JP2019526569A - 多発性硬化症と関連する症状を処置するための組成物及び方法 - Google Patents
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Abstract
低下した性欲および宿便などの1つまたは複数の症状を処置するための組成物および方法が提供される。したがって、開示される組成物は、多発性硬化症を有する患者、特に、多発性硬化症の症状が月経前期間に/月経期間中に増悪する患者を含む、それを必要とする被験体に投与することができる。組成物は、BPCペプチドの薬学的に許容される塩を含む単位剤形である。単位剤形は、経腸、非経口、または局所投与用に製剤化することが可能である。それを必要とする被験体において性欲を増やすまたは宿便を低減する方法も本明細書で提供される。一実施形態では、本明細書で開示される組成物は、多発性硬化症を有する患者において、特に、多発性硬化症の症状が月経前期間に増悪する患者において1つまたは複数の症状を軽減するのに使用される。開示される剤形は経口的にまたは非経口的に投与することが可能である。
Description
関連出願との相互参照
本出願は、2016年8月23日に出願された米国出願第62/378,369号に対する優先権の利益を主張し、可能な場合、その全体が本明細書に参考として援用される。
本出願は、2016年8月23日に出願された米国出願第62/378,369号に対する優先権の利益を主張し、可能な場合、その全体が本明細書に参考として援用される。
配列表の参照
2017年8月2日に作成され550バイトのサイズを有する「PCD_100_PCT_ST25.txt」と名付けられたテキストファイルとして提出される配列表は参照により本明細書に組み込まれる。
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本発明は一般的には、BPC(身体保護化合物)ペプチド塩の剤形および使用方法を対象とする。
多発性硬化症(MS)は中枢神経系(CNS)の自己免疫障害であり、いくつかの要因がこの疾患に対する個体の感受性および疾患経過に影響を及ぼすと考えられている。MSでは、免疫系が、その理由はまだ理解されていないが、ミエリンおよびミエリンを生成するオリゴデンドロサイトを攻撃し破壊する。最終的に、ミエリンが失われている複数の場所で瘢痕組織(硬化)が蓄積され、これらのプラークまたは瘢痕領域は、直径が1インチの何分の1にすぎないがシグナル伝達に干渉し得る。根底にある神経も損傷を受ける場合があり、症状をさらに悪化させ回復度を低下させる。この疾患は多くの現れ方をすることがある。患部ははっきりした症状を引き起こさないときもあれば、多くの症状を引き起こすときもあり、こうした理由で問題の重症度はMSに罹っている人の間で大きく変動する。多発性硬化症は通常、発作または増悪の形態で襲う。これは、24時間超の間、少なくとも1つの症状が生じる、または悪化する場合である。症状(複数可)は数日、数週間、数カ月または無期限に続くことがある。MSは疼痛を伴う。一般的に冒される身体機能は性的関心(減弱した覚醒および感覚の喪失)ならびに排便調節、例えば、便秘、等を含む。
MSに関連する1つまたは複数の症状を処置するための組成物を提供するのが本発明の目的である。
MSに関連する1つまたは複数の症状を処置するための方法を提供するのも本発明の目的である。
低下した性欲(reduced sexual desire)、宿便(fecal compaction)および必要に応じて疼痛などの1つまたは複数の症状を処置するための組成物および方法が提供される。組成物はBPCペプチドの薬学的に許容される塩の単位剤形を含む。単位剤形は、経腸、非経口、または局所投与用に製剤化することが可能である。好ましいBPC遊離ペプチドはGEPPPGKPADDAGLV(配列番号1)であり、好ましい塩はBPCのナトリウム塩、より好ましくは二ナトリウム塩である。開示されている剤形および方法は、BPC塩が月経周期に関連する腹痛を軽減することに加えて、有効量でおよび効果的な期間投与されると、低下した性欲および宿便などの1つまたは複数の症状を軽減することが可能であるという発見に基づいている。したがって、開示されている組成物は、それを必要とする被験体、例えば、多発性硬化症を有する患者、特にそのMS症状が月経前/月経期間に増悪する患者に投与することが可能である。
それを必要とする被験体において性欲を増やすまたは宿便を低減する方法も本明細書で提供される。一実施形態では、本明細書で開示される組成物を使用して、多発性硬化症を有する患者において、特に多発性硬化症症状が月経前/月経期間に増悪する患者において1つまたは複数の症状を軽減する。別の実施形態では、組成物は健康な被験体に投与されて性欲を増やす。
開示された剤形は経口的にまたは非経口的に投与することが可能である。
I.定義
用語「担体」とは、BPC塩と一緒に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、および/またはビヒクルのことを指す。担体は、活性成分(1種または複数種)以外の医薬製剤中に存在するすべての構成成分である。
用語「担体」とは、BPC塩と一緒に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、および/またはビヒクルのことを指す。担体は、活性成分(1種または複数種)以外の医薬製剤中に存在するすべての構成成分である。
「非経口投与」とは、本明細書で使用される場合、消化管または非侵襲性局所的もしくは局部的経路を通じて以外の任意の方法による投与を意味する。
用語「薬学的に許容される」とは、医薬組成物に関して本明細書で使用される場合、動物においておよび/またはヒトにおいて使用するために、連邦政府もしくは州政府の規制当局により承認されているまたは米国薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に収載されていることを意味する。
「薬学的に許容される塩」とは、本明細書で使用される場合、本明細書で定義される化合物の誘導体のことを指し、親化合物はその酸性塩または塩基性塩を作ることにより改変される。
本明細書で使用される場合、用語「有効量」または「治療有効量」とは、処置中の障害の1つもしくは複数の症状を処置する、抑制する、もしくは軽減するのにまたは他の方法で所望の薬理効果および/もしくは生理効果をもたらすのに十分な投与量を意味する。
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置する」とは、処置中の障害の1つまたは複数の症状を停止すること、抑制すること、軽減することまたはそれを停止しようと、抑制しようと、もしくは軽減しようと試みることを指す。当業者により理解されるように、種々の臨床的および科学的方法論およびアッセイを使用して、感染症の発症または進行を評価してもよく、同様に、種々の臨床的および科学的方法論およびアッセイを使用して、感染症またはその症状の低減、後退、または寛解を評価してもよい。
本明細書で使用される場合、用語「被験体」とは、動物のことを指す。典型的には、用語「被験体」および「患者」は、被験体に関して本明細書では互換的に使用することができる。したがって、「被験体」は患者として処置されているヒトを含む。
II.組成物
本明細書で開示される単位剤形は、BPCペプチドの薬学的に許容される塩を含む。単位剤形は、経腸、非経口、または局所投与用に製剤化することが可能である。BPCペプチド塩は、安全であり本明細書に記載される単位剤形(unit dosage)を形成するのに効果的だと見なされる1種または複数種の薬学的に許容される担体と組み合わせることが可能であり、望ましくない生物学的副作用または望まれない相互作用を引き起こすことなく個体に投与することができる。
本明細書で開示される単位剤形は、BPCペプチドの薬学的に許容される塩を含む。単位剤形は、経腸、非経口、または局所投与用に製剤化することが可能である。BPCペプチド塩は、安全であり本明細書に記載される単位剤形(unit dosage)を形成するのに効果的だと見なされる1種または複数種の薬学的に許容される担体と組み合わせることが可能であり、望ましくない生物学的副作用または望まれない相互作用を引き起こすことなく個体に投与することができる。
これらの単位剤形は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸薬、カプセル剤、粉剤・散剤(powder)、および徐放製剤などの形態をとることが可能である。
好ましい一実施形態では、単位剤形は、安定化BPCペプチド塩を含む錠剤の形態である。剤形は、所望の症状を軽減するのに効果的な期間それを必要とする被験体に投与される。
A.BPCペプチド塩
好ましい実施形態での塩の陰イオンは、8から15アミノ酸を含み、分子量が900から1,600ダルトンの、一般式(I):X1PPPX2X3PA](−)または(2−)を有する負電荷を帯びたペプチドであり;X1は中性の脂肪族アミノ酸残基であり得、好ましくは、中性の脂肪族アミノ酸残基であり、例えば、Ala、bAla、Leu、Ile、Gly、Val、NleまたはNvaであり;X2は塩基性アミノ酸残基であり得、好ましくは、塩基性アミノ酸残基であり、例えば、Lys、Arg、OrnまたはHisであり;X3は酸性アミノ酸残基であり得、好ましくは、酸性アミノ酸残基であり(if)、例えば、Glu、Asp、AadまたはApmである。
塩の陽イオンは、好ましくは、無機または有機非毒性および薬学的に許容される塩基の陽イオンである。特に、塩の陽イオンは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、例えば、Na+、K+、Li+、Cs+、Ca+、またはZn2+などの別の金属、または一級、二級もしくは三級アミンまたはNH4 +、トリエタノールアミン+、シクロヘキシルアミン+、2−AMP+(2−アミノ−1−プロパノール)もしくはTRIS+(トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン)などの有機化合物である。BPCペプチド塩は米国特許第6,288,028号に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
好ましい実施形態での塩の陰イオンは、8から15アミノ酸を含み、分子量が900から1,600ダルトンの、一般式(I):X1PPPX2X3PA](−)または(2−)を有する負電荷を帯びたペプチドであり;X1は中性の脂肪族アミノ酸残基であり得、好ましくは、中性の脂肪族アミノ酸残基であり、例えば、Ala、bAla、Leu、Ile、Gly、Val、NleまたはNvaであり;X2は塩基性アミノ酸残基であり得、好ましくは、塩基性アミノ酸残基であり、例えば、Lys、Arg、OrnまたはHisであり;X3は酸性アミノ酸残基であり得、好ましくは、酸性アミノ酸残基であり(if)、例えば、Glu、Asp、AadまたはApmである。
