JP2019531404A - 濃灰色の陽極酸化アルミニウム - Google Patents

濃灰色の陽極酸化アルミニウム Download PDF

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Abstract

陽極酸化されたときに自然な濃灰色を有する合金を含む、アルミニウム合金およびアルミニウムシートが本明細書で提供される。これらの合金は、陽極酸化プロセスとは別の吸収着色プロセスまたは電解着色プロセスを必要とせずに濃灰色着色を達成する。また、そのようなアルミニウム合金を製造する方法も本明細書で提供される。【選択図】図1A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月17日に出願された米国仮特許出願第62/375,932号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
陽極酸化アルミニウム合金シート、特に濃灰色の陽極酸化アルミニウム合金シートが本明細書に記載される。
濃灰色は、陽極酸化品質(「AQ」)建築用シートなどの特定の陽極酸化アルミニウム製品において望ましい特性である。陽極酸化プロセスは、アルミニウム合金表面を酸化アルミニウムに変換する電気化学的プロセスである。酸化アルミニウムは表面上の適所に形成されるので、それは下にあるアルミニウム基板と完全に一体化される。陽極酸化プロセスによって生成される表面酸化物層は、純粋な場合、陽極酸化シートが光沢のある薄い灰色を有するように、透明で無色であり得る高秩序構造である。表面酸化物層はまた多孔質であり、陽極酸化プロセスの後におよび/またはそれとは別に処理することによって、さらなる着色を受けやすい。従来の着色陽極酸化合金は、追加の吸収着色プロセスまたは電解着色プロセスによって着色され、着色されない合金と比較して着色合金の製造コストが増加する。
本発明の網羅された実施形態は、この概要ではなく、特許請求の範囲によって定義される。この概要は、本発明の様々な態様の高レベルの概説であり、以下の詳細な説明の項でさらに説明される概念のいくつかを紹介している。この概要は、特許請求された主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、明細書全体、任意のまたは全ての図面、および各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
陽極酸化されたときに濃灰色を有するアルミニウム合金が本明細書で提供される。これらの合金は、陽極酸化プロセスとは別の吸収着色プロセスまたは電解着色プロセスを必要とせずに、濃灰色着色を達成する。合金は、所望の色を達成するために別の着色プロセスを必要とする従来の陽極酸化アルミニウム合金よりも経済的および環境問題における利点を有する。
一例では、陽極酸化したときに自然な濃灰色を有するアルミニウム合金が本明細書に記載されている。いくつかの例では、アルミニウム合金は、最大0.40重量%のFe、最大0.25重量%のSi、最大0.2重量%のCr、2.0重量%〜3.2重量%のMg、0.8重量%〜1.5重量%のMn、最大0.1重量%のCu、最大0.05重量%のZn、最大0.05重量%のTi、および最大0.15重量%の不純物、ならびにAlとしての残部を含む。本出願を通して、全ての元素は合金の総重量に基づく重量百分率(重量%)で記載されている。場合によっては、アルミニウム合金は、最大0.05重量%〜0.2重量%のFe、0.03重量%〜0.1重量%のSi、最大0.05重量%のCr、2.5重量%〜3.2重量%のMg、0.8重量%〜1.3重量%のMn、最大0.05重量%のCu、最大0.05重量%のZn、最大0.05重量%のTi、および最大0.15重量%の不純物、ならびにAlとしての残部を含む。
別の例では、分散質を含むアルミニウムシートを調製する方法が本明細書に記載されている。いくつかの例では、この方法は、アルミニウム合金を鋳造してインゴットを形成することと、インゴットを均質化して均質化インゴットを形成することと、均質化インゴットを熱間圧延して熱間圧延中間生成物を生成することと、熱間圧延中間生成物を冷間圧延して冷間圧延中間生成物を生成することと、冷間圧延中間生成物を中間焼鈍して中間焼鈍生成物を生成することと、中間焼鈍生成物を冷間圧延して冷間圧延シートを生成することと、冷間圧延シートを焼鈍して分散質を含む焼鈍シートを形成することと、を含み、合金は2xxx、3xxx、5xxx、または7xxx系合金である。
本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明から明らかになろう。
比較アルミニウム合金中の分散質の走査型透過電子顕微鏡(STEM)像である。 比較アルミニウム合金中の分散質のSTEM像である。 本明細書に記載されている、濃い陽極酸化色を有するアルミニウム合金中の分散質のSTEM画像である。 比較陽極酸化アルミニウム合金中の分散質の高分解能走査電子顕微鏡(SEM)像である。 比較陽極酸化アルミニウム合金中の分散質の高分解能SEM像である。 本明細書に記載されている、自然な濃色の陽極酸化色を有する陽極酸化アルミニウム合金中の分散質の高分解能SEM画像である。 比較合金における相の状態図である。 比較合金における相の状態図である。 自然な濃色の陽極酸化色をしたアルミニウム合金の状態図である。
