JP6313369B2 - オーレオバシジン誘導体および合成方法 - Google Patents

オーレオバシジン誘導体および合成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6313369B2
JP6313369B2 JP2016122323A JP2016122323A JP6313369B2 JP 6313369 B2 JP6313369 B2 JP 6313369B2 JP 2016122323 A JP2016122323 A JP 2016122323A JP 2016122323 A JP2016122323 A JP 2016122323A JP 6313369 B2 JP6313369 B2 JP 6313369B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
item
compound
alkyl
formula
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016122323A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016196489A (ja
Inventor
ワッツ ピーター
ワッツ ピーター
ピー. エルハマー エイク
ピー. エルハマー エイク
Original Assignee
オーレオジェン バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド
オーレオジェン バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by オーレオジェン バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド, オーレオジェン バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド filed Critical オーレオジェン バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド
Publication of JP2016196489A publication Critical patent/JP2016196489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6313369B2 publication Critical patent/JP6313369B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/107General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length by chemical modification of precursor peptides
    • C07K1/113General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length by chemical modification of precursor peptides without change of the primary structure
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/10Antimycotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K11/00Depsipeptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K11/02Depsipeptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof cyclic, e.g. valinomycins ; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Description

(先願に対する相互参照)
本出願は、2011年4月1日に出願された米国特許仮出願第61/470,750号、および2011年9月15日に出願された米国特許仮出願第61/535,018号の利益を主張する。これらの米国特許仮出願は、それら全体が、本明細書にて参考として本出願に援用される。
(発明の分野)
本発明は、感染を予防および/もしくは処置するのに有用な、広いスペクトルの抗生物質化合物(たとえば、オーレオバシジンA(Aureobasidin A)誘導体)を合成するための新規方法を提供する。
(背景)
癌、移植、腹部手術、および他の免疫不全患者の集団は増え続けているので、全身真菌感染の処置を必要とする患者の数は、付随して増加している。伝統的に、全身的な糸状菌抗生物質は、たった3つのクラスの薬物、ポリエン(最も顕著なのは、アンホテリシンBおよびナイスタチン);アゾール(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、およびボリコナゾール);およびエキノカンジン(例えば、カスポファンギン、ミカファンギン、およびアニデュラファンギン)が優位を占めている。これら薬物クラスのうちの各々は、効力、毒性、薬物間相互作用、および耐性生物の発生の観点から、かなりの制限を有する(例えば、Barrett, 2002; Fishman, 2002; Girmenia and Martino, 2003; Gupta and Thomas, 2003; Park et al., 2005; Pavie et al., 2005; Balashov et al., 2006; Perlin et al., 2007; Choi et al., 2008)。結論として、全身糸状菌の処置に対する新規な作用様式を有する新たな薬物が至急必要である。
Aureobasidium pullulans株BP−1938は、9アミノ酸の環式ペプチド(オーレオバシジンA(「AbA」)といわれる)を生成する。この化合物は、動物およびヒトにおいて非常によく許容される強力な殺真菌薬である(非特許文献1)。AbAはまた、イノシトールホスホリルセラミド(phosporylceramide)(「IPC」)シンターゼ(真菌のスフィンゴ脂質生合成経路における酵素)を標的とする、独特の作用様式を有する。AbAに対する自然耐性変異体を発生させる試みは、今日まで不成功に終わっている。このことは、この化合物での臨床状況における耐性発生が、非常にゆっくりとしていることを示唆する。耐性変異体は、化学的変異誘発によって生成され得る;しかし、得られる生物の生存能力は、非常に欠陥がある(Heidler et al., 1995; Hashida−Okado et al., 1996)。不運なことに、天然のAbAは、完璧な標的スペクトラムを有しない:実質的に全てのCandida種(C.albicansを含む)に対して非常に有効である。また、大部分のCryptococcus種(C.neoformansを含む)に対して有効である。しかし、大部分のAspergilli、および大部分の顕著なA.fumigatusに対してはほとんど活性を示さない(非特許文献1)。CandidaおよびAspergillusは、2種の最も一般的なヒト病原体であり、広いスペクトルの抗生物質が臨床においては好ましいので、AbAがアスペルギルス属に対して有効性がないことは、市場に出された薬物へのその開発を妨げてきた(非特許文献1)。AbAに対するA.fumigatusの耐性の理由は、A.fumigatusにおける標的酵素であるイノシトールホスホリルセラミド(IPC)シンターゼが、上記化合物に対して耐性であるということではなく、むしろ、この生物が、上記薬物を効率的に除去し得る1種以上のポンプを有するということである(Ogawa et al., 1998; Zhong et al., 2000)。従って、A.fumigatusポンプを回避もしくはブロックし得るAbA誘導体の開発は、上記化合物の開発上の潜在能力および市場性を大いに高める。
小数のAbA誘導体が、合成化学によって調製されてきた(Kurome and Takesako, 2000において総説されている)。そしてこれら化合物の評価は、AbAの薬理学的特性が、その配列中のアミノ酸を改変および/もしくは交換することによって顕著に変化し得ることを実証した。最も重要なことには、A.fumigatusおよびC.albicansに対して類似の抗真菌活性を有するようであるAbA誘導体が、生成された(Kurome and Takesako, 2000)。具体的には、4位のN−メチル−L−フェニルアラニン残基を、N−メチル−D−アラニンもしくはサルコシン残基で置換すると、A.fumigatusに対して顕著な活性を有する化合物が生じる;そして、この置換と、3位のL−フェニルアラニン残基を誘導体化L−チロシン、フェニルアラニンもしくはアラニン残基で置換することを組み合わせると、一桁マイクログラム/mlの範囲のA.fumigatus最小発育阻止濃度(MIC)を有する化合物が生じる。重要なことには、A.fumigatusに対してかなりの活性を得ると同時に、これら化合物は、C.albicansおよびCryptococcus neoformansに対してもそれらの活性を維持する。それにも拘わらず、これら化合物の合成のために使用される合成化学アプローチは、非常に複雑であった。全体の合成プロセスは、21工程を含み、全収率は、1%未満であった。さらに、上記21工程のうちの1つ以上が、性質的に、工業的生産にそぐわない非常にリスクのある手順である。1990年代後期および2000年代始めの間に、Pharmacia(後のPfizer, Inc.)は、Takaraの21工程合成を改善しようとした。しかし、これら試みは、不成功に終わり、Pfizerは、2005年にこのプロジェクトを断念した。
Takesako et al., (1993) J. Antibiot. 46, 1414−1420
(発明の要旨)
一般に、本発明は、AbA誘導体、AbA誘導体を合成する方法、および感染を処置するのに有用であり、かつさらなる化学的な合成に耐え得る中間体に関する。本明細書に提示される新規方法は、工業的生産に拡大可能であり、より安全で、より単純かつより効率的なプロセス条件を使用する。
一局面において、本発明は、式Iの化合物
を生成する方法を提供し、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、ここでXは、ハロゲンであり;
上記方法は、
式1の化合物とハロゲン化試薬とを、第1の溶媒の存在下で反応させて、式Iの化合物を形成する工程であって、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、
であり、その残りは、−Hであり;RおよびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されている、工程を包含する。
いくつかの実施において、上記方法は、式2の化合物
とホウ素化試薬とを、触媒および第2の溶媒の存在下で反応させて、式1の化合物を生成する工程をさらに包含する。
他の実施において、式Iの化合物は、式Iaの化合物
であり、
ここでRもしくはRのうちの一方は、−Xであり、その残りは、−Hである。
いくつかの実施において、−Xは、−Cl、−Br、もしくは−Iから選択される。
他の実施において、上記ハロゲン化試薬は、ハロゲン化銅(II)を含む。例えば、上記ハロゲン化試薬は、ヨウ化銅(II)、臭化銅(II)、もしくは塩化銅(II)を含む。
いくつかの実施において、式1の化合物は、式1aの化合物
である。
他の実施において、RもしくはRのうちの一方は、
であり、その残りは、−Hである。
いくつかの実施において、上記第1の溶媒は、極性溶媒を含む。例えば、上記極性溶媒は、アルコールを含む。いくつかの場合において、上記アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の場合において、上記第1の溶媒は、水をさらに含む。
いくつかの実施において、上記反応は、加熱下(例えば、約35℃〜約100℃もしくは約40℃〜約80℃)で行われる。
いくつかの実施において、上記ホウ素化試薬は、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、カテコールボラン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、ビス(カテコラト)ジボロン、ビス[(+)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス[(−)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス(ジエチル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジエチル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−D−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−L−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。例えば、上記ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラト)ジボロンを含む。
いくつかの実施において、上記触媒は、遷移金属触媒である。例えば、上記遷移金属触媒は、Ir、Re、Rh、Pd、Pt、Ni、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の例において、上記遷移金属触媒は、Irを含む。例えば、上記遷移金属触媒は、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施において、上記第2の溶媒は、非プロトン性非極性溶媒を含む。例えば、上記非プロトン性非極性溶媒は、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の例において、上記第2の溶媒は、MTBEをさらに含む。いくつかの実施において、上記方法は、上記第2の溶媒に不活性ガスを注入する工程をさらに包含する。そしていくつかの例において、上記不活性ガスは、アルゴン、窒素、キセノン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。
本発明の別の局面は、式Iaの化合物
を生成する方法を提供し、
ここでRもしくはRのうちの一方は、−Brもしくは−Iであり、その残りは、−Hであり、上記方法は、式1aの化合物と臭素化試薬もしくはヨウ素化試薬とを、第1の溶媒の存在下で反応させて、式Iaの化合物
を形成する工程であって、
ここでRもしくはRのうちの一方は、
であり、その残りは、−Hであり;RおよびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換される、工程を包含する。
いくつかの実施において、上記方法は、式2の化合物
とホウ素化試薬とを、触媒および第2の溶媒の存在下で反応させて、式1aの化合物を生成する工程をさらに包含する。
いくつかの実施において、上記式Iaの化合物は、以下の
である。
いくつかの実施において、上記臭素化試薬は、臭化銅(II)を含む。
いくつかの実施において、上記式Iaの化合物は、以下の
である。
いくつかの実施において、上記ヨウ素化試薬は、ヨウ化銅(II)を含む。
他の実施において、RもしくはRのうちの一方は、
であり、その残りは、−Hである。
いくつかの実施において、上記第1の溶媒は、極性溶媒を含む。例えば、上記極性溶媒は、アルコールを含む。いくつかの場合において、上記アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の場合において、上記第1の溶媒は、水をさらに含む。
いくつかの実施において、上記反応は、加熱下(例えば、約35℃〜約100℃もしくは約40℃〜約80℃)で行われる。
他の実施において、上記反応は、室温で行われる。
いくつかの実施において、上記ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、1,3,2−ジオキサボロラン、4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−L−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、ビス(ジエチル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジエチル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス[(+)−ピナンジオラト]ジボロン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。例えば、上記ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラト)ジボロンを含む。
いくつかの実施において、上記触媒は、遷移金属触媒である。例えば、上記遷移金属触媒は、Ir、Re、Rh、Pd、Pt、Ni、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の例において、上記遷移金属触媒は、Irを含む。例えば、上記遷移金属触媒は、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施において、上記第2の溶媒は、非プロトン性非極性溶媒を含む。例えば、上記非プロトン性非極性溶媒は、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の例において、上記第2の溶媒は、MTBEをさらに含む。いくつかの実施において、上記方法は、上記第2の溶媒に不活性ガスを注入する工程をさらに包含する。そして、いくつかの例において、上記不活性ガスは、アルゴン、窒素、キセノン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。
本発明の別の局面は、式IIの化合物
を生成する方法を提供し、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、ここでXは、ハロゲンであり、Rは、−Si(R10であり、ここで各R10は、独立して、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−6アルキルから選択され;上記方法は、式Iの化合物とSi(R10とを第1の溶媒および塩基の存在下で反応させて、式IIの化合物を形成する工程:
であって、ここでXは、ハロゲン、−OTf、−OTs、もしくは−OMsである、工程を包含する。
いくつかの実施において、Rは、−Si(R10であり、各R10は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、もしくはtert−ブチルから独立して選択される。
いくつかの実施において、上記第1の溶媒は、極性溶媒を含む。例えば、上記極性溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施において、上記塩基は、第三級アミン塩基を含む。例えば、上記第三級アミン塩基は、イミダゾール、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施において、上記方法は、式1の化合物とハロゲン化試薬とを、第2の溶媒の存在下で反応させて、式Iの化合物を形成する工程であって:
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、
であり、その残りは、−Hであり;RおよびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換される、工程をさらに包含する。
他の実施において、上記方法は、式2の化合物
とホウ素化試薬とを、触媒および第3の溶媒の存在下で反応させて、式1の化合物を生成する工程をさらに包含する。
いくつかの実施において、上記式Iの化合物は、式Iaの化合物
であり、
ここでRもしくはRのうちの一方は、−Xであり、その残りは、−Hである。
いくつかの実施において、−Xは、−Cl、−Br、もしくは−Iから選択される。
いくつかの実施において、上記ハロゲン化試薬は、ハロゲン化銅(II)を含む。例えば、上記ハロゲン化試薬は、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)、もしくは塩化銅(II)を含む。
いくつかの実施において、上記式1の化合物は、式1aの化合物
である。
いくつかの実施において、RもしくはRのうちの一方は、
であり、その残りは、−Hである。
いくつかの実施において、上記第2の溶媒は、極性溶媒を含む。例えば、上記極性溶媒は、アルコールを含む。他の例において、上記アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。そして、いくつかの例において、上記第1の溶媒は、水をさらに含む。
いくつかの実施において、上記反応は、室温で行われる。
いくつかの実施において、上記ホウ素化試薬は、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、カテコールボラン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、ビス(カテコラト)ジボロン、ビス[(+)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス[(−)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス(ジエチル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジエチル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−D−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−L−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。例えば、上記ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラト)ジボロンを含む。
いくつかの実施において、上記触媒は、遷移金属触媒である。例えば、上記遷移金属触媒は、Ir、Re、Rh、Pd、Pt、Ni、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの場合において、上記遷移金属触媒は、Irを含む。例えば、上記遷移金属触媒は、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施において、上記第3の溶媒は、非プロトン性非極性溶媒を含む。例えば、上記非プロトン性非極性溶媒は、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の例において、上記第3の溶媒は、MTBEをさらに含む。そして、いくつかの例において、上記第3の溶媒は、不活性ガス(例えば、アルゴン、窒素、もしくはキセノン)が注入される。
本発明の別の局面は、式IVの化合物
を生成する方法を提供し、
ここでR14、R15、R16、もしくはR17のうちの1つは、必要に応じて置換されたアリールもしくは必要に応じて置換されたヘテロアリールであり、その残りは、−Hであり、
上記方法は、式Iの化合物
とR18−B(OH)とをPdを含む触媒の存在下で反応させる工程であって、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、Xは、ハロゲンであり、ここでR18は、1個以上のさらなる部分で必要に応じて置換された、アリールもしくはヘテロアリールである、工程を包含する。
いくつかの実施において、上記式IVの化合物は、式IVaの化合物
である。
いくつかの実施において、R14、R15、R16、もしくはR17のうちの1つは、
であり、その残りは、−Hである。
他の実施において、R14もしくはR15のうちの一方は、
であり、その残りは、−Hである。
いくつかの実施において、R14は、−Hである。
いくつかの実施において、Pdを含む上記触媒は、Pd(PPh、Pd(dba)、PdCl(dppf)、もしくはこれらの任意の組み合わせから選択される。
本発明の別の局面は、以下の
から選択される化合物を提供する。
本発明の別の局面は、式1aの化合物
を提供し、
ここでRもしくはRのうちの一方は、
であり、その残りは、−Hであり;RおよびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換される。
いくつかの実施形態において、上記
基は、
から選択され、ここで各Rは、−H、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせから独立して選択され、nは、1〜4である。
本発明の別の局面は、以下の
から選択される化合物を提供する。
本発明の別の局面は、式IIの化合物
を提供し、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、ここでXは、ハロゲンであり、Rは、−Si(R10であり、ここで各R10は、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−6アルキルから独立して選択される。
本発明の別の局面は、式IIIの化合物
を提供し、ここでR11およびR12のうちの一方は、−Hであり、その残りは、−I、−Cl、−B(OH)
であり、R13は、−Hもしくは−Si(R10であり、ここで各R10は、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−6アルキルから独立して選択される。
いくつかの実施形態において、R11およびR12のうちの一方は、−Hであり、その残りは、−I、−Cl、−B(OH)
である。
他の実施形態において、R13は、−Hである。
いくつかの実施形態において、R12、−Hである。
本発明の別の局面は、生物学的サンプル中のIPCシンターゼを阻害する方法を提供し、上記方法は、上記サンプルと、本明細書に記載されるAbAアナログのうちのいずれかから選択される化合物とを接触させる工程を包含する。
本発明の別の局面は、患者における真菌感染を処置する方法を提供し、上記方法は、それを必要とする患者に、本明細書に記載されるAbAアナログのうちのいずれかから選択される化合物を投与する工程を包含する。
本発明の別の局面は、Candida、Cryptococcus、Aspergillus、もしくはこれらの任意の組み合わせの集団を減少させる方法を提供し、上記方法は、上記集団と、本明細書に記載されるAbAアナログのうちのいずれかから選択される化合物とを接触させる工程を包含する。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
式Iの化合物

