詳細な説明
本発明の一般的な概念を包含する実施形態が多様な形態を取ることができる一方で、種々の実施形態が本明細書中に記載される。本開示は例示のみを目的とすると見なすべきであり、本発明の一般的概念が開示の実施形態を制限することを意図しないと理解される。
本発明のいくつかの実施形態は、本発明の化合物(例えば、式(I)の化合物)(FK−506および類似の化合物を含むコンジュゲートが含まれるが、これに限定されない)が含まれる。他の実施形態は、本発明の化合物を含む組成物(例えば、薬学的組成物)を含む。本発明のさらに他の実施形態は、例えば、一定の疾患を処置するための本発明の化合物を使用した組成物を含む。いくつかの実施形態は、投与および処置のために(例えば、組成物または薬学的組成物において)本発明の化合物を使用する方法を含む。さらなる実施形態は、本発明の化合物を作製する方法を含む。
本明細書中で定義する場合、「アミノ酸」には、任意の天然に存在するアミノ酸(標準的な20種のアミノ酸(Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Pro、Phe、Trp、Ser、Thr、Asn、Gln、Tyr、Cys、Lys、Arg、His、Asp、およびGluである)が含まれるが、これらに限定されない)および異常アミノ酸が含まれるが、これらに限定されない。本明細書中で定義する場合、「異常アミノ酸」は、標準的な20種のアミノ酸のうちの1つではないアミノ酸である。異常アミノ酸のいくつかの例を表Aに列挙するが、表Aに列挙した異常アミノ酸に制限されない。
アミノ酸は、L型、D型であり得るか、またはどちらでもない場合がある(例えば、グリシン)。本明細書中で使用される場合、アミノ酸の3文字または1文字の表記が示されていない場合、別段の指示がない限り、アミノ酸はL型である。配列中に存在しない場合、表記される場合のアミノ酸の形態はハイフンを含む(例えば、L−Lys)。配列中に存在する場合、ハイフンを除去する。
本明細書中で使用される場合(別段の指定がない限り)、タンパク質配列またはアミノ酸配列の「フラグメント」には、少なくとも3つの連続するアミノ酸が含まれる。例えば、「フラグメント」には、タンパク質またはアミノ酸配列の3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、50、100、150、200、250、500、1000、1500、2000、50以下、100以下、500以下、1000以下、1500以下、2000以下、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも1500または少なくとも2000の連続するアミノ酸が含まれ得る。フラグメントの長さを、所望の性質または機能に応じて適切に変更することができる。
本明細書中で使用される場合(別段の指定がない限り)、タンパク質配列またはアミノ酸配列の「変異体」(または「変異された」もしくは「変異」などの類似の用語)には、いくらかの程度の所望の性質または所望の機能が残存することを条件として、タンパク質配列またはアミノ酸配列の短縮、付加、欠失、置換、および他の変更が含まれる。いくつかの実施形態では、変異は、2つまたはそれを超える短縮、欠失、付加、置換、または他の変更の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の置換は、保存的置換であり得る。いくつかの実施形態では、保存的置換は、Kyte and Doolittle J.Mol.Biol.1982,Vol.157,pp.105−132のハイドロパシーインデックス(hydropathic index)(例えば、±2以内、±1以内、または±0.5以内の置換)、米国特許第4,554,101号の親水性値(例えば、±2以内、±1以内、または±0.5以内の置換)、またはアミノ酸のサイズ(例えば、側基サイズ)に基づき得る。ある特定の実施形態では、以下の置換は、1つのアミノ酸が以下の同じグループ内の別のアミノ酸から置換される場合に保存的であると見なす:グループ1はIle、Leu、Val、Ala、Glyである;グループ2はTrp、Tyr、Pheである;グループ3はAsp、Glu、Asn、Glnである;グループ4はCys、Ser、Thr、Metである;グループ5はHis、Lys、Argである。いくつかの例では、保存的置換は、1つまたは複数の所望の性質または機能を最小限に破壊する(または増強することができる)。
本発明のいくつかの実施形態は、式(I):
の化合物を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、塩、光学異性体および幾何異性体、ならびに異性体の塩の形態であり得る。他の実施形態では、化合物は、非電荷分子、分子複合体の成分、または非刺激性の薬理学的に許容され得る塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、およびサリチル酸塩が含まれるが、これらに限定されない)などの種々の形態であり得る。いくつかの例では、酸性化合物について、塩には、金属、アミン、または有機カチオン(例えば、第四級アンモニウム)が含まれ得る。さらに他の実施形態では、所望の保持特性および放出特性を有するが、身体のpH、酵素、または他の適切な手段によって容易に加水分解される化合物の単純誘導体(例えば、エーテル、エステル、またはアミド)を使用することができる。
ある特定の実施形態では、R1は、H、アリル、ビニル、ヒドロキシル、Cl、Br、F、I、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、分枝または非分枝のC1〜C4(すなわち、C1、C2、C3、またはC4)アルキル、分枝または非分枝のC1〜C4(すなわち、C1、C2、C3、またはC4)アルキルノイック、フェニル、C1〜C2過フッ素化アルキル、アルキルアミノ、オキソ、カルボキシ、アセチル、アミド、またはC1〜C3(すなわち、C1、C2、またはC3)アクロキシであり得る。いくつかの実施形態では、R1は、H、アリル、エチル、メチル、またはOHである。いくつかの実施形態では、R1は、アリル、エチル、またはメチルである。
ある特定の実施形態では、R2は、H、アリル、ビニル、ヒドロキシル、Cl、Br、F、I、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、分枝または非分枝のC1〜C4(すなわち、C1、C2、C3、またはC4)アルキル、分枝または非分枝のC1〜C4(すなわち、C1、C2、C3、またはC4)アルキルノイック、フェニル、C1〜C2過フッ素化アルキル、アルキルアミノ、オキソ、カルボキシ、アセチル、アミド、またはC1〜C3(すなわち、C1、C2、またはC3)アクロキシであり得る。いくつかの実施形態では、R2は、H、アリル、エチル、メチル、またはOHである。いくつかの実施形態では、R1は、HまたはOHである。R2に連結している炭素の立体中心は、RまたはSであり得る。
一部の実施形態では、R1は、R2と同じであっても異なってもよい。別の実施形態では、R1はアリルであり、R2はHである。別の実施形態では、R1はエチルであり、R2はHである。別の実施形態では、R1はメチルであり、R2はHである。別の実施形態では、R1はHであり、R2はHである。別の実施形態では、R1はアリルであり、R2はOHである。別の実施形態では、R1はエチルであり、R2はOHである。別の実施形態では、R1はメチルであり、R2はOHである。別の実施形態では、R1はHであり、R2はOHである。別の実施形態では、R1はOHであり、R2はOHである。
いくつかの実施形態では、Xは、2価の置換または非置換のC4〜C12(すなわち、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、またはC12)共役環式炭化水素または
であり、ここで、R3およびR4は、同じであっても異なってもよく、且つ、水素または置換または非置換の、分枝または非分枝のC1〜C11(すなわち、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、またはC11)アルキルであり得る。本明細書中で使用される場合、「2価の」は、表示した化合物上の1個または2個の炭素原子から2個の水素が除去されたラジカルを意味し;水素が除去される位置は、式(I)の隣接部分への結合点である。本明細書中で使用される場合、「置換された」は、炭素上の1個、2個、または3個の水素の、基(ハロゲン(例えば、Cl、Br、またはF)、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、分枝または非分枝のC1〜C4(すなわち、C1、C2、C3、またはC4)アルキル、分枝または非分枝のC1〜C4(すなわち、C1、C2、C3、またはC4)アルキルノイック、C1〜C2過フッ素化アルキル、アルキルアミノ、オキソ、カルボキシ、アセチル、アミド、ビニル、およびC1〜C3(すなわち、C1、C2、またはC3)アルコキシが含まれるが、これらに限定されない)による置換と定義する。Xが2価の置換または非置換のC4〜C12共役環式炭化水素である場合、Xは、いくつかの実施形態では、共役環式炭化水素上の任意の炭素を使用するか、置換の場合、置換されている任意の部分上の任意の炭素を使用して隣接するSおよび隣接する(CH2)nに結合することができ;Xは、同一の炭素を使用するか異なる炭素を使用して、隣接するSおよび隣接する(CH2)nに結合することができる。ある特定の実施形態では、Xは、例えば、Xに隣接するジスルフィド結合の切断速度の調整(例えば、増加または減少)、Zに隣接するジスルフィド結合の切断速度の(the cleavage rate cleavage of)調整(例えば、増加または減少)、またはZに隣接するジスルフィド結合の切断速度と比較したXに隣接するジスルフィド結合の切断速度の調整(例えば、増加または減少)(例えば、絶対速度、相対速度、または速度変化率の比較による)によって式(I)のジスルフィド切断の特異性に影響を及ぼすことができる。いくつかの実施形態では、Xは、2価のアンヌレン(例えば、2価のシクロブタジエン、2価のベンゼン、2価のシクロオクタテトラエン、2価のシクロデカペンタエン、または2価のシクロドデカヘキサエン)である。いくつかの実施形態では、Xは、2価の芳香族部分(例えば、2価の単環部分または2価の多環部分(2価の二環部分など))(2価のベンゼン、2価のビフェニル、または2価のナフタレン(napthalene)などであるが、これらに限定されない)である。さらなる他の実施形態では、Xは、2価のベンゼンであるか、非置換C1(すなわち、R3およびR4が共に水素である)である。さらに別の実施形態では、Xは、非置換のC1(すなわち、R3およびR4は両方とも水素である)であるか、または置換されたC1であり、ここで、(a)R3はHであり、R4はメチルである、(b)R3はHであり、R4はエチルである、(c)R3はHであり、R4はプロピルである、(d)R3はメチルであり、R4はHである、(e)R3はメチルであり、R4はメチルである、(f)R3はメチルであり、R4はエチルである、(g)R3はメチルであり、R4はプロピルである、(h)R3はエチルであり、R4はHである、(i)R3はエチルであり、R4はメチルである、(j)R3はエチルであり、R4はエチルである、(k)R3はエチルであり、R4はプロピルである、(l)R3はプロピルであり、R4はHである、(m)R3はプロピルであり、R4はメチルである、(n)R3はプロピルであり、R4はエチルである、あるいは(o)R3はプロピルプロピルであり、R4はプロピルである。
一部の実施形態では、nは、0、1、2、3、4または5であり得る。ある特定の実施形態では、nは0であるか、またはnは1である。
いくつかの実施形態では、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。ある特定の実施形態では、mは1であるか、mは2である。いくつかの実施形態では、式(I)を含む溶液は、異なるm値を有する式の混合物を有することができ、それにより、平均のm値を得ることができる溶液が得られる。一部の例では、溶液の平均のm値は、1〜10の任意の合理的な数であり得るが、これらに限定されず、例えば、約1、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、約9.5、または約10であり得る。
他の実施形態では、Yは、約30個以下のアミノ酸を含むアミノ酸配列である。ある特定の実施形態では、Yは、式(I)の隣接カルボキシに、Yアミノ酸主鎖原子(例えば、炭素、酸素、N末端窒素、または別の窒素(修飾アミノ酸を使用する場合))またはYアミノ酸側鎖原子(例えば、側鎖上の炭素、酸素、または窒素)によって結合している。いくつかの実施形態では、Yのアミノ酸は、D−アミノ酸、L−アミノ酸、またはこれらの両方である。別の実施形態では、Yアミノ酸配列中のアミノ酸の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、約2〜約30、約4〜約20、約5〜約17または約7〜約15であり得る。ある特定の実施形態では、Yアミノ酸配列中のD−アミノ酸の百分率は、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、約25%以下、約50%以下または約75%以下であり得る。ある特定の例では、D−アミノ酸であるYアミノ酸配列の百分率は、約10%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%または約90%であり得る。ある特定の実施形態では、Yアミノ酸配列中のL−アミノ酸の百分率は、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、約25%以下、約50%以下または約75%以下であり得る。ある特定の例では、L−アミノ酸であるYアミノ酸配列の百分率は、約10%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%または約90%であり得る。他の実施形態では、Yアミノ酸配列の一部は、2、3、4、または5個の連続するL−アミノ酸を有し得る。いくつかの実施形態では、Yアミノ酸配列中の連続L−アミノ酸は、同じであっても異なってもよい。他の実施形態では、Yアミノ酸配列の一部は、2、3、4、または5個の連続するD−アミノ酸を有し得る。いくつかの実施形態では、Yアミノ酸配列中の連続D−アミノ酸は、同じであっても異なってもよい。いくつかの実施形態では、同じアミノ酸は、そのD型およびL型に変更される(例えば、DSer−Ser−DSer−Ser−DSer)。他の実施形態では、Yアミノ酸配列は、自己アセンブリしないか、二次構造を有する。
一部の実施形態では、Yのアミノ酸配列中のアミノ酸は、Gly、L−Ala、L−Cys、L−Asp、L−Glu、L−Phe、L−His、L−Ile、L−Lys、L−Leu、L−Met、L−Asn、L−Pro、L−Gln、L−Arg、L−Ser、L−Thr、L−Val、L−Trp、L−Tyr、D−Ala、D−Cys、D−Asp、D−Glu、D−Phe、D−His、D−Ile、D−Lys、D−Leu、D−Met、D−Asn、D−Pro、D−Gln、D−Arg、D−Ser、D−Thr、D−Val、D−TrpまたはD−Tyrであり得る。一部の実施形態では、Yのアミノ酸配列中のアミノ酸は、L−Cys、L−Asp、L−Glu、L−His、L−Lys、L−Asn、L−Gln、L−Arg、L−Ser、L−Thr、L−Tyr、D−Cys、D−Asp、D−Glu、D−His、D−Lys、D−Asn、D−Gln、D−Arg、D−Ser、D−ThrまたはD−Tyrであり得る。一部の実施形態では、Yのアミノ酸配列中のアミノ酸は、L−Asp、L−Glu、L−His、L−Lys、L−Asn、L−Gln、L−Arg、L−Ser、L−Thr、L−Tyr、D−Asp、D−Glu、D−His、D−Lys、D−Asn、D−Gln、D−Arg、D−Ser、D−ThrまたはD−Tyrであり得る。一部の実施形態では、Yのアミノ酸配列中のアミノ酸は、L−Asp、L−Glu、L−His、L−Lys、L−Arg、D−Asp、D−Glu、D−His、D−LysまたはD−Argであり得る。一部の実施形態では、Yのアミノ酸配列中のアミノ酸は、L−Asp、L−Glu、L−Asn、L−Gln、L−Ser、L−Thr、D−Asp、D−Glu、D−Asn、D−Gln、D−SerまたはD−Thrであり得る。他の実施形態では、異常アミノ酸(その構造によって規定されるそのL型またはD型または任意のその立体異性体)は、アミノ酸配列中に存在し得る。
いくつかの実施形態では、Yアミノ酸配列中のいくつかのアミノ酸は、親水性アミノ酸であり得る。親水性アミノ酸には、L−Cys、L−Asp、L−Glu、L−His、L−Lys、L−Asn、L−Gln、L−Arg、L−Ser、L−Thr、L−Tyr、D−Cys、D−Asp、D−Glu、D−His、D−Lys、D−Asn、D−Gln、D−Arg、D−Ser、D−Thr、D−Tyr、Dbu、Des、Dpm、DprまたはIdeが含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、Yアミノ酸配列中の親水性アミノ酸の百分率は、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、約25%以下、約50%以下または約75%以下であり得る。ある特定の例では、親水性アミノ酸であるYアミノ酸配列の百分率は、約10%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%または約90%であり得る。
