なくとも約45%、または少なくとも約50%、または少なくとも約55%である。別の実施形態では、腺腫検出率は約56.29%である。そのように改善された腺腫検出率(ADR)は、結腸直腸がん(CRC)を有意に予防するために重要である。CRCは、世界中において最も重要ながんの死亡原因の1つであり(特に、米国では第3位の原因であり)、したがって、CRCの発生を予防するため、改善されたADRの利益は明らかである。
本発明のいくつかの実施形態では、方法は、腺腫検出率ではなく、非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率を特徴とする。そのような実施形態では、非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率は、少なくとも約30%、または少なくとも約35%、または少なくとも約40%である。別の実施形態では、非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率は約43.92%である。
本発明のいくつかの実施形態では、方法は、腺腫検出率ではなく、微小腺腫を有する対象の割合の検出率を特徴とする。そのような実施形態では、微小腺腫を有する対象の割合の検出率は、少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約35%である。別の実施形態では、微小腺腫を有する対象の割合の検出率は約37.11%である。
別の態様では、本発明は、結腸における病理の検出を改善する方法であって、4リットルの腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
a)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
b)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
c)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従って、ヒトに投与され、
各単位投与量の固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有し、これにより偽陽性率が約35%以下である、
方法を提供する。
別の態様では、本発明は、結腸における病理の検出を改善する方法であって、4リットルの腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
d)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、好ましくは約2時間以内に、3単位投与量の固体組成物、
e)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第1の経口投与の1時間後に、3単位投与量の固体組成物、
f)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第2の経口投与の1時間後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従ってヒトに投与される方法を提供する。
一実施形態では、ヒトの結腸における病理の検出を改善する方法であって、8錠の固体組成物およびある容量の腸クリーニング溶液をヒトに経口投与することを含み、固体組成物が、以下のスケジュール:(a)少なくとも1リットルの腸洗浄溶液の消費、(b)1リットル目の腸洗浄溶液を消費した1時間後に、3錠の固体組成物および2リットル目の腸洗浄溶液をヒトに投与することを含む第1の用量、(c)固体組成物の第1の用量の投与の約1時間後に、3錠の固体組成物および3リットル目の腸洗浄溶液をヒトに投与することを含む第2の用量、ならびに(c)固体組成物の第2の用量の投与の約1時間後に、2錠の固体組成物および4リットル目の腸洗浄溶液をヒトに投与することを含む第3の用量、に従って、腸洗浄溶液の摂取中に、3回の用量で、経口投与される方法が提供される。
一実施形態では、結腸における病理の検出を改善する方法であって、4リットルの腸洗浄溶液および8投与量単位の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8投与量単位の固体組成物が、
a)少なくとも1リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3投与量単位の固体組成物、
b)固体組成物の第1の経口投与の1時間後に、3投与量単位の固体組成物、
c)固体組成物の第2の経口投与の1時間後に、2投与量単位の固体組成物、
を含むスケジュールに従ってヒトに投与され、
組成物のそれぞれの経口投与が腸洗浄前処置液または水を伴い、各単位投与量の固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有する、
方法が提供される。
一実施形態では、偽陽性率は約30%以下、または約25%以下である。別の実施形態では、偽陽性率は約22.74%である。
別の態様では、本発明は、結腸における病理の検出を改善する方法であって、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
a)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
b)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
c)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従って、ヒトに投与され、
各単位投与量の固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有し、これにより偽陽性率が約35%以下であり、腺腫検出率が少なくとも約40%である、
方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載されているメチレンブルーを含有する少なくとも1錠を、結腸鏡検査を受けている対象に、少なくとも単回用量、多回用量、または本明細書に記載されている投与量レジメンで経口投与することによって、結腸における粘膜病変にフラグ付けする方法も提供する。いくつかの実施形態では、この方法は、腸洗浄溶液をヒトに経口投与することをさらに含む。粘膜病変のそのようなフラグ付けは、結腸粘膜の正常な細胞と比べた異常な細胞による色素の特異な取り込みに基づいている。一実施形態では、フラグ付けは、周囲粘膜より高い彩度を有する着色によって病変を強調する。別の実施形態では、フラグ付けは、周囲粘膜より低い彩度を有する着色によって病変を強調する。一部の実施態様では、着色は青色である。さらなる実施形態では、フラグ付けは、病変が染色され、一方で周囲粘膜が未着色のままであることを可能にする。別の実施形態では、フラグ付けは、病変の縁だけが染色されることを可能にする。
そのような特異な着色は、本明細書に記載されている錠剤の特有な製剤化によって、病変が結腸粘膜に位置する帯域の明確な認識を可能にし、そのより容易な可視化をもたらす。本発明の方法が粘膜病変にフラグ付けすることができることは驚くべきことである。なぜなら、周囲の健康な粘膜に対して、粘膜病変のフラグ付けを得ることは可能ではないという共通の理解であったからである。
ある特定の実施形態に使用される色素はメチレンブルーであるが、見られる色は、視覚の観点から異なることがある。したがって、着色が青色着色であっても、必ずしも青色である必要はない。色は、病変または健康な粘膜の様々な部分において、細胞にフラグ付けしたという証拠であり、病変の場合では、細胞の種類に応じて、縁、上部、病変全体、肉茎(peduncle)にフラグ付けしたという証拠である。
本発明は、前がん性、がん性形態、中間期がん、腺腫、癌腫、鋸歯状病変、異形成、ポリープ、偽ポリープ、プレポリープ、過形成性(hyperplatic)病変などの、病理学的病変を検出するのに好適である。特許文献1も参照すること。
本特許または出願書類は、カラーで作成された少なくとも1種の図面を含む。カラー図面を有する本特許または特許出願刊行物の写しは、請求および必要な料金の支払いに応じて当局により提供されることになる。カラー図面は、EFS−Webを介して電子出願されているため、1組の図面のみが提出されている。
深部粘膜組織構造を認知する際の、実施例5による色素のコントラスト増強効果を示す図である。結腸粘膜のプレポリープ変質部位における腺の病巣が良好に画定され、暗色で示されている。 半連続青色線が、内視鏡検査医が取り出さなければならない結腸の平坦な病変の境界を正確に画定しており、実施例5による病変介入および抽出のより良好な解像度を可能にすることを示す図である。本明細書で開示されている経口投与された色素のおかげで、組織画定が、絶対的に増強されている。従来の噴霧技法では、噴霧と観察との間で利用可能な時間がほとんどないため(数秒または2、3分)、同じ性能を得ることはできない。 実施例7の臨床研究中に収集された結腸病変の画像を示す図である。色素が、正常な粘膜細胞により取り込まれたことは明白である。色素は、青色着色を有する線および腺窩から明らかなように、結腸表面の特徴を正確に強調している。病変は、色なしでフラグ付けされている。結腸粘膜の正常な特徴は、病変が位置する帯域で中断を示す。 実施例7の臨床研究中に収集された結腸病変の画像を示す図である。色素が、病的な粘膜細胞および正常な粘膜細胞の両方により取り込まれたことは明白である。なお、粘膜病変は、その着色が周囲の健康な粘膜よりも彩度が強いため、フラグ付けされている。病変および健康な粘膜の両方に色が存在するが、病変がどこにあるかは明らかである(青色周縁部でフラグ付けされる)。 実施例7の臨床研究中に収集された結腸病変の画像を示す図である。色素が、結腸病変の病的細胞により取り込まれたことは明白である。病変は青色でフラグ付けされ、未着色のままである周囲の健康な粘膜から強調されている。色素は、病変の不規則な周縁部を正確に強調している。 実施例7の臨床研究中に収集された結腸病変の画像を示す図である。色素は結腸病変の病的細胞により取り込まれたが、周囲の粘膜は未着色のままであることは明白である。これにより、病変にフラグ付けされ、その即時視認が可能になる。組織病理学的評価の後、病変は、検出がより困難な結腸の病変の1つであり、結腸直腸がん(CRC)の前駆細胞の1つでもある、固着性鋸歯状腺腫(SSA)であると特定された。 実施例7の臨床研究中に収集された結腸病変の画像を示す図である。色素が、結腸病変の病的細胞および周囲の粘膜の正常細胞の両方により取り込まれたことは明白である。色素は、青色着色を有する線および腺窩から明らかなように、結腸表面の特徴を正確に強調している。これに反して、病変は、周囲の組織よりも彩度がより強い青色でフラグ付けされている。病変により吸収された色素は、形成異常および無秩序な構造であることの証拠であり、それにより周囲の組織に対して病変にフラグ付けされる。 実施例7の臨床研究中に収集された結腸病変の画像を示す図である。色素が、病変の周縁部のみで取り込まれたことは明白である。病変の本体は未着色であり、周囲の健康な粘膜も未着色である。色は、周縁部に沿って濃縮されており、病変が存在する所にフラグ付けされている。
一態様では、本発明は、結腸における病理の検出を改善する方法であって、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
a)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
b)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
c)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従って、ヒトに投与され、
各単位投与量の固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有し、これにより腺腫検出率が、少なくとも約40%である、
方法を提供する。
一態様では、本発明は、結腸における病理の検出を改善する方法であって、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
d)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、好ましくは約2時間以内に、3単位投与量の固体組成物、
e)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第1の経口投与の1時間後に、3単位投与量の固体組成物、
f)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第2の経口投与の1時間後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従ってヒトに投与される方法を提供する。
別の態様では、結腸における病理の検出を改善する方法であって、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
a)少なくとも1リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
b)固体組成物の第1の経口投与の1時間後に、3単位投与量の固体組成物、
c)固体組成物の第2の経口投与の1時間後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従ってヒトに投与され、
組成物のそれぞれの経口投与が腸洗浄前処置液または水を伴い、各単位投与量の固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有し、これにより腺腫検出率が、少なくとも約40%である、
方法が提供される。
一実施形態では、腺腫検出率は、少なくとも約40%、または少なくとも約45%、または少なくとも約50%、または少なくとも約55%である。別の実施形態では、腺腫検出率は約56.29%である。そのように改善された腺腫検出率(ADR)は、結腸直腸がん(CRC)を有意に予防するために重要である。CRCは、世界中において最も重要ながんの死亡原因の1つであり(特に、米国では第3位の原因であり)、したがって、CRCの発生を予防するため、改善されたADRの利益は明らかである。
本発明のいくつかの実施形態では、方法は、腺腫検出率の代わりに非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率を特徴とする。そのような実施形態では、非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率は、少なくとも約30%、または少なくとも約35%、または少なくとも約40%である。別の実施形態では、非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率は約43.92%である。
本発明の一実施形態では、方法は、腺腫検出率よりも微小腺腫を有する対象の割合の検出率を特徴とする。そのような実施形態では、微小腺腫を有する対象の割合の検出率は、少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約35%である。別の実施形態では、微小腺腫を有する対象の割合の検出率は約37.11%である。
別の態様では、本発明は、結腸における病理の検出を改善する方法であって、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
a)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
b)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
c)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従って、ヒトに投与され、
各単位投与量の固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有し、これにより偽陽性率が約35%以下である、
方法を提供する。