を生成する方法であって、ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、ここでXは、ハロゲンであり;該方法は、
式1の化合物と、ハロゲン化試薬とを、第1の溶媒の存在下で反応させて、式Iの化合物を形成する工程:

であって、ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、

であり、その残りは、−Hであり;RおよびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、該環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、該環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換される、工程
を包含する、方法。
(項目2)
式2の化合物

と、ホウ素化試薬とを、触媒および第2の溶媒の存在下で反応させて、式1の化合物を生成する工程
をさらに包含する項目1に記載の方法。
(項目3)
前記式Iの化合物は、式Iaの化合物

であり、
ここでRもしくはRのうちの一方は、−Xであり、その残りは、−Hである、項目1に記載の方法。
(項目4)
−Xは、−Cl、−Br、もしくは−Iから選択される、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記ハロゲン化試薬は、ハロゲン化銅(II)を含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記ハロゲン化試薬は、ヨウ化銅(II)、臭化銅(II)、もしくは塩化銅(II)を含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記式1の化合物は、式1aの化合物

である、項目1に記載の方法。
(項目8)
もしくはRのうちの一方は、

であり、その残りは、−Hである、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記第1の溶媒は、極性溶媒を含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記極性溶媒は、アルコールを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記第1の溶媒は、水をさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記反応は、加熱下で行われる、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記ホウ素化試薬は、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、カテコールボラン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、ビス(カテコラト)ジボロン、ビス[(+)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス[(−)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス(ジエチル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジエチル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−D−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−L−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目2に記載の方法。
(項目15)
前記ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラト)ジボロンを含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記触媒は、遷移金属触媒である、項目2に記載の方法。
(項目17)
前記遷移金属触媒は、Ir、Re、Rh、Pd、Pt、Ni、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記遷移金属触媒は、Irを含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記遷移金属触媒は、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記第2の溶媒は、非プロトン性非極性溶媒を含む、項目2に記載の方法。
(項目21)
前記非プロトン性非極性溶媒は、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記第2の溶媒は、MTBEをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目23)
前記第2の溶媒は、不活性ガスが注入される、項目20に記載の方法。
(項目24)
前記不活性ガスは、アルゴン、窒素、キセノン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
式Iaの化合物

を生成する方法であって、
ここでRもしくはRのうちの一方は、−Brもしくは−Iであり、その残りは、−Hであり、該方法は、
式1aの化合物と、臭素化試薬もしくはヨウ素化試薬とを第1の溶媒の存在下で反応させて、式Iaの化合物

を形成する工程であって、
ここでRもしくはRのうちの一方は、

であり、その残りは、−Hであり;RおよびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、該環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、該環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換される、工程
を包含する、方法。
(項目26)
式2の化合物

と、ホウ素化試薬とを、触媒および第2の溶媒の存在下で反応させて、式1aの化合物を生成する工程をさらに包含する、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記式Iaの化合物は、

である、項目25に記載の方法。
(項目28)
前記臭素化試薬は、臭化銅(II)を含む、項目25に記載の方法。
(項目29)
前記式Iaの化合物は、

である、項目25に記載の方法。
(項目30)
前記ヨウ素化試薬は、ヨウ化銅(II)を含む、項目25に記載の方法。
(項目31)
もしくはRのうちの一方は、

であり、その残りは、−Hである、項目25に記載の方法。
(項目32)
前記第1の溶媒は、極性溶媒を含む、項目25に記載の方法。
(項目33)
前記極性溶媒は、アルコールを含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記第1の溶媒は、水をさらに含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記反応は、加熱下で行われる、項目25に記載の方法。
(項目37)
前記反応は、室温で行われる、項目25に記載の方法。
(項目38)
前記ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、1,3,2−ジオキサボロラン、4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−L−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、ビス(ジエチル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジエチル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス[(+)−ピナンジオラト]ジボロン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目26に記載の方法。
(項目39)
前記ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラト)ジボロンを含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記触媒は、遷移金属触媒である、項目26に記載の方法。
(項目41)
前記遷移金属触媒は、Ir、Re、Rh、Pd、Pt、Ni、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記遷移金属触媒は、Irを含む、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記遷移金属触媒は、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記第2の溶媒は、非プロトン性非極性溶媒を含む、項目26に記載の方法。
(項目45)
前記非プロトン性非極性溶媒は、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記第2の溶媒は、MTBEをさらに含む、項目44に記載の方法。
(項目47)
式IIの化合物

を生成する方法であって、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、ここでXは、ハロゲンであり、Rは、−Si(R10であり、ここで各R10は、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−6アルキルから独立して選択され;
該方法は、式Iの化合物とSi(R10とを第1の溶媒および塩基の存在下で反応させて、式IIの化合物

を形成する工程であって、ここでXは、ハロゲン、−OTf、−OTs、もしくは−OMsである、工程
を包含する、方法。
(項目48)
は、−Si(R10であり、各R10は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、もしくはtert−ブチルから独立して選択される、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記第1の溶媒は、極性溶媒を含む、項目47に記載の方法。
(項目50)
前記極性溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記塩基は、第三級アミン塩基を含む、項目47に記載の方法。
(項目52)
前記第三級アミン塩基は、イミダゾール、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目51に記載の方法。
(項目53)
式1の化合物とハロゲン化試薬とを、第2の溶媒の存在下で反応させて、式Iの化合物

を形成する工程をさらに包含し、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、

であり、その残りは、−Hであり;RおよびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、該環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、該環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換される、
項目47に記載の方法。
(項目54)
式2の化合物

とホウ素化試薬とを、触媒および第3の溶媒の存在下で反応させて、式1の化合物を生成する工程をさらに包含する、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記式Iの化合物は、式Iaの化合物

であり、
ここでRもしくはRのうちの一方は、−Xであり、その残りは、−Hである、項目47に記載の方法。
(項目56)
−Xは、−Cl、−Br、もしくは−Iから選択される、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記ハロゲン化試薬は、ハロゲン化銅(II)を含む、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記ハロゲン化試薬は、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)、もしくは塩化銅(II)を含む、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記式1の化合物は、式1aの化合物

である、項目53に記載の方法。
(項目60)
もしくはRのうちの一方は、

であり、その残りは、−Hである、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記第2の溶媒は、極性溶媒を含む、項目53に記載の方法。
(項目62)
前記極性溶媒は、アルコールを含む、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記第1の溶媒は、水をさらに含む、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記反応は、室温で行われる、項目47に記載の方法。
(項目66)
前記ホウ素化試薬は、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、カテコールボラン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、ビス(カテコラト)ジボロン、ビス[(+)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス[(−)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス(ジエチル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジエチル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−D−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−L−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目54に記載の方法。
(項目67)
前記ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラト)ジボロンを含む、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記触媒は、遷移金属触媒である、項目54に記載の方法。
(項目69)
前記遷移金属触媒は、Ir、Re、Rh、Pd、Pt、Ni、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記遷移金属触媒は、Irを含む、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記遷移金属触媒は、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目70に記載の方法。
(項目72)
前記第3の溶媒は、非プロトン性非極性溶媒を含む、項目54に記載の方法。
(項目73)
前記非プロトン性非極性溶媒は、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記第3の溶媒は、MTBEをさらに含む、項目72に記載の方法。
(項目75)
前記第3の溶媒は、不活性ガスが注入される、項目72に記載の方法。
(項目76)
前記不活性ガスは、アルゴン、窒素、もしくはキセノンを含む、項目75に記載の方法。(項目77)
式IVの化合物

を生成する方法であって、ここで
14、R15、R16、もしくはR17のうちの1つは、必要に応じて置換されたアリールもしくは必要に応じて置換されたヘテロアリールであり、その残りは、−Hであり、該方法は、
式Iの化合物

とR18−B(OH)とを、Pdを含む触媒の存在下で反応させる工程であって、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、Xは、ハロゲンであり、ここでR18は、1個以上のさらなる部分で必要に応じて置換されているアリールもしくはヘテロアリールである、工程
を包含する、方法。
(項目78)
前記式IVの化合物は、式IVaの化合物

である、項目75に記載の方法。
(項目79)
14、R15、R16、もしくはR17のうちの1つは、

であり、その残りは、−Hである、項目77に記載の方法。
(項目80)
14もしくはR15のうちの一方は、

であり、その残りは、−Hである、項目77に記載の方法。
(項目81)
14は、−Hである、項目80に記載の方法。
(項目82)
Pdを含む前記触媒は、Pd(PPh、Pd(dba)、PdCl(dppf)、もしくはこれらの任意の組み合わせから選択される、項目77〜81のいずれかに記載の方法。
(項目83)
以下の

から選択される化合物。
(項目84)
式1aの化合物

もしくはその薬学的に受容可能な塩であって、
ここでRもしくはRのうちの一方は、

であり、その残りは、−Hであり;RおよびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、該環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されているか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、該環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されている、化合物。
(項目85)
前記

基は、以下の

から選択され、ここで各Rは、−H、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせから独立して選択され、nは、1〜4である、項目84に記載の化合物。
(項目86)
以下の

から選択される化合物。
(項目87)
式IIの化合物

であって、ここで
、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、ここでXは、ハロゲンであり、Rは、−Si(R10であり、ここで各R10は、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−6アルキルから独立して選択される、化合物。
(項目88)
式IIIの化合物

であって、ここで
11およびR12のうちの一方は、−Hであり、その残りは、−I、−Cl、−B(OH)

であり、R13は、−Hもしくは−Si(R10であり、ここで各R10は、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−6アルキルから独立して選択される、化合物。
(項目89)
11およびR12のうちの一方は、−Hであり、その残りは、−I、−Cl、−B(OH)

