JP2019528824A - 血栓回収器 - Google Patents

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Abstract

本発明では、血栓回収器及び使用のための関連方法が提供される。血栓回収器は、中央に位置決めされた展開部材に取り付けられた回収器本体を有し、展開部材は、標的血栓を回収するために、近位方向(操作者に向かう方向)に変位可能である。回収器本体は、回収器本体における最も遠位の端部に対して遠位にある取付け位置で展開部材に取り付けられる。使用に際し、近位方向に展開部材を引っ張ることで、血栓収集の間、回収器本体の後方から回収器本体を有効に「押す」ことができる。血栓回収器は、回収された血栓を収集して閉塞を防止するネットをその遠位端に有してもよい。

Description

[関連出願との相互参照]
本願は、2016年9月15日に提出された米国仮特許出願第62/395,217号に基づく優先権を主張する。同仮特許出願の優先権が明示的に主張されており、その仮出願の開示はその全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
[発明の分野]
本発明は、概して、血栓を除去するために血管内カテーテルから展開されるデバイス及び当該デバイスを用いる方法に関する。
「血の塊」としても知られる血栓は、動脈血管及び静脈血管の両方に形成され得る。血栓は、そのような血管内に形成されるか又はその中に塞栓形成されると、閉塞血管内における下流への血流を遮断することによって有害事象を引き起こす可能性がある。
血栓は、血栓溶解療法及び/又は機械的血栓摘出術によって治療/除去することができる。血栓溶解は、組織プラスミノゲン活性化因子薬(tPA)のような薬理学的物質を用いて血栓を溶解する。カテーテルに運ばれる血栓摘出デバイスは、一般に、2つのカテゴリ及びそれらの組み合わせに分類される。吸引カテーテルは血管から血栓を吸引することによって機能する。機械的装置は、血栓に接触して血栓を取り除き、カテーテルシース又は吸引カテーテルの中を案内することで、血栓を身体から除去するように設計されている。これらの装置にはバルーンカテーテルが含まれ、バルーンカテーテルは、血栓を通過するように押し込まれ、膨張され、そして血栓を除去カテーテル内に引き込むために引き抜かれるように設計されている。他の装置としては、螺旋状の又はばね/コイルの装置を用いて血管内の血栓を絡み取るか又は捕捉し、血栓をカテーテルシース内に移動させて除去するように設計されているものがある。
血栓の構造は複雑であり、血小板、血球及びフィブリンを含み得る。血栓は、血管壁に接して存在する硬くて稠密な境界部分と、血管内腔の中心に向かう液状又はゼラチン状のコアを有する傾向がある。既存の血栓除去デバイスは非効率的であるか、又は血栓全体を除去することができない。例えば、吸引カテーテルは、血栓におけるより柔らかい中央部分を除去することで、血管の開通性を部分的に回復させ得るが、血栓の稠密な境界部分を取り除くのに十分な吸引力を提供することができない。血栓を絡み取る又は捕捉する機械的捕捉デバイスは、比較的稠密な血栓を除去するのに効果的であり得るが、より柔らかい血栓を捉えることができず、塞栓症の危険性を増大させてしまう。また、血栓を集めるためにこれらの機械的デバイスが血管に沿って血管近くで動かされると、血栓のより稠密な境界部分により機械的デバイスの直径が強制的に減少されることがある。これにより、機械的デバイスがより柔らかい血栓を収集できなくなるだけでなく、血管壁に隣接するより硬い血栓の一部を収集できなくなりかねない。このような相対的に非効率な収集により、回収器を繰り返し引っ張ることを要することになると共に、血栓の除去を不完全なものとしかねない。従って、1回の引っ張り動作で血栓の全体又は略全体を効率的に除去しつつ、塞栓症のリスクを最小限に抑えることが可能な回収器が必要である。
本発明は、血栓回収器及び関連する使用方法を提供する。血栓回収器は、大まかに、回収器本体と、回収器本体の少なくとも遠位端を覆うメッシュと、中央に配置された展開部材と、中央に配置された収集部材とを有することができ、後の2つの要素は、独立してオペレータの管理下にある。回収器本体は、回収器本体の最遠位縁よりも遠位の点で先導アームを介して展開部材に取り付けられ、それにより、デバイスをその遠位縁から引っ張ることで、それを血管壁の方へ向け、その結果、より完全な収集を可能とする。血栓回収器は、血管内カテーテル内に収容され且つそこから展開されるように設計・調整されている。従って、血栓回収器、特に回収器本体は、収縮状態(例えば、カテーテル内に配置されたとき)及び展開状態(例えば、血栓収集のために血管内に展開されたとき)を選択することができる。従って、収縮状態は、展開状態よりも小さい直径又は幅を有する。血栓回収器の様々な実施形態及び特徴を以下に説明する。
第1の態様において、本発明に係る血栓回収器は、
近位端で開口し、遠位端で開口し、長手方向の軸を有すると共に、第1の直径を有する第1収縮状態及び第2の直径を有する展開状態を選択可能であり、前記第1の直径は第2の直径よりも小さい略円筒状の回収器本体と、
前記回収器本体の少なくとも遠位端を覆うメッシュと、
前記長手方向の軸と略平行な軸に沿って前記回収器本体を通って延在する展開部材と、
前記回収器本体に取り付けられ、前記回収器本体が前記展開状態から第2収縮状態、すなわち、前記メッシュを有する前記回収器本体及び既に収集された血栓が前記カテーテルに集められている収集状態(収縮状態又は部分的な収縮状態)を選択するように調整され、前記収集状態では前記回収器本体が前記第2の直径よりも小さい第3の直径を有する収集部材と
を有し、
前記回収器本体は、前記回収器本体の前記遠位端よりも遠位の接続地点で前記展開部材に取り付けられることで、前記血栓を引っ張るのではなく、前記血栓を押し、
前記展開部材及び前記収集部材は、前記長手方向の軸に沿って独立した移動が可能である。
別の実施形態において、前記回収器本体は、前記回収器本体の近位端から延在して前記収集部材に接続されている2つ以上の先導アームを有する。また、各先導アームは、1つ又は複数の可撓性ワイヤによって前記収集部材に取り付けられてもよい。
いくつかの実施形態では、前記第3の直径は、前記第1の直径より大きいか又は実質的に同じとすることができる。
第2の態様において、本発明に係る血栓回収器は、
近位端で開口し、遠位端で開口し、長手方向の軸を有すると共に、第1の直径を有する第1収縮状態及び第2の直径を有する展開状態を選択可能であり、前記第1の直径は前記第2の直径よりも小さく、前記近位端から延在する先導アームを有する略円筒状の回収器本体と、
前記回収器本体の少なくとも遠位端を覆うメッシュと、
前記長手方向の軸に対して略平行な軸に沿って前記回収器本体を通って延在するアクチュエータと
を有し、
前記回収器本体は、前記回収器本体の前記遠位端よりも遠位の接続地点で前記アクチュエータに取り付けられ、前記アクチュエータは、前記血栓に対して前記血栓を引っ張るのではなく、後方から前記血栓を押すことで、前記回収器本体の直径を減少させることなく、前記血栓を介して前記血栓回収器を案内し、
前記先導アームは、前記回収器本体の前記近位端よりも近位の近位接続地点で複数の可撓性ワイヤを介して前記アクチュエータに接続されて、前記カテーテル内に血栓を収集可能である。
上述の前記血栓回収器のいずれかの実施形態において、前記回収器本体は、前記回収器本体の周囲に概ね正弦波状の又はジグザグ状のパターンを形成するループを有する1つ又は複数の第1の周方向バンドを備える。