別の実施形態では、結腸における病理の検出を改善する方法であって、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
a)少なくとも1リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
b)固体組成物の第1の経口投与の1時間後に、3単位投与量の固体組成物、
c)固体組成物の第2の経口投与の1時間後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従ってヒトに投与され、
組成物のそれぞれの経口投与が腸洗浄前処置液または水を伴い、各単位投与量の固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有し、これにより偽陽性率が約35%以下である、
方法が提供される。
一実施形態では、偽陽性率は約30%以下、または約25%以下である。別の実施形態では、偽陽性率は約22.74%である。
別の態様では、本発明は、結腸における病理の検出を改善する方法であって、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
a)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
b)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
c)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従ってヒトに投与され、
各単位投与量の固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有し、これにより偽陽性率が約35%以下であり、腺腫検出率が少なくとも約40%である、
方法を提供する。
別の態様では、結腸における病理の検出を改善する方法であって、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物が、
a)少なくとも1リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の固体組成物、
b)固体組成物の第1の経口投与の1時間後に、3単位投与量の固体組成物、
c)固体組成物の第2の経口投与の1時間後に、2単位投与量の固体組成物、
を含むスケジュールに従ってヒトに投与され、
組成物のそれぞれの経口投与が腸洗浄前処置液または水を伴い、各単位投与量の固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有し、これにより偽陽性率が約35%以下であり、腺腫検出率が少なくとも約40%である、
方法が提供される。
本発明に有用な固体組成物は、内視鏡診断に使用するために、少なくとも1種の色素を、少なくとも1種の生理学的に許容される賦形剤と共に含み、
a)少なくとも1種の親油性化合物、好ましくは90℃を下回る融点を有する親油性化合物および任意選択で少なくとも1種の両親媒性化合物を含み、かつ少なくとも1種の色素が少なくとも部分的に組み込まれているマトリックスと、
b)少なくとも1種の親水性化合物を含み、かつ親油性マトリックスおよび任意選択で両親媒性マトリックスが分散されているマトリックスと、
c)任意選択で他の生理学的に許容される賦形剤と、
d)任意選択で胃耐性コーティング(gastro−resistant coating)と、
を含み、100から400mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュールに従って、2以上の単位投与量の固体組成物が、ヒトに経口投与されることを特徴とする。例えば、少なくとも1種の色素は、内視鏡診断の24時間前にヒトに投与される。
代替的には、マトリックスは、少なくとも1種の親油性化合物、好ましくは90℃を下回る融点を有する親油性化合物および任意選択で少なくとも1種の両親媒性化合物から構成され、このマトリックスには少なくとも1種の色素が少なくとも部分的に組み込まれている。また、マトリックスは、少なくとも1種の親水性化合物から構成され、これには親油性マトリックスおよび任意選択で両親媒性マトリックスが分散されている。
2以上の単位投与量は、例えば、4、6または8単位投与量であり、内視鏡検査の48時間前、例えば内視鏡検査の24時間前などに投与される。
本開示に有用な色素は、例えば、コンゴレッド、カルミンインジゴ、メチレンブルー、トルイジンブルー、またはこれらの混合物のうちから選択することができる。一部の実施態様では、色素はメチレンブルーである。
本明細書に開示されているように、メチレンブルーは、無水または三水和物形態などの水和形態でありうる。
しかし、本開示によると、他の生体適合性色素物質を、これらが経口全身投与の妨げにならない毒性プロファイルを提示する限り、使用することもできる。
本開示による「分割スケジュール」は、結腸鏡検査の前に経口投与される色素の総量が、予め定義された投与スケジュールを得るために2以上の単位投与量に分けられることを意味する。用量分割は、望ましくない異様な腸運動によって染色が失われる可能性を低減することができる。そして、用量分割は、ブルー染色マトリックスの伸展を促進することができる。
本明細書に開示されている内視鏡診断は、結腸などの胃腸管を対象とする(結腸内視鏡検査または結腸鏡検査)。解剖学的分類によると、結腸は、四(4)つの関心のある領域(ROI)、すなわち、(1)上行結腸(AC)、(2)横行結腸(TC)、(3)下行結腸(DC)および(4)直腸S状結腸(RES)に分けられる。
本明細書に開示されているように、少なくとも1種の色素の用量の総量は、例えば50から500mgであり、100から400mgなど、100から250mgなど、さらには200mgなどである。
本明細書に開示されているように、単位投与量の組成物は、例えば、少なくとも1種の色素を20から200mgの重量で含有する。例えば、この単位投与量は、少なくとも1種の色素を25mgまたは50mgなどの約25mgまたは約50mgの重量で含有する。
本明細書に開示されている実施形態によると、少なくとも1種の色素を25mgなどの約25mgの重量でそれぞれ含有する組成物の8単位投与量が、内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される。
本明細書に開示されている別の実施形態によると、少なくとも1種の色素を25mgなどの約25mgの重量でそれぞれ含有する組成物の6単位投与量が、内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される。
本明細書に開示されている、なお他の一実施形態によると、少なくとも1種の色素を25mgなどの約25mgの重量でそれぞれ含有する本発明の組成物の4単位投与量が、内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される。
本明細書に開示されている、さらなる実施形態によると、少なくとも1種の色素を50mgなどの約50mgの重量でそれぞれ含有する組成物の4単位投与量が、内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される。
本明細書に開示されている、なおさらなる実施形態によると、少なくとも1種の色素を200mgなどの約200mgの重量でそれぞれ含有する、本明細書に開示されている組成物の2単位投与量が、内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される。
本明細書に開示されているいくつかの実施形態では、固体組成物を含む錠剤は、ヒトに経口投与され、ここでヒトは、錠剤をかみつぶす、かみ砕く、またはそしゃくすることなく、錠剤全体を飲み込む。
いくつかの実施形態では、固体組成物を含む錠剤の投与は、メチレンブルーもしくは任意の他のチアジン色素に対して過敏性がある、またはメチレンブルーもしくは任意の他のチアジン色素に対して重度の過敏性があるヒトへの、または溶血性貧血を発症するリスクのあるヒトを含む、グルコース−6−リン酸脱水酵素(G6PD)欠乏症を有するヒトへの投与には禁忌となる。この場合、実験室試験は、ハインツ小体、間接ビリルビンの上昇、および低いハプトグロビンを示すことがあるが、クームス試験は陰性である。貧血には赤血球輸血を必要とすることもある。
メチレンブルー類の製品に対するアナフィラキシー反応が、メチレンブルーが投与された一部のヒトから報告されている。固体組成物を含む錠剤で治療されたヒトは、アナフィラキシーについてモニターするべきである。アナフィラキシーまたは他の重症の過敏性反応(例えば、血管性浮腫、じんま疹、気管支痙攣)が発生する場合には、固体組成物を含む錠剤の使用を中止することもある。固体組成物を含む錠剤は、メチレンブルー類の製品に対して過去にアナフィラキシーまたは他の重症の過敏性反応を経験したヒトでは禁忌となりうる。
いくつかの実施形態では、固体組成物を含む錠剤は、妊娠中、授乳中、または泌乳中のヒトに使用されるべきではない。
いくつかの実施形態では、固体組成物を含む錠剤は、重症の腎不全および/または肝障害を有する個人において注意深く使用されるべきである。
いくつかの実施形態では、固体組成物を含む錠剤のヒトへの投与は、片頭痛、めまい、平衡障害、傾眠、錯乱、および視覚障害などの症状をヒトに引き起こすことがある。固体組成物を含む錠剤が投与されたヒトには、そのような有害反応が消散するまで、運転すること、または危険な職業に従事すること、または重機もしくは潜在的に危険な機械の操作などの活動に従事することを避けるように助言してもよい。
メチレンブルーは、1A2、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、および3A4/5を含む、さまざまなCYPアイソザイムをin vitroで阻害する。メチレンブルーは、ヒトの肝細胞培養物においてCYPアイソザイムである、1A2および2B6を誘導するが、一方で、40μMまでの名目濃度では3A4を誘導しない。これらの相互作用は、これらの酵素のうちの1つにより代謝される狭い治療指数の薬物(例えば、ジゴキシン、ワルファリン、フェニトイン、アルフェンタニル、シクロスポリン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、フェンタニル、ピモジド、キニジン、シロリムス、およびタクロリムス)によってさらに顕著になりうる。しかし、in vitro相互作用におけるこれらの臨床的関連性は不明である。
in vitro検査に基づいて、メチレンブルーは、膜輸送タンパク質P−gpおよびOAT3の可能な基質であることが見出され、これらの輸送体の阻害剤である薬物は、メチレンブルーの排出効率を減少させる可能性を有する。メチレンブルーが、シクロスポリンA、リトナビル、サキナビル、アミオダロン、アレクチニブ、プロベネシド、およびノボビオシンなどの作用物質と同時投与される場合には、注意が必要である。
in vitro検査に基づいて、メチレンブルーは、P−gpの弱い阻害剤として作用する可能性が見出され、したがって、メチレンブルーはこの輸送体の同時投与基質(ジゴキシン、トポテカン、シロリムス、エベロリムス、ニロチニブ、およびラパチニブ)の血漿濃度を増加させる可能性を有するので、適切なモニタリングが推奨される。
本明細書に開示されている固体組成物の溶解は、pH依存性であり、メチレンブルーの放出特性および取り込みは、胃酸還元剤(例えば、PPI、H2ブロッカー、および制酸薬)のヒトへの投与後に投与された場合、ヒトにおいて変化し得る。
いくつかの実施形態において、固体組成物を含む錠剤の総用量を、腸洗浄前処置液の摂取中に経口摂取してもよく、結腸鏡検査の前夜に完了して、結腸鏡検査の前に錠剤が結腸に到達して、メチレンブルーを局所放出するのに十分な時間があることを確実にするべきである。
本明細書に開示されているように、内視鏡検査医による内視鏡を介した粘膜の観察を促進するため、内視鏡診断の前に、ヒトを腸洗浄溶液の投与により腸洗浄前処置に付して、糞便および粘膜残留物を定量的に除去することができる。この洗浄操作は、一般に、内視鏡診断の48時間前、例えば内視鏡診断の24時間前などに実施される、またはその同じ日の夕方に結腸鏡検査を実施することが実践的であると思われたときに実施される。
結腸洗浄前処置液は、洗浄溶液の分割容量(volume fraction)を前日に連続的に、または洗浄溶液量の投与を2回に分けて、すなわち、1回は、結腸鏡検査の前日に投与され、そして、1回は、結腸鏡検査がその後実施される予定の日の朝に投与される、いわゆる「分割」型で飲用することによって投与することができる。
腸洗浄溶液は内視鏡診断の前に腸管および粘膜をクリーニングおよび洗浄するために使用される。腸洗浄溶液は、例えば、生理食塩水および/またはポリエチレングリコール(PEG)水溶液、例えばポリエチレングリコール水溶液などである。さらなる例として、この水溶液は、水を除いて、50重量%から95重量%のポリエチレングリコールを含有し、場合によっては、ナトリウム塩、カリウム塩、アスコルビン酸、およびこれらの混合物などの塩および香料もその溶液中に含む。例えば、硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム無水物、塩化ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アスコルビン酸のナトリウム塩、硫酸カリウム、塩化カリウム、およびこれらの混合物を使用することができる。さらなる例として、腸洗浄溶液は、Moviprep(登録商標)もしくはGolytely(登録商標)、Nulytely(登録商標)、またはHalflytely(登録商標)、またはMovicol(登録商標)、またはMacro−P(登録商標)、またはColirei(登録商標)、またはIsocolan(登録商標)もしくはSelg 1000(登録商標)などの名称で販売されている市販の製品の水溶液である。
しかし、本明細書の開示によると、他の腸洗浄溶液または前処理液を、これらが経口全身投与の妨げにならない毒性プロファイルを提示する限り、使用することもできる。例えば、PEGではなく塩または他の少量の化学緩下薬のみを含有する腸洗浄溶液は、Phospho−Lax(登録商標)、またはPicoprep(登録商標)、またはSuprep(登録商標)のブランドで市販されている。異なる腸前処置の手順を使用することもできる。
本明細書に開示されているように、洗浄溶液を4リットルの総量で投与することができ、これを1または複数の単位投与量、例えばそれぞれ約1リットルの4単位投与量に分割することができる。
したがって、本明細書に開示されている固体組成物を、内視鏡診断の前に、この腸洗浄溶液のそれぞれの単位投与量の摂取と一緒に、および/または摂取の後に投与することができる。その後、必要であれば、依然として水を追加的に投与することもできる。
本明細書に開示されているように、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する組成物の4単位投与量は、100mgなどの約100mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に1単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に1単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に1単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に1単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
本明細書に開示されているように、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する組成物の8単位投与量は、200mgなどの約200mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
例えば、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の8単位投与量は、200mgなどの約200mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に3単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に3単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
