JP2019529359A - ベータ−アミノ−イソキノリニルアミド化合物 - Google Patents

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Abstract

開示されているのは、アルファ−アクシル−ベータ−アクスミノイソキノリンアミド化合物および置換ベンズアミド化合物である。特に、本発明は、細胞内のキナーゼの機能に影響を及ぼし、そして治療薬としてまたは治療薬と共に有用である化合物を提供する。本発明の化合物は、緑内障などの眼疾患、心血管疾患および癌などの異常な成長を特徴とする疾患を含む様々な疾患および症状の治療に有用である。本発明はさらに、イソキノリンアミド化合物を含有する組成物を提供する。【選択図】なし

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2016年8月19日に出願された米国特許仮出願第62/377,219号明細書の優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、細胞内のキナーゼおよび他のタンパク質の機能に影響を及ぼし、そして治療薬としてまたは治療薬と共に有用であるベータ−アミノイソキノリニルアミド化合物に関する。特に、これらの化合物は、緑内障および網膜疾患などの眼疾患の治療、心血管疾患の治療、ならびに癌などの異常な成長を特徴とする疾患に有用である。
様々なホルモン、神経伝達物質および生物学的に活性な物質が、細胞膜にある特定の受容体を介して生体の機能を制御、調節または調整する。これらの受容体の多くは、受容体が結合しているグアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)を活性化することによって細胞内シグナルの伝達を媒介する。このような受容体は総称してGタンパク質共役型受容体(GPCR)と呼ばれ、とりわけα−アドレナリン受容体、β−アドレナリン受容体、オピオイド受容体、カンナビノイド受容体およびプロスタグランジン受容体を含む。これらの受容体を活性化または阻害することの生物学的効果は直接的ではないが、多数の細胞内タンパク質によって媒介される。これらの二次タンパク質の重要性は、最近になって疾患状態における潜在的な介入点として認識され、調査されてきた。これらの下流エフェクターの最も重要なクラスのうちの1つは、「キナーゼ」クラスである。
したがって、様々なキナーゼは、様々な生理学的機能の調節において重要な役割を果たす。例えば、キナーゼは、心臓の徴候、例えば、狭心症、本態性高血圧症、心筋梗塞、上室性および心室性不整脈、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、腎不全、糖尿病、呼吸器系の症状、例えば、喘息、慢性気管支炎、気管支痙攣、気腫、気道閉塞、鼻炎などの上気道の症状、季節性アレルギー、炎症性疾患、怪我に反応した炎症慢性関節リウマチを含むがこれらに限定されない多くの病状に関係している。特に慢性関節リウマチ用の新薬としてのp38MAPKインヒビターの重要性は、過去数年間に開発されてきた多数の化合物によって反映されている(非特許文献1)。その他の症状は、慢性炎症性腸疾患、緑内障、高ガストリン血症、胃腸の症状、例えば、酸/消化性疾患びらん性食道炎、消化管過分泌、肥満細胞症、胃腸逆流消化性潰瘍、ゾリンジャーエリソン症候群疼痛、肥満、過食症、うつ病、強迫性障害、臓器奇形(例えば、心臓奇形)、パーキンソン病などの神経変性疾患、アルツハイマー病、多発性硬化症、エプスタインバー感染症および癌を含む(非特許文献2)。他の病状では、キナーゼの役割は今や明らかになっている。網膜は、光と色とを脳が知覚する電気信号に変換するために高度に特殊化された、相互接続された複数の細胞層から構成される複雑な組織である。一次光感知細胞、光受容体の損傷または死滅は、視覚に壊滅的な影響を与える。遺伝性の網膜変性を引き起こす多数の突然変異の同定にもかかわらず、一次突然変異から光受容体のアポトーシスに至る細胞および分子メカニズムは十分に理解されていないが、wnt経路を含み得る(非特許文献3)。
慢性骨髄性白血病の治療(非特許文献4)におけるチロシンキナーゼインヒビターSTI571(Gleevec)の成功は、広範囲の他の癌の治療のための他のキナーゼインヒビターを開発するためのかなりの努力を刺激した(非特許文献5)。細胞内シグナルの開始と不活性化との間のバランスは、アゴニストなどの刺激に対する受容体の応答の強度および持続時間を決定する。脱感作が起こると、受容体が結合しているGタンパク質によって媒介または調節される生理学的機能の媒介または調節が減少または防止される。例えば、アゴニストが特定の受容体の活性化によって疾患または症状を治療するために投与される場合、受容体は比較的迅速にGRKの作用から減感され、その結果アゴニスト投与はもはや適切な受容体の治療的活性化をもたらし得ない。その時点で、アゴニストの投与は、治療されることを意図した疾患または症状の十分なまたは効果的な制御またはそれらへの影響をもはや可能にしない。
キナーゼが多くの病状において有する役割を考慮すると、キナーゼの活性を阻害または調節する小分子リガンドに対する緊急かつ継続的な必要性がある。理論に拘束されることを望まないが、本発明の化合物によるキナーゼの活性の調節は、少なくとも部分的にはそれらの有益な効果に関与していると考えられる。
J. Westra and P. C. Limburg Mini−Reviews in Medicinal Chemistry Volume 6, Number 8, August 2006 Nature Reviews Drug Discovery 2002, 1 : 493−502 AS Hackam 「The Wnt Signaling Pathway in Retinal Degeneration」 IUBMB Life Volume 57, Number 6 / June 2005 Nature Reviews Drug Discovery 2003, 2: 296−313 Nature Reviews Cancer 2003, 3: 650−665
本発明の態様では、式Iによる化合物およびそのエナンチオマー、そのジアステレオマー、ならびにその塩が提供される。
式中、RおよびRは、独立して、HまたはC−Cアルキル、XおよびXは独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシもしくはハロゲン、またはXおよびXが結合しているフェニル環と共にXおよびXが一緒になってナフチル環を形成し得、Yは、HまたはOHであり、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシは、任意に置換され得る。
本発明の別の態様では、上記の式I、II、またはIIIによる化合物、および担体を含む組成物が提供される。
本発明のなおさらなる態様では、治療を必要とする対象に有効量の上記の式I、II、またはIIIによる化合物を投与することを含む、疾患を治療する方法が提供され、ここで、疾患は、眼疾患、骨障害、肥満、心臓病、肝疾患、腎疾患、膵炎、癌、心筋梗塞、胃障害、高血圧症、不妊、発毛障害、鼻詰まり、神経因性膀胱障害、胃腸障害、および皮膚科学的障害からなる群から選択される。
本発明の別の態様では、キナーゼ活性を調節するのに有効な量の式I、IIまたはIIIによる化合物と細胞と接触させることを含む、キナーゼ活性を調節する方法が提供される。
刊行物および特許は本開示を通して参照される。本明細書で引用したすべての米国特許は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書中で使用されるすべての百分率、比率、および割合は、特に断らない限り、重量パーセントである。
ベータ−アミノ−イソキノリニルアミドが提供される。
「アルキル」は、直鎖および分岐鎖基を含む飽和脂肪族炭化水素を指す。「アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルなどの基によって例示され得る。アルキル基は、置換または非置換であり得る。複数の置換基が存在してもよい。置換基もそれ自体置換されていてもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくはC−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、イミノ、シアノ、ハロゲン、アルコキシ、またはヒドロキシルであるが、これらに限定されない。「C−Cアルキル」は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を指す。
「アルケニル」は、直鎖および分岐鎖基を含む不飽和脂肪族炭化水素部分を指す。アルケニル部分は少なくとも1つのアルケンを含まなければならない。「アルケニル」は、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニルなどの基によって例示され得る。アルケニル基は、置換または非置換であり得る。複数の置換基が存在してもよい。置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、ハロゲン、またはアルコキシである。置換基もそれ自体置換されていてもよい。置換基はアルケン自体にも、隣接する構成原子またはアルキニル部分にも配置され得る。「C−Cアルケニル」は、2〜4個の炭素原子を含有するアルケニル基を指す。