ある特定の実施形態では、Yアミノ酸配列により、式(I)の溶解性(例えば、水溶性)が増加する。いくつかの実施形態では、Yアミノ酸配列は、立体化学的スペーサーとして作用する。いくつかの実施形態では、Yアミノ酸配列により、(例えば、立体化学的スペーサーとしての作用によって)タンパク質コンジュゲーションの効率が増加する。別の実施形態では、−NH2は、Yアミノ酸配列のC末端上にあり得る。一部の実施形態では、Yアミノ酸配列は、DSer−Ser−DSer−Ser−DSer−Nle−DTyr−DSer−Cys−Phe−DTrp−Lys−Thr−Cys−Thr;DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer;DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp;またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSerである。別の実施形態では、Yアミノ酸配列は、DSer−Ser−DSer−Ser−DSer−Nle−DTyr−DSer−Cys−Phe−DTrp−Lys−Thr−Cys−Thr−NH2;DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2;DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2;またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2である。
いくつかの実施形態では、Yは、
(a)DAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2(ここで、Yは、リジン上の側基アミンとの反応を介してZに結合することができる);
(b)DAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer(ここで、Yは、C末端アミノ酸(ここでは、DSer)の側基または主鎖との反応を介してZに結合することができる);
(c)
(ここで、Yは、マレイミドとの反応を介してZに結合することができる);
(d)
(ここで、Yは、ビニルスルホンとの反応を介してZに結合することができる);
(e)
(ここで、Yは、イソチオシアナートとの反応を介してZに結合することができる);
(f)
(ここで、Yは、マレイミドとの反応を介してZに結合することができる);または
(g)
(ここで、Yは、ブロモアセトアミドとの反応を介してZに結合することができる)であり得る。他の実施形態では、上記(a)〜(g)のDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−部分を、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−で置き換えることができる。
一部の実施形態では、Zは、約2500アミノ酸以下を含む、約300,000以下の分子質量を有する、または両方であるアミノ酸配列である。ある特定の実施形態では、Zは、約2000アミノ酸以下、約1500アミノ酸以下、約1000アミノ酸以下、約500アミノ酸以下または約250アミノ酸以下を含み得る。別の実施形態では、Zは、約250,000以下、約200,000以下、約150,000以下、約100,000以下または約50,000以下の分子質量を有する。分子質量を、任意の適切な方法を使用して(例えば、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、分析用超遠心分離、光散乱、または質量分析(例えば、エレクトスプレー/イオン化(ESI)およびマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI))の使用が含まれる)決定することができる。別段の指定がない限り、分子質量を、MALDIを使用して決定する。
ある特定の実施形態では、異常アミノ酸(その構造によって規定されるそのL型またはD型または任意のその立体異性体)は、Zアミノ酸配列に存在し得る。
ある特定の実施形態では、Zは、以下を含むがそれに限定されない、任意の適切なコンジュゲーションを使用してYに結合させる:(a)ジスルフィド結合、(b)Yの異常アミノ酸、Yのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の修飾側基、Yのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の修飾主鎖、またはYのその組み合わせに結合したZ由来のチオール、(c)Zの異常アミノ酸、Zのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の修飾側基、Zのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の修飾主鎖、またはZのその組み合わせに結合したY由来のチオール、(d)Zの異常アミノ酸、Zのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の修飾側基、Zのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の修飾主鎖、またはYの異常アミノ酸、Yのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の修飾側基、Yのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の修飾主鎖、またはYのその組み合わせに結合したZのその組み合わせ。ある特定の実施形態では、修飾側基を有するアミノ酸は、アミノ側基を有するアミノ酸である(例えば、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、またはヒスチジン)。ある特定の実施形態では、修飾側基を有するアミノ酸は、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、またはヒスチジンである。ある特定の実施形態では、アミノ酸の修飾側基は、マレイミド(例えば、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、またはヒスチジン)、アセタート(例えば、アミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、またはチロシン)のヒドロキシへのブロモアセタート付加を介する)、またはカルボキシル(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)を含む。抱合のいくつかの例には、ジスルフィド結合、Yのアミノ酸のマレイミド修飾アミノ側基に結合したZのチオール、Zのアミノ酸のマレイミド修飾アミノ側基に結合したYのチオール、Yのマレイミド修飾リジンに結合したZのチオール、Zのマレイミド修飾リジンに結合したYのチオール、Yのマレイミド修飾オルニチンに結合したZのチオール、Zのマレイミド修飾オルニチンに結合したYのチオール、Yのマレイミド修飾2,4−ジアミノ酪酸に結合したZのチオール、Zのマレイミド修飾2,4−ジアミノ酪酸に結合したYのチオール、Yのマレイミド修飾2,3−ジアミノプロピオン酸に結合したZのチオール、またはZのマレイミド修飾2,3−ジアミノプロピオン酸に結合したYのチオールが含まれるが、これらに限定されない。コンジュゲーションのいくつかの例には、ジスルフィド結合、Yのマレイミド修飾リジンに結合したZのチオール、Zのマレイミド修飾リジンに結合したYのチオール、Yのマレイミド修飾オルニチンに結合したZのチオール、Zのマレイミド修飾オルニチンに結合したYのチオール、Yのマレイミド修飾2,4−ジアミノ酪酸に結合したZのチオール、Zのマレイミド修飾2,4−ジアミノ酪酸に結合したYのチオール、Yのマレイミド修飾2,3−ジアミノプロピオン酸に結合したZのチオール、またはZのマレイミド修飾2,3−ジアミノプロピオン酸に結合したYのチオールが含まれるが、これらに限定されない。コンジュゲーションのいくつかの例には、ジスルフィド結合、Yのマレイミド修飾リジンに結合したZのチオール、またはZのマレイミド修飾リジンに結合したYのチオールが含まれるが、これらに限定されない。
他の実施形態では、Zは、以下を含むがそれに限定されない、任意の適切なコンジュゲーションを使用してYに結合させる:(a)Yが、Z上のアミンとの反応を介してZに結合する前に、適切なアミン反応基(例えば、イソチオシアナート、イソシアナート、アシルアジド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、スルホニルクロリド、ビニルスルホン、アルデヒド、ケトン、グリオキサール、エポキシド、オキシラン、カルボナート、アリール化剤(例えば、アリールハライド)、イミドエステル、イミダート、カルボジイミド、無水物、ハロアセチル(例えば、ブロモアセトアミド)、またはマレイミド)を含むこと、(b)Yが、Z上のスルフヒドリルとの反応を介してZに結合する前に、適切なチオール反応基(例えば、ハロアセチル(例えば、ブロモアセトアミド)、ベンジルハライド、ハロゲン化アルキル、マレイミド、アジリジン、アクリロイル、アリール化剤、またはチオール−ジスルフィド交換官能基(例えば、ピリジルジスルフィドまたは5−チオ−2−ニトロ安息香酸))を含むこと、(c)Yが、Z上のカルボキシラートとの反応を介してZに結合する前に、適切なカルボキシラート反応基(例えば、ジアゾアルキル、ジアゾアセチル、ジアゾアセタート、カルボニルジイミダゾール(N−アシルイミダゾールを介したN,N’−カルボニルジイミダゾールなど)、またはカルボジイミド)を含むこと、(d)Yが、Z上のヒドロキシルとの反応を介してZに結合する前に、適切なヒドロキシル反応基(例えば、エポキシド、オキシラン、カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカルボナート、N−ヒドロキシスクシンイミジルクロロホルマート、過酸化物酸化由来の基、酵素酸化由来の基、アルキルハロゲン、またはイソシアナート)を含むこと、(e)Yが、Z上のアルデヒドまたはケトンとの反応を介してZに結合する前に、適切なアルデヒド反応基またはケトン反応基(例えば、ヒドラジン誘導体、アミンを介したシッフ塩基形成、シッフ塩基を介した還元的アミノ化、またはアミンを介したマンニッヒ縮合)を含むこと、または(f)Yが、Z上の反応性水素との反応を介してZに結合する前に、適切な水素反応基(例えば、ジアゾニウムまたはアミンを介したマンニッヒ縮合)を含むこと。
他の実施形態では、Yは、以下を含むがそれに限定されない、任意の適切なコンジュゲーションを使用してZに結合させる:(a)Zが、Y上のアミンとの反応を介してYに結合する前に、適切なアミン反応基(例えば、イソチオシアナート、イソシアナート、アシルアジド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、スルホニルクロリド、ビニルスルホン、アルデヒド、ケトン、グリオキサール、エポキシド、オキシラン、カルボナート、アリール化剤(例えば、アリールハライド)、イミドエステル、イミダート、カルボジイミド、無水物、ハロアセチル(例えば、ブロモアセトアミド)、またはマレイミド)を含むこと、(b)Zが、Y上のスルフヒドリルとの反応を介してYに結合する前に、適切なチオール反応基(例えば、ハロアセチル(例えば、ブロモアセトアミド)、ベンジルハライド、ハロゲン化アルキル、マレイミド、アジリジン、アクリロイル、アリール化剤、またはチオール−ジスルフィド交換官能基(例えば、ピリジルジスルフィドまたは5−チオ−2−ニトロ安息香酸))を含むこと、(c)Zが、Y上のカルボキシラートとの反応を介してYに結合する前に、適切なカルボキシラート反応基(例えば、ジアゾアルキル、ジアゾアセチル、ジアゾアセタート、カルボニルジイミダゾール(N−アシルイミダゾールを介したN,N’−カルボニルジイミダゾールなど)、またはカルボジイミド)を含むこと、(d)Zが、Y上のヒドロキシルとの反応を介してYに結合する前に、適切なヒドロキシル反応基(例えば、エポキシド、オキシラン、カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカルボナート、N−ヒドロキシスクシンイミジルクロロホルマート、過酸化物酸化由来の基、酵素酸化由来の基、アルキルハロゲン、またはイソシアナート)を含むこと、(e)Zが、Y上のアルデヒドまたはケトンとの反応を介してYに結合する前に、適切なアルデヒド反応基またはケトン反応基(例えば、ヒドラジン誘導体、アミンを介したシッフ塩基形成、シッフ塩基を介した還元的アミノ化、またはアミンを介したマンニッヒ縮合)を含むこと、または(f)Zが、Y上の反応性水素との反応を介してYに結合する前に、適切な水素反応基(例えば、ジアゾニウムまたはアミンを介したマンニッヒ縮合)を含むこと。
いくつかの実施形態では、コンジュゲーション反応溶液のpHの変化により、コンジュゲーション反応のコンジュゲーション優先度を変更することができる。例えば、ハロアセチル(例えば、ブロモアセトアミド)および/またはマレイミドは、ある特定のpH条件下で(例えば、アミンと反応させるために使用されるpHより低いpH、約pH7以下、または約pH6以下)、チオールと優先的に反応することができる。他の例では、ハロアセチル(例えば、ブロモアセトアミド)および/またはマレイミドは、ある特定のpH条件下で(例えば、チオールと反応させるために使用されるpHより高いpH、少なくとも約pH7、または少なくとも約pH8)、アミンと優先的に反応することができる。
他の実施形態では、任意の適切な光反応性化学反応を使用してYをZに結合させるかZをYに結合させることができ、光反応性化学反応には、UV光をある特定の化学物質(アリールアジド、ハロゲン化アリールアジド、ベンゾフェノン、ジアゾ化合物、またはジアジリンが含まれるが、これらに限定されない)と共に用いる化学反応を含むプロセスが含まれるが、これに限定されない。
他の実施形態では、Yは、任意の適切なコンジュゲーションを使用してZに結合し、ここで、コンジュゲーションには、以下が含まれるが、これらに限定されない:Yが、Z部分(例えば、カルボキシラート)との反応を介してZに結合する前に、ある部分と反応させるために活性化された(例えば、カルボキシラートと反応させるために活性化された)適切な基を含むこと。ある特定の実施形態では、Yは、Zに結合する前に、活性化された(例えば、カルボキシラートと反応させるために活性化された)基を含み、この基には、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、イソシアナート、イソチオシアナート、ビニルスルホン、アミン、ジアゾアルキル、ジアゾアセチル、ジアゾアセタート、カルボニルジイミダゾール(例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾールまたはN−アシルイミダゾール)、またはカルボジイミドが含まれるが、これらに限定されない。Yが活性化された(例えば、カルボキシラートと反応させるために活性化された)基を含む場合、活性化された基を含むアミノ酸は、天然に存在するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、グルタミン、またはアスパラギン)、異常アミノ酸(例えば、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、または2,2’−ジアミノピメリン酸)、修飾された天然に存在するアミノ酸、または修飾された異常アミノ酸であり得る。修飾された天然に存在するアミノ酸の修飾または修飾された異常アミノ酸の修飾は、主鎖内、側基内、またはその両方で起こり得る。Yは、1つまたは複数の活性化された(例えば、カルボキシラートと反応させるために活性化された)基を含むことができ;活性化された(例えば、カルボキシラートと反応させるために活性化された)基のうちの1つを使用するか、使用しないで、YをZに結合させることができる(しかし、必ずしもそうではない)。
他の実施形態では、Zは、任意の適切なコンジュゲーションを使用してYに結合し、ここで、コンジュゲーションには、以下が含まれるが、これらに限定されない:Zが、Y部分(例えば、カルボキシラート)との反応を介してYに結合する前に、ある部分と反応させるために活性化された(例えば、カルボキシラートと反応させるために活性化された)適切な基を含むこと。ある特定の実施形態では、Zは、Yに結合する前に、活性化された(例えば、カルボキシラートと反応させるために活性化された)基を含み、この基には、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、イソシアナート、イソチオシアナート、ビニルスルホン、アミン、ジアゾアルキル、ジアゾアセチル、ジアゾアセタート、カルボニルジイミダゾール(例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾールまたはN−アシルイミダゾール)、またはカルボジイミドが含まれるが、これらに限定されない。Yが活性化された(例えば、カルボキシラートと反応させるために活性化された)基を含む場合、活性化された基を含むアミノ酸は、天然に存在するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、グルタミン、またはアスパラギン)、異常アミノ酸(例えば、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、または2,2’−ジアミノピメリン酸)、修飾された天然に存在するアミノ酸、または修飾された異常アミノ酸であり得る。修飾された天然に存在するアミノ酸の修飾または修飾された異常アミノ酸の修飾は、主鎖内、側基内、またはその両方で起こり得る。Zは、1つまたは複数の活性化された(例えば、カルボキシラートと反応させるために活性化された)基を含むことができ;1つまたは複数の活性化された(例えば、カルボキシラートと反応させるために活性化された)基を使用するか、使用しないで、ZをYに結合させることができる(しかし、必ずしもそうではない)。
YのZへの適切な結合またはZのYへの適切な結合の非限定的な例を、例えば、“Bioconjugate Techniques,Third Edition” by Greg T.Hermanson,Academic Press,2013(例えば、第2章および第3章を参照のこと)または“Bioconjugate Techniques” by Greg T.Hermanson,Academic Press,1996(例えば、第2章を参照のこと)に見出すことができる。
いくつかの実施形態では、Zを、Y上の任意の適切なアミノ酸(YのN末端アミノ酸、YのC末端アミノ酸、YのN末端アミノ酸に隣接するアミノ酸、YのC末端アミノ酸に隣接するアミノ酸、YのN末端アミノ酸に隣接するアミノ酸の次のアミノ酸、またはYのC末端アミノ酸に隣接するアミノ酸の次のアミノ酸が含まれるが、これらに限定されない)に結合することができる。