さらなる例として、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の8単位投与量は、200mgなどの約200mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に4単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に4単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
なおさらなる例として、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の8単位投与量は、200mgなどの約200mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に3単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に3単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
本明細書の範囲内にさらに開示されているように、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の4単位投与量は、100mgなどの約100mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に1単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に1単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
本明細書の範囲内にさらに開示されているように、それぞれ200mgなどの約200mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の2単位投与量は、400mgなどの約400mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に1単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に1単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
本明細書に開示されているように、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する組成物の4単位投与量は、100mgなどの約100mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に1単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第1の経口投与の1時間後に1単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第2の経口投与の1時間後に1単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第3の経口投与の1時間後に1単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
本明細書に開示されているように、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する組成物の8単位投与量は、200mgなどの約200mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第1の経口投与の1時間後に2単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第2の経口投与の1時間後に2単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第3の経口投与の1時間後に2単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
例えば、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の8単位投与量は、200mgなどの約200mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは腸洗浄溶液の第1の経口投与の1時間後に2単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第1の経口投与の1時間後に3単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第2の経口投与の1時間後に3単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
さらなる例として、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の8単位投与量は、200mgなどの約200mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは腸洗浄溶液の第1の経口投与の1時間後に4単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第1の経口投与の1時間後に4単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第2の経口投与の1時間後に0単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
なおさらなる例として、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の8単位投与量は、200mgなどの約200mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは腸洗浄溶液の第1の経口投与の1時間後に3単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第1の経口投与の1時間後に3単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第2の経口投与の1時間後に2単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
本明細書の範囲内にさらに開示されているように、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の4単位投与量は、100mgなどの約100mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは腸洗浄溶液の第1の経口投与の1時間後に1単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第1の経口投与の1時間後に1単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第2の経口投与の1時間後に2単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
本明細書の範囲内にさらに開示されているように、それぞれ200mgなどの約200mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の2単位投与量は、400mgなどの約400mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは腸洗浄溶液の第1の経口投与の1時間後に1単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第1の経口投与の1時間後に1単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第2の経口投与の1時間後に0単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
本明細書においてなおさらに開示されているように、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する組成物の6単位投与量は、150mgなどの約150mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取前、腸前処置の開始時に2単位投与量の固体経口組成物、
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第1の経口投与の1時間後に2単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは腸洗浄溶液の第2の経口投与の1時間後に2単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは固体組成物の第2の経口投与の1時間後に0単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に、好ましくは腸洗浄溶液の第3の投与の1時間後に0単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
本明細書においてなおさらに開示されているように、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する組成物の6単位投与量は、150mgなどの約150mgの総量の少なくとも1種の色素が内視鏡診断の48時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取前、腸前処置の開始時に2単位投与量の固体経口組成物、
− 1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物、
− 2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物、
− 3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、および
− 4リットル目の(最後の)腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
なお別のさらなる例として、上記に示されている投与スケジュールを、「分割」腸洗浄手順の適用によっても実施することができる。そのような場合には、錠剤投与は、ここに記載されている関連するスケジュールを維持しながら、2日間の腸洗浄前処置にわたって分割される。本明細書に開示されているさらなる例による分割前処置の例を、ここで下記に詳述する。
− それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の8単位投与量は、200mgなどの約200mgの総量の少なくとも1種の色素が、分割前処置手順による内視鏡診断の24時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 結腸鏡検査の前日の1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に3単位投与量の固体経口組成物、
− 結腸鏡検査の前日の2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に3単位投与量の固体経口組成物、
− 結腸鏡検査の当日の3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物、および
− 結腸鏡検査の当日の4リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
あるいは、さらなる例として、それぞれ25mgなどの約25mgの重量の少なくとも1種の色素を含有する、本明細書に開示されている組成物の8単位投与量は、200mgなどの約200mgの総量の少なくとも1種の色素が、分割前処置手順による内視鏡診断の24時間前にヒトに投与される分割スケジュール:
− 結腸鏡検査の前日の1リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物、
− 結腸鏡検査の前日の2リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に6単位投与量の固体経口組成物、
− 結腸鏡検査の当日の3リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に2単位投与量の固体経口組成物、および
− 結腸鏡検査の当日の4リットル目の腸洗浄溶液の摂取後に0単位投与量の固体経口組成物
に従って、ヒトに経口投与される。
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載されているメチレンブルーを含有する1個または複数の錠剤を、結腸鏡検査を受けている対象に、少なくとも単回用量、多回用量、または本明細書に記載されている投与レジメンで経口投与することによって、結腸の粘膜病変にフラグ付けする方法も提供する。いくつかの実施形態では、この方法は、腸洗浄溶液をヒトに経口投与することをさらに含む。粘膜病変のそのようなフラグ付けは、結腸粘膜の正常な細胞と比べた異常な細胞による色素の特異な取り込みに基づいている。一実施形態では、フラグ付けは、周囲粘膜より高い彩度を有する着色によって、病変を強調する。別の実施形態では、フラグ付けは、周囲粘膜より低い彩度を有する着色によって、病変を強調する。一部の実施態様では、着色は青色である。さらなる実施形態では、フラグ付けは、病変が染色され、一方で周囲粘膜が未着色のままであることを可能にする。別の実施形態では、フラグ付けは、病変の縁だけが染色されることを可能にする。
そのような特異な着色は、本明細書に記載されている錠剤の特有な製剤化によって、病変が結腸粘膜に位置する帯域の明確な認識を可能にし、その容易な可視化をもたらす。
本発明に方法により提供されるそのような特異な着色は、色素と粘膜との接触時間の増加によって確実になる。この製剤化のおかげで、色素は結腸において局所的に作用し、粘膜の細胞によって取り込まれるのに十分な時間を有し、このことが、色素が細胞により吸収されるのに十分な時間を提供しない内視鏡検査中の色素の噴霧(当技術分野において「色素内視鏡検査」として知られている)などの従来技術と、本発明を区別している。この不十分な接触時間は、内視鏡検査医が一部の結腸病変を見逃すことにつながることがあり、それは、この従来技術によると、色素が正常細胞と同じ程度で異常細胞により吸収される可能性があるからである。この結果は、色素と粘膜との適正な相互作用を可能にするのに時間が十分ではないために起こりうる。粘膜病変にフラグ付けする本発明の方法の能力は驚くべきものであり、それは、周囲の健康な粘膜に比べて粘膜病変のフラグ付けを得ることは可能ではないということが、共通の理解であったからである。
あらゆる理論または仮定に束縛されることなく、本発明のフラグ付けの態様は、メチレンブルーが生体染色色素(vital dye)であり、したがって、異なる種類の細胞に応じて異なる吸収時間を有するという事実に起因しうると考えられる。生体染色性であることによって、細胞により積極的に吸収される可能性があり、病的細胞の吸収/非吸収時間は異なり、例えば、前新生物細胞と新生物細胞とは異なることがある。
本明細書に開示されている固体組成物は、制御放出組成物でありうる。本明細書に開示されている組成物の「制御放出」という表現は、選択的な部位−時間様式で、すなわち目的の領域において漸進的に色素を放出することができる組成物を示すために使用される。したがって、そのような表現は、「遷延、持続、延長、遅延または変更」放出の定義を含む。
本明細書に開示されている制御放出組成物の製剤化に好適な技術は、拡散、膨張および巨大分子緩和などの当技術分野において公知の溶出制御機構および技術を使用する、系としてマトリックス構造およびレザバー構造を利用する結腸特異的放出技術から選択することができる。