「アルキニル」は、直鎖および分岐鎖基を含む不飽和脂肪族炭化水素部分を指す。アルキニル部分は少なくとも1つのアルキンを含まなければならない。「アルキニル」は、エチニル、プロピニル、n−ブチニルなどの基によって例示され得る。アルキニル基は、置換または非置換であり得る。複数の置換基が存在してもよい。置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、アミノ、シアノ、ハロゲン、アルコキシル、またはヒドロキシルである。置換基もそれ自体置換されていてもよい。置換基はアルキン自体にではなく、アルキニル部分の隣接する構成原子にある。「C−Cアルキニル」は、2〜4個の炭素原子を含有するアルキニル基を指す。
「アシル」または「カルボニル」とは、−C(O)R基を指し、ここでRは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、炭素環式、ヘテロ炭素環式、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルヘテロアリールである。C1−アルキルカルボニルは、カルボニル部分の前に1〜4個の炭素原子のアルキル鎖がある基を意味する。
「アルコキシ」とは、−O−R基を指し、ここでRは、アルキル、アルケニル、アシル、アルキルアルケニル、アルキルアルキニル、アリール、炭素環式、ヘテロ炭素環式、ヘテロアリール、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルヘテロアリールである。
「アミノ」とは、−NR’R’基を指し、ここで各R’は独立して、水素、アミノ、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルヘテロアリールである。2つのR’基は、それ自体結合して環を形成してもよい。2つのR’基はそれ自体さらに置換されていてもよく、その場合グアニジニルとしても知られている基は用語「アミノ」の下で特に企図される。
「アリール」は、芳香族炭素環式基を指す。「アリール」は、フェニルによって例示され得る。アリール基は、置換または非置換であり得る。複数の置換基が存在してもよい。置換基もそれ自体置換されていてもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、ヘテロアリール、アシル、カルボキシル、カルボニルアミノ、ニトロ、アミノ、シアノ、ハロゲン、またはヒドロキシルであるが、これらに限定されない。
「カルボキシル」とは、基−C(=O)O−C−Cアルキルを指す。
「カルボニル」とは、基−C(O)Rを指し、ここで各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルヘテロアリールである。
「カルボニルアミノ」とは、基−C(O)NR’R’を指し、ここで各R’は独立して、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルヘテロアリールである。2つのR’基は、それ自体結合して環を形成してもよい。
「C−Cアルキルアリール」は、アリール置換基がアルキル基を介して結合しているようなアリール置換基を有するC−Cアルキル基を指す。「C−Cアルキルアリール」はベンジルにより例示され得る。
「C−Cアルキルヘテロアリール」は、ヘテロアリール置換基がアルキル基を介して結合しているようなヘテロアリール置換基を有するC−Cアルキル基を指す。
「炭素環式基」または「シクロアルキル」は、一価の飽和または不飽和炭化水素環を意味する。炭素環式基は単環式であるか、または縮合、スピロ、もしくは架橋二環式環系である。単環式炭素環式基は、環中に3〜10個の炭素原子、好ましくは4〜7個の炭素原子、より好ましくは5〜6個の炭素原子を含有する。二環式炭素環式基は、環中に8〜12個の炭素原子、好ましくは9〜10個の炭素原子を含有する。炭素環式基は、置換または非置換であり得る。複数の置換基が存在してもよい。置換基もそれ自体置換されていてもよい。適切な置換基は、ハロゲン、シアノ、アルコキシル、アミノ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシを含む。好ましい炭素環式基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプチルを含む。最も好ましい炭素環式基はシクロヘキシルおよびシクロペンチルである。炭素環式基は芳香族ではない。
「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード部分を指す。好ましくは、ハロゲンはフルオロ、クロロ、またはブロモである。
「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」は、炭素環内に1個以上のヘテロ原子を有する単環式または二環式芳香族炭素環式基を指す。ヘテロアリールは、置換または非置換であり得る。複数の置換基が存在してもよい。置換されている場合、置換基はそれ自体置換されていてもよい。好ましいが非限定的な置換基は、ハロゲン、シアノ、アルコキシル、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシル、アリール、C−Cアルキルアリール、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボニルアミノまたはC−Cアルキルである。好ましいヘテロ芳香族基は、ベンゾ[b]チオフェニル、ピロリジル、ベンゾフラニル、イソキノリニル、キノリニル、シンノリニル、テトラゾイル、トリアゾリル、チエニル、チアゾリル、プリニル、ピリミジル、ピリジルおよびフラニルを含む。より好ましいヘテロ芳香族基は、イソキノリニル、ベンゾ[b]チオフェニル、チエニル、フラニル、テトラゾイル、トリアゾリルおよびピリジルを含む。
「ヘテロ原子」とは、ヘテロ環式基もしくはヘテロ芳香族基の環またはヘテロ基の鎖中の炭素以外の原子を意味する。好ましくは、ヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子および酸素原子からなる群から選択される。複数のヘテロ原子を含有する基は、異なるヘテロ原子を含有してもよい。
「ヘテロ炭素環式基」または「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロ環式」は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する一価の飽和または不飽和炭化水素環を意味する。ヘテロ炭素環式基は単環式であるか、または縮合、スピロ、もしくは架橋二環式環系である。単環式ヘテロ炭素環式基は、環中に3〜10個の炭素原子、好ましくは4〜7個の炭素原子、より好ましくは5〜6個の炭素原子を含有する。二環式ヘテロ炭素環式基は、環中に8〜12個の炭素原子、好ましくは9〜10個の炭素原子を含有する。ヘテロ炭素環式基は、置換または非置換であり得る。複数の置換基が存在してもよい。置換基もそれ自体置換されていてもよい。適切な置換基は、ハロゲン、ニトリル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシを含む。好ましいヘテロ炭素環式基は、エポキシ、テトラヒドロフラニル、アザシクロペンチル(またはピロリジル)、アザシクロヘキシル、ピペリジルおよびホモピペリジルを含む。より好ましいヘテロ炭素環式基は、ピロリジル、ピペリジルおよびホモピペリジルを含む。最も好ましいヘテロ炭素環式基はピペリジルである。ヘテロ炭素環式基は芳香族ではない。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHからなる化学物質を意味する。アルコールはヒドロキシ基を含有する。ヒドロキシ基は遊離または保護されていてもよい。ヒドロキシの代替名はヒドロキシルである。
「リンカー」は、n個の構成原子の直鎖を意味し、ここでnは1〜4の整数である。
「構成原子」とは、炭素、窒素、酸素、または硫黄原子を意味する。構成原子はそれらの通常の原子価まで置換されていてもよい。硫黄のような、2以上の安定な原子価の原子が、構成原子に利用可能である場合、すべての安定な原子価が考慮される。置換が完全に特定されていない場合、原子価に必要な特定されていない置換基は水素である。
「環」は、環式の構成原子の集合を意味する。環は、炭素環式、芳香族、またはヘテロ環式もしくはヘテロ芳香族であり得、そして置換または非置換であり得、そして飽和または不飽和であり得る。複数の置換基が存在してもよい。主鎖との環結合は、縮合またはスピロ環式であり得る。環は、単環式または二環式であり得る。環は、少なくとも3個の構成原子および最大で10個の構成原子を含む。単環式環は、3〜7個の構成原子を含み得、そして二環式環は、8〜12個の構成原子を含み得る。二環式環自体は縮合またはスピロ環式であり得る。
「チオアルキル」とは、基−S−アルキルを指す。
「スルホニル」とは、−S(O)R’基を指し、ここで、R’は、アルコキシ、アルキル、アリール、炭素環式、ヘテロ炭素環式、ヘテロアリール、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルヘテロアリールである。
「スルホニルアミノ」とは、−S(O)NR’R’基を指し、ここで各R’は、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルヘテロアリールである。
「薬学的に許容される担体」は、組成物の他の成分と一般的に相溶であり、レシピエントに有害ではなく、そして生物学的にもその他の点でも望ましくないことはない、医薬組成物の調製に有用な担体を指す。「薬学的に許容される担体」は、1個および2個以上の担体の両方を含む。実施形態は、局所投与、眼内投与、非経口投与、静脈内投与、腹腔内、筋肉内投与、舌下投与、鼻腔内投与および経口投与用の担体を含む。「薬学的に許容される担体」はまた、水性分散剤を調製するための薬剤および注射用の滅菌粉末または分散剤を含む。