である、項目88に記載の化合物。
(項目90)
13は、−Hである、項目88または89のいずれかに記載の化合物。
(項目91)
12は、−Hである、項目88または89のいずれかに記載の化合物。
(項目92)
項目88〜97のいずれか1項に記載の化合物、および薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルもしくはアジュバントを含む、薬学的組成物。
(項目93)
生物学的サンプル中のIPCシンターゼを阻害する方法であって、該方法は、該サンプルと、項目88〜91のいずれか1項に記載の化合物もしくは項目92に記載の組成物とを接触させる工程を包含する、方法。
(項目94)
患者における真菌感染を処置する方法であって、該方法は、それを必要とする患者に、項目88〜91のいずれか1項に記載の化合物もしくは項目92に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
(項目95)
Candida、Cryptococcus、Aspergillus、もしくはこれらの任意の組み合わせの集団を減少させる方法であって、該方法は、該集団と、項目88〜91のいずれかに記載の化合物もしくは項目92に記載の組成物とを接触させる工程を包含する、方法。
図1は、本発明の一局面に従う例示的反応生成物のHPLCクロマトグラムを示す。 図2は、本発明の一局面に従う例示的反応生成物の質量スペクトルを示す。 図3は、本発明の一局面に従う反応生成物の例示的アセトアミド断片のH NMRスペクトルを示す。 図4は、本発明の一局面に従う反応生成物の例示的アセトアミド断片の正規化H NMRスペクトルを示す。 図5は、マウスモデルにおいて時間の関数として、AbAおよびAbA誘導体の血漿濃度を示す。 図6は、マウスモデルにおけるAbA誘導体の用量の関数として死亡率を示す。
(詳細な説明)
本発明は、感染を処置するのに有用なオーレオバシジンA(「AbA」)誘導体を調製するための新規の方法および化合物を提供する。
本明細書で使用される場合、別段示されなければ、以下の定義が適用されるものとする。
(I.定義)
本発明の目的のために、化学元素は、元素周期表(CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.)に従って同定される。さらに、有機化学の一般原理は、「Organic Chemistry」,Thomas Sorrell, University Science
Books, Sausalito: 1999、および「March’s Advanced Organic Chemistry」, 5th Ed., Ed.: Smith, M.B. and March, J., John Wiley & Sons, New York: 2001(これらの内容全体は、本明細書に参考として援用される)に記載される。
本明細書で記載される場合、「保護基」とは、その後の化学反応において化学選択性を得るために、官能基の化学修飾によってある分子に導入される部分もしくは官能基をいう。標準的な保護基は、Wuts and Greene: 「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」 4th
Ed, Wuts, P.G.M. and Greene, T.W., Wiley−Interscience, New York:2006の中に提供される。
本明細書で記載される場合、本発明の化合物は、1個以上の置換基(例えば、概して上に図示されるもの、または本発明の特定のクラス、サブクラスおよび種によって例示されるもの)で必要に応じて置換され得る。
本明細書で使用される場合、用語「ヒドロキシル」もしくは「ヒドロキシ」とは、−OH部分をいう。
本明細書で使用される場合、用語「脂肪族」とは、用語、アルキル、アルケニル、アルキニル(これらの各々は、以下に示されるように、必要に応じて置換される)を包含する。
本明細書で使用される場合、「アルキル」基とは、1〜12個(例えば、1〜8個、1〜6個、もしくは1〜4個)の炭素原子を含む飽和脂肪族炭化水素基をいう。アルキル基は、直鎖状もしくは分枝鎖状であり得る。アルキル基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、もしくは2−エチルヘキシル。アルキル基は、1個以上の置換基(例えば、ハロ、ホスホ、脂環式[例えば、シクロアルキルもしくはシクロアルケニル]、複素脂環式(heterocycloaliphatic)[例えば、ヘテロシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、もしくは(複素脂環式)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例えば、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノアルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、もしくはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ、脂環式アミノ、もしくは複素脂環式アミノ]、スルホニル[例えば、脂肪族−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、脂環式オキシ、複素脂環式オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、もしくはヒドロキシ)で置換され得る(すなわち、必要に応じて置換され得る)。限定なく、置換されたアルキルのいくつかの例としては、以下が挙げられる:カルボキシアルキル(例えば、HOOC−アルキル、アルコキシカルボニルアルキル、およびアルキルカルボニルオキシアルキル)、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシルアルキル、アラルキル、(アルコキシアリール)アルキル、(スルホニルアミノ)アルキル(例えば、(アルキル−SO−アミノ)アルキル)、アミノアルキル、アミドアルキル、(脂環式)アルキル、もしくはハロアルキル。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」基とは、2〜8個(例えば、2〜12個、2〜6個、もしくは2〜4個)の炭素原子および少なくとも1個の二重結合を含む脂肪族炭素基をいう。アルキル基と同様に、アルケニル基は、直鎖状もしくは分枝鎖状であり得る。アルケニル基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アリル、1−イソプロペニルもしくは2−イソプロペニル、2−ブテニル、および2−ヘキセニル。アルケニル基は、1個以上の置換基(例えば、ハロ、ホスホ、脂環式[例えば、シクロアルキルもしくはシクロアルケニル]、複素脂環式[例えば、ヘテロシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、もしくは(複素脂環式)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例えば、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、もしくはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ、脂環式アミノ、複素脂環式アミノ、もしくは脂肪族スルホニルアミノ]、スルホニル[例えば、アルキル−SO−、脂環式−SO−、もしくはアリール−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、脂環式オキシ、複素脂環式オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、もしくはヒドロキシ)で必要に応じて置換され得る。限定なく、置換されたアルケニルのいくつかの例としては、以下が挙げられる:シアノアルケニル、アルコキシアルケニル、アシルアルケニル、ヒドロキシアルケニル、アラルケニル、(アルコキシアリール)アルケニル、(スルホニルアミノ)アルケニル(例えば、(アルキル−SO−アミノ)アルケニル)、アミノアルケニル、アミドアルケニル、(脂環式)アルケニル、もしくはハロアルケニル。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」基とは、2〜8個(例えば、2〜12個、2〜6個、もしくは2〜4個)の炭素原子を含みかつ少なくとも1個の三重結合を有する脂肪族炭素基をいう。アルキニル基は、直鎖状もしくは分枝鎖状であり得る。アルキニル基の例としては、プロパルギルおよびブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基は、1個以上の置換基(例えば、アロイル、ヘテロアロイル、アルコキシ,シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、スルホ、メルカプト、スルファニル[例えば、脂肪族スルファニルもしくは脂環式スルファニル]、スルフィニル[例えば、脂肪族スルフィニルもしくは脂環式スルフィニル]、スルホニル[例えば、脂肪族−SO−、脂肪族アミノ−SO−、もしくは脂環式−SO−]、アミド[例えば、アミノカルボニル,アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ,シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、シクロアルキルカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノもしくはヘテロアリールアミノカルボニル]、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、脂環式、複素脂環式、アリール、ヘテロアリール、アシル[例えば、(脂環式)カルボニルもしくは(複素脂環式)カルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ]、スルホキシ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、(脂環式)オキシ、(複素脂環式)オキシ、もしくは(ヘテロアリール)アルコキシ)で必要に応じて置換され得る。
本明細書で使用される場合、「アミド」とは、「アミノカルボニル」および「カルボニルアミノ」の両方を包含する。これら用語が単独でもしくは別の基を伴って使用される場合、これらの用語は、終端において使用される場合には、−N(R)−C(O)−Rもしくは−C(O)−N(Rのようなアミド基、および内部において使用される場合には、−C(O)−N(R)−もしくは−N(R)−C(O)−のようなアミド基であって、ここでRおよびRは、脂肪族、脂環式、アリール、芳香族脂肪族(araliphatic)、複素脂環式、ヘテロアリールもしくは複素芳香族脂肪族(heteroaraliphatic)であり得るものをいう。アミド基の例としては、アルキルアミド(例えば、アルキルカルボニルアミノもしくはアルキルアミノカルボニル)、(複素脂環式)アミド、(ヘテロアラルキル)アミド、(ヘテロアリール)アミド、(ヘテロシクロアルキル)アルキルアミド、アリールアミド、アラルキルアミド、(シクロアルキル)アルキルアミド、もしくはシクロアルキルアミドが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アミノ」基とは、−NRであって、ここでRおよびRの各々が、独立して、水素、脂肪族、脂環式、(脂環式)脂肪族、アリール、芳香族脂肪族、複素脂環式、(複素脂環式)脂肪族、ヘテロアリール、カルボキシ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、アリールカルボニル、(芳香族脂肪族)カルボニル、(複素脂環式)カルボニル、((複素脂環式)脂肪族)カルボニル、(ヘテロアリール)カルボニル、もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニル[これらの各々は、本明細書で定義され、必要に応じて置換される]であるものをいう。アミノ基の例としては、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、もしくはアリールアミノが挙げられる。用語「アミノ」は、終端基でない場合(例えば、アルキルカルボニルアミノ)、それは、−NR−によって表され、ここでRは、上で定義されるものと同じ意味を有する。
本明細書で使用される場合、単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」におけるようなより大きな部分の一部として使用される「アリール」基とは、単環式(例えば、フェニル);二環式(例えば、インデニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロインデニル);および三環式(例えば、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、もしくはテトラヒドロアントラセニル、アントラセニル)の環系[ここで上記単環式環系は、芳香族であるか、または二環式もしくは三環式の環系の中の環のうちの少なくとも1個は、芳香族である]をいう。上記二環式および三環式の基としては、ベンゾ縮合した2〜3員の炭素環式環が挙げられる。例えば、ベンゾ縮合した基としては、2個以上のC4−8炭素環式部分と縮合したフェニルが挙げられる。アリールは、1個以上の置換基(脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル];脂環式;(脂環式)脂肪族;複素脂環式;(複素脂環式)脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルコキシ;(脂環式)オキシ;(複素脂環式)オキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;(芳香族脂肪族)オキシ;(複素芳香族脂肪族)オキシ;アロイル;ヘテロアロイル;アミノ;オキソ(ベンゾ縮合した二環式もしくは三環式アリールの非芳香族炭素環式環上にある);ニトロ;カルボキシ;アミド;アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル;(脂環式)カルボニル;((脂環式)脂肪族)カルボニル;(芳香族脂肪族)カルボニル;(複素脂環式)カルボニル;((複素脂環式)脂肪族)カルボニル;もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニル];スルホニル[例えば、脂肪族−SO−もしくはアミノ−SO−];スルフィニル[例えば、脂肪族−S(O)−もしくは脂環式−S(O)−];スルファニル[例えば、脂肪族−S−];シアノ;ハロ;ヒドロキシ;メルカプト;スルホキシ;尿素;チオ尿素;スルファモイル;スルファミド;もしくはカルバモイルが挙げられる)で必要に応じて置換される。あるいは、アリールは、非置換であり得る。
置換されたアリールの非限定的な例としては、ハロアリール[例えば、モノ−、ジ(例えば、p,m−ジハロアリール)、および(トリハロ)アリール];(カルボキシ)アリール[例えば、(アルコキシカルボニル)アリール、((アラルキル)カルボニルオキシ)アリール、および(アルコキシカルボニル)アリール];(アミド)アリール[例えば、(アミノカルボニル)アリール、(((アルキルアミノ)アルキル)アミノカルボニル)アリール、(アルキルカルボニル)アミノアリール、(アリールアミノカルボニル)アリール、および(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)アリール];アミノアリール[例えば、((アルキルスルホニル)アミノ)アリールもしくは((ジアルキル)アミノ)アリール];(シアノアルキル)アリール;(アルコキシ)アリール;(スルファモイル)アリール[例えば、(アミノスルホニル)アリール];(アルキルスルホニル)アリール;(シアノ)アリール;(ヒドロキシアルキル)アリール;((アルコキシ)アルキル)アリール;(ヒドロキシ)アリール、((カルボキシ)アルキル)アリール;(((ジアルキル)アミノ)アルキル)アリール;(ニトロアルキル)アリール;(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)アリール;((複素脂環式)カルボニル)アリール;((アルキルスルホニル)アルキル)アリール;(シアノアルキル)アリール;(ヒドロキシアルキル)アリール;(アルキルカルボニル)アリール;アルキルアリール;(トリハロアルキル)アリール;p−アミノ−m−アルコキシカルボニルアリール;p−アミノ−m−シアノアリール;p−ハロ−m−アミノアリール;または(m−(複素脂環式)−o−(アルキル))アリールが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アラルキル」基のような「芳香族脂肪族」とは、アリール基で置換されている脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基)をいう。「脂肪族」、「アルキル」、および「アリール」は、本明細書で定義される。アラルキル基のような芳香族脂肪族の例は、ベンジルである。
本明細書で使用される場合、「アラルキル基」とは、アリール基で置換されているアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)をいう。「アルキル」および「アリール」はともに、上で定義されている。アラルキル基の例は、ベンジルである。アラルキルは、1個以上の置換基(例えば、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル(カルボキシアルキルが挙げられる)、ヒドロキシアルキル、もしくはトリフルオロメチルのようなハロアルキル]、脂環式[例えば、シクロアルキルもしくはシクロアルケニル]、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ,アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミド[例えば、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、もしくはヘテロアラルキルカルボニルアミノ]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイル)で必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「二環式環系」は、2個の環を形成する6〜12員(例えば、8〜12員もしくは9員、10員、もしくは11員)の構造であって、上記2個の環が、共通する少なくとも1個の原子(例えば、共通する2個の原子)を有するものを含む。二環式環系としては、二脂環式化合物(bicycloaliphatics)(例えば、ビシクロアルキルもしくはビシクロアルケニル)、ビシクロヘテロ脂肪族、二環式アリール、および二環式ヘテロアリールが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「脂環式」基とは、「シクロアルキル」基および「シクロアルケニル」基を包含し、これらの各々は、以下に記載されるように必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」基とは、3〜10個(例えば、5〜10個)の炭素原子の飽和炭素環式の単環式もしくは二環式(縮合型もしくは架橋型)環をいう。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボルニル、クビル(cubyl)、オクタヒドロ−インデニル、デカヒドロ−ナフチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2.]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、もしくは((アミノカルボニル)シクロアルキル)シクロアルキルが挙げられる。
「シクロアルケニル」基とは、本明細書で使用される場合、1個以上の二重結合を有する3〜10個(例えば、4〜8個)の炭素原子の非芳香族炭素環式環をいう。シクロアルケニル基の例としては、シクロペンテニル、1,4−シクロヘキサ−ジ−エニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ヘキサヒドロ−インデニル、オクタヒドロ−ナフチル、シクロヘキセニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、もしくはビシクロ[3.3.1]ノネニルが挙げられる。
シクロアルキルもしくはシクロアルケニル基は、1個以上の置換基(例えば、ホスホ、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル]、脂環式、(脂環式)脂肪族、複素脂環式、(複素脂環式)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(脂環式)オキシ、(複素脂環式)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(芳香族脂肪族)オキシ、(複素芳香族脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例えば、(脂肪族)カルボニルアミノ、(脂環式)カルボニルアミノ、((脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(芳香族脂肪族)カルボニルアミノ、(複素脂環式)カルボニルアミノ、((複素脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例えば、HOOC−、アルコキシカルボニル、もしくはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例えば、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、(芳香族脂肪族)カルボニル、(複素脂環式)カルボニル、((複素脂環式)脂肪族)カルボニル、もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニル]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例えば、アルキル−SO−およびアリール−SO−]、スルフィニル[例えば、アルキル−S(O)−]、スルファニル[例えば、アルキル−S−]、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、もしくはカルバモイル)で必要に応じて置換され得る。
本明細書で使用される場合、用語「複素脂環式」は、ヘテロシクロアルキル基およびヘテロシクロアルケニル基を包含し、これらの各々は、以下に記載されるように、必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」基とは、3〜10員の単環式もしくは二環式の(縮合型もしくは架橋型)(例えば、5員〜10員の単環式もしくは二環式)飽和環構造であって、ここで上記環原子のうちの1個以上がヘテロ原子(例えば、N、O、S、もしくはこれらの組み合わせ)であるものをいう。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、1,4−ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、1,3−ジオキソラニル、オキサゾリジル、イソオキサゾリジル、モルホリニル、チオモルホリル、オクタヒドロベンゾフリル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロチオクロメニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロピリンジニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロベンゾ[b]チオフェニル(thiopheneyl)、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルが挙げられる。単環式ヘテロシクロアルキル基は、フェニル部分と縮合して、テトラヒドロイソキノリン(これは、ヘテロアリールとして分類される)のような構造を形成し得る。
「ヘテロシクロアルケニル」基とは、本明細書で使用される場合、1個以上の二重結合を有する単環式もしくは二環式の(例えば、5員〜10員の単環式もしくは二環式の)非芳香族環構造であって、ここで上記環原子のうちの1個以上がヘテロ原子(例えば、N、O、もしくはS)であるものをいう。単環式および二環式の複素脂環式化合物は、標準的な化学命名法に従って番号づけされる。
ヘテロシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルケニル基は、1個以上の置換基(例えば、ホスホ、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル]、脂環式、(脂環式)脂肪族、複素脂環式、(複素脂環式)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(脂環式)オキシ、(複素脂環式)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(芳香族脂肪族)オキシ、(複素芳香族脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例えば、(脂肪族)カルボニルアミノ、(脂環式)カルボニルアミノ、((脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(芳香族脂肪族)カルボニルアミノ、(複素脂環式)カルボニルアミノ、((複素脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例えば、HOOC−、アルコキシカルボニル、もしくはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例えば、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、(芳香族脂肪族)カルボニル、(複素脂環式)カルボニル、((複素脂環式)脂肪族)カルボニル、もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニル]、ニトロ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例えば、アルキルスルホニルもしくはアリールスルホニル]、スルフィニル[例えば、アルキルスルフィニル]、スルファニル[例えば、アルキルスルファニル]、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、もしくはカルバモイル)で必要に応じて置換され得る。
