JP2019527709A - オーレオバシジン誘導体および合成方法 - Google Patents

オーレオバシジン誘導体および合成方法 Download PDF

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Abstract

一般に、本発明は、感染を処置するために有用なAbA誘導体に関する。これらの新規化合物は、種々の真菌感染を処置するのに有効であることが示される。本発明はまた、上記化合物を含む薬学的に受容可能な組成物および種々の真菌感染の処置における上記組成物の使用法を提供する。本発明の別の局面では、生物学的サンプル中の真菌の数を減少させる方法が記載され、該方法は、有効量の本明細書に開示される化合物または本明細書に開示される薬学的組成物を投与する工程を包含する。

Description

(発明の分野)
本発明は、感染を予防および/もしくは処置するのに有用な、新規の広いスペクトルの抗生物質化合物(たとえば、オーレオバシジンA誘導体)を提供する。
(優先権主張)
本願は、2016年8月8日に出願された米国仮特許出願第62/371,936号に対する35U.S.C.§119(e)の下の優先権を主張し、その全体の内容が本明細書に参考として援用される。
(背景)
癌、移植、腹部手術、および他の免疫不全患者の集団は増え続けているので、全身真菌感染の処置を必要とする患者の数は、付随して増加している。伝統的に、全身的な糸状菌抗生物質は、たった3つのクラスの薬物、ポリエン(最も顕著なのは、アンホテリシンBおよびナイスタチン);アゾール(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、およびボリコナゾール);およびエキノカンジン(例えば、カスポファンギン、ミカファンギン、およびアニデュラファンギン)が優位を占めている。これら薬物クラスのうちの各々は、効力、毒性、薬物間相互作用、および耐性生物の発生の観点から、かなりの制限を有する(例えば、Barrett, 2002; Fishman, 2002; Girmenia and Martino, 2003; Gupta and Thomas, 2003; Park et al., 2005; Pavie et al., 2005; Balashov et al., 2006; Perlin et al., 2007; Choi et al., 2008)。結論として、全身糸状菌の処置に対する新規な作用様式を有する新たな薬物が至急必要である。
Aureobasidium pullulans株BP−1938は、9アミノ酸の環式ペプチド(オーレオバシジンA(「AbA」)といわれる)を生成する。この化合物は、動物およびヒトにおいて非常によく許容される強力な殺真菌薬である(Takesako et al., 1993)。AbAはまた、イノシトールホスホリルセラミド(IPC)シンターゼ(真菌のスフィンゴ脂質生合成経路における酵素)を標的とする、独特の作用様式を有する。AbAに対する自然耐性変異体を発生させる試みは、今日まで不成功に終わっている。このことは、この化合物での臨床状況における耐性発生が、非常にゆっくりとしていることを示唆する(Heidler et al., 1995; Hashida−Okado et al., 1996)。不運なことに、天然のAbAは、完璧な標的スペクトラムを有しない:実質的に全てのCandida種(C.albicansを含む)に対して非常に有効である。また、大部分のCryptococcus種(C.neoformansを含む)に対して有効である。しかし、大部分のAspergilli、および大部分の顕著なA.fumigatusに対してはほとんど活性を示さない。CandidaおよびAspergillusは、2種の最も一般的なヒト病原体であり、広いスペクトルの抗生物質が臨床においては好ましいので、AbAがアスペルギルス属に対して有効性がないことは、市場に出された薬物へのその開発を妨げてきた(Takesako et al., 1993)。AbAに対するA.fumigatusの耐性の理由は、A.fumigatusにおける標的酵素であるイノシトールホスホリルセラミド(IPC)シンターゼが、上記化合物に対して耐性であるということではなく、むしろ、この生物が、上記薬物を効率的に除去し得るポンプを有するということである(Ogawa et al., 1998; Zhong et al., 2000)。従って、A.fumigatusポンプを回避もしくはブロックし得るAbA誘導体の開発は、上記化合物の開発上の潜在能力および市場性を大いに高める。
小数のAbA誘導体が、組み換え技術または合成化学を使用して調製されてきた(Kurome and Takesako, 2000において総説されている)。そしてこれら化合物の評価は、AbAの薬理学的特性が、その配列中のアミノ酸を改変および/もしくは交換することによって顕著に変化し得ることを実証した。最も重要なことには、A.fumigatusおよびC.albicansに対して類似の抗真菌活性を有するようであるAbA誘導体が、生成された(Kurome and Takesako, 2000)。具体的には、4位のN−メチル−L−フェニルアラニン残基を、N−メチル−D−アラニンもしくはサルコシン残基で置換すると、A.fumigatusに対して顕著な活性を有する化合物が生じる;そして、この置換と、3位のL−フェニルアラニン残基を誘導体化L−チロシン、フェニルアラニンもしくはアラニン残基で置換することを組み合わせると、一桁マイクログラム/mlの範囲のA.fumigatus最小発育阻止濃度(MIC)を有する化合物が生じる。重要なことには、A.fumigatusに対してかなりの活性を得ると同時に、これら化合物は、C.albicansおよびCryptococcus neoformansに対してもそれらの活性を維持する。それにも拘わらず、真菌感染の処置のために薬物製品へと製剤化され得るさらなるAbA誘導体が必要である。
発明の要旨
一般に、本発明は、感染を処置するために有用でありかつさらなる化学的精緻化に従う新規AbA誘導体に関する。本明細書で提示される新規化合物は、真菌感染を処置するために有用である。
本発明の一局面は、感染(例えば、真菌感染)の処置のために有用な新規のオーレオバシジン誘導体を提供する。これらの化合物は、概して式I−P1の化合物:
またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで
およびRP1の各々は、水素、フェニル、ナフチル、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する9〜12員の二環式ヘテロアリールから独立して選択され、ここでRおよびRP1は、x個のRの例で各々独立してかつ必要に応じて置換され;
xは、独立して、1、2、または3であり;
各Rは、独立して、−L−Rであり、ここでRがフェニルまたは5〜6員の単環式ヘテロアリールである場合、少なくとも1個のRは−H以外であり;
各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−4脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−S−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)O−、−S(O)NR−、−NRS(O)−、−C(O)NRNR−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRS(O)NR−、−S(O)−、または−S(O)−によって必要に応じてかつ独立して置き換えられ;
各Rは、R、ハロ、または−CFから独立して選択され;
各Rは、−H、あるいはC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系;またはN、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系から選択される必要に応じて置換された基から独立して選択され、ここで該C1−6アルキル、該単環式環、該二環式環系、または該三環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換され;
各Rは、独立して、−L−Rであり;
各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−6脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、または−NRC(O)O−によって必要に応じてかつ独立して置換され;そして
各Rは、R、ハロ、−CF、またはBocから独立して選択され;
各Rは、−H、C1−3アルキル、またはフェニルから独立して選択され;そして
およびRP2の各々は、水素、フェニル、ナフチル、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する9〜12員の二環式ヘテロアリールから独立して選択され、ここでRおよびRP2は、x個のRの例で独立してかつ必要に応じて置換される、
各RP2は、各RP1であるが、
ただし
i)RおよびRP1のうちの少なくとも1つは、水素であり;
ii)RおよびRP2のうちの少なくとも1つは、水素であり;
iii)R、R、RP1、およびRP2のうちの少なくとも1つは、水素ではなく;
iv)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1であり、そしてR、RP1およびRP2の各々が水素である場合、Rは、クロロではなく;
v)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1であり、そしてR、RP1、およびRP2の各々が水素である場合、Rは、置換されていないフェニルではなく;
vi)Rがフェニルであり、xが1であり、そしてR、RP1、およびRP2の各々が水素である場合、Rは、−N(H)C(O)CHでも−C(O)NHでもなく;そして
vii)Rがフリルまたはチオフェニルであり、xが1であり、そしてR、RP1、およびRP2の各々が水素である場合、Rは、−CHではない、
化合物によって記載される。
一部の実施形態では、RおよびRP2は、両方とも−Hである。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたフェニルである。一部のこれらの実施形態では、xは1であり、Rは、ハロ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルから選択され、ここで各Rは、任意の化学的に実現可能な位置において2個までのRの存在で置換される。別の実施形態では、Rは、ハロ、置換されていないC1−6アルキル基、ハロ置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または−O−(CH1−2フェニルから選択される。そして、一部の実施形態では、Rは、−Cl、−F、−I、−CH、−CF、−CHCH、または−CHCFから選択される。
一部の実施形態では、Rは、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピロール、チオフェン、フラン、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、またはピラジンから選択され、ここでRは、C1−6アルキルで置換される。一部のこれらの実施形態では、Rは、ピペリジンまたはピペラジンから選択され、そのうちのいずれかは、C1−6アルキルで必要に応じて置換される。別の実施形態では、Rは、
から選択され、ここで各Rは、独立して、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、Rは、BOCである。例えば、xは1であり、RはBOCである。
一部の実施形態では、xは2であり、少なくとも1個のRの存在は、ハロゲンである。例えば、xは2であり、各Rは、ハロゲンである。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたナフチルである。例えば、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は1〜3個の窒素原子を有する、5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここで該単環式ヘテロアリールは、x個のRの存在で置換される。例えば、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、またはピリミジンから選択され、そしてxは、1または2である。別の例では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、水素、−CF、C1−6アルキル、または5〜6員のシクロ脂肪族基である。そして、一部の例では、各Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから独立して選択される。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで各Rは、水素、C1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系であり;ここで該C1−6アルキル、該単環式環、または該二環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される。例えば、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
であり、ここでRは、窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に怖じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環であり、他方は水素である。別の例では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
であり、ここでRは、C1−6アルキルで必要に応じて置換されたピペリジン−1−イルである。そして、一部の例では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで各Rは、−H、C1−6アルキル、または窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和もしくは完全不飽和の単環式環であり、ここで該単環式環は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される。一部の例では、Rは、−H、C1−4アルキル、
から選択される。そして、他の例では、各Rは、−H、C1−4アルキル、−N(CH、−C(O)−CH、−C(O)−CH−CH、または−C(O)−O−C(CHから独立して選択される。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、N、O、もしくはSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9〜10員の二環式へテロアリールであり、ここで該二環式へテロアリールは、x個のRの存在で置換される。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで
、Z、Z、Z、およびZの各々は、独立して、CRまたはNであり、ここでZ、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、Nであり;
、Y、およびYの各々は、独立して、CH、CR、N、NR、またはOであり、ここでY、Y、およびYのうちの少なくとも1つは、N、NR、またはOであり;そして---は、結合または非存在であるが、ただし
i)Z、Z、Z、Z、およびZのうちの3つ以下がNであり;
ii)Rは、3個以下のRの存在で置換され;
iii)YまたはYのうちのいずれかが−O−である場合、---は、非存在であり;そして
iv)---が結合である場合、Yは、N、CH、またはCRであり、そしてYは、N、CH、またはCRである。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され;ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、RおよびRP1は、両方とも−Hである。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたフェニルである。例えば、xは1であり、Rは、ハロ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルから選択され、ここで各Rは、任意の化学的に実現可能な位置において2個までのRの存在で置換される。別の例では、Rは、ハロ、置換されていないC1−6アルキル基、ハロ置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または−O−(CH1−2フェニルから選択される。そして、一部の例では、Rは、−Cl、−F、−I、−CH、−CF、−CHCH、または−CHCFから選択される。
一部の実施形態では、Rは、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピロール、チオフェン、フラン、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、またはピラジンから選択され、ここでRは、C1−6アルキルで置換される。
一部の実施形態では、Rは、ピペリジンまたはピペラジンから選択され、これのうちのいずれかは、C1−6アルキルで必要に応じて置換される。例えば、Rは、
から選択され、ここで各Rは、独立して、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、Rは、BOCである。
一部の実施形態では、xは2であり、少なくとも1個のRの存在は、ハロゲンである。例えば、xは2であり、各Rはハロゲンである。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたナフチルである。例えば、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここで該単環式ヘテロアリールは、x個のRの存在で置換される。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、またはピリミジンから選択され、そしてxは、1または2である。例えば、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
であり、ここでRは、水素、−CF、C1−6アルキル、または5〜6員のシクロ脂肪族基である。別の例では、各Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから独立して選択される。一部の例では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで各Rは、水素、C1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系であり;ここで該C1−6アルキル、該単環式環、または該二環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される。別の例では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
であり、ここでRは、窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環であり、そして他方は、水素である。一部の例では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
であり、ここでRは、C1−6アルキルで必要に応じて置換されピペリジン−1−イルである。一部の例では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで各Rは、−H、C1−6アルキル、または窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和もしくは完全不飽和の単環式環であり、ここで該単環式環は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される。
一部の実施形態では、Rは、−H、C1−4アルキル、
から選択される。
一部の実施形態では、各Rは、−H、C1−4アルキル、−N(CH、−C(O)−CH、−C(O)−CH−CH、または−C(O)−O−C(CHから独立して選択される。
一部の実施形態ではRおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、N、O、もしくはSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9〜10員の二環式へテロアリールであり、ここで該二環式へテロアリールは、x個のRの存在で置換される。
一部の実施形態ではRおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで
、Z、Z、Z、およびZの各々は、独立して、CRまたはNであり、ここでZ、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、Nであり;
、Y、およびYの各々は、独立して、CH、CR、N、NR、またはOであり、Y、Y、およびYのうちの少なくとも1つは、N、NR、またはOであり;そして---は、結合または非存在であるが、ただし
i)Z、Z、Z、Z、およびZのうちの3つ以下は、Nであり;
ii)Rは、3個以下のRの存在で置換され;
iii)YまたはYのいずれかが−O−である場合、---は、非存在であり;そして
iv)---が結合である場合、Yは、N、CH、またはCRであり、そしてYは、N、CH、またはCRである。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
本発明の別の局面は、表1の中の化合物から選択される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
本発明の別の局面は、化合物(例えば、本明細書で記載される化合物のうちのいずれか)および薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクル、またはアジュバントを含む薬学的組成物を提供する。
本発明の別の局面は、患者において真菌感染(例えば、真菌症)を処置するための方法であって、該方法は、有効量の本明細書に開示される化合物のいずれか1つに従う化合物または本明細書に開示される薬学的組成物を該患者に投与する工程を包含する方法を提供する。
本発明の別の局面は、生物学的サンプル中の真菌の数を減少させる方法であって、該方法は、有効量の本明細書に開示される化合物または本明細書に開示される薬学的組成物を該生物学的サンプルに投与する工程を包含する方法を提供する。
さらなる実施形態では、真菌は、Aspergillus、Candida、Cryptococcus、Issatchenkia、Saccharomyces、Emericella、Coccidiodes、またはTrichophytonである。
以下の図面は、例示によって提供され、本願発明の範囲を限定するとは意図されない。
図1は、実施例1のH NMRスペクトルを表す。 図1は、実施例1のH NMRスペクトルを表す。
図2は、実施例2のH NMRスペクトルを表す。 図2は、実施例2のH NMRスペクトルを表す。
図3は、実施例3のH NMRスペクトルを表す。 図3は、実施例3のH NMRスペクトルを表す。
図4は、実施例4のH NMRスペクトルを表す。 図4は、実施例4のH NMRスペクトルを表す。
図5は、実施例5のH NMRスペクトルを表す。 図5は、実施例5のH NMRスペクトルを表す。
図6は、実施例6のH NMRスペクトルを表す。 図6は、実施例6のH NMRスペクトルを表す。
図7は、実施例7のH NMRスペクトルを表す。 図7は、実施例7のH NMRスペクトルを表す。
図8は、実施例8のH NMRスペクトルを表す。 図8は、実施例8のH NMRスペクトルを表す。
図9は、実施例9のH NMRスペクトルを表す。 図9は、実施例9のH NMRスペクトルを表す。
図10は、実施例10のH NMRスペクトルを表す。 図10は、実施例10のH NMRスペクトルを表す。
図11は、実施例11のH NMRスペクトルを表す。 図11は、実施例11のH NMRスペクトルを表す。
図12は、実施例12のH NMRスペクトルを表す。 図12は、実施例12のH NMRスペクトルを表す。
図13は、実施例13のH NMRスペクトルを表す。 図13は、実施例13のH NMRスペクトルを表す。
図14は、実施例14のH NMRスペクトルを表す。 図14は、実施例14のH NMRスペクトルを表す。
