本出願は、2017年10月19日にPCT国際特許出願として出願されており、2016年10月21日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国仮特許出願第62/411,265号に対する優先権を主張するものである。
様々な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。同様の参照番号は、いくつかの図を通して同様の部品及びアセンブリを表す。様々な実施形態への言及は、本明細書に添付された特許請求の範囲を限定するものではない。また、本明細書に記載されるいずれの例も、限定することを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲の多くの可能な実施形態の一部を単に記載するものである。
本開示は、概して、気管挿管システムと共に使用可能な関節運動スタイレットに関する。スタイレットは、気管内チューブ又は別の装置の配置を誘導するために使用される、細長いプローブである。スタイレットは、イントロデューサ又はカテーテルと呼ばれることもある。本開示はまた、気管挿管及び気管内チューブ交換処置を実行する方法に関する。
場合によっては、挿管された患者の気管内チューブを新しい気管内チューブに交換する必要がある。この交換プロセスの1つの方法は、カテーテル又はスタイレットの先端部が気管に入るまで、既存の気管内チューブを通してカテーテル又はスタイレットを配置することを伴う。次いで、カテーテル又はスタイレットを適所に残しながら、既存の気管内チューブをカテーテル又はスタイレットを通して取り外す。次いで、新しい気管内チューブをカテーテル又はスタイレットを通して配置する。次いで、新しい気管内チューブを、新しい気管内チューブの先端部が気管内に適切に配置されるまでカテーテル又はスタイレット上で前進させる。次いで、カテーテル又はスタイレットを患者から取り外す。次いで、新しい気管内チューブを外部ベンチレータ又は呼吸回路に接続する。ベンチレータは次いで、患者の代わりに呼吸を行い、患者の肺に酸素を送達することができる。
気管内チューブ交換処置中に、多くの潜在的な合併症が生じる場合がある。例えば、カテーテル又はスタイレットの先端部は、気管及び肺外傷の原因となり得、患者への危害又は死亡の原因となり得る。気管内チューブ交換処置中のカテーテル又はスタイレットの先端部の不十分な深さ制御は、気管又は肺へのこの外傷の寄与因子である。更なる潜在的な合併症は、気管内チューブ交換処置中に、気管から交換カテーテル又はスタイレットの先端部が偶発的に取り外されることである。これは、新しい気管内チューブが気管に入らず、気管挿管の失敗及び患者への危害又は死亡を招く原因となり得る。
図1は、患者Pに挿管するのに使用される喉頭鏡を含む、例示的な気管挿管システム100の図である。例示的な挿管システム100は、喉頭鏡102と、関節運動スタイレット104と、気管内チューブ106と、を含む。また、患者Pの口M及び鼻Nも例示されている。この例では、喉頭鏡102は、患者Pの口Mに挿入され、関節運動スタイレット104は、患者Pの鼻Nに挿入され、気管内チューブ106は、関節運動スタイレット104上に装着される。あるいは、関節運動スタイレット104は、患者Pの口Mに挿入される。
患者Pは、挿管されている人又は動物である。挿管システム100は、困難な気道を有する患者に挿管するのに特に有用であるが、挿管システム100はまた、正常な気道を有する患者に使用されてもよい。患者Pの例としては、成人、小児、乳児、高齢者、肥満の人々、頭部又は頸部に影響を及ぼす腫瘍を有する人々、及び不安定な頸椎を有する人々が挙げられる。いくつかの実施形態では、挿管システム100は、正常な又は困難な気道を有する動物に挿管するのに使用されてもよい。挿管システム100は、同様に他の人々又は動物に挿管するのに使用されてもよい。
喉頭鏡102は、介護者が、とりわけ患者の声門を直接的又は間接的に見ることを可能にするように構成された医療機器である。いくつかの実施形態では、喉頭鏡102は、集積光学捕捉装置及び光源を有するブレードを含む。いくつかの実施形態では、ブレードは、患者Pの口Mを通して挿入されるように構成され、声門が光学捕捉装置の視野内にあるように位置付けられる。喉頭鏡102によって捕捉された画像は、患者Pの外部の位置から見られる。いくつかの実施形態では、喉頭鏡102によって捕捉された画像は、スクリーンなどの外部表示装置上で見られる。喉頭鏡102は、図2を参照してより詳細に例示及び説明される。
関節運動スタイレット104は、特許Pの気道に挿入される装置である。この例では、関節運動スタイレット104は、気管内チューブ106の配置を誘導するために使用される。関節運動スタイレット104は、患者Pの気道内に方向付けられ、前進し得る、薄い可撓性チューブを含む。関節運動スタイレット104は、関節運動スタイレット104の先端部を方向付ける制御機構を含む。関節運動スタイレット104は、挿管処置中に喉頭鏡102を用いて見られるように構成されてもよい。関節運動スタイレット104は、図3〜図5及び図51〜図62を参照することを含めて、用途全体を通してより詳細に例示及び説明される。
いくつかの実施形態では、気管内チューブ106は、患者Pの気道内に配置されるように構成された中空のチューブである。患者Pが挿管されているとき、気管内チューブ106の一方の端部は患者Pの気管の内側に配置され、他方の端部は外部ベンチレータ又は呼吸回路に接続される。気管内チューブ106は、患者Pの気道を閉塞するように構成される。それにより、気体(例えば、室内気、酸素ガス、麻酔ガス、呼気など)が、気管内チューブ106を通って患者Pの気管の内外に流れ得る。いくつかの実施形態では、気管内チューブ106は、例えば、機械動力式ベンチレータ又は手動式ベンチレータを含む呼吸回路に接続されてもよい。他の実施形態では、患者Pは、気管内チューブ106を通して自発的に呼吸することができる。気管内チューブ106は、図6を参照してより詳細に例示及び説明される。
気管内チューブ106は、関節運動スタイレット104の先端部上をシャフトに沿って摺動することにより、関節運動スタイレット104に装着されるように構成される。介護者が関節運動スタイレット104の先端部を患者Pの気管内に位置付けた後、気管内チューブ106を関節運動スタイレット104のシャフト上で患者Pの気管内に前進させる。このようにして、関節運動スタイレット104は、気管内チューブ106を患者Pの気管内の適切な位置に誘導する。気管内チューブ106を位置付けるプロセスは、図7〜図16を参照してより詳細に例示及び説明される。
図2は、喉頭鏡102の一例の斜視図である。いくつかの実施形態では、喉頭鏡102は、ブレード110、ハンドル112及び表示装置114を含む。
いくつかの実施形態では、ブレード110は湾曲し、第1の端部116及び第2の端部118を有する。第1の端部116は、ハンドル112に連結される。第2の端部118は、図8を参照して例示及び説明されるように、患者の口を通って患者の咽頭内に挿入されるように構成される。いくつかの実施形態では、ブレード110は真っ直ぐである。いくつかの実施形態では、ブレード110の断面はトラフ状であるが、他の実施形態では、ブレード110の断面は管状である。ブレード110の更に他の実施形態が可能である。
いくつかの実施形態では、ブレード110は、光学捕捉装置120及び光源122を含む。いくつかの実施形態では、光学捕捉装置120及び光源122は、ブレード110の第2の端部118の近くに配置される。したがって、ブレード110が患者の咽頭に挿入されると、光源122は、患者の声門を照らし、光学捕捉装置120は、画像、ビデオ又は光波などの患者の声門の光学表現を捕捉する。いくつかの実施形態では、ブレード110は、複数の光学捕捉装置120及び光源122を含む。
光学捕捉装置120は、画像を捕捉するための装置である。いくつかの実施形態では、光学捕捉装置120は、電荷結合素子又は相補的な金属酸化物半導体などのカメラ又は画像捕捉センサである。いくつかの実施形態では、光学捕捉装置120はデジタルビデオカメラである。他の実施形態では、光学捕捉装置120は光ファイバである。更に他の実施形態では、光学捕捉装置120はミラーである。光学捕捉装置120の更に他の実施形態も可能である。
光源122は、光を声門に向かって送信又は方向付けるように構成された装置である。いくつかの実施形態では、光源122は、光を生成するように構成される。他の実施形態では、光源122は、光を反射するように構成される。光源122の例としては、発光ダイオード、白熱電球、光ファイバ及びミラーが挙げられる。他の実施形態は、他の光源を含む。
ハンドル112は、ブレード110の第1の端部116に連結され、ユーザーの手に保持されるように構成される。ユーザーは、自律ロボット、半自律ロボット、医療専門家によって遠隔制御されるロボット、又は医療専門家であってもよい。ハンドル112は、介護者からの入力を受信し、ブレード110の位置及び向きを調節し、それに応じて、その第2の端部118に収容される光学捕捉装置120を向けるように動作する。
いくつかの実施形態では、ハンドル112は円筒形状を有する。いくつかの実施形態では、ハンドル112の断面は矩形である。他の実施形態では、ハンドル112の断面は、丸みを帯びた角部を有する矩形である。いくつかの実施形態では、ハンドル112は、1つ以上の成形されたつまみを含む。他の実施形態は、ハンドル112の他の構成を有する。
表示装置114は、とりわけ、光学捕捉装置120によって捕捉されたビデオ、画像又は光波を表示するように構成される。いくつかの実施形態では、表示装置114はスクリーン126を含む。いくつかの実施形態では、表示装置114は、ケーブル124を用いてハンドル112に連結される。他の実施形態では、表示装置114は、ハンドル112で一体に形成される。いくつかの実施形態では、表示装置114はミラーである。いくつかの実施形態では、単一のミラーは、表示装置114及び光学捕捉装置120の両方として動作する。表示装置114の更なる他の実施形態が可能である。
いくつかの実施形態では、ケーブル124は、ハンドル112、ブレード110、又はその両方の一部若しくは全ての内側に配置される。いくつかの実施形態では、ケーブル124は、光学捕捉装置120及び光源122に電力を伝送し、光学捕捉装置120によって生成されたビデオ又は画像を表す電気信号を表示装置114に伝送するように構成される。他の実施形態では、ケーブル124はファイバケーブルであり、光学捕捉装置120によって捕捉された光波を表示装置114に光学的に送信するように動作する。他の実施形態は、ケーブル124を含まない。例えば、いくつかの実施形態では、光学捕捉装置120によって捕捉されたビデオ又は画像は、表示装置114に無線で送信される。更に他の実施形態では、光学捕捉装置120によって捕捉された画像は、1つ以上のミラーで送信される。
いくつかの実施形態では、スクリーン126は、液晶ディスプレイである。他の実施形態では、スクリーン126は、発光ダイオードディスプレイ又は陰極線管である。いくつかの実施形態では、スクリーン126は、ミラーの表面である。スクリーン126の更に他の実施形態も可能である。スクリーン126は、画像を表す信号を受信し、その画像を表示するように動作する。
喉頭鏡102の例としては、Verathon Inc.(Bothell,WA)によって製造されたGLIDESCOPE(登録商標)ビデオ喉頭鏡、Vivid Medical Inc.(Palo Alto,CA)によって製造されたVVIDTRAC VT−A100(登録商標)ビデオ挿管装置、及びKaL Storz GmbH & Co.KG(Tuttlingen,Germany)によって製造されたC−MAC(登録商標)ビデオ喉頭鏡が挙げられる。喉頭鏡102の他の例としては、他のビデオ喉頭鏡、光ファイバ気管支鏡、光ファイバスタイレット、ミラー喉頭鏡、及びプリズム喉頭鏡が挙げられる。喉頭鏡102の多くの他の例も存在する。
図3は、患者の気管内に気管内チューブを誘導するように構成された、例示的な関節運動スタイレット104の斜視図である。関節運動スタイレット104は、ハンドル130及びシャフト134を含む。ハンドル130は、先端部制御機構132を含む。
いくつかの実施形態では、ハンドルは、介護者の手に保持されるように構成される。いくつかの実施形態では、ハンドル130は、介護者の手に快適に適合する形状を有する。いくつかの実施形態では、ハンドル130の断面は円筒形である。いくつかの実施形態では、ハンドル130の断面は矩形である。他の実施形態では、ハンドル130の断面は、丸みを帯びた角部を有する矩形である。いくつかの実施形態では、ハンドル130は、1つ以上の成形されたつまみを含む。
先端部制御機構132は、シャフト134の先端部138の方向移動を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、先端部制御機構132は、介護者の親指によって操作されるように構成される。他の実施形態では、先端部制御機構132は、介護者の1本以上の指又は手のひらによって操作されるように構成される。
いくつかの実施形態では、先端部制御機構132は、3つの物理的位置を有するスイッチである。それぞれの物理的位置は、先端部138の移動指示に対応する。例えば、1つの物理的位置は、先端部138を第1の方向に移動又は枢動させるように指示し、第2の物理的位置は、先端部138を第2の方向に移動又は枢動させるように指示し、第3の物理的位置は、先端部138が静止したままであるように指示する。他の実施形態では、先端部制御機構132は、3つより少ない又は多い物理的位置を有してもよい。