「ヘテロアリール」基とは、本明細書で使用される場合、4〜15個の環原子を有し、ここで上記環原子のうちの1個以上がヘテロ原子(例えば、N、O、S、もしくはこれらの組み合わせ)である、単環式、二環式、もしくは三環式の環系であって、ここで上記単環式環系が芳香族であるか、または上記二環式もしくは三環式の環系の環のうちの少なくとも1個が芳香族であるものをいう。ヘテロアリール基は、2〜3個の環を有するベンゾ縮合した環系を含む。例えば、ベンゾ縮合した基としては、1個もしくは2個の、4〜8員の複素脂環式部分(例えば、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェン−イル、キノリニル、もしくはイソキノリニル)と縮合したベンゾが挙げられる。ヘテロアリールのいくつかの例は、アゼチジニル、ピリジル、1H−インダゾリル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフリル、イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、キサンテン、チオキサンテン、フェノチアジン、ジヒドロインドール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリル、シンノリル、キノリル、キナゾリル、シンノリル、フタラジル、キナゾリル、キノキサリル、イソキノリル、4H−キノリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾリル、もしくは1,8−ナフチリジルである。
限定なく、単環式ヘテロアリールとしては、フリル、チオフェン−イル、2H−ピロリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル(thazolyl)、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、もしくは1,3,5−トリアジルが挙げられる。単環式ヘテロアリールは、標準的な化学命名法に従って番号付けされる。
限定なく、二環式ヘテロアリールとしては、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリジル、イソインドリル、インドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル(bexo[b]thiophenyl)、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、4H−キノリジル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、フタラジル、キナゾリル、キノキサリル、1,8−ナフチリジル、もしくはプテリジルが挙げられる。二環式ヘテロアリールは、標準的な化学命名法に従って番号付けされる。
ヘテロアリールは、1個以上の置換基(例えば、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル];脂環式;(脂環式)脂肪族;複素脂環式;(複素脂環式)脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルコキシ;(脂環式)オキシ;(複素脂環式)オキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;(芳香族脂肪族)オキシ;(複素芳香族脂肪族)オキシ;アロイル;ヘテロアロイル;アミノ;オキソ(二環式もしくは三環式のヘテロアリールの非芳香族の炭素環式もしくは複素環式環上にある);カルボキシ;アミド;アシル[例えば、脂肪族カルボニル;(脂環式)カルボニル;((脂環式)脂肪族)カルボニル;(芳香族脂肪族)カルボニル;(複素脂環式)カルボニル;((複素脂環式)脂肪族)カルボニル;もしくは(複素芳香族脂肪族)カルボニル];スルホニル[例えば、脂肪族スルホニルもしくはアミノスルホニル];スルフィニル[例えば、脂肪族スルフィニル];スルファニル[例えば、脂肪族スルファニル];ニトロ;シアノ;ハロ;ヒドロキシ;メルカプト;スルホキシ;尿素;チオ尿素;スルファモイル;スルファミド;もしくはカルバモイル)で必要に応じて置換される。あるいは、ヘテロアリールは、非置換であり得る。
置換されたヘテロアリールの非限定的な例としては、(ハロ)ヘテロアリール[例えば、モノ(ハロ)ヘテロアリールおよびジ(ハロ)ヘテロアリール];(カルボキシ)ヘテロアリール[例えば、(アルコキシカルボニル)ヘテロアリール];シアノヘテロアリール;アミノヘテロアリール[例えば、((アルキルスルホニル)アミノ)ヘテロアリールおよび((ジアルキル)アミノ)ヘテロアリール];(アミド)ヘテロアリール[例えば、アミノカルボニルヘテロアリール、((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール、((((アルキル)アミノ)アルキル)アミノカルボニル)ヘテロアリール、(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)ヘテロアリール、((複素脂環式)カルボニル)ヘテロアリール、および((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール];(シアノアルキル)ヘテロアリール;(アルコキシ)ヘテロアリール;(スルファモイル)ヘテロアリール[例えば、(アミノスルホニル)ヘテロアリール];(スルホニル)ヘテロアリール[例えば、(アルキルスルホニル)ヘテロアリール];(ヒドロキシアルキル)ヘテロアリール;(アルコキシアルキル)ヘテロアリール;(ヒドロキシ)ヘテロアリール;((カルボキシ)アルキル)ヘテロアリール;(((ジアルキル)アミノ)アルキル]ヘテロアリール;(複素脂環式)ヘテロアリール;(脂環式)ヘテロアリール;(ニトロアルキル)ヘテロアリール;(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)ヘテロアリール;((アルキルスルホニル)アルキル)ヘテロアリール;(シアノアルキル)ヘテロアリール;(アシル)ヘテロアリール[例えば、(アルキルカルボニル)ヘテロアリール];(アルキル)ヘテロアリール;もしくは(ハロアルキル)ヘテロアリール[例えば、トリハロアルキルヘテロアリール]が挙げられる。
「複素芳香族脂肪族」(例えば、ヘテロアラルキル基)とは、本明細書で使用される場合、ヘテロアリール基で置換されている脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基)をいう。「脂肪族」、「アルキル」、および「ヘテロアリール」は、上で定義されている。
「ヘテロアラルキル」基とは、本明細書で使用される場合、ヘテロアリール基で置換されているアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)をいう。「アルキル」および「ヘテロアリール」はともに、上で定義されている。ヘテロアラルキルは、1個以上の置換基(例えば、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルのようなハロアルキルが挙げられる)、アルケニル、アルキニル,シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ,シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ,アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ,シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、もしくはカルバモイル)で必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「環式部分」および「環式基」とは、単環式、二環式、および三環式の環系(脂環式、複素脂環式、アリール、もしくはヘテロアリールを含み、これらの各々は、先に定義されている)をいう。
本明細書で使用される場合、「架橋型二環式環系」とは、二環式複素環式脂肪族環系もしくは二環式脂環式環系であって、ここで上記環が架橋されているものをいう。架橋型二環式環系の例としては、アダマンタニル、ノルボルナニル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、2−オキサビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルが挙げられるが、これらに限定されない。架橋型二環式環系は、1個以上の置換基(例えば、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルのようなハロアルキルが挙げられる)、アルケニル、アルキニル,シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ,シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ,アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ,シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、もしくはカルバモイル)で必要に応じて置換され得る。
本明細書で使用される場合、「アシル」基とは、ホルミル基もしくはR−C(O)−(例えば、アルキル−C(O)−(「アルキルカルボニル」ともいわれる))であって、ここでRおよび「アルキル」は、先に定義されたとおりであるものをいう。アセチルおよびピバロイルは、アシル基の例である。
本明細書で使用される場合、「アロイル」もしくは「ヘテロアロイル」とは、アリール−C(O)−もしくはヘテロアリール−C(O)−をいう。上記アロイルもしくはヘテロアロイルのアリールおよびヘテロアリール部分は、先に定義されているように、必要に応じて置換される。
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」基とは、アルキル−O−基であって、ここで「アルキル」は、先に定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「カルバモイル」基とは、構造−O−CO−NRもしくは−NR−CO−O−Rを有する基であって、ここでRおよびRは、上に定義されかつRは、脂肪族、アリール、芳香族脂肪族、複素脂環式、ヘテロアリール、もしくは複素芳香族脂肪族であり得るものをいう。
本明細書で使用される場合、「カルボキシ」基とは、終端の基として使用される場合には、−COOH、−COOR、−OC(O)H、−OC(O)Rをいい、または内部の基として使用される場合には、−OC(O)−もしくは−C(O)O−をいう。
本明細書で使用される場合、「ハロ脂肪族」基とは、1〜3個のハロゲンで置換された脂肪族基をいう。例えば、用語ハロアルキルは、基−CFを含む。
本明細書で使用される場合、「メルカプト」基とは、−SHをいう。
本明細書で使用される場合、「スルホ」基とは、終端で使用される場合には、−SOHもしくは−SOをいい、または内部で使用される場合には、−S(O)−をいう。
本明細書で使用される場合、「スルファミド」基とは、終端で使用される場合には構造−NR−S(O)−NRであり、内部で使用される場合には−NR−S(O)−NR−であって、ここでR、R、およびRは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「スルファモイル」基とは、構造−O−S(O)−NRであって、ここでRおよびRは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「スルホンアミド」基とは、終端で使用される場合には、構造−S(O)−NRもしくは−NR−S(O)−R、または内部で使用される場合には、−S(O)−NR−もしくは−NR−S(O)−であって、ここでR、R、およびRは、上で定義されるものをいう。
本明細書で使用される場合、「スルファニル」基とは、終端で使用される場合には−S−Rであり、内部で使用される場合には−S−であって、ここでRは、上で定義されているものをいう。スルファニルの例としては、脂肪族−S−、脂環式−S−、アリール−S−などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「スルフィニル」基とは、終端で使用される場合には−S(O)−Rであり、内部で使用される場合には−S(O)−であって、ここでRは、上で定義されているものをいう。例示的なスルフィニル基としては、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(脂環式(脂肪族))−S(O)−,シクロアルキル−S(O)−、複素脂環式−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「スルホニル基」とは、終端で使用される場合には−S(O)−Rであり、内部で使用される場合には−S(O)−であって、ここでRは、上で定義されているものをいう。例示的なスルホニル基としては、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(脂環式(脂肪族))−S(O)−、脂環式−S(O)−、複素脂環式−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−、(脂環式(アミド(脂肪族)))−S(O)−などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「スルホキシ」基とは、終端で使用される場合には−O−S(O)−Rもしくは−S(O)−O−Rであり、内部で使用される場合には−O−S(O)−もしくは−S(O)−O−であって、ここでRは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」もしくは「ハロ」基とは、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素をいう。
本明細書で使用される場合、用語カルボキシに包含され、単独で、もしくは別の基とともに使用される「アルコキシカルボニル」とは、アルキル−O−C(O)−のような基をいう。
本明細書で使用される場合、「アルコキシアルキル」とは、アルキル−O−アルキル−のようなアルキルであって、ここでアルキルは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「カルボニル」とは、−C(O)−をいう。
本明細書で使用される場合、「オキソ」とは、=Oをいう。
本明細書で使用される場合、用語「ホスホ」とは、ホスフィネートおよびホスホネートをいう。ホスフィネートおよびホスホネートの例としては、−P(O)(Rであって、ここでRは、脂肪族、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(脂環式)オキシ、(複素脂環式)オキシアリール、ヘテロアリール、脂環式もしくはアミノであるものが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アミノアルキル」とは、構造(RN−アルキル−をいう。
本明細書で使用される場合、「シアノアルキル」とは、構造(NC)−アルキル−をいう。
本明細書で使用される場合、「尿素」基とは、構造−NR−CO−NRをいい、「チオ尿素」基とは、終端で使用される場合には構造−NR−CS−NRであり、内部で使用される場合には−NR−CO−NR−もしくは−NR−CS−NR−であって、ここでR、R、およびRは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、「グアニジン」基とは、構造−N=C(N(R))N(R)もしくは−NR−C(=NR)NRであって、ここでRおよびRは、上で定義されているものをいう。
本明細書で使用される場合、用語「アミジノ」基とは、構造−C=(NR)N(R)であって、ここでRおよびRは、上で定義されているものをいう。
一般に、用語「ビシナル」とは、2個以上の炭素原子を含む基の上にある置換基の配置であって、ここで上記置換基は、隣り合う炭素原子に結合されているものをいう。
一般に、用語「ジェミナル」とは、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基の配置であって、ここで上記置換基が、同じ炭素原子に結合される配置をいう。
用語「終端で」および「内部で」とは、置換基内の基の位置を意味する。ある基は、上記基が、上記置換基の末端に存在し、化学構造の残りにさらに結合しない場合に終端にある。カルボキシアルキル(すなわち、RO(O)C−アルキル)は、終端で使用されるカルボキシ基の例である。ある基は、上記基が、化学構造の置換基の中間に存在する場合に内部にある。アルキルカルボキシ(例えば、アルキル−C(O)O−もしくはアルキル−OC(O)−)およびアルキルカルボキシアリール(例えば、アルキル−C(O)O−アリール−もしくはアルキル−O(CO)−アリール−)は、内部で使用されるカルボキシ基の例である。
本明細書で使用される場合、「脂肪族鎖」とは、分枝鎖状もしくは直鎖状の脂肪族基(例えば、アルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基)をいう。直鎖状の脂肪族鎖は、構造−[CH−(ここでvは、1〜12である)を有する。分枝鎖状の脂肪族鎖は、1個以上の脂肪族基で置換されている直鎖状の脂肪族鎖である。分枝鎖状の脂肪族鎖は、構造−[CQQ]−(ここでQは、独立して、水素もしくは脂肪族基である;しかし、Qは、少なくとも1つの例においては、脂肪族基であるものとする)を有する。用語脂肪族鎖は、アルキル鎖、アルケニル鎖、およびアルキニル鎖であって、ここでアルキル、アルケニル、およびアルキニルは、上で定義されるものを含む。
語句「必要に応じて置換される」とは、語句「置換されているかもしくは置換されていない」と交換可能に使用される。本明細書で記載される場合、本発明の化合物は、上で図示されるように、もしくは本発明の特定のクラス、サブクラス、および種によって例示されるもののように、1個以上の置換基で必要に応じて置換され得る。本明細書で記載される場合、変数R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R、R、Rおよび本明細書に記載される式I、式II、式III、式IV、式Ia、式1、式1a、式2に含まれる他の変数は、アルキルおよびアリールのような具体的な基を包含する。別段示されなければ、上記変数R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R、R、R、およびそれらに含まれる他の変数についての具体的な基の各々は、本明細書に記載される1個以上の置換基で必要に応じて置換され得る。具体的な基の各置換基は、ハロ、シアノ、オキソ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、脂環式、複素脂環式、ヘテロアリール、ハロアルキル、およびアルキルのうちの1〜3個でさらに必要に応じて置換される。例えば、アルキル基は、アルキルスルファニルで置換され得、上記アルキルスルファニルは、ハロ、シアノ、オキソ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、ハロアルキル、およびアルキルのうちの1〜3個で必要に応じて置換され得る。さらなる例として、(シクロアルキル)カルボニルアミノのシクロアルキル部分は、ハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロアルキル、およびアルキルのうちの1〜3個で必要に応じて置換され得る。2個のアルコキシ基が、同じ原子もしくは隣り合う原子に結合する場合、上記2個のアルコキシ基は、それらが結合する原子と一緒になって、環を形成し得る。
一般に、用語「置換された」とは、用語「必要に応じて」が先行していてもそうでなくても、所定の構造における水素原子を、特定された置換基のラジカルで置換することを意味する。具体的な置換基は、上記の定義において記載され、下記の化合物の説明およびその実施例の中で記載されている。別段示されなければ、必要に応じて置換された基は、上記基の置換可能な各位置において置換基を有し得、任意の所定の構造の中の1つより多くの位置が、特定された基から選択される1個より多くの置換基で置換され得る場合、上記置換基は、あらゆる位置において同じであっても異なっていてもよい。環置換基(例えば、ヘテロシクロアルキル)は、別の環(例えば、シクロアルキル)に結合して、スピロ二環式環系(例えば、両方の環が1個の共通する原子を共有する)を形成し得る。当業者が認識するように、本発明によって想定される置換基の組み合わせは、安定なもしくは化学的に実現可能な化合物の形成を生じるそれらの組み合わせである。
語句「安定なもしくは化学的に実現可能な」とは、本明細書で使用される場合、それらの生成、検出、および好ましくはそれらの回収、精製、および本明細書で開示される目的のうちの1つ以上のための使用を可能にする条件に供される場合、実質的に変化しない化合物を意味する。いくつかの実施形態において、安定な化合物もしくは化学的に実現可能な化合物は、40℃以下の温度において、水分もしくは化学的に反応性の条件の非存在下で、少なくとも1週間にわたって保持される場合に実質的に変化しないものである。
本明細書で使用される場合、「有効量」とは、処置される患者に対して治療上の効果を付与するために必要とされる量として定義され、代表的には、上記患者の年齢、表面積、体重および状態に基づいて決定される。動物およびヒトの投与量(ミリグラム/体表面の平方メートルに基づく)の相互関係は、Freireich et al., Cancer Chemother. Rep., 50: 219 (1966)に記載されている。体表面積は、上記患者の身長および体重から概算して決定され得る。例えば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardsley, New York, 537 (1970)を参照のこと。本明細書で使用される場合、「患者」とは、ヒトを含め、哺乳動物をいう。
別段示されなければ、本明細書に示される構造はまた、構造の全ての異性(例えば、エナンチオ異性、ジアステレオ異性、および幾何異性(もしくは配座異性))形態を含むことが意図される;例えば、各不斉中心のR配置およびS配置、(Z)二重結合異性体および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)配座異性体および(E)配座異性体。従って、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオ異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体(もしくは配座異性体)の混合物は、本発明の範囲内である。別段示されなければ、本発明の化合物の全ての互変異性形態は、本発明の範囲内にある。さらに、別段示されなければ、本明細書に示される構造はまた、1個以上の同位体富化された原子が存在する点においてのみ異なる化合物を含むことが意図される。例えば、水素が重水素もしくはトリチウムによって置換されていること、または炭素が13C富化炭素もしくは14C富化炭素によって置換されていることを除いて、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。このような化合物は、例えば、分析ツール、もしくは生物学的アッセイにおけるプローブとして、または治療剤として有用である。
化学構造および命名法は、ChemDraw, version 11.0.1, Cambridge, MAから得られる。
記述子「第1の」、「第2の」、「第3の」などの使用が、別個の要素(例えば、溶媒、反応工程、プロセス、試薬など)を区別するために使用され、記載される要素の相対的順序もしくは相対的年代順を指してもよいし、そうでなくてもよいことに注意する。
(II.AbA誘導体を合成する方法)
本発明の一局面は、感染の処置に有用であるAbA誘導体を生成するための新規合成を提供する。この合成プロセスは、式Iの化合物
を調製するのに有用であり、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、ここでXは、ハロゲンであり;上記プロセスは、式1の化合物とハロゲン化試薬とを、第1の溶媒(すなわち、溶媒A)の存在下で反応させて、式Iの化合物を形成する工程であって、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、
であり、その残りは、−Hであり;
およびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換される、工程を包含する。
式Iの化合物を生成するための上記式1の化合物と上記ハロゲン化試薬との反応は、第1反応といわれる。そして、上記式1の化合物、溶媒A、および上記ハロゲン化試薬を含む混合物は、第1反応混合物といわれる。
この方法に有用なハロゲン化薬剤は、上記式1の化合物と反応して、R、R、R、もしくはRのボリル部分を、ハロゲン(例えば、−Cl、−Brもしくは−I)で置換するハロゲン化剤を含む。いくつかの方法において、上記ハロゲン化試薬は、ハロゲン化銅(II)(例えば、CuBr、CuI、もしくはCuCl)を含む。例えば、上記ハロゲン化試薬は、臭化銅(II)、すなわち、CuBrを含む。他の方法において、上記ハロゲン化試薬は、ヨウ化銅(II)、すなわち、CuIを含む。
この第1反応に有用な溶媒は、溶媒Aといわれる。このような溶媒、すなわち、溶媒Aは、ホウ素化有機化合物(例えば、ホウ素化AbA)およびハロゲン化試薬(例えば、臭化銅(II)もしくはヨウ化銅(II))を少なくとも部分的に溶解する。いくつかの方法において、溶媒Aは、極性溶媒を含む。例えば、溶媒Aは、アルコールを含む。例えば、上記アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の例において、溶媒Aは、水をさらに含む。他の例において、上記第1の溶媒は、実質的に混和性である2種以上の極性溶媒の混合物を含む。例えば、上記第1の溶媒は、水およびエタノールの混合物を含む。他の場合において、上記第1の溶媒は、エタノール対水の体積で、約0.5:1〜約4:1の比での、水とエタノールとの混合物を含む。