上述の前記血栓回収器のいずれかの別の実施形態において、前記回収器本体は、前記回収器本体の周囲に概ね正弦波状の又はジグザグ状のパターンを形成するループを有する1つ又は複数の第2の周方向バンドを備える。前記第1の周方向バンド及び前記第2の周方向バンドは、同一の又は異なる概ね正弦波のパターンを有し得る。1つ又は複数の前記第1の周方向バンドのループは、前記第1の周方向バンドのループと位相がずれていてもよい。また、ループ間の正弦波状リングのアームは、より小さくより稠密の収縮直径を可能にするために、直線状ではなくシグモイド形としてもよい。
第3の態様において、本発明に係る血栓回収器は、
近位端で開口し、遠位端で開口し、長手方向の軸を有すると共に、収縮状態及び展開状態を選択可能であり、円状の又は略円状の(例えば楕円状の)断面を有し、円状ワイヤ又はリボンからなる輪である略円筒状の回収器本体と、
前記回収器本体の少なくとも遠位端を覆うメッシュと、
前記長手方向の軸と略平行な軸に沿って前記回収器本体を通って延在する展開部材と、
前記回収器本体に取り付けられ、前記回収器本体が前記展開状態から前記収縮状態を開始するように調整された収集部材と
を有し、
前記回収器本体は、前記回収器本体の前記遠位端よりも遠位の接続地点で前記展開部材に取り付けられることで、引っ張られるのではなく、前記血栓に対して前記回収器本体が押されるようにし、
前記展開部材及び前記収集部材は、前記長手方向の軸に沿って独立した移動が可能である。
一実施形態において、前記血栓回収器の輪の平面は、前記展開部材に対して、若しくは前記長手方向の軸に対して、又は前記血栓回収器が展開される血管の内腔壁に対して、0°〜45°(例えば、約0°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°又は45°)の角度で傾斜している。
別の実施形態において、前記血栓回収器の輪は、近位縁と遠位縁を有するリボンであり、前記遠位縁は、前記リボンが135°〜180°(例えば、約135°、140°、145°、150°、155°、160°、165°、170°、175°又は180°)の傾斜角を形成することで、血管壁に近い稠密の血栓内に入り込むように、前記近位縁に対して内側に配置される。
本明細書に記載の血栓回収器のいくつかの実施形態において、前記回収器本体は自己拡張型である。いくつかの実施形態において、前記収縮状態の前記回収器本体は、1〜5フレンチ(例えば、2〜4フレンチ)の直径を有する。いくつかの実施形態において、前記展開状態の前記回収器本体は、3〜12フレンチ(例えば、約3、6、9又は12フレンチ)の直径を有する。
本発明に係る血栓回収器の他の実施形態において、前記回収器本体は、2つ又はそれ以上(例えば、3、4、5、6以上)の遠位アームによって前記展開部材に取り付けられる。前記遠位アームは、それらの近位端で前記回収器本体に取り付けられ、それらの遠位端で前記展開部材に取り付けられることで、前記回収器本体の遠位端から伸び、血栓に対して引っ張られるときに前記回収器本体を後ろから押す。前記遠位アームは、別々の部品として構成され、(例えば、溶接によって)前記回収器本体及び前記展開部材に取り付けられてもよい。或いは、前記遠位アームは、前記回収器本体又は前記展開部材のいずれかと隣接する要素として構成されてもよい。また、前記遠位アームは、前記回収器本体を後ろから押すことによって、前記回収器本体に外向きの力を加え、血管壁に向かってそれを押すようにしてもよい。そのような外向きの力は、血管壁に向かって(すなわち、より大きな直径の構造に向かって)前記回収器本体に付勢力をかけることで、前記血管壁における稠密の血栓をより完全に回収することを確実にする。
本発明に係る血栓回収器の他の実施形態において、前記展開部材は、硬質又は半硬質のワイヤである。
本発明に係る血栓回収器の他の実施形態において、前記収集部材は内腔を含む管である。前記展開部材は、管状の前記収集部材の内腔を通過する硬質又は半硬質ワイヤとしてもよい。
本発明に係る血栓回収器のいくつかの実施形態において、前記ネット又はメッシュは、織られたネット、有孔膜、又はポリマー繊維の不織メッシュである。
他の実施形態において、血栓回収器の任意の部分は、例えば形状記憶合金を含む形状記憶材料から作られる。いくつかの実施形態において、前記形状記憶合金は、ニッケルチタン(「NiTi」又はニチノール)である。
別の態様において、本明細書に記載された本発明に係る血栓回収器は、収縮状態の際、血管内カテーテルの管腔内に収容される。いくつかの実施形態において、カテーテルは、マイクロカテーテル(例えば、2フレンチ又は3フレンチの内腔直径を有する)である。
別の態様において、本発明は、対象(例えば対象者)の血管から血栓を回収又は除去する方法を提供する。本明細書に記載の血栓回収器が提供され、前記回収器本体は、収縮状態のとき、血管内カテーテルの管腔内に収容される。前記展開部材及び前記収集部材は、操作者(例えば、インターベンション心臓専門医、放射線科医又は神経放射線科医)によって独立して制御される。カテーテルは、カテーテル管腔開口部が血栓の遠位側を超えて位置決めされるまで、標的血栓を通して遠位方向に押される。
次いで前記血栓回収器が展開される。一実施形態において、前記血栓回収器は、前記展開部材を固定位置に維持しながら、カテーテルシースを近位方向に引き抜くことによって展開され、それによって前記血栓回収器を前記標的血栓の遠位側に維持する。別の実施形態において、前記血栓回収器は、前記カテーテルを前記血管に対して実質的に固定された位置に維持しながら、最初に前記展開部材を遠位方向に押すことによってそれをカテーテルから変位させることによって展開される。展開後、前記展開部材を実質的に固定位置に維持しながら前記カテーテルシースを近位方向に引き出す。前記血栓回収器の展開後、前記カテーテルシースは標的血栓の近位側に(例えば前記標的血栓の10mm未満、20mm未満又は30mm未満に)維持される。前記回収器本体を自己拡張型とし、前記カテーテルシースを引き抜くと同時に拡張させてもよい。或いは、前記回収器本体はバルーンによって拡張させてもよい。拡張後、前記バルーンを収縮させて前記収集部材の内腔を通して引き出してもよい。
また、操作者は、前記回収器本体が前記標的血栓の部分を通過して前記血栓をネット内に回収するまで前記展開部材を近位方向に引っ張る。前記カテーテルシースは静止したままとすることが好ましい。
一実施形態において、操作者は、前記収集部材がカテーテルの内腔に収集されるように前記収集部材を収縮状態又は部分的収縮状態にするのに十分な程、近位方向に前記収集部材を引っ張る。そして、前記展開部材及び前記収集部材を同時に近位方向に引っ張って、前記回収器本体を収縮状態又は部分的収縮状態で維持すると共に、カテーテルの内腔内の位置に移動させ、それによって前記回収器本体を収縮状態に戻し、血栓をカテーテル内に集める。
別の実施形態において、前記収集部材を大きく引っ張った状態(すなわち、前記展開部材に対して近位方向に移動させた状態)で、前記収集部材と前記展開部材とを同時に近位方向に引っ張ることで、前記回収器本体を収縮状態又は部分的収縮状態にすると同時に、近位方向に移動させる。
前記回収器本体を収集し、血栓をカテーテルの内腔内に収集した後、操作者はカテーテルを対象から引き抜く。
「近位」とは、操作者及び血管へのカテーテルの進入点に向かう方向又は側を意味する相対的な用語である。例えば、患者からカテーテルを引き抜く操作者は、カテーテルを近位方向に移動させている。同様に、カテーテルを挿入して血栓を通過させる際にカテーテルが最初に面する血栓の側又は面は近位側である。