塩の陽イオンは、好ましくは、無機または有機非毒性および薬学的に許容される塩基の陽イオンである。特に、塩の陽イオンは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、例えば、Na+、K+、Li+、Cs+、Ca+、またはZn2+などの別の金属、または一級、二級もしくは三級アミンまたはNH4 +、トリエタノールアミン+、シクロヘキシルアミン+、2−AMP+(2−アミノ−1−プロパノール)もしくはTRIS+(トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン)などの有機化合物である。BPCペプチド塩は米国特許第6,288,028号に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
好ましいBPC遊離ペプチドは、GEPPPGKPADDAGLV(配列番号1)であり、好ましい塩はBPCのナトリウム塩、好ましくは、二ナトリウム塩である。
本明細書に開示される製剤中のBPC塩は安定化しているのが好ましい。多くの賦形剤がペプチド製剤において有用であると当技術分野で開示されてきたが、安定化したペプチド製剤を得るには、特定のペプチドに適した賦形剤の組合せを試験する必要がある。特にペプチドを用いた場合、ペプチド製剤中に含めるために一般に開示されている賦形剤を単に選択することによって、望ましくない効果を得て実際にペプチドの安定性を低減することがある。例えば、グルコースなどの糖類を減らすとペプチド製剤の望まれない分解を起こすことがある。ラクトースはペプチド製剤において望まれない沈着物を生じることが示された。米国特許出願公開第20070010424号を参照されたい。米国特許出願公開第20070010424号は、ペプチド製剤中のマンニトールなどの糖アルコールの使用による問題を開示している。例えば、マンニトールは、結晶化するとペプチド製剤の作製中に問題を引き起こし、等張化剤として選択される場合マンニトールを使用するのに必要とされる低濃度でペプチド製剤中に含ませるとき、製造設備におよび最終製品に沈着物を生じる。
対照的に、および驚くべきことに、本明細書に開示されるBPCペプチドの塩は、糖アルコール、好ましくは、マンニトールをBPC塩:糖アルコールが最大1:1比の濃度で用いて安定化することが可能である。好ましい安定化BPCペプチド塩はマンニトールを1:1比のマンニトール:活性剤で含むが、活性剤とともに、マンニトールは2:1から1:2の比までの範囲の比を含んでいることが可能である。マンニトールの濃度は製剤を安定化するのに効果的である。例えば、マンニトールは製剤の40〜70重量%の間、例えば、40%、45%、50%、55%、60%、65%および70%を構成することが可能である。具体的に開示されている値の中間の値、例えば、61、62、63、64、65、66、67、69、および69%も想定されている。
この実施形態では、製剤は、リン脂質もしくはグリセロリン脂質および/またはプロピレングリコールなどの両親媒性界面活性物質を含まないことが好ましい。
B.賦形剤および担体
医薬担体は、例えばピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、およびゴマ油などの石油、動物、植物または合成起源のものを含む水および油などの無菌液体であり得る。食塩溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液も、特に注射液用の液体担体として用いることが可能である。
医薬担体は、例えばピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、およびゴマ油などの石油、動物、植物または合成起源のものを含む水および油などの無菌液体であり得る。食塩溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液も、特に注射液用の液体担体として用いることが可能である。
適切な医薬賦形剤は、デンプン、グルコール、スクロース、ゼラチン、ラクトース、麦芽、ライス、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、およびエタノールなどを含む。医薬組成物は湿潤剤もしくは乳化剤または懸濁化剤/希釈剤、またはpH緩衝剤、または本開示された塩の放出速度を改変するもしくは維持するための剤も含有してもよく、これらのすべてが本明細書でさらに開示される。賦形剤を含む例示的組成物の構成成分は表1に示されている。
C.剤形
剤形は非経口および経腸剤形を含む。BPCペプチド塩は、1から10mg/剤形の範囲の量、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mgまたは10mgで剤形中に存在するのが好ましい。例えば、腸溶錠形態(enteric tablet from)は1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mgまたは10mgのBPCペプチド塩を含むことが可能である。
剤形は非経口および経腸剤形を含む。BPCペプチド塩は、1から10mg/剤形の範囲の量、例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mgまたは10mgで剤形中に存在するのが好ましい。例えば、腸溶錠形態(enteric tablet from)は1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mgまたは10mgのBPCペプチド塩を含むことが可能である。
1.非経口製剤
本明細書に記載されるBPC塩は非経口投与用に製剤化することが可能である。非経口投与は、静脈内に、皮内に、動脈内に、腹腔内に、病巣内に、関節内に、前立腺内に、胸膜内に、気管内に、腫瘍内に、筋肉内に、皮下に、結膜下に、小胞内に、心膜内に、臍帯内に、注射により、および注入により患者に投与することを含んでもよい。
本明細書に記載されるBPC塩は非経口投与用に製剤化することが可能である。非経口投与は、静脈内に、皮内に、動脈内に、腹腔内に、病巣内に、関節内に、前立腺内に、胸膜内に、気管内に、腫瘍内に、筋肉内に、皮下に、結膜下に、小胞内に、心膜内に、臍帯内に、注射により、および注入により患者に投与することを含んでもよい。
非経口製剤は当技術分野で公知の技法を使用して水性組成物として調製することが可能である。典型的には、そのような組成物は、注射用製剤、例えば、液剤または懸濁剤;注射に先立って再構成媒体を添加して溶液または懸濁液を調製するための使用に適した固体形態;油中水型(w/o)エマルジョン、水中油型(o/w)エマルジョンなどのエマルジョン、およびそのミクロエマルジョン、リポソーム、またはエマルソーム(emulsome)として調製可能である。
静脈内投与用の場合、組成物は無菌等張水性緩衝剤の溶液にパッケージされる。必要な場合には、組成物は可溶化剤も含んでもよい。組成物の構成成分は、例えば、活性剤の量を示すアンプルまたはサシェ(sachet)などの密封された容器中に乾燥凍結乾燥粉末(dry lyophilized powder)(食塩水などの担体と一緒に使用前に再構成することが可能である)または濃縮液として、単位剤形中に別々に存在してもよいかまたは一緒に混合することが可能である。組成物を注入により投与するつもりであれば、無菌医薬品グレードの水または食塩水を含有する注入ビンを用いて組成物を分注することが可能である。組成物が注射により投与される場合、注射に先立って成分が混合され得るように、無菌水または食塩水のアンプルを提供することが可能である。
担体は、例えば、水、エタノール、1種または複数種のポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、植物油(例えば、ピーナッツ油、コーン油、ゴマ油、等)などの油、およびそれらの組合せを含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動度は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散の場合では必要とされる粒子サイズの維持によりおよび/または界面活性物質の使用により維持することが可能である。多くの場合、等張化剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むのが好ましい。
遊離酸もしくは塩基または薬理学的に許容されるその塩としての活性化合物の溶液および分散液は、水もしくは別の溶媒または界面活性物質、分散剤、乳化剤、pH調節剤、粘度調節剤、およびそれらの組合せを含むがこれらに限定されない1種もしくは複数種の薬学的に許容される賦形剤と適切に混合させた分散媒中で調製することが可能である。
適切な界面活性物質は、陰イオン性、陽イオン性、両性または非イオン性表面活性剤でもよい。適切な陰イオン性界面活性物質は、カルボン酸イオン、スルホン酸イオンおよび硫酸イオンを含有する界面活性物質を含むがこれらに限定されない。陰イオン性界面活性物質の例は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの長鎖アルキルスルホン酸およびアルキルアリールスルホン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;ビス−(2−エチルチオキシル)−スルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;ならびにラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩を含む。陽イオン性界面活性物質は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどの四級アンモニウム化合物、ポリオキシエチレン、およびココナッツアミンを含むがこれらに限定されない。非イオン性界面活性物質の例は、モノステアリン酸エチレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸ポリグリセリル−4、ソルビタンアシレート(sorbitan acylate)、スクロースアシレート(sucrose acylate)、ラウリン酸PEG−150、モノラウリン酸PEG−400、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG−1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、Poloxamer(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド、およびポリオキシエチレン硬化獣脂アミドを含む。両性界面活性物質の例は、N−ドデシル−β−アラニンナトリウム、N−ラウリル−β−イミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリストアンフォアセテート、ラウリルベタイン、およびラウリルスルホベタインを含む。製剤は微生物の成長を妨げる保存剤を含有することが可能である。適切な保存剤は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、およびチメロサールを含むがこれらに限定されない。製剤は活性剤(複数種可)の分解を妨げる抗酸化剤も含有してもよい。