図15は、実施例15のH NMRスペクトルを表す。 図15は、実施例15のH NMRスペクトルを表す。
図16は、実施例16のH NMRスペクトルを表す。 図16は、実施例16のH NMRスペクトルを表す。
図17は、実施例17のH NMRスペクトルを表す。 図17は、実施例17のH NMRスペクトルを表す。
図18は、実施例18のH NMRスペクトルを表す。 図18は、実施例18のH NMRスペクトルを表す。
図19は、実施例19のH NMRスペクトルを表す。 図19は、実施例19のH NMRスペクトルを表す。
図20は、実施例20のH NMRスペクトルを表す。 図20は、実施例20のH NMRスペクトルを表す。
図21は、実施例21のH NMRスペクトルを表す。 図21は、実施例21のH NMRスペクトルを表す。
図22は、実施例22のH NMRスペクトルを表す。 図22は、実施例22のH NMRスペクトルを表す。
図23は、実施例23のH NMRスペクトルを表す。 図23は、実施例23のH NMRスペクトルを表す。
図24は、実施例24のH NMRスペクトルを表す。 図24は、実施例24のH NMRスペクトルを表す。
図25は、実施例25のH NMRスペクトルを表す。 図25は、実施例25のH NMRスペクトルを表す。
図26は、実施例26のH NMRスペクトルを表す。 図26は、実施例26のH NMRスペクトルを表す。
図27は、実施例27のH NMRスペクトルを表す。 図27は、実施例27のH NMRスペクトルを表す。
図28は、実施例28のH NMRスペクトルを表す。 図28は、実施例28のH NMRスペクトルを表す。
図29は、実施例29のH NMRスペクトルを表す。 図29は、実施例29のH NMRスペクトルを表す。
図30は、実施例30のH NMRスペクトルを表す。 図30は、実施例30のH NMRスペクトルを表す。
図31は、実施例32のH NMRスペクトルを表す。 図31は、実施例32のH NMRスペクトルを表す。
図32は、実施例33のH NMRスペクトルを表す。 図32は、実施例33のH NMRスペクトルを表す。
図33は、実施例36に従う選択された抗真菌化合物で処置したマウスの生存分析を表す。
図34は、実施例36に従う選択された抗真菌化合物で処置したマウスの組織真菌負荷分析を表す。
図35は、化合物XのHPLCクロマトグラフおよび実施例37に従う化合物Xのメタ位およびパラ位の位置異性体に関するMIC値を示す。
(詳細な説明)
本発明は、真菌感染(真菌症)を処置するのに有用な新規オーレオバシジンA(「AbA」)誘導体を提供する。
本明細書で使用される場合、別段示されなければ、以下の定義が適用されるものとする。
(I.定義)
本発明の目的のために、化学元素は、元素周期表(CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.)に従って同定される。さらに、有機化学の一般原理は、「Organic Chemistry」,Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999、および「March’s Advanced Organic Chemistry」, 5th Ed., Ed.: Smith, M.B. and March, J., John Wiley & Sons, New York: 2001(これらの内容全体は、本明細書に参考として援用される)に記載される。
本明細書で記載される場合、「保護基」とは、その後の化学反応において化学選択性を得るために、官能基の化学修飾によってある分子に導入される部分もしくは官能基をいう。標準的な保護基は、Wuts and Greene: 「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」 4th Ed, Wuts, P.G.M. and Greene, T.W., Wiley−Interscience, New York:2006の中に提供される。
本明細書で記載される場合、本発明の化合物は、1個以上の置換基(例えば、概して上に図示されるもの、または本発明の特定のクラス、サブクラスおよび種によって例示されるもの)で必要に応じて置換され得る。
本明細書で使用される場合、用語「ヒドロキシル」もしくは「ヒドロキシ」とは、−OH部分をいう。
本明細書で使用される場合、用語「脂肪族」とは、用語、アルキル、アルケニル、アルキニル(これらの各々は、以下に示されるように、必要に応じて置換される)を包含する。
本明細書で使用される場合、「アルキル」基とは、1〜12個(例えば、1〜8個、1〜6個、もしくは1〜4個)の炭素原子を含む飽和脂肪族炭化水素基をいう。アルキル基は、直鎖状もしくは分枝鎖状であり得る。アルキル基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、もしくは2−エチルヘキシル。アルキル基は、1個以上の置換基(例えば、ハロ、ホスホ、脂環式[例えば、シクロアルキルもしくはシクロアルケニル]、複素脂環式(heterocycloaliphatic)[例えば、ヘテロシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、もしくは(複素脂環式)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例えば、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノアルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、もしくはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ、脂環式アミノ、もしくは複素脂環式アミノ]、スルホニル[例えば、脂肪族−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、脂環式オキシ、複素脂環式オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、もしくはヒドロキシ)で置換され得る(すなわち、必要に応じて置換され得る)。限定なく、置換されたアルキルのいくつかの例としては、以下が挙げられる:カルボキシアルキル(例えば、HOOC−アルキル、アルコキシカルボニルアルキル、およびアルキルカルボニルオキシアルキル)、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシルアルキル、アラルキル、(アルコキシアリール)アルキル、(スルホニルアミノ)アルキル(例えば、(アルキル−SO−アミノ)アルキル)、アミノアルキル、アミドアルキル、(脂環式)アルキル、もしくはハロアルキル。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」基とは、2〜8個(例えば、2〜12個、2〜6個、もしくは2〜4個)の炭素原子および少なくとも1個の二重結合を含む脂肪族炭素基をいう。アルキル基と同様に、アルケニル基は、直鎖状もしくは分枝鎖状であり得る。アルケニル基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アリル、1−イソプロペニルもしくは2−イソプロペニル、2−ブテニル、および2−ヘキセニル。アルケニル基は、1個以上の置換基(例えば、ハロ、ホスホ、脂環式[例えば、シクロアルキルもしくはシクロアルケニル]、複素脂環式[例えば、ヘテロシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、もしくは(複素脂環式)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例えば、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、もしくはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ、脂環式アミノ、複素脂環式アミノ、もしくは脂肪族スルホニルアミノ]、スルホニル[例えば、アルキル−SO−、脂環式−SO−、もしくはアリール−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、脂環式オキシ、複素脂環式オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、もしくはヒドロキシ)で必要に応じて置換され得る。限定なく、置換されたアルケニルのいくつかの例としては、以下が挙げられる:シアノアルケニル、アルコキシアルケニル、アシルアルケニル、ヒドロキシアルケニル、アラルケニル、(アルコキシアリール)アルケニル、(スルホニルアミノ)アルケニル(例えば、(アルキル−SO−アミノ)アルケニル)、アミノアルケニル、アミドアルケニル、(脂環式)アルケニル、もしくはハロアルケニル。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」基とは、2〜8個(例えば、2〜12個、2〜6個、もしくは2〜4個)の炭素原子を含みかつ少なくとも1個の三重結合を有する脂肪族炭素基をいう。アルキニル基は、直鎖状もしくは分枝鎖状であり得る。アルキニル基の例としては、プロパルギルおよびブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基は、1個以上の置換基(例えば、アロイル、ヘテロアロイル、アルコキシ,シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、スルホ、メルカプト、スルファニル[例えば、脂肪族スルファニルもしくは脂環式スルファニル]、スルフィニル[例えば、脂肪族スルフィニルもしくは脂環式スルフィニル]、スルホニル[例えば、脂肪族−SO−、脂肪族アミノ−SO−、もしくは脂環式−SO−]、アミド[例えば、アミノカルボニル,アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ,シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、シクロアルキルカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノもしくはヘテロアリールアミノカルボニル]、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、脂環式、複素脂環式、アリール、ヘテロアリール、アシル[例えば、(脂環式)カルボニルもしくは(複素脂環式)カルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ]、スルホキシ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、(脂環式)オキシ、(複素脂環式)オキシ、もしくは(ヘテロアリール)アルコキシ)で必要に応じて置換され得る。
本明細書で使用される場合、「アミド」とは、「アミノカルボニル」および「カルボニルアミノ」の両方を包含する。これら用語が単独でもしくは別の基を伴って使用される場合、これらの用語は、終端において使用される場合には、−N(R)−C(O)−Rもしくは−C(O)−N(Rのようなアミド基、および内部において使用される場合には、−C(O)−N(R)−もしくは−N(R)−C(O)−のようなアミド基であって、ここでRおよびRは、水素、脂肪族、脂環式、アリール、芳香族脂肪族(araliphatic)、複素脂環式、ヘテロアリールもしくは複素芳香族脂肪族(heteroaraliphatic)であり得るものをいう。アミド基の例としては、アルキルアミド(例えば、アルキルカルボニルアミノもしくはアルキルアミノカルボニル)、(複素脂環式)アミド、(ヘテロアラルキル)アミド、(ヘテロアリール)アミド、(ヘテロシクロアルキル)アルキルアミド、アリールアミド、アラルキルアミド、(シクロアルキル)アルキルアミド、もしくはシクロアルキルアミドが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アミノ」基とは、−NRであって、ここでRおよびRの各々が、独立して、水素、脂肪族、脂環式、(脂環式)脂肪族、アリール、芳香族脂肪族、複素脂環式、(複素脂環式)脂肪族、ヘテロアリール、カルボキシ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、アリールカルボニル、(芳香族脂肪族)カルボニル、(複素脂環式)カルボニル、((複素脂環式)脂肪族)カルボニル、(ヘテロアリール)カルボニル、もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニル[これらの各々は、本明細書で定義され、必要に応じて置換される]であるものをいう。アミノ基の例としては、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、もしくはアリールアミノが挙げられる。用語「アミノ」は、終端基でない場合(例えば、アルキルカルボニルアミノ)、それは、−NR−によって表され、ここでRは、上で定義されるものと同じ意味を有する。
本明細書で使用される場合、単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」におけるようなより大きな部分の一部として使用される「アリール」基とは、単環式(例えば、フェニル);二環式(例えば、インデニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロインデニル);および三環式(例えば、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、もしくはテトラヒドロアントラセニル、アントラセニル)の環系[ここで上記単環式環系は、芳香族であるか、または二環式もしくは三環式の環系の中の環のうちの少なくとも1個は、芳香族である]をいう。上記二環式および三環式の基としては、ベンゾ縮合した2〜3員の炭素環式環が挙げられる。例えば、ベンゾ縮合した基としては、2個以上のC4−8炭素環式部分と縮合したフェニルが挙げられる。アリールは、1個以上の置換基(脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル];脂環式;(脂環式)脂肪族;複素脂環式;(複素脂環式)脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルコキシ;(脂環式)オキシ;(複素脂環式)オキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;(芳香族脂肪族)オキシ;(複素芳香族脂肪族)オキシ;アロイル;ヘテロアロイル;アミノ;オキソ(ベンゾ縮合した二環式もしくは三環式アリールの非芳香族炭素環式環上にある);ニトロ;カルボキシ;アミド;アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル;(脂環式)カルボニル;((脂環式)脂肪族)カルボニル;(芳香族脂肪族)カルボニル;(複素脂環式)カルボニル;((複素脂環式)脂肪族)カルボニル;もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニル];スルホニル[例えば、脂肪族−SO−もしくはアミノ−SO−];スルフィニル[例えば、脂肪族−S(O)−もしくは脂環式−S(O)−];スルファニル[例えば、脂肪族−S−];シアノ;ハロ;ヒドロキシ;メルカプト;スルホキシ;尿素;チオ尿素;スルファモイル;スルファミド;もしくはカルバモイルが挙げられる)で必要に応じて置換される。あるいは、アリールは、非置換であり得る。
置換されたアリールの非限定的な例としては、ハロアリール[例えば、モノ−、ジ(例えば、p,m−ジハロアリール)、および(トリハロ)アリール];(カルボキシ)アリール[例えば、(アルコキシカルボニル)アリール、((アラルキル)カルボニルオキシ)アリール、および(アルコキシカルボニル)アリール];(アミド)アリール[例えば、(アミノカルボニル)アリール、(((アルキルアミノ)アルキル)アミノカルボニル)アリール、(アルキルカルボニル)アミノアリール、(アリールアミノカルボニル)アリール、および(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)アリール];アミノアリール[例えば、((アルキルスルホニル)アミノ)アリールもしくは((ジアルキル)アミノ)アリール];(シアノアルキル)アリール;(アルコキシ)アリール;(スルファモイル)アリール[例えば、(アミノスルホニル)アリール];(アルキルスルホニル)アリール;(シアノ)アリール;(ヒドロキシアルキル)アリール;((アルコキシ)アルキル)アリール;(ヒドロキシ)アリール、((カルボキシ)アルキル)アリール;(((ジアルキル)アミノ)アルキル)アリール;(ニトロアルキル)アリール;(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)アリール;((複素脂環式)カルボニル)アリール;((アルキルスルホニル)アルキル)アリール;(シアノアルキル)アリール;(ヒドロキシアルキル)アリール;(アルキルカルボニル)アリール;アルキルアリール;(トリハロアルキル)アリール;p−アミノ−m−アルコキシカルボニルアリール;p−アミノ−m−シアノアリール;p−ハロ−m−アミノアリール;または(m−(複素脂環式)−o−(アルキル))アリールが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アラルキル」基のような「芳香族脂肪族」とは、アリール基で置換されている脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基)をいう。「脂肪族」、「アルキル」、および「アリール」は、本明細書で定義される。アラルキル基のような芳香族脂肪族の例は、ベンジルである。
本明細書で使用される場合、「アラルキル基」とは、アリール基で置換されているアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)をいう。「アルキル」および「アリール」はともに、上で定義されている。アラルキル基の例は、ベンジルである。アラルキルは、1個以上の置換基(例えば、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル(カルボキシアルキルが挙げられる)、ヒドロキシアルキル、もしくはトリフルオロメチルのようなハロアルキル]、脂環式[例えば、シクロアルキルもしくはシクロアルケニル]、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ,アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミド[例えば、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、もしくはヘテロアラルキルカルボニルアミノ]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイル)で必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「二環式環系」は、2個の環を形成する6〜12員(例えば、8〜12員もしくは9員、10員、もしくは11員)の構造であって、上記2個の環が、共通する少なくとも1個の原子(例えば、共通する2個の原子)を有するものを含む。二環式環系としては、二脂環式化合物(bicycloaliphatics)(例えば、ビシクロアルキルもしくはビシクロアルケニル)、ビシクロヘテロ脂肪族、二環式アリール、および二環式ヘテロアリールが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「脂環式」基とは、「シクロアルキル」基および「シクロアルケニル」基を包含し、これらの各々は、以下に記載されるように必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」基とは、3〜10個(例えば、5〜10個)の炭素原子の飽和炭素環式の単環式もしくは二環式(縮合型もしくは架橋型)環をいう。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボルニル、クビル(cubyl)、オクタヒドロ−インデニル、デカヒドロ−ナフチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、もしくは((アミノカルボニル)シクロアルキル)シクロアルキルが挙げられる。
「シクロアルケニル」基とは、本明細書で使用される場合、1個以上の二重結合を有する3〜10個(例えば、4〜8個)の炭素原子の非芳香族炭素環式環をいう。シクロアルケニル基の例としては、シクロペンテニル、1,4−シクロヘキサ−ジ−エニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ヘキサヒドロ−インデニル、オクタヒドロ−ナフチル、シクロヘキセニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、もしくはビシクロ[3.3.1]ノネニルが挙げられる。
シクロアルキルもしくはシクロアルケニル基は、1個以上の置換基(例えば、ホスホ、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル]、脂環式、(脂環式)脂肪族、複素脂環式、(複素脂環式)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(脂環式)オキシ、(複素脂環式)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(芳香族脂肪族)オキシ、(複素芳香族脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例えば、(脂肪族)カルボニルアミノ、(脂環式)カルボニルアミノ、((脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(芳香族脂肪族)カルボニルアミノ、(複素脂環式)カルボニルアミノ、((複素脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例えば、HOOC−、アルコキシカルボニル、もしくはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例えば、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、(芳香族脂肪族)カルボニル、(複素脂環式)カルボニル、((複素脂環式)脂肪族)カルボニル、もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニル]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例えば、アルキル−SO−およびアリール−SO−]、スルフィニル[例えば、アルキル−S(O)−]、スルファニル[例えば、アルキル−S−]、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、もしくはカルバモイル)で必要に応じて置換され得る。
本明細書で使用される場合、用語「複素脂環式」は、ヘテロシクロアルキル基およびヘテロシクロアルケニル基を包含し、これらの各々は、以下に記載されるように、必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」基とは、3〜10員の単環式もしくは二環式の(縮合型もしくは架橋型)(例えば、5員〜10員の単環式もしくは二環式)飽和環構造であって、ここで上記環原子のうちの1個以上がヘテロ原子(例えば、N、O、S、もしくはこれらの組み合わせ)であるものをいう。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、1,4−ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、1,3−ジオキソラニル、オキサゾリジル、イソオキサゾリジル、モルホリニル、チオモルホリル、オクタヒドロベンゾフリル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロチオクロメニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロピリンジニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロベンゾ[b]チオフェニル(thiopheneyl)、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルが挙げられる。単環式ヘテロシクロアルキル基は、フェニル部分と縮合して、テトラヒドロイソキノリン(これは、ヘテロアリールとして分類される)のような構造を形成し得る。
[00100]
「ヘテロシクロアルケニル」基とは、本明細書で使用される場合、1個以上の二重結合を有する単環式もしくは二環式の(例えば、5員〜10員の単環式もしくは二環式の)非芳香族環構造であって、ここで上記環原子のうちの1個以上がヘテロ原子(例えば、N、O、もしくはS)であるものをいう。単環式および二環式の複素脂環式化合物は、標準的な化学命名法に従って番号づけされる。
[00101]
ヘテロシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルケニル基は、1個以上の置換基(例えば、ホスホ、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル]、脂環式、(脂環式)脂肪族、複素脂環式、(複素脂環式)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(脂環式)オキシ、(複素脂環式)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(芳香族脂肪族)オキシ、(複素芳香族脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例えば、(脂肪族)カルボニルアミノ、(脂環式)カルボニルアミノ、((脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(芳香族脂肪族)カルボニルアミノ、(複素脂環式)カルボニルアミノ、((複素脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例えば、HOOC−、アルコキシカルボニル、もしくはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例えば、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、(芳香族脂肪族)カルボニル、(複素脂環式)カルボニル、((複素脂環式)脂肪族)カルボニル、もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニル]、ニトロ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例えば、アルキルスルホニルもしくはアリールスルホニル]、スルフィニル[例えば、アルキルスルフィニル]、スルファニル[例えば、アルキルスルファニル]、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、もしくはカルバモイル)で必要に応じて置換され得る。
「ヘテロアリール」基とは、本明細書で使用される場合、4〜15個の環原子を有し、ここで上記環原子のうちの1個以上がヘテロ原子(例えば、N、O、S、もしくはこれらの組み合わせ)である、単環式、二環式、もしくは三環式の環系であって、ここで上記単環式環系が芳香族であるか、または上記二環式もしくは三環式の環系の環のうちの少なくとも1個が芳香族であるものをいう。ヘテロアリール基は、2〜3個の環を有するベンゾ縮合した環系を含む。例えば、ベンゾ縮合した基としては、1個もしくは2個の、4〜8員の複素脂環式部分(例えば、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェン−イル、キノリニル、もしくはイソキノリニル)と縮合したベンゾが挙げられる。ヘテロアリールのいくつかの例は、アゼチジニル、ピリジル、1H−インダゾリル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフリル、イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、キサンテン、チオキサンテン、フェノチアジン、ジヒドロインドール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリル、シンノリル、キノリル、キナゾリル、シンノリル、フタラジル、キナゾリル、キノキサリル、イソキノリル、4H−キノリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾリル、もしくは1,8−ナフチリジルである。
限定なく、単環式ヘテロアリールとしては、フリル、チオフェン−イル、2H−ピロリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル(thazolyl)、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、もしくは1,3,5−トリアジルが挙げられる。単環式ヘテロアリールは、標準的な化学命名法に従って番号付けされる。
限定なく、二環式ヘテロアリールとしては、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリジル、イソインドリル、インドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル(bexo[b]thiophenyl)、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、4H−キノリジル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、フタラジル、キナゾリル、キノキサリル、1,8−ナフチリジル、もしくはプテリジルが挙げられる。二環式ヘテロアリールは、標準的な化学命名法に従って番号付けされる。
ヘテロアリールは、1個以上の置換基(例えば、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル];脂環式;(脂環式)脂肪族;複素脂環式;(複素脂環式)脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルコキシ;(脂環式)オキシ;(複素脂環式)オキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;(芳香族脂肪族)オキシ;(複素芳香族脂肪族)オキシ;アロイル;ヘテロアロイル;アミノ;オキソ(二環式もしくは三環式のヘテロアリールの非芳香族の炭素環式もしくは複素環式環上にある);カルボキシ;アミド;アシル[例えば、脂肪族カルボニル;(脂環式)カルボニル;((脂環式)脂肪族)カルボニル;(芳香族脂肪族)カルボニル;(複素脂環式)カルボニル;((複素脂環式)脂肪族)カルボニル;もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニル];スルホニル[例えば、脂肪族スルホニルもしくはアミノスルホニル];スルフィニル[例えば、脂肪族スルフィニル];スルファニル[例えば、脂肪族スルファニル];ニトロ;シアノ;ハロ;ヒドロキシ;メルカプト;スルホキシ;尿素;チオ尿素;スルファモイル;スルファミド;もしくはカルバモイル)で必要に応じて置換される。あるいは、ヘテロアリールは、非置換であり得る。
置換されたヘテロアリールの非限定的な例としては、(ハロ)ヘテロアリール[例えば、モノ(ハロ)ヘテロアリールおよびジ(ハロ)ヘテロアリール];(カルボキシ)ヘテロアリール[例えば、(アルコキシカルボニル)ヘテロアリール];シアノヘテロアリール;アミノヘテロアリール[例えば、((アルキルスルホニル)アミノ)ヘテロアリールおよび((ジアルキル)アミノ)ヘテロアリール];(アミド)ヘテロアリール[例えば、アミノカルボニルヘテロアリール、((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール、((((アルキル)アミノ)アルキル)アミノカルボニル)ヘテロアリール、(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)ヘテロアリール、((複素脂環式)カルボニル)ヘテロアリール、および((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール];(シアノアルキル)ヘテロアリール;(アルコキシ)ヘテロアリール;(スルファモイル)ヘテロアリール[例えば、(アミノスルホニル)ヘテロアリール];(スルホニル)ヘテロアリール[例えば、(アルキルスルホニル)ヘテロアリール];(ヒドロキシアルキル)ヘテロアリール;(アルコキシアルキル)ヘテロアリール;(ヒドロキシ)ヘテロアリール;((カルボキシ)アルキル)ヘテロアリール;(((ジアルキル)アミノ)アルキル]ヘテロアリール;(複素脂環式)ヘテロアリール;(脂環式)ヘテロアリール;(ニトロアルキル)ヘテロアリール;(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)ヘテロアリール;((アルキルスルホニル)アルキル)ヘテロアリール;(シアノアルキル)ヘテロアリール;(アシル)ヘテロアリール[例えば、(アルキルカルボニル)ヘテロアリール];(アルキル)ヘテロアリール;もしくは(ハロアルキル)ヘテロアリール[例えば、トリハロアルキルヘテロアリール]が挙げられる。
「複素芳香族脂肪族」(例えば、ヘテロアラルキル基)とは、本明細書で使用される場合、ヘテロアリール基で置換されている脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基)をいう。「脂肪族」、「アルキル」、および「ヘテロアリール」は、上で定義されている。
「ヘテロアラルキル」基とは、本明細書で使用される場合、ヘテロアリール基で置換されているアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)をいう。「アルキル」および「ヘテロアリール」はともに、上で定義されている。ヘテロアラルキルは、1個以上の置換基(例えば、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルのようなハロアルキルが挙げられる)、アルケニル、アルキニル,シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ,シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ,アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ,シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、もしくはカルバモイル)で必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「環式部分」および「環式基」とは、単環式、二環式、および三環式の環系(脂環式、複素脂環式、アリール、もしくはヘテロアリールを含み、これらの各々は、先に定義されている)をいう。
本明細書で使用される場合、「架橋型二環式環系」とは、二環式複素環式脂肪族環系もしくは二環式脂環式環系であって、ここで上記環が架橋されているものをいう。架橋型二環式環系の例としては、アダマンタニル、ノルボルナニル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、2−オキサビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルが挙げられるが、これらに限定されない。架橋型二環式環系は、1個以上の置換基(例えば、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルのようなハロアルキルが挙げられる)、アルケニル、アルキニル,シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ,シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ,アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ,シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、もしくはカルバモイル)で必要に応じて置換され得る。
本明細書で使用される場合、「アシル」基とは、ホルミル基もしくはR−C(O)−(例えば、アルキル−C(O)−(「アルキルカルボニル」ともいわれる))であって、ここでRおよび「アルキル」は、先に定義されたとおりであるものをいう。アセチルおよびピバロイルは、アシル基の例である。
本明細書で使用される場合、「アロイル」もしくは「ヘテロアロイル」とは、アリール−C(O)−もしくはヘテロアリール−C(O)−をいう。上記アロイルもしくはヘテロアロイルのアリールおよびヘテロアリール部分は、先に定義されているように、必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」基とは、アルキル−O−基であって、ここで「アルキル」は、先に定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「カルバモイル」基とは、構造−O−CO−NRもしくは−NR−CO−O−Rを有する基であって、ここでRおよびRは、上に定義されかつRは、脂肪族、アリール、芳香族脂肪族、複素脂環式、ヘテロアリール、もしくは複素芳香族脂肪族であり得るものをいう。
本明細書で使用される場合、「カルボキシ」基とは、終端の基として使用される場合には、−COOH、−COOR、−OC(O)H、−OC(O)Rをいい、または内部の基として使用される場合には、−OC(O)−もしくは−C(O)O−をいう。
本明細書で使用される場合、「ハロ脂肪族」基とは、1〜3個のハロゲンで置換された脂肪族基をいう。例えば、用語ハロアルキルは、基−CF、−CHF、および−CHFを含む。
本明細書で使用される場合、「メルカプト」基とは、−SHをいう。
本明細書で使用される場合、「スルホ」基とは、終端で使用される場合には、−SOHもしくは−SOをいい、または内部で使用される場合には、−S(O)−をいう。
本明細書で使用される場合、「スルファミド」基とは、終端で使用される場合には構造−NR−S(O)−NRであり、内部で使用される場合には−NR−S(O)−NR−であって、ここでR、R、およびRは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「スルファモイル」基とは、構造−O−S(O)−NRであって、ここでRおよびRは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「スルホンアミド」基とは、終端で使用される場合には、構造−S(O)−NRもしくは−NR−S(O)−R、または内部で使用される場合には、−S(O)−NR−もしくは−NR−S(O)−であって、ここでR、R、およびRは、上で定義されるものをいう。
本明細書で使用される場合、「スルファニル」基とは、終端で使用される場合には−S−Rであり、内部で使用される場合には−S−であって、ここでRは、上で定義されているものをいう。スルファニルの例としては、脂肪族−S−、脂環式−S−、アリール−S−などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「スルフィニル」基とは、終端で使用される場合には−S(O)−Rであり、内部で使用される場合には−S(O)−であって、ここでRは、上で定義されているものをいう。例示的なスルフィニル基としては、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(脂環式(脂肪族))−S(O)−,シクロアルキル−S(O)−、複素脂環式−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「スルホニル基」とは、終端で使用される場合には−S(O)−Rであり、内部で使用される場合には−S(O)−であって、ここでRは、上で定義されているものをいう。例示的なスルホニル基としては、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(脂環式(脂肪族))−S(O)−、脂環式−S(O)−、複素脂環式−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−、(脂環式(アミド(脂肪族)))−S(O)−などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「スルホキシ」基とは、終端で使用される場合には−O−S(O)−Rもしくは−S(O)−O−Rであり、内部で使用される場合には−O−S(O)−もしくは−S(O)−O−であって、ここでRは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」もしくは「ハロ」基とは、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素をいう。
本明細書で使用される場合、用語カルボキシに包含され、単独で、もしくは別の基とともに使用される「アルコキシカルボニル」とは、アルキル−O−C(O)−のような基をいう。
本明細書で使用される場合、「アルコキシアルキル」とは、アルキル−O−アルキル−のようなアルキルであって、ここでアルキルは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「カルボニル」とは、−C(O)−をいう。
本明細書で使用される場合、「オキソ」とは、=Oをいう。
本明細書で使用される場合、用語「ホスホ」とは、ホスフィネートおよびホスホネートをいう。ホスフィネートおよびホスホネートの例としては、−P(O)(Rであって、ここでRは、脂肪族、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(脂環式)オキシ、(複素脂環式)オキシアリール、ヘテロアリール、脂環式もしくはアミノであるものが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アミノアルキル」とは、構造(RN−アルキル−をいう。
本明細書で使用される場合、「シアノアルキル」とは、構造(NC)−アルキル−をいう。
本明細書で使用される場合、「尿素」基とは、構造−NR−CO−NRをいい、「チオ尿素」基とは、終端で使用される場合には構造−NR−CS−NRであり、内部で使用される場合には−NR−CO−NR−もしくは−NR−CS−NR−であって、ここでR、R、およびRは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「グアニジン」基とは、構造−N=C(N(R))N(R)もしくは−NR−C(=NR)NRであって、ここでRおよびRは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、用語「アミジノ」基とは、構造−C=(NR)N(R)であって、ここでRおよびRは、上で定義されているものをいう。
一般に、用語「ビシナル」とは、2個以上の炭素原子を含む基の上にある置換基の配置であって、ここで上記置換基は、隣り合う炭素原子に結合されているものをいう。
一般に、用語「ジェミナル」とは、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基の配置であって、ここで上記置換基が、同じ炭素原子に結合される配置をいう。
用語「終端で」および「内部で」とは、置換基内の基の位置を意味する。ある基は、上記基が、上記置換基の末端に存在し、化学構造の残りにさらに結合しない場合に終端にある。カルボキシアルキル(すなわち、RO(O)C−アルキル)は、終端で使用されるカルボキシ基の例である。ある基は、上記基が、化学構造の置換基の中間に存在する場合に内部にある。アルキルカルボキシ(例えば、アルキル−C(O)O−もしくはアルキル−OC(O)−)およびアルキルカルボキシアリール(例えば、アルキル−C(O)O−アリール−もしくはアルキル−O(CO)−アリール−)は、内部で使用されるカルボキシ基の例である。
本明細書で使用される場合、「脂肪族鎖」とは、分枝鎖状もしくは直鎖状の脂肪族基(例えば、アルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基)をいう。一部の例では、直鎖状の脂肪族鎖は、構造−[CH−(ここでvは、1〜12である)を有する。一部の例では、分枝鎖状の脂肪族鎖は、1個以上の脂肪族基で置換されている直鎖状の脂肪族鎖である。分枝鎖状の脂肪族鎖は、構造−[CQQ]−(ここでQは、独立して、水素もしくは脂肪族基である;しかし、Qは、少なくとも1つの例においては、脂肪族基であるものとする)を有する。用語脂肪族鎖は、アルキル鎖、アルケニル鎖、およびアルキニル鎖であって、ここでアルキル、アルケニル、およびアルキニルは、上で定義されるものを含む。
語句「必要に応じて置換される」とは、語句「置換されているかもしくは置換されていない」と交換可能に使用される。本明細書で記載される場合、本発明の化合物は、上で図示されるように、もしくは本発明の特定のクラス、サブクラス、および種によって例示されるもののように、1個以上の置換基で必要に応じて置換され得る。本明細書で記載される場合、変数R、RP1、R、RP2、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R、Rおよび本明細書に記載される式I−P1、式I−P2、式I、式IA、式IA−1、式IB、または式IB−1に含まれる他の変数は、アルキルおよびアリールのような具体的な基を包含する。別段示されなければ、上記変数R、RP1、R、RP2、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R、R,およびそれらに含まれる他の変数についての具体的な基の各々は、本明細書に記載される1個以上の置換基で必要に応じて置換され得る。具体的な基の各置換基は、ハロ、シアノ、オキソ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、脂環式、複素脂環式、ヘテロアリール、ハロアルキル、およびアルキルのうちの1〜3個でさらに必要に応じて置換される。例えば、アルキル基は、アルキルスルファニルで置換され得、上記アルキルスルファニルは、ハロ、シアノ、オキソ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、ハロアルキル、およびアルキルのうちの1〜3個で必要に応じて置換され得る。さらなる例として、(シクロアルキル)カルボニルアミノのシクロアルキル部分は、ハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロアルキル、およびアルキルのうちの1〜3個で必要に応じて置換され得る。2個のアルコキシ基が、同じ原子もしくは隣り合う原子に結合する場合、上記2個のアルコキシ基は、それらが結合する原子と一緒になって、環を形成し得る。
本明細書で使用される場合、「アルキリデン」とは、同じ炭素原子から2個の水素原子を除去することによってアルキル基から誘導される二価の官能基の任意のクラスであって、そのフリーの原子価が二重結合の部分であるもの(RC=)を指す。
一般に、用語「置換された」とは、用語「必要に応じて」が先行していてもそうでなくても、所定の構造における水素原子を、特定された置換基のラジカルで置換することを意味する。具体的な置換基は、上記の定義において記載され、下記の化合物の説明およびその実施例の中で記載されている。別段示されなければ、必要に応じて置換された基は、上記基の置換可能な各位置において置換基を有し得、任意の所定の構造の中の1つより多くの位置が、特定された基から選択される1個より多くの置換基で置換され得る場合、上記置換基は、あらゆる位置において同じであっても異なっていてもよい。環置換基(例えば、ヘテロシクロアルキル)は、別の環(例えば、シクロアルキル)に結合して、スピロ二環式環系(例えば、両方の環が1個の共通する原子を共有する)を形成し得る。当業者が認識するように、本発明によって想定される置換基の組み合わせは、安定なもしくは化学的に実現可能な化合物の形成を生じるそれらの組み合わせである。
語句「安定なもしくは化学的に実現可能な」とは、本明細書で使用される場合、それらの生成、検出、および好ましくはそれらの回収、精製、および本明細書で開示される目的のうちの1つ以上のための使用を可能にする条件に供される場合、実質的に変化しない化合物を意味する。いくつかの実施形態において、安定な化合物もしくは化学的に実現可能な化合物は、40℃以下の温度において、水分もしくは化学的に反応性の条件の非存在下で、少なくとも1週間にわたって保持される場合に実質的に変化しないものである。
本明細書で使用される場合、「有効量」とは、処置される患者に対して治療上の効果を付与するために必要とされる量として定義され、代表的には、上記患者の年齢、表面積、体重および状態に基づいて決定される。動物およびヒトの投与量(ミリグラム/体表面の平方メートルに基づく)の相互関係は、Freireich et al., Cancer Chemother. Rep., 50: 219 (1966)に記載されている。体表面積は、上記患者の身長および体重から概算して決定され得る。例えば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardsley, N.Y., 537 (1970)を参照のこと。本明細書で使用される場合、「患者」とは、ヒトを含め、哺乳動物をいう。
別段示されなければ、本明細書に示される構造はまた、構造の全ての異性(例えば、エナンチオ異性、ジアステレオ異性、および幾何異性(もしくは配座異性))形態を含むことが意図される;例えば、各不斉中心のR配置およびS配置、(Z)二重結合異性体および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)配座異性体および(E)配座異性体。従って、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオ異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体(もしくは配座異性体)の混合物は、本発明の範囲内である。別段示されなければ、本発明の化合物の全ての互変異性形態は、本発明の範囲内にある。さらに、別段示されなければ、本明細書に示される構造はまた、1個以上の同位体富化された原子が存在する点においてのみ異なる化合物を含むことが意図される。例えば、水素が重水素もしくはトリチウムによって置換されていること、または炭素が13C富化炭素もしくは14C富化炭素によって置換されていることを除いて、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。このような化合物は、例えば、分析ツール、もしくは生物学的アッセイにおけるプローブとして、または治療剤として有用である。
化学構造および命名法は、ChemDraw, version 11.0.1, Cambridge, Massから得られる。
記述子「第1の」、「第2の」、「第3の」などの使用が、別個の要素(例えば、溶媒、反応工程、プロセス、試薬など)を区別するために使用され、記載される要素の相対的順序もしくは相対的年代順を指してもよいし、そうでなくてもよいことに注意する。
II.共通して使用される略語
以下の定義は、本明細書で使用される用語および略語を記載する:
Ac アセチル
Bu ブチル
Et エチル
Ph フェニル
BOC tert−ブチルオキシカルボニルアミン保護基
Fmoc フルオレニルメチルオキシカルボニルアミン保護基
Me メチル
THF テトラヒドロフラン
DCM ジクロロメタン
CHCl ジクロロメタン
EtOAc 酢酸エチル
CHCN アセトニトリル
EtOH エタノール
MeOH メタノール
MTBE メチル tert−ブチルエーテル
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
HOAc 酢酸
TFA トリフルオロ酢酸
EtN トリエチルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
CO 炭酸二カリウム
NaCO 炭酸二ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
PO リン酸三カリウム
HPLC 高速液体クラマトグラフィー
hrまたはh 時間
min 分
atm 気圧
rtまたはRT 室温
HCl 塩酸
HBr 臭化水素酸
O 水
NaOAc 酢酸ナトリウム
SO 硫酸
窒素ガス
水素ガス
Br 臭素
n−BuLi n−ブチルリチウム
Pd(OAc) 酢酸パラジウム(II)
PPh トリフェニルホスフィン
rpm 回転/分
Equiv. 当量
Ts トシル
IPA イソプロピルアルコール
本明細書で使用される場合、他の略語、記号および慣例は、最新の科学文献において使用されるものと一致する。例えば、Janet S. Dodd,編, The ACS Style Guide: A Manual for Authors and Editors, 第2版, Washington, D.C.: American Chemical Society, 1997(その全体が本明細書に参考として援用される)を参照のこと。
III.新規ABA誘導体
本発明の一局面は、感染の処置のために有用な新規のオーレオバシジン誘導体を提供する。これらの化合物は、概して式I−P1の化合物:
またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで
およびRP1の各々は、水素、フェニル、ナフチル、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する9〜12員の二環式ヘテロアリールから独立して選択され、ここでRおよびRP1は、x個のRの例で各々独立してかつ必要に応じて置換され;
xは、独立して、1、2、または3であり;
各Rは、独立して、−L−Rであり、ここでRがフェニルまたは5〜6員の単環式ヘテロアリールである場合、少なくとも1個のRは−H以外であり;
各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−4脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−S−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)O−、−S(O)NR−、−NRS(O)−、−C(O)NRNR−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRS(O)NR−、−S(O)−、または−S(O)−によって必要に応じてかつ独立して置き換えられ;
各Rは、R、ハロ、または−CFから独立して選択され;
各Rは、−H、あるいはC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系;またはN、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系から選択される必要に応じて置換された基から独立して選択され、ここで該C1−6アルキル、該単環式環、該二環式環系、または該三環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換され;
各Rは、独立して、−L−Rであり;
各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−6脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、または−NRC(O)O−によって必要に応じてかつ独立して置換され;そして
各Rは、R、ハロ、−CF、またはBocから独立して選択され;
各Rは、−H、C1−3アルキル、またはフェニルから独立して選択され;そして
およびRP2の各々は、水素、フェニル、ナフチル、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する9〜12員の二環式ヘテロアリールから独立して選択され、ここでRおよびRP2は、x個のRの例で独立してかつ必要に応じて置換される、
各RP2は、各RP1であるが、
ただし
i)RおよびRP1のうちの少なくとも1つは、水素であり;
ii)RおよびRP2のうちの少なくとも1つは、水素であり;
iii)R、R、RP1、およびRP2のうちの少なくとも1つは、水素ではなく;
iv)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1であり、そしてR、RP1およびRP2の各々が水素である場合、Rは、クロロではなく;
v)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1であり、そしてR、RP1、およびRP2の各々が水素である場合、Rは、置換されていないフェニルではなく;
vi)Rがフェニルであり、xが1であり、そしてR、RP1、およびRP2の各々が水素である場合、Rは、−N(H)C(O)CHでも−C(O)NHでもなく;そして
vii)Rがフリルまたはチオフェニルであり、xが1であり、そしてR、RP1、およびRP2の各々が水素である場合、Rは、−CHではない、
化合物によって記載される。
一部の実施形態では、RおよびRP2は、両方とも−Hである。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたフェニルである。一部のこれらの実施形態では、xは1であり、Rは、ハロ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルから選択され、ここで各Rは、任意の化学的に実現可能な位置において2個までのRの存在で置換される。別の実施形態では、Rは、ハロ、置換されていないC1−6アルキル基、ハロ置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または−O−(CH1−2フェニルから選択される。そして、一部の実施形態では、Rは、−Cl、−F、−I、−CH、−CF、−CHCH、または−CHCFから選択される。
一部の実施形態では、Rは、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピロール、チオフェン、フラン、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、またはピラジンから選択され、ここでRは、C1−6アルキルで置換される。一部のこれらの実施形態では、Rは、ピペリジンまたはピペラジンから選択され、そのうちのいずれかは、C1−6アルキルで必要に応じて置換される。別の実施形態では、Rは、
から選択され、ここで各Rは、独立して、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、Rは、BOCである。例えば、xは1であり、RはBOCである。
一部の実施形態では、xは2であり、少なくとも1個のRの存在は、ハロゲンである。例えば、xは2であり、各Rは、ハロゲンである。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたナフチルである。例えば、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は1〜3個の窒素原子を有する、5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここで該単環式ヘテロアリールは、x個のRの存在で置換される。例えば、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、またはピリミジンから選択され、そしてxは、1または2である。別の例では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、水素、−CF、C1−6アルキル、または5〜6員のシクロ脂肪族基である。そして、一部の例では、各Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから独立して選択される。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで各Rは、水素、C1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系であり;ここで該C1−6アルキル、該単環式環、または該二環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される。例えば、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
であり、ここでRは、窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に怖じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環であり、他方は水素である。別の例では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
であり、ここでRは、C1−6アルキルで必要に応じて置換されたピペリジン−1−イルである。そして、一部の例では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで各Rは、−H、C1−6アルキル、または窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和もしくは完全不飽和の単環式環であり、ここで該単環式環は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される。一部の例では、Rは、−H、C1−4アルキル、
から選択される。そして、他の例では、各Rは、−H、C1−4アルキル、−N(CH、−C(O)−CH、−C(O)−CH−CH、または−C(O)−O−C(CHから独立して選択される。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、N、O、もしくはSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9〜10員の二環式へテロアリールであり、ここで該二環式へテロアリールは、x個のRの存在で置換される。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで
、Z、Z、Z、およびZの各々は、独立して、CRまたはNであり、ここでZ、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、Nであり;
、Y、およびYの各々は、独立して、CH、CR、N、NR、またはOであり、ここでY、Y、およびYのうちの少なくとも1つは、N、NR、またはOであり;そして---は、結合または非存在であるが、ただし
i)Z、Z、Z、Z、およびZのうちの3つ以下がNであり;
ii)Rは、3個以下のRの存在で置換され;
iii)YまたはYのうちのいずれかが−O−である場合、---は、非存在であり;そして
iv)---が結合である場合、Yは、N、CH、またはCRであり、そしてYは、N、CH、またはCRである。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され;ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、RおよびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、RおよびRP1は、両方とも−Hである。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたフェニルである。例えば、xは1であり、Rは、ハロ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルから選択され、ここで各Rは、任意の化学的に実現可能な位置において2個までのRの存在で置換される。別の例では、Rは、ハロ、置換されていないC1−6アルキル基、ハロ置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または−O−(CH1−2フェニルから選択される。そして、一部の例では、Rは、−Cl、−F、−I、−CH、−CF、−CHCH、または−CHCFから選択される。
一部の実施形態では、Rは、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピロール、チオフェン、フラン、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、またはピラジンから選択され、ここでRは、C1−6アルキルで置換される。
一部の実施形態では、Rは、ピペリジンまたはピペラジンから選択され、これのうちのいずれかは、C1−6アルキルで必要に応じて置換される。例えば、Rは、
から選択され、ここで各Rは、独立して、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、Rは、BOCである。
一部の実施形態では、xは2であり、少なくとも1個のRの存在は、ハロゲンである。例えば、xは2であり、各Rはハロゲンである。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたナフチルである。例えば、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここで該単環式ヘテロアリールは、x個のRの存在で置換される。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、またはピリミジンから選択され、そしてxは、1または2である。例えば、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
であり、ここでRは、水素、−CF、C1−6アルキル、または5〜6員のシクロ脂肪族基である。別の例では、各Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから独立して選択される。一部の例では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで各Rは、水素、C1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系であり;ここで該C1−6アルキル、該単環式環、または該二環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される。別の例では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
であり、ここでRは、窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環であり、そして他方は、水素である。一部の例では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
であり、ここでRは、C1−6アルキルで必要に応じて置換されピペリジン−1−イルである。一部の例では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで各Rは、−H、C1−6アルキル、または窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和もしくは完全不飽和の単環式環であり、ここで該単環式環は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される。
一部の実施形態では、Rは、−H、C1−4アルキル、
から選択される。
一部の実施形態では、各Rは、−H、C1−4アルキル、−N(CH、−C(O)−CH、−C(O)−CH−CH、または−C(O)−O−C(CHから独立して選択される。
一部の実施形態ではRおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、N、O、もしくはSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9〜10員の二環式へテロアリールであり、ここで該二環式へテロアリールは、x個のRの存在で置換される。
一部の実施形態ではRおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここで
、Z、Z、Z、およびZの各々は、独立して、CRまたはNであり、ここでZ、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、Nであり;
、Y、およびYの各々は、独立して、CH、CR、N、NR、またはOであり、Y、Y、およびYのうちの少なくとも1つは、N、NR、またはOであり;そして---は、結合または非存在であるが、ただし
i)Z、Z、Z、Z、およびZのうちの3つ以下は、Nであり;
ii)Rは、3個以下のRの存在で置換され;
iii)YまたはYのいずれかが−O−である場合、---は、非存在であり;そして
iv)---が結合である場合、Yは、N、CH、またはCRであり、そしてYは、N、CH、またはCRである。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の実施形態では、RおよびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
一部の局面では、式I−P1の化合物は、
から選択され、ここで、基R、RP1、RおよびRP2の各々は、本明細書に定義される通りである。
別の局面では、本発明は、式Iの化合物:
またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで
は、フェニル、ナフチル、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する9〜12員の二環式ヘテロアリールであり、ここでRは、x個のRの例で置換され;
xは、1、2、または3であり;
各Rは、独立して、−L−Rであり、ここでRがフェニルまたは5〜6員の単環式ヘテロアリールである場合、少なくとも1個のRは−H以外であり;
各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−4脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−S−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)O−、−S(O)NR−、−NRS(O)−、−C(O)NRNR−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRS(O)NR−、−S(O)−、または−S(O)−によって必要に応じてかつ独立して置き換えられ;
各Rは、R、ハロ、または−CFから独立して選択され;
各Rは、−H、あるいはC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系;またはN、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系から選択される必要に応じて置換された基から独立して選択され、ここで該C1−6アルキル、該単環式環、該二環式環系、または該三環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換され;
各Rは、独立して、−L−Rであり;
各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−6脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、または−NRC(O)O−によって必要に応じてかつ独立して置換され;そして
各Rは、R、ハロ、−CF、またはBocから独立して選択され;
各Rは、−H、C1−3アルキル、またはフェニルから独立して選択され;そして
は、HまたはRであり、
ただし
i)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1である場合、Rは、クロロではなく;
ii)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1である場合、Rは、置換されていないフェニルではなく;
iii)Rがフェニルであり、xが1である場合、Rは、−N(H)C(O)CHでも−C(O)NHでもなく;そして
iv)Rがフリルまたはチオフェニルであり、xが1である場合、Rは、−CHではない。
一部の実施形態では、Rは−Hである。
別の実施形態では、Rは、x個のRの存在で置換されたフェニルである。
一部の実施形態では、xは1であり、Rは、ハロ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルから選択され、ここで各Rは、任意の化学的に実現可能な位置において2個までのRの存在で置換される。
さらなる実施形態では、Rは、ハロ、置換されていないC1−6アルキル基、ハロ置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または−O−(CH1−2フェニルから選択される。別の実施形態では、Rは、−Cl、−F、−I、−CH、−CF、−CHCH、または−CHCFから選択される。別の実施形態では、Rは、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピロール、チオフェン、フラン、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、またはピラジンから選択され、ここでRは、C1−6アルキルで置換される。一部の実施形態では、Rは、ピペリジンまたはピペラジンから選択され、そのうちのいずれかは、C1−6アルキルで必要に応じて置換される。別の実施形態では、Rは、
から選択され、ここで各Rは、独立して、−HまたはC1−6アルキルである。別の実施形態では、Rは、BOCである。
別の実施形態では、xは2であり、少なくとも1個のRの存在は、ハロゲンである。さらなる実施形態では、xは2であり、各Rは、ハロゲンである。
一部の実施形態では、Rは、x個のRの存在で置換されたナフチルである。一部の実施形態では、Rは、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
別の実施形態では、Rは、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここで該単環式ヘテロアリールは、x個のRの存在で置換される。一部の実施形態では、Rは、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、またはピリミジンから選択され、xは1または2である。さらなる実施形態では、Rは、
であり、Rは、水素、−CF、C1−6アルキル、または5〜6員のシクロ脂肪族基である物。一部の実施形態では、Rは、
であり、各Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから独立して選択される。
別の実施形態では、Rは、
であり、ここで各Rは、水素、C1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系であり;ここで該C1−6アルキル、該単環式環、または該二環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される。
一部の実施形態では、Rは、
であり、Rは、窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環である。
別の実施形態では、Rは、
であり、Rは、C1−6アルキルで必要に応じて置換されたピペリジン−1−イルである。
一部の実施形態では、Rは、
から選択され、ここで各Rは、−H、C1−6アルキル、または窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和もしくは完全不飽和の単環式環であり、ここで該単環式環は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される。別の実施形態では、Rは、−H、C1−4アルキル、
から選択される。一部の実施形態では、各Rは、−H、C1−4アルキル、−N(CH、−C(O)−CH、−C(O)−CH−CH、または−C(O)−O−C(CHから独立して選択される。
一部の実施形態では、Rは、N、O、もしくはSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9〜10員の二環式へテロアリールであり、ここで該二環式へテロアリールは、x個のRの存在で置換される。別の実施形態では、Rは、
から選択され、ここで
、Z、Z、Z、およびZの各々は、独立して、CRまたはNであり、ここでZ、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、Nであり;
、Y、およびYの各々は、独立して、CH、CR、N、NR、またはOであり、ここでY、Y、およびYのうちの少なくとも1つは、N、NR、またはOであり;そして---は、結合または非存在であるが、ただし
a)Z、Z、Z、Z、およびZのうちの3つ以下がNであり;
b)Rは、3個以下のRの存在で置換され;
c)YまたはYのうちのいずれかが−O−である場合、---は、非存在であり;そして
d)---が結合である場合、Yは、N、CH、またはCRであり、そしてYは、N、CH、またはCRである。
さらなる実施形態では、Rは、
から選択され;そしてRは、−HまたはC1−6アルキルである。
別の実施形態では、Rは、
から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである。
本発明の別の局面は、式I−Aの化合物:
またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで
は、
であり;
10およびR11の各々は、−H、−Cl、−F、−C1−6アルキル、−O(C1−3アルキル)−フェニル、−BOC、またはN、O、もしくはSから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環から独立して選択され、ここで該C1−6アルキルまたは該単環式環は、0〜3個のR13で置換されるか;あるいは
10、R11、およびこれらが結合する炭素原子は、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環を形成し、ここで該単環式環は、0〜2個のR13で置換され;そして
各R13は、独立して、ハロまたはC1−3アルキルであるが、ただし:
10が、−Hである場合、R11は−Hではない。
一部の実施形態では、前記式I−Aの化合物は、式I−A1の化合物:
である。
一つの局面では、本発明は、式I−A1の化合物を提供し、ここで、Rは、
であり、R10は、−F、−CF
、−BOC、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルからなる群より選択され、ここでR15は、−H、または−C1−3アルキルである。
別の実施形態では、式I−A1の化合物が提供され、ここで、Rは、
であり、R11は、−F、−CF
、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルから選択され、ここでR15は、−H、−BOC、または−C1−3アルキルである。
別の実施形態では、式I−A1の化合物が提供され、ここで、Rは、以下からなる群:
より選択され、ここでR16は、−Hまたは−C1−3アルキルである。
本発明の別の局面は、式I−Bの化合物:
またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで
は、
であり;
、X、およびXの各々は、独立して、CH、CRまたはNであり、ここでRは、1〜3個のRの存在で置換され;
各Rは、−H、−N(C1−4アルキル)、C1−6アルキル、またはN、O、もしくはSから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環から独立して選択され、ここで該C1−4アルキル、該C1−6アルキルまたは該単環式環は、0〜2個のRで置換されるか;あるいは
2個のRの存在は、これらが結合する炭素原子と一緒になって、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環を形成し、ここで該単環式環は、0〜2個のRで置換され;
各Rは、独立して、−L−Rであり;
各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−6脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、または−NRC(O)O−によって必要に応じてかつ独立して置き換えられ;
各Rは、R、ハロ、−CF、または−BOCから独立して選択され;そして
各Rは、−H、C1−3アルキル、またはフェニルから独立して選択されるが、ただし
a)XがNである場合、Xは、CHまたはCRであり;そして
b)XがNである場合、Xは、CHまたはCRである。
本発明の別の局面では、前記式I−Bの化合物は、式I−B1の化合物:
である。
一部の実施形態では、式I−B1の化合物が記載され、ここで、Rは、
から選択され、ここでRは、−N(C1−4アルキル)、−C1−6アルキル、フェニル、ピペラジニル、ピペリジニル、またはモルホリニルから選択され、ここで該C1−4アルキル、C1−6アルキル、フェニル、ピペラジニル、ピペリジニル、またはモルホリニルのうちのいずれかは、2個までのRの存在で必要に応じて置換され;そして
各Rは、ハロ、−CF、C1−6アルキル、または−C(O)−O−(C1−6アルキル)から独立して選択される。
別の実施形態では、式I−B1の化合物が記載され、ここで、Rは、
から選択され、ここでRは、−Hまたは−C1−4アルキルである、請求項91または92のいずれかに記載の化合物。
一部の実施形態では、式I−B1の化合物が記載され、ここで、Rは、
であり、Rは、C3−7シクロ脂肪族である。
本発明の別の局面において、化合物が記載され、その化合物は、以下の表1の中に列挙される化合物から選択される。
本発明の別の局面では、本明細書で開示される化合物のうちのいずれか1つおよび薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクル、またはアジュバントを含む薬学的組成物。
本発明の別の局面では、患者において真菌感染を処置するための方法が記載され、該方法は、有効量の本明細書に開示される化合物のいずれか1つに従う化合物または本明細書に開示される薬学的組成物を投与する工程を包含する。いくつかの場合において、真菌感染は、Aspergillus、Candida、Cryptococcus、Coccidiodes、Issatchenkia、Saccharomyces、Emericella、またはTrichophytonから選択される真菌によって引き起こされる感染である。
本発明の別の局面では、生物学的サンプル中の真菌の数を減少させる方法が記載され、該方法は、有効量の本明細書に開示される化合物または本明細書に開示される薬学的組成物を投与する工程を包含する。さらなる実施形態において、本明細書で開示される化合物は、生物学的サンプル中の真菌の数を減少させる方法において使用され、ここでその真菌は、Aspergillus、Candida、Cryptococcus、Coccidiodes、Issatchenkia、Saccharomyces、Emericella、Coccidiodes、またはTrichophytonから選択される。
IV.使用、製剤、および投与
なお別の局面において、本発明は、上記で記載されるような1種もしくはこれより多くの新規化合物、または1種もしくはこれより多くのこれらの新規化合物を含む薬学的組成物を、好ましくは、必要性のある哺乳動物に投与する工程を包含する感染を処置する方法を提供する。
なお別の実施形態によれば、本発明は、感染を処置するかまたはその重篤度を軽減する方法を提供する。
本発明の別の局面は、生物学的サンプルまたは患者において(例えば、インビトロでまたはインビボで)感染を処置することに関し、上記方法は、患者に上記のとおりの新規化合物を含む薬学的組成物を投与する工程、または上記生物学的サンプルと上記のとおりの新規化合物を含む薬学的組成物とを接触させる工程を包含する。用語「生物学的サンプル」には、本明細書で使用される場合、哺乳動物から得られる生検材料またはその抽出物の細胞培養物または抽出物;および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙液、または他の体液またはこれらの抽出物が含まれるが、これらに限定されない。
A.薬学的組成物
上記のように、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、もしくはビヒクルをさらに含み、上記キャリア、アジュバント、もしくはビヒクルとしては、本明細書で使用される場合、所望の特定の投与形態に適している場合、全ての溶媒、希釈剤、もしくは他の液体ビヒクル、分散物(例えば、スプレー乾燥分散物)もしくは懸濁補助物質、界面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤などが挙げられる。Remington’s Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980)は、薬学的に受容可能な組成物を製剤するにあたって使用される種々のキャリアおよびその調製のための公知の技術を開示する。任意の従来のキャリア媒体が、例えば、いかなる望ましくない生物学的効果をもたらすことによって、さもなければ、有害な様式において、上記薬学的に受容可能な組成物の任意の他の成分と相互作用することによって、本発明の化合物と配合禁忌である限りを除いて、その使用は、本発明の範囲内にあると企図される。薬学的に受容可能なキャリアとして働き得る物質のいくつかの例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝化物質(例えば、ホスフェート、グリシン、ソルビン酸、もしくはソルビン酸カリウム)、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩もしくは電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、羊毛脂、糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);粉末化トラガカントガム;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、カカオ脂および坐剤用ワックス);油(例えば、ラッカセイ油、綿実油;サフラワー油;胡麻油;オリーブ油;コーン油および大豆油);グリコール(例えば、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコール);エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天;緩衝化剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質非含有水;等張性生理食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝溶液、ならびに他の非毒性の適合性滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)が挙げられるが、これらに限定されないだけでなく、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、矯味矯臭剤および芳香剤、保存剤および抗酸化剤もまた、処方者の判断に従って、上記組成物中に存在し得る。
本発明によれば、上記化合物もしくは薬学的に受容可能な組成物の「有効量」は、感染(例えば、真菌感染)を処置するかもしくはその重篤度を軽減するのに有効な量である。
上記薬学的組成物は、本発明によれば、感染を処置するかもしくはその重篤度を軽減するのに有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。
必要とされる正確な量は、被験体の種、年齢、および全身的な健康状態、感染の重篤度、特定の剤、その投与様式などに依存して、被験体ごとに変わる。本発明の化合物は、好ましくは、投与の容易さおよび投与量の均一性のために、単位投与形態において製剤される。表現「単位投与形態」とは、本明細書で使用される場合、処置されるべき患者に適した剤の物理的に別個の単位をいう。しかし、本発明の化合物および組成物の総一日使用量が、妥当な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解される。任意の特定の患者もしくは生物に関する特定の有効用量レベルは、処置されている障害および上記障害の重篤度;使用される特定化合物の活性;使用される特定の組成物;上記患者の年齢、体重、全身的な健康状態、性別および食事;投与時間、投与経路、および使用される具体的化合物の排出速度;処置の継続期間;上記使用される具体的化合物と組み合わせてもしくはこれと同時に使用される薬物、および医療分野において公知の同様の因子を含む種々の因子に依存する。用語「患者」は、本明細書で使用される場合、動物(例えば、哺乳動物)、より具体的には、ヒトを意味する。
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、処置されている感染の重篤度に依存して、ヒトおよび他の動物に、経口的に、直腸に、非経口的に、大槽内に(intracistemally)、膣内に、腹腔内に、局所に(散剤、軟膏、もしくは液滴によるように)、口内に、経口もしくは鼻スプレーなどとして投与され得る。特定の実施形態において、上記本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日あたり、1日に1回以上、約0.01mg/kg被験体体重〜約50mg/kg被験体体重および好ましくは、約1mg/kg被験体体重〜約25mg/kg被験体体重の投与量レベルにおいて、経口的にもしくは非経口的に投与され得る。あるいは、本発明の化合物は、10mg/kg〜約120mg/kgの間の投与量レベルにおいて、経口的にもしくは非経口的に投与され得る。
経口投与のための液体投与形態としては、薬学的に受容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁物、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。上記活性化合物に加えて、上記液体投与形態は、当該分野で一般に私用される不活性希釈剤(例えば、水もしくは他の溶媒、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油および胡麻油))、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤の他に、上記経口組成物はまた、補助物質(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤)を含み得る。
注射用調製物(例えば、無菌注射用水性もしくは油性懸濁物)は、適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤を使用して、公知の技術に従って製剤され得る。上記無菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤もしくは溶媒中の無菌注射用溶液、懸濁物もしくはエマルジョン(例えば、1,3−ブタンジオールの溶液として)であり得る。使用され得る上記受容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル溶液(米国局方)、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒もしくは懸濁媒体として従来通りに使用される。この目的で、任意の刺激の強くない不揮発性油が使用され得る(合成のモノグリセリドもしくはジグリセリドが挙げられる)。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は、注射可能物の調製において使用される。
上記注射用処方物は、例えば、細菌保持フィルタを通す濾過によって、または使用前に、滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体中に溶解もしくは分散され得る滅菌固体組成物の形態において、殺菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
本発明の化合物の効果を長期化するために、皮下注射もしくは筋肉内注射からの上記化合物の吸収を遅らせることは、しばしば望ましい。これは、水溶性の乏しい結晶性もしくは無定形の物質の液体懸濁物の使用によって達成され得る。上記化合物の吸収速度は、次に、その分解速度に依存し、続いて、上記分解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与される化合物形態の遅延吸収は、上記化合物を油ビヒクル中に溶解もしくは懸濁させることによって達成される。注射用デポー形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)中に上記化合物の微小被包されたマトリクスを形成することによって作製される。化合物対ポリマーの比および使用される特定ポリマーの性質に依存して、上記化合物の放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用処方物はまた、体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に上記化合物を捕捉することによって調製される。
直腸投与もしくは膣投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物と適切な非刺激性の賦形剤もしくはキャリア(例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコールもしくは坐剤用ワックス(これは、周囲温度で固体であるが、体温では液体であるので、直腸もしくは腟の内腔において融解し、上記活性化合物を放出する)とを混合することによって調製され得る坐剤である。
経口投与のための固体投与形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固体投与形態において、上記活性化合物は、少なくとも1種の不活性な、薬学的に受容可能な賦形剤もしくはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウムおよび/またはa)充填剤もしくは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアガム)、c)保湿剤(humectant)(例えば、グリセロール)、d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカのデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、および炭酸ナトリウム)、e)溶解遅延剤(solution retarding agent)(例えば、パラフィン)、f)吸収促進剤(例えば、第四級アンモニウム化合物)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート)、h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ)、ならびにi)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物)と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、上記投与形態はまた、緩衝化剤を含み得る。
類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトースもしくは乳糖のような賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、軟質充填ゼラチンカプセルおよび硬質充填ゼラチンカプセルとして使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤という上記固体投与形態は、腸溶性コーティングおよび薬剤処方分野において周知の他のコーティングのようなコーティングおよび殻とともに調製され得る。それらは、乳白剤を必要に応じて含んでもよく、また、それらは、上記活性成分を、必要に応じて遅延様式で、腸管の特定の部分のみで放出するか、または腸管の特定の部分で優先的に放出する組成のものでもあり得る。使用され得る埋め込み組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む:類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトースもしくは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質充填ゼラチンカプセルおよび硬質充填ゼラチンカプセル中に充填剤として使用され得る。
上記活性化合物はまた、上記のように、1種以上の賦形剤とともに微小被包された形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤という上記固体投与形態は、腸溶性コーティング、放出制御コーティングおよび薬剤処方分野において周知の他のコーティングのようなコーティングおよび殻とともに調製され得る。このような固体投与形態において、上記活性化合物は、少なくとも1種の不活性希釈剤(例えば、スクロース、ラクトースもしくはデンプン)と混合され得る。このような投与形態はまた、通常の実施と同じように、不活性希釈剤以外のさらなる物質(例えば、錠剤形成滑沢剤(tableting lubricant)および他の錠剤形成補助物質(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロース)を含み得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合において、上記投与形態はまた、緩衝化剤を含み得る。それらは、乳白剤を必要に応じて含んでもよく、また、それらは、上記活性成分を、必要に応じて遅延様式で、腸管の特定の部分のみで放出するか、または腸管の特定の部分で優先的に放出する組成のものでもあり得る。使用され得る埋め込み組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。
本発明の化合物の局所投与もしくは経皮投与のための投与形態としては、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル、散剤、液剤、スプレー、吸入剤もしくはパッチが挙げられる。上記活性成分は、薬学的に受容可能なキャリアおよび任意の必要とされる保存剤もしくは必要とされ得る場合、緩衝物質とともに、無菌条件下で混合される。眼用処方物、点耳剤および点眼剤もまた、本発明の範囲内にあると企図される。さらに、本発明は、経皮的パッチの使用を企図し、上記パッチは、身体への化合物の制御された送達を提供するという追加の利点を有する。このような投与形態は、上記化合物を適切な媒体中に溶解もしくは分散させることによって調製される。吸収増強剤はまた、皮膚を横断する上記化合物のフラックスを増大させるために使用され得る。その速度は、速度制御膜を提供するか、または上記化合物をポリマーマトリクスもしくはゲル中に分散させるかのいずれかによって、制御され得る。
本発明の化合物および薬学的に受容可能な組成物が、併用療法において使用され得る。すなわち、上記化合物および薬学的に受容可能な組成物が、1種以上の他の所望の治療剤もしくは医療手順と同時に、その前に、もしくはその後に投与され得ることもまた、認識される。組み合わせレジメンにおいて使用するための特定の療法(治療剤もしくは手順)の組み合わせは、所望の治療剤および/もしくは手順の適合性ならびに達成される所望の治療効果を考慮にいれる。上記使用される療法が、同じ障害について所望の効果を達成し得る(例えば、本発明の化合物が、同じ障害を処置するために使用される別の剤と同時に投与され得る)か、またはそれらが異なる効果(例えば、任意の有害作用の制御)を達成し得ることもまた、認識される。本明細書で使用される場合、特定の疾患、もしくは状態を処置もしくは予防するために通常投与されるさらなる治療剤は、「処置されている疾患もしくは状態に適切」であると知られる。
本発明の組成物中に存在するさらなる治療剤の量は、唯一の活性剤としてその治療剤を含む組成物において通常投与される量以下である。好ましくは、ここで開示される組成物中のさらなる治療剤の量は、唯一の治療上活性な剤としてその剤を含む組成物中に通常存在する量のうちの約50%〜100%の範囲に及ぶ。
本発明の化合物もしくはその薬学的に受容可能な組成物はまた、移植可能な医療用デバイス(例えば、補綴物、人工弁、血管移植片、ステントおよびカテーテル)をコーティングするための組成物の中に組み込まれ得る。よって、本発明は、別の局面において、移植可能なデバイスをコーティングするための組成物を包含し、この組成物は、上で全般的に記載されるとおりの、ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラスの本発明の化合物と、上記移植可能なデバイスをコーティングするのに適したキャリアを含む。なお別の局面において、本発明は、組成物でコーティングされた移植可能なデバイスを包含し、この組成物は、上で全般的に記載されるとおりの、ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラスの本発明の化合物と、上記移植可能なデバイスをコーティングするのに適したキャリアを含む。コーティングされた移植可能なデバイスの適切なコーティングおよび一般的な調製は、米国特許第6,099,562号;同第5,886,026号;および同第5,304,121号(これらの各々は、参考として援用される)に記載される。上記コーティングは、代表的には、生体適合性ポリマー材料(例えば、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレンビニルアセテート、およびこれらの混合物)である。上記コーティングは、必要に応じて、上記組成物において制御放出特徴を付与するために、フルオロシリコーン、ポリサッカリド、ポリエチレングリコール、リン脂質もしくはこれらの組み合わせの適切なトップコートによってさらに覆われ得る。
V.ABA誘導体の合成法
本明細書で記載される化合物は概して、米国特許第8,906,848号(これはその全体において本明細書に参考として援用される)に示される反応スキームに従って合成される。例えば、本発明の化合物は概して、以下の反応スキームに従って合成される:
スキーム1:
スキーム1では、AbAは、連続したホウ素化、ハロゲン化、および任意選択のクロスカップリング反応を受けて、Pheおよび/またはMePheのフェニル部分のメタ位またはパラ位において置換された式I−P1の化合物を(メタ異性体:パラ異性体がおよそ2:1比において)生じる。
本明細書で記載される発明が、より十分に理解され得るように、以下の実施例が記載される。これら実施例が例示目的に過ぎず、本発明を限定するとは如何様にしても解釈されるべきでないことが、理解されるべきである。
VI.実施例
実施例1:分析化学
実施例2〜34に記載される化学合成からの生成物を、以下に記載される方法を使用して位置異性体のさらなる精製または分離をせずに特徴付けした。
HPLC分析:
HPLC分析を、Zorbax Eclipse XDB−C18 50×4.6mm 1.8ミクロンカラムを備えたAgilent 1100 HPLCを使用して行った。2種の溶媒を使用した:溶媒Aは、水(0.1% TFA)であった;そして溶媒Bは、アセトニトリル(0.07% TFA)であった。勾配は、5分間 95%溶媒Aから95%溶媒B;1分間保持;1分間リサイクル;30秒間保持であった。UV検出を、参照物質なしで210nmおよび254nmにおいて行った。天然のAbAを、このクロマトグラフィーの内部標準物質として使用した。
質量分析:
質量分析法を、エレクトロスプレーイオン化、750〜2000amuを使用し、サンプルはサンプルループを通じて直接注入して、HPLCカラムを通過させずに、Waters ZQ質量分析計を使用して行った。
ESI−MSを、実施例2〜34の合成生成物(AbA誘導体)に関して行った。
表2は、実施例2〜34の合成生成物(AbA誘導体)のHPLCおよび質量分析法の分析結果を提供する。
NMR:
Bruker Avance 400 MHz機器を使用してH NMR分析を行った。全サンプル分析を、CDClにおいて行った。実施例2〜34の合成生成物(AbA誘導体)のH NMRスペクトルを、図1〜33に提供する。
化合物番号1〜33の合成:
スキーム2は、表1中の化合物番号1〜33を合成するために使用される合成経路を示す。
スキーム2:
方法A:
AbAヨウ化物(3−1)(75〜100mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.2当量)、ボロン酸またはピナコールエステルとしてのカップリング試薬(2〜6当量)、および炭酸セシウム(3〜6当量)を、10mL シュレンク装置の中で合わせた。その装置を真空にし、乾燥窒素を3回充填した。トルエン(2mL)および水中の0.6M エタノール(0.25mL)を添加した。その得られた混合物に、乾燥窒素を1分間散布し、次いで、迅速に撹拌しながら80℃へと加熱し、その反応物をHPLC分析によってモニターした。反応が完了した後、その混合物を冷却し、トルエンおよび/または酢酸エチルと水との間で分配した。層を分離し、その有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、Magnesol濾過媒体を通して濾過し、溶媒を真空中で除去した。その残渣を逆相クロマトグラフィー(C18シリカゲル、0.1%v/v TFAを有する95% 水から0.07%v/v TFAを有する95% アセトニトリル)によって精製して、所望の生成物を得た。
方法B:
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1:1)で置き換えて、方法Aを使用した。
方法C:
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1:1)で置き換え、炭酸セシウムを炭酸カリウムで置き換えて、方法Aを使用し、10% 水を有する1,4−ジオキサンで、トルエンおよび含水エタノールを置き換えた。
実施例2:化合物番号1
方法Aを使用して、化合物3−1(101mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(15%mol)、炭酸セシウム(3.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−フルオロフェニルボロン酸(3.6当量)とカップリングして、化合物番号1を得た。
実施例3:化合物番号2
方法Aを使用して、化合物3−1(79mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(14%mol)、炭酸セシウム(3.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して3,4−ジクロロフェニルボロン酸(3.5当量)とカップリングして、45%の収率で化合物番号2を得た。
実施例4:化合物番号3
方法Aを使用して、化合物3−1(79mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(16%mol)、炭酸セシウム(3.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(3.7当量)とカップリングして、44%の収率で化合物番号3を得た。
実施例5:化合物番号4
方法Aを使用して、化合物3−1(76mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(18%mol)、炭酸セシウム(3.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(3.7当量)とカップリングして、24%の収率で化合物番号4を得た。
実施例6:化合物番号5
方法Aを使用して、化合物3−1(77mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(17%mol)、炭酸セシウム(3.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して2−ナフチルボロン酸(3.5当量)とカップリングして、61%の収率で化合物番号5を得た。
実施例7:化合物番号6
方法Aを使用して、化合物3−1(101mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(18%mol)、炭酸セシウム(4当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して6−イソキノリンボロン酸ピナコールエステル(4当量)とカップリングして、32%の収率で化合物番号6を得た。
実施例8:化合物番号7
方法Aを使用して、化合物3−1(77mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(14%mol)、炭酸セシウム(6.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して3−フルオロフェニルボロン酸(4.1当量)とカップリングして、59%の収率で化合物番号7を得た。
実施例9:化合物番号8
方法Cを使用して、化合物3−1(108mg)を、10%水(1.3mL)とともに[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1:1)(13%mol)、炭酸カリウム(3当量)、および1,4−ジオキサンを使用して4−(9H−カルバゾール)フェニルボロン酸ピナコールエステル(4当量)とカップリングして、64%の収率で化合物番号8を得た。
実施例10:化合物番号9
方法Aを使用して、化合物3−1(78mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(19%mol)、炭酸セシウム(3.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して1−ナフチルボロン酸(4当量)とカップリングして、26%の収率で化合物番号9を得た。
実施例11:化合物番号10
方法Aを使用して、化合物3−1(83mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(19%mol)、炭酸セシウム(4当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して7−キノリンボロン酸ピナコールエステル(5当量)とカップリングして、39%の収率で化合物番号10を得た。
実施例12:化合物番号11
方法Aを使用して、化合物3−1(81mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(13%mol)、炭酸セシウム(4当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して2−(4−メチルピペリジン−1−イル)ピラジンボロン酸ピナコールエステル(4当量)とカップリングして、58%の収率で化合物番号11を得た。
実施例13:化合物番号12
方法Aを使用して、化合物3−1(81mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(13%mol)、炭酸セシウム(4当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−(1−シクロペンチル)−ピラゾールボロン酸ピナコールエステル(5当量)とカップリングして、57%の収率で化合物番号12を得た。
実施例14:化合物番号13
方法Aを使用して、化合物3−1(77mg)を、水(0.25mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(14%mol)、炭酸セシウム(3当量)、トルエン(1.5mL)、および0.6Mエタノールを使用して[4−(ベンジルオキシ)フェニル]ボロン酸(4当量)とカップリングして、78%の収率で化合物番号13を得た。
実施例15:化合物番号14
方法Aを使用して、化合物3−1(77mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(14%mol)、炭酸セシウム(6当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−(1−メチル−1H−インダゾール)ヒドロクロリドボロン酸ピナコールエステル(4当量)とカップリングして、38%の収率で化合物番号14を得た。
実施例16:化合物番号15
方法Bを使用して、化合物3−1(97.1mg)を、水(0.323mL)中のPd(dppf)Cl・CHCl(21%mol)、炭酸セシウム(5.5当量)、トルエン(2.0mL)、および0.6Mエタノールを使用して[2−(4−メチルピペラジン−1−イル−ピリジン−4−イル]ボロン酸(4.6当量)とカップリングして、31%の収率で化合物番号15を得た。
実施例17:化合物番号16
方法Aを使用して、化合物3−1(78mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(17%mol)、炭酸セシウム(4当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−(2−イソプロピル)ピリジンボロン酸ピナコールエステル(6当量)とカップリングして、39%の収率で化合物番号16を得た。
実施例18:化合物番号17
方法Aを使用して、化合物3−1(82mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(17%mol)、炭酸セシウム(4.5当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して7−イソキノリンボロン酸(4.5当量)とカップリングして、35%の収率で化合物番号17を得た。
実施例19:化合物番号18
方法Aを使用して、化合物3−1(82mg)を、水(0.3mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(16%mol)、炭酸セシウム(4.5当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して6−キノリンボロン酸(4.5当量)とカップリングして、38%の収率で化合物番号18を得た。
実施例20:化合物番号19
方法Bを使用して、化合物3−1(97mg)を、水(0.3mL)中の[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1:1)(22%mol)、炭酸セシウム(5当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェニルボロン酸(4当量)とカップリングして、46%の収率で化合物番号19を得た。
実施例21:化合物番号20
方法Bを使用して、化合物3−1(104mg)を、水(0.3mL)中の[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1:1)(17%mol)、炭酸セシウム(5当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して5−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)]ピペリジンボロン酸ピナコールエステル(4当量)とカップリングして、31%の収率で化合物番号20を得た。
実施例22:化合物番号21
方法Bを使用して、化合物3−1(104mg)を、水(0.3mL)中の[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1:1)(17%mol)、炭酸セシウム(5当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−(2−モルホリノ)ピリジンボロン酸ピナコールエステル(4当量)とカップリングして、47%の収率で化合物番号21を得た。
実施例23:化合物番号22
方法Bを使用して、化合物3−1(104mg)を、水(0.3mL)中の[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1:1)(17%mol)、炭酸セシウム(5当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−(2−ジメチルアミノ)ピリジンボロン酸ピナコールエステル(4当量)とカップリングして、74%の収率で化合物番号22を得た。
実施例24:化合物番号23
方法Bを使用して、化合物3−1(104mg)を、水(0.31mL)中のPd(dppf)Cl・CHCl(17%mol)、炭酸セシウム(5.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−[2−(4−メチルピペリジン−1−イル)]−ピリジンボロン酸ピナコールエステル(4.0当量)とカップリングして、53%の収率で化合物番号23を得た。
実施例25:化合物番号24
方法Bを使用して、化合物3−1(104mg)を、水(0.31mL)中のPd(dppf)Cl・CHCl(17%mol)、炭酸セシウム(5.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して5−(2−モルホリノ)ピリジルボロン酸(4.0当量)とカップリングして、45%の収率で化合物番号24を得た。
実施例26:化合物番号25
方法Bを使用して、化合物3−1(104mg)を、水(0.31mL)中のPd(dppf)Cl・CHCl(17%mol)、炭酸セシウム(5.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−(4−イソプロピルピペリジニル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(4.0当量)とカップリングして、28%の収率で化合物番号25を得た。
実施例27:化合物番号26
方法Bを使用して、化合物3−1(104mg)を、水(0.31mL)中のPd(dppf)Cl・CHCl(17%mol)、炭酸セシウム(5.0当量)、トルエン(2mL)、および0.6Mエタノールを使用して5−[2−(4−Boc−ピペリジン−1イル)]ピリジンボロン酸(4.0当量)とカップリングして、41%の収率で化合物番号26を得た。
実施例28:化合物番号27
方法Bを使用して、化合物3−1(85mg)を、水(0.25mL)中のPd(dppf)Cl・CHCl(21%mol)、炭酸セシウム(4.0当量)、トルエン(1.5mL)、および0.6Mエタノールを使用して3−キノリンボロン酸(4.5当量)とカップリングして、55%の収率で化合物番号27を得た。
実施例29:化合物番号28
方法Bを使用して、化合物3−1(83mg)を、水(0.25mL)中のPd(dppf)Cl・CHCl(22%mol)、炭酸セシウム(4.5当量)、トルエン(1.5mL)、および0.6Mエタノールを使用して5−キノリンボロン酸(4.5当量)とカップリングして、53%の収率で化合物番号28を得た。
実施例30:化合物番号29
方法Bを使用して、化合物3−1(82mg)を、水(0.25mL)中のPd(dppf)Cl・CHCl(25%mol)、炭酸セシウム(4.7当量)、トルエン(1.5mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−イソキノリンボロン酸(5.0当量)とカップリングして、63%の収率で化合物番号29を得た。
実施例31:化合物番号30
化合物番号26(163.7mg)をジクロロメタン(2.0mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.40mL)を添加した。その反応物を軽く蓋をして、撹拌し、HPLCによってモニターした。反応完了時に、反応混合物を2mL 飽和炭酸水素ナトリウムの上に注ぎ、2mL 酢酸エチルを添加した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、化合物番号30(78%)を得た。
実施例32:化合物番号31
方法Bを使用して、ABA−I(117mg)を、水(0.33mL)中のPd(dppf)Cl・CHCl(13%mol)、炭酸セシウム(4.7当量)、トルエン(2.0mL)、および0.6Mエタノールを使用して4−(4−イソプロピルピペリジニル)フェニルボロン酸(5.4当量)とカップリングして、8%の収率で化合物番号31を得た。
実施例33:化合物番号32
化合物番号30 化合物番号32
化合物番号30(93.9mg)、EDC(1.16当量)、およびHOBT・HO(1.21当量)を、N,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)中に、超音波処理しながら溶解した。酢酸(1.2当量)を添加し、透明な淡黄色の溶液を室温においておよそ3.5時間撹拌した。酢酸(6.0当量)、HOBT・HO(4.83当量)、およびEDC(5.0当量)の別の部分を添加し、反応をHPLCによってモニターした。完了した後、その反応物を濃縮し、クロマトグラフィーを行った(逆相クロマトグラフィー、水(0.1%v/v TFA)中の40%から100% ACN(0.07%v/v TFA))。同様の画分を合わせ、炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、化合物番号32を92%収率で得た。
実施例34:化合物番号33
方法Bを使用して、化合物3−1(103mg)を、水(0.33mL)中のPd(dppf)Cl・CHCl(11%mol)、炭酸セシウム(5.0当量)、トルエン(2.0mL)、および0.6Mエタノールを使用して6−[2−(4−メチルピペリジン−1−イル)]−ピリジンボロン酸ピナコールエステル(4.0当量)とカップリングして、23%の収率で化合物番号33を得た。
実施例35:AbA誘導体の抗真菌活性
実施例2〜34に記載される化学合成からの生成物を、以下に記載される方法を使用して、位置異性体のさらなる精製または分離を行わずに陰性コントロールとしてアンホテリシンBを使用するインビトロのアッセイを使用して、位置異性体のさらなる精製または分離を行わずにいくつかの真菌株に対する抗菌活性に関してアッセイした。
材料および方法
試験化合物
オーレオバシジンおよび試験化合物(すなわち、本発明のAbA誘導体)を、Kalexsyn, Inc.(Kalamazoo, MI)から粉末として受け取り、アッセイの日まで4℃において貯蔵した。陰性コントロールであるアンホテリシンを、Sigma Aldrichから得、同様の条件下で貯蔵した。最小阻害濃度(MIC)アッセイにおけるその試験化合物濃度範囲は、表3に示されるとおり、0.002〜64μg/mLであった。エタノール(95%)を、全AbA化合物のための溶媒および希釈剤として使用した。アンホテリシンBを、0.06〜64μg/mLで試験した。アンホテリシンB(Sigma Aldrich; St. Louis, MO; カタログ番号A9528−100MG, ロット番号120M4087)をジメチルスルホキシド(DMSO; Sigma Aldrich; St. Louis, MO; カタログ番号472301 ロット番号SHBD2072V)で溶解および希釈した。
溶媒を試験薬剤に添加し、ストック溶液を使用する前におよそ1時間室温に静置して、自動滅菌(auto sterilize)した。ストック溶液を、試験プレートの中で所望の最高濃度の40×に調製した。
試験単離株の全てを、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)、臨床検査室、またはAureogen Biosciencesから直接のいずれかから、始めに受け取った。Micromyxによって貯蔵された生物を、各生物に適した寒天培地上で培養した。分離プレートから綿棒でコロニーを拾い上げ、凍結防止物質を含む適切なブロス中に懸濁した。その懸濁物を、クライオジェニックバイアルへとアリコートに分け、−80℃で維持した。
試験する前に、Candida単離株を、凍結したバイアルからサブローデキストロース寒天上に画線培養した。その酵母単離株を、使用前に48時間35℃でインキュベートした。その真菌単離株を、Micromyxにおいて事前に調製し、4℃においてリン酸緩衝食塩水中で貯蔵した数え上げた真菌ストックから得た。
試験培地。MICアッセイに使用した培地は、HyClone Laboratories(Logan, UT; ロット番号AYB60287A)のRPMI−1640培地であった。その培地を、Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)ガイドライン(1、2)に従って調製し、0.002% Tween−80を含むように改変した。Candida parapsilosis ATCC 22019(MMX 2323)およびAspergillus fumigatus ATCC MYA−3626(MMX 5280)を、Tween−80なしでも試験して、CLSI(3)に従ってアンホテリシンBの定性コントロールのデータを提供し、試験薬剤の活性に対するTween−80の影響を評価した。
試験手順。MICアッセイ法は、CLSI(1、2)によって記載される手順に倣い、自動化液体取り扱い機を使用して、系列希釈および液体移動を行った。自動化液体取り扱い機は、Multidrop 384(Labsystems, Helsinki, Finland)、Biomek 2000およびBiomek FX(Beckman Coulter, Fullerton CA)を含んだ。標準的な96ウェルマイクロ希釈プレート(Costar 3795)中の第2列〜第12列のウェルに、150μlの適切な希釈剤(調査する化合物については95% EtOH、アンホテリシンBについては100% DMSO)を満たした。これらのアッセイプレートを、「マザープレート」とし、このプレートからアッセイの「娘プレート」を調製した。薬物(試験プレート中で所望の最高濃度の40×において300μL)を、マザープレートの第1列の適切なウェルに分与した。Biomek 2000を使用して、「マザープレート」において第11列まで2倍系列希釈を作製した。第12列のウェルは、薬物を含まず、生物増殖コントロールウェルとして供した。
娘プレートに、2種のQC単離株の試験のために、Multidrop 384上に185μL/ウェルでRPMI+0.002% Tween−80またはTween−80を含まないRPMIを載せた。娘プレートを、Biomek FX機器上に準備し、マザープレートの各ウェルから、各娘プレートの各対応するウェルへと1工程で5μLの薬物溶液を移した。
各生物の標準化接種物を、CLSI法(1、2)に従って調製した。Candida単離株に関しては、コロニーを画線培養プレートから拾い上げ、0.5マクファーランド濁度標準に等しくなるようにRPMI中に懸濁物を調製した。この懸濁物を、RPMI中で1:100希釈したところ、およそ0.5〜2.5×10 CFU/mLの最終濃度を生じた。Aspergillus単離株に関しては、事前に決定した芽胞数(CFU/mL)に基づいて、懸濁物をRPMI中に希釈し、その結果、接種後におよそ0.2〜2.5×10 CFU/mLの最終濃度が達成された。各生物の接種物を、長さで分割した滅菌レザバ(Beckman Coulter)へと分与し、Biomek 2000を使用して、プレートに接種した。接種が低薬物濃度から高薬物濃度まで行われるように、娘プレートを、裏返しにしてBiomek 2000作業表面に置いた。Biomek 2000は、10μLの標準化接種物を各ウェルに送達した。従って、その娘プレートのウェルは最終的に、185μLのブロス、5μLの薬物溶液、および10μLの接種物を含んだ。
プレートを、3段に積み重ね、一番上のプレートを蓋で覆い、プラスチックバッグの中に入れ、35℃でインキュベートした。Candida単離株を、24時間インキュベーション後に、および48時間で再び読み取った。そのAspergillusプレートを読み取る前に48時間、インキュベートした。
そのマイクロプレートを、プレートビューワーを使用して底から見た。各マザープレートに関して、非接種溶解度コントロールプレートを、薬物沈殿の証拠のために観察した。MICを読み取り、生物の目に見える増殖を阻害した薬物の最低濃度として記録した。増殖コントロールウェルにおいて認められる菌糸成長と比較して、小さな丸い密集した菌糸形態へと成長がシフトしたMECを読み取った。
化合物沈殿を、Tween−80ありおよびなしで試験したときの全ての試験化合物に関して注記した。明瞭な沈殿を、試験化合物の高濃度で注記した。しかし、これらの高濃度での溶解度の欠如は、MIC/MECエンドポイントを読み取る能力に影響を及ぼさなかった。
全ての試験薬物に関する最小阻害濃度(MIC)および最小有効濃度(MEC)の値を、表4〜13に示す。
CLSI QC範囲を括弧の中に示す。
CLSI QC範囲を括弧の中に示す。
CLSI QC範囲を括弧の中に示す。
CLSI QC範囲を括弧の中に示す。
CLSI QC範囲を括弧の中に示す。
CLSI QC範囲を括弧の中に示す。
CLSI QC範囲を括弧の中に示す。
72時間
CLSI QC範囲を括弧の中に示す。
72時間
CLSI QC範囲を括弧の中に示す。
72時間
CLSI QC範囲を括弧の中に示す。
さらに、上記のMICアッセイ手順に従って、化合物番号25は、Coccidiodes immitusにおいて0.15μg/mlのMICを有した。
実施例36:播種性アスペルギルス症の免疫不全マウスモデルにおける化合物番号25の抗真菌効力
この研究は、免疫不全マウスモデルにおいて血行性の播種性アスペルギルス症に対する化合物番号25の効力を評価することを目的とした。化合物番号25を、位置異性体のさらなる精製または分離なしに、実施例26に記載されるように調製した。
体重が約20gの雌性CD−1マウス(Charles River Laboratories, Willmington, MA)の必要数を注文するように、Case Western Reserve UniversityのAnimal Resource Center(ARC)に依頼した。動物を、使用する前に最低5日間馴化した。動物部屋の環境制御を、温度16〜22℃、相対湿度30〜70%、および12:12 明暗サイクルを維持するように設定した。
標準接種物の調製
a.生物
Aspergillus fumigatus MRL# 21865の臨床単離株を、Culture Collection of CWRU Center for Medical Mycologyから得た。この株に対する化合物25の最小阻害濃度(MIC)を、このインビボ試験の開始前に評価して、試験化合物の活性を確認した。MIC評価のエンドポイントを、24時間および48時間での50%阻害および100%阻害において読み取った。凍結したストックから、細胞を、ポテトデキストロース寒天(PDA)プレート上で継代培養した。細胞を、0.05% Tween 80を含む滅菌食塩水を使用して採取し、遠心分離し、通常食塩水(0.85% NaCl)で3回洗浄した。1×10のチャレンジ接種物を、血球計数器を使用して調製した。
b.消耗品および装置
血球計数器 ボルテックス
滅菌コニカルチューブ 遠心分離機
セロロジカルピペット 手袋
使い捨てシリンジ セルカウンター
容量設定可能ピペット 培養プレート
顕微鏡 振盪ウォーターバス
c.試薬および培地
滅菌通常食塩水(0.85%)
クロラムフェニコール(寒天培地の0.05g/L)
ポテトデキストロース寒天(Difco Laboratories)
d.接種物数の検証
接種物数をチェックするために、A.fumigatus作業用分生子懸濁物の10倍希釈液を、PDA培地上にプレートした。そのプレートを、37℃において2〜4日間インキュベートし、コロニー数を決定した。
免疫抑制
マウスにシクロホスファミド200mg/kgを、チャレンジの3日前に静脈内投与して与えた。チャレンジの当日に、白血球計数のために各群から1匹のマウスの血液を集めて、免疫抑制を検証した。
感染
各マウスに、0.1mlの通常食塩水中の1×10 分生子を(尾静脈を介して)接種した。動物は、接種物の成功裡のIV投与および接種物確認の後に、感染したとみなした。処置の効力およびコントロール群を、真菌負荷に関しては1群あたり5匹のマウス(無作為に選択)を、および生存に関しては1群あたり10匹のマウスを使用して、組織真菌負荷および生存を指標として評価した。
処置群
感染したマウスを、以下の群へと無作為化した(1群あたり、組織腫瘍負荷に関しては5匹、および生存に関しては10匹);化合物番号25(200mg/kg)、ボリコナゾール、ビヒクル、および非処置コントロール群。
処置スケジュール
接種の2時間後に開始して、動物を経口で処置した。化合物25を、7日間の期間にわたって1日に1回投与した。その一方で、ボリコナゾール 30mg/kgを、7日間にわたって1日に2回投与した。
組織真菌負荷
マウスを、処置の最終日の1日後に屠殺した;次いで、腎臓および肺を無菌的に取り出して秤量した。組織をホモジナイズし、リン酸緩衝化食塩水で系列希釈した。そのホモジネートをPDAプレート上で2〜4日間培養して、コロニー形成単位(CFU)を決定した;組織真菌負荷を、CFU/g 組織として表した。この実験からのデータを、図34で提供する。
生存分析
感染したマウスをモニターし、病気の任意の徴候(すなわち、嗜眠、体重減少、全身的な発育阻害(general failure to thrive))、または死亡を、接種後28日間にわたって1日に2回記録した。各処置群の平均体重を、毎日記録した。飼料/飲料を摂取できない瀕死の動物を、安楽死させた。この実験からのデータを、図33に提供する。
統計分析
分析のために、平均log10 CFU±標準偏差を、得られたデータから計算し、種々の処置群間で比較した。一元配置ANOVAとボンフェローニ事後検定を、有意性を決定するのに使用した。生存における差異を、カプラン・マイアー検定を使用して比較する。全ての統計分析を、SPSS for Windows(登録商標), バージョン22.0(Chicago, IL)を使用して行った。0.05未満のP値を統計的に有意と見做した。
実施例37:化合物Xの位置異性体の抗真菌活性
図35を参照して、化合物X異性体の分取分離を、Waters XBridge BEH130 PREP C18 5μm 19×150mmカラムで行った。そのカラムを、室温(23℃)において、ボックスカー(いくつかの連続した)注入を使用して55% ACN(0.1% ギ酸を含む)の均一濃度で運転した。流速は、8.5ml/分であった。
分離した位置異性体の各々を、A.fumigatesにおける抗真菌活性に関して実施例35に記載されるようにアッセイした。化合物Xのパラ置換位置異性体は、>2.5μg/mlのMICを有した一方で、化合物Xのメタ置換位置異性体は、0.6μg/mlのMICを有した。
(他の実施形態)
本発明は、その詳細な説明と関連して記載されてきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示するものであって、限定しないと解釈されることが理解されるべきである。他の局面、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (100)

  1. 式I−P1の化合物:
    またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで
    およびRP1の各々は、水素、フェニル、ナフチル、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する9〜12員の二環式ヘテロアリールから独立して選択され、ここでRおよびRP1は、x個のRの例で各々独立してかつ必要に応じて置換され;
    xは、独立して、1、2、または3であり;
    各Rは、独立して、−L−Rであり、ここでRがフェニルまたは5〜6員の単環式ヘテロアリールである場合、少なくとも1個のRは−H以外であり;
    各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−4脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−S−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)O−、−S(O)NR−、−NRS(O)−、−C(O)NRNR−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRS(O)NR−、−S(O)−、または−S(O)−によって必要に応じてかつ独立して置き換えられ;
    各Rは、R、ハロ、または−CFから独立して選択され;
    各Rは、−H、あるいはC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系;またはN、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系から選択される必要に応じて置換された基から独立して選択され、ここで該C1−6アルキル、該単環式環、該二環式環系、または該三環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換され;
    各Rは、独立して、−L−Rであり;
    各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−6脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、または−NRC(O)O−によって必要に応じてかつ独立して置換され;そして
    各Rは、R、ハロ、−CF、またはBocから独立して選択され;
    各Rは、−H、C1−3アルキル、またはフェニルから独立して選択され;そして
    およびRP2の各々は、水素、フェニル、ナフチル、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する9〜12員の二環式ヘテロアリールから独立して選択され、ここでRおよびRP2は、x個のRの例で独立してかつ必要に応じて置換されるが、
    ただし
    i)RおよびRP1のうちの少なくとも1つは、水素であり;
    ii)RおよびRP2のうちの少なくとも1つは、水素であり;
    iii)R、R、RP1、およびRP2のうちの少なくとも1つは、水素ではなく;
    iv)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1であり、そしてR、RP1およびRP2の各々が水素である場合、Rは、クロロではなく;
    v)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1であり、そしてR、RP1、およびRP2の各々が水素である場合、Rは、置換されていないフェニルではなく;
    vi)Rがフェニルであり、xが1であり、そしてR、RP1、およびRP2の各々が水素である場合、Rは、−N(H)C(O)CHでも−C(O)NHでもなく;そして
    vii)Rがフリルまたはチオフェニルであり、xが1であり、そしてR、RP1、およびRP2の各々が水素である場合、Rは、−CHではない、
    化合物。
  2. およびRP2は、両方とも−Hである、請求項1に記載の化合物。
  3. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたフェニルである、請求項1または2のいずれかに記載の化合物。
  4. xは1であり、Rは、ハロ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルから選択され、ここで各Rは、任意の化学的に実現可能な位置において2個までのRの存在で置換される、請求項3に記載の化合物。
  5. は、ハロ、置換されていないC1−6アルキル基、ハロ置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または−O−(CH1−2フェニルから選択される、請求項3または4のいずれかに記載の化合物。
  6. は、−Cl、−F、−I、−CH、−CF、−CHCH、または−CHCFから選択される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. は、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピロール、チオフェン、フラン、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、またはピラジンから選択され、ここでRは、C1−6アルキルで置換される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  8. は、ピペリジンまたはピペラジンから選択され、そのうちのいずれかは、C1−6アルキルで必要に応じて置換される、請求項7に記載の化合物。
  9. は、
    から選択され、ここで各Rは、独立して、−HまたはC1−6アルキルである、請求項3〜5に記載の化合物。
  10. は、BOCである、請求項4に記載の化合物。
  11. xは2であり、少なくとも1個のRの存在は、ハロゲンである、請求項3に記載の化合物。
  12. xは2であり、各Rは、ハロゲンである、請求項11に記載の化合物。
  13. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたナフチルである、請求項1または2のいずれかに記載の化合物。
  14. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである、請求項13に記載の化合物。
  15. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は1〜3個の窒素原子を有する、5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここで該単環式ヘテロアリールは、x個のRの存在で置換される、請求項1または2のいずれかに記載の化合物。
  16. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、またはピリミジンから選択され、そしてxは、1または2である、請求項15に記載の化合物。
  17. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここでRは、水素、−CF、C1−6アルキル、または5〜6員のシクロ脂肪族基である、請求項16に記載の化合物。
  18. 各Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから独立して選択される、請求項17に記載の化合物。
  19. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここで各Rは、水素、C1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系であり;ここで該C1−6アルキル、該単環式環、または該二環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される、請求項16に記載の化合物。
  20. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
    であり、ここでRは、窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に怖じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環である、請求項19に記載の化合物。
  21. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
    であり、ここでRは、C1−6アルキルで必要に応じて置換されたピペリジン−1−イルである、請求項20に記載の化合物。
  22. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここで各Rは、−H、C1−6アルキル、または窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和もしくは完全不飽和の単環式環であり、ここで該単環式環は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される、請求項19に記載の化合物。
  23. は、−H、C1−4アルキル、
    から選択される、請求項22に記載の化合物。
  24. 各Rは、−H、C1−4アルキル、−N(CH、−C(O)−CH、−C(O)−CH−CH、または−C(O)−O−C(CHから独立して選択される、請求項23に記載の化合物。
  25. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、N、O、もしくはSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9〜10員の二環式へテロアリールであり、ここで該二環式へテロアリールは、x個のRの存在で置換される、請求項1または2のいずれかに記載の化合物。
  26. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここで
    、Z、Z、Z、およびZの各々は、独立して、CRまたはNであり、ここでZ、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、Nであり;
    、Y、およびYの各々は、独立して、CH、CR、N、NR、またはOであり、ここでY、Y、およびYのうちの少なくとも1つは、N、NR、またはOであり;そして---は、結合または非存在であるが、ただし
    i)Z、Z、Z、Z、およびZのうちの3つ以下がNであり;
    ii)Rは、3個以下のRの存在で置換され;
    iii)YまたはYのうちのいずれかが−O−である場合、---は、非存在であり;そして
    iv)---が結合である場合、Yは、N、CH、またはCRであり、そしてYは、N、CH、またはCRである、
    請求項25に記載の化合物。
  27. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され;ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである、請求項25に記載の化合物。
  28. およびRP1のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである、請求項25に記載の化合物。
  29. およびRP1は、両方とも−Hである、請求項1に記載の化合物。
  30. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたフェニルである、請求項1または29のいずれかに記載の化合物。
  31. xは1であり、Rは、ハロ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルから選択され、ここで各Rは、任意の化学的に実現可能な位置において2個までのRの存在で置換される、請求項30に記載の化合物。
  32. は、ハロ、置換されていないC1−6アルキル基、ハロ置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または−O−(CH1−2フェニルから選択される、請求項30または31のいずれかに記載の化合物。
  33. は、−Cl、−F、−I、−CH、−CF、−CHCH、または−CHCFから選択される、請求項30〜32のいずれか1項に記載の化合物。
  34. は、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピロール、チオフェン、フラン、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、またはピラジンから選択され、ここでRは、C1−6アルキルで置換される、請求項30〜32のいずれか1項に記載の化合物。