いくつかの実施形態では、Zアミノ酸配列は、ターゲティングアミノ酸配列を含む。別段の指示がない限り、用語「標的にするための(to target)」または「ターゲティング」(またはそのバリエーション)は、Zが式(I)に結合しない場合、Zは、標的(例えば、細胞、組織、または臓器)に親和性を有するか、その標的を指向するか(直接または間接的)、その標的に行き着く(end up)ことを意味し;同様に、式(I)が、「標的にするために」または「ターゲティングするための」(またはそのバリエーション)Zを含む場合、式(I)は、標的(例えば、細胞、組織、または臓器)に親和性を有するか、その標的を指向するか(直接または間接的)、その標的に行き着くことを意味する。ターゲティングアミノ酸配列は、タンパク質、変異タンパク質、タンパク質のフラグメント、または変異タンパク質のフラグメントであり得る。
フラグメントの長さを、1つまたは複数の所望の性質または機能(例えば、所望の標的のターゲティング)に応じて適切に変化させることができる。変異体は、いくらかの程度の1つまたは複数の所望の性質または機能を提供する(例えば、ターゲティングアミノ酸配列において、所望の機能は、所望の標的へのターゲティングであり得るが、これに限定されない)。いくつかの例では、保存的置換は、1つまたは複数の所望の性質または機能(例えば、所望の標的へのターゲティング)を最小限に破壊する(または増強することができる)。
いくつかの実施形態では、ターゲティングアミノ酸配列は、制限されないが、炎症に関連する細胞(例えば、動物の体内の組織または臓器における細胞)、臓器(例えば、腎臓、心臓、肝臓、小腸、膵臓、肺、気管、皮膚、角膜、骨髄、または四肢)、またはその組み合わせを標的にすることができる。他の実施形態では、ターゲティングアミノ酸配列の標的は、制限されないが、T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞またはヘルパーT細胞)、活性化T細胞、分化T細胞、エフェクター細胞、移植された臓器(例えば、同種移植片臓器移植、異種移植片臓器移植、クローン化臓器移植、または3Dプリント臓器移植(3D printed organ transplant))、超急性拒絶を受けている臓器、急性拒絶を受けている臓器、慢性拒絶を受けている臓器、自己免疫疾患に関連する臓器、組織、もしくは細胞、炎症に関連する臓器、組織もしくは細胞、炎症を生じている臓器もしくは組織(例えば、自己免疫疾患、臓器移植、傷害、または感染に起因する)、またはその組み合わせであり得る。炎症を生じている臓器または組織には、腎臓、心臓、肝臓、小腸、膵臓、肺、気管、皮膚、角膜、骨髄、四肢、関節(例えば、膝、股関節部、肩、手首、または足首)、軟骨、滑膜線維芽細胞、滑膜、または自己免疫疾患に罹患している組織もしくは臓器が含まれ得るが、これらに限定されない。ターゲティングアミノ酸配列の標的となり得る自己免疫疾患には、心筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、亜急性細菌性心内膜炎、腎臓、抗糸球体基底膜腎炎、間質性膀胱炎、ループス腎炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、アンチシンセターゼ症候群、皮膚、円形脱毛症、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性プロゲステロン皮膚炎、自己免疫性蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、円板状エリテマトーデス、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、妊娠性類天疱瘡、化膿性汗腺炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、線状IgA病、限局性強皮症、尋常性天疱瘡、急性苔癬状痘瘡状粃糠疹、ムッハ・ハーベルマン病、乾癬、全身性強皮症、白斑、アジソン病、自己免疫性多内分泌腺症候群、自己免疫性多内分泌腺症候群3型、自己免疫性膵炎、1型糖尿病、自己免疫性甲状腺炎、オード甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性卵巣炎、子宮内膜症、自己免疫性精巣炎、シェーグレン症候群(Sjogren’s sysndrome)、自己免疫性腸症、炎症性腸疾患、セリアック病、クローン病、顕微鏡的大腸炎、潰瘍性大腸炎、抗リン脂質症候群、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性リンパ増殖性症候群、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性血小板減少性紫斑、寒冷凝集素病、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、IgG4関連全身性疾患、発作性夜間血色素尿症、発作性夜間血色素尿症、悪性貧血、赤芽球ろう、血小板減少症、有痛性脂肪症、成人発症スティル病、強直性脊椎炎、CREST症候群、薬物誘発性ループス、腱付着部炎関連関節炎、骨関節炎、好酸球性筋膜炎、フェルティ症候群、若年性関節炎、ライム病(慢性)、混合性結合組織病、回帰性リウマチ、パリー・ロンベルク症候群、パーソネージ・ターナー症候群、乾癬性関節炎、反応性関節炎、再発性多発性軟骨炎、後腹膜線維症、リウマチ熱、サルコイドーシス、シュニッツラー症候群、全身性エリテマトーデス、未分化結合組織病、皮膚筋炎、線維筋痛症、封入体筋炎、筋炎、重症筋無力症、神経性筋強直症、腫瘍随伴性小脳変性症、多発性筋炎、急性散在性脳脊髄炎、急性運動性軸索性神経障害、抗NメチルDアスパラギン酸受容体脳炎、バロー同心円性硬化症、ビッカースタッフ脳炎、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー、ギラン・バレー症候群、橋本脳症、特発性炎症性脱髄疾患、ランバート・イートン筋無力症候群(Lamber−Eaton myasthenic syndrome)、多発性硬化症、連鎖球菌関連小児自己免疫性神経精神障害、進行性炎症性神経障害、レストレス・レッグ症候群、スティッフパーソン症候群、シデナム舞踏病、横断性脊髄炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性ブドウ膜炎、コーガン症候群、グレーブス眼症、中間部ブドウ膜炎、木質結膜炎、モーレン潰瘍、視神経脊髄炎、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、強膜炎、スザック症候群、交感性眼炎、トロサ・ハント症候群、自己免疫性内耳疾患、メニエール病、抗好中球細胞質抗体関連血管炎、ベーチェット病、チャーグ−ストラウス症候群、巨細胞動脈炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、川崎病、白血球破砕性血管炎、ループス血管炎、リウマトイド血管炎、顕微鏡的多発血管炎、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発筋痛、蕁麻疹様血管炎、脈管炎、慢性疲労症候群、複合性局所疼痛症候群、好酸球性食道炎、胃炎、POEMS症候群、レイノー現象、原発性免疫不全、または壊疽性膿皮症が含まれるが、これらに限定されない。他の実施形態では、ターゲティングアミノ酸配列の標的になり得る自己免疫疾患は、関節炎、骨関節炎、関節リウマチ、または潰瘍性大腸炎であり得る。
ある特定の実施形態では、ターゲティングアミノ酸配列は、ソマトスタチン、ソマトスタチンアナログ、ボンベシン、ボンベシンアナログ(例えば、ニューロメジンB、ガストリン放出ペプチド)、抗体(例えば、非ヒト動物(イヌ、マウス、またはラットなどであるがこれらに限定されない)由来のヒト化または部分的にヒト化された抗体)、ポリクローナル抗体(例えば、非ヒト動物(イヌ、マウス、またはラットなどであるがこれらに限定されない)由来のヒト化または部分的にヒト化されたポリクローナル抗体)、モノクローナル抗体(例えば、非ヒト動物(イヌ、マウス、またはラットなどであるがこれらに限定されない)由来のヒト化または部分的にヒト化されたモノクローナル抗体)、T細胞を標的にするポリクローナル抗体(例えば、非ヒト動物(イヌ、マウス、またはラットなどであるがこれらに限定されない)由来のヒト化または部分的にヒト化されたT細胞を標的にするポリクローナル抗体)、T細胞を標的にするモノクローナル抗体(例えば、非ヒト動物(イヌ、マウス、またはラットなどであるがこれらに限定されない)由来のヒト化または部分的にヒト化されたT細胞を標的にするモノクローナル抗体)、血管接着タンパク質1を標的にするポリクローナル抗体(例えば、非ヒト動物(イヌ、マウス、またはラットなどであるがこれらに限定されない)由来のヒト化または部分的にヒト化された血管接着タンパク質1を標的にするポリクローナル抗体)、血管接着タンパク質1を標的にするモノクローナル抗体(例えば、非ヒト動物(イヌ、マウス、またはラットなどであるがこれらに限定されない)由来のヒト化または部分的にヒト化された血管接着タンパク質1を標的にするモノクローナル抗体)、炎症性内皮細胞を標的にするペプチド(例えば、GGGGKGGGG(配列番号1)またはCARLSLSWRGLTLCPSK(配列番号2))、インテグリンαvβ3を標的にするペプチド(例えば、RGDベースのペプチド(RGD、RGD2、RGD3、RGD4、RGD5などであるがこれらに限定されない))、マウスベースの抗体(例えば、ヒトにおいてヒト抗マウス抗体の誘導を最小にする用量で使用される)、ベシレソマブ、ファノレソマブ、スレソマブ、抗菌ペプチド(例えば、ヒトラクトフェリン、ユビキシジン、ユビキシジン29−41ペプチドフラグメント、ヒト好中球ペプチド1〜3)、アネキシン−V、IL−2、IL−12、TNFαに対するモノクローナル抗体(例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ)、CD4に対するモノクローナル抗体(例えば、EP1645フラグメント(Biotectid GmbH、Germany))、CD20に対するモノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ)、CD3に対するモノクローナル抗体(例えば、ムロモナブ、ビジリズマブ)、KJ1−26モノクローナル抗体(例えば、cOVA−TCR特異的モノクローナル抗体およびそのF(ab’)2フラグメント)、トランスフェリン、アルブミン、ヒト血清アルブミン(HSA)、HSAのドメインI、HSAのドメインII、HSAのドメインIII、ウシ血清アルブミン(BSA)、操作されたアルブミン(例えば、NovozymesのVeltis(登録商標))、その変異体もしくはそのフラグメント(例えば、抗体のF(ab’)2フラグメント)(変異体のフラグメントが含まれる)であり得る。ある特定の実施形態では、ターゲティングアミノ酸配列を、組換えによって作製することができるか(例えば、CHO細胞で)、天然供給源から精製することができる。さらに他の実施形態では、ターゲティングアミノ酸配列は、BSA、HSA、またはトランスフェリンであり得る。
いくつかの実施形態では、ターゲティングアミノ酸配列は、ソマトスタチンまたはソマトスタチンアナログであり得る。ソマトスタチンは、Ala−Gly−Cys−Lys−Asn−Phe−Phe−Trp−Lys−Thr−Phe−Thr−Ser−Cys−NH2(配列番号3)である。ある特定の実施形態では、ソマトスタチンアナログは、その配列がソマトスタチンと類似するが、1つまたは複数の所望の性質または機能(例えば、ターゲティングまたは循環における安定性)を依然として保持するポリペプチドであり得る。いくつかの例では、ソマトスタチンアナログは、ソマトスタチンの1つまたは複数の変異を含む。いくつかの例では、ソマトスタチンアナログは、ソマトスタチン由来の1つまたは複数の保存的置換を含む。他の例では、ソマトスタチンアナログは、ソマトスタチンと同一の(例えば、同じ相対的位置で)少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個のアミノ酸を含む。いくつかの例では、ソマトスタチンアナログは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個のアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、ソマトスタチンアナログは環状であり得るか、少なくとも1つの環状構造を含み;例えば、2つのシステイン間のジスルフィド結合の形成によって環化し得る。いくつかの実施形態では、ソマトスタチンアナログは、オクトレオチド、オクトレオタート、ランレオチド、またはパシレオチドであり得る。
いくつかの実施形態では、ターゲティングアミノ酸配列は、ボンベシンまたはボンベシンアナログであり得る。ボンベシンは、Pyr−Gln−Arg−Leu−Gly−Asn−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Met−NH2(配列番号4)である。ある特定の実施形態では、ボンベシンアナログは、その配列がボンベシンと類似するが、1つまたは複数の所望の性質または機能(例えば、ターゲティングまたは循環における安定性)を依然として保持するポリペプチドであり得る。いくつかの例では、ボンベシンアナログは、ボンベシンの1つまたは複数の変異を含む。いくつかの例では、ボンベシンアナログは、ボンベシンの1つまたは複数の保存的置換を含む。他の例では、ボンベシンアナログは、ボンベシンと同一の(例えば、同じ相対的位置で)少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個のアミノ酸を含む。いくつかの例では、ボンベシンアナログは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個のアミノ酸を含む。ある特定の実施形態では、ボンベシンアナログは環状であり得るか、少なくとも1つの環状構造を含み;例えば、2つのシステイン間のジスルフィド結合の形成によって環化し得る。いくつかの実施形態では、ボンベシンアナログは、ニューロメジンB(例えば、TPFSWDLPEPRSRASKIRVHPRGNLWATGHFM−NH2、配列番号5)、ニューロメジンB23−32(例えば、GNLWATGHFM−NH2、配列番号6)、ガストリン放出ペプチド(例えば、VPLPAGGGTVLTKMYPRGNHWAVGHLM−NH2、配列番号7、またはニューロメジンC GSHWAVGHLM−NH2、配列番号8)、またはGNHWAVGHLM−NH2、配列番号9であり得る。
他の実施形態では、Zアミノ酸配列は、化合物を安定化する安定化アミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、ターゲティングアミノ酸配列は、安定化アミノ酸配列と重複するか、安定化アミノ酸配列を包含するか、安定化アミノ酸配列と同一であるか、安定化アミノ酸配列と重複しない。いくつかの実施形態では、ターゲティングアミノ酸配列を、安定化アミノ酸配列と融合させるか、安定化アミノ酸配列とコンジュゲートさせる。化合物の安定化には、例えば、化合物の任意の適切な所望の性質または機能の維持または調整(例えば、増加または減少(水溶性(例えば、増加)、血中半減期(例えば、増加)、標的への到達前の体内半減期(例えば、増加)、標的への到達前の循環中での安定性(例えば、増加)、腎臓による吸収の防止または減少、または脳による吸収の防止または減少が含まれるが、これらに限定されない)が含まれ得る。
安定化アミノ酸配列は、ある特定の実施形態では、タンパク質、変異タンパク質、タンパク質のフラグメント、または変異タンパク質のフラグメントであり得る。フラグメントの長さを、1つまたは複数の所望の性質または機能(例えば、化合物の安定化)に応じて適切に変化させることができる。いくつかの例では、変異は、いくらかの程度の1つまたは複数の所望の性質または機能(化合物の安定化など)を維持(または増強)しながら安定化アミノ酸配列に対する適切な修飾を含み得る。いくつかの例では、保存的置換は、1つまたは複数の所望の性質または機能(例えば、化合物の安定化)を最小限に破壊する(または増強することができる)。
いくつかの実施形態では、安定化アミノ酸配列は、アルブミン、ヒト血清アルブミン(HSA)、HSAのドメインI、HSAのドメインII、HSAのドメインIII、ウシ血清アルブミン(BSA)、操作されたアルブミン(例えば、NovozymesのVeltis(登録商標))、カゼイン、インスリン、ヘモグロビン、リゾチーム、α−2−マクログロビン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、フィブリノネクチン、リパーゼ、その変異体、またはそのフラグメント(変異体のフラグメントが含まれる)であり得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、安定化アミノ酸配列を、組換えによって作製することができるか(例えば、CHO細胞で)、天然供給源から精製することができる。さらに他の実施形態では、安定化アミノ酸配列は、BSAまたはHSAであり得る。
いくつかの実施形態では、R1、R2、X、n、およびYの組み合わせ(すなわち、Z(例えば、HSAまたはBSA)がまだ結合していない)には、例えば、以下が含まれ得る。
(a)R1はアリルであり、R2はHであり、Xはメチルであり、nは1であり、YはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Yは、リジン上の側鎖基アミノとの反応を介してZに結合することができること;
(b)R1はアリルであり、R2はHであり、Xはジメチル置換されたC1(すなわち、R3およびR4が両方メチルである)であり、nは1であり、YはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Yは、リジン上の側鎖基アミノとの反応を介してZに結合することができること;
(c)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、YはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Yは、リジン上の側鎖基アミノとの反応を介してZに結合することができること;