いくつかの方法において、上記ハロゲン化試薬は、上記ハロゲン化試薬のモル対上記式1の化合物のモルで、約1:100〜約50:1(例えば、1:50〜約5:1、1:1〜約5:1もしくは約2.5:1〜約4:1)の量での上記第1反応混合物中に存在する。
いくつかの方法において、上記第1反応は、加熱下(例えば、約35℃〜約100℃もしくは約40℃〜約80℃)で行われる。
他の方法において、上記第1反応は、室温(例えば、約17℃〜約30℃)で行われる。
いくつかの実施において、上記方法は、式2の化合物
とホウ素化試薬とを、触媒および第2の溶媒(すなわち、溶媒B)の存在下で反応させて、式1の化合物を生成する工程をさらに包含する。
式1の化合物を生成するための上記式2の化合物と上記ホウ素化試薬との反応は、第2反応といわれる。そして、上記式2の化合物、溶媒B、および上記ホウ素化試薬を含む混合物は、第2反応混合物といわれる。
いくつかの方法において、上記ホウ素化試薬は、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、カテコールボラン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、ビス(カテコラト)ジボロン、ビス[(+)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス[(−)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス(ジエチル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジエチル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−D−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−L−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。例えば、上記ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラト)ジボロンを含む。
いくつかの方法において、上記ホウ素化試薬は、ホウ素化試薬のモル対AbAのモルで、約1:20〜約4:1(例えば、約1:1〜約4:1もしくは1.5:1〜約2.5:1)の比で、上記第2反応混合物中にAbAとともに存在する。
本発明の方法において有用な触媒は、アリール水素原子がボリル基で置換される化学反応(例えば、クロスカップリング反応)を促進する。いくつかの方法において、上記触媒は、遷移金属触媒である。例えば、上記遷移金属触媒は、Ir、Re、Rh、Pd、Pt、Ni、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの場合において、上記遷移金属触媒は、Ir(例えば、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド、もしくはこれらの任意の組み合わせ)を含む。他の場合において、上記遷移金属触媒は、Re(例えば、Cp*Re(CO))を含む。そして、いくつかの場合において、上記遷移金属触媒は、Rh(例えば、Cp*Rh(η−CMe)もしくはRhCl(PiPr(N))を含む。他の場合において、上記遷移金属触媒は、Pd(例えば、10% Pd/C)を含む。
いくつかの方法において、上記触媒は、Irおよびキレート化試薬をさらに含む。例えば、上記キレート化試薬は、二座配位化合物(bidentate compound)を含む。いくつかの例において、上記キレート化試薬は、4,4’−ジ−tertブチル−2,2’ビピリジンを含む。
いくつかの方法において、上記触媒は、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)および4,4’−ジ−tertブチル−2,2’ビピリジンキレート化試薬を含む。
いくつかの方法において、上記触媒は、触媒のモル対AbAのモルで、約1:7〜約1:3(例えば、1:6〜約1:4)の比で、上記第2反応混合物中にAbAとともに存在する。
上記第2反応に有用な溶媒(すなわち、溶媒B)は、上記式2の化合物および上記ホウ素化試薬を少なくとも部分的に溶解する。いくつかの方法において、上記溶媒Bは、非プロトン性非極性溶媒を含む。例えば、溶媒Bは、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の例において、上記第2の溶媒は、メチルtertブチルエーテル(「MTBE」)(例えば、乾燥MTBE)をさらに含む。例えば、上記溶媒Bは、ヘプタンおよびMTBEの混合物を含む。
上記溶媒Bは、任意の有用な方法を使用して、分子酸素(O)を上記溶媒から除去するために、さらに加工処理され得る。例えば、上記第2の溶媒は、不活性ガス(例えば、アルゴン、窒素、キセノン、これらの任意の組み合わせ、もしくは別の不活性ガス)が注入される。
いくつかの方法において、上記第2反応は、加熱下(例えば、約35℃〜約100℃もしくは約40℃〜約80℃)で行われる。
他の方法において、上記第2反応は、室温で行われる。
そして、いくつかの方法において、上記第2反応は、不活性環境(例えば、不活性ガス(例えば、N)環境)において行われる。
いくつかの方法において、上記式Iの化合物は、式Iaの化合物
であり、
ここでRもしくはRのうちの一方は、−Xであり、その残りは、−Hである。
他の方法において、−Xは、−Cl、−Brもしくは−Iから選択される。
いくつかの方法において、上記式1の化合物は、式1aの化合物
である。
いくつかの方法において、RもしくはRのうちの一方は、
であり、その残りは、−Hである。
いくつかの方法において、上記反応のうちの1つ以上は、加熱下で行われる。例えば、上記反応混合物(例えば、上記第1反応混合物、もしくは上記第2反応混合物、または両方)は、約40℃より高い温度(例えば、約45℃〜約95℃)へと加熱される。他の例において、上記反応混合物(例えば、上記第1反応混合物、もしくは上記第2反応混合物、または両方)が、約40℃より高い温度(例えば、約45℃〜約95℃)へと加熱される。
本発明の別の局面は、式Iaの化合物
を生成する方法を提供し、
ここでRもしくはRのうちの一方は、−Brもしくは−Iであり、その残りは、−Hであり、上記方法は、
式1aの化合物と臭素化試薬もしくはヨウ素化試薬とを、第1の溶媒(すなわち、溶媒A)の存在下で反応させて、式Iaの化合物を形成する工程であって、
ここでRもしくはRのうちの一方は、
であり、その残りは、−Hであり;
およびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換される、工程を包含する。
この方法に有用な臭素化試薬は、上記式1aの化合物と反応して、R、R、R、もしくはRのボリル部分を−Brで置換する臭素化試薬を含む。いくつかの方法において、上記臭素化試薬は、臭化銅(II)を含む。
この方法に有用なヨウ素化試薬は、上記式1aの化合物と反応して、R、R、R、もしくはRのボリル部分を−Iで置換するヨウ素化試薬を含む。いくつかの方法において、上記ヨウ素化試薬は、ヨウ化銅(II)を含む。この方法に有用なヨウ素化試薬は、インサイチュで生成され得ることに注意。
この反応に有用な溶媒としては、溶媒Aといわれる溶媒が挙げられる。このような溶媒(すなわち、溶媒A)は、ホウ素化有機化合物(例えば、ホウ素化AbA)、臭素化試薬(例えば、臭化銅(II))もしくはヨウ素化試薬(例えば、ヨウ化銅(II))を少なくとも部分的に溶解する。いくつかの方法において、溶媒Aは、極性溶媒を含む。例えば、溶媒Aは、アルコールを含む。例えば、上記アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の例において、溶媒Aは、水をさらに含む。他の例において、上記第1の溶媒は、実質的に混和性である2種以上の極性溶媒の混合物を含む。例えば、上記第1の溶媒は、水およびエタノールの混合物を含む。他の場合において、上記第1の溶媒は、エタノール対水で、約1:1〜約4:1の体積比の水およびエタノールの混合物を含む。
いくつかの方法において、上記臭素化試薬は、上記ハロゲン化試薬のモル対上記式1の化合物のモルで、約1:1〜約5:1(例えば、約2.5:1〜約4:1)の比で、上記式1の化合物を含む反応混合物中に存在する。
いくつかの方法において、この反応は、加熱下(例えば、約35℃〜約100℃もしくは約40℃〜約80℃)で行われる。
他の方法において、この反応は、室温(例えば、約17℃〜約30℃)で行われる。
いくつかの実施において、上記方法は、式2の化合物
とホウ素化試薬とを、触媒および第2の溶媒(すなわち、溶媒B)の存在下で反応させて、式1aの化合物を生成する工程をさらに包含する。
いくつかの方法において、上記ホウ素化試薬は、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、カテコールボラン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、ビス(カテコラト)ジボロン、ビス[(+)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス[(−)−ピナンジオラト]ジボロン、ビス(ジエチル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジエチル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−D−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(ジイソプロピル−L−タルトレートグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−D−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、ビス(N,N,N’,N’−テトラメチル−L−酒石酸アミドグリコラト)ジボロン、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。例えば、上記ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラト)ジボロンを含む。
いくつかの方法において、上記ホウ素化試薬は、ホウ素化試薬のモル対AbAのモルで、約1:1〜約4:1(例えば、1.5:1〜約2.5:1)の比で、AbAを含む反応混合物中に存在する。
本発明の方法において有用な触媒は、アリール水素原子がボリル基で置換される化学反応(例えば、クロスカップリング反応)を促進する。いくつかの方法において、上記触媒は、遷移金属触媒である。例えば、上記遷移金属触媒は、Ir、Re、Rh、Pd、Pt、Ni、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの場合において、上記遷移金属触媒は、Ir(例えば、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド、もしくはこれらの任意の組み合わせ)を含む。他の場合において、上記遷移金属触媒は、Re(例えば、Cp*Re(CO))を含む。そして、いくつかの場合において、上記遷移金属触媒は、Rh(例えば、Cp*Rh(η−CMe)もしくはRhCl(PiPr(N))を含む。他の場合において、上記遷移金属触媒は、Pd(例えば、10% Pd/C)を含む。
いくつかの方法において、上記触媒は、Irおよびキレート化試薬をさらに含む。例えば、上記キレート化試薬は、二座配位化合物を含む。いくつかの例において、上記キレート化試薬は、4,4’−ジ−tertブチル−2,2’ビピリジンを含む。
いくつかの方法において、上記触媒は、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)および4,4’−ジ−tertブチル−2,2’ビピリジンキレート化試薬を含む。
いくつかの方法において、上記触媒は、触媒のモル対AbAのモルで、約1:7〜約1:3(例えば、1:6〜約1:4)の比で上記第2反応混合物中にAbAとともに存在する。
Abaとホウ素化試薬との反応に有用な溶媒は、溶媒Bといわれる溶媒を含む。いくつかの方法において、上記溶媒Bは、非プロトン性非極性溶媒を含む。例えば、溶媒Bは、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。他の例において、上記第2の溶媒は、メチルtertブチルエーテル(「MTBE」)(例えば、乾燥MTBE)をさらに含む。例えば、上記溶媒Bは、ヘプタンおよびMTBEの混合物を含む。
上記溶媒Bは、任意の有用な方法を使用して、分子酸素(O)を上記溶媒から除去するようにさらに加工処理され得る。例えば、上記第2の溶媒は、アルゴン、窒素、キセノン、これらの任意の組み合わせ、もしくは別の不活性ガスが注入される。
いくつかの方法において、この反応は、加熱下(例えば、約35℃〜約100℃もしくは約40℃〜約80℃)で行われる。
他の方法において、この反応は、室温で行われる。
そして、いくつかの方法において、この反応は、不活性環境(例えば、不活性ガス(例えば、N)環境)において行われる。
いくつかの方法において、上記式Iaの化合物は、
である。
いくつかの方法において、上記臭素化試薬は、ハロゲン化銅(II)(例えば、CuCl、もしくはCuBr)を含む。
いくつかの方法において、上記式Iaの化合物は、
である。
いくつかの方法において、上記臭素化試薬は、ヨウ化銅(II)(例えば、CuI、もしくはCuI)を含む。
他の方法において、式1a中のRもしくはRのうちの一方は、
であり、その残りは、−Hである。
いくつかの方法において、上記反応のうちの1つ以上は、加熱下で行われる。例えば、上記反応混合物(例えば、上記第1反応混合物、もしくは上記第2反応混合物、または両方)は、約40℃より高い温度(例えば、約45℃〜約95℃)へと加熱される。他の例において、上記反応混合物(例えば、上記第1反応混合物、もしくは上記第2反応混合物、または両方)は、約40℃より高い温度(例えば、約45℃〜約95℃)へと加熱される。
(ハロゲン化AbAのさらなる合成)
ハロゲン化AbAは、さらなる合成に絶え得る。ハロゲン化AbAを合成する方法の例は、以下に提供される。
本発明の別の局面は、式IIの化合物
を生成する方法を提供し、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、ここでXは、ハロゲンであり、Rは、−Si(R10であり、ここで各R10は、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−5アルキルから独立して選択され;上記方法は、
式Iの化合物とSi(R10とを、第1の溶媒(すなわち、溶媒C)および塩基の存在下で反応させて、式IIの化合物
を形成する工程であって、ここでXは、ハロゲン、−OTf、−OTs、もしくは−OMsである、工程を包含する。
いくつかの方法において、Rは、−Si(R10であり、各R10は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、もしくはtert−ブチルから独立して選択される。
この反応に有用な溶媒は、溶媒Cといわれる。いくつかの方法において、溶媒Cは、極性溶媒を含む。例えば、溶媒Cは、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの方法において、上記塩基は、第三級アミン塩基を含む。例えば、上記アミン塩基は、イミダゾール、トリメチルアミン、トリエチルアミン、またはN−置換もしくはN,N−置換されたピペリジン(例えば、N,N−ジメチルピペラジン)、ピペリジン(例えば、N−メチルピペリジン)、ピロリジン(例えば、N−メチルピロリジン)、もしくはこれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施において、上記方法は、式1の化合物とハロゲン化試薬とを、第2の溶媒(すなわち、溶媒A)の存在下で反応させて、式Iの化合物を形成する工程であって、
ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、
であり、その残りは、−Hであり;
およびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換される、工程をさらに包含する。
いくつかの実施において、上記方法は、式2の化合物
とホウ素化試薬とを、触媒および第3の溶媒(すなわち、溶媒B)の存在下で反応させて、式1の化合物を生成する工程をさらに包含する。
いくつかの方法において、上記式Iの化合物は、式Iaの化合物
であり、ここでRもしくはRのうちの一方は、−Xであり、その残りは、−Hである。
他の方法において、−Xは、−Cl、−Br、もしくは−Iから選択される。
いくつかの方法において、上記ハロゲン化試薬は、上に記載されるとおりである。
いくつかの方法において、上記式1の化合物は、式1aの化合物
である。
いくつかの方法において、RもしくはRのうちの一方は、
であり、その残りは、−Hである。
いくつかの方法において、溶媒Bは、極性溶媒(例えば、上に記載されるもののうちのいずれか)を含む。
いくつかの方法において、上記ホウ素化試薬は、上に記載されるとおりである。
いくつかの方法において、上記触媒は、上に記載されるとおりである。
いくつかの方法において、溶媒Bは、非プロトン性非極性溶媒(例えば、上に記載されるもの)を含む。
式Iの化合物は、クロスカップリング反応スキーム(例えば、鈴木クロスカップリング)を介してさらに誘導体化され得る。
本発明の別の局面は、式IVの化合物
を生成する方法を提供し、
ここでR14、R15、R16、もしくはR17のうちの1つは、必要に応じて置換されたアリールもしくは必要に応じて置換されたヘテロアリールであり、その残りは、−Hであり、上記方法は、
式Iの化合物
とR18−B(OH)とを、Pdを含む触媒の存在下で反応させる工程であって、ここでR、R、R、もしくはRのうちの1つは、−Xであり、その残りは、−Hであり、ここでXは、ハロゲンであり、ここでR18は、1個以上のさらなる部分で必要に応じて置換されている、アリールもしくはヘテロアリールである。
いくつかの方法において、上記式IVの化合物は、
いくつかの方法において、R14、R15、R16、もしくはR17のうちの1つは、
であり、その残りは、−Hである。例えば、R14、R15、R16、もしくはR17のうちの1つは、
であり、その残りは、−Hである。他の例において、R14もしくはR15のうちの一方は、
であり、その残りは、−Hである。例えば、R14は、−Hである。
いくつかの方法において、Pdを含む上記触媒は、Pd(PPh、Pd(dba)、もしくはPdCl(dppf)から選択される。
(III.新規化合物)
本発明の別の局面は、
から選択される化合物を提供する。
本発明の別の局面は、
から選択される化合物を提供する。
本発明の別の局面は、式1aの化合物
を提供し、
ここでRもしくはRのうちの一方は、
であり、その残りは、−Hであり;
およびRの各々は、独立して、−C1−4アルキル、−C3−6シクロアルキルであるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、5〜6員の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換されるか;またはRおよびRは、これらが結合する酸素原子と一緒になって、7〜10員の二環式もしくは三環式の環を形成し、上記環は、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせのうちの1〜4個で必要に応じて置換される。
いくつかの実施形態において、上記
基は、
から選択され、
ここで各Rは、−H、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシカルボニル、−C1−3アルキルアミノカルボニル、もしくはこれらの任意の組み合わせから独立して選択され、nは、1〜4である。
本発明の別の局面は、
から選択される化合物を提供する。
本発明の別の局面は、式IIIの化合物
もしくはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここでR11およびR12のうちの一方は、−Hであり、その残りは、−I、−Br、−Cl、−B(OH)
であり;R13は、−Hもしくは−Si(R10であり、ここで各R10は、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−6アルキルから独立して選択される。
いくつかの実施形態において、R11およびR12のうちの一方は、−Hであり、その残りは、−I、−Cl、−Br、−B(OH)
である。
いくつかの実施形態において、R12は、−Hである。
(IV.薬学的組成物)
本発明の別の局面は、式IIIの化合物
もしくはその薬学的に受容可能な塩、またはその薬学的に受容可能な塩と、薬学的に受容可能なビヒクル、キャリア、もしくはアジュバントとを含む薬学的組成物を提供し、ここでR11およびR12のうちの一方は、−Hであり、その残りは、−I、−I、−Cl、−B(OH)
であり;R13は、−Hもしくは−Si(R10であり、ここで各R10は、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−6アルキルから独立して選択される。
いくつかの実施形態において、R11およびR12のうちの一方は、−Hであり、その残りは、−I、−Cl、−Br、−B(OH)
である。
いくつかの実施形態において、R12は、−Hである。
本発明の別の局面は、
から選択される化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、薬学的に受容可能なビヒクル、キャリア、もしくはアジュバントとを含む薬学的組成物を提供する。
本発明の別の局面は、
から選択される化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩と、薬学的に受容可能なビヒクル、キャリア、もしくはアジュバントとを含む薬学的組成物を提供する。
上記のように、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、もしくはビヒクルをさらに含み、上記キャリア、アジュバント、もしくはビヒクルとしては、本明細書で使用される場合、所望の特定の投与形態に適している場合、全ての溶媒、希釈剤、もしくは他の液体ビヒクル、分散物(例えば、スプレー乾燥分散物)もしくは懸濁補助物質、界面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤などが挙げられる。Remington’s Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980)は、薬学的に受容可能な組成物を製剤するにあたって使用される種々のキャリアおよびその調製のための公知の技術を開示する。任意の従来のキャリア媒体が、例えば、いかなる望ましくない生物学的効果をもたらすことによって、さもなければ、有害な様式において、上記薬学的に受容可能な組成物の任意の他の成分と相互作用することによって、本発明の化合物と配合禁忌である限りを除いて、その使用は、本発明の範囲内にあると企図される。薬学的に受容可能なキャリアとして働き得る物質のいくつかの例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝化物質(例えば、ホスフェート、グリシン、ソルビン酸、もしくはソルビン酸カリウム)、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩もしくは電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、羊毛脂、糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);粉末化トラガカントガム;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、カカオ脂および坐剤用ワックス);油(例えば、ラッカセイ油、綿実油;サフラワー油;胡麻油;オリーブ油;コーン油および大豆油);グリコール(例えば、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコール);エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天;緩衝化剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質非含有水;等張性生理食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝溶液、ならびに他の非毒性の適合性滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)が挙げられるが、これらに限定されないだけでなく、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、矯味矯臭剤および芳香剤、保存剤および抗酸化剤もまた、処方者の判断に従って、上記組成物中に存在し得る。
なお別の局面において、本発明は、上に記載されるように、1種以上の新規化合物を、またはこれら新規化合物のうちの1種以上を含む薬学的組成物を、好ましくは、それを必要とする哺乳動物に投与する工程を包含する、感染を処置する方法を提供する。
本発明によれば、上記化合物もしくは薬学的に受容可能な組成物の「有効量」は、感染(例えば、細菌感染もしくは真菌感染)を処置するかもしくはその重篤度を軽減するのに有効な量である。
上記薬学的組成物は、本発明によれば、感染を処置するかもしくはその重篤度を軽減するのに有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。