徹底した微細構造および冶金分析に基づいて設計された着色陽極酸化基材を提供する合金およびプロセスが本明細書に記載されている。一般に、従来のアルミニウム合金基材上の陽極酸化層はほぼ透明であり、陽極酸化層の表面および母材表面の両方からの光反射率のために、陽極酸化基材は濃色の光沢のある薄灰色の金属色を示す。本発明の方法に従って製造された合金製品では、本明細書に記載の陽極酸化合金の通常透明な陽極酸化酸化物層内の微細金属間粒子分散質(あるいは沈殿物と呼ばれる)は、それが母材の表面に達する前に陽極酸化層を通過する際に光を遮断することによって陽極酸化材料の色に影響を及ぼす。合金組成およびプロセスパラメータを制御することによって、陽極酸化層内の特定の分散質の数密度が最大になる。これらの分散質は、追加の着色プロセスなしに、陽極酸化基材に濃灰色を与える。
本明細書に開示されている合金および方法は、既知の濃色陽極酸化シートと比較して著しく少ない加工およびコストで製造することができる濃色陽極酸化シートを提供する。本明細書に記載の方法は、濃色陽極酸化材料の現在の製造において必要とされる従来の吸着または電解着色工程を排除する。本明細書に記載の方法は、同様の着色製品を製造する従来の方法よりも副生物が少ないこととなり、環境に優しい。
いくつかの例において、本明細書に記載の陽極酸化アルミニウムシートは濃灰色を有する。陽極酸化アルミニウムシートの色は、CIE lab 1931規格および/またはASTM E313−15(2015)による比色測定によって定量することができる。いくつかの例では、陽極酸化アルミニウムシートは、CIE lab 1931規格による測定で、60未満、55未満、または50未満のL値を有する。いくつかの例では、陽極酸化シートは、ASTM E313−15(2015)による測定で、35未満、30未満、または25未満のホワイトバランスを有する。
定義および説明
本明細書で使用される「発明」、「その発明」、「この発明」および「本発明」という用語は、本特許出願および以下の特許請求の範囲の主題の全てを広く参照することが意図されている。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載される主題を限定するものでもなく、以下の特許請求の範囲の意味または範囲を限定するものでもないと理解されるべきである。
本明細書では、AA番号によって、および「系」または「5xxx」などの他の関連する呼称によって識別される合金に言及する。アルミニウムおよびその合金の命名および識別に最も一般的に使用される番号指定システムの理解に関しては、両方ともThe Aluminum Associationによって出版されている、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」を参照されたい。
本明細書で言及されるアルミニウム合金は、合金の総重量に基づいた重量百分率(重量%)でその元素組成について記載される。各合金のある特定の例では、残部はアルミニウムであり、不純物の合計に関する最大重量%は0.15重量%である。
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」または「その(the)」の意味は、文脈上他に明確に指示されない限り、単数および複数の言及を含む。
本明細書で使用される場合、「室温」の意味は、約15℃〜約30℃、例えば、約15℃、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、または約30℃の温度を含み得る。
本明細書で開示されるすべての範囲は、その中に含まれる任意およびすべての部分範囲を包含すると理解される。例えば、「1〜10」と記載された範囲は、最小値1と最大値10との間の(およびそれらを含む)任意およびすべての部分範囲、すなわち、1の最小値またはそれ以上、例えば、1〜6.1で始まり、10の最大値またはそれ以下、例えば、5.5〜10で終わるすべての部分範囲を含むと考慮されるべきである。
合金
本明細書に記載の濃色陽極酸化アルミニウム合金シートは、任意の適切なアルミニウム合金から調製することができる。最終的な陽極酸化品質と色は合金の組成によって異なる。いくつかの例では、本明細書に記載の方法で使用されるアルミニウム合金は、2xxx、3xxx、5xxx、または7xxx系の合金である。
非限定的で例示的なAA2xxx系合金としては、AA2001、A2002、AA2004、AA2005、AA2006、AA2007、AA2007A、AA2007B、AA2008、AA2009、AA2010、AA2011、AA2011A、AA2111、AA2111A、AA2111B、AA2012、AA2013、AA2014、AA2014A、AA2214、AA2015、AA2016、AA2017、AA2017A、AA2117、AA2018、AA2218、AA2618、AA2618A、AA2219、AA2319、AA2419、AA2519、AA2021、AA2022、AA2023、AA2024、AA2024A、AA2124、AA2224、AA2224A、AA2324、AA2424、AA2524、AA2624、AA2724、AA2824、AA2025、AA2026、AA2027、AA2028、AA2028A、AA2028B、AA2028C、AA2029、AA2030、AA2031、AA2032、AA2034、AA2036、AA2037、AA2038、AA2039、AA2139、AA2040、AA2041、AA2044、AA2045、AA2050、AA2055、AA2056、AA2060、AA2065、AA2070、AA2076、AA2090、AA2091、AA2094、AA2095、AA2195、AA2295、AA2196、AA2296、AA2097、AA2197、AA2297、AA2397、AA2098、AA2198、AA2099、およびAA2199が挙げられる。
