JP2019530475A - 高粘度生物サンプルの凍結保存のためのプロトコル - Google Patents

高粘度生物サンプルの凍結保存のためのプロトコル Download PDF

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Abstract

高粘度の生物サンプル、好ましくは甲殻類または昆虫の精子サンプルの精子束の生存率を維持しながら、元のサンプルの物理的性質を損なわずに凍結保存可能にするプロトコル。

Description

本発明は、無脊椎動物の精子サンプルなどの高粘度生物サンプルの凍結保存のプロトコルに関し、より詳細には、サンプルに含まれる生存能力を十分に維持しながら、非常に高粘度の精子サンプル、例えば甲殻類の精子束の精子サンプルの凍結保存を可能にする新しいプロトコルに関する。
生物組織および体液サンプルの凍結保存は、その生理または代謝活性を変化させることなく、細胞を長期間生存状態および良好な状態に維持するために生物学において最も広く使用される保存技術の1つである。この凍結保存の目的は、組織および/または体液を静止状態に維持して、細胞代謝活性は完全に停止させ、それにより酵素分解プロセスが起こるのを防ぐためである。
上記の目的を達成するために、生物組織および/または体液のサンプルは、急激な温度低下による結晶形成の可能性を減らすための前処理を行わなければならない。これは、凍結プロセス中の結晶形成が細胞内の水の量を減らすことおよび/または水分子間の引力を変えることによって、例えば水素結合を切断することによってそれらの挙動を変えることを防ぐ凍結防止物質の添加によって達成される。
しかしながら、現在では長期間にわたって異なる種類のサンプルを凍結保存することが可能であるとしても、多くの停滞がある体外受精の分野において、生存細胞を維持することが必要であるだけでなく、多くの動物種において例えば精子の付着力の喪失を考慮すると、それらの細胞形態および生理学的性質を無傷に維持すること及び生存する胚の受精と生産を防ぐことも同様に重要である。
上記の困難を克服するために、甲殻類イシガニ(Charybdis japonica)の精子材料のための希釈溶液を記載している中国特許公開公報CN101703039Aに挙げられているような種々の凍結保存プロトコルが開発されており、その機能は、凍結防止剤と接触させる前に組織を均質化して液体窒素タンクで保存するために使用することであり、精子束が利用される溶液と直接接触することを目的とする。しかしながら、記載されている凍結保存プロトコルは、サンプルを完全に希釈し、そしてその結果としてその物理的性質が失われ、精子の受精力を損なう。さらに、前記プロトコルでは、DMSOのみが凍結防止剤として使用されており、浸透圧バランスを維持する他の化合物との混合は記載されていない。
欧州特許公開公報EP2641966A1は、細胞膜に対して透過性および非透過性の凍結防止剤化合物を含み、細胞膜に対して透過性の凍結防止剤含有量が30〜50%である、生物サンプルのガラス化保存プロセス用組成物を記載する。それでもなお、記載された解決策を実施するためには、細胞サンプルを完全にこわす必要があり、その結果、処理されたサンプルの本来の物理的性質は失われる。
PCT特許出願WO2015057641A1では、組織の凍結保存のためのシステムおよび生物サンプルをガラス化保存するための方法が権利保護されている。この出願の意義は、透過性凍結防止剤(DMSO)および非浸透性凍結防止剤(トレハロース)を含むものとして使用されるガラス化保存溶液について記載されていることにある。しかしながら、他の溶液の使用について言及されておらず、凍結防止剤が使用されている溶液濃度の直接的な指示もない。さらに、処理したサンプルは、凍結防止剤溶液と接触するためには完全に分解して懸濁していなければならず、その結果として、処理したサンプルの本来の物理的性質は全体的に失われることになる。
全分解を必要とせずに高粘度の生物サンプルを処理でき、凍結保存に利用できるプロトコルはない。 さらに、すべての場合において、使用される凍結防止剤と密接に接触することができるようにサンプルを完全に懸濁および均質化することが必要であり、そのために、精子束本来の物理的性質を保持することが意図されるとき前記凍結防止剤は使用されにくい。
中国特許公開公報CN101703039A 欧州特許公開公報EP2641966A1 PCT特許公開公報WO2015057641A1
この問題を考慮すると、サンプルを凍結保存するために希釈することなく、サンプルの元の物理的性質を維持することを可能にし、高い保存性を維持し、さらに、精子束の生存率を維持する、高粘度生物サンプルの凍結保存用プロトコルを提供することが不可欠である。さらに、配偶子を含む場合に受精能力を保持する、高粘度の生物サンプルの凍結保存のためのプロトコルを提供することが必要である。
本発明の主な目的は、高粘度の生物サンプルを凍結保存するための新しいプロトコルを提供することである。
本発明のさらなる目的は、そのようなサンプルの細胞生存率を維持することができる、高粘度の生物サンプルの凍結保存のためのプロトコルを提供することである。
無脊椎動物の精子サンプル、特に甲殻類、蜂、蝶または精子が高粘度の特性をもつ他の無脊椎動物の精子サンプルの凍結保存を可能にする、高粘度生物サンプルの凍結保存のためのプロトコルを提供することも本発明の目的である。