本明細書に開示されている経口組成物は、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5に記載されている、商標MMX(登録商標)として商業的に知られているマルチマトリックス技術に従って製剤化することができ、マルチマトリックス技術に関連する開示は、参照により本明細書に特定的に組み込まれる。
本明細書に開示されている好適な親油性化合物は、40から90℃など、さらには60から70℃などの90℃を下回る融点を有する、飽和、不飽和および水素化長鎖アルコール、飽和、不飽和および水素化脂肪酸、その塩、エステルおよびアミド、脂肪酸のモノ−、ジ−およびトリグリセリド、そのポリエトキシル化誘導体、ロウ、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、ならびにこれらの混合物から選択されうる。
本明細書に開示されている好適な両親媒性化合物は、IおよびII型の極性脂質(レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンおよびこれらの混合物)、セラミド、グリコールアルキルエーテル(例えばジエチレングリコールモノメチルエーテルなど)、硫酸アルキルおよびスルホコハク酸塩、ならびにこれらの混合物のうちから選択されうる。
本明細書に開示されている好適な親水性化合物は、アクリル酸のポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、アルキルビニルポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、変性および/または多置換セルロース、多糖、デキストリン、ペクチン、デンプン、複合デンプンおよびデンプン誘導体、アルギン酸、合成ゴム、天然ゴム、多価アルコール、ならびにこれらの混合物のうちから選択されるものなど、ヒドロゲルを形成する化合物(すなわち、水性溶媒との接触によりヒドロゲルを形成する化合物)から選択されうる。
ヒドロゲルは、乾燥状態から水和状態に移行するとき、いわゆる「分子緩和」を受ける、すなわち、賦形剤自体のポリマー鎖に存在する極性末端基による多数の水分子の配位後に質量および重量の顕著な増加を受ける化合物である。
本明細書に開示されている好適な胃耐性コーティングは、アクリル酸のポリマー、メタクリル酸のポリマー、アクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、セルロース誘導体(例えば酢酸フタル酸セルロースなど)、ヒドロキシブチレートに基づいたポリマー、シェラック、およびこれらの混合から選択されうる。本発明のそのような胃耐性コーティングを、可塑剤、乳白剤、色素、およびこれらの混合物と組み合わせることもできる。
本明細書に開示されている制御放出組成物の投与は、組成物に含有された色素の放出を、腸領域など、なおさらには結腸領域などの内視鏡評価に付されることが意図される胃腸区域から厳密に開始することを実際に可能にする。
本明細書に開示されている組成物は、コーティング錠剤の形態など、さらには胃保護錠剤の形態などの錠剤、カプセル剤、顆粒剤、微粒剤、およびペレット剤から選択される形態に製剤化される。
本明細書に開示されているカプセル剤の形態は、顆粒剤、微粒剤、および/またはペレット剤を含有してもよい。
例えば、本明細書に記載されている組成物は、胃耐溶性錠剤の形態、または胃耐溶性顆粒剤、胃耐溶性微粒剤、および/もしくは胃耐溶性ペレット剤を含有するカプセル剤の形態で製剤化されうる。
さらに、本明細書に開示されている組成物は、二重層錠剤などの二重層形態で製剤化されうる。
本明細書に開示されているように、結腸鏡検査の場合、本明細書に開示されている2以上の単位投与量の組成物は、例えば胃、十二指腸、および空腸などの結腸鏡検査を受けることを意図しない消化管の領域に色素が分散するのを防止するために、2以上の単位投与量の、制御放出錠剤などの本明細書に記載されている組成物の経口投与のために提供されうる。
制御放出組成物を調製するために、1種または複数の色素を、漸進的、または大量の、または制御された、または遷延した溶出特性を製剤に付与することができる物質と共に製剤化することができる。加えて、製剤は、一般にpH5からpH7に及ぶ特定のpHに達することのみによって溶解することが可能である物質により被覆され、そのpHは、腸内視鏡評価を受けることが意図される部分に典型的である。
胃保護コーティングが溶解し始める特定のpH値により特徴付けられる目的の腸区分に到達すると、色素の溶出は、結腸に到達する時間など腸内通過に必要な時間内に生じることを確実にするように、速度に関して制御され、一般に4から24時間でありうる。
本明細書に開示されているように、色素は、最初に、例えば、界面活性剤の特性を有する1種または複数の両親媒性物質の存在下、親油性マトリックスを形成することができる材料と混合または造粒され、最後に、この任意の凝集度の粉末マトリックスは、ヒドロゲルとしても知られ、無水状態またはいくらかの残留水分値を有している、親水型のポリマーまたはコポリマーにより形成される主要構造に挿入される。
あるいは、やはりこの技術の典型的な適用によれば、色素は、最初に、親油性マトリックスを形成することができる材料と混合または造粒されるべきであり、このマトリックス構造を任意の凝集度で造粒した後、例えば界面活性剤の特性を有する1種または複数の両親媒性物質の存在下で、無水状態またはいくらかの残留水分値を有している、親水型のポリマーまたはコポリマーにより形成される主要構造に挿入される。続いて、最終混合物を、圧縮する。
強酸環境において組成物の溶出を防止することができる胃保護コーティングフィルムを、最後に、組成物の表面に適用することができる。
飲み込むと、そのようなマルチマトリックス被覆組成物は、5または7を超えるpHなどの好適なpHの環境に到達するまで胃および腸の酸との接触から保護され得、そして、胃保護コーティングが可溶化され、製剤に挿入された色素を消化腔内の進行経過と同時に漸進的に分配することをもたらす溶出プログラムが開始する。
本明細書に開示されている内視鏡診断は、結腸など、さらには結腸の右部などの胃腸管の炎症性、潰瘍性、前新生物性、異形成性、および/または新生物性の病理および/または変質の診断を目的とする。
例えば、本明細書に開示されている内視鏡診断評価は、結腸など、さらには結腸の右部などの胃腸管のがん性形態、前がん性形態、中間期がん、腺腫、癌腫、鋸歯状病変、異形成、ポリープ、偽ポリープ、プレポリープ、過形成病変、ならびに異なる炎症性病理および/または病変の診断を目的とすることができる。
結腸の右部の内視鏡診断は、右結腸腺腫、右結腸ポリープ、鋸歯状腺腫および右鋸歯状病変、または中間期がんの診断を目的とすることもできる。
中間期がんは、2回の連続した結腸内視鏡検査(結腸鏡検査)の間の時間に、がん(腫瘍)になる可能性がある病変に関する。そのような時間は、一般に2〜5年間に相当する。
本明細書に開示されている経口組成物は、白色光結腸鏡検査により大部分が見落とされているこれらの小さなサイズの病変および平坦病変の診断を増加および改善することを目的とすることができる。本明細書において使用されるとき、用語「小さなサイズ」は、5mm以下などの10mm以下のサイズである。例えば、直径が5mm未満のサイズの右結腸のポリープ、腺腫および鋸歯状病変が、「小さなサイズ」と考慮される。
サイズは、標準的な異物鉗子を使用して推定または測定された病変の直径として決定される。
これらの右結腸病変は、標準的な白色光結腸鏡検査の実施による病変の検出を非常に困難にする結腸粘膜組織の解剖学的構造および汚れた粘膜表面を有する可能性のために、この分野では観察、および検出することが困難であると実際には考えられている。
また、結腸病変が小さいほど、結腸ひだと混同される可能性があること、ならびにそのようなより小さい病変を隠す汚れた粘膜表面を有し、それによってこれらのより小さい病変の検出を困難にする可能性のため、選び出すことがより困難になる。
本明細書に開示されているように、内視鏡診断は、例えば、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、またはクローン病などの少なくとも別の炎症性病理を以前から患っているヒトにおける上記記述の病理および/または病変の診断を目的とすることもできる。
その場合、ヒトは、「よりリスクのある患者」であると示される。このような患者では、実際、続発性の腸および結腸粘膜の病理および/または病変のリスクは正常よりかなり高く、それは、粘膜が、制御されない細胞増殖および新生物発生と長期間にわたって関連しうる慢性催炎性(flogistic)過程に罹患しているからである。特に、リスクは結腸レベルで有意に増加し、例えば、結腸癌、および/または結腸異形成、および/または上皮内新生物は、長期の潰瘍性大腸炎およびクローン病を有する患者において生じる可能性がかなりありうる。
本明細書に開示されている経口組成物の第1の利点は、結腸領域(上行、下行、直腸S状、および横行結腸)など、なおさらには結腸の右部などの、内視鏡診断評価により調査される範囲における改善された染色品質および染色効力を提供することである。
この改善された染色品質は、多数の異なる要因に関連する。第1には、色素は、マルチマトリックス送達系および色素投与の特定のスケジュールに従って腸全長にわたってかなり均質に送達され、このことは着色物質の長期間の解剖学的に一定した利用可能性を確実にする。第2には、そして最も重要こととして、本明細書の開示は、結腸粘膜の色素接触と、内視鏡処置との間に、ある特定の時間間隔を初めて許容している。この時間間隔は重要であり、細胞内への青色物質の組み込みのおかげで一定に着色される粘膜において、適正な色素吸収を可能にする。選択的色素吸収は、メチレンブルーのような生体染色色素の中心的な作用機構であると考えられる。
実際、この吸収、およびその結果としての増強されたコントラストは、色素が内視鏡処置中に噴霧されるときに、最小限に得られる。吸収は、ある特定の間隔が色素送達と内視鏡処置との間に生じるときに最大となる。
改善された染色をもたらす第3の要因は、結腸解剖学に厳密に関連する。実際、右結腸は他の結腸区域と比較してより大きな管腔およびより大きな粘膜表面を有する。
これらの要因により、および、色素が内視鏡処置時に噴霧されるときの、重力の問題(内視鏡処置中には、患者は仰臥位に寝かされる)のために、色素は、例えば(重力のために)粘膜の最も下方部に斑状に分配される傾向がある。
この状況とは異なり、MMX機構を有する色素の標的化経口送達の条件では、処置の少なくとも5時間前に、有意な投与量の色素の利用可能性および豊富な水性材料(腸前処置溶液)の存在が、右結腸の蠕動運動と一緒になって、色素の拡散および右結腸の異なる粘膜区域との色素の接触を最適化する。
結腸粘膜がメチレンブルーにより、絶えず、継続的に着色されると、得られる診断上の利点は、色素に特に関連した異なる作用に従って、粘膜異常を検出する能力が増加することである。第1に、そして最も重要なこととして、炎症性または新生物性の変化をともなる粘膜の領域は、色素の取り込みを減少させる傾向があり、したがって未染色領域をもたらし、これは均質な染色パターンを示す正常な粘膜と(内視鏡処置中に)容易に区別される。
本明細書に開示されている経口組成物の別の利点は、全ての解剖学的区域(上行、下行、直腸S状および横行結腸)における結腸領域などの、内視鏡診断により調査される範囲における病理的および/または非病理的病変の改善された検出を提供することである。例えば、結腸の右部は、より的確に染色される範囲である。
本明細書に開示されている経口組成物は、細胞間および細胞内空間における色素の異なる取り込みのおかげで、陰窩および腺管を有する深部粘膜組織構造を知覚する際の色素のコントラスト増強効力を可能に、したがって、内視鏡検査医が特定し、取り除く必要がある病変および/または病変の境界の正確な画定に改善をもたらす。粘膜組織構造および病変組織の改善された画定が確実になり、病変の早期検出を可能にする。
本明細書に開示されている経口組成物および投与スケジュールにより提供される病変のより良好な画定は、病変の検出における増加した特異性および感度を促進し、したがって、偽陰性および偽陽性の発生を低減し、かつ病変または悪性範囲がより正しく確認および検出されることを可能にする。換言すると、本明細書に開示されている特定の経口固体組成物および本明細書に定義されている固体組成物の投与スケジュールは、色素による粘膜組織構造の改善されたコントラストをもたらす。
特に、本明細書に開示されている経口固体組成物および投与スケジュールは、腺腫、結腸異形成、および結腸癌、特に前記の潰瘍性大腸炎またはクローン病がもたらすものの非常に早期の検出を可能にする。
本明細書に開示されている経口固体組成物および投与スケジュールのさらなる利点は、色素の最大化された局所生物学的利用能およびその最適化された生物学的効果を提供することである。
実際、本明細書に開示されている色素は、内視鏡診断に付される場所に均質な伸展を伴って正確に局所放出されることが可能であることに留意するべきである。例えば、本明細書に開示されているように、色素は結腸に放出され、結腸の右部も含まれる。
本明細書に開示されている特定の経口固体組成物および規定された投与スケジュールのおかげで、経口投与された色素は、局色的に放出され、また、結腸など、さらには結腸の右部などの腸管に完全に吸収される。このようにして、本明細書に開示されているものは、内視鏡診断の目的ではない胃または小腸などの解剖学的な管における任意の望ましくない早期放出または早期吸収を回避する。
腸粘膜における色素の局所吸収は、色素が細胞に浸透することを可能にし、そこで保持されて、改善された染色効果、増加したコントラストおよびより良好な検出、ならびに関連する診断をもたらす。
色素の改善された吸収は、メチレンブルーが内視鏡診断に色素として使用されるときに特に関連性がある。メチレンブルーは、細胞外空間と異なる方法で細胞により取り込まれることが可能な「生体染色色素」であるので、そのことが分かる。
さらに、本明細書に開示されている投与スケジュールによる本明細書に定義されている組成物の経口投与は、より多数のより小さいサイズ分類の病変の検出をもたらすことができ、したがって内視鏡診断を改善する。
本明細書に開示されているように経口投与される、本明細書に開示されている固体組成物は、有利には、結腸粘膜をさらに広範に染色することができ、内視鏡診断に関与する内視鏡検査医または操作者による結腸鏡検査の主観性を低減し、したがって診断評価それ自体の効力を改善する。
本明細書に開示されている経口組成物は、色素を噴霧し、次に検査される粘膜からそれを洗い流すことに伴う不感時間を回避することによって、内視鏡診断に伴う時間を低減することもできる。
また下記の実施例も、本明細書に開示されている経口組成物および投与スケジュールを、それらに関して何も限定を課すことなく明確にする。
実施例
内視鏡検査(結腸)用の制御放出コーティング錠剤
Figure 2019535794
適用したプロセスは、色素を、レシチン界面活性剤、ステアリン酸、マンニトール、および必要とされる量の半分のステアリン酸マグネシウムと混合することを提供する。混合物を圧縮し、引き続き造粒した後、セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状シリカ、および残りのステアリン酸マグネシウムを添加し、さらに混合した後、最終圧縮を実施して、250mgの錠剤を得た。その後、in vitroでの溶解に対する耐性を、回盲および結腸環境に特徴的なpH≧7まで広げるために、A型およびB型のメタクリル酸コポリマーの混合物で錠剤をコーティングした。
内視鏡検査(結腸)用の制御放出コーティング錠剤
Figure 2019535794
調製プロセスは、色素を、レシチン、ステアリン酸、およびリン酸水素ナトリウム(dibasic sodium phosphate)と混合すること、それを圧縮してウェーハ(wafer)にし、引き続き乾式造粒すること、核の残りの成分と混合すること、および最終圧縮して235mg/錠剤の重量にすることを提供する。コーティングには、塗布段階を容易にするために、基剤としてのメタクリル酸誘導体およびアルコール溶媒を使用する。
このようにして得られた錠剤を、in vitroでの溶解試験に供して、酸性環境に対する良好な耐性、およびpH7.2を有する中性環境での色素の漸進的移行を明らかにした。