  35. は、ピペリジンまたはピペラジンから選択され、これのうちのいずれかは、C1−6アルキルで必要に応じて置換される、請求項34に記載の化合物。
  36. は、
    から選択され、ここで各Rは、独立して、−HまたはC1−6アルキルである、請求項30〜32に記載の化合物。
  37. は、BOCである、請求項31に記載の化合物。
  38. xは2であり、少なくとも1個のRの存在は、ハロゲンである、請求項30に記載の化合物。
  39. xは2であり、各Rはハロゲンである、請求項38に記載の化合物。
  40. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、x個のRの存在で置換されたナフチルである、請求項1または30のいずれかに記載の化合物。
  41. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである、請求項40に記載の化合物。
  42. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここで該単環式ヘテロアリールは、x個のRの存在で置換される、請求項1または30のいずれかに記載の化合物。
  43. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、またはピリミジンから選択され、そしてxは、1または2である、請求項42に記載の化合物。
  44. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
    であり、ここでRは、水素、−CF、C1−6アルキル、または5〜6員のシクロ脂肪族基である、請求項43に記載の化合物。
  45. 各Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから独立して選択される、請求項44に記載の化合物。
  46. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここで各Rは、水素、C1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系であり;ここで該C1−6アルキル、該単環式環、または該二環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される、請求項43に記載の化合物。
  47. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
    であり、ここでRは、窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環であり、そして他方は、水素である、請求項46に記載の化合物。
  48. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
    であり、ここでRは、C1−6アルキルで必要に応じて置換されピペリジン−1−イルである、請求項47に記載の化合物。
  49. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここで各Rは、−H、C1−6アルキル、または窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和もしくは完全不飽和の単環式環であり、ここで該単環式環は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される、請求項46に記載の化合物。
  50. は、−H、C1−4アルキル、
    から選択される、請求項49に記載の化合物。
  51. 各Rは、−H、C1−4アルキル、−N(CH、−C(O)−CH、−C(O)−CH−CH、または−C(O)−O−C(CHから独立して選択される、請求項50に記載の化合物。
  52. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、N、O、もしくはSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9〜10員の二環式へテロアリールであり、ここで該二環式へテロアリールは、x個のRの存在で置換される、請求項1または30のいずれかに記載の化合物。
  53. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここで
    、Z、Z、Z、およびZの各々は、独立して、CRまたはNであり、ここでZ、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、Nであり;
    、Y、およびYの各々は、独立して、CH、CR、N、NR、またはOであり、Y、Y、およびYのうちの少なくとも1つは、N、NR、またはOであり;そして---は、結合または非存在であるが、ただし
    i)Z、Z、Z、Z、およびZのうちの3つ以下は、Nであり;
    ii)Rは、3個以下のRの存在で置換され;
    iii)YまたはYのいずれかが−O−である場合、---は、非存在であり;そして
    iv)---が結合である場合、Yは、N、CH、またはCRであり、そしてYは、N、CH、またはCRである、
    請求項52に記載の化合物。
  54. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである、請求項53に記載の化合物。
  55. およびRP2のうちの一方は、水素であり、他方は、
    から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである、請求項53に記載の化合物。
  56. 式I−P2の化合物:
    またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで
    およびRP1の各々は、水素、フェニル、ナフチル、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する9〜12員の二環式ヘテロアリールから独立して選択され、ここでRおよびRP1は、x個のRの例で各々独立してかつ必要に応じて置換され;
    xは、独立して、1、2、または3であり;
    各Rは、独立して、−L−Rであり、ここでRがフェニルまたは5〜6員の単環式ヘテロアリールである場合、少なくとも1個のRは−H以外であり;
    各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−4脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−S−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)O−、−S(O)NR−、−NRS(O)−、−C(O)NRNR−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRS(O)NR−、−S(O)−、または−S(O)−によって必要に応じてかつ独立して置き換えられ;
    各Rは、R、ハロ、または−CFから独立して選択され;
    各Rは、−H、あるいはC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系;またはN、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系から選択される必要に応じて置換された基から独立して選択され、ここで該C1−6アルキル、該単環式環、該二環式環系、または該三環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換され;
    各Rは、独立して、−L−Rであり;
    各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−6脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、または−NRC(O)O−によって必要に応じてかつ独立して置換され;そして
    各Rは、R、ハロ、−CF、またはBocから独立して選択され;
    各Rは、−H、C1−3アルキル、またはフェニルから独立して選択され;そして
    は、水素、フェニル、ナフチル、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する9〜12員の二環式ヘテロアリールから独立して選択され、ここでRは、x個のRの例で必要に応じて置換されるが、
    ただし
    i)R、RおよびRP1のうちの少なくとも1つは、水素ではなく;
    ii)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1であり、そしてRおよびRP1の各々が水素である場合、Rは、クロロではなく;
    iii)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1であり、そしてRおよびRP1の各々が水素である場合、Rは、置換されていないフェニルではなく;
    iv)Rがフェニルであり、xが1であり、そしてRおよびRP1の各々が水素である場合、Rは、−N(H)C(O)CHでも−C(O)NHでもなく;そして
    v)Rがフリルまたはチオフェニルであり、xが1であり、そしてRおよびRP1の各々が水素である場合、Rは、−CHではない、
    化合物。
  57. 式Iの化合物:
    またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで
    は、フェニル、ナフチル、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する9〜12員の二環式ヘテロアリールであり、ここでRは、x個のRの例で置換され;
    xは、1、2、または3であり;
    各Rは、独立して、−L−Rであり、ここでRがフェニルまたは5〜6員の単環式ヘテロアリールである場合、少なくとも1個のRは−H以外であり;
    各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−4脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−S−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)O−、−S(O)NR−、−NRS(O)−、−C(O)NRNR−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRS(O)NR−、−S(O)−、または−S(O)−によって必要に応じてかつ独立して置き換えられ;
    各Rは、R、ハロ、または−CFから独立して選択され;
    各Rは、−H、あるいはC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系;またはN、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系から選択される必要に応じて置換された基から独立して選択され、ここで該C1−6アルキル、該単環式環、該二環式環系、または該三環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換され;
    各Rは、独立して、−L−Rであり;
    各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−6脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、または−NRC(O)O−によって必要に応じてかつ独立して置換され;そして
    各Rは、R、ハロ、−CF、またはBocから独立して選択され;
    各Rは、−H、C1−3アルキル、またはフェニルから独立して選択され;そして
    は、HまたはRであり、
    ただし
    i)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1である場合、Rは、クロロではなく;
    ii)Rがフェニルまたはピリジニルであり、xが1である場合、Rは、置換されていないフェニルではなく;
    iii)Rがフェニルであり、xが1である場合、Rは、−N(H)C(O)CHでも−C(O)NHでもなく;そして
    iv)Rがフリルまたはチオフェニルであり、xが1である場合、Rは、−CHではない、
    化合物。
  58. およびRのうちの一方は−Hである、請求項57に記載の化合物。
  59. は−Hである、請求項58に記載の化合物。
  60. は、x個のRの存在で置換されたフェニルである、請求項57または59のいずれかに記載の化合物。
  61. xは1であり、Rは、ハロ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する13〜14員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の三環式環系、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルから選択され、ここで各Rは、任意の化学的に実現可能な位置において2個までのRの存在で置換される、請求項60に記載の化合物。
  62. は、ハロ、置換されていないC1−6アルキル基、ハロ置換されたC1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または−O−(CH1−2フェニルから選択される、請求項60または61のいずれかに記載の化合物。
  63. は、−Cl、−F、−I、−CH、−CF、−CHCH、または−CHCFから選択される、請求項60〜62のいずれか1項に記載の化合物。
  64. は、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピロール、チオフェン、フラン、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、またはピラジンから選択され、ここでRは、C1−6アルキルで置換される、請求項60〜62のいずれか1項に記載の化合物。
  65. は、ピペリジンまたはピペラジンから選択され、そのうちのいずれかは、C1−6アルキルで必要に応じて置換される、請求項64に記載の化合物。
  66. は、
    から選択され、ここで各Rは、独立して、−HまたはC1−6アルキルである、請求項65に記載の化合物。
  67. は、BOCである、請求項62に記載の化合物。
  68. xは2であり、少なくとも1個のRの存在は、ハロゲンである、請求項61に記載の化合物。
  69. xは2であり、各Rは、ハロゲンである、請求項68に記載の化合物。
  70. は、x個のRの存在で置換されたナフチルである、請求項57または59のいずれかに記載の化合物。
  71. は、
    から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである、請求項70に記載の化合物。
  72. は、1〜3個の窒素原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここで該単環式ヘテロアリールは、x個のRの存在で置換される、請求項57または59のいずれかに記載の化合物。
  73. は、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、またはピリミジンから選択され、xは1または2である、請求項72に記載の化合物。
  74. は、
    であり、Rは、水素、−CF、C1−6アルキル、または5〜6員のシクロ脂肪族基である、請求項73に記載の化合物。
  75. 各Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルから独立して選択される、請求項74に記載の化合物。
  76. は、
    であり、ここで各Rは、水素、C1−6アルキル基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環;または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の二環式環系であり;ここで該C1−6アルキル、該単環式環、または該二環式環系の各々は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される、請求項72に記載の化合物。
  77. は、
    であり、Rは、窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環である、請求項76に記載の化合物。
  78. は、
    であり、Rは、C1−6アルキルで必要に応じて置換されたピペリジン−1−イルである、請求項77に記載の化合物。
  79. は、
    から選択され、ここで各Rは、−H、C1−6アルキル、または窒素もしくは酸素から独立して選択される0〜2個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された5〜6員の飽和もしくは完全不飽和の単環式環であり、ここで該単環式環は、2個までのRの存在で必要に応じて置換される、請求項76に記載の化合物。
  80. は、−H、C1−4アルキル、
    から選択される、請求項79に記載の化合物。
  81. 各Rは、−H、C1−4アルキル、−N(CH、−C(O)−CH、−C(O)−CH−CH、または−C(O)−O−C(CHから独立して選択される、請求項80に記載の化合物。
  82. は、N、O、もしくはSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9〜10員の二環式へテロアリールであり、ここで該二環式へテロアリールは、x個のRの存在で置換される、請求項57または59のいずれかに記載の化合物。
  83. は、
    から選択され、ここで
    、Z、Z、Z、およびZの各々は、独立して、CRまたはNであり、ここでZ、Z、Z、Z、およびZのうちの少なくとも1つは、Nであり;
    、Y、およびYの各々は、独立して、CH、CR、N、NR、またはOであり、ここでY、Y、およびYのうちの少なくとも1つは、N、NR、またはOであり;そして---は、結合または非存在であるが、ただし
    e)Z、Z、Z、Z、およびZのうちの3つ以下がNであり;
    f)Rは、3個以下のRの存在で置換され;
    g)YまたはYのうちのいずれかが−O−である場合、---は、非存在であり;そして
    h)---が結合である場合、Yは、N、CH、またはCRであり、そしてYは、N、CH、またはCRである、
    請求項82に記載の化合物。
  84. は、
    から選択され;そしてRは、−HまたはC1−6アルキルである、請求項83に記載の化合物。
  85. は、
    から選択され、ここでRは、−HまたはC1−6アルキルである、請求項83に記載の化合物。
  86. 式I−Aの化合物:
    またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで
    は、
    であり;
    10およびR11の各々は、−H、−Cl、−F、−C1−6アルキル、−O(C1−3アルキル)−フェニル、−BOC、またはN、O、もしくはSから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環から独立して選択され、ここで該C1−6アルキルまたは該単環式環は、0〜3個のR13で置換されるか;あるいは
    10、R11、およびこれらが結合する炭素原子は、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環を形成し、ここで該単環式環は、0〜2個のR13で置換され;そして
    各R13は、独立して、ハロまたはC1−3アルキルであるが、ただし:
    10が、−Hである場合、R11は−Hではない、化合物。
  87. 前記式I−Aの化合物は、式I−A1の化合物:
    である、請求項86に記載の化合物。
  88. は、
    であり、R10は、−F、−CF
    、−BOC、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルからなる群より選択され、ここでR15は、−H、または−C1−3アルキルである、請求項86または87のいずれかに記載の化合物。
  89. は、
    であり、R11は、−F、−CF
    、または−O−(C1−3アルキル)−フェニルから選択され、ここでR15は、−H、−BOC、または−C1−3アルキルである、請求項86または87のいずれかに記載の化合物。
  90. は、以下からなる群:
    より選択され、ここでR16は、−Hまたは−C1−3アルキルである、請求項86または87のいずれかに記載の化合物。
  91. 式I−Bの化合物:
    またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで
    は、
    であり;
    、X、およびXの各々は、独立して、CH、CRまたはNであり、ここでRは、1〜3個のRの存在で置換され;
    各Rは、−H、−N(C1−4アルキル)、C1−6アルキル、またはN、O、もしくはSから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環から独立して選択され、ここで該C1−4アルキル、該C1−6アルキルまたは該単環式環は、0〜2個のRで置換されるか;あるいは
    2個のRの存在は、これらが結合する炭素原子と一緒になって、N、O、もしくはSから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和の単環式環を形成し、ここで該単環式環は、0〜2個のRで置換され;
    各Rは、独立して、−L−Rであり;
    各Lは、独立して、結合であるか、または必要に応じて置換された分枝鎖状もしくは直鎖状のC1−6脂肪族鎖であり、ここでLの2個までの炭素原子は、−NR−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、または−NRC(O)O−によって必要に応じてかつ独立して置き換えられ;
    各Rは、R、ハロ、−CF、または−BOCから独立して選択され;そして
    各Rは、−H、C1−3アルキル、またはフェニルから独立して選択されるが、ただし
    i)XがNである場合、Xは、CHまたはCRであり;そして
    ii)XがNである場合、Xは、CHまたはCRである、
    化合物。
  92. 前記式I−Bの化合物は、式I−B1の化合物:
    である、請求項91に記載の化合物。
  93. は、
    から選択され、ここでRは、−N(C1−4アルキル)、−C1−6アルキル、フェニル、ピペラジニル、ピペリジニル、またはモルホリニルから選択され、ここで該C1−4アルキル、C1−6アルキル、フェニル、ピペラジニル、ピペリジニル、またはモルホリニルのうちのいずれかは、2個までのRの存在で必要に応じて置換され;そして
    各Rは、ハロ、−CF、C1−6アルキル、または−C(O)−O−(C1−6アルキル)から独立して選択される、
    請求項91または92のいずれかに記載の化合物。
  94. は、
    から選択され、ここでRは、−Hまたは−C1−4アルキルである、請求項91または92のいずれかに記載の化合物。
  95. は、
    であり、Rは、C3−7シクロ脂肪族である、請求項91または92のいずれかに記載の化合物。
  96. 以下から選択される化合物:
    またはその薬学的に受容可能な塩。
  97. 請求項1〜96のいずれか1項に記載の化合物、および薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクル、またはアジュバントを含む、薬学的組成物。
  98. 患者において真菌感染を処置するための方法であって、該方法は、有効量の請求項1〜96のいずれか1項に記載の化合物または請求項97に記載の薬学的組成物を該患者に投与する工程を包含する方法。
  99. 生物学的サンプル中の真菌の数を減少させる方法であって、該方法は、有効量の請求項1〜96のいずれか1項に記載の化合物または請求項97に記載の薬学的組成物を該生物学的サンプルに投与する工程を包含する方法。
  100. 前記真菌は、Aspergillus、Candida、Cryptococcus、Coccidiodes、Issatchenkia、Saccharomyces、Emericella、またはTrichophytonから選択される、請求項99に記載の方法。
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