本発明は、自身の少なくとも1つの電子的又は機械的な機能を制御する回転型制御ステムを有する計時器のような小型の携行可能な物に関する。より詳細には、本発明は、このような携行可能な物であって、回転型制御ステムの作動が2つの誘導性センサーによって磁気誘導を測定することによって検出されるものに関する。
本発明は、腕時計のような小型の携行可能な物に関し、これは、回転型制御ステムを有し、この回転型制御ステムを作動させることによって、この回転型制御ステムが配置される携行可能な物の機械的又は電子的機能が制御される。
関連する機械的又は電子的機能を適切に実行するために、回転型制御ステムの作動を検出することができなければならない。様々な手法のうち、制御ステムと一体的な磁石の回転によって作られる磁気誘導の変化を測定するものがある。このような磁気誘導の変化を検出するために、位置している環境の磁気誘導の値を測定することができるホール効果センサーのような磁気センサーを用いることができる。
磁気誘導を測定することによって制御ステムの回転を検出する分野においては、制御ステムがどれくらいの量、そして、どの方向に回転したかを正確に知ることがしばしば課題となる。この課題を克服するために、マグネトレジスターやホール効果センサーのような1対の磁気センサーを有するシステムが既に提案されている。これらの既知のシステムにおいて、磁気センサーは、空間における2つの直交する方向における制御ステムと一体化された磁石の回転によって発生する磁気誘導の変化を検出する。
このようなシステムにおいては、磁気センサーが2つの直交する方向における磁気誘導の変化を測定するので、これらの磁気センサーによって作られる測定信号から、携行可能な物の外側の磁気擾乱に起因する影響を、このような磁気擾乱が2つの磁気センサーのうちの一方のみの測定軸に沿った方向を向いている場合に、減らすことができないということに基づく課題がある。実際に、この場合において、他方の磁気センサーは外部磁気擾乱を検知せず、このために2つの測定信号に対するこの磁気擾乱の影響は対称的ではなく、したがって、なくすことができない。したがって、携行可能な物に電磁遮蔽を設けることが必要となり、このことは、非常に厄介であり、コストがかかる。他の手法も知られているが、地球磁場の測定のために特に意図されているものである。このような用途においては、高感度である一又は複数の磁気センサーを用いる。なぜなら、測定される地球磁場が非常に弱く、典型的には、20〜60μTのオーダーであるからである。しかし、これらの磁気センサーは、通常、5mTを超える磁気誘導を測定することができず、これに対して、小型の磁石の値はしばしば100mTに達する。
本発明は、自身の少なくとも1つの機械的又は電子的機能を制御する回転型ステムを有する携行可能な物であって、この回転型ステムの作動が誘導性センサーによって信頼性が高く再現可能に検出されるものを提供することによって、前記課題などを解決することを目的とする。
このために、本発明は、制御ステムと磁化リングを有する携行可能な物に関し、前記制御ステムを回転させて作動させることによって、当該携行可能な物の少なくとも1つの電子的又は機械的な機能を制御することができ、前記磁化リングは、前記制御ステムによって回転駆動され、前記制御ステムの回転と位置が、空間における互いに平行な2つの方向のみにおける前記磁化リングの回転によって発生する磁気誘導の変化を検知するように構成している2つの誘導性センサーによって検出される。
従属請求項の主題を形成する本発明の他の特徴によると、
− 前記2つの誘導性センサーは、前記磁化リングの回転中心から等しい距離にて、前記磁化リングの前記回転中心を通り抜ける平面に対して対称的に配置されている。
− 前記2つの誘導性センサーは、鉛直方向のみにおける磁気誘導の変化を検知する。
− 前記2つの誘導性センサーは、前記制御ステムが作動することによって前記磁化リングが回転するときに前記2つの誘導性センサーが60〜120°の値の分、互いに対して位相ずれしている信号を生成するように、前記制御ステムに対して構成している。
− 当該携行可能な物は、前記制御ステムのための受け台としてはたらくように構成しているフレームを有し、前記誘導性センサーは、前記フレーム内に配置された少なくとも1つのハウジング内に配置されており、かつ、前記フレーム内にて弾性手段によって保持される。
− 前記2つの誘導性センサーは、前記フレーム内において構成している2つの別個のハウジング内に配置される。
− 当該携行可能な物は、少なくとも1つの弾性フィンガーを備える保持プレートを有し、前記弾性フィンガーは、前記誘導性センサーが中に配置された少なくとも1つのハウジング内に、前記誘導性センサーを、前記誘導性センサーに対する圧力によって保持する。
− 前記保持プレートには、2つの弾性フィンガーがあり、前記誘導性センサーは、プリント回路シートに固定され、このプリント回路シートに対して前記誘導性センサーが固定されている箇所にて前記弾性フィンガーが押す。
− 前記プリント回路シートはフレキシブルであり、前記プリント回路シートは、曲げられて前記フレームに接触し、前記誘導性センサーは、前記ハウジング内に配置される。
− 前記弾性フィンガーは、前記誘導性センサーを鉛直方向にて不動化する。
− 前記弾性フィンガーは、前記誘導性センサーが中に配置される前記ハウジングの底部に前記誘導性センサーを押しつけるように構成している。
「誘導性センサー」とは、レンツの法則とファラデーの法則によって定められる誘導の現象によって自身を通る磁場を電圧に変換するセンサーを意味している。例えば、誘導性センサーは、ホール効果センサー、又はAMR(異方性磁気抵抗)、GMR(巨大磁気抵抗)又はTMR(トンネル磁気抵抗)のタイプの磁気抵抗を利用する部品であることができる。
これらの特徴の結果、本発明は、制御ステムによって駆動される磁石の回転によって発生する磁気誘導の変化を2つの誘導性センサーによって測定することによって、携行可能な物の少なくとも1つの機械的又は電子的機能を制御する制御ステムの回転を検出することができるような携行可能な物を提供する。これらの2つの誘導性センサーは、空間における一方向のみにおける磁気誘導の変化を検知するように構成している。携行可能な物が位置する環境によって作られる磁気誘導が磁化リングによって発生する磁気誘導に付加されることは明らかである。本発明は、1対の誘導性センサーが一方向のみにおける磁気誘導を検知することに基づいて、適切な信号処理によって、携行可能な物が位置する環境の磁気誘導の影響を測定結果から完全に除去することを可能にする。実際に、このような測定の結果、携行可能な物が位置する環境によって発生する磁気擾乱が2つの誘導性センサーのうちの一方のみの測定軸に沿うような向きを有するような状況が発生することはない。したがって、2つの誘導性センサーのうちの一方が外部磁気擾乱を検知しない状況はなくなり、これによって、測定信号に対する外部磁気擾乱の影響は、両方の誘導性センサーに対して同じであり、したがって、なくすことができる。したがって、携行可能な物を磁気的に遮蔽して携行可能な物の外側の磁気誘導の影響を避けることは必要ではなくなり、このことによって、空間を節約することができる。このことは、利用可能な空間が必然的に非常に制限されるような小型の携行可能な物の場合において非常に有利である。また、遮蔽をしなくてもいいことによって、携行可能な物の製造を単純化し、したがって、確実に信頼性を向上させてコストを低くすることができる。
本発明は、さらに、制御ステムの位置を検出する方法に関し、前記制御ステムが回転して作動することによって、前記制御ステムを備える携行可能な物の電子的又は機械的な機能を制御し、前記制御ステムによって磁化リングが回転駆動され、前記制御ステムの回転と位置が、空間における1つの方向のみにおける前記磁化リングの回転によって発生する磁気誘導の変化を検知するように構成している2つの誘導性センサーによって検出され、当該方法は、前記誘導性センサーのそれぞれによって作られる信号の間の比のアークタンジェント関数を計算して、前記制御ステムの回転方向と位置を判断するステップを有する。
このような特徴の結果、制御ステムの回転の向きにかかわらず、制御ステムの絶対位置を判断することができる。すなわち、いつでもステムの角位置を知ることができる。したがって、制御ステムの位置検出測定の分解能は高く、大規模製造の場合にも、1つの物の製造から別の物の製造へと移行しても再現可能である。
添付図面を参照しながら本発明に係る携行可能な物の例示的な実施形態についての下記の詳細な説明を読むことで、本発明の他の特徴や利点についても明確に理解することができるであろう。このような例は、純粋に非限定的な説明用である。
小型の携行可能な物の少なくとも1つの電子的機能を制御するデバイスについての組み立てられていない状態の斜視図である。
下側フレームを上方から見た斜視図である。
制御ステムの斜視図であり、この図における右側から左側に、この制御ステムの後ろ側端から前側端が延在している。
スムースなベアリング及び支持リングと磁化リングによって形成された磁性アセンブリーについての組み立てられていない状態の斜視図である。
制御デバイスの鉛直面に沿った長手方向の断面図であり、この制御デバイス内に、スムースなベアリング及び支持リングと磁化リングによって形成された磁性アセンブリーが配置されている。
上側フレームについての下方から見た斜視図である。
図7Aは、制御ステムの位置をインデクシングするプレートについての上方から見た斜視図である。図7Bは、図7Aの円領域の詳細図である。
制御ステムの位置をインデクシングするプレートと連係するように構成しているポジショニングばねについての斜視図である。
制御ステムの位置インデクシングプレートの変位を制限するばねについての上方から見た斜視図である。
分解プレートの斜視図である。
位置インデクシングプレートから制御ステムを解放するために尖った道具が挿入される穴を示している制御デバイスの一部についての長手方向の断面図である。
図12Aは、位置インデクシングプレートとポジショニングばねと連係しており安定位置T1にある制御ステムを示している斜視図である。図12Bは、制御ステムが不安定な押し込まれ位置T0にある図12Aと同様な図である。図12Cは、制御ステムが安定な引き出し位置T2にある図12Aと同様な図である。
接触ばねT0及びT2の斜視図である。
図14A及び14Bは、制御ステムの位置インデクシングプレートのフィンガーと接触ばねT2の間の連係を示している概略図である。
接触ばねT0及びT2の接触パッドが配置されているフレキシブルなプリント回路シートの部分的な斜視図である。
誘導性センサーが固定されているフレキシブルなプリント回路シートの自由部分についての斜視図である。
図17Aは、制御デバイスの斜視図であり、この制御デバイスの裏面上にフレキシブルなプリントシートの自由部分が曲げられる。図17Bは、制御デバイスの斜視図であり、この制御デバイスの裏面上に、フレキシブルなプリント回路シートの自由部分が曲げられ、この自由部分がこの制御デバイスにねじによって固定された保持プレートによって保持される。
2つの誘導性センサーによって磁化リングの位置を検出するシステムについての立面図である。
単一の誘導性センサーによって磁化リングの回転を検出するシステムについての立面図である。
携行可能な物に設けられた制御デバイスについての斜視図である。
制御ステムが携行可能な物から取り除かれている図20と同様な図である。
誘導性センサーの検知要素と、この検知要素が磁気誘導の変動を検知する方向についての概略斜視図である。
本発明は、概して、信頼性が高く、特に、大量生産の場合に1つの携行可能な物から別の携行可能な物へと移行しても再現可能な手法で、計時器のような小型の携行可能な物にマウントされた制御ステムの回転を検出することを伴う創造性のある考えから進展したものである。この課題を克服するために、制御ステムを介して磁化リングを回転駆動し、1対の誘導性センサーによってこの磁化リングの回転によって発生する磁気誘導の変化を検出することを提案する。これらの2つの誘導性センサーは、空間における一方向のみにおける磁気誘導の変動を検知するように構成している。したがって、両方の誘導性センサーの測定信号に対する携行可能な物の外側の磁気誘導の影響は同じであり、これによって、適切な信号処理プロセスを介して、測定結果から携行可能な物が位置する環境の磁気誘導の影響を完全になくすことができる。
本発明は、さらに、空間における一方向のみにおける磁気誘導の変動を検知するように構成している2つの誘導性センサーによって作られる信号の間の比のアークタンジェント関数を計算することを伴うような回転型制御ステムの位置及び回転の向きを検出する方法に関する。携行可能な物が位置する環境の磁気誘導が空間における一方向のみにて2つの誘導性センサーの検知要素に影響を及ぼすために、これらの2つの誘導性センサーによって作られる信号の間の比のアークタンジェント関数を計算することによって、携行可能な物の外側の磁気誘導の影響に起因する信号成分をなくすことができる。
この後のすべてにおいて、後ろ側から前側への方向とは、制御ステムの長手方向の対称軸X−Xに沿って外側の作動用リュウズから制御デバイスを備える携行可能な物の内側の方へと水平方向に延在している直線状の方向である。したがって、制御ステムは、後ろ側から前側へと押され、前側から後ろ側へと引かれる。また、鉛直方向は、制御ステムが延在している平面に対して垂直に延在している。
図1は、腕時計のような小型の携行可能な物の少なくとも1つの電子的機能を制御するデバイスについての組み立てられていない状態の斜視図である。この制御デバイスには、全体に対して参照符号1を割り当てており、この制御デバイスは、例えば、射出成形されたプラスチック材料や黄銅のような非磁性の金属性材料で作られた、下側フレーム2を有しており、そして、長手方向の対称軸X−Xがある、好ましくは、細長い形の実質的に円筒状の形である、制御ステム4の受け台としてはたらく。この制御ステム4は、その長手方向の対称軸X−Xに沿って前側から後ろ側へ、そして、後ろ側から前側へと摺動すること、及び/又は前記と同じ長手方向の対称軸X−Xのまわりを時計回りと反時計回りの方向に回転すること、を行うように構成している。
後ろ側端6は、携行可能な物に制御デバイス1を装着した後にこの携行可能な物の外側に位置することとなり、この後ろ側端6において、制御ステム4が作動用リュウズ8を受けることとなる(図20を参照)。
前側端10は、制御デバイス1が組み立てられた後にはその制御デバイス1の内側に位置することとなり、この前側端10においては、制御ステム4には、例えば、正方形区画12があり、磁性アセンブリー14とスムースなベアリング16を順次的に受ける。
磁性アセンブリー14は、磁化リング18と支持リング20を有し、典型的には接着結合によって、支持リング20に磁化リング18が固定される(図4を参照)。支持リング20は、全体として見ると概して円筒状の部品である。図5に示しているように、支持リング20には、後ろ側から前側へと、第1の区画22aと第2の区画22bがあり、第1の区画22aは、第1の外径D1を有しており、この第1の区画22a上に磁化リング18が係合しており、第2の区画22bは、第1の外径D1よりも大きい第2の外径D2を有し、肩部24の境界を形成しており、この肩部24に対して磁化リング18が動いて当接する。支持リング20の第1の区画22aには、正方形の穴26が形成されており、この正方形の穴26は、制御ステム4の正方形区画12に形と大きさが適応しており、制御ステム4とともに摺動ピニオン型システムを形成している。すなわち、制御ステム4が軸方向に摺動するように作られている場合、支持リング20と磁化リング28は不動のままである。しかし、制御ステム4が回転するときに、制御ステム4は駆動リング20と磁化リング18を回転駆動する。前記から、支持リング20によって担持される磁化リング18が、制御ステム4に接触していないことは明らかである。このことによって、制御デバイス1を備える携行可能な物が衝撃を受けたときに磁化リング18を保護することが可能になる。
スムースなベアリング16は、円筒状のハウジング28を形成しており、このハウジング28の第1の内径D3は、制御ステム4の正方形区画12が内接する円の直径よりもごくわずかだけ大きく(図5を参照)、これによって、制御ステム4が、この円筒状のハウジング28内にて、軸方向に摺動すること及び/又は回転することを行うことが可能になる。このように、スムースなベアリング16は、制御ステム4の完全な軸方向のガイドを確実にする。
なお、支持リング20の第1の区画22aに形成された正方形の穴26が、環状の穴30によって制御デバイス1の前側の方へと延在しており、この環状の穴30の第2の内径D4が、スムースなベアリング16の第3の外径D5に嵌められることには留意すべきである。このように、支持リング20は、スムースなベアリング16に対して自由回転するように嵌められており、スムースなベアリング16に当接するように軸方向に動く。このことによって、これらの2つの部品の完全な軸方向の整列が確実になり、摺動ピニオンタイプの連結によって発生することがあるいずれの同心性の問題をも修正することができる。
スムースなベアリング16には、その軸方向の不動化のために、その外側表面上に環状のカラー32があり、この環状のカラー32は、それぞれ下側フレーム2(図2を参照)と上側フレーム36(図6を参照)にある第1の溝34aと第2の溝34b内に入り込んでおり、下側フレーム2によって覆われるように構成しており、例えば、射出成形されたプラスチック材料や黄銅のような非磁性材料で作られている。これら2つの下側フレーム2と上側フレーム36については下にて詳細に説明する。
上述の磁性アセンブリー14とスムースなベアリング16が説明のみのために示されているものであることに留意することは重要である。実際に、例えば、鋼又は黄銅で作られた、スムースなベアリング16は、鋼などで作られた制御ステム4が下側フレーム2及び上側フレーム36をこすることを防ぎ、また、これら2つの下側フレーム2及び上側フレーム36の材料として典型的に用いられるプラスチック材料の磨耗を発生させることを防ぐように構成している。しかし、簡素化された実施形態において、このようなスムースなベアリング16を使用せずに、制御ステム4が下側フレーム2によって直接担持されるようにすることを考えることができる。
同様に、磁化リング18、及び磁化リング18が固定されている支持リング20は、制御ステム4の回転が、磁化リング18の回転によって誘導された磁場における局所変動によって検出される場合のために意図されている。しかし、磁性アセンブリー14全体を、例えば、摺動ピニオンに置き換えることを考えることができる。摺動ピニオンは、その位置に応じて、例えば、メインばねの巻きか、制御デバイス1を備える腕時計の時刻設定かを制御する。
また、長さの一部に正方形区画があるこの制御ステム4の例が説明のみのために与えられていることに留意することは重要である。実際に、磁性アセンブリー14を回転駆動するために、制御ステム4には、円形の断面以外の任意のタイプ、例えば、三角形又は楕円形、の断面の区画があることができる。
下側フレーム2と上側フレーム36の組み合わさったアセンブリーは、制御デバイス1の外側の幾何学的形状を形成しており、これらの下側フレーム2と上側フレーム36は、例えば、全体として見ると概して平行六面体に対応する形である。下側フレーム2は、制御ステム4を受ける受け台を形成している。このために(図2を参照)、下側フレーム2には、前側に、部分円状の輪郭を有する第1の受け面38があり、この第1の受け面38は、スムースなベアリング16の台座としてはたらき、この第1の受け面38には、環状のカラー32を受ける第1の溝34aが形成されている。このようにして、スムースなベアリング1の軸方向と回転方向の両方の不動化が確実になる。
下側フレーム2には、さらに、後ろ側に、第2の受け面40があり、その部分円状の輪郭は、制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xを中心としているが、その直径は制御ステム4の直径よりも大きい。組み立てられた制御デバイス1が携行可能な物に搭載される前に検査される段階において制御ステム4が第2の受け面40のみに載ることを理解することは重要である。この組み立て段階において、制御ステム4が検査のために制御デバイス1に挿入され、水平方向に延在するようになり、制御ステム4の前側端10においてスムースなベアリング16によって、そして、制御ステム4の後ろ側端6において第2の受け面を介して、支持され、軸方向にガイドされる。しかし、制御デバイス1が携行可能な物に搭載された後には、制御ステム4は、携行可能な物のケースミドル部48に設けられた穴42を通り抜け、この穴42内にてガイドされ支持される(図21を参照)。
また、下側フレーム2には、部分円状の輪郭を有する第3及び第4のクリアランス面44a及び46aがあり、上側フレーム36には、相補的なクリアランス面44b及び46b(図6を参照)があり、磁化リング18とその支持リング20で形成されている磁性アセンブリー14を受ける。なお、制御デバイス1が携行可能な物にて組み立てられマウントされているときには、磁化リング18とその支持リング20は、第3及び第4のクリアランス面44a及び第4のクリアランス面46a及び相補的なクリアランス面44b及び46bと接触していない。また、第3のクリアランス面44aとその対応する相補的なクリアランス面44bは、磁性アセンブリー14を軸方向にロックする環状のカラー50によって境界が形成されることにも留意すべきである。
図3に示しているように、制御ステム4には、正方形区画12の後ろ側に円筒状区画52がある。この円筒状区画52の直径は、制御ステム4の正方形区画12が内接している円の直径と前記制御ステム4の後ろ側区画54の原直径の間であり、この制御ステム4の端には作動用リュウズ8が固定される。この小径の円筒状区画52は、凹み56を形成しており、この凹み56内には、制御ステム4のための位置インデクシングプレート58が配置される。このために、位置インデクシングプレート58には、小径の円筒状区画52の輪郭に対応する形を有する曲がった部分60がある。位置インデクシングプレート58は、例えば、薄い導電性の金属板に対してスタンピングをすることによって得ることができる。しかし、例えば、導電性微粒子を含有する硬いプラスチック材料を成型することによって、位置インデクシングプレート58を作ることも考えることができる。凹み56に位置インデクシングプレート58が係合することによって、前側から後ろ側及び後ろ側から前側へと並進運動するような制御ステム4と位置インデクシングプレート58の間の連結が確実になる。しかし、下において明確になるように、位置インデクシングプレート58は、制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xに垂直な鉛直方向zにおいては、制御ステム4に対して自由である。
図7Aに示しているように、位置インデクシングプレート58は実質的に平坦であり、全体として見ると概してU字型の部品である。この位置インデクシングプレート58は、互いに平行に延在しており曲がった部分60によって互いに接続している2つの実質的に直線状のガイドアーム62を有する。これらの2つのガイドアーム62は、例えば、下側フレーム2に配置された2つのスタッド64に対向しつつ軸方向にガイドされる(特に図2を参照)。位置インデクシングプレート58は、その2つのガイドアーム62によってガイドされて、上側フレーム36にあるリム68に沿って摺動し、このリム68の周部は、位置インデクシングプレート58の周部に対応している(図6を参照)。位置インデクシングプレート58は、さらに、2つのガイドアーム62全体の両側にて鉛直方向下方に延在している2つのフィンガー66a、66bを有する。位置インデクシングプレート58は、リム68に沿って摺動する際に、前側から後ろ側へ及び後ろ側から前側へと並進運動するような制御ステム4のガイドを確実にする機能を有する。フィンガー66a、66bは、特に、位置インデクシングプレート58が並進運動するときに位置インデクシングプレート58が支えられることを防ぐように意図されている。
位置インデクシングプレート58のガイドアーム62に、おおまかに長方形の輪郭を有している2つの開口70が形成されている(特に図7Bを参照)。これらの2つの開口70は、制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xの両側にて対称的に延在している。2つの開口70の側面のうちの制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xに最も近い側の側面には、ピーク76によって分離された第1及び第2の凹部74a、74bを形成している実質的にシヌソイド状のカム路72がある。
ガイドアーム62に形成されている2つの開口70は、ポジショニングばね80の2つの端78を受けるように意図されている(図8を参照)。このポジショニングばね80は、全体として見ると概してU字状であり、水平面内にて延在しており基部84によって互いに接続される2つのアーバー82がある。これらの2つのアーバー82は、それらの自由端側において、上方に立ち上がっている2つの実質的に直線状のアーム86によって延びている。ポジショニングばね80は、アーム86の端78が位置インデクシングプレート58の開口70内へと入り込むように、下側フレーム2の底部を通して制御デバイス1にマウントされるように意図されている。下を読むことで、位置インデクシングプレート58とポジショニングばね80の間の連係によって、制御ステム4の位置を不安定な押し込まれ位置T0と2つの安定位置T1及びT2の間にてインデクシングすることが可能になることがわかるであろう。
位置インデクシングプレート58は、並進運動するように制御ステム4と連結しているが、鉛直方向zにて制御ステム4に対して自由であることを上で言及した。したがって、重力の影響下などの通常の使用状態において、位置インデクシングプレート58が制御ステム4との係合を解除することを防ぐ方策が必要である。このために(図9及び11を参照)、鉛直方向zにおける位置インデクシングプレート58の変位を制限するばね88が、この位置インデクシングプレート58の上におけるこの位置インデクシングプレート58から短い距離しか離れていない位置に配置される。変位制限ばね88は、制御デバイス1の下側フレーム2と上側フレーム36の間で逃げることができないようにされているが、通常の使用状態にて位置インデクシングプレート58に接触しない。このことによって、制御ステム4上にて寄生摩擦力が発生することを防ぐことができる。このような寄生摩擦力が制御ステム4上にて発生すると、制御ステム4を操作することが難しくなり磨耗の問題が発生する。ただし、変位制限ばね88は、位置インデクシングプレート58が制御ステム4から不用意に分離してしまうことを防ぐように十分に位置インデクシングプレート58の近くにされる。
変位制限ばね88には、実質的に直線状の中心部90があり、この中心部90の端から2対の弾性アーム92及び94が延在している。これらの弾性アーム92及び94は、変位制限ばね88の中心部90の両側にて、この中心部90が延在している水平面から上方へと離れるように延在している。これらの弾性アーム92及び94は、上側フレーム36が下側フレーム2に接合するときに圧縮するために、変位制限ばね88に対して鉛直方向zに沿った弾性を与える。また、この弾性アーム92及び94の対の間には、少なくとも1対、好ましくは、2対の堅い突起96があり、この突起96は、変位制限ばね88の中心部90の両側にて鉛直方向下方に延びている。これらの堅い突起96は、上側フレーム36が下側フレーム2上に配置されているときに下側フレーム2上にて当接するように動き、この突起96は、制御デバイス1の通常の動作状態において位置インデクシングプレート58と変位制限ばね88の間に最小限の空間が形成されることを確実にする。
変位制限ばね88によって、制御デバイス1を分解することができることが確実になる。実際に、変位制限ばね88がないと、位置インデクシングプレート58は制御ステム4と一体化されることとなって、したがって、もはや制御ステム4を分解することができなくなる。制御ステム4を分解することができなければ、制御デバイス1を備える計時器のムーブメントも分解することができない。このことは、特に、高価な計時器の場合に、受け入れがたい。したがって、下側及び上側フレーム2及び36を連結することによって形成された制御デバイス1が携行可能な物内にてマウントされ、制御ステム4が携行可能な物の外側から制御デバイス1内に挿入されると、制御ステム4は、変位制限ばね88の弾性力に対抗するように位置インデクシングプレート58をわずかに持ち上げる。制御ステム4が押されて前進し続けると、重力の影響の下で位置インデクシングプレート58が凹み56に落ちる時が訪れる。そして、制御ステム4と位置インデクシングプレート58が並進運動するように連結する。
制御ステム4を分解できるようにするために分解プレート98が設けられる(図10を参照)。この分解プレート98は、全体として見ると概してH字形であり、制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xと平行に延在している直線状の区画100を有しており、この直線状の区画100に第1及び第2の横片102及び104が付いている。また、第1の横片102には、その2つの自由端において、実質的に直角に曲げられて立ち上がっている2つの突起106がある。下側フレーム2にて形成され制御ステム4の下に位置するハウジング108内にて、分解プレート98が受けられる。このハウジング108は、制御デバイス1の下面112へと開いている穴110を介して制御デバイス1の外側と連通している(図11を参照)。穴110に尖った道具を挿入することによって、分解プレート98に推進力を与えることができる。これを受けて、分解プレート98は、その2つの突起106を介して、変位制限ばね88の弾性力に対抗するように位置インデクシングプレート58を押す。そして、位置インデクシングプレート58は、制御ステム4に形成された凹み56を離れ、後ろの方へのわずかな牽引力を制御ステム4に対して与える。これは、制御ステム4を制御デバイス1から取り除くために十分である。
制御ステム4は、その安定した待機位置T1から前側へと押し込まれて不安定な位置T0となることができ、また、引かれて安定位置T2となることができる。制御ステム4のこれらの3つの位置T0、T1及びT2は、位置インデクシングプレート58とポジショニングばね80の間の連係によってインデクシングされる。より正確には(図12Aを参照)、安定な待機位置T1においては、制御デバイス1を備える携行可能な物に指示を入力することができず、この安定な待機位置T1は、位置インデクシングプレート58のガイドアーム62に形成された2つの開口70にある第1の凹部74aに、ポジショニングばね80のアーム86の端78が入り込んでいる位置に対応している。制御ステム4をこの安定な待機位置T1から不安定な位置T0へと前の方に押すことができる(図12Bを参照)。この変位の間に、ポジショニングばね80のアーム86の端78は、第1の凹部74aを離れて、第1の傾斜輪郭114を追従する。この第1の傾斜輪郭114は、第1の急な傾きαで、制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xから徐々に離れる(図7Bを参照)。したがって、ポジショニングばね80のアーム86の端78を第1の凹部74aから離れさせ、また、これらの端78を互いに離れさせて第1の傾斜輪郭114にて連係させるために、ユーザーは大きな抵抗力を克服しなければならない。
アーム86の端78は、転換点116に到達すると、第2の傾斜輪郭118上にて連係する。この第2の傾斜輪郭118は、第1の傾斜輪郭114に続いており、第1の傾斜輪郭114の第1の傾きαよりも低い第2の傾きβを有する。ポジショニングばね80のアーム86の端78が転換点116を通り抜けて第2の傾斜輪郭118と連係するようになる時点にて、制御ステム4を動かし続けるためにユーザーに要求される力はシャープに落ち、位置T1と位置T0の間の制御ステム4の移行を表すクリックをユーザーは感じる。これらの端78が第2の傾斜輪郭118を追従するにしたがって、ポジショニングばね80のアーム86は、それらの待機位置からわずかに離れるように動き続け、ユーザーによって制御ステム4に与えられる推進力に対抗するそれらの弾性復帰力の影響の下で、再び互いに近づこうと試みる傾向がある。ユーザーが制御ステム4上の圧力を解放するとすぐに、ポジショニングばね80のアーム86は、第1の傾斜輪郭114に自発的に戻り、ポジショニングばね80の端78は、位置インデクシングプレート58のガイドアーム62に形成された2つの開口70の第1の凹部74aに再び収容される。このように、制御ステム4は、その不安定な位置T0からその第1の安定位置T1まで自動的に戻される。
第1及び第2の接触ばね120a及び120bは、下側フレーム2にある第1及び第2の空洞122a及び122b内にて圧縮されているように構成している。これらの第1及び第2の接触ばね120a及び120bは、渦巻き状の接触ばね、細長材ばね又は他のばねであることができる。2つの空洞122a、122bは、好ましくは、水平方向に延在している。ただし、必須ではない。2つの接触ばね120a、120bが圧縮状態で設置されているので、それらのポジショニングの精度は、下側フレーム2の製造許容誤差に依存する。下側フレーム2の製造精度は、これらの第1及び第2の接触ばね120a、120bの製造精度よりも高い。したがって、制御ステム4の位置T0を検出する精度は高くなる。
図13及び15に示しているように、第1及び第2の接触ばね120a、120bの一方の端は、曲げられて2つの接触ラグ124を形成し、この接触ラグ124は、フレキシブルなプリント回路シート128の表面に設けられた2つの対応する第1の接触パッド126上にて当接するように動く。ポジショニングばね80のアーム86の端78が位置インデクシングプレート58に形成された2つの開口70の第2の傾斜輪郭118に係合する時点は、位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bが第1及び第2の接触ばね120a、120bと接触するようになる時点と一致する。この位置インデクシングプレート58が導電性であるので、フィンガー66a、66bが第1及び第2の接触ばね120a、120bと接触するときに位置インデクシングプレート58に電流が流れ、第1及び第2の接触ばね120a、120bの間の電気接触が閉じられたことが検出される。
第1及び第2の接触ばね120a、120bは同じ長さである。しかし、好ましくは、第1の空洞122aは、特に許容誤差の問題を考慮して、例えば、第2の空洞122bよりも長くされる(2つの空洞122a、122bの間の長さの差は1ミリメートルの数十分の一である)。したがって、制御ステム4が前側に押し込まれて位置T0となると、最長の第1の空洞122aに収容された第1の接触ばね120aと整列している位置インデクシングプレート58のフィンガー66aは、第1の接触ばね120aと接触し第1の接触ばね120aを圧縮し始める。制御ステム4は、前側に動き続け、位置インデクシングプレート58の第2のフィンガー66bは、最短の第2の空洞122bに収容された第2の接触ばね120bと接触する。この時点にて、位置インデクシングプレート58は第1及び第2の接触ばね120a、120bに接触しており、位置インデクシングプレート58に電流が流れる。このことによって、第1及び第2の接触ばね120a、120bの間の電気接触が閉じたことを検出することができる。なお、位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bは、第1及び第2の接触ばね120a、120bと当接接触するように動く。したがって、制御ステム4が前側へと押し込まれて位置T0になり第1及び第2の接触ばね120a、120bの間の回路を閉じるときに、摩擦や磨耗が発生しない。また、第1及び第2の空洞122a、122bに長さの差があることによって、電気接触が閉じられること、そして、制御デバイス1を備える携行可能な物への対応する指示の入力がクリックを感じた後にのみ発生することが確実になる。
位置インデクシングプレート58の2つのフィンガー66a、66bが第1及び第2の接触ばね120a、120bに接触しているときに、最長の第1の空洞122aに収容された第1の接触ばね120aは圧縮状態となっている。したがって、ユーザーが制御ステム4に対する圧力を解放すると、この第1の接触ばね120aは緩和し、制御ステム4をその不安定な押し込まれ位置T0からその第1の安定位置T1まで戻させる。したがって、第1及び第2の接触ばね120a、120bは、第1の安定位置T1における制御ステム4のための電気接触部品と弾性戻し手段と同時にはたらく。
第1の安定位置T1から、制御ステム4を後ろ側に引いて第2の安定位置T2にすることができる(図12Cを参照)。この運動の間、ポジショニングばね80のアーム86の端78は、第1の凹部74aから第2の凹部74bへと移行するために弾性変形し、その際、位置インデクシングプレート58のガイドアーム62に形成された2つの開口70にあるピーク76をまたがる。制御ステム4がその第2の安定位置T2に到達すると、位置インデクシングプレート58の2つのフィンガー66a、66bは、下側フレーム2に形成された第3及び第4の空洞132a、132bに収容されている第3及び第4の接触ばね130a、130b(図13を参照)に当接するように動く。これらの第3及び第4の接触ばね130a、130bは、渦巻き状の接触ばね、細長材ばね又は他のばねであることができる。第3及び第4の空洞132a、132bは、好ましくは、制御デバイス1における空間のために、鉛直方向に延在している。位置インデクシングプレート58が導電性であるので、フィンガー66a、66bが第3及び第4の接触ばね130a、130bと接触すると、位置インデクシングプレート58に電流が流れ、これらの接触ばね130a、130bの間の電気接触T2が閉じたことが検出される。
なお、安定位置T2の場合には、位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bも第3及び第4の接触ばね130a、130bと当接接触するようになり、これによって、摩擦に起因する磨耗のリスクをいずれも避けることができる。また、第3及び第4の接触ばね130a、130bは、これと位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bが衝突したときに曲がることができ、したがって、位置インデクシングプレート58のポジショニングにおけるいずれの精度不足をも吸収することができる。
好ましくは、第3及び第4の接触ばね130a、130bは、屈曲するように動作するように構成している(図14A及び14Bを参照)。ただし、必須ではない。実際に、直径が一定である接触ばね130a、130bを用いるために、位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bは、下側フレーム2と上側フレーム36におけるそれらの取り付け箇所の近くの大きな表面にて、接触ばね130a、130bと接触する。その接触面が接触ばね130a、130bの取り付け箇所の近くであるために、接触ばね130a、130bにおいてせん断応力を発生させて、このことは、接触ばね130a、130bの早い磨耗や損傷を発生させることがある。この課題を克服するために、接触ばね130a、130bには、好ましくは、中間的な高さにて、直径増大部134があり、この直径増大部134は、制御ステム4がその安定位置T2まで引かれたときに位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bと接触する。第3及び第4の接触ばね130a、130bは、それらの上端にて、上側フレーム36に形成された2つの穴136内にガイドされ、フレキシブルなプリント回路シート128の表面に設けられた第2の接触パッド138と接触する。制御ステム4が後ろ側に引かれてその安定位置T2にあるときに、位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bは、第3及び第4の接触ばね130a及び130bとそれらの最大直径部134にて小さい表面上で接触する。このことによって、接触ばね130a、130bが下側フレーム2と上側フレーム36におけるそれらの2つの取り付け箇所の間にて曲がることができる。
図15において、図面についての理解を容易にするために、下側及び上側フレーム2及び36を意識的に省略している。図15に示しているように、フレキシブルなプリント回路シート128は、携行可能な物の表盤側にあるプレート140上に固定される。フレキシブルなプリント回路シート128は、特に、上側フレーム36を受けるように形と大きさが構成しているカットアウト142の形態である。フレキシブルなプリント回路シート128の1つの部分144は、自由なままである(図16を参照)。フレキシブルなプリント回路シート128のこの自由部分144は、第3の接触パッド148に加えて、複数の電子部品146を担持しており、この第3の接触パッド148上には、少なくとも1つ、図示している例においては2つ、の誘導性センサー150が固定されている。第3の接触パッド148に誘導性センサー150を固定することによって、これらの誘導性センサー150を、フレキシブルなプリント回路シート128を介して、携行可能な物内に収容された電源やマイクロプロセッサー(図示せず)に接続することが可能になる。電源は、動作に必要なエネルギーを誘導性センサー150に供給し、マイクロプロセッサーは、誘導性センサー150によって供給される信号を受けて処理する。
フレキシブルなプリント回路シート128の自由部分144は、2つの細長材152によってフレキシブルなプリント回路シート128の残りの部分に接続され、このことによって、上側フレーム36と下側フレーム2のアセンブリーのまわりを通るように自由部分144を曲げて、そして、下側フレーム2の下面112まで曲げて下ろすことが可能になる。これによって、誘導性センサー150は、下側フレーム2の下面112に形成されている2つのハウジング156に入り込む。誘導性センサー150は、このようにしてそれらのハウジング156内に配置され、磁化リング18の正確に下に配置される。このことによって、制御ステム4の回転の向きを信頼性が高く検出できることが確実になる。
フレキシブルなプリント回路シート128の自由部分144が下側フレーム2に対向するように曲げて下ろされると(図17Aを参照)、当該アセンブリーは、少なくとも1つ(図示している例において2つ)の弾性フィンガー160がある保持プレート158によってカバーされる。この弾性フィンガー160は、誘導性センサー150に対して鉛直方向上方の弾性圧力を与えて、これらの誘導性センサー150をそれらのハウジング156の底部の方に押す(図17Bを参照)。弾性フィンガー160は、好ましくは、誘導性センサー150が固定されている箇所にて、フレキシブルなプリント回路128を押す。保持プレート158は、例えば、2つのねじ162によって、プレート140に固定される。
制御ステム4は、受け台としてはたらく下側フレーム2によって担持される。同様に、2つの誘導性センサー150は、前記下側フレーム2に形成された2つのハウジング156内に配置され、これらのハウジング156の底部の方に1つ又は2つの弾性フィンガー160によって押される(図18を参照)。したがって、誘導性センサー150と、回転可能に制御ステム4に対して固定マウントされる磁化リング18との相対的なポジショニング精度は、下側フレーム2が作られる精度のみによって決まる。射出成形されたプラスチックなどで作られる下側フレーム2の製造精度は、大規模製造の場合においても、誘導性センサー150と磁化リング18の適切なポジショニングを確実にするために十分である。また、誘導性センサー150が一又は複数の弾性フィンガー160によってハウジング156の底部の方に弾性力を与えられるために、製造許容誤差に起因する任意の遊びをも補償することが可能になる。このような製造許容誤差は、特に、フレキシブルなプリント回路シート128上にホール効果部品150を結合するステップに起因することがある。この結合する操作は、例えば、フレキシブルなプリント回路シート128の接触パッド148上に堆積されたはんだペーストを用いて炉内で行われる。
一又は複数の誘導性センサー150はそれぞれ、検知要素154を有する。この検知要素154は、単純化された形態において、平行六面体状の要素の形態であり、これは、この平行六面体状の要素の大きい面に垂直な方向Sにおける磁気誘導の変動を検知する(図22を参照)。図18に示している例において、誘導性センサー150は、好ましくは、これらの検知要素154が鉛直方向zのみにおける磁気誘導の変動を検出するような方向を向いている。すなわち、誘導性センサーは、磁気誘導の直交するx及びy軸に沿った水平成分に対して完全に感受性がない。
単一の誘導性センサー150を用いる場合(図19を参照)、制御ステム4の回転振幅と位置は、単に平均的な精度で決められる。実際に、制御ステム4の作動の結果、磁化リング18が回転すると、誘導性センサー150は、変動の振幅が関連する角度の値に応じて変動するようなシヌソイド信号を生成する。例えば、値π/2に近い領域において、シヌソイド信号はほとんど変わらない、これによって、制御ステム4は、誘導性センサー150によって供給される信号に対して大きな改変をせずに大きな範囲まで回転することができる。したがって、平均的な精度しかなくても制御ステム4の位置と変位を検出することができる。しかし、シヌソイド信号は、値πに近い領域内において、回転の量と制御ステム4の位置を高精度で決めることができるようにシャープに変動する。制御ステム4の位置と回転量の検出において平均的な精度で満足することができる場合、上記のシステムはまったく適している。しかし、非常に高い測定の精度が必要な場合においては、本発明に係る携行可能な物が2つの誘導性センサー150を備えることが好ましい(図18を参照)。実際に、2つの誘導性センサー150を用いるようにすることによって、制御ステム4の回転の振幅と向きの両方を高い精度で決めることができる。このように、磁化リング18の回転中心Oから等しい距離に、磁化リング18の回転中心Oを通り抜ける平面Pに対して対称的に、2つの誘導性センサー150が配置される。好ましくは、2つの誘導性センサー150は、制御ステム4に対して、制御ステム4の作動に起因して磁化リング18が回転するときに60〜120°であり、好ましくは90°である角度δの分、互いに位相外れのシヌソイド信号sin(x)とsin(x+δ)を2つの誘導性センサー150が作るように構成している。2つの誘導性センサーと磁化リング18の相対的構成を計算するために、例えば、有限要素法の計算ソフトウェアによって連続的な繰り返しを行うことができる。
2つの誘導性センサー150によって作られるシヌソイドの測定信号sin(x)とsin(x+δ)の間の位相ずれδのおかげで、これらの2つの測定信号の間の比のアークタンジェント関数を計算すると、直線が得られる。したがって、制御ステム4の回転運動から、制御ステム4、磁化リング18及び2つの誘導性センサー150によって形成されるシステムから線形応答を得ることができる。制御ステム4の回転のこの線形化によって、好ましいことに、制御ステム4の位置の絶対的な検出が可能になる。すなわち、いつでも制御ステム4の回転の向きと位置を知ることができる。また、位相ずれδのおかげで、2つの誘導性センサー150のうちの一方によって作られるシヌソイドの測定信号sin(x)がわずかに変わったときに、他方のシヌソイド信号sin(x+δ)がよりシャープに逆に変動し、その逆も成り立ち、これらの2つの信号の間の比が制御ステム4の回転に関する精度の高い情報を常に与えるというような状況が常にある。
上において、誘導性センサー150が、好ましくは、それらの検知要素が鉛直方向の軸zに沿った磁気誘導の変動のみを検出するような方向を向いていることを言及した。この磁気誘導の成分は、磁化リング18及び携行可能な物の外側の磁場によって発生する軸zに沿った誘導どうしの和である。しかし、誘導性センサー150が互いに非常に近いのであれば、これに外側磁場が及ぼす影響は、両方の誘導性センサー150に対して実質的に同じである。したがって、2つのシヌソイド信号sin(x)とsin(x+δ)の間の比を計算することによって、携行可能な物の外側の磁場に起因する磁気誘導の成分がなくなる。このように、制御ステム4、磁化リング18及び誘導性センサー150によって形成されるシステムの応答は、外側磁場にまったく依存せず、携行可能な物を磁気的に遮蔽する対策をすることは必要ではない。同様に、このシステムの応答は、両方の誘導性センサーが同じように温度の影響を受けるかぎり温度に依存しない。
当然、本発明は上記実施形態に限定されず、当業者であれば添付の請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに様々な単純な変更や変種を考えることができる。具体的には、ここで関心事の磁化リングは、好ましくは、バイポーラーのリングであるが、多極の磁化リングであることができる。また、磁化リングの寸法構成が中空の円筒に対応するものであるように延在するようにすることができる。
1:制御デバイス
2:下側フレーム
4:制御ステム
X−X:長手方向の対称軸
6:後ろ側端
8:作動用リュウズ
10:前側端
12:正方形区画
14:磁性アセンブリー
16:スムースなベアリング
18:磁化リング
20:支持リング
22a:第1の区画
D1:第1の外径
22b:第2の区画
D2:第2の外径
24:肩部
26:正方形の穴
28:円筒状のハウジング
D3:第1の内径
30:環状の穴
D4:第2の内径
D5:第3の外径
32:環状のカラー
34a:第1の溝
34b:第2の溝
36:上側フレーム
38:第1の受け面
40:第2の受け面
42:穴
44a、46a:第3及び第4のアンダーカット面
44b、46b:相補的なアンダーカット面
48:ケースミドル部
50:環状のカラー
52:円筒状区画
54:後ろ側区画
56:凹み
58:位置インデクシングプレート
60:曲がった部分
62:ガイドアーム
64:スタッド
66a、66b:フィンガー
68:リム
70:開口
72:輪郭
74a:第1の凹部
74b:第2の凹部
76:ピーク
78:端
80:ポジショニングばね
82:アーム
84:基部
86:アーバー
88:変位制限ばね
90:中心部
92:弾性アームの対
94:弾性アームの対
96:堅い突起
98:分解プレート
100:直線状の区画
102:第1の横片
104:第2の横片
106:突起
108:ハウジング
110:穴
112:下面
114:第1の傾斜輪郭
α:第1の傾き
116:転換点
118:第2の傾斜輪郭
β:第2の傾き
120a、120b:第1及び第2の接触ばね
122a、122b:第1及び第2の空洞
124:接触ラグ
126:第1の接触パッド
128:フレキシブルなプリント回路シート
130a、130b 第3及び第4の接触ばね
132a、132b 第3及び第4の空洞
134:直径増大部
136:穴
138:第2の接触パッド
140:プレート
142:カットアウト
144:自由部分
146:電子部品
148:第3の接触パッド
150:誘導性センサー
152:細長材
154:検知要素
156:ハウジング
158:保持プレート
160:弾性フィンガー
162:ねじ
本発明は、自身の少なくとも1つの電子的又は機械的な機能を制御する回転型制御ステムを有する計時器のような小型の携行可能な物に関する。より詳細には、本発明は、このような携行可能な物であって、回転型制御ステムの作動が2つの誘導性センサーによって磁気誘導を測定することによって検出されるものに関する。
本発明は、腕時計のような小型の携行可能な物に関し、これは、回転型制御ステムを有し、この回転型制御ステムを作動させることによって、この回転型制御ステムが配置される携行可能な物の機械的又は電子的機能が制御される。
関連する機械的又は電子的機能を適切に実行するために、回転型制御ステムの作動を検出することができなければならない。様々な手法のうち、制御ステムと一体的な磁石の回転によって作られる磁気誘導の変化を測定するものがある。このような磁気誘導の変化を検出するために、位置している環境の磁気誘導の値を測定することができるホール効果センサーのような磁気センサーを用いることができる。
磁気誘導を測定することによって制御ステムの回転を検出する分野においては、制御ステムがどれくらいの量、そして、どの方向に回転したかを正確に知ることがしばしば課題となる。この課題を克服するために、マグネトレジスターやホール効果センサーのような1対の磁気センサーを有するシステムが既に提案されている。これらの既知のシステムにおいて、磁気センサーは、空間における2つの直交する方向における制御ステムと一体化された磁石の回転によって発生する磁気誘導の変化を検出する。
このようなシステムにおいては、磁気センサーが2つの直交する方向における磁気誘導の変化を測定するので、これらの磁気センサーによって作られる測定信号から、携行可能な物の外側の磁気擾乱に起因する影響を、このような磁気擾乱が2つの磁気センサーのうちの一方のみの測定軸に沿った方向を向いている場合に、減らすことができないということに基づく課題がある。実際に、この場合において、他方の磁気センサーは外部磁気擾乱を検知せず、このために2つの測定信号に対するこの磁気擾乱の影響は対称的ではなく、したがって、なくすことができない。したがって、携行可能な物に電磁遮蔽を設けることが必要となり、このことは、非常に厄介であり、コストがかかる。他の手法も知られているが、地球磁場の測定のために特に意図されているものである。このような用途においては、高感度である一又は複数の磁気センサーを用いる。なぜなら、測定される地球磁場が非常に弱く、典型的には、20〜60μTのオーダーであるからである。しかし、これらの磁気センサーは、通常、5mTを超える磁気誘導を測定することができず、これに対して、小型の磁石の値はしばしば100mTに達する。
本発明は、自身の少なくとも1つの機械的又は電子的機能を制御する回転型ステムを有する携行可能な物であって、この回転型ステムの作動が誘導性センサーによって信頼性が高く再現可能に検出されるものを提供することによって、前記課題などを解決することを目的とする。
このために、本発明は、制御ステムと磁化リングを有する携行可能な物に関し、前記制御ステムを回転させて作動させることによって、当該携行可能な物の少なくとも1つの電子的又は機械的な機能を制御することができ、前記磁化リングは、前記制御ステムによって回転駆動され、前記制御ステムの回転と位置が、空間における互いに平行な2つの方向のみにおける前記磁化リングの回転によって発生する磁気誘導の変化を検知するように構成している2つの誘導性センサーによって検出される。
従属請求項の主題を形成する本発明の他の実施形態によると、
− 前記2つの誘導性センサーは、前記磁化リングの回転中心から等しい距離にて、前記磁化リングの前記回転中心を通り抜ける平面に対して対称的に配置されている。
− 前記2つの誘導性センサーは、鉛直方向のみにおける磁気誘導の変化を検知する。すなわち、前記2つの誘導性センサーは、鉛直方向のみ当該携行可能な物の裏側に垂直な方向における磁気誘導の変化を検知し、制御ステムの長手方向の対称軸が前記裏側に平行に延在している。
− 前記2つの誘導性センサーは、前記制御ステムが作動することによって前記磁化リングが回転するときに前記2つの誘導性センサーが60〜120°の値の分、互いに対して位相ずれしている信号を生成するように、前記制御ステムに対して構成している。
− 当該携行可能な物は、前記制御ステムのための受け台としてはたらくように構成しているフレームを有し、前記誘導性センサーは、前記フレーム内に配置された少なくとも1つのハウジング内に配置されており、かつ、前記フレーム内にて弾性手段によって保持される。
− 前記2つの誘導性センサーは、前記フレーム内において構成している2つの別個のハウジング内に配置される。
− 当該携行可能な物は、少なくとも1つの弾性フィンガーを備える保持プレートを有し、前記弾性フィンガーは、前記誘導性センサーが中に配置された少なくとも1つのハウジング内に、前記誘導性センサーを、前記誘導性センサーに対する圧力によって保持する。
− 前記保持プレートには、2つの弾性フィンガーがあり、前記誘導性センサーは、プリント回路シートに固定され、このプリント回路シートに対して前記誘導性センサーが固定されている箇所にて前記弾性フィンガーが押す。
− 前記プリント回路シートはフレキシブルであり、前記プリント回路シートは、曲げられて前記フレームに接触し、前記誘導性センサーは、前記ハウジング内に配置される。
− 前記弾性フィンガーは、前記誘導性センサーを鉛直方向にて不動化する。
− 前記弾性フィンガーは、前記誘導性センサーが中に配置される前記ハウジングの底部に前記誘導性センサーを押しつけるように構成している。
「誘導性センサー」とは、レンツの法則とファラデーの法則によって定められる誘導の現象によって自身を通る磁場を電圧に変換するセンサーを意味している。例えば、誘導性センサーは、ホール効果センサー、又はAMR(異方性磁気抵抗)、GMR(巨大磁気抵抗)又はTMR(トンネル磁気抵抗)のタイプの磁気抵抗を利用する部品であることができる。
これらの特徴の結果、本発明は、制御ステムによって駆動される磁石の回転によって発生する磁気誘導の変化を2つの誘導性センサーによって測定することによって、携行可能な物の少なくとも1つの機械的又は電子的機能を制御する制御ステムの回転を検出することができるような携行可能な物を提供する。これらの2つの誘導性センサーは、空間における単一の方向のみにおける磁気誘導の変化を検知するように構成している。携行可能な物が位置する環境によって作られる磁気誘導が磁化リングによって発生する磁気誘導に付加されることは明らかである。本発明は、1対の誘導性センサーが一方向のみにおける磁気誘導を検知することに基づいて、適切な信号処理によって、携行可能な物が位置する環境の磁気誘導の影響を測定結果から完全に除去することを可能にする。実際に、このような測定の結果、携行可能な物が位置する環境によって発生する磁気擾乱が2つの誘導性センサーのうちの一方のみの測定軸に沿うような向きを有するような状況が発生することはない。したがって、2つの誘導性センサーのうちの一方が外部磁気擾乱を検知しない状況はなくなり、これによって、測定信号に対する外部磁気擾乱の影響は、両方の誘導性センサーに対して同じであり、したがって、なくすことができる。したがって、携行可能な物を磁気的に遮蔽して携行可能な物の外側の磁気誘導の影響を避けることは必要ではなくなり、このことによって、空間を節約することができる。このことは、利用可能な空間が必然的に非常に制限されるような小型の携行可能な物の場合において非常に有利である。また、遮蔽をしなくてもいいことによって、携行可能な物の製造を単純化し、したがって、確実に信頼性を向上させてコストを低くすることができる。
本発明は、さらに、制御ステムの位置を検出する方法に関し、前記制御ステムが回転して作動することによって、前記制御ステムを備える携行可能な物の電子的又は機械的な機能を制御し、前記制御ステムによって磁化リングが回転駆動され、前記制御ステムの回転と位置が、空間における1つの方向のみにおける前記磁化リングの回転によって発生する磁気誘導の変化を検知するように構成している2つの誘導性センサーによって検出され、当該方法は、前記誘導性センサーのそれぞれによって作られる信号の間の比のアークタンジェント関数を計算して、前記制御ステムの回転方向と位置を判断するステップを有する。
このような特徴の結果、制御ステムの回転の向きにかかわらず、制御ステムの絶対位置を判断することができる。すなわち、いつでもステムの角位置を知ることができる。したがって、制御ステムの位置検出測定の分解能は高く、大規模製造の場合にも、1つの物の製造から別の物の製造へと移行しても再現可能である。
添付図面を参照しながら本発明に係る携行可能な物の例示的な実施形態についての下記の詳細な説明を読むことで、本発明の他の特徴や利点についても明確に理解することができるであろう。このような例は、純粋に非限定的な説明用である。
小型の携行可能な物の少なくとも1つの電子的機能を制御するデバイスについての組み立てられていない状態の斜視図である。
下側フレームを上方から見た斜視図である。
制御ステムの斜視図であり、この図における右側から左側に、この制御ステムの後ろ側端から前側端が延在している。
スムースなベアリング及び支持リングと磁化リングによって形成された磁性アセンブリーについての組み立てられていない状態の斜視図である。
制御デバイスの鉛直面に沿った長手方向の断面図であり、この制御デバイス内に、スムースなベアリング及び支持リングと磁化リングによって形成された磁性アセンブリーが配置されている。
上側フレームについての下方から見た斜視図である。
図7Aは、制御ステムの位置をインデクシングするプレートについての上方から見た斜視図である。図7Bは、図7Aの円領域の詳細図である。
制御ステムの位置をインデクシングするプレートと連係するように構成しているポジショニングばねについての斜視図である。
制御ステムの位置インデクシングプレートの変位を制限するばねについての上方から見た斜視図である。
分解プレートの斜視図である。
位置インデクシングプレートから制御ステムを解放するために尖った道具が挿入される穴を示している制御デバイスの一部についての長手方向の断面図である。
図12Aは、位置インデクシングプレートとポジショニングばねと連係しており安定位置T1にある制御ステムを示している斜視図である。図12Bは、制御ステムが不安定な押し込まれ位置T0にある図12Aと同様な図である。図12Cは、制御ステムが安定な引き出し位置T2にある図12Aと同様な図である。
第1及び第2の接触ばねの斜視図である。
図14A及び14Bは、制御ステムの位置インデクシングプレートのフィンガーと第3及び第4の接触ばねの間の連係を示している概略図である。
第1及び第2の接触ばねの接触パッドが配置されているフレキシブルなプリント回路シートの部分的な斜視図である。
誘導性センサーが固定されているフレキシブルなプリント回路シートの自由部分についての斜視図である。
図17Aは、制御デバイスの斜視図であり、この制御デバイスの裏面上にフレキシブルなプリントシートの自由部分が曲げられる。図17Bは、制御デバイスの斜視図であり、この制御デバイスの裏面上に、フレキシブルなプリント回路シートの自由部分が曲げられ、この自由部分がこの制御デバイスにねじによって固定された保持プレートによって保持される。
2つの誘導性センサーによって磁化リングの位置を検出するシステムについての立面図である。
単一の誘導性センサーによって磁化リングの回転を検出するシステムについての立面図である。
携行可能な物に設けられた制御デバイスについての斜視図である。
制御ステムが携行可能な物から取り除かれている図20と同様な図である。
誘導性センサーの検知要素と、この検知要素が磁気誘導の変動を検知する方向についての概略斜視図である。
本発明は、概して、信頼性が高く、特に、大量生産の場合に1つの携行可能な物から別の携行可能な物へと移行しても再現可能な手法で、計時器のような小型の携行可能な物にマウントされた制御ステムの回転を検出することを伴う創造性のある考えから進展したものである。この課題を克服するために、制御ステムを介して磁化リングを回転駆動し、1対の誘導性センサーによってこの磁化リングの回転によって発生する磁気誘導の変化を検出することを提案する。これらの2つの誘導性センサーはそれぞれ、空間における一方向のみにおける磁気誘導の変動を検知するように構成している。したがって、両方の誘導性センサーの測定信号に対する携行可能な物の外側の磁気誘導の影響は同じであり、これによって、適切な信号処理プロセスを介して、測定結果から携行可能な物が位置する環境の磁気誘導の影響を完全になくすことができる。
本発明は、さらに、空間における一方向のみにおける磁気誘導の変動を検知するように構成している2つの誘導性センサーによって作られる信号の間の比のアークタンジェント関数を計算することを伴うような回転型制御ステムの位置及び回転の向きを検出する方法に関する。携行可能な物が位置する環境の磁気誘導が空間における一方向のみにて2つの誘導性センサーの検知要素に影響を及ぼすために、これらの2つの誘導性センサーによって作られる信号の間の比のアークタンジェント関数を計算することによって、携行可能な物の外側の磁気誘導の影響に起因する信号成分をなくすことができる。
この後のすべてにおいて、後ろ側から前側への方向とは、制御ステムの長手方向の対称軸X−Xに沿って外側の作動用リュウズから制御デバイスを備える携行可能な物の内側の方へと水平方向に延在している直線状の方向である。したがって、制御ステムは、後ろ側から前側へと押され、前側から後ろ側へと引かれる。また、鉛直方向は、制御ステムが延在している平面に対して垂直に延在している。
図1は、腕時計のような小型の携行可能な物の少なくとも1つの電子的機能を制御するデバイスについての組み立てられていない状態の斜視図である。この制御デバイスには、全体に対して参照符号1を割り当てており、この制御デバイスは、例えば、射出成形されたプラスチック材料や黄銅のような非磁性の金属性材料で作られた、下側フレーム2を有しており、そして、長手方向の対称軸X−Xがある、好ましくは、細長い形の実質的に円筒状の形である、制御ステム4の受け台としてはたらく。この制御ステム4は、その長手方向の対称軸X−Xに沿って前側から後ろ側へ、そして、後ろ側から前側へと摺動すること、及び/又は前記と同じ長手方向の対称軸X−Xのまわりを時計回りと反時計回りの方向に回転すること、を行うように構成している。
後ろ側端6は、携行可能な物に制御デバイス1を装着した後にこの携行可能な物の外側に位置することとなり、この後ろ側端6において、制御ステム4が作動用リュウズ8を受けることとなる(図20を参照)。
前側端10は、制御デバイス1が組み立てられた後にはその制御デバイス1の内側に位置することとなり、この前側端10においては、制御ステム4には、例えば、正方形区画12があり、磁性アセンブリー14とスムースなベアリング16を順次的に受ける。
磁性アセンブリー14は、磁化リング18と支持リング20を有し、典型的には接着結合によって、支持リング20に磁化リング18が固定される(図4を参照)。支持リング20は、全体として見ると概して円筒状の部品である。図5に示しているように、支持リング20には、後ろ側から前側へと、第1の区画22aと第2の区画22bがあり、第1の区画22aは、第1の外径D1を有しており、この第1の区画22a上に磁化リング18が係合しており、第2の区画22bは、第1の外径D1よりも大きい第2の外径D2を有し、肩部24の境界を形成しており、この肩部24に対して磁化リング18が当接する。支持リング20の第1の区画22aには、正方形の穴26が形成されており、この正方形の穴26は、制御ステム4の正方形区画12に形と大きさが適応しており、制御ステム4とともに摺動ピニオン型システムを形成している。すなわち、制御ステム4が軸方向に摺動するように作られている場合、支持リング20と磁化リング28は不動のままである。しかし、制御ステム4が回転するときに、制御ステム4は駆動リング20と磁化リング18を回転駆動する。前記から、支持リング20によって担持される磁化リング18が、制御ステム4に接触していないことは明らかである。このことによって、制御デバイス1を備える携行可能な物が衝撃を受けたときに磁化リング18を保護することが可能になる。
スムースなベアリング16は、円筒状のハウジング28を形成しており、このハウジング28の第1の内径D3は、制御ステム4の正方形区画12が内接する円の直径よりもごくわずかだけ大きく(図5を参照)、これによって、制御ステム4が、この円筒状のハウジング28内にて、軸方向に摺動すること及び/又は回転することを行うことが可能になる。このように、スムースなベアリング16は、制御ステム4の完全な軸方向のガイドを確実にする。
なお、支持リング20の第1の区画22aに形成された正方形の穴26が、環状の穴30によって制御デバイス1の前側の方へと延在しており、この環状の穴30の第2の内径D4が、スムースなベアリング16の第3の外径D5に嵌められることには留意すべきである。このように、支持リング20は、スムースなベアリング16に対して自由回転するように嵌められており、スムースなベアリング16に当接するように軸方向に動く。このことによって、これらの2つの部品の完全な軸方向の整列が確実になり、摺動ピニオンタイプの連結によって発生することがあるいずれの同心性の問題をも修正することができる。
スムースなベアリング16には、その軸方向の不動化のために、その外側表面上に環状のカラー32があり、この環状のカラー32は、それぞれ下側フレーム2(図2を参照)と上側フレーム36(図6を参照)にある第1の溝34aと第2の溝34b内に入り込んでおり、下側フレーム2によって覆われるように構成しており、例えば、射出成形されたプラスチック材料や黄銅のような非磁性材料で作られている。これら2つの下側フレーム2と上側フレーム36については下にて詳細に説明する。
上述の磁性アセンブリー14とスムースなベアリング16が説明のみのために示されているものであることに留意することは重要である。実際に、例えば、鋼又は黄銅で作られた、スムースなベアリング16は、鋼などで作られた制御ステム4が下側フレーム2及び上側フレーム36をこすることを防ぎ、また、これら2つの下側フレーム2及び上側フレーム36の材料として典型的に用いられるプラスチック材料の磨耗を発生させることを防ぐように構成している。しかし、簡素化された実施形態において、このようなスムースなベアリング16を使用せずに、制御ステム4が下側フレーム2によって直接担持されるようにすることを考えることができる。
同様に、磁化リング18、及び磁化リング18が固定されている支持リング20は、制御ステム4の回転が、磁化リング18の回転によって誘導された磁場における局所変動によって検出される場合のために意図されている。しかし、磁性アセンブリー14全体を、例えば、摺動ピニオンに置き換えることを考えることができる。摺動ピニオンは、その位置に応じて、例えば、メインばねの巻きか、制御デバイス1を備える腕時計の時刻設定かを制御する。
また、長さの一部に正方形区画があるこの制御ステム4の例が説明のみのために与えられていることに留意することは重要である。実際に、磁性アセンブリー14を回転駆動するために、制御ステム4には、円形の断面以外の任意のタイプ、例えば、三角形又は楕円形、の断面の区画があることができる。
下側フレーム2と上側フレーム36の組み合わさったアセンブリーは、制御デバイス1の外側の幾何学的形状を形成しており、これらの下側フレーム2と上側フレーム36は、例えば、全体として見ると概して平行六面体に対応する形である。下側フレーム2は、制御ステム4を受ける受け台を形成している。このために(図2を参照)、下側フレーム2には、前側に、部分円状の輪郭を有する第1の受け面38があり、この第1の受け面38は、スムースなベアリング16の台座としてはたらき、この第1の受け面38には、環状のカラー32を受ける第1の溝34aが形成されている。このようにして、スムースなベアリング1の軸方向と回転方向の両方の不動化が確実になる。
下側フレーム2には、さらに、後ろ側に、第2の受け面40があり、その部分円状の輪郭は、制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xを中心としているが、その直径は制御ステム4の直径よりも大きい。組み立てられた制御デバイス1が携行可能な物に搭載される前に検査される段階において制御ステム4が第2の受け面40のみに載ることを理解することは重要である。この組み立て段階において、制御ステム4が検査のために制御デバイス1に挿入され、水平方向に延在するようになり、制御ステム4の前側端10においてスムースなベアリング16によって、そして、制御ステム4の後ろ側端6において第2の受け面を介して、支持され、軸方向にガイドされる。しかし、制御デバイス1が携行可能な物に搭載された後には、制御ステム4は、携行可能な物のケースミドル部48に設けられた穴42を通り抜け、この穴42内にてガイドされ支持される(図21を参照)。
また、下側フレーム2には、部分円状の輪郭を有する第3及び第4のクリアランス面44a及び46aがあり、上側フレーム36には、相補的なクリアランス面44b及び46b(図6を参照)があり、磁化リング18とその支持リング20で形成されている磁性アセンブリー14を受ける。なお、制御デバイス1が携行可能な物にて組み立てられマウントされているときには、磁化リング18とその支持リング20は、第3及び第4のクリアランス面44a及び第4のクリアランス面46a及び相補的なクリアランス面44b及び46bと接触していない。また、第3のクリアランス面44aとその対応する相補的なクリアランス面44bは、磁性アセンブリー14を軸方向にロックする環状のカラー50によって境界が形成されることにも留意すべきである。
図3に示しているように、制御ステム4には、正方形区画12の後ろ側に円筒状区画52がある。この円筒状区画52の直径は、制御ステム4の正方形区画12が内接している円の直径と前記制御ステム4の後ろ側区画54の原直径の間であり、この制御ステム4の端には作動用リュウズ8が固定される。この小径の円筒状区画52は、凹み56を形成しており、この凹み56内には、制御ステム4のための位置インデクシングプレート58が配置される。このために、位置インデクシングプレート58には、小径の円筒状区画52の輪郭に対応する形を有する曲がった部分60がある。位置インデクシングプレート58は、例えば、薄い導電性の金属板に対してスタンピングをすることによって得ることができる。しかし、例えば、導電性微粒子を含有する硬いプラスチック材料を成型することによって、位置インデクシングプレート58を作ることも考えることができる。凹み56に位置インデクシングプレート58が係合することによって、前側から後ろ側及び後ろ側から前側へと並進運動するような制御ステム4と位置インデクシングプレート58の間の連結が確実になる。しかし、下において明確になるように、位置インデクシングプレート58は、制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xに垂直な鉛直方向zにおいては、制御ステム4に対して自由である。
図7Aに示しているように、位置インデクシングプレート58は実質的に平坦であり、全体として見ると概してU字型の部品である。この位置インデクシングプレート58は、互いに平行に延在しており曲がった部分60によって互いに接続している2つの実質的に直線状のガイドアーム62を有する。これらの2つのガイドアーム62は、例えば、下側フレーム2に配置された2つのスタッド64に対向しつつ軸方向にガイドされる(特に図2を参照)。位置インデクシングプレート58は、その2つのガイドアーム62によってガイドされて、上側フレーム36にあるリム68に沿って摺動し、このリム68の周部は、位置インデクシングプレート58の周部に対応している(図6を参照)。位置インデクシングプレート58は、さらに、2つのガイドアーム62全体の両側にて鉛直方向下方に延在している2つのフィンガー66a、66bを有する。位置インデクシングプレート58は、リム68に沿って摺動する際に、前側から後ろ側へ及び後ろ側から前側へと並進運動するような制御ステム4のガイドを確実にする機能を有する。フィンガー66a、66bは、特に、位置インデクシングプレート58が並進運動するときに位置インデクシングプレート58が支えられることを防ぐように意図されている。
位置インデクシングプレート58のガイドアーム62に、おおまかに長方形の輪郭を有している2つの開口70が形成されている(特に図7Bを参照)。これらの2つの開口70は、制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xの両側にて対称的に延在している。2つの開口70の側面のうちの制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xに最も近い側の側面には、ピーク76によって分離された第1及び第2の凹部74a、74bを形成している実質的にシヌソイド状のカム路72がある。
ガイドアーム62に形成されている2つの開口70は、ポジショニングばね80の2つの端78を受けるように意図されている(図8を参照)。このポジショニングばね80は、全体として見ると概してU字状であり、水平面内にて延在しており基部84によって互いに接続される2つのアーバー82がある。これらの2つのアーバー82は、それらの自由端側において、上方に立ち上がっている2つの実質的に直線状のアーム86によって延びている。ポジショニングばね80は、アーム86の端78が位置インデクシングプレート58の開口70内へと入り込むように、下側フレーム2の底部を通して制御デバイス1にマウントされるように意図されている。下を読むことで、位置インデクシングプレート58とポジショニングばね80の間の連係によって、制御ステム4の位置を不安定な押し込まれ位置T0と2つの安定位置T1及びT2の間にてインデクシングすることが可能になることがわかるであろう。
位置インデクシングプレート58は、並進運動するように制御ステム4と連結しているが、鉛直方向zにて制御ステム4に対して自由であることを上で言及した。したがって、重力の影響下などの通常の使用状態において、位置インデクシングプレート58が制御ステム4との係合を解除することを防ぐ方策が必要である。このために(図9及び11を参照)、鉛直方向zにおける位置インデクシングプレート58の変位を制限するばね88が、この位置インデクシングプレート58の上におけるこの位置インデクシングプレート58から短い距離しか離れていない位置に配置される。変位制限ばね88は、制御デバイス1の下側フレーム2と上側フレーム36の間で逃げることができないようにされているが、通常の使用状態にて位置インデクシングプレート58に接触しない。このことによって、制御ステム4上にて寄生摩擦力が発生することを防ぐことができる。このような寄生摩擦力が制御ステム4上にて発生すると、制御ステム4を操作することが難しくなり磨耗の問題が発生する。ただし、変位制限ばね88は、位置インデクシングプレート58が制御ステム4から不用意に分離してしまうことを防ぐように十分に位置インデクシングプレート58の近くにされる。
変位制限ばね88には、実質的に直線状の中心部90があり、この中心部90の端から2対の弾性アーム92及び94が延在している。これらの弾性アーム92及び94は、変位制限ばね88の中心部90の両側にて、この中心部90が延在している水平面から上方へと離れるように延在している。これらの弾性アーム92及び94は、上側フレーム36が下側フレーム2に接合するときに圧縮するために、変位制限ばね88に対して鉛直方向zに沿った弾性を与える。また、この弾性アーム92及び94の対の間には、少なくとも1対、好ましくは、2対の堅い突起96があり、この突起96は、変位制限ばね88の中心部90の両側にて鉛直方向下方に延びている。これらの堅い突起96は、上側フレーム36が下側フレーム2上に配置されているときに下側フレーム2上にて当接するように動き、この突起96は、制御デバイス1の通常の動作状態において位置インデクシングプレート58と変位制限ばね88の間に最小限の空間が形成されることを確実にする。
変位制限ばね88によって、制御デバイス1を分解することができることが確実になる。実際に、変位制限ばね88がないと、位置インデクシングプレート58は制御ステム4と一体化されることとなって、したがって、もはや制御ステム4を分解することができなくなる。制御ステム4を分解することができなければ、制御デバイス1を備える計時器のムーブメントも分解することができない。このことは、特に、高価な計時器の場合に、受け入れがたい。したがって、下側及び上側フレーム2及び36を連結することによって形成された制御デバイス1が携行可能な物内にてマウントされ、制御ステム4が携行可能な物の外側から制御デバイス1内に挿入されると、制御ステム4は、変位制限ばね88の弾性力に対抗するように位置インデクシングプレート58をわずかに持ち上げる。制御ステム4が押されて前進し続けると、重力の影響の下で位置インデクシングプレート58が凹み56に落ちる時が訪れる。そして、制御ステム4と位置インデクシングプレート58が並進運動するように連結する。
制御ステム4を分解できるようにするために分解プレート98が設けられる(図10を参照)。この分解プレート98は、全体として見ると概してH字形であり、制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xと平行に延在している直線状の区画100を有しており、この直線状の区画100に第1及び第2の横片102及び104が付いている。また、第1の横片102には、その2つの自由端において、実質的に直角に曲げられて立ち上がっている2つの突起106がある。下側フレーム2にて形成され制御ステム4の下に位置するハウジング108内にて、分解プレート98が受けられる。このハウジング108は、制御デバイス1の下面112へと開いている穴110を介して制御デバイス1の外側と連通している(図11を参照)。穴110に尖った道具を挿入することによって、分解プレート98に推進力を与えることができる。これを受けて、分解プレート98は、その2つの突起106を介して、変位制限ばね88の弾性力に対抗するように位置インデクシングプレート58を押す。そして、位置インデクシングプレート58は、制御ステム4に形成された凹み56を離れ、後ろの方へのわずかな牽引力を制御ステム4に対して与える。これは、制御ステム4を制御デバイス1から取り除くために十分である。
制御ステム4は、その安定した待機位置T1から前側へと押し込まれて不安定な位置T0となることができ、また、引かれて安定位置T2となることができる。制御ステム4のこれらの3つの位置T0、T1及びT2は、位置インデクシングプレート58とポジショニングばね80の間の連係によってインデクシングされる。より正確には(図12Aを参照)、安定な待機位置T1においては、制御デバイス1を備える携行可能な物に指示を入力することができず、この安定な待機位置T1は、位置インデクシングプレート58のガイドアーム62に形成された2つの開口70にある第1の凹部74aに、ポジショニングばね80のアーム86の端78が入り込んでいる位置に対応している。制御ステム4をこの安定な待機位置T1から不安定な位置T0へと前の方に押すことができる(図12Bを参照)。この変位の間に、ポジショニングばね80のアーム86の端78は、第1の凹部74aを離れて、第1の傾斜輪郭114を追従する。この第1の傾斜輪郭114は、第1の急な傾きαで、制御ステム4の長手方向の対称軸X−Xから徐々に離れる(図7Bを参照)。したがって、ポジショニングばね80のアーム86の端78を第1の凹部74aから離れさせ、また、これらの端78を互いに離れさせて第1の傾斜輪郭114にて連係させるために、ユーザーは大きな抵抗力を克服しなければならない。
アーム86の端78は、転換点116に到達すると、第2の傾斜輪郭118上にて連係する。この第2の傾斜輪郭118は、第1の傾斜輪郭114に続いており、第1の傾斜輪郭114の第1の傾きαよりも低い第2の傾きβを有する。ポジショニングばね80のアーム86の端78が転換点116を通り抜けて第2の傾斜輪郭118と連係するようになる時点にて、制御ステム4を動かし続けるためにユーザーに要求される力はシャープに落ち、位置T1と位置T0の間の制御ステム4の移行を表すクリックをユーザーは感じる。これらの端78が第2の傾斜輪郭118を追従するにしたがって、ポジショニングばね80のアーム86は、それらの待機位置からわずかに離れるように動き続け、ユーザーによって制御ステム4に与えられる推進力に対抗するそれらの弾性復帰力の影響の下で、再び互いに近づこうと試みる傾向がある。ユーザーが制御ステム4上の圧力を解放するとすぐに、ポジショニングばね80のアーム86は、第1の傾斜輪郭114に自発的に戻り、ポジショニングばね80の端78は、位置インデクシングプレート58のガイドアーム62に形成された2つの開口70の第1の凹部74aに再び収容される。このように、制御ステム4は、その不安定な位置T0からその第1の安定位置T1まで自動的に戻される。
第1及び第2の接触ばね120a及び120bは、下側フレーム2にある第1及び第2の空洞122a及び122b内にて圧縮されているように構成している。これらの第1及び第2の接触ばね120a及び120bは、渦巻き状の接触ばね、細長材ばね又は他のばねであることができる。2つの空洞122a、122bは、好ましくは、水平方向に延在している。ただし、必須ではない。2つの接触ばね120a、120bが圧縮状態で設置されているので、それらのポジショニングの精度は、下側フレーム2の製造許容誤差に依存する。下側フレーム2の製造精度は、これらの第1及び第2の接触ばね120a、120bの製造精度よりも高い。したがって、制御ステム4の位置T0を検出する精度は高くなる。
図13及び15に示しているように、第1及び第2の接触ばね120a、120bの一方の端は、曲げられて2つの接触ラグ124を形成し、この接触ラグ124は、フレキシブルなプリント回路シート128の表面に設けられた2つの対応する第1の接触パッド126上にて当接するように動く。ポジショニングばね80のアーム86の端78が位置インデクシングプレート58に形成された2つの開口70の第2の傾斜輪郭118に係合する時点は、位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bが第1及び第2の接触ばね120a、120bと接触するようになる時点と一致する。この位置インデクシングプレート58が導電性であるので、フィンガー66a、66bが第1及び第2の接触ばね120a、120bと接触するときに位置インデクシングプレート58に電流が流れ、第1及び第2の接触ばね120a、120bの間の電気接触が閉じられたことが検出される。
第1及び第2の接触ばね120a、120bは同じ長さである。しかし、好ましくは、第1の空洞122aは、特に許容誤差の問題を考慮して、例えば、第2の空洞122bよりも長くされる(2つの空洞122a、122bの間の長さの差は1ミリメートルの数十分の一である)。したがって、制御ステム4が前側に押し込まれて位置T0となると、最長の第1の空洞122aに収容された第1の接触ばね120aと整列している位置インデクシングプレート58のフィンガー66aは、第1の接触ばね120aと接触し第1の接触ばね120aを圧縮し始める。制御ステム4は、前側に動き続け、位置インデクシングプレート58の第2のフィンガー66bは、最短の第2の空洞122bに収容された第2の接触ばね120bと接触する。この時点にて、位置インデクシングプレート58は第1及び第2の接触ばね120a、120bに接触しており、位置インデクシングプレート58に電流が流れる。このことによって、第1及び第2の接触ばね120a、120bの間の電気接触が閉じたことを検出することができる。なお、位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bは、第1及び第2の接触ばね120a、120bと当接接触するように動く。したがって、制御ステム4が前側へと押し込まれて位置T0になり第1及び第2の接触ばね120a、120bの間の回路を閉じるときに、摩擦や磨耗が発生しない。また、第1及び第2の空洞122a、122bに長さの差があることによって、電気接触が閉じられること、そして、制御デバイス1を備える携行可能な物への対応する指示の入力がクリックを感じた後にのみ発生することが確実になる。
位置インデクシングプレート58の2つのフィンガー66a、66bが第1及び第2の接触ばね120a、120bに接触しているときに、最長の第1の空洞122aに収容された第1の接触ばね120aは圧縮状態となっている。したがって、ユーザーが制御ステム4に対する圧力を解放すると、この第1の接触ばね120aは緩和し、制御ステム4をその不安定な押し込まれ位置T0からその第1の安定位置T1まで戻させる。したがって、第1及び第2の接触ばね120a、120bは、第1の安定位置T1における制御ステム4のための電気接触部品と弾性戻し手段と同時にはたらく。
第1の安定位置T1から、制御ステム4を後ろ側に引いて第2の安定位置T2にすることができる(図12Cを参照)。この運動の間、ポジショニングばね80のアーム86の端78は、第1の凹部74aから第2の凹部74bへと移行するために弾性変形し、その際、位置インデクシングプレート58のガイドアーム62に形成された2つの開口70にあるピーク76をまたがる。制御ステム4がその第2の安定位置T2に到達すると、位置インデクシングプレート58の2つのフィンガー66a、66bは、下側フレーム2に形成された第3及び第4の空洞132a、132bに収容されている第3及び第4の接触ばね130a、130b(図13を参照)に当接するように動く。これらの第3及び第4の接触ばね130a、130bは、渦巻き状の接触ばね、細長材ばね又は他のばねであることができる。第3及び第4の空洞132a、132bは、好ましくは、制御デバイス1における空間のために、鉛直方向に延在している。位置インデクシングプレート58が導電性であるので、フィンガー66a、66bが第3及び第4の接触ばね130a、130bと接触すると、位置インデクシングプレート58に電流が流れ、これらの接触ばね130a、130bの間の電気接触T2が閉じたことが検出される。
なお、安定位置T2の場合には、位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bも第3及び第4の接触ばね130a、130bと当接接触するようになり、これによって、摩擦に起因する磨耗のリスクをいずれも避けることができる。また、第3及び第4の接触ばね130a、130bは、これと位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bが衝突したときに曲がることができ、したがって、位置インデクシングプレート58のポジショニングにおけるいずれの精度不足をも吸収することができる。
好ましくは、第3及び第4の接触ばね130a、130bは、屈曲するように動作するように構成している(図14A及び14Bを参照)。ただし、必須ではない。実際に、直径が一定である接触ばね130a、130bを用いるために、位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bは、下側フレーム2と上側フレーム36におけるそれらの取り付け箇所の近くの大きな表面にて、接触ばね130a、130bと接触する。その接触面が接触ばね130a、130bの取り付け箇所の近くであるために、接触ばね130a、130bにおいてせん断応力を発生させて、このことは、接触ばね130a、130bの早い磨耗や損傷を発生させることがある。この課題を克服するために、接触ばね130a、130bには、好ましくは、中間的な高さにて、直径増大部134があり、この直径増大部134は、制御ステム4がその安定位置T2まで引かれたときに位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bと接触する。第3及び第4の接触ばね130a、130bは、それらの上端にて、上側フレーム36に形成された2つの穴136内にガイドされ、フレキシブルなプリント回路シート128の表面に設けられた第2の接触パッド138と接触する。制御ステム4が後ろ側に引かれてその安定位置T2にあるときに、位置インデクシングプレート58のフィンガー66a、66bは、第3及び第4の接触ばね130a及び130bとそれらの最大直径部134にて小さい表面上で接触する。このことによって、接触ばね130a、130bが下側フレーム2と上側フレーム36におけるそれらの2つの取り付け箇所の間にて曲がることができる。
図15において、図面についての理解を容易にするために、下側及び上側フレーム2及び36を意識的に省略している。図15に示しているように、フレキシブルなプリント回路シート128は、携行可能な物の表盤側にあるプレート140上に固定される。フレキシブルなプリント回路シート128は、特に、上側フレーム36を受けるように形と大きさが構成しているカットアウト142の形態である。フレキシブルなプリント回路シート128の1つの部分144は、自由なままである(図16を参照)。フレキシブルなプリント回路シート128のこの自由部分144は、第3の接触パッド148に加えて、複数の電子部品146を担持しており、この第3の接触パッド148上には、少なくとも1つ、図示している例においては2つ、の誘導性センサー150が固定されている。第3の接触パッド148に誘導性センサー150を固定することによって、これらの誘導性センサー150を、フレキシブルなプリント回路シート128を介して、携行可能な物内に収容された電源やマイクロプロセッサー(図示せず)に接続することが可能になる。電源は、動作に必要なエネルギーを誘導性センサー150に供給し、マイクロプロセッサーは、誘導性センサー150によって供給される信号を受けて処理する。
フレキシブルなプリント回路シート128の自由部分144は、2つの細長材152によってフレキシブルなプリント回路シート128の残りの部分に接続され、このことによって、上側フレーム36と下側フレーム2のアセンブリーのまわりを通るように自由部分144を曲げて、そして、下側フレーム2の下面112まで曲げて下ろすことが可能になる。これによって、誘導性センサー150は、下側フレーム2の下面112に形成されている2つのハウジング156に入り込む。誘導性センサー150は、このようにしてそれらのハウジング156内に配置され、磁化リング18の正確に下に配置される。このことによって、制御ステム4の回転の向きを信頼性が高く検出できることが確実になる。
フレキシブルなプリント回路シート128の自由部分144が下側フレーム2に対向するように曲げて下ろされると(図17Aを参照)、当該アセンブリーは、少なくとも1つ(図示している例において2つ)の弾性フィンガー160がある保持プレート158によってカバーされる。この弾性フィンガー160は、誘導性センサー150に対して鉛直方向上方の弾性圧力を与えて、これらの誘導性センサー150をそれらのハウジング156の底部の方に押す(図17Bを参照)。弾性フィンガー160は、好ましくは、誘導性センサー150が固定されている箇所にて、フレキシブルなプリント回路128を押す。保持プレート158は、例えば、2つのねじ162によって、プレート140に固定される。
制御ステム4は、受け台としてはたらく下側フレーム2によって担持される。同様に、2つの誘導性センサー150は、前記下側フレーム2に形成された2つのハウジング156内に配置され、これらのハウジング156の底部の方に1つ又は2つの弾性フィンガー160によって押される(図18を参照)。したがって、誘導性センサー150と、回転可能に制御ステム4に対して固定マウントされる磁化リング18との相対的なポジショニング精度は、下側フレーム2が作られる精度のみによって決まる。射出成形されたプラスチックなどで作られる下側フレーム2の製造精度は、大規模製造の場合においても、誘導性センサー150と磁化リング18の適切なポジショニングを確実にするために十分である。また、誘導性センサー150が一又は複数の弾性フィンガー160によってハウジング156の底部の方に弾性力を与えられるために、製造許容誤差に起因する任意の遊びをも補償することが可能になる。このような製造許容誤差は、特に、フレキシブルなプリント回路シート128上にホール効果部品150を結合するステップに起因することがある。この結合する操作は、例えば、フレキシブルなプリント回路シート128の接触パッド148上に堆積されたはんだペーストを用いて炉内で行われる。
一又は複数の誘導性センサー150はそれぞれ、検知要素154を有する。この検知要素154は、単純化された形態において、平行六面体状の要素の形態であり、これは、この平行六面体状の要素の大きい面に垂直な方向Sにおける磁気誘導の変動を検知する(図22を参照)。図18に示している例において、誘導性センサー150は、好ましくは、これらの検知要素154が鉛直方向zのみにおける磁気誘導の変動を検出するような方向を向いている。すなわち、誘導性センサーは、磁気誘導の直交するx及びy軸に沿った水平成分に対して完全に感受性がない。
単一の誘導性センサー150を用いる場合(図19を参照)、制御ステム4の回転振幅と位置は、単に平均的な精度で決められる。実際に、制御ステム4の作動の結果、磁化リング18が回転すると、誘導性センサー150は、変動の振幅が関連する角度の値に応じて変動するようなシヌソイド信号を生成する。例えば、値π/2に近い領域において、シヌソイド信号はほとんど変わらない、これによって、制御ステム4は、誘導性センサー150によって供給される信号に対して大きな改変をせずに大きな範囲まで回転することができる。したがって、平均的な精度しかなくても制御ステム4の位置と変位を検出することができる。しかし、シヌソイド信号は、値πに近い領域内において、回転の量と制御ステム4の位置を高精度で決めることができるようにシャープに変動する。制御ステム4の位置と回転量の検出において平均的な精度で満足することができる場合、上記のシステムはまったく適している。しかし、非常に高い測定の精度が必要な場合においては、本発明に係る携行可能な物が2つの誘導性センサー150を備えることが好ましい(図18を参照)。実際に、2つの誘導性センサー150を用いるようにすることによって、制御ステム4の回転の振幅と向きの両方を高い精度で決めることができる。このように、磁化リング18の回転中心Oから等しい距離に、磁化リング18の回転中心Oを通り抜ける平面Pに対して対称的に、2つの誘導性センサー150が配置される。好ましくは、2つの誘導性センサー150は、制御ステム4に対して、制御ステム4の作動に起因して磁化リング18が回転するときに60〜120°であり、好ましくは90°である角度δの分、互いに位相外れのシヌソイド信号sin(x)とsin(x+δ)を2つの誘導性センサー150が作るように構成している。2つの誘導性センサーと磁化リング18の相対的構成を計算するために、例えば、有限要素法の計算ソフトウェアによって連続的な繰り返しを行うことができる。
2つの誘導性センサー150によって作られるシヌソイドの測定信号sin(x)とsin(x+δ)の間の位相ずれδのおかげで、これらの2つの測定信号の間の比のアークタンジェント関数を計算すると、直線が得られる。したがって、制御ステム4の回転運動から、制御ステム4、磁化リング18及び2つの誘導性センサー150によって形成されるシステムから線形応答を得ることができる。制御ステム4の回転のこの線形化によって、好ましいことに、制御ステム4の位置の絶対的な検出が可能になる。すなわち、いつでも制御ステム4の回転の向きと位置を知ることができる。また、位相ずれδのおかげで、2つの誘導性センサー150のうちの一方によって作られるシヌソイドの測定信号sin(x)がわずかに変わったときに、他方のシヌソイド信号sin(x+δ)がよりシャープに逆に変動し、その逆も成り立ち、これらの2つの信号の間の比が制御ステム4の回転に関する精度の高い情報を常に与えるというような状況が常にある。
上において、誘導性センサー150が、好ましくは、それらの検知要素が鉛直方向の軸zに沿った磁気誘導の変動のみを検出するような方向を向いていることを言及した。この磁気誘導の成分は、磁化リング18及び携行可能な物の外側の磁場によって発生する軸zに沿った誘導どうしの和である。しかし、誘導性センサー150が互いに非常に近いのであれば、これに外側磁場が及ぼす影響は、両方の誘導性センサー150に対して実質的に同じである。したがって、2つのシヌソイド信号sin(x)とsin(x+δ)の間の比を計算することによって、携行可能な物の外側の磁場に起因する磁気誘導の成分がなくなる。このように、制御ステム4、磁化リング18及び誘導性センサー150によって形成されるシステムの応答は、外側磁場にまったく依存せず、携行可能な物を磁気的に遮蔽する対策をすることは必要ではない。同様に、このシステムの応答は、両方の誘導性センサーが同じように温度の影響を受けるかぎり温度に依存しない。
当然、本発明は上記実施形態に限定されず、当業者であれば添付の請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに様々な単純な変更や変種を考えることができる。具体的には、ここで関心事の磁化リングは、好ましくは、バイポーラーのリングであるが、多極の磁化リングであることができる。また、磁化リングの寸法構成が中空の円筒に対応するものであるように延在するようにすることができる。
1:制御デバイス
2:下側フレーム
4:制御ステム
X−X:長手方向の対称軸
6:後ろ側端
8:作動用リュウズ
10:前側端
12:正方形区画
14:磁性アセンブリー
16:スムースなベアリング
18:磁化リング
20:支持リング
22a:第1の区画
D1:第1の外径
22b:第2の区画
D2:第2の外径
24:肩部
26:正方形の穴
28:円筒状のハウジング
D3:第1の内径
30:環状の穴
D4:第2の内径
D5:第3の外径
32:環状のカラー
34a:第1の溝
34b:第2の溝
36:上側フレーム
38:第1の受け面
40:第2の受け面
42:穴
44a、46a:第3及び第4のアンダーカット面
44b、46b:相補的なアンダーカット面
48:ケースミドル部
49:裏側
50:環状のカラー
52:円筒状区画
54:後ろ側区画
56:凹み
58:位置インデクシングプレート
60:曲がった部分
62:ガイドアーム
64:スタッド
66a、66b:フィンガー
68:リム
70:開口
72:輪郭
74a:第1の凹部
74b:第2の凹部
76:ピーク
78:端
80:ポジショニングばね
82:アーム
84:基部
86:アーバー
88:変位制限ばね
90:中心部
92:弾性アームの対
94:弾性アームの対
96:堅い突起
98:分解プレート
100:直線状の区画
102:第1の横片
104:第2の横片
106:突起
108:ハウジング
110:穴
112:下面
114:第1の傾斜輪郭
α:第1の傾き
116:転換点
118:第2の傾斜輪郭
β:第2の傾き
120a、120b:第1及び第2の接触ばね
122a、122b:第1及び第2の空洞
124:接触ラグ
126:第1の接触パッド
128:フレキシブルなプリント回路シート
130a、130b 第3及び第4の接触ばね
132a、132b 第3及び第4の空洞
134:直径増大部
136:穴
138:第2の接触パッド
140:プレート
142:カットアウト
144:自由部分
146:電子部品
148:第3の接触パッド
150:誘導性センサー
152:細長材
154:検知要素
156:ハウジング
158:保持プレート
160:弾性フィンガー
162:ねじ