JP2019527250A - フォトクロミック水捕集プラットフォーム - Google Patents

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ジョン シー. ワーナー,
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スリニバサ アール. チェルク,
スリニバサ アール. チェルク,
ソフィア トラクテンバーグ,
ソフィア トラクテンバーグ,
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ワーナー バブコック インスティチュート フォア グリーン ケミストリー リミテッド ライアビリティー カンパニー
ワーナー バブコック インスティチュート フォア グリーン ケミストリー リミテッド ライアビリティー カンパニー
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Abstract

本出願は、化合物、組成物、化合物および組成物を含むフィルムおよび装置、ならびに水を捕集するためのそれらの使用方法を開示する。本出願はまた、光、熱もしくは電界、または光、熱および/もしくは電界の組合せへの曝露によってその活性化形態または双性イオン形態に可逆的に転換する基底状態を有する化合物を含む、光活性、熱活性もしくは電気活性フィルム、または光活性、熱活性および/もしくは電気活性フィルムの組合せであって、前記フィルムは、前記化合物の前記活性化状態は、前記化合物の前記基底状態より極性が高い、フィルムを開示する。

Description

背景
植物および動物は、種々の捕水機序を利用することによって砂漠の気候において生存する。自己灌水する植物、例えば、砂漠ダイオウ(Rheum palaestinum、ネゲヴ砂漠を原産とする)では、大きなエリアに亘る雨水を収集するためにそれらの葉、および収集した水を植物の根に向かって方向付けるために葉の溝が使用される。霧捕集草(fog-harvesting grass)(Stipagrostis sabulicola)およびナミブ砂漠カブトムシ(Stenocara gracilipes)は共に、ナミブ砂漠に生息する。S. sabulicolaおよびS. gracilipesの両方において、表面湿潤性と、収集表面(葉または翅鞘)上の溝付きの形態構造との独特の組合せは、霧粒からの効率的な水の収集、および根または口への水の輸送を可能とする。
人工のシステムにおいて表面湿潤性および形態構造の原理を利用することは、乾燥地帯へと水を輸送する必要性を回避し、干ばつを切り抜けるためのコストを低減させ、一般に生活の質を改善させる。S. sabulicolaおよびS. gracilipesが利用するシステムは、親水性エリアが水の捕捉のために使用され、一方、疎水性エリアが水の輸送のために使用されるため、本質的に非効率的である。この非効率性に取り組むために、水の収集および送達のための、光によって切替可能なフォトクロミック表面を利用する新規アプローチを、本明細書において開示する。
概要
これらの技術的課題に取り組むシステムおよび組成物が必要とされている。
一実施形態では、光活性フィルム、熱活性フィルムもしくは電気活性フィルム、またはこれらの組合せであって、フィルムが表面上に堆積させられ、フィルム(複数可)が、光もしくは熱もしくは電界、または光、熱および/もしくは電界の組合せへの曝露によってその活性化形態または双性イオン形態へと可逆的に転換する基底状態を有する化合物を含み、化合物の双性イオン形態または活性化状態は化合物の基底状態より極性が高い、フィルムが提供される。
一実施形態では、光活性、熱活性または電気活性フィルムであって、化合物が、式I
[式中、
mは、0、1、2、3または4であり、
nは、0、1、2、3または4であり、
Rは、Hであるか、または置換もしくは非置換C1〜22アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜22アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜22アルコキシC(NR’’)−、またはポリマーからなる群から選択され、
各Xは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
各Yは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C5〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
Zは、−O−、−S−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−S(O)1〜2−、−NR’−および−CR’R’’−であり、
R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、ならびに置換および非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリールからなる群から選択される]
の化合物であるフィルムが提供される。
式Iの化合物の1つの変形形態では、Rは、n−C1837またはn−C2245である。一局面では、フィルムは、様々な比で1種もしくは複数種の化合物または材料と混合された式Iの化合物から成り立っていてもよい。他の機能特性、例えば、フィルム形成能力、接着または水の弾力性をフィルムおよび/または装置に与えるために、混合化合物、化合物または材料が選択され得る。一局面では、材料は、1種もしくは複数種のポリマーまたはポリマー材料を含み得る。一局面では、式Iの化合物は、材料中に溶解させられてもよく、材料と混合されてもよく、材料中で混合されてもよい。
上記の一実施形態では、Rは、化合物をポリマーまたはポリマー骨格に共有結合により結合させる連結基から成り立ち、光活性ポリマー、熱活性ポリマーまたは電気活性ポリマーの一部である化合物、例えば、式IIのポリマー化合物をもたらす:
[式中、
は、連結基を含み、
mは、0、1、2、3または4であり、
nは、0、1、2、3または4であり、
各Xは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
各Yは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C5〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
Zは、−O−、−S−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−S(O)1〜2−、−NR’−および−CR’R’’−であり、
R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、ならびに置換および非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリールからなる群から選択され、
R’’’は、ポリマー上の置換基であり、
pは、0または1,000〜100,000であり、qは、0または1,000〜100,000である]。
上記ポリマー化合物の一局面では、pは、1,000〜50,000、1,000〜25,000、1,000〜20,000または1,000〜10,000である。別の局面では、pは、25,000〜100,000、25,000〜75,000、または約50,000である。
別の局面では、qは、1,000〜50,000、1,000〜25,000、1,000〜20,000または1,000〜10,000である。別の局面では、qは、25,000〜100,000、25,000〜75,000、または約50,000である。別の局面では、ポリマーの分子量は、1,000〜700,000ダルトン、1,000〜500,000ダルトン、10,000〜300,000ダルトン、20,000〜100,000ダルトン、30,000〜75,000ダルトンまたは約50,000ダルトンである。一局面では、R’’’は、−OC(O)CH、−OH、−OMe、−C1〜6アルキル、−C、−CF、−OCFおよび−C(O)CH、またはこれらの混合物からなる群から選択される。別の局面では、ポリマーは、−C1〜22アルキル−、−C6〜10アリール−、−C1〜6アルキル−C6〜10アリール−、−C1〜22アルキルC(O)−、−C(O)−、−C1〜22アルキルS(O)1〜2−、−C1〜22アルキルNR’C(O)−、−C1〜22アルコキシC(NR’’)−、−S(O)1〜2−、−NR’C(O)−および−C(NR’’)−、またはこれらの組合せから選択される基によって化合物の窒素原子(N)に結合している。