内視鏡検査(結腸)用の制御放出コーティング錠剤
Figure 2019535794
色素、両親媒性成分としてのレシチン、親油性マトリックスの成分としてのステアリン酸、マンニトール、およびステアリン酸マグネシウムの一部の事前混合および造粒により、組成物を得る。予備的に得られた顆粒を篩にかけた後、残りの成分、および特に、親水性マトリックス構造を生成することが可能なセルロースを添加する。粉末および顆粒の混合物を圧縮し、重量を約720mgにすることにより得られた最終医薬品形態を、可塑剤、つまりクエン酸トリエチルにより、色素顔料、つまり二酸化チタンにより、およびタルクなどの固着防止剤により支持される、A型およびB型のメタクリル酸誘導体のコポリマーの混合物で、溶媒としてエチルアルコールを用いてコーティングする。
このようにして得られた錠剤は、以下に詳述するように、pH<2の緩衝液中でのin vitro溶解に耐え、pH>7の緩衝液中での色素物質の漸進的放出を可能にする。
− pH1溶解媒体で2時間後の溶解%:0%(仕様≦10%)
− pH7.2溶解媒体で4時間後の溶解%:27%
− pH7.2溶解媒体で8時間後の溶解%:84%(仕様>80%)
本実施例3の同じ錠剤をPK第1相治験に使用し、治験では、200および400mgの単一用量が比較され、主要PKパラメーターの以下の平均値を記録した。
200mg用量の場合
− 平均tlag≧3時間
− 平均tmax(時間)16.10±4.01
− 注入量と比較した生物学的利用能(Fabs%):139.19±52.0
− 平均Cmax(ng/ml)1662.2±501.93
− 尿中排泄量(用量の平均%)=39.67±19.19
− 平均t1/2(時間)20.19±4.68
一方で、400mg用量の場合、記録された主要パラメーターは以下の通りである。
− 平均tlag≧3時間
− 平均tmax(時間)17.67±3.60
− 平均Cmax(ng/ml)1635.67±729.57
− 尿中排泄量(用量の平均%)=22.99±14.92
− 平均t1/2(時間)17.25±7.43
内視鏡検査(結腸)用の制御放出コーティング錠剤
Figure 2019535794
このプロセスは、層1の成分を混合すること、およびそれを圧縮し、引き続き層2の一部の成分、正確には、色素、レシチン、ステアリン酸、微結晶性セルロース、およびマンニトールとステアリン酸マグネシウムの半分とを予め圧縮して得られた粉末および顆粒と、残りの共配合物との混合物を圧縮することを提供する。
錠剤は、重量が約250mgであり、胃セクターおよびその後の腸セクターの両方で色素を特異に放出するために配合された2つの異なる色の別個の層を有する。
内視鏡検査(結腸)用の制御放出コーティング錠剤
Figure 2019535794
色素、両親媒性成分としてのレシチン、親油性マトリックスの成分としてのステアリン酸を順番に混合することにより組成物を得、その後、残りの成分を添加し、特に親水性マトリックス構造を生成することが可能なセルロースを、製剤が完成するまで添加した。粉末および顆粒の混合物を圧縮し、単位重量を約320mgにすることにより得られた最終医薬品形態を、可塑剤、クエン酸トリエチルにより、色素顔料、二酸化チタンにより、およびタルクなどの固着防止剤により支持される、A型およびB型のメタクリル酸誘導体のコポリマーの混合物で、溶媒としてエチルアルコールまたは水またはそれらの混合物を用いてコーティングする。
このようにして得られた錠剤は、in vitroにおいて、pH1では2時間にわたって実質的に非溶解性であり(<10%)、pH7.2の疑似的な腸管媒体では漸進的溶解を示し、以下のように放出されることが明らかになった。
− 1時間後に約10%(仕様限界≦30%)
− 4時間後に約44%、および
− 8時間で90%を超える(仕様限界≧80%)。
また、錠剤を使用して、4リットルのPEG含有腸前処置溶液(商業的には、Selg(登録商標)Esse1000として知られている)の投与による標準腸洗浄処置を受けたヒト志願者において、25mgの色素を個々に含有する分割量として投与された2用量のメチレンブルーのPK特性も決定した。
同じ錠剤をPK第1相治験に使用し、治験では、100および200mgの単一用量が比較され、主要PKパラメーターの以下の平均値を記録した。
100mg用量の場合、
− 平均tlag≧3時間
− 平均tmax(時間)12.0(個々の値は、9〜16)
− 平均Cmax(ng/ml)573.60±175.83
− 0〜60時間での尿中累積排泄量(用量の平均%)=28.02±11.71
− 平均t1/2(時間)13.87±5.09
一方で、200mg用量の場合、記録された主要パラメーターは、以下の通りである。
− 平均tlag≧3時間
− 平均tmax(時間)16.0(個々の値は、10〜24)
− 平均Cmax(ng/ml)1149.12±261.95
− 0〜60時間での尿中累積排泄量(用量の平均%)=38.67±15.8
− 平均t1/2(時間)15.08±5.85
粘膜染色の結果に応じて、錠剤を投与する方法を最適化するために、0から5の範囲の各個々の染色スコアの総計として算出された、0と20との間の数で構成される、独自に作成されたスコアリングシステム(TSC)を判別パラメーターとして使用し、上述の錠剤を用いて、臨床治験を実施した(前記0から5の範囲において、0は、全く染色なしであり、1は、「微量」であり、つまり結腸粘膜の色素跡がわずかであり、2は、「検出可能」であり、つまり範囲の少なくとも25%の染色に関し、3は、「許容可能」であり、つまり範囲の少なくとも50%の染色に関し、4は、「良好」であり、つまり範囲の少なくとも75%の染色に関し、5は、「染色過剰」であり、つまり内視鏡検査医が、範囲の100%にて、十分な正確性で粘膜表面を見ることができない過剰染色に関する)。スコアは、右または上行結腸、横行結腸、下行結腸、およびシグマ−直腸(sigma−rectum)として示されている結腸路の4つの区域で測定した。このスコアリングシステムを使用して、錠剤投与および結腸鏡検査処置中の病変検出可能性を最適化する目的で、色素の最も信頼性の高い投与スケジュールを選択した。
したがって、記載のように製剤化した錠剤を使用して、小群の患者で投与スケジュールを変化させ、対応する染色スコアを決定した。結腸粘膜染色で重要なことは、良好に染色された状況が、単一の結腸域のみに集中するのではなく、すべての結腸区域に広がっているべきであるということであるため、追加のパラメーターである、染色スコアが≧2のNSA(すなわち染色範囲の数)を考慮に入れた。これら2つのパラメーター(TSCおよびNSA)を適用して、内視鏡検査医による結腸粘膜のすべての病変の検出を向上させるための最良の条件を得るための錠剤投与スケジュールの決定を行った。
下記の表には、試験した2用量の異なる投与スケジュールが、対応する測定された染色スコアと共に報告されている。
A)150mg用量の場合、
− 腸前処置液(bowel prep)を飲用する前に2個の錠剤(tb)、第1のリットル(L)後に2個のtb、第2のL後に2個のtbを含む投与スケジュールAでは、平均染色スコアは6.8±4.0だった。平均染色結腸区域(NSA)は、1.3だった。
− 腸前処置溶液を飲用する前に6個の錠剤(tb)を含む投与スケジュールBでは、平均染色スコアは、2.3±2.4だった。平均染色結腸区域(NSA)は、0.4だった。
− 腸前処置溶液の終了時に6個の錠剤(tb)を含む投与スケジュールCでは、平均染色スコアは、8.1±3.6だった。平均染色結腸区域(NSA)は、1.5だった。
B)200mg用量の場合、
− 腸前処置溶液を飲用する前に4個の錠剤(tb)、第1のL後に2個のtb、第2のL後に2個のtbを含む投与スケジュールDでは、平均染色スコアは7.0±5.0だった。平均染色結腸区域(NSA)は、1.3だった。
− 腸前処置溶液の終了時に8個の錠剤(tb)を含む投与スケジュールEでは、平均染色スコアは、9.8±4.4だった。平均染色結腸区域(NSA)は、2.3だった。
− 腸前処置溶液を飲用する前に2個の錠剤(tb)、第1のL後に2個のtb、第2のL後に2個のtb、および腸前処置の終了時に2個のtbを含む投与スケジュールFでは、平均染色スコアは9.3±4.1だった。平均染色結腸区域(NSA)は、2.2だった。
− 腸前処置溶液を飲用する前に2個の錠剤(tb)、第1のL後に2個のtb、第2のL後に2個のtb、および腸前処置の終了時に2個のtbを含む投与スケジュールGでは、平均染色スコア(TSC)は10.5±7.8だった。平均染色結腸区域(NSA)は、1.5だった。
− 第3のL後に4個のtb、および腸前処置の終了時に4個のtbを含む投与スケジュールHでは、平均染色スコア(TSC)は10.0±3.2だった。平均染色結腸区域(NSA)は、2.1だった。
− 第2のL後に4個のtb、および腸前処置の第3のL後に4個のtbを含む投与スケジュールIでは、平均染色スコア(TSC)は11.4±3.8だった。平均染色結腸区域(NSA)は、2.8だった。
− 第2のL後に2個の錠剤(tb)、第3のL後に3個のtb、および腸前処置の終了時に3個のtbを含む投与スケジュールJでは、平均染色スコア(TSC)は11.6±3.5だった。平均染色結腸区域(NSA)は、2.6だった。
200mgの合計用量のメチレンブルーを含む実施例5に記載の同じ錠剤を、第2のL後に2個のtb、第3のL後に3個、および腸前処置の終了時に3個の投与スケジュールで使用して、
A)がんスクリーニングおよびサーベイランスを完了した96人の患者、およびB)ハイリスク集団に属する追加の52人の患者、つまり長期にわたる潰瘍性大腸炎の患者に対する、2つの第II相治験を実施した。
A)がんスクリーニングおよびサーベイランス治験は、メチレンブルーMMX(登録商標)錠剤で得られた結腸粘膜染色後に完全な結腸鏡検査を受けた患者のポリープおよび腺腫検出率を評価する目的を有していた。したがって、主要エンドポイントは、結腸粘膜染色後のポリープ検出率および腺腫検出率を評価することだった。
他の二次エンドポイントは、正確には以下のように設定した。
− 結腸粘膜染色後に検出されたポリープおよび腺腫の分類、
− 鋸歯状病変検出率の評価。
− メチレンブルーMMX(登録商標)錠剤の粘膜染色効力の評価
− また、検証されたボストン腸前処置スケール(BBPS)に従って腸洗浄品質を評価した。
− 200mgの単一用量の投与後のメチレンブルーMMX(登録商標)錠剤の安全性および耐容性に関するデータの収集。
対象は、結腸鏡検査日前の午後に錠剤摂取を開始し、腸前処置液の摂取が4時間後に完了することができるように、少なくとも250mLの腸前処置液を15分ごとに飲まなければならなかった。
測定された治験変数:
− ポリープを有する患者の頻度。
− 腺腫を有する患者の頻度。
− 各患者の右結腸中の腺腫の数。
− 各患者の検出された鋸歯状病変の数。
− 各範囲の粘膜染色スコア;合計染色スコア。
− 腸洗浄前処置品質のボストン腸前処置スコア。
− 盲腸に到達するまでの時間。
− 盲腸から排出まで退薬するまでの時間。
− 有害事象。
− 生命徴候(血圧、心拍数、末梢血の飽和度)、体重。
得られた結果は、本明細書の下記に要約されている。
1)1患者当たりの各結腸領域中の粘膜異常(ポリープ、腺腫、および鋸歯状病変)(A)、および合計数(B)
Figure 2019535794
内視鏡検査の所見はすべて、組織病理学専門家により分類された。検出された病変は、主に低悪性度管状腺腫、過形成鋸歯状病変、低悪性度鋸歯状腺腫、低悪性度管状絨毛腺腫だったが、管状絨毛、絨毛、および管状病変を含む、上皮内癌を有する高悪性度腺腫でもあった。メチレンブルーMMX(登録商標)錠剤の粘膜染色効力は、平均して「許容可能」であり、4つの検査した結腸領域すべてで50%の粘膜が染色された。腸洗浄品質は、合計BBPSスコアによると、平均して「良好」だった。
結論:
結腸全体でのポリープ検出率および腺腫検出率/患者は、平均で1.8±2.9個の検出されたポリープであり、0.9±1.7個の検出された腺腫であった。ポリープ検出率は、1対象当たり0から20個のポリープまでの範囲であり、直腸ではより高く、最大で10個のポリープであり、右結腸では最大で9個の病変だった。腺腫検出率は、1対象当たり0から14個の腺腫までの範囲であり、直腸ではより高く、最大で5個の腺腫だった。右結腸では、最大検出率は、8個の検出された腺腫だった。鋸歯状病変は、0から10個までの範囲であり、直腸での最高有病率は、最大で9個の病変だった。
以下の表に要約されているように、ポリープは64%の頻度で、腺腫は47%の頻度で、および鋸歯状病変は27.1%の頻度で検出された(右結腸では対象の9%であり、腺腫と同じ重症度レベルとみなされる)。
Figure 2019535794
窩パターンスコアと組織学的分類との間に良好な一貫性が存在した。
ポリープの場合、最も高頻度に影響を受けた領域は、S字結腸および直腸(それぞれ、21.9%および19.8%)であり、鋸歯状病変の場合、直腸(12.5%)で最も頻度が高かった。3つの範囲、右結腸、横行結腸、および下行結腸を考慮すると、検出率は、横行結腸が最も低く、次いで右結腸および下行結腸だった。
また、サイズにより上皮内新生物を細分化することにより、分析を行った。病変サイズによる検出率は、以下の表に要約されている。検出されたポリープ、腺腫、および鋸歯状病変<5mmの数;平均(±SD)および中央値(範囲)が報告されている。
Figure 2019535794
頻度は、より小さな病変(≦5mm)が優勢だった。これは、従来の白色光結腸鏡検査では、そのようなより小さな病変の検出が最も困難であることを考慮すると、特筆すべきことである。≦5mmのポリープは、最大数が15個の異常が検出された。≦5mmの検出された腺腫の最大数は9個であり、≦5mmの鋸歯状病変では10個だった。
サイズによる、検出されたポリープ、検出された腺腫、および検出された鋸歯状病変を有する対象の割合も、以下の要約表に示されている。結腸領域による、検出されたポリープ、腺腫、および鋸歯状病変を有する対象の割合;対象の数(%)が報告されている。
Figure 2019535794

結論:
結腸域すべてにおける粘膜病変、特に<5mmの病変の検出における、メチレンブルーMMX(登録商標)25mg放出調節錠剤の効力を調査および証明した。文献のデータと比較して、大部分の患者は、特にS字結腸−直腸域およびまた右結腸において、ポリープおよび腺腫の存在により影響を受けていたことが見出された。
B)メチレンブルーMMX(登録商標)25mg放出調節錠剤の効力を、≧8年および大腸炎活性指数<8と診断された潰瘍性大腸炎の患者で調査した。長期にわたる潰瘍性大腸炎を有する患者は、大腸炎関連結腸直腸がんを発症するリスクがより高いため、この集団を選択した。
上皮内新生物検出率は、16%であり(PP集団に属する50人の対象のうち8人)、合計10個の上皮内新生物が8人の対象で検出された。上皮内新生物は、直腸−シグマ(rectum−sigma)区域(RES)で最も高頻度に見出され、次が同頻度で下行結腸(DC)および横行(tansverse)結腸(TC)であり、最後が上行結腸(AC)であった。上皮内新生物の数/対象は、0.2±0.5だった。
下記に要約されているように、偽陽性所見は8%であり(50人の対象のうち4人)、その一方で偽陰性所見は6%だった(50人のうち3人)。この方法では、感度が50%よりも高く(正確には57.1%)、特異性が90%よりも高かった(正確には90.7%)。
研究結果は、本明細書中で開示されている腸前処置中の色素の経口投与の代わりに色素の色素内視鏡検査技術噴霧で得られたより広範囲の文献データと一致している。色素噴霧技術は、無作為生検と比較して、検査の時間を劇的に低減することができた。引用した噴霧色素内視鏡治験では、カテーテルを使用して0.1%メチレンブルーの溶液を噴霧したところ、同じ集団で15.48%の割合で上皮内新生物が検出された。
上皮内新生物の検出率、ならびに真および偽陽性および陰性所見分析集団(N=52)。
Figure 2019535794
メチレンブルーMMX(登録商標)錠剤の粘膜染色効力は、平均して「許容可能」であり、4つの検査した結腸領域すべてで粘膜の50%が染色され、異形成病変を見出すことがより困難な領域である上行結腸で、結腸区域の最も良好な染色がもたらされたことが確認された。大多数の対象は、4つの領域すべてでNSAを有していた。腸洗浄品質は、合計BBPSスコアによると、平均して「良好」だった。