(d)R1はアリルであり;R2はHであり;Xはメチルであり;nは1であり;Yは、
であり;ここで、Yは、マレイミドとの反応を介してZに結合することができること;
(e)R1はアリルであり;R2はHであり;Xはジメチル置換C1であり(すなわち、R3およびR4は共にメチルである);nは1であり;Yは、
であり;ここで、Yは、マレイミドとの反応を介してZに結合することができること;
(f)R1はアリルであり;R2はHであり;Xは2価のベンゼンであり;nは1であり;Yは、
であり;ここで、Yは、マレイミドとの反応を介してZに結合することができること;
(g)R1はアリルであり;R2はHであり;Xはメチルであり;nは1であり;Yは、
であり;ここで、Yは、ビニルスルホンとの反応を介してZに結合することができること;
(h)R1はアリルであり;R2はHであり;Xはジメチル置換C1であり(すなわち、R3およびR4は共にメチルである);nは1であり;Yは、
であり;ここで、Yは、ビニルスルホンとの反応を介してZに結合することができること;
(i)R1はアリルであり;R2はHであり;Xは2価のベンゼンであり;nは1であり;Yは、
であり;ここで、Yは、ビニルスルホンとの反応を介してZに結合することができること;
(j)R1はアリルであり;R2はHであり;Xはメチルであり;nは1であり;Yは、
であり;ここで、Yは、イソチオシアナートとの反応を介してZに結合することができること;
(k)R1はアリルであり;R2はHであり;Xはジメチル置換C1であり(すなわち、R3およびR4は共にメチルである);nは1であり;Yは、
であり;ここで、Yは、イソチオシアナートとの反応を介してZに結合することができること;または
(l)R1はアリルであり;R2はHであり;Xは2価のベンゼンであり;nは1であり;Yは、
であり;ここで、Yは、イソチオシアナートとの反応を介してZに結合することができること。
一部の実施形態では、式(I)は、例えば、
(a)R1はアリルであり、R2はメチルであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはマレイミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(b)R1はアリルであり、R2はメチルであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはブロモアセトアミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(c)R1はアリルであり、R2はメチルであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、Zはソマトスタチンである;
(d)R1はアリルであり、R2はメチルであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはBSAまたはHSAである;
(e)R1はアリルであり、R2はメチルであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはDSer−Ser−DSer−Ser−DSer−Nle−DTyr−DSer−Cys−Phe−DTrp−Lys−Thr−Cys−Thr−NH2である;
(f)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはマレイミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(g)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはブロモアセトアミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(h)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、Zはソマトスタチンである;
(i)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはBSAまたはHSAである;
(j)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはDSer−Ser−DSer−Ser−DSer−Nle−DTyr−DSer−Cys−Phe−DTrp−Lys−Thr−Cys−Thr−NH2である;
(k)R1はエチルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはマレイミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(l)R1はエチルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはブロモアセトアミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(m)R1はエチルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、Zはソマトスタチンである;
(n)R1はエチルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはBSAまたはHSAである;
(o)R1はエチルであり、R2はHであり、Xは2価のベンゼンであり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはDSer−Ser−DSer−Ser−DSer−Nle−DTyr−DSer−Cys−Phe−DTrp−Lys−Thr−Cys−Thr−NH2である;
(p)R1はアリルであり、R2はメチルであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはマレイミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(q)R1はアリルであり、R2はメチルであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはブロモアセトアミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(r)R1はアリルであり、R2はメチルであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、Zはソマトスタチンである;
(s)R1はアリルであり、R2はメチルであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはBSAまたはHSAである;
(t)R1はアリルであり、R2はメチルであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはDSer−Ser−DSer−Ser−DSer−Nle−DTyr−DSer−Cys−Phe−DTrp−Lys−Thr−Cys−Thr−NH2である;
(u)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはマレイミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(v)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはブロモアセトアミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(w)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、Zはソマトスタチンである;
(x)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはBSAまたはHSAである;
(y)R1はアリルであり、R2はHであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはDSer−Ser−DSer−Ser−DSer−Nle−DTyr−DSer−Cys−Phe−DTrp−Lys−Thr−Cys−Thr−NH2である;
(z)R1はエチルであり、R2はHであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはマレイミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(aa)R1はエチルであり、R2はHであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ここで、Y中の側鎖アミノはブロモアセトアミドで修飾されており;ZはBSAまたはHSAである;
(bb)R1はエチルであり、R2はHであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、Zはソマトスタチンである;
(cc)R1はエチルであり、R2はHであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはBSAまたはHSAである;あるいは
(dd)R1はエチルであり、R2はHであり、Xは非置換のC1であり、nは1であり、mは1であり、YはDSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2、DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−Asp−DAsp−Asp−DAsp−NH2またはDAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2であり、ZはDSer−Ser−DSer−Ser−DSer−Nle−DTyr−DSer−Cys−Phe−DTrp−Lys−Thr−Cys−Thr−NH2である。
さらに別の実施形態では、式(I)は、例えば、
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する);
(BSAへの結合がBSAシステインチオールを介するまたはBSAアミンを介する)であり得る。
さらに別の実施形態では、式(I)は、例えば、
(HSAへの結合がHSAシステインチオールを介するまたはHSAアミンを介する);
(HSAへの結合がHSAシステインチオールを介するまたはHSAアミンを介する);
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(HSAへの結合がHSAシステインチオールを介するまたはHSAアミンを介する);
(HSAへの結合がHSAシステインチオールを介するまたはHSAアミンを介する);または
(HSAへの結合がHSAシステインチオールを介するまたはHSAアミンを介する)であり得る。
薬学的組成物を含む組成物
1つまたは複数の式(I)の化合物は、組成物の部分であり得、少なくとも約0.0001%、少なくとも約0.001%、少なくとも約0.10%、少なくとも約0.15%、少なくとも約0.20%、少なくとも約0.25%、少なくとも約0.50%、少なくとも約0.75%、少なくとも約1%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.99%、約75%以下、約90%以下以下、約95%以下、約99%以下または約99.99%以下、約0.0001%〜約99%、約0.0001%〜約50%、約0.01%〜約95%、約1%〜約95%、約10%〜約90%または約25%〜約75%の量(全組成物の重量基準で)であり得る。
1つまたは複数の式(I)の化合物は、少なくとも約0.0001%、少なくとも約0.001%、少なくとも約0.10%、少なくとも約0.15%、少なくとも約0.20%、少なくとも約0.25%、少なくとも約0.50%、少なくとも約0.75%、少なくとも約1%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.99%、約75%以下、約90%以下、約95%以下、約99%以下、約99.99%以下、約0.0001%〜約99%、約0.0001%〜約50%、約0.01%〜約95%、約1%〜約95%、約10%〜約90%または約25%〜約75%.の量(全組成物の重量基準で)で精製または単離されていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、式(I)の化合物を含む組成物を含む。ある特定の実施形態では、組成物は、薬学的組成物(動物(例えば、哺乳動物、霊長類、サル、ヒト、イヌ、ネコ、ブタ、マウス、ウサギ、またはラット)への投与に適切な組成物など)である。いくつかの例では、薬学的組成物は、無毒であるか、副作用を引き起こさないか、その両方である。いくつかの実施形態では、固有の副作用が存在し得る(例えば、患者を害し得るか、患者によってはいくらかの程度で有毒または有害であり得る)。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、薬学的組成物の部分であり得、少なくとも約0.0001%、少なくとも約0.001%、少なくとも約0.10%、少なくとも約0.15%、少なくとも約0.20%、少なくとも約0.25%、少なくとも約0.50%、少なくとも約0.75%、少なくとも約1%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.99%、約75%以下、約90%以下、約95%以下、約99%以下、約99.99%以下、約0.001%〜約99%、約0.001%〜約50%、約0.1%〜約99%、約1%〜約95%、約10%〜約90%または約25%〜約75%の量であり得る。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、局所、皮下、髄腔内(intrathecal)、腹腔内、経口、非経口、直腸、皮膚、鼻、膣、または眼への投与経路に適切な投薬形態で存在し得る。別の実施形態では、薬学的組成物は、非経口投与、粘膜投与、静脈内投与、皮下投与、局所投与、皮内投与、経口投与、舌下投与、鼻腔内投与、または筋肉内投与に適切な投薬形態で存在し得る。薬学的組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸薬、粉剤・散剤(powder)、顆粒剤、懸濁剤、乳剤、液剤、ゲル剤(ヒドロゲルが含まれる)、ペースト剤、軟膏剤、クリーム剤、プラスター剤、水剤、送達デバイス、坐剤、浣腸剤、注射剤、埋没物(implant)、噴霧剤、エアロゾルの形態、または他の適切な形態であり得る。
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、1つまたは複数の処方集の成分(formulary ingredient)を含み得る。「処方集の成分」は、任意の適切な成分(例えば、薬物(複数可)に、薬物(複数可)の投薬量に、薬物(複数可)の放出タイミングに、疾患に、病状に、臓器に、または送達経路に適切な成分)(水(例えば、湯冷まし、蒸留水、濾過水、発熱物質を含まない水、またはクロロホルム含有水)、糖(例えば、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、またはこれらから作製したシロップ)、エタノール、グリセロール、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、アセトン、エーテル、DMSO、界面活性剤(例えば、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、または非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート))、油(例えば、動物油、植物油(例えば、ココナッツ油またはラッカセイ油)、または鉱油)、油誘導体(例えば、オレイン酸エチル、モノステアリン酸グリセリル、または水素化グリセリド)、賦形剤、防腐剤(例えば、システイン、メチオニン、抗酸化剤(例えば、ビタミン(例えば、A、E、またはC)、セレン、レチニルパルミタート、クエン酸ナトリウム、クエン酸、クロロホルム、またはパラベン(例えば、メチルパラベンまたはプロピルパラベン))、またはその組み合わせが含まれるが、これらに限定されない)であり得る。
ある特定の実施形態では、薬学的組成物を、投与の実質的直後、または任意の実質的に所定の時間、または投与後の時間に有効成分(例えば、1つまたは複数の式(I)の化合物)が放出されるように製剤化することができる。かかる製剤には、例えば、制御放出製剤(種々の制御放出組成物およびコーティングなど)が含まれ得る。
他の製剤(例えば、薬学的組成物の製剤)には、ある特定の実施形態では、薬物(または制御放出製剤)を食品、食品材料、飼料、または飲料に組み込んだ製剤が含まれ得る。
本発明の他の実施形態は、動物が所望の生理学的効果を有するか、所望の生理学的効果を有すると疑われるか、所望の生理学的効果に感受性であるか、または動物に所望の生理学的効果をもたらす自己免疫疾患または臓器拒絶を処置するのに有効な量の少なくとも1つの式(I)の化合物での処置を含み得る、動物(例えば、ヒトまたはイヌ)に投与するか処置する方法を含み得る。一部の実施形態では、組成物または薬学的組成物は、約0.01〜約15mg/kg体重、約0.1〜約10mg/kg体重、約0.5〜約7mg/kg体重、約0.01mg/kg、約0.05mg/kg、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約3mg/kg、約5mg/kg、約5.5mg/kg、約6mg/kg、約6.5mg/kg、約7mg/kg、約7.5mg/kg、約8mg/kg、約10mg/kg、約12mg/kgまたは約15mg/kgの量で動物(例えば、哺乳動物、霊長類、サルまたはヒト)に投与され得る少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。一部の条件に関して、投薬量は、約0.5mg/kgヒト体重または約6.5mg/kgヒト体重であり得る。一部の例では、一部の動物(例えば、哺乳動物、マウス、ウサギ、ネコ、ブタまたはイヌ)は、約0.01〜約15mg/kg体重、約0.1〜約10mg/kg体重、約0.5〜約7mg/kg体重、約0.01mg/kg、約0.05mg/kg、約0.1mg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、約40mg/kg、約50mg/kg、約80mg/kg、約100mg/kgまたは約150mg/kgの投薬量を投与され得る。勿論、当業者は、本発明の方法において多数の濃度を使用することが可能であり、本明細書中に提供したガイダンスを一部使用して、所与の環境下で所望の結果を達成する濃度を見出すために任意の数の濃度を調整および試験することができることを認識する。他の実施形態では、本発明の化合物を、所与の自己免疫疾患または臓器拒絶のための1つまたは複数の他の治療薬と組み合わせて投与することができる。