アルミニウム合金製品として使用するための非限定的で例示的なAA3xxx系合金としては、AA3002、AA3102、AA3003、AA3103、AA3103A、AA3103B、AA3203、AA3403、AA3004、AA3004A、AA3104、AA3204、AA3304、AA3005、AA3005A、AA3105、AA3105A、AA3105B、AA3007、AA3107、AA3207、AA3207A、AA3307、AA3009、AA3010、AA3110、AA3011、AA3012、AA3012A、AA3013、AA3014、AA3015、AA3016、AA3017、AA3019、AA3020、AA3021、AA3025、AA3026、AA3030、AA3130、およびAA3065が挙げられる。
非限定的で例示的なAA5xxx系合金としては、AA5182、AA5183、AA5005、AA5005A、AA5205、AA5305、AA5505、AA5605、AA5006、AA5106、AA5010、AA5110、AA5110A、AA5210、AA5310、AA5016、AA5017、AA5018、AA5018A、AA5019、AA5019A、AA5119、AA5119A、AA5021、AA5022、AA5023、AA5024、AA5026、AA5027、AA5028、AA5040、AA5140、AA5041、AA5042、AA5043、AA5049、AA5149、AA5249、AA5349、AA5449、AA5449A、AA5050、AA5050A、AA5050C、AA5150、AA5051、AA5051A、AA5151、AA5251、AA5251A、AA5351、AA5451、AA5052、AA5252、AA5352、AA5154、AA5154A、AA5154B、AA5154C、AA5254、AA5354、AA5454、AA5554、AA5654、AA5654A、AA5754、AA5854、AA5954、AA5056、AA5356、AA5356A、AA5456、AA5456A、AA5456B、AA5556、AA5556A、AA5556B、AA5556C、AA5257、AA5457、AA5557、AA5657、AA5058、AA5059、AA5070、AA5180、AA5180A、AA5082、AA5182、AA5083、AA5183、AA5183A、AA5283、AA5283A、AA5283B、AA5383、AA5483、AA5086、AA5186、AA5087、AA5187、およびAA5088が挙げられる。
非限定的で例示的なAA7xxx系合金としては、AA7011、AA7019、AA7020、AA7021、AA7039、AA7072、AA7075、AA7085、AA7108、AA7108A、AA7015、AA7017、AA7018、AA7019A、AA7024、AA7025、AA7028、AA7030、AA7031、AA7033、AA7035、AA7035A、AA7046、AA7046A、AA7003、AA7004、AA7005、AA7009、AA7010、AA7011、AA7012、AA7014、AA7016、AA7116、AA7122、AA7023、AA7026、AA7029、AA7129、AA7229、AA7032、AA7033、AA7034、AA7036、AA7136、AA7037、AA7040、AA7140、AA7041、AA7049、AA7049A、AA7149、AA7249、AA7349、AA7449、AA7050、AA7050A、AA7150、AA7250、AA7055、AA7155、AA7255、AA7056、AA7060、AA7064、AA7065、AA7068、AA7168、AA7175、AA7475、AA7076、AA7178、AA7278、AA7278A、AA7081、AA7181、AA7185、AA7090、AA7093、AA7095、およびAA7099が挙げられる。
いくつかの非限定的な例では、本明細書に記載の濃色陽極酸化アルミニウム合金シートを提供するのに有用なアルミニウム合金は、最大約0.40重量%のFe、最大約0.25重量%のSi、最大約0.2重量%のCr、約2.0重量%〜約3.2重量%のMg、約0.8重量%〜約1.5重量%のMn、最大約0.1重量%のCu、最大約0.05重量%のZn、最大約0.05重量%のTi、および最大約0.15重量%の総不純物、ならびにAlとしての残部の組成を有するものを含む。例えば、濃灰色を有する陽極酸化アルミニウムとして使用するためのアルミニウム合金は、最大約0.05重量%〜約0.20重量%のFe、約0.03重量%〜約0.1重量%のSi、最大約0.05重量%のCr、約2.5重量%〜約3.2重量%のMg、約0.8重量%〜約1.3重量%のMn、最大約0.05重量%のCu、最大約0.05重量%のZn、最大約0.05重量%のTi、および最大約0.15重量%の総不純物、ならびにAlとしての残部を含む。いくつかの例では、アルミニウム合金は、最大約0.30重量%のFe、最大約0.13重量%のSi、最大約0.07重量%のCr、約2.0重量%〜約2.75重量%のMg、約0.80重量%〜約1.5重量%のMn、最大約0.05重量%のCu、最大約0.05重量%のZn、最大約0.05重量%のTi、および最大0.15重量%の不純物、ならびにAlとしての残部を含む。いくつかの例では、アルミニウム合金は、約0.1重量%のFe、約0.06重量%のSi、約0.005重量%のCr、約2.74重量%のMg、約1.13重量%のMn、約0.024重量%のCu、約0.005重量%のZn、約0.005重量%のTi、および0.15重量%以下の不純物、ならびにAlとしての残部を含む。いくつかの例では、アルミニウムシートは、本明細書に記載のアルミニウム合金のうちのいずれか1つを含む。