一実施形態では、ポリマーは、ポリエチレン(LDPEもしくはHDPE)、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、Teflon(登録商標))、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリ(酢酸ビニル)(PVAc)、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリ(オキシエチレン)(POE)、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイルオキシカルボニル−1,4−フェニレンカルボニル(PET)、ポリ[アミノ(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル)]、ポリスチレン、エチル−ビニル−アセテート(EVA)、ポリラクチド(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ−L−ラクチド(PLLA)、PDLA(ポリ−D−ラクチド)またはこれらの混合物からなる群から選択される。
上記の別の局面では、ポリマーまたはポリマーフィルム(複数可)は、ベース材料、例えば、セラミック、金属、例えば、銅、鋼、ステンレス鋼、鉄またはプラスチックの表面上に堆積させられてよい。上記の1つの変形形態において、ベース材料は、装置の一部である。一局面では、装置は水収集装置であり、1つもしくは複数のパネルを含み得る。
一実施形態では、ベース材料は、水を収集するように構成されたパネルまたは一連のパネルを含み得る。一局面では、パネルまたは一連のパネルは、タイル、例えば、屋根タイルを含み得る。別の実施形態では、ベース材料は、化合物、または化合物を含むフィルムを活性化するための電気的接続(例えば、エネルギー源、例えば、バッテリーまたは電気源へのワイヤー)と共に構成され得る。別の実施形態では、パネルは、水を収集し、貯蔵するための水貯蔵容器、例えば、貯蔵タンクに接続するように構成され得る。
一局面では、ポリマーIIの特性は、ポリマーを構成する単位のp:q比の変更によって変化させることができる。ポリマーIIの特性はまた、ポリマーの分子量(鎖長、またはポリマー中のpおよびq単位の総数)の変更によって変化させることができる。ポリマーは、コポリマー、例えば、ブロックポリマー、例えば、ジブロックもしくはトリブロックコポリマー、グラフポリマー(graph polymer)、交互ポリマーまたはこれらの混合物であり得る。
ポリマーIIの特性はまた、化合物をポリマー骨格に結合させる連結基の変更によって変化させることができる。一局面では、ポリマーIIの特性はまた、アセテート(−COCH)またはフェニル(−C)から選択されるR’’’置換基の変更によって変化させることができる。
別の実施形態では、光活性フィルム、熱活性フィルムもしくは電気活性フィルム、またはこれらの組合せを含む装置を提供し、ここで、フィルム(複数可)は、装置の表面上に堆積させられてよく、フィルム(複数可)は、光もしくは熱もしくは電界、または光、熱および電界の組合せへの曝露によってその活性化形態または双性イオン形態へと可逆的に転換する基底状態を有する化合物を含み、化合物の双性イオン形態または活性化状態は、化合物の基底状態形態より極性が高い。
本明細書において使用する場合、化合物の「活性化状態」という用語は、化合物の「双性イオン形態」と互換的に使用される。より高い極性の形態において、化合物、または化合物を含むフィルムはより親水性であり、環境、大気または空気中の湿気から水または水分を収集する。
装置の一局面では、上記光活性フィルム、熱活性フィルムおよび/または電気活性活性フィルム(複数可)、ここで、化合物は、式I:
の化合物であり、
mは、0、1、2、3または4であり、
nは、0、1、2、3または4であり、
Rは、Hであるか、または置換もしくは非置換C1〜22アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜22アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜22アルコキシC(NR’’)−、またはポリマーからなる群から選択され、
各Xは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
各Yは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C5〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
Zは、−O−、−S−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−S(O)1〜2−、−NR’−および−CR’R’’−であり、
R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、ならびに置換および非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリールからなる群から選択される。
化合物の一局面では、mは、0、1または2であり、nは、0、1または2である。
別の局面では、装置は、湿気のある空気および/または霧から水を捕集するために構成される。上記の別の局面では、装置は、光への装置の曝露によって装置の表面の湿潤性を変化させることができる表面を含む。一局面では、光は、紫外線、可視光線および赤外線からなる群から選択される。別の局面では、基底状態から活性化状態もしくは双性イオン状態への化合物の転換は可逆的であり、熱へのおよび/もしくは光への装置の曝露によって、ならびに/または電気的手段、例えば、電荷もしくは電流によって、および/または活性化状態もしくは双性イオン状態への基底状態の転換のための他の方法と組み合わせて行われ得る。
装置の別の局面では、フィルムの湿潤性は、光、例えば、太陽光によって可逆的に変化させられまたは活性化され、光の非存在下で、例えば、粉塵下または太陽光の非存在下で不活性化される。上記の一局面では、フィルムまたはフィルム表面の湿潤性は、光源、熱源および/または電源の適用または除去によって可逆的であり得る。
上記の別の実施形態では、装置は、風または潮流または川の流れまたは波の作用または上記の任意の組合せによって回転させられ、一方、フィルムは、太陽光への断続的曝露によって繰り返し活性化/不活性化される。
別の実施形態では、水滴を捕捉および/もしくは接着もしくは収集するための、ならびに/またはフィルムの表面上への水蒸気の凝縮のための方法であって、装置の表面上に堆積させた光活性、熱活性および/もしくは電気活性、または光活性、熱活性および/もしくは電気活性フィルムの組合せを含む装置を、フィルムの表面上の水分または水を凝縮するのに十分な期間にわたって、熱、光、もしくは電界、または熱、光および/もしくは電界の組合せに曝露して活性化形態または双性イオン形態にする工程であり、フィルムが、光、熱、電界、または光、熱および/もしくは電界の組合せへの曝露によってその活性化形態または双性イオン形態に可逆的に転換する基底状態を有する化合物を含み、前記化合物の双性イオン形態または活性化状態または活性化形態は、前記化合物の基底状態より極性が高い、工程と;装置の表面上に形成される水を連続的に収集する工程とを含む、方法を提供する。
上記方法の一局面では、化合物は、式I:
[式中、
mは、0、1、2、3または4であり、
nは、0、1、2、3または4であり、
Rは、Hであるか、または置換もしくは非置換C1〜22アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜22アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜22アルコキシC(NR’’)−、またはポリマーからなる群から選択され、
各Xは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
各Yは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C5〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
Zは、−O−、−S−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−S(O)1〜2−、−NR’−および−CR’R’’−であり、
R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、ならびに置換および非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリールからなる群から選択される]
の化合物である。