製剤は典型的には、再構成による非経口投与のために3〜8のpHに緩衝される。適切な緩衝液は、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、およびクエン酸緩衝液を含むがこれらに限定されない。
水溶性ポリマーは非経口投与用の製剤で使用されることが多い。適切な水溶性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、デキストラン、カルボシキメチルセルロース、およびポリエチレングリコールを含むがこれらに限定されない。
無菌注射液は、必要な量の活性化合物を適切な溶媒または分散媒に、必要な場合、上に収載される賦形剤の1種または複数種と一緒に組み込み、続いて濾過殺菌することにより、調製することが可能である。一般に、分散液は種々の無菌化活性成分を、基本分散媒および上に収載される成分からの必要な他の成分を含有する無菌ビヒクル中に組み込むことにより調製される。無菌注射液の調製用の無菌粉末の場合、好ましい調製方法は真空乾燥および凍結乾燥技法であり、これらの技法では活性成分に加えて先に無菌濾過したその溶液からの任意のさらなる所望の成分の粉末が得られる。粉末は、粒子が本質的に多孔性であるように調製することが可能であり、これにより粒子の溶解を増すことが可能である。多孔性粒子を作るための方法は当技術分野では周知である。
(a)制御放出製剤
本明細書に記載される非経口製剤は、即時放出、遅延放出、持続放出、拍動性放出、およびそれらの組合せを含む、制御放出用に製剤化することが可能である。
本明細書に記載される非経口製剤は、即時放出、遅延放出、持続放出、拍動性放出、およびそれらの組合せを含む、制御放出用に製剤化することが可能である。
1.ナノ粒子およびマイクロ粒子
非経口投与では、1種または複数種の化合物、および必要に応じた1種または複数種の追加の活性剤は、化合物および/または1種もしくは複数種の追加の活性剤の制御放出を提供するマイクロ粒子、ナノ粒子、またはそれらの組合せに組み込むことが可能である。製剤が2種またはそれを超える薬物を含有する形態では、薬物は同じタイプの制御放出(例えば、遅延、持続、即時、または拍動性)用に製剤化することが可能である、または薬物は異なるタイプの放出(例えば、即時と遅延、即時と持続、遅延と持続、遅延と拍動性、等)用に独立して製剤化することが可能である。
非経口投与では、1種または複数種の化合物、および必要に応じた1種または複数種の追加の活性剤は、化合物および/または1種もしくは複数種の追加の活性剤の制御放出を提供するマイクロ粒子、ナノ粒子、またはそれらの組合せに組み込むことが可能である。製剤が2種またはそれを超える薬物を含有する形態では、薬物は同じタイプの制御放出(例えば、遅延、持続、即時、または拍動性)用に製剤化することが可能である、または薬物は異なるタイプの放出(例えば、即時と遅延、即時と持続、遅延と持続、遅延と拍動性、等)用に独立して製剤化することが可能である。
例えば、化合物および/または1種もしくは複数種の追加の活性剤はポリマーマイクロ粒子中に組み込むことが可能であり、この粒子は薬物(複数種可)の制御放出を提供する。薬物(複数種可)の放出は、マイクロ粒子からの薬物(複数種可)の拡散ならびに/または加水分解および/もしくは酵素的分解によるポリマー粒子の分解により制御される。適切なポリマーは、エチルセルロースおよび他の天然または合成セルロース誘導体を含む。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポリエチレンオキシドなどのポリマーは、水性環境で徐溶性でありゲルを形成するが、薬物含有マイクロ粒子用の材料としても適していることがある。他のポリマーは、ポリ酸無水物、ポリ(エステル無水物)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、ポリ−3−ヒドロキシブチレート(PHB)およびそれらのコポリマー、ポリ−4−ヒドロキシブチレート(P4HB)およびそのコポリマーなどのポリヒドロキシ酸、ポリカプロラクトンおよびそのコポリマー、ならびにそれらの組合せを含むがこれらに限定されない。
あるいは、薬物(複数種可)は、水溶液中では不溶性または水溶液中では徐溶性であるが、酵素的分解、胆汁酸の界面活性作用、および/または機械的侵食を含む手段により胃腸管内では分解することができる材料から調製されるマイクロ粒子に組み込むことが可能である。本明細書で使用される場合、用語「水中で徐溶性」とは水中で30分の時間内には溶解しない材料のことを指す。好ましい例は、脂肪、脂肪物質、ワックス、ワックス様物質およびそれらの混合物を含む。適切な脂肪および脂肪物質は、脂肪アルコール(ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール ステアリルアルコール、セチルアルコールまたはセトステアリルアルコールなどの)、脂肪酸ならびに脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノ−グリセリド、ジ−グリセリドおよびトリ−グリセリド)、および硬化脂肪を含むがこれらに限定されない誘導体を含む。特定の例は、硬化植物油、硬化綿実油、硬化ヒマシ油、商標Sterotex(登録商標)で入手可能である硬化油、ステアリン酸、カカオバター、およびステアリルアルコールを含むがこれらに限定されない。適切なワックスおよびワックス様材料は、天然または合成ワックス、炭化水素、および通常のワックスを含む。ワックスの特定の例は、蜜蝋、グリコワックス、カスターワックス(castor wax)、カルナウバ蝋、パラフィンおよびキャンデリラ蝋を含む。本明細書で使用される場合、ワックス様材料は、室温では通常、固体であり約30から300℃までの融点を有する任意の材料と定義される。
一部の場合では、マイクロ粒子中への水の浸透速度を変更するのが望ましいことがある。この目的のため、速度制御(ウィッキング(wicking))剤を上に収載される脂肪またはワックスと一緒に製剤化することが可能である。速度制御材料の例は、ある特定のデンプン誘導体(例えば、蝋様マルトデキストリンおよびドラム乾燥コーンスターチ)、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース)、アルギン酸、ラクトースおよびタルクを含む。さらに、薬学的に許容される界面活性物質(例えば、レシチン)を添加して、そのようなマイクロ粒子の分解を促進してもよい。
ゼインなどのタンパク質は、水不溶性であり、薬物含有マイクロ粒子の形成用の材料として使用することも可能である。さらに、タンパク質、多糖類およびそれらの組合せは、水溶性であり、マイクロ粒子中に薬物と一緒に製剤化し、それに続いて架橋させて不溶性の網状組織を形成することが可能である。例えば、シクロデキストリンを個々の薬物分子と複合体化し、それに続いて架橋することが可能である。
ナノ粒子およびマイクロ粒子を作る方法
薬物含有マイクロ粒子を作製するための薬物のカプセル封入または担体材料への薬物の組込みは、公知の医薬製剤技法を通じて達成することが可能である。脂肪、ワックスまたはワックス様材料での製剤の場合、担体材料は典型的にはその融解温度より上に加熱され、薬物が添加されて担体材料中に懸濁した薬物粒子、担体材料中に溶解した薬物、またはそれらの混合物を含む混合物を形成する。マイクロ粒子はそれに続いて、凝結、押出し、噴霧冷却(spray chilling)または水分散のプロセスを含むがこれらに限定されないいくつかの方法を通じて製剤化することが可能である。好ましいプロセスでは、ワックスはその融解温度より上に加熱され、薬物が添加され、溶けたワックス−薬物混合物は、混合物が冷却するに従って一定の撹拌下で凝結する。あるいは、溶けたワックス−薬物混合物は押し出され球形にされて(spheronized)ペレットまたはビーズを形成することが可能である。これらのプロセスは当技術分野では公知である。
薬物含有マイクロ粒子を作製するための薬物のカプセル封入または担体材料への薬物の組込みは、公知の医薬製剤技法を通じて達成することが可能である。脂肪、ワックスまたはワックス様材料での製剤の場合、担体材料は典型的にはその融解温度より上に加熱され、薬物が添加されて担体材料中に懸濁した薬物粒子、担体材料中に溶解した薬物、またはそれらの混合物を含む混合物を形成する。マイクロ粒子はそれに続いて、凝結、押出し、噴霧冷却(spray chilling)または水分散のプロセスを含むがこれらに限定されないいくつかの方法を通じて製剤化することが可能である。好ましいプロセスでは、ワックスはその融解温度より上に加熱され、薬物が添加され、溶けたワックス−薬物混合物は、混合物が冷却するに従って一定の撹拌下で凝結する。あるいは、溶けたワックス−薬物混合物は押し出され球形にされて(spheronized)ペレットまたはビーズを形成することが可能である。これらのプロセスは当技術分野では公知である。
一部の担体材料では、溶媒蒸発技法を使用して薬物含有マイクロ粒子を作製するのが望ましいことがある。この場合、薬物および担体材料は相互溶媒に共溶解させ(co−dissolved)、マイクロ粒子はそれに続いて、水または他の適切な媒体中でエマルジョンを形成すること、噴霧乾燥するまたはバルク溶液から溶媒を蒸発させ、得られた材料を粉砕することを含むがこれらに限定されないいくつかの技法により作製することが可能である。
一部の形態では、粒子形態の薬物は、水不溶性材料または緩徐水溶性材料に均一に分散される。組成物内での薬物粒子のサイズを最小にするため、製剤化に先立って薬物粉末それ自体を粉砕して微粒子を生成してもよい。ジェットミルのプロセスは、製薬分野では公知であり、この目的に使用することが可能である。一部の形態では、粒子形態の薬物は、ワックスまたはワックス様物質をその融点よりも上に加熱して混合物を撹拌しながら薬物粒子を添加することによりワックスまたはワックス様物質中に均一に分散される。この場合、薬学的に許容される界面活性物質を混合物に添加して、薬物粒子の分散を促進してもよい。
粒子は1種または複数種の改変放出コーティングで被覆することも可能である。脂肪酸の固体エステルは、リパーゼにより加水分解されるが、マイクロ粒子または薬物粒子上に噴霧被覆することが可能である。ゼインは天然では水不溶性のタンパク質の例である。ゼインは、噴霧コーティングによりまたは湿式造粒技法により薬物含有マイクロ粒子または薬物粒子上に被覆することが可能である。天然では水不溶性の材料に加えて、消化酵素の一部の基質を架橋手順で処理して、非可溶性網状組織を形成することが可能である。化学的手段および物理的手段の両方により起こせる、タンパク質を架橋する多くの方法が、報告されている。架橋を得る最も一般的な方法の1つは、化学架橋剤の使用である。化学架橋剤の例は、アルデヒド(グルタルアルデヒド(gluteraldehyde)およびホルムアルデヒド)、エポキシ化合物、カルボジイミド、およびゲニピンを含む。これらの架橋剤に加えて、酸化型および天然の糖はゼラチンを架橋するのに使用されてきた。架橋は酵素的手段を使用して達成することも可能であり、例えば、トランスグルタミナーゼは水産製品を架橋するためのGRAS物質として認定されている。最後に、架橋は、熱処理、UV照射およびガンマ線照射などの物理的手段により起こすことが可能である。