本明細書で使用される「賦形剤」は、医薬組成物の調製に有用な生理学的に適合性のある添加剤を含む。薬学的に許容される担体および賦形剤の例は、例えば、Remington Pharmaceutical Science, 16thEdに見出され得る。
本明細書で使用される「治療有効量」は、キナーゼの活性に影響を及ぼす、低下させるもしくは阻害する、またはキナーゼの活性化を防止するのに有効な化合物または組成物の投与量を指す。本明細書で使用されるこの用語はまた、眼圧の低下などの、動物、好ましくはヒトにおいて所望のin vivo効果をもたらすのに有効な量を指すこともある。
本明細書で使用される「投与すること」は、所望の効果を達成するために必要に応じて化合物を投与することを指す。
本明細書で使用される「眼疾患」は、緑内障、アレルギー、眼の癌、眼の神経変性疾患、例えば、糖尿病性眼疾患、黄斑変性(AMD)、炎症、およびドライアイを含むが、これらに限定されない。
用語「キナーゼ活性に関連する疾患または症状」は、全体的にまたは部分的に、1つ以上のキナーゼの阻害によって治療可能な疾患または症状を意味するために使用される。
用語「疾患または症状を制御する」は、疾患または症状に影響を与えるために1つ以上のキナーゼの活性を変化させることを意味するために使用される。
用語「細胞を接触させる」は、インビトロまたはインビボで(すなわち、ヒト、ウサギ、ネコおよびイヌを含む哺乳動物などの対象において)細胞を接触させることを意味するために使用される。
化合物
式Iのベータ−アミノイソキノリンアミド、ならびにそのエナンチオマー、そのジアステレオマー、およびその塩が提供される。
式中、RおよびRは、独立して、HまたはC−Cアルキル、XおよびXは独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシもしくはハロゲン、またはXおよびXが結合しているフェニル環と共にXおよびXが一緒になってナフチル環を形成し得、Yは、HまたはOHであり、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシは、任意に置換され得る。
式Iの実施形態では、RおよびRはメチル基またはHであり、そしてYはHである。適切には、XおよびXは、アリールアルコキシ、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであり得る。適切には、XおよびXは、−F、−Cl、−OMe、−OH、−CF、および−CHOHから選択される。適切には、XおよびXは、2位、3位、および/または4位にあってもよい。
異性体
本明細書に記載の化合物は、シス型およびトランス型;EおよびZ型;c−、t−およびr−型;エンド型およびエキソ型;R型、S型、およびメソ型;D型およびL型;d型およびl型;(+)型および(−)型;ケト型、エノール型、およびエノラート型;sny型および非sny型;シンクリナル型とアンチクリナル型;α型およびβ型;アキシャル型およびエクアトリアル型;ボート型、チェア型、ツイスト型、エンベロープ型およびハーフチェア型;ならびにそれらの組み合わせ(以後、まとめて「異性体」(または「異性形態」)と呼ぶ)を含むがこれらに限定されない、1つ以上の特定の幾何学的形態、光学的形態、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態、エピマー形態、アトロプ形態、立体異性的形態、互変異性的形態、立体配座的形態、またはアノマー形態で存在し得る。
一実施形態では、本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載の立体異性体のエナンチオマー的に濃縮された異性体であり得る。例えば、化合物は、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の鏡像体過剰率を有し得る。エナンチオマーは、本明細書で使用される場合、その分子構造が互いに鏡像関係を有する一対の化合物のいずれかを指す。
一実施形態では、本明細書に開示されている化合物の調製物は、選択された立体中心に対応する、RまたはSなどの選択された立体化学を有する化合物の異性体のために濃縮されている。例えば、化合物は、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の、選択された立体中心の選択された立体化学を有する化合物に対応する純度を有する。
一実施形態では、本明細書に記載の組成物は、選択された立体中心において選択された立体化学(例えば、RまたはS)を有する構造(1または複数)のために濃縮された本明細書に開示された化合物の調製物を含む。例示的なR/S構造体は、本明細書に記載の例に提供されるものであり得る。
本明細書で使用される「濃縮調製物」は、対象化合物うちの1、2、3またはそれ以上の選択された立体中心の選択された立体配置のために濃縮される。例示的な選択された立体中心およびその例示的な立体配置は、本明細書に提供されるものから、例えば本明細書に記載される例において選択され得る。濃縮するとは、例えば、調製物中の化合物の分子の少なくとも60%が、選択された立体中心の選択された立体化学を有することを意味する。一実施形態では、それは、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%である。濃縮されているとは、対象分子(1または複数)のレベルを意味し、特定されていない限りプロセス制限を意味しない。
化合物は、立体特異的合成または分割のいずれかによって、ラセミ形態で、または個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして調製され得る。化合物は、例えば、光学活性塩基との塩形成による立体異性体対の形成、それに続く遊離酸の分別結晶化および再生などの標準的な技術によってそれらの成分エナンチオマーまたはジアステレオマーに分割され得る。化合物は、立体異性エステルまたはアミドの形成、それに続くクロマトグラフィー分離およびキラル補助剤の除去によっても分割され得る。あるいは、化合物はキラルクロマトグラフィーカラムを使用して分割され得る。エナンチオマーはまた、リパーゼ酵素を使用して対応するエステルのラセミ体の速度論的分割から得られ得る。
本明細書で使用される用語「異性体」から特に除外される互変異性形態について以下に論じるものを除き、構造(または構成)異性体(すなわち、単に空間内の原子の位置によってではなく原子間の結合が異なる異性体)である。例えば、メトキシ基、−OCHへの言及は、その構造異性体、ヒドロキシメチル基、−CHOHへの言及として解釈されるべきではない。同様に、オルト−クロロフェニルへの言及は、その構造異性体、メタ−クロロフェニルへの言及として解釈されるべきではない。しかしながら、構造体のクラスへの言及は、そのクラス内に含まれる構造的異性体の形態を十分に含み得る(例えば、C−アルキルまたはプロピルはn−プロピルおよびイソ−プロピルを含み;C−アルキルまたはブチルはn−、イソ−、sec−、tert−ブチルを含み;メトキシフェニルは、オルト−、メタ−およびパラ−メトキシフェニルを含む)。
上記の除外は、例えば、以下の互変異性体対:ケト/エノール、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、N−ニトロソ/ヒドロキシアゾ、およびニトロ/アシニトロのように互変異性型、例えば、ケト型、エノール型、およびエノラート型には関係しない。
用語「異性体」に特に含まれるのは、1つ以上の同位体置換基を有する化合物であることに留意されたい。例えば、Hは、H、H(D)およびH(T)を含む任意の同位体であり得、Cは、12C、13Cおよび14Cを含む任意の同位体であり得、Oは、16Oおよび18Oを含む任意の同位体等であり得る。

本明細書に記載の化合物は、塩、例えば薬学的に許容される塩の形態であり得る。用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて、比較的非毒性の酸または塩基を用いて調製される活性化合物の塩を含む。中性形態の化合物は、塩を塩基または酸と接触させ、そして従来の方法で親化合物を単離することによって再生され得る。化合物の親形態は、極性溶媒における溶解度などの特定の物理的特性において様々な塩形態と異なるが、それ以外の点では、本開示の目的のためには塩は化合物の親形態と同等である。薬学的に許容される塩の例は、Berge et al, 1977, “Pharmaceutically Acceptable Salts.”J. Pharm. Sci. Vol. 66, pp. 1−19で議論される。一実施形態では、化合物は一塩の形態で存在する。実施形態では、化合物は二塩の形態で存在する。
例えば、化合物がアニオン性であるか、またはアニオン性であり得る官能基(例えば、−COOHは−COO−であり得る)を有する場合、塩は適切なカチオンと共に形成され得る。適切な無機カチオンの例は、NaおよびKなどのアルカリ金属イオン、Ca2+およびMg2+などのアルカリ土類カチオン、ならびに他のカチオンを含むが、これらに限定されない。適切な有機カチオンの例は、アンモニウムイオン(すなわち、NH )および置換アンモニウムイオン(例えば、NH 、NH 、NHR 、NR )を含むが、これらに限定されない。いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、およびトロメタミン、ならびにリジンおよびアルギニンなどの二塩基性アミノ酸から誘導されるものである。