いくつかの非限定的な例において、アルミニウム合金は、合金の総重量に基づいて0%〜0.4%(例えば、約0.05重量%〜約0.20重量%)の量の鉄(Fe)を含む。例えば、合金は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、約0.25%、約0.26%、約0.27%、約0.28%、約0.29%、約0.3%、約0.31%、約0.32%、約0.33%、約0.34%、約0.35%、約0.36%、約0.37%、約0.38%、約0.39%、または約0.4%の、Feを含み得る。場合によっては、Feは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全て重量%で表した。
いくつかの非限定的な例において、アルミニウム合金は、合金の総重量に基づいて0%〜約0.25%(例えば、約0.03%〜約0.1%)の量のケイ素(Si)を含む。例えば、合金は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、または約0.25%のSiを含み得る。場合によっては、Siは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全て重量%で表した。
いくつかの非限定的な例では、アルミニウム合金は、合金の総重量に基づいて0%〜約0.2%(例えば、約0.001%〜約0.15%)の量のクロム(Cr)を含む。例えば、合金は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、または約0.2%のCrを含み得る。いくつかの場合において、Crは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全て重量%で表した。
いくつかの非限定的な例では、アルミニウム合金は、合金の総重量に基づいて約2.0%〜約3.2%(例えば、約2.5%〜約3.2%)の量のマグネシウム(Mg)を含む。いくつかの例では、合金は、約2.0%、約2.1%、約2.2%、約2.3%、約2.4%、約2.5%、約2.6%、約2.7%、約2.75%、約2.8%、約2.9%、約3.0%、約3.1%、または約3.2%のMgを含み得る。全て重量%で表した。
いくつかの非限定的な例では、アルミニウム合金は、合金の総重量に基づいて約0.8%〜約1.5%(例えば、約0.8%〜約1.3%)の量のマンガン(Mn)を含む。いくつかの例において、合金は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.1%、約1.2%、または約1.3%のMnを含み得る。全て重量%で表した。
いくつかの非限定的な例では、アルミニウム合金は、合金の総重量に基づいて0%〜約0.1%(例えば、0%〜約0.05%)の量の銅(Cu)を含む。例えば、合金は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、または約0.1%のCuを含み得る。場合によっては、Cuは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全て重量%で表した。
いくつかの非限定的な例では、アルミニウム合金は、合金の総重量に基づいて0%〜約0.05%の量の亜鉛(Zn)を含む。例えば、合金は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、または約0.05%のZnを含み得る。場合によっては、Znは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全て重量%で表した。
いくつかの非限定的な例では、アルミニウム合金は、合金の総重量に基づいて0%〜約0.05%の量のチタン(Ti)を含む。例えば、合金は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、または約0.05%のTiを含み得る。場合によっては、Tiは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全て重量%で表した。
任意選択で、本明細書に記載の合金組成物は、不純物と呼ばれることもある他の微量元素を、それぞれ0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量でさらに含み得る。これらの不純物としては、V、Zr、Ni、Sn、Ga、Ca、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、V、Zr、Ni、Sn、Ga、またはCaは、0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量で合金中に存在してもよい。いくつかの場合において、全ての不純物の合計は0.15%を超えない(例えば、0.10%)。全て重量%で表した。合金の残りの割合はアルミニウムである。