薬物含有マイクロ粒子または薬物粒子を取り囲む架橋タンパク質のコーティング層を作製するためには、水溶性タンパク質をマイクロ粒子上に噴霧被覆し、それに続いて上記の方法の1つにより架橋することが可能である。あるいは、薬物含有マイクロ粒子は、コアセルベーション相分離により(例えば、塩の添加により)タンパク質内に微小被包し(microencapsulated)、それに続いて架橋することが可能である。この目的に適した一部のタンパク質は、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、およびグルテンを含む。
多糖も架橋して水不溶性網状組織を形成させることが可能である。多くの多糖では、これはカルシウム塩または多価陽イオンとの反応により達成することが可能であり、この反応では主ポリマー鎖が架橋される。ペクチン、アルギネート、デキストラン、アミロースおよびグアーガムは多価陽イオンの存在下で架橋に供される。逆電荷多糖間の複合体も形成することが可能であり、例えば、ペクチンおよびキトサンは静電相互作用を介して複合体化することが可能である。
(b)注射可能な/植込み型製剤
本明細書に記載される化合物は、ポリマー植込み物(polymeric implant)などの注射可能な/植込み型固体または半固体植込み物中に組み込むことが可能である。一部の形態では、化合物は、室温では液体またはペースト状であるが、生理学的流体などの水性媒体に接触すると粘度の増加を示して半固体または固体材料を形成するポリマーに組み込まれる。例示的なポリマーは、ヒドロキシアルカン酸(hydroxyalkanoic acid)と共重合された少なくとも1つの不飽和ヒドロキシ脂肪酸の共重合に由来するヒドロキシアルカン酸ポリエステルを含むがこれに限定されない。このポリマーは融解し、活性物質と混合してデバイスに成形するまたは射出成形することが可能である。そのような融解加工には、送達される物質およびポリマーが分解するまたは反応性になる温度よりも下である融点を有するポリマーが必要である。デバイスは、ポリマーを溶媒に溶解させ、薬物をポリマー溶液中に溶解するまたは分散させ、次に溶媒を蒸発させる溶媒流延(solvent casting)により調製することも可能である。溶媒プロセスには、ポリマーが有機溶媒に可溶性であることが必要である。別の方法は、ポリマーおよび薬物または活性剤を充填したポリマー粒子の混合粉末の圧縮成形である。
本明細書に記載される化合物は、ポリマー植込み物(polymeric implant)などの注射可能な/植込み型固体または半固体植込み物中に組み込むことが可能である。一部の形態では、化合物は、室温では液体またはペースト状であるが、生理学的流体などの水性媒体に接触すると粘度の増加を示して半固体または固体材料を形成するポリマーに組み込まれる。例示的なポリマーは、ヒドロキシアルカン酸(hydroxyalkanoic acid)と共重合された少なくとも1つの不飽和ヒドロキシ脂肪酸の共重合に由来するヒドロキシアルカン酸ポリエステルを含むがこれに限定されない。このポリマーは融解し、活性物質と混合してデバイスに成形するまたは射出成形することが可能である。そのような融解加工には、送達される物質およびポリマーが分解するまたは反応性になる温度よりも下である融点を有するポリマーが必要である。デバイスは、ポリマーを溶媒に溶解させ、薬物をポリマー溶液中に溶解するまたは分散させ、次に溶媒を蒸発させる溶媒流延(solvent casting)により調製することも可能である。溶媒プロセスには、ポリマーが有機溶媒に可溶性であることが必要である。別の方法は、ポリマーおよび薬物または活性剤を充填したポリマー粒子の混合粉末の圧縮成形である。
あるいは、化合物は、ポリマーマトリックスに組み込み、室温では固体であるデバイスに成形する、圧縮する、または押出成形することが可能である。例えば、化合物は、ポリ酸無水物、ポリヒドロアルカン酸(polyhydroalkanoic acid)(PHA)、PLA、PGA、PLGA、ポリカプロラクトン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン(polyphosphazene)、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルブミンおよびゼラチンなどのタンパク質および多糖、ならびにそれらの組合せなどの生分解性ポリマーに組み込み、ディスクなどの固体デバイスに圧縮する、またはロッドなどのデバイスに押出成形することが可能である。
植込み物からの1種または複数種の化合物の放出は、ポリマー、ポリマーの分子量、ならびに/または細孔の形成および/もしくは加水分解性連結部の組込みなどの分解を増やすためのポリマーの改変を選択することにより変えることが可能である。植込み物からの化合物の放出プロファイルを変えるための生分解性ポリマーの特性を改変するための方法は当技術分野では周知である。
2.経腸製剤
経口製剤は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、サッカリンナトリウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準担体を含むことが可能である。そのような組成物は、使用される投与様式に基づいて患者に適切な形態を提供するように、治療有効量の開示された塩を適量の担体と一緒に含有する。
経口製剤は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、サッカリンナトリウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準担体を含むことが可能である。そのような組成物は、使用される投与様式に基づいて患者に適切な形態を提供するように、治療有効量の開示された塩を適量の担体と一緒に含有する。
適切な経口剤形は、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびトローチ剤を含む。錠剤は、当技術分野で周知の圧縮または成形技法を使用して作ることが可能である。ゼラチンまたは非ゼラチンカプセル剤は硬または軟カプセルシェルとして調製することが可能であり、このカプセルシェルは当技術分野で周知の技法を使用して、液体、固体、および半固体充填材をカプセル化することが可能である。好ましい製剤は、好ましくは、マンニトールを1:1比のマンニトール:活性剤で含む錠剤であるが、活性剤とともに、マンニトールは2:1から1:2の比までの範囲の比を含んでいることが可能である。マンニトールの濃度は製剤を安定化するのに効果的である。例えば、マンニトールは、製剤の40〜70重量%の間、例えば、40%、45%、50%、55%、60%、65%および70%を占めることが可能である。具体的に開示されている値の中間の値、例えば、61、62、63、64、65、66、67、69、および69%も想定されている。好ましい製剤は微結晶セルロースを10〜30%w/w、好ましくは、15〜26%w/wの範囲の濃度で含む。
製剤は薬学的に許容される担体を使用して調製してもよい。本明細書で一般的に使用される場合、「担体」は、希釈剤、保存剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、膨潤剤、充填剤、安定化剤、およびそれらの組合せを含むがこれらに限定されない。
担体はコーティング組成物のすべての構成成分も含み、この組成物は可塑剤、色素、着色剤、安定化剤、および滑剤を含んでいてもよい。
適切なコーティング材の例は、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートなどのセルロースポリマー;ポリビニルアセテートフタレート、アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、ならびに商標EUDRAGIT(登録商標)(Roth Pharma、Westerstadt、Germany)で市販されているメタクリル樹脂、ゼイン、シェラック、ならびに多糖を含むがこれらに限定されない。
さらに、コーティング材は、可塑剤、色素、着色剤、滑剤、安定化剤、ポア形成剤および界面活性物質などの従来の担体を含有してもよい。
「希釈剤」は、「充填剤」とも呼ばれ、典型的には、錠剤の圧縮またはビーズおよび顆粒の形成のために実用的なサイズが与えられるように固体剤形の容積(bulk)を増やすのに必要である。適切な希釈剤は、リン酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、加水分解デンプン、アルファ化デンプン、二酸化シリコーン(silicone dioxide)、酸化チタン、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよび粉砂糖を含むがこれらに限定されない。
「結合剤」は、固体投与製剤に粘着性を付与し、したがって、剤形の形成後、錠剤またはビーズまたは顆粒が無傷のままでいることを保証するのに使用される。適切な結合剤の材料は、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロース、ラクトースおよびソルビトールを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、アカシア、トラガカントなどの天然および合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、AVCEL(登録商標)(微結晶セルロース(micerocyrstalline cellulose))、エチルセルロースを含むセルロース、ならびにビーガム(veegum)、ならびにアクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリアクリル酸/ポリメタクリル酸およびポリビニルピロリドンなどの合成ポリマーを含むがこれらに限定されない。
「滑沢剤」は錠剤製造を促進するのに使用される。適切な滑沢剤の例は、製剤の0.5〜2.6%w/wの間、好ましくは、1〜2.0%の間の濃度範囲で含む、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセロール(glycerol behenate)、ポリエチレングリコール、タルク、および鉱油を含むがこれらに限定されない。
「崩壊剤」は、投与後の剤形崩壊または「破壊(breakup)」を促進するのに使用され、一般に、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化デンプン、粘土、セルロース、アルギニン、ガムまたは架橋PVP(Polyplasdone(登録商標)XL、GAF Chemical Corp製)などの架橋ポリマーを含むがこれらに限定されない。
「安定化剤」は、薬物分解反応を抑制するまたは遅延させるのに使用され、この反応は、例として、酸化反応を含む。適切な安定化剤は、抗酸化剤、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);アスコルビン酸、その塩およびエステル;ビタミンE、トコフェロールおよびその塩;メタ重亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩;システインおよびその誘導体;クエン酸;没食子酸プロピル、ならびにブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)を含むがこれらに限定されない。
