以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付した図面と一緒に詳細に後述された実施形態を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、ここで説明する実施形態に限定されたものではなく、異なる形態で具体化されることもできる。むしろ、ここで紹介される実施形態は、開示された内容が徹底して完全になるように、そして当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものであり、本発明は、特許請求の範囲によって定義されるだけである。明細書の全文にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指す。
本明細書で使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書では、単数形は、フレーズで特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」ことは、言及された構成要素、ステップ、動作、及び/又は素子に、1以上の他の構成要素、ステップ、動作、及び/又は素子が存在又は追加されることを排除しない。
また、好ましい実施形態によるものであるため、説明の順序に従って提示される参照符号は、その順番に必ずしも限定されない。本明細書で使用される「表面ナノ酸化膜(SNO、Suface Nano Oxidation)」の意味は、基材の表面に形成された酸化膜の意味で定義されて使用される。
また、本明細書で記述する実施形態は、本発明の理想的な例示図である断面図及び/又は平面図を参考にして説明する。図面において、膜及び領域の厚さは、技術的内容の効果的な説明のために誇張されたものである。したがって、製造技術及び/又は許容誤差などによって例示図の形が変形する可能性がある。したがって、本発明の実施形態は、図示された特定の形態に限定されるものではなく、製造プロセスに従って生成される形態の変化も含まれる。したがって、図面で例示された領域は、概略的な属性を持ち、図面で例示された領域の様子は、素子の領域の特定の形態を例示するためのものであり、発明の範囲を制限するためのものではない。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
様々な実施形態を説明するに当たって、同じ機能を実行する構成要素については実施形態が異なっても、便宜上同一の名称と同一の参照符号を付する。また、既に他の実施形態で説明した構成と動作については、便宜上省略することにする。
図1は、従来のアルミニウムの孔付き陽極酸化皮膜を示す図であり、図2は、本発明の好ましい実施形態による金属部品の表面ナノ酸化膜を示す図であり、図3は、本発明の好ましい実施形態による金属部品の表面ナノ酸化膜の形成過程を示す図であり、図4は、図2の金属部品がその内面を構成するか、或いは内部部品に配置されるCVDプロセスチャンバを示す図であり、図5は、図2の金属部品がその内面を構成するか、或いは内部部品に配置されるドライエッチングプロセスチャンバを示した図である。
本発明の好ましい実施形態による金属部品1は、金属材質の基材と、前記基材の表面に孔43無しに形成された表面ナノ酸化膜30で構成される。
前記表面ナノ酸化膜30は、金属材質の基材に陽極酸化処理(anodizing)をして形成される陽極酸化皮膜であってもよい。
前記金属材質の基材は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)などであってもよく、軽量で、加工しやすく、熱伝導性に優れ、重金属の汚染の恐れもないアルミニウム又はアルミニウム合金の材質からなることが好ましい。
ここで、本発明の好ましい実施形態によるアルミニウム又はアルミニウム合金は、これを陽極酸化させて表面に表面ナノ酸化膜30が形成されるアルミニウム又はアルミニウム合金であれば、この両方を含む。ただし、以下では、一例として、金属材質の基材がアルミニウム10の材質である場合に限って説明する。
図2に示すように、本発明の好ましい実施形態による金属部品1は、アルミニウム10と、アルミニウム10の表面及び内部に孔(pore)43無しに形成される表面ナノ酸化膜30とを含んで構成される。
表面ナノ酸化膜30は、アルミニウム10を陽極酸化させて形成され、孔43を有する第1の陽極酸化皮膜40と、第1の陽極酸化皮膜40の孔43内に形成される第2の陽極酸化皮膜50とを含んで構成される。
第1の陽極酸化皮膜40は、アルミニウム10を陽極酸化処理して生成され、酸化アルミニウム(Al2O3)で構成される。
また、第1の陽極酸化皮膜40は、アルミニウム10の表面に形成されるバリア層41と、孔43を有する多孔質層42とを含んで構成される。
第2の陽極酸化皮膜50は、第1の陽極酸化皮膜40の多孔質層42の孔43を埋めるように成長する。
したがって、この場合には、第2の陽極酸化皮膜50の形成厚さは、第1の陽極酸化皮膜40の多孔質層42の孔43の深さと同じである。
このような第1の陽極酸化皮膜40と第2の陽極酸化皮膜50の構造により、表面ナノ酸化膜30は、基材であるアルミニウム10の表面全体にわたって同じ厚さtを有しており、表面ナノ酸化膜30の表面及び内部には孔43が形成されない。
すなわち、第1の陽極酸化皮膜40の多孔質層42の孔43内に第2の陽極酸化皮膜50が形成されており、表面ナノ酸化膜30の表面及び内部には孔43がない。
このように、表面ナノ酸化膜30の表面に孔43が形成されていないため、その構造が緻密でプロセスガスが透過されない。これにより、アルミニウム10の表面にプロセスガスが浸透することができなく、プロセスガスに対して高い耐食性を持つようになる。
また、表面ナノ酸化膜30は、十分な厚さtを有し、酸化アルミニウム(Al2O3)で構成されるため、酸化アルミニウム(Al2O3)の化学的特性により、高い耐食性と耐電圧性の特性を発揮し、その表面と内部に孔43を有しないため、従来の陽極酸化皮膜の多孔質層に起因する異物等の蒸着やアウトガシンによる問題が発生しない。
以下、図3を参照して、本発明の好ましい実施形態による金属部品1のアルミニウム10の表面に、表面ナノ酸化膜30を形成させる金属部品1の製造方法について説明する。