一局面では、本出願において開示されているスピロピランは、フォトクロミック分子である。それらの基底状態において、分子は電荷中性であるが、例えば、適当な波長の光(エネルギーhνを有し、式中、hは、プランク定数であり、νは、適当な波長に対応する光の周波数である)が照射されたとき、それらは開環プロセス(光化学反応)を経て、電荷を帯びた双性イオン性「活性化形態」を形成する。例えば、スピロピランのメロシアニン形態への活性化はまた、熱の適用によって(サーモクロミズム)および/または電界によって(エレクトロクロミズム)および/または他のプロセスによってもたらされ得る。
これらの反応は可逆的であり、自発的に周囲熱条件下で、および/もしくは加えられた熱によってのいずれかで起こり得、そして/または異なる波長の光(エネルギーhν’を有する)が照射されたとき、および/もしくは電界の除去によって、分子はそれらの最初の形態に復帰する。化合物の2つの形態の物理的特性は非常に異なる。化合物の基底状態は典型的には、中性、非極性および無色である(hνは典型的には紫外線である)。他方、活性化状態または活性化形態は、双性イオン性であり、極性であり、しばしば高度に着色されている(hν’は典型的には可視光線である)。
これらの化合物の様々な特性は、XおよびY置換基、ならびに分子の周りの置換パターンを合成的に変化させることによって適応させることができる。1つのこのような特性は、水への化合物の相対的親和性である。化合物の基底状態は疎水性であり、水をはじき、一方、化合物の活性化状態または活性化形態は親水性であり、水を引きつける。
したがって、化合物を含有するフィルムまたは表面の基底状態は疎水性であり、水をはじき、一方、化合物の活性化形態の化合物を含有するフィルムまたは表面は親水性であり、水を引きつける。
疎水性表面と接触する空気中に浮遊する水滴および/または水蒸気分子は、化合物または化合物を含有するフィルムに接着し、このようにして表面上に留まる可能性がないか、または可能性が高くない。しかし、疎水性表面上に存在する水は、「玉状となり」、得られた玉状の水と疎水性表面との間に、大きな、典型的には90°超である接触角をもたらす。親水性表面と接触する空気中に浮遊する水滴および/または水蒸気分子は、表面上に接着し、留まる可能性が高い。さらに、親水性表面上に存在する水滴は「広がり」、水滴の表面と親水性表面との間の、小さな、典型的には90°未満である接触角がもたらされる。
本明細書において提供するように、活性形態においてフィルムが水を「捕捉」し、基底状態において水を「放出」するように、基底状態と活性化状態または活性化形態との間を行ったり来たりする新規設計のフィルム(例えば、薄フィルム)を提供する。このようなプロセスを、アクチベーターとして光を使用した、下記の図における適用の一局面において例示する。
このプロセスの基本的原理は明らかである一方、本開示の範囲内に入る本プロセスの様々な並べ替えおよび変形形態が存在する。化合物の性質、置換基−Xおよび−Yの性質およびタイプ、ならびに特定の表面にフィルムを付着させるまたは適用する性質および方法の変形形態による一連の設計された反復を通して、本発明者らは、最適な水の収容量およびサイクル時間を確立する。本出願において実施されるこのような非排他的システムまたは生成物は、例えば、昼光/夜間サイクリングに応じて機能するか、またはより速い速度で太陽/日影を循環させることができる、風もしくは潮流によって制御される機械的遮光に応じて機能する都市用水収集装置を含む。
本明細書に記載のように、概念を例示し、本出願の様々な実施形態および局面についての情報を提供するために機序的解釈は有用である。しかし、本発明はまた、必ずしも本明細書に記載されているものを含まない、異なる機序によってまたは様々な機序の組合せによって作動し得ることが理解される。また大部分の状況では、どの機序が観察された効果に関与しているかを決定的に証明することは可能でなくてもよい。したがって、上記で提供した機序的解釈は、排他的または限定的のいずれにも解釈されるべきでない。
下記の実施形態、局面およびその変形形態は例示的なものであり、例示は、範囲を限定することを意図されていない。
一実施形態では、本明細書に記載されている装置は、湿気のある空気および/または霧から水を捕集するために構築された装置である。
別の実施形態では、湿潤性(前進もしくは後退または両方の水接触角)を光(紫外線、可視光線または赤外線)への曝露によって変化させることができる表面を含む装置が提供される。
別の実施形態では、一つの状態へのもう一方の状態からの変化または転換を、熱および/もしくは異なる波長の光への曝露によって逆転させることができるか、または他の方法と組み合わせて使用することができる方法を提供する。
別の実施形態では、表面またはフィルム(例えば、光活性表面)を含む装置であって、前記表面またはフィルムの湿潤性(前進もしくは後退または両方の水−表面接触角)が天然に起こる事象によって可逆的に変化し得る、装置が提供され、例えば、表面は、太陽光によって(すなわち、昼間の間)活性化され、夜の間にもしくは太陽光の非存在下で不活性化されるか、または代わりに、システムまたは装置を構成する構成要素は、風もしくは潮流もしくは川の流れもしくは波の作用または上記の任意の組合せによって回転させられ、一方で、表面(例えば、光活性表面)は、太陽光への断続的曝露によって繰り返し活性化/不活性化される。
別の実施形態では、光、熱または電荷への曝露によって双性イオン性となる分子または化合物から成り立つコーティング組成物を提供する。
別の実施形態では、光への曝露によって双性イオン性となり、上記スキームにおいて提示される分子から成り立つコーティング組成物を提供する。
本明細書において提供するように、フォトクロミック材料およびポリマーコーティングを使用した本出願の様々な実施形態および局面では、システムが、水を精製するための対費用効果の高い技術を提供するように構造化される。本明細書中の文献において開示されている技術は、全内容が参照により本明細書中に組み込まれている。Dynamic control of noncovalent interactions in mesoscale assembly: Green chemistry in action; Arundhati Undurti; John C. Warner; Abstracts of Papers, 225th ACS National Meeting, New Orleans, LA, United States、2003年3月23〜27日(2003年)、IEC-147;Reaction design and environmentally benign synthesis; John IV Pyers; John C. Warner; Amy S. Cannon; Abstracts of Papers, 225th ACS National Meeting, New Orleans, LA, United States、2003年3月23〜27日(2003年)、IEC-151。
関連技術の上記の例および限定は、例示であり、排他的ではないことが意図されている。関連技術の他の限定は、明細書を読むことによって、および本明細書において提供される図面または図の研究によって当業者には明らかとなる。
上記の例示的な実施形態、局面および変形形態に加えて、さらなる実施形態、局面および変形形態は、図面および図を参照することによって、ならびに以下の説明を検討することによって明らかとなる。
詳細な説明
定義
本明細書において他に特に留意されない限り、使用される用語の定義は、有機合成および化学の技術分野で使用される標準的な定義である。例示的な実施形態、局面および変形形態は、図および図面において例示であり、本明細書において開示されている実施形態、局面および変形形態、ならびに図および図面は、例示であり、限定するものでないと考えられることが意図されている。
「アルキル」基は、炭素原子の鎖を有する、直鎖、分枝鎖状の飽和または不飽和の脂肪族基であって、鎖中の炭素原子の間に酸素、窒素もしくは硫黄原子が任意選択で挿入されている、または示されたとおりのものである、脂肪族基である。(C1〜20)アルキルは、例えば、1〜20個の炭素原子の鎖を有するアルキル基を含み、(C1〜20)アルキルとしては、例えば、基メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1,3−ブタジエニル、ペンタ−1,3−ジエニル、ペンタ−1,4−ジエニル、ヘキサ−1,3−ジエニル、ヘキサ−1,3,5−トリエニルなどが挙げられる。アルキル基はまた、例えば、−(CR)m−基(式中、RおよびRは、独立に、水素であるか、または独立に、存在せず、例えば、mは1〜8である)と表されてもよく、このような表現はまた、飽和および不飽和アルキル基の両方を包含することが意図されている。