いくつかの実施形態では、組成物は、ある用量(例えば、単位用量)の1つまたは複数の式(I)の化合物を、薬学的に許容され得るキャリアと組み合わせて含むことができ、さらに、他の薬剤(medicinal agent)、医薬品、キャリア、アジュバント、希釈剤、賦形剤、またはその組み合わせを含むことができる。ある特定の実施形態では、キャリア、ビヒクル、または賦形剤は、組成物の投与、送達を容易にすることができ、そして/または組成物の保存性を改善することができる。他の実施形態では、1つまたは複数のキャリアには、食塩溶液(ノーマルセーラインなど)、リンゲル液、PBS(リン酸緩衝食塩水)、および糖添加物(グルコースなど)を含むか含まない種々の塩(カリウムおよびリン酸塩が含まれる)の一般的混合物が含まれるが、これらに限定されない。キャリアには、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、殺菌性抗生物質、および製剤を意図するレシピエントの体液と等張にする溶質を含み得る水性または非水性の滅菌注射溶液;ならびに懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液が含まれ得る。他の実施形態では、1つまたは複数の賦形剤には、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、またはエタノールなど、およびその組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。非毒性補助物質(湿潤剤、緩衝剤、または乳化剤など)を、組成物に添加することもできる。経口製剤は、標準的に使用される賦形剤(例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、および炭酸マグネシウムなど)を含み得る。
非経口投与は、使用する場合、一般に、注射によって特徴づけられる。滅菌注射剤を、溶液もしくは懸濁液の液体として、注射前に液体の状態の溶液もしくは懸濁液にするのに適した固体形態として、または乳濁液としてのいずれかの、従来の形態で調製することができる。
投与および処置する方法
式(I)の化合物を、任意の数の適切な投与経路または製剤によって動物に投与することができる。式(I)の化合物を使用して、種々の自己免疫疾患または臓器拒絶に対して動物を処置することもできる。動物には、哺乳動物、霊長類、サル(例えば、マカクザル、アカゲザル、またはブタオザル)、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、鳥類(例えば、ニワトリ)、マウス、ウサギ、およびラットが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中で使用される場合、用語「被験体」は、ヒト被験体および動物被験体の両方をいう。
本発明の式(I)の化合物の投与経路は、任意の適切な経路の投与経路であり得る。投与経路は、経口経路、非経口経路、皮膚経路、鼻経路、直腸経路、膣経路、および眼経路であり得るが、これらに限定されない。別の実施形態では、投与は、非経口投与、粘膜投与、静脈内投与、皮下投与、局所投与、皮内投与、経口投与、舌下投与、鼻腔内投与、または筋肉内投与であり得る。投与経路の選択は、例えば、式(I)の化合物の同一性(例えば、式(I)の化合物の物理的性質および化学的性質)ならびに動物の年齢および体重、移植臓器、臓器移植後の経過時間の量、特定の疾患、および疾患の重症度に依存し得る。勿論、所望の場合、投与経路の組み合わせを利用することができる。
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書中に記載の式(I)の化合物を含む組成物(例えば、薬学的組成物)を被験体に提供する方法であって、1つまたは複数のかかる組成物の1回または複数回の投与を含み;1回を超えて投与する場合、該組成物は同一でも異なっていてもよく、1回を超えて投与する場合、投与経路は同一でも異なっていてもよい、方法を含む。
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書中に記載の式(I)の化合物を含む組成物(例えば、薬学的組成物)で被験体を処置する方法であって、1つまたは複数のかかる組成物の1回または複数回の投与を含み;1回を超えて投与する場合、該組成物は同一でも異なっていてもよく、1回を超えて投与する場合、投与経路は同一でも異なっていてもよい、方法を含む。
処置することができる動物には、哺乳動物、霊長類、サル(例えば、マカクザル、アカゲザル、ブタオザル)、ヒト、イヌ、ネコ、ブタ、鳥類(例えば、ニワトリ)、ウシ、マウス、ウサギ、およびラットが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中で使用される場合、用語「被験体」は、ヒト被験体および動物被験体の両方をいう。自己免疫疾患または臓器拒絶に罹り易い被験体は、ヒト被験体または動物被験体であり得る。いくつかの例では、動物(例えば、ヒトまたはイヌ)は、自己免疫疾患の処置(例えば、予防的処置)または臓器拒絶(例えば、移植前の予防的処置)を必要としている。
本明細書中で使用される場合、用語「処置すること(treating)」(および「処置(treatment)」などのそのバリエーション)は、その最も広い意味を有すると見なすべきである。特に、用語「処置すること」は、完全に回復するまで動物が処置されることを必ずしも意味しない。したがって、「処置すること」には、症状の改善、状態に関連する症状もしくは影響の軽減、状態の重症度の低下、症状の予防もしくは予防的改善、または他の方法での特定の状態の発症リスクの低下が含まれる。本明細書中で使用される場合、動物を「処置すること」への言及には、予防的処置および治療的処置が含まれるが、これらに限定されない。本明細書中に記載の任意の組成物(例えば、薬学的組成物)を、動物(例えば、ヒトまたはイヌ)を処置するために使用することができる。いくつかの実施形態では、処置は、免疫系の抑制、IL−2産生の抑制、またはこれらの両方を含む。
式(I)の化合物を使用して動物(例えば、哺乳動物、ブタ、イヌ、鳥類(例えば、ニワトリ)、ウシ、ネコ、霊長類、サル、ウサギ、およびヒト)において処置することができる疾患には、自己免疫疾患および臓器拒絶(例えば、同種移植片臓器移植、異種移植片臓器移植、クローン化臓器移植、または3Dプリント臓器移植)が含まれるが、これらに限定されない。式(I)の化合物を使用して処置することができる自己免疫疾患には、心筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、亜急性細菌性心内膜炎、腎臓、抗糸球体基底膜腎炎、間質性膀胱炎、ループス腎炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、アンチシンセターゼ症候群、皮膚、円形脱毛症、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性プロゲステロン皮膚炎、自己免疫性蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、円板状エリテマトーデス、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、妊娠性類天疱瘡、化膿性汗腺炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、線状IgA病、限局性強皮症、尋常性天疱瘡、急性苔癬状痘瘡状粃糠疹、ムッハ・ハーベルマン病、乾癬、全身性強皮症、白斑、アジソン病、自己免疫性多内分泌腺症候群、自己免疫性多内分泌腺症候群3型、自己免疫性膵炎、1型糖尿病、自己免疫性甲状腺炎、オード甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性卵巣炎、子宮内膜症、自己免疫性精巣炎、シェーグレン症候群(Sjogren’s sysndrome)、自己免疫性腸症、炎症性腸疾患、セリアック病、クローン病、顕微鏡的大腸炎、潰瘍性大腸炎、抗リン脂質症候群、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性リンパ増殖性症候群、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性血小板減少性紫斑、寒冷凝集素病、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、IgG4関連全身性疾患、発作性夜間血色素尿症、発作性夜間血色素尿症、悪性貧血、赤芽球ろう、血小板減少症、有痛性脂肪症、成人発症スティル病、強直性脊椎炎、CREST症候群、薬物誘発性ループス、腱付着部炎関連関節炎、骨関節炎、好酸球性筋膜炎、フェルティ症候群、若年性関節炎、ライム病(慢性)、混合性結合組織病、回帰性リウマチ、パリー・ロンベルク症候群、パーソネージ・ターナー症候群、乾癬性関節炎、反応性関節炎、再発性多発性軟骨炎、後腹膜線維症、リウマチ熱、サルコイドーシス、シュニッツラー症候群、全身性エリテマトーデス、未分化結合組織病、皮膚筋炎、線維筋痛症、封入体筋炎、筋炎、重症筋無力症、神経性筋強直症、腫瘍随伴性小脳変性症、多発性筋炎、急性散在性脳脊髄炎、急性運動性軸索性神経障害、抗NメチルDアスパラギン酸受容体脳炎、バロー同心円性硬化症、ビッカースタッフ脳炎、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー、ギラン・バレー症候群、橋本脳症、特発性炎症性脱髄疾患、ランバート・イートン筋無力症候群(Lamber−Eaton myasthenic syndrome)、多発性硬化症、連鎖球菌関連小児自己免疫性神経精神障害、進行性炎症性神経障害、レストレス・レッグ症候群、スティッフパーソン症候群、シデナム舞踏病、横断性脊髄炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性ブドウ膜炎、コーガン症候群、グレーブス眼症、中間部ブドウ膜炎、木質結膜炎、モーレン潰瘍、視神経脊髄炎、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、強膜炎、スザック症候群、交感性眼炎、トロサ・ハント症候群、自己免疫性内耳疾患、メニエール病、抗好中球細胞質抗体関連血管炎、ベーチェット病、チャーグ−ストラウス症候群、巨細胞動脈炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、川崎病、白血球破砕性血管炎、ループス血管炎、リウマトイド血管炎、顕微鏡的多発血管炎、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発筋痛、蕁麻疹様血管炎、脈管炎、慢性疲労症候群、複合性局所疼痛症候群、好酸球性食道炎、胃炎、POEMS症候群、レイノー現象、原発性免疫不全、または壊疽性膿皮症が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を使用して処置することができる自己免疫疾患は、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、関節炎、骨関節炎、または関節リウマチである。
本明細書中に定義の疾患には、臓器拒絶(例えば、同種移植片臓器移植または異種移植片臓器移植)が含まれる。同種移植片臓器移植は、死体、生存血縁ドナー、または生存非血縁ドナーに由来し得る。式(I)の化合物を使用して処置することができる臓器拒絶は、例えば、超急性拒絶、急性拒絶、または慢性拒絶であり得る。式(I)の化合物を使用して処置することができる臓器拒絶は、任意の臓器(腎臓、肝臓、心臓、小腸、膵臓、肺、気管、皮膚、角膜、骨髄、または四肢の移植片が含まれるが、これらに限定されない)が移植された場合に(例えば、同種移植片臓器移植または異種移植片臓器移植)起こり得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を使用して処置することができる臓器拒絶は、任意の臓器が移植された場合に(例えば、同種移植片臓器移植または異種移植片臓器移植)起こり得、任意の臓器は、腎臓、肝臓、または心臓である。
自己免疫疾患の処置に関連する場合、処置することには、予防的処置(例えば、将来の疾患を予防することまたは改善すること)および治療的処置が含まれ得るが、これらに限定されない。従って、処置には、自己免疫疾患に対する防御を付与すること;自己免疫疾患を予防すること;自己免疫疾患リスクを低下させること;自己免疫疾患の症状を改善することまたは軽減すること;動物の免疫系の活動を低下させること;自己免疫疾患の発症または進行を阻害すること;自己免疫疾患に関連する症状の発生を阻害することまたは予防すること;自己免疫疾患の重症度を低下させること;自己免疫疾患または自己免疫疾患に関連する1つまたは複数の症状の後退を生じさせること;またはその組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、処置することには、予防的処置(例えば、将来の疾患を予防することまたは改善すること)は含まれない。
自己免疫疾患に関連する症状は、当業者に公知であり、本明細書中に記載の症状および当業者に公知の症状が含まれ得るが、これらに限定されない。自己免疫疾患の存在を、任意の適切な方法(当業者に公知の方法が含まれる)を使用して評価することができる。いくつかの場合、自己免疫疾患の存在を、任意の適切な方法(現時点で当業者に公知の方法が含まれる)を使用して決定することができる。
臓器拒絶を処置することに関連する場合、処置することには、予防的処置(例えば、将来の臓器拒絶を予防することまたは改善すること)および治療的処置が含まれ得るが、これらに限定されない。臓器拒絶は、グラフト拒絶、組織拒絶、または移植片拒絶も指す。処置には、移植前または移植後の臓器拒絶に対する防御を付与すること;移植前または移植後の臓器拒絶を予防すること;移植前または移植後の臓器拒絶リスクを低下させること;臓器拒絶の症状を改善することまたは軽減すること;動物の免疫系の活動を低下させること;臓器拒絶の発症または進行を阻害すること;移植前または移植後の臓器拒絶に関連する症状の発生を阻害することまたは予防すること;臓器拒絶の重症度を低下させること;移植前後の(prior after transplant)臓器拒絶または臓器拒絶に関連する1つまたは複数の症状の後退を生じさせること;またはその組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、処置することには、予防的処置(例えば、将来の臓器拒絶を予防することまたは改善すること)は含まれない。
臓器拒絶に関連する症状は、当業者に公知であり、本明細書中に記載の症状および当業者に公知の症状が含まれ得るが、これらに限定されない。臓器拒絶の存在を、任意の適切な方法(当業者に公知の方法が含まれる)を使用して評価することができる。例えば、臓器拒絶を、臓器機能の変化(例えば、機能低下)、動物の全身不快感、インフルエンザ様症状(例えば、悪寒、身体の痛み、悪心、咳、または息切れ)、高血糖(例えば、膵臓移植について)、排尿量の低下(例えば、腎臓移植について)、息切れ(例えば、心臓移植)、運動能力の低下(例えば、心臓移植)、黄色皮膚(例えば、肝臓移植)、出血の容易さ(例えば、肝臓移植)、移植臓器の生検、またはその組み合わせによって評価することができる。
任意の適切な投与方法(本明細書中に開示のものなど)を使用して、ならびに式(I)の化合物を使用する任意の適切な量(本明細書中に開示のものなど)を使用して動物の処置を行うことができる。いくつかの実施形態では、処置の方法は、自己免疫疾患に対して、自己免疫疾患の症状に対して、臓器拒絶に対して、臓器拒絶の症状に対して、またはその組み合わせに対して、動物(例えば、ヒトまたはイヌ)を処置することを含む。本発明のいくつかの実施形態は、本明細書中に記載の任意の式(I)の化合物を含む組成物(例えば、薬学的組成物)で被験体(例えば、ヒトまたは霊長類などの動物)を処置する方法であって、1つまたは複数のかかる組成物の1回または複数回の投与を含み;1回を超えて投与する場合、該組成物は同一でも異なっていてもよく、いくつかの例では、1日に約1回、1日に約2回、1日に約3回、1日に約4回、1日に約5回、1日に約6回、1日に約8回、1日に約12回、1週間に約5回、1週間に約3回、1週間に約2回、または1週間に約1回処置を行うことができる、方法を含む。ある特定の実施形態では、臓器移植前、臓器移植中、臓器移植後、またはその組み合わせで処置を行い;1回を超えて投与する場合、該組成物は同一でも異なっていてもよく、該組成物(例えば、投薬量および1つまたは複数の有効成分)は、いくつかの例では、臓器移植前または臓器移植後の時間量に応じて変更し得る。いくつかの実施形態では、処置は、時として同じ状態のままであり得るか、動物の生存期間を通して変更し得るが、動物の(例えば、ヒトのまたはイヌの)の一生涯処置を行い得る。