(a)制御放出経腸製剤
カプセル剤、錠剤、液剤、および懸濁剤などの経口剤形は制御放出用に製剤化することが可能である。例えば、1種または複数種の化合物および必要に応じた1種または複数種の追加の活性剤は、ナノ粒子、マイクロ粒子、およびそれらの組合せへと製剤化し、軟もしくは硬ゼラチンまたは非ゼラチンカプセルにカプセル化し、あるいは分散媒中に分散させて、経口懸濁液またはシロップを形成することが可能である。粒子は薬物および制御放出ポリマーまたはマトリックスで形成することが可能である。あるいは、薬物粒子は、完成した剤形中への組込みに先立って1種または複数種の制御放出コーティングで被覆することが可能である。
カプセル剤、錠剤、液剤、および懸濁剤などの経口剤形は制御放出用に製剤化することが可能である。例えば、1種または複数種の化合物および必要に応じた1種または複数種の追加の活性剤は、ナノ粒子、マイクロ粒子、およびそれらの組合せへと製剤化し、軟もしくは硬ゼラチンまたは非ゼラチンカプセルにカプセル化し、あるいは分散媒中に分散させて、経口懸濁液またはシロップを形成することが可能である。粒子は薬物および制御放出ポリマーまたはマトリックスで形成することが可能である。あるいは、薬物粒子は、完成した剤形中への組込みに先立って1種または複数種の制御放出コーティングで被覆することが可能である。
別の形態では、1種または複数種の化合物および必要に応じた1種または複数種の追加の活性剤は、マトリックス材中に分散しており、このマトリックス材は、生理学的流体などの水性媒体に接触するとゲル化するまたは乳化する。ゲルの場合、マトリックスは膨潤して活性剤を封じ込め、この活性剤はマトリックス材の拡散および/または分解により時間をかけてゆっくり放出される。そのようなマトリックスは、錠剤としてまたは硬および軟カプセル用の充填材として製剤化することが可能である。
さらに別の形態では、1種または複数種の化合物、および必要に応じた1種または複数種の追加の活性剤は、錠剤またはカプセル剤などの固体(sold)経口剤形へと製剤化され、固体剤形は、遅延放出コーティングまたは持続放出コーティングなどの1種または複数種の制御放出コーティングで被覆される。コーティング(1種または複数種)は化合物および/または追加の活性剤も含有してもよい。
(1)持続放出剤形
持続放出製剤は一般に、拡散系または浸透圧系として調製され、これらの系は当技術分野では公知である。拡散系は典型的には、2つのタイプのデバイス、レザバーおよびマトリックスからなり、当技術分野では周知であり、記載されている。マトリックスデバイスは一般に、薬物をゆっくり溶解するポリマー担体と一緒に錠剤形態に圧縮することにより調製される。マトリックスデバイスの調製で使用される3つの主なタイプの材料は、不溶性プラスチック、親水性ポリマー、および脂肪化合物である。プラスチックマトリックスは、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、およびポリエチレンを含むがこれらに限定されない。親水性ポリマーは、メチルおよびエチルセルロースなどのセルロースポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのヒドロキシアルキルセルロース、およびCarbopol(登録商標)934、ポリエチレンオキシドならびにそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。脂肪化合物は、カルナウバ蝋およびトリステアリン酸グリセリルなどの種々のワックスならびに硬化ヒマシ油もしくは硬化植物油を含むワックス型物質、またはそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。
持続放出製剤は一般に、拡散系または浸透圧系として調製され、これらの系は当技術分野では公知である。拡散系は典型的には、2つのタイプのデバイス、レザバーおよびマトリックスからなり、当技術分野では周知であり、記載されている。マトリックスデバイスは一般に、薬物をゆっくり溶解するポリマー担体と一緒に錠剤形態に圧縮することにより調製される。マトリックスデバイスの調製で使用される3つの主なタイプの材料は、不溶性プラスチック、親水性ポリマー、および脂肪化合物である。プラスチックマトリックスは、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、およびポリエチレンを含むがこれらに限定されない。親水性ポリマーは、メチルおよびエチルセルロースなどのセルロースポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのヒドロキシアルキルセルロース、およびCarbopol(登録商標)934、ポリエチレンオキシドならびにそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。脂肪化合物は、カルナウバ蝋およびトリステアリン酸グリセリルなどの種々のワックスならびに硬化ヒマシ油もしくは硬化植物油を含むワックス型物質、またはそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。
ある特定の好ましい形態では、プラスチック材は、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマーポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、ならびにメタクリル酸グリシジルコポリマーを含むがこれらに限定されない薬学的に許容されるアクリルポリマーである。
ある特定の好ましい形態では、アクリルポリマーは1種または複数種のメタクリル酸アンモニオコポリマーからなる。メタクリル酸アンモニオコポリマーは当技術分野では周知であり、低含有量の四級アンモニウム基を有するアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの完全重合化コポリマーとしてNF XVIIに記載されている。
好ましい一形態では、アクリルポリマーは、商標EUDRAGIT(登録商標)でRohm Pharmaから市販されているものなどのアクリル樹脂ラッカーである。さらなる好ましい形態では、アクリルポリマーは、それぞれ商標EUDRAGIT(登録商標)RL30DおよびEUDRAGIT(登録商標)RS30DでRohm Pharmaから市販されている2つのアクリル樹脂ラッカーの混合物を含む。EUDRAGIT(登録商標)RL30DおよびEUDRAGIT(登録商標)RS30Dは、低含有量の四級アンモニウム基を有するアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとのコポリマーであり、アンモニウム基と残りの中性アクリル(メタクリル)酸エステルとのモル比はEUDRAGIT(登録商標)RL30Dで1:20およびEUDRAGIT(登録商標)RS30Dで1:40である。平均分子量は約150,000である。EUDRAGIT(登録商標)S−100およびEUDRAGIT(登録商標)L−100も好ましい。コード表示RL(高透過性)およびRS(低透過性)とはこれらの剤の透過性特性のことを指す。EUDRAGIT(登録商標)RL/RS混合物は水中でおよび消化液中で不溶性である。しかし、同じものを含むように形成された多粒子系は水溶液中でおよび消化液中で膨潤性であり透過性である。
EUDRAGIT(登録商標)RL/RSなどの上記のポリマーは、最終的に望ましい溶解プロファイルを有する徐放製剤を得るために、任意の所望の比で一緒に混合してもよい。望ましい徐放多粒子系は、例えば、100%EUDRAGIT(登録商標)RL、50%EUDRAGIT(登録商標)RLと50%EUDRAGIT t(登録商標)RS、および10%EUDRAGIT(登録商標)RLと90%EUDRAGIT(登録商標)RSから得てもよい。当業者であれば、例えば、EUDRAGIT(登録商標)Lなどの他のアクリルポリマーも使用してもよいことを認識するであろう。
あるいは、持続放出製剤は浸透圧系を使用してまたは剤形に半透性コーティングを塗布することにより調製することが可能である。後者の場合、所望の薬物放出プロファイルは、低透過性コーティング材および高透過性コーティング材を適切な比率で組み合わせることにより達成可能である。
上記の異なる薬物放出機構を有するデバイスは、単一のまたは複数のユニットを含む最終剤形で組み合わせることが可能である。複数ユニットの例は、多層錠および錠剤、ビーズ、または顆粒を含有するカプセルを含むがこれらに限定されない。コーティングもしくは圧縮プロセスを使用して即時放出層を持続放出コアの上に塗布することによりまたは持続放出ビーズおよび即時放出ビーズを含有するカプセルなどの複数ユニット系で、即時放出部分を持続放出系に加えることが可能である。
親水性ポリマーを含有する持続放出錠剤は、直接圧縮、湿式造粒法、または乾式造粒法などの当技術分野で一般的に知られている技法により調製される。その製剤は通常、ポリマー、希釈剤、結合剤、および滑沢剤ならびに活性医薬成分を組み込む。通常の希釈剤は、デンプン、粉末状セルロース、特に結晶および微結晶セルロースなどの不活性粉末状物質、フルクトース、マンニトールおよびスクロースなどの糖、穀物粉および類似する食用粉を含む。典型的な希釈剤は、例えば、種々のタイプのデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウムまたは硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩および粉砂糖を含む。粉末状セルロース誘導体も有用である。典型的な錠剤結合剤は、デンプン、ゼラチンならびにラクトース、フルクトース、およびグルコースなどの糖などの物質を含む。アカシアを含む天然および合成ゴム、アルギネート、メチルセルロース、およびポリビニルピロリドンも使用可能である。ポリエチレングリコール、親水性ポリマー、エチルセルロースおよびワックスも結合剤として役立つことが可能である。滑沢剤は、錠剤およびパンチ(punch)が型(die)に固着するのを防ぐために錠剤製剤化では必要である。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ならびに硬化植物油などの滑りやすい固体から選択される。
ワックス材を含有する持続放出錠剤は一般に、直接ブレンド法、凝結法、および水分散法などの当技術分野で公知の方法を使用して調製される。凝結法では、薬物はワックス材と混合して、噴霧凝結するまたは凝結し、篩にかけ、加工する。
(2)遅延放出剤形
遅延放出製剤は固体剤形をポリマーフィルムで被覆することにより作製可能であり、このポリマーフィルムは胃の酸性環境では不溶性であり、小腸の中性環境では可溶性である。
遅延放出製剤は固体剤形をポリマーフィルムで被覆することにより作製可能であり、このポリマーフィルムは胃の酸性環境では不溶性であり、小腸の中性環境では可溶性である。