必要とされる正確な量は、被験体の種、年齢、および全身的な健康状態、感染の重篤度、特定の剤、その投与様式などに依存して、被験体ごとに変わる。本発明の化合物は、好ましくは、投与の容易さおよび投与量の均一性のために、単位投与形態において製剤される。表現「単位投与形態」とは、本明細書で使用される場合、処置されるべき患者に適した剤の物理的に別個の単位をいう。しかし、本発明の化合物および組成物の総一日使用量が、妥当な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解される。任意の特定の患者もしくは生物に関する特定の有効用量レベルは、処置されている障害および上記障害の重篤度;使用される特定化合物の活性;使用される特定の組成物;上記患者の年齢、体重、全身的な健康状態、性別および食事;投与時間、投与経路、および使用される具体的化合物の排出速度;処置の継続期間;上記使用される具体的化合物と組み合わせてもしくはこれと同時に使用される薬物、および医療分野において公知の同様の因子を含む種々の因子に依存する。用語「患者」は、本明細書で使用される場合、動物(例えば、哺乳動物)、より具体的には、ヒトを意味する。
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、処置されている感染の重篤度に依存して、ヒトおよび他の動物に、経口的に、直腸に、非経口的に、大槽内に(intracistemally)、膣内に、腹腔内に、局所に(散剤、軟膏、もしくは液滴によるように)、口内に、経口もしくは鼻スプレーなどとして投与され得る。特定の実施形態において、上記本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日あたり、1日に1回以上、約0.01mg/kg被験体体重〜約50mg/kg被験体体重および好ましくは、約1mg/kg被験体体重〜約25mg/kg被験体体重の投与量レベルにおいて、経口的にもしくは非経口的に投与され得る。あるいは、本発明の化合物は、10mg/kg〜約120mg/kgの間の投与量レベルにおいて、経口的にもしくは非経口的に投与され得る。
経口投与のための液体投与形態としては、薬学的に受容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁物、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。上記活性化合物に加えて、上記液体投与形態は、当該分野で一般に私用される不活性希釈剤(例えば、水もしくは他の溶媒、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油および胡麻油))、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤の他に、上記経口組成物はまた、補助物質(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤)を含み得る。
注射用調製物(例えば、無菌注射用水性もしくは油性懸濁物)は、適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤を使用して、公知の技術に従って製剤され得る。上記無菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤もしくは溶媒中の無菌注射用溶液、懸濁物もしくはエマルジョン(例えば、1,3−ブタンジオールの溶液として)であり得る。使用され得る上記受容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル溶液(米国局方)、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒もしくは懸濁媒体として従来通りに使用される。この目的で、任意の刺激の強くない不揮発性油が使用され得る(合成のモノグリセリドもしくはジグリセリドが挙げられる)。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は、注射可能物の調製において使用される。
上記注射用処方物は、例えば、細菌保持フィルタを通す濾過によって、または使用前に、滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体中に溶解もしくは分散され得る滅菌固体組成物の形態において、殺菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
本発明の化合物の効果を長期化するために、皮下注射もしくは筋肉内注射からの上記化合物の吸収を遅らせることは、しばしば望ましい。これは、水溶性の乏しい結晶性もしくは無定形の物質の液体懸濁物の使用によって達成され得る。上記化合物の吸収速度は、次に、その分解速度に依存し、続いて、上記分解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与される化合物形態の遅延吸収は、上記化合物を油ビヒクル中に溶解もしくは懸濁させることによって達成される。注射用デポー形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)中に上記化合物の微小被包されたマトリクスを形成することによって作製される。化合物対ポリマーの比および使用される特定ポリマーの性質に依存して、上記化合物の放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用処方物はまた、体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に上記化合物を捕捉することによって調製される。
直腸投与もしくは膣投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物と適切な非刺激性の賦形剤もしくはキャリア(例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコールもしくは坐剤用ワックス(これは、周囲温度で固体であるが、体温では液体であるので、直腸もしくは腟の内腔において融解し、上記活性化合物を放出する)とを混合することによって調製され得る坐剤である。
経口投与のための固体投与形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固体投与形態において、上記活性化合物は、少なくとも1種の不活性な、薬学的に受容可能な賦形剤もしくはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウムおよび/またはa)充填剤もしくは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアガム)、c)保湿剤(humectant)(例えば、グリセロール)、d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカのデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、および炭酸ナトリウム)、e)溶解遅延剤(solution retarding agent)(例えば、パラフィン)、f)吸収促進剤(例えば、第四級アンモニウム化合物)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート)、h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ)、ならびにi)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物)と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、上記投与形態はまた、緩衝化剤を含み得る。
類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトースもしくは乳糖のような賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、軟質充填ゼラチンカプセルおよび硬質充填ゼラチンカプセルとして使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤という上記固体投与形態は、腸溶性コーティングおよび薬剤処方分野において周知の他のコーティングのようなコーティングおよび殻とともに調製され得る。それらは、乳白剤を必要に応じて含んでもよく、また、それらは、上記活性成分を、必要に応じて遅延様式で、腸管の特定の部分のみで放出するか、または腸管の特定の部分で優先的に放出する組成のものでもあり得る。使用され得る埋め込み組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む:類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトースもしくは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質充填ゼラチンカプセルおよび硬質充填ゼラチンカプセル中に充填剤として使用され得る。
上記活性化合物はまた、上記のように、1種以上の賦形剤とともに微小被包された形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤という上記固体投与形態は、腸溶性コーティング、放出制御コーティングおよび薬剤処方分野において周知の他のコーティングのようなコーティングおよび殻とともに調製され得る。このような固体投与形態において、上記活性化合物は、少なくとも1種の不活性希釈剤(例えば、スクロース、ラクトースもしくはデンプン)と混合され得る。このような投与形態はまた、通常の実施と同じように、不活性希釈剤以外のさらなる物質(例えば、錠剤形成滑沢剤(tableting lubricant)および他の錠剤形成補助物質(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロース)を含み得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合において、上記投与形態はまた、緩衝化剤を含み得る。それらは、乳白剤を必要に応じて含んでもよく、また、それらは、上記活性成分を、必要に応じて遅延様式で、腸管の特定の部分のみで放出するか、または腸管の特定の部分で優先的に放出する組成のものでもあり得る。使用され得る埋め込み組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。
本発明の化合物の局所投与もしくは経皮投与のための投与形態としては、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル、散剤、液剤、スプレー、吸入剤もしくはパッチが挙げられる。上記活性成分は、薬学的に受容可能なキャリアおよび任意の必要とされる保存剤もしくは必要とされ得る場合、緩衝物質とともに、無菌条件下で混合される。眼用処方物、点耳剤および点眼剤もまた、本発明の範囲内にあると企図される。さらに、本発明は、経皮的パッチの使用を企図し、上記パッチは、身体への化合物の制御された送達を提供するという追加の利点を有する。このような投与形態は、上記化合物を適切な媒体中に溶解もしくは分散させることによって調製される。吸収増強剤はまた、皮膚を横断する上記化合物のフラックスを増大させるために使用され得る。その速度は、速度制御膜を提供するか、または上記化合物をポリマーマトリクスもしくはゲル中に分散させるかのいずれかによって、制御され得る。
本発明の化合物および薬学的に受容可能な組成物が、併用療法において使用され得る。すなわち、上記化合物および薬学的に受容可能な組成物が、1種以上の他の所望の治療剤もしくは医療手順と同時に、その前に、もしくはその後に投与され得ることもまた、認識される。組み合わせレジメンにおいて使用するための特定の療法(治療剤もしくは手順)の組み合わせは、所望の治療剤および/もしくは手順の適合性ならびに達成される所望の治療効果を考慮にいれる。上記使用される療法が、同じ障害について所望の効果を達成し得る(例えば、本発明の化合物が、同じ障害を処置するために使用される別の剤と同時に投与され得る)か、またはそれらが異なる効果(例えば、任意の有害作用の制御)を達成し得ることもまた、認識される。本明細書で使用される場合、特定の疾患、もしくは状態を処置もしくは予防するために通常投与されるさらなる治療剤は、「処置されている疾患もしくは状態に適切」であると知られる。
本発明の組成物中に存在するさらなる治療剤の量は、唯一の活性剤としてその治療剤を含む組成物において通常投与される量以下である。好ましくは、ここで開示される組成物中のさらなる治療剤の量は、唯一の治療上活性な剤としてその剤を含む組成物中に通常存在する量のうちの約50%〜100%の範囲に及ぶ。
本発明の化合物もしくはその薬学的に受容可能な組成物はまた、移植可能な医療用デバイス(例えば、補綴物、人工弁、血管移植片、ステントおよびカテーテル)をコーティングするための組成物の中に組み込まれ得る。よって、本発明は、別の局面において、移植可能なデバイスをコーティングするための組成物を包含し、この組成物は、上で全般的に記載されるとおりの、ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラスの本発明の化合物と、上記移植可能なデバイスをコーティングするのに適したキャリアを含む。なお別の局面において、本発明は、組成物でコーティングされた移植可能なデバイスを包含し、この組成物は、上で全般的に記載されるとおりの、ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラスの本発明の化合物と、上記移植可能なデバイスをコーティングするのに適したキャリアを含む。コーティングされた移植可能なデバイスの適切なコーティングおよび一般的な調製は、米国特許第6,099,562号;同第5,886,026号;および同第5,304,121号(これらの各々は、参考として援用される)に記載される。上記コーティングは、代表的には、生体適合性ポリマー材料(例えば、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレンビニルアセテート、およびこれらの混合物)である。上記コーティングは、必要に応じて、上記組成物において制御放出特徴を付与するために、フルオロシリコーン、ポリサッカリド、ポリエチレングリコール、リン脂質もしくはこれらの組み合わせの適切なトップコートによってさらに覆われ得る。
なお別の実施形態によれば、本発明は、感染を処置するかもしくはその重篤度を軽減するための方法を提供する。
本発明の別の局面は、生物学的サンプルもしくは患者(例えば、インビトロもしくはインビボ)において感染を処置することに関し、この方法は、上記患者に、上に記載される新規化合物を含む薬学的組成物を投与する工程、もしくは上記生物学的サンプルと上記薬学的組成物とを接触させる工程を包含する。用語「生物学的サンプル」とは、本明細書で使用される場合、細胞培養物もしくは抽出物、哺乳動物から得たそのとき生検した材料もしくはその抽出物;ならびに血液、唾液、尿、糞便、精液、涙液、または他の体液もしくはその抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で記載される発明が、より十分に理解され得るように、以下の実施例が記載される。これら実施例が例示目的に過ぎず、本発明を限定するとは如何様にしても解釈されるべきでないことが、理解されるべきである。
(V.例示的な合成)
式Iおよび式Iaの化合物は、市販の出発物質もしくは公知の出発物質から、以下のスキームにおいて提供される例示的合成経路に従って容易に合成され得る。
スキーム1において、AbAは、連続したホウ素化およびハロゲン化を受けて、式Iの化合物を生成する。上記式Iの化合物は、式Ia1、式Ia2、式Ia3、式Ia4、もしくはこれらの任意の組み合わせの化合物の混合物を含み得る。この一例を、スキーム1aおよび1bに示した:
スキーム2において、ハロゲン化AbAのアルコール部分は、化合物IIのシリルエーテルを形成することによって保護される(ここでR〜R、R、R10、およびXは、上で定義される)。
スキーム3は、ハロゲン化AbAをさらに合成するための例示的合成経路を示す。
上記AbAボロネートはまた、種々のボロン酸とカップリングして、所望の付加物をもたらし得る。この方法は、効率が低いとはあまり考えられていない。なぜなら、代表的には、過剰のボロン酸が鈴木反応において使用されるからである。従って、物質処理量およびコストの観点から、上記ボロネートを上記ハロゲン化物に変換し、過剰の安価なボロン酸を上記カップリング反応において使用する方がよい。
(VI.実施例)
本明細書に記載される発明が、より十分に理解され得るように、以下の実施例を示す。これら実施例は例示目的に過ぎず、本発明を限定するとは如何様にも解釈されるべきではないことが理解されるはずである。
例示的合成
実施例1:ハロゲン化AbA
オーレオバシジンボロネート − 4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジン(43.7mg,0.163mmol)、オーレオバシジン(0.50g,0.45mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.181g,0.713mmol)および乾燥MTBEとヘプタンとの1:1ミックス(アルゴンを注入)の6mLを、アルゴンを流した乾燥50mL三つ口フラスコに加えた。上記混合物にアルゴンを10分間注入し、ジ−μ−メトキシビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)(54mg,0.082mmol)を上記反応物に添加し、上記反応物を70℃へと加熱した。約50℃において、上記反応物の色が赤色になり、70℃において約15分後に、色は、褐色へと変化した。上記反応を、30分後にHPLCによってチェックし、70%完了していることを決定した。上記反応物を、70℃において一晩撹拌した。上記反応混合物を室温へと冷却し、ジクロロメタンで希釈した。上記混合物を、マグネソール(magnesol)(20g)を通して濾過し、200mLの、ジクロロメタン中の25%アセトンを流し込んだ。上記溶媒を真空中で除去し、その粗製物質を、溶離液(elutant)としてヘキサン中20〜25%アセトンを使用するシリカゲルクロマトグラフィー(120g)によって精製した。195mg(35%)の所望の生成物を、白色固体として単離した。HPLC保持時間 6.674分。
オーレオバシジンブロミド − オーレオバシジンボロネート(0.35g,0.28mmol)を、室温において40mLバイアルの中で、メタノール(6mL)中に溶解させた。混合物を、水(3mL)中の臭化銅(II)(0.191g,0.855mmol)の溶液で処理し、70℃へと一晩加熱した。その淡青色溶液を、酢酸エチル(50mL)および水(10mL)で希釈した。その層を分離し、ブラインで洗浄した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製物質を、溶離液としてヘキサン中25%アセトンを使用するシリカゲルクロマトグラフィー(90g)によって精製した。生成物を含む画分を合わせ、濃縮して、290mg(86%)の所望の生成物を白色固体として得た。HPLC保持時間 6.321分。MS (ESI+) C6091BrN11について m/z 1179.6, 1181.6 (M+H)
オーレオバシジンヨージド − オーレオバシジン MePheボロネート(8.2g,3.3mmol)を、メタノール(35mL,880mmol)および水(3.5mL,2.0E2mmol)中に、室温において溶解させ、ヨウ化銅(I)(1.19g,6.26mmol)およびN−ヨードスクシンイミド(1.41g,6.26mmol)で処理し、80℃へと5時間にわたって加熱した。5時間の時点で、HPLCは、完全な反応を示す。加熱をやめて、混合物を、翌日、solka flocを通して濾過し、生成物を、水性亜硫酸水素ナトリウムから、MTBEで単離した。溶液をMgSOで乾燥させ、濾過し、泡沫物へと濃縮した。粗生成物を、以下の実施例2に記載される鈴木反応において直接使用した。
実施例2:ハロゲン化AbAの合成
ヨウ素化したAbAを合成して、表1に提供される反応条件に従って3−ピリジル−mPhe−AbAを生成した。
上記反応を、0.025gの出発物質を使用して行い、その収率を、HPLC分析によって決定した。
(分析技術)
実施例3:AbA−Brの加水分解
12M 塩酸(0.6mL)およびトリフルオロ酢酸(0.2mL)を、オーレオバシジンAブロミド(20mg,0.02mmol)を含むマイクロ波反応容器に加えた。混合物を、マイクロ波で25分間にわたって145℃で加熱した(最大圧 200psi)。混合物を室温へと冷却し、以下に記載されるように、質量分析によって分析した。上記混合物全体のpHを、30%水酸化カリウムで12へと調節した。酢酸無水物(0.031mL,0.33mmol,20当量)を上記混合物に添加し、そのpHを、さらに30%水酸化カリウムで12へと再調節した。30分後、上記混合物を、質量分析およびHPLCによって評価した。臭素化アミノ酸生成物の全てを、それらの対応するアセトアミドへと変換した。図1を参照すると、HPLCデータから、上記臭素化生成物が4種の化合物の混合物であることが示された。上記混合物の組成は、62%のN−アセチル−3−ブロモ−N−メチルフェニルアラニン(13.370分)、27%のN−アセチル−4−ブロモ−N−メチルフェニルアラニン(14.364分)、9%のN−アセチル−3−ブロモフェニルアラニン(7.967分)および2%のN−アセチル−4−ブロモフェニルアラニン(8.492分)であった。これらの結果は、合成された標準物質およびこの標準物質の既知の混合物の応答因子(response factor)の計算に基づいた。
HPLC条件:
Agilent 1100 HPLC; Eclipse XDB−C18 50×4.6mm 1.8ミクロンカラム;
勾配 − 5分 95% 水(0.10% TFA)から95% アセトニトリル(0.07% TFA); 1.5mL/分; UV検出@210nm。
実施例4:質量分析
図2を参照すると、上記臭素化AbAのMS−MS分析により、多くのフラグメントが生成した。上記分析は、同位体臭素サインを含むフラグメント、すなわち、ほぼ等しい量(abundancy)の2つのピーク(2つの天然の同位体(79Brおよび81Br)の約50:50の量を反映している)に分かれた2つの質量単位を示すフラグメントに焦点を当てた。このようなフラグメントは、これらが上記臭素化アミノ酸を含むので、関連性がある。臭素化され、そしてPheおよびmPheの間での分割によって生成されるフラグメントは、上記AbA−Brにおける上記2つのアミノ酸のどれが置換されるかを判断するのに役立つ。分析を単純化するために、ペプチド構造のいかなるさらなる分解もなしでペプチド結合の切断によって生成されるフラグメントのみを、研究した。3つのこのようなフラグメントを、明確に同定した。
従って、主要なAbA臭素化生成物(89%)は、mPhe上で、メタ位およびパラ位(2:1比)において本質的に無作為に置換される。2−Br−mPhe−Ac化合物は検出されなかった。
上記AbA臭素化生成物のうちの約11%が、繰り返すと、Phe上で、メタ位およびパラ位(2:1比)において本質的に無作為に置換された。そして、繰り返すと、2−Br−Phe−Ac化合物(すなわち、オルト位における置換)は検出されなかった。
実施例5:H NMR質量分析
図3および図4を参照すると、上記反応生成物のアセトアミドは、溶媒として重水素化クロロホルムを使用して、H NMR分析を受けた。
実施例6:MIC研究
本発明のいくつかの例示的化合物の活性を、CLSI標準M38−A2(標題「Reference Method for Broth Dilution Antifungal Susceptibility Testing of Filamentous Fungi」)に従ってアッセイした。しかし、RPMI−1640ブロスを、以下の工程に従って処方したYPD培地の代わりに使用する:
1.10gのバクトイースト抽出物を500mlの水に溶解する
2.20gのバクトペプトンを上記溶液に溶解させる
3.20gのデキストロースを上記溶液に溶解させる
4.水で1000mにする
5.オートクレーブする。
*通常のテーブルシュガー(スクロース)を、慣用的にはデキストロースの代わりに使う。
この研究の結果を、以下の表2および表3に提供する。
以下の表3は、上記の手順に従って決定される場合、AbA誘導体である3−ピリジル−mPhe−AbAの広いスペクトルの抗真菌活性を実証する。
表2および表3におけるMICデータを生成するために使用される上記AbA化合物が、純度約85%を有したことに注意。
実施例7:3−ピリジル−mPhe−AbAの薬物動態研究
図5を参照すると、マウスに、3−ピリジル−mPhe−AbA(菱形)もしくはAbA(四角)の単一の200mg/kgボーラス用量を、強制経口投与によって投与した。血液を、上記薬物の投与後の設定した時間の間隔で集め、HPLC−MSによって化合物含有量について分析した。
マウスにおける3−ピリジル−mPhe−AbAの薬物動態(PK)特性の評価から、上記化合物の200mg/kgの経口投与は、天然AbAの同じ用量(同様に、同じビヒクル中で経口投与)より有意に高い血漿濃度を生成することが明らかにされた。さらに、上記3−ピリジル−mPhe−AbA血漿濃度は、この12時間実験の最後に、天然AbAの用量と同じように減少していないようであるが、むしろさらに増大しているようである。このことは、上記天然薬物と比較して、3−ピリジル−mPhe−AbAの増強したバイオアベイラビリティーおよび/もしくはよりゆっくりとしたクリアランスを実証する。上記実験はまた、マウスにおけるA.fumigatus治療濃度が、かなり小さい用量で達成可能であり得ることを示す。
図6を参照すると、マウス(シクロホスファミドで免疫抑制した)に、8log10 CFU Candida albicans SC5413を接種し、3−ピリジル−mPhe−AbA(もしくはコントロール抗生物質)を経口的に(BID、4連続日にわたって)(接種後に)投与した。効力を、死亡数を計数することによって決定した。このCandidiasisモデルにおける天然AbAのED50は、約25mg/kgであった(すなわち、3−ピリジル−mPhe−AbAのもののほぼ4倍高かった)。
(他の実施形態)
本発明は、その詳細な説明と関連して記載されてきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示するものであって、限定しないと解釈されることが理解されるべきである。他の局面、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (2)