本発明のもう1つの目的は、無脊椎動物のサンプルにおいて高い細胞生存率を維持することを可能にする、高粘度の生物サンプルの凍結保存のためのプロトコルを提供することである。
本発明の他の目的は、もともと処理されたサンプルの初期の物理的性質を保存することを可能にする、高粘度の生物サンプルの凍結保存のためのプロトコルを提供することである。
本発明のさらなる目的は、例えば甲殻類および昆虫精子から無脊椎動物の精子受精能を有したまま、高粘度の生物サンプルの凍結保存のためのプロトコルを提供することである。
上記の目的は、他の目的と共に、そして本発明の利点は、以下の発明の詳細な説明に基づいて明らかになるであろう。
図1は、ガラス化保存前の精子塊(新鮮なサンプル)の組織断面図を示し、タンパク質起源由来の可能性がある好酸球構造(黒矢印)が含まれる精子(円形の好塩基性構造、白矢印)を示す。倍率:200倍 図2は、処置Bによって解凍された精子塊(ガラス化保存後)の組織断面を示し、少数の好酸球構造(円)を示している。該構造は、おそらくそれらのタンパク質起源および冷変性のためにガラス化保存過程で失われるが、精子は無傷のままである(黒矢印)。倍率:200倍 図3は、凍結前の新鮮な精子塊または新鮮なサンプル(a)、および無傷の精子(矢印)および以前に図1および図2に表示された好酸球構造(円)が観察された解凍精子サンプル(b)の組織断面の比較を示す。
本発明は、高粘度の生物サンプルの凍結保存のための新しいプロトコルを提供し、それによって精子束の生存率を失うことなく処理されたサンプルが元の物理的性質の保存が可能となる。本プロトコルは、甲殻類および昆虫などの無脊椎動物の精子サンプルの凍結保存を達成するのに特に有用であり、そしてエビ精子サンプルに特に有用であることが証明される。
上記を達成するために、本発明のプロトコルは以下の工程を含む。
a)好ましくは2.125g/kgのNaCl、0.110g/kgのKCl、0.052g/kgのHBO、0.019g/kgのNaOH、0.484g/kgのMgSO・7HOと、10000IUのペニシリン、10mgのストレプトマイシンおよび25μgのアムホテリシンBを含有する溶液からそれぞれ100mlの増量剤溶液のうち20μlとからなる増量剤水溶液を注入したチューブまたはクライオバイアルに、適切な装置に装填された高粘度の生物材料のサンプルを入れ、21〜25℃の温度で18〜22分間、サンプルが溶液に管の内壁にも接触しないように適切なサンプル回収装置の趣旨として浸漬する工程、
b)前記サンプルをトレハロースに0.25〜0.5Mで18〜22分の間浸漬する工程、
c)前記サンプルを増量剤溶液中0.25〜0.5Mのトレハロースおよび10〜20%のDMSOからなる凍結防止剤/ガラス化保存溶液に移し、2〜4分間にわたって前記溶液の2/3だけを浸す工程、
d)前記凍結防止剤溶液から前記サンプルを取り出し、直ちに液体窒素に入れる工程、
e)前記サンプルをクライオバイアルに入れ、最終的に−196℃〜−200℃の液体窒素に保存する工程。
サンプルの解凍は、液体窒素からサンプルを取り出し、35℃〜39℃の温度の水浴に4〜9分間浸し、続いて前記サンプルを、クリオバイアルから取り出し、15〜25分の間、0.25〜0.5Mのトレハロースを含む平衡化溶液に入れることによって行われる。
前記プロトコルによって、細胞塊の生存能力を失うことなくサンプルの元の一貫性を維持することが可能であり、同様に、甲殻類および昆虫などの無脊椎動物の精子サンプルや、エビ精母細胞の凍結保存に特に有用であることが証明される。
比較例
エビの精子サンプルの凍結保存
他の評価済みプロトコルと比較して本発明のガラス化プロトコルを証明するために、第5対の胸脚と交尾器との間にある生殖器孔の基部を手でわずかに押しだすことにより得られたエビ精母細胞サンプルを処理した。前記サンプルの精子は、人差し指と親指で精母細胞の前部分を押すことによって分離された。
P.vannamei属の白色エビ精子を凍結保存するために評価された物質は、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびポリエチレングリコール(PEG)であった。ガラス化保存剤(トレハロース、DMSO、およびPEG)の配合および濃度を以下の処理に割り当てた:A)6%のPEGおよび15%のDMSO。B)10〜15%のトレハロース0.25〜0.5MおよびDMSO、C)トレハロース0.25〜0.5MおよびDMSO16〜20%。配合後、その使用まで5℃の温度下で保存された。すべての凍結防止剤濃度は、本発明のプロトコルの工程a)に記載の増量剤溶液中で調製した。
各精母細胞の精子サンプルを、この種のサンプル用に特別に設計されたローディング装置に入れ、100μLの増量剤溶液を含む2mlのクライオバイアル内に垂直に入れた。このプロセスでは、クライオバイアルの内壁または溶液との接触を防ぐために、前記サンプルを慎重に取り扱った。前記サンプルは室内温度(23℃)で20分間保存した。
その後、ローディング装置を種々の処理にかけて、精子サンプルの3分の2だけが凍結防止剤溶液と接触できるようにした。この工程は評価に不可欠である。それは、サンプルの2/3を超える量が溶液中に沈着するとローディング装置からサンプルの剥離が起こり、少量でそれを沈着すると凍結防止剤が適切に浸透するからである。