また、本発明をより良好に明瞭化するために、結腸内視鏡検査の2つの画像が下記に報告されている。図1は、深部粘膜組織構造を認知する際の、本発明による色素のコントラスト増強効果を示す。結腸粘膜のプレポリープ変質部位における腺の病巣が良好に画定され、暗色で示されている。
図2は、半連続青色線が、内視鏡検査医が取り出さなければならない結腸の平坦な病変の境界を正確に画定しており、病変介入および摘出のより良好な解像度を可能にすることを示す。本明細書で開示されている経口投与された色素のおかげで、組織画定が、絶対的に向上する。従来の噴霧技法では、噴霧と観察との間で利用可能な時間がほとんどないため(数秒または2、3分)、同じ性能を得ることはできない。
第III相臨床研究用のメチレンブルー(MB)錠剤およびプラセボ錠剤
A.第III相臨床研究で使用されたメチレンブルー錠剤
Figure 2019535794
*マンニトールは、塩化メチルチオニニウム(メチレンブルー)の含水量および純度を補正する必要がある。
色素、両親媒性成分としてのレシチン、親油性マトリックスの成分としてのステアリン酸を順番に混合することにより組成物を得、その後、残りの成分を添加し、特に親水性マトリックス構造を生成することが可能なセルロースを、製剤が完成するまで添加した。粉末および顆粒の混合物を圧縮し、単位重量を約320mgにすることにより得られた最終医薬品形態を、可塑剤、クエン酸トリエチルにより、色素顔料、二酸化チタンにより、およびタルクなどの固着防止剤により支持される、A型およびB型のメタクリル酸誘導体のコポリマーの混合物で、溶媒としてエチルアルコールまたは水またはそれらの混合物を用いてコーティングする。最終膜コーティング錠剤は、25mgの乾燥物質と等価な活性成分(メチレンブルー)量を含有する約350mgの理論重量を有する。
B.第III相臨床研究で使用されたプラセボ錠剤
Figure 2019535794
錠剤は、メチレンブルー錠剤の場合と同様の方法で調製される。
第III相臨床治験
実施例6のメチレンブルー(MB)錠剤(この実施例では単に「MB錠剤」とも呼ばれる)を、スクリーニングまたはサーベイランス結腸鏡検査を受けている対象における多施設二重盲検無作為化プラセボ対照第III相臨床試験で研究した。研究の目的は、実施例6のMB錠剤で得られた粘膜染色後に完全な結腸鏡検査を受けた患者における腺腫または癌腫検出率を、実施例6のプラセボ錠剤(この例では単に「プラセボ錠剤」とも呼ばれる)と比較して評価することだった。検出率を、少なくとも1つの組織学的に証明された腺腫または癌腫を有する患者の割合として定義した。
プラセボ対照治験として研究を実施した。実際、患者の1つの群には、実施例6によるプラセボ錠剤を投与し、患者は、実施例6のMB錠剤を投与した患者と同じ条件で結腸鏡検査を受けた。この方法では、プラセボ錠剤には色素が欠如しているため、未染色の結腸を有する患者(プラセボ錠剤を投与した患者)と、メチレンブルーで染色された結腸を有する患者(MB錠剤を投与した患者)との間の、腺腫または癌腫検出率の直接比較が得られた。言い換えれば、この研究では、標準治療(白色光内視鏡検査)と、MB錠剤の経口投与による色素内視鏡検査とを比較した。結腸鏡検査のデータ取得および記録には、最新のより技術的に進歩した高解像度(HD)内視鏡を使用した。したがって、この研究により、腺腫または癌腫検出率に対するMB錠剤の効果を、現行の最高水準の結腸鏡検査、つまり高解像度(HD)白色光結腸鏡検査と直接比較することが可能だった。そのため、本例の状況では、用語「プラセボ」、「白色光高解像度内視鏡検査」(WLHD)、および「白色光内視鏡検査」は、同義的に使用することができ、結腸の内視鏡検査用の現行標準治療を明示的に示す。結腸鏡検査を実施した内視鏡検査医は、結腸が青色に着色されていたかまたは未染色であったかを見ることができたため、この臨床研究では二重盲検を得ることが不可避的に不可能であるため、追加の検出力不足のマスキング群を導入した。マスキング群の患者は、実施例6のMB錠剤の低減された用量(200mgの標準用量に対して100mg)を受容した。これらの患者は、青色に染色された結腸を有していたが、研究パラメーターの計算には考慮しなかった。このように、結腸鏡検査を実施している間、内視鏡検査医は、患者が完全用量(full dose)の群に属するか(その患者は統計計算の一部だった)、または「マスキング」群に属するか(その患者は、より低用量の組成物を受容し、統計分析の一部ではなかった)を承知していなかった。
目的
この研究の目的は、メチレンブルーの合計用量が最大で200mgの実施例6のMB錠剤の投与により得られる粘膜造影効果を示すかまたは示さない完全な結腸鏡検査を受けた患者の組織学的に証明された腺腫または癌腫検出率を評価することだった。プラセボ錠剤で得られた粘膜造影の欠如は、現行の標準治療である標準白色光結腸鏡検査の内視鏡処置と等価だった。
研究対象
結腸直腸がんのスクリーニングまたはサーベイランスのための完全な結腸鏡検査を受ける年齢が50〜75歳の対象を募集した。
食事、腸洗浄前処置液、および用量レジメン
食事:結腸鏡検査の前処置には、患者は、結腸鏡検査前の3日間にわたって低残渣食を採用した。低残渣食の3日目、患者は、腸前処置液および研究薬物の摂取を開始する前に少なくとも3時間断食しなければならない。
腸洗浄前処置液:対象はすべて、結腸鏡検査日前の夕方に(午後6時以後に)開始した、4リットルのPEGベースの腸洗浄前処置液の完全用量レジメンを受容した。対象は、少なくとも250mLの溶液を15分ごとに飲用した。そのため、洗浄前処置液および研究薬物の摂取は4時間で完了した。
用量レジメン:対象は、2:2:1の3群に無作為化した。
群1(メチレンブルー完全用量−200mg)は、実施例6の8個のMB錠剤(合計用量が200mgのメチレンブルーを有する)を受容した。第1の2リットルの腸前処置液後に3個のMB錠剤(75mgのメチレンブルー)、合計で3リットルの腸前処置液後に3個のMB錠剤(75mgのメチレンブルー)、および最後に、合計で4リットルの腸前処置液後に2個のMB錠剤(50mgのメチレンブルー)が消費された。
群2(プラセボ)は、錠剤の数および摂取スケジュールに関しては群1と同一の実施例6のプラセボ錠剤の経口用量を受容した。第1の2リットルの腸前処置液後に3個のプラセボ錠剤、合計で3リットルの腸前処置液後に3個のプラセボ錠剤、および最後に、合計で4リットルの腸前処置液後に2個のプラセボ錠剤が消費された。
群3(メチレンブルー低用量−100mg)は、プラセボ群とメチレンブルー(MB)錠剤200mg群との間の治験担当医師および対象の盲検の欠如による取得バイアスを低減するためのマスキング目的のために含まれていたに過ぎなかった。この検出力不足のマスキング群を、合計用量が最大で100mgのメチレンブルーを有する実施例6のMB錠剤(4個のMB錠剤、つまり群1に対して用量が半分のメチレンブルー)で処置した。群1および2(それらの対象は、合計で8個の錠剤を受容した)に対して未変更の錠剤の数を維持するために、メチレンブルー錠剤に加えて4個のプラセボ錠剤を投与した。第1の2リットルの腸前処置液後に1個のMB錠剤(25mgのメチレンブルー)および2個のプラセボ錠剤、合計で3リットルの腸前処置液後に追加で2個のMB錠剤(50mgのメチレンブルー)および1個のプラセボ錠剤、および最後に、合計で4リットルの腸前処置溶液後に1個のMB錠剤(25mgのメチレンブルー)および1個のプラセボ錠剤が消費された。
研究に参加した患者はすべて、群1、群2、または群3のいずれに属していたかに関わらず、消費されるべき腸洗浄前処置液の容量と、遵守されるべき時間を詳述する予定表を受容した。
Figure 2019535794
対象は、約250mLの腸洗浄前処置液を15分ごとに飲用しなければならず、毎時1リットルの腸洗浄前処置液と等価であった。錠剤の経口投与と次の投与との間の時間枠は、1時間でなければならなかった。
研究エンドポイント
主要エンドポイント:この研究の主要エンドポイントは、少なくとも1つの組織学的に証明された腺腫または癌腫を有する対象の割合(つまり腺腫検出率)の点において、実施例6によるプラセボ錠剤(白色光内視鏡検査)と比べて、実施例6によるメチレンブルー25mg錠剤で実施した色素内視鏡検査の検出効力を評価することだった。腺腫は、組織学的に証明されたウィーンド悪性度(Vienna Grade)3から4.2または組織学的に証明された従来の鋸歯状腺腫(TSA)、または組織学的に証明された固着性鋸歯状腺腫(SSA)と定義した。組織学的に証明された癌腫は、ウィーン悪性度4.3から5bと定義した。
二次エンドポイント:
・処置アームとプラセボ対照アームとの間の偽陽性率;この率は、病変を切除した対象および少なくとも1種の切除を受けた対象のいずれかのうちで、組織学的に確認された腺腫または癌腫を有していなかった患者の割合と定義される。
研究スケジュール
スクリーニング来院01:スクリーニング来院中、患者は、腎機能および肝機能を検査するために血液採取を受けた。出産能力のある女性は、血清妊娠検査を受けた。
無作為化来院01A:来院中、治験担当医師は、患者の血液結果が適格性基準に合格したか否かを確認し、合格した場合、研究薬物処方を割り当て、患者を無作為化した。治験担当医師は、患者に、結腸鏡検査までの期間の推奨される食事について、および使用説明書に従った腸洗浄前処置液を指示した。
結腸鏡検査の前処置には、患者は、結腸鏡検査前の3日間にわたって低残渣食を採用した。
結腸鏡検査の前日:患者は、実施例6のメチレンブルー錠剤を含む調査製品(群1:処置アーム)、または実施例6の一致するプラセボ錠剤(群2:白色光内視鏡検査アーム)、または両方(群3:低減用量アーム)を、所与の指示に従って腸洗浄前処置液を摂取している間に、自宅で自己投与した。
結腸鏡検査日02:患者は、結腸鏡検査のために再び病院を訪れた。結腸鏡検査は、高解像度(HD)結腸鏡を使用して実施した。狭帯域光観察(NBI)、およびすべての他の電子的色素内視鏡検査、および造影効果技法、ならびにズーム内視鏡検査または拡大は、許可しなかった。内視鏡検査医は、完全な結腸鏡検査を実施し、検出された腺腫および/または癌腫をすべて記録および除去した。内視鏡検査医は、形態およびサイズを記録し、発見されたポリープ、腺腫、および癌腫を分類し、ParisおよびKudoの分類に従っておよび内視鏡検査要領に従って窩パターンを記録した。
除去の基準は、拡大することなく、以下の3つの要素:(1)明白な突出または陥没、(2)粘膜結節不規則、(3)表在性脈管ネットワークの進路の中断のいずれかを有する任意の異常範囲だった。腺腫および癌腫はすべて、ポリープ切除の標準技法で除去した。それらのサイズまたは形態のため、腺腫または癌腫を除去することができなかった場合は常に、組織病理学的評価のために幾つかの生検を採取した。各内視鏡検査は、デジタルメディアに記録した。内視鏡検査の結論が出て、患者の肝機能および腎機能を評価するために血液試料を採取した後、対象は、病院を去ることが許可された。
追跡調査来院03:追跡調査来院は、結腸鏡検査から3〜7日以内に予定された。確認のためおよび回復を評価するために追加の血液検査を行った。
組織病理学的評価
収集し、ホルマリンで固定した組織生検検体を、現地サイトの組織病理学検査室に送り、そこで中央組織病理学専門家に発送するためのスライドを準備した。患者を正しく管理するために、現地の組織病理学検査室で実施した組織学的診断を、患者および医師に提供した。追加の切片を、各パラフィンブロックから採取し、染色し、マウントし、治験分析のために現地検査室から中央検査室へと発送した。中央組織病理学専門家は、適合された改訂版ウィーン分類)および鋸歯状分類に従って除去した腺腫および癌腫をすべて類別した。特に、中央組織病理学専門家は、従来の鋸歯状腺腫または固着性鋸歯状腺腫をすべて類別した。中央検査室組織病理学専門家は、研究エンドポイントのために考慮された微視的評価を提供した。
修正版ウィーン基準の悪性度3〜5および組織学的に証明された従来の鋸歯状腺腫(TSA)、ならびに鋸歯状病変分類の組織学的に証明された固着性鋸歯状腺腫(SSA)が、腺腫または癌腫の組織学的証拠として含まれていた。
胃腸管新生物のウィーン基準
Figure 2019535794
鋸歯状病変分類
Figure 2019535794
内視鏡検査処置中央解読
内視鏡検査中、粘膜表面窩パターンおよび病変の性質を、電子的にin vivoでリアルタイムに測定および記録した。中央評者により、記録したビデオの二次解読が実施された。中央評者は、切除の必要性、切除の欠如、および切除が、染色範囲または未染色範囲のいずれから採取されたかに関して、切除された病変について見解を示した。
データ分析
一次分析は、結腸鏡検査中に見出された少なくとも1つの組織学的に証明された腺腫または癌腫を有する患者の割合に対するロジスティク回帰だった。処置、施設、年齢、性別、結腸鏡検査の理由(以前の結腸鏡検査から2年以内のスクリーニング、サーベイランス、および以前の結腸鏡検査から2年よりも後のサーベイランス)、および切除の数(「≦3」、「4〜6」、および「>6」と分類した)を、固定効果として回帰モデルに含めた。
他の二次エンドポイントは、記述的統計により要約した。偽陽性率を、組織学的に確認された腺腫または癌腫を有することはないが、少なくとも1つの切除を有することになる対象の割合として評価した。
分析セット
治験の終了時には、合計で1346人の対象が登録された。それらの中で、97人の対象をスクリーニング失敗のため除外した。残りを、以下の分析セットに細分化した。
完全分析セット(FAS):調査医薬品の少なくとも1用量を受容し、結腸鏡検査を受けたすべての無作為化された対象(完了状況に関わらず)。この分析セットを、主要有効性分析に使用した。FAS集団は、1205人の対象で構成され、以下のように細分化されていた:485人の対象がメチレンブルー完全用量群、479人の対象がプラセボ群、および241人の対象がメチレンブルー低用量群だった。
パープロトコールセット(PP):研究結果に影響を及ぼし得る大きな逸脱を示さずに研究プロトコール要件を満たしていたすべての無作為化された対象。この分析セットを、感度分析に使用した。PP集団は、1137人の対象で構成され、以下のように細分化されていた:455人の対象がメチレンブルー完全用量群、457人の対象がプラセボ群、および225人の対象がメチレンブルー低用量群だった。
研究結果
研究の終了時に、以下の表に報告されている結果を得た。
Figure 2019535794
Figure 2019535794
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Figure 2019535794
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考察
この研究により、腺腫または癌腫検出率に対する実施例6のMB錠剤の効果を、現行の最高水準の結腸鏡検査、つまり白色光結腸鏡検査と直接比較することが可能だった。実施例6のプラセボ錠剤を、盲検目的に使用し、対照群の患者に投与した。この群の対象は、未染色の結腸を有し(プラセボ錠剤中に色素が欠如しているため)、現行の標準治療、つまり白色光結腸鏡検査により結腸の内視鏡検査を受けた対象を表わす。対象および内視鏡検査医の両方の盲検を維持するために、「マスキング」群を追加した。この群の対象には、低用量のメチレンブルー(200mgではなく100mg)を投与した。
臨床研究の高品質を、幾つかの手段により保証した。
− 各内視鏡検査医は、専用の承認試験で内視鏡検査要領の要件を満たさなければならなかった。
− 各結腸鏡検査は、新しい高解像度システムで記録し、バイアスを防止するために中央解読者(合計で5人)により遠隔および盲検方式で見直しを行った。
− 各病変を、現地の組織学検査室により分析し、バイアスを回避し、病変分類を指定する意見の一致した組織学的要領に従って診断を確認するために、中央組織学解読者(合計で2人)により盲検で再分析した。
用量が200mgのメチレンブルー(実施例6の25mg錠剤の形態で、1対象当たり合計で8個の錠剤を投与した)は、プラセボ錠剤、つまり標準治療(白色光HD内視鏡検査−WLHD)に対して、腺腫検出率(少なくとも1つの証明された腺腫または癌腫を有する対象の割合)の統計的に有意な向上を示した。実際のところ、メチレンブルー完全用量の腺腫検出率は、FAS集団では、プラセボ(WLHD)の47.81%に対して56.29%だった。言い換えれば、実施例6のMB錠剤の使用は、表7に示されているように、標準治療と比べて腺腫検出率(ADR)の17.7%の増加を得ることを可能にした。