  1. 生物学的サンプル中のIPCシンターゼを阻害する方法であって、該方法は、該サンプルと、式IIIの化合物
    (式中、
    11 およびR 12 のうちの一方は、−Hであり、その残りは、−I、−Cl、−B(OH)
    であり、R 13 は、−Hもしくは−Si(R 10 であり、ここで各R 10 は、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC 1−6 アルキルから独立して選択される)
    とを接触させる工程を包含する、方法。
  2. 患者における真菌感染を処置することにおいて使用するための薬学的組成物であって、該薬学的組成物が、式IIIの化合物
    (式中、
    11 およびR 12 のうちの一方は、−Hであり、その残りは、−I、−Cl、−B(OH)
    であり、R 13 は、−Hもしくは−Si(R 10 であり、ここで各R 10 は、置換されていない直鎖状もしくは分枝鎖状のC 1−6 アルキルから独立して選択される)
    を含む、薬学的組成物。
JP2016122323A 2011-04-01 2016-06-21 オーレオバシジン誘導体および合成方法 Expired - Fee Related JP6313369B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161470750P 2011-04-01 2011-04-01
US61/470,750 2011-04-01
US201161535018P 2011-09-15 2011-09-15
US61/535,018 2011-09-15

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014502638A Division JP6058625B2 (ja) 2011-04-01 2012-03-23 オーレオバシジン誘導体および合成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016196489A JP2016196489A (ja) 2016-11-24
JP6313369B2 true JP6313369B2 (ja) 2018-04-18