いくつかの実施形態では、処置の方法は、有効量の式(I)の化合物を含む組成物を投与することを含む。本明細書中で使用される場合、用語「有効量」は、動物における(例えば、自己免疫疾患を処置するためか臓器拒絶を処置するための)処置に影響を及ぼすのに十分な投薬量または一連の投薬量をいう。いくつかの実施形態では、有効量は、本明細書中に開示の治療有効量を包含し得る。ある特定の実施形態では、有効量は、被験体および影響を受ける特定の処置に応じて変動し得る。正確な必要量は、例えば、被験体の年齢および一般的な健康状態、使用される特定のさらなる治療(適用可能な場合)、投与プロトコール、臓器移植後の時間、移植臓器のタイプ、移植臓器の供給源、および特定の自己免疫疾患などに応じて被験体ごとに異なり得る。従って、有効量は、例えば、特定の環境に基づいて変動し得、具体的症例において適切な有効量を決定することができる。有効量には、例えば、本明細書中に開示の任意の投薬量または組成物の量が含まれ得る。一部の実施形態では、少なくとも1つの式(I)の化合物の有効量(動物、例えば、哺乳動物、霊長類、サルまたはヒトに投与することができる)は、約0.01〜約15mg/kg体重、約0.1〜約10mg/kg体重、約0.5〜約7mg/kg体重、約0.01mg/kg、約0.05mg/kg、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約3mg/kg、約5mg/kg、約5.5mg/kg、約6mg/kg、約6.5mg/kg、約7mg/kg、約7.5mg/kg、約8mg/kg、約10mg/kg、約12mg/kgまたは約15mg/kgの量であり得る。一部の条件に関して、投薬量は、約0.5mg/kgヒト体重または約6.5mg/kgヒト体重であり得る。一部の例では、少なくとも1つの式(I)の化合物の有効量(動物、例えば、哺乳動物、マウス、ウサギ、ネコ、ブタまたはイヌに投与することができる)は、約0.01〜約15mg/kg体重、約0.1〜約10mg/kg体重、約0.5〜約7mg/kg体重、約0.01mg/kg、約0.05mg/kg、約0.1mg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、約40mg/kg、約50mg/kg、約80mg/kg、約100mg/kgまたは約150mg/kgの量であり得る。
「治療有効量」は、所望の効果および/または有益な効果を達成するのに有効な量を意味する。有効量を、1回または複数回の投与で投与することができる。本発明のいくつかの目的のために、治療有効量は、適応症を処置するために(動物における免疫系の活動を低下させるため(例えば、臓器拒絶リスクを低下させるためまたは自己免疫疾患を処置するため)などであるが、これに限定されない)適切な量である。適応症を処置することは、任意の所望の効果(1つまたは複数の、疾患または臓器拒絶の進行の緩和、改善、安定化、逆転、遅滞、もしくは遅延、生活の質の向上、または延命など)を達成することを意味する。かかる達成を、任意の適切な方法によって測定することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示の処置は、他の薬物(例えば、抗生物質)の使用または自己免疫疾患を処置するか、臓器拒絶(例えば、同種移植片臓器移植、異種移植片臓器移植、クローン化臓器移植、または3Dプリント臓器移植)を処置するための治療を含み得る。例えば、抗生物質を、感染症を処置するために使用することができ、自己免疫疾患を処置するためか、臓器拒絶(例えば、同種移植片臓器移植、異種移植片臓器移植、クローン化臓器移植、または3Dプリント臓器移植)を処置するために式(I)の化合物と組み合わせることができる。他の実施形態では、1つまたは複数の、免疫抑制薬(例えば、アザチオプリン)、ステロイド(例えば、コルチコステロイド、副腎皮質ステロイド、または糖質コルチコイド)、ミコフェノレート(例えば、ミコフェノール酸モフェチル)、およびIL−2受容体インヒビター(例えば、ダクリズマブまたはバシリキシマブ)を、自己免疫疾患を処置するか臓器拒絶(例えば、同種移植片臓器移植、異種移植片臓器移植、クローン化臓器移植、または3Dプリント臓器移植)を処置するための処置レジメン(regime)の一部として(すなわち、1つまたは複数の式(I)の化合物の投与に加える)使用することができる。他の実施形態では、薬物または治療またはさらなる処置を、意図する標的を調整する(例えば、増加、減少、または変化させる)か、意図する標的を上方制御するか、意図する標的の数を増加させるか、他の方法で、1つまたは複数の式(I)の化合物の意図する標的を標的にする能力を調整するために使用することができる。
式(I)の化合物を調製する方法
本発明のいくつかの実施形態は、式(I)の化合物の調製方法を含む。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物を、式(II)の化合物
を、(例えば、WのC末端アミノ酸またはWのC末端アミノ酸のカルボン酸を介して)固体支持体に結合したWアミノ酸配列と反応させることを含んで調製することができる。R1、R2、X、およびnは、式(I)について定義したものと同じものである。式(II)を、任意の適切な方法(実施例中に見出される方法を含むが、これらに限定されない)を使用して調製することができる。任意の適切な反応条件を、式(II)の化合物を固体支持体に結合したWと反応させる(W−固体支持体を、0.16mmolの式(II)、DIC(0.48mmol;3当量)およびHBOt(0.48mmol;3当量)を含むN−メチルピロリドン(N−methyl pyrolidone)と混合して一晩反応させ、任意選択的にその後にジクロロメタンで洗浄することがを含むが、これに限定されない)ために使用することができる。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のWのアミノ酸は、1つまたは複数の保護基(例えば、アミノ酸の側鎖に結合した保護基)を含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の保護基(すなわち、Wが任意の保護基を有する場合)を持たないWアミノ酸配列は、(1)Y’アミノ酸配列(修飾前のYアミノ酸配列である(すなわち、例えば、YをZに結合させるために1つまたは複数の修飾が必要な場合など、Yをもたらすためのアミノ酸修飾の前))、(2)Yアミノ酸配列、(3)(Y−Z)’アミノ酸配列(修飾前のY−Zアミノ酸配列(例えば、融合したまたはコンジュゲートした)である)(すなわち、Y−ZをもたらすためのYまたはZのアミノ酸修飾の前)、または(4)Y−Zアミノ酸配列(例えば、融合したまたはコンジュゲートした)と同一であり得る。YおよびZは、式(I)に定義したものと同じである。
保護基には、N末端保護基、C末端保護基、または側鎖保護基が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、保護基は、t−Boc保護基、Fmoc保護基、ベンジルオキシ−カルボニル保護基、アリルオキシカルボニル保護基、リソグラフィ保護基(lithographic protecting group)、ベンジル保護基、tert−ブチル保護基、1つまたは複数の側鎖に特異的な保護基、1つまたは複数のアミノ酸修飾に特異的な保護基(例えば、アミノ酸修飾がLys側鎖のマレイミド修飾またはLys側鎖のブロモアセトアミド修飾である場合)、4−メチルトリチル(Mtt)、またはその組み合わせであり得る。他の実施形態では、保護基を、合成方法(例えば、Fmoc法またはtBoc法)、アミノ酸配列(例えば、アミノ酸配列中の他のアミノ酸)、使用した他の保護基、アミノ酸合成中の複数のサイクルに耐える能力、式(II)のWとの反応に耐える能力、弱酸での処理に耐える能力、強酸での処理によって除去される能力、1つまたは複数の所望の条件(例えば、酸性pHなどであるがこれに限定されない溶液条件)下で除去される能力、またはその組み合わせに基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、保護基は、Fmoc、tert−ブチル保護基、4−メチルトリチル(Mtt)、またはその組み合わせであり得る。
固体支持体(樹脂ともいう)は、ゲルタイプ支持体(例えば、ポリスチレン、1〜2%ジビニルベンゼンと架橋したスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG鎖が結合したポリスチレン、架橋PEG(例えば、CHEMMATRIX(登録商標))、PEG−ポリプロピレングリコールネットワーク、ポリアミドを有するPEG、またはポリスチレンを有するPEG)、表面型支持体(例えば、細孔ガラス、セルロース繊維、または高架橋ポリスチレン)、複合材(例えば、剛性マトリックスによって支持されたゲルタイプポリマー)、またはその組み合わせであり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、固体支持体はポリスチレン樹脂である。
他の実施形態では、式(II)のカルボキシル基(すなわち、(CH2)nに結合した)を活性化する。カルボキシル基の活性化は、1つまたは複数の活性化化合物との反応によって行うことができる。いくつかの実施形態では、活性化化合物は、式(II)のWとの反応を加速させることができる。いくつかの実施形態では、活性化化合物は、カルボジイミド(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはジイソプロピルカルボジイミド(DIC))、トリアゾール(例えば、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール(HOAt)、エチル2−シアノ−2−(ヒドロキシイミノ)アセタート(例えば、Oxyma Pure)、非求核性アニオンのウロニウム塩またはホスホニウム塩(例えば、テトラフルオロボラートまたはヘキサフルオロホスファート)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシド(oxid)ヘキサフルオロホスファート(HATU)、1H−ベンゾトリアゾリウム1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5−クロロヘキサフルオロホスファート(1−),3−オキシド(HCTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP)、(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロホスファート(COMU)、または[[(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデン)アミノ]オキシ−(ジメチルアミノ)メチリデン]−ジメチルアザニウム(TOTU))、ペンタフルオロフェニルエステル(例えば、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィナート(FDPP)または2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール(PFPOH))、またはビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP−Cl)であり得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、活性化化合物は、DIC、HOBt、またはその組み合わせであり得る。
式(II)の、Wアミノ酸配列との反応により、式(III)
が得られる。
いくつかの実施形態では、式(III)を、W中のアミノ酸(例えば、LysまたはLysのアミノ酸側鎖)から保護基が除去されるように反応させる(例えば、いかなる保護基も持たないWがY’または(Y−Z)’と同一である場合)。簡潔にするために、保護基が除去されたWをWという。保護基を除去するための反応条件は、任意の適切な条件(Lys上のMtt基を除去するために、式(III)を1.9%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液で10回洗浄し、任意選択的にその後にN−メチルピロリドンで5回洗浄することが含まれるが、これらに限定されない)であり得る。
いくつかの実施形態では、脱保護基を、Wのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)、Wのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の主鎖、Wのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の側基、またはその組み合わせから除去する。ある特定の実施形態では、脱保護されているアミノ酸は、アミノ側基(例えば、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、またはヒスチジン)を有するアミノ酸である。ある特定の実施形態では、脱保護されたアミノ酸は、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、またはヒスチジンである。ある特定の実施形態では、アミノ酸の脱保護された側基は、マレイミド(例えば、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、またはヒスチジン)、アセタート(例えば、アミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、またはチロシン)のヒドロキシへのブロモアセタート付加を介する)、またはカルボキシル(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)を含む。
いくつかの実施形態では、Wのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の脱保護基、脱保護されたWのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の主鎖、脱保護されたWのアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸)の側鎖、またはその組み合わせに修飾を行うことができる。ある特定の実施形態では、アミノ側基を有する脱保護されたアミノ酸(例えば、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、またはヒスチジン)に修飾を行う。ある特定の実施形態では、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、またはヒスチジンである脱保護されたアミノ酸に修飾を行う。ある特定の実施形態では、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、またはヒスチジンであるアミノ酸の脱保護された側基に修飾を行う。ある特定の実施形態では、アミノ酸の脱保護された側基になされる修飾は、マレイミド(例えば、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、アルギニン、またはヒスチジン)、アセタート(例えば、アミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、またはチロシン)のヒドロキシへのブロモアセタート付加を介する)、またはカルボキシル(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)を含む。
いかなる保護基も持たないWがY’と同一である場合、いくつかの例では、次いで、除去された保護基(脱保護基ともいう)を修飾してYのZへの結合に使用される部分を得ることができる。
簡潔にするために、保護基が除去され、次いで、修飾されたWをWという。脱保護基を修飾するための反応条件は、任意の適切な条件((a)マレイミド基をリジン側鎖アミノに付加するために、脱保護した式(III)を3倍過剰量のN−マレオイル−β−アラニンと、等量のジイソプロピルカルボジイミド/HOBtを使用して3時間反応させ、任意選択的にその後にジクロロメタンで洗浄すること、または(b)ブロモアセトアミド(bromoacetemide)基をリジン側鎖アミノに付加するために、脱保護した式(III)を3倍過剰量のブロモ酢酸を含むジクロロメタンと、等量のジイソプロピルカルボジイミドを使用して3時間反応させ、任意選択的にその後にジクロロメタンおよびメタノールで洗浄することが含まれるが、これらに限定されない)であり得る。
次いで、固体支持体をWのC末端から除去して、式(IV)
を得る。
任意の適切な方法(式(IV)の、10mLのDCM:トリフルオロ酢酸:1,3ジメトキシベンゼン:トリイソプロピルシラン(6.75:2.5:0.5:0.25)の混合物への曝露が含まれるが、これに限定されない)を使用して、Wから固体支持体を除去することができる。ある特定の実施形態では、式(IV)から全ての保護基を除去する。任意の適切な方法(式(IV)の、10mLのDCM:トリフルオロ酢酸:1,3ジメトキシベンゼン:トリイソプロピルシラン(6.75:2.5:0.5:0.25)の混合物への曝露が含まれるが、これに限定されない)を使用して、保護基を除去することができる。いくつかの実施形態では、保護基の除去と同一のステップで(例えば、同一ポット中で)固体支持体からの除去を行い、このステップを、任意の適切な方法(例えば、固体支持体の除去についての上記で論じた方法および保護基の除去についての上記で論じた方法が含まれる)によって達成することができる。保護基の除去および固体支持体からの除去により、(1)式(I)(W(その保護基を持たない)が(Y−Z)’もしくはY−Zである場合)または(2)式(V)(W(その保護基を持たない)がY’もしくはYである場合)が得られる。
いくつかの実施形態では、式(V)または式(I)を回収することができる。
いくつかの例では、回収された式(V)または未回収の式(V)を、次いで、(例えば、本明細書中に記載の任意の適切なコンジュゲーションを使用して)Zに結合させて、式(I)を生成する。いくつかの実施形態では、次いで、式(I)を回収することができる。
任意の適切な方法(PBS(pH7)中で2当量の式(V)を1当量のZに添加し、37℃で任意の適切な時間量(約30分間、約1時間、約一晩、または約24時間など)インキュベートすることが含まれるが、これに限定されない)を使用して、式(V)をZに結合することができる。1当量のZに対する式(V)の当量数は任意の適切な数であり得、例えば、1当量のZに対して式(V)の約当量未満から約20当量まで(from less than about equivalent to about 20 equivalents)(例えば、約0.1、約0.5、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20当量)で変動し得る。