化合物がカチオン性であるか、またはカチオン性であり得る官能基(例えば、−NHは−NH であり得る)を有する場合、塩は適切なアニオンと共に形成され得る。適切な無機アニオンの例は、以下の無機酸:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、および亜リン酸から誘導されるものを含むが、これらに限定されない。
適切な有機アニオンの例は、以下の有機酸:2−アセトキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、桂皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸および吉草酸から誘導されるものを含むが、これらに限定されない。適切な高分子有機アニオンの例は、以下の高分子酸:タンニン酸、カルボキシメチルセルロースから誘導されるものを含むが、これらに限定されない。
他に特定されない限り、特定の化合物への言及はその塩形態も含む。
化学的保護形態
化学的に保護された形態の活性化合物を調製、精製、および/または取り扱うことが便利であるかまたは望ましいかもしれない。用語「化学的に保護された形態」は、本明細書では従来の化学的意味で使用され、特定の条件下(例えば、pH、温度、放射線、溶媒など)で1つ以上の反応性官能基が望ましくない化学反応から保護される化合物に関する。実際には、周知の化学的方法を用いて、特定の条件下で、当該特定の条件下でなければ反応性である官能基を可逆的に非反応性にし得る。化学的に保護された形態では、1つ以上の反応性官能基は、保護基または保護する基(マスク基もしくはマスクする基またはブロック基もしくはブロックする基としても知られる)の形態である。反応性官能基を保護することにより、保護基に影響を与えることなく、他の保護されていない反応性官能基を含む反応を実施することができる。保護基は、通常、後続の工程で、分子の残りの部分に実質的に影響を及ぼすことなく除去され得る。例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(T. Green and P. Wuts;3rd Edition;John Wiley and Sons, 1999)を参照。他に特定されない限り、特定の化合物への言及はその化学的に保護された形態も含む。
多種多様なそのような「保護する」、「ブロックする」、または「マスクする」方法が広く使用されており、有機合成においてよく知られている。例えば、両方とも特定の条件下で反応性である2つの非同等の反応性官能基を有する化合物を誘導体化して、特定の条件下で官能基の一方を「保護」し、それゆえ非反応性し得る。そのように保護されているので、この化合物は事実上1つの反応性官能基のみを有する反応物として使用され得る。所望の反応(他の官能基を含む)が完了した後、保護基を「脱保護」してそれをその元の官能基に戻すことができる。
ヒドロキシ基は、例えば、t−ブチルエーテル;ベンジルエーテル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)エーテル、またはトリチル(トリフェニルメチル)エーテル;トリメチルシリルエーテルまたはt−ブチルジメチルシリルエーテル;またはアセチルエステル(−OC(O)CH、−OAc)のように、エーテル(−OR)またはエステル(−OC(O)R)として保護され得る。
アルデヒド基またはケトン基は、それぞれアセタール(RCH(OR))またはケタール(RC(OR))として保護され得、ここで、例えば第一級アルコールとの反応により、カルボニル基(RC=O)はジエーテル(RC(OR))に転化される。アルデヒド基またはケトン基は、酸の存在下で大過剰の水を使用する加水分解によって容易に再生される。
アミン基は、例えば、アミド(−NRC(O)R)またはウレタン(−NRC(O)OR)として、例えば、メチルアミド(−NHC(O)CH)として;ベンジルオキシアミド(−NHC(O)OCH、−NH−Cbz)として;t−ブトキシアミド(−NHC(O)OC(CH、−NH−Boc)として;2−ビフェニル−2−プロポキシアミド(−NHCO(O)C(CH、−NH−Bpoc)として、9−フルオレニルメトキシアミド(−NH−Fmoc)として、6−ニトロベラトリルオキシアミド(−NH−Nvoc)として、2−トリメチルシリルエチルオキシアミド(−NH−Teoc)として、2,2,2−トリクロロエチルオキシアミド(−NH−Troc)として、アリルオキシアミド(−NH−Alloc)として、2(−フェニルスルホニル)エチルオキシアミド(−NH−Psec)として、または適切な場合には(例えば、環状アミン)、ニトロキシドラジカル(>N−O<<)として保護され得る。
カルボン酸基は、エステルとして、例えば、アルキルエステル(例えば、メチルエステル;t−ブチルエステル)として;ハロアルキルエステル(例えばハロアルキルエステル)として;トリアルキルシリルアルキルエステル;アリールアルキルエステル(例えば、ベンジルエステル;ニトロベンジルエステル)として;またはアミド、例えばメチルアミドとして保護され得る。
チオール基は、チオエーテル(−SR)として、例えば、ベンジルチオエーテルアセトアミドメチルエーテル(−S−CHNHC(O)CH)として保護され得る。
プロドラッグおよびその他の改変
塩形態に加えて、本発明はプロドラッグ形態の化合物も提供し得る。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理的条件下で容易に化学変化を受けて本明細書に記載の化合物を提供する化合物である。プロドラッグは、ex vivo環境において化学的または生化学的方法によって本発明の化合物に転化され得る。例えば、プロドラッグは、適切な酵素または化学試薬を用いてまたは用いずに経皮パッチリザーバーに入れると、本発明の化合物にゆっくり転化され得る。
本明細書に記載の化合物はまた、選択的生物学的特性を増強するために適切な官能基を付加することによって改変され得る。そのような改変は、当技術分野において公知であり、所与の生物系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増大させ、経口利用能を増大させ、注射による投与を可能にする溶解度を増大させ、代謝を変化させる、および/または排泄率を変化させるものを含む。これらの改変の例は、ポリエチレングリコールによるエステル化、ピボレートまたは脂肪酸置換基による誘導体化、カルバメートへの転化、芳香環のヒドロキシル化、および芳香環におけるヘテロ原子置換が挙げられるが、これらに限定されない。
合成
化合物は、以下に示される一般スキームによって合成され得る。
(a)TIPS−Otf、2,6−ルチジン、CHCl;(b)LiHMDS、N−ブロモメチルフタルイミド、THF、−78°C〜0°C;(c)LiOH*HO、THF−HO(d)EDC、DMAP、6−アミノイソキノリン;(e)NHNH、MeOH、還流;(f)BocO、NEt、CHCl(g)TBAF、THF;(h)4N HCl−ジオキサン、CHCl(またはCHCh−HO)、rt。
他の適切な合成経路は当業者に知られているだろう。
使用方法および活性
本明細書に開示される化合物およびそれらを含む組成物はキナーゼ阻害活性を有し、したがってキナーゼの作用を調節すること、ならびにキナーゼによって影響を受ける疾患または症状の治療および/または予防に有用である。上記の化合物および組成物は、in vitroの細胞内またはin vivoの生体内の細胞内のいずれかでキナーゼの作用を調節(例えば、影響または阻害)するために使用され得る。具体的には、一実施形態では、キナーゼの作用を阻害する方法であって、本明細書に開示されている化合物の有効阻害量で、アッセイ媒体のような媒体に適用すること、またはin vitroの細胞内もしくはin vivoの生体内の細胞内のいずれかの細胞と接触させることを含む方法が提供される。好ましい態様において、阻害されるキナーゼはrhoキナーゼである。
本発明の化合物は、キナーゼを阻害するのに有効な量の1つ以上の本発明の化合物と細胞を接触させることを含む、細胞、組織またはヒトなどの対象におけるキナーゼを阻害する方法において使用される。一実施形態では、化合物は、例えば、薬学的に許容される担体の中またはそれと共に、薬学的に許容される組成物中で投与される。
別の実施形態では、本発明の化合物は、細胞内のキナーゼの作用を調節するのに有効な量の本発明の1つ以上の化合物と細胞を接触させることを含む、細胞内のキナーゼの作用を調節する方法において使用される。一実施形態では、本発明の化合物は、例えば、薬学的に許容される担体の中またはそれと共に、薬学的に許容される組成物中で投与される。
本発明の化合物が有用であり得る疾患または症状の治療または予防は、キナーゼ活性に関連する任意の疾患もしくは症状、またはキナーゼによって影響を受ける任意の疾患もしくは症状を含む。これらの種類の疾患の例は、網膜変性、緑内障、心血管疾患および癌を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与されるであろう。適切な追加の治療薬は、限定されないが、ベータ遮断薬、アルファアゴニスト、炭酸脱水酵素インヒビター、プロスタグランジン様化合物、縮瞳薬またはコリン作動薬、エピネフリン化合物、または神経保護化合物を含む。
ベータブロッカー。これらは房水の生成を減らす。例は、レボブノロール(Betagan)、チモロール(Betimol、Timoptic)、ベタキソロール(Betoptic)およびメチプラノロール(OptiPranolol)を含む。
アルファ−アゴニスト。これらは房水の生成を減らし、排水を増やす。例は、アプラクロニジン(Iopidine)およびブリモニジン(Alphagan)を含む。