以下にさらに記載されるように、本明細書に記載される合金は、シートとして調製され得、そして陽極酸化され得る。従来の合金の陽極酸化プロセスによって生成された表面酸化物層は、純粋であるときには透明で無色であり得る高秩序構造である。これとは対照的に、本明細書に記載の合金は、陽極酸化プロセス中に形成される酸化物層の内側に維持される微細金属間粒子(例えば分散質または沈殿物)を基材中に形成するように設計されている。
金属間粒子は、2種以上の元素、例えば2種以上のAl、Fe、Mn、Si、Cu、Ti、Zr、Cr、および/またはMgを含む。金属間粒子としては、Al(Fe、Mn)、AlFe、Al12(Fe、Mn)Si、AlCuFe、Al20CuMn、AlTi、AlCu、Al(Fe、Mn)Si、AlZr、AlCr、Al(Mn、Fe)、Al12(Mn、Fe)Si、Al、Ni、MgSi、MgZn、MgAl、Al32Zn49、AlCuMg、およびAlMnが挙げられるが、これらに限定されない。多くの金属間粒子はアルミニウムを含有するが、アルミニウムを含有しない金属間粒子、例えばMgSiも存在する。金属間粒子の組成および特性は、さらに以下に記載される。
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、様々な重量パーセントの相Al(Fe、Mn)、Al12(Fe、Mn)Si、およびAlMn、MgSiを含む。金属間化合物粒子表示中の元素がイタリック体で示されている場合、その元素は粒子中に主として存在する元素である。表記(Fe、Mn)は、元素がFeもしくはMn、またはその2つの混合物であり得ることを示す。表記(Fe、Mn)は、粒子が元素Mnよりも元素Feを多く含むことを示し、表記(Fe、Mn)は、粒子は元素Feよりも元素Mnを多く含むことを示す。
各相の重量パーセントは、以下に詳述するように、アルミニウム合金シートを調製するための方法において使用されるさまざまな焼鈍温度で異なる。より高い重量パーセントのAl(Fe、Mn)および/またはAl12(Fe、Mn)Si粒子を有する合金は、より濃色の自然な陽極酸化色を有する。いくつかの例では、アルミニウム合金は、400℃で少なくとも1.5重量%のAl(Fe、Mn)および/またはAl12(Fe、Mn)Siを含む(例えば、少なくとも1.0%の、少なくとも1.25%の、少なくとも1.5%の、または少なくとも1.75%の、全て重量%)。いくつかの例では、アルミニウム合金は、500℃で少なくとも2.0重量%のAl(Fe、Mn)および/またはAl12(Fe、Mn)Siを含む(例えば、少なくとも2.0%の、少なくとも2.2%の、または少なくとも2.4%の、全て重量%)。
いくつかの例では、濃灰色を有するアルミニウムシートは、25平方マイクロメートル当たり少なくとも1個の分散質(例えば、25平方マイクロメートル当たり少なくとも1個の分散質、25平方マイクロメートル当たり少なくとも2個の分散質、25平方マイクロメートル当たり少なくとも4個の分散質、25平方マイクロメートル当たり少なくとも10個の分散質、または25平方マイクロメートル当たり少なくとも20個の分散質)の密度で分散質を含む。
いくつかの例では、分散質は、任意の方向に50ナノメートルを超える平均寸法を有する。本明細書の目的のために、「任意の方向」は、高さ、幅、または深さを意味する。例えば、分散質は、50ナノメートル超、100ナノメートル超、200ナノメートル超、または300ナノメートル超の平均粒径を有することができる。いくつかの例では、分散質は、Al、Fe、Mn、Si、Cu、Ti、Zr、Cr、Ni、Zn、および/またはMgのうちの1つ以上を含む。いくつかの例では、分散質は、Al−Mn−Fe−Si分散質を含む。いくつかの例では、分散質は、AlFe、Al12(Fe、Mn)Si、Al20CuMn、Al(Fe、Mn)Si3、AlZr、AlCr、Al12(Mn、Fe)Si、MgSi、AlCuMg、およびAlMnの1つ以上を含む。いくつかの例では、分散質は、AlFe、Al(Fe、Mn)、AlFe、Al12(Fe、Mn)Si、AlCuFe、Al20CuMn、AlTi、AlCu、Al(Fe、Mn)Si、AlZr、AlCr、Al(Mn、Fe)、Al12(Mn、Fe)Si、Al、Ni、MgSi、MgZn、MgAl、Al32Zn49、AlCuMg、およびAlMnの1つ以上を含む。
いくつかの例では、アルミニウムシートは10ミクロン〜50ミクロンの粒度を有する。例えば、アルミニウムシートは、15ミクロン〜45ミクロン、15ミクロン〜40ミクロン、または20ミクロン〜40ミクロンの粒度を有することができる。
調製方法
アルミニウムシートを製造する方法もまた本明細書に記載されている。いくつかの例では、方法はアルミニウムを鋳造することと、アルミニウムを均質化することと、均質化アルミニウムを熱間圧延して熱間圧延中間生成物を生成することと、熱間圧延中間生成物を冷間圧延して冷間圧延中間生成物を生成することと、冷間圧延中間生成物を中間焼鈍して中間焼鈍生成物を生成することと、中間焼鈍生成物を冷間圧延して冷間圧延シートを生成することと、冷間圧延シートを焼鈍して焼鈍シートを形成することと、を含む。いくつかの例では、方法は、焼鈍アルミニウムシートを(例えば、酸浴または塩基浴中で)エッチングすることと、焼鈍アルミニウムシートを陽極酸化することとをさらに含む。
