JP2019531470A - 細胞組成物中に存在する粒子を計数する方法 - Google Patents

細胞組成物中に存在する粒子を計数する方法 Download PDF

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Abstract

細胞組成物中に存在する、ビーズ粒子のような粒子の存在または非存在を評価または判定する方法が、本明細書において提供される。本方法で用いるための製造品およびキットも提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月26日付で出願された、「METHODS OF ENUMERATING PARTICLES PRESENT IN A CELL COMPOSITION (細胞組成物中に存在する粒子を計数する方法)」という名称の米国仮特許出願第62/380,241号の優先権の恩典を主張するものであり、その内容は全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
分野
本開示は、細胞組成物中に存在する、ビーズ粒子のような粒子の存在または非存在を評価または判定する方法に関する。本方法で用いるための製造品およびキットも提供される。
背景
磁性ビーズのような粒子は、抗体のような親和性試薬の固定化のための表面として用いられる。場合によっては、そのような親和性コート粒子は、細胞の検出、選択、濃縮、単離、活性化、および/または刺激におけるような、さまざまな方法で用いることができる。場合によっては、そのようなプロセスの後に、親和性コート粒子は細胞に結合したままでありうる。細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための現行の方法は、細胞に結合または会合した粒子の実際の数を判定するためには不正確でありうる。細胞組成物中の粒子を計数するまたは検出するための改善された方法が、必要とされている。そのような要求を満たす方法、組成物、システム、およびキットが本明細書において提供される。
概要
抗体(例えば抗CD3抗体および/または抗CD28抗体)を含むビーズ粒子のような、細胞組成物中の粒子の存在または非存在を評価または判定するための方法が提供される。そのような方法は、細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための方法、および細胞組成物中の粒子を計数するための方法を含む。本開示はまた、本方法で用いるための製造品およびキットを提供する。
いくつかの態様において、以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための方法が、本明細書において提供される:(a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、(i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の浸透圧溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルをインキュベートすることを含む、段階、ならびに(b)アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。いくつかの態様において、浸透圧溶解を誘導するのに十分な条件は、サンプルを低張溶液と接触させることを含む。いくつかの態様において、浸透圧溶解を誘導するための条件の下でインキュベートすることにより、溶解細胞組成物が産生され、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションは、(ii)溶解細胞組成物または溶解細胞組成物に由来する組成物を高張溶液とともにインキュベートすることをさらに含む。いくつかの態様において、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションは、アウトプット組成物から細胞残屑を低減または除去する。本明細書における方法のいくつかの態様において、段階(a)は、アウトプット組成物をすすぐまたは洗浄することをさらに含む。いくつかのさらなる態様において、アウトプット組成物をすすぐまたは洗浄することは、粒子をペレット化すること、およびアウトプット組成物のある量を除去することまたはアウトプット組成物の量を低減することを含む。いくつかの態様において、本方法は、段階(a)の1回または複数回のインキュベーションの前に、アウトプット組成物の量をサンプルとほぼ同量まで低減させる段階をさらに含む。いくつかの態様において、本方法は、100%未満であるが50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%を超えてまたは約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、もしくは約95%を超えて、アウトプット組成物の量を低減させる段階をさらに含む。
いくつかの態様において、以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための方法が、本明細書において提供される:(a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、(i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルを低張溶液または高張溶液とともにインキュベートし、それによって溶解細胞組成物を産生すること、および(ii)溶解細胞組成物の少なくとも一部分または溶解細胞組成物に由来するサンプルを他の低張溶液または高張溶液とともにインキュベートすることを含む、段階; ならびに(b)アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。いくつかの態様において、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションは、アウトプット組成物から細胞残屑を低減または除去する。本明細書における方法のいくつかの態様において、段階(a)は、アウトプット組成物をすすぐまたは洗浄することをさらに含む。いくつかのさらなる態様において、アウトプット組成物をすすぐまたは洗浄することは、粒子をペレット化すること、およびアウトプット組成物のある量を除去するかまたはアウトプット組成物の量を低減することを含む。いくつかの態様において、本方法は、段階(a)の1回または複数回のインキュベーションの前に、アウトプット組成物の量をサンプルとほぼ同量まで低減させる段階をさらに含む。いくつかの態様において、本方法は、100%未満であるが50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%を超えてまたは約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、もしくは約95%を超えて、アウトプット組成物の量を低減させる段階をさらに含む。
いくつかの態様において、以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための方法が本明細書において提供される:(a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、(i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルを低張溶液とともにインキュベートし、それによって溶解細胞組成物を産生すること、および(ii)溶解細胞組成物の少なくとも一部分または溶解細胞組成物に由来するサンプルを高張溶液とともにインキュベートすることを含む、段階、ならびに(b)アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。いくつかの態様において、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションは、アウトプット組成物から細胞残屑を低減または除去する。本明細書における方法のいくつかの態様において、段階(a)は、アウトプット組成物をすすぐまたは洗浄することをさらに含む。いくつかのさらなる態様において、アウトプット組成物をすすぐまたは洗浄することは、粒子をペレット化すること、およびアウトプット組成物のある量を除去するかまたはアウトプット組成物の量を低減することを含む。いくつかの態様において、本方法は、段階(a)の1回または複数回のインキュベーションの前に、アウトプット組成物の量をサンプルとほぼ同量まで低減させることをさらに含む。いくつかの態様において、本方法は、100%未満であるが50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%を超えてまたは約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、もしくは約95%を超えて、アウトプット組成物の量を低減させる段階をさらに含む。
いくつかの態様において、以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する方法も本明細書において提供される:(a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、(i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルをインキュベートすることを含み、ここで粒子がその表面上に生体分子(例えば多糖類)を含むコートを含み、溶解がコートを破壊しない、段階; ならびに(b)生体分子(例えば多糖類)に特異的に結合する親和性試薬を用いてアウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。いくつかの態様において、1回または複数回のインキュベーションは、サンプル中の1つまたは複数の細胞の浸透圧細胞溶解を誘導する。いくつかの態様において、1回または複数回のインキュベーションは、サンプルを低張溶液とともにインキュベートすることを含む。いくつかの態様において、1回または複数回のインキュベーションは、サンプルを高張溶液とともにインキュベートすることをさらに含む。いくつかの態様において、生体分子はデキストランであり、親和性試薬は抗デキストラン抗体である。いくつかの態様において、生体分子は一次抗体(例えばマウス抗体)であり、親和性試薬は二次抗体(例えば抗マウス抗体)である。いくつかの態様において、生体分子はストレプトアビジンであり、親和性試薬はビオチン化分子である。いくつかの態様において、生体分子はストレプトアビジンであり、親和性試薬は抗ストレプトアビジン抗体である。いくつかの態様において、段階(b)における判定は、コートを含む粒子の1つまたは複数の検出のための蛍光活性化細胞選別(FACS)を含む。
本明細書において提供されるいくつかの態様において、低張溶液は270 mOsm/L未満のオスモル濃度を有する。いくつかの態様において、低張溶液は、0 mOsm/L〜270 mOsm/L、50 mOsm/L〜200 mOsm/L、もしくは10 mOsm/L〜100 mOsm/L、または約0 mOsm/L〜270 mOsm/L、約50 mOsm/L〜200 mOsm/L、もしくは約10 mOsm/L〜100 mOsm/Lのオスモル濃度を有する。いくつかの態様において、低張溶液は、250 mOsm/L、200 mOsm/L、150 mOsm/L、100 mOsm/L、50 mOsm/L、10 mOsm/L、もしくはそれ未満に満たない、または約250 mOsm/L、約200 mOsm/L、約150 mOsm/L、約100 mOsm/L、約50 mOsm/L、約10 mOsm/L、もしくはそれ未満に満たないオスモル濃度を有する。いくつかの態様において、低張溶液は、0 mM〜140 mMまたは約0 mM〜140 mMの溶質濃度を含む。いくつかの態様において、低張溶液は、140 mM未満もしくは約140 mM未満、100 mM未満もしくは約100 mM未満、50 mM未満もしくは約50 mM未満、または10 mM未満もしくは約10 mM未満の溶質濃度を含む。いくつかの態様において、低張溶液は、0%〜0.8%もしくは0%〜0.5%または約0%〜0.8%もしくは約0%〜0.5%の溶質の量に対する重量パーセント(%w/v)を含む。いくつかの態様において、低張溶液は、0.8%未満もしくは約0.8%未満、0.6%未満もしくは約0.6%未満、0.4%未満もしくは約0.4%未満、または0.2%未満もしくは約0.2%未満の溶質の%w/vを含む。いくつかの態様において、低張溶液は溶質を含まない。いくつかの態様において、低張溶液は注射用滅菌水である。
本明細書において提供されるいくつかの態様において、高張溶液は300 mOsm/L超のオスモル濃度を有する。いくつかの態様において、高張溶液は、300 mOsm/L超もしくは約300 mOsm/L、400 mOsm/L超もしくは約400 mOsm/L、800 mOsm/L超もしくは約800 mOsm/L、1200 mOsm/L超もしくは約1200 mOsm/L、1500 mOsm/L超もしくは約1500 mOsm/L、2000 mOsm/L超もしくは約2000 mOsm/L、2500 mOsm/L超もしくは約2500 mOsm/L、3000 mOsm/L超もしくは約3000 mOsm/L、または4000 mOsm/L超もしくは約4000 mOsm/Lのオスモル濃度を有する。いくつかの態様において、高張溶液は、300 mOsm/L〜5000 mOsm/L、1000〜5000 mOsm/L、もしくは1000〜3000 mOsm/L、または約300 mOsm/L〜5000 mOsm/L、約1000〜5000 mOsm/L、もしくは約1000〜3000 mOsm/Lのオスモル濃度を有する。いくつかの態様において、高張溶液は、200 mM超もしくは約200 mM、400 mM超もしくは約400 mM超、600 mM超もしくは約600 mM超、800 mM超もしくは約800 mM超、1000 mM超もしくは約1000 mM超、2000 mM超もしくは約2000 mM超、または5000 mM超もしくは約5000 mM超の溶質濃度を有する。いくつかの態様において、高張溶液は、200 mM〜5000 mM、500 mM〜2000 mM、もしくは1000 mM〜2000 mM、または約200 mM〜5000 mM、約500 mM〜2000 mM、もしくは約1000 mM〜2000 mMの溶質濃度を有する。いくつかの態様において、高張溶液は、1.5%〜15%もしくは2.5%〜12%または約1.5%〜15%もしくは約2.5%〜12%の溶質の量に対する重量パーセント(%w/v)を含む。いくつかの態様において、高張溶液は、1.5%超もしくは約1.5%超、3.0%超もしくは約3.0%超、6.0%超もしくは約6.0%超、または8.0%超もしくは約8.0%超、または10.0%超もしくは約10.0%超の溶質の%w/vを含む。いくつかの態様において、高張溶液は、NaClである溶質を含む。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、低張および/または高張溶液の量は、少なくともまたは少なくとも約1 mL、3 mL、9 mL、12 mL、15 mL、18 mL、20 mL、25 mL、30 mL、35 mL、40 mL、45 mL、50 mL、またはそれ以上である。任意のそのような態様のいくつかにおいて、低張および/または高張溶液の量は、1 mL〜50 mL、2 mL〜30 mL、5 mL〜25 mL、もしくは10 mL〜20 mL、または約1 mL〜50 mL、約2 mL〜30 mL、約5 mL〜25 mL、もしくは約10 mL〜20 mLである。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、1回または複数回のインキュベーションは、少なくともまたは少なくとも約30秒、1分、2 分、3 分、4 分、5 分、10 分、20 分、または30 分間である。任意のそのような態様のいくつかにおいて、1回または複数回のインキュベーションは、30秒〜30分、1分〜20分、1分〜10分、もしくは1分〜5分、または約30秒〜30分、約1分〜20分、約1分〜10分、もしくは約1分〜5分である。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションは、約15℃〜30℃、18℃〜28℃、または20℃〜25℃である温度で実施される。任意のそのような態様のいくつかにおいて、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションは、23℃であるまたは約23℃である温度で実施される。任意のそのような態様のいくつかにおいて、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションは、24℃であるまたは約24℃である温度で実施される。任意のそのような態様のいくつかにおいて、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションは、25℃であるまたは約25℃である温度で実施される。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、段階(b)における判定は、手動計数法、電子粒子計数法、親和性に基づく検出、顕微鏡法(例えば蛍光顕微鏡法)、フローサイトメトリー、または磁性細胞選別を含む。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、段階(b)における判定は、コートを含む粒子の1つまたは複数の検出のための蛍光活性化細胞選別(FACS)を含み、ここでコートは重合体のような本明細書において記述される材料を含む。いくつかの態様において、材料は多糖類である。いくつかの態様において、多糖類はデキストランであり、親和性試薬は抗デキストラン抗体である。いくつかの態様において、材料は一次抗体(例えばマウス抗体)であり、親和性試薬は二次抗体(例えば抗マウス抗体)である。いくつかの態様において、材料はストレプトアビジンであり、親和性試薬はビオチン化分子である。いくつかの態様において、材料はストレプトアビジンであり、親和性試薬は抗ストレプトアビジン抗体である。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、細胞組成物は、細胞組成物中の1つもしくは複数の細胞の表面に結合した粒子の1つもしくは複数を含むかまたは含むことが疑われ、細胞組成物は、残留粒子を含むかまたは含むことが疑われ、細胞組成物は、粒子の1つもしくは複数に結合した細胞を含有する組成物に由来し、かつ/あるいは細胞組成物は、インプット組成物からの粒子の除去に由来する。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、(i)細胞の集団を1つまたは複数の粒子と混合し、それによってインプット組成物を生成する段階; および(ii)インプット組成物中の細胞から粒子の1つまたは複数を除去し、それによって細胞組成物を産生する段階を含む方法によって、細胞組成物が産生される。いくつかの態様において、1つまたは複数の粒子は集団内の1つまたは複数の細胞に結合することができる。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、細胞組成物の濃度は、少なくとももしくは少なくとも約2×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×106細胞/mL、または少なくとももしくは少なくとも約1×107細胞/mLである。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、細胞組成物の量、は0.2 mL〜50 mL、0.2 mL〜20 mL、0.5 mL〜10 mL、0.5 mL〜5 mL、もしくは0.75 mL〜1.5 mL、または約0.2 mL〜50 mL、約0.2 mL〜20 mL、約0.5 mL〜10 mL、約0.5 mL〜5 mL、もしくは約0.75 mL〜1.5 mLである。任意のそのような態様のいくつかにおいて、細胞組成物の量は、少なくともまたは少なくとも約0.2 mL、0.5 mL、1.0 mL、2.0 mL、5.0 mL、10.0 mL、または20 mL、50 mL、またはそれ以上である。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、細胞は10 μm〜30 μmまたは約10 μm〜30 μmの直径を有する。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、細胞は動物細胞であり、または細胞組成物は動物細胞を含む。任意のそのような態様のいくつかにおいて、細胞はヒト細胞であり、または細胞組成物はヒト細胞を含む。任意のそのような態様のいくつかにおいて、細胞は幹細胞であり、または細胞組成物は幹細胞を含む。さらなる態様において、幹細胞は人工多能性幹細胞(iPSC)である。任意のそのような態様のいくつかにおいて、細胞は免疫細胞であり、または細胞組成物は免疫細胞を含む。さらなる態様において、免疫細胞はT細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞、または樹状細胞である。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションの前に、細胞組成物中の細胞の刺激および/または活性化をもたらすための刺激剤を含む粒子の1つまたは複数と、細胞組成物が混合されている。さらなる態様において、細胞はT細胞であり、刺激剤は抗CD3抗体および/もしくは抗CD28抗体またはそれらの抗原結合断片である。別のさらなる態様において、細胞は抗原提示細胞であり、刺激剤は抗CD80抗体および/もしくは抗CD86抗体またはその抗原結合断片である。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションの前に、細胞組成物中の細胞の単離または濃縮をもたらすための親和性剤を含む粒子の1つまたは複数と、細胞組成物が混合されている。さらなる態様において、親和性試薬は、細胞組成物中の1つまたは複数の細胞上の細胞表面タンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を含む。さらなる態様において、細胞表面タンパク質は、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD25、CD27、CD28、CD29、CD31、CD44、CD45RA、CD45RO、CD54 (ICAM-1)、CD127、MHCI、MHCII、CTLA-4、ICOS、PD-1、OX40、CD27L (CD70)、4-1BB (CD137)、4-1BBL、CD30L、LIGHT、IL-2R、IL-12R、IL-1R、IL-15R; IFN-γR、TNF-αR、IL-4R、IL-10R、CD18/CDlla (LFA-1)、CD62L (L-セレクチン)、CD29/CD49d (VLA-4)、Notchリガンド(例えばDelta-様1/4、Jagged 1/2など)、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、およびCXCR3から選択されるが、これらに限定されることはない。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、1つまたは複数の粒子は、細胞組成物中の細胞の表面上の巨大分子(例えば細胞表面タンパク質)に結合することができる生体分子(例えば、親和性試薬または刺激剤)を含む。いくつかの態様において、生体分子は抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、生体分子はストレプトアビジンである。任意のそのような態様のいくつかにおいて、粒子はビーズ粒子である。特定の態様において、粒子は、抗体(例えば抗CD3抗体および/もしくは抗CD28抗体)ならびに/または本明細書おいて記述されるコートのようなコートを含むビーズ粒子である。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、1つまたは複数の粒子は、0.001 μm超、0.01 μm超、0.1 μm超、1.0 μm超、10 μm超、50 μm超、100 μm超、または1000 μm超の直径を有する粒子を有するまたは含む。任意のそのような態様のいくつかにおいて、1つまたは複数の粒子は、1.0 μm〜500 μm、1.0 μm〜150 μm、1.0 μm〜30 μm、1.0 μm〜10 μm、または1.0 μm〜5.0 μmの直径を有する粒子を有するまたは含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の粒子は、細胞組成物中の細胞の平均直径と実質的に同じである直径を有する粒子を有するまたは含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の粒子は、細胞組成物中の細胞の平均直径より1.5倍大きいまたは小さい範囲内である直径を有する粒子を有するまたは含む。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、1つまたは複数の粒子はコートを含む。いくつかの態様において、コートは重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、炭素、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、炭素、またはそれらの組み合わせは生分解性である。いくつかの態様において、多糖類はキトサン、アガロース、デンプン、デキストラン、デキストラン誘導体、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、重合体は、ポリエチレングリコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレン、およびポリビニルアルコールまたはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、コートは粒子の表面上にある。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、1つまたは複数の粒子は磁性である。任意のそのような態様のいくつかにおいて、1つまたは複数の粒子は、磁性コア、常磁性コア、または超常磁性コアを含む。いくつかのさらなる態様において、磁性コアは、金属酸化物、フェライト、金属、ヘマタイト、金属合金、およびそれらの組み合わせから選択される。任意のそのような態様のいくつかにおいて、1つまたは複数の粒子は酸化鉄コアを含む。いくつかの態様において、磁性コアは、本明細書において記述されるコートのようなコート(例えば、重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、炭素またはそれらの組み合わせを含むコート)を含む。いくつかの態様において、コートは磁性コアを酸化から保護、低減または防止する。いくつかの態様において、コートは粒子の表面上にある。
任意のそのような態様のいくつかにおいて、本明細書において提供される方法は、粒子の表面上のコートを破壊しない。
浸透圧細胞溶解をもたらすための溶液、低張溶液および/または高張溶液を含む容器と、包装材料と、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための使用説明書を含むラベルまたは添付文書とを含む製造品も提供される。いくつかの態様において、浸透圧溶解をもたらす溶液は低張溶液であり、製造品は任意で、高張溶液を含む容器をさらに含んでもよい。いくつかの態様において、製造品は、粒子を検出または同定するための器具または試薬をさらに含む。いくつかの態様において、器具または試薬は血球計を含む。いくつかの態様において、器具または試薬は、多糖類(例えばデキストラン)、抗体、または親和性試薬によって結合されることができる他の任意の生体分子(例えばストレプトアビジン)のような、粒子の表面上の生体分子に特異的な親和性試薬を含む。いくつかの態様において、親和性試薬は、抗デキストラン抗体または抗原結合断片のような、抗体または抗原結合断片であるか、またはそれらを含む。いくつかの態様において、親和性試薬は蛍光標識される。
本明細書において記述されるさまざまな態様の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを組み合わせて本発明の他の態様を形成することができることを理解されたい。本発明のこれらのおよびその他の局面は当業者に明らかとなるであろう。本発明のこれらのおよびその他の態様は、以下の詳細な説明によってさらに記述される。
図1A〜1Fは、漂白剤ありまたはなしでの処理に供したサンプル中のフローサイトメトリーによるビーズ粒子の数を示す一連のヒストグラムである。図1A) 散乱によって判定される漂白剤で処理されていないサンプル中のビーズ粒子の数; 図1B) 蛍光標識された抗デキストラン抗体で染色することによって判定される、漂白剤で処理されていないサンプル中のビーズ粒子の数; 図1C) 蛍光標識された抗IgG1抗体および抗IgG2a抗体で染色することによって判定される、漂白剤で処理されていないサンプル中のビーズ粒子の数; 図1D) 散乱によって判定される漂白剤で処理されたサンプル中のビーズ粒子の数; 図1E) 蛍光標識された抗デキストラン抗体で染色することによって判定される、漂白剤で処理されたサンプル中のビーズ粒子の数; 図1F) 蛍光標識された抗IgG1抗体および抗IgG2a抗体で染色することによって判定される、漂白剤で処理されたサンプル中のビーズ粒子の数。矢印はビーズ粒子を示す。「SSC-A」および「FSC-A」はそれぞれ、側方散乱パラメータおよび前方散乱パラメータを示す。 処理後にカウントされると予想されたビーズ粒子の数と比較して、ビーズ粒子を計数する方法によって処理後にカウントされた実際のビーズ粒子の数を示すグラフである。サンプルは、250、500、1000、または2000個のビーズ粒子と混合された脱ビーズCAR発現T細胞を含む。ビーズ粒子は血球計により計数された。 ヒト血清アルブミン(HSA)を含有する溶液中に単独で増加していくビーズ粒子負荷を含んだかつ細胞溶解法(NaCl)に供した、サンプル中にスパイクされたビーズの実際の数に対してカウントされたビーズ粒子の割合を示すグラフである。ビーズ粒子は血球計またはフローサイトメトリーにより計数された。 細胞と混合され、細胞溶解法に供されるビーズ粒子の負荷増加を含むサンプル中にスパイクされたビーズの実際の数に対してカウントされたビーズ粒子の割合を示すグラフである。ビーズ粒子を血球計またはフローサイトメトリーによって計数した。
詳細な説明
I. 粒子、例えばビーズ粒子を評価するための方法および試薬
本明細書において提供されるのは、細胞組成物のサンプル中の粒子の、数または濃度を含めて、存在または非存在を判定または評価するための方法である。いくつかの態様において、本方法は、細胞に関連する非細胞粒子(以後「粒子」、例えばビーズ粒子と呼ばれる)を含むまたは潜在的に含む細胞組成物のサンプルをインキュベートする段階を伴い、ここで1回または複数回のインキュベーションがサンプル中の細胞の溶解を誘導するのに十分な1つまたは複数の条件の下で行われる。いくつかの態様において、サンプルは、関心対象の細胞組成物の少なくとも一部分、または関心対象の細胞組成物に由来するサンプルを含む。いくつかの態様において、1回または複数回のインキュベーションによりアウトプット組成物が得られ、次いでこれを粒子(例えばビーズ粒子)の存在または非存在について測定または評価する。したがって、提供された方法では、アウトプット組成物(例えば、溶解方法後のサンプル)を評価して、サンプリングされた細胞組成物中の粒子の存在または非存在(例えば数または濃度)を判定する。場合によっては、提供される方法は、細胞自体からの粒子(例えばビーズ粒子)の効率的かつ信頼性の高い検出を可能にし、それによってサンプル中の粒子(例えばビーズ粒子)の可視化、検出および/または同定の正確性および信頼性を改善する。いくつかの態様において、アウトプット組成物中に存在する粒子の数は、粒子を可視化、検出および/または同定するための任意のいくつかの方法を用いて判定することができる。
いくつかの態様において、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)および細胞は、サイズ、形状および/または色の類似性のような、物理的類似性を示すことができる。場合によっては、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)と細胞との間の物理的類似性のために、粒子と混合された細胞を含む細胞組成物中の粒子含有量を評価することは困難でありうる。いくつかの局面において、細胞組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を検出または判定するために、計数することが望まれる粒子からサンプル中の細胞を区別する方法を実施しなければならない。
場合によっては、サンプル中の、磁性ビーズ粒子のような、粒子を計数するいくつかの方法は、顕微鏡下での非溶解細胞サンプル中の粒子(例えばビーズ粒子)の可視化を含む。これは、粒子の茶色もしくは赤みがかった色、またはサンプル中の細胞から粒子を区別する他の物理的特徴のために可能である。本明細書において記載されるある種のビーズ粒子のような、いくつかの粒子を用いる場合、粒子の少なくともいくつかはサンプル中の細胞と実質的に同じに見え、したがって粒子を計数することが実行不可能であるため、この可視化は可能ではない。さらに、本明細書において提供されるような、濃縮細胞/粒子サンプルでは、細胞の数は粒子の数よりはるかに多く、粒子の正確な計数をさらに困難にする。
場合によっては、粒子を可視化または検出する方法は、溶液中の細胞を溶解または損傷する方法のような、サンプルから無傷の細胞を除去することを必要とし、それによってサンプル中の個々の粒子を可視化しやすくするために無傷の粒子だけを残す。無傷の細胞を除去するための既存の方法は、例えば、化学的(例えば界面活性剤または漂白剤)、熱的、および物理的溶解方法を含む。例えば、以前に用いられた溶解または細胞損傷の方法は、例えば、漂白剤または界面活性剤の使用を含む。いくつかの局面において、そのような方法は完全に満足のいくものではない。