「遠位」とは、操作者及び進入点から離れる方向又は側を意味する相対的な用語である。例えば、カテーテルを患者に挿入する操作者は、カテーテルを遠位方向に移動させている。
血管内に含まれる標的血栓の遠位側で展開され、矢印の方向に引っ張られることで血栓を収集する血栓回収器の断面概略図である。 展開部材(中心ワイヤ)及び展開部材(インナーチューブ)に取り付けられて展開状態にある血栓回収器の回収器本体の一実施形態の斜視図である。 図2Aに示す前記血栓回収器において、前記回収器本体がメッシュで覆われている状態を示す斜視図である。 本発明の原理に従って前記回収器本体を構成するのに有用な、拡張状態及び収縮状態にある周方向バンドの概略図である。 血管内カテーテル内に収容されて収縮状態にある血栓回収器の一実施形態の斜視図である。 図2に示す前記血栓回収器が、血管内に含まれる標的血栓の遠位側で展開されて、矢印の方向に引っ張られることで血栓を収集する様子を示す概略断面図である。 カテーテルの内腔に入る先導アームにワイヤが接続されて、部分的な収集状態にある血栓回収器の斜視図である。 前記回収器本体の前記先導アームが血管内カテーテルの内腔に部分的に入り込むことでさらに部分的な収集状態にある血栓回収器の斜視図である。 血管内カテーテル内に収容されて収縮状態にある血栓回収器の別の実施形態の斜視図である。 回収器本体がリングであり且つ展開状態にある血栓回収器の概略平面図である。 図8Aに示す前記血栓回収器において、前記回収器本体が、遠位に取り付けられた袋状ネットを有する状態を示す概略平面図である。 血管の内腔内におけるリボン製リング状回収器本体の断面を示す概略断面図である。 血管壁に対して回収器本体が180°未満の角度で配置されている回収器本体の傾斜状態を示す概略断面図である。 血管壁に対して実質的に平行に(すなわち、傾斜角=約180°)配置された回収器本体を示す断面概略図である。 遠位アーム及び展開部材に対する回収器本体の関係を示す平面図である。 展開状態にあるリング状血栓回収器の概略斜視図である。 血管内カテーテル内に収容されて収縮状態にあるリング状血栓回収器の斜視図である。 血栓回収器の近位端が、血管内カテーテルの内腔内に部分的に配置されていると共に、前記血栓回収器の遠位端が、中央に配置された展開部材に向かって近位方向に変位している部分的な展開状態又は部分的な収集状態にある血栓回収器の斜視図である。 前記回収器本体(リング)の近位端が、血管内カテーテルの内腔内にさらに配置されている部分的な展開状態又は部分的な収集状態にある血栓回収器の斜視図である。 血管内の標的血栓の遠位側で展開された血栓回収器の概略断面図である。
本発明に係る血栓回収器は、血管内カテーテル内で折り畳み可能であると共に、血管内カテーテルによって搬送される。血栓回収器は、近位端及び遠位端を有する。いくつかの実施形態において、回収器本体は、操作者の制御下にある展開部材(例えば、中心ワイヤ又は長手方向の他のバックボーン)に接続されており、標的血栓を収集するために、回収器本体が展開部材により血管の内腔内で長手方向に移動される。回収器本体は、展開部材を近位方向に引っ張ることで、血栓回収器を後方(すなわち遠位端)から近位方向に効果的に「押す」と共に、血栓回収器を血管壁に接近させることで、血管壁に付着した稠密の血栓を最適に収集するように押圧する外向きの付勢力を発生させるように展開部材に固定される。いくつかの実施形態において、回収器本体は、押圧力を発生させるためにその遠位端で展開部材に固定される。いくつかの実施形態において、回収器本体は、操作者の制御下にある収集部材(例えば、インナーチューブ)にも接続され、収集された血栓と共に血栓回収器をカテーテルに再進入させて、血栓収集の完了後に収縮状態を開始するように構成される。一般に、収集部材は近位方向に引っ張られ、回収器本体に取り付けられた収集ワイヤに張力を加える。収集ワイヤは、回収器本体の直径を減少させて回収器本体及び収集された血栓をカテーテル管腔内に入り易くするように構成される。他の実施形態において、回収器本体及び収集ワイヤは、長手方向の共通のバックボーンに取り付けられる。このバックボーンは、血管の内腔内における血管回収器の長手方向の移動と、血栓収集が完了した後のカテーテル内腔内における回収器本体の戻りの両方を容易にする。血栓回収器の様々な実施形態についての更なる詳細は後述する。ある実施形態における共通の要素の説明は、同一又は類似の要素を有する他の実施形態にも同様に適用可能である。
本明細書において記載される、血栓回収器の主な改良点は以下の3つである。(a)従来の血栓回収器における、前側から引っ張られることで血管壁から離間する方向に働く付勢力とは反対に、血管壁に向かう付勢力を生成するアームにより、回収器本体は後方から押される。(b)付加的な付勢力が血管壁に向かって生じるように、フレームの断面が傾斜している。(c)回収器本体の遠位端に配置されて、血栓を収集する収集ネットが設けられる。改良点(a)及び(b)は、血管壁の隣の硬い血栓の収集効率を改善し、改良点(c)は、柔らかい血栓の収集及び血栓の破砕を改善することで塞栓を防ぐ。
図1は、本発明のいくつかの原理に従って構成された血栓回収器100の一実施形態の概略断面図である。血栓回収器100は、血管10内の血栓20の遠位側においてその展開位置で示されている。血栓回収器100は、中心ワイヤ110として示される展開部材と、回収器本体130と、複数の遠位アーム120とから形成される。遠位アーム120は、一端が回収器本体130の遠位側にある取付け点115で中心ワイヤ110に取り付けられ、他端が回収器本体130に取り付けられている。回収器本体130は、略円筒状であり、血管10の内面を一周するように構成されている。詳細は後述するが、回収器本体130は、血栓及び除去された血栓破片を捕捉するように構成されたメッシュにより、その側面及び/又は遠位側が部分的に又は全体的に覆われている。血栓回収器が血栓20に対して矢印の方向に引っ張られると、遠位アーム120が血管壁10に向かって付勢力を生じさせることで、血管壁近くにおける血栓収集をより完全に行うことが可能となる。
使用に際し、操作者が中心ワイヤ110を近位方向(矢印方向)に引っ張ることで、回収器本体130を近位方向に移動させる。操作者によって加えられた引っ張り力は、遠位アーム120を介して中心ワイヤ110から回収器本体130に伝達される。力の伝達により、遠位アーム120は、回収器本体130を血管10の内壁に押し付けた状態で維持するわずかな外方向(径方向/側面方向)の圧力を回収器本体130に加える。従って、回収器本体130は、血管10が近位方向に移動するに連れて、血管10の内壁から血栓の境界部における硬くて稠密な部分を削り取ることとなる。血栓回収器100並びにその中に保持されている血栓及び破片は、カテーテル内に集められて、身体から取り除かれる。血栓回収器100の更なる特徴については、後に詳述する。
図2は、血管内カテーテル30(図示せず)を使用して搬送、展開及び回収され得る血栓回収器100の一実施形態の概略図を示す。血栓回収装置100は、展開状態で図示される回収器本体130と、収集部材として機能するインナーチューブ140と、その内腔を通って配置された展開部材111(例えば、中心ワイヤ110)とからなる。インナーチューブ140及び展開部材111それぞれの長手方向の移動は、それらの近位端において、独立して操作者により制御される(すなわち、インナーチューブ140及び展開部材111は、カテーテル30及び血管内腔の中心軸に略平行な方向に移動し得る。)。これらの要素を独立して制御することによって、血栓回収装置100の展開及び回収が容易になる。