遅延放出投薬単位は、例えば、薬物または薬物含有組成物を選択されたコーティング材で被覆することにより調製可能である。薬物含有組成物は、例えば、カプセル内への組込み用の錠剤、「被覆コア」剤形での内部コアとして使用するための錠剤、または錠剤もしくはカプセル内への組込み用の複数の薬物含有ビーズ、粒子もしくは顆粒でもよい。好ましいコーティング材は、生体侵食性の、徐々に加水分解され、徐々に水に溶解し、および/または酵素的に分解可能なポリマーを含み、従来の「腸溶」ポリマーでもよい。腸溶ポリマーは、当業者により認識されるように、下部胃腸管のよりpHが高い環境では可溶性になるまたは剤形が胃腸管を通過するに従ってゆっくり侵食するが、酵素的に分解可能なポリマーは下部胃腸管に、特に、結腸に存在する細菌の酵素により分解される。遅延放出をもたらすのに適したコーティング材は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテートおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系ポリマー;好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸エチル、ならびにEUDRAGIT(登録商標)L30D−55およびL100−55(pH5.5およびそれを超えるpHで可溶性)、EUDRAGIT(登録商標)L−100(pH6.0およびそれを超えるpHで可溶性)、EUDRAGIT(登録商標)S(より高度なエステル化の結果として、pH7.0およびそれを超えるpHで可溶性)、ならびにEUDRAGITS(登録商標)NE、RLおよびRS(異なる程度の透過性および拡張性を有する水不溶性ポリマー)を含む商標Eudragit(登録商標)(Rohm Pharma;Westerstadt、Germany)で市販されている他のメタクリル樹脂から形成されるアクリル酸ポリマーおよびコポリマー;ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルアセテートフタレート、酢酸ビニルクロトン酸コポリマー、およびエチレン−酢酸ビニルコポリマーなどのビニルポリマーおよびコポリマー;アゾポリマー、ペクチン、キトサン、アミロースおよびグアーガムなどの酵素的に分解可能なポリマー;ゼインおよびシェラックを含むがこれらに限定されない。異なるコーティング材の組合せも使用してもよい。異なるポリマーを使用する多層コーティングも適用してもよい。
特定のコーティング材用の好ましいコーティング重量は、異なる量の種々のコーティング材を用いて調製される錠剤、ビーズおよび顆粒についての個々の放出プロファイルを評価することによって当業者により容易に決定し得る。所望の放出特徴を生み出すのは材料、方法および適用形態の組合せであり、この組合せは臨床研究のみから決定することが可能である。
コーティング組成物は、例えば、可塑剤、色素、着色剤、安定化剤、滑剤などの従来の添加剤を含んでいてもよい。可塑剤は通常、コーティングの脆弱性(fragility)を低減するために存在しており、一般にポリマーの乾燥重量に対して約10wt.%から50wt.%に相当する。典型的な可塑剤の例は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、ヒマシ油およびアセチル化モノグリセリドを含む。安定化剤は好ましくは、分散液中の粒子を安定化するのに使用される。典型的な安定化剤は、ソルビタンエステル、ポリソルベートおよびポリビニルピロリドンなどの非イオン性乳化剤である。滑剤はフィルム形成および乾燥中の粘着効果を低減するのに推奨され、一般に、コーティング溶液中のポリマー重量のおおよそ25wt.%から100wt.%に相当する。1つの効果的な滑剤はタルクである。ステアリン酸マグネシウムおよびグリセロールモノステアレートなどの他の滑剤も使用してもよい。二酸化チタンなどの色素も使用してもよい。シリコーン(例えば、シメチコン)などの少量の消泡剤もコーティング組成物に添加してもよい。
3.局所製剤
局所投与に適切な剤形は、クリーム、軟膏、膏薬、噴霧剤、ジェル、ローション、エマルジョン、および経皮パッチを含む。製剤は、経粘膜、経上皮、経内皮、または経皮投与用に製剤化してもよい。化合物は、鼻腔内送達、肺送達、または吸入用に製剤化することも可能である。組成物は、1種または複数種の化学浸透増強剤(chemical penetration enhancers)、膜透過剤、膜輸送剤、皮膚軟化剤、界面活性物質、安定化剤、緩衝剤、およびそれらの組合せをさらに含有してもよい。
局所投与に適切な剤形は、クリーム、軟膏、膏薬、噴霧剤、ジェル、ローション、エマルジョン、および経皮パッチを含む。製剤は、経粘膜、経上皮、経内皮、または経皮投与用に製剤化してもよい。化合物は、鼻腔内送達、肺送達、または吸入用に製剤化することも可能である。組成物は、1種または複数種の化学浸透増強剤(chemical penetration enhancers)、膜透過剤、膜輸送剤、皮膚軟化剤、界面活性物質、安定化剤、緩衝剤、およびそれらの組合せをさらに含有してもよい。
ある特定の形態では、1種または複数種の化合物の連続送達を、それを必要とする患者に提供するのが望ましいことがある。局所適用では、反復適用を行うことが可能であるまたはパッチを使用して長期間にわたって化合物の連続投与を提供することが可能である。
「緩衝剤」は組成物のpHを制御するのに使用される。緩衝剤は、組成物を約4のpHから約7.5のpH、より好ましくは、約4のpHから約7のpH、最も好ましくは、約5のpHから約7のpHに緩衝するのが好ましい。好ましい形態では、緩衝剤はトリエタノールアミンである。
「皮膚軟化剤」は皮膚を軟化させるまたは和らげる外用剤であり、当技術分野では一般に知られており、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」、第4版、Pharmaceutical Press、2003年などの概要に収載されている。これらは、アーモンド油、ヒマシ油、セラトニアエキス(ceratonia extract)、セトステアロイルアルコール、セチルアルコール、セチルエステルワックス、コレステロール、綿実油、シクロメチコン、パルミトステアリン酸エチレングリコール、グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラノリン、レシチン、軽鉱油(light mineral oil)、中鎖トリグリセリド、鉱油およびラノリンアルコール、ワセリン、ワセリンおよびラノリンアルコール、ダイズ油、デンプン、ステアリルアルコール、サンフラワー油、キシリトールならびにそれらの組合せを限定せずに含む。一部の形態では、皮膚軟化剤はステアリン酸エチルヘキシルおよびパルミチン酸エチルヘキシルである。
「乳化剤」は、1つの液体の別の液体中での懸濁を促進し、油と水の安定な混合物またはエマルジョンの形成を促進する表面活性物質である。一般的な乳化剤は、金属セッケン、ある特定の動物および植物油、ならびに種々の極性化合物である。適切な乳化剤は、アカシア、陰イオン乳化ワックス、ステアリン酸カルシウム、カルボマー、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、ジエタノールアミン、パルミトステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、含水ラノリン(lanolin, hydrous)、ラノリンアルコール、レシチン、中鎖トリグリセリド、メチルセルロース、鉱油およびラノリンアルコール、一塩基性リン酸ナトリウム(monobasic sodium phosphate)、モノエタノールアミン、非イオン性乳化ワックス、オレイン酸、ポロクサマー、ポロクサマー類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、アルギン酸プロピレングリコール、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、クエン酸ナトリウム無水物、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンエステル、ステアリン酸、サンフラワー油、トラガカント、トリエタノールアミン、キサンタンガムならびにそれらの組合せを含む。一部の形態では、乳化剤はステアリン酸グリセロールである。
「浸透増強剤」は当技術分野では公知であり、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪アルコールエーテル、アミノ酸、リン脂質、レシチン、コール酸塩、酵素、アミンおよびアミド、錯化剤(リポソーム、シクロデキストリン、変性セルロース、およびジイミド)、大環状ラクトン、ケトン、および無水物などの大環状物ならびに環状尿素、界面活性物質、N−メチルピロリドンおよびその誘導体、DMSOおよび関連化合物、イオン化合物、アゾンおよび関連化合物、ならびにアルコール、ケトン、アミド、ポリオール(例えば、グリコール)などの溶媒を含むがこれらに限定されない。これらのクラスの例は当技術分野では公知である。
「保存剤」は真菌および微生物の成長を妨げるのに使用可能である。適切な抗真菌剤および抗微生物剤は、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、およびチメロサールを含むがこれらに限定されない。
「界面活性物質」は、表面張力を下げそれによって生成物の乳化性、発泡性、分散性、延展性および湿潤性を増やす表面活性剤である。適切な非イオン性界面活性物質は、乳化ワックス、モノオレイン酸グリセリル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリソルベート、ソルビタンエステル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、シクロデキストリン、モノステアリン酸グリセリン、ポロクサマー、ポビドンおよびそれらの組合せを含む。一部の形態では、非イオン性界面活性物質はステアリルアルコールである。
(a)エマルジョン
エマルジョンは、1つの液体が第2の液体の大部分にわたり小球で分布している調製物である。特定の形態では、エマルジョンの非混和性構成成分は、親油性構成成分および水性構成成分を含む。分散液は、不連続相であり、分散媒は連続相である。油が分散液であり、水溶液が連続相である場合、それは水中油型エマルジョンとして知られ、水または水溶液が分散相であり、油または油性物質が連続相である場合、それは油中水型エマルジョンとして知られる。油相と水相のどちらかまたは両方は、1種または複数種の界面活性物質、乳化剤、乳化安定剤、緩衝剤、および他の賦形剤を含有してもよい。好ましい賦形剤は、界面活性物質、特に、非イオン性界面活性物質;乳化剤、特に乳化ワックス;および液体不揮発性非水性材料、特に、プロピレングリコールなどのグリコールを含む。油相は他の油性の薬学的に認可される賦形剤を含有してもよい。例えば、水酸化ヒマシ油またはゴマ油などの材料を界面活性物質または乳化剤として油相において使用してもよい。