別の基(例えば、アリール基)と共に記述されるようなアルキル(例えば、「アリールアルキル」と表される)は、直鎖、分枝鎖状の飽和または不飽和の脂肪族二価基であって、アルキル基(例えば、(C1〜20)アルキルの場合のように)および/またはアリール基(例えば、(C5〜14)アリールもしくは(C6〜14)アリールの場合のように)において示される原子の数を伴う、脂肪族二価基が意図されているか、あるいは原子が示されていないとき、アリールおよびアルキル基の間の結合を意味する。このような基の非排他的な例としては、ベンジル、フェネチルなどが挙げられる。
「アルキレン」基は、アルキル基において示される原子の数を有する直鎖、分枝鎖状の飽和または不飽和の脂肪族二価基であり、例えば、−(C1〜3)アルキレン−または−(C1〜3)アルキレニル−である。
「シクリル」、例えば、モノシクリルまたはポリシクリル基は、単環式、もしくは直線状に縮合した、角度を伴って縮合したもしくは架橋したポリシクロアルキル、またはこれらの組合せを含む。このようなシクリル基は、ヘテロシクリル類似体を含む。シクリル基は、飽和、部分飽和または芳香族であり得る。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
「ヘテロシクリル」または「複素環」は、環を形成する原子の1つもしくは複数がヘテロ原子、すなわち、N、O、またはSであるシクロアルキルである。ヘテロシクリルの非排他的な例としては、ピペリジル、4−モルホリル、4−ピペラジニル、ピロリジニル、1,4−ジアザペルヒドロエピニル、1,3−ジオキサニルなどが挙げられる。
「置換もしくは非置換」または「任意選択で置換されている」は、基、例えば、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、(C1〜8)シクロアルキル、ヘテロシクリル(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1〜8)アルキルなどが、他に特に留意しない限り、非置換であってもよく、また、基、例えば、ハロ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、カルボキシ、−NH、−OH、−SH、−NHCH、−N(CH、−SMe、シアノなどから選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換されていてもよいことを意味する。
下記の手順は、本発明の化合物の調製のために用いてもよい。これらの化合物の調製において使用される出発材料および試薬は、商業的供給者、例えば、Aldrich Chemical Company(Milwaukee、Wis.)、Bachem(Torrance、Calif.)、Sigma(St.Louis、Mo.)から入手可能であるか、またはFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis、1〜17巻、John Wiley and Sons, New York, N.Y.、1991年;Rodd's Chemistry of Carbon Compounds、1〜5巻および補遺、Elsevier Science Publishers、1989年;Organic Reactions、1〜40巻、John Wiley and Sons, New York, N.Y.、1991年;March J.: Advanced Organic Chemistry、第4版、John Wiley and Sons, New York, N.Y.;およびLarock: Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, New York、1989年などの参照文献において記載されている手順に従って、当業者には周知の方法によって調製される。
場合によって、保護基を導入し、最終的に除去してもよい。アミノ、ヒドロキシ、およびカルボキシ基のための適切な保護基は、Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、John Wiley and Sons, New York、1991年に記載されている。標準的な有機化学反応は、例えば、Larock: Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, New York、1989年に記載されているように、いくつかの異なる試薬を使用することによって達成することができる。
実施例1
光切替可能な表面の調製
光切替可能な表面は、スピロピラン3’,3’−ジメチル−6−ニトロ−1’−オクタデシルスピロ[クロメン−2,2’−インドリン]、IIIまたは「C−18−スピロピラン」の2ステップ合成、次いで、スピロピランIIIおよびポリマーを溶媒に溶解し、それで基材上をコーティングし、そして生成したポリマーフィルムを乾燥させる第3ステップを続けることによって調製した。光切替可能なポリマー表面を、表面上の水の滴形状分析によって特性決定した。
化合物IIIは、式Iの特定の化合物であり、式中、X=4−ニトロ(4−NO)であり、mは1であり、n=0であり(H以外のY置換基なし)、R=n−オクタデシル(n−C1837)であり、Z=C(CHである。
A.中間体3−ジメチル−2−メチレン−1−オクタデシルインドリンの合成。
500mLの三つ口丸底フラスコに、10.0mLの2,3,3−トリメチルインドレニン(62mmol、1.0当量)、9.34gのヨウ化ナトリウム(62mmol、1.0当量)および200mLのアセトニトリルを加えた。混合物を撹拌しながら加熱還流した。還流溶液に、19.2mLのブロモオクタデカン(56mmol、0.9当量)を滴下で添加した。溶媒容量を維持するためにアセトニトリルを時々加えながら、溶液を7日間(158時間)還流させた。
溶媒を加熱しながらの蒸発によって除去し、残渣を室温に冷却した。残渣をアセトニトリル中に抽出した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を塩化メチレンに溶解させ、分液漏斗に移した。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回そして水で1回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。3−ジメチル−2−メチレン−1−オクタデシルインドリンの粗収率は、23.43グラムであった。材料を、精製せずに次のステップにおいて使用した。
B.C−18−スピロピラン、化合物IIIの合成。
6.71グラムの5−ニトロサリチルアルデヒド(40mmol、1.0当量)を、丸底フラスコ中で150mLのエタノールに加え、還流させた。還流溶液に、ステップ1からの16.54グラムの粗生成物、すなわち、3−ジメチル−2−メチレン−1−オクタデシルインドリン(40mmol、1.0当量)を滴下添加した。混合物を一晩還流させた。還流させた後、溶液を室温に冷却し、濾過した。固体を氷冷のエタノールで洗浄し、真空下で乾燥させ、12.80グラムのC−18−スピロピランIIIの紫色結晶を得た。
C.C−18−スピロピランフィルムの調製。
0.5グラムのC−18−スピロピラン(III)を、6.5グラムの酢酸エチルに溶解させた0.225グラムのポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)(Alfa Aesar Z007−239、平均分子量550,000g/mol)からなる溶液に溶解させた。得られた溶液で、ワイヤーを巻いたロッド(#5 Meyer ロッド)を使用して、0.005インチの厚さでDupont 6638ポリエチレンテレフタレート基材上をコーティングした。得られた湿ったフィルムを、暗所で周囲温度にて乾燥させた。乾燥したフィルムは、68%のC−18−スピロピラン(III)および32%のPMMAから構成される。
100%のポリ(メタクリル酸メチル)からなる「対照」フィルムは、6.5グラムの酢酸エチルに溶解させた0.225グラムのPMMAの溶液でコーティングすることによって調製した。得られた溶液で、ワイヤーを巻いたロッド(#5 Meyer ロッド)を使用して、0.005インチの厚さでDupont 6638ポリエチレンテレフタレート基材上をコーティングした。得られた湿ったフィルムを、暗所で周囲温度にて乾燥させた。乾燥したフィルムは、100%のPMMAから構成される。
接触角測定によるフィルムの親水/疎水特性の決定:3つの5マイクロリットル分量の脱イオン水滴を、2種の得られた乾燥フィルムのそれぞれの表面上に堆積させた。KRUeSS DSA 100 Drop Shape Analyzerを使用して、各液滴について接触角を測定した。次いで、各フィルムを、Spectrolinker XL−1500 UV架橋剤(Spectronics Corporation)中で365ナノメートルの(紫外線)光に5分間曝露した。