いくつかの実施形態では、先端部制御機構132は、ポテンショメーターであり、ジョイスティックと同様の方法で挙動する。これらの実施形態では、ポテンショメーターを一方向に作動させることによって先端部138を第1の方向に関節運動させ、ポテンショメーターを別の方向に作動させることによって先端部138を第2の方向に関節運動させる。ポテンショメーターの作動の大きさに応じて、先端部138は、より大きい又はより小さい程度に枢動し得る。ポテンショメーターが作動していないとき、先端部138は関節運動していない。他の実施形態では、先端部制御機構132は、1つ以上のボタン又はタッチセンサと共に実装される。ボタン又はタッチセンサのうちの1つが起動されると、先端部138は、特定の方向に関節運動する。いくつかの実施形態では、先端部制御機構132は、ホイール、トリガ又はレバーである。先端部制御機構132の更に他の実施形態が可能である。
シャフト134は、外面136及び先端部138を含む。シャフト134は、患者の鼻又は口に挿入され、患者の声門を通って患者の気管内に方向付けられるように構成される。
先端部138の反対側の端部において、シャフト134はハンドル130に連結される。いくつかの実施形態では、シャフト134は、2〜3フィートの長さであり、3/16”のインチの直径を有する。他の実施形態では、特に小児患者に向けられたものでは、シャフト134は、より小さい直径を有する。より小さい若しくはより大きい長さ又はより小さい若しくはより大きい直径を有する他の実施形態も可能である。
いくつかの実施形態では、シャフト134は管状形状を有し、患者の気道の形状に適合するように構成された可撓性材料から形成される。いくつかの実施形態では、シャフト134の断面は、楕円形を有する。他の形状を有するシャフト134の他の実施形態が可能である。
いくつかの実施形態では、外面136は、単一の連続した均一の材料を含む。いくつかの実施形態では、外面136は、非付着特性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、外面136は、ポリテトラフルオロエチレンから形成される。他の実施形態では、外面136は、潤滑剤を受容するように構成される。外面136の他の実施形態も可能である。外面136は連続材料から形成されるため、外面136はいずれのシームも有さない。したがって、外面136は、迅速かつ安価に洗浄することができる。例えば、外面136は、高価で時間がかかる滅菌機器(例えば、オートクレーブ)を使用せずに滅菌されてもよい。
いくつかの実施形態では、先端部138は、シャフト134の残りの部分から独立して移動又は枢動するように構成される。いくつかの実施形態では、先端部138は、鼻又は口を通って上気道へと移動し、患者の気管内に前進する際に外傷を最小限に抑えるように構成される。いくつかの実施形態では、先端部138は、外面136内に収容される。いくつかの実施形態では、先端部138は、鈍角の丸みを帯びた形状を有する。いくつかの実施形態では、先端部138は、患者を潜在的に傷つけ得る縁部、角部又は割れ目を有しない。先端部138の更に他の実施形態が可能である。
いくつかの実施形態では、シャフト134及び先端部138は、カメラ、光源、又は患者の画像を照明若しくは撮像するための他の機構を収容せず、それを含まない。したがって、いくつかの実施形態では、シャフト134及び先端部138の外面136の設計は、外傷を低減し、滅菌を単純化するように設計される。シャフト134及び先端部138の外面136の設計は、カメラ、光源、又はレンズなどの光ファイバ、曇り止め用の加熱素子、及び視野を明確にするために水を方向付ける又は吸引するためのルーメンなどの必要条件に制約されない。
図4は、関節運動スタイレット104の一実施形態の断面図である。関節運動スタイレット104は、シャフト134及びハンドル130を含む。いくつかの実施形態では、シャフト134は、第1のセグメント150と、第2のセグメント152と、枢動可能部分154と、第1のケーブル156と、第2のケーブル158と、を含み、これらは全て外面136内に収容される。ハンドル130は、先端部制御機構132及びケーブル制御機構160を含む。
第1のセグメント150は、一方の端部でハンドル130に、及び他方の端部で枢動可能部分154に連結される。第1のセグメント150は、外面136内に収容される。いくつかの実施形態では、第1のセグメント150は、可撓性材料で形成される。他の実施形態では、第1のセグメント150は半剛性材料から形成される。いくつかの実施形態では、第1のセグメント150は、形状記憶材料から形成される。これらの例では、第1のセグメント150は、矯正に向けた付勢力と、患者の気道の解剖学的構造に適合するように曲がるための可撓性とを有する。いくつかの実施形態では、第1のセグメント150は、可撓性バネから形成される。第1のセグメント150の更に他の実施形態も可能である。
第2のセグメント152は、一方の端部で枢動可能部分154に連結され、他方の端部で先端部138を形成する。第2のセグメント152は、外面136内に収容される。いくつかの実施形態では、第2のセグメント152は、金属、プラスチック、複合体、又はこれらの組み合わせなどの剛性材料から形成される。他の実施形態では、第2のセグメント152は、剛性又は半剛性材料から形成される。いくつかの実施形態では、第2のセグメント152は、第1のセグメント150と同じ材料から形成される。
枢動可能部分154は、第1のセグメント150及び第2のセグメント152に連結される。枢動可能部分154は、1つ以上の軸を中心として枢動するように構成される。いくつかの実施形態では、枢動可能部分154はヒンジである。他の実施形態では、枢動可能部分154は、玉継手などの継手である。更に他の実施形態では、シャフト134の一部又は全部はバネから形成され、枢動可能部分154は、バネの隣接する部分に対して緩く巻かれたバネから形成される。
いくつかの実施形態では、枢動可能部分154は、第2のセグメント152が、負の90度と正の90度との間の軸を中心として枢動することを可能にするように構成される。他の実施形態では、枢動可能部分154は、第2のセグメント152が、より高い又はより低い程度で軸を中心として枢動することを可能にするように構成される。
いくつかの実施形態では、枢動可能部分154は、第2のセグメント152が、単一平面内の軸を中心として枢動することを可能にするように構成される。他の実施形態では、枢動可能部分154は、第2のセグメント152が複数の平面内の軸の周りを移動すること、又は更には任意の方向に自由に移動することを可能にするように構成される。しかしながら、他の実施形態では、シャフト134は、第2のセグメント152、枢動可能部分154、第1のケーブル156及び第2のケーブル158を含まない。したがって、これらの実施形態では、先端部138は関節運動しない。
いくつかの実施形態では、第2のセグメント152は、第1のケーブル接続点162及び第2のケーブル接続点164を含む。第1のケーブル接続点162及び第2のケーブル接続点164は、第2のセグメント152に沿って長手方向に同じ距離又はその近くに、ただし、第2のセグメント152の半径方向の両側又はその近くに配置される。いくつかの実施形態では、第1のセグメント150は、第1のハトメ166及び第2のハトメ168を含む。いくつかの実施形態では、第1のハトメ166及び第2のハトメ168は輪状の開口部である。
いくつかの実施形態では、第1のケーブル156の一端は、第1のケーブル接続点162に接続され、第2のケーブル158の一端は第2のケーブル接続点164に接続される。第1のケーブル156及び第2のケーブル158の両端は、ケーブル制御機構160に接続される。いくつかの実施形態では、第1のケーブル156は、第1のハトメ166を通過し、第2のケーブル158は、第2のハトメ168を通過する。
いくつかの実施形態では、ケーブル制御機構160は、第1のモード、第2のモード及び第3のモードで動作する。第1のモードでは、ケーブル制御機構160は、第1のケーブル156を引っ張り、第2のケーブル158を弛緩させて、第2のセグメント152を方向D1に枢動させる。第2のモードでは、ケーブル制御機構160は、第1のケーブル156を弛緩させ、第2のケーブル158を引っ張って、第2のセグメント152を方向D2に枢動させる。第3のモードでは、ケーブル制御機構160は、第1のケーブル156を引っ張ることも弛緩させることもなく、かつ第2のケーブル158を引っ張ることも弛緩させることもなく、第2のセグメント152をその現在の位置に残す。いくつかの実施形態では、先端部制御機構132は、ケーブル制御機構160のモードを選択するように構成される。いくつかの実施形態では、より多くの又はより少ないケーブルが存在し、(are)より多くの又はより少ないモードが存在する。他の実施形態は、先端部138を移動又は枢動させる完全に異なる方法を使用する。例えば、いくつかの実施形態では、モーターは、第2のセグメント152を枢動させるために、先端部138の近くのシャフト134内に配置される。
図4に示される実施形態は、2つのセグメント及び1つの枢動可能部分を含むが、追加のセグメント及び枢動可能部分を有する他の実施形態も可能である。これらの実施形態のいくつかにおいて、シャフト134はまた、追加のケーブル、ケーブル接続点、及びハトメを含む。
図5は、例示的な関節運動スタイレット104の先端部138の斜視図である。先端部138は、配向マーク140と1つ以上の深さ評価バンド142a〜c(総じて深さ評価バンド142)とを含む。
配向マーク140は、外面136上にあるか又はそこを介して可視である表示器であり、関節運動スタイレット104を喉頭鏡102で見たときに可視であるように構成される。配向マーク140は、関節運動スタイレット104の半径方向に関する情報を伝達するように構成される。いくつかの実施形態では、配向マーク140は、先端部138で又はその付近で始まり、シャフト134の長さに沿って長手方向に続く直線である。いくつかの実施形態では、配向マーク140は、シャフト134の全長にわたって存在する。他の実施形態では、配向マーク140は、シャフト134の一部分に沿ってのみ存在する。いくつかの実施形態では、配向マーク140は、先端部138が移動するように構成されている方向D1と半径方向に位置合わせされる。このようにして、介護者は、配向マーク140を喉頭鏡102の表示装置で見ることができ、先端部138が枢動された場合に移動する方向を決定することができる。ゆえに、介護者は、遅延又は患者への外傷をもたらし得る先端部138の誤った枢動を起こすことなく、関節運動スタイレット104を患者の気管内に迅速に方向付けることができる。
いくつかの実施形態では、配向マーク140は、破線又は一連のドットである。いくつかの実施形態では、配向マーク140は、方向D1と半径方向に位置合わせされていないが、それでも介護者が関節運動スタイレット104を方向付けるために必要な配向情報を伝達する。いくつかの実施形態では、複数の配向マークが含まれる。更に他の実施形態も可能である。
いくつかの実施形態では、関節運動スタイレット104は、1つ以上の深さ評価バンド142を含む。図5に示される実施形態では、関節運動スタイレット104は、第1の深さ評価バンド142a、第2の深さ評価バンド142b及び第3の深さ評価バンド142cを含む。深さ評価バンド142は、外面136上にあるか又はそこを通して可視である視覚的表示器であり、関節運動スタイレット104を喉頭鏡102で見たときに可視であるように構成される。深さ評価バンド142は、喉頭鏡スコープ102を通しても可視である、声帯などの患者の解剖学的ランドマークに対する関節運動スタイレット104の配置に関する情報を伝達するように構成される。深さ評価バンド142はまた、先端部138の端部までの長手方向の距離に関する情報を伝達するように構成される。
隣接する深さ評価バンド142は、深さ評価バンド142のうちの1つの一部を喉頭鏡から見る介護者が、特にどの深さ評価バンド142が視野内にあるかを識別できるように、互いに視覚的に区別される。深さ評価バンド142は連続領域であるため、介護者が関節運動スタイレット104を前進又は後退させて、深さ評価バンド142のうちの1つを喉頭鏡102の視野内に入れる必要はない。このような操作は、患者が外傷を受ける又は患者の気管から関節運動スタイレット104が不注意に取り外される危険性を生む。また、介護者は、深さ評価バンド142が視野を通過する際に、それらを記憶する必要もカウントする必要もない。このようにして、深さ評価バンド142は、患者への外傷を最小限に抑え、介護者が、深さ評価バンド142をカウントするのではなく、関節運動スタイレット104を使用することに集中することを可能にする。更に、深さ評価バンド142をこのように使用することにより、気管挿管処置を完了するのに必要な時間を短縮することができる。
いくつかの実施形態では、深さ評価バンド142は、シャフト134の長さの一部分に沿って延在する色の連続領域である。例えば、第1の深さ評価バンド142aは第1の色であり、第2の深さ評価バンド142bは第2の色であり、第3の深さ評価バンド142cは第3の色である。他の実施形態では、深さ評価バンド142は、色ではなく、視覚的に区別可能なパターンの連続領域である。いくつかの実施形態では、深さ評価バンド142は、視覚的に区別可能なパターン及び色の両方を含む。更に他の実施形態も可能である。
いくつかの実施形態では、深さ評価バンド142の長さは、関節運動スタイレット104が意図される挿管処置に必要な臨床精度と、介護者が先端部138を挿入することを所望する患者の気管内への距離と、に基づいて選択される。例えば、介護者は、先端部138を成人患者の気管に2〜4センチメートル挿入することを所望する場合がある。成人患者のいくつかの実施形態では、深さ評価バンド142のそれぞれの長さは、2センチメートルである。このようにして、介護者は、第2の深さ評価バンド142bの任意の部分が成人患者の気管の入口(すなわち、患者の声帯)と位置合わせされたときに、先端部138が患者の気管内に適切に挿入されることを知ることになる。
同様に、小児患者のいくつかの実施形態では、深さ評価バンド142の長さは、小児患者のより短い気管に適合される。例えば、介護者は、先端部138を小児患者の気管内に1〜2センチメートル挿入することを所望する場合がある。小児患者のいくつかの実施形態では、深さ評価バンド142のそれぞれの長さは、1センチメートルである。このようにして、介護者は、第2の深さ評価バンド142bの任意の部分が小児患者の気管の入口(すなわち、患者の声帯)と位置合わせされたときに、先端部138が患者の気管内に適切に挿入されることを知ることになる。