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、直接冷却(DC)プロセスを用いてインゴットに鋳造することができる。得られたインゴットは任意に皮むき(scalp)できる。いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、連続鋳造(CC)プロセスで鋳造することができる。鋳造生成品は次にさらなる加工工程にかけることができる。いくつかの例では、加工工程は、均質化工程、熱間圧延工程、冷間圧延工程、任意の中間焼鈍工程、冷間圧延工程、および最終焼鈍工程をさらに含む。以下に記載される加工工程は、DCプロセスから調製されるインゴットに使用される加工工程を例示する。
本明細書に記載の均質化工程は、単一均質化工程または2段階均質化プロセスであり得る。第1の均質化工程は準安定相をマトリックス中に溶解させそしてミクロ構造の不均一性を最小にする。インゴットを加熱して、約2〜24時間で500〜550℃のピーク金属温度を達成させる。いくつかの例では、インゴットは、約510℃〜約540℃、約515℃〜約535℃、または約520℃〜約530℃の範囲のピーク金属温度に達するように加熱される。ピーク金属温度に達するまでの加熱速度は、1時間当たり約30℃〜1時間当たり約100℃までであり得る。次いで、インゴットを、第1段階中の一定時間、均熱にする(soak)(すなわち、示した温度に保持される)。いくつかの例では、インゴットを最大5時間(例えば、最大1時間、最大2時間、最大3時間、最大4時間)で均熱にする。例えば、インゴットを、約515℃、約525℃、約540℃、または約550℃の温度で1時間〜5時間(例えば、1時間、2時間、3時間、4時間、または5時間))均熱にすることができる。
存在する場合には第2の均質化工程において、インゴット温度を、その後の加工の前に約480℃〜550℃の温度に低下させる。いくつかの例では、インゴット温度をその後の加工の前に約450℃〜480℃の温度に低下させる。例えば、第2段階では、インゴットを約450℃、約460℃、約470℃、または約480℃の温度に冷却し、一定時間均熱にすることができる。いくつかの例では、インゴットを指定された温度で、最大8時間で(例えば、30分〜8時間)均熱にする。例えば、インゴットは、約450℃、約460℃、約470℃、または約480℃の温度で30分〜8時間均熱にすることができる。
第2の均質化工程に続いて、熱間圧延工程を実施することができる。熱間圧延工程は、熱間逆転ミル操作および/または熱間タンデムミル操作を含むことができる。熱間圧延工程は、約250℃〜約450℃(例えば、約300℃〜約400℃または約350℃〜約400℃)の範囲の温度で実施することができる。熱間圧延工程では、インゴットを10mmゲージ以下(例えば、3mm〜8mmゲージ)の厚さに熱間圧延することができる。例えば、インゴットは、8mm以下のゲージ、7mm以下のゲージ、6mm以下のゲージ、5mm以下のゲージ、4mm以下のゲージ、または3mm以下のゲージに熱間圧延することができる。任意には、熱間圧延工程は最大1時間の期間実施することができる。任意には、熱間圧延工程の終わりに(例えば、タンデムミルから出ると)、アルミニウムシートをコイル状にして熱間圧延コイルを生成する。
熱間圧延コイルは、次に冷間圧延工程を受けることができる熱間圧延シートに伸ばすことができる。熱間圧延シート温度は、約20℃〜約200℃(例えば、約120℃〜約200℃)の範囲の温度に下げることができる。冷間圧延工程は、最終ゲージ厚さが約1.0mm〜約3mm、または約2.3mmとなるように一定期間実施することができる。任意には、冷間圧延工程を最大約1時間(例えば、約10分〜約30分)の期間にわたって実施することができ、シートをコイル巻きして冷間圧延コイルを生成することができる。
任意選択で、冷間圧延コイルは次に中間焼鈍工程を受けることができる。中間焼鈍工程は、約300℃〜約400℃(例えば、約300℃、305℃、310℃、315℃、320℃、325℃、330℃、335℃、340℃、345℃、350℃、355℃、360℃、365℃、370℃、375℃、380℃、385℃、390℃、395℃、または400℃)のピーク金属温度までコイルを加熱することを含み得る。中間焼鈍工程の加熱速度は、毎分約20℃から毎分約100℃(例えば、毎分約40℃、毎分約50℃、毎分約60℃、または毎分約80℃)であり得る。中間焼鈍工程は、約2時間以下(例えば、約1時間以下)の期間にわたって実施することができる。例えば、アニール処理工程は、約30分〜約50分の期間にわたって実施することができる。
中間焼鈍工程の後に、任意に別の冷間圧延工程を続けることができる。この冷間圧延工程は、最終ゲージ厚さが約0.5mm〜約2mm、約0.75〜約1.75mm、約1〜約1.5mm、または約1.27mmとなるような時間にわたって実施することができる。任意には、冷間圧延工程は、最大約1時間(例えば、約10分〜約30分)の期間にわたって実施することができる。