対照フィルムは、紫外線への曝露後、無色のままであった。68%のC−18−スピロピラン(III)/32%のPMMAから構成されるフィルムは、紫外線曝露の結果として紫色となった。紫外線曝露の直後に、3つの5マイクロリットル分量の脱イオン水滴を、2つのフィルムのそれぞれの表面上に堆積させ、接触角を測定した。次いで、68%のC−18−スピロピラン(III)/32%のPMMAから構成されるフィルムを、暗所で周囲温度にて2日間貯蔵した。次いで、今や不活性化されたフィルム上の3つの5マイクロリットルの水滴の接触角を決定した。
一連の接触角測定の結果を、表1に示す。
100%PMMAから構成されるフィルム上の水滴は、81.7°±4.2°の平均接触角を示す。紫外線への曝露の後、平均接触角は、78.3°±2.4°であり、その変化は殆ど統計的有意性(p=0.31)を示さない。接触角は全て僅かに90°より小さく、100%PMMAフィルムが僅かに親水性であることを示す。
68%のC−18−スピロピラン(III)/32%のPMMAから構成されるフィルム上の水滴は、99.4°±2.4°の平均接触角を示す。角度は90°超であり、フィルムが疎水性であることを示す。紫外線への曝露の後、平均接触角は、76.7°±2.5°であり、22.7°の統計的に有意な(p=0.0003)減少である。紫外線曝露後の接触角は90°未満であり、紫外線に曝露された68%C−18−スピロピラン(III)/32%PMMAのフィルムが、増加した親水性を有することを示す。
続く暗所での2日間の後、事前に曝露された68%C−18−スピロピラン(V)/32%PMMAのフィルムは、86.3°±2.7°の平均接触角を示す。暗所で逆転したフィルム(dark−reversed film)は、紫外線への曝露の直後のフィルムについて測定した接触角と比較した場合に9.6°の接触角の有意な(p=0.01)増加を測定したように、疎水性の回復を示す。暗所で2日間の後、フィルムは、曝露前のフィルムより13.1°小さい、さらに有意に(p=0.003)低減した接触角を測定したように、疎水性の完全な回復を示さない。
実施例2
C1−H、C4−H、C4−OMe、C8−H、およびC18−OMeスピロピランの合成、ならびに溶液調製
A.スピロピランへの一般合成経路
これらのスピロピランを、Tomasulo, Massimilianoら、Journal of Organic Chemistry(2007年)、72巻(2号):595〜605頁における手順の適合したバージョンを使用して調製した。
B.5’−メトキシ−3’,3’−ジメチル−6−ニトロ−1’−オクタデシル−スピロ[クロメン−2,2’−インドリン](C18−OMe)
C18−OMeスピロピランは、式Iの特定の化合物であり、式中、X=4−ニトロ(4−NO2)であり、mは1であり、Y=メトキシ(OCH3)であり;n=1であり;R=n−オクタデシル(n−C1837)であり;Z=C(CHであり、C18−OMeスピロピランは、下記のように調製した。
5−メトキシ−3,3−ジメチル−2−メチレン−1−オクタデシル−インドリンのヨウ化物塩(2g、3.72mmol)、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンズアルデヒド(0.65g、3.91mmol、Ark Pharm Inc.、Libertyville、IL)、およびトリエチルアミン(0.8mL、5.56mmol、Sigma Aldrich、St.Louis、MO)のエタノール(20mL)溶液を、窒素ブランケット下で12時間加熱還流した。室温へと冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、蒸留水(20mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥し、減圧下で除去し、粗生成物を得た。粗製物をヘキサン中に懸濁させ、固体を濾過し、所望の生成物(1.48g、68%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.18 (br s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.29-8.28, m, 2H), 7.80(d, J=8.28, 1H), 7.53 (d, J=8.28, 1H), 7.09 (d, J =2.44, 1H), 6.90 (d, J = 9.8, 1H), 6.25 (d, J =9.8, 1H),3.11 (m, 2H), 1.78-1.76 (m, 2H), 1.68 (s, 6H), 1.50-1.20 (m, 13H). LCMS (M+1): 442.4.
C.1’,3’−ジヒドロ−3’,3’−ジメチル−6−ニトロ−1’−オクチル−スピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’−[2H]インドール](C8−H)
C8−Hスピロピランは、式Iの特定の化合物であり、式中、X=4−ニトロ(4−NO)であり、mは1であり、n=0であり(H以外のY置換基なし)、R=n−オクチル(n−C17)であり、Z=C(CHである。C8−Hは、Wu, Yusongら、Journal of Physical Chemistry B(2008年)、112巻(25号):7530〜7536頁における手順によって調製した。
D.1’−ブチル−1’,3’−ジヒドロ−3’,3’−ジメチル−6−ニトロ−スピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’−[2H]インドール](C4−H)
C4−Hスピロピランは、式Iの特定の化合物であり、式中、X=4−ニトロ(4−NO)であり、mは1であり、n=0であり(H以外のY置換基なし)、R=n−ブチル(n−C)であり、Z=C(CHである。C8−Hは、上記のCの場合と同様に調製した。
E.5’−メトキシ−3’,3’−ジメチル−6−ニトロ−1’−オクタデシル−スピロ[クロメン−2,2’−インドリン](C4−OMe)
C4−OMeスピロピランは、式Iの特定の化合物であり、式中、X=4−ニトロ(4−NO)であり、mは1であり、Y=メトキシ(OCH)であり、n=1であり、R=n−ブチル(n−C)であり、Z=C(CHである。C4−OMeは、上記のBの場合と同様に調製した。
1’−ブチル−5’−メトキシ−3’,3’−ジメチル−6−ニトロ−スピロ[クロメン−2,2’−インドリン]のヨウ化物塩(2.21g、9.39mmol)、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンズアルデヒド(1.64g、9.86mmol)およびトリエチルアミン(2.62mL、18.79mmol)のエタノール(20mL)溶液を、窒素ブランケット下で12時間加熱還流させた。室温に冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、蒸留水(20mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥し、減圧下で除去し、粗生成物を得た。粗製物をヘキサン中に懸濁させ、固体を濾過し、所望の生成物(1.48g、48%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.18 (br s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.29-8.28, m, 2H), 7.80(d, J=8.28, 1H), 7.53 (d, J=8.28, 1H), 7.09 (d, J =2.44, 1H), 6.90 (d, , J = 9.8, 1H), 6.25 (d, J =9.8, 1H),3.11 (m, 2H), 1.78-1.76 (m, 2H), 1.68 (s, 6H), 1.50-1.20 (m, 13H). LCMS (M+1): 395.2
F.1’,3’,3’−トリメチル−6−ニトロ−スピロ[クロメン−2,2’−インドリン](C1−H)
C1−Hスピロピランは、式Iの特定の化合物であり、式中、X=4−ニトロ(4−NO)であり、mは1であり、n=0であり(H以外のY置換基なし)、R=メチル(CH)であり、Z=C(CHである。C1−Hは、Shiraishi, Yasuhiroら、Organic Letters(2009年)、11巻(15号):3482〜3485頁における手順によって調製した。
G.3’,3’−ジメチル−6−ニトロ−1’−[(4−ビニルフェニル)メチル]スピロ[クロメン−2,2’−インドリン](スチレン−H)