炭酸脱水酵素インヒビター。これらも、房水の生成を減らす。例は、ドルゾラミド(Trusopt)およびブリンゾラミド(Azopt)含む。
プロスタグランジン様化合物。これらの点眼剤は房水の流出を増やす。例は、ラタノプロスト(Xalatan)、ビマトプロスト(Lumigan)およびトラボプロスト(Travatan)を含む。
縮瞳薬またはコリン作動薬。これらも、房水の流出を増やす。例は、ピロカルピン(Isopto Carpine、Pilopine)およびカルバコール(Isopto Carbachol)を含む。
エピネフリン化合物。ジピベフリン(Propine)などのこれらの化合物も房水の流出を増やす。
神経保護化合物。アフリベルセプト(Aflibercept)(Eylea)などのこれらの化合物は、黄斑変性症などの網膜の症状に対する治療薬であり、抗VEGF治療薬であるか、または類似のタイプの抗増殖活性もしくは抗炎症活性を有する。
組成物および投与
追加の1つ治療薬または複数の治療薬は、本発明の化合物と同時にまたは連続して投与され得る。連続投与は、本発明の化合物の前または後の投与を含む。いくつかの実施形態では、追加の1つ治療薬または複数の治療薬は、本発明の化合物と同じ組成物中で投与され得る。他の実施形態では、追加の治療薬の投与と本発明の化合物との間に時間間隔があり得る。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物と共に追加の治療薬を投与することにより、より低用量の他の治療薬をより長期間投与することが可能になる。
本発明に従って使用するための医薬組成物は、1つ以上の生理学的に許容される担体または賦形剤を用いて従来の方法で製剤化され得る。したがって、化合物ならびにそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物は、例えば、固体投与、点眼薬、局所油性製剤、注射、吸入(口または鼻のいずれかを介して)、インプラント、または経口、口腔内、非経口もしくは直腸投与による投与用に製剤化され得る。技術および製剤は概して、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、(Meade Publishing Co., Easton, Pa.)に見出され得る。
本発明の化合物(成分A)が投与される経路および組成物の形態は使用される担体(成分B)の種類を決定するであろう。組成物は、例えば全身投与(例えば、経口、直腸、鼻腔、舌下、口腔内、インプラント、もしくは非経口、または硝子体内注射、房内注射、もしくは房水への注射などの眼の腔の1つへの眼内注射による)または局所投与(例えば、皮膚への局所適用、眼への局所適用、リポソーム送達システム、またはイオン導入)に適した様々な形態であり得る。
全身投与用の担体は典型的には、a)希釈剤、b)潤滑剤、c)結合剤、d)崩壊剤、e)着色剤、f)香味料、g)甘味料、h)酸化防止剤、j)防腐剤、k)流動促進剤、m)溶媒、n)懸濁剤、o)湿潤剤、p)界面活性剤、それらの組み合わせなどのうちの少なくとも1つを含む。全身用組成物において、すべての担体は任意選択である。
成分a)は希釈剤である。固形剤形に適した希釈剤は、グルコース、ラクトース、デキストロース、およびスクロースなどの糖;プロピレングリコールなどのジオール;炭酸カルシウム;炭酸ナトリウム;グリセリン;マンニトールおよびソルビトールなどの糖アルコールを含む。全身用または局所組成物中の成分a)の量は、通常、約50〜約90%である。
成分b)は潤滑剤である。固体剤形に適した潤滑剤は、シリカ、タルク、ステアリン酸ならびにそのマグネシウム塩およびカルシウム塩、硫酸カルシウムを含む固体潤滑剤;ポリエチレングリコールなどの液体潤滑剤、落花生油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびテオブロマ油などの植物油によって例示される。全身用または局所組成物中の成分b)の量は、通常、約5〜約10%である。
成分c)は結合剤である。固形剤形のための適切な結合剤は、ポリビニルピロリドン;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;コーンスターチおよびポテトスターチなどのデンプン;ゼラチン;トラガカント;ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロースならびにその誘導体を含む。全身用組成物中の成分c)の量は、典型的には約5〜約50%であり、そして眼用固形剤形では最大99%である。
成分d)は崩壊剤である。固形剤形に適した崩壊剤は、寒天、アルギン酸およびそのナトリウム塩、発泡性混合物、クロスカルメロース、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、スターチグリコール酸ナトリウム、粘土、およびイオン交換樹脂を含む。全身用または局所組成物中の成分d)の量は、通常、約0.1〜約10%である。
固体剤形のための成分e)は、FD&C染料のような着色剤である。使用される場合、全身用または局所組成物中の成分e)の量は、通常、約0.005〜約0.1%である。
固形剤形のための成分f)は、メントール、ペパーミント、およびフルーツ香味料などの香味料である。使用される場合、全身用または局所組成物中の成分f)の量は、通常、約0.1〜約1.0%である。
固形剤形のための成分g)はアスパルテームおよびサッカリンのような甘味料である。全身用または局所組成物中の成分g)の量は、通常、約0.001〜約1%である。
成分h)は、ブチル化ヒドロキシアニソール(「BHA」)、ブチル化ヒドロキシトルエン(「BHT」)、およびビタミンEなどの酸化防止剤である。全身用または局所組成物中の成分h)の量は、通常、約0.1〜約5%である。
成分j)は、塩化ベンザルコニウム、メチルパラベンおよび安息香酸ナトリウムなどの防腐剤である。全身用または局所組成物中の成分j)の量は、通常、約0.01〜約5%である。
固体剤形のための成分k)は、二酸化ケイ素のような流動促進剤である。全身用または局所組成物中の成分k)の量は、通常、約1〜約5%である。
成分m)は、水、等張食塩水、オレイン酸エチル、グリセリン、ヒドロキシル化ヒマシ油、エタノールなどのアルコール、およびリン酸緩衝液などの溶媒である。全身用または局所組成物中の成分m)の量は、通常、約0〜約100%である。
成分n)は懸濁剤である。適切な懸濁剤は、AVICEL(登録商標)RC−591(FMC Corporation of Philadelphia, Pa.から)およびアルギン酸ナトリウムを含む。全身用または局所組成物中の成分n)の量は、通常、約1〜約8%である。
成分o)は、レシチン、ポリソルベート80、およびラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤、ならびにAtlas Powder Company of Wilmington, Del.からのTWEENS(登録商標)である。適切な界面活性剤は、C.T.F.A. Cosmetic Ingredient Handbook, 1992, pp. 587−592;Remington’s Pharmaceutical Sciences, 15th Ed. 1975, pp. 335−337;and McCutcheon’s Volume 1, Emulsifiers & Detergents, 1994, North American Edition, pp. 236−239.に開示されているものを含む。全身用または局所組成物中の成分o)の量は、通常、約0.1%〜約5%である。
全身用組成物中の成分AおよびBの量は、調製された全身用組成物の種類、成分Aについて選択された特定の誘導体および成分Bの成分に応じて変わるであろうが、一般的に、系組成物は、0.01%〜50%の成分Aおよび50〜99.99%の成分Bを含む。
非経口投与用の組成物は、典型的には、A)0.1〜10%の本発明の化合物、ならびにB)a)希釈剤およびm)溶媒を含む90〜99.9%の担体を含む。一実施形態では、成分a)はプロピレングリコールを含み、m)はエタノールまたはオレイン酸エチルを含む。
経口投与用の組成物は、様々な剤形を有し得る。例えば、固体形態は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤およびバルク粉末を含む。これらの経口剤形は、安全かつ有効な量、通常少なくとも約5%、そしてより具体的には約25%〜約50%の成分A)を含む。経口投与組成物はさらに、約50〜約95%、より具体的には約50〜約75%の成分B)を含む。
錠剤は、圧縮、錠剤トリチュレート、腸溶コーティング、糖衣コーティング、フィルムコーティング、または多重圧縮され得る。錠剤は、典型的には成分A、および成分B、a)希釈剤、b)潤滑剤、c)結合剤、d)崩壊剤、e)着色剤、f)香味料、g)甘味料、k)流動促進剤およびそれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含む担体を含む。具体的な希釈剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトースおよびセルロースを含む。具体的な結合剤は、デンプン、ゼラチンおよびスクロースを含む。具体的な崩壊剤は、アルギン酸およびクロスカルメロースを含む。具体的な潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクを含む。具体的な着色剤は、外観のために添加することができるFD&C染料である。チュアブル錠は、好ましくは、g)アスパルテームおよびサッカリンなどの甘味料、またはf)メントール、ペパーミント、フルーツ香味料などの香味料、またはそれらの組み合わせを含有する。