凍結保存溶液を2段の工程で添加した。第1工程の処理Aでは、精子サンプルを全濃度の半分の凍結防止剤(PEG3%および7.5%DMSO)を含む溶液に1分間浸した。第2工程では、試料を全濃度の凍結防止剤(PEG6%およびDMSO15%)に20秒間浸した。第1工程における処理BおよびCは、サンプルをトレハロース溶液中に20分間入れ、第2工程では前記サンプルをガラス化保存溶液B(トレハロース0.25〜0.5Mおよび10〜15%のDMSO)もしくはガラス化保存溶液C(トレハロース0.25〜0.5MおよびDMSO16〜20%)中に2/3のみを浸漬することからなる。凍結防止剤を混入した後、精子サンプルを含むローディング装置を液体窒素に素早く導入し、2mLのクライオバイアルに入れた。その後、クライオバイアルを−196℃〜−200℃の液体窒素のタンクに入れ、24時間保存した。
これらのプロトコルの有効性を実証するために、48人の男性からの96の精母細胞を用いた実験を行った。収集した精母細胞を毎日異なる処置に無作為にかけた。サンプルの半分は女性を受精させるために割り当てられ、残りの半分はカリフォルニア州バハカリフォルニアのエンセナダにあるCICESE施設に移され、そこで凍結保存された精子の品質の検証が行われる。
解凍のために、クライオバイアルを液体窒素タンクから取り出し、そして各サンプルを約37℃の水浴中に6秒間浸し、急速解凍した。その後、それらを平衡化溶液(0.25〜0.5Mのトレハロース)に15〜25分間入れ、人工受精または生存率評価のためにそれらが使用されるまで室内温度で保存した。光学顕微鏡における受精および生存率評価は、Maricultura delPacifico、S.A. de C.V.施設で行われた。蛍光プローブおよび組織学を使用した生存率評価は、CICESEにあるSubsistema de RecursosGeneticosAcuaticos(SUBNARGENA、スペイン語のイニシャルによる)施設で行われた。
受精を実施するために、解凍したサンプルを本発明のプロトコルの工程aに記載の増量剤溶液に懸濁し、それらの生存率を評価した。10個の精子サンプルを排卵の準備ができている10人の女性の人工授精のための処置によって割り当てた。人工授精後にノープリウスを生じる唯一の処置は処置B(トレハロース0.25〜0.5Mおよび10〜15%のDMSO)であった。
さらに、CICESE施設に移送した7つのサンプルを用いて生存率を評価した。組織ホモジナイザーで30秒間破壊するために、解凍したサンプルを1mLの増量剤溶液を含むチューブに入れた。一旦懸濁液が作られたら、細胞を以下の方法でLIVE/DEAD(登録商標)Sperm Viability Kit(Life Technologies、Eugene、OR)で染色した:5μLのSYBR14染色剤を1mlの細胞懸濁液(最終濃度100nM)に加え、暗所で室内温度(23℃)で10分間インキュベートし、その後、5μLのヨウ化プロピジウム染料を添加し(PI、最終濃度12μM)、周囲温度でさらに10分間暗所でインキュベートした。染色プロセスの終了後、20μLのアリコートをスライド上に置き、そして細胞を蛍光顕微鏡(Nikon Eclipse 80i)下で、緑色蛍光用の青色励起蛍光フィルターを用いて可視化した。SYBR14染料(緑色)で染色された細胞は無傷細胞膜を有する細胞と見なされ、また、PI(赤色)で染色された細胞は損傷細胞膜を有する細胞と見なされた。スライド上で合計100個の細胞を評価し、そして最終的に無傷細胞膜を有する細胞の割合を決定し、組織学に従って、処理されたサンプル中の無傷細胞膜を有する細胞は100%の割合を示した。
解凍し平衡化した精子の3つのサンプルをそれぞれライスペーパーで注意深く包み、組織学カセットに入れ、修正Davidson溶液(modified Davidson´s solution)で約48時間固定した。その後、サンプルを、パラフィンを含む一連のアルコール中で脱水し、厚さ8ミクロンにカットし、ヘマトキシリン−エオシンで染色した。スライドを光学顕微鏡下で調べ、精子の形態学的特徴を評価した。組織分析の後、処理B、Cからの解凍サンプル、および処理なしの新鮮なサンプルの間に精子構造の違いは見られなかった(図1から3)。他の処理では精子の存在を示さなかった。
光学顕微鏡で観察することにより生存率を評価するために、平衡化溶液(トレハロース0.25〜0.5M、15〜20分間)中の精子サンプルを1.5mLの増量剤溶液で均質化した。アリコートを10%のニグロシンで染色した後、20μLのアリコートを400倍の倍率で調べ、そして存在する形態学的変化を評価して記録した。形態学的特徴を無傷のまま維持した精子(球状体および完全なスパイク)は生存可能と考えられたが、不規則な細胞体あるいは奇形のまたは失われたスパイクを有するものは生存不可能と考えられた。生存率を決定するために、試験したスライド1枚につき少なくとも5つの視野において100個の精子を三重に計数し、全ての場合において生存率が100%であることを見出した。
前述の結果は、本発明のプロトコルを用いて、元の形態学的特性に影響を与えることなく、高粘度の生物サンプルの細胞塊の生存率を維持することが可能であることを示している。同様に、本発明のプロトコルは凍結保存細胞の機能性を保存することを可能にする。
本発明を好ましい方法に従って説明した。しかしながら、この分野における専門知識を有する技術者にとっては、本発明の意図および範囲から逸脱することなく本発明を変更し得ることは明らかであろう。