Figure 2019535794
これらの結果は、PP集団で計算するとさらに良好である。実際、PP集団は、大きな逸脱(例として、調査錠剤に対する服薬遵守の欠如、完全な結腸鏡検査が十分に実施されないこと、適切な腸洗浄の欠如など)を示さずに研究を完了した対象のサブセットである。したがって、PPは、研究プロトコール手順に厳密に従うと、200mgの完全用量のメチレンブルーが本当の効果を示すサブセットである。言い換えれば、このサブセットは、研究薬物の本当の効力を示す。このサブセットでは、メチレンブルー完全用量の腺腫検出率は、プラセボ(WLHD)の47.92%に対して58.24%だった。言い換えれば、実施例6のMB錠剤の使用は、表8に示されているように、標準治療と比べて腺腫検出率(ADR)の21.5%の増加を得ることを可能にした。
Figure 2019535794
非常に重要なことは、メチレンブルー完全用量はプラセボと比べてADRをこのように増加させたが、それには、偽陽性率(FPR)の増加が伴わなかったということである。これに反して、FASサブセットおよびPPサブセットの両方で、メチレンブルー完全用量のFPRは、プラセボ(つまり、WLHD)のFPRよりも有意に低かった。プラセボの29.75%に対してメチレンブルー完全用量は23.31%(FAS)(Δ=6.44%)およびプラセボの30.25%に対してメチレンブルー完全用量は22.74%(PP)(Δ=6.44%)だった。これは、メチレンブルー完全用量が、プラセボ(つまり、WLHD)と比較して、FPRの21.6%(FAS)および24.8%(PP)の減少をもたらしたことを意味する。FPRにより、プラセボと比べてメチレンブルー完全用量群でより高い腺腫検出率は、切除された病変の数の大きさにより左右されず(切除された病変の数が大きいほど、腺腫または癌腫を見出す可能性がより高くなる)、メチレンブルーが結腸病変に「フラグ」を立て、内視鏡検査医がそれらをより容易に認識できるようにする能力によるものであったことが実証される。言い換えれば、本発明の製剤のおかげで、内視鏡検査医は、現行の標準治療(WLHD)と比較して、より多くの腺腫性またはがん性病変を特定(および、したがって除去)することができた。メチレンブルー完全用量のFPRとプラセボのFPRとの比較は、表9(FAS)および表10(PP)に報告されている。
Figure 2019535794
Figure 2019535794
メチレンブルーの効果は、除去した病変の数が少ない患者でより明白だった。実際、多数の病変を有する患者の場合、前がん性(腺腫)またはがん性病変がqueen見つかる確率は、より少数の病変を有する患者よりも高いことがよく知られている。切除の数が少ないほど、患者に前がん性病変を検出し得る困難性は高くなる。これは、本研究でも明白であった。本研究では、プラセボと比較した、ADRに対するメチレンブルーの効果は、表11および12から明白であるように、FASでもPPでも切除の数が≦3の対象のサブセットでより明白であった。
Figure 2019535794
Figure 2019535794
ロジスティク回帰モデルは、治験結果の全体的な統計的有意差についての重要なパラメーターの各々1つの影響を分析した。このモデルで算出された推定値および範囲は、治験結果の重要な指標である。ロジスティク回帰モデルは、プラセボ(WLHD)と比較して、メチレンブルー完全用量で得られたより高い腺腫検出率が、研究が実施された臨床施設などの外的要因によるものではなく、処置の効力によるものであることを確認した。
追加の分析(表13を参照)では、組織学的に証明された腺腫のみを有する対象(したがって、癌腫を有する対象を除く)の腺腫検出率を算出した。データは、メチレンブルー完全用量が、プラセボの45.93%と比較して、55.26%の、組織学的に証明された腺腫を有する対象のサブセットでの腺腫検出率を有する(FAS集団)ことを示した。これは、メチレンブルー完全用量が、プラセボと比較して、腺腫のみを有する対象の腺腫検出率の20.3%の増加パーセントをもたらしたことを意味する(表13)。腺腫が結腸直腸がんの前駆細胞として認識されていることを考慮すると、メチレンブルー200mgは、内視鏡検査医が、これら前駆細胞を見て除去し、したがってそれらが進行がんに移行することを予防する能力を増加させることは明白である。
Figure 2019535794
Figure 2019535794
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特筆すべきことには、メチレンブルー低用量群(合計用量が100mg)は、プラセボとのなんらかの統計的有意差を示すだけの検出力はなく、マスキングのために臨床治験に追加されたに過ぎないが、それにも関わらず、メチレンブルー完全用量(200mg)とプラセボとの中間の腺腫検出率および偽陽性率を示した。これは、メチレンブルーの用量とADRおよびFPRとの間に用量応答相関性があることを示す。
本明細書で開示された実施形態によるメチレンブルーを含む錠剤の安全性を、6つの臨床治験において、結腸鏡検査前に経口腸洗浄前処置液と共に任意の用量の錠剤を受容した1087人の成人で評価した。これらの対象の中央年齢値は、60歳(範囲、21〜80歳)だった。58%が男性だった。合計で798人の対象が、商業化が意図されている完全用量および製剤を受容した(200mg=8×25mg錠剤)。200mg用量を受容した対象の0.5%で、有害事象による投薬中止が生じた。投薬中止に結び付いた最も一般的な事象は、嘔吐だった(0.4%)。製品の主要な安全データベースは、488人の対象が、200mgの合計用量のメチレンブルーを有する固体組成物を含む錠剤を受容した無作為化プラセボ対照治験(研究CB−17−01/06)に由来する。241人の対象が、100mgの合計用量のメチレンブルーを受容し、479人の対象が、結腸鏡検査前に経口腸洗浄前処置液と共にプラセボを受容した。
200mg用量群では対象の少なくとも1%で生じ、プラセボ群よりも高い発生率で発生した、研究CB−17−01/06における、最も一般的な処置中に発生したあらゆる重症度の有害反応を、表16に示す。
Figure 2019535794
プラセボよりも高頻度で報告されたあまり一般的でない有害反応(<1%)としては、以下のものが挙げられた:腎および尿路障害(多尿、排尿困難);神経系障害(片頭痛);胃腸障害(腹部不快感、下痢、吐血);呼吸器、胸郭、および縦隔障害(咳);血液およびリンパ系障害(貧血);全身障害および投与局所様態(疼痛、寒気);ならびに眼障害(青色強膜変色)。
いくつかの実施形態では、本明細書では、各々が25mgのメチレンブルーを乾燥物質として含む錠剤の形態の遅延および延長放出固体組成物が開示されている。錠剤は、酸性pHで(胃中で)安定しているが、pH7またはそれよりも高いpHで崩壊し、崩壊が通常は回腸終端部で達成される腸溶コーティングでコーティングされている。膜コーティングが溶解すると、延長放出製剤は、メチレンブルー色素の徐放を提供し、錠剤が投与されるヒトの結腸粘膜の表面でのその均一で長期間の分散がもたらされる。メチレンブルーは、高い特異性で腸管の特殊円柱上皮を染色し、結腸新生物のスクリーニング、絨毛萎縮の診断、ならびに異形成および癌腫の範囲のスクリーニングに使用されている。異常染色は、異形成および/または早期がんの優れたマーカーである。メチレンブルーは、腸管の上皮細胞により吸収される生体染色色素である。胃腸上皮では、異形成上皮範囲およびがんは、周囲の健康な粘膜と比べて異なる色素摂取を示す。メチレンブルーによる染色後、これらの異常は、染色が異なる範囲として、または周囲粘膜に対して不均一な染色パターンとして現れる。本明細書で開示された固体組成物の一部の製剤化により、結腸でのメチレンブルーの最大局所生物学的利用能が達成され、結果的に、コントラスト増強効果が最適化される。
いくつかの実施形態では、メチレンブルーを含む遅延および延長錠剤は、ポリマー膜で腸溶コーティングされており、pH7またはそれよりも高いpHで崩壊して、結腸中でのメチレンブルーの放出を可能にする。錠剤コアは、結腸の全長にわたって活性成分の延長放出を可能にする賦形剤と共にメチレンブルーを含有する。また、各錠剤は、ステアリン酸、レシチン、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マンニトール、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルコポリマー(1:1)、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルコポリマー(1:2)、クエン酸トリエチル、タルク、および酸化チタンを含んでいてもよい。
実施例6の錠剤(各々が25mgを含有する8個の延長放出錠剤)を200mgの合計用量で健常対象に経口投与した後、ピーク血漿中濃度(Cmax)は、1.15±0.26μg/mLであり、ピーク濃度までの時間(tmax)の中央値は、16.00時間(10.00〜24.00時間)であり、曲線下面積(AUC0〜∞)は、28.56±9.76μg/mL×hだった。
200mgの用量での実施例6の錠剤の臨床研究では、対象は、投与後60時間(最後の評価)まで、定量化可能な量のメチレンブルー未変化体を尿中に排泄した。投与後60時間でのメチレンブルー未変化体の累積的排泄(Xu0〜t)は、77.34±31.61mgだった。これは、投与した用量の38.67±15.80%に相当する。同じ研究では、200mgの用量での平均半減期(t1/2)は、投与してからおよそ15時間であると決定された。
高解像度白色光(HDWL)を用いた結腸鏡検査を受けた患者の腺腫または癌腫を検出するための実施例6の錠剤の効力を、多施設多国籍無作為化二重盲検プラセボ対照治験で評価した。結腸鏡検査が予定されている50〜75歳の患者を、合計容量が200mgのメチレンブルー、合計用量が100mgのメチレンブルー、またはプラセボに無作為化した。患者は、結腸鏡検査の前夜に自宅で、腸洗浄前処置液を摂取中に実施例6の錠剤および/またはプラセボを自己投与した。合計で1249人の患者を、この研究に無作為化した。全体として、年齢中央値は62歳(範囲:50〜75歳)だった。対象のおよそ60%は男性であり、90%よりも多くが白人/コーカサス人種であった。大多数の患者は、スクリーニング(47.9%)または以前の結腸鏡検査から2年よりも後のサーベイランス(45.9%)のいずれかのための結腸鏡検査を受けていた。主要エンドポイントは、少なくとも1つの組織学的に証明された、検出された腺腫または癌腫を有する患者の割合だった。組織学的に証明された腺腫は、ウィーン悪性度3、4.1、もしくは4.2、または従来の鋸歯状腺腫(TSA)、または固着性鋸歯状腺腫(SSA)と定義した。組織学的に証明された癌腫は、ウィーン悪性度4.3、4.4、5.a、または5bと定義した。実施例6の錠剤を使用した200mgの合計用量のメチレンブルーによるHDWLは、腺腫または癌腫の検出が、プラセボによるHDWLよりも優れていた(オッズ比[95%CI]が1.41[1.09、1.81];フィッシャー直接検定p値=0.0099)。
加えて、実施例6の錠剤によるHDWL結腸鏡検査の偽陽性率(少なくとも1つの病変が切除されたが、切除したいずれの病変内にも組織学的に確認された腺腫または癌腫がなかった患者の割合と定義される)は、プラセボによるHDWLと比べて遜色がなかった。また、非ポリープ状の(平坦な)病変および小さな(<5mm)病変など、検出が困難な病変の検出は、プラセボよりも実施例6の錠剤でより高かった。主要エンドポイントおよび選択された二次エンドポイントの結果は、表17に要約されている。
Figure 2019535794
実施例6の錠剤(延長放出錠剤25mg)を含む、本明細書で開示された組成物のいずれかを含む錠剤は、オフホワイトから薄青色の丸い両凸のフィルムコーティング錠剤として供給することができる。実施例6の錠剤を含む、本明細書で開示された組成物のいずれかを含む錠剤は、厚紙箱に入れられた8個の錠剤のブリスターカードにパッケージングされていてもよい。実施例6の錠剤を含む、本明細書で開示された組成物のいずれかを含む錠剤は、20から25℃(68から77°F)で保管してもよく、15°から30℃(59°から86°F)までの逸脱(excursion)が許される(USP Controlled Room Temperatureを参照)。
実施例6の錠剤を含む、本明細書で開示された組成物が投与されるヒトは、過敏性反応:喘鳴、呼吸困難、えん下困難、じんま疹、発疹、もしくは皮膚潮紅、かゆみ、もしくはピリピリ感などの皮膚反応、めまいもしくは意識朦朧、虚脈もしくは頻脈、血圧低下、発作、または意識消失の任意の徴候または症状が生じた場合、錠剤の投与を中断し、医学的配慮を直ちに求めるように指示されていてもよい。実施例6の錠剤を含む、本明細書で開示された組成物が投与される女性ヒトは、妊娠中であるか否かまたは育児中であるか否かを医師に申告するように指示されていてもよい。
実施例6の錠剤を含む、本明細書で開示された組成物が投与されるヒトは、組成物での処置中は、片頭痛、めまい、失神性めまい、平衡障害、傾眠、視覚の混乱および妨害の生じる場合があるため、運転および機械の使用を回避するように指示されていてもよい。実施例6の錠剤を含む、本明細書で開示された組成物が投与されるヒトは、メチレンブルーを含む組成物の投与後に光毒性が生じる場合があるため、光への曝露に対する保護対策をとるように指示されていてもよい。実施例6の錠剤を含む、本明細書で開示された組成物が投与されるヒトは、腎臓疾患または肝臓疾患を有するか否かを医師に知らせるように指示されていてもよい。実施例6の錠剤を含む、本明細書で開示された組成物が投与されるヒトは、結腸鏡検査の前夜に、8個の錠剤すべてを指示通りに服用し、また医師の指示通りに腸前処置液全部を完了するように指示されていてもよい。実施例6の錠剤を含む、本明細書で開示された組成物が投与されるヒトは、腸前処置溶液、水、または他の透明液体と共に全体を飲み込まなければならず、噛んだり、砕いたり、または崩壊させたりしてはならないと指示されていてもよい。

Claims (59)

  1. 結腸における病理の検出を改善する方法であって、腸洗浄溶液および8単位投与量の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、前記腸洗浄溶液および前記8単位投与量の前記固体組成物は、
    a)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の前記固体組成物と、
    b)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の前記固体組成物と、
    c)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、2単位投与量の前記固体組成物と
    を含むスケジュールに従って、前記ヒトに投与され、
    各単位投与量の前記固体組成物が25mgのメチレンブルーを含有し、
    i)少なくとも約40%の腺腫検出率、
    ii)約35%以下の偽陽性率、
    iii)少なくとも約30%の、非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率、および
    iv)少なくとも約25%の、微小腺腫を有する対象の割合の検出率
    のうちの1つまたは複数を特徴とする方法。
  2. 少なくとも約40%、または少なくとも約45%、または少なくとも約50%、または少なくとも約55%の腺腫検出率を特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記腺腫検出率は約56.29%である、請求項2に記載の方法。
  4. 約35%以下、または約30%以下、または約25%以下の偽陽性率を特徴とする、請求項1、2、または3に記載の方法。
  5. 前記偽陽性率は約22.74%である、請求項4に記載の方法。