カプセル剤(インプラント、持続放出製剤および徐放性製剤を含む)は典型的には、ゼラチンを含むカプセル剤中に、成分Aと1つ以上の上記a)希釈剤を含む担体とを含む。顆粒は、典型的には成分Aを含み、そして好ましくは流動特性を改善するためにk)二酸化ケイ素のような流動促進剤をさらに含む。インプラントは生分解性または非生分解性タイプのものであり得る。インプラントは任意の既知の生体適合性製剤を用いて調製され得る。
経口組成物用の担体中の成分の選択は、味、コスト、および保存安定性のような二次的な考慮事項に依存し、これらは本発明の目的にとって重要ではない。当業者は、過度の実験をすることなく適切な成分を選択する方法を知っているだろう。
固体組成物はまた、成分Aが所望の適用の近くで胃腸管内に放出されるように、または所望の作用を延長するために様々な時点および時間で、通常の方法によって、典型的にはpHまたは時間依存性コーティングでコーティングされ得る。コーティングは典型的には、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルセルロース、EUDRAGIT(登録商標)コーティング(Rohm & Haas G.M.B.H. of Darmstadt, Germanyから入手可能)、ワックスおよびシェラックからなる群から選択される1つ以上の成分を含む。
経口投与用の組成物は液体形態をとり得る。例えば、適切な液体形態は、水溶液、エマルジョン、懸濁液、非発泡性顆粒から再構成された溶液、非発泡性顆粒から再構成された懸濁液、発泡性顆粒から再構成された発泡性調製物、エリキシル剤、チンキ、シロップなどを含む。液体経口投与組成物は典型的には、成分Aおよび成分B、すなわちa)希釈剤、e)着色剤、f)香味料、g)甘味料、j)防腐剤、m)溶媒、n)懸濁剤、およびo)界面活性剤からなる群から選択される成分を含む担体を含む。経口液体組成物は好ましくは、e)着色剤、f)香味料、およびg)甘味料からなる群から選択される1つ以上の成分を含む。
本化合物の全身送達を達成するのに有用な他の組成物は、注射剤形、舌下剤形、口腔内剤形および経鼻剤形を含む。そのような組成物は典型的には、1つ以上の可溶性充填剤物質、例えばa)スクロース、ソルビトールおよびマンニトールを含む希釈剤、ならびにc)アカシア、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの結合剤を含む。そのような組成物は、b)潤滑剤、e)着色剤、f)香味料、g)甘味料、h)酸化防止剤、およびk)流動促進剤をさらに含み得る。
本発明の一実施形態では、本発明の化合物は局所投与される。眼に局所的に適用することができる局所組成物は、当技術分野において公知の任意の形態であり得、その非限定的な例は、固体、ゲル化可能な液滴剤、スプレー剤、軟膏剤、または眼の結膜嚢もしくは別の適切な場所に配置された持続もしくは非持続放出ユニットを含む。
局所的に皮膚に適用することができる局所組成物は、固体、溶液、油、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー、リーブオンおよびリンスアウトヘアコンディショナー、ミルク、クレンザー、モイスチャライザー、スプレー、皮膚パッチなどを含む任意の形態であり得る。局所組成物は、成分A、上記の化合物、および成分B、担体を含む。局所組成物の担体は、好ましくは化合物の眼内への浸透を助ける。成分Bはさらに1つ以上の任意成分を含んでもよい。
本発明による化合物の有効量は、治療されている特定の症状、治療を受けている患者の年齢と体調、症状の重大度、治療期間、併用療法の性質、投与経路、利用される特定の薬学的に許容される担体、そして主治医の知識と専門知識の範囲内の要素などにより変わるであろう。例えば、全身投与のための本発明の化合物の有効量は、1日当たり、約0.01から約1000μg/kg体重、好ましくは約0.1から約100μg/kg体重、最も好ましくは約1から約1μg〜50μg/kg体重である。経皮投与量は、薬物動態学および経皮製剤の当業者に知られている技術に基づいて、類似の血清または血漿濃度を達成するように設計されるであろう。全身投与のための血漿濃度は、0.01〜100ng/mL、より好ましくは0.05〜50ng/mL、最も好ましくは0.1〜10ng/mLの範囲にあると予想される。これらの投与量は、毎日の投与割合に基づいているが、本発明の化合物は、他の間隔、例えば1日2回、週2回、週1回、または月1回で投与され得る。当業者は、他の投与間隔について適切な有効量を計算することができるだろう。
本発明の化合物は眼圧を低下または低下させる方法において有用である。本発明の化合物は、眼圧を低下させるのに有効な量で治療を必要とする対象に投与し得る。したがって、これらの化合物は緑内障の治療に有用である。緑内障を治療するための好ましい投与経路は局所的である。
局所組成物中の各成分の正確な量は様々な要因に左右される。局所組成物に添加される成分Aの量は成分AのIC50に依存し、典型的にはナノモル(nM)単位で表される。例えば、薬剤のIC50が1nMである場合、成分Aの量は約0.001〜約0.3%になるだろう。薬剤のIC50が10nMである場合、成分A)の量は約0.01〜約1%になるだろう。薬剤のIC50が100nMである場合、成分Aの量は約0.1〜約10%になるだろう。薬剤のIC50が1000nMの場合、成分Aの量は1〜100%、好ましくは5%〜50%になるだろう。成分Aの量が上記で特定された範囲外(すなわち、より低い)である場合、治療の有効性は低下し得る。当業者は、IC50を計算しそして理解する方法を理解している。組成物の100%までの残りは成分Bである。
成分Aと組み合わせて使用される担体の量は、薬剤の単位用量当たりの投与のための実用的な量の組成物を提供するのに十分である。本発明の方法において有用な剤形を作製するための技術および組成物は、以下の参考文献:Modern Pharmaceutics, Chapters 9 and 10, Banker & Rhodes, eds. (1979);Lieberman et al.,Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets(1981);and Ansel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,2ndEd., (1976)に記載されている。
成分Bは、単一成分または2つ以上の成分の組み合わせを含み得る。局所組成物において、成分Bは局所担体を含む。適切な局所担体は、リン酸緩衝食塩水、等張水、脱イオン水、単官能アルコール、対称アルコール、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンAおよびE油、鉱油、プロピレングリコール、PPG−2ミリスチルプロピオネート、ジメチルイソソルビド、ヒマシ油、それらの組み合わせなどからなる群から選択される1つ以上の成分を含む。より具体的には、皮膚適用のための担体は、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、および水、そしてさらにより具体的には、リン酸緩衝食塩水、等張水、脱イオン水、単官能アルコールおよび対称アルコールを含む。
局所組成物の担体は、q)皮膚柔軟化剤、r)噴射剤、s)溶媒、t)湿潤剤、u)増粘剤、v)粉末、w)香料、x)顔料、およびy)防腐剤からなる群から選択される1つ以上の成分をさらに含み得る。
成分q)は皮膚柔軟化剤である。皮膚系局所組成物中の成分q)の量は典型的には約5〜約95%である。適切な皮膚柔軟化剤は、ステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ミンク油、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチルト、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン−2−オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ゴマ油、ヤシ油、落花生油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、およびそれらの組み合わせを含む。皮膚用の特定の皮膚柔軟化剤には、ステアリルアルコールおよびポリジメチルシロキサンが含まれる。
成分r)は噴射剤である。局所組成物中の成分r)の量は典型的には約0〜約95%である。適切な噴射剤は、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素、およびそれらの組み合わせを含む。
成分s)は溶媒である。局所組成物中の成分s)の量は典型的には約0〜約95%である。適切な溶媒は、水、エチルアルコール、塩化メチレン、イソプロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、およびそれらの組み合わせを含む。具体的な溶媒は、エチルアルコールおよび同位体アルコールを含む。
成分t)は湿潤剤である。局所組成物中の成分t)の量は典型的には0〜95%である。適切な保湿剤は、グリセリン、ソルビトール、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル、ゼラチン、およびそれらの組み合わせを含む。具体的な保湿剤はグリセリンを含む。
成分u)は増粘剤である。局所組成物中の成分u)の量は典型的には約0〜約95%である。