図2Aは、回収器本体130が棒状部材131と複数の先導アーム132とから形成された自己拡張型フレームである一実施形態を示す。回収器本体130及び必要に応じて棒状部材131は、形状記憶合金又は形状記憶ポリマーから形成されることで、回収器本体130が折り畳み状態/収縮状態及び拡張状態/展開状態を選択可能とする。上述のように、回収器本体130は、略円筒状であり、対象となる血管の内壁を一周することができるように寸法決めされている。棒状部材131は、複数の棒状部材131がジグザグ状又は略正弦波状のリングを形成することで、菱形状又は平行四辺形状の窓部134のパターンを形成するものとして示されている。一実施形態において、回収器本体130は、1つ以上(例えば、1、2、3、4又はそれより多い数)の第1の周方向バンドからなり、この第1の周方向バンドでは、棒状部材131が、第1の略正弦波状リングと、1つ以上(例えば、1、2、3、4又はそれより多い数)の第2周方向リングとを形成する。第1及び第2の正弦波状リングは、同一であってもなくてもよい。一実施形態において、第1及び第2の正弦波状パターンの周期性は同一である。別の実施形態において、第1及び第2の周方向バンドは回収器本体130の長さに亘って交互になっている。第1及び第2の周方向バンドは、同相(窓部134のループが同じ方向を向く)又は異相(ループが反対方向を外側に向く)のいずれかで位置決めされ、長手方向に接続されて略円筒状の回収器本体130を形成してもよい。
より小さく且つより稠密の収縮直径を可能にするために、ループ間における正弦波状リングのアームは、直線状ではなくシグモイド形としてもよい。図2Cは、拡張状態及び収縮状態における適切な正弦波状棒状部材のパターンを示す。一実施形態において、周方向バンドは、拡張状態にある単一の正弦波状棒状部材から形成される。収縮状態にある周方向バンドは、球状部とすぼんだ部分(bulb-and-neck)を含む外観を呈する(図2Cの上側)。別の実施形態において、正弦波の各相は、回収器本体130の長手方向の軸に略平行に配置された3分割の棒状部材から形成される。この実施形態において、各棒状部材の末端は、回収器本体130の長手方向の軸に略平行であるが、周方向において互いに所定距離ずれている。棒状部材の末端は、斜めに延在する中間棒状部材によって接続されている。その結果、回収器本体130の周囲にジグザグの棒状部材パターンとなる。収縮状態では、3分割の棒状部材のそれぞれが、回収器本体130の長手方向の軸に対して略平行に位置決めされる。この状態は特に空間効率がよく、頭蓋骨内並びに脳内及びその周囲に見られるような小径血管内で使用するための非常に小さな収縮状態(例えば、直径1〜2mm)を要する血栓回収器の用途にとって有用である。
回収器本体130は、公知の材料、例えばステンレス鋼又はコバルトクロムで構成することができるが、NiTi等の形状記憶合金から構成することが特に適している。棒状部材のパターンは、管状又は平面シートの材料を、レーザ切断又はエッチングすることによって図示のパターンに形成することができる。エッチング又はレーザ切断されたシートを管状に丸め、シートの縁を互いに溶接して管状の回収器本体130を形成することによって、平面シートから回収器本体130を形成することができる。回収器本体130を形成するこの方法の詳細は、血管内ステントを形成するために使用され得るものと略同じであり、米国特許第5,836,964号及び第5,997,703号に開示されており、両米国特許それぞれの開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。チューブのレーザ切断又はチューブのエッチング等の当業者に公知の他の方法を用いて、本発明に係る回収器本体130を構成してもよい。NiTi又は他の特定の形状記憶合金を使用する場合、当業者に知られている方法で、回収器本体130を管状に形成した後に熱処理することで、形状記憶特性及び/又は超弾性を得ることができる。
前述した棒状部材131及び窓部134のパターンは限定的であることを意図していない。棒状部材131及び窓部134の任意の適切なパターンを使用することができる。例えば、ワイヤフレームの回収器本体130は、血管内ステントを構成するために使用される任意のパターンを有することができ、例えば、米国特許第6,197,048号、第6,355,059号及び第7,033,386号並びに米国特許出願公開第2012/0283817号に開示されているパターンを用いることができる(これらの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。)。さらに、回収器本体130は、2列の棒状部材131により1列の窓部134を形成することが図示されている。このデザイン選択は限定的なものではない。回収器本体130では、棒状部材131及び窓部134の列数を増やすことで、より長い円筒形状を形成してもよい。棒状部材131によって形成された回収器本体130のシリンダは、メッシュカバー135(詳細は後述する)にもかかわらず、その近位端及び遠位端で開口している。
1つの特定の実施形態において、回収器本体130は血管の内腔内において長手方向に移動され、各々が操作者の独立した制御下にある2つの別々の要素を使用して血栓回収のために展開される/引っ張られる。第1の要素は、この実施形態では展開部材111として例示されている展開部材(例えば、長手方向のバックボーン)である。展開部材は、概して、血管内腔及び/又はカテーテル内腔内において、収縮状態又は展開状態のいずれかの回収器本体130を長手方向に移動させるものとして機能する。回収器本体130は展開部材に対して強固に取り付けられており、アーム120によって展開部材を近位方向に引っ張ることにより、回収器本体130の遠位側に、原動力となる「押圧」力が発生する。従って、展開部材111は、その力の付与に適応するのに十分な剛性を有する。展開部材111として例示されているが、展開部材111は、チューブである必要はなく、代わりにワイヤ等の任意の適切な構造又は形状としてもよいことが理解されよう。
回収器本体130における第2の制御要素は収集部材であり、この収集部材は、血栓収集が完了すると、回収器本体130を展開状態から収縮状態に戻すように構成されている。収集部材は、操作者が独立して制御可能であり、可撓性ワイヤ133及び収集アーム132によって回収器本体130に機能的に接続されている。収集部材は、チューブ140として以下に示されており、その管腔を通して展開部材111が配置されている。しかしながら、この構成は限定的であることを意図していない。例えば、収集部材は第2の硬質ワイヤであってもよく、展開部材と展開部材の両方がカテーテル管腔内に独立して配置される。
図2に示す実施形態において、展開部材111として示されている展開部材は、インナーチューブ140の内腔及び円筒状の回収器本体130の中心軸を通って長手方向に配置されている。回収器本体130は、その遠位端において複数(例えば、2、3、4、5、6、又はそれより多い数)の遠位アーム120を介して展開部材111上の取付け点115に取り付けられている。取付け点115は、回収器本体130の遠位端の遠位にある。遠位アーム120は、取付け点115から、好ましくは対称的及び/又は径方向のパターンで、回収器本体130の遠位縁まで近位方向に延在する。遠位アーム120と展開部材111とが成す角度は、好ましくは約30°〜70°である。一実施形態において、遠位アーム120は、回収器本体130の遠位ピーク137に接続されている。1つの遠位アーム120が、全ての遠位ピーク137を取付け点115で展開部材111に接続してもよい。或いは、1つの遠位アーム120が、1つおきの遠位ピーク137を取付け点115で展開部材111に接続してもよい。遠位アーム120は、回収器本体130と同一の又は異なる材料で構成することができ、製造中に回収器本体130と一体形成してもよく、或いは別々の要素として個々に取り付けてもよい。
