JP2019513576A - Uhmwpeテープで作られた中空物品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)テープおよび樹脂を含むパイプ状中空物品であって、該物品においては前記テープを配置することで、その物品が作製されており、その際、前記物品中のテープの少なくとも10質量%の主伸長方向は、該物品の伸長方向に対して15°〜−15°の範囲にあり、かつ前記テープは少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有し、かつ[前記物品の長さ]対[前記物品の平均断面内径]の比率は少なくとも5である、パイプ状中空物品に関する。本発明のさらなる態様は、そのような物品の製造方法および前記物品を含むスポーツ器具に関する。

Description

本発明は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)テープおよび樹脂で作られたパイプ状中空物品であって、前記テープを配置するか、または巻き付けることで、該物品が作製されており、かつ前記テープの少なくとも10質量%の伸長方向が、前記パイプ状中空物品の伸長方向に対して−15°〜15°の範囲の角度にある、パイプ状中空物品に関する。
UHMWPEで作られた中空物品は、当該技術分野で公知である。
欧州特許第0223252号明細書(EP0223252)においては、UHMWPEの成形品の製造方法が開示されている。UHMWPE粉末を少なくとも2つの加熱されたロール間に供給し、それを140℃を上回る成形温度で溶融させてシートにすることにより製造された薄肉UHMWPE多孔質シートが薄肉品へと成形される。その成形品の製造のためには、UHMWPEの溶融のために150℃より高い範囲の温度が使用される。適用されたテープは低い引張強度および低い弾性率を有するため、該物品は低い寸法安定性を有する。
国際公開第2012/097083号パンフレット(WO2012/097083)においては、防弾ヘルメットの製造方法が開示されている。該ヘルメットには、TensylonまたはDyneemaが使用され、ここで、この防弾性テープは、熱可塑性または熱硬化性の接着剤で被覆され、中実なマンドレルの周りに巻き付けられている。その巻き付けにより回転楕円体構造が得られ、それは等配分された2つのプリフォームへと切断され得る。この方法で使用される巻き付け装置の巻き付け角および順序は変更することができるが、この文献の物品は常に回転楕円体である。
本発明の目的は、高い曲げ弾性率と組み合わせて高い曲げ強度を有する、すなわち曲げへの高い耐久性、したがって高い剛性、そして曲げ応力への高い耐久能力を有するパイプ状中空物品を作製することである。この特性は、曲げ応力にさらされる物品にとって、例えばスポーツ用品および器具、より具体的にはその部品、例えばシャフトとしてのその完全性を維持するとともに、その形状を本質的に維持するためにも特に重要である。
本発明のパイプ状中空物品の利点は、特に該物品の重さに対する曲げ弾性率および曲げ強度を考慮した場合に、軽量さと高い剛性および強度を兼ね備えていることである。
前記目的は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)テープおよび樹脂を含むパイプ状中空物品であって、該物品においては前記テープを配置することで、その物品が作製されており、その際、前記物品中のテープの少なくとも10質量%の伸長方向は、該物品の伸長方向に対して−15°〜15°の範囲の角度にあり、前記テープは、少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有し、かつ[前記物品の長さ]/[前記物品の平均断面内径]の比率が少なくとも5である、パイプ状中空物品により達成される。
本発明の文脈においては、用語「配置される」とは、前記物品中のテープ(または該テープを含むシート)が、該パイプ状中空物品の伸長方向に対して特定の角度で置かれることを意味する。前記テープと主伸長方向との間の角度が0°以外である場合に、これを、巻き付ける、または巻き付けられると述べることもできる。
欧州特許第0803347号明細書(EP0803347)において、例えばタンク用織物のための改善された被覆が開示されている。この被覆は、芳香族化合物および鉱酸の浸透に対する改善された耐性、ならびに曲げ割れに対する耐久性を有する。これを達成するために、超高分子量ポリエチレンテープが使用され、その際、すべてのテープをコア上にらせん状に巻き付けることで、その物品が作製される。欧州特許第0803347号明細書(EP0803347)は、該テープの少なくとも10質量%の伸長方向が、該物品の伸長方向に対して−15°〜15°の範囲にあることを開示していない。該テープに関する曲げ弾性率および巻き付け配置の利点は、この文献では論じられていない。
欧州特許第2307180号明細書(EP2307180)は、ASTM D882−00による1.5GPaより高い引張強度、およびASTM D822−00による100GPaより高い弾性率、および少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有する超高分子量ポリエチレンテープを開示している。この文献は、パイプ状物品のためにそのようなテープを使用することを開示しておらず、物品中でのテープの配置は論じられていない。さらに、欧州特許第2307180号明細書(EP2307180)は、そのような物品の曲げ弾性率を改善するための物品中でのそのようなテープの配置に関する示唆を与えていない。
国際公開第2015/022234号パンフレット(WO2015/022234)は、UHMWPEテープを含むパイプ状中空物品であって、該物品のテープの少なくとも半分が、その物品の伸長方向に対して20°〜100°の角度で配置されている、パイプ状中空物品を開示している。国際公開第2015/022234号パンフレット(WO2015/022234)は、破裂圧力特性に着目しており、該物品の曲げ弾性率には触れていない。
本発明によるパイプ状中空物品は、一方の寸法がその他の寸法よりも大きく、長さの寸法が幅または幅と高さの寸法よりも大きい管状物品である。好ましくは、該パイプ状物品は、丸形または長円形の断面を有するが、矩形または不規則な断面を有してもよい。1つの実施形態においては、パイプ状物品は、そのパイプの伸長方向に対してほぼ垂直な2つの端面を有する物品と理解されるべきである。そのようなパイプ状中空物品を製造した後に、これらの端面は通常開放しているが、本発明のパイプ状中空物品を含む最終物品の製造の間に閉じられてもよい。
前記パイプ状中空物品の外径および/もしくは内径ならびに/または断面形状は、その長さに沿って変動し得る。例えば、該パイプ状中空物品は、テーパ状円筒形状を有してよく、したがって直径は長さにわたり増大する。
断面および直径とは無関係に、該パイプ状中空物品は任意の形状であってよい。例えば、その形状は、ほぼ真っ直ぐであってよいが、曲がっていてもよい。
本発明によるパイプ状中空物品の[前記物品の長さ]対[平均断面内径]の比率は、少なくとも5であり、好ましくは少なくとも7であり、より好ましくは少なくとも9である。したがって、前記パイプ状中空物品は、該物品の長さに対して相対的に小さい内径および内容積を有する。
したがって、本発明による物品は、長さまたは全体のサイズに対して通常比較的大きな容積を得ようとする容器ではない。
前記物品の長さは、その物品の端面間の中空物品の最長の大きさとして定義される。1つの実施形態においては、その長さは、テープが置かれまたは配置される中空物品の最長の大きさとして定義され得る。
断面は、上記中空物品の伸長方向に垂直である。断面内径は、上記パイプ状中空物品内の中空空間を取り囲む材料により画定される該パイプ状中空物品中の内側中空空間の直径である。長さ方向にわたり変動しない同じ内径を有する円筒状物品の場合には、内側中空円筒の直径は平均断面内径である。幾つかの中空物品においては、前記断面内径は長さ方向にわたり不変であってよいが、該物品の外径はその物品の特定の断面で変動し得る。
内径が段階的にかつ一様に、該物品の一方の端面からもう一方の端面まで漸減している物品の場合には、該物品の平均断面内径は、そのようなパイプ状中空物品の最小断面内径(一方の端面)および最大断面内径(もう一方の端面)の平均(すなわち、算術平均)として計算される。
前記物品が非丸形の断面形状を有する場合に、前記断面内径は、最小外接円の直径および最大内接円の直径の間の平均として定義される。用語「最小外接円」とは、前記中空物品の内側中空空間の断面の輪郭に少なくとも2点で外接し、該断面の全面積を含む最も小さいまたは最小の円を意味する。用語「最大内接円」とは、前記内側断面の輪郭に少なくとも2点で内接し、前記断面の輪郭内に含まれる最も大きいまたは最大の円を意味する。
このように、例えば、非円形の断面を有する一様なテーパ状のパイプ状中空物品に関しては、平均断面内径は、
− 最小外接円の直径および最大内接円の直径を前記パイプ状中空物品の最も小さい内側断面で測定し、両者の値(dS)の算術平均を計算すること、
− 最小外接円の直径および最大内接円の直径を前記パイプ状中空物品の最も大きい内側断面で測定し、両者の値(dL)の算術平均を計算すること、
− dSおよびdLの算術平均を計算すること
により測定することができる。
その他の変動する直径を有するパイプ状中空物品の場合には、前記断面内径は、該物品の10箇所での断面内径の算術平均を計算することにより測定され、その際、前記10箇所は、前記物品の端面と該端面間の8つの均一間隔に取られた点である。
本発明において使用されるUHMWPEは、エチレンのホモポリマーまたはエチレンと、別のα−オレフィンもしくは環状オレフィンである両者とも一般的に3個から20個の間の炭素原子を有するコモノマーとのコポリマーであってよい。例としては、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、シクロヘキセン等が挙げられる。20個までの炭素原子を有するジエン、例えばブタジエンまたは1,4−ヘキサジエンの使用も可能である。本発明による方法において使用されるエチレンホモポリマーまたはコポリマー中の(非エチレン)α−オレフィンの量は、好ましくは、多くても10mol%、好ましくは多くても5mol%、より好ましくは多くても1mol%である。(非エチレン)α−オレフィンが使用される場合に、それは一般的に、少なくとも0.001mol%、特に少なくとも0.01mol%、さらにより具体的には少なくとも0.1mol%の量で存在する。
使用されるUHMWPEテープは、少なくとも500000グラム/molの、特に1×106グラム/molから1×108グラム/molの間の質量平均分子量を有する。質量平均分子量は、ASTM D 6474−99に従って160℃の温度で溶剤として1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を使用して測定される。高温試料調製装置(PL−SP260)を備える適切なクロマトグラフィー機器(Polymer Laboratories社製のPL−GPC220)が使用され得る。2百万g/molを上回る平均分子量の測定のためには、Talebiら(Macromolecules 2010,43,2780−2788;DOI:10.1021/ma902297b)に記載される流動学的方法を使用することもできる。この方法において、振動せん断測定および線形粘弾性(LVE)レジームにおける応力緩和は、広い温度(140℃〜220℃)、角振動数(0.001rad/s〜100rad/s)および歪み(0.5%〜2%)の範囲にわたりRheometrics RMS 800歪み制御型分光計を使用して行われる。歪み掃引の実施により、LVE領域が確立される。高い試料剛性のため、平行のプレートの配置が8mmのディスク直径で使用される。試料厚さは1mmである。高いモル質量の材料の場合には、応力緩和実験は、測定の時間窓の拡張のために行われる。該測定の前に、ポリマー粉末をまず最初に50℃および200barで圧縮し、焼結された粉末からこうして得られた8mm直径のディスクを、レオメーター中で迅速に(約30℃/分)平衡融点よりずっと高くまで加熱する。応力緩和および周波数掃引実験は、LVEレジームにおいて歪み振幅をかけることにより行われる。
UHMWPEテープ(テープとも呼称する)の引張強度は、ASTM D882−00に従って測定される。延伸比および延伸温度に応じて、少なくとも1.5GPaまたは少なくとも1.7GPaの引張強度を得ることができる。幾つかの実施形態においては、少なくとも2.0GPaの引張強度を有するテープを使用することができる。好ましくは、少なくとも2.5GPaの、特に少なくとも3.0GPaの、より具体的には少なくとも3.5GPaの引張強度を有する少なくとも幾つかのテープが、パイプ状中空物品において使用される。少なくとも4GPaの引張強度を有するテープを使用することもできる。好ましくは、UHMWPEテープの弾性率は、少なくとも150GPaである。該弾性率は、ASTM D822−00に従って測定される。より好ましくは、少なくとも175GPaまたは少なくとも200GPaの弾性率を有するテープが使用される。
高い曲げ弾性率が非常に重要である幾つかの用途においては、より低い強度を有するテープが使用され得る。高い曲げ強度が非常に重要である幾つかの用途においては、より低い弾性率およびより高い強度を有するテープが使用され得、特に高い破断点伸びが必要とされる用途においては、より低い弾性率を有するテープが使用され得る。この用途の文脈においては、該テープの破断点伸びは、引張強度を引張弾性率で除したものとして定義される。
好ましくは、前記テープは、高い引張破断エネルギーを有する。前記引張破断エネルギーは、50%/分の歪み速度を使用してASTM D882−00に従って測定される。そのエネルギーは、応力−歪み曲線下で単位質量当たりのエネルギーを積分することにより計算される。延伸比に応じて、少なくとも15J/gの引張破断エネルギーまたは少なくとも25J/gの引張破断エネルギーを有するテープを得ることができる。幾つかの実施形態においては、少なくとも30J/gの、特に少なくとも40J/gの、より具体的に少なくとも50J/gの引張破断エネルギーを有する材料を得ることができる。
本発明において出発材料として使用されるテープのうちの、少なくとも前記パイプ状中空物品の伸長方向に対して−15°〜15°の範囲の角度で配置されるテープは、少なくとも3の200/110一平面配向パラメータφを有する。好ましくは、本発明において出発材料として使用されるテープのすべては、少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有する。前記200/110一平面配向パラメータφは、反射配置で測定されるテープ試料のX線回折(XRD)パターンにおける200ピーク面積および110ピーク面積の間の比率として定義される。広角X線散乱(WAXS)は、物体の結晶構造についての情報を与える技術である。その技術は、具体的には、広角で散乱されたブラッグピークの解析を指す。ブラッグピークは、長距離構造秩序から得られる。WAXS測定は、回折パターン、すなわち回折角2θ(これは回折線と一次線との間の角度である)の関数としての強度を生ずる。
200/110一平面配向パラメータは、テープ表面に対する200結晶面および110結晶面の配向の程度に関する情報を与える。高い200/110一平面配向を有するテープ試料の場合には、200結晶面は、テープ表面に対して平行にテープの伸長方向に対して平行に非常に配向されている。無作為に配向された微結晶を有する試験片に関する200ピーク面積および110ピーク面積の間の比率は、約0.4である。
200/110一平面配向パラメータについての値は、X線回折計を使用して測定することができる。Cu−Kα放射(K波長=1.5418Å)を生成する集中法多層膜X線光学系(ゲーベルミラー)を備えたBruker−AXS D8回折計が適している。測定条件:2mmの散乱除去用スリット、0.2mmの検出器スリット、および発生器設定40kV、35mA。テープ試験片を、例えば幾つかの両面取り付けテープを用いて試料ホルダに取り付ける。テープ試料の好ましい寸法は、15mm×15mm(長さ×幅)である。試料は、完璧に平坦に保ち、試料ホルダに整列させることに留意すべきである。テープ試験片を有する試料ホルダを、引き続き反射配置で(ゴニオメータに対して垂直で、かつ試料ホルダに対して垂直なテープの垂線で)D8回折計中に入れる。回折パターンのためのスキャン範囲は、0.02°(2θ)および1ステップにつき2秒の計数時間で5°から40°(2θ)までである。測定の間に、前記試料ホルダはテープの垂線の周りを1分間当たり15回転で回転するので、さらなる試料の整列は必要ない。引き続き、強度を回折角2θの関数として測定する。200反射および110反射のピーク面積は、標準的なプロファイルフィッティングソフトウェア、例えばBrucker−AXS社製のTopasを使用して測定する。200反射および110反射は単一のピークであるため、フィッティングは簡単明瞭であり、適切なフィッティング手順を選択して実施することは当業者の範囲内である。200/110一平面配向パラメータは、200ピーク面積と110ピーク面積との間の比率として定義される。このパラメータは、200/110一平面配向の定量的尺度である。
好ましくは、前記テープは、欧州特許第2307180号明細書(EP2307180)に記載される方法に従って製造される。
前記中空物品のテープの少なくとも10質量%は、パイプ状中空物品(中空物品または物品とも呼ばれる)の伸長方向に対して15°〜−15°の角度で、より好ましくは10°〜−10°の角度で、最も好ましくは5°〜−5°の角度で配置される。この角度は、中空物品の伸長方向とテープの伸長方向との間の角度である。好ましい実施形態においては、前記中空物品のテープの少なくとも20質量%、より好ましくは少なくとも30質量%または40質量%を、該物品の伸長方向に対して15°〜−15°の角度で、より好ましくは10°〜−10°の角度で、最も好ましくは5°〜−5°の角度で配置することで、中空物品が作製される。本発明は、前記中空物品のテープの50質量%超またはその少なくとも60質量%を、該物品の伸長方向に対して15°〜−15°の角度で、より好ましくは10°〜−10°の角度で、最も好ましくは5°〜−5°の角度で配置することで、中空物品が作製される実施形態も含む。
幾つかの実施形態においては、前記パイプ状中空物品のテープの少なくとも80質量%、90質量%または100質量%は、該物品の伸長方向に対して15°〜−15°の角度で、好ましくは5°〜−5°の角度で配置されている。
幾つかの実施形態のパイプ状中空物品の形状および耐屈曲性を維持するために、該中空物品のテープの幾つか、好ましくはその少なくとも20質量%は、該物品の伸長方向に対して15°〜−15°以外の角度で、例えば15°〜100°または−15°〜−100°の角度で、好ましくは20°〜80°(または−20°〜−80°)の角度で、または30°〜60°(または−30°〜−60°)の角度で、より好ましくは45°の角度で配置されている。通常はテープまたはそのような配向においてテープを含む層は、前記パイプ状中空物品の外側表面および/または内側表面を形成することとなるが、それらは、該物品の伸長方向に対して15°〜−15°の角度で配向されたテープ(の層)の間に配置されていてもよい。
好ましい実施形態においては、前記物品は、前記パイプ状中空物品の伸長方向に対して−15°〜15°の角度で配向されたテープを少なくとも10質量%(または好ましくは少なくとも20質量%、少なくとも30質量%、少なくとも40質量%、または50質量%超)および前記パイプ状中空物品の伸長方向に対して−30°〜−60°(または30°〜60°)の角度で配向されたテープを少なくとも20質量%含む。
前記物品の伸長方向に対して−15°〜15°以外の角度で配置されたテープの量は、該パイプ状中空物品の用途および所望の特性に依存する。例えば、曲げ剛性に加えて、捩り剛性が必要とされる場合に、該物品の伸長方向に対して−15°〜15°以外の角度で配置されたテープをより高い割合で、例えば30質量%、40質量%、または50質量%まで使用することができる。
該物品の伸長方向に対する角度は、以下のように定義することができる。
その角度は、テープの伸長方向と該物品の伸長方向との間の角度である。曲がっている物品においては、伸長方向は、該物品の曲率に従う。該物品が真っ直ぐである場合には、伸長方向は、該物品の主伸長方向である。図1において、その角度は、該物品の伸長方向(3)とテープの伸長方向(4)との間の角度(8)である。
前記角度は、曲がっている物品の場合に、テープ方向と、該物品中の重心により形成される理論線の軌跡に対する接線との間の角度として定義され得る。言い換えると、その角度は、該物品の断面平面に対して垂直に配向される理論線の間の角度である(その際、断面平面は、該物品の壁部に対して垂直な角度にある)。
0°の角度とは、テープの伸長方向が該物品の伸長方向と同じであり、該パイプ状中空物品の(真っ直ぐなまたは曲がっている)線に沿うことを意味する。
前記中空物品を作製するために、好ましくは少なくとも1本のテープが、マンドレルの周りに特許請求の範囲に記載の角度で配置されるか、または巻き付けられる(こうして、該テープは、特許請求の範囲に記載のように物品に配置される)。超高分子量ポリエチレンのテープの少なくとも10質量%は、15°〜−15°の角度で該物品に配置され、その際、これらのテープの200/110一平面配向はこれらのテープの伸長方向に対して平行であり、かつ該物品におけるこれらの重なり合っているテープの伸長方向は互いに異なっている。該テープがこれらの述べられた角度で前記のように配置されるため、該テープ中の結晶配向は中空物品内で調節され、こうして該物品は高い曲げ弾性率を有する。
前記機械的特性を有するテープおよび該中空物品でのテープの配置の使用により、該中空物品は、改善された曲げ弾性率および曲げ強度を有する。
特に、前記パイプ状中空物品の伸長方向に対して小さい角度で高度に配向されたUHMWPEテープ(200/110一平面配向により特徴付けられる)の使用は、曲げ応力に対して所望の耐久性をもたらす。高い曲げ弾性率および曲げ強度のため、該中空物品は、多種多様な用途のために有用であると同時に、本発明による中空物品は極めて軽量である。しかしながら、該中空物品の製造方法は簡単であり、特殊な装置を必要としない。
例えば、本発明のパイプ状中空物品は、曲げ応力または曲げ応力と捩り応力にさらされるスポーツ用品もしくはスポーツ器具またはその部品のために適している。
通常、前記パイプ状中空物品は、少なくとも2層のテープを含み、すなわち、該パイプ状中空物品壁の各々の点で少なくとも2本のテープが重なり合い得る。その層内では、複数のテープが重なり合い得る。テープが1層内で1方向に配置されている場合に、それらのテープは、長さ方向である程度重なり合っていてよい。1層内で複数のテープは、互いに異なる角度で配向されていてよい。好ましくは、1層の複数のテープは平行に、すなわち1方向で配置されている。
前記層は、交差積層を形成し得る。すなわち1層の複数のテープは1方向で、かつ隣接する層のテープに対して0°以外の角度で配置されている。それらの層内でのテープの方向の交差角度は0°から130°の間で変動し得る。
好ましくは、前記中空物品を作製するためのテープは、10mm超の幅および0.5mm未満の厚さを有する。前記200/110一平面配向は、テープの幅に対して垂直であり、こうして該テープの伸長方向に対して平行である。薄いテープが使用されるため、該テープは、構材の周りに容易に巻き付けることができ、または構材上に容易に配置することができ、こうして中空物品が作製される。このように、曲がっている物品または湾曲した物品を得ることもできる。ある面積における中空物品のためのテープの数は、10mm超の幅を有するテープを選択することにより減らすことができる。このように該製造方法の時間は削減される。
好ましい実施形態においては、前記中空物品はテープのシートにより作られる。テープのシートを巻き付けることで、中空物品を作製することが好ましい。1つの実施形態においては、テープの2枚のシート、より好ましくは4枚のシートを一緒に積み重ねてから、それらを巻き付けることで、中空物品が作製される。一緒に積み重ねられた2枚または4枚のシートは(シートの)スタックと呼ばれる。
好ましくは、それらのテープは(テープの)シート中で一方向で配置される。一方向とは、前記テープがシート内で互いに平行に配向されていることを意味する。もう1つの好ましい実施形態においては、該シートは、経方向および緯方向の複数のテープで作られた織られたシートである。すべての通常の織りパターン、例えば平織り、綾織りまたは繻子織りが可能である。
スタックが使用される場合に、好ましくは該スタックの少なくとも1枚のシート、より好ましくはすべてのシートは、一方向に配置されたテープおよび/または織られた形のテープを示す。
シート中のテープが一方向に配置されている場合に、好ましくは少なくとも2枚のシートは、互いに交差積層されるか、または該スタック内でレンガ積みの配置で配置される。レンガ積みの配置の場合に、テープの方向は、どのシートでも同じであり、各々のシートのテープは、そのシートの上方または下方の隣接シートのテープと食い違っており、その際、各々のシート中のテープは一方向に配向される(これは平行に並んでいることを意味する)。好ましくは、それらのテープは1枚のシートにおいて互いの間に隙間を有さない。隙間が存在する(テープが、第1のシートにおいて隙間を空けて平行に並んだ関係で配置されている)場合に、第1のシートにおけるテープ間の隙間は、好ましくはテープの幅よりも小さく、その後に複数のテープが、第2のシートにおいて隙間を空けて平行に並んだ関係で配置され、その位置で第1のシートにおける隙間は、第2のシートにおけるテープにより覆われる。有用なレンガ積みの配置は、欧州特許第1868808号明細書(EP1868808)および国際公開第2008/040506号パンフレット(WO2008/040506)に開示されている。
前記樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または熱可塑性エラストマー樹脂であり得る。
好ましくは、該樹脂は、テープ上におよび/またはテープ間に被膜形で存在している。テープ自体が中空物品を作製するために使用される(したがって、テープのシートが使用されない)場合に、前記被膜は、好ましくはテープの一方の表面上にまたは両方の表面上に存在する。該テープは、一方の表面上に1つの種類の樹脂または樹脂被膜を含み、もう一方の表面上に異なる樹脂または樹脂被膜を含んでよい。もう1つの実施形態においては、前記中空物品は、テープのシートを巻き付けることにより作製される。この場合にも、該シートは樹脂の被膜により覆われてよく、その際、該シートの各々の表面は樹脂被膜で覆われていてよい。シートのスタックが使用される場合に、該樹脂被膜は、該スタックの外側表面上におよび/または該スタック中の(テープの)シート間に配置され得る。被膜は材料の薄いシートであり、それは、前記テープまたはテープのシートを完全にまたは部分的に覆い得る。好ましい実施形態においては、1本以上のテープまたはテープで作られた1枚以上のシートは、前記被膜により完全に覆われている(これは、テープ表面またはシート表面の80%より多くが該被膜により覆われていることを意味する)。
好ましい実施形態において、前記パイプ状中空物品の樹脂含量は、該物品の全重量を減らすためにできる限り低い。好ましくは、該パイプ状中空物品の樹脂含量は、25質量%未満、より好ましくは15質量%未満である(テープおよび樹脂の質量に対して)。
少なくとも1本のテープまたはテープで作られたシートが樹脂により覆われるとしても、そのテープまたはシートの樹脂による含浸は起こらない。被覆またはカバーと含浸との間の違いは、被覆法またはカバー法においては、該テープまたはシートの表面だけがこの材料で被覆されるということである。含浸工程においては、被覆材料は、表面上にも、テープまたはシートの内部にも存在する。
該樹脂は、UHMWPEテープの融点未満の融点(例えば145℃未満)を有する。低密度ポリエチレン(LDPE)は、1つの有用な例である。
前記パイプ状中空物品は、外側シースまたは外側カバーを含み得る。
該中空物品は、好ましくはスポーツ用品もしくはスポーツ器具またはその部品のために使用される。高い曲げ弾性率および曲げ強度のため、該パイプ状中空物品は、曲げに耐える必要があるスポーツ器具またはその部品のために特に適している。
これらは、例えばラケットのシャフトまたはハンドル、ゴルフクラブ、例えば自転車のためのフレームもしくはその部品、またはラケット、矢、釣り竿、オールもしくはポール、例えば高飛び用ポールもしくはスキー用ポール、マスト(帆船を含むボート用)またはサーフボード、例えばウィンドサーフィン用のサーフボードである。
1つの実施形態においては、前記中空物品はゴルフクラブ用のシャフトであり、それはゴルフクラブシャフトの機械的要求(例えば曲げ弾性率、曲げ強度、捩り剛性)を極めて軽量ですべて満たし得る。ゴルフクラブシャフトは、通常は種々の繊維配向を用いて炭素繊維複合材料から構築されている。
1つの実施形態においては、前記ゴルフクラブシャフトは、異なるテープ配向を有する多層を含み、例えば少なくとも2方向または3方向の異なる配向の複数の層を含む。例えば、該多層のうちの1層は、バイアス配向層と呼ばれる第1の層であり、その層はシャフトの伸長方向に対して30度から70度の間の角度で配置されている。しばしば、そのようなバイアス配向層は、別のバイアス配向層と、該シャフトの伸長方向に対して−30度〜−70度の角度で組み合わされる。このように2層のバイアス配向層は、2重層として交差積層された形で配置されていてよく、その際、各々の層は通常は、該物品の伸長方向に対して同じ角度であるが、反対方向(したがって、例えば45°および−45°)に配置されている。もう1つの配向層は、−15度から15度の間の角度で、該シャフトの伸長方向に対して理想的には0度で配向される「ストレート」層である。
1つの実施形態においては、前記ゴルフクラブシャフトは、該物品のテープの質量に対して30質量%から70質量%の間のバイアス配向のテープまたはテープの層、および70質量%から30質量%の間のストレート配向のテープまたはテープの層を含む。
前記ゴルフクラブシャフトは、さらなる異なる配向の層を含んでもよく、かつ該層は、ゴルフクラブシャフト全体にわたり延びていてよく、または例えばゴルフクラブシャフトのグリップエンド区分またはゴルフクラブのチップエンド区分の補強のようなゴルフクラブシャフトの1区分のみにわたって延びていてよい。
したがって、ゴルフクラブシャフト(そしてまた一般にパイプ状中空物品)の層の構成は、その長さに沿って異なっていてもよい。
ゴルフクラブに捩り剛性および耐屈曲性を与えるバイアス層は、好ましくは、150GPaを上回る、好ましくは175GPaを上回る、最も好ましくは200GPaを上回る高い弾性率を有するテープから構築される。該シャフトに曲げ強度および剛性を与えるストレート層は、好ましくは、2GPaを上回る、好ましくは2.6GPaを上回る、最も好ましくは3.6GPaを上回る高い強度を有し、かつ1.2%〜2.5%の、より好ましくは1.5%〜2.4%の、最も好ましくは1.7%〜2.3%の破断点伸びを有するテープから構築される。前記ストレート層におけるテープの弾性率は、該テープの強度および破断点伸びに応じて、150GPaから250GPaの間である。
テープの層は、一般的に樹脂、例えばLDPEの薄層により結合され、その薄層は、テープ、好ましくは高張力テープの質量%において、テープおよび樹脂の全質量に対して85%の過剰で、より好ましくは89%の過剰で、最も好ましくは92%の過剰でもたらされる。
前記ゴルフクラブシャフトは、UHMWPEテープまたはテープのシート(以下に記載される)を、テーパ状のマンドレルの周りに巻き付け、および/もしくは巻くか、または該テープをその長さに沿って配置することにより製造される。ウッド型のクラブ用のシャフトに関しては、シャフト長さは、一般的に1050mm〜1250mmであり、チップエンドでの外径は、一般的に7mm〜10mmであり、グリップエンドでは一般的に14mm〜17mmである。内径は、長さにわたって変動してよい。通常、中空ゴルフクラブシャフトの肉厚は0.3mmから3mmの間であることとなる。シャフトの重さは、好ましくは60グラム未満、より好ましくは50グラム未満、最も好ましくは40グラム未満である。
もう1つの実施形態においては、本発明のパイプ状中空物品は、釣り竿である。
釣り竿の場合には、竿がある程度フレキシブルであり、曲げ力を竿全体にわたり分散することができることが重要である。
1つの実施形態においては、前記釣り竿は、多層のテープ(またはテープのシート)を含む。該層の各々は「ストレート」配向で、したがって竿の伸長方向に対して−15°〜15°の角度で配向されている。好ましくは、異なる層におけるテープの弾性率は、竿の内側から竿の外側層に向かって増大する。1つの実施形態においては、異なる層におけるテープは、同じ高い強度を有する。
竿の長さにわたる層の分布または厚さに関しては、より低弾性率のテープの内側層は、竿の全長を覆う一方で、増大する弾性率を有するテープの層は、好ましくは、層厚が竿のリアエンドに向かって累進的に増大するように配置される。
好ましくは、テープの少なくとも50質量%(前記物品のすべてのテープの質量に対して)、より好ましくはテープの少なくとも70質量%、さらにより好ましくはテープの少なくとも85質量%は「ストレート」配向で、したがって竿の伸長方向に対して−15°〜15°の角度で配向される。
本発明のさらなる態様は、前記段落に記載されるパイプ状中空物品の製造方法である。この方法においては、樹脂で被覆された超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)テープの少なくとも1枚のシートをマンドレル上に配置することで、前記物品が作製され、その際、該マンドレルは、テープの少なくとも1枚のシートおよび樹脂と一緒に、温度を150℃未満、好ましくは135℃未満に留めて加熱されて、樹脂が溶融される。前記パイプ状中空物品の製造方法においては、超高分子量ポリエチレンテープの少なくとも1枚のシートを、マンドレル上に、該超高分子量ポリエチレンテープが該物品の伸長方向に対して15°〜−15°の角度を有するように配置することで、該パイプ状中空物品が作製され、その際、前記テープは少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有し、かつ[前記物品の長さ]/[前記物品の平均断面内径]の比率は少なくとも5である。
好ましくは、前記パイプ状中空物品の作製のためにテープの2枚以上のシートが使用される。好ましくは、前記シートは、交差積層された配置、および/またはレンガ積み配置で配置され、その際、樹脂の被膜は、前記(テープの)シートの間に、その上方に、および/またはその下方に配置される。
本発明のさらにもう1つの態様は、超高分子量ポリエチレンテープで作られたパイプ状中空物品の製造方法であって、樹脂で被覆された超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)テープをマンドレルの周りに配置し、そのマンドレルを、テープと一緒に150℃未満、好ましくは135℃未満の温度で加熱して、該樹脂を溶融し、その際、前記テープの少なくとも10質量%は、該マンドレル上に、そのマンドレルの伸長方向に対して15°〜−15°の角度で巻き付けられており、前記テープは少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有し、かつ[前記物品の長さ]/[前記物品の平均断面内径]の比率は少なくとも5である、方法である。
好ましくは、両方の方法(テープにより作られた物品およびシートにより作られた物品)において、少なくとも30質量%、より好ましくは少なくとも50質量%、または少なくとも60質量%を、該マンドレルに、そのマンドレルの伸長方向に対して15°〜−15°の角度で、より好ましくは10°〜−10°の角度で、最も好ましくは5°〜−5°の角度で適用することで、中空物品が形成される。
両方の方法(テープにより作られた物品およびシートにより作られた物品)に関して、UHMWPEテープの平衡融点より高い温度ではプロセス工程は実施されない。すなわち、150℃より高い温度で工程は実施されない。これは、両方の方法におけるすべてのプロセス工程が150℃未満で、好ましくは135℃未満で実施されることを意味する。150℃より高い温度はテープの結晶構造を破壊し、こうして該テープはその機械的特性を失うこととなる。
両方の方法において、適用されるテープは、好ましくは、ASTM D882−00による1.5GPaより高い引張強度、およびASTM D822−00による150GPaより高い弾性率を有する。
好ましくは、両方の方法におけるテープを、該物品において交差角で配置されるテープの少なくとも半分の伸長方向が互いに異なるように配置して、該物品が作製される。
シート(テープで作られたシート)で作られたスタックが使用される場合に、少なくとも2枚のシートは、135℃の温度および35barにおいて樹脂被膜で処理される。得られた組成物を、マンドレルまたは任意のその他の形状のテンプレートの周りに配置し、巻き付け、または巻回させることで、所望の中空物品が作製される。引き続き、該物品に熱および圧力をかけることで、最終中空物品が得られる。
前記中空物品の作製のために、好ましくはテープのシートは、マンドレルの周りに数回配置され、または数回巻き付けられる。該マンドレルは、好ましくは発泡可能および加熱可能である。前記組成物が載ったマンドレルを型に入れる。その型を加熱する。マンドレルの発泡により、予備パイプ状物品に圧力がかけられる。高められた温度(150℃未満)および圧力下で、最終物品が成形される。所望であれば、前記中空物品の滑らかな内側表面は、異なる材料(例えばナイロン、金属箔)をマンドレルに隣接するテープ層(シート)(の一部)中に導入するか、またはその内側層のテープを溶融することにより得ることができる。
1つの実施形態においては、前記中空物品は、強化繊維、例えばアラミド(好ましくはポリp−フェニレンテレフタルアミド(PPTA))、UHMWPE繊維(例えば商品名Dyneemaとしても知られる)または炭素繊維により強化することができる。1つの好ましい実施形態においては、テープまたはテープのシートで作られた中空物品は、マトリックスで被覆される。該マトリックスは、好ましくは、該中空物品の外側表面に配置される。前記マトリックスは、好ましくは3未満の、より好ましくは2未満の、最も好ましくは1未満の200/110一平面配向パラメータを有する低弾性率ポリエチレンで作られている。
前記中空物品について記載されたシートにおけるテープ配向に関するすべての実施形態は、該中空物品の作製方法においても適用することができる。さらに、前記中空物品の製造方法において述べられたすべての物の特徴は、中空物品自体についても適用することができる。
図1は、本発明によるパイプ状中空物品の概略図(実寸ではない)を示す。