任意の適切な方法(HPLC(例えば、逆相)、LC、沈殿、遠心分離、カラムクロマトグラフィ(例えば、サイズ排除クロマトグラフィまたはイオン交換クロマトグラフィ)、シリカゲルの使用、またはその組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない)を使用して回収することができる。
本発明に開示の主題を、以下の、具体的であるが、非限定的な例によってさらに例示する。以下の実施例は、データの編集物を含み得、この編集物は、本発明に関連する一連の開発および実験中の様々な時点で収集されたデータのうちの代表的なデータである。
実施例1:タクロリムス−32−トリフラートの合成
32位のヒドロキシル基上にトリフラート基を含むタクロリムスを合成した。タクロリムス粉末を、40℃の高真空下で厳密に乾燥させて水を除去した。2g(2.4mmol)の乾燥タクロリムスを、アルゴン下にて乾燥ジクロロメタン(DCM)に溶解し、次いで、35μL(2.49mmol)の乾燥2,6−ルチジンを添加した。混合物を−80℃まで冷却し、439μL(2.49mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加した。−80℃で約1時間反応を進行させた。次いで、溶液をエーテルで希釈し、10%KHSO4で数回洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶液を蒸発乾固し、高真空下でさらに乾燥させた。得られた粉末を次の反応のために直ちに使用した。
実施例2:タクロリムス−32−チオールの合成
実施例1由来の粉末を、乾燥テトラヒドロフラン(THF)に溶解した。次いで、アルゴンガス下で630μL(2.49mmol)のヘキサメチルジシラチアンを含む乾燥THFを乾燥滴下漏斗に添加した。丸底フラスコ中の溶液を−80℃まで冷却し、反応容器全体を暗所に置いた。次いで、863mg(2.49mmol)の予め溶解したテトラブチルアンモニウムフルオリド水和物(TBAF)を、滴下漏斗中のヘキサメチルジシラチアンに迅速に添加し、共にFK506トリフラートに滴下添加した。溶液を、暗所でアルゴン下にて室温で一晩混合した。
翌朝、薄層クロマトグラフィ(TLC)により、所望の生成物への完全な変換が示された(データ示さず)。溶液を真空中で乾燥させ、酢酸エチルに溶解し、KHSO4およびNaClで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。次いで、溶離のために1:1酢酸エチル:ヘキサンを使用したシリカゲルカラムにて精製した。純粋なタクロリムスチオールを含む画分をプールし、乾燥させ、7%H2Oを含むtert−ブタノールに再溶解し、凍結乾燥させて、1gのタクロリムス−32−チオールを得た。図1は、単離したタクロリムス−32−チオールの質量分析データを示す。
実施例3:メルカプトプロピオン酸のメトキシカルボニルスルフェニル誘導体の合成
全てのガラス器具をオーブン内で一晩乾燥させた。1g(9.42mmol)の3−メルカプトプロピオン酸を含む乾燥DCMを、アルゴン下、0℃にてメトキシカルボニルスルフェニルクロリド(937μl、9.42mmol)を含む30mlの乾燥DCMに滴下添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、真空中で溶媒を除去した。揮発物を高真空下でさらに除去して、定量的収率で残存オイルが得られ、プロトンNMRによって判断したところ、純度99%であった(データ示さず)。
実施例4:4−メルカプトフェニル酢酸のメトキシカルボニルスルフェニル誘導体の合成
全てのガラス器具をオーブン内で一晩乾燥させた。1当量の4−メルカプトフェニル酢酸を含む乾燥DCMを、アルゴンガス下、0℃でメトキシカルボニルスルフェニルクロリド(1.1当量)を含む30mlの乾燥DCMに滴下添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、真空中で溶媒を除去した。揮発物を高真空下でさらに除去して、定量的収率で安定な結晶が得られ、プロトンNMRによって判断したところ、純度99%であった(データ示さず)。
実施例5:2−チオ乳酸のメトキシカルボニルスルフェニル誘導体の合成
全てのガラス器具をオーブン内で一晩乾燥させた。1当量の4−メルカプトフェニル酢酸を含む乾燥DCMを、アルゴンガス下、0℃でメトキシカルボニルスルフェニルクロリド(1.1当量)を含む30mlの乾燥DCMに滴下添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、真空中で溶媒を除去した。揮発物を高真空下でさらに除去して、定量的収率で安定な結晶が得られ、プロトンNMRによって判断したところ、純度99%であった(データ示さず)。
実施例6:タクロリムス−32−チオール−メルカプトプロピオン酸ジスルフィドの合成
実施例2で調製したタクロリムス−32−チオール(537mg、0.66mmol)をメタノール(10ml)に溶解し、これに、154mg(0.66mmol)の実施例3に記載のメトキシカルボニルスルフェニルメルカプトプロピオン酸を添加し、室温のアルゴン下で乾燥100mL丸底フラスコ中のメタノール(30ml)に溶解し、2滴のトリエチルアミンを添加した。溶液を室温で一晩撹拌し、その後にさらに50mgのメトキシカルボニルスルフェニルメルカプトプロピオン酸を添加して反応を完了させた。TLC(シリカゲル、1:1酢酸エチル:ヘキサン)を使用して反応をモニタリングした。反応完了が認められた場合、反応溶液を200mLの10%KHSO4に添加し、その後にジスルフィドが沈殿し、これを酢酸エチル中に抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒の除去後、粗製物質(crude material)を、酢酸エチル(EtOAc):ヘキサン(1:1)、その後にメタノール:DCM(10:90)を使用したSiO2カラムでの溶離によって精製した。TLCによって純粋な物質を含むと判断された管をプールし、蒸発させて、純粋なタクロリムス−32−チオール−メルカプトプロピオン酸ジスルフィドを得た。MALDI MSによるMWは950.0(+Na塩)であった(計算値924.21)。
実施例7:タクロリムス−32−チオール−チオ乳酸ジスルフィドの合成
実施例2で調製したタクロリムス−32−チオール(537mg、0.61mmol)をメタノール(10ml)に溶解し、これに143mg(0.73mmol)の実施例5に記載のメトキシカルボニルスルフェニルチオ乳酸を添加し、アルゴン下、室温で乾燥100mL丸底フラスコ中のメタノール(30ml)に溶解し、その後に2滴のトリエチルアミンを添加した。SiO2 tlc(1:1酢酸エチル:ヘキサン)によって反応をモニタリングした。反応完了が認められた後、反応溶液を200mLの10%KHSO4に添加し、その後にジスルフィドが沈殿し、これを酢酸エチル中に抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒の除去後、粗製物質を、EtOAc:ヘキサン(1:1)、その後にメタノール:DCM(10:90)を使用したSiO2カラムでの溶離によって精製した。TLCによって純粋な物質を含むと判断された管をプールし、蒸発させて、純粋なタクロリムス−32−チオール−チオ乳酸ジスルフィドを得た。MALDI MSによるMWは947.0(+Na塩)であった(計算値924.2)。
理論上のMW924.21、実測 +ナトリウム塩=947。
実施例8:タクロリムス−32−チオール−4−メルカプトフェニル酢酸ジスルフィドの合成
実施例2で調製したタクロリムス−32−チオール(100mg、0.12mmol)をメタノール(10ml)に溶解し、これに31.5mg(0.12mmol)の実施例5で調製したメトキシカルボニルスルフェニル−4−メルカプトフェニル酢酸を添加し、アルゴン下、室温で乾燥100mL丸底フラスコ中のメタノール(30ml)に溶解し、2滴のトリエチルアミンを添加した。SiO2 TLC(1:1酢酸エチル:ヘキサン)を使用して反応をモニタリングした。反応が完了した場合、反応溶液を200mLの10%KHSO4に添加し、その後にジスルフィドが沈殿し、これを酢酸エチル中に抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒の除去後、粗製物質を、EtOAc:ヘキサン(1:1)、その後にメタノール:DCM(10:90)を使用したSiO2カラムでの溶離によって精製した。TLCによって純粋な物質を含むと判断された管をプールし、蒸発させて、純粋なタクロリムス−32−チオール−チオ乳酸ジスルフィドを得た。MALDI MSによるMWは1009.5(+Na塩)であった(計算値986.28)。
実施例9:DSer(Trt)−Ser(Trt)−DSer(Trt)−Ser(Trt)−DSer(Trt)−Nle−DTyr(Trt)−Cys(Trt)−Phe−DTrp(Boc)−Lys(Boc)−Thr(Trt)−Cys(Trt)−Thr(Trt)−Rinkアミド樹脂の合成
市販のRinkアミドポリスチレン樹脂(1g、0.5mmol)を、以下の反応サイクルを実施するようにプログラムされたCS Biosystems(CA)自動ペプチド合成機の反応容器に入れた:(a)ジメチルホルムアミド(DMF)での洗浄、(b)20%ピペリジンを含むDMFとの混合(20分間)によるFmoc保護基の除去、および(c)ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(1.5mmole)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(3.00mmole)を含むN−メチルピロリドンを使用した、C末端アミノ酸から開始される保護されたアミノ酸(1.5mmole)の脱保護された樹脂へのカップリング(18時間)。以下の保護されたアミノ酸をカップリングした:Fmoc−Thr(Trt)、Fmoc−Cys(Trt)、Fmoc−Thr(Trt)、Fmoc−Lys(Boc)、Fmoc−DTrp(Boc)、Fmoc−Phe、Fmoc−Cys(Trt)、Fmoc−DTyr(Trt)、Fmoc−Nle、Fmoc−D−Ser(Trt)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−D−Ser(Trt)。各段階で、成長しつつある保護されたペプチド鎖上のFmoc基を、20%ピペリジンを含むDMFとの混合(20分間)によって除去した。
実施例10:ジスルフィド結合によって実施例9に記載のソマトスタチンアナログ樹脂に連結したタクロリムス−32−チオールの合成
実施例9に記載の保護されたペプチド樹脂(395mg/1/16mmol)を、タクロリムス−32−チオール−4−メルカプトフェニル酢酸ジスルフィド(260mg、0.28mmol)、DIC(3当量)、およびHOBt(3当量)と混合し、遊離のペプチド樹脂アミノ基に一晩カップリングした。ジクロロメタンおよびNMPでの洗浄後、タクロリムスペプチドを樹脂から切断し、全ての保護基を、10mlのDCM:トリフルオロ酢酸:1,3−ジメトキシベンゼン:トリイソプロピルシラン(6.75:2.5:0.5:0.25)の混合物での処理(2時間)によってアミノ酸側鎖から除去した。樹脂を濾過し、DCMで洗浄し、濾液をエチルエーテルでトリチュレートし、毎回エチルエーテルを用いて洗浄する3回の遠心沈殿を行った。白色固体を10%酢酸(250ml)に溶解し、退色しない褐色(2つのCys残基を介したペプチドのジスルフィド環化を示す)が持続するまで希ヨウ素液で滴定した。溶液を凍結乾燥させ、粗製タクロリムスソマトスタチンコンジュゲートを、アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸勾配を使用したC18シリカカラムでの逆相HPLCによって精製した。純粋な化合物を含む画分を収集し、凍結乾燥させて、白色粉末を得た。MALDI MSによるMWは2652であった(計算値2652)。
上記の合成を図2に示す。
実施例11:遊離チオール基を含むタンパク質およびペプチドへのコンジュゲーションに適切なεアミノ基上に二官能性マレイミド部分が組み込まれている親水性ペプチド配列DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2に連結されたタクロリムスジスルフィドの合成
市販のRinkアミドポリスチレン樹脂(265mg、1/16mmol)を、以下の反応サイクルを実施するようにプログラムされたCS Biosystems(CA)自動ペプチド合成機の反応容器に入れた:(a)ジメチルホルムアミド(DMF)での洗浄、(b)20%ピペリジン含むDMFとの混合(20分間)によるFmoc保護基の除去、および(c)ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(1.5mmole)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(3.00mmole)を含むN−メチルピロリドンを使用した、C末端アミノ酸から開始される保護されたアミノ酸(1.5mmole)の脱保護された樹脂へのカップリング(4時間)。以下の保護されたアミノ酸をカップリングした:Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Lys(Mtt)、Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−Thr(Trt)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−DSer(Trt)。各段階で、成長しつつある保護されたペプチド鎖上のFmoc基を、20%ピペリジンを含むDMFとの混合(20分間)によって除去した。遊離N末端アミノ基を含む保護されたペプチド樹脂を、タクロリムス−32−チオール−3−メルカプトプロピオン酸(mercaptoproprionic acid)ジスルフィド(150mg、0.16mmol)、DIC(3当量)、およびHOBt(3当量)と混合し、一晩反応させ、次いで、ジクロロメタンで洗浄した。
Lys残基のεアミノ基上のMtt基を、1.9%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液で10回洗浄し、その後にN−メチルピロリドンで5回洗浄することによって選択的に除去した。次いで、樹脂を、等量のジイソプロピルカルボジイミド/HOBTを使用して、3倍過剰量のN−マレオイル−β−アラニンと反応させた(3時間)。ジクロロメタンでの洗浄後、タクロリムスマレイミドペプチドを樹脂から切断し、全ての保護基を、10mlのDCM:トリフルオロ酢酸:1,3−ジメトキシベンゼン:トリイソプロピルシラン(6.75:2.5:0.5:0.25)の混合物での処理(2時間)によってアミノ酸側鎖から除去した。ペプチドコンジュゲートを、エチルエーテルで3回沈殿させ、遠心機で(3000rpm)遠心沈殿させた。粗製タクロリムスペプチドマレイミドを、アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸の勾配を使用したC18シリカカラムでの逆相HPLCおよびその後のBAW 4:1:1(ブタノール:酢酸:水)を使用したシリカゲルでの精製の組み合わせによって精製した。純粋な化合物を含む画分を収集し、凍結乾燥させて、白色粉末を得た。MALDI MSによるMWは1761(+Na塩)であった(計算値1739);図4Aを参照のこと。
上記の合成を図3に示す。
実施例12:ウシ血清アルブミン中に存在する単一の遊離SH基への水溶性タクロリムスジスルフィド親水性ペプチドマレイミドのコンジュゲーション
実施例11に記載のタクロリムスジスルフィドペプチドマレイミド(10mg、約2当量;図4Aを参照のこと)を、250マイクロリットルのPBS(pH7)に溶解したウシ血清アルブミン(200mg、3×10−6mol)の溶液に添加し、37℃で(一晩)インキュベートした。混合物を、Sephadex G25(1.5×100cm)からなるサイズ排除カラムにアプライし、精製水で溶離させた。画分を280nmでモニタリングし、空隙容量中に出現したピークを収集し、凍結乾燥させた(wt)。分析用HPLC/MSによって2つの溶離ピークが明らかとなった;第1のピークは平均質量が66,598(コンジュゲートしていないBSA)であり、第2のピークは質量が68,491(コンジュゲートした)であり、これらはほぼ同量であった。
上記の合成を図5に示す。
実施例13:無反応BSAからの可溶性タクロリムスジスルフィド親水性ペプチドマレイミドBSAコンジュゲートの分離
実施例12に記載の凍結乾燥粉末を、5mM吉草酸を含む10mMリン酸緩衝食塩水に溶解した750mM硫酸アンモニウムを含む10mlの緩衝液(pH7.4)(緩衝液A)中での超音波処理を使用して溶解し、ブチルセファロースのカラム(1.5cm×33cm)にアプライした。次いで、これを、緩衝液Aから緩衝液B(5mM吉草酸を含む10mMリン酸緩衝食塩水)への直線勾配を使用して溶離させた。コンジュゲートしていないBSAはほぼすぐに溶離し、その後にタクロリムスペプチドBSAコンジュゲートが広範囲に分離された。後のピークを収集し、凍結乾燥させ、Sephadex G25のカラムによる0.1M酢酸アンモニウム(ammonium actetate)での溶離によって脱塩し、その後に凍結乾燥を繰り返して水および酢酸アンモニウムを除去した。質量分析および直線勾配を使用したC8逆相カラムでの分析用HPLCにより、コンジュゲートからの遊離BSAの完全な除去が証明された。このタクロリムスペプチドBSAコンジュゲートを、JF−19−42と命名する。
コンジュゲートの他の適切な精製方法を使用することができ、この精製方法には、米国特許第7,307,148号(その全体が本明細書中で参考として援用される)に見出される方法が含まれ得るが、これらに限定されない。
実施例14:遊離チオール基を含むタンパク質およびペプチドへのコンジュゲーションに適切な二官能性ブロモアセトアミド部分が組み込まれている親水性ペプチド配列DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2に連結されたタクロリムスジスルフィドの合成