遠位アーム120は、任意の適切な方法で転位部材111に取り付けることができる。いくつかの実施形態において、複数の遠位アームは、展開部材110上の同一の取付け点115に、又は異なる(複数の)取付け点115に取り付けられる。例えば、複数の遠位アーム120のうちの少なくとも2つが異なる長さを有する実施形態では、より短い遠位アーム120が、回収器本体130により近いが依然として回収器本体130の遠位縁に対して遠位の第1の取付け点115で展開部材に取り付けられる。また、より長い遠位アームは、展開部材110上で第1の取付け点115よりも遠位側にある第2の取付け点115で展開部材に取り付けられる。
遠位アーム120は、任意の適切な手段によって展開部材110に恒久的に取り付けられてもよい。例えば、遠位アーム120は、別個の要素として製造され、取付け点において回収器本体130に溶接されてもよい。或いは、遠位アーム120は、展開部材110又は回収器本体130いずれかの隣接する要素として製造されて、他の要素に接続されてもよい。
先導アーム132は、それらの遠位端において回収器本体130の近位縁に取り付けられた硬質又は半硬質の棒状部材であり、円筒状の回収器本体130の中心軸に対して略平行な方向に突出する。先導アーム132は、回収器本体130と同一の又は異なる材料で構成することができ、製造中に回収器本体130と一体形成してもよく、或いは別々の要素として個々に取り付けてもよい。一実施形態において、先導アーム132は、回収器本体130の近位ピーク136から延在する。一実施形態において、各近位ピーク136は、取り付けられた先導アーム132を有する。先導アーム132は、アイレット又は他の任意の形態等のワイヤ133用の接続点を有するように構成されてもよい。
ワイヤ133は、回収器本体130を展開状態から収縮状態又は収集状態に移行させるように構成されている。ワイヤ133は、先導アーム132と1:1の関係で配置されることが好ましいが、他の形態も可能である(例えば、2本のワイヤ133が各先導アーム132に取り付けられてもよい。)。ワイヤ133は、それらの遠位端で先導アーム132の近位端に取り付けられ、それらの近位端でインナーチューブ140に取り付けられている。インナーチューブ140に対するワイヤ133の取り付けは、インナーチューブ140の外面、内部管腔又は遠位縁に対して行うことができる。ワイヤ133を構成する材料は、可撓性を有し、且つ回収器本体130を展開状態から、収集のための少なくとも部分的な収縮状態へと閉じるのに必要な力を維持することができるものであれば、任意の適切な材料を用いることができる。ワイヤ133は、例えば、金属(例えばNiTi)又は熱可塑性ポリマーで形成することができる。
インナーチューブ140は、カテーテル内腔35内に嵌まるように寸法決めされている。一実施形態において、インナーチューブ140の外径は、カテーテル内腔35の内径に摺動可能に嵌まる大きさとすることで、インナーチューブ140の断面積が最大化される。インナーチューブ140は、例えば、金属若しくは熱可塑性ポリマー、又はポリマーと編組金属との組み合わせを含む任意の適切な材料で作製することができる。或いは、インナーチューブ140の外径は、収縮状態の回収器本体130が内腔内に嵌まるのに十分な程小さいものとすることができる。
図2Bは、回収器本体130に取り付けられたメッシュカバー135を示す。メッシュカバー135は、少なくとも回収器本体130の遠位端を覆うものとされる。メッシュカバー135は窓部134の一部又は全部を覆ってもよい。図示のように、メッシュカバー135は、全ての窓部134と、回収器本体130の遠位端とを覆う。メッシュカバー135は、血栓20が血管10の壁から取り除かれたときに、収集された血栓20及び関連する破片を回収器本体130の空洞内に保持するように構成される。メッシュカバー135は、適切な孔径を有する、微細繊維(例えば、エレクトロスピニングによって適用される)、若しくは多孔質の連続コーティング、又は織物材料(例えば、Dacron)のメッシュとすることができる。微細繊維のメッシュカバー135は、金属又はポリマー(例えば、EPTFE、ポリウレタン、ポリエチレン及びナイロン等の熱可塑性ポリマー)の繊維で構成することができる。一実施形態において、メッシュカバー135は、回収器本体130と同一の材料(例えば、ニチノール等の形状記憶合金)のワイヤで構成される。多孔質の連続コーティングは、例えば、Dacron製織ネット又は異なるポリマー材料(ナイロン、ポリウレタン、ポリエチレン等)の連続ポリマー膜を含む。
図3は、カテーテル内腔35内において収縮状態にある血栓回収器100の斜視図を示す。明確化のため、メッシュカバー135は図3で示されていない。この図において、展開部材は、中心ワイヤ110自体である。回収器本体130は、略正弦波状のリングを形成する円筒状の棒状部材から形成されるものとして示されており、この棒状部材は、収縮した回収器本体の直径を減少させるためにシグモイド状(S字状)の形状を有することができる。この実施形態において、ワイヤ133は引っ張られておらず、緩んでいる。従って、回収器本体130は、カテーテル管腔35から出ると、自動的に展開状態に拡張する。
血栓回収器100の構造及び特徴の原理は、その動作を説明することによってさらに説明される。最初に、血栓回収器100は収縮状態に置かれる。次に、インナーチューブ140と中心ワイヤ110(又は要素111)とを互いに固定した関係で保持しつつ、血栓回収器100を血管内カテーテル30の内腔30内に配置する。必要に応じて、インナーチューブ140を遠位方向に動かしてワイヤ133の張力を軽減してもよい。これにより、回収器本体130がカテーテル管腔35から出ると、回収器本体130は、直ちに且つ自動的に拡張して展開状態となることが可能になる。
回収機本体130が配置されたカテーテル30は、標準的な方法で(例えば橈骨動脈を通して)患者の体内に挿入され、標的血栓20の部位に案内される。カテーテル内腔35が血栓を通過するまでカテーテル30は血栓20を通して押される。血栓回収器100は、血栓20の遠位側において展開される。一実施形態において、カテーテル30のシースが血管10に対して実質的に固定された位置に維持されている状態で、遠位方向に展開部材(例えば、中心ワイヤ110又は展開部材111)を押すことによって血栓回収器100が展開される。展開後、カテーテル30のシースは、近位側に引き戻されて血栓20の位置を通過して血栓を回収する位置に来る。別の実施形態において、回収器本体130が血管10に対して実質的に固定された位置に維持されている状態で、カテーテル30のシースを血栓の近位側に引き戻すことにより(すなわち、展開部材110又は111に対してカテーテル30を近位方向に摺動させることで)、血栓回収器100は、血栓の遠位側において展開される。
図4は、血栓回収処理を示す。血栓20の遠位側に配置されると、血栓回収器100は、近位方向(矢印方向)に引っ張られて血栓20をメッシュカバー135内に集める。