Claims (6)

  1. 以下の工程を含むことを特徴とする、高粘度の生物サンプルの凍結保存のプロトコルであって、前記プロトコルは、
    a)高粘度の生物サンプルを、21〜25℃の温度で18〜22分の間、増量剤水溶液を含むチューブまたはクライオバイアルに入れ、前記サンプルが、溶液またはチューブの内壁と接触することを防ぐ、
    b)前記サンプルを0.25〜0.5Mのトレハロースに18〜22分間浸漬する、
    c)前記サンプルを増量剤溶液中0.25〜0.5Mのトレハロースおよび10〜16%のDMSOを含む凍結防止剤/ガラス化保存溶液に移し、2〜4分間にわたって前記溶液の2/3を浸す、
    d)前記凍結防止剤溶液から前記サンプルを取り出し、直ちに液体窒素に浸す、および
    e)前記サンプルをクライオバイアルに入れ、最終的に−196℃〜−200℃の範囲の温度で液体窒素に保存する、
    の手順からなるプロトコル。
  2. 前記増量剤溶液が、2.125g / kgのNaCl、0.110g / kgのKCl、0.052g / kgのH BO 、0.019g / kgのNaOH、0.484g / kgのMgSO ・7H Oと20μlの10000IUのペニシリン、10mgのストレプトマイシンおよび25μgのアムホテリシンBを含有する溶液を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロトコル。
  3. 前記サンプルを液体窒素から取り出し、それを水浴中に35〜39℃の温度で4〜9分間浸漬することによって解凍し、続いて前記サンプルをクリオバイアルから取り出し、0.25Mのトレハロースを含む平衡化溶液中に15〜25分間置くことを特徴とする、請求項1に記載のプロトコル。
  4. 前記高粘度の生物サンプルが無脊椎動物の精子サンプルであることを特徴とする、請求項1に記載のプロトコル。
  5. 前記無脊椎動物の精子サンプルが甲殻類または昆虫由来であることを特徴とする、請求項4に記載のプロトコル。
  6. 前記甲殻類の精子サンプルがエビ精母細胞であることを特徴とする、請求項5に記載のプロトコル。
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