エマルジョンは、1つの液体が第2の液体の大部分にわたり小球で分布している調製物である。特定の形態では、エマルジョンの非混和性構成成分は、親油性構成成分および水性構成成分を含む。分散液は、不連続相であり、分散媒は連続相である。油が分散液であり、水溶液が連続相である場合、それは水中油型エマルジョンとして知られ、水または水溶液が分散相であり、油または油性物質が連続相である場合、それは油中水型エマルジョンとして知られる。油相と水相のどちらかまたは両方は、1種または複数種の界面活性物質、乳化剤、乳化安定剤、緩衝剤、および他の賦形剤を含有してもよい。好ましい賦形剤は、界面活性物質、特に、非イオン性界面活性物質;乳化剤、特に乳化ワックス;および液体不揮発性非水性材料、特に、プロピレングリコールなどのグリコールを含む。油相は他の油性の薬学的に認可される賦形剤を含有してもよい。例えば、水酸化ヒマシ油またはゴマ油などの材料を界面活性物質または乳化剤として油相において使用してもよい。
油相は、HFA噴射剤などの噴射剤から少なくとも一部なってもよい。油相と水相のどちらかまたは両方は、1種または複数種の界面活性物質、乳化剤、乳化安定剤、緩衝剤、および他の賦形剤を含有してもよい。好ましい賦形剤は、界面活性物質、特に、非イオン性界面活性物質;乳化剤、特に、乳化ワックス;および液体不揮発性非水性材料、特に、プロピレングリコールなどのグリコールを含む。油相は他の油性の薬学的に承認される賦形剤を含有してもよい。例えば、水酸化ヒマシ油またはゴマ油などの材料を界面活性物質または乳化剤として油相中で使用してもよい。
エマルジョンのサブセットは自己乳化型系である。これらの薬物送達系は典型的には、界面活性物質(複数種可)および油または他の水非混和性液体などの親油性液体の混合物中に分散しているまたは溶解している薬物で構成されるカプセル(ハードシェルまたはソフトシェル)である。カプセルが水性環境に曝露され外側のゼラチンシェルが溶解すると、水性媒体とカプセル内容物の間の接触により即座に極めて小さな乳化液滴が生じる。これらは典型的には、ミセルまたはナノ粒子のサイズ範囲にある。典型的にはエマルジョン製剤プロセスの場合のように、エマルジョンを生成するのに混合力を必要としない。
(b)ローション
ローションは、懸濁化剤および分散剤の使用を通じて分散媒中で不溶性(in soluble)である微粉末物質を含有することが可能である。あるいは、ローションは、ビヒクルと非混和性であり通常は乳化剤または他の適切な安定化剤によって分散している分散相液体物質を有することが可能である。一部の形態では、ローションは、100〜1000センチストークスの間の粘度を有するエマルジョンの形態である。ローションの流動性は広い表面積にわたり迅速で均一な塗布を可能にする。ローションは典型的には、皮膚上で乾燥して皮膚表面にその医用構成成分の薄い被膜を残すよう意図されている。
ローションは、懸濁化剤および分散剤の使用を通じて分散媒中で不溶性(in soluble)である微粉末物質を含有することが可能である。あるいは、ローションは、ビヒクルと非混和性であり通常は乳化剤または他の適切な安定化剤によって分散している分散相液体物質を有することが可能である。一部の形態では、ローションは、100〜1000センチストークスの間の粘度を有するエマルジョンの形態である。ローションの流動性は広い表面積にわたり迅速で均一な塗布を可能にする。ローションは典型的には、皮膚上で乾燥して皮膚表面にその医用構成成分の薄い被膜を残すよう意図されている。
(c)クリーム
クリームは乳化剤および/または他の安定化剤を含有してよい。一部の形態では、製剤は1000センチストークスよりも大きな、典型的には、20,000〜50,000センチストークスの範囲の粘度を有するクリームの形態である。クリームは軟膏よりも好まれることが多い。なぜならば、クリームのほうが一般に広げやすく取り除きやすいからである。
クリームは乳化剤および/または他の安定化剤を含有してよい。一部の形態では、製剤は1000センチストークスよりも大きな、典型的には、20,000〜50,000センチストークスの範囲の粘度を有するクリームの形態である。クリームは軟膏よりも好まれることが多い。なぜならば、クリームのほうが一般に広げやすく取り除きやすいからである。
クリームとローションの違いは粘度であり、これは種々の油の量/使用および製剤を調製するのに使用される水の百分率に依存している。クリームは、典型的にはローションよりも濃厚で、種々の用途をもつことがあり、多くの場合、皮膚に対する所望の効果に応じて、より多様な油/バターを使用する。クリーム製剤では、水ベースの百分率は全体の約60〜75%であり、油ベースは約20〜30%であり、その他の百分率は乳化剤、保存剤および添加剤であり合計で100%である。
III.使用方法
好ましくは、本明細書で開示される被験体は、処置を受けている症状からの所望の軽減を得るのに有効な量の時間にわたって投薬製剤を受ける。例えば、剤形は、少なくとも1週間、好ましくは、少なくとも2週間、1日1回、より好ましくは、少なくとも2週間少なくとも(least)1日2回投与される。例えば、被験体は、1つまたは複数の症状を軽減するために、少なくとも2週間1日2回3mgの剤形を受けることが可能である。
好ましくは、本明細書で開示される被験体は、処置を受けている症状からの所望の軽減を得るのに有効な量の時間にわたって投薬製剤を受ける。例えば、剤形は、少なくとも1週間、好ましくは、少なくとも2週間、1日1回、より好ましくは、少なくとも2週間少なくとも(least)1日2回投与される。例えば、被験体は、1つまたは複数の症状を軽減するために、少なくとも2週間1日2回3mgの剤形を受けることが可能である。
一実施形態では、剤形は、月経周期に関連する状態/症状、例えば、疼痛および/または月経周期に関連するMS紅斑を処置するために、それを必要とする被験体に投与される。2002年に発表された研究では、42%のMS患者が月経前期に始まる増悪を有した。この群内では、月経前増悪の比率は月経周期の残りの期間よりも有意に高く、45%ではすべての増悪が月経前期中に開始していた。月経前症候群とは関係がなく、経口避妊薬の保護効果はなかった。Zorgdragerら、Eur Neurol.、2002年、48巻:204〜206頁。別の研究では、月経中調査された患者の42%で症状の悪化が示された(Avilaら、「Menstrual Cycle, menopause and pregnancy in patients with multiple sclerosis. How these affect the symptoms of disease?」)。開示された組成物を受けていない同じ被験体における同じ症状と比べた場合、MS患者で軽減することが可能な例示的な症状は、疼痛、宿便および/または低下した性欲を含む。
別の実施形態では、性欲低下障害、性欲の喪失、性欲の不足、性欲低下、性欲の抑制、性的衝動(libido)の喪失、性的衝動障害、および不感症(「合わせて、性欲障害」)を抱えた被験体においてまたは性欲の喪失も低下も示していない、すなわち、性欲障害はないが性欲を増進したいと望む健康な被験体において、性欲を増進するために剤形は被験体に投与される。この実施形態では、被験体は勃起機能障害を示していないのが好ましい。勃起機能障害(ED)は、満足のいく性的能力に十分な勃起を達成するまたは維持する能力がないことと国立衛生研究所により定義されている(Impotence. NIH Consens Statement.1992年;10巻(4号):1〜33頁)。性欲の低下は男女の間ではよく見られる問題である。苦痛を伴うと、これは性欲低下障害(HSDD)と呼ばれ、この障害は10人の女性のうちおおよそ1人が罹ると推定されている。性欲の低下の有病率は年齢と共に増加し、これは一部には正常な老化プロセスを反映しているが、性的機能に対する閉経の影響によっても引き起こされる。1994年に行われた国の調査では、女性の33パーセントおよび男性の17パーセントが性的無関心を報告した。別の調査では、18から59歳の女性の3分の1がその前年内に性欲の不足を感じたと報告し、これらの統計資料はうつとの関連内で増加している(Phillipsら、Am Fam Physician.2000年8月15日、62巻(4号):782〜786頁に概説されている)。性欲低下障害は、現在では、アメリカ精神医学会の精神障害の診断と統計マニュアル4(DSM−IV)により、著しい苦痛または対人関係の問題を引き起こす、性的行為に対する性的空想および欲望の持続的または反復的欠乏または欠如と定義されている。世界保健機関も性欲の低下を類似の基準で分類している(Maclaranら、Womens Health (Lond). 2011年9月;7巻(5号):571〜81頁に概説されている)。
別の実施形態では、剤形は、便通緩和(stool loosening)を必要とする被験体、例えば、便秘、好ましくは、慢性便秘に罹っている被験体に投与される。本明細書で使用される便秘とは、希な(典型的には1週間あたり3回またはそれよりも少ない)または通過困難である腸運動のことを指す。便秘は、不均一な、多症候的な(polysymptomatic)多因子疾患である。急性または一過性便秘は食事の変化、旅行または緊張に起因することがあり、二次便秘は、薬物処置、神経性もしくは代謝状態または、希であるが、結腸がんから生じることがある。ひどい便秘は、便秘症(obstipation)(便またはガスを通せない)および宿便(fecal impaction)を含み、これは腸閉塞まで進行して致死的になることがある。便秘は、閉塞した排便(obstructed defecation)または結腸での遅い輸送(または運動性低下)により引き起こされることがある。結腸での遅い輸送便秘の原因は、食事、甲状腺機能低下症などのホルモン障害、薬物の副作用、および、極めて希な場合に、重金属毒性を含む。原発性慢性便秘(primary chronic constipation)の診断は便秘の二次原因を排除した後に下され、いくつかの重複するサブタイプを包含する。遅い輸送便秘は、骨盤底機能障害の非存在下での長い結腸輸送を特徴とする。このサブタイプの便秘は、放射線不透過性マーカー試験または無線運動カプセル試験(wireless motility capsule test)を使用して特定することが可能であり、ポリエチレングリコールなどの緩下剤またはリナクロチドもしくはルビプロストンなどのもっと新しい薬剤を用いて処置するのが最善である。うまくいかない場合には、サブスペシャリスト照会(subspecialist referral)を検討するべきである。排便協調障害は直腸肛門および骨盤底筋の協調障害から生じ、排便困難を引き起こす。その状態は肛門直腸内圧測定およびバルーン排出検査を使用して特定することが可能であり、バイオフィードバック治療で管理するのが最善である。Roaら、Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 13巻(5号):295〜305頁(2016年)。副作用としての便秘に関連してきた薬物は、オピオイド、例えば、ブプレノルフィンおよびブプレノルフィン、利尿剤、抗鬱剤、抗ヒスタミン剤、鎮痙薬、抗痙攣薬、およびアルミニウム制酸剤、ならびにニフェジピンおよびベラパミルなどのカルシウムチャネル遮断剤を含むがこれらに限定されない。Websterら、Subst Abuse Rehabil. 2016年;7巻:81〜86頁。したがって、本明細書に開示される剤形とこれらの薬物を共投与すれば、例えば、便秘に関連する少なくとも1つの症状を軽減することが可能である。