血栓が回収された後(すなわち、回収される血栓20の全部又は一部を通過するために回収器本体130が近位方向に移動された後)、インナーチューブ140が近位方向に引っ張られて回収器本体及び血栓をカテーテル35内に回収する。図5は、血栓回収器100がカテーテル30の内腔内に引き込まれているときにおける部分的な収集状態の回収器100が示されている。インナーチューブ140はカテーテル30の内腔35内に引き込まれるが、図5では示されていない。従って、ワイヤ133が引っ張られることで、先導アーム132の内側への撓みを引き起こす。インナーチューブ140及び中心ワイヤ110をさらに引っ張って回収器本体130をカテーテル30内に集める。図6に示すように、この処理は、先導アーム132の近位端がカテーテル内腔35に入るまで続けられる。この時点で、回収器本体130及びその中に包含される血栓を収集し、完全にカテーテル内腔35に入り込ませるように、インナーチューブ140及び中心ワイヤ110を近位方向に引っ張ることができる。そして、カテーテル30を身体から取り外す。
回収処理の間、ワイヤ133に対するインナーチューブ140の近位方向への引っ張り動作によって、回収器本体130を部分的な収縮状態にのみ戻してもよいことが理解されよう。回収を実効あらしめるためには、回収器本体130が完全な収縮状態までつぶれていなくても、インナーチューブ140及びワイヤ133の引っ張り動作により、先導アーム132の近位端がカテーテル内腔35の直径よりも小さい直径となるのに十分なほど先導アーム132を中心軸に向かって移動させれば十分である。この部分的な収縮状態から、インナーチューブ140及び中心ワイヤ110を使用して、先導アーム132の近位端を近位方向に引っ張ることで、当該近位端をカテーテル管腔35内に配置させることが可能である。一旦そのように配置されると、血栓回収装置100の残りの部分を、カテーテル内腔35内に対して近位方向に引き込むことで、完全な収集状態への移行を完了することができる。
図7は、本発明の別の実施形態に係る血栓回収器300が、カテーテル内腔35内において収縮状態にある様子の斜視図を示す。回収器本体330、遠位アーム320、先導アーム332、ワイヤ333及びメッシュ(明確性のため省略)は、上記のように構築及び構成されている。この実施形態において、遠位アーム320は、中央に配置されたアクチュエータ340上の取付け点315に取り付けられ、ワイヤ333もアクチュエータ340に取り付けられる。上記のように、取付け点315は、回収器本体330の最も遠位の縁に対して遠位である。アクチュエータ340は、ワイヤ又は内腔を有するチューブとすることができる。アクチュエータ340がチューブである実施形態において、アクチュエータ340の内腔の長手方向の軸に沿ってガイドワイヤ310が配置されてもよい。ガイドワイヤ310を用いて血管内でカテーテル及び/又は回収器300を案内することができる。
使用に際し、カテーテル内腔35が血栓を通過するまでカテーテル30を血栓20に向かって押す。血栓回収器300は血栓20の遠位側で展開される。一実施形態において、血栓回収器300の展開は、カテーテル30のシースが血管10に対して実質的に固定された位置に維持されている状態で、アクチュエータ340を遠位方向に押すことによってなされる。展開後、カテーテル30のシースは、血栓20の近位側に引き戻される。別の実施形態において、回収器本体130が血管10に対して実質的に固定された位置に維持されている状態で、カテーテル30のシースを血栓の近位側に引き戻すことにより(すなわち、アクチュエータ340に対してカテーテル30を近位方向に摺動させることで)、血栓回収器300は、血栓の遠位側において展開される。展開状態において、ワイヤ333は、カテーテル30の遠位縁31によって撓むべきではない。血栓の収集は、アクチュエータ340を近位方向に引っ張って血栓20をメッシュカバー内に収集することによって達成される。
標的血栓の収集後、アクチュエータ340を近位方向にさらに移動させることによって回収器本体330をカテーテル内腔35内に戻す。回収器本体330がカテーテル内腔35の遠位開口部に近づくと、ワイヤ333がカテーテル30の遠位縁31によって撓む。カテーテル30に対する回収器本体330のこの近位方向の移動により、ワイヤ333が先導アーム332を内側に変形させることで、先導アーム332の近位端により囲まれる直径を減少させる。アクチュエータ340が近位方向に連続的に移動することで、先導アーム332に対するワイヤ333の収縮動作を介して、カテーテル内腔35内に先導アーム332の近位端が引き戻される。アクチュエータ340が近位方向にさらに移動すると、取付け点315及び遠位アーム320を介して付随的に付加される力により、回収機本体330は完全にカテーテル内腔内に引っ張られることで、回収器本体330及び収集された血栓がカテーテル内腔35内に収集される。
図8〜図10は、回収器本体230が略円状又は略楕円状のリングであり、血管10の内面を一周するように構成されている本発明の別の実施形態を示す。
図8A〜図8Bは、ワイヤ式の回収器本体230を示し、断面において、回収器本体230は略円形であり、全ての平面において略同寸法である。具体的には、図8Aは、本発明の原理に従って構成された、展開状態の血栓回収器200の概略図である。血栓回収器200は、カテーテル30から延在する展開状態で示されている。回収装置200は、回収器本体(リング)230と、インナーチューブ240と、中心ワイヤ210又はインナーチューブ240の内腔を通して配置された他の適切なバックボーンとからなる。インナーチューブ240及び中心ワイヤ210それぞれの長手方向の移動は、それらの近位端において、独立して操作者により制御される(すなわち、インナーチューブ240及び中心ワイヤ210は、カテーテル30及び血管内腔の中心軸に略平行な方向に移動し得る。)。これらの要素を独立して制御することによって、血栓回収装置200の展開、回収及び収集が容易になる。回収器本体230は、中心ワイヤ210上の1つ又は複数の取付け点215から回収器本体230上の様々な取付け点221a、221b等に延在する複数の遠位アーム220a、220b等によって支持されている。取付け点215は、回収器本体230の遠位端に対して遠位にある。いくつかの実施形態において、複数の遠位アーム220a、220b等は複数の取付け点215a、215bで中心ワイヤ210に取り付けられ、取付け点215の少なくともいくつかは中心ワイヤ210と摺動可能に係合している。摺動可能に係合された取付け点215により、中心ワイヤ210に対する回収器本体230の可変角度が可能となることによって、展開された回収器本体230を、様々な直径の血管に対して使用及び適合することを容易にする。回収器本体230は、収集ワイヤ233を介してインナーチューブ240に取り付けられている。図8Bに示すように、回収器本体230には、遠位方向に延在するネット235が取り付けられている。明確性のため、ネット235は図8Aから省略されている。
回収器本体230には、展開状態において遠位方向に延在するネット235が取り付けられている。ネット235は、回収される血栓の体積に適応するように設計された任意の適切な形状及び寸法とすることができると共に、収縮状態に変形可能であり、血管内カテーテルから搬送/展開可能である。中心ワイヤ210はネット235の中を通過してもよいし、その側面を通過してもよい。中心ワイヤ210に対してネット235を取り付ける場合、ネット235の遠位部分で、好ましくはその最も遠位の点又は面で取り付けることができる。ネット235は取付け点215に取り付けられてもよい。