スチレン−Hスピロピランは、式Iの特定の化合物であり、式中、X=4−ニトロ(4−NO)であり、mは1であり、n=0であり(H以外のY置換基なし)、R=スチレンであり、Z=C(CHである。スチレン−Hは、Tan, Chunbinら、Huaxue Xuebao(2012年)、70巻(9号):1095〜1103頁およびTian, Zhiyuanら、Journal of the American Chemical Society(2011年)、133巻(40号):16092〜16100頁における手順によって調製した。
H.小分子溶液の調製
ポリ(メタクリル酸メチル)(450mg、PMMA、Alfa Aesar、Ward Hill、MA)を、13g(14.4mL)の酢酸エチルに加えた。PMMAを、かき混ぜながら酢酸エチルに12時間で溶解させた。250mgの各SP(実施例1において調製したようなC18−Hを含めた)を、3.375gのPMMA/酢酸エチル溶液に加え、溶解するまでかき混ぜた。得られた溶液は、10質量%の固体および質量で69:31のSP/PMMAであった。
実施例3
P(SP−ホモ)、P(SP−co−MMA)(1:1)、P(SP−co−MMA)(1:3)、P(SP−co−MMA)(1:5)、およびP(SP−co−MMA)(1:10)の合成、ならびに溶液調製
A.P(SP−ホモ)
P(SP−ホモ)は、式IIの特定の化合物であり、式中、X=4−ニトロ(4−NO)であり、mは1であり、n=0であり(H以外のY置換基なし)、Z=C(CHであり、p=不明である。R’’’およびqは、適用可能でない。
50mLの丸底フラスコに、実施例2Gにおいて調製したようなスチレン−H(1g、0.0259mol)、およびイソプロパノール(10mL)を入れた。混合物を窒素で5分間脱気し、次いで、加熱し、75℃にて撹拌した。別のバイアル中で、40mgの2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN、Sigma Aldrich、St.Louis、MO)を、2mLのイソプロパノールに溶解させ、窒素で脱気した。AIBN溶液を熱いスチレン−Hおよびイソプロパノール反応混合物に加え、加熱し、75℃にて15時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した。得られた固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空オーブン中で40℃にて4時間乾燥させた(0.57g)。
H NMR(CDCl)は、70%のポリマーおよび約30%の未反応のモノマーを示した。未反応のモノマーを除去するために、固体を1:1のエーテル/ヘキサンおよびエーテルで洗浄した。H NMRはさらに、約20%のモノマーを示した。固体をエーテル中に戻し入れ、室温にて一晩撹拌した。固体を濾過し、エーテルで洗浄した。試料を乾燥させる前のH NMRは、純粋なホモポリマーを示した。固体を真空オーブン中で40℃にて8時間乾燥させた(単離重量0.25g)。
B.P(SP−co−MMA)(1:1)、P(SP−co−MMA)(1:3)、P(SP−co−MMA)(1:5)、およびP(SP−co−MMA)(1:10)
P(SP−co−MMA)(1:1)、P(SP−co−MMA)(1:3)、P(SP−co−MMA)(1:5)、およびP(SP−co−MMA)(1:10)は、化合物IIのバリアントであり、式中、X=4−ニトロ(4−NO)であり、mは1であり、n=0であり(H以外のY置換基なし)、Z=C(CHであり、p=不明であり、R’’’=メタクリル酸メチル(MMA)であり、q=不明である。(1:1)、(1:3)、(1:5)、および(1:10)は、コポリマー中のスチレン−H対MMAのモル比を記述する。
50mLの丸底フラスコに、実施例2Gにおいて調製したようなスチレン−H(1g、0.0024mol)、およびイソプロパノール(8mL)を入れた。得られたスラリーを、窒素で5分間脱気した。メタクリル酸メチル(0.26mL、0.0024mol、1当量、Sigma Aldrich、St.Louis、MO)を、溶液に加えた。得られた混合物をさらに5分間脱気し、次いで、加熱し、75℃にて撹拌した。別のバイアル中で、40mgのAIBNを2mLのイソプロパノールに溶解させ、窒素で脱気した。AIBN溶液を熱い反応混合物に加え、加熱し、75℃にて15〜24時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、さらに24時間撹拌した。ヘキサン(20mL)を加え、溶液を1時間撹拌した。得られた固体を濾過し、25%EtOAc/ヘキサン(10mL×3)で洗浄し、真空オーブン中で45℃にて20時間乾燥させた。この方法を、P(SP−co−MMA)(1:3)、(1:5)、および(1:10)当量について(0.77mL、0.0072mol、3当量)、(1.26mL、0.012mol、5当量)、および(2.57mL、0.024mol、10当量)のメタクリル酸メチルをそれぞれ使用して繰り返した。全ての固体のH NMRは不純物が無いように思われ、広範なピークを示したが、ポリマー形成を明らかにした。
C.ポリマー溶液の調製
10質量%の固体P(SP−co−MMA)溶液は、各コポリマーの50mgを450mg(0.34mL)のジクロロメタンに加え、溶解するまで撹拌することによって調製した。
実施例4
C18−Hスピロピランの水の取込みおよび放出研究
A.PET調製物上のC18−Hスピロピランフィルム
実施例1Hにおいて調製したC18−Hスピロピラン溶液を、5ミルのコーティングバーを使用してPET基材(500ゲージ、Melinex 454、DuPont Teijin Films)上に流し込んでフィルムにして、暗所で周囲条件下にて12時間乾燥させた。
B.PET上のC18−Hフィルムの水の取込み
この実験についての全てのFTIRスペクトルは、ダイヤモンドATR結晶を使用して測った。コーティングしていないPET基材およびC18−HフィルムのFTIRスペクトルを、対照として測った。第1のC18−Hフィルム試料を水蒸気に10分間曝露し、FTIRスペクトルを測った。第2のC18−Hフィルム試料をSpectrolinker XL−1000(Spectronics Corporation)において365nmのUV照射に5分間曝露し、FTIRスペクトルを直後に測った。UV照射の後、フィルムを水蒸気に10分間曝露し、FTIRスペクトルを再び測った。
Florea, L.ら、Sensors and Actuators B: Chemical(2012年)、175巻:92〜99頁によって決定されるように、1593cm−1での吸収バンドの形成は、メロシアニン形態におけるC=N伸縮振動の存在を示す。FTIRスペクトルにおいて、対照および第1の試料の両方は、この領域において吸収を示さなかった。しかし、第2の試料は、水への曝露の前および後の両方で1593cm−1において吸収を示したが、曝露前により強い吸収を伴った。
C.より短い蒸発時間およびより長い照射時間でのC18−Hフィルムの水の取込み
50μL分量のC18−Hスピロピラン溶液を、ゲルマニウムATR結晶の表面上に堆積させた。酢酸エチルを10分間蒸発させ、フィルムを得た。次いで、C18−Hフィルムを405nmの紫色レーザーで20分間照射した。20分後、照射を続ける一方で、1mLの水をフィルムの最上面上に加えた。FTIRスペクトルを様々な間隔で、溶液を結晶上に堆積した瞬間であるt=0分からt=47分まで測った。
FTIRスペクトルにおいて、広範なバンドは、水の添加の後で3400cm−1において現れ始め、時間の経過と共に徐々に成長する。このバンドは、フィルムに吸着された水におけるヒドロキシル伸縮振動に対応する。
フィルムの水の保持を定量化するために、FTIRスペクトルにおける機器のドリフトを補正し、3385cm−1〜4000cm−1の吸光度における差異(ΔAbs)を時間の関数としてプロットした。次いで、ΔAbsを指数関数的減衰式にフィットさせ、式中、tは時間であり、A、t、およびτは、フィッティングパラメーターである。
ΔAbsは、水の添加の後で鋭い増加を示し、1.88×10−3の照射ΔAbs(1分)をもたらした。
D.より長い蒸発時間およびより短い照射時間でのC18−Hフィルムの水の取込み
50μL分量のC18−Hスピロピラン溶液を、ゲルマニウムATR結晶の表面上に堆積させた。酢酸エチルを45分間蒸発させ、フィルムが生じた。フィルムを405nmの紫色レーザーで3分間照射した。3分後、照射を続ける一方で、1mLの水をフィルムの最上面上に加えた。FTIRスペクトルを様々な間隔で、溶液を結晶上に堆積した瞬間であるt=0分からt=79分まで測った。
次に、50μLのC18−H溶液を、別のゲルマニウムATR結晶の表面上に堆積させた。酢酸エチルを47分間蒸発させ、その後、1mLの水をフィルムの最上面上に加えた。FTIRスペクトルを様々な間隔で、溶液を結晶上に堆積した瞬間であるt=0分からt=58分まで測った。