さらに別の実施形態では、剤形は、慢性頸部痛(cevicalgia)に関連する疼痛からの開放を必要とする患者に投与される。
前述の明細書において本発明はそのある特定の実施形態との関係で記載され、多くの詳細が説明目的で述べられてきたが、本発明が追加の実施形態を受け入れる余地があること、および本明細書に記載される詳細のいくつかは本発明の基本原理から逸脱せずにかなり変更することが可能であることは当業者には明らかである。
本明細書で引用されるすべての参考文献は参照によりそれらの全体が組み込まれる。本発明は、その精神または本質的特質から逸脱せずに他の特定の形態で具体化してもよく、したがって、本発明の範囲を示すものとしては、前述の明細書というよりも添付されている特許請求の範囲を参照するべきである。
本明細書で引用されるすべての参考文献は参照によりそれらの全体が組み込まれる。本発明は、その精神または本質的特質から逸脱せずに他の特定の形態で具体化してもよく、したがって、本発明の範囲を示すものとしては、前述の明細書というよりも添付されている特許請求の範囲を参照するべきである。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
安定化身体保護化合物ペプチド(BPC)塩および糖アルコールを含み、該糖アルコールとの製剤ではない該BPC塩と比べた場合、該BPC塩の増強された安定性を有し、該BPC塩が低下した性欲および宿便からなる群から選択される1つまたは複数の症状を低減するのに効果的である、単位剤形組成物。
(項目2)
液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、カプセル剤または粉剤・散剤の形態の、項目1に記載の組成物。
(項目3)
錠剤の形態の、項目2に記載の組成物。
(項目4)
粉剤・散剤の形態であり、該粉剤・散剤が再構成可能な粉剤・散剤である、項目2に記載の組成物。
(項目5)
BPC塩:糖アルコールの比が2:1から1:2までの範囲である、項目1に記載の組成物。
(項目6)
BPC塩:糖アルコールの比が1:1である、項目5に記載の組成物。
(項目7)
前記糖アルコールが、前記単位剤形の40〜70重量%の範囲の濃度で存在しているマンニトールである、項目5に記載の組成物。
(項目8)
マンニトールが前記単位剤形の45〜55重量%の間の濃度で存在している、項目7に記載の組成物形態。
(項目9)
前記糖アルコールが、前記組成物の約70重量%の濃度で存在しているマンニトールである、項目5に記載の単位剤形。
(項目10)
低下した性欲、宿便、および必要に応じて疼痛からなる群から選択される1つまたは複数の症状を処置するための方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の安定化したBPC塩を含む単位剤形組成物を投与することを含む方法。
(項目11)
前記組成物が経口的に投与される、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記BPC塩が、GEPPPGKPADDAGLV(配列番号1)のナトリウム塩である、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記組成物が錠剤であり、前記単位剤形の45〜55重量%の間の濃度でマンニトールを含む、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記組成物が錠剤であり、前記単位剤形の約70重量%の濃度でマンニトールを含む、項目11に記載の方法。
(項目15)
前記組成物が少なくとも1週間、1日1回投与される、項目13に記載の方法。
(項目16)
前記組成物が少なくとも2週間、被験体(subjection)に投与される、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記被験体(subjected)が1、3、6または9mgの前記BPC塩を投与される、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記被験体が、頸部痛、便秘、多発性硬化症(MS)、月経痙攣、性欲低下障害、性欲の喪失、性欲の不足、性欲低下、性欲の抑制、性的衝動の喪失、性的衝動障害、不感症からなる群から選択される状態を有する、項目10に記載の方法。
(項目19)
前記被験体のMS症状が月経前期間に/月経期間中に増悪する、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記被験体が性欲障害を有しない、項目19に記載の方法。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
安定化身体保護化合物ペプチド(BPC)塩および糖アルコールを含み、該糖アルコールとの製剤ではない該BPC塩と比べた場合、該BPC塩の増強された安定性を有し、該BPC塩が低下した性欲および宿便からなる群から選択される1つまたは複数の症状を低減するのに効果的である、単位剤形組成物。
(項目2)
液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、カプセル剤または粉剤・散剤の形態の、項目1に記載の組成物。
(項目3)
錠剤の形態の、項目2に記載の組成物。
(項目4)
粉剤・散剤の形態であり、該粉剤・散剤が再構成可能な粉剤・散剤である、項目2に記載の組成物。
(項目5)
BPC塩:糖アルコールの比が2:1から1:2までの範囲である、項目1に記載の組成物。
(項目6)
BPC塩:糖アルコールの比が1:1である、項目5に記載の組成物。
(項目7)
前記糖アルコールが、前記単位剤形の40〜70重量%の範囲の濃度で存在しているマンニトールである、項目5に記載の組成物。
(項目8)
マンニトールが前記単位剤形の45〜55重量%の間の濃度で存在している、項目7に記載の組成物形態。
(項目9)
前記糖アルコールが、前記組成物の約70重量%の濃度で存在しているマンニトールである、項目5に記載の単位剤形。
(項目10)
低下した性欲、宿便、および必要に応じて疼痛からなる群から選択される1つまたは複数の症状を処置するための方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の安定化したBPC塩を含む単位剤形組成物を投与することを含む方法。
(項目11)
前記組成物が経口的に投与される、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記BPC塩が、GEPPPGKPADDAGLV(配列番号1)のナトリウム塩である、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記組成物が錠剤であり、前記単位剤形の45〜55重量%の間の濃度でマンニトールを含む、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記組成物が錠剤であり、前記単位剤形の約70重量%の濃度でマンニトールを含む、項目11に記載の方法。
(項目15)
前記組成物が少なくとも1週間、1日1回投与される、項目13に記載の方法。
(項目16)
前記組成物が少なくとも2週間、被験体(subjection)に投与される、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記被験体(subjected)が1、3、6または9mgの前記BPC塩を投与される、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記被験体が、頸部痛、便秘、多発性硬化症(MS)、月経痙攣、性欲低下障害、性欲の喪失、性欲の不足、性欲低下、性欲の抑制、性的衝動の喪失、性的衝動障害、不感症からなる群から選択される状態を有する、項目10に記載の方法。
(項目19)
前記被験体のMS症状が月経前期間に/月経期間中に増悪する、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記被験体が性欲障害を有しない、項目19に記載の方法。
Claims (20)
- 安定化身体保護化合物ペプチド(BPC)塩および糖アルコールを含み、該糖アルコールとの製剤ではない該BPC塩と比べた場合、該BPC塩の増強された安定性を有し、該BPC塩が低下した性欲および宿便からなる群から選択される1つまたは複数の症状を低減するのに効果的である、単位剤形組成物。
- 液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、カプセル剤または粉剤・散剤の形態の、請求項1に記載の組成物。
- 錠剤の形態の、請求項2に記載の組成物。
- 粉剤・散剤の形態であり、該粉剤・散剤が再構成可能な粉剤・散剤である、請求項2に記載の組成物。
- BPC塩:糖アルコールの比が2:1から1:2までの範囲である、請求項1に記載の組成物。
- BPC塩:糖アルコールの比が1:1である、請求項5に記載の組成物。
- 前記糖アルコールが、前記単位剤形の40〜70重量%の範囲の濃度で存在しているマンニトールである、請求項5に記載の組成物。
- マンニトールが前記単位剤形の45〜55重量%の間の濃度で存在している、請求項7に記載の組成物形態。
- 前記糖アルコールが、前記組成物の約70重量%の濃度で存在しているマンニトールである、請求項5に記載の単位剤形。
- 低下した性欲、宿便、および必要に応じて疼痛からなる群から選択される1つまたは複数の症状を処置するための方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の安定化したBPC塩を含む単位剤形組成物を投与することを含む方法。
- 前記組成物が経口的に投与される、請求項10に記載の方法。
- 前記BPC塩が、GEPPPGKPADDAGLV(配列番号1)のナトリウム塩である、請求項10に記載の方法。
- 前記組成物が錠剤であり、前記単位剤形の45〜55重量%の間の濃度でマンニトールを含む、請求項11に記載の方法。
- 前記組成物が錠剤であり、前記単位剤形の約70重量%の濃度でマンニトールを含む、請求項11に記載の方法。
- 前記組成物が少なくとも1週間、1日1回投与される、請求項13に記載の方法。
- 前記組成物が少なくとも2週間、被験体(subjection)に投与される、請求項15に記載の方法。
- 前記被験体(subjected)が1、3、6または9mgの前記BPC塩を投与される、請求項16に記載の方法。
- 前記被験体が、頸部痛、便秘、多発性硬化症(MS)、月経痙攣、性欲低下障害、性欲の喪失、性欲の不足、性欲低下、性欲の抑制、性的衝動の喪失、性的衝動障害、不感症からなる群から選択される状態を有する、請求項10に記載の方法。
- 前記被験体のMS症状が月経前期間に/月経期間中に増悪する、請求項18に記載の方法。
- 前記被験体が性欲障害を有しない、請求項19に記載の方法。
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