図9は、血管10の内腔内におけるリボン型の回収リング230の向きを示す断面図である。回収器本体230は、その全周に亘って血管10の内腔壁と接触することが好ましい。回収器本体230は、回収器本体230の近位縁261と血管壁10との間の接触部分のうち、それぞれ最も近位の点及び遠位の点である近位接触点251及び遠位接触点252を規定する。回収器本体面232は、楕円の面によって規定され、血管直径とリング230の自由直径との間の比によって決定される。断面平面11は、血管内腔の長手方向の軸、血栓回収器200の長手方向の軸、回収器本体230の長手方向の軸(後述する傾斜は考慮しない)及び/又は展開部材210に対して直交する平面である。回収器本体面232は、断面軸11に対して約0°〜45°(例えば、約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°又は45°)の角度αを形成するように傾斜してもよい。
図9及び図10は、リボン型の回収器本体230を断面図で示している。回収器本体230は、周囲の血管に嵌まるように血管の長手方向に傾斜した楕円状である。本明細書ではワイヤ状及びリボン状の回収器本体230を示しているが、回収器本体の断面形状は限定的であることを意図していない。例えば、適切な回収器本体230は、正方形状でもよく、或いは複数の撚り線又は編組線から形成されてもよい。回収器本体230は、概して、血管10の内壁から血栓20を取り除くように構成された近位縁261を提供するように設計されており、この近位縁261は、遠位アーム220a、220b、220c等のための取付け点221a、221b、221c等を提供するよう構成される。遠位アーム220及び取付け点221は、図8に示す実施形態に関して説明したように構成することができる。回収器本体及びネットのための材料、並びにそれらの一体部品又は連結部品による製造は、先の実施形態について上述した通りである。
図10は、血管壁に平行である場合(図10B)と比較して、リボンの断面が外側を向いている場合(図10A)の利点を示す別の断面図である。図10Aの構成は、1回の引っ張りでより完全に稠密な血栓を回収し易いであろう。図10は、血管10の内腔内においてリボン型の回収器本体230の位置決めを示す別の断面図である。回収器本体230は、近位縁261及び遠位縁262を有する平らなリボンとして示されている。図9に示すように、回収器本体230は、血管10の内腔壁に接触するものであり、このような接触は、内腔壁の周全体に亘ることが好ましく、近位接触点251及び遠位接触点252を規定する。この実施形態において、回収器本体230の遠位縁262は、回収器本体が近位接触点251及び遠位接触点252でそれぞれ傾斜角γ及びδを形成するように、近位縁261に対して内側に配置される。傾斜角γ及びδは、同一又は相違のいずれでもよく、概して、近位方向(矢印方向)に延在する血管壁に対して約135°〜180°の間(例えば、約140°、150°、160°又は170°)である。角度γとδが相違するとき、接触角は、回収器本体230の周囲において角度γとδの値の間で連続的に変化することが理解されよう。図10Aは、角度γ及びδが180°未満である一実施形態を示す。図10Bは、角度γ及びδが略180°に等しい実施形態を示す。角度γ及びδの最大値及び最小値は、両者が異なる場合、便宜上本明細書に示されているように接触点251及び252にある必要がある。実質的に180°より小さい角度は、その角度が存在することで、リングが血栓を通って引っ張られるときに血管壁に対する付勢力を発生させるので好ましいが、これは制限ではない。
複数(例えば、3、4、5、6又はそれより多い数)の遠位アーム220が、それらの近位端で回収器本体230の遠位縁に取り付けられ、それらの遠位端で取付け点215の中心ワイヤ210に取り付けられている。複数の遠位アーム220は、同一の又は異なる取付け点215に取り付けることができる。例えば、図8Aに示すように、遠位アーム220aは取付け点215aに接合され、遠位アーム220bは取付け点215bに接合されている。中心ワイヤ210における取付け点215の位置は、以下の点を除き、限定されない。すなわち、回収器本体230への取付けのために遠位アーム220は近位方向に突出しなければならず、それぞれのアーム220の取付け位置は滑らかに移動して独立することで、回収器本体230の状態として、収縮状態から展開状態への移行を可能とし、異なる血管直径のために、異なる展開状態を可能としなければならない。遠位アーム220は、中心ワイヤが操作者によって近位方向に引っ張られるときに近位方向に「押圧力」を提供し、血管壁の隣でより多くの血栓を回収し、外向きの付勢力を生成するのを助ける。
図11は、血栓回収器200の一実施形態の平面図である。この実施形態では、回収器本体230は、3本の遠位アーム220によって中心ワイヤ210上の取付け点215に取り付けられている。遠位アーム220の長さの選択及びそれらの相対的な位置決めによって、回収器200が展開位置にあるときに角度α(図9)を制御することができる。図11に示すように、遠位アーム220a及び220cは略同一の長さであり、遠位アーム220bは実質的に長い。展開されるとき、遠位アーム220のこの構成は、0°より大きい角度α(図9)をもたらし、遠位アーム220bに取り付けられたリングの部分は220aと220cの間の部分よりも近位になる。この構成において、215aと215cは共通の取付け点でも異なる取付け点でもよいが、215bは異なることが好ましく、回収器本体230が展開するに連れて独立して滑らかに移動する。
図12は、展開状態の血栓回収器200の概略図である。遠位アーム220a、220b、220cは、それぞれ角度Θa、Θb及びΘcを形成する。角度Θは、独立して決定され、回収器の本体軸232から取付け点215までの遠位方向の距離及び/又は個々の遠位アーム220の長さに依存する。いくつかの実施形態において、角度Θは、約30°から約60°である。
図13Aは、明確性のためにネット235を省略した、収縮状態の血栓回収器200を示す。展開のために、血栓回収器はカテーテル35から(すなわち、中心ワイヤ210の摺動動作中の遠位アームによって)引き出される。リング230は、その周囲の血管によって拘束されるような楕円状であり、取付け点215bは、取付け点215における215a及び215cの隣の位置に対して摺動する。展開されると、血栓回収器は、血栓を回収するように近位方向に押し戻され得る。この際、遠位アーム220a、220b、220cは、背後からリング230を押圧すると共に、リングを血管壁に押し付ける外向きの力を発生させることで、血栓をより完全に回収することを可能とする。全ての血栓がネット(図13には図示せず)内に回収されると、血栓回収器及びその中の血栓は、チューブ240を引っ張り、それと一緒に収集ワイヤ233によってカテーテル35内に収集される。取付け点215は、回収器本体230が収縮状態から展開状態に移行して戻るときに、中心ワイヤ210上を独立して滑動する。血栓回収器200をカテーテルの中に集める段階を図13B及び13Cに示す。
図14は、血管10内の血栓20の遠位側に配置された血栓回収器200を概略的に示す。血栓回収器200は、概して、前述の実施形態と同様に機能する。展開後、ネット235(明確性のために省略)に捕捉された血栓を取り除くために、操作者は血栓回収器200を近位方向(矢印方向)に引っ張る。血栓回収器200並びにその中に保持されている血栓及び破片が収集され、身体から除去される。近位方向(矢印方向)に引っ張られると、アーム220はリング230を外側に押して血管壁を押圧し、壁に付着した血栓をより完全に回収する。