成分v)は粉末である。局所組成物中の成分v)の量は典型的には0〜95%である。適切な粉末は、ベータ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、チョーク、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ガム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムスメクタイト、トリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾ケイ酸アルミニウムマグネシウム、有機修飾モンモリロナイト粘土、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、モノステアリン酸エチレングリコール、およびそれらの組み合わせを含む。眼科用途のために、特定の粉末は、ベータ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、およびポリアクリル酸ナトリウムを含む。ゲル投与眼科用製剤の場合、ポリアクリル酸ナトリウムが使用され得る。
成分w)は香料である。局所組成物中の成分w)の量は、典型的には約0〜約0.5%、特に約0.001〜約0.1%である。眼科用途には、香料は通常使用されない。
成分x)は顔料である。皮膚用途に適した顔料は、無機顔料、有機レーキ顔料、真珠光沢顔料、およびそれらの混合物を含む。本発明に有用な無機顔料は、参照番号CI 77,891の下でColor Indexにコードされている、ルチル型またはアナターゼ型二酸化チタン;参照番号CI 77,499、77,492および77,491の下でコードされている、黒、黄、赤および茶色の酸化鉄;マンガンバイオレット(CI 77,742);群青(CI 77,007);酸化クロム(CI 77,288);クロム水和物(C I77,289);ならびにフェリックブルー(CI 77,510)そしてそれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。
本発明において有用な有機顔料およびレーキは、D&C Red No. 19 (CI 45,170)、D&C Red No. 9 (CI 15,585)、D&C Red No. 21 (CI 45,380)、D&C Orange No. 4 (CI 15,510)、D&C Orange No. 5 (CI 45,370)、D&C Red No. 27 (CI 45,410)、D&C Red No. 13 (CI 15,630)、D&C Red No. 7 (CI 15,850)、D&C Red No. 6 (CI 15,850)、D&C Yellow No. 5 (CI 19,140)、D&C Red No. 36 (CI 12,085)、D&C Orange No. 10 (CI 45,425)、D&C Yellow No. 6 (CI 15,985)、D&C Red No. 30 (CI 73,360)、D&C Red No. 3 (CI 45,430)、Cochineal Carmine(CI 75,570)に基づく染料またはレーキおよびそれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。
本発明において有用な真珠光沢顔料は、白色真珠光沢顔料、例えば、酸化チタンで被覆された雲母、オキシ塩化ビスマス、着色真珠光沢顔料、例えば、酸化鉄で被覆されたチタン雲母、フェリックブルーで被覆されたチタン雲母、酸化クロムなど、上記タイプの有機顔料で被覆されたチタン雲母、ならびにオキシ塩化ビスマスおよびそれらの混合物に基づくものからなる群から選択されるものを含む。局所組成物中の顔料の量は典型的には約0〜約10%である。眼科用途には、顔料は一般に使用されない。
本発明の特に好ましい実施形態では、眼内投与用の局所医薬組成物は、典型的には成分AおよびB(担体)、例えば、精製水、およびy)デキストラン、特にマンニトールおよびデキストラン70などの糖または糖アルコール、z)セルロースまたはその誘導体、aa)塩、bb)EDTA二ナトリウム(エデト酸二ナトリウム)、ならびにcc)pH調整添加剤からなる群から選択される1つ以上の材料を含んで調製される。
z)眼内投与用の局所医薬組成物に使用するのに適したセルロース誘導体の例は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロース、およびヒドロキシプロピル−メチルセルロース、特にヒドロキシプロピル−メチルセルロースを含む。
眼内投与用の局所医薬組成物に使用するのに適したaa)塩の例は、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、およびリン酸三ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ならびにそれらの組み合わせを含む。
cc)pH調整添加剤の例は、眼内投与用の局所医薬組成物のpHを5.0〜7.5に調整するのに十分な量のHClまたはNaOHを含む。
成分Aは、成分A、上記の全身もしくは局所組成物、またはその両方を含むキットに含まれていてもよい。また、キットの使用に関する情報、指示、またはその両方は、哺乳動物(特にヒト)の美容上および医学上の症状の治療法を提供するであろう。情報および指示は、単語、写真、またはその両方などの形態であり得る。それに加えてまたはその代わりに、キットは薬剤、組成物、またはその両方;好ましくは哺乳動物(例えば、ヒト)における美容上および医学上の症状を治療または予防するという利益を伴う、薬剤または組成物の適用方法に関する情報、指示、またはその両方を含み得る。
本発明は、非限定的であるとみなされるべきである以下の例示的な実施例によってさらに説明されるであろう。
(実施例)
すべての温度は摂氏である。試薬および出発物質は商業的供給源から購入するか、または公表された文献の手順に従って調製した。
特記しない限り、HPLC精製は、適切な場合には、化合物を少量のDMSOに再溶解し、0.45ミクロン(ナイロンディスク)のシリンジフィルターを通して濾過することによって行った。次いで、例えば50mm Varian Dynamax HPLC 21.4mm Microsorb Guard−8Cカラムを使用して溶液を精製した。標的化合物に、必要に応じて、40〜80%MeOH:HOの典型的な初期溶出混合物を選択した。この初期勾配を0.5分間維持し、次いで5分間かけて100%MeOH:0%HOに増大させた。100%MeOHをさらに2分間維持した後、最初の出発勾配に再平衡化した。一般的な合計実行時間は8分であった。得られた画分を分析し、必要に応じて合わせ、そして次に蒸発させて精製した物質を得た。
プロトン磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、Varian INOVA 600 MHz (H)NMR分光計、Varian INOVA 500 MHz (H)NMR分光計、Varian Mercury 300 MHz (H)NMR分光計、またはVarian Mercury 200 MHz (H)NMR分光計のいずれかで記録された。指示された溶媒中ですべてのスペクトルを測定した。化学シフトはテトラメチルシランのppm低磁場で報告されているが、それらはH NMRのそれぞれの溶媒ピークの残留プロトンピークを基準としている。プロトン間結合定数は、ヘルツ(Hz)で報告される。
分析用LCMSスペクトルは、Alliance 2695 HPLCおよび2487二波長UV検出器を備えたWaters ZQ MS ESI装置を使用して得た。スペクトルは254および230nmで分析した。サンプルを、ガードカラム(3.9×20 mm 5μ)の有無にかかわらず、Waters Symmetry C18 4.6×75mm 3.5μカラムに通した。移動相A:HO中0.1%ギ酸および移動相B:0.8mL/分の流速でのACNを用いて勾配をかけた。2つの勾配を示す。
MSプローブの設定は、38mVのコーン電圧および250℃の脱溶媒和温度であった。これらの方法におけるいかなる変形も以下に記載される。
以下の調製は、中間体の調製方法およびベータ−アミノイソキノリニルアミド誘導体の調製方法を説明する。
(実施例)
実施例1−32
(a)TIPS−Otf、2,6−ルチジン、CHCl;(b)LiHMDS、N−ブロモメチルフタルイミド、THF、−78°C〜0°C;(c)LiOH*HO、THF−HO(d)EDC、DMAP、6−アミノイソキノリン;(e)NHNH、MeOH、還流;(f)BocO、NEt、CHCl(g)TBAF、THF;(h)4N HCl−ジオキサン、CHCl(またはCHCh−HO)、rt。
市販の化合物および主として本明細書のスキーム1に記載の手順を使用し、適切な出発物質を置き換えて、化合物2〜32を製造した。
実施例33 ROCKキナーゼアッセイ