次いで、冷間圧延コイルは焼鈍工程を受けることができる。焼鈍工程は、冷間圧延コイルを約180℃〜約350℃のピーク金属温度に加熱することを含むことができる。アニーリング工程のための加熱速度は、毎時約10℃〜毎時約100℃であり得る。アニーリング工程は、最大48時間以下(例えば、1時間以下)の期間にわたって実施することができる。例えば、アニーリング工程は、30分〜50分の期間にわたって実施することができる。
アニーリング工程に続いて陽極酸化工程の前に、アルミニウムシートをエッチングすることができる。アルカリエッチングまたは酸性エッチングを含む任意の既知のエッチングプロセスを使用することができる。一例として、アルカリエッチングプロセスは、水酸化ナトリウム(例えば、10%水酸化ナトリウム水溶液)を用いて行われ、続いてスマット除去プロセスが行われる。別の例として、酸性エッチングプロセスは、リン酸、硫酸、またはこれらの組み合わせを用いて行われ得る。例えば、酸性エッチングプロセスは、75%のリン酸および25%の硫酸を用いて高温で実施することができる。本明細書中で使用される場合、高温とは、室温より高い温度(例えば、40℃超、50℃超、60℃超、70℃超、80℃超、90℃超、例えば99℃)を指す。エッチング工程中、バルクアルミニウムマトリックスおよび金属間粒子/分散質は溶解する。エッチングプロセスに応じて、エッチング面の程度および均一性を変えることができる。
エッチング工程の後、本明細書に記載のアルミニウムシートは陽極酸化される。いくつかの例では、本明細書に記載のアルミニウムシートは、アルミニウムを電解質溶液中に置き、その溶液に直流電流を通すことによって陽極酸化される。いくつかの例では、電解質溶液は、塩酸、硫酸、クロム酸、リン酸、および/または有機酸を含むがこれらに限定されない酸性溶液である。陽極酸化はアルミニウム合金上に酸化物表面層を形成する。いくつかの例では、アルミニウムシートは酸化物表面層を含む。
使用法
本明細書に記載の材料は、陽極酸化シート中の高品質濃灰色が顧客によって要求される、建築品質用途ならびに他の装飾用途、例えば、装飾パネル、道路標識、電化製品、家具、宝飾品、アートワーク、ボートおよび自動車部品、さらには家電製品において特に有用である。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するのに役立つが、同時にそのいかなる限定も構成しない。それどころか、本明細書の説明を読んだ後に、本発明の趣旨から逸脱することなくそれら自体を当業者に示唆し得る様々な実施形態、変更および均等物に頼ることができることを明確に理解されたい。以下の実施例に記載されている研究の間、特記しない限り、従来の手順に従った。説明のために、手順のいくつかを以下に説明する。
実施例1
表1に詳述された組成を有する本発明の合金シートおよび3つの比較合金シートを調製した。インゴットを約650℃で鋳造し、このインゴットを525℃で1時間未満の均熱時間で均質化し、均質化インゴットを250〜450℃で10分間熱間圧延して熱間圧延中間生成物を生成し、そして熱間圧延中間生成物を150〜180℃で10分間冷間圧延して冷間圧延中間生成物を生成することによってシートを生成した。
Figure 2019531404
実施例2
実施例1に記載した合金4ならびに比較合金1および2のアルミニウムシートを走査透過型電子顕微鏡(STEM)で撮像した。図1Aおよび図1Bは、それぞれ比較合金1および比較合金2のSTEM像である。図1Cは、合金4のSTEM像である。合金4は、比較合金よりもはるかに高い密度の分散質を示した。合金3は、合金1および2よりも低い密度の分散質を有していたので、図にしなかった。
実施例3
実施例1に記載したように調製した比較合金1および2ならびに合金4のシートを10%水酸化ナトリウム溶液でアルカリエッチングし、10マイクロメートル(μm)の陽極酸化層厚さに陽極酸化した。得られた陽極酸化層の断面を高分解能走査電子顕微鏡(SEM)で撮像した。比較合金1および2ならびに合金4のSEM画像をそれぞれ図2A〜2Cに示す。図2Aに示されるように、これらの実施例の合金中の微粒子は、AlFeおよびMgSiであった。合金4からの陽極酸化アルミニウムシートは、かなり濃色の灰色を有し、多くの分散質が目に見える(図2C参照)のに対し、2つの比較陽極酸化アルミニウム合金シートは、薄灰色およびより少ない分散質を有する(図2A〜2B参照)。
実施例4
Thermo−Calcソフトウェア(Thermo−Calc Software、Inc.、McMurray、PA)による熱力学的モデリングを用いて、比較合金1〜2(それぞれ図3Aおよび3B参照)および合金4(図3C参照)の平衡相変態挙動を計算した。)。所定の合金組成の各温度での平衡相をCALPHAD(Computer Coupling of Phase Diagrams and Thermochemistry)技術によって計算した。各線は特定の相を表す。線1:液体、線2:Alマトリックス、線3:AlMn、線4:Al(Fe、Mn)Si、線5:MgSi、線6:AlCuMn、線7:AlCuMg、線8:AlMg、線9:Al12Mn。モデリングの結果は、AlMn分散質の量(線3)が合金4の中で最も多いことを示す(図3C)。理論に拘束されることを意図しないが、比較合金に比べ本発明の合金のより高いMn含有量は、本発明の合金酸化物層中により高い濃度のAlMn分散質をもたらし、それが入射光の散乱をもたらす。
上に引用されたすべての特許、刊行物、および要約は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な実施形態は、本発明の様々な目的を達成するために記載されている。これらの実施形態は、本発明の原理の単なる例示であることが認識されるべきである。以下の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することのない、これらの多くの改変およびその適合は、当業者には容易に明らかであろう。

Claims (18)

  1. 約最大0.40重量%のFe、最大0.25重量%のSi、最大0.2重量%のCr、2.0重量%〜3.2重量%のMg、0.8重量%〜1.5重量%のMn、最大0.1重量%のCu、最大0.05重量%のZn、最大0.05重量%のTi、および最大0.15重量%の不純物、ならびにAlとしての残部を含む、アルミニウム合金。
  2. 前記アルミニウム合金が、0.05重量%〜0.2重量%のFe、0.03重量%〜0.1重量%のSi、最大0.05重量%のCr、2.5重量%〜3.2重量%のMg、0.8重量%〜1.3重量%のMn、最大0.05重量%のCu、最大0.05重量%のZn、最大0.05重量%のTi、および最大0.15重量%の不純物、ならびにAlとしての残部を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. 少なくとも1.5重量%のAlMnおよび/またはAl12(Fe、Mn)Siを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム合金を含む、アルミニウムシート。
  5. 前記アルミニウム合金シートが酸化物表面層を含む、請求項4に記載のアルミニウムシート。
  6. 前記アルミニウム合金シートが、ASTM E313−15(2015)による測定で35未満のホワイトバランスを有する、請求項4に記載のアルミニウムシート。
  7. 25平方マイクロメートル当たり少なくとも2個の分散質の密度で分散質をさらに含む、請求項4に記載のアルミニウムシート。
  8. 前記分散質が、任意の方向に50ナノメートルを超える平均寸法を有する、請求項7に記載のアルミニウムシート。
  9. 前記分散質が、AlFe、Al(Fe、Mn)、AlFe、Al12(Fe、Mn)Si、AlCuFe、Al20CuMn、AlTi、AlCu、Al(Fe、Mn)Si、AlZr、AlCr、Al(Mn、Fe)、Al12(Mn、Fe)Si、Al、Ni、MgSi、MgZn、MgAl、Al32Zn49、AlCuMg、およびAlMnのうちの1つ以上を含む、請求項8に記載のアルミニウムシート。
  10. 前記分散質が、Al−Mn−Fe−Siを含む、請求項8に記載のアルミニウムシート。
  11. 前記分散質が、AlFe、Al12(Fe、Mn)Si、Al20CuMn、Al(Fe、Mn)Si、AlZr、AlCr、Al12(Mn、Fe)Si、MgSi、およびAlCuMg、およびAlMnのうちの1つ以上を含む、請求項8に記載のアルミニウムシート。
  12. 10ミクロン〜50ミクロンの粒径を含む、請求項5〜11のいずれかに記載のアルミニウムシート。
  13. 分散質を含むアルミニウムシートを調製する方法であって、前記方法は、
    アルミニウム合金を鋳造してインゴットを形成することと、
    前記インゴットを均質化して均質化インゴットを形成することと、
    前記均質化インゴットを熱間圧延して熱間圧延中間生成物を生成することと、
    前記熱間圧延中間生成物を冷間圧延して冷間圧延中間生成物を生成することと、
    前記冷間圧延中間生成物を中間焼鈍して中間焼鈍生成物を生成することと、
    前記中間焼鈍生成物を冷間圧延して冷間圧延シートを生成することと、
    前記冷間圧延シートを焼鈍して、分散質を含むアルミニウムシートを形成することと、を含み、
    前記アルミニウム合金は、2xxx、3xxx、5xxx、または7xxx系の合金を含む、方法。
  14. 前記アルミニウムシートを陽極酸化することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記アルミニウム合金が、最大0.40重量%のFe、最大0.25重量%のSi、最大0.2重量%のCr、2.0重量%〜3.2重量%のMg、0.8重量%〜1.5重量%のMn、最大0.1重量%のCu、最大0.05重量%のZn、最大0.05重量%のTi、および最大0.15重量%の不純物、ならびにAlとしての残部を含む、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記分散質が、AlFe、Al(Fe、Mn)、AlFe、Al12(Fe、Mn)Si、AlCuFe、Al20CuMn、AlTi、AlCu、Al(Fe、Mn)Si、AlZr、AlCr、Al(Mn、Fe)、Al12(Mn、Fe)Si、Al、Ni、MgSi、MgZn、MgAl、Al32Zn49、AlCuMg、およびAlMnのうちの1つ以上を含む、請求項13または14に記載の方法。
  17. 前記アルミニウムシートが、ASTM E313−15(2015)による測定で35未満のホワイトバランスを有する、請求項13または14に記載の方法。
  18. 前記分散質が、25平方マイクロメートル当たり少なくとも2個の分散質の密度で前記アルミニウムシート中に存在する、請求項13または14に記載の方法。
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