ΔAbsを時間の関数としてプロットし、指数関数的減衰式へとフィットさせた。0.438×10−3の3分間照射したフィルムの照射ΔAbs(1分)は、20分間照射したフィルムより顕著でなかった。全く照射されなかったフィルムは、0.342×10−3の最も小さな照射ΔAbs(1分)を有した。
E.事前に湿らせたC18−Hフィルムにおける水の放出
事前に湿らせたフィルムを調製するために、20μLの水を、180μLのC18−H溶液に加え、均一となるまで混合した。得られた溶液の50μL分量を、ゲルマニウムATR結晶の表面上に堆積させた。フィルムを周囲光下で5分間乾燥させ、一方、FTIRスペクトルを1分間隔で測った。周囲光の代わりに405nmの紫色レーザーを使用して実験を繰り返した。
FTIRスペクトルは、照射を伴わない試料における0〜5分の吸光度の急な減少、および照射を伴う試料における吸光度のより着実な減少を示す。
F.C18−Hフィルム上の水接触角
PET上のC18−Hフィルムを、パートAに記載したように作製した。水の対照液滴をフィルムの表面上に堆積させ、KRUeSS DSA100 Drop Shape Analyzerを使用してその接触角を80秒間モニターした。
別の液滴を、フィルムの表面上に堆積させ、30秒間安定化させた。30秒後、フィルムをin situで405nmの紫色レーザーで40秒間照射し、次いで、さらに10秒間静置した。液滴の接触角を全ての時間モニターした。
接触角データは、対照と比較して、40秒の照射が、85.5度から83.5度への2度の減少をもたらすことを示す。ヤングデュプレの式を使用して、照射した液滴の接着エネルギーが約2.5mN/m増加したことが推定された。
実施例5
スピロピラン小分子およびポリマーの水の取込みのスクリーニング研究
20μL分量のSP溶液を、ダイヤモンドATR結晶の表面上に加えた。溶媒を周囲光下で10分間蒸発させ、その後、1mLの水をフィルムの最上面上に加えた。水の取込みをFTIRによってモニターした。実施例1Hおよび2Fにおいて調製したSP溶液のそれぞれを使用して実験を行った。in situでの405nmの紫色レーザーによる連続的照射下のフィルムで、堆積の瞬間から水の取込みまでの実験を繰り返した。
各SP小分子およびポリマーのΔAbsを時間の関数としてプロットし、指数関数的減衰式にフィットさせた。フィッティングパラメーターAおよびτを使用して、ΔAbs(1分)を計算した。次に、比Rを計算した。
Rおよび照射ΔAbs(1分)の最も高い値を有するSP小分子およびポリマーは、光によって動力を供給される可逆的捕水システムのための最も有望な候補であると判断した。より大きな照射ΔAbs(1分)値は、効率的な水の取込みを示し、R値が大きいほど、照射されたSP形態および照射されていないSP形態の水の取込み効率における差異が大きくなることを示しており、このことは、より良好な水の保持および放出を示唆した。
SP小分子について、得られたRおよび照射ΔAbs(1分)値は、より短いアルキル鎖を有する照射されたSPおよび照射されていないSPの両方が、より長いアルキル鎖を有するものより良好に水を保持したことを示した。しかし、照射されていないSPの水の取込みは、アルキル鎖のサイズと共に急速に減少した一方、照射されたSPの水の取込みはより徐々に減少した。
Rおよび照射ΔAbs(1分)値に対する(Y)−Hおよび−OMe置換基の効果もまた調査した。(Y)位における電子供与性メトキシ基は、双性イオン性親水性メロシアニン形態を安定化させることが予想された。C4−OMeおよびC18−OMe化合物は、それぞれ、C4−HおよびC18−Hと比較して照射ΔAbs(1分)の増加を示したが、より低いR値を示した。
SP小分子のうち、C4−Hは、最も見込みがあることを実証し、その後にC18−OMe、C8−H、およびC18−Hがそれぞれ続いた。C1−Hおよびスチレン−Hは、本出願について最も望ましくない結果を示した。
SPポリマーについて、P(SP−co−MMA)(1:3)、P(SP−ホモ)、およびP(SP−co−MMA)(1:5)コポリマーはそれぞれ、それらのRおよび照射ΔAbs(1分)値に基づいて最も効率的な水の取込みを示す。P(SP−co−MMA)(1:3)は、2番目に大きな照射ΔAbs(1分)値を伴う、最も大きなR値を示した。P(SP−ホモ)は、最も高い照射ΔAbs(1分)値を実証したが、低いR値を実証した。P(SP−co−MMA)(1:5)は相対的に大きなR値を有するが、その照射ΔAbs(1分)値は、P(SP−co−MMA)(1:3)またはP(SP−ホモ)の値ほど高くない。
SPポリマーのうち、P(SP−co−MMA)(1:3)および(1:5)コポリマーは、捕水システムとして最も高い可能性を有するようである。P(SP−ホモ)は、有望なΔAbs(1分)およびR値を示したが、フィルムの質は望ましくなかった。(1:3)および(1:5)コポリマーは、より良好なコーティング特性を示した。P(SP−co−MMA)(1:1)および(1:10)コポリマーは、本出願について最も望ましくない結果を示した。
いくつかの例示的な実施形態、局面および変形形態を本明細書において提供してきた一方、当業者は、実施形態、局面および変形形態の特定の修飾、並べ替え、追加および組合せおよび特定のサブコンビネーションを認識する。下記の特許請求の範囲は、特許請求の範囲内の、実施形態、局面および変形形態の全てのこのような修飾、並べ替え、追加および組合せならびに特定のサブコンビネーションを含むと解釈されることが意図される。
本出願を通して引用した全ての文献の全開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。

Claims (18)

  1. 光活性、熱活性もしくは電気活性、または光活性、熱活性および/もしくは電気活性フィルムの組合せであって、前記フィルムは、光、熱もしくは電界、または光、熱および/もしくは電界の組合せへの曝露によってその活性化形態または双性イオン形態に可逆的に転換する基底状態を有する化合物を含み、前記化合物の前記活性化状態は、前記化合物の前記基底状態より極性が高い、フィルム。
  2. 前記化合物が、式I
    [式中、
    mは、0、1、2、3または4であり、
    nは、0、1、2、3または4であり、
    Rは、Hであるか、または置換もしくは非置換C1〜22アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜22アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜22アルコキシC(NR’’)−、またはポリマーからなる群から選択され、
    各Xは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
    各Yは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C5〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
    Zは、−O−、−S−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−S(O)1〜2−、−NR’−および−CR’R’’−であり、
    R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、ならびに置換および非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリールからなる群から選択される]
    の化合物である、請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記フィルムが装置の表面上に堆積させられている、請求項1または2に記載のフィルム。
  4. 装置の表面上に堆積させられている光活性、熱活性もしくは電気活性、または光活性、熱活性および/もしくは電気活性フィルムの組合せを含む装置であって、前記フィルムが、光、熱もしくは電界、または光、熱および/もしくは電界の組合せへの曝露によってその活性化状態に可逆的に転換する基底状態を有する化合物を含み、前記化合物の前記活性化状態は、前記化合物の前記基底状態より極性が高い、装置。
  5. 前記光活性、熱活性もしくは電気活性、または前記光活性、熱活性、および/もしくは電気活性フィルムの組合せが、式I
    [式中、
    mは、0、1、2、3または4であり、
    nは、0、1、2、3または4であり、
    Rは、Hであるか、または置換もしくは非置換C1〜22アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜22アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜22アルコキシC(NR’’)−、またはポリマーからなる群から選択され、