すべての化合物は、最初、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中の10mMストックとして調製した。10mM溶液の20μlアリコートを96ウェルポリプロピレンマイクロタイタープレート(Corning#3363)のカラム1の個々のウェルに移し、そしてDMSOで希釈して4mMの最終化合物濃度を得た。次いで試験化合物をDMSOで1:3に連続的に希釈して10点濃度応答とし、さらにアッセイ緩衝液で希釈して全化合物濃度を10%DMSO中の4×最終濃度にした。アッセイは、50mM HEPES(pH7.5)、10mM MgCl・6HO、100μMオルトバナジン酸ナトリウム、0.01%CHAPSおよび0.1%ウシ血清アルブミンからなるアッセイ緩衝液中で、96ウェルハーフホワイト、平底、ハーフエリア、非結合アッセイプレート(Corning#3642)中で実施した。中間希釈プレートの各ウェルからの化合物の10μLアリコート、ならびにATP(5μM)およびアクセプター基質(20μM RSK2ペプチドKKRNRTLTK)を含有する4×ストック溶液10μLをすべてのウェルに添加した。ROCK2(1nM)を含有する20μLの2×ストック溶液を添加することによって反応を開始させた。反応物を手動で完全に混合し、覆いをして、室温で180分間インキュベートした。PromegaのKinase−Glo(商標)発光キナーゼアッセイキットを製造業者の指示に従って使用してプロテインキナーゼ活性を定量した。酵素反応の終了後に試験ウェルに残っているATP濃度を、インヒビターを含まない等量のDMSOを含む対照ウェル(CTRL)と比較した。試験ウェルおよびCTRLウェルの両方のATP濃度を、調査中のプロテインキナーゼを完全に阻害する濃度の阻害剤を含有するウェル中のバックグラウンド(BKG)ATP濃度に対して正規化した(すなわち、インキュベーションの過程でATPの消費を妨げる任意の濃度)。試験した化合物の各濃度について、以下の式に従って対照パーセント(POC)値を決定した。
POC=((試験ウェル値−BKG)/(CTRL−BKG))*100
以下の4パラメーターロジスティック曲線適合アルゴリズムを用いてIC50値を計算した。
f(x)=(A+((B−A)/(1+((x/C)^D))))
Cheng−Prusoffの式を用いてIC50値をKi値に変換した。K=IC50/(1+([ATP]/Km ATP]))。
結果を以下の表1に示す。
実施例34 PTM−HTMアッセイ
ブタ小柱網細胞(PTM)を、Rao等の方法に従って、新たに得た除核ブタの眼から単離した。不死化ヒト小柱網細胞(TM−1)は、ウィスコンシン大学の眼科および視覚科学科のDonna Petersからの親切な贈り物を通して得られた。細胞をフィブロネクチン被覆ガラス底96ウェルプレート上に蒔き、一晩付着させた。培地を除去し、1%ウシ胎児血清を含む培地中の試験化合物と交換し、そして種々の時間インキュベートした。インキュベート後、細胞をホルムアルデヒド固定し、トリトン可溶化し、そして染色した。PTM細胞をAlexa Fluor(登録商標)488ファロイジン(F−アクチン)およびHoechst 33342(核)で染色した。TM−1細胞を抗パキシリン、続いてAlexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗マウスIgG(焦点接着)およびHoechst 33342(核)で染色した。すべての染色試薬はInvitrogenから入手した。20倍の対物レンズを備えるINCell 2200イメージャーで画像を収集した。アクチン繊維の長さおよび焦点接着の総面積は、INCell Developer Toolbox v1.9.3で開発されたカスタムアルゴリズムを使用して分析した。収集したデータを対照(未処理細胞)のパーセントに変換した。シグモイド用量反応を使用し、上部および下部をそれぞれ100%および0%に拘束して、曲線をGraphPad Prizm4のデータに適合させた。結果を以下の表1に示す。
実施例35
眼圧を下げるための局所医薬組成物は、従来の方法によって調製され、そして以下のように製剤化される。
本発明による化合物は、ベータアミノ酸イソキノリルアミドとして使用される。組成物を1日1回局所的に眼に投与すると、上記組成物は緑内障を患っている対象において眼内圧を低下させる。
参考例1 緑内障アッセイの薬理活性
緑内障に対する薬理活性はまた、本化合物が眼圧を低下させる能力を試験するように設計されたアッセイを用いて実証することができる。そのようなアッセイの例は、参考をもって本明細書に組み込まれる、C. Liljebris, G. Selen, B. Resul, J. Stemschantz, and U. Hacksell, “Derivatives of 17−phenyl−18,19,20−trinorprostaglandin F2αIsopropyl Ester: Potential Anti−glaucoma Agents”, Journal of Medicinal Chemistry1995, 38 (2): 289−304に記載されている。
本発明を詳細にまたその特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
(付記)
(付記1)
式(I)の化合物、およびそのエナンチオマー、そのジアスレレオマー、ならびにその塩。
(式中、
およびRは、独立して、HまたはC−Cアルキル、
およびXは独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシもしくはハロゲン、またはXおよびXが結合しているフェニル環と共にXおよびXが一緒になってナフチル環を形成し得、
Yは、HまたはOHであり、
−CアルキルおよびC−Cアルコキシは、任意に置換され得る。)
(付記2)
およびRは共に水素である、付記1に記載の化合物。
(付記3)
YはHである、付記1または2に記載の化合物。
(付記4)
およびXは、ハロアルキルまたはヒドロキシアルキルである、付記1〜3のいずれか1つに記載の化合物。
(付記5)
およびXは、−F、−Cl、−OMe、−OH、−CFおよび−CHOHから選択される、付記1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
(付記6)
から選択される化合物。
(付記7)
付記1〜6のいずれか1つに記載の化合物と担体とを含む組成物。
(付記8)
前記担体は、pH約5.5〜約6.5に緩衝化された生理食塩水である、付記7に記載の組成物。
(付記9)
有効量の付記1〜6のいずれか1つに記載の化合物を対象に投与することを含む、対象の疾患を治療する方法であって、
前記疾患は、眼疾患、骨障害、肥満、心臓病、肝疾患、腎疾患、膵炎、癌、心筋梗塞、胃障害、高血圧症、不妊、発毛障害、鼻詰まり、神経因性膀胱障害、胃腸障害、皮膚障害および呼吸器適応症の少なくとも1つを含む、
方法。
(付記10)
前記疾患は、眼疾患を含む、付記9に記載の方法。
(付記11)
前記眼疾患は、緑内障または神経変性眼疾患を含む、付記10に記載の方法。
(付記12)
前記疾患は、喘息、慢性気管支炎、気管支痙攣、気腫および気道閉塞から選択される呼吸器適応症を含む、付記9に記載の方法。
(付記13)
前記呼吸器適応症は、喘息を含む、付記12に記載の方法。
(付記14)
キナーゼ活性を調節するのに有効な量の、付記1〜6のいずれか1つに記載の化合物と細胞を接触させることを含む、キナーゼ活性を調節する方法。
(付記15)
前記細胞は対象にある、付記14に記載の方法。

Claims (15)

  1. 式(I)の化合物、およびそのエナンチオマー、そのジアスレレオマー、ならびにその塩。
    (式中、
    およびRは、独立して、HまたはC−Cアルキル、
    およびXは独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシもしくはハロゲン、またはXおよびXが結合しているフェニル環と共にXおよびXが一緒になってナフチル環を形成し得、
    Yは、HまたはOHであり、
    −CアルキルおよびC−Cアルコキシは、任意に置換され得る。)
  2. およびRは共に水素である、請求項1に記載の化合物。
  3. YはHである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. およびXは、ハロアルキルまたはヒドロキシアルキルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. およびXは、−F、−Cl、−OMe、−OH、−CFおよび−CHOHから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. から選択される化合物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物と担体とを含む組成物。
  8. 前記担体は、pH約5.5〜約6.5に緩衝化された生理食塩水である、請求項7に記載の組成物。
  9. 有効量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を対象に投与することを含む、対象の疾患を治療する方法であって、
    前記疾患は、眼疾患、骨障害、肥満、心臓病、肝疾患、腎疾患、膵炎、癌、心筋梗塞、胃障害、高血圧症、不妊、発毛障害、鼻詰まり、神経因性膀胱障害、胃腸障害、皮膚障害および呼吸器適応症の少なくとも1つを含む、
    方法。
  10. 前記疾患は、眼疾患を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記眼疾患は、緑内障または神経変性眼疾患を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記疾患は、喘息、慢性気管支炎、気管支痙攣、気腫および気道閉塞から選択される呼吸器適応症を含む、請求項9に記載の方法。
  13. 前記呼吸器適応症は、喘息を含む、請求項12に記載の方法。
  14. キナーゼ活性を調節するのに有効な量の、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物と細胞を接触させることを含む、キナーゼ活性を調節する方法。
  15. 前記細胞は対象にある、請求項14に記載の方法。
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