  6. 少なくとも約30%、または少なくとも約35%、または少なくとも約40%の、非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率を特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率は約43.92%である、請求項6に記載の方法。
  8. 少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約35%の、微小腺腫を有する対象の割合の検出率を特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 前記微小腺腫を有する対象の割合の検出率は約37.11%である、請求項8に記載の方法。
  10. 各投与量単位の前記固体組成物は、
    (a)25mgのメチレンブルーと、
    (b)少なくとも1種の親油性化合物と、
    (c)少なくとも1種の親水性化合物と、
    (d)任意選択で少なくとも1種の両親媒性化合物と、
    (e)任意選択で他の生理学的に許容される賦形剤と、
    (f)任意選択で胃耐性コーティングと
    を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1種の親油性化合物は、90℃を下回る融点を有する、請求項10に記載の方法。
  12. がん性病理、前がん性病理、中間期がん、腺腫、癌腫、鋸歯状病変、異形成、ポリープ、偽ポリープ、プレポリープ、過形成性病変、および炎症性病理の診断において結腸粘膜病変検出を向上させる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ヒトの結腸における粘膜病変のフラグ付けを改善する方法であって、1または複数の投与量単位の固体組成物をヒトに経口投与することを含み、各投与量単位は、
    (a)25mgのメチレンブルーと、
    (b)少なくとも1種の親油性化合物と、
    (c)少なくとも1種の親水性化合物と、
    (d)任意選択で少なくとも1種の両親媒性化合物と、
    (e)任意選択で他の生理学的に許容される賦形剤と、
    (f)任意選択で胃耐性コーティングと
    を含む方法。
  14. 前記少なくとも1種の親油性化合物は、90℃を下回る融点を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 腸洗浄溶液を前記ヒトに経口投与することをさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記固体組成物の複数投与量が前記ヒトに投与される、請求項13、14、または15に記載の方法。
  17. 前記投与量が、前記腸洗浄溶液の投与に関するスケジュールに従って投与される、請求項16に記載の方法。
  18. 8単位投与量の前記固体組成物は、
    a)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の前記固体組成物と、
    b)3リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の前記固体組成物と、
    c)4リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、2単位投与量の前記固体組成物と
    を含むスケジュールに従って、前記ヒトに経口投与される、請求項17に記載の方法。
  19. がん性病理、前がん性病理、中間期がん、腺腫、癌腫、鋸歯状病変、異形成、ポリープ、偽ポリープ、プレポリープ、過形成性病変、および炎症性病理の診断において結腸粘膜病変フラグ付けを向上させる、請求項13〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 結腸における病理の検出の改善に使用するための、少なくとも1種の色素を、少なくとも1種の生理学的に許容される賦形剤と共に含有し、
    (a)25mgのメチレンブルーと、
    (b)少なくとも1種の親油性化合物と、
    (c)少なくとも1種の親水性化合物と、
    (d)任意選択で少なくとも1種の両親媒性化合物と、
    (e)任意選択で他の生理学的に許容される賦形剤と、
    (f)任意選択で胃耐性コーティングと
    を含む固体組成物であって、8単位投与量の固体組成物は、
    a)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の前記固体組成物と、
    b)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の前記固体組成物と、
    c)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、2単位投与量の前記固体組成物と
    を含むスケジュールに従って、ヒトに経口投与されることを特徴とし、
    前記結腸の病理の改善された検出は、
    i)少なくとも約40%の腺腫検出率、
    ii)約35%以下の偽陽性率、
    iii)少なくとも約30%の、非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率、および
    iv)少なくとも約25%の、微小腺腫を有する対象の割合の検出率
    のうちの1つまたは複数を特徴とする、固体組成物。
  21. 前記少なくとも1種の親油性化合物は、90℃を下回る融点を有する、請求項20に記載の固体組成物。
  22. 方法は、少なくとも約40%、または少なくとも約45%、または少なくとも約50%、または少なくとも約55%の腺腫検出率を特徴とする、請求項20または21に記載の固体組成物。
  23. 前記腺腫検出率は約56.29%である、請求項22に記載の固体組成物。
  24. 方法は、約35%以下、または約30%以下、または約25%以下の偽陽性率を特徴とする、請求項20〜23のいずれか一項に記載の固体組成物。
  25. 前記偽陽性率は約22.74%である、請求項24に記載の固体組成物。
  26. 前記方法は、少なくとも約30%、または少なくとも約35%、または少なくとも約40%の、非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率を特徴とする、請求項20または21に記載の固体組成物。
  27. 前記非ポリープ状病変を有する対象の割合の検出率は約43.92%である、請求項26に記載の固体組成物。
  28. 前記方法は、少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約35%の、微小腺腫を有する対象の割合の検出率を特徴とする、請求項20または21に記載の固体組成物。
  29. 前記微小腺腫を有する対象の割合の検出率は約37.11%である、請求項28に記載の固体組成物。
  30. 前記方法は、がん性病理、前がん性病理、中間期がん、腺腫、癌腫、鋸歯状病変、異形成、ポリープ、偽ポリープ、プレポリープ、過形成性病変、および炎症性病理の診断において結腸粘膜病変検出を向上させる、請求項20〜29のいずれか一項に記載の固体組成物。
  31. ヒトの結腸における粘膜病変のフラグ付けの改善に使用するための、少なくとも1種の色素を、少なくとも1種の生理学的に許容される賦形剤と共に含有し、
    (a)25mgのメチレンブルーと、
    (b)少なくとも1種の親油性化合物と、
    (c)少なくとも1種の親水性化合物と、
    (d)任意選択で少なくとも1種の両親媒性化合物と、
    (e)任意選択で他の生理学的に許容される賦形剤と、
    (f)任意選択で胃耐性コーティングと
    を含む固体組成物。
  32. 前記少なくとも1種の親油性化合物は、90℃を下回る融点を有する、請求項31に記載の固体組成物。
  33. 前記固体組成物の複数投与量が前記ヒトに投与される、請求項31または32に記載の固体組成物。
  34. 前記投与量は、前記腸洗浄溶液の投与に関するスケジュールに従って投与される、請求項33に記載の固体組成物。
  35. 8単位投与量の前記固体組成物は、
    a)2リットルの腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の前記固体組成物と、
    b)3リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、3単位投与量の前記固体組成物と、
    c)4リットル目の腸クリーニング溶液の摂取後に、2単位投与量の前記固体組成物と
    を含むスケジュールに従って前記ヒトに経口投与される、請求項34に記載の固体組成物。
  36. 前記方法は、がん性病理、前がん性病理、中間期がん、腺腫、癌腫、鋸歯状病変、異形成、ポリープ、偽ポリープ、プレポリープ、過形成性病変、および炎症性病理の診断において結腸粘膜病変フラグ付けを向上させる、請求項31〜35のいずれか一項に記載の固体組成物。
  37. ヒトの結腸における病理の検出を改善する方法であって、8錠の固体組成物およびある容量の腸クリーニング溶液を前記ヒトに経口投与することを含み、前記固体組成物は、
    (a)少なくとも1リットルの腸洗浄溶液を消費し、続いて3錠の前記固体組成物を前記ヒトに投与することを含む第1の用量と、
    (b)前記固体組成物の前記第1の用量の投与の約1時間後に、3錠の前記固体組成物を前記ヒトに投与することを含む第2の用量と、
    (c)前記固体組成物の前記第2の用量の投与の約1時間後に、2錠の前記固体組成物を前記ヒトに投与することを含む第3の用量と
    を含むスケジュールに従って、前記腸洗浄溶液の摂取中に、3回の用量で、経口投与される方法。
  38. 合計で少なくとも3リットルの腸洗浄溶液は、8錠の前記固体組成物の投与と組み合わされて前記ヒトにより消費される、請求項37に記載の方法。
  39. 腸洗浄溶液の全容量は、内視鏡処置が前記ヒトに実施される少なくとも8時間前に、8錠の前記固体組成物と組み合わされて前記ヒトにより消費される、請求項37または38に記載の方法。
  40. 前記ヒトは、腸洗浄溶液の総容量の半分以下を、内視鏡処置が実施される前日に、8錠の前記固体組成物の投与と組み合わせて消費し、前記腸洗浄溶液の残りの部分は、前記内視鏡処置が実施される当日に前記ヒトにより消費される、請求項37または38に記載の方法。
  41. 腸前処置溶液の全容量は、前記内視鏡処置の少なくとも2時間前に消費される、請求項1から19および37から40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記腸洗浄溶液は、(a)前記内視鏡処置の前日に前記ヒトが少なくとも16オンスの容量の腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費すること、および(b)前記内視鏡処置の当日に前記ヒトが少なくとも16オンスの腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費することを含むスケジュールに従って、前記ヒトにより消費される、請求項1から19および37から41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 内視鏡処置中にヒトの結腸における病理の検出を改善する方法であって、8錠の固体組成物およびある容量の腸クリーニング溶液をヒトに経口投与することを含み、前記固体組成物は、(a)前記内視鏡処置の前日に前記ヒトが少なくとも16オンスの容量の腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費すること、および(b)前記内視鏡処置の当日に前記ヒトが少なくとも16オンスの腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費することを含むスケジュールに従って、前記腸洗浄溶液の摂取中に経口投与される方法。
  44. 前記8錠の前記固体組成物は前記内視鏡処置の前日に前記ヒトに投与される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記8錠の前記固体組成物の一部は前記内視鏡処置の前日に前記ヒトに投与され、前記固体組成物の残りの錠剤は前記内視鏡処置の当日に前記ヒトに投与される、請求項43に記載の方法。
  46. 腸前処置溶液の全容量は、前記内視鏡処置の実施の少なくとも2時間前に前記ヒトにより消費される、請求項43から45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記8錠の前記固体組成物は前記内視鏡処置の少なくとも8時間前に前記ヒトに投与される、請求項43から46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記ヒトは8錠の固体組成物の投与を受け、ある容量の腸洗浄溶液を消費し、前記腸クリーニング溶液は、(a)前記内視鏡処置の前日に前記ヒトが少なくとも16オンスの容量の腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費すること、および(b)前記内視鏡処置の当日に前記ヒトが少なくとも16オンスの腸前処置溶液を消費し、続いて少なくとも32オンスの水を1時間かけて消費することを含むスケジュールに従って消費される、請求項43から47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記8錠の前記固体組成物は前記ヒトに投与され、腸洗浄溶液の全容量は前記内視鏡処置の少なくとも8時間前に前記ヒトにより消費される、請求項43に記載の方法。
  50. 前記8錠の前記固体組成物は前記ヒトに投与され、腸洗浄溶液の全容量は前記内視鏡処置の少なくとも2時間前に前記ヒトにより消費される、請求項43に記載の方法。
  51. 前記8錠の前記固体組成物は前記内視鏡処置の少なくとも8時間前に前記ヒトに投与され、前記腸洗浄溶液の全容量は前記内視鏡処置の少なくとも2時間前に前記ヒトにより消費される、請求項43に記載の方法。
  52. 前記ヒトは、4リットルの腸洗浄溶液の総容量を、4リットルの前記腸洗浄溶液が消費されるまで、または前記ヒトの直腸流出液が透明になるまで、10分毎に240mL(8オンス)の速度で消費する、請求項37から51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記腸洗浄溶液は1時間当たり約1.2リットルから1時間当たり約1.8リットルの速度で経鼻胃管により前記ヒトに送達される、請求項1から19および37から41のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記ヒトはある容量の腸洗浄溶液を、4リットルが消費されるまで、または水様便が透明になり固形分を含まなくなるまで、25mL/kg/時間の速度で消費する、請求項1から19および37から41のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記固体組成物は、改変放出組成物(modified release composition)、延長放出組成物(extended release composition)、遅延放出組成物、または延長遅延放出組成物である、請求項1から19、37および43のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記腺腫検出率は、少なくとも約40%、または少なくとも約45%、または少なくとも約50%、または少なくとも約55%である、請求項37および43のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記腺腫検出率は約56.29%である、請求項37および43のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記偽陽性率は、約35%以下、または約30%以下、または約25%以下である、請求項37および43のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記偽陽性率は約22.74%である、請求項37および43のいずれか一項に記載の方法。
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