Family

ID=45929626

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014502638A Active JP6058625B2 (ja) 2011-04-01 2012-03-23 オーレオバシジン誘導体および合成方法
JP2016122323A Expired - Fee Related JP6313369B2 (ja) 2011-04-01 2016-06-21 オーレオバシジン誘導体および合成方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014502638A Active JP6058625B2 (ja) 2011-04-01 2012-03-23 オーレオバシジン誘導体および合成方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US8906848B2 (ja)
EP (1) EP2694532B1 (ja)
JP (2) JP6058625B2 (ja)
AU (1) AU2012237028C1 (ja)
CA (1) CA2832041C (ja)
ES (1) ES2866698T3 (ja)
PL (1) PL2694532T3 (ja)
WO (1) WO2012134989A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11039617B2 (en) 2013-01-30 2021-06-22 Agrofresh Inc. Large scale methods of uniformly coating packaging surfaces with a volatile antimicrobial to preserve food freshness
US10070649B2 (en) 2013-01-30 2018-09-11 Agrofresh Inc. Volatile applications against pathogens
WO2017155879A1 (en) 2016-03-07 2017-09-14 Agrofresh Inc. Synergistic methods of using benzoxaborole compounds and preservative gases as an antimicrobial for crops
EP3497113A1 (en) 2016-08-08 2019-06-19 Aureogen Biosciences, Inc. Aureobasidium derivatives and methods of synthesis
WO2018102345A1 (en) * 2016-11-30 2018-06-07 Agrobiologics Llc Use of the antifungal aureobasidin a in agriculture
WO2020018888A1 (en) * 2018-07-20 2020-01-23 The Board Of Regents Of The University Of Oklahoma Antimicrobial peptides and methods of use

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0826071B2 (ja) * 1989-07-11 1996-03-13 寶酒造株式会社 抗真菌抗生物質r106誘導体
US5304121A (en) 1990-12-28 1994-04-19 Boston Scientific Corporation Drug delivery system making use of a hydrogel polymer coating
JP3480848B2 (ja) * 1992-06-19 2003-12-22 タカラバイオ株式会社 環状ペプチドの合成方法
US5994341A (en) 1993-07-19 1999-11-30 Angiogenesis Technologies, Inc. Anti-angiogenic Compositions and methods for the treatment of arthritis
ATE195951T1 (de) * 1993-12-27 2000-09-15 Takara Shuzo Co Aureobasidine
US6099562A (en) 1996-06-13 2000-08-08 Schneider (Usa) Inc. Drug coating with topcoat

Also Published As

Publication number Publication date
ES2866698T3 (es) 2021-10-19
AU2012237028B2 (en) 2017-04-06
EP2694532A1 (en) 2014-02-12
AU2012237028A1 (en) 2013-10-31
US8906848B2 (en) 2014-12-09
EP2694532B1 (en) 2021-04-21
JP6058625B2 (ja) 2017-01-11
WO2012134989A1 (en) 2012-10-04
JP2014515741A (ja) 2014-07-03
PL2694532T3 (pl) 2021-08-23
JP2016196489A (ja) 2016-11-24
CA2832041A1 (en) 2012-10-04
AU2012237028C1 (en) 2017-12-07
US20140024578A1 (en) 2014-01-23
CA2832041C (en) 2020-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6313369B2 (ja) オーレオバシジン誘導体および合成方法
EP2809660B1 (en) Macrocyclic compounds for modulating il-17
CA2661166C (en) Compounds and methods for inhibiting the interaction of bcl proteins with binding partners
JP2014515741A5 (ja)
EP2928858B1 (en) Methods of synthesizing a prostacyclin analog
EP3294717B1 (en) Methods of preparing inhibitors of influenza viruses replication
EP3049089B1 (en) Highly potent glucocorticoids
EP2576508A2 (en) Processes and intermediates
CA2807815A1 (en) Novel synthesis for thiazolidinedione compounds
AU2017308814B2 (en) Aureobasidium derivatives and methods of synthesis
KR102497070B1 (ko) 고효능 글루코코르티코이드의 설계를 위한 구조 및 메커니즘
JP4601309B2 (ja) 抗c型肝炎ウイルス剤と抗hiv剤
KR20080094634A (ko) N-히드록시-4-{5-〔4-(5-이소프로필-2-메틸-1,3-티아졸-4-일)페녹시〕펜톡시}벤즈아미딘 2 에탄술폰산염, 이의제조방법 및 이를 포함하는 약학 조성물
WO2004080453A1 (ja) 抗c型肝炎ウイルス剤と抗hiv剤
WO2023214576A1 (ja) Hrasおよびnrasに対して選択的なkras阻害作用を有する環状化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170329

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170628

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6313369

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees