JP2019521846A - セルロースフィラメント安定化ピッカリングエマルジョン - Google Patents

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Abstract

本発明の開示内容は、セルロースフィラメントを含むピッカリングエマルジョンに関する。セルロースフィラメント材料の不均一性は、安定なエマルジョンの形成に重要かつ有益である。高い安定性を有するエマルジョンは、CF表面特性をコントロールすることによって調製することができる。連続外相中に分散された内相と、内相と外相の界面に位置するセルロースフィラメントと、を含むエマルジョンであって、内相を50体積%以上含むエマルジョン、ならびにそれを製造する方法が提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年6月20日出願の米国特許仮出願第62/352,079号の利益を主張する。
本発明の開示内容は、セルロースフィラメントを含むピッカリングエマルジョンに関する。
ピッカリングエマルジョンは本質的に、固体粒子によって安定化された二相エマルジョンからなる。油と水が混合される場合、形成された油滴の崩壊を避けるために、固体粒子が必要とされる。固体粒子は、油と水との界面に結合し、液滴を安定化する。このエマルジョンは、オイル中に安定化された水滴も含有し得る。
セルロース系材料が、ピッカリングエマルジョンを安定化するための固体粒子として使用されることは公知である。ピッカリングエマルジョンの形成に対するセルロース系材料のモフォロジーの作用が、セルロースナノ結晶(CNC)またはナノフィブリル(CNF)に関して研究されている。Kalashnikovaら(2013,Soft Matter,9:952−959)が、セルロースナノ結晶を用いて、範囲13〜160のアスペクト比を有する様々な原料に由来する水中油型(o/w)エマルジョンを調製し、非硫酸化CNCの安定化作用を研究した。CNCの表面上の負に帯電した硫酸基間の静電反発力が、エマルジョンの安定性に影響を及ぼすことが示されており、水相のイオン強度が通常、これらの相互作用をコントロールする。
Xhanariら(2011,J.Colloid Interface Sci.,356:58−62)は、油中水型(w/o)エマルジョンの調製に表面修飾CNFを使用し、水/油界面でのCNFの構造の作用を調べた。絡み合った大きな網状構造および小さなCNF凝集体はエマルジョンを安定化しないことが判明した。
WinuprasithおよびSuphantharika(2013,Food Hydrocolloids,32:383−394)は、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)安定化o/wエマルジョンを調製し、エマルジョンの特性に対するMFCモフォロジーおよびMFC濃度の作用を調べた。油/水界面で吸着されたMFCフィブリルによって油滴が安定化されただけでなく、液滴間(inter−droplet)網状構造およびMFC網状構造が水相中に形成されたと結論付けられた。バクテリアセルロース内の同様な絡み合った網状構造があるために、同じ安定化メカニズムが、バクテリアセルロース安定化エマルジョンにおいても確認された。
セルロース系材料安定化エマルジョンに関する現在までの公知の研究および調査のすべてで、その分散相がエマルジョン中で50%(体積)以下である、低内相システムのみ調べられていた。
高内相エマルジョン(HIPE)は、最も効率的な手法で充填された場合に非変形性球の最大体積比である、74%を超える内相または分散相体積含有率を含有する、エマルジョンシステムである。内相50〜74%を有するエマルジョンは通常、中内相エマルジョン(MIPE)と呼ばれる。
ピッカリングエマルジョン、特にMIPEおよび/またはHIPEピッカリングエマルジョンを製造する代替方法を提供することが、依然として必要とされている。
一実施形態にしたがって、連続外相中に分散された内相と、内相と外相との界面に位置するセルロースフィラメントと、を含むエマルジョンであって、内相を50体積%以上含む、エマルジョンが提供される。
連続外相中に分散された内相を含むエマルジョンを製造する方法であって、連続外相にセルロースフィラメントを組み込む工程;連続外相中に内相を分散させて、エマルジョンを形成する工程;を含み、そのエマルジョンが内相を50体積%以上含む、方法も提供される。
一実施形態において、本明細書に記載のエマルジョンは、内相を74体積%以上含む。
他の実施形態において、エマルジョンは、内相を50〜83体積%含む。
追加の実施形態において、エマルジョンは、内相を74〜83体積%含む。
更なる実施形態において、内相は疎水性であり、かつ外相は親水性である。
他の実施形態において、内相は油を含み、かつ外相は水を含む。
更なる実施形態において、内相は親水性であり、かつ外相は疎水性である。
追加の実施形態において、内相は水を含み、かつ外相は油を含む。
他の実施形態において、セルロースフィラメント濃度は5重量%未満である。
追加の実施形態において、セルロースフィラメント濃度は0.1〜5重量%である。
追加の実施形態において、セルロースフィラメント濃度は0.5〜1.5重量%である。
他の実施形態において、セルロースフィラメントは、漂白または未漂白セルロースパルプ繊維からの繊維である。
追加の実施形態において、セルロースパルプ繊維は、軟木、堅木、多年生植物繊維、リサイクル繊維、またはその組み合わせからの繊維である。
追加の実施形態において、多年生植物繊維は、バガス、亜麻、ケナフ、麻またはその組み合わせからの繊維である。
更なる実施形態において、セルロースパルプ繊維は、北部漂白軟木、堅木クラフト繊維、漂白ケミサーモメカニカルパルプ、サーモメカニカルパルプ、または未漂白パルプからの繊維である。
他の実施形態において、セルロースフィラメントは、嵩(mass)および寸法が均一である。
更なる実施形態において、セルロースフィラメントの表面特性は、懸濁液のpHを変化させることによって調節される。
補足的な実施形態において、セルロースフィラメントの表面特性は、疎水性分子をグラフト化/吸収することによって、または化学反応を介して他の官能基を導入することによって部分的に修飾される。
一実施形態において、セルロースフィラメントは、疎水性液体を含む外相中に組み込まれる前に、疎水性になるように化学修飾される。
更なる実施形態において、セルロースフィラメントは、内相に組み込まれる前に、塩を含む水に分散される。
更なる実施形態において、その塩は一価、二価、または三価である。
一実施形態において、未漂白パルプに由来するセルロースフィラメントは、漂白パルプに由来するフィラメントと比較してより高い疎水性の表面を保有する。
更なる実施形態において、未漂白セルロースフィラメントは水に分散する。
追加の実施形態において、未漂白セルロースフィラメントは、水中で疎水性内相を安定化する。
一実施形態において、未漂白セルロースフィラメントの表面特性は、セルロースフィラメントが分散された水相のpHを変化させることによって調節することができる。
更なる実施形態において、水相のpHは10以上である。
追加の実施形態において、水相のpHは12以上である。
追加の実施形態において、未漂白セルロースフィラメントは、油および水の界面にて、pHが高いほど、より均一に分布する。
一実施形態において、高いpHにて未漂白セルロースフィラメントで安定化されたエマルジョンは、非常に安定である。
追加の実施形態において、セルロースフィラメントは、混合速度300〜30000rpmにて均質化することによって内相に組み込まれる。
ここで、添付の図面を参照する。
様々なコンシステンシーでのセルロースフィラメント(CF)スラリーの物理的外観を例示する:湿潤CF30重量%(左)および離解後のCFスラリー1.2重量%(右)。 エマルジョンを生成するために使用される原料のモフォロジーの比較を例示し、北米針葉樹晒クラフト(NBSK)パルプ繊維を図2Aに示す;化学的手段によって得られた微結晶性セルロース(MCC)粒子を図2Bに示す;機械的手段によって漂白クラフトパルプから製造されたセルロースナノフィブリル(CNF)を図2Cに示す;本明細書に開示される機械的手段によってNBSKから製造されたCFを図2Dに示す。 CF安定化高内相ピッカリングエマルジョンのゲル状外観を例示する。この特定の実施例は、一実施形態にしたがって、水相中の鉱油78体積%、CF1.2重量%のエマルジョン組成を表す。 一般的なCF安定化水中油型(o/w)ピッカリングエマルジョンの光学顕微鏡画像を例示する。この具体的な実施例は、一実施形態にしたがって水性懸濁液中のそのCF濃度=1.2重量%であり、油含有率=78体積%である、試料を表す。この画像は、多重焦点(stack−focusing)技術を用いて暗視野モード下にて撮影され、エマルジョンサンプルの異なる層上に焦点を合わせた一連の画像が撮影され、適切なイメージングソフトウェアを使用して1つの写真に合成される。その画像において、セルロースフィラメント(CF)は明るく見え、液相は暗く見える。 一実施形態にしたがって、セルロースナノフィブリル(CNF)で安定化された水中油型(o/w)エマルジョンの光学顕微鏡画像を例示する。CNFは、漂白クラフトパルプから、機械的および化学的または酵素的処理の組み合わせによって製造され、その結果、高度にフィブリル化されたセルロース材料が形成される。CNFは、大きな断片なく均質である。水性懸濁液中のCNF濃度=1.2重量%であり、油含有率=80体積%である。この画像は、低倍率にて暗視野モードを用いて撮影され、白色の曇った材料が、絡み合ったCNFフィブリルである。 水中の様々なCFコンシステンシーにてCFベースのo/wピッカリングエマルジョンの安定化メカニズムの概略図を例示する。 4,000rpmで10分間遠心した後の、CF、北米針葉樹晒クラフト(NBSK)パルプ繊維および微結晶性セルロース(MCC)によって安定化されたピッカリングエマルジョンの外観を例示する。すべてのエマルジョンが、水相中の安定化材料(CF、NBSKまたはMCC)1.2重量%および鉱油75体積%からなる。CF安定化エマルジョンは、NBSKまたはMCCによって安定化されたエマルジョンと異なり、遠心後に安定な状態のままである。 30日間の貯蔵期間にわたってその安定性を示す、CF、北米針葉樹晒クラフト(NBSK)パルプ繊維および微結晶性セルロース(MCC)によって安定化されたピッカリングエマルジョンの外観を例示する。すべてのエマルジョンが、水相中の安定化材料(CF、NBSKまたはMCC)1.2重量%および鉱油75体積%からなる。CF安定化エマルジョンは、NBSKまたはMCCによって安定化されたエマルジョンと異なり、周囲条件で30日間貯蔵した後にも安定な状態のままである。 未漂白CFで安定化されたエマルジョンの異なるpHでの外観の変化を例示する。水性CF懸濁液のpH値は、(a)では7、(b)では14である。どちらのエマルジョンも、未漂白CF2.4重量%および油80体積%からなる。4,000rpmでエマルジョンを10分間遠心した後に、画像が撮影された。 未漂白CFで安定化された水中油型エマルジョンの、異なるpHでの光学顕微鏡画像を例示する。画像(a)および(b)は、CF懸濁液がそれぞれ、pH7および14である場合の油滴の外観を示す。
本発明の開示内容にしたがって、セルロースフィラメントを含むピッカリングエマルジョンが提供される。本明細書に記載のエマルジョンは、連続外相中に分散された内相と、内相と外相との界面に位置するセルロースフィラメントと、を含み、エマルジョンは、内相を50体積%以上含む。
制御可能に分布されたセルロースフィラメントの薄層および著しく大きな寸法の全体的もしくは部分的繊維状断片によって安定化された、中および高内相水中油型ピッカリングエマルジョンを調製する方法およびシステムが、本明細書において開示される。微細なフィブリルが、高レベルの絡み合いなく油滴を取り囲み、エマルジョンは粘性のゲル状外観を示す。本明細書に包含される全セルロースフィラメント濃度は5重量%未満であり、そうでなければ、絡み合いのレベルが増加し、エマルジョンが不安定化する。セルロースフィラメントの不均質性は、エマルジョンの形成に重要であり、かつ有益である。セルロースミクロフィブリルまたはナノフィブリルのように、フィブリル(fibrillar)塊(mass)の均一な分布または均一な物理的寸法を得るために大きな断片を除去すると、絡み合いのレベルが高くなり、エマルジョン中の油の最高含有率が低下する。これにより、時間の経過にしたがってエマルジョンの不安定化を生じ、高内相ピッカリングエマルジョンを製造することができない。
セルロースフィラメント材料内のフィブリル成分の分布、および全体的もしくは部分的繊維断片の分布は、セルロースフィラメントを製造するためにかけられる機械的エネルギーの大きさによってコントロールされる。セルロースフィラメントに適切に疎水性が付与された場合、油中水型ピッカリングエマルジョンを安定化するために、それを使用することができる。
サイズおよび電荷の均一な分布を有し、かつ本明細書に包含されるセルロースフィラメントと構造的および形態的に異なるセルロースナノ結晶を使用したCapronら(米国特許出願公開第2014/0073706号明細書)と異なり、中および高内相ピッカリングエマルジョンを安定化するための、全体的または部分的なフィブリル材料および繊維状セグメントの、制御可能に不均一な分布のセルロースフィラメント材料の使用が提供される。特に、親水性であるセルロースフィラメント材料は、水中油型エマルジョにそのままで使用することができ、あるいは、例えば化学的手段によって適切に修飾して、疎水性を付与することができ、したがって、油中水型エマルジョンに適している。
セルロースフィラメントは通常、単独にではないが、天然セルロースパルプ繊維に機械的力(せん断力、引っ張り力および半径方向圧縮力の組み合わせ)をかけることによって得られる。出発原料は本質的に、リグノセルロース系バイオマス、例えば漂白または未漂白ケミカル、メカニカルまたはケミメカニカル木材パルプ繊維の純粋な材料であるか、その組み合わせであることができる。天然繊維は、軟木、堅木、または多年生植物繊維、例えばバガス、亜麻、およびケナフであることができる。バガス、ケナフ、亜麻または麻などの多年生植物繊維を原料として用いて、CFを製造することもできる。特定の場合には、化学的または生化学的処理がさらに適用されて、機械的エネルギーのインプットを減らし、フィブリル化のコントロールに関連する望ましい特質を付与することができる。このように、エネルギーインプットのコントロールと、不均一な物理的成分の制御可能な分布の形成のどちらにも、選択的な化学的または酵素的処理を使用する必要があり得る。このように製造されたセルロースフィラメントは、微細なフィブリルといくつかの大きな繊維状断片との制御された組み合わせを必然的に保持する。大きな断片の品質は主に、機械的作業条件に関連する。高度にフィブリル化された成分と繊維状断片との比は本質的に、油/水比および水相中の全CFコンシステンシーに影響を及ぼす。これらの因子は共に、中または高内相エマルジョンの形成を制御可能に調整し得る。
CFが機械的手段によって主に製造されることから、出発原料の化学組成は維持され、最終的なCFの特性に影響を及ぼし得る。例えば、未漂白クラフトパルプから製造されたCFはリグニンを含有し、リグニンの存在は、CFフィブリルの表面特性に影響を及ぼし、それによって、フィブリル間の水素結合の形成を妨げることによって絡み合いのレベルが変化し得る。エマルジョンに適用した場合には、このタイプのCFは、油/水界面に分布させるのが容易であり、安定性のより高いエマルジョンが形成される。このタイプのCFの表面特性はさらに、CF懸濁液のpHを調整することによって変化し、つまりリグニンが水に可溶性となるレベルにpHを増加することによって、CFフィブリルをさらにほどいて、油/水界面にてかなり均一な網状構造を形成することができる。その結果、形成されたエマルジョンは、より小さな油滴サイズ、より均一なサイズ分布、および遠心機試験における高い安定性を有する。原料の組成の他に、CFフィブリルの表面特性は、疎水性分子、例えば、紙のサイズ剤を結合させることによって化学的に、あるいは疎水性分子、例えば界面活性剤を吸収させることによって物理的に修飾することもできる。この場合には、CFがまだ水に分散するレベルにコントロールし、さらにCFフィブリルの絡みがほどかれるレベルに、表面特性の変化をコントロールすべきである。CFを修飾する他の方法としては、フィブリル表面への新たな官能基の導入、例えばカルボキシメチル化、エステル化が挙げられる。
セルロースフィラメント材料の物理的寸法は、フィブリル材料の範囲を網羅し、ミクロン〜ナノメートル幅、およびミクロン〜ミリメートルの範囲の様々な長さを有し得る。繊維セグメントは通常、ミクロン〜サブミクロンの範囲であり得る。これらのエマルジョンに効率的かつ有効な安定剤として機能するには、フィブリル材料もしくは要素、ならびに全体的または部分的繊維状セグメントの両方が存在することが重要である。単に均一なサイズのフィブリルまたは繊維状セグメントでは、エマルジョンの安定化に失敗するだろう。
数百〜数千kWh/時の範囲の様々なレベルの叩解エネルギーを用いて、CFを製造することができる。叩解エネルギーのレベルは、フィブリル化の特定のレベルを付与し、繊維切断、繊維分割(splitting)または解繊(defibrillation)のいずれかによって繊維断片が生成される。叩解機械的作用を受けた場合に原料は、せん断力および引っ張り力ならびに半径方向圧縮力の組み合わせを受ける。選択的な化学的、酵素的処理、またはその両方の組み合わせを適用して、機械的エネルギーインプットを下げることができ、一方、繊維発生のレベルおよび手法に、つまりフィブリル化が起こり得、かつ繊維断片が形成される程度に、導くこともできる。
CFを製造するための出発原料は、例えば、限定されないが、北米針葉樹晒クラフト(NBSK)パルプ繊維でもよい。続いて、エマルジョンの調製には、CFは乾燥状態で、または任意の実用的なコンシステンシー(0.001〜50重量%)のスラリー状で使用され得る。ピッカリングエマルジョンを調製する場合、簡単な離解および/または均質化プロトコルの後に、CF水性懸濁液は、例えば1.2重量%などの特定の濃度で理想的なはずである。
水中にCFを分散させるために、標準パルプ打解機において湿潤CF(例えば、乾燥重量24gを含有する)を脱イオン水(DI)の90℃の熱水2Lと混合し、回転数45,000で15分間打解する。得られた粘性CFスラリーは、コンシステンシー1.2重量%を有する(図1)。より高いコンシステンシーを有するCFスラリーを得るために、このCF1.2%スラリーはさらに、例えばブフナー漏斗上でワットマン(Whatman)No.42濾紙を使用して水流吸引器からの低圧で補助しながら濃縮され得る。次いで、汎用粉砕スクリーンおよび軸流ヘッドを備えたホモジナイザー(Silverson L4RT−A)上の標準混合アセンブリを使用して、得られた濃縮CFスラリーを10,000rpmにて30秒間均質化し得る。最終的なスラリーのCFのコンシステンシーは重量測定によって決定され得る。
中または高内相ピッカリングエマルジョンを調製するのに適したCF濃度の範囲は、得られるエマルジョンの安定性を最大にするために、0.1〜5.0重量%に限定される。図1は、エマルジョンの調製に使用される、高固形分CFおよび理想的な低固形分CFの物理的状態を示す。最終スラリー中のCFのコンシステンシーは、重量測定によって決定され、任意の潜在的な表面電荷の干渉を防ぐために、少量の一価塩、例えばNaCl 50mMをCFスラリーに添加することができる。
図2は、機械的に製造されたCF、CNFに関する本発明の開示内容の対象、CFと比べて非常に均質な材料が形成される、機械的ならびに化学的かつ/または酵素的処理の組み合わせを用いて処理されたタイプのセルロースフィブリルの一般的なモフォロジーを例示する。CFは、2つの明確に異なるセルロースベースの材料、木材パルプ繊維(出発原料)および化学的に製造された微結晶性セルロース(MCC)粒子とも比較される。
最も効率的かつ有効なシステムを作るために、例えば、ホモジナイザー(Silverson L4RT−A)上の汎用粉砕ヘッドを備えた1インチ管形混合アセンブリを使用した、二段階均質化プロセスを介したCF−安定化ピッカリングエマルジョンの製造が開示される。最初の工程で、低量の均質化エネルギー300〜2000rpmが、1分以下の短い間隔で適用される。この段階では、混合ヘッドは容器またはビーカーの底に下げられ、油相の部分だけが、CF水性懸濁液と混合される。第2の工程は、混合速度を10,000rpm(または必要であれば、それ以上であるが、おそらく30,000rpmを超えない)に迅速に増加することを伴う。第2工程の間、エネルギーインプットのこのレベルは理想的には、さらに1分間維持されるが、10分以下である。しかしながら、このアプローチに変化を加えることが可能であり、同様な結果が生じる。
第2の均質化工程に続いて、混合物は瞬時にゲル状エマルジョンを形成する(図3)。本明細書に開示の方法およびシステムにしたがって製造された、一般的なCF安定化高内相ピッカリングエマルジョンのモフォロジーを図4に示す。光学顕微鏡写真から、セルロースフィラメントの薄層によって囲まれた個々の油滴それぞれがはっきりと分かり、したがって油滴の合体が防止されている。目的のエマルジョンを生成するための具体的な条件に応じて油滴は、何十ミクロン〜何百ミクロンの広い範囲にわたるサイズ分布を有し得る。すべての場合において、油滴は、優先的な(preferential)多角形の形状のコンパクトな構造を有する。CFのフィブリルと大きな断片とのどちらも、図4に示す画像ではっきりと見え、それによって、開示のアプローチの根本的なメカニズムが確認される。フィブリルおよび繊維断片の両方が、エマルジョンの安定性を確実に得るために必要であり、つまり、ミクロンまたはサブミクロン規模のフィブリル化材料およびミリメートル規模での繊維断片の制御された分布が必要とされる。
本明細書に包含されるセルロースフィラメント(CF)は、微細なフィブリルおよび大きな断片からなる不均一なシステムである(図2C)。大きな断片が存在することによって、2つの独特な方法で微細なフィブリルの絡み合いを防止することができる。繊維断片は、フィブリル網状構造に制御可能かつ選択的に侵入し、したがってフィブリル網状構造が絡み合うのを防ぐことができる。さらに、繊維断片は、同じ質量コンシステンシーで微細なフィブリルの量を有効に減らし、その結果、フィブリル塊および繊維断片の不均一な分布が制御可能に生じる。CFフィブリルの絡み合いレベルはフォーメーションへの影響、続いてエマルジョンの安定性への影響に重要な役割を果たすことから、大きな断片のないシステムを研究することは妥当であり、つまり、CF材料と異なり、フィブリル塊のより均一な分布は、本発明の開示内容に記述されている。この目的のために、CFと類似の原料、漂白軟木クラフトパルプから作製されたセルロースナノフィブリル(CNF)試料を用いて、CFと比較する。同様な濃度のセルロース材料および油含有率にて、CNFを含有するエマルジョンは異なる外観を示し、不安定である。この矛盾は、図5によってはっきりと示されている。図5から、高度に絡み合ったCNFフィブリルはもつれを解くことができず、油/水界面にて分布することができないことは明らかである。むしろ、CNFの大部分が絡み合った小塊(図5における白色の曇り)としてシステム中に存在し、CNF安定化エマルジョン中の油滴の寸法は、安定化材料がないために、非常に大きくなる。
したがって、ピッカリングエマルジョンの安定化にとって、化学組成自体は重要な因子ではないが、ジオメトリーおよびモフォロジーは重要な因子である。例えば、CF安定化ピッカリングエマルジョンは、どちらも様々なエマルジョンシステムで通常使用されている北米針葉樹晒クラフト(NBSK)繊維または微結晶性セルロース(MCC)を使用して調製されたエマルジョンと対照をなす。CFを製造する一般的な原料、NBSKパルプ繊維は、その幅が20〜40μmの範囲にあり、長さ2〜3mmの個々の繊維からなる(図2A)。一方、MCCは、その平均サイズが約20μmの不規則な形状を有する個々の微粒子で構成される(図2B)。
微細なフィブリルの絡み合いはエマルジョンを不安定化し、油含有率の増加を防いで、高内相ピッカリングエマルジョンのレベルに達する。CFを使用して、中および高内相ピッカリングエマルジョンの両方の安定化を担う特有のメカニズムであって、フィブリル塊および繊維断片の不均一な分布が存在するメカニズムを図6に説明する。このメカニズムにおいて、エマルジョンの特性は主に、CFフィブリルの絡み合いのレベルおよび繊維状断片の侵入によって影響を受け、それは、水相におけるCFコンシステンシーに直接関連する。ピッカリングエマルジョンの調製に用いられる均質化処理では、フィブリル網状構造の絡み合いを解くことはできない。したがって、エマルジョンシステム中の油滴は、絡み合った網状構造内の空き領域または空間にのみ留まることができる。したがって、これらの油滴は、フィブリル網状構造の特定の分布によって与えられる特定のジオメトリーにより可能となる形状をとり、いくらかの変形を受け得る。これは、図4に示す高−内相ピッカリングエマルジョン内の油滴の広範囲のサイズ分布および六角形のジオメトリーによって、明白に証明される。
説明的な例として、油75体積%およびNBSKまたはMCC1.2%を有する水中油型エマルジョンを調製し、その特性をCF1.2%で安定化された高内相ピッカリングエマルジョンの特性と比較した。CF安定化ピッカリングエマルジョンのゲル状外観と異なり、NBSKおよびMCC安定化エマルジョンのどちらも低粘度を示し、自由に流動するように見える(図7参照)。さらに、NBSKまたはMCCエマルジョン中の油滴は非常に大きく、NBSKパルプ繊維またはMCC粒子の寸法が大きいために、写真で直接、目で確認することができ(図9)、NBSKパルプまたはMCC粒子は、底に沈殿しているように見え、どちらの場合にも水の層が完全に分離した。一方、CF安定化エマルジョンは、30日の貯蔵期間にわたって落ち着いていた。実際に、それは周囲条件で12か月(増え続けている)にわたって貯蔵している間、安定なままである。
他の実施例において、未漂白クラフトパルプから生成されたCFを使用して、水中油型エマルジョンを調製した。CF濃度2.4重量%および油含有率80体積%にて、エマルジョンは、CF懸濁液が中性および高いpHの場合に、遠心試験において完全に異なる安定性を実証した。図7に示すように、油含有率が高いため、4,000rpmで10分間遠心した後に、中性pHエマルジョンの大部分が相分離する。しかしながら、pHを単に14に上げることによって劇的な変化が生じ、同じ条件で遠心した後に、エマルジョン相の大部分が保持された。図10の光学顕微鏡画像から、これら2種類のエマルジョン中の油滴の違いが明らかである。中性pHにて、油滴は、広いサイズ分布を有する大きな多角形の形状をとり、NBSKパルプから生成されたCFで安定化されたエマルジョンに類似している(図4参照)。しかしながら、高いpHにて、油滴はかなり小さく、より均一となる。
本明細書に開示される方法およびシステムにしたがって製造されるピッカリングエマルジョンは、周囲条件にて任意の標準容器内に保存された場合に、相分離なく12か月よりも長い期間、安定な状態を維持することが示された。この優れた安定性は、食品、医薬製剤、塗料およびコーティングから、多数の工業的用途(例えば、油およびガスの掘削流体)に用いられるエンジニアリングシステムの範囲の多種多様な産業で使用されるピッカリングエマルジョンに適した安定剤としてCFを使用するのに非常に良い前兆である。
開示内容は、その特定の実施形態と関連して記述されているが、更なる修正を加えることができ、かつ本出願は、当技術分野内で公知または慣例の実施内にあり、上記の必須の特徴に適用され得る、かつ添付の特許請求の範囲に示される、本発明の開示内容からのかかる逸脱を含む、いずれかの変形形態、使用、または適応を網羅することが意図されることを理解されたい。

Claims (39)

  1. 連続外相中に分散される内相と、前記内相と前記外相の界面に位置するセルロースフィラメントと、を含むエマルジョンであって、前記内相を50体積%以上含む、エマルジョン。
  2. 前記内相を74体積%以上含む、請求項1に記載のエマルジョン。
  3. 前記内相を50〜83体積%以上含む、請求項1に記載のエマルジョン。
  4. 前記内相を74〜83体積%含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  5. 前記内相が疎水性であり、かつ前記外相が親水性である、請求項1から4のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  6. 前記内相が油を含み、かつ前記外相が水を含む、請求項5に記載のエマルジョン。
  7. 前記内相が親水性であり、かつ前記外相が疎水性である、請求項1から4のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  8. 前記内相が水を含み、かつ前記外相が油を含む、請求項7に記載のエマルジョン。
  9. 前記セルロースフィラメント濃度が、5重量%未満である、請求項1から8のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  10. 前記セルロースフィラメント濃度が、0.1〜5重量%である、請求項1から9のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  11. 前記セルロースフィラメント濃度が、0.5〜1.5重量%である、請求項1から10のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  12. 前記セルロースフィラメントが、漂白または未漂白セルロースパルプ繊維からのフィラメントである、請求項1から11のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  13. 前記セルロースパルプ繊維が、軟木、堅木、多年生植物繊維、リサイクル繊維、またはその組み合わせからの繊維である、請求項12に記載のエマルジョン。
  14. 前記多年生植物繊維が、バガス、亜麻、ケナフ、麻またはその組み合わせからの繊維である、請求項13に記載のエマルジョン。
  15. 前記セルロースパルプ繊維が、北部漂白軟木、堅木クラフト繊維、漂白ケミサーモメカニカルパルプ、サーモメカニカルパルプ、または未漂白パルプに由来する、請求項12に記載のエマルジョン。
  16. 前記セルロースフィラメントの嵩(mass)および寸法が均一である、請求項1から15のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  17. 前記セルロースフィラメントの表面特性が、懸濁液のpHを変えることによって調整される、請求項1から15のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  18. 前記セルロースフィラメントの表面特性が、疎水性分子をグラフト化/吸収することによって、または化学反応を介して他の官能基を導入することによって部分的に修飾される、請求項1から15のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  19. 連続外相中に分散された内相を含むエマルジョンを製造する方法であって:
    a)内相にセルロースフィラメントを組み込む工程;
    b)前記内相を連続外相中に分散させて、前記エマルジョンを形成する工程;
    を含み、前記エマルジョンが、前記内相を50体積%以上含む、方法。
  20. 前記エマルジョンが、前記内相を74体積%以上含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記内相を50〜83体積%以上含む、請求項19に記載のエマルジョン。
  22. 前記エマルジョンが、前記内相を74〜83体積%含む、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記内相が疎水性であり、かつ前記外相が親水性である、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記内相が油を含み、かつ前記外相が水を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記内相が親水性であり、かつ前記外相が疎水性である、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記内相が水を含み、かつ前記外相が油を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記セルロースフィラメントが、水を含む前記内相に組み込まれる前に、疎水性となるように化学修飾される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記セルロースフィラメント濃度が5重量%未満である、請求項19から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記セルロースフィラメント濃度が0.1〜5重量%である、請求項19から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記セルロースフィラメント濃度が0.5〜1.5重量%である、請求項19から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記セルロースフィラメントが、前記内相に組み込まれる前に、塩を含む水に分散される、請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記塩が一価、二価、または三価の塩である、請求項31に記載の方法。
  33. 前記セルロースフィラメントが、漂白または未漂白セルロースパルプ繊維からのフィラメントである、請求項19から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記セルロースパルプ繊維が、軟木、堅木、多年生植物繊維、またはその組み合わせからの繊維である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記多年生植物繊維が、バガス、亜麻、ケナフ、麻またはその組み合わせからの繊維である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記セルロースパルプ繊維が、北部漂白軟木、堅木クラフト繊維、漂白ケミサーモメカニカルパルプ、サーモメカニカルパルプ、または未漂白パルプからの繊維である、請求項33に記載の方法。
  37. 前記セルロースフィラメントの嵩および寸法が均一である、請求項19から36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記セルロースフィラメントが、混合速度300〜30000rpmでの均質化によって前記内相に組み込まれる、請求項19から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. a)内相にセルロースフィラメントを組み込む工程;および
    b)連続外相中に前記内相を分散させて、エマルジョンを形成する工程;
    を含む方法であって、
    前記エマルジョンが、前記内相を50体積%以上含む、請求項1から18のいずれか一項に記載のエマルジョンを製造する方法。
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