長さ(7)を有する物品(1)は、テープ(2)を含む。テープ(2)は、物品の伸長方向(3)とテープの伸長方向(4)との間の角度(8)で配置される。該物品に含まれるテープの少なくとも10質量%は、角度(8)が−15°〜15°の範囲にあるように配置される。断面内径(5)は、該物品(1)の内側中空空間(6)に関連する。断面内径が該物品の長さにわたり不変であるこの場合においては、その断面内径は、平均断面内径である。
1 パイプ状中空物品、 2 テープ、 3 中空物品の伸長方向、 4 テープの伸長方向、 5 断面内径、 6 内側中空空間、 7 長さ、 8 物品の伸長方向とテープの伸長方向との間の角度

Claims (14)

  1. 超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)テープおよび樹脂を含むパイプ状中空物品であって、該物品においては前記テープを配置することで、その物品が作製されており、その際、前記物品中のテープの少なくとも10質量%の伸長方向は、該物品の伸長方向に対して−15°〜15°の範囲の角度にあり、前記テープは少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有し、かつ[前記物品の長さ]/[前記物品の平均断面内径]の比率は少なくとも5である、パイプ状中空物品。
  2. 前記テープは、ASTM D822−00による少なくとも150GPa、好ましくは少なくとも200GPaの弾性率を有する、請求項1に記載のパイプ状中空物品。
  3. 前記物品中のテープの少なくとも20質量%、好ましくは少なくとも30質量%、より好ましくは少なくとも40質量%、さらにより好ましくは50質量%超の伸長方向は、該物品の伸長方向に対して−15°〜15°の角度にある、請求項1または2に記載のパイプ状中空物品。
  4. 前記テープは、10mm超の幅および0.5mm未満の厚さを有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のパイプ状中空物品。
  5. 前記樹脂は、テープ上におよび/またはテープの間に被膜の形で存在する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のパイプ状中空物品。
  6. 前記物品は、テープの少なくとも1枚のシートを含み、該シートを巻き付けることで、該物品が作製されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載のパイプ状中空物品。
  7. 前記テープの少なくとも1枚のシートは、少なくとも1つの樹脂被膜により覆われている、請求項6に記載のパイプ状中空物品。
  8. 前記物品は、テープの少なくとも2枚のシートを含み、これらのテープのシートの間に樹脂被膜が存在する、請求項6または7に記載のパイプ状中空物品。
  9. 前記テープの少なくとも1枚のシートは、テープの一方向シートであるか、またはテープが織られてシートが形成されている、請求項6から8までのいずれか1項に記載のパイプ状中空物品。
  10. 前記テープのシートのテープは、前記物品の伸長方向に対して90°から15°の間、または−15°から−90°の間のいずれかの角度で配向されている伸長方向に配向されている、請求項5から9までのいずれか1項に記載の、テープのシートをさらに含むパイプ状中空物品。
  11. 前記物品の伸長方向に対して90°から15°の間、または−15°から−90°の間のいずれかの角度で配向されている伸長方向に配向されているテープを有するテープの少なくとも1枚のシートは、前記パイプ状中空物品の内側表面および/または外側表面を形成する、請求項10に記載のパイプ状中空物品。
  12. 請求項1から11までのいずれか1項に記載のパイプ状中空物品を含むスポーツ器具、例えばゴルフクラブシャフト、フレーム、矢、ラケットもしくはその部品、釣り竿、オールまたはポール。
  13. パイプ状中空物品の製造方法であって、樹脂で被覆された超高分子量ポリエチレンテープの少なくとも1枚のシートをマンドレル上に配置することで該物品が作製される製造方法において、前記マンドレルを、前記テープの少なくとも1枚のシートおよび樹脂と一緒に、150℃未満の温度で加熱して、樹脂を溶融させ、該超高分子量ポリエチレンテープの少なくとも1枚のシートを、前記マンドレル上に、該超高分子量ポリエチレンテープが該物品の伸長方向に対して−15°〜15°の角度を有するように配置することで、そのパイプ状中空物品が作製され、その際、前記テープは少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有し、かつ[前記物品の長さ]/[前記物品の平均断面内径]の比率は少なくとも5であることを特徴とする方法。
  14. 樹脂で被覆された超高分子量ポリエチレンテープを、マンドレル上に配置する、超高分子量ポリエチレンテープを含むパイプ状中空物品の製造方法において、前記マンドレルを、前記テープおよび樹脂と一緒に、150℃未満の温度で加熱して、樹脂を溶融し、その際、前記超高分子量ポリエチレンテープの少なくとも10質量%は、該マンドレル上に、そのマンドレルの伸長方向に対して−15°〜15°の角度におけるこれらのテープの主伸長方向で配置されており、前記テープは少なくとも3の200/110一平面配向パラメータを有し、かつ[前記物品の長さ]/[前記物品の平均断面内径]の比率は少なくとも5であることを特徴とする方法。
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