いくつかの実施形態では、深さ評価バンド142の色は、先端部138が適切に位置付けられているかどうかに関する情報を伝達する。いくつかの例示的実施形態では、第1の深さ評価バンド142aは黄色であり、第2の深さ評価バンド142bは緑色であり、第3の深さ評価バンド142cは赤色である。第1の深さ評価バンド142aの黄色は、先端部138を、まだ適切に位置付けられていないため注意して前進させるよう、介護者に伝達し得る。第2の深さ評価バンド142bの緑色は、先端部138が適切に位置付けられるように見えるため、介護者に成功を伝達し得る。第3の深さ評価バンド142cの赤色は、患者の気管内に位置付けられた先端部138が深すぎて、潜在的に外傷を引き起こし得るため、介護者に警告を伝達し得る。
図5に示される実施形態は、3つの深さ評価バンド142を含むが、より少ない又はより多い深さ評価バンド142を含む他の実施形態も可能である。いくつかの実施形態では、深さ評価バンド142は、長さが均一である。他の実施形態では、深さ評価バンド142の1つ以上は、他の深さ評価バンド142とは異なる長さを有する。例えば、高い精度を必要とする用途において、深さ評価バンド142の1つは、他の深さ評価バンド142よりも長さが短い。したがって、深さ評価バンド142の1つが患者の気管への入口(すなわち、声帯)と位置合わせされると、介護者は、より高い精度で先端部138の深さを決定することができる。
図5に示される深さ評価バンド142の実施形態は、関節運動スタイレット104に関連しているが、深さ評価バンド142は、他のスタイレットと共に使用することもできる。例えば、いくつかの実施形態では、深さ評価バンド142は、関節運動しないスタイレットと共に使用される。これらの実施形態では、スタイレットは、先端部が関節運動しておらず、先端部分を制御する構成要素が含まれないことを除いて、本明細書に記載される関節運動スタイレット104と類似している。これらの実施形態では、スタイレットは、様々な解剖学的ランドマークに対するスタイレットの非関節先端部の位置を決定するために、喉頭鏡102で見ることができる深さ評価バンド142を更に含む。
本明細書に記載される実施形態は、気管内チューブの配置に関するものであるが、深さ評価バンドは、気道装置における使用に限定されない。いくつかの実施形態では、深さ評価バンド142は、他の医療用装置上にも含まれ、それらの医療用装置の適切な配置を同様に誘導する。例えば、いくつかの実施形態では、深さ評価バンド142は、中心静脈カテーテル、内視鏡装置、胃腸管に配置された装置、心臓血管系内に配置された装置、泌尿器系内に配置された装置、耳の内側に配置された装置、眼の内側に配置された装置、中枢神経系内に配置された装置、腹部の内側に配置された装置、胸部内に配置された装置、又は筋骨格系内に配置された装置に含まれる。これらの実施形態では、深さ評価バンド142は、様々な組織構造体と比較されるように構成される。これらの実施形態では、深さ評価バンド142は、身体内の他の器官系又は更には身体の外側と比較した、様々な解剖学的ランドマークに対する装置の配置に関する情報を伝達するように構成される。加えて、いくつかの実施形態では、深さ評価バンド142は、深さ制御が所望される非医療用装置に含まれる。例えば、深さ評価バンド142は、機械又は物理的構造体を検査するための装置、及び締結具又は他の産業若しくは物理的部品を適切に配置するための装置などの産業装置に含まれ得る。
図6は、例示的な気管内チューブ106の斜視図である。気管内チューブ106は、パイプ170と、カフ172と、膨張ルーメン174と、を含む。いくつかの実施形態では、気管内チューブ106は、カフ172又は膨張ルーメン174を含まない。
いくつかの実施形態では、パイプ170は中空であり、第1の端部178と、第2の端部180と、外面182と、を含む。いくつかの実施形態では、パイプ170は、可撓性材料から形成され、患者の解剖学的構造に適合するように動作する。例えば、いくつかの実施形態では、パイプ170は、ポリ塩化ビニルから形成される。他の実施形態では、パイプ170は、シリコーンゴム又はラテックスゴムから形成される。いくつかの実施形態では、パイプ170は、ステンレス鋼などの剛性又は半剛性材料から形成される。
パイプ170は、気体が患者の気管に出入りするための通路として動作する。パイプ170はまた、患者の肺を胃内容物から保護するように動作する。更に、いくつかの実施形態では、パイプ170は、患者の気管及び肺を吸引するための通路として動作する。第1の端部178は、患者の気管内に前進するように構成される。第2の端部180は、ベンチレータ又は呼吸回路に接続されるように構成される。
いくつかの実施形態では、カフ172は、第1の端部178付近のパイプ170の外面182上に配置される。カフ172は、パイプ170の外面182と患者の気管との間に封止部を形成するように構成される。このようにして、カフ172は、気体及び液体がパイプ170を通過することなく、患者の気管に入る又はそこから出ることを防止する。加えて、カフ172は、患者の気管内の気管内チューブ106の位置を固定する。いくつかの実施形態では、カフ172は膨張可能なチャンバである。例えば、いくつかの実施形態では、カフ172はバルーンである。カフ172の更に他の実施形態も可能である。
膨張ルーメン174は、膨張ポート176を含む。膨張ルーメン174は、カフ172に接続され、カフ172内への流体の進入用のチャネルとして動作する。膨張ポート176は、流体を受容するように構成される。いくつかの実施形態では、膨張ポート176は、膨張ルーメン174を通ってカフ172内へ流体を排出するように動作するシリンジを受容するように構成される。このようにして、カフ172は膨張され、患者の気管を封止し得る。
いくつかの実施形態では、気管内チューブ106は、関節運動スタイレット104がそこから見えるようにする透明又は半透明の材料から形成される。いくつかの実施形態では、気管内チューブ106は、1つ以上の深さ評価バンド184a〜c(総じて深さ評価バンド184)を含む。図6に示される実施形態では、例示的な気管内チューブ106は、第1の深さ評価バンド184a、第2の深さ評価バンド184b、及び第3の深さ評価バンド184cを含む。深さ評価バンド184は、外面182上にあるか又はそこを通して可視である表示器であり、関節運動スタイレット104を喉頭鏡102で見たときに可視であるように構成される。深さ評価バンド184は、喉頭鏡102を通しても可視である、声帯などの患者の解剖学的ランドマークに対する気管内チューブ106の配置に関する情報を伝達するように構成される。深さ評価バンド184はまた、第1の端部178の端部までの長手方向の距離に関する情報を伝達するように構成される。
隣接する深さ評価バンド184は、深さ評価バンド184のうちの1つの一部を喉頭鏡102から見る介護者が、特にどの深さ評価バンド184が視野内にあるかを識別できるように、互いに視覚的に区別される。深さ評価バンド184は連続領域であるため、介護者が気管内チューブ106を前進又は後退させて、深さ評価バンド184を喉頭鏡102の視野内に入れる必要はない。このような操作は、患者が外傷を受ける又は患者の気管から気管内チューブ106が不注意に取り外される危険性を生む。また、介護者は、深さ評価バンド184が視野を通過する際に、それらを記憶する必要もカウントする必要もない。このようにして、深さ評価バンド184は、患者への外傷を最小限に抑え、介護者が、深さ評価バンド184をカウントするのではなく、気管内チューブ106を前進させることに集中することを可能にする。更に、深さ評価バンド184をこのように使用することにより、気管挿管処置を完了するのに必要な時間を短縮することができる。
いくつかの実施形態では、深さ評価バンド184は、シャフト170の長さの一部分に沿って延在する色の連続領域である。例えば、第1の深さ評価バンド184aは第1の色であり、第2の深さ評価バンド184bは第2の色であり、第3の深さ評価バンド184cは第3の色である。他の実施形態では、深さ評価バンド184は、色ではなく、視覚的に区別可能なパターンの連続領域である。いくつかの実施形態では、深さ評価バンド184は、視覚的に区別可能なパターン及び色の両方を含む。加えて、いくつかの実施形態では、深さ評価バンド184の1つ以上は、カフ172の一部又は全部を含んでもよい。深さ評価バンド184の更に他の実施形態も可能である。
いくつかの実施形態では、深さ評価バンド184の長さは、気管内チューブ106が意図される挿管処置に必要な臨床精度と、介護者が第1の端部178を挿入することを所望する患者の気管内への距離と、に基づいて選択される。例えば、介護者は、第1の端部178を成人患者の気管に2〜4センチメートル挿入することを所望する場合がある。成人患者のいくつかの実施形態では、深さ評価バンド184のそれぞれの長さは、2センチメートルである。このようにして、介護者は、第2の深さ評価バンド184bの任意の部分が成人患者の気管の入口(すなわち、患者の声帯)と位置合わせされたときに、第1の端部178が患者の気管内に適切に挿入されることを知ることになる。
同様に、小児患者のいくつかの実施形態では、深さ評価バンド184の長さは、小児患者のより短い気管に適合される。例えば、介護者は、第1の端部178を小児患者の気管内に1〜2センチメートル挿入することを所望する場合がある。小児患者のいくつかの実施形態では、深さ評価バンド184のそれぞれの長さは、1センチメートルである。このようにして、介護者は、第2の深さ評価バンド184bの任意の部分が小児患者の気管の入口(すなわち、患者の声帯)と位置合わせされたときに、第1の端部178が患者の気管内に適切に挿入されることを知ることになる。
いくつかの実施形態では、深さ評価バンド184の色は、第1の端部178が適切に位置付けられているかどうかに関する情報を伝達する。いくつかの例示的実施形態では、第1の深さ評価バンド184aは黄色であり、第2の深さ評価バンド184bは緑色であり、第3の深さ評価バンド184cは赤色である。第1の深さ評価バンド184aの黄色は、第1の端部178を、まだ適切に位置付けられていないため注意して前進させるよう、介護者に伝達し得る。第2の深さ評価バンド184bの緑色は、第1の端部178が適切に位置付けられるように見えるため、介護者に成功を伝達し得る。第3の深さ評価バンド184cの赤色は、患者の気管内に位置付けられた第1の端部178が深すぎて、潜在的に外傷を引き起こし得るため、介護者に警告を伝達し得る。
図6に示される実施形態は、3つの深さ評価バンド184を含むが、より少ない又はより多い深さ評価バンド184を含む他の実施形態も可能である。いくつかの実施形態では、深さ評価バンド184は、長さが均一である。他の実施形態では、深さ評価バンド184の1つ以上は、他の深さ評価バンド184とは異なる長さを有する。例えば、高い精度を必要とする用途において、深さ評価バンド184の1つは、他の深さ評価バンド184よりも長さが短い。したがって、深さ評価バンド184の1つが患者の気管への入口(すなわち、声帯)と位置合わせされると、介護者は、より高い精度で第1の端部178の深さを決定することができる。
図7は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用して、患者内に気管内チューブを位置付ける例示的なプロセスのフローチャートである。いくつかの実施形態では、関節運動スタイレットは、ハンドルと、可撓性シャフトと、ハンドル上の制御機構によって方向付けられる丸みを帯びた先端部と、を含む。
最初に、工程700において、喉頭鏡は、患者の声門を見るために位置付けられる。いくつかの実施形態では、喉頭鏡は、患者の口を通して挿入される。他の実施形態では、喉頭鏡は、患者の鼻を通して挿入される。介護者、通常は医師又は医師を支援する人は、喉頭鏡の光学捕捉装置から患者の声門がはっきり見えるように、喉頭鏡のハンドルを把持し、ハンドルを操作してブレードを位置付ける。いくつかの実施形態では、介護者は、喉頭鏡の表示装置のスクリーンを確認することによって、喉頭鏡が適切に位置付けられていることを検証する。喉頭鏡の視野は、図8で最もよく見られる。
操作705では、気管内チューブを関節運動スタイレットに装着する。気管内チューブは、関節運動スタイレットの先端部上に気管内チューブの第2の端部を配置し、チューブを関節運動スタイレットのシャフトの上方に摺動させることによって装着される。この操作は医師、医師を支援する人、又は機器を予め準備する人が行うことができる。気管内チューブが装着された関節運動スタイレットの一例を図9に示す。あるいは、スタイレットを気管内に配置した後に気管内チューブを装着してもよい。
操作710では、関節運動スタイレットの先端部を患者の咽頭内に位置付け、先端部が喉頭鏡のスクリーン上で可視になるまで前進させる。いくつかの実施形態では、関節運動スタイレットの先端部は、患者の鼻を通して挿入される。他の実施形態では、患者の解剖学的構造に応じて、関節運動スタイレットの先端部は患者の口を通して挿入される。喉頭鏡の視野内で可視の関節運動スタイレットの例示的実施形態を図10に示す。
操作715では、関節運動スタイレットの先端部を、患者の気管への入口に向かって枢動させる。つまり、先端部は、関節運動スタイレットを前進させたときに、先端部が患者の声帯の間を患者の気管内まで通過するように枢動される。いくつかの実施形態では、介護者、通常は医師又は医師を支援する人は、先端部制御機構を使用して関節運動スタイレットの先端部を枢動させる。介護者は、喉頭鏡のスクリーンで関節運動スタイレットの先端部を見ながら先端部を枢動させる。いくつかの実施形態では、介護者は、先端部制御機構を使用して先端部を枢動させる前に、関節運動スタイレットのシャフト上の配向マークを観察して、患者の解剖学的構造に対するスタイレットの向きを決定する。このようにして、介護者は、実際に先端部を枢動させる前に先端部が枢動する方向を決定することができる。患者の気管の入口に向かって先端部が枢動された関節運動スタイレットの例示的実施形態を図11に示す。