市販のRinkアミドポリスチレン樹脂(265mg、1/16mmol)を、以下の反応サイクルを実施するようにプログラムされたCS Biosystems(CA)自動ペプチド合成機の反応容器に入れた:(a)ジメチルホルムアミド(DMF)での洗浄、(b)20%ピペリジン含むDMFとの混合(20分間)によるFmoc保護基の除去、および(c)ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(1.5mmole)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(3.00mmole)を含むN−メチルピロリドンを使用した、C末端アミノ酸から開始される保護されたアミノ酸(1.5mmole)の脱保護された樹脂へのカップリング(4時間)。以下の保護されたアミノ酸をカップリングした:Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Lys(Mtt)、Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−Thr(Trt)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−DSer(Trt)。各段階で、成長しつつある保護されたペプチド鎖上のFmoc基を、20%ピペリジンを含むDMFとの混合(20分間)によって除去した。遊離N末端アミノ基を含む保護されたペプチド樹脂を、タクロリムス−32−チオール−3−メルカプトプロピオン酸ジスルフィド(150mg、0.16mmol)、DIC(3当量)、およびHOBt(3当量)と混合し、一晩反応させ、次いで、ジクロロメタンで洗浄した。
Lys残基のεアミノ基上のMtt基を、1.9%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液で10回洗浄し、その後にN−メチルピロリドンで5回洗浄することによって選択的に除去した。次いで、樹脂を、3倍過剰量のブロモ酢酸を含むジクロロメタンと、等量のジイソプロピルカルボジイミドを使用して反応させた(3時間)。ジクロロメタンおよびメタノールでの洗浄後、タクロリムスブロモアセトアミドペプチドを、樹脂から切断し、全ての保護基を、10mlのDCM:トリフルオロ酢酸:1,3−ジメトキシベンゼン:トリイソプロピルシラン(6.75:2.5:0.5:0.25)の混合物での処理(2時間)によってアミノ酸側鎖から除去した。ペプチドコンジュゲートを、エチルエーテルで3回沈殿させ、遠心機で(3000rpm)遠心沈殿させた。粗製タクロリムスペプチドブロモアセトアミドを、BAW 4:1:1(ブタノール:酢酸:水)を使用したシリカゲルでの精製によって精製した。純粋な化合物を含む画分を収集し、凍結乾燥させて、潮解性の白色粉末を得た。MALDI MSによるMWは1708であった(JF−19−19;図4Bを参照のこと)。
実施例15:タクロリムス−ペプチド−ブロモアセトアミド−ヒト血清アルブミンコンジュゲートの合成
ヒト血清アルブミンの原液(100mg/ml)を、Sigma Aldrichから購入した。100μLのこの原液を、エッペンドルフチューブ(0.5mL)に添加した。別々に、1.5mgの実施例14に記載のタクロリムス−ペプチド−ブロモアセトアミドを、穏やかに加熱しながら培養管中の100μL PBSに溶解して依然として濁った溶液を得て、これをHSA溶液に添加し、37℃の水浴中で一晩インキュベートした。3時間後と一晩後にアリコートを取り出し、HPLCおよびMALDIでアッセイした。一晩のインキュベーション後の反応の進行は10%未満であると判断された。3日間のインキュベーション後に、ほとんど変化が示されなかった。タクロリムス−ペプチド−ブロモアセトアミド−ヒト血清アルブミンコンジュゲートであるこのものを、JF−19−51と命名する。
実施例16:遊離チオール基を含むタンパク質およびペプチドへのコンジュゲーションに適切な二官能性マレイミド部分が組み込まれているより親水性の(hyrodrophilic)タクロリムス−ペプチドコンジュゲート配列DAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2の合成
市販のRinkアミドポリスチレン樹脂(265mg、1/16mmol)を、以下の反応サイクルを実施するようにプログラムされたCS Biosystems(CA)自動ペプチド合成機の反応容器に入れた:(a)ジメチルホルムアミド(DMF)での洗浄、(b)20%ピペリジン含むDMFとの混合(20分間)によるFmoc保護基の除去、および(c)ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(1.5mmole)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(3.00mmole)を含むN−メチルピロリドンを使用した、C末端アミノ酸から開始される保護されたアミノ酸(1.5mmole)の脱保護された樹脂へのカップリング(4時間)。以下の保護されたアミノ酸をカップリングした:Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Lys(Mtt)、Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−Thr(Trt)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Asp(tBu)、Fmoc−DAsp(tBu)、Fmoc−Asp(tBu)、Fmoc−DAsp(tBu)。各段階で、成長しつつある保護されたペプチド鎖上のFmoc基を、20%ピペリジンを含むDMFとの混合(20分間)によって除去した。遊離N末端アミノ基を含む保護されたペプチド樹脂を、タクロリムス−32−チオール−3−メルカプトプロピオン酸ジスルフィド(150mg、0.16mmol)、DIC(3当量)、およびHOBt(3当量)と混合し、一晩反応させ、次いで、ジクロロメタンで洗浄した。
Lys残基のεアミノ基上のMtt基を、1.9%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液で10回洗浄し、その後にN−メチルピロリドンで5回洗浄することによって選択的に除去した。次いで、樹脂を、3倍過剰量のN−マレオイル−b−アラニンと、等量のジイソプロピルカルボジイミド/HOBTを使用して反応させた(3時間)。ジクロロメタンでの洗浄後、タクロリムスマレイミドペプチドを、樹脂から切断し、全ての保護基を、10mlのDCM:トリフルオロ酢酸:1,3−ジメトキシベンゼン:トリイソプロピルシラン(6.75:2.5:0.5:0.25)の混合物での処理(2時間)によってアミノ酸側鎖から除去した。ペプチドコンジュゲートを、エチルエーテルで3回沈殿させ、遠心機で(3000rpm)遠心沈殿させた。粗製タクロリムスペプチドマレイミドを、BAW 4:1:1(ブタノール:酢酸:水)を使用したシリカゲルで精製した。純粋な化合物を含む画分を収集し、凍結乾燥させて、白色粉末を得た。MALDI MSによるMWは2199であった(図4Cを参照のこと)。
実施例17:遊離チオール基を含むタンパク質およびペプチドへのコンジュゲーションに適切な二官能性ブロモアセトアミド部分が組み込まれているより親水性のタクロリムス−ペプチドコンジュゲート配列DAsp−Asp−DAsp−Asp−DSer−Ser−Thr−Ser−DSer−Lys−DSer−NH2の合成
市販のRinkアミドポリスチレン樹脂(265mg、1/16mmol)を、以下の反応サイクルを実施するようにプログラムされたCS Biosystems(CA)自動ペプチド合成機の反応容器に入れた:(a)ジメチルホルムアミド(DMF)での洗浄、(b)20%ピペリジン含むDMFとの混合(20分間)によるFmoc保護基の除去、および(c)ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(1.5mmole)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(3.00mmole)を含むN−メチルピロリドンを使用した、C末端アミノ酸から開始される保護されたアミノ酸(1.5mmole)の脱保護された樹脂へのカップリング(4時間)。以下の保護されたアミノ酸をカップリングした:Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Lys(Mtt)、Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−Thr(Trt)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−DSer(Trt)、Fmoc−Asp(tBu)、Fmoc−DAsp(tBu)、Fmoc−Asp(tBu)、Fmoc−DAsp(tBu)。各段階で、成長しつつある保護されたペプチド鎖上のFmoc基を、20%ピペリジンを含むDMFとの混合(20分間)によって除去した。遊離N末端アミノ基を含む保護されたペプチド樹脂を、タクロリムス−32−チオール−3−メルカプトプロピオン酸ジスルフィド(150mg、0.16mmol)、DIC(3当量)、およびHOBt(3当量)と混合し、一晩反応させ、次いで、ジクロロメタンで洗浄した。
Lys残基のεアミノ基上のMtt基を、1.9%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液で10回洗浄し、その後にN−メチルピロリドンで5回洗浄することによって選択的に除去した。次いで、樹脂を、等量のジイソプロピルカルボジイミドを含むDCMを使用して3倍過剰量のブロモ酢酸と反応させた(3時間)。ジクロロメタンでの洗浄後、タクロリムスブロモアセトアミドペプチドを、樹脂から切断し、全ての保護基を、10mlのDCM:トリフルオロ酢酸:1,3−ジメトキシベンゼン:トリイソプロピルシラン(6.75:2.5:0.5:0.25)の混合物での処理(2時間)によってアミノ酸側鎖から除去した。ペプチドコンジュゲートを、エチルエーテルで3回沈殿させ、遠心機で(3000rpm)遠心沈殿させた。粗製タクロリムスペプチドブロモアセトアミドを、BAW 4:1:1(ブタノール:酢酸:水)を使用したシリカゲルで精製した。純粋な化合物を含む画分を収集し、凍結乾燥させて、白色粉末を得た。MALDI MSによるMWは2169であった(JF−19−52;図4Dを参照のこと)。
実施例18:より親水性のAspを含むタクロリムス−ジスルフィド−ペプチド−ブロモアセトアミドのウシ血清アルブミンへのコンジュゲーション
ウシ血清アルブミンの原液(0.5ml)(100mg BSA/ml)を調製した。別々に、3mgの実施例17に記載のタクロリムス−ペプチド−ブロモアセトアミド(JF−19−52)を、100μL PBSに溶解した。このタクロリムスペプチドブロモアセトアミド溶液をBSA溶液に添加し、37℃の水浴中で一晩インキュベートした。3時間後と一晩後にアリコートを取り出し、HPLCおよびMALDIで分析し、一晩で80%を超えるBSAコンジュゲーションが示された。このBSAにコンジュゲートしたタクロリムス−ジスルフィド−ペプチド−アセトアミドを、JF−19−53と命名する。この実施例はまた、連結ペプチドの親水性がコンジュゲーション収率に影響を及ぼすことを証明している。
実施例19:タクロリムス、タクロリムスSHおよびそのコンジュゲートが活性化ヒトT細胞(Jurkat)の培養物からのIL−2放出を阻害する能力
細胞を採取し、2回洗浄し、4×106細胞/mlの細胞密度で無血清培地に再懸濁した。次いで、50μlの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに添加し、その後に50μlの試験化合物を異なる濃度(4×)で添加し、37℃で1時間インキュベートした。50μlのレクチンを含むPBS(10μg/ml)および50μlのホルボールを含むDMSO(100ng/ml)を各ウェルに添加し、一晩インキュベートし続けることによってIL−2を放出するように細胞を刺激した。プレートを1500rpmで10分間遠心分離し、R&D Systems(Minneapolis、MN)から購入したキットを使用し、提供された実験指示(experimental direction)に従うIL−2アッセイのために上清を採取した。
タクロリムス(FK−506)は、図6で証明するように、いくつかの重要なサイトカイン(IL−2が含まれる)の放出の強力なインヒビターであり得る。タクロリムスの32−チオールアナログは、活性化T細胞の培養物からのIL−2放出阻害において親化合物と実質的に効力が等しかった。活性化T細胞が内在化ソマトスタチン2型受容体を発現することが示されているので、実施例10に記載のタクロリムス−32−ジスルフィドソマトスタチンコンジュゲートの結合をソマトスタチン自体と比較し、天然のペプチドに対する親和性が実質的に等しいことが見出された(図7)。実施例10に記載のタクロリムスジスルフィドソマトスタチンコンジュゲートを、活性化T細胞からのIL−2放出を阻害する能力についてタクロリムス自体と比較し、実質的に効力が等しいことが見出された(図8)。コンジュゲートの効力が緩衝液中に遊離タクロリムスを望ましくない放出をもたらすコンジュゲートの分解によるものではないことを証明するために、漸増量の強力な2型受容体アナログ(ランレオチド)の存在下でのIL−2放出に及ぼすコンジュゲートの影響を試験した(図9)。大過剰量のランレオチドがコンジュゲートのIL−2放出阻害能力を遮断するので、コンジュゲートの阻害活性は内在化ソマトスタチン(somatostatrin)2型受容体を介して媒介されるようであるということが証明された。3つのタクロリムス−32−ジスルフィド−タンパク質コンジュゲート、JF−19−23(実施例16に記載のタクロリムス−ペプチドコンジュゲートから作製されたタクロリムス−S−S−親水性ペプチドマレオニルBSAコンジュゲート)、JF−19−42(実施例13に記載のタクロリムス−S−S−親水性ペプチドマレオニルBSAコンジュゲート)、およびJF−19−53(実施例18に記載のタクロリムス−S−S−親水性ペプチドα−アセチル−BSAコンジュゲート)を、培養中の活性化T細胞からのIL−2放出を阻害する能力について試験し(図10)、これら3つがタクロリムス(FK−506)自体と比較してIL−2放出の阻害においてより有効であることが見出された。
本開示で使用した見出しは、見出しに関する全ての開示がこの見出しから始まる節内に見出されることを示唆することを意味しない。任意の主題についての開示は、本明細書を通して見出すことができる。
「好ましくは」、「一般に」、および「典型的には」のような用語を、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を制限するため、またはある特定の特徴が特許請求の範囲に記載の発明の構造または機能に決定的であるか、不可欠であるか、さらには重要であることを意味するために本明細書中で使用されているわけではないことに留意すべきである。むしろ、これらの用語は、本発明の特定の実施形態で利用してもしなくてもよい代替的または付加的な特徴を強調することを意味するに過ぎない。
本開示で使用する場合、「a」または「an」は、別段の指定がない限り、1つまたは1つより多いことを意味する。特許請求の範囲で使用する場合、用語「含む(comprising)」と併せて使用するときは、別段の指定がない限り、用語「a」または「an」は、1つまたは1つより多いことを意味する。本開示または特許請求の範囲で使用する場合、「別の(another)」は、別段の指定がない限り、少なくとも第2またはそれより後を意味する。本開示で使用する場合、句「など(such as)」、「例えば(for example)」、および「例えば(e.g.)」は、用語(「など(such as)」、「例えば(for example)」または「例えば(e.g.)」)に続くリストがいくつかの例を提供するが、このリストは必ずしも全てを包括するリストではないという点で、「例えば、しかしこれらに限定されない」を意味する。用語「含む(comprising)」は、用語「含む(comprising)」に続く項目がさらなる引用されていない要素またはステップを含み得ることを意味し;すなわち、「含む(comprising)」は、さらなる引用されていないステップまたは要素を排除しない。
ある特定の例では、本明細書中に開示の配列は、公的に入手可能なデータベース(GENBANK(登録商標)およびSWISSPROTなど)に含まれる。別段の指示がないか、明らかでない限り、かかる公的に入手可能なデータベースへの言及は、本出願の出願日時点でのデータベースの最新のバージョンへの言及である。
別段の指示がない限り、本明細書中および特許請求の範囲中で使用した成分の量および反応条件などの性質などを表す全ての数値は、全ての例において用語「約」で修飾されると理解すべきである。したがって、反対ことが示されていない限り、本明細書および特許請求の範囲中に記述されている数値パラメーターは、近似値であり、本開示の主題によって得ようと求める所望の性質または機能に応じて変動し得る。
本明細書中で使用される場合、用語「約」は、値、または質量、重量、時間、体積、濃度、もしくは百分率の量に対して言及する場合、指定量から、いくつかの実施形態では±20%、いくつかの実施形態では±10%、いくつかの実施形態では±5%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%、およびいくつかの実施形態では±0.1%の変動を包含することを意味し、従って、変動は、開示の方法を実施するのに適切である。
1つまたは複数の実施形態の詳細な説明を本明細書中に提供する。しかし、本発明を種々の形態で具体化することができると理解すべきである。したがって、本明細書中に開示の具体的な細目は、(好ましいまたは有利であると指摘される場合でさえも)本発明を制限すると解釈すべきではなく、むしろ、特許請求の範囲についての例示的な根拠および任意の適切な様式で本発明を使用するために当業者に教示するための代表的な根拠として使用されるべきである。実際、本明細書中に記載の実施形態に加えて本発明の種々の修正形態が、前述の記載および添付の図面から当業者に明らかとなる。かかる修正形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。