血栓収集後に血栓回収器200をカテーテル内に収集するため、回収ワイヤ233は、中心ワイヤ210及びカテーテル35に対してインナーチューブ240を近位方向に移動させることによって締め付けられる。この締付けは、インナーチューブ240(図13)及び中心ワイヤ210を近位方向に移動させることにより、回収器本体230が内腔35内に引き戻されるまで続けられる。図13A〜図13Cは、本実施形態の展開処理を示すものであるが、逆の順序で、血栓回収器をカテーテル内部に収集するステップとして見ることもできる。
本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、実施形態によって本明細書に特に示され説明されたことに対して多くの変形、追加、修正及び他の応用がなされ得ることが当業者によって理解されるであろう。従って、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲は、全ての予測可能な変形、追加、修正又は応用を含むことを意図している。

Claims (26)

  1. 近位端で開口し、遠位端で開口し、長手方向の軸を有し、第1の直径を有する収縮状態と第2の直径を有する展開状態とを選択可能であり、前記第1の直径は前記第2の直径よりも小さい略円筒状の回収器本体と、
    複数のアームを介して前記回収器本体に取り付けられ、自己に加えられる引っ張り力により前記回収器本体に外向きの力を生成するように構成される展開部材と
    を有する血栓回収器。
  2. 請求項1に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体の前記遠位端にカバーをさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の血栓回収器。
  3. 請求項2に記載の血栓回収器において、
    前記カバーは、ポリマー繊維のメッシュ、金属ワイヤ又は有孔膜である
    ことを特徴とする血栓回収器。
  4. 請求項1に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体は自己拡張型である
    ことを特徴とする血栓回収器。
  5. 請求項1に記載の血栓回収器において、
    前記収縮状態の前記回収器本体は、1〜6フレンチの直径を有する
    ことを特徴とする血栓回収器。
  6. 請求項1に記載の血栓回収器において、
    前記展開状態の前記回収器本体は、3〜10フレンチの直径を有する
    ことを特徴とする血栓回収器。
  7. 請求項1に記載の血栓回収器において、
    前記展開状態の前記回収器本体は、10〜20フレンチの直径を有する
    ことを特徴とする血栓回収器。
  8. 請求項1に記載の血栓回収器において、
    前記展開部材は、前記回収器本体の長手方向の軸と略平行な軸に沿って前記回収器本体を通って延在する
    ことを特徴とする血栓回収器。
  9. 請求項8に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体は、3つ以上のアームによって前記展開部材に取り付けられ、前記アームは、前記回収器本体の前記遠位端から、前記回収器本体の遠位縁に対して遠位である前記展開部材上の取付け点まで延在する
    ことを特徴とする血栓回収器。
  10. 請求項1に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体は、前記回収器本体の周囲に略正弦波状又はジグザグ状のパターンを形成する輪を有する1つ又は複数の周方向バンドを含み、連続する周方向バンドが同相である又は同相ではない
    ことを特徴とする血栓回収器。
  11. 請求項1に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体は、前記回収器本体の前記近位端から延在し、前記展開部材に接続されている2つ以上の先導アームをさらに備える
    ことを特徴とする血栓回収器。
  12. 請求項11に記載の回収器本体において、
    前記先導アームのそれぞれは、1つ以上の可撓性ワイヤによって前記展開部材に取り付けられている
    ことを特徴とする血栓回収器。
  13. 請求項1に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体は、前記回収器本体の前記近位端から延在する2つ以上の先導アームに取り付けられた収集部材をさらに備える
    ことを特徴とする血栓回収器。
  14. 請求項13に記載の血栓回収器において、
    前記先導アームのそれぞれは、1つ以上の可撓性ワイヤによって前記収集部材に取り付けられる
    ことを特徴とする血栓回収器。
  15. 収縮状態と展開状態とを選択可能であり、リング又はリボンである略円状又は略楕円状の回収器本体と、
    複数のアームを介して前記回収器本体に取り付けられ、自己に加えられる引っ張り力により前記回収器本体に外向きの力を生成するように構成される展開部材と
    を有する血栓回収器。
  16. 請求項15に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体の遠位端にカバーをさらに備える
    ことを特徴とする血栓回収器。
  17. 請求項16に記載の血栓回収器において、
    前記カバーは、ポリマー繊維のメッシュ、金属ワイヤ又は有孔膜である
    ことを特徴とする血栓回収器。
  18. 請求項15に記載の血栓回収器において、
    前記カバーは袋状である
    ことを特徴とする血栓回収器。
  19. 請求項15に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体は自己拡張型である
    ことを特徴とする血栓回収器。
  20. 請求項15に記載の血栓回収器において、
    前記収縮状態の前記回収器本体は、1〜6フレンチの直径を有する
    ことを特徴とする血栓回収器。
  21. 請求項15に記載の血栓回収器において、
    前記展開状態の前記回収器本体は、3〜10フレンチの直径を有する
    ことを特徴とする血栓回収器。
  22. 請求項15に記載の血栓回収器において、
    前記展開状態の前記回収器本体は、10〜20フレンチの直径を有する
    ことを特徴とする血栓回収器。
  23. 請求項15に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体は、2つ以上のアームによって前記展開部材に取り付けられ、前記アームは、前記回収器本体の遠位端から、前記回収器本体の遠位縁に対して遠位である前記展開部材上の取付け点まで延在する
    ことを特徴とする血栓回収器。
  24. 請求項15に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体の面は、収集部材に対して0°〜45°の角度で傾斜している
    ことを特徴とする血栓回収器。
  25. 請求項15に記載の血栓回収器において、
    前記回収器本体は、近位縁及び遠位縁を有するリボンであり、前記遠位縁は、前記リボンが135°〜180°の傾斜角を形成するように前記近位縁に対して内側に配置される
    ことを特徴とする血栓回収器。
  26. 請求項15に記載の血栓回収器において、
    収集部材は、1本の可撓性ワイヤによって前記回収器本体に取り付けられている
    ことを特徴とする血栓回収器。

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