操作720では、関節運動スタイレットを患者の気管内に前進させる。いくつかの実施形態では、介護者、通常は医師又は医師を支援する人は、関節運動スタイレットのハンドルを保持し、関節運動スタイレットのシャフトを患者の口又は鼻にゆっくりと押し入れることによって関節運動スタイレットを前進させる。患者が成人であるいくつかの実施形態では、介護者は、関節運動スタイレットを患者の気管を通して約3センチメートルだけ前進させる。他の実施形態では、介護者は、スタイレットを患者の気管を通してより小さい又はより大きい距離だけ前進させる。これを達成するために、介護者は、喉頭鏡を用いて関節運動スタイレットの先端部を見る。
いくつかの実施形態では、関節運動スタイレットは、1つ以上の深さ評価バンドを含む。介護者は、関節運動スタイレットのシャフトを喉頭鏡のスクリーン上で見て、どの深さ評価バンドが患者の声帯に隣接しているかを決定する。どの深さ評価バンドが声帯に隣接しているかに応じて、介護者は、関節運動スタイレットを前進させ続けることも、関節運動スタイレットの前進を止めることもできる。
例えば、関節運動スタイレットが3つの深さ評価バンドを含み、第2の深さ評価バンドが目標挿入深さを表す実施形態では、介護者は、第2の深さ評価バンドが患者の声帯に隣接するまで関節運動スタイレットを前進させ続ける。したがって、喉頭鏡のスクリーンに、第1の深さ評価バンドが声帯に隣接していることが示されている場合、介護者は、関節運動スタイレットを前進させ続けることができる。同様に、喉頭鏡のスクリーンに、第2の深さ評価バンドが患者の声帯に隣接していることが示されている場合、介護者は、関節運動スタイレットの先端部が適切に位置付けられていると判断することができ、それに応じて、関節運動スタイレットの前進を停止する。最後に、喉頭鏡のスクリーンに、第3の深さ評価バンドが患者の声帯に隣接していることが示されている場合、介護者は、関節運動スタイレットの先端部を奥まで前進させ過ぎていると判断することができ、それに応じて、関節運動スタイレットの前進を停止するか、場合によっては関節運動スタイレットを後退させる。第3の深さ評価バンドが患者の気管の入口に向かって前進している関節運動スタイレットの例示的実施形態を図12及び図13に示す。
操作725では、気管内チューブを関節運動スタイレットのシャフト上を前進させる。いくつかの実施形態では、介護者、通常は医師又は医師を支援する人は、気管内チューブを把持し、気管内チューブの第1の端部が患者の気管に入るまで関節運動スタイレットに沿って摺動させる。関節運動スタイレットのシャフト上を前進する気管内チューブの例示的実施形態を図14及び図15に示す。
操作730では、気管内チューブのカフを膨張させる。いくつかの実施形態では、介護者、通常は医師又は医師を支援する人が、気管内チューブの膨張ポート内に流体を挿入する。これにより、膨張カフが拡張し、患者の気管内の気管内チューブが固定される。加えて、膨張カフは、気体が気管内チューブの周りを流れないように、患者の気管を封止する。更に、膨張カフは、患者の胃内容物などの液体が患者の気管及び肺に入らないように、患者の気管を封止する。膨張したカフを有する気管内チューブの例示的実施形態を図16に示す。気管内チューブがカフを含まない実施形態では、この操作730は実行されない。
操作735では、関節運動スタイレット及び喉頭鏡を取り外す。関節運動スタイレットのシャフトは、気管内チューブから引き抜かれ、気管内チューブは定位置に残される。加えて、喉頭鏡も患者から取り外される。喉頭鏡は、ハンドルを掴み、ブレードを患者の咽頭から引き抜くことによって取り外される。
操作740では、気管内チューブをベンチレータ又は呼吸回路に接続して、患者に換気を提供する。いくつかの実施形態では、気管内チューブは、喉頭鏡が取り外される前にベンチレータ又は呼吸回路に接続される。
図8は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの断面図である。
患者Pの口M及び鼻Nが示されている。喉頭鏡102のブレード110は、患者Pの咽頭内に配置される。ブレード110は、ブレード110上の光学捕捉装置の視野50に患者Pの声帯V及び気管Tが含まれるように配向される。スクリーン126は、喉頭鏡102内の光学捕捉装置の視野50の内容を示している。
スクリーン126は、気管Tの画像を表示している。気管Tへの入口は、声帯VI及びV2(総じて声帯V)によって画定される。声帯Vは、披裂軟骨Aで交わる。食道Eは、気管Tの下にあり、気管Tに平行である。関節運動スタイレットは気管T内に方向付けられるため、喉頭鏡102のブレード110は、スクリーン126に気管Tの入口の明瞭な画像が示されるように配向されることが重要である。
図9は、関節運動スタイレット104に装着された気管内チューブ106の一例の図である。図6に記載されるように、気管内チューブ106は、第1の端部178及び第2の端部180を有するパイプを含む。関節運動スタイレット104のシャフト134は、気管内チューブ106を通過する。気管内チューブ106は、第1の端部178が関節運動スタイレット104の先端部分138により近く、第2の端部180が関節運動スタイレット104のハンドル130により近くなるように配向される。
図10は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの断面図である。関節運動スタイレット104のシャフト134は、患者Pの鼻Nを通って患者P内に前進している。先端部138は、喉頭鏡102の光学捕捉装置の視野内にある。第1の深さ評価バンド142a及び第2の深さ評価バンド142bは、スクリーン126上で可視である。スクリーン126は、先端部138が現在食道Eに向かって方向付けられていることを表示している。
図11は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した挿管処置中の患者Pの断面図である。関節運動スタイレット104の先端部138は、図10中のその位置と比較して上に枢動される。スクリーン126は、先端部138がこの時点で、気管Tの入口に向けられていることを示している。
図12は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの断面図である。関節運動スタイレット104の先端部138は、患者Pの気管T内に前進される。スクリーン126は、第1の深さ評価バンド142aが声帯Vに隣接していることを示している。したがって、介護者は、先端部138を気管T内へ更に前進させる必要があると判断することができる。
図13は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの断面図である。関節運動スタイレット104の先端部138は、図12と比較して、患者Pの気管T内に更に前進している。スクリーン126は、第2の深さ評価バンド142bがこの時点で、声帯Vに隣接していることを示している。したがって、介護者は、先端部分138が適切に位置付けられており、気管T内に更に前進させる必要がないと判断することができる。
図14は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの断面図である。関節運動スタイレット104の先端部138は、患者Pの気管T内に適切に位置付けられている。気管内チューブ106は、関節運動スタイレット104のシャフト134上を前進している。気管内チューブ106は、関節運動スタイレット104によって、患者Pの鼻Nを通って患者Pの咽頭内に誘導される。気管内チューブ106の第1の端部178及び第1の深さ評価バンド184aは、スクリーン126上で可視である。
図15は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの断面図である。関節運動スタイレット104の先端部138は、患者Pの気管T内に適切に位置付けられている。気管内チューブ106は、図14と比較して、関節運動スタイレット104のシャフト134に沿って更に前進している。気管内チューブ106は、関節運動スタイレット104によって患者Pの気管T内に誘導される。スクリーン126は、気管内チューブ106の第1の端部178がまだ声帯Vに到達していないことを表示している。第1の深さ評価バンド184a及び第2の深さ評価バンド184bの両方とも、スクリーン125上で可視である。しかしながら、第1の深さ評価バンド184aも第2の深さ評価バンド184bもまだ、声帯Vに隣接していない。したがって、介護者は、気管内チューブ106の第1の端部178を更に前進させて患者Pの気管Tに進入させる必要があると判断することができる。
図16は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの断面図である。気管内チューブ106は、図15と比較して、関節運動スタイレット104のシャフト134に沿って更に前進している。スクリーン126は、気管内チューブ106が気管Tに進入したことを表示している。加えて、スクリーン126は、第2の深さ評価バンド184bが声帯Vに隣接していることを表示している。したがって、介護者は、気管内チューブ106が、患者Pの気管T内に誘導され、その中に適切に位置付けられていると判断することができる。代わりに、第1の深さ評価バンド184aが声帯Vに隣接している場合、介護者は、気管内チューブ106を患者Pの気管T内に更に前進させる必要があると判断することができる。逆に、第3の深さ評価バンド184cが代わりに声帯Vに隣接している場合、介護者は、気管内チューブ106を患者Pの気管Tの奥まで前進させ過ぎていると判断することができる。気管内チューブ106が適切に位置付けられたら、カフ172を膨張させて気管Tを封止し、気管内チューブ106を定位置に固定する。
図17は、気管T内に配置された気管内チューブ106の一実施形態の概略図である。この図は、気管Tへの入口を形成する声帯Vと、気管Tの底部から分離した左気管支B1及び右気管支B2を示している。例示的な気管内チューブ106は、第1の端部178、第1の深さ評価バンド184a、第2の深さ評価バンド184b、及び第3の深さ評価バンド184cを含む。図中、第2の深さ評価バンド184bは、声帯Vに隣接し、第1の端部178は気管Tの中央に配置されている。ここで、介護者は、気管内チューブ106が気管T内に適切に位置付けられていると判断することができる。したがって、喉頭鏡を用いて声帯V及び第2の深さ評価バンド184bを見ることにより、介護者は、気管内チューブ106が適切に位置付けられているかどうかを判断することができる。
図18は、気管T内に配置された気管内チューブ106の一実施形態の別の概略図である。ここで、気管内チューブ106は、図17中のその位置に対して気管T内に更に前進している。図中、第3の深さ評価バンド184cは、声帯Vに隣接しており、第1の端部178は左気管支B1に進入し始めている。ここで、気管内チューブ106は、左気管支B1への外傷を引き起こす可能性がある。したがって、喉頭鏡を用いて声帯V及び第3の深さ評価バンド184cを見ることにより、介護者は、気管内チューブ106が気管Tのあまりにも深くに位置付けられていないかどうかを判断することができる。
図19は、関節運動スタイレット800の例示的な代替実施形態の斜視図である。関節運動スタイレット800は、気管内チューブを患者の気管内に誘導するように構成される。いくつかの実施形態では、関節運動スタイレット800は、既存の気管内チューブが新しい気管内チューブと交換される気管内チューブ交換処置時に使用されるように構成される。いくつかの実施形態では、関節運動スタイレット800は、シャフト804と先端部制御レバー802とを含む。しかしながら、他の実施形態では、関節運動スタイレット800は、先端部制御レバー802を含まない。
シャフト804は、外面806と先端部808とを含む。いくつかの実施形態では、シャフト804、外面806及び先端部808は、それぞれシャフト134、外面136及び先端部分138と同様であり、全て図3に関連してより詳細に示され、説明されている。いくつかの実施形態では、先端部808は、関節運動するように構成される。他の実施形態では、先端部808は関節運動しない。
先端部制御レバー802は、細長い部材であり、先端部808の方向移動を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、先端部制御レバー802は、介護者によって1つ以上の方向に作動されるように構成される。第1の方向に作動すると、先端部制御レバー802は、先端部808を対応する方向に関節運動させる。いくつかの実施形態では、先端部制御レバー802は、先端部制御レバー802が作動する方向と実質的に同様の方向に先端部808を移動させる。他の実施形態では、先端部制御レバー802は、先端部制御レバー802が作動する方向と実質的に反対の方向に先端部808を移動させる。いくつかの実施形態では、先端部制御レバー802は剛性であり、単一の終点の周りを実質的に回転するように作動する。他の実施形態では、先端部制御レバー802は可撓性であり、1つ以上の方向に曲げられるように構成される。
加えて、いくつかの実施形態では、先端部制御レバー802は、気管内チューブ106がそれを越えて前進し得るほど十分に狭い。既存の気管内チューブ106が患者Pの気管T内に既に位置付けられている場合、関節運動スタイレット800は、その気管内チューブ106を通って患者Pの気管T内に前進し得る。次いで、気管内チューブ106を関節運動スタイレット800から、先端部制御レバー802を越えて、関節運動スタイレット800沿いに前進させることにより、気管内チューブ106を取り外すことができる。更に、関節運動スタイレット800を患者Pの気管T内に位置付けた後、新しい気管内チューブ106を先端部制御レバー802の端部上に配置し、関節運動スタイレット800に沿って前進させることができる。このようにして、関節運動スタイレット800を使用して、既存の第1の気管内チューブを取り外し、新しい第2の気管内チューブを挿入する気管内チューブ交換処置を実行することができる。
図20は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの断面図である。喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムはまた、関節運動スタイレット800を含む。示されている例では、先端部制御レバー802は剛性であり、位置LP1まで回転される。それに対応して、先端部808は、位置TP1まで関節運動される。
図21は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの別の断面図である。喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムはまた、関節運動スタイレット800を含む。この例では、先端部制御レバー802は剛性であり、位置LP2まで回転される。それに対応して、先端部808は、位置TP2まで関節運動される。
図22は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの断面図である。喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムはまた、関節運動スタイレット800を含む。示されている例では、先端部制御レバー802は可撓性であり、位置LP3まで曲げられる。それに対応して、先端部808は、位置TP1まで関節運動される。
図23は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した、挿管処置中の患者Pの断面図である。喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムはまた、関節運動スタイレット800を含む。示されている例では、先端部制御レバー802は可撓性であり、位置LP4まで曲げられる。それに対応して、先端部808は、位置TP2まで関節運動される。
図24は、関節運動スタイレット800の一実施形態の断面図である。図24中、関節運動スタイレット800は直線位置にある。関節運動スタイレット800は、先端部制御レバー802、シャフト804、先端部808、第1ケーブル812及び第2ケーブル814を含む。
先端部制御レバー802は、複数の関節円板816を含む。示されている実施形態では、先端部制御レバー802は8つの関節円板816を含むが、他の実施形態では、先端部制御レバー802は、より多い又はより少ない関節円板816を含む。同様に、先端部808はまた、複数の関節円板818を含む。示されている実施形態では、先端部808は8つの関節円板816を含むが、他の実施形態では、先端部808は、より多い又はより少ない関節円板818を含む。
複数の関節円板816内の関節円板は、互いに対して回転又は関節運動し、先端部制御レバー802が曲がる又は屈曲することを可能にする。同様に、複数の関節円板818内の関節円板もまた、互いに対して回転又は関節運動し、先端部808が曲がる又は屈曲することを可能にする。複数の関節円板816及び818の関節円板の例示的実施形態は、図35〜図38に関連してより詳細に例示され、説明される。いくつかの実施形態では、複数の関節円板816及び818内の関節円板の少なくとも一部は、図35〜図36に示されるような角錐形状である。いくつかの実施形態では、複数の関節円板816及び818内の関節円板の少なくとも一部は、図37〜図38に示されるような円形である。他の実施形態では、複数の関節円板816及び818内の関節円板の少なくとも一部は、他の形状である。更に、いくつかの実施形態では、複数の関節円板816内の関節円板は、複数の関節円板818内の関節円板とは異なる形状を有する。更に他の実施形態も可能である。
第1のケーブル812及び第2のケーブル814は、ケーブル又はワイヤであり、先端部808の移動を制御するように構成される。第1のケーブル812は、先端部制御レバー802及び先端部分808に固定される。同様に、第2のケーブル814も、先端部制御レバー802及び先端部808に固定される。第1のケーブル812及び第2のケーブル814は、先端部制御レバー802及び先端部808に沿って長手方向に同じ距離で、ただし先端部制御レバー802及び先端部808の半径方向に反対側又はその付近で、先端部制御レバー802及び先端部808に接続している。第1のケーブル812及び第2のケーブル814の両方とも、シャフト804と、複数の関節円板816及び818内の関節円板の少なくとも一部と、を貫通している。いくつかの実施形態では、第1のケーブル812及び第2のケーブル814は、シャフト804内で交差する。他の実施形態では、第1のケーブル812及び第2のケーブル814は、シャフト804内で交差しない。シャフト804及びケーブルの構成の様々な実施形態を図25〜図34に示す。
図25は、図24に示された位置にある、シャフト804の一実施形態の断面図である。示されている実施形態では、シャフト804は、ルーメン830、第1のケーブル経路832及び第2のケーブル経路834を含む。
ルーメン830は、シャフト804の中央に形成された経路である。いくつかの実施形態では、ルーメン830は、先端部制御レバー802と先端部808との間の、酸素又は他の気体の通路として使用される。しかしながら、いくつかの実施形態は、ルーメン830を含まない。これらの実施形態では、シャフト804は固体である。
いくつかの実施形態では、第1のケーブル経路832及び第2のケーブル経路834は、第1のケーブル812及び第2のケーブル814がそれぞれ通るシャフト804内の穴である。ルーメン830を含むシャフト804のいくつかの実施形態では、第1のケーブル経路832及び第2のケーブル経路834は、シャフト804の壁部構造体に配置された穴である。第1のケーブル経路832及び第2のケーブル経路834の他の実施形態も可能である。
図25中、第1のケーブル経路832は、シャフト804内でD1の方向に配置され、第2のケーブル経路834は、シャフト804内でD3の方向に配置されている。
図26は、図24に示される位置におけるシャフト804の一実施形態の断面図である。図26中、第1のケーブル経路832は、シャフト804内で方向D1と方向D4との間に配置され、第2のケーブル経路834は、シャフト804内で方向D3と方向D2との間に配置されている。
図27は、図24に示された位置にある、シャフト804の一実施形態の断面図である。図27中、第1のケーブル経路832は、シャフト804内でD4の方向に配置され、第2のケーブル経路834は、シャフト804内でD2の方向に配置されている。
図28は、図24に示された位置にある、シャフト804の一実施形態の断面図である。図28中、第1のケーブル経路832は、シャフト804内で方向D4と方向D3との間に配置され、第2のケーブル経路834は、シャフト804内で方向D2と方向D1との間に配置されている。
図29は、図24に示された位置にある、シャフト804の一実施形態の断面図である。図29中、第1のケーブル経路832は、シャフト804内でD3の方向に配置され、第2のケーブル経路834は、シャフト804内でD1の方向に配置されている。図25〜図29の一連の断面図によって示されるように、第1のケーブル経路832及び第2のケーブル経路834はそれぞれ、シャフト804の壁部を通って回転することによってシャフト804の反対側に切り替わる。このようにして、第1のケーブル812は、先端部制御レバー802の第1の径方向側を先端部808の反対側の径方向側に接続する。同様に、第2のケーブル814は、先端部制御レバー802のD3側を先端部808のD1側に接続した。
図30は、図24に示される位置におけるシャフト804の別の実施形態の断面図である。示されている実施形態では、シャフト804は、ルーメン830、第1のケーブル経路832及び第2のケーブル経路834を含む。図25中、第1のケーブル経路832は、シャフト804内でD1の方向に配置され、第2のケーブル経路834は、シャフト804内でD3の方向に配置されている。
図31は、図24に示された位置にある、シャフト804の一実施形態の断面図である。図31中、第1のケーブル経路832は、ルーメン830内で方向D1に向かって配置され、第2のケーブル経路834は、ルーメン830内で方向D3に向かって配置されている。
図32は、図24に示された位置にある、シャフト804の一実施形態の断面図である。図32中、第1のケーブル経路832及び第2のケーブル経路834の両方とも、ルーメン830の中心に配置されている。
図33は、図24に示された位置にある、シャフト804の一実施形態の断面図である。図33中、第1のケーブル経路832は、ルーメン830内で方向D3に向かって配置され、第2のケーブル経路834は、ルーメン830内で方向D1に向かって配置されている。
図34は、図24に示された位置にある、シャフト804の一実施形態の断面図である。図34中、第1のケーブル経路832は、シャフト804内でD3の方向に配置され、第2のケーブル経路834は、シャフト804内でD1の方向に配置されている。図30〜図34の一連の断面図によって示されるように、第1のケーブル経路832及び第2のケーブル経路834はそれぞれ、ルーメン830を通って交差することによってシャフト804の反対側に切り替わる。このようにして、第1のケーブル812は、先端部制御レバー802の第1の径方向側を先端部808の反対側に接続する。同様に、第2のケーブル814は、先端部制御レバー802の第1の径方向側を先端部808の反対の径方向側に接続する。
図35は、角錘形関節円板860の一実施形態の斜視図である。いくつかの実施形態では、角錐形関節円板860は、第1の関節面862及び第2の関節面864を含む。第1の関節面862及び第2の関節面864の両方とも、隣接する関節円板の表面に対して、方向D1又はD3に向かって接触及び関節運動するように構成される。これは、図36に関連してより詳細に示され、説明される。矩形断面で示されているが、いくつかの実施形態では、角錐形関節円板860は、円形又は輪状の断面を有する。しかしながら、角錐形関節円板860の他の実施形態は、他の断面形状を有する。
いくつかの実施形態では、第1の関節面862は、隆起部870内で交わる第1の表面866及び第2の表面868から形成される。いくつかの実施形態では、第1の表面866及び第2の表面868は、平坦な表面である。いくつかの実施形態では、隆起部870は角度があり、135度〜179度の角度を有する。より大きい又はより小さい角度を有する他の実施形態も可能である。他の実施形態では、第1の表面866及び第2の表面868は、平坦又は丸みを帯びた隆起部で交わる。
同様に、第2の関節接合面864は、隆起部876内で交わる第1の表面872及び第2の表面874から形成される。いくつかの実施形態では、第1の表面872及び第2の表面874は、平坦な表面である。いくつかの実施形態では、隆起部876は角度があり、135度〜179度の角度を有する。より大きい又はより小さい角度を有する他の実施形態も可能である。他の実施形態では、第1の表面872及び第2の表面874は、平坦又は丸みを帯びた隆起部で交わる。
図36は、構造体878の一実施形態の側面図である。構造体878は、第1のケーブル812、第2のケーブル814、第1の角錐形関節接合ディスク880及び第2の角錐形関節接合ディスク882を含む。第1のケーブル812及び第2のケーブル814は、第1の角錐形関節円板880及び第2の角錐形関節円板882の両方の両端を通過する。使用する際、それぞれのケーブルを引っ張ることによって、第1のケーブル812又は第2のケーブル814に張力が加えられ得る。
図36に示される例では、第1のケーブル812は張力下にあり、第2のケーブル814は弛緩している。第1のケーブル812における張力は、第1のケーブル812に最も近い、第1の角錐形関節円板880及び第2の角錐形関節円板882の縁部を共に引っ張る。第2のケーブル814が弛緩しているため、第1のケーブル812に最も近い、第1の角錐形関節円板880及び第2の角錐形関節円板882の縁部が分離することを可能にする。このようにして、構造体878は、方向D1に曲がる又は移動する。逆に、第2のケーブル814に張力を生じさせ、第1のケーブル812を弛緩させることによって、構造体878は、代わりに方向D3に向かって曲がる又は移動する。
加えて、構造体878はまた、第1のケーブル812又は第2のケーブル814内に張力を生じさせるか又はこれらを弛緩させるために使用され得る。第2の角錐形関節円板882を定位置に保持しながら、第1の角錐形関節円板880を方向D1に向かって物理的に回転させることによって、第1のケーブル812は弛緩し、第2のケーブル814は張力下に置かれる。
関節運動スタイレット800のいくつかの実施形態では、構造体878のうちの1つ以上が、先端部制御レバー802又は先端部808に含まれる。
図37は、円形関節円板910の一実施形態の斜視図である。いくつかの実施形態では、円形関節円板910は、第1の関節面912及び第2の関節面914を含む。第1の関節面912及び第2の関節面914の両方とも、隣接する関節円板の表面に対して、方向D1又はD3に向かって接触及び関節運動するように構成される。これは、図38に関連してより詳細に示され、説明される。いくつかの実施形態では、第1の関節面912は円形である。同様に、いくつかの実施形態では、第2の関節面914も円形である。矩形断面で示されているが、いくつかの実施形態では、円形関節円板910は円形又は輪状の断面を有する。しかしながら、角錐形関節円板860の他の実施形態は、他の断面形状を有する。
図38は、先端部940の一実施形態の側面図である。構造体940は、第1のケーブル812、第2のケーブル814、第1の円形関節円板942及び第2の円形関節円板944を含む。第1のケーブル812及び第2のケーブル814は、第1の円形関節円板942及び第2の角錐形関節円板944の両端を通過する。使用する際、それぞれのケーブルを引っ張ることによって、第1のケーブル812又は第2のケーブル814に張力が加えられ得る。
図38に示される例では、第1のケーブル812は張力下にあり、第2のケーブル814は弛緩している。第1のケーブル812における張力は、第1のケーブル812に最も近い、第1の円形関節円板942及び第2の円形関節円板944の縁部を共に引っ張る。第2のケーブル814が弛緩しているため、第2のケーブル814に最も近い、第1の円形関節円板942及び第2の円形関節円板944の縁部が分離することを可能にする。このようにして、構造体940は、方向D1に曲がる又は移動する。逆に、第2のケーブル814に張力を生じさせ、第1のケーブル812を弛緩させることによって、構造体940は、代わりに方向D3に曲がる又は移動する。
加えて、構造体940はまた、第1のケーブル812又は第2のケーブル814内に張力を生じさせるか又はこれらを弛緩させるために使用され得る。第2の円形関節円板944を定位置に保持しながら、第1の円形関節円板942を方向D1に向かって物理的に回転させることによって、第1のケーブル812は弛緩し、第2のケーブル814は張力下に置かれる。
関節運動スタイレット800のいくつかの実施形態では、構造体940のうちの1つ以上が、先端部制御レバー802又は先端部808に含まれる。
図39は、関節運動スタイレット800の一実施形態の側面図である。この例では、先端部制御レバー802を位置LP3まで曲げ、第1のケーブル812を弛緩させ、第2のケーブル814を張力下にする。第1のケーブル812及び第2のケーブル814は、シャフト804の中央で交差する。したがって、第2のケーブル814の張力により、先端部808が位置TP1まで曲がる。この例では、レバー位置LP3及び先端部位置TP1は、両方とも実質的に同じ方向に曲げられる。
図40は、関節運動スタイレット800の一実施形態の側面図である。図40に示される実施形態は、第1のケーブル812及び第2のケーブル814がシャフト804内で交差しないことを除いて、図39に示される実施形態と同様である。この例では、先端部制御レバー802を位置LP4まで曲げ、第1のケーブル812を張力下にして、第2のケーブル814を弛緩させる。第1のケーブル812の張力により、先端部808が位置TP1まで曲がる。この例では、レバー位置LP4及び先端部位置TP1は、異なる方向に曲げられる。
図41は、既存の第1の気管内チューブを取り外し、それを、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用して新しい第2の気管内チューブと交換するための、例示的な気管内チューブ交換プロセス1000のフローチャートである。いくつかの実施形態では、関節運動スタイレットは、先端部制御レバー、シャフト、及びレバーによって方向付けられる先端部を含む。
最初に操作1005において、喉頭鏡は、患者の声門を見るために位置付けられる。この工程は、図7に関連してより詳細に例示され、説明されたプロセスの工程700と同様である。喉頭鏡が適切に位置付けられると、喉頭鏡の視野内で、声門及び既存の第1の気管内チューブの両方が可視になる。喉頭鏡の位置及び喉頭鏡の視野は、図42に最もよく示されている。
次に、操作1010において、関節運動スタイレットの先端部分を既存の第1の気管内チューブ内に位置付け、既存の第1の気管内チューブの先端部に到達するか又はそれを越えて進むまで前進させる。これにより、関節運動スタイレットの先端部が気管内にあることが確実になる。関節運動スタイレットのシャフトは、マーカーから関節運動スタイレットの先端部分までの距離を示すマーカーを含む。関節運動スタイレットのシャフト上のこれらのマーカーを監視することによって、介護者は、関節運動スタイレットが気管内チューブを通って完全に挿入されたときを判断することができる。いくつかの実施形態では、気管内チューブは透明又は半透明であり、介護者は関節運動スタイレットの先端部上又はその付近のマーカー(例えば、深さ評価バンド)を監視して、関節運動スタイレットの先端部の位置を判断する。他の実施形態では、介護者は、数字から関節運動スタイレットの先端部までの距離に対応する、関節運動スタイレットのシャフト上の一連の数字を監視して、関節運動スタイレットの先端部の位置を判断する。関節運動スタイレットのシャフト上のこれらの数字は、気管内チューブの近位端と比較することができる。気管内チューブの長さが既知であるため、その長さに対して関節運動スタイレットの先端部分の位置を判断することができる。操作1010後の関節運動スタイレットの最終位置は、図43に最もよく示されている。
操作1015では、既存の第1の気管内チューブを取り外す。いくつかの実施形態では、既存の第1の気管内チューブのカフを収縮させる。しかしながら、いくつかの実施形態では、気管内チューブはカフを含まない。次いで、既存の第1の気管内チューブを関節運動スタイレット上でレバーに向かって前進させる。このようにして、既存の第1の気管内チューブを患者から取り外す。介護者は、関節運動スタイレットのレバーを越えて関節運動スタイレットから完全に引き抜かれるまで、既存の第1の気管内チューブを前進させ続ける。この操作全体を通して、介護者は、関節運動スタイレットが患者の気管内又は外に移動しないことを確実にするために、喉頭鏡を使用して関節運動スタイレットの先端部上の深さ評価バンドを監視する。操作1010に関して説明したように、関節運動スタイレットの先端部の位置は、透明若しくは半透明の気管内チューブを通して関節運動スタイレットの先端部分上の深さ評価バンドを監視することによって、又は関節運動スタイレットのシャフト上の深さマーカーを監視することによって判断することができる。この操作は、図44及び図45に最もよく示されている。
操作1020では、新しい第2の気管内チューブを関節運動スタイレットのレバー上に装着し、関節運動スタイレットのシャフト上を前進させる。いくつかの実施形態では、介護者、通常は医師又は医師を支援する人は、気管内チューブを把持し、気管内チューブの第1の端部が患者の気管に入るまで関節運動スタイレットに沿って摺動させる。この操作全体を通して、介護者はまた、関節運動スタイレットの先端部が患者の気管内又は外に移動しないことを確実にするために、喉頭鏡を使用して関節運動スタイレットの先端部上の深さ評価バンドを監視する。操作1010に関して説明したように、関節運動スタイレットの先端部の位置は、透明若しくは半透明の気管内チューブを通して関節運動スタイレットの先端部分上の深さ評価バンドを監視することによって、又は関節運動スタイレットのシャフト上の深さマーカー又は数字を監視することによって判断することができる。この動作は、図46に最もよく示される。
操作1025では、気管内チューブのカフを膨張させる。この操作は、図7に関連してより詳細に例示され、説明されたプロセスの操作730と同様である。しかしながら、気管内チューブがカフを含まない実施形態では、この操作1025は実行されない。膨張したカフを有する気管内チューブを図47に示す。
操作1030では、関節運動スタイレット及び喉頭鏡が取り外される。関節運動スタイレットのシャフトは、気管内チューブから引き抜かれ、気管内チューブは定位置に残される。この操作は、図7に関連してより詳細に例示され、説明されたプロセスの操作735と同様である。
操作1035では、気管内チューブをベンチレータ又は呼吸回路に接続して、患者に換気を提供する。この操作は、図7に関連してより詳細に例示され、説明されたプロセスの操作740と同様である。
関節運動スタイレットが、気管内チューブ交換プロセス1000中の任意の時点で患者の気管から取り外されると、介護者はこのことを喉頭鏡で知り得る。次いで、介護者は、図7に関連してより詳細に例示され、説明されたプロセスの操作715及び720に説明されるように、関節先端部を使用して関節運動スタイレットを気管内に戻すことができる。
図42は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した気管内チューブ交換処置中の患者Pの断面図である。この例では、既存の第1の気管内チューブ106は、現在、患者Tの気管内に位置付けられ、カフ172は膨張される。しかしながら、いくつかの実施形態では、気管内チューブ106は、膨張可能なカフ172を含まない。喉頭鏡102のブレード110は、患者Pの咽頭内に配置される。ブレード110は、既存の第1の気管内チューブ106と同じく、ブレード110上の光学捕捉装置の視野に患者Pの声帯V及び気管Tが含まれるように配向される。スクリーン126は、気管内チューブ106が気管T内に位置付けられていることを表示している。
図43は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用した気管内チューブ交換処置中の患者Pの断面図である。この例では、関節運動スタイレット800は、既存の第1の気管内チューブ106内に挿入される。
図44は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用する気管内チューブ交換処置中の患者Pの断面図である。この例では、既存の第1の気管内チューブ106は、患者Pの気管Tから関節運動スタイレット800に沿って方向D1に、関節運動スタイレット800の先端部制御レバー802に向かって前進している。
図45は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用する気管内チューブ交換処置中の患者Pの断面図である。この例では、既存の第1の気管内チューブ106は完全に取り外されており、もはや示されていない。関節運動スタイレット800は、患者Pの気管T内の適切な位置に留まる。関節運動スタイレット800の先端部808の位置は、深さ評価バンド142を使用してスクリーン126上で監視することができる。
図46は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用する気管内チューブ交換処置中の患者Pの断面図である。この例では、新しい第2の気管内チューブ1106を、関節運動スタイレット800に沿って方向D2に、患者Pの気管T内へと前進させる。
図47は、喉頭鏡を含む例示的な気管挿管システムを使用する気管内チューブ交換処置中の患者Pの断面図である。この例では、新しい第2の気管内チューブ1106を関節運動スタイレット800に沿って完全に前進させており、患者Pの気管T内に適切に位置付けている。いくつかの実施形態では、カフ172が拡張されて、新しい第2の気管内チューブ1106を定位置に固定する。しかしながら、いくつかの実施形態では、気管内チューブ1106は膨張可能なカフ172を含まない。
図48は、関節運動スタイレット800の取り外し可能ハンドル1200の一実施形態の斜視図である。取り外し可能ハンドル1200は、第1の部分1202及び第2の部分1204を含む。しかしながら、関節運動スタイレット800のいくつかの実施形態は、取り外し可能又はそれ以外のハンドルを含まない。
第1の部分1202及び第2の部分1204は、物理的構造体であり、把持されるように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の部分1202及び第2の部分1204は、剛性又は半剛性材料から形成される。いくつかの実施形態では、第1の部分1202及び第2の部分1204は、プラスチック又はゴムから形成される。第1の部分1202及び第2の部分1204の更に他の実施形態も可能である。いくつかの実施形態では、第1の部分1202及び第2の部分1204のいずれか又は両方は、介護者に人間工学的かつ快適な把持部を提供するための指形状の溝を含む。
いくつかの実施形態では、第1の部分1202及び第2の部分1204は、継手1206によって接合される。継手1206は、第1の部分1202を第2の部分1204に連結し、開放位置と閉鎖位置との間の移動を可能にする器具である。いくつかの実施形態では、継手1206は回転ヒンジであり、第1の部分1202が開放位置と閉鎖位置との間で第2の部分1204に対して回転することを可能にするように構成されている。他の実施形態では、継手1206は、異なる回転装置である。更に他の実施形態では、継手1206は可撓性であり、開放位置と閉鎖位置との間の移動を可能にするように曲がる。継手1206の更に他の実施形態も可能である。加えて、取り外し可能ハンドルのいくつかの実施形態は、取り外し可能ハンドル1200を閉鎖位置に取り外し可能に固定するラッチ、フック又は留め金などのラッチ機構を含む。
第1の部分1202は、第1の溝1208を含む。同様に、第2の部分1204は、対応する第2の溝1210を含む。第1の溝1208及び第2の溝1210は、関節運動スタイレット800のシャフト804に対して適合するように構成されている。閉鎖位置において、第1の溝1208及び第2の溝1210は、関節運動スタイレット800のシャフト804の周りに巻き付くように構成されている。このようにして、取り外し可能ハンドルは、関節運動スタイレット800のシャフトに固定され、かつそこから取り外され得る。いくつかの実施形態では、第1の溝1208及び第2の溝1210の一方又は両方の表面は、関節運動スタイレット800のシャフト804上の把持部を改善するために非平滑化される。他の実施形態では、第1の溝1208及び第2の溝1210の一方又は両方は、関節運動スタイレット800のシャフト804上の把持部を改善するため、高摩擦材料などの材料で裏打ちされる。
図49は、関節運動スタイレットシステム1250の斜視図である。関節運動スタイレットシステム1250は、関節運動スタイレット800及び取り外し可能ハンドル1200を含む。いくつかの実施形態では、取り外し可能ハンドル1200は、関節運動スタイレット800に取り外し可能に連結される。示されている例では、取り外し可能ハンドル1200は、先端部制御レバー802の下の関節運動スタイレット800のシャフト804に取り外し可能に連結される。介護者は、介護者が関節運動スタイレット800の先端部808を制御する必要があるときに、取り外し可能ハンドル1200をシャフト804に連結することができる。次いで、介護者は、必要に応じて取り外し可能ハンドル1200を取り外して、関節運動スタイレット800の先端部制御レバー802上の気管内チューブ106を取り外す又は挿入することができる。
図50は、関節運動スタイレット800の一実施形態の側面図である。この例では、先端部制御レバー802は剛性であり、位置LP1まで回転されることで、第1のケーブル812が弛緩し、第2のケーブル814が張力下になる。先端部制御レバー802は剛性であるが、複数の関節円板816を用いてシャフト804に接合される。第1のケーブル812及び第2のケーブル814は、シャフト804の中央で交差する。したがって、第2のケーブル814の張力により、先端部808が位置TP1まで曲がる。この例では、レバー位置LP1及び先端部位置TP1は、両方とも実質的に同じ方向に曲げられる。
ここで図51を参照すると、関節運動スタイレット1300の一実施形態の概略図が示されている。関節運動スタイレット1300は、先端部1312の制御を可能にする。関節運動スタイレット1300は、関節運動スタイレット104の一例である。関節運動スタイレット1300は、拡張コネクタ1308によって接合される近位シャフト部分1304と遠位シャフト部分1306とを含む、シャフト1302を含む。シャフト1302内には制御ワイヤ1310が埋め込まれている。この例では、制御ワイヤ1310は、一方の端部で先端部1312に接続され、他方の端部で近位シャフト部分1304に接続されている。
拡張コネクタ1308は、近位シャフト部分1304を遠位シャフト部分1306に接続し、遠位シャフト部分1306と近位シャフト部分1304との間の距離の調節を可能にする。いくつかの実施形態では、拡張コネクタ1308は、摺動アセンブリを含む。摺動アセンブリは、近位シャフト部分1304及び遠位シャフト部分1306内のルーメン内に配置され、近位シャフト部分1304及び遠位シャフト部分1306の一方又は両方が摺動する、1つ以上のピンを含んでもよい。拡張コネクタ1308の他の実施形態も可能である。
遠位シャフト部分1306が近位シャフト部分1304から分離されると、制御ワイヤ1310が引っ張られる。制御ワイヤ1310を引っ張ることにより、制御ワイヤは張力下に置かれ、それにより先端部1312が移動する。
図52は、関節運動スタイレット1300の一実施形態の概略図を示す。関節運動スタイレット1300は、先端部1312の制御を可能にする。関節運動スタイレット1300は、関節運動スタイレット104の一例である。関節運動スタイレット1300は、拡張コネクタ1308によって接合される近位シャフト部分1304と遠位シャフト部分1306とを含む、シャフト1302を含む。近位シャフト部分1304は、遠位端に刻み目1305を含む。シャフト1302内には制御ワイヤ1310が埋め込まれている。この例では、制御ワイヤ1310は、遠位シャフト部分1306の一方の端部で先端部1312に接続され、近位シャフト部分1304まで延在する。
拡張コネクタ1308は、近位シャフト部分1304を遠位シャフト部分1306に接続し、遠位シャフト部分1306と近位シャフト部分1304との間の距離の調節を可能にする。いくつかの実施形態では、拡張コネクタ1308は、摺動アセンブリを含む。摺動アセンブリは、近位シャフト部分1304及び遠位シャフト部分1306内のルーメン内に配置され、近位シャフト部分1304及び遠位シャフト部分1306の一方又は両方が摺動する、1つ以上のピンを含んでもよい。拡張コネクタ1308の他の実施形態も可能である。
遠位シャフト部分が近位シャフト部分1304から分離されると、制御ワイヤ1310が引っ張られる。制御ワイヤ1310を引っ張ることにより、制御ワイヤは張力下に置かれ、それにより先端部1312が移動する。
ここで図53を参照すると、関節運動スタイレット1300の遠位シャフト部分1304の一実施形態の概略図が示されている。この例では、遠位シャフト部分1304は、近位シャフト本体部分1320と遠位シャフト部分1322とを含む。いくつかの実施形態では、近位シャフト本体部分1320は、遠位シャフト部分1322よりも剛性が高い。換言すれば、遠位シャフト先端部分1322は、近位シャフト部分1320よりも可撓性が高い。例えば、近位シャフト本体部分1320は、より高い剛性を有するプラスチックなどのより剛性の高い材料から形成されてもよく、遠位シャフト先端部分1322は、より低い剛性を有するプラスチックなどのより可撓性の高い材料から形成される。このようにして、ワイヤ1310が近位シャフト本体部分1320によって引っ張られて張力下になると、張力によってより可撓性の高い遠位シャフト部分1322が変形し、先端部1312が移動する。図53の例に示されるように、ワイヤ1310は、先端部1312の角部に接続される。ワイヤ1310が引っ張られると、先端部は、ワイヤ1310が接合されている角部に向かって引っ張られる。いくつかの実施形態では、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト本体部分1322は、一体に形成される。あるいは、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト本体部分1322は、別々に形成され、一緒に接合される(例えば、突合せ溶接などの溶接、接着剤、又は連結装置などによる)。近位シャフト本体部分1320及び近位シャフト先端部分の断面が、それぞれ図55及び図56に更に例示されている。
遠位シャフト部分1304は、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト部分1322を含む。一方、近位シャフト本体部分1320は、遠位シャフト部分1322よりも剛性が高い。換言すれば、遠位シャフト先端部分1322は、近位シャフト部分1320よりも可撓性が高い。例えば、近位シャフト本体部分1320は、より高い剛性を有するプラスチックなどのより剛性の高い材料から形成されてもよく、遠位シャフト先端部分1322は、より低い剛性を有するプラスチックなどのより可撓性の高い材料から形成される。
ここで図54を参照すると、ワイヤ1310が張力下にあるときの近位シャフト部分1304の一実施形態が例示されている。前述したように、遠位シャフト本体部分1322は、ワイヤ1310が張力下にあるときに変形し、それにより先端部分1312が上方に移動する。
図55は、近位シャフト本体部分1320の一実施形態の断面概略図を示している。近位シャフト本体部分1320は、ルーメン1340を含む。ルーメン1340は、押出成形されたプラスチック構造体内の概ね丸い凹部として形成されてもよい。ルーメン1340は、ワイヤ1310の移動を拘束するように構成される。他の実施形態では、2つ以上のルーメン1340がシャフト本体部分1320内に存在してもよい。
ここで図56を参照すると、近位シャフト先端部分1322の一実施形態の概略図が断面図に示されている。遠位シャフト本体部分1322は、ルーメン1342を含む。ルーメン1342は、ワイヤ1310を径d2において遠位シャフト本体部分1322の中心に概ね拘束しながら、ワイヤ1310が径d1において遠位シャフト本体部分1322を横断することを可能にする、楕円形状を有する。このようにして、ワイヤ1310は、張力下にあるとき、遠位シャフト本体部分1322を径d1内で変形させる。
ここで図57を参照すると、遠位シャフト部分1360の一実施形態が示されている。遠位シャフト部分1360は、関節運動スタイレット1300内の前述した近位シャフト部分1304の代替として使用されてもよい。遠位シャフト部分1360は、付勢された遠位シャフト先端部分1362を含むことを除いて、前述の近位シャフト部分1304と同様である。付勢された遠位シャフト先端部分1362は、一方向(例えば、図56に示されるような径d1の方向)に付勢される。いくつかの実施形態では、付勢された遠位シャフト先端部分1362は、一方向に付勢を有するように熱成形プロセスを使用して形成される。このようにして、関節運動スタイレット1300の先端部1312は、ワイヤ1310が弛緩したときに第1の方向に付勢される。ワイヤ1310が引っ張られ、張力下に置かれると、先端部分1312は、付勢とは反対の方向に移動する。この移動は、以下の図に更に例示される。
ここで図58を参照すると、ワイヤ1310が張力下にあるときの、遠位シャフト部分1360の一実施形態が例示されている。ワイヤ1310は、先端部1312から引き離されることによって張力下に置かれる(例えば、遠位シャフト部分1306が近位シャフト部分1304から引き離されることにより、拡張コネクタ1308が拡張されるとき)。ワイヤが張力下にあるとき、関節先端部は、付勢された遠位シャフト先端部分1362の付勢と反対の方向に移動する。
ここで図59を参照すると、張力がワイヤ1310に適用されるにつれて作動する、遠位シャフト部分1360の一実施形態を例示する概略図が示されている。図に示されるように、付勢された遠位シャフト先端部分1362は、ワイヤ1310が引っ張られることによって張力下に置かれると、付勢された下向き位置から上向き位置に移動する。
ここで図60を参照すると、関節運動スタイレット1380の一実施形態の概略図が示されている。関節運動スタイレット1380は、関節運動スタイレット1300の一例である。この例では、近位シャフト部分1306はハンドル1382を含む。ハンドル1382は、接着剤又は物理的コネクタであり得るコネクタアセンブリ1384によって近位シャフト部分1306に接合される。いくつかの実施形態では、ハンドル1382は、関節運動スタイレット1380上を気管内チューブ又は別のタイプの装置が通過できるように圧縮することが可能な可撓性材料から形成された折り畳み式親指ループである。
ここで図61を参照すると、関節運動スタイレット1410の一実施形態の概略図が示されている。関節運動スタイレット1410は、近位シャフト部分1412を含む。近位シャフト部分1412は、第1の領域1414、第2の領域1416及び第3の領域1418を含む。第2の領域1416は、分割ループアセンブリ1420を画定する。図に示されるように、分割ループアセンブリは、遠位シャフト部分が第2の領域1416内に2つの別個の部分を含むように、第2の領域1416内の近位シャフト部分1412内の分割によって形成される。第2の領域1416内の2つの部分の間に、医療専門家が親指又は指を通して近位シャフト部分1412を遠位シャフト部分1304から離れる方向に引っ張ることができる、把持開口部が形成される。
ここで図62を参照すると、遠位シャフト部分1440の一実施形態の概略図が提供されている。遠位シャフト部分1440は、遠位シャフト部分1306の一例である。遠位シャフト部分1440は、ワイヤ1310の端部から形成されるワイヤループ1442を含む。この例に示されるように、ワイヤ1310は、開口部1446を通って遠位シャフト部分1440から出現し、ワイヤ1310の遠位端1444が開口部1448で遠位シャフト部分1440に再び入る前にループを形成する。ワイヤ1310の遠位端部分1444は、遠位シャフト部分1440に堅く接続されてもよい。ワイヤループ1442は可撓性ループであり、医療専門家は、ここに親指又はファインダ(finder)を挿入して遠位シャフト部分1440を引っ張り、近位シャフト部分1304(この図には示されていない)から引き離すことができる。
ここで図63を参照すると、関節運動スタイレット1460の概略図が示されている。関節運動スタイレット1460は、先端部の2方向への関節運動を可能にし、先端部1482におけるワイヤ1310の2つの接続点を含む。ワイヤ1310は、先端部1482の一方の側の接続点1468で、及び先端部1482の他方の側の接続点1470で接続する。ワイヤ1310は、関節運動スタイレット1460(例えば、第1の概ね丸いルーメン内)を通って関節運動スタイレット1460(例えば、第2の概ね丸いルーメン内)の遠位端まで延び、そこで滑車1462に通され、次いで接続点1470で近位端に戻る。関節運動スタイレット1460はまた、施術者がワイヤ1310の一方又は他方の端部を引っ張り、先端部1482の動きを制御することを可能にする、プルアセンブリ1464を含む。プルアセンブリは、ワイヤ1310を引っ張るように構成されたタブ1466A及び1466Bを含む。ワイヤがタブ1466A又はタブ1466Bを使用して(例えば、指を使って)引っ張られると、先端部分1482は、引っ張れるタブの方向に偏向される。
あるいは、関節運動スタイレット1460は、先端部の2方向への関節運動を可能にし、先端部1482におけるワイヤ1310の2つの接続点を含む。ワイヤ1310は、先端部1482の一方の側の接続点1468で、及び先端部1482の他方の側の接続点1470で接続する。ワイヤ1310は、関節運動スタイレット1460(例えば、第1の概ね丸いルーメン内)を通って関節運動スタイレット1460(例えば、第2の概ね丸いルーメン内)の遠位端まで延び、次いで、滑車を使用することなく、接続点1470で近位端に戻る。
更に別の実施形態では、プルアセンブリは、ワイヤ1310を引っ張るように構成されたタブ1466A及び1466Bを含み、タブは、気管内チューブがタブ1466A、1466Bを通過する際に遠位先端部148に向かって折り畳まれ得る。ワイヤがタブ1466A又はタブ1466Bを使用して(例えば、指を使って)引っ張られると、先端部分1482は、引っ張れるタブの方向に偏向される。
ここで図64を参照すると、関節運動スタイレット1300の近位シャフト部分1304の一実施形態の概略図が示されている。この例では、近位シャフト部分1304は、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト先端部分1322を含む。遠位シャフト先端部分1322は、近位シャフト部分1320よりも可撓性が高い。補強ワイヤ1311は、近位シャフト本体部分1320を通って延在するが、遠位シャフト先端部1322を通って延在しない。補強ワイヤ1311は、炭素繊維ワイヤであってもよく、又はワイヤ1310よりも堅固な他の材料から作製されてもよい。補強ワイヤ1311により、近位シャフト本体部分1320は遠位シャフト先端部分1322よりも剛性が高くなる。換言すれば、遠位シャフト先端部分1322は、補強ワイヤ1311が遠位シャフト先端部分1322内に延在しないため、近位シャフト部分1320よりも可撓性が高い。このようにして、ワイヤ1310が遠位シャフト部分1306によって引っ張られて張力下にあるとき、張力によってより可撓性の高い遠位シャフト先端部分1322が変形し、先端部1312が移動する。図64の例に示されるように、ワイヤ1310は、先端部1312の端部に接続される。ワイヤ1310が引っ張られると、先端部は、近位シャフト本体部分1320に向かってL字形状に引っ張られる。いくつかの実施形態では、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト先端部分1322は、一体に形成される。あるいは、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト先端部分1322は、別々に形成され、一緒に接合される(例えば、突合せ溶接などの溶接、接着剤、又は連結装置などによる)。近位シャフト本体部分1320及び近位シャフト先端部分の断面が、それぞれ図66及び図67に更に例示されている。
図65は、ワイヤ1310が張力下にあるときの近位シャフト部分1304の一実施形態を例示している。前述したように、遠位シャフト先端部分1322は、ワイヤ1310が張力下にあるときに変形し、それにより先端1312が上方に移動する。
図66は、近位シャフト本体部分1320の一実施形態の断面図を示している。近位シャフト本体部分1320は、ルーメン1340を含む。ルーメン1340は、押出成形されたプラスチック構造体内の概ね丸い凹部として形成されてもよい。ルーメン1340は、ワイヤ1310の移動を拘束するように構成される。近位シャフト本体部分1320はまた、補強ワイヤ1311を含む。
図67は、近位シャフト先端部分1322の一実施形態の概略図を断面図で例示している。遠位シャフト先端部分1322は、ルーメン1340を含む。ワイヤ1310は、ルーメン1340を通って延在する。
図68は、関節運動スタイレット1300の近位シャフト部分1304の一実施形態の概略図を例示している。この例では、近位シャフト部分1304は、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト先端部分1322を含む。いくつかの実施形態では、近位シャフト本体部分1320は、遠位シャフト先端部分1322よりも剛性が高い。換言すれば、遠位シャフト先端部分1322は、近位シャフト部分1320よりも可撓性が高い。例えば、近位シャフト本体部分1320は、関節運動スタイレット1300が作製される材料よりも剛性の高い材料から作製されたラッピング1311で巻かれる。収縮包装のフィルムなどの材料が、ラッピング1311として使用されてもよい。このようにして、張力下のワイヤ1310が遠位シャフト部分1306によって引っ張られると、張力によって、より可撓性の遠位シャフト先端部分1322が変形し、それにより先端部1312が移動する。図68の例に示されるように、ワイヤ1310は、先端1312の端部に接続される。ワイヤ1310が引っ張られると、先端は、シャフト本体部分1320に向かってL字形状に引っ張られる。いくつかの実施形態では、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト先端部分1322は、一体に形成される。あるいは、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト先端部分1322は、別々に形成され、一緒に接合される(例えば、突合せ溶接などの溶接、接着剤、又は連結装置などによる)。近位シャフト本体部分1320及び近位シャフト先端部分の断面が、それぞれ図70及び図71に更に例示されている。
ここで図69を参照すると、ワイヤ1310が張力下にあるときの近位シャフト部分1304の一実施形態が例示されている。前述したように、遠位シャフト先端部分1322は、ワイヤ1310が張力下にあるときに変形し、それにより先端1312が上方に移動する。
図70は、近位シャフト本体部分1320の一実施形態の断面概略図を示している。近位シャフト本体部分1320は、近位シャフト本体部分1320を包囲するラッピング1311を含む。近位シャフト本体部分1320はまた、ルーメン1340を含む。ルーメン1340は、押出成形されたプラスチック構造体内の概ね丸い凹部として形成されてもよい。ルーメン1340は、ワイヤ1310の移動を拘束するように構成される。
ここで図71を参照すると、近位シャフト先端部分1322の一実施形態の概略図が断面図に例示されている。近位シャフト先端部分1322はルーメン1340を含み、ワイヤ1310はそこを通って延在する。
ここで図72を参照すると、関節運動スタイレット1300の近位シャフト部分1304の一実施形態の概略図が示されている。この例では、近位シャフト部分1304は、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト先端部分1322を含む。いくつかの実施形態では、近位シャフト本体部分1320は、遠位シャフト先端部分1322よりも剛性が高い。換言すれば、遠位シャフト先端部分1322は、近位シャフト部分1320よりも可撓性が高い。例えば、近位シャフト本体部分1320は、外部源への暴露時に遠位シャフト先端部分1322よりも堅固になるプラスチック又はエポキシなどの材料から形成されてもよい。例示的な材料は、フォトポリマー又は光重合レジンであってもよい。近位シャフト本体部分1320をより堅固にする外部源は、水、紫外線、又は同様の添加物であってもよい。遠位シャフト先端部分1322は、より可撓性の高い材料から形成される。このようにして、ワイヤ1310が引っ張られて張力下にあるとき、張力によってより可撓性の高い遠位シャフト部分1322が変形し、それにより先端1312が移動する。図72の例に示されるように、ワイヤ1310は、先端1312の端部に接続される。ワイヤ1310は、近位シャフト部分1304から先端部1312の端部(and end)まで概ね真っ直ぐな方向に延在する。ワイヤ1310が引っ張られると、先端は、シャフト本体部分1320に向かってL字形状に引っ張られる。いくつかの実施形態では、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト先端部分1322は、一体に形成される。あるいは、近位シャフト本体部分1320及び遠位シャフト先端部分1322は、別々に形成され、一緒に接合される(例えば、突合せ溶接などの溶接、接着剤、又は連結装置などによる)。近位シャフト本体部分1320及び近位シャフト先端部分の断面が、それぞれ図74及び図75に更に例示されている。
図73は、ワイヤ1310が張力下にあるときの近位シャフト部分1304の実施形態を示す。前述したように、遠位シャフト先端部分1322は、ワイヤ1310が張力下にあるときに変形し、それにより先端1312が上方に移動する。
図74は、近位シャフト本体部分1320の一実施形態の断面図を示している。近位シャフト本体部分1320は、ルーメン1340を含む。ルーメン1340は、押出成形されたプラスチック構造体内の概ね丸い凹部として形成されてもよい。ルーメン1340は、ワイヤ1310の移動を拘束するように構成される。
図75は、遠位シャフト先端部分1322の一実施形態の概略図を断面図で例示している。遠位シャフト先端部分1322は、ルーメン1340を含む。ワイヤ1310は、ルーメン1340を通って延在する。
図76は、関節運動スタイレット1500の一実施形態の概略図を示す。関節運動スタイレット1500は、先端部1522の制御を可能にする。関節運動スタイレット1500は、ルーメン1520を含み、プルストリング1512はそこを通って先端1522から近位シャフト部分1504まで延在する。プッシュロッド1510は、近位端でプルストリング1512に取り付けられる。プルストリング1512は、滑車1516の周りに延在し、プルストリング1512に取り付けられる。プッシュロッド1510は、対向する端部でバネ1514に取り付けられる。バネ1514は、ルーメン1520内で近位シャフト端部1502に位置する。関節運動スタイレット1500は、先端が弛緩しているか、又はシャフト1506に対して真っ直ぐである第1の状態を有する。
図77に示されるように、関節運動スタイレット1500は、プルストリング1512が張力下にあるときに先端部1522が変形し、それにより先端1522が上方に移動する、第2の状態を有する。プッシュロッド1510が押されると、プルストリング1512が先端部1522を変形位置に後退させる。
図78は、関節運動スタイレット1500の一実施形態の概略図を示す。関節運動スタイレット1500は、先端部1522の制御を可能にする。関節運動スタイレット1500は、ルーメン1520を含み、プッシュロッド1510はそこを通って先端1522から近位シャフト部分1504まで延在する。プッシュロッド1510は、近位端においてバネ1514に沿って延在する。バネ1514は、ルーメン1520内で近位シャフト端部1502に位置する。関節運動スタイレット1500は、先端が弛緩しているか、又はシャフト1506に対して真っ直ぐである第1の状態を有する。
図79に示されるように、関節運動スタイレット1500は、プッシュロッド1510が押されたときに先端部1522が変形し、それにより先端部1522が変型位置に後退する、第2の状態を有する。
ここで図80を参照すると、関節運動スタイレット1600の遠位シャフト部分1602の一実施形態の概略図が示されている。この例では、遠位シャフト部分1602は、近位シャフト本体部分1606と遠位シャフト部分1608とを含む。いくつかの実施形態では、近位シャフト本体部分1606は、遠位シャフト部分1608よりも剛性が高い。換言すれば、遠位シャフト先端部分1614は、近位シャフト部分1606よりも可撓性が高い。遠位シャフト部分1602の可撓性は、遠位シャフト部分1602の長さにわたって1回変化してもよく、又は2回以上変化してもよい。例えば、近位シャフト本体部分1606は、内側シャフト部分1610よりも大きいが、遠位シャフト部分1608の可撓性よりも低い可撓性を有してもよい。このようにして、ワイヤ1610が近位シャフト本体部分1606によって引っ張られて張力下になると、張力によってより可撓性の高い遠位シャフト部分1608が変形し、先端部1614が移動する。有利には、遠位シャフト部分1602の可撓性は、患者の上気道の解剖学的構造に適合する。
ここで図81を参照すると、関節運動スタイレット1600の遠位シャフト部分1602の一実施形態の概略図が示されている。この例では、遠位シャフト部分1602は、近位シャフト本体部分1606と遠位シャフト部分1608とを含む。いくつかの実施形態では、近位シャフト本体部分1606は、遠位シャフト部分1608よりも剛性が高い。換言すれば、遠位シャフト先端部分1614は、近位シャフト部分1606よりも可撓性が高い。例えば、遠位シャフト部分1602は、可撓性の勾配又はスペクトルを有してもよい。遠位シャフト部分1602は、線形の可撓性勾配を有してもよく、あるいは、非線形の可撓性勾配を有してもよい。遠位シャフト部分1602の可撓性は、連続的に、かつ遠位シャフト部分1602の長さにわたって異なる率で変化してもよい。例えば、近位シャフト本体部分1606は、内側シャフト部分1610よりも大きいが、遠位シャフト部分1608の可撓性よりも低い可撓性を有してもよい。このようにして、ワイヤ1610が近位シャフト本体部分1606によって引っ張られて張力下になると、張力によってより可撓性の高い遠位シャフト部分1608が変形し、先端部1614が移動する。
ここで図82を参照すると、関節運動スタイレット1600の遠位シャフト部分1602の一実施形態の概略図が示されている。この例では、遠位シャフト部分1602は、近位シャフト本体部分1606と遠位シャフト部分1608とを含む。補強ワイヤ1616は、遠位シャフト部分1602を通って延在する。補強ワイヤ1616は、炭素繊維ワイヤであってもよく、又は可撓性の勾配若しくはスペクトルを可能にする他の材料から作製されてもよい。補強ワイヤ1616により、近位シャフト本体部分1606は遠位シャフト部分1608よりも剛性が高くなる。補強ワイヤ1616は、線形の可撓性勾配を有してもよく、あるいは、非線形の可撓性勾配を有してもよい。補強ワイヤ1616は、遠位シャフト部分1602の可撓性を連続的に、かつ遠位シャフト部分1602の長さにわたって異なる率で変化させる。例えば、補強ワイヤ1616は、近位シャフト本体部分1606が、内側シャフト部分1610の可撓性よりも高いが、遠位シャフト部分1608の可撓性よりも低い可撓性を有することを可能にする。このようにして、ワイヤ1610が近位シャフト本体部分1606によって引っ張られて張力下になると、張力によってより可撓性の高い遠位シャフト部分1608が変形し、先端部1614が移動する。
上記の様々な実施形態は、例示としてのみ提供され、本明細書に添付された特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではない。当業者であれば、本明細書に例示され、記載される例示的実施形態及び用途によらず、かつ以下の特許請求の範囲の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく成され得る様々な修正及び変更を、容易に認識するであろう。