    各Xは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
    各Yは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C5〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
    Zは、−O−、−S−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−S(O)1〜2−、−NR’−および−CR’R’’−であり、
    R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、ならびに置換および非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリールからなる群から選択される]
    の化合物を含む、請求項4に記載の装置。
  6. Rが、前記装置の前記表面上に堆積しているポリマーである、請求項4または5に記載の装置。
  7. 前記ポリマーが、ポリエチレン(LDPEもしくはHDPE)、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、Teflon(登録商標))、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリ(酢酸ビニル)(PVAc)、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリ(オキシエチレン)(POE)、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイルオキシカルボニル−1,4−フェニレンカルボニル(PET)、ポリ[アミノ(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル)]、ポリスチレン、エチル−ビニル−アセテート(EVA)、ポリラクチド(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ−L−ラクチド(PLLA)、PDLA(ポリ−D−ラクチド)またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の装置。
  8. 前記装置が、湿気のある空気および/または霧から水を捕集するために構成されている、請求項4から7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 光への前記装置の曝露が、前記フィルムの湿潤性を変える、請求項4から8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記光が、紫外線、可視光線および赤外線からなる群から選択される、請求項9に記載の装置。
  11. 前記基底状態から前記活性化状態への前記化合物の前記転換が、熱、光、および/もしくは電荷への前記装置の曝露によって、または他の方法と組み合わせて、可逆的である、請求項4から10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記フィルムの前記湿潤性が、光、例えば、太陽光によって可逆的に変化させられまたは活性化され、光の非存在下で、例えば、夕暮れどきにまたは太陽光の非存在下で不活性化される、請求項4から11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記装置は、風もしくは潮流もしくは川の流れもしくは波の作用またはこれらの任意の組合せによって回転可能であるように構成されており、前記フィルムが、太陽光への断続的曝露によって繰り返し活性化および不活性化される、請求項4から12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 装置の表面上に堆積させたフィルムの表面上の水の凝縮のための方法であって、
    光活性、熱活性もしくは電気活性、または光活性、熱活性および/もしくは電気活性フィルムの組合せを含む前記装置を曝露する工程であって、前記フィルムが、光、熱もしくは電界、または光、熱および/もしくは電界の組合せへの曝露によってその活性化状態に可逆的に転換する基底状態を有する化合物を含み、前記化合物の前記活性化状態は、前記化合物の前記基底状態より極性が高い、
    前記装置が、前記フィルムの前記表面上の水分を凝縮するか、または前記フィルムの前記表面上の水滴を捕捉および接着させるのに十分な期間曝露される、工程と、
    前記装置の前記表面上に形成されるかまたは収集された前記水を連続的に収集する工程と
    を含む、方法。
  15. 前記化合物が、式I
    [式中、
    mは、0、1、2、3または4であり、
    nは、0、1、2、3または4であり、
    Rは、Hであるか、または置換もしくは非置換C1〜22アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜22アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜22アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜22アルコキシC(NR’’)−、またはポリマーからなる群から選択され、
    各Xは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換−C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
    各Yは、独立に、Hであるか、またはハロ、−CN、−NO、−COOH、−SH、−OH、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C5〜10アリール、置換もしくは非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリール、置換もしくは非置換C1〜6アルキルC(O)−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルS(O)1〜2−、置換もしくは非置換C1〜6アルキルNR’C(O)−および置換もしくは非置換C1〜6アルコキシC(NR’’)−からなる群から選択され、
    Zは、−O−、−S−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−S(O)1〜2−、−NR’−および−CR’R’’−であり、
    R’およびR’’は、それぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、ならびに置換および非置換−C1〜6アルキル−C6〜10アリールからなる群から選択される]
    の化合物である、請求項14に記載の方法。
  16. Rが、前記装置の前記表面上に堆積しているポリマーである、請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記ポリマーが、ポリエチレン(LDPEもしくはHDPE)、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、Teflon(登録商標))、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリ(酢酸ビニル)(PVAc)、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリ(オキシエチレン)(POE)、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイルオキシカルボニル−1,4−フェニレンカルボニル(PET)、ポリ[アミノ(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル)]、ポリスチレン、エチル−ビニル−アセテート(EVA)、ポリラクチド(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ−L−ラクチド(PLLA)、PDLA(ポリ−D−ラクチド)またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記装置が、湿気のある空気および/または霧から水を捕集するために構成されている、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
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