場合によっては、細胞溶解のための化学的方法の使用は、粒子を損傷もしくは破壊する可能性があり、またはそうでなければそのような損傷のために粒子の検出に利用可能な技法を制限する可能性がある。例えば、いくつかの局面において、そのような方法は、細胞組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の含有量、存在、非存在、数、および/または濃度を測定する能力をさらに損ないうる大量の残留細胞残屑を残しうる。さらに、細胞組成物中の粒子と細胞との間のサイズの類似性のために、均一な円形体の可視化が粒子または有効に溶解されなかった細胞であるかどうかを判定することは困難でありうる。場合によっては、ある種の細胞溶解技法は、細胞溶解手順の全体で粒子分解を招きうるため適当ではない可能性がある。また、以前に採用された方法に関する別の問題は、そのような方法が、粒子の表面上にある多糖類を含むコートのような、粒子(例えばビーズ粒子)の表面またはコートを乱すまたは壊すことが多いことである。場合によっては、粒子の被膜への損傷は、粒子が可視化されたときに観察される色を変え、それゆえそのような可視化を困難にする可能性がある。
そのような従来の方法は、細胞を含むサンプルからの粒子(例えばビーズ粒子)の正確な計数を可能にしないことが本明細書において見出されている。提供された方法において、本方法は、サンプルから無傷の細胞を除去するために、低張溶液を用いることによるような、浸透性細胞溶解の少なくとも1つの段階を含む。いくつかの局面において、高張溶液を用いるような、さらなる溶解および/またはすすぎを含めて細胞残屑を除去し、それによって残存する任意の細胞残屑を粒子(例えばビーズ粒子)と十分に異なるものとし、正確な粒子の可視化および計数を可能にしうる1回または複数回のさらなるインキュベーションを実施することができる。本開示の方法は、粒子(例えばビーズ)表面の完全性を保存し、代替技法を用いた定量化に粒子を適合させる。したがって、例えば、粒子(例えビーズ粒子)の表面が無傷である場合、粒子は、光学顕微鏡法、抗体に基づく方法(FACSのような)、または無傷のビーズ表面に依存する他の方法を用いて可視化することができる。
したがって、本明細書において提供されるのは、粒子および細胞の混合物を含む細胞組成物中の粒子の存在または非存在を評価するための方法である。そのような方法は、溶解手順中に一貫した粒子の計数を維持しながら、細胞の溶解およびサンプル中の細胞材料の除去を可能にする。計数される粒子は本方法によって損傷を受けない、例えば、本方法は、多糖類を含むコートを有する粒子に損傷を与えない。それゆえ、提供される方法によって得られた粒子は、サンプリングされた細胞組成物中の粒子の存在または非存在を評価するための測定に適している。
いくつかの態様において、提供される方法は、1つまたは複数の粒子(例えばビーズ粒子)を含むまたは潜在的に含むことが知られているサンプル中の、ビーズ粒子のような、粒子の存在または非存在を検出するために用いられる。いくつかの態様において、サンプルは細胞組成物の少なくとも一部を含むか、または細胞組成物に由来する。本方法の局面において、サンプルは、複数の細胞を含むサンプルであり、この複数の細胞は1つまたは複数の粒子(例えばビーズ粒子)と関連するかまたは関連しうる。いくつかの態様において、提供される方法は、サンプル中の粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数および/または濃度を計数するまたは判定するために用いることができる。いくつかの態様において、提供される方法は、溶液中に残存する細胞残屑を最小限に抑え、粒子の表面上のコーティングのような粒子(例えばミクロスフェアもしくはビーズ粒子)への損傷を最小限に抑え、ならびに/または溶解手順を通して粒子の計数の一貫性および/または正確性を一般的に改善するので、提供される方法は、漂白剤または界面活性剤を用いるものを含めて、既存の方法を上回る利点がある。
いくつかの態様において、提供される方法は、サンプル中の細胞の溶解を誘導するのに十分な1つまたは複数の条件の下で複数の細胞を含むサンプルをインキュベートまたは接触させる段階、ならびに細胞の溶解が行われた後のサンプル中の粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数および/または濃度を判定する段階を含む。いくつかの態様において、溶解は(例えば低張溶液の存在による)浸透圧溶解および/または(例えば高張溶液の存在による)原形質分離であるかまたはそれらを含む。高張溶液および/または低張溶液との1回または複数回のインキュベーションによるような、本明細書において記述される方法による溶解後のサンプルは、「アウトプット組成物」ともいわれる。非限定的な例として、アウトプット組成物は、サンプルの1回または複数回のインキュベーションから生じる溶解細胞組成物であってよく、ここでサンプルの1回または複数回のインキュベーションは、サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件下にあり、それによってアウトプット組成物を産生する。別の非限定的な例として、アウトプット組成物は、溶解細胞組成物を産生するためのサンプルの1回または複数回のインキュベーションから生じる組成物であってよく、ここで溶解細胞組成物は細胞残屑を低減または除去するための1回または複数回のインキュベーションにさらに供され、それによりアウトプット組成物を産生する。いくつかの態様において、1つまたは複数の溶解および/またはインキュベーション条件は、それらがサンプル中の無傷の粒子の存在を妨害もしくは除去しない、または実質的に妨害もしくは除去しないようなものであり、その結果通常、アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度は溶解前のサンプル中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度と同じであり、または実質的に同じである。
いくつかの態様において、本方法は以下の段階を含むことができる:(a)アウトプット組成物を産生するために1回または複数回のインキュベーションを行う段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、(i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解(例えば、浸透圧溶解および/または原形質分離)を誘導するのに十分な1つまたは複数の条件の下で粒子(例えば本明細書のセクションIIIに記述された細胞組成物のような)を含むまたは潜在的に含む細胞組成物のサンプルをインキュベートし、それによってアウトプット組成物を産生することを含む、段階; ならびに(b)アウトプット組成物中の粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数および/または濃度を判定する段階。いくつかの態様において、1つまたは複数の条件は、サンプルを低張溶液および/または高張溶液とインキュベートまたは接触させることを含むことができる。
いくつかの態様において、本方法は以下の段階を含むことができる:(a)アウトプット組成物を産生するために1回または複数回のインキュベーションを行う段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、(i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件(例えば、1つまたは複数の条件)の下で粒子(例えば本明細書のセクションIIIに記述された細胞組成物のような)を含むまたは潜在的に含む細胞組成物のサンプルを、低張溶液または高張溶液とインキュベートまたは接触させ、それによって溶解細胞組成物を産生すること、(ii)溶解細胞組成物の少なくとも一部分を他の低張または高張溶液とインキュベートまたは接触させ、それによってアウトプット組成物を産生することを含む、段階; ならびに(b)アウトプット組成物中の粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数および/または濃度を判定する段階。
いくつかの態様において、低張溶液の存在下におけるような、浸透圧溶解は、細胞残屑を含む、および/または、例えば、細胞からの脂質、DNAおよび他の分子の放出に起因して粘着性でありうる溶解サンプルをもたらすことができる。したがって、いくつかの態様において、細胞を低張溶液とインキュベートまたは接触させた後に、本方法は概して、粒子(例えばビーズ粒子)の数、存在または(of)濃度を検出する能力に影響を与えうる細胞残屑または他の成分を除去するために少なくとも1つのさらなる段階を含む。いくつかの態様において、さらなる段階は、アウトプット組成物(これは溶解細胞組成物であってよい)の超音波処理、すすぎもしくは洗浄、高張溶液との溶解細胞組成物のインキュベーションもしくはさらなるインキュベーション、またはアウトプット組成物中の細胞残屑を低減、軽減、または除去するための他の方法を含むことができる。いくつかの態様において、本方法は、粒子(例えばビーズ粒子)に対して苛酷ではない、および/またはそのような粒子(例えばビーズ粒子)のコーティングもしくは表面を破壊しないものである。
いくつかの態様において、本方法は概して、サンプルを低張溶液とインキュベートまたは接触させ、それによって溶解組成物を産生させた後に、さらに溶解細胞組成物を高張溶液とインキュベートまたは接触させて粒子測定用のアウトプット組成物を産生する段階を含む。典型的には、低張溶液とインキュベートまたは接触させることは、高張溶液とインキュベートまたは接触させる前に行われる。いくつかの態様において、本方法は以下の段階を含むことができる:(a)アウトプット組成物を産生するために1回または複数回のインキュベーションを行う段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、(i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件(例えば、1つまたは複数の条件)の下で粒子(例えば本明細書のセクションIIIに記述された細胞組成物のような)を含むまたは潜在的に含む細胞組成物のサンプルを、低張溶液とインキュベートまたは接触させ、それによって溶解細胞組成物を産生すること、(ii)溶解細胞組成物の少なくとも一部分を高張溶液とインキュベートまたは接触させ、それによってアウトプット組成物を産生することを含む、段階; ならびに(b)アウトプット組成物中の粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数および/または濃度を判定する段階。
いくつかの態様において、アウトプット組成物中の粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定または検出する前に、本方法はさらに、アウトプット組成物の1つまたは複数の洗浄またはすすぎを行うことによるような、アウトプット組成物中の細胞残屑を除去または低減するための1つまたは複数の段階をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、アウトプット組成物中の粒子(例えばビーズ粒子)の数の判定は、そのような粒子を可視化、検出でき、かつ/または存在、非存在、数もしくは濃度を判定できる任意の方法によることができる。いくつかの態様において、そのような方法は、顕微鏡法(例えば、血球計を用いる)、フローサイトメトリー、および蛍光活性化細胞選別(FACS)、ならびに他の親和性に基づく方法および当業者に公知の他の方法を含むことができる。例示的な方法を以下に記載する。
いくつかの態様において、提供される溶解方法は細胞に対して選択的であり、それによって非細胞粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)に有害な構造的または物理的損傷をもたらさない。場合によっては、提供される溶解方法は、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の表面コーティングを実質的に破壊、損傷、または改変しない。したがって、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の表面は溶解方法後も比較的無傷のままであるので、提供される方法は、抗体試薬または他の結合剤のような、親和性に基づく試薬を用いた表面コーティングの検出または同定を可能にする。いくつかの態様において、親和性に基づく方法によって粒子(例えばビーズ粒子)を評価、検出、または同定する能力は、より信頼できる結果をもたらすことができ、場合によっては、血球計を用いるような、手動の可視化方法と比べてほんのわずかな時間で行われうる。
いくつかの態様において、本方法は、細胞組成物に由来する細胞のサンプル、または細胞組成物の少なくとも一部分を含む細胞のサンプルに対して行われる。いくつかの態様において、細胞組成物は、少なくとも1つの粒子(例えばビーズ粒子)と特異的に会合した少なくとも1つの細胞を含む組成物を産生するまたは潜在的に産生する少なくとも1つの粒子(例えばビーズ粒子)の存在下で、少なくとも1つの処理段階を受けたものである。いくつかの態様において、処理段階は、細胞の集団またはサンプル中の少なくとも1つの細胞の濃縮、分離、選択、単離、刺激、活性化、および/または増大のうちの1つまたは複数であるかまたはそれらを含む。
いくつかの態様において、細胞組成物は、細胞療法で用いるために意図したものであり、ここで細胞療法組成物は、細胞組成物中の1つまたは複数の細胞に関連する1つまたは複数の粒子(例えばビーズ粒子)を含むまたは潜在的に含む。一例として、免疫細胞(例えばT細胞)を利用する養子細胞療法は、がんおよび他の疾患または状態の処置に用いられる。場合によっては、養子免疫伝達において用いられる免疫細胞(例えばT細胞)は血液または組織部位から得られ、その後、対象への再導入の前に疾患または状態に関連する標的抗原に結合する組み換え受容体で操作される。通常そのような方法は、さまざまなタイプの親和性に基づく粒子試薬を用いた細胞の選択、単離、活性化、および/または増大を伴う。例えば、T細胞を活性化するためのT細胞共受容体として働く多量体タンパク質複合体であるCD3に対する抗体の使用は、抗CD28抗体を用いることによるような、共刺激シグナルとともにT細胞の増大のためのエクスビボT細胞増殖方法において通常用いられる。抗CD3抗体および抗CD28抗体が表面に固定化されると、それらはT細胞増殖を増加させるために増殖シグナルおよび共刺激シグナルを同時に送達する。Li et al. (2010) J Transl Med., 8:104を参照されたい。
少なくとも1つのそのような粒子に関連する細胞をもたらし得るまたは潜在的にもたらし得る、ミクロスフェアまたはビーズ粒子のような粒子の存在下で、細胞を処理する例示的な方法は、セクションIIIに記載されている。ある種の方法の場合、粒子(例えば磁性ビーズ粒子)は、細胞の検出、選択、濃縮、単離、活性化、および/または刺激におけるような、さまざまな方法で用いるための親和性試薬(例えば抗体)の固定化表面として用いられる。例えば、そのような抗体でコーティングされた粒子は、注入によるようなその後の対象への送達のために機能的T細胞を増大させるための試薬として用いられてきた。T細胞の活性化および増大に用いられる粒子は通常一様に円形であり、細胞とほぼ同じサイズを有する。これらの粒子特徴は、T細胞養子療法のような細胞養子療法の生成および安全性のいくつかの不都合をもたらしうる。例えば、粒子とそれらがインキュベートされた細胞との間のサイズの類似性のために、細胞集団および粒子を含む細胞組成物からの粒子の完全な除去は重要な課題である。粒子除去プロセス後に細胞組成物中に取り残される残留粒子の実際の数は、細胞養子療法中に個体における投与のために後に用いられる細胞組成物中に取り残される刺激粒子の毒性作用のリスクを評価する際に考慮すべき重要な因子である。いくつかの態様において、細胞からの分離後に粒子(例えば磁性ビーズを含む、ビーズ粒子)を除去するプロセスは、残留粒子を含みうる細胞組成物をもたらすことができる。例えば、細胞(例えばT細胞)の選択、濃縮、および/または活性化のために磁性ビーズが利用する場合、粒子の除去は、細胞/ビーズ溶液を磁石上に通過させることを必要とすることが多い。このプロセスは、細胞(例えばT細胞)とともに残る粒子の量を大幅に減らすことができるが、粒子を完全に排除するわけではない。不完全なビーズ除去によって、一部の粒子が患者に注入される可能性があり、それが毒性作用を引き起こす可能性がある。したがって、細胞療法を意図したそのような細胞組成物中に存在する非細胞粒子(例えばビーズ粒子)の存在または非存在を、正確に、確実に、かつ/または効率的に判定または評価できることが必要である。
いくつかの態様において、サンプル中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を判定した後に、本方法は、細胞組成物中に存在する細胞の数を計算または判定する段階をさらに含む。したがって、いくつかの局面において、本方法は、サンプルが得られたまたは導出された、より大きな細胞組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度に関する情報を提供することができる。場合によっては、本方法は、養子細胞療法に関連するような、細胞組成物が細胞療法としての投与に適しているかどうかを判定または評価するために用いることができる。
いくつかの態様において、提供される溶解方法は、溶解方法後のサンプル(例えばアウトプット組成物)中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の高い一貫したおよび/または反復可能な計数をもたらす。いくつかの態様において、溶解方法後のサンプル(例えばアウトプット組成物中のような)において分解されたまたは損傷された表面を有しない無傷の粒子(例えば、無傷のミクロスフェアまたはビーズ粒子)の数は、溶解前のサンプル中の粒子の総数および/もしくは予想される粒子数と比較してまたは溶解前のサンプル中の粒子の総数および/もしくは予想される粒子数の10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%もしくは85%超であり、または約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%もしくは85%超である。いくつかの態様において、溶解方法後のサンプル (例えばアウトプット組成物中のような)において分解されたまたは損傷された表面を有しない無傷の粒子(例えば、無傷のミクロスフェアまたはビーズ粒子)の数は、溶解前のサンプル中の粒子の総数および/もしくは予想される粒子数と比較して85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超であり、または約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超である。いくつかの態様において、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の数は通常、40%〜100%または約40%〜100%であり、例えば通常40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%超である。いくつかの態様において、提供される方法によるサンプル中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の反復可能なおよび/または一貫した計数は、漂白剤または界面活性剤を伴う他の方法のような、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)を計数するために公知または利用可能な他の方法と比較して改善される。いくつかの態様において、無傷の粒子の数および/または濃度は、漂白剤または界面活性剤を伴う方法を用いてサンプル中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度が評価される方法よりも少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、またはそれ以上大きい。
いくつかの態様において、分解されたまたは損傷された表面を有しない無傷の粒子(例えば無傷のミクロスフェアまたはビーズ粒子)の改善されたまたはより高い計数によって、提供される方法は、他の方法と比較してサンプルまたは細胞組成物中の粒子を検出または評価するうえで改善されたまたはより高い精度をもたらす。いくつかの態様において、本方法はサンプル中の実質的に全てのまたは全ての細胞の溶解、および任意で残留細胞残屑の除去をもたらすので、細胞が粒子として計数または同定される偽陽性の可能性が低減されるかまたはより低い。いくつかの態様において、本方法は粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の表面に損傷を与えないので、粒子を検出または同定するための親和性に基づく方法(例えば表面マーカーまたはコーティングに対する抗体を用いる)を確実に利用し、それによって偽陰性を低減または最小化することができる。
いくつかの態様において、検出または計数の精度(例えば、偽陽性または偽陰性の非存在)は通常、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、もしくは85%超であり、または約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、もしくは85%超である。いくつかの態様において、検出または計数の精度(例えば、偽陽性または偽陰性の非存在)は通常、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%超であり、または約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%超である。いくつかの態様において、細胞サンプルまたは細胞組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)を検出するまたは計数する精度は通常、95%〜100%または約95%〜100%であり、例えば通常97%、98%、または99%超である。いくつかの態様において、提供される方法による細胞サンプルまたは細胞組成物からの粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の検出または計数の精度は、漂白剤または界面活性剤を伴う他の方法のような、粒子を計数するために公知または利用可能な他の方法と比較して(例えば少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍またはそれ以上だけ)改善される。
いくつかの態様において、本方法は、細胞組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度が、所望の閾値もしくは所定の値を超えるまたは超えないなどの、許容水準または範囲内であるかどうかを評価または判定するために用いることができる。例えば、細胞サンプルまたは組成物のある種の用途または使用の場合、細胞組成物中に存在する多数の粒子(例えばミクロスフェアまたは粒子)を有することは望ましくないかもしれない。場合によっては、生分解性非細胞粒子が利用される場合でさえ、疾患または状態を処置するために対象へ投与するための細胞療法に用いられる細胞組成物中のそのような粒子の程度、数または存在をモニターまたは判定することが必要でありうる。いくつかの局面において、細胞療法のための細胞組成物は、典型的には、細胞3×106個あたり100個以下の粒子(例えばミクロスフェアもしくはビーズ粒子)、細胞3×106個あたり75個以下の粒子、または細胞3×106個あたり50個以下の粒子を含む。いくつかの局面において、細胞療法のための細胞組成物は、典型的には、1 mLあたり250個以下の粒子、1 mLあたり500個以下の粒子、1 mLあたり1000個以下の粒子、1 mLあたり2000個以下の粒子、または1 mLあたり2500個以下の粒子を含む。
いくつかの態様において、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度が細胞組成物の特定の用途のための所定値または閾値より大きいと本方法によって判定される場合、細胞組成物は、粒子(例えば、ミクロスフェアまたはビーズ粒子)の数を除去または低減するためにさらに処理されてもよく、および/またはそのような用途(例えば細胞療法)で用いるために発売または認証されない。いくつかの態様において、非細胞粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度が特定の用途のための閾値または所定値を満たすまたは下回ると本方法によって判定される場合、細胞組成物はそのような用途(例えば細胞療法)で用いるために発売または認証されることができる。いくつかの態様において、例えば、サンプル処理中に一定量の粒子が失われると疑われるまたは分かっている場合、閾値は、既知のまたは疑われるビーズ損失を担うように設定することができる。
II. インキュベーション、細胞溶解および粒子の検出
ビーズ粒子のような、粒子の存在、非存在、数、量、または濃度を検出するために本明細書において提供される方法は、1つもしくは複数の粒子(例えばビーズ粒子)を含むことが分かっているまたは潜在的に含むサンプル中の細胞を溶解する1つまたは複数の段階を含む。いくつかの態様において、サンプルは、粒子、例えばビーズ粒子を含むまたは潜在的に含む細胞組成物の少なくとも一部分を含む。特定の態様において、本明細書において提供される方法は、例えば、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプル中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を判定することによって、細胞組成物中に存在する粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定するための1つまたは複数の段階を含む。ある種の態様において、本明細書において提供される方法は、1つもしくは複数の粒子(例えばビーズ粒子)を含むことが分かっているまたは潜在的に含むサンプル中の細胞を溶解する1つまたは複数の段階およびサンプル中の粒子の存在、非存在、数、量、または濃度を検出する段階を含む。
A. インキュベーションおよび細胞溶解
いくつかの態様において、粒子(例えば本明細書のセクションIIIに記述された細胞組成物のような)を含むもしくは潜在的に含む細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはそのような細胞組成物に由来するサンプル中の細胞は、サンプル中の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件(例えば1つまたは複数の条件)に細胞を曝露するために混合、インキュベート、接触または再懸濁される。いくつかの態様において、細胞のサンプルは細胞の懸濁液として提供され、本方法は細胞の溶解を誘導する1つまたは複数の条件に細胞の懸濁液を供する段階を含む。いくつかの態様において、溶解方法は、粒子を容易に同定、可視化および/または検出できるように、粒子を無傷に維持するものである。いくつかの態様において、溶解方法は、コーティングまたは粒子の表面を破壊せず、これが、場合によっては、その検出を容易にすることができる。
場合によっては、1つまたは複数の条件はサンプル中の細胞の浸透圧溶解を誘導する。いくつかの態様において、本方法は、細胞内の浸透圧の変化を生み出す1つまたは複数の条件と1つまたは複数の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)を含むまたは含みうる細胞のサンプルを混合、インキュベート、曝露、接触または再懸濁し、サンプル中の相当数の細胞が溶解するように水を細胞内に移動させる浸透圧不均衡を生じさせる段階を伴う。細胞内の浸透圧に変化を生じさせるために、種々の公知の技法を用いることができる。本方法のいくつかの局面において、細胞のサンプルが提供され、細胞を低張溶液と混合、インキュベート、曝露、接触または再懸濁することにより浸透圧溶解が誘導されて、通常は生理的オスモル濃度未満のような、細胞内部のオスモル濃度未満に低減されているオスモル濃度を有する低張細胞懸濁液が得られる。典型的には、細胞が曝露される生理的オスモル濃度はおよそ、290 mOsm/L〜300 mOsm/Lである。通常、細胞培地および他の細胞緩衝液は、血清の生理的オスモル濃度を模倣するためになど、270 mOsm/L〜330 mOsm/Lのオスモル濃度を維持するようにデザインされる。したがって、細胞の低張溶液への曝露によって引き起こされるオスモル濃度の変化、および溶液中で混合、接触または懸濁された細胞内の浸透圧の結果的な変化は、粒子(例えばビーズ粒子)を無傷のままにしながら、組成物中の細胞の実質的に全ての溶解をもたらすことができる。
いくつかの局面において、細胞の全体積が元の体積のおよそ150%に膨潤する場合、細胞型および他の要因によって多少その割合は変わることもあるが、細胞は典型的には浸透圧のために溶解する(Kinosita et al. (1977) Proc. Natl. Acad. Sci., 74:1923-7)。いくつかの態様において、本方法は、標準的な生理的オスモル濃度条件下の場合に懸濁液中の細胞の全体積膨張が細胞体積の約150%を超えるように低張細胞懸濁液のオスモル濃度が十分に低減されるような低張溶液に、標準的なオスモル濃度(例えば270 mOsm/L〜330 mOsm/L)を有する細胞の懸濁液のような、サンプルを供する段階を含む。通常、得られる低張細胞懸濁液のオスモル濃度の低減をもたらすための低張溶液の特定のオスモル濃度は、サンプル中の特定の細胞型、サンプル中の細胞の密度、得られる低張細胞懸濁液の体積、インキュベーションの長さ、インキュベーションの温度および当業者に公知の他の要因に基づくなど、実験的に判定することができる。場合によっては、核対細胞直径の比が小さい細胞は、核対細胞直径がより大きい細胞よりもはるかに高いオスモル濃度で溶解しうる(公開PCT出願番号WO1999054439)。
いくつかの態様において、例えば、細胞をペレットに遠心分離して上清を捨てた後、またはろ過膜上に細胞を収集した後に得られるように、低張溶液を無溶液細胞サンプルに添加する。あるいは、無溶液細胞サンプル(またはその一部)が低張溶液に添加されてもよい。上記の両方の場合において、低張溶液を細胞と混合して、低張条件下で細胞を懸濁させる低張細胞懸濁液を得ることができる。いくつかの態様において、低張細胞懸濁液を形成するために、所定の量の低張溶液が標準的な生理的オスモル濃度溶液(例えば標準的な細胞培地または緩衝液)中に懸濁された細胞に添加される。そのような態様において、細胞の初期懸濁液のオスモル濃度と比較して低減されたオスモル濃度を有する低張細胞懸濁液をもたらすために、所定のオスモル濃度を有する低張溶液の所定の量を細胞懸濁液、と混合するなど、分注する(または、同等に、細胞懸濁液を低張溶液に分注もしくは混合してもよい)。
いくつかの態様において、低張溶液は、細胞内の浸透圧の変化をもたらすために細胞または細胞懸濁液と混合することができる任意の液体である。いくつかの態様において、低張溶液は、それが接触、混合または懸濁される細胞のオスモル濃度とは異なるオスモル濃度を有する限り、低張溶液には溶媒もしくは溶媒の混合物、概ね純粋な溶媒(例えば蒸留脱イオン水)、または本質的に純粋な溶媒の混合物中に1つまたは複数の溶質を含む溶液を含めることができるが、これらに限定されることはない。通常、低張溶液は、細胞または細胞懸濁液と接触、混合または懸濁されると、低張である溶液オスモル濃度を有する細胞の懸濁液をもたらすことができるものである。
いくつかの態様において、低張溶液は溶質を含まない。いくつかの態様において、低張溶液は、蒸留/脱イオン水(DDI水)のような、注射用滅菌水であってよい。
いくつかの態様において、低張溶液は溶質の存在下であるか、または溶質の存在下で処方されることができる。いくつかの態様において、低張溶液中に存在する溶質の濃度は、低張溶液のオスモル濃度または得られる低張細胞懸濁液のオスモル濃度が、通常270 mOsm/L未満のような、生理的オスモル濃度未満であるようなものである。場合によっては、存在できる溶質は、標準的な細胞培地または緩衝液中のような、標準的な試薬中に存在しうる任意のものを含む。いくつかの態様において、低張溶液中の溶質は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化アンモニウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムのような塩、ならびにデキストロース、グルコースおよびスクロースのような糖を含むことができる。いくつかの態様において、溶質は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)および他の標準的な細胞培地のような、標準的な培地中で提供されるまたは標準的な培地中に存在するものであってよく、これは通常、約300 mOsm/Lの標準的な生理的オスモル濃度を有する。いくつかの態様において、低張溶液は、溶媒を用いた、PBSもしくはIMDMのような、溶質提供媒体もしくは緩衝液の希釈によって得ることができる。場合によっては、蒸留/脱イオン水をそのような希釈用の溶媒として用いることができる。低張溶液のpHは必要に応じて、一般的には、本明細書において記述される粒子に損傷を与えないpHに調整することができる。
いくつかの態様において、低張溶液は、0 mM〜140 mMまたは約0 mM〜140 mMの溶質濃度を含む。いくつかの態様において、低張溶液は、140 mM、100 mM、50 mMもしくは10 mM未満または約140 mM、100 mM、50 mMもしくは10 mM未満の溶質濃度を含む。
本明細書のいくつかの態様において、低張溶液は、約0%〜約0.8%または約0%〜約0.5%の重量パーセント(%w/v)の溶質を含む。いくつかの態様において、低張溶液は、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満または約0.2%未満の重量パーセント(%w/v)の溶質を含む。
態様のいくつかにおいて、低張溶液または得られる低張細胞懸濁液は、約0 mOsm/L〜200 mOsm/L、0 mOsm/L〜140 mOsm/L、0 mOsm/L〜100 mOsm/L、10 mOsm/L〜200 mOsm/L、10 mOsm/L〜140 mOsm/L、10 mOsm/L〜100 mOsm/L、50 mOsm/L〜200 mOsm/L、50 mOsm/L〜140 mOsm/L、50 mOsm/L〜100 mOsm/L、100 mOsm/L〜200 mOsm/L、100 mOsm/L〜140 mOsm/Lまたは140 mOsm/L〜200 mOsm/Lのような、約0 mOsm/L〜約270 mOsm/Lのオスモル濃度を有する。いくつかの態様において、低張溶液または得られる低張細胞懸濁液は、約270 mOsm/L未満、約250 mOsm/L未満、約225 mOsm/L未満、約200 mOsm/L未満、約175 mOsm/L未満、約150 mOsm/L未満、約140 mOsm/L未満、約125 mOsm/L未満、約100 mOsm/L未満、約75 mOsm/L未満、約50 mOsm/L未満、約25 mOsm/L未満、または約10 mOsm/L未満のオスモル濃度を有する。
いくつかの態様において、浸透圧溶解は細胞膜前後の溶質濃度の差によって促進されるので、溶血の程度は高張条件下での細胞のインキュベーション時間に関連することができる。いくつかの態様において、提供される方法は、通常90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%超または最大100%の細胞が溶解されるような、実質的に全ての細胞が溶解される十分な時間、低張細胞懸濁液の1回または複数回のインキュベーション(例えば、1回、2回、3回などのインキュベーション)を伴う。いくつかの態様において、細胞または細胞懸濁液を低張溶液と混合、混和または懸濁した後に、得られる低張細胞懸濁液を30秒〜30分、1分〜20分、1分〜10分、1分〜5分、15分〜3時間、15分〜2時間、15分〜1時間、15分〜30分、30分〜3時間、30分〜2時間、30分〜1時間、1時間〜3時間、1時間〜2時間または2時間〜3時間のような、30秒〜5時間または約30秒〜5時間インキュベートする。いくつかの態様において、細胞または細胞懸濁液を低張溶液と混合、混和または懸濁した後に、得られる低張細胞懸濁液を少なくとももしくは少なくとも約30秒、少なくとももしくは少なくとも約1分、少なくとももしくは少なくとも約2分、少なくとももしくは少なくとも約3分、少なくとももしくは少なくとも約4分、少なくとももしくは少なくとも約5分、少なくとももしくは少なくとも約10分、少なくとももしくは少なくとも約15分、少なくとももしくは少なくとも約20分、少なくとももしくは少なくとも約30分、少なくとももしくは少なくとも約1時間、少なくとももしくは少なくとも約2時間または少なくとももしくは少なくとも約3時間インキュベートする。いくつかの態様において、1回または複数回のインキュベーション中に、細胞を低張溶液との懸濁液または混合物中に維持するために、細胞を混合または穏やかに振とうすることができる。
いくつかの態様において、低張細胞懸濁液の1回または複数回のインキュベーション中のような、溶解(例えば、浸透圧溶解)は、0℃〜50℃または約0℃〜50℃の温度で行われる。いくつかの態様において、細胞もしくは細胞懸濁液または溶解された細胞組成物(例えば、低張溶液および/または高張溶液の存在下で予め溶解された)と低張溶液との1回または複数回のインキュベーションは、0℃〜50℃または約0℃〜50℃の温度で行われる。いくつかの態様において、温度は、冷蔵温度(例えば2℃〜8℃)、周囲温度(例えば、16℃〜25℃)または生理学的温度(例えば35℃〜38℃)に関連する特定の範囲であってよい。いくつかの態様において、温度は、約15℃〜約30℃、約18℃〜約28℃または約20℃〜約25℃である。いくつかの態様において、温度は少なくとも4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃でありまたは少なくとも約4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃でありあるいは4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃でありまたは約4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃である。
いくつかの態様において、溶解をもたらす細胞膨潤は、特にインキュベーションの長さにわたって、低張細胞懸濁液の有効なオスモル濃度を変化させうる細胞の細胞内成分(例えばDNA、細胞質)の放出をもたらすことができる。場合によっては、細胞密度が非常に高い場合、そのような細胞内種の放出は低張細胞懸濁液の有効なオスモル濃度を変化させることができる。いくつかの態様において、低張溶液を混和、混合または使用してサンプル中の細胞を再懸濁し、細胞密度が2×107細胞/mL未満もしくは約2×107細胞/mL未満、1×107細胞/mL未満もしくは約1×107細胞/mL未満、5×106細胞/mL未満もしくは約5×106細胞/mL未満、1×106細胞/mL未満もしくは約1×106細胞/mL未満、5×105細胞/mL未満もしくは約5×105細胞/mL未満、または1×105細胞/mL未満もしくは約1×105細胞/mL未満である低張細胞懸濁液をもたらす。いくつかの態様において、低張細胞懸濁液は、1×104細胞/mL〜1×107細胞/mL、1×104細胞/mL〜1×106細胞/mL、または1×106細胞/mL〜2×107細胞/mLのような、1×102細胞/mL〜2×107細胞または約1×102細胞/mL〜2×107細胞である密度を有する。
いくつかの態様において、インキュベートされる低張細胞懸濁液の量は、1 mL〜500 mL、1 mL〜250 mL、1 mL〜100 mL、1 mL〜50 mL、1 mL〜10 mL、1 mL〜5 mL、5 mL〜500 mL、5 mL〜250 mL、5 mL〜100 mL、5 mL〜50 mL、5 mL〜10 mL、10 mL〜500 mL、10 mL〜250 mL、10 mL〜100 mL、10 mL〜50 mL、50 mL〜500 mL、50 mL〜250 mL、50 mL〜100 mL、100 mL〜500 mL、100 mL〜250 mLまたは250 mL〜500 mLのような、1 mL〜1000 mLである。いくつかの態様において、低張細胞懸濁液の量は少なくともまたはおよそ少なくとも1 mL、5 mL、10 mL、25 mL、50 mL、75 mL、100 mL、200 mL、300 mL、400 mL、または500 mLである。いくつかの態様において、必要に応じて細胞溶解を最適化するために、必要に応じて試薬(例えば低張溶液)の量を調整することができる。例えば、より高い細胞数が用いられる場合、それに応じて試薬量および総量をスケールアップすることができる。
いくつかの態様において、さらにまたあるいは、サンプル中の細胞の溶解を誘導するための1つまたは複数の条件は、サンプル中の細胞の原形質分離を誘導するもしくは引き起こす任意のものを含み、かつ/または細胞もしくは細胞懸濁液を高張溶液と混合、インキュベート、曝露、接触または再懸濁することを伴う。いくつかの態様において、高張溶液は、細胞を異常浸透から膨潤させ、次いで細胞の内壁に過度の圧力をかけて破裂させ、かくして死滅させることによって、1つまたは複数の細胞の溶解(内部破裂による死滅)を引き起こすことができる。いくつかの態様において、本方法は、細胞の懸濁液を含むサンプルのようなサンプルを、高張溶液とのインキュベーションまたは接触の前に細胞懸濁液または細胞の内部よりも大きいまたは高いオスモル濃度を有する高張溶液に供し、それによって細胞を異常浸透から膨潤させ、内部破裂を引き起こす段階を含む。通常、得られる高張細胞懸濁液のオスモル濃度の増加をもたらすための高張溶液の特定のオスモル濃度は、高張溶液との接触またはインキュベーション前の細胞または細胞懸濁液のオスモル濃度(例えば細胞または細胞懸濁液が低張溶液と事前にインキュベートまたは接触されている場合)、サンプル中の特定の細胞型、サンプル中の細胞の密度、得られる高張細胞懸濁液の体積、インキュベーションの長さ、インキュベーションの温度および当業者に公知の他の要因に基づくなど、実験的に判定することができる。
いくつかの態様において、細胞溶解を誘導するための1回または複数回のインキュベーション(例えば低張溶液とのインキュベーションによる)は、サンプル中の粒子の存在、非存在、数または濃度を測定、判定または評価するためのアウトプット組成物として直接評価できる溶解細胞組成物をもたらす。他の態様において、溶解細胞組成物は、サンプル中の粒子の存在、非存在、数または濃度を測定、判定または評価するための得られるアウトプット組成物を得る前に、1回または複数回のさらなるインキュベーション、すすぎおよび/または洗浄によってさらに処理される。例えば、場合によっては、低張溶液との細胞サンプルのインキュベーションは、溶解細胞組成物中の粒子の存在または数の判定を妨げうる細胞残屑を生成しうる低張溶解を引き起こしうる。いくつかの態様において、低張溶解後、本方法は、溶解サンプル中に存在する粒子(例えばビーズ粒子またはミクロスフェア)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定する前に、低張溶解細胞組成物中の細胞残屑を低減、軽減または除去する段階をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書において記述される溶解細胞組成物中の細胞残屑を低減、軽減または除去するために提供される方法との関連で高張溶液とのインキュベーションを利用することができる。いくつかの態様において、溶解細胞組成物中の細胞残屑を低減または除去する段階は、以下を含むことができる:(i)高張溶液の存在下で、低張溶解細胞組成物のような、溶解細胞組成物を接触またはインキュベートし、それによってアウトプット組成物を生成する段階; および(ii)アウトプット組成物をすすぎまたは洗浄する段階であって、細胞残屑が低減または除去される、段階。いくつかの態様において、本明細書において提供されるのは、(i)サンプルを低張溶液とインキュベートするかまたは接触させ、それによって溶解細胞組成物(または低張溶解細胞組成物)を生成する段階; (ii)溶解細胞組成物を高張溶液とインキュベートするかまたは接触させ、それによってアウトプット組成物を生成する段階; (iii)任意でアウトプット組成物をすすぐかまたは洗浄する段階; ならびにアウトプット組成物または洗浄された/すすがれたアウトプット組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定する段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するためのような、細胞組成物のサンプル中の粒子(例えばビーズ粒子またはミクロスフェア)の存在または非存在を検出する方法である。
いくつかの態様において、例えば、細胞をペレットに遠心分離して上清を捨てた後、またはろ過膜上に細胞を収集した後に得られるように、高張溶液を無溶液細胞サンプルに添加する。あるいは、無溶液細胞サンプル(またはその一部)が高張溶液に添加されてもよい。上記の両方の場合において、高張溶液を細胞と混合して、高張条件下で細胞を懸濁させる高張細胞懸濁液を得ることができる。いくつかの態様において、高張細胞懸濁液は、標準的な生理的オスモル濃度溶液(例えば標準的な細胞培地もしくは緩衝液)中に懸濁された細胞または低張溶液中に懸濁された細胞(例えば低張溶解細胞組成物)のような、より低いオスモル濃度を有する細胞懸濁液に添加することによって形成される。そのような態様において、高張溶液の添加前に細胞の初期懸濁液のオスモル濃度と比較して増加したまたはより大きいオスモル濃度を有する高張細胞懸濁液をもたらすために、所定のオスモル濃度を有する高張溶液の所定の量を細胞懸濁液、と混合するなど、分注する(または、同等に、細胞懸濁液を高張溶液に分注もしくは混合してもよい)。
いくつかの態様において、高張溶液のオスモル濃度は、通常300 mOsm/L超または約300 mOsm/L超であるような、細胞の生理的オスモル濃度よりも大きい。いくつかの態様において、高張溶液は、細胞の内部と比較してより高い溶質濃度を有する任意の溶液であってよい。いくつかの態様において、高張溶液は、溶解細胞組成物中の細胞残屑を低減または除去するのに有効である適切な溶質濃度を有する。
いくつかの態様において、高張溶液で用いるための溶質は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化アンモニウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムのような塩、ならびにデキストロース、グルコースおよびスクロースのような糖を含むが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、本明細書において記述される方法で用いるための高張溶液は、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、またはクエン酸ナトリウムのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの態様において、高張溶液は塩化ナトリウムを含む。いくつかの態様において、高張溶液はスクロースを含む。高張溶液は、限定されるものではないが、緩衝剤(例えばHEPES)およびプロテアーゼ阻害剤のような、さらなる薬剤を含みうる。高張溶液のpHは必要に応じて、好ましくは、本明細書において記述される非細胞粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)に損傷を与えないpHに調整することができる。
いくつかの態様において、高張溶液は、約1.5%〜約15%または約2.5%〜約12%の重量パーセント(%w/v)の溶質を含む。いくつかの態様において、高張溶液は、約1.5%超、約2.5%超、約3.0%超、約3.5%超、約4.0%超、約4.5%超、約5.0%超、約5.5%超、約6.0%超、約6.5%超、約7.0%超、約7.5%超、約8.0%超、約8.5%超、約9.0%超、または約9.5%超、しかし約10.0%を超えない重量パーセント(%w/v)の溶質を含む。
いくつかの態様において、高張溶液は、約300 mOsm/L〜約5000 mOsm/L、約300 mOsm/L〜約4000 mOsm/L、約300 mOsm/L〜約3000 mOsm/L、約300 mOsm/L〜約2000 mOsm/L、約300 mOsm/L〜約1000 mOsm/L、約1000 mOsm/L〜約5000 mOsm/L、約1500 mOsm/L〜約5000 mOsm/L、約2000 mOsm/L〜約5000 mOsm/L、約2500 mOsm/L〜約5000 mOsm/L、約3000 mOsm/L〜約5000 mOsm/L、約3500 mOsm/L〜約5000 mOsm/L、約4000 mOsm/L〜約5000 mOsm/L、約1000 mOsm/L〜約3000 mOsm/L、もしくは約1000 mOsm/L〜約2000 mOsm/Lまたは約1800 mM〜約2000 mMのオスモル濃度を有する。
いくつかの態様において、高張溶液は、約300 mOsm/L超、約400 mOsm/L超、約500 mOsm/L超、約600 mOsm/L超、約700 mOsm/L超、約800 mOsm/L超、約900 mOsm/L超、約1000 mOsm/L超、約1200 mOsm/L超、約1400 mOsm/L超、約1500 mOsm/L超、約1600 mOsm/L超、約1800 mOsm/L超、約2000 mOsm/L超、約2500 mOsm/L超、約3000 mOsm/L超、または約4000 mOsm/L超のオスモル濃度を有する。
いくつかの態様において、細胞または細胞懸濁液または溶解細胞組成物(例えば低張溶液の存在下で事前に溶解された)を高張溶液と混合、混和または懸濁した後に、得られる高張細胞懸濁液組成物を30秒〜30分、1分〜20分、1分〜10分、1分〜5分、15分〜3時間、15分〜2時間、15分〜1時間、15分〜30分、30分〜3時間、30分〜2時間、30分〜1時間、1時間〜3時間、1時間〜2時間または2時間〜3時間のような、30秒〜5時間または約30秒〜5時間インキュベートする。いくつかの態様において、細胞または細胞懸濁液または溶解細胞組成物(例えば低張溶液の存在下で事前に溶解された)を高張溶液と混合、混和または懸濁した後に、得られる高張細胞懸濁液を少なくとももしくは少なくとも約30秒、少なくとももしくは少なくとも約1分、少なくとももしくは少なくとも約2分、少なくとももしくは少なくとも約3分、少なくとももしくは少なくとも約4分、少なくとももしくは少なくとも約5分、少なくとももしくは少なくとも約10分、少なくとももしくは少なくとも約15分、少なくとももしくは少なくとも約20分、少なくとももしくは少なくとも約30分、少なくとももしくは少なくとも約1時間、少なくとももしくは少なくとも約2時間または少なくとももしくは少なくとも約3時間インキュベートする。いくつかの態様において、インキュベーション中に、細胞を高張溶液との懸濁液または混合物中に維持するために、細胞を混合または穏やかに振とうすることができる。
いくつかの態様において、細胞または細胞懸濁液または溶解細胞組成物(例えば低張溶液の存在下で事前に溶解された)を高張細胞溶液と接触またはインキュベートすることは、0℃〜50℃または約0℃〜50℃の温度で行われる。いくつかの態様において、温度は、冷蔵温度(例えば2℃〜8℃)、周囲温度(例えば、16℃〜25℃)または生理学的温度(例えば35℃〜38℃)に関連する特定の範囲であってよい。いくつかの態様において、温度は、約15℃〜約30℃、約18℃〜約28℃または約20℃〜約25℃である。いくつかの態様において、温度は少なくとも4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃でありまたは少なくとも約4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃でありあるいは4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃でありまたは約4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃である。
いくつかの態様において、細胞溶解および/または本明細書において記述される溶解細胞組成物からの細胞残屑の除去を最適化するために、必要に応じて高張溶液の量を選択または調整することができる。例えば、より高い細胞数が用いられる場合、それに応じて試薬量および総量をスケールアップすることができる。いくつかの態様において、インキュベートされる高張細胞懸濁液の量は、1 mL〜500 mL、1 mL〜250 mL、1 mL〜100 mL、1 mL〜50 mL、1 mL〜10 mL、1 mL〜5 mL、5 mL〜500 mL、5 mL〜250 mL、5 mL〜100 mL、5 mL〜50 mL、5 mL〜10 mL、10 mL〜500 mL、10 mL〜250 mL、10 mL〜100 mL、10 mL〜50 mL、50 mL〜500 mL、50 mL〜250 mL、50 mL〜100 mL、100 mL〜500 mL、100 mL〜250 mLまたは250 mL〜500 mLのような、1 mL〜1000 mLである。いくつかの態様において、高張細胞懸濁液の量は少なくともまたはおよそ少なくとも1 mL、5 mL、10 mL、25 mL、50 mL、75 mL、100 mL、200 mL、300 mL、400 mL、または500 mLである。
本明細書のいくつかの態様において、溶解(例えば低張および/または高張溶解)を行った後に、アウトプット組成物を処理して粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)を、細胞組成物中に存在しうる他の材料または残屑から洗浄、すすぎおよび/または分離する。いくつかの態様において、溶解(例えば低張および/または高張溶解)を行った後に、アウトプット組成物を処理して、存在する場合、アウトプット組成物中の任意の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)をペレット化する。組成物中の粒子をペレット化するための方法は、当技術分野において周知である。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、存在する場合、任意の粒子をペレット化するのに十分な遠心分離速度にて遠心分離機内で回転させることができる。いくつかの態様において、遠心分離速度は、そのような粒子に損傷を与えることなく粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)をペレット化するのに十分である。いくつかの態様において、遠心分離機のモデルおよび/または遠心分離機のロータ半径を考慮に入れるように遠心分離速度を調整することができる。いくつかの態様において、遠心分離は、通常少なくともまたはおよそ少なくとも400×g、450×g、500×g、または600×gのような、200×g〜1000×gまたは約200×g〜1000×gの速度である。遠心分離は、粒子をペレット化するのに十分な時間進行することができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、通常1分〜30分、1分〜15分または1分〜5分、例えば、少なくともまたは少なくとも約1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分または30分のような、1分〜60分遠心分離される。
いくつかの態様において、ペレット化後、アウトプット組成物の量は、上清溶液を完全にまたは部分的に除去することによるような、必要に応じて調整することができる。いくつかの態様において、ペレット化後、上清の全てまたは実質的に全てを除去し、新鮮な緩衝液または培地と交換して所望の量にすることができる。通常、緩衝液または媒体は、粒子と適合性であり、かつ/またはその後の粒子の可視化または検出を妨げない任意のものであってよい。他の態様において、ペレット化後、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在または数を判定する前に、アウトプット組成物の量を(例えば、遠心分離されたアウトプット組成物におけるある量の上清を除去することによりまたは遠心分離されたアウトプット組成物の量もしくは全体を低減することにより)所望の量に低減させることができる。いくつかの態様において、ペレット化(例えば遠心分離)の前のアウトプット組成物の量と比較して約100%未満しかし約50%、約60%、約70%、約80%、約90%または約95%だけ、アウトプット組成物の量を低減させることができる。
いくつかの態様において、アウトプット組成物からの上清の交換、低減または除去は、粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定する前にアウトプット組成物のすすぎまたは洗浄をもたらす。いくつかの態様において、アウトプット組成物からの上清の交換、低減または除去は、粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を判定する前に、アウトプット組成物の濃縮または希釈(適宜)をもたらす。いくつかの態様において、ペレット化(例えば遠心分離による)およびアウトプット組成物の上清の交換、洗浄、または除去は、複数回繰り返すことができる。
いくつかの態様において、上清を交換、低減または除去した後のアウトプット組成物の総量は、サンプル中の粒子の検出を可能にする(例えば、濃縮されすぎていない)量である。いくつかの態様において、所望の量は、本方法の1回または複数回のインキュベーション前のサンプルとほぼ同じまたは同じである。いくつかの態様において、量は、0.5 mL〜50 mL、0.5 mL〜25 mL、0.5 mL〜10 mL、0.5 mL〜5 mL、0.5 mL〜1 mL、1 mL〜50 mL、1 mL〜25 mL、1 mL〜10 mL、1 mL〜5 mL、5 mL〜50 mL、5 mL〜25 mL、5 mL〜10 mL、10 mL〜50 mL、10 mL〜25 mLもしくは25 mL〜50 mLまたは約0.5 mL〜50 mL、0.5 mL〜25 mL、0.5 mL〜10 mL、0.5 mL〜5 mL、0.5 mL〜1 mL、1 mL〜50 mL、1 mL〜25 mL、1 mL〜10 mL、1 mL〜5 mL、5 mL〜50 mL、5 mL〜25 mL、5 mL〜10 mL、10 mL〜50 mL、10 mL〜25 mLもしくは25 mL〜50 mLのような、0.25 mL〜50 mLまたは約0.25 mL〜50 mLである。いくつかの態様において、量は、少なくともまたは少なくとも約0.5 mL、1 mL、1.5 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、10 mL、15 mL、20 mL、30 mL、40 mLまたは50 mLである。
B. 粒子をカウントする方法
いくつかの態様において、アウトプット組成物中に存在する粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度が判定される。アウトプット組成物、例えば、溶解方法が行われた後のサンプル中の粒子の存在(例えば濃度もしくは数)を決定するためのおよび/または粒子を検出するための方法は、当技術分野において周知の技法を用いて行うことができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定するための方法は、手動カウンティング、電子カウンティング、顕微鏡法(例えば蛍光顕微鏡法)、親和性に基づく検出、または選別(例えば磁性ビーズ選別)を含むことができる。そのような方法で用いるための技法は、フローサイトメトリー(例えば、蛍光活性化細胞選別(FACS))、分光光度法、明視野顕微鏡法(例えば、血球計を用いる)、位相差顕微鏡法、蛍光顕微鏡法および電子顕微鏡法のような顕微鏡法、ならびにバイオセンサアレイを含むが、これらに限定されることはない。Giouroudi et al., Int J Mol Sci., 2013, 14(9):18535-18556を参照されたい。
いくつかの態様において、この技法は手動または自動であってよい。
場合によっては、そのような技法を用いて粒子カウント(例えばビーズカウント)を得ることができ、粒子カウントを繰り返すことができる。粒子カウントを繰り返した後に、得られた粒子カウントを平均することができ、標準偏差を判定することができる。
いくつかの態様において、本明細書において記述される方法の段階(a)において産生されたアウトプット組成物のような、アウトプット組成物は、本明細書において記述される方法の段階(b)における粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を判定する前に1つまたは複数の処理段階によって調製することができる。場合によっては、アウトプット組成物の1つまたは複数の処理段階は、分離、遠心分離、洗浄、および/またはインキュベーションを伴う。
いくつかの態様において、アウトプット組成物は、粒子を検出する試薬とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、親和性に基づく方法または技法を用いて、本明細書において記述される方法の段階(b)において粒子を検出および/または計数することができる。いくつかの局面において、提供される方法は、粒子に付着した、粒子を呈するまたはそれ以外の方法で粒子に関連する任意の材料、部分または分子を変化させずまたは実質的に変化させず、それにより、そのような材料、部分または分子を特異的に結合または認識する結合剤(例えば抗体、リガンドまたは他の結合分子)を用いたそのような材料、部分または分子の直接的または間接的検出を可能にする。いくつかの態様において、結合剤は抗体またはその抗原結合断片である。例えば、結合剤は、粒子のコーティング上の多糖類(例えば、デキストラン、アミノ-デキストランなど)、粒子に付着した生体分子(例えば抗体)または粒子上に存在するおよび/もしくは粒子に関連する他の材料もしくは部分のような、粒子上の材料を認識する抗体またはその抗原結合断片でありうる。いくつかの態様において、粒子上の材料もしくは粒子に関連する材料および/またはアウトプット組成物の粒子中の粒子に付着した生体分子の結合剤による検出の程度または水準は、平均で、実質的に同じまたは同じ粒子を含むが、しかし提供される方法によって1回または複数回のインキュベーションに曝露または供されなかった参照組成物における、平均での、結合剤による同じ材料または生体分子の検出の程度または水準の少なくともまたはおよそ少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上である。いくつかの態様において、粒子上の材料もしくは粒子に関連する材料および/またはアウトプット組成物の粒子中の粒子に付着した生体分子の結合剤による検出の程度または水準は、平均で、実質的に同じまたは同じ粒子を含むが、しかし提供される方法によって1回または複数回のインキュベーションに供される代わりに漂白剤で処理された参照組成物における、平均での、結合剤による同じ材料または生体分子の検出の程度または水準よりも約またはおよそ少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、またはそれ以上高い。
いくつかの態様において、結合剤は、粒子のコーティング上のような、粒子上の重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、および/または炭素に結合する。いくつかの態様において、結合剤は、粒子コート上に存在する多糖類に結合する抗体またはその抗原結合断片であってよい。いくつかの態様において、多糖類はデキストランまたはアミノ-デキストランであってよく、結合剤は抗デキストラン抗体もしくは抗アミノ-デキストラン抗体またはその抗原結合断片であってよい。いくつかの態様において、結合剤は、粒子のコーティングにコンジュゲート、連結および/またはカップリングされた生体分子のような、粒子にコンジュゲート、連結および/またはカップリングされた生体分子に結合する。いくつかの態様において、生体分子は、核酸(例えばDNA)、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合断片、抗原、または本明細書において記述される任意の他の生体分子である。
いくつかの態様において、結合剤は、粒子に付着した生体分子を検出するものであってよい。いくつかの態様において、生体分子は抗体(例えば、抗CD3抗体および/もしくは抗CD28抗体または本明細書において記述のもしくは当技術分野において公知の他の抗体)である。いくつかの態様において、生体分子を検出するための結合剤(例えば抗体)は、粒子の表面上の抗体に対する抗イディオタイプ抗体である。いくつかの態様において、生体分子を検出するための結合剤(例えば抗体)は、抗体の重鎖または軽鎖のクラス、サブクラス、タイプまたはサブタイプに対する抗アイソタイプ抗体である。いくつかの態様において、結合剤は、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3またはIgG4に対するものなどの、IgGクラスを認識または特異的に結合する抗体である。いくつかの態様において、生体分子は、マウス、ウサギ、ラット、ヤギ、ヒツジ、ロバまたはヒト抗体である抗体であり、結合剤はそのような種を認識する(例えば、生体分子はマウス抗体であり、親和性試薬は抗マウスIgG1、抗マウスIgG2aなどである)。
いくつかの態様において、結合剤は、例えば、蛍光色素、蛍光タンパク質、金粒子、銀粒子、アウトプット組成物中の粒子と比較して異なる散乱スペクトルを有する粒子、ポリペプチド(例えば、FLAG(商標)タグ、ヒトインフルエンザ血球凝集素(HA)タグなど)、酵素、ストレプトアビジン、ビオチン、化学発光基質、およびその標的に結合した親和性試薬を可視化または検出するために用いられる当技術分野において周知の他の標識で標識されうる。
いくつかの態様において、以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する方法が提供される:(a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、(i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルをインキュベートすることを含み、ここで粒子がコートおよび/またはコートもしくは粒子に付着した1つもしくは複数の生体分子を含む、段階; ならびに(b)粒子の表面上の材料(例えば多糖類)および/または粒子に付着した生体分子に特異的に結合する結合剤を用いてアウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによってアウトプット組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。いくつかの態様において、結合剤は抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、粒子は、デキストランを含有するコートを含み、結合剤は抗デキストラン抗体である。いくつかの態様において、粒子は、抗体(例えばマウス抗体)を含有するコートを含み、結合剤は抗体(例えば抗マウス抗体)である。いくつかの態様において、粒子は、ストレプトアビジンを含有するコートを含み、結合剤は抗ストレプトアビジン抗体またはビオチン化分子である。
1つまたは複数の処理段階の例として、アウトプット組成物は粒子を含んでもよく、ここで1つまたは複数の粒子は、多糖類(例えばデキストラン)および/または細胞表面タンパク質に対する1つもしくは複数の抗体生体分子(例えば抗CD3、抗CD28または他の抗体生体分子)を含むコートをさらに含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、細胞残屑を除去または低減するために洗浄および/または遠心分離される。アウトプット組成物はその後、結合剤を多糖類または生体分子に結合させるのに十分な条件の下で、多糖類(例えばデキストラン)を認識する結合剤(例えば蛍光標識抗デキストラン抗体)および/または抗体生体分子(例えば抗CD3または抗CD28)を認識する結合剤(例えば蛍光標識抗アイソタイプ抗体)とともにインキュベートされうる。アウトプット組成物は、ヒト血清アルブミンのようなタンパク質を含む溶液などの、ブロッキング溶液とともにインキュベートすることができる。場合によっては、ブロッキング溶液は、結合剤による細胞組成物の他の成分への非特異的結合を防ぐのに役立つ。いくつかの態様において、結合剤とのインキュベーションの前に、それと同時にまたはその後に、アウトプット組成物はブロッキング溶液とともにインキュベートされうる。アウトプット組成物をさらに洗浄および/または遠心分離して、過剰の結合剤および/または粒子上の多糖類もしくは生体分子に特異的に結合していない結合剤を除去することができる。
いくつかの態様において、結合剤は、ウエスタンブロット、フローサイトメトリー(例えばFACS)、または顕微鏡法(例えば蛍光顕微鏡法)によるような親和性に基づく方法または技法による粒子の存在または非存在の検出を可能にする。いくつかの態様において、結合剤は、ウエスタンブロット、フローサイトメトリー(例えばFACS)、または顕微鏡法(例えば蛍光顕微鏡法)などの親和性に基づく方法または技術による粒子の数および/または濃度の計数または判定を可能にする。
いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、フローサイトメトリー装置(例えばBeckman Coulter Z2 Coulter Counter、Beckman Coulter Inc.)を用いた蛍光活性化細胞選別(FACS)による粒子(例えばビーズ粒子)カウンティングによるアウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度の判定を伴う。本明細書の態様のいくつかにおいて、FACSは、粒子の表面上に存在する多糖類(例えばデキストラン)または生体分子のような、材料または分子の検出による粒子の検出を可能にする。いくつかの態様において、FACsに基づく方法は、粒子の存在、非存在、数および/または判定を判定することができる前にフローサイトメトリーによる検出のためにアウトプット組成物を調製する段階を含む。例えば、粒子表面上に存在する1つまたは複数のマーカー(例えばデキストラン)に特異的な蛍光標識結合剤とともにアウトプット組成物をインキュベートすることができ、次いでフローサイトメーターを用いてサンプルを分析することができる。フローサイトメトリーでは、蛍光標識された親和性試薬によって結合された細胞および/または粒子が流体流中で運搬され、サイズおよび/または蛍光シグナルに基づいて分離され、続いてFACSソフトウェアプログラム(例えばFlowJoソフトウェア)を用いて分析およびカウントされる。粒子の数または概数は、蛍光シグナルの検出によって判定することができ、それを任意でFACSソフトウェアプログラムにより判定または処理して、アウトプット組成物中の粒子の総数または概数を提供することができる。
いくつかの態様において、サンプル中の粒子を判定または評価するための非親和性に基づく方法を利用することができる。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、自動細胞計数器(例えば、TC10自動細胞計数器, Bio-Rad Laboratories Inc.)を用いた粒子の検出によるアウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度の判定を伴う。そのような方法は、粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定することができる前に自動細胞計数器による検出のためにアウトプット組成物を調製する段階をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、顕微鏡(例えばOlympus IX70倒立顕微鏡)に適合されたような、血球計(例えば、Hausser Nageotte Bright-Line(商標)血球計, Fischer Scientific)を用いた粒子の検出によるアウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度の判定を伴う。いくつかの態様において、そのような方法は、粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定することができる前に、検出のためにアウトプット組成物を調製する段階をさらに含む。いくつかの態様において、血球計視野のグリッドまたは領域に存在する粒子を可視化および/またはカウントすることができ、これは、場合によっては、手動で実施することができる。一例として、例示的な血球計はHausser Nageotte Bright-Line(商標)血球計であり、これはおよそ40個の長方形を含み、およそ計または約50 μLの液体を保持する。血球計グリッドの、長方形の線に接触する粒子を含めて、40個の長方形の中で可視化された粒子をカウントして粒子カウントを得ることができる。
いくつかの態様において、同じサンプル(例えばアウトプット組成物)のアリコット量から、2回、3回、4回、5回またはそれ以上などの、複数回カウントを繰り返すことができ、複数のカウントを平均することができ、標準偏差を判定することができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物1 μLあたりの粒子数は、平均粒子カウントを血球計に添加されたサンプルの総量(例えば50 μL)で割ることによって計算することができる。いくつかの態様において、細胞組成物あたりの全粒子(例えばビーズ粒子)の平均、標準偏差および変動係数(100×(標準偏差/平均))は、少なくとも3つの複製サンプルから計算することができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物1 μLあたりの粒子数は、実施例1に記述されているように計算することができる。
いくつかの態様において、アウトプット組成物中で判定された粒子の数または濃度から、本方法は、溶解前のサンプルが導出されまたは得られた細胞組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を計算する段階をさらに含む。いくつかの態様において、サンプルが導出されまたは得られた細胞組成物中の全粒子(例えばビーズ粒子)の数を計算するために、アウトプット組成物中に存在すると判定された粒子の濃度(例えば1 μLあたりの粒子数)は、溶解方法を実施する前に、サンプルが導出されまたは得られた細胞組成物の量で乗算することができる。
III. 粒子および粒子を含有する細胞組成物の存在下で細胞を処理する方法
いくつかの態様において、提供される方法は、細胞組成物から導出されまたは得られるサンプル中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数および/または濃度を判定するために用いることができる。いくつかの態様において、細胞組成物は薬学的組成物であってよく、および/または対象への投与のために処方することができる。いくつかの態様において、サンプルは細胞組成物の少なくとも一部分を含む。いくつかの態様において、粒子の存在、非存在、数および/または濃度について評価されるサンプルは、細胞組成物の一部分を含み、または細胞組成物の一部分である。いくつかの態様において、サンプルは、細胞組成物の0.1%、0.25%、0.5%、0.75%、1%、1.5%、2%、2.5%、5.0%、10.0%、20.0%、30.0%、40.0%、または50.0%以下に相当する。
いくつかの態様において、細胞組成物は、細胞の集団中の1つまたは複数の細胞の濃縮、分離、選択、単離、刺激、活性化および/または増大のためのような、1つまたは複数の粒子(1つまたは複数のミクロスフェアまたはビーズ粒子のような)の存在下で処理された細胞調製物であってよい。いくつかの態様において、1つまたは複数の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)は、粒子を細胞の集団とインキュベートまたは接触することによるような、細胞と混合され、それによって細胞組成物を産生する。いくつかの態様において、1つまたは複数の粒子は集団中の1つまたは複数の細胞に結合することができる。いくつかの態様において、処理は、1つまたは複数の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)と特異的に会合している1つまたは複数の細胞を含むまたは潜在的に含む細胞組成物を産生する。
いくつかの態様において、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の、細胞集団とのインキュベーションまたは接触のような、混合は、集団中の細胞の濃縮、分離、選択、単離、活性化、刺激および/または増大を促進するかまたはもたらす。いくつかの態様において、典型的には、濃縮、分離、選択、単離、活性化、刺激および/または増大は、細胞集団中の1つまたは複数の細胞の表面上の1つまたは複数の巨大分子(例えば細胞表面受容体)と結合または係合するような、特異的に相互作用する粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の表面上に存在する1つまたは複数の巨大分子(例えば、抗体のようなタンパク質)の存在によって達成される。いくつかの態様において、粒子上の生体分子の提示は、細胞上のいくつかの巨大分子が、粒子上に存在する生体分子と結合または係合できる多価リガンドを生成することができる。いくつかの態様において、処理は、例えば、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)上の生体分子と細胞の表面上の巨大分子との間の特異的相互作用を介して、1つまたは複数の粒子と特異的に会合された1つまたは複数の細胞を含むまたは潜在的に含む細胞組成物を産生する。
いくつかの態様において、細胞組成物はインプット組成物からの1つまたは複数の粒子の除去に由来する。場合によっては、インプット組成物は、細胞の集団を1つまたは複数の粒子と混合することから産生される。いくつかの態様において、細胞組成物は、細胞の集団を1つまたは複数の粒子と混合して、細胞から1つまたは複数の粒子を除去することによってさらに処理されるインプット組成物を産生する段階を含む方法によって産生される。
いくつかの態様において、細胞組成物は、1つまたは複数の粒子の存在下で処理された細胞調製物であり、細胞調製物からの粒子の除去のための1つまたは複数の段階にさらに供される。場合によっては、粒子の除去は不完全であり、得られる細胞組成物は残留粒子を含む。いくつかの態様において、本明細書において提供される細胞組成物は、残留粒子を含むかまたは含むことが疑われる。
いくつかの態様において、細胞または細胞集団の活性化および/または増大のためのような、本明細書において提供される細胞組成物における粒子(例えばビーズ粒子)対細胞の比率は、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:14、1:16、1:18、1:20、1:25、1:30、1:35、1:40、1:45、1:50、2:1、2:2、2:3、2:4、2:5、2:6、2:7、2:8、2:9、2:10、3:1、3:2、3:3、3:4、3:5、3:6、3:7、3:8、3:9、3:10、4:1、4:2、4:3、4:4、4:5、4:6、4:7、4:8、4:9、4:10、5:1、5:2、5:3、5:4、5:5、5:6、5:7、5:8、5:9、5:10、6:1、6:2、6:3、6:4、6:5、6:6、6:7、6:8、6:9、6:10、7:1、7:2、7:3、7:4、7:5、7:6、7:7、7:8、7:9、7:10、8:1、8:2、8:3、8:4、8:5、8:6、8:7、8:8、8:9、8:10、9:1、9:2、9:3、9:4、9:5、9:6、9:7、9:8、9:9、9:10、10:1、10:2、10:3、10:4、10:5、10:6、10:7、10:8、10:9、または10:10のいずれかである。いくつかの態様において、(例えば、細胞または細胞集団の活性化および/または増大のための)本明細書において提供される組成物における粒子(例えばビーズ粒子)対細胞の比率は約1:1、約1:2、約1:10、約4:1、または約3:1である。
いくつかの態様において、細胞組成物は、同じサイズ(例えば、同じ直径)を有する複数の粒子を含む。いくつかの態様において、細胞組成物は、少なくとも2つの異なるサイズを有する複数の粒子を含む。例えば、細胞組成物は、約3 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約4 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約5 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約6 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約7 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約8 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約9 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約10 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約11 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約12 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約13 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約14 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、および/または約15 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子を含みうる。
いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞のサイズは約1.0 μm〜約30 μm、約1.0 μm〜約25 μm、約1.0 μm〜約20 μm、約1.0 μm〜約15 μm、約1.0 μm〜約10 μm、約1.0 μm〜約5.0 μm、約10 μm〜約15 μm、約6 μm〜約12 μm、または約7 μm〜約8 μmである。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞のサイズは、およそ少なくとも1 μm、1.5 μm、2.0 μm、2.5 μm、3.0 μm、3.5 μm、4.0 μm、4.5 μm、5.0 μm、5.5 μm、6.0 μm、6.5 μm、7.0 μm、7.5 μm、8.0 μm、8.5 μm、9.0 μm、9.5 μm、10 μm、11 μm、12 μm、13 μm、14 μm、15 μm、16 μm、17 μm、18 μm、19 μm、20 μm、21 μm、22 μm、23 μm、24 μm、もしくは25 μmであるか、または少なくとも1 μm、1.5 μm、2.0 μm、2.5 μm、3.0 μm、3.5 μm、4.0 μm、4.5 μm、5.0 μm、5.5 μm、6.0 μm、6.5 μm、7.0 μm、7.5 μm、8.0 μm、8.5 μm、9.0 μm、9.5 μm、10 μm、11 μm、12 μm、13 μm、14 μm、15 μm、16 μm、17 μm、18 μm、19 μm、20 μm、21 μm、22 μm、23 μm、24 μm、もしくは25 μmである。
いくつかの態様において、本明細書において記述される細胞組成物または細胞組成物から得られるもしくは導出されるサンプルの濃度は、少なくとも約2×105細胞/mL、少なくとも約5×105細胞/mL、少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとも約2.5×106細胞/mL、少なくとも約5×106細胞/mL、少なくとも約1×107細胞/mL、少なくとも約5×107細胞/mL、少なくとも約1×108細胞/mL、または少なくとも約5×108細胞/mLである。いくつかの態様において、本明細書において記述される細胞組成物または細胞組成物から得られるもしくは導出されるサンプルの量は、約0.2 mL 〜 50 mL、0.2 mL〜20 mL、0.5 mL〜10 mL、0.5 mL〜5 mL、または0.75 mL〜1.5 mLのいずれかである。いくつかの態様において、本明細書において記述される細胞組成物または細胞組成物から得られるもしくは導出されるサンプルの量は、少なくとも約0.2 mL、約 0.5 mL、約 0.6 mL、約 0.7 mL、約 0.8 mL、約 0.9 mL、約 1.0 mL、約 1.1 mL、約 1.2 mL、約 1.3 mL、約 1.4 mL、約 1.5 mL、約 1.6 mL、約 1.7 mL、約 1.8 mL、約 1.9 mL、約 2.0 mL、約 5.0 mL、約 10.0 mL、約 20 mL、もしくは約 50 mLしかし100 mL以上であり、または少なくとも0.2 mL、約 0.5 mL、約 0.6 mL、約 0.7 mL、約 0.8 mL、約 0.9 mL、約 1.0 mL、約 1.1 mL、約 1.2 mL、約 1.3 mL、約 1.4 mL、約 1.5 mL、約 1.6 mL、約 1.7 mL、約 1.8 mL、約 1.9 mL、約 2.0 mL、約 5.0 mL、約 10.0 mL、約 20 mL、もしくは約 50 mL、しかし100 mLを超えない。
A. 非細胞粒子、例えばビーズ粒子
いくつかの態様において、細胞は、細胞の表面上の巨大分子に特異的に結合することができる生体分子に典型的にはコンジュゲートまたは連結している粒子とインキュベートまたは接触させることができる。いくつかの態様において、粒子は固体表面でありまたは固体表面を含む。いくつかの態様において、粒子はビーズ粒子である。
いくつかの態様において、粒子は、内部コアを含む複合粒子であってよい。いくつかの態様において、内部コアは磁性コア、常磁性コアまたは超常磁性コアである。いくつかの態様において、内部コア(例えば、磁性コア)は任意の適当な金属でありまたは任意の適当な金属を含む。いくつかの態様において、金属は、鉄、ニッケル、銅、コバルト、ガドリニウム、マンガン、タンタル、亜鉛、ジルコニウム、またはそれらの任意の組み合わせであってよいが、これらに限定されることはない。本明細書において記述される内部コア(例えば磁性コア)に含まれうる適当な物質は、金属酸化物(例えば酸化鉄)、フェライト(例えば、マンガンフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライトなど)、ヘマタイトおよび金属合金(例えばCoTaZr)を含むが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、内部コアは、フェライト、金属、金属合金、酸化鉄、または二酸化クロムのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、内部コアは元素鉄またはその化合物を含む。いくつかの態様において、内部コアは、マグネタイト(Fe3O4)、マグヘマイト(γFe2O3)、またはグレイガイト(Fe3S4)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、内部コアは酸化鉄(例えば、Fe3O4)を含む。いくつかの態様において、内部コアはコロイド状鉄(例えばコロイド状酸化鉄)を含む。
いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は磁場中で反応する。いくつかの態様において、粒子は磁性粒子(例えば磁性ビーズ粒子)である。
いくつかの態様において、内部コアは、重合体(例えば、生分解性重合体)、多糖類、シリカ、脂肪酸、タンパク質、炭素またはそれらの組み合わせをさらに含むことができる。いくつかの態様において、重合体は、ポリエチレングリコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレン、およびポリビニルアルコールからなる群より選択される1つまたは複数である。いくつかの態様において、重合体はポリスチレンである。いくつかの態様において、重合体はポリグルタルアルデヒドである。いくつかの態様において、重合体は生分解性重合体である。いくつかの態様において、多糖類は、キトサン、アガロース、デンプン、デキストラン、またはデキストラン誘導体であってよい。いくつかの態様において、多糖類はデキストランまたはその誘導体(例えばアミノデキストラン)である。いくつかの態様において、シリカは酸化ケイ素である。いくつかの態様において、タンパク質はアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)である。いくつかの態様において、炭素は、アクリルアミドおよびマレイン酸からなる群より選択される1つまたは複数である。いくつかの態様において、内部コアは金属酸化物(例えば酸化鉄)および多糖類(例えばデキストラン)を含む。いくつかの態様において、内部コアは、コロイド状鉄(例えばコロイド状酸化鉄)および多糖類(例えばデキストラン)を含む。
いくつかの態様において、内部コアはナノ粒子を含む。いくつかの態様において、内部コアはマイクロビーズ(例えば、デキストランを含むマイクロビーズ)を含む。そのようなナノ粒子またはマイクロビーズはそれぞれ、本明細書において記述される金属および/または重合体を含む、それ自体の内部コアを有することができ、場合により本明細書において記述されるコートのようなコートをさらに含むことができる。いくつかの態様において、本明細書において記述される内部コアは、ナノ粒子および重合体(例えばシリカ)を含む。いくつかの態様において、本明細書において記述される内部コアは、マイクロビーズおよび重合体(例えばシリカ)を含む。
いくつかの態様において、本明細書において記述される内部コアは、約3000 nm、約2000 nm、約1000 nm、約900 nm、約800 nm、約700 nm、約600 nm、約500 nm、約400 nm、約300 nm、約200 nm、約100 nm、約90 nm、約80 nm、約70 nm、約60 nm、約50 nm、約40 nm、約30 nm、約20 nm、または約10 nm未満の直径を有する。いくつかの態様において、内部コアは、約3000 nm、約2000 nm、約1000 nm、約900 nm、約800 nm、約700 nm、約600 nm、約500 nm、約400 nm、約300 nm、約200 nm、約100 nm、約90 nm、約80 nm、約70 nm、約60 nm、約50 nm、約40 nm、約30 nm、約20 nm、または約10 nmのいずれかの直径を有する。いくつかの態様において、内部コアは約100 nm、またはそれ未満の直径を有する。いくつかの態様において、内部コアは約50 nm、またはそれ未満の直径を有する。
いくつかの態様において、粒子は、粒子の表面上の1つまたは複数のコートまたはコーティング(例えば表面コーティング)のような1つまたは複数のコートまたはコーティングをさらに含むことができる。いくつかの態様において、1つまたは複数のコートまたはコーティングが内部コアを保護し、生体分子へのコンジュゲーションまたはカップリングのための材料を提供し、および/または生分解性表面を提供する。
いくつかの態様において、本明細書において記述されるコートまたはコーティング(例えば表面コーティング)は保護コートを提供する。いくつかの態様において、コート(例えば保護コート)またはコーティング(例えば保護コーティング)は、内部コア(例えば磁性コア)の酸化を低減または防止する。例えば、コートは磁性コアを酸化から保護、低減または防止しうる。いくつかの態様において、コートまたはコーティングは粒子(例えばビーズ粒子)の内部コアを保持する。いくつかの態様において、コートまたはコーティングは内部コアの劣化を防止する。
いくつかの態様において、コートは、生体分子にカップリング、連結またはコンジュゲートされうる少なくとも1つの材料を含む。いくつかの態様において、材料は、核酸(例えばDNA)、タンパク質、抗体、抗原、または所望の標的(例えばT細胞)に対する親和性を有する任意の他の生体分子(例えば親和性試薬)のような1つまたは複数の生体分子にカップリング、連結またはコンジュゲートされることができる。
いくつかの態様において、コートは、重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、タンパク質、炭素またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない、材料を含むことができる。いくつかの態様において、重合体は、ポリエチレングリコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレン、またはポリビニルアルコールであってよい。いくつかの態様において、重合体はポリウレタンである。いくつかの態様において、重合体は生分解性重合体である。いくつかの態様において、コートは、キトサン、アガロース、デンプン、デキストラン、および/またはデキストラン誘導体であってよい多糖類であるまたは多糖類を含む材料を含有するかまたは含む。いくつかの態様において、多糖類はデキストランまたはその誘導体(例えばアミノデキストラン)である。いくつかの態様において、シリカは酸化ケイ素である。内部コアをコーティングするための酸化ケイ素を生成する方法は、当技術分野において周知である。米国特許第8,398,741号を参照されたい。いくつかの態様において、コートは、アルブミン(例えばヒト血清アルブミン)、プロテインA、およびプロテインGであるタンパク質であるかまたはタンパク質を含む材料を含有するかまたは含む。いくつかの態様において、炭素はアクリルアミドまたはマレイン酸である。いくつかの態様において、材料は、本明細書において記述される生体分子にカップリング、連結またはコンジュゲートされる。
いくつかの態様において、本明細書において記述されるコートまたはコーティング(例えば保護コート)は、約500 nm未満、約450 nm未満、約400 nm未満、約350 nm未満、約300 nm未満、約250 nm未満、約200 nm未満、約150 nm未満、約100 nm未満、約75 nm未満、約50 nm未満、または約25 nm未満の厚さを有する。いくつかの態様において、本明細書において記述されるコートまたはコーティング(例えば保護コート)は、約500 nm、約450 nm、約400 nm、約350 nm、約300 nm、約250 nm、約200 nm、約150 nm、約100 nm、約75 nm、約50 nm、または約25 nmの厚さを有する。
いくつかの態様において、本明細書において記述される粒子(例えばビーズ粒子)は、内部コアおよびコート(例えば保護コート)を有することができ、ここでコートは本明細書において記述される1つまたは複数の材料を含有する。いくつかの態様において、本明細書において記述される粒子(例えばビーズ粒子)は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄内部コア)およびコート(例えば保護コート)を含み、ここでコートは少なくとも1つの多糖類(例えばアミノデキストラン)を含む。いくつかの態様において、本明細書において記述される粒子(例えばビーズ粒子)は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄内部コア)およびコート(例えば保護コート)を含み、ここでコートは少なくとも1つの多糖類(例えばアミノデキストラン)および少なくとも1つの重合体(例えばポリウレタン)を含む。いくつかの態様において、本明細書において記述される粒子(例えばビーズ粒子)は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄内部コア)およびコート(例えば保護コート)を有し、ここでコートは少なくとも1つの多糖類(例えばアミノデキストラン)、少なくとも1つの重合体(例えばポリウレタン)およびシリカを含む。本明細書における任意のそのような態様のいくつかにおいて、金属酸化物コアは、コロイド状鉄を含む酸化鉄コア(例えばコロイド状酸化鉄内部コア)である。本明細書における任意のそのような態様のいくつかにおいて、金属酸化物コアは、多糖類(例えばデキストラン)およびコロイド状鉄を含む。任意のそのような態様のいくつかにおいて、コートは約400 nmの厚さを有する。
本明細書における態様のいくつかにおいて、粒子(例えばビーズ粒子)は、約0.001 μm超、約0.01 μm超、約0.1 μm超、約1.0 μm超、約10 μm超、約50 μm超、約100 μm超または約1000 μm超、かつ約1500 μmを超えない直径を有する。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、約1.0 μm〜約500 μm、約1.0 μm〜約150 μm、約1.0 μm〜約30 μm、約1.0 μm〜約10 μm、約1.0 μm〜約5.0 μm、約2.0 μm〜約5.0 μm、または約3.0 μm〜約5.0 μmの直径を有する。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、約3 μm〜約5 μmの直径を有する。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、少なくともまたは少なくとも約または約0.001 μm、0.01 μm、0.1 μm、0.5 μm、1.0 μm、1.5 μm、2.0 μm、2.5 μm、3.0 μm、3.5 μm、4.0 μm、4.5 μm、5.0 μm、5.5 μm、6.0 μm、6.5 μm、7.0 μm、7.5 μm、8.0 μm、8.5 μm、9.0 μm、9.5 μm、10 μm、12 μm、14 μm、16 μm、18 μmまたは20 μmの直径を有する。
いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、本明細書において記述される細胞組成物またはサンプルにおいて、細胞の直径の約1.5倍超、約2倍超、約3倍超、約4倍超、または約5倍超、かつ細胞の直径の10倍を超えない直径を有する。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、本明細書において記述される細胞組成物またはサンプル中の細胞の直径の1.5倍未満、2倍未満、3倍未満、4倍未満、または5倍未満である直径を有する。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、細胞のサイズの1.5倍以内(細胞のサイズの1.5倍超または未満または以下)のような本明細書において記述される細胞組成物またはサンプル中の細胞と実質的に同じまたはほぼ同じサイズである。
いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、粒子のコートまたはコーティングに(直接的または間接的に)カップリング、コンジュゲートまたは連結されている1つまたは複数の生体分子のような、1つまたは複数の生体分子をさらに含むことができる。いくつかの態様において、本明細書において企図される生体分子は、RNA、DNA、タンパク質(例えば酵素)、抗原、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗体断片、炭水化物、脂質レクチン、または所望の標的に対する親和性(例えば親和性試薬)を有する任意の他の生体分子(例えばストレプトアビジン)を含むことができるが、これらに限定されることはない。1つまたは複数の生体分子は、当技術分野において公知のかつ利用可能な種々の方法によって、粒子(例えばビーズ粒子)に直接的または間接的に付着してもよい。付着は共有結合性、非共有結合性、静電性、または疎水性であってよく、例えば、化学的手段、機械的手段、または酵素的手段を含めて、種々の付着手段によって達成されてもよい。いくつかの態様において、生体分子(例えば、ビオチン化抗CD3抗体)は、粒子に直接付着している別の生体分子(例えば抗ビオチン抗体)を介して粒子に間接的に付着してもよい。
いくつかの態様において、生体分子は抗体である。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する全長抗体を含む)、ポリエピトープ特異性を有する抗体組成物、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、ダイアボディ、および単鎖分子、ならびに抗体断片(例えばFab、F(ab')2およびFv)を含むことができる。いくつかの態様において、生体分子は抗体断片(抗原結合断片を含む)、例えばFab、Fab'-SH、Fv、scFv、または(Fab')2断片である。IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE定常領域を含む、任意のアイソタイプの定常領域を本明細書において企図される抗体に使用することができるものと、ならびにそのような定常領域を任意のヒトまたは動物種(例えばネズミ種)から得ることができるものと理解されよう。
いくつかの態様において、抗体は抗ビオチン抗体または抗IgG抗体である。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片はビオチン化されている(例えばビオチン化抗CD3抗体)。
いくつかの態様において、生体分子は標的に特異的に結合する。いくつかの態様において、標的は細胞の表面上の1つまたは複数の巨大分子である。本明細書において企図される細胞は、T細胞(例えばCD4+ T細胞、CD8+ T細胞など)、B細胞(例えば記憶B細胞、血漿B細胞など)、ナチュラルキラー細胞、好酸球、肥満細胞、好塩基球、マクロファージ、および樹状細胞を含むが、これらに限定されることはない。
場合によっては、本明細書において記述される粒子(例えばビーズ粒子)は、本明細書において記述される生体分子(例えば抗体)のような生体分子を結合し、それによって細胞の表面上の1つまたは複数の巨大分子、例えば細胞表面タンパク質の発現または発現レベルに基づき細胞集団中の1つまたは複数の細胞型の分離、濃縮、選択、単離、活性化、刺激および/または増大を容易にすることができる固体支持体またはマトリックスを提供する。利用できる生体分子は、RNA、DNA、タンパク質(例えば酵素)、抗原、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗体断片、炭水化物、脂質レクチン、または細胞の表面上の1つもしくは複数の生体分子に特異的に結合することができる任意の他の生体分子(例えばストレプトアビジン)を含むが、これらに限定されることはない。ある種の態様において、粒子(例えば磁性ビーズ粒子)は、細胞の表面上の1つまたは複数の巨大分子に直接的または間接的に結合する1つまたは複数の生体分子(例えば抗体)を含む。
いくつかの態様において、粒子は、細胞の表面上の巨大分子と直接相互作用する1つまたは複数の生体分子を含む。ある種の態様において、粒子(例えば磁性ビーズ粒子)は、細胞上の1つまたは複数の巨大分子(例えば1つまたは複数の細胞表面タンパク質)に特異的な1つまたは複数の生体分子(例えば抗体)を介して細胞と相互作用する。ある種の態様において、粒子(例えば磁性ビーズ粒子)は、一次抗体(例えば抗ビオチン抗体)または他の第1の生体分子のような、本明細書において記述される第1の生体分子で標識され、その後、第2の生体分子、例えば二次抗体(例えばビオチン化抗CD3抗体)または他の第2の生体分子(例えばストレプトアビジン)を添加し、それによって二次抗体または他の第2の生体分子は粒子上のそのような一次抗体または他の第1の生体分子に特異的に結合する。
いくつかの態様において、粒子は、細胞の表面上の巨大分子と間接的に相互作用する生体分子を含む。ある種の態様において、本明細書において記述される粒子(例えば磁性ビーズ粒子)ではなく、細胞は、本明細書において記述される1つまたは複数の生体分子で標識される。ある種の態様において、細胞は、一次抗体(例えばビオチン化抗CD3抗体)または他の第1の生体分子(例えばストレプトアビジン)のような、本明細書において記述される第1の生体分子で標識され、およびその後、二次抗体(例えば抗ビオチン抗体)または他の第2の生体分子のような、第2の生体分子を保有する粒子が添加され、それによって二次抗体または他の第2の生体分子はそのような一次抗体または他の第1の生体分子に特異的に結合する。いくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は抗体である。いくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は抗ビオチン抗体である。
いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)に付着した生体分子(例えば抗体)は、細胞(例えばT細胞)上の以下の巨大分子のうちの1つまたは複数に特異的に結合する: CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD25、CD27、CD28、CD29、CD31、CD44、CD45RA、CD45RO、CD54 (ICAM-1)、CD127、MHCI、MHCII、CTLA-4、ICOS、PD-1、OX40、CD27L (CD70)、4-1BB (CD137)、4-1BBL、CD30L、LIGHT、IL-2R、IL-12R、IL-1R、IL-15R; IFN-γR、TNF-αR、IL-4R、IL- 10R、CD18/CDl la (LFA-1)、CD62L (L-セレクチン)、CD29/CD49d (VLA-4)、Notchリガンド(例えばDelta様1/4、Jagged 1/2など)、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、およびCXCR3またはこれらの巨大分子もしくはその断片に対応するリガンドを含むその断片。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)に付着した生体分子(例えば抗体)は、細胞(例えばT細胞)上の以下の巨大分子のうちの1つまたは複数に特異的に結合する: CD28、CD62L、CCR7、CD27、CD127、CD3、CD4、CD8、CD45RA、および/またはCD45RO。
いくつかの態様において、生体分子は細胞にシグナルを送達するかまたは刺激剤として作用する。例えば、粒子(例えばビーズ粒子)に付着している抗体またはその抗原結合断片(例えば、Fab)は、活性化シグナルを細胞(例えばT細胞)に提供し、細胞活性化および/または細胞増大を誘導しうる。本明細書において企図されるそのような抗体は、抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD28抗体、抗CD137抗体、抗CD134抗体、またはその抗原結合断片を含むそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、そのような抗体またはその抗原結合断片はビオチン化される(例えばビオチン化抗CD3抗体)。
いくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は、抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD28抗体、抗CD137抗体、および抗CD134抗体からなる群より選択される1つまたは複数の抗体である。いくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は抗CD3抗体および抗CD28抗体である。いくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は抗CD2抗体、抗CD3抗体および抗CD28抗体である。いくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は、抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗ビオチン抗体である。いくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗ビオチン抗体である。
いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄コア)およびコートを含み、ここで金属酸化物コアは、少なくとも1つの多糖類(例えばデキストラン)を含み、かつここでコートは少なくとも1つの多糖類(例えばアミノデキストラン)、少なくとも1つの重合体(例えばポリウレタン)およびシリカを含む。本明細書のいくつかの態様において、金属酸化物コアはコロイド状酸化鉄コアである。さらなる態様において、粒子は、細胞の表面上の巨大分子(例えばタンパク質)に結合し、それによって細胞組成物または細胞組成物サンプル中の細胞への粒子の会合または結合を引き起こす1つまたは複数の生体分子を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は、RNA、DNA、タンパク質、抗原、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、炭水化物、脂質または所望の標的に対する親和性(例えば親和性試薬)を有する任意の他の生体分子(例えばストレプトアビジン)からなる群より選択される。いくつかの態様において、生体分子は抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、粒子は抗CD3抗体および抗CD28抗体を含む。いくつかの態様において、粒子は抗CD2抗体、抗CD3抗体および抗CD28抗体を含む。いくつかの態様において、粒子は抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗ビオチン抗体を含む。いくつかの態様において、粒子は抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗ビオチン抗体を含む。いくつかの態様において、粒子は抗ビオチン抗体を含む。いくつかの態様において、ビーズ粒子は約3 μmから約10 μmの直径を有する。いくつかの態様において、ビーズ粒子は約3 μmから約5 μmの直径を有する。
本明細書において記述される方法において用いられる粒子(例えばビーズ粒子)は、生成してもよくまたは商業的に入手してもよい。粒子を生成する方法を含めて、粒子は当技術分野において周知である。例えば、米国特許第6,074,884号; 同第5,834,121号; 同第5,395,688号; 同第5,356,713号; 同第5,318,797号; 同第5,283,079号; 同第5,232,782号; 同第5,091,206号; 同第4,774,265号; 同第4,654,267号; 同第4,554,088号; 同第4,490,436号; 同第4,452,773号; 米国特許出願公開第20100207051号; およびSharpe, Pau T., Methods of Cell Separation, Elsevier, 1988を参照されたい。市販の粒子(例えばビーズ粒子)には、ProMag(商標) (PolySciences, Inc.); COMPEL(商標) (PolySciences, Inc.); BioMag(登録商標) Plus (PolySciences, Inc.)およびBioMag(登録商標) Maxi (Bang Laboratories, Inc.)を含む、BioMag(登録商標) (PolySciences, Inc.); M-PVA (Cehmagen Biopolymer Technologie AG); SiMAG (Chemicell GmbH); beadMAG (Chemicell GmbH); MagaPhase(登録商標) (Cortex Biochem); Dynabeads(登録商標) M-280ヒツジ抗ウサギIgG (Invitrogen)、Dynabeads(登録商標) FlowComp(商標) (例えば、Dynabeads(登録商標) FlowComp(商標)Human CD3, Invitrogen)、Dynabeads(登録商標) M-450 (例えば、Dynabeads(登録商標) M-450 Tosylactivated, Invitrogen)、Dynabeads(登録商標) Untouched(商標) (例えば、Dynabeads(登録商標) Untouched(商標) Human CD8 T Cells, Invitrogen)、およびT細胞を結合、増大かつ/または活性化するDynabeads(登録商標) (例えば、T細胞増大および活性化のためのDynabeads(登録商標) Human T-Activator CD3/CD28, Invitrogen)を含む、Dynabeads(登録商標) (Invitrogen); Estapor(登録商標) M (Merk Chimie SAS); Estapor(登録商標) EM (Merk Chimie SAS); MACSiBeads(商標) Particles (例えば抗ビオチンMACSiBead Particles, Miltenyi Biotec, カタログ番号130-091-147); Streptamer(登録商標) Magnetic Beads (IBA BioTAGnology); Strep-Tactin(登録商標) Magnetic Beads (IBA BioTAGnology); Sicastar(登録商標)-M (Micormod Partikeltechnologie GmbH) Micromer(登録商標)-M (Micromod Partikeltechnologie); MagneSil(商標) (Promega GmbH); MGP (Roche Applied Science Inc.); Pierce(商標)プロテインG磁性ビーズ(Protein G Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)プロテインA磁性ビーズ(Protein A Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)プロテインA/G磁性ビーズ(Protein A/G Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標) NHS-活性化磁性ビーズ(NHS-Activated Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)プロテインL磁性ビーズ(Protein L Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)抗HA磁性ビーズ(Anti-HA Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)抗c-Myc磁性ビーズ(Anti-c-Myc Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)グルタチオン磁性ビーズ(Glutathione Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)ストレプトアビジン磁性ビーズ(Streptavidin Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); MagnaBind(商標)磁性ビーズ(Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Sera-Mag(商標)磁性ビーズ(Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); 抗FLAG(Anti-FLAG)(登録商標) M2磁性ビーズ(Magnetic Beads) (Sigma-Aldrich); SPHERO(商標) Magnetic Particles (Spherotech Inc.); ならびにHisPur(商標) Ni-NTA磁性ビーズ(Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.)が含まれるが、これらに限定されることはない。
B. 粒子の存在下での細胞および細胞の処理
いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞または本明細書において記述される細胞組成物の調製のために処理された細胞は通常、哺乳動物細胞のような、真核細胞であり、典型的にはヒト細胞である。いくつかの態様において、細胞は、先天性免疫または適応性免疫の細胞、例えば、リンパ球、典型的にはT細胞および/またはNK細胞を含む骨髄性細胞またはリンパ系細胞のような、免疫系の細胞であるかまたはそれらを含む。いくつかの態様において、免疫系の細胞(例えば免疫細胞)は、T細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞または樹状細胞である。いくつかの態様において、細胞組成物は、CD4+またはCD8+ T細胞のような、免疫系の1つまたは複数の細胞を含む。いくつかの態様において、細胞は単球または顆粒球、例えば、骨髄性細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球および/もしくは好塩基球であり、または細胞組成物は単球または顆粒球、例えば、骨髄性細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球および/もしくは好塩基球を含む。他の例示的な細胞には、人工多能性幹細胞(iPSC)を含む、多分化能および多能性幹細胞のような、幹細胞が含まれる。細胞は、典型的には、対象から直接単離されたものおよび/または対象から単離され凍結されたものなどの、初代細胞である。いくつかの態様において、細胞は初代細胞、例えば初代ヒト細胞である。
いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞は生物学的サンプルから得られる。生物学的サンプルは、組織サンプル、体液サンプル、および対象から直接採取された他の生物学的サンプル、ならびに分離、遠心分離、遺伝子操作(例えば、ウイルスベクターによる形質導入)、洗浄、および/またはインキュベーションのような、1つまたは複数の処理段階から得られる生物学的サンプルを含む。生物学的サンプルは、生物学的供給源から直接得られたサンプルまたは処理されたサンプルであってよい。生物学的サンプルには、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗のような体液、それに由来する処理サンプルを含む組織および臓器サンプルが含まれるが、これらに限定されることはない。いくつかの局面において、細胞が由来する、得られるもしくは単離される生物学的サンプルは、血液もしくは血液由来サンプルであるか、またはアフェレーシスもしくは白血球アフェレーシス産物に由来する。いくつかの態様において、対象の循環血液由来の細胞は、例えば、アフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって得られる。いくつかの態様において、細胞は、血液、骨髄、リンパ液、またはリンパ系の臓器から得られるかまたはそれらに由来する免疫細胞(例えば、リンパ球、典型的にはT細胞および/またはNK細胞を含む、骨髄性細胞またはリンパ系細胞)である。例示的な生物学的サンプルとしては、全血、末梢血単核球(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸関連リンパ系組織、粘膜関連リンパ系組織、脾臓、他のリンパ系組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸部、精巣、卵巣、扁桃腺、または他の臓器、および/もしくはそれらに由来する細胞も挙げられるが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、生物学的サンプルは、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および/または血小板を含めて、リンパ球を含有し、いくつかの局面において赤血球および血小板以外の細胞を含有する。
いくつかの態様において、対象から収集された血液サンプル中の細胞は、例えば血漿画分を除去し、その後の処理段階のために細胞を適切な緩衝液または培地に入れるために、洗浄される。いくつかの態様において、細胞はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄される。いくつかの態様において、洗浄溶液はカルシウムおよび/もしくはマグネシウムならびに/または多くのもしくは全ての二価カチオンを欠く。いくつかの局面において、洗浄段階は、製造業者の使用説明書にしたがい半自動「フロースルー」遠心分離機(例えば、Cobe 2991細胞プロセッサ, Baxter)で達成される。いくつかの局面において、洗浄段階は、製造業者の使用説明書にしたがい接線流ろ過(TFF)によって達成される。いくつかの態様において、細胞は、洗浄後に、例えば、Ca++/Mg++不含PBSのような、種々の生体適合性緩衝液に再懸濁される。ある種の態様において、血液サンプルの成分が除去され、細胞が培地に直接再懸濁される。
いくつかの態様において、本方法は、赤血球を溶解することによる末梢血からの白血球の調製およびパーコールまたはフィコール勾配による遠心分離のような、密度に基づく細胞分離方法を含む。
いくつかの態様において、細胞は細胞株、例えばT細胞株に由来する。いくつかの態様における細胞は、異種供給源から、例えば、マウス、ラット、非ヒト霊長類、およびブタから得られる。
いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞は、細胞療法、例えば養子細胞療法との関連で用いるための細胞であるかまたはそれを含む。場合によっては、生物学的サンプルは自己供給源由来である。場合によっては、生物学的サンプルは同種異系供給源由来である。いくつかの態様において、本明細書において記述される方法は、凍結保存の前または後に、対象から細胞を単離する段階、細胞を調製、処理、培養、および/または操作する段階、ならびに同じ対象に細胞を再導入する段階を含む。
いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞は、1つまたは複数の調製および/または非親和性に基づく細胞分離段階を受けた生物学的サンプルから得られた細胞であるかまたはそれらを含む。いくつかの例では、細胞または細胞集団は、例えば、不要な成分を除去し、所望の成分を濃縮し、特定の試薬に感受性の細胞を溶解または除去するために、1つまたは複数の試薬の存在下で洗浄、遠心分離および/またはインキュベートされている。いくつかの例では、細胞または細胞集団は、密度、付着特性、サイズ、特定の成分に対する感受性および/または耐性のような、1つまたは複数の特性に基づいて調製されまたは得られる。
いくつかの態様において、本明細書において記述される生体分子を含む粒子(例えばビーズ粒子)は、細胞組成物の処理中などに、親和性または免疫親和性に基づく分離方法において用いることができる。典型的には、抗体のような、生体分子は、細胞の表面上に発現されるかまたは存在する1つまたは複数の巨大分子(例えば細胞表面受容体)に特異的である。いくつかの態様において、細胞組成物は、同じ細胞型の1つまたは複数の細胞(例えば、1、2、3、4個またはそれ以上の細胞)を含む。いくつかの態様において、細胞組成物は、異なる細胞型の1つまたは複数の細胞(例えば、1、2、3、4個またはそれ以上の細胞)を含む。粒子は通常、生体分子、例えば抗体に直接的または間接的に付着する。いくつかの態様において、そのような粒子(例えばビーズ粒子)を用いた分離のための任意の公知の方法が用いられうる。例えば、いくつかの局面における単離は、細胞上の1つまたは複数の巨大分子に特異的に結合する生体分子、例えば抗体をその表面に保有する少なくとも1つの粒子とのインキュベーションによる細胞集団中の細胞の分離、引き続いて通常、生体分子(例えば抗体)に結合していない細胞からの生体分子(例えば抗体)に結合した細胞の洗浄段階および分離を含む。
いくつかの態様において、分離方法におけるそのような分離段階は、試薬に結合した細胞をさらなる使用のために保持する陽性選択による特定の細胞集団の濃縮に基づくことができる。いくつかの局面において、1つまたは複数の陽性選択が実施されうる複数ラウンドの分離段階が行われる。場合によっては、さまざまな細胞型上に発現される1つまたは複数の巨大分子に結合する抗体のような複数の生体分子とともに細胞をインキュベートすることによって、複数の細胞型を同時に陽性選択することができる。
いくつかの態様において、分離方法は、生体分子に結合していない細胞が濃縮細胞集団である、1つまたは複数の陰性選択段階も利用することができる。いくつかの局面において、例えば、陽性および/または陰性画分が保持され、さらに処理されるか、またはさらなる分離陽性および/または陰性分画段階に供される場合、1つまたは複数の陽性選択段階が1つまたは複数の陰性選択段階と組み合わされる。例えば、ある段階からの陽性または陰性選択された画分は、その後の陽性または陰性選択のような、別の分離段階に供することができる。いくつかの局面において、陰性選択は、分離が所望の集団ではない細胞によって発現されるマーカー(例えば巨大分子)に基づいて最良に実行されるような、異種集団における細胞型を特異的に同定する生体分子(例えば抗体)を利用できない場合に特に有用であり得る。通常、そのような方法では少なくとも1つの陽性選択段階を利用し、それによって粒子(例えば、生体分子を含む粒子)は細胞と会合したままでありうる。
集団から特定の細胞型または細胞サブセットを濃縮または分離するために利用するための特定の粒子(例えば、生体分子を含む粒子)を判定することは、当業者の水準の範囲内である。例えば、粒子(例えばビーズ粒子)に付着する生体分子の特定の選択は、分離または濃縮される特定の細胞型または細胞サブセット、特定の細胞型または細胞サブセットに対する生体分子の利用可能性、1つもしくは複数の陽性選択または陽性および陰性選択方法の組み合わせの選択、ならびに当業者の水準の範囲内の他の要因に依るであろう。
例示的な局面において、T細胞の特定の亜集団は、例えば、CD28+、CD62L+、CCR7+、CD27+、CD127+、CD3+、CD4+、CD8+、CD45RA+、および/またはCD45RO+ T細胞のような、1つまたは複数の表面マーカー(例えば1つまたは複数の巨大分子)の陽性のまたは高水準のものを発現する細胞についての、陽性および/または陰性選択技法によって単離することができる。いくつかの局面において、そのような濃縮および分離方法は、養子細胞療法のための細胞の処理、調製および/または操作に適したT細胞集団を得るために用いることができる。
いくつかの態様において、T細胞は、非T細胞、例えばB細胞、単球、または他の白血球、例えばNK細胞上に発現されるマーカーの陰性選択によってPBMCサンプルから分離される。いくつかの局面において、CD4+またはCD8 +陽性選択段階を用いてCD4+ヘルパーT細胞およびCD8+細胞傷害性T細胞を分離する。そのようなCD4+およびCD8+集団は、1つまたは複数のナイーブT細胞、記憶T細胞、および/またはエフェクタT細胞の亜集団上で発現されるまたは比較的高度に発現されるマーカーについての陽性または陰性選択によって亜集団にさらに選別することができる。
いくつかの態様において、CD8+細胞は、例えば各亜集団に関連する表面抗原に基づく陽性選択または陰性選択によって、ナイーブ、中央記憶、エフェクタ記憶、および/または中央記憶幹細胞がさらに濃縮または枯渇される。いくつかの態様において、中央記憶T (TCM)細胞の濃縮は、投与後の長期生存、増大、および/または生着を改善するためのような、有効性を高めるために行われ、これはいくつかの局面において、そのような亜集団において特に強い。Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82; Wang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701を参照されたい。いくつかの態様において、TCM濃縮されたCD8+ T細胞とCD4+ T細胞とを組み合わせることで、効力がさらに高められる。
態様において、記憶T細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+およびCD62L-サブセットの両方において存在する。PBMCサンプルは、例えば抗CD8抗体および抗CD62L抗体を用いて、CD62L-CD8+および/またはCD62L+CD8+画分について濃縮または枯渇させることができる。
いくつかの態様において、中央記憶T (TCM)細胞の濃縮は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127の陽性または高表面発現に基づく; いくつかの局面において、それは、CD45RAおよび/またはグランザイムBを発現するまたは高度に発現する細胞についての陰性選択に基づく。いくつかの局面において、TCM細胞が濃縮されたCD8+集団の単離は、CD4、CD14、CD45RAを発現する細胞の枯渇、およびCD62Lを発現する細胞の陽性選択または濃縮によって行われる。1つの局面において、中央記憶T (TCM)細胞の濃縮は、CD14およびCD45RAの発現に基づく陰性選択、ならびにCD62Lに基づく陽性選択に供されるCD4発現に基づいて選択される細胞の陰性画分から開始して行われる。いくつかの局面におけるそのような選択は同時に行われ、他の局面において、どちらの順序でも順次行われる。いくつかの局面において、CD8+細胞集団または亜集団を調製するのに用いられるのと同じCD4発現に基づく選択段階も、CD4に基づく分離からの陽性および陰性画分の両方が保持され、任意で1つまたは複数のさらなる陽性または陰性選択段階の後でもよい、本方法の後続の段階において用いられるような、CD4+細胞集団または亜集団を生成するために用いられる。
特定の例では、PBMCのサンプルまたは他の白血球サンプルを、陰性画分と陽性画分の両方が保持されるCD4+細胞の選択に供する。次いで、陰性画分を、CD14およびCD45RAまたはCD19の発現に基づく陰性選択、ならびにCD62LまたはCCR7のような、中央記憶T細胞に特徴的なマーカーに基づく陽性選択に供し、ここで陽性選択および陰性選択はいずれの順序でも行われる。場合によっては、陽性選択および陰性選択の組み合わせを用いて、細胞表面抗原を有する細胞集団を同定することにより、CD4+ Tヘルパー細胞をナイーブ細胞、中央記憶細胞、およびエフェクタ細胞に選別することができる。いくつかの態様において、ナイーブCD4+ Tリンパ球はCD45RO-、CD45RA+、CD62L+、およびCD4+ T細胞である。いくつかの態様において、中央記憶CD4+細胞はCD62L+およびCD45RO+である。いくつかの態様において、エフェクタCD4+細胞はCD62L-およびCD45RO-である。
いくつかの態様において、細胞および/または細胞集団は、免疫磁性(または親和性磁性)分離技法(Methods in Molecular Medicine, vol. 58: Metastasis Research Protocols, Vol. 2: Cell Behavior In Vitro and In Vivo, p 17-25 編集者: S. A. Brooks and U. Schumacher(著作権) Humana Press Inc., Totowa, NJに概説されている)を用いて分離または単離される。細胞分離の免疫磁性法では、上記のいずれか(例えば、Dynabeads(登録商標)またMACSiBeads(商標)Particlesのような)などの、磁性コア(例えば酸化鉄コア)を含む常磁性ビーズ粒子を利用することができる。いくつかの態様において、磁性ビーズ粒子は、抗体または他の生体分子のような、特定の生体分子に結合した磁性応答性材料を含む。磁性分離方法において用いられる多くの周知の磁性応答材料がある。適当な磁性ビーズ粒子には、本明細書にならびにMolday, 米国特許第4,452,773号におよび欧州特許明細書EP 452342 Bに記述されているものが含まれる。Owenの米国特許第4,795,698号、およびLibertiら、米国特許第5,200,084号に記述されているものなどの、コロイドサイズの粒子は、適当な磁性ビーズ粒子の他の例である。
いくつかの局面において、細胞組成物または分離されるまたは本明細書において記述の細胞組成物から得られるもしくは導出されるサンプルは、本明細書において記述される少なくとも1つの磁性ビーズ粒子とともにインキュベートされる。インキュベーションは通常、磁性ビーズ粒子に付着する生体分子、例えば抗体が、サンプルまたは細胞組成物内の細胞上に存在する場合には細胞表面巨大分子に特異的に結合する条件の下で行われる。いくつかの局面において、サンプルまたは細胞組成物は磁場中に置かれ、磁性応答性または磁化性ビーズ粒子が付着したそれらの細胞は、磁石に引き付けられ、そのようなビーズ粒子が付着していない細胞から分離される。
いくつかの態様において、親和性に基づく選択は、磁性活性化細胞選別(MACS) (Miltenyi Biotech, Auburn, CA)によるものである。MACSシステムは、磁性ビーズ粒子が付着した細胞の高純度選択が可能である。ある種の態様において、MACSは、外部磁場の印加後に非標的細胞および標的細胞が連続的に溶出されるモードで動作する。すなわち、磁性ビーズ粒子に付着した細胞(例えば標的細胞)は、付着していない細胞(例えば非標的細胞)が溶出される間、適所に保持される。その後、この最初の溶出段階が完了した後、磁場に捕捉され、溶出が妨げられた標的細胞は、それらを溶出および回収することができるような何らかの方法で遊離される。ある種の態様において、非標的細胞は標識され、細胞の不均一集団から除去される。
陽性選択の場合、磁石に引き付けられる細胞が保持される; 陰性選択の場合、磁石に引き付けられない細胞(非標識細胞)が保持される。
ある種の態様において、単離または分離は、例えば、間違い、使用者取り扱いおよび/または混入を最小限に抑えるため、例えば、閉鎖環境または無菌環境を提供するように、統合型または自己完結型システム、装置、または機器において実行される。場合によっては、1つまたは複数の他の処理、インキュベーション、培養、および/または処方段階のような、1つまたは複数の他のさらなる処理段階もシステム内で実行することができる。一例を挙げれば、システムは、国際特許出願公開番号WO2009/072003、またはUS 20110003380に記述されているようなシステムである。いくつかの態様において、単離または分離は自動またはプログラム可能な方法で実行される。いくつかの局面において、システムまたは機器は、システムまたは装置と通信するコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含み、これにより、使用者は単離もしくは分離のさまざまな局面またはプロセスの1つもしくは複数の他の段階をプログラムし、制御し、その結果を評価し、かつ/または調整することが可能になる。
いくつかの局面において、分離および/または他の段階は、例えば、閉鎖系および無菌系における臨床規模レベルでの細胞の自動分離のために、CliniMACSシステム(Miltenyi Biotic)を用いて実行される。構成要素は、内蔵マイクロコンピュータ、磁性分離装置、蠕動ポンプ、およびさまざまなピンチバルブを含むことができる。いくつかの局面における内臓コンピュータは器具の全ての構成要素を制御し、標準化された順序で反復手順を実施するようにシステムに指令する。いくつかの局面における磁性分離装置は、可動永久磁石および選択カラム用のホルダを含む。蠕動ポンプはチュービングセット全体の流速を制御し、ピンチバルブと一緒に、システムを通る緩衝液の制御流および細胞の連続懸濁を確実にする。
いくつかの局面におけるCliniMACSシステムでは、無菌の非発熱性溶液中で供給される抗体カップリング磁性ビーズ粒子を用いる。いくつかの態様において、磁性ビーズ粒子による細胞の標識後に、細胞を洗浄して過剰の磁性ビーズ粒子を除去する。次に細胞調製バッグをチューブセットに接続し、これを次に、緩衝液を含有するバッグおよび細胞収集バッグに接続する。チュービングセットは、プレカラムおよび分離カラムを含む予め組み立てられた滅菌チュービングからなり、使い捨て専用である。いくつかの態様において、チュービングセットはプレカラムを含まない。分離プログラムの開始後、システムは細胞サンプルを分離カラムに自動的にアプライする。標識細胞はカラム内に保持されるが、未標識細胞は一連の洗浄段階により除去される。いくつかの態様において、本明細書において記述される方法で用いるための細胞集団は、本明細書において記述されるものなどの、磁性ビーズ粒子で標識され、カラム内に保持される。いくつかの態様において、本明細書において記述される方法で用いるための細胞集団は、磁場の除去後にカラムから溶出され、細胞収集バッグ内に収集される。
ある種の態様において、分離および/または他の段階は、CliniMACS Prodigyシステム(Miltenyi Biotec)を用いて実行される。いくつかの局面におけるCliniMACS Prodigyシステムは、遠心分離による細胞の自動洗浄および画分を可能にする細胞処理装置を装備している。CliniMACS Prodigyシステムはまた、供給源細胞産物の巨視的層を識別することによって最適な細胞分画エンドポイントを判定する内臓カメラおよび画像認識ソフトウェアを含むことができる。例えば、末梢血は赤血球、白血球および血漿層に自動的に分離される。CliniMACS Prodigyシステムはまた、例えば、細胞分化および増大、抗原負荷、ならびに長期細胞培養のような細胞培養プロトコルを達成する統合細胞培養チャンバを含むことができる。入力ポートは培地の無菌除去および補充を可能にすることができ、細胞は内蔵顕微鏡を用いてモニターすることができる。例えば、Klebanoff et al. (2012) J Immunother. 35(9): 651-660, Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82、およびWang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701を参照されたい。
いくつかの態様において、生体分子を含む粒子は、1つまたは複数の細胞型の刺激、活性化および/または増大に関連して用いることができる。いくつかの態様において、生体分子は、例えば、抗原曝露を模倣するためにおよび/または1つもしくは複数の細胞表面受容体を通して細胞シグナル伝達を誘導するために、細胞集団における細胞の増殖、増大、活性化および/または生存を誘導する刺激剤を提供する。
いくつかの態様において、生体分子、例えば本明細書において記述される粒子にコートまたは結合された抗体またはリガンドは、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激条件を提供する。いくつかの局面において、生体分子はT細胞においてTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードをオンにするかまたは開始する。いくつかの態様において、シグナル伝達は、共刺激シグナルの存在下で強化または増強されることができる。いくつかの態様において、刺激または活性化を促進することができる生体分子は、例えば、抗CD3、抗CD28などの、TCR成分および/または共刺激受容体に特異的なものなどの、抗体を含むことができる。いくつかの態様において、抗CD3抗体が粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)のような、表面上に固定化される場合、それはT細胞の表面上のT細胞受容体複合体の架橋によって活性化および増殖誘導シグナルを送達することができる。場合によっては、抗CD3および抗CD28を固定化してシグナルおよび共刺激シグナルを同時に送達することによって、増殖を増加させることができる。抗CD3および抗CD28ビーズで固定化された、ミクロスフェアおよびビーズ粒子を含む、さまざまな固相表面粒子が公知である(WO09429436; EP01257632; US2008/0317724および米国特許第8,012,750号)。場合によっては、粒子はナノ粒子またはマイクロ粒子を含むことができる。
典型的には、抗CD3/抗CD28粒子による刺激または活性化は通常、ナノ粒子と比較して微粒子を用いて行われた場合、より大きいことが示されている。例えば、T細胞にサイズが近いミクロンサイズの粒子は最適なT細胞刺激を提供することが示されている(例えばSteenbloc and Fahmy, (2008) Molecular Therapy, 16:765-772; Mescher et al. (1992) J. Immunol., 149:2402-2405を参照のこと)。粒子の存在を評価するための既存の方法に関する問題は、多くが細胞と実質的に同じサイズの粒子を区別できないことである。いくつかの態様において、提供される方法は、粒子(例えばビーズ粒子)を無傷のままにしながら細胞を溶解させるので、これらの問題を克服する。いくつかの態様において、抗CD3/抗CD28微粒子(例えばビーズ粒子)は、1 μm〜24 μmまたは約1 μm〜24 μm、例えば2 μm〜10 μmまたは3 μm〜5 μm、例えば約または少なくとも約3 μm、3.5 μm、4.0 μm、4.5 μmまたは5.0 μmのサイズを有する。
任意で、刺激、活性化または増大は、例えば培地への、1つまたは複数の他の刺激条件の追加を含むこともできる。いくつかの態様において、刺激条件は、例えば、少なくとも約10単位/mLのIL-2濃度での、刺激サイトカイン、例えばIL-2および/またはIL-15の添加を含む。いくつかの態様において、条件は、1つまたは複数の特定の培地、温度、酸素含有量、二酸化炭素含有量、時間、薬剤、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組み換え可溶性受容体、ならびに細胞を活性化するようにデザインされた他の任意の薬剤を含むことができる。
いくつかの局面において、インキュベーションは、Riddellらの米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al.(2012) J Immunother. 35(9): 651-660、Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82、および/またはWang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701に記述されているものなどの、技法にしたがって実行される。
そのような局面において、1つまたは複数の粒子(例えばビーズ粒子)は1つまたは複数の細胞とともに保持されうる。いくつかの態様において、粒子(例えば磁化性粒子を含むビーズ粒子)は、続いてインキュベート、培養および/または操作される細胞に付着したままである; いくつかの局面において、患者への投与のために粒子は細胞に付着したままとされる。
いくつかの態様において、粒子(例えば磁化性粒子または磁性応答性粒子を含むビーズ粒子)は、細胞組成物から除去される。いくつかの態様において、粒子(例えば磁化性粒子または磁性応答性粒子を含むビーズ粒子)は、細胞組成物から完全には除去されず、それによって残留ビーズ細胞組成物をもたらす。細胞から粒子(例えばビーズ粒子または磁化性粒子)を除去するための方法は公知である。いくつかの(come)態様において、競合する非標識抗体を用いることができ、それは、例えば、一次抗体に結合し、細胞上のその抗原に対するその親和性を変化させ、それによって穏やかな剥離を可能にする。場合によっては、剥離後、競合抗体は粒子(例えばビーズ粒子)と会合したままでありうるが、未反応抗体は洗い流されまたは洗い流されることができ、細胞は抗体を単離、選択、濃縮および/または活性化しない。そのような試薬の例は、DETACaBEAD (Friedl et al. 1995; Entschladen et al. 1997)である。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は切断可能なリンカー(例えばDNAリンカー)の存在下で除去されることができ、それによって粒子結合抗体はリンカー(例えばCELLection, Dynal)にコンジュゲートされる。場合によっては、リンカー領域は単離後に、例えば、DNaseまたは他の放出緩衝液の添加によって、細胞から粒子(例えばビーズ粒子)を除去するために切断可能な部位を提供する。いくつかの態様において、細胞からの粒子(例えばビーズ粒子)の放出のために他の酵素的方法も利用することができる。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子または磁化性粒子)は生分解性である。
いくつかの態様において、調製方法は、単離、インキュベーション、および/または操作の前または後のいずれかに、細胞組成物中の細胞または細胞集団を凍結、例えば凍結保存するための段階を含む。いくつかの態様において、凍結およびその後の融解段階は細胞組成物中の、顆粒球および、ある程度、単球を除去する。いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞または細胞集団は、例えば血漿および血小板を除去するための洗浄段階の後に、凍結溶液に懸濁される。いくつかの局面における種々の既知の凍結溶液およびパラメータのいずれかが用いられうる。一例には、20% DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、または他の適当な細胞凍結培地を用いることが含まれる。次にこれを培地で1:1に希釈して、DMSOおよびHSAの終濃度がそれぞれ10%および4%になるようにする。次いで細胞を通常は毎分1℃の速度で-80℃に凍結し、液体窒素貯蔵タンクの気相中に貯蔵する。
C. 薬学的組成物および処方物
いくつかの態様において、細胞組成物は、投与のための細胞の治療的有効量を含む薬学的組成物または処方物である。いくつかの態様において、薬学的組成物または処方物は、所与の用量での投与のための細胞の数またはその一部を含む単位用量形態の組成物であってよい。薬学的組成物および処方物は通常、1つまたは複数の任意の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。いくつかの態様において、組成物は少なくとも1つのさらなる治療剤を含む。
「薬学的処方物」または「薬学的組成物」という用語は、その中に含有される活性成分の生物学的活性を有効にすることができるような形態であって、かつ処方物または組成物が投与される対象に対して許容できないほど毒性のあるさらなる成分を含有しない調製物をいう。
「薬学的に許容される担体」は、対象に対して無毒である、活性成分以外の、薬学的処方物中の成分をいう。薬学的に許容される担体は、緩衝液、賦形剤、安定剤、または保存料を含むが、これらに限定されることはない。
いくつかの局面において、担体の選択は、部分的には特定の細胞によりおよび/または投与の方法により判定される。したがって、種々の適当な処方物がある。例えば、薬学的組成物は保存料を含有することができる。適当な保存料は、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、および塩化ベンザルコニウムを含みうる。いくつかの局面において、2つまたはそれ以上の保存料の混合物が用いられる。保存料またはその混合物は、典型的には、全組成物の約0.0001重量%から約2重量%の量で存在する。担体は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)により記述されている。薬学的に許容される担体は通常、利用される投与量および濃度でレシピエントに無毒であり、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸のような緩衝液; アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化物質; 保存料(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム; 塩化ヘキサメトニウム; 塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム; フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール; メチルもしくはプロピルパラベンのようなアルキルパラベン; カテコール; レゾルシノール; シクロヘキサノール; 3-ペンタノール; およびm-クレゾールのような); 低分子量(約10残基未満)のポリペプチド; 血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンのようなタンパク質; ポリビニルピロリドンのような親水性重合体; グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジンのようなアミノ酸; 単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む他の炭水化物; EDTAのようなキレート剤; スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールのような糖類; ナトリウムのような塩形成対イオン; 金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体); ならびに/または
ポリエチレングリコール(PEG)のような非イオン性界面活性剤を含むが、これらに限定されることはない。
いくつかの局面における緩衝剤は薬学的組成物に含まれる。適当な緩衝剤には、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、ならびに他のさまざまな酸および塩が含まれる。いくつかの局面において、2つまたはそれ以上の緩衝剤の混合物が用いられる。緩衝剤またはその混合物は、典型的には、全組成物の約0.001重量%から約4重量%の量で存在する。投与可能な薬学的組成物を調製するための方法は公知である。例示的な方法は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams & Wilkins; 21st ed. (May 1, 2005)にさらに詳細に記述されている。
薬学的組成物は水溶液を含むことができる。
処方物または組成物は、治療法において単独でまたは他の薬剤との組み合わせで用いることができる。例えば、組成物は少なくとも1つのさらなる治療剤と同時投与されうる。いくつかの態様において、処方物または組成物は、細胞で処置される特定の適応症、疾患、または状態に有用な2つ以上の活性成分(例えば治療剤)、好ましくは細胞に補完的な活性を有するものを含有することができ、ここで各活性は互いに悪影響を及ぼさない。そのような活性成分(例えば治療剤)は、意図する目的に有効な量で組み合わせて適当に存在する。したがって、いくつかの態様において、薬学的組成物は、化学療法剤、例えばアスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、および/またはビンクリスチンのような、他の薬学的に活性な薬剤または薬物をさらに含む。いくつかの態様において、本発明の組成物はさらなる治療剤とは別の処方物中にある。いくつかの態様において、本発明の組成物の投与はさらなる治療剤の、投与の前に、投与と同時に、および/または投与の後に行うことができる。
いくつかの態様における薬学的組成物は、治療的有効または予防的有効な量のような、疾患または状態を処置または予防するために有効な量で細胞を含有する。いくつかの態様における治療的または予防的有効性は、処置対象の定期的評価によってモニターされる。所望の投与量は、細胞の単回ボーラス投与により、細胞の複数回ボーラス投与により、または細胞の連続注入投与により送達することができる。いくつかの態様において、細胞は単回投与量形態などの単一の薬学的組成物での投与のために処方される。いくつかの態様において、細胞は複数回投与量形態での投与のために処方される。養子細胞療法との関連でのような、場合によっては、所与の「用量」の投与は、単一組成物としての所与の量もしくは数の細胞の投与および/または、例えば単回注射もしくは持続注入としての、単回連続投与を包含し、また、一般的に3日を超えないような、特定の期間にわたる、複数の個々の組成物または注入物として提供される、分割用量としての所与の量または数の細胞の投与も包含する。したがって、状況によっては、用量は、単一の時点で与えられるかまたは開始される、特定の数の細胞の単回投与または連続投与である。しかしながら、状況によっては、用量は、3日間もしくは2日間1日1回のような、3日を超えない期間にわたる複数回の注射もしくは注入で、または1日の期間にわたる複数回の注入によって投与される。したがって、いくつかの局面において、細胞は単一の薬学的組成物中で投与される。いくつかの態様において、細胞は、単回用量の細胞を集合的に含有する複数の組成物で投与される。
いくつかの態様において、細胞は、対象の体重1キログラムあたりそのような細胞約105〜約106個の範囲での、および/または対象の体重1キログラムあたりそのような細胞約105個以下または約106個以下であるそのような細胞の数での投与のために処方される。例えば、いくつかの態様において、細胞は、対象の体重1キログラムあたりそのような細胞1×105個もしくは約1×105個、2×105個もしくは約2×105個、5×105個もしくは約5×105個、または1×106個もしくは約1×106個未満または以下を含む用量の投与のために処方される。いくつかの態様において、細胞は、対象の体重1キログラムあたりそのような細胞1×105個もしくは約1×105個、2×105個もしくは約2×105個、5×105個もしくは約5×105個、または1×106個もしくは約1×106個、あるいは前記の値のいずれか2つの間の範囲内の値を含む用量の投与のために処方される。特定の態様において、細胞の数および/または濃度は、組み換え受容体(例えばCAR)発現細胞の数をいう。他の態様において、細胞の数および/または濃度は、投与される全細胞、T細胞、または末梢血単核球(PBMC)の数または濃度をいう。
いくつかの態様において、細胞は、単回用量でまたは1回もしくは複数回の分割用量で対象に投与される細胞の量または数でありうる、細胞の1つまたは複数の単位用量を提供する量で組成物中に処方される。いくつかの態様において、単位用量は、処置される対象および/または細胞が由来する対象1 kgあたり、操作細胞の、全細胞の、T細胞の、またはPBMCの、約1×108個未満、約5×107個未満、約1×106個未満または約5×105個未満を含む。いくつかの態様において、各単位用量は、少なくとも2×106個、5×106個、1×107個、5×107個、もしくは1×108個、またはおよそ少なくとも2×106個、5×106個、1×107個、5×107個、もしくは1×108個、または約2×106個、5×106個、1×107個、5×107個、もしくは1×108個、または2×106個、5×106個、1×107個、5×107個、もしくは1×108個の操作細胞、全細胞、T細胞、またはPBMCを含有する。
いくつかの態様において、細胞および組成物は、標準的な投与技法、処方、および/または装置を用いて投与用に処方される。細胞の投与は自家または異種であってよい。例えば、免疫応答性細胞または前駆細胞は、1対象から得られ、同じ対象または異なる適合性のある対象に投与されることができる。末梢血由来免疫応答性細胞またはそれらの子孫(例えば、インビボ、エクスビボまたはインビトロ由来)は、カテーテル投与、全身注射、局所注射、静脈内注射、または非経口投与を含む局所注射によって投与することができる。治療用組成物(例えば、遺伝子改変された免疫応答性細胞を含有する薬学的組成物)を投与する場合、それは通常、単位投与量の注射可能な形態(溶液、懸濁液、乳濁液)に処方されるであろう。
処方物には、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、肺投与、経皮投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、口腔内投与、舌下投与、または坐薬投与用のものが含まれる。いくつかの態様において、細胞集団は非経口投与される。本明細書において用いられる「非経口」という用語は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸投与、膣内投与、および腹腔内投与を含む。いくつかの態様において、細胞は、静脈内、腹腔内、または皮下注射による末梢全身送達を用いて対象に投与される。
いくつかの態様における組成物は、いくつかの局面において選択されたpHに緩衝されうる、滅菌液体調製物、例えば、等張水溶液、懸濁液、乳濁液、分散液、または粘性組成物として提供される。液体調製物は通常、ゲル、他の粘性組成物、および固体組成物よりも調製が容易である。さらに、液体組成物は、特に注射による投与がややより便利である。他方、粘性組成物は、特定の組織とのより長い接触期間を提供するために適切な粘度範囲内で処方することができる。液体または粘性組成物は担体を含むことができ、それは例えば水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)、およびそれらの適当な混合物を含有する溶媒または分散媒体であってよい。
滅菌注射用溶液は、適当な担体、希釈剤、または滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどのような賦形剤との混合物などの、溶媒に細胞を組み入れることによって調製することができる。組成物は、望まれる投与経路および調製物に応じて、湿潤剤、分散剤または乳化剤(例えばメチルセルロース)、pH緩衝剤、ゲル化剤または粘性増強添加物、保存料、着香料および/または着色料のような補助物質を含有することができる。いくつかの局面において、標準的なテキストを参考にして適当な調製物を調製することができる。
抗微生物保存料、抗酸化物質、キレート剤、および緩衝液を含む、組成物の安定性および無菌性を増強するさまざまな添加物を添加することができる。微生物の作用の防止は、さまざまな抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、およびソルビン酸によって確実にすることができる。注射用薬学的形態の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらすことができる。
インビボ投与に用いられる処方物は概して無菌である。無菌性は、例えば、無菌ろ過膜を通してろ過することによって容易に達成されうる。
IV. 製造品およびキット
提供される方法を実施するための試薬または成分を含む製造品またはキットも提供される。製造品は、提供される方法を実施するための使用説明書を通常は含む、1つまたは複数の容器、典型的には複数の容器、包装材料、ならびに容器および/または包装上のまたはそれに付随するラベルまたは添付文書を含む。
いくつかの態様において、製造品は、包装材料を含む製造品として包装された、本方法を実施するための1つまたは複数の溶解溶液(例えば、高張溶液および/または低張溶液)ならびに、任意で本方法を実施するための使用説明書を含む。いくつかの態様において、製造品およびキットは、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための試薬および/または器具をさらに含みうる。試薬には、粒子の表面上の生体分子(例えば抗デキストラン抗体)を検出するための親和性または検出試薬、すすぎまたは洗浄緩衝液または溶液が含まれるが、これらに限定されることはなく、これらは各々、任意で、包装材料に含まれていてもよい。いくつかの態様において、製造品は、本方法を実施するための1つまたは複数の器具を含む。器具は、計数機器(例えば血球計)、磁石、およびピペット(例えば自動ピペット)を含むが、これらに限定されることはない。
いくつかの態様において、製造品はまた、細胞の検出、選択、濃縮、単離、活性化および/または刺激のための1つまたは複数の試薬を含むことができる。いくつかの態様において、そのような試薬は、細胞の表面上の巨大分子に特異的に結合して、細胞の検出、選択、濃縮、単離、活性化および/または刺激のうちの1つまたは複数を達成する粒子(例えばビーズ粒子)を含むことができる。いくつかの態様において、粒子は抗CD3抗体および/または抗CD28抗体とコンジュゲートされる。いくつかの態様において、粒子は、本明細書において記述のまたは当技術分野において公知のいずれも含むことができる。
包装材料の例としては、例えば、ボトル、チューブ、バッグ、バイアル、容器、注射器、ボトル、または溶解溶液を運搬もしくは保持するのに適した任意の包装材料を挙げることができる。通常、包装は溶解溶液または緩衝液と非反応性のものである。容器は、ガラスまたはプラスチックのような種々の材料から形成されうる。いくつかの態様において、容器は無菌アクセスポートを有する。
製造品またはキットは、細胞組成物中の非細胞粒子を計数するまたは非細胞粒子の存在もしくは非存在を検出するための使用説明書を含む添付文書をさらに含みうる。包装上のまたは容器に付随するラベルまたは添付文書は、本開示による試薬、溶解溶液、材料および/または器具の再構成および/または使用のための指示を示しうる。ラベルまたは添付文書は、溶解溶液、試薬および/または材料が、本開示によるような、治療法(例えば養子細胞療法)で用いるための細胞組成物における非細胞粒子を計数するまたは非細胞粒子の存在もしくは非存在を検出するのに有用であることをさらに示しうる。
V. 定義
他に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術用語、表記ならびに他の技術的および科学的用語または専門用語は、主張される主題が関連する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有するように意図される。場合によっては、明確にするためおよび/または容易に参照するため、一般に理解されている意味を有する用語を、以下を含め、本明細書において定義しているが、本明細書におけるそのような定義の包含は当技術分野において一般的に理解されるものに対する実質的な相違を表すと必ずしも解釈されるべきではない。
本開示を通して、主張される主題のさまざまな局面は範囲の形式で提示されている。範囲形式での記述は単に便宜上および簡潔にするためのものであり、主張される主題の範囲に対する柔軟性のない限定と解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記述は、その範囲内の個々の数値だけでなく全ての可能な部分的範囲を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限の間の各介在値とその記述された範囲内の任意の他の記載されたまたは介在する値とが主張される主題のなかに包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は独立して、より小さな範囲に含まれてもよく、また記載された範囲内の任意の具体的に除外された制限を条件として、主張される主題のなかに包含される。記載された範囲が制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれた制限の一方または両方を除外した範囲も主張される主題に含まれる。これは範囲の幅に関係なく適用される。
本明細書において用いられる「約」という用語は、この技術分野の当業者に容易に知られている各値に対する通常の誤差範囲をいう。本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする態様を含む(および記述する)。いくつかの態様において、「約」は、値またはパラメータの±50%、±40%、±30%、±25%、±20%、±15%、±10%、±5%、または±1%の範囲をいう。
本明細書において用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈がそうでない場合を明瞭に示さない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つもしくは複数」を意味する。本明細書において記述される局面、態様、および変形は、「含む(comprising)」、「からなる(consisting)」および/または「から本質的になる(consisting essentially of)」局面、態様および変形を含むことが理解される。
本明細書において用いられる場合、「細胞組成物」は、細胞を含む2つまたはそれ以上の産物の任意の混合物をいう。そのような組成物は、場合によっては、非細胞粒子(例えばビーズ粒子)も含むことができる。それは、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性またはそれらの任意の組み合わせでありうる。
「添付文書」という用語は、そのような治療用製品の使用に関する適応症、使用法、投与量、投与、併用療法、禁忌および/または警告に関する情報を含む、治療用製品の市販包装に通例含まれる指図をいうように用いられる。
本出願において言及される特許文書、科学論文およびデータベースを含む、全ての刊行物は、あたかも各個々の刊行物が個別に参照により組み入れられるのと同程度に、全ての目的のためにその全体が参照により組み入れられる。本明細書において記載される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、出願、公開出願および他の刊行物に記載の定義と相反する、またはそうでなければ矛盾する場合、本明細書において記載される定義は、参照により本明細書に組み入れられる定義より優先する。
本明細書において用いられるセクションの見出しは、編成目的のためだけであり、記述されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。
VI. 例示的な態様
本明細書において提供される態様の中には、以下のものがある。
1.
以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための方法:
(a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで1回または複数回のインキュベーションが、サンプル中の1つまたは複数の細胞の浸透圧溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルをインキュベートすることを含む、段階; ならびに
(b)アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。
2.
浸透圧溶解を誘導するのに十分な条件が、サンプルを低張溶液と接触させることを含む、態様1の方法。
3.
浸透圧溶解を誘導するための条件の下でインキュベートすることにより、溶解細胞組成物が産生され、
段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、溶解細胞組成物または溶解細胞組成物に由来する組成物を高張溶液とともにインキュベートすることをさらに含む、
態様1または態様2の方法。
4.
以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための方法:
(a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、
(i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルを低張溶液または高張溶液とともにインキュベートし、それによって溶解細胞組成物を産生すること、および
(ii)溶解細胞組成物の少なくとも一部分または溶解細胞組成物に由来するサンプルを他の低張溶液または高張溶液とともにインキュベートすること
を含む、段階; ならびに
(b)アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。
5.
以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する方法:
(a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、
(i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルを低張溶液とともにインキュベートし、それによって溶解細胞組成物を産生すること、および
(ii)溶解細胞組成物の少なくとも一部分または溶解細胞組成物に由来するサンプルを高張溶液とともにインキュベートすること
を含む、段階; ならびに
(b)アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。
6.
細胞組成物が、細胞組成物中の1つもしくは複数の細胞の表面に結合した粒子の1つもしくは複数を含むかまたは含むことが疑われ、
細胞組成物が、残留粒子を含むかまたは含むことが疑われ、
細胞組成物が、粒子の1つもしくは複数に結合した細胞を含有する組成物に由来し、かつ/あるいは
細胞組成物が、インプット組成物からの粒子の除去に由来する、
態様1〜5のいずれか一つの方法。
7.
(1) 細胞の集団を粒子の1つまたは複数と混合し、それによってインプット組成物を生成する段階; および
(2) インプット組成物中の細胞から粒子の1つまたは複数を除去し、それによって細胞組成物を産生する段階
を含む方法によって、細胞組成物が産生される、態様1〜6のいずれか一つの方法。
8.
粒子の1つまたは複数が集団内の1つまたは複数の細胞に結合することができる、態様7の方法。
9.
粒子がビーズ粒子である、態様1〜8のいずれか一つの方法。
10.
段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、アウトプット組成物から細胞残屑を低減または除去する、態様1〜9のいずれか一つの方法。
11.
段階(a)が、アウトプット組成物をすすぐかまたは洗浄することをさらに含む、態様1〜10のいずれか一つの方法。
12.
アウトプット組成物をすすぐかまたは洗浄することが、粒子をペレット化すること、およびアウトプット組成物のある量を除去するかまたはアウトプット組成物の量を低減することを含む、態様11の方法。
13.
段階(a)の1回または複数回のインキュベーションの前に、アウトプット組成物の量をサンプルとほぼ同量まで低減させる段階を含む、態様12の方法。
14.
100%未満であるが50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%を超えてまたは約50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%超えて、アウトプット組成物の量を低減させる段階を含む、態様12の方法。
15.
粒子の1つまたは複数が、細胞組成物中の細胞の表面上の巨大分子に結合することができる生体分子を含む、態様1〜14のいずれか一つの方法。
16.
生体分子が抗体またはその抗原結合断片である、態様15の方法。
17.
低張溶液が270 mOsm/L未満のオスモル濃度を有する、態様2〜16のいずれか一つの方法。
18.
低張溶液が、0 mOsm/L〜270 mOsm/L、50 mOsm/L〜200 mOsm/L、もしくは10 mOsm/L〜100 mOsm/L、または約0 mOsm/L〜270 mOsm/L、約50 mOsm/L〜200 mOsm/L、もしくは約10 mOsm/L〜100 mOsm/Lのオスモル濃度を有するか、あるいは
低張溶液が、250 mOsm/L、200 mOsm/L、150 mOsm/L、100 mOsm/L、50 mOsm/L、10 mOsm/L、もしくはそれ未満に満たない、または約250 mOsm/L、約200 mOsm/L、約150 mOsm/L、約100 mOsm/L、約50 mOsm/L、約10 mOsm/L、もしくはそれ未満に満たないオスモル濃度を有する、
態様2〜17のいずれか一つの方法。
19.
低張溶液が、0 mM〜140 mMまたは約0 mM〜140 mMの溶質濃度を含むか、あるいは
低張溶液が、140 mM未満もしくは約140 mM未満、100 mM未満もしくは約100 mM未満、50 mM未満もしくは約50 mM未満、または10 mM未満もしくは約10 mM未満の溶質濃度を含む、
態様2〜18のいずれか一つの方法。
20.
低張溶液が、0%〜0.8%もしくは0%〜0.5%または約0%〜0.8%もしくは約0%〜0.5%の溶質の量に対する重量パーセント(%w/v)を含むか、あるいは
低張溶液が、0.8%未満もしくは約0.8%未満、0.6%未満もしくは約0.6%未満、0.4%未満もしくは約0.4%未満、または0.2%未満もしくは約0.2%未満の溶質の%w/vを含む、
態様2〜19のいずれか一つの方法。
21.
低張溶液が溶質を含まない、態様2〜20のいずれか一つの方法。
22.
低張溶液が注射用滅菌水である、態様2〜21のいずれか一つの方法。
23.
高張溶液が300 mOsm/L超のオスモル濃度を有する、態様3〜22のいずれか一つの方法。
24.
高張溶液が、300 mOsm/L超もしくは約300 mOsm/L、400 mOsm/L超もしくは約400 mOsm/L、800 mOsm/L超もしくは約800 mOsm/L、1200 mOsm/L超もしくは約1200 mOsm/L、1500 mOsm/L超もしくは約1500 mOsm/L、2000 mOsm/L超もしくは約2000 mOsm/L、2500 mOsm/L超もしくは約2500 mOsm/L、3000 mOsm/L超もしくは約3000 mOsm/L、または4000 mOsm/L超もしくは約4000 mOsm/Lのオスモル濃度を有するか、あるいは
高張溶液が、300 mOsm/L〜5000 mOsm/L、1000〜5000 mOsm/L、もしくは1000〜3000 mOsm/L、または約300 mOsm/L〜5000 mOsm/L、約1000〜5000 mOsm/L、もしくは約1000〜3000 mOsm/Lのオスモル濃度を有する、
態様3〜23のいずれか一つの方法。
25.
高張溶液が、200 mM超もしくは約200 mM、400 mM超もしくは約400 mM超、600 mM超もしくは約600 mM超、800 mM超もしくは約800 mM超、1000 mM超もしくは約1000 mM超、2000 mM超もしくは約2000 mM超、 または5000 mM超もしくは約5000 mM超の溶質濃度を有するか、あるいは
高張溶液が、200 mM〜5000 mM、500 mM〜2000 mM、もしくは1000 mM〜2000 mM、または約200 mM〜5000 mM、約500 mM〜2000 mM、もしくは約1000 mM〜2000 mMの溶質濃度を有する、
態様3〜24のいずれか一つの方法。
26.
高張溶液が、1.5%〜15%もしくは2.5%〜12%または約1.5%〜15%もしくは約2.5%〜12%の溶質の量に対する重量パーセント(%w/v)を含むか、あるいは
高張溶液が、1.5%超もしくは約1.5%超、3.0%超もしくは約3.0%超、6.0%超もしくは約6.0%超、または8.0%超もしくは約8.0%超、または10.0%超もしくは約10.0%超の溶質の%w/vを含む、
態様3〜25のいずれか一つの方法。
27.
高張溶液が、NaClである溶質を含む、態様3〜26のいずれか一つの方法。
28.
細胞組成物の濃度が、少なくとももしくは少なくとも約2×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×106細胞/mL、または少なくとももしくは少なくとも約1×107細胞/mLである、態様1〜27のいずれか一つの方法。
29.
細胞組成物の量が、0.2 mL〜50 mL、0.2 mL〜20 mL、0.5 mL〜10 mL、0.5 mL〜5 mL、もしくは0.75 mL〜1.5 mL、または約0.2 mL〜50 mL、約0.2 mL〜20 mL、約0.5 mL〜10 mL、約0.5 mL〜5 mL、もしくは約0.75 mL〜1.5 mLであるか、あるいは
細胞組成物の量が、少なくともまたは少なくとも約0.2 mL、0.5 mL、1.0 mL、2.0 mL、5.0 mL、10.0 mL、または20 mL、50 mL、またはそれ以上である、
態様1〜28のいずれか一つの方法。
30.
粒子の1つまたは複数が、0.001 μm超、0.01 μm超、0.1 μm超、1.0 μm超、10 μm超、50 μm超、100 μm超、または1000 μm超の直径を有する粒子を有するまたは含む、態様1〜29のいずれか一つの方法。
31.
粒子の1つまたは複数が、1.0 μm〜500 μm、1.0 μm〜150 μm、1.0 μm〜30 μm、1.0 μm〜10 μm、または1.0 μm〜5.0 μmの直径を有する粒子を有するまたは含む、態様1〜30のいずれか一つの方法。
32.
粒子の1つまたは複数が、細胞組成物中の細胞の平均直径と実質的に同じであるまたは細胞組成物中の細胞の平均直径より1.5倍大きいもしくは小さい範囲内である直径を有する粒子を有するまたは含む、態様1〜31のいずれか一つの方法。
33.
粒子の1つまたは複数が磁性である、および/または粒子の1つまたは複数が、磁性コア、常磁性コア、もしくは超常磁性コアを含む、態様1〜32のいずれか一つの方法。
34.
磁性コアが、金属酸化物、フェライト、金属、ヘマタイト、金属合金、およびそれらの組み合わせから選択される、態様33の方法。
35.
粒子の1つまたは複数が酸化鉄コアを含む、態様1〜34のいずれか一つの方法。
36.
磁性コアがコートを含む、態様33〜35のいずれか一つの方法。
37.
コートが、磁性コアを酸化から保護、低減、または防止する、態様36の方法。
38.
コートが、重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、炭素、またはそれらの組み合わせを含む、態様36または態様37の方法。
39.
重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、炭素、またはそれらの組み合わせが、生分解性である、態様36〜37のいずれか一つの方法。
40.
多糖類が、キトサン、アガロース、デンプン、デキストラン、デキストラン誘導体、またはそれらの組み合わせである、態様38または態様39の方法。
41.
重合体が、ポリエチレングリコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレン、およびポリビニルアルコール、またはそれらの組み合わせである、態様38または態様39の方法。
42.
細胞が、10 μm〜30 μmまたは約10 μm〜30 μmの直径を有する、態様1〜41のいずれか一つの方法。
43.
細胞が動物細胞であり、または細胞組成物が動物細胞を含む、態様1〜42のいずれか一つの方法。
44.
細胞がヒト細胞であり、または細胞組成物がヒト細胞を含む、態様1〜43のいずれか一つの方法。
45.
細胞が幹細胞であり、または細胞組成物が幹細胞を含む、態様1〜44のいずれか一つの方法。
46.
幹細胞が人工多能性幹細胞(iPSC)である、態様45の方法。
47.
細胞が免疫細胞であり、または細胞組成物が免疫細胞を含む、態様1〜46のいずれか一つの方法。
48.
免疫細胞が、T細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞、または樹状細胞である、態様47の方法。
49.
段階(a)における1回または複数回のインキュベーションの前に、細胞組成物中の細胞の刺激および/または活性化をもたらすための刺激剤を含む粒子の1つまたは複数と、細胞組成物が混合されている、態様1〜48のいずれか一つの方法。
50.
細胞がT細胞であり、刺激剤が抗CD3抗体および/もしくは抗CD28抗体またはそれらの抗原結合断片である、態様49の方法。
51.
細胞が抗原提示細胞であり、刺激剤が抗CD80抗体および/もしくは抗CD86抗体またはその抗原結合断片である、態様50の方法。
52.
段階(a)における1回または複数回のインキュベーションの前に、細胞組成物中の細胞の単離または濃縮をもたらすための親和性剤を含む粒子の1つまたは複数と、細胞組成物が混合されている、態様1〜51のいずれか一つの方法。
53.
親和性試薬が、細胞組成物中の1つまたは複数の細胞上の細胞表面タンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を含む、態様52の方法。
54.
細胞表面タンパク質が、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD25、CD27、CD28、CD29、CD31、CD44、CD45RA、CD45RO、CD54 (ICAM-1)、CD127、MHCI、MHCII、CTLA-4、ICOS、PD-1、OX40、CD27L (CD70)、4-1BB (CD137)、4-1BBL、CD30L、LIGHT、IL-2R、IL-12R、IL-1R、IL-15R; IFN-γR、TNF-αR、IL-4R、IL-10R、CD18/CDl la (LFA-1)、CD62L (L-セレクチン)、CD29/CD49d (VLA-4)、Notchリガンド(例えばDelta-様1/4、Jagged 1/2など)、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、およびCXCR3から選択される、態様53の方法。
55.
1回または複数回のインキュベーションが、少なくともまたは少なくとも約30秒、1分、2 分、3 分、4 分、5 分、10 分、20 分、または30 分間であるか、あるいは
1回または複数回のインキュベーションが、30秒〜30分、1分〜20分、1分〜10分、もしくは1分〜5分、または約30秒〜30分、約1分〜20分、約1分〜10分、もしくは約1分〜5分である、
態様1〜54のいずれか一つの方法。
56.
低張および/または高張溶液の量が、少なくともまたは少なくとも約1 mL、3 mL、9 mL、12 mL、15 mL、18 mL、20 mL、25 mL、30 mL、35 mL、40 mL、45 mL、50 mL、またはそれ以上であるか、あるいは
低張および/または高張溶液の量が、1 mL〜50 mL、2 mL〜30 mL、5 mL〜25 mL、もしくは10 mL〜20 mL、または約1 mL〜50 mL、約2 mL〜30 mL、約5 mL〜25 mL、もしくは約10 mL〜20 mLである、
態様2〜55のいずれか一つの方法。
57.
粒子の表面もしくは粒子の表面上のコートを破壊しないか、または粒子の表面に付着した生体分子を除去する、態様1〜56のいずれか一つの方法。
58.
段階(b)における判定が、手動計数法、電子粒子計数法、親和性に基づく検出、顕微鏡法、フローサイトメトリー、または磁性細胞選別を含む、態様1〜57のいずれか一つの方法。
59.
段階(b)における判定が、
任意で材料または生体分子に特異的に結合する結合剤を用いて、粒子の表面に会合したまたは付着した、存在する1つまたは複数の材料または生体分子を検出すること
を含む、態様1〜58のいずれか一つの方法。
60.
コートを含む粒子およびコートが材料を含む、態様59の方法。
61.
材料が多糖類である、態様59または態様60の方法。
62.
材料がデキストランであり、かつ/または結合剤が抗デキストラン抗体である、態様61の方法。
63.
生体分子が、粒子の表面に付着した細胞表面タンパク質に対する抗体または抗原結合断片であり、これは任意で抗CD3抗体または抗CD28抗体である、態様59の方法。
64.
以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する方法:
(a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで1回または複数回のインキュベーションが、サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルをインキュベートすることを含む、段階; ならびに
(b)粒子上に存在している、粒子に会合している、または粒子に付着している材料、部分、または生体分子に特異的に結合する結合剤を用いて、アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。
65.
結合剤が、抗体またはその抗原結合断片である、態様64の方法。
66.
粒子が、材料を含むコートを含む、態様64または態様65の方法。
67.
材料が多糖類である、態様64〜66のいずれかの方法。
68.
材料がデキストランであり、かつ/または結合剤が抗デキストラン抗体である、態様64〜67のいずれかの方法。
69.
生体分子が、粒子の表面に付着した細胞表面タンパク質に対する抗体または抗原結合断片であり、これは任意で抗CD3抗体または抗CD28抗体である、態様64または態様65の方法。
70.
結合剤が、生体分子に対する抗イディオタイプ抗体または抗アイソタイプ抗体である、態様69の方法。
71.
1回または複数回のインキュベーションが、サンプル中の1つまたは複数の細胞の浸透圧細胞溶解を誘導する、態様64〜70のいずれかの方法。
72.
1回または複数回のインキュベーションが、サンプルを低張溶液とともにインキュベートすることを含む、態様62〜71のいずれかの方法。
73.
1回または複数回のインキュベーションが、サンプルを高張溶液とともにインキュベートすることをさらに含む、態様72の方法。
74.
前記判定が、コートを含む粒子の1つまたは複数の検出のための蛍光活性化細胞選別(FACS)を含む、態様64〜73のいずれかの方法。
75.
段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、約15℃〜30℃、18℃〜28℃、または20℃〜25℃である温度で実施される、態様1〜74のいずれか一つの方法。
76.
段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、約23℃である温度で実施される、態様1〜75のいずれか一つの方法。
77.
浸透圧細胞溶解をもたらすための溶液を含む容器、
包装材料、ならびに
細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための使用説明書を含むラベルまたは添付文書
を含む、製造品。
78.
浸透圧細胞溶解をもたらすための溶液が低張溶液である、態様77の製造品。
79.
高張溶液を含む容器をさらに含む、態様77または態様78の製造品。
80.
粒子を検出または同定するための器具または試薬をさらに含む、態様77〜79のいずれかの製造品。
81.
器具または試薬が血球計を含む、態様80の製造品。
82.
器具または試薬が、粒子の表面上の材料、部分、または生体分子に特異的な結合剤を含む、態様80の製造品。
83.
結合剤が抗体またはその抗原結合断片である、態様82の製造品。
84.
粒子が、材料を含むコートを含む、態様82または態様83の製造品。
85.
材料が多糖類である、態様84の製造品。
86.
材料がデキストランであり、かつ/または結合剤が抗デキストラン抗体である、態様82〜85のいずれかの製造品。
87.
生体分子が、粒子の表面に付着した細胞表面タンパク質に対する抗体または抗原結合断片であり、これは任意で抗CD3抗体または抗CD28抗体である、態様82または態様83の製造品。
88.
結合剤が、生体分子に対する抗イディオタイプ抗体または抗アイソタイプ抗体である、態様87の製造品。
89.
結合剤が蛍光標識されている、態様82〜88のいずれかの製造品。
VII. 実施例
以下の実施例は例示の目的のためだけに含まれており、本発明の範囲を限定することを意図しない。
実施例1:漂白剤による細胞溶解および残留ビーズの計数
本実施例では、フローサイトメトリーを用いて組成物中のT細胞の中からビーズ粒子の存在を検出した。初代ヒトT細胞を、健常ドナーから得たヒトPBMCサンプルからの親和性に基づく選択によって単離した。さまざまな比率で抗体試薬、例えば抗CD28抗体(アイソタイプマウスIgG1)、抗CD3抗体(アイソタイプマウスIgG2a)、および抗ビオチン抗体とカップリングさせたビーズ粒子(例えばMACS(登録商標) GMP ExpActビーズ) (例えば、MACSiBead(商標); Miltenyi Biotec)と、T細胞を混合した。例示的なビーズ粒子は、約3.5 μmの直径を有するシリカクロマトグラフィーマイクロビーズであり、コロイド状鉄の常磁性内部コアおよびデキストランマイクロビーズを含有し、ここで内部コアはシリカ、ポリウレタンおよびアミノ-デキストランの層でコートされている。コートを抗CD28抗体および抗ビオチン抗体に連結させ、粒子にビオチンと抗ビオチン抗体との間の相互作用を介してビオチン化抗CD3抗体をさらに負荷する。
ビーズ粒子と混合された細胞を含有する組成物を、漂白剤で処理するか、または未処理のままにした。組成物中の粒子を検出するため、フローサイトメトリーによる評価のためにサンプルを蛍光標識抗マウスIgG1抗体、蛍光標識抗マウスIgG2a抗体および蛍光標識抗デキストラン抗体で染色した。結果から、漂白剤で処理されなかった組成物中のデキストラン(図1B)、IgG1 (図1C)、およびIgG2a (図1C)について陽性である粒子(図1A)の検出が示された。しかしながら、漂白剤で処理した組成物では、粒子の事象カウント数の有意な減少が観察された(図1D)。漂白サンプル(図1E)において観察されたデキストラン陽性の事象の量は、未漂白サンプル(図1B)と比較して有意に低減され、IgG1およびIgG2a染色(図1F)はほとんど検出できなかった。これらの結果は、漂白剤が粒子を損傷し、および/または粒子表面上の抗CD3抗体(IgG2aアイソタイプ)および抗CD28抗体(IgG1アイソタイプ)を変性させることを示した。
実施例2: 細胞サンプル中の残留ビーズ計数のための細胞溶解法
さらなる例示的な方法では、細胞溶解法を利用してビーズ粒子を損傷することなくそのような溶液から細胞を除去し、それによって正確なビーズ計数を可能にした。本方法は、低張溶液および高張溶液を用いてビーズ粒子の存在下でインキュベートされた細胞組成物の溶解を浸透圧的に誘導し、混合ビーズおよび細胞溶液から残留細胞残屑を除去する段階、ならびにサンプル中に存在するビーズ粒子をカウントする段階を伴った。
ビーズ粒子とインキュベートまたは混合された細胞を含有する細胞組成物を調製した(場合によっては、混合ビーズ細胞組成物と呼んだ)。例示的な態様において、混合ビーズ細胞組成物は、T細胞のような細胞を、抗体試薬、例えば抗CD28抗体および抗CD3抗体とカップリングされたビーズ粒子(例えば、MACS(登録商標) GMP ExpActビーズ; Miltenyi Biotec)とインキュベートまたは混合することによって調製された。例示的な方法では、ビーズ粒子はコロイド状鉄の常磁性内部コアおよびデキストランマイクロビーズを含有し、ここで内部コアはシリカ、ポリウレタンおよびアミノ-デキストランの層でコートされている。インキュベーション後、磁性除去手順を用いて集団内の細胞からビーズ粒子を除去した。細胞の表面に結合した残留ビーズ粒子を含有しうる、この得られた混合ビーズ細胞組成物から、サンプルをビーズ計数のために保持した(場合によっては、「残留ビーズ細胞組成物」でありうる「試験細胞組成物」と呼ばれた)。場合によっては、任意で、ビーズ粒子の計数の前に、保持された試験細胞組成物を、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する凍結保存溶液中で凍結保存した。
試験細胞組成物のサンプル1 mLを保持し、サンプル中のビーズ粒子の存在または量について評価した。保持された試験細胞組成物が凍結保存された態様では、細胞溶解の前にサンプルを洗浄して、DMSOを含有する凍結保存溶液を除去した。保持された試験細胞組成物が凍結保存されていない態様では、細胞溶解の前にサンプルを洗浄する。洗浄の場合、ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水中0.2%のヒト血清アルブミンを含有するブロッキング溶液45 mLを50 mLのチューブに添加し、そのチューブを37℃で32分間、回転装置上で毎分10回転の速度にてインキュベートすることによりサンプルチューブを調製した。ブロッキング溶液を含有するチューブに、保持された試験細胞組成物1 mLを添加し、得られた溶液を5回反転させることによって混合した。溶液を続いて、500×gで5分間遠心分離し、1 mLのサンプルしか残らなくなるまで上清を吸引した。各ボルテックス段階の間に約2秒の休止時間を置いて、毎回3000 rpmの速度で、およそ5秒間サンプルを3回ボルテックスした。
低張溶液中での細胞溶解のため、注射用水およそ18 mLを、洗浄されたかまたは凍結保存料を含まない試験細胞組成物1 mL量に添加した。細胞および低張溶液を混合するため、各ボルテックス段階の間に約2秒の休止時間を置いて、毎回3000 rpmの速度で、およそ10秒間サンプルを約5回ボルテックスした。混合された低張細胞サンプルを室温で約5分間インキュベートして、細胞溶解を誘導した。
低張インキュベーション後、低張細胞サンプルに5 M NaClおよそ12 mLを添加して高張溶液を得た。高張細胞サンプルを、各ボルテックス段階の間に約2秒の休止時間を置いて、毎回約3000 rpmの速度で、およそ10秒間5回ボルテックスすることによって混合し、次いで室温で約5分間インキュベートした。インキュベーション後、サンプルを約500×gで5分間遠心分離し、サンプル約1 mL〜2 mLの量が残るように上清を吸引した。サンプルを約500×gで1分間再度遠心分離し、約1 mLのサンプルしか残らなくなるまで上清を除去した(本明細書において「最終サンプル量」ともいわれる)。高張インキュベーションおよびすすぎを用いて、低張溶解中に生成された細胞残屑を除去し洗い流した。
残留ビーズの計数のため、調製したサンプルを約3000 rpmの速度で約20秒間ボルテックスした。ボルテックス後にチューブの底に集められた液体から、ブロッキング溶液(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水中0.2%のヒトアルブミン血清)で予め洗浄されたピペットチップを用いてピペットによりサンプルおよそ115 μLを集めた。サンプル115 μLをHausser Nageotte Bright-Line(商標)血球計チャンバに負荷した。負荷された血球計を蓋付きペトリ皿に入れ、室温でおよそ25分間インキュベートさせた。インキュベーション後、血球計をNikon Eclipse Ci-L顕微鏡上の20倍対物レンズおよび位相差コンデンサーアニュラスを用いて観察した。血球計グリッドの、長方形の線に接触するビーズ粒子を含めて、40個の長方形の中で可視化されたビーズ粒子をカウントして「ビーズ粒子カウント」を得た。可視化されたビーズ粒子は一様に球形であり、端もしくは角がぎざぎざしていない滑らかな黒色の輪郭を有し、および/または明るい白色の中心を有していた。サンプル115 μLを全体で3回繰り返してカウントした。
Hausser Nageotte Bright-Line(商標)血球計の40個の長方形が計50 μLの液体を保持していることを考慮して、残留ビーズ細胞組成物中のビーズ粒子の数を以下のように計算した:
試験細胞組成物1 μLあたりのビーズ粒子数(ビーズ/μL)を計算するには: ビーズカウント÷ 50 μL;
試験細胞組成物中の全ビーズ粒子の数(ビーズ/サンプル)を計算するには: ビーズ/μL×最終保持サンプル量(例えば、1 ml)。
保持された試験組成物が1 mLの量を有すると仮定すると、ビーズ/サンプルは、元の混合ビーズ-細胞組成物のビーズ/mLと同じである。
いくつかの態様において、試験細胞組成物あたりの全ビーズ粒子の平均、標準偏差および変動係数(100×(標準偏差/平均))は、少なくとも3つの複製サンプルから計算することができる。
この方法は、溶解した細胞から分離された損傷のないビーズ粒子の計数をもたらし、それによって混合細胞およびビーズ組成物中に残った残留ビーズ粒子の量についての正確な評価のための改善された方法をもたらした。
実施例3: 細胞溶解法および血球計による残留ビーズの計数
正確なビーズ計数に及ぼす細胞溶解法に供されたサンプル中のビーズ粒子の数の影響を評価した。
材料および方法
サンプル
抗CD3抗体および抗CD28抗体に連結されたビーズを含む試薬(例えば、MACS(登録商標) GMP ExpActビーズ; Miltenyi Biotec)で予め刺激された約10×106個のCAR発現T細胞を含む一連のサンプルを三つ組で調製し、残留ビーズ粒子を除去するために脱ビーズ化した。脱ビーズサンプルに、サンプル1 mLあたり抗CD3抗体および抗CD28抗体に連結された250、500、1000、または2000個のビーズ粒子をスパイクした。
50 mLポリプロピレンチューブによる細胞溶解法
各サンプルは、実施例2に概して記載するように細胞溶解法を用いて処理された。簡単に言うと、ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水中0.2%のヒト血清アルブミンを含有するブロッキング溶液を50 mLのポリプロピレンチューブに添加することによってサンプルチューブを調製し、そのチューブを37℃で32分間、回転装置上で毎分10回転の速度にてインキュベートした。ブロッキング溶液を含有するチューブに上記の調製サンプル1 mLを添加し、得られた溶液を5回反転させることによって混合した。残りの段階は、実施例2に記載するように実施した。
血球計によるビーズの計数
ビーズの計数のため、最終サンプル量を約3000 rpmの速度で約20秒間ボルテックスした。ボルテックス後にチューブの底に集められた液体から、ブロッキング溶液(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水中0.2%のヒトアルブミン血清)で予め洗浄されたピペットチップを用いてピペットによりサンプルおよそ115 μLを集めた。サンプル115 μLをHausser Nageotte Bright-Line(商標)血球計チャンバに負荷した。負荷された血球計を蓋付きペトリ皿に入れ、室温でおよそ25分間インキュベートさせた。インキュベーション後、血球計をNikon Eclipse Ci-L顕微鏡上の20倍対物レンズおよび位相差コンデンサーアニュラスを用いて観察した。血球計グリッドの、長方形の線に接触するビーズ粒子を含めて、40個の長方形の中で可視化されたビーズ粒子をカウントして「ビーズ粒子カウント」を得た。可視化されたビーズ粒子は一様に球形であり、端もしくは角がぎざぎざしていない滑らかな黒色の輪郭を有し、および/または明るい白色の中心を有していた。サンプル115 μLを全体で3回繰り返してカウントした。
Hausser Nageotte Bright-Line(商標)血球計の40個の長方形が計50 μLの液体を保持していることを考慮して、サンプル中のビーズ粒子の数を以下のように計算した:
サンプル1 μLあたりのビーズ粒子数(ビーズ/μL)を計算するには: ビーズカウント÷ 50 μL;
サンプル中の全ビーズ粒子の数(ビーズ/サンプル)を計算するには: ビーズ/μL×最終保持サンプル量(例えば、1 ml)。
サンプルあたりの全ビーズ粒子の平均、標準偏差および変動係数(100×(標準偏差/平均))を計算した。
結果
上記のように血球計によって計算された、サンプル中のビーズ粒子の数を、サンプル中の対応するビーズ粒子の予想数と比較した。これらのデータは、ビーズカウントが1 mLあたり250個と2000個のビーズの試験スパイク量の間で直線的であることを明らかにした(図2)。
上記の方法を複数の日数で(例えば、2サンプルを三つ組で1人のオペレータが2日間かけて1日につき1サンプルをまたは1人のオペレータが3日間かけて2サンプルを評価し)、ならびに複数のオペレータで(例えば3人のオペレータがそれぞれ2サンプルを評価し)繰り返して本方法のオペレータ間、日間、およびアッセイ内変動を評価した。ビーズ量が250ビーズ/mL〜2000ビーズ/mLの直線範囲内に入った場合に、アッセイ内、オペレータ間、および日内変動性が許容限界内であると判定された。
実施例4: 細胞溶解法および残留ビーズ計数の精度
正確なビーズ計数に及ぼす細胞溶解法に供されたサンプル中のビーズ粒子の数の影響を評価した。
材料および方法
サンプル
抗CD3抗体および抗CD28抗体に連結された前述のビーズ粒子500、750、1000、または1500個から構成された一連のビーズのみのサンプル(「ビーズのみの」サンプルといわれる)(例えば、MACS(登録商標) GMP ExpActビーズ; Miltenyi Biotec)を二つ組で調製した。抗CD3抗体および抗CD28抗体に連結されたビーズを含む試薬で予め刺激し、残留ビーズ粒子を除去するために脱ビーズ化した約10×106個のCAR発現T細胞からなる第2の一連のサンプルを三つ組で調製した。脱ビーズ化サンプルに、抗CD3抗体および抗CD28抗体に連結されたビーズ粒子0、500、750、1000、または1500個をスパイクした。一連の調製中、サンプルを0.2%ヒト血清アルブミン溶液または2 M NaCl中に希釈した。
50 mLポリプロピレンチューブによる細胞溶解法
各サンプルは、実施例2に記載するように細胞溶解法を用いて処理された。簡単に言うと、ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水中0.2%のヒト血清アルブミンを含有するブロッキング溶液45 mLを50 mLのポリプロピレンチューブに添加することによってサンプルチューブを調製し、そのチューブを37℃で32分間、回転装置上で毎分10回転の速度にてインキュベートした。ブロッキング溶液を含有するチューブに上記の調製サンプル1 mLを添加し、得られた溶液を5回反転させることによって混合した。残りの段階は、実施例2に記述されている通りである。
血球計によるビーズの計数
両血球計によるビーズの計数は、上記の実施例3に記述されているように実施された。
フローサイトメトリーによるビーズの計数
フローサイトメトリーによるビーズ計数のため、既知数の蛍光TruCount(商標)ビーズを含有するTruCount(商標)チューブ(BD Biosciences)にサンプル約140 μLを添加した。12.5%正常マウス血清を含有するブロッキング溶液約20 μLをTruCount(商標)チューブに添加し、溶液を室温で5分間インキュベートした。ブロッキング溶液とのインキュベーション後、FITC標識抗デキストラン抗体約40 μLをチューブに添加して1:40の最終希釈を達成した。次いでチューブを室温で25分間インキュベートした。抗デキストラン抗体とのインキュベーション後、ブロッキング溶液(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水中0.2%のヒト血清アルブミン)約360 μLを各チューブに添加して約560 μLの最終サンプル量に到達させた。次に、約25〜30,000のTruCount事象の標的がカウントされるまで、サンプルをフローサイトメーターで取得した。サンプル中のデキストラン染色ビーズの絶対数(ビーズ/μL)を、デキストラン事象の数をTruCountビーズ事象と比較することによって判定した。
結果
サンプル中にスパイクされたビーズ粒子の実際の数に対するカウントされたビーズ粒子の割合は、ビーズ粒子のみを含有する系列においておよびビーズ粒子と混合された細胞を含有する系列において計算された。
ビーズ粒子のみの系列では、ビーズ粒子の計数は血球計とフローサイトメトリービーズ検出法との間で同程度であった(図3)。2 M NaClと比べて0.2%ヒト血清アルブミン(HSA)中で希釈されたサンプルにおけるビーズ計数の精度は、血球計によって評価されるように一貫していた(図3)。全体として、ビーズのみのサンプルからのビーズ粒子の計数は、血球計またはフローサイトメトリーによって検出されるかどうかにかかわらず、サンプル希釈液とは無関係に、全系列にわたって同等であった(図3)。
細胞系列と混合されたビーズ粒子において、ビーズ粒子の計数は血球計とフローサイトメトリービーズ検出法との間で同程度であった(図4)。全体として、細胞サンプルと混合されたビーズからのビーズ粒子の計数は、血球計またはフローサイトメトリーによって検出されるかどうかにかかわらず、サンプル中のビーズ粒子の数とは無関係に、全系列にわたって同等であった(図4)。
まとめると、これらの結果は、細胞を有するまたは有しないサンプル中のビーズ粒子の数または負荷が、血球計またはフローサイトメトリーによるビーズ粒子の一貫した計数能力に影響を与えないことを示している。
実施例5: ビーズタイプ、細胞溶解法および残留ビーズ計数
3つの異なる脱ビーズ化プロセスに供された細胞サンプル中の残留ビーズ粒子の数を判定した。
材料および方法
サンプル
2つの対照サンプルを三つ組で調製した:(1)抗CD3抗体および抗CD28抗体に連結されたビーズ粒子を含む試薬で予め刺激された4×106個のCAR発現T細胞を有する対照サンプル; ならびに(2)500個の前述のビーズ粒子と混合された抗CD3抗体および抗CD28抗体に連結されたビーズ粒子を含む試薬で予め刺激された4×106個のCAR発現T細胞を有する対照サンプル。抗CD3抗体および抗CD28抗体に連結されたビーズ粒子を含む試薬で予め刺激された3.8×106個のCAR発現T細胞を含む3つの試験サンプルを三つ組で調製した:(1)CliniMACS(登録商標) System (Miltenyi Biotec)で脱ビーズ化された試験サンプル; (2)DynaMag(商標) CTS(商標) Magnet (Gibco)で脱ビーズ化された試験サンプル; および(3)磁石上のソースバッグと磁石シェルフ上のキャプチャバッグの間にチューブを配置することによって磁石からの排出流量を毎分10 mL〜20 mLに制御したDynaMag(商標) CTS(商標) Magnet (Gibco)を用い、改良プロトコル(本明細書において「改良DynaMag脱ビーズ化プロセス」といわれる)で脱ビーズ化された試験サンプル。
50 mLポリプロピレンチューブによる細胞溶解法
各サンプルは、実施例2に記載するように細胞溶解法を用いて処理された。簡単に言うと、ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水中0.2%のヒト血清アルブミンを含有するブロッキング溶液45 mLを50 mLのポリプロピレンチューブに添加することによってサンプルチューブを調製し、そのチューブを37℃で32分間、回転装置上で毎分10回転の速度にてインキュベートした。ブロッキング溶液を含有するチューブに上記の調製サンプル1 mLを添加し、得られた溶液を5回反転させることによって混合した。残りの段階は、実施例2に記載する通りである。
血球計によるビーズの計数
ビーズの計数は、上記の実施例3に概説するように実施した。
結果
対照サンプル中の1 mlあたりのビーズ粒子の数を計算し、対照中のビーズ損失が約25%であると判定された。脱ビーズ化試験サンプル中のビーズ粒子の数を、対照サンプル中の25%ビーズ損失に対して正規化した。DynaMag(商標) CTS(商標)磁石を用いた脱ビーズ化では、改良されたDynaMag脱ビーズ化プロセスと比較して3倍多くの残留ビーズ粒子が残っていた(表1)。CliniMACS(登録商標) Systemを用いた脱ビーズ化では、他の2つの方法による脱ビーズ化と比較して、残留ビーズ粒子が少なかった(表1)。
(表1)残留ビーズの計数
Figure 2019531470
本発明は、例えば、本発明のさまざまな局面を例示するために提供される特定の開示された態様に範囲が限定されることを意図しない。記載した組成物および方法に対するさまざまな修正は、本明細書中の記述および教示から明らかになるであろう。そのような変形は、本開示の真の範囲および趣旨から逸脱することなく実践することができ、本開示の範囲内に含まれることが意図される。

Claims (89)

  1. 以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための方法:
    (a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで1回または複数回のインキュベーションが、サンプル中の1つまたは複数の細胞の浸透圧溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルをインキュベートすることを含む、段階; ならびに
    (b)アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。
  2. 浸透圧溶解を誘導するのに十分な条件が、サンプルを低張溶液と接触させることを含む、請求項1記載の方法。
  3. 浸透圧溶解を誘導するための条件の下でインキュベートすることにより、溶解細胞組成物が産生され、
    段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、溶解細胞組成物または溶解細胞組成物に由来する組成物を高張溶液とともにインキュベートすることをさらに含む、
    請求項1または請求項2記載の方法。
  4. 以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための方法:
    (a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、
    (i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルを低張溶液または高張溶液とともにインキュベートし、それによって溶解細胞組成物を産生すること、および
    (ii)溶解細胞組成物の少なくとも一部分または溶解細胞組成物に由来するサンプルを他の低張溶液または高張溶液とともにインキュベートすること
    を含む、段階; ならびに
    (b)アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。
  5. 以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する方法:
    (a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、
    (i)サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルを低張溶液とともにインキュベートし、それによって溶解細胞組成物を産生すること、および
    (ii)溶解細胞組成物の少なくとも一部分または溶解細胞組成物に由来するサンプルを高張溶液とともにインキュベートすること
    を含む、段階; ならびに
    (b)アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。
  6. 細胞組成物が、細胞組成物中の1つもしくは複数の細胞の表面に結合した粒子の1つもしくは複数を含むかまたは含むことが疑われ、
    細胞組成物が、残留粒子を含むかまたは含むことが疑われ、
    細胞組成物が、粒子の1つもしくは複数に結合した細胞を含有する組成物に由来し、かつ/あるいは
    細胞組成物が、インプット組成物からの粒子の除去に由来する、
    請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. (1) 細胞の集団を粒子の1つまたは複数と混合し、それによってインプット組成物を生成する段階; および
    (2) インプット組成物中の細胞から粒子の1つまたは複数を除去し、それによって細胞組成物を産生する段階
    を含む方法によって、細胞組成物が産生される、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 粒子の1つまたは複数が集団内の1つまたは複数の細胞に結合することができる、請求項7記載の方法。
  9. 粒子がビーズ粒子である、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、アウトプット組成物から細胞残屑を低減または除去する、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 段階(a)が、アウトプット組成物をすすぐかまたは洗浄することをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. アウトプット組成物をすすぐかまたは洗浄することが、粒子をペレット化すること、およびアウトプット組成物のある量を除去するかまたはアウトプット組成物の量を低減することを含む、請求項11記載の方法。
  13. 段階(a)の1回または複数回のインキュベーションの前に、アウトプット組成物の量をサンプルとほぼ同量まで低減させる段階を含む、請求項12記載の方法。
  14. 100%未満であるが50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%を超えてまたは約50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%超えて、アウトプット組成物の量を低減させる段階を含む、請求項12記載の方法。
  15. 粒子の1つまたは複数が、細胞組成物中の細胞の表面上の巨大分子に結合することができる生体分子を含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
  16. 生体分子が抗体またはその抗原結合断片である、請求項15記載の方法。
  17. 低張溶液が270 mOsm/L未満のオスモル濃度を有する、請求項2〜16のいずれか一項記載の方法。
  18. 低張溶液が、0 mOsm/L〜270 mOsm/L、50 mOsm/L〜200 mOsm/L、もしくは10 mOsm/L〜100 mOsm/L、または約0 mOsm/L〜270 mOsm/L、約50 mOsm/L〜200 mOsm/L、もしくは約10 mOsm/L〜100 mOsm/Lのオスモル濃度を有するか、あるいは
    低張溶液が、250 mOsm/L、200 mOsm/L、150 mOsm/L、100 mOsm/L、50 mOsm/L、10 mOsm/L、もしくはそれ未満に満たない、または約250 mOsm/L、約200 mOsm/L、約150 mOsm/L、約100 mOsm/L、約50 mOsm/L、約10 mOsm/L、もしくはそれ未満に満たないオスモル濃度を有する、
    請求項2〜17のいずれか一項記載の方法。
  19. 低張溶液が、0 mM〜140 mMまたは約0 mM〜140 mMの溶質濃度を含むか、あるいは
    低張溶液が、140 mM未満もしくは約140 mM未満、100 mM未満もしくは約100 mM未満、50 mM未満もしくは約50 mM未満、または10 mM未満もしくは約10 mM未満の溶質濃度を含む、
    請求項2〜18のいずれか一項記載の方法。
  20. 低張溶液が、0%〜0.8%もしくは0%〜0.5%または約0%〜0.8%もしくは約0%〜0.5%の溶質の量に対する重量パーセント(%w/v)を含むか、あるいは
    低張溶液が、0.8%未満もしくは約0.8%未満、0.6%未満もしくは約0.6%未満、0.4%未満もしくは約0.4%未満、または0.2%未満もしくは約0.2%未満の溶質の%w/vを含む、
    請求項2〜19のいずれか一項記載の方法。
  21. 低張溶液が溶質を含まない、請求項2〜20のいずれか一項記載の方法。
  22. 低張溶液が注射用滅菌水である、請求項2〜21のいずれか一項記載の方法。
  23. 高張溶液が300 mOsm/L超のオスモル濃度を有する、請求項3〜22のいずれか一項記載の方法。
  24. 高張溶液が、300 mOsm/L超もしくは約300 mOsm/L、400 mOsm/L超もしくは約400 mOsm/L、800 mOsm/L超もしくは約800 mOsm/L、1200 mOsm/L超もしくは約1200 mOsm/L、1500 mOsm/L超もしくは約1500 mOsm/L、2000 mOsm/L超もしくは約2000 mOsm/L、2500 mOsm/L超もしくは約2500 mOsm/L、3000 mOsm/L超もしくは約3000 mOsm/L、または4000 mOsm/L超もしくは約4000 mOsm/Lのオスモル濃度を有するか、あるいは
    高張溶液が、300 mOsm/L〜5000 mOsm/L、1000〜5000 mOsm/L、もしくは1000〜3000 mOsm/L、または約300 mOsm/L〜5000 mOsm/L、約1000〜5000 mOsm/L、もしくは約1000〜3000 mOsm/Lのオスモル濃度を有する、
    請求項3〜23のいずれか一項記載の方法。
  25. 高張溶液が、200 mM超もしくは約200 mM、400 mM超もしくは約400 mM超、600 mM超もしくは約600 mM超、800 mM超もしくは約800 mM超、1000 mM超もしくは約1000 mM超、2000 mM超もしくは約2000 mM超、 または5000 mM超もしくは約5000 mM超の溶質濃度を有するか、あるいは
    高張溶液が、200 mM〜5000 mM、500 mM〜2000 mM、もしくは1000 mM〜2000 mM、または約200 mM〜5000 mM、約500 mM〜2000 mM、もしくは約1000 mM〜2000 mMの溶質濃度を有する、
    請求項3〜24のいずれか一項記載の方法。
  26. 高張溶液が、1.5%〜15%もしくは2.5%〜12%または約1.5%〜15%もしくは約2.5%〜12%の溶質の量に対する重量パーセント(%w/v)を含むか、あるいは
    高張溶液が、1.5%超もしくは約1.5%超、3.0%超もしくは約3.0%超、6.0%超もしくは約6.0%超、または8.0%超もしくは約8.0%超、または10.0%超もしくは約10.0%超の溶質の%w/vを含む、
    請求項3〜25のいずれか一項記載の方法。
  27. 高張溶液が、NaClである溶質を含む、請求項3〜26のいずれか一項記載の方法。
  28. 細胞組成物の濃度が、少なくとももしくは少なくとも約2×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×106細胞/mL、または少なくとももしくは少なくとも約1×107細胞/mLである、請求項1〜27のいずれか一項記載の方法。
  29. 細胞組成物の量が、0.2 mL〜50 mL、0.2 mL〜20 mL、0.5 mL〜10 mL、0.5 mL〜5 mL、もしくは0.75 mL〜1.5 mL、または約0.2 mL〜50 mL、約0.2 mL〜20 mL、約0.5 mL〜10 mL、約0.5 mL〜5 mL、もしくは約0.75 mL〜1.5 mLであるか、あるいは
    細胞組成物の量が、少なくともまたは少なくとも約0.2 mL、0.5 mL、1.0 mL、2.0 mL、5.0 mL、10.0 mL、または20 mL、50 mL、またはそれ以上である、
    請求項1〜28のいずれか一項記載の方法。
  30. 粒子の1つまたは複数が、0.001 μm超、0.01 μm超、0.1 μm超、1.0 μm超、10 μm超、50 μm超、100 μm超、または1000 μm超の直径を有する粒子を有するまたは含む、請求項1〜29のいずれか一項記載の方法。
  31. 粒子の1つまたは複数が、1.0 μm〜500 μm、1.0 μm〜150 μm、1.0 μm〜30 μm、1.0 μm〜10 μm、または1.0 μm〜5.0 μmの直径を有する粒子を有するまたは含む、請求項1〜30のいずれか一項記載の方法。
  32. 粒子の1つまたは複数が、細胞組成物中の細胞の平均直径と実質的に同じであるまたは細胞組成物中の細胞の平均直径より1.5倍大きいもしくは小さい範囲内である直径を有する粒子を有するまたは含む、請求項1〜31のいずれか一項記載の方法。
  33. 粒子の1つまたは複数が磁性である、および/または粒子の1つまたは複数が、磁性コア、常磁性コア、もしくは超常磁性コアを含む、請求項1〜32のいずれか一項記載の方法。
  34. 磁性コアが、金属酸化物、フェライト、金属、ヘマタイト、金属合金、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項33記載の方法。
  35. 粒子の1つまたは複数が酸化鉄コアを含む、請求項1〜34のいずれか一項記載の方法。
  36. 磁性コアがコートを含む、請求項33〜35のいずれか一項記載の方法。
  37. コートが、磁性コアを酸化から保護、低減、または防止する、請求項36記載の方法。
  38. コートが、重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、炭素、またはそれらの組み合わせを含む、請求項36または請求項37記載の方法。
  39. 重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、炭素、またはそれらの組み合わせが、生分解性である、請求項36〜37のいずれか一項記載の方法。
  40. 多糖類が、キトサン、アガロース、デンプン、デキストラン、デキストラン誘導体、またはそれらの組み合わせである、請求項38または請求項39記載の方法。
  41. 重合体が、ポリエチレングリコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレン、およびポリビニルアルコール、またはそれらの組み合わせである、請求項38または請求項39記載の方法。
  42. 細胞が、10 μm〜30 μmまたは約10 μm〜30 μmの直径を有する、請求項1〜41のいずれか一項記載の方法。
  43. 細胞が動物細胞であり、または細胞組成物が動物細胞を含む、請求項1〜42のいずれか一項記載の方法。
  44. 細胞がヒト細胞であり、または細胞組成物がヒト細胞を含む、請求項1〜43のいずれか一項記載の方法。
  45. 細胞が幹細胞であり、または細胞組成物が幹細胞を含む、請求項1〜44のいずれか一項記載の方法。
  46. 幹細胞が人工多能性幹細胞(iPSC)である、請求項45記載の方法。
  47. 細胞が免疫細胞であり、または細胞組成物が免疫細胞を含む、請求項1〜46のいずれか一項記載の方法。
  48. 免疫細胞が、T細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞、または樹状細胞である、請求項47記載の方法。
  49. 段階(a)における1回または複数回のインキュベーションの前に、細胞組成物中の細胞の刺激および/または活性化をもたらすための刺激剤を含む粒子の1つまたは複数と、細胞組成物が混合されている、請求項1〜48のいずれか一項記載の方法。
  50. 細胞がT細胞であり、刺激剤が抗CD3抗体および/もしくは抗CD28抗体またはそれらの抗原結合断片である、請求項49記載の方法。
  51. 細胞が抗原提示細胞であり、刺激剤が抗CD80抗体および/もしくは抗CD86抗体またはその抗原結合断片である、請求項50記載の方法。
  52. 段階(a)における1回または複数回のインキュベーションの前に、細胞組成物中の細胞の単離または濃縮をもたらすための親和性剤を含む粒子の1つまたは複数と、細胞組成物が混合されている、請求項1〜51のいずれか一項記載の方法。
  53. 親和性試薬が、細胞組成物中の1つまたは複数の細胞上の細胞表面タンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を含む、請求項52記載の方法。
  54. 細胞表面タンパク質が、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD25、CD27、CD28、CD29、CD31、CD44、CD45RA、CD45RO、CD54 (ICAM-1)、CD127、MHCI、MHCII、CTLA-4、ICOS、PD-1、OX40、CD27L (CD70)、4-1BB (CD137)、4-1BBL、CD30L、LIGHT、IL-2R、IL-12R、IL-1R、IL-15R; IFN-γR、TNF-αR、IL-4R、IL-10R、CD18/CDl la (LFA-1)、CD62L (L-セレクチン)、CD29/CD49d (VLA-4)、Notchリガンド(例えばDelta-様1/4、Jagged 1/2など)、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、およびCXCR3から選択される、請求項53記載の方法。
  55. 1回または複数回のインキュベーションが、少なくともまたは少なくとも約30秒、1分、2 分、3 分、4 分、5 分、10 分、20 分、または30 分間であるか、あるいは
    1回または複数回のインキュベーションが、30秒〜30分、1分〜20分、1分〜10分、もしくは1分〜5分、または約30秒〜30分、約1分〜20分、約1分〜10分、もしくは約1分〜5分である、
    請求項1〜54のいずれか一項記載の方法。
  56. 低張および/または高張溶液の量が、少なくともまたは少なくとも約1 mL、3 mL、9 mL、12 mL、15 mL、18 mL、20 mL、25 mL、30 mL、35 mL、40 mL、45 mL、50 mL、またはそれ以上であるか、あるいは
    低張および/または高張溶液の量が、1 mL〜50 mL、2 mL〜30 mL、5 mL〜25 mL、もしくは10 mL〜20 mL、または約1 mL〜50 mL、約2 mL〜30 mL、約5 mL〜25 mL、もしくは約10 mL〜20 mLである、
    請求項2〜55のいずれか一項記載の方法。
  57. 粒子の表面もしくは粒子の表面上のコートを破壊しないか、または粒子の表面に付着した生体分子を除去する、請求項1〜56のいずれか一項記載の方法。
  58. 段階(b)における判定が、手動計数法、電子粒子計数法、親和性に基づく検出、顕微鏡法、フローサイトメトリー、または磁性細胞選別を含む、請求項1〜57のいずれか一項記載の方法。
  59. 段階(b)における判定が、
    任意で材料または生体分子に特異的に結合する結合剤を用いて、粒子の表面に会合したまたは付着した、存在する1つまたは複数の材料または生体分子を検出すること
    を含む、請求項1〜58のいずれか一項記載の方法。
  60. コートを含む粒子およびコートが材料を含む、請求項59記載の方法。
  61. 材料が多糖類である、請求項59または請求項60記載の方法。
  62. 材料がデキストランであり、かつ/または結合剤が抗デキストラン抗体である、請求項61記載の方法。
  63. 生体分子が、粒子の表面に付着した細胞表面タンパク質に対する抗体または抗原結合断片であり、これは任意で抗CD3抗体または抗CD28抗体である、請求項59記載の方法。
  64. 以下の段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する方法:
    (a)1回または複数回のインキュベーションを行い、それによってアウトプット組成物を産生する段階であって、ここで1回または複数回のインキュベーションが、サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件の下で、細胞組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは細胞組成物に由来するサンプルをインキュベートすることを含む、段階; ならびに
    (b)粒子上に存在している、粒子に会合している、または粒子に付着している材料、部分、または生体分子に特異的に結合する結合剤を用いて、アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出する段階。
  65. 結合剤が、抗体またはその抗原結合断片である、請求項64記載の方法。
  66. 粒子が、材料を含むコートを含む、請求項64または請求項65記載の方法。
  67. 材料が多糖類である、請求項64〜66のいずれか一項記載の方法。
  68. 材料がデキストランであり、かつ/または結合剤が抗デキストラン抗体である、請求項64〜67のいずれか一項記載の方法。
  69. 生体分子が、粒子の表面に付着した細胞表面タンパク質に対する抗体または抗原結合断片であり、これは任意で抗CD3抗体または抗CD28抗体である、請求項64または請求項65記載の方法。
  70. 結合剤が、生体分子に対する抗イディオタイプ抗体または抗アイソタイプ抗体である、請求項69記載の方法。
  71. 1回または複数回のインキュベーションが、サンプル中の1つまたは複数の細胞の浸透圧細胞溶解を誘導する、請求項64〜70のいずれか一項記載の方法。
  72. 1回または複数回のインキュベーションが、サンプルを低張溶液とともにインキュベートすることを含む、請求項62〜71のいずれか一項記載の方法。
  73. 1回または複数回のインキュベーションが、サンプルを高張溶液とともにインキュベートすることをさらに含む、請求項72記載の方法。
  74. 前記判定が、コートを含む粒子の1つまたは複数の検出のための蛍光活性化細胞選別(FACS)を含む、請求項64〜73のいずれか一項記載の方法。
  75. 段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、約15℃〜30℃、18℃〜28℃、または20℃〜25℃である温度で実施される、請求項1〜74のいずれか一項記載の方法。
  76. 段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、約23℃である温度で実施される、請求項1〜75のいずれか一項記載の方法。
  77. 浸透圧細胞溶解をもたらすための溶液を含む容器、
    包装材料、ならびに
    細胞組成物中の粒子を計数するまたは粒子の存在もしくは非存在を検出するための使用説明書を含むラベルまたは添付文書
    を含む、製造品。
  78. 浸透圧細胞溶解をもたらすための溶液が低張溶液である、請求項77記載の製造品。
  79. 高張溶液を含む容器をさらに含む、請求項77または請求項78記載の製造品。
  80. 粒子を検出または同定するための器具または試薬をさらに含む、請求項77〜79のいずれか一項記載の製造品。
  81. 器具または試薬が血球計を含む、請求項80記載の製造品。
  82. 器具または試薬が、粒子の表面上の材料、部分、または生体分子に特異的な結合剤を含む、請求項80記載の製造品。
  83. 結合剤が抗体またはその抗原結合断片である、請求項82記載の製造品。
  84. 粒子が、材料を含むコートを含む、請求項82または請求項83記載の製造品。
  85. 材料が多糖類である、請求項84記載の製造品。
  86. 材料がデキストランであり、かつ/または結合剤が抗デキストラン抗体である、請求項82〜85のいずれか一項記載の製造品。
  87. 生体分子が、粒子の表面に付着した細胞表面タンパク質に対する抗体または抗原結合断片であり、これは任意で抗CD3抗体または抗CD28抗体である、請求項82または請求項83記載の製造品。
  88. 結合剤が、生体分子に対する抗イディオタイプ抗体または抗アイソタイプ抗体である、請求項87記載の製造品。
  89. 結合剤が蛍光標識されている、請求項82〜88のいずれか一項記載の製造品。
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