本発明の好ましい実施形態による金属部品1の製造方法は、アルミニウム10の表面を第1の電解液により陽極酸化させて多孔質層42を有する第1の陽極酸化皮膜40を形成する第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1と、第2の電解液により再度陽極酸化させて第1の陽極酸化皮膜40の多孔質層42の孔43に第2の陽極酸化皮膜50を形成する第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップS2と、多孔質層42の孔43内に形成された第2の陽極酸化皮膜50が成長して、多孔質層42の孔43を埋めることで、孔43のない表面ナノ酸化膜30が形成される表面ナノ酸化膜30の形成ステップS3と、を含む。
第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップは、基材であるアルミニウム10を第1の電解液により陽極酸化(Anodizing)させ、アルミニウム10の表面にバリア層41と多孔質層42を有する第1の陽極酸化皮膜40とを形成することによって実行される。
この場合には、第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1の陽極酸化処理に使用される第1の電解液としては、硫酸(Sulfuric Acid、H2SO4)、リン酸(Phosphoric Acid)などを利用することができるが、本発明の好ましい実施形態による金属部品1の製造方法の場合、前記第1の電解液は、シュウ酸(Oxalic Acid、C2H2O4)であることが望ましい。
したがって、シュウ酸(C2H2O4)電解液タンク内のアルミニウム10に電流を流すと、アルミニウム10の表面にバリア層41が形成される。
より具体的には、アルミニウム10からイオン化されたAl3+イオンがアルミニウム10の外側方向に流出され、前記シュウ酸電解液からイオン化されたO2−とOH−イオンがまたアルミニウム10の内部方向に流入されることで、前記Al3+イオンと前記O2−イオンが化学的に結合して、バリア層41が形成されることになる。この場合に、バリア層41は、その表面及び内部に孔43のない形で形成される。
その後、時間の経過に伴って、バリア層41が成長しつつ、バリア層41の上部に多孔質層42が形成され、この場合に、多孔質層42は、バリア層41と異なって、孔43を有するように形成される。
上記のように、シュウ酸(C2H2O4)を利用した第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1は、0.3Mのシュウ酸(C2H2O4)を基準として、次のようなプロセス条件を持つ。
0.3Mのシュウ酸(C2H2O4)を利用して、第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1を実行する場合、0.3Mのシュウ酸(C2H2O4)電解液タンク内に電流を流させる電圧は40Vであることが好ましく、5℃〜40℃の温度で実行されることが好ましい。また、0.3Mのシュウ酸(C2H2O4)を利用した第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1の実行時間は10分間であることが望ましい。
前述と異なるように、シュウ酸(C2H2O4)ではない硫酸(H2SO4)又はリン酸を用いて、第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1を実行する場合は、次のようなプロセス条件となる。
1.0Mの硫酸(H2SO4)を用いて、第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1を実行する場合、1.0Mの硫酸(H2SO4)電解液タンク内に電流を流させる電圧は20Vであることが好ましく、0℃の温度で実行されることが好ましい。また、1.0Mの硫酸(H2SO4)を利用した第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1の実行時間は10分間であることが望ましい。
1Wt%のリン酸を用いて、第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1を実行する場合、1Wt%のリン酸電解液タンク内に電流を流させる電圧は195Vであることが好ましく、10℃の温度で実行されることが好ましい。また、1Wt%のリン酸を用いた第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1の実行時間は10分間であることが望ましい。
第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1を実行した後に、第1の陽極酸化皮膜40が形成されたアルミニウム10を第2の電解液により再度陽極酸化(Re−Anodizing)させ、第1の陽極酸化皮膜40の多孔質層42の孔43内に第2の陽極酸化皮膜50を形成する第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップS2を実行する。
この場合に、第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップS2の再度陽極酸化処理に使用される第2の電解液として、五ほう酸アンモニウム八水和物(Ammonium Pentaborate Octahydrate)、DL−酒石酸(DL−Tartaric Acid)、アジピン酸(Adipic Acid)、タングステン酸ナトリウム(Sodium Tungstate)、アジピン酸アンモニウム(Ammonium Adipate)、ホウ酸ナトリウム(Sodium Borate)などを利用できるが、本発明の好ましい実施形態による金属部品1の製造方法の場合、前記第2の電解液はクエン酸(Citric Acid、C6H8O7)であることが好ましい。
したがって、クエン酸(C6H8O7)電解液タンクの中で第1の陽極酸化皮膜40が形成されたアルミニウム10に電流を流すと、第1の陽極酸化皮膜40の多孔質層42の孔43の下部から上部方向に、孔43を埋めながら第2の陽極酸化皮膜50が成長される。
第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップS2を実行した後に、時間の経過とともに、多孔質層42の孔43に形成される第2の陽極酸化皮膜50が成長して、多孔質層42の孔43を埋めることで、孔43のない表面ナノ酸化膜30を形成する表面ナノ酸化膜30の形成ステップS3が行われる。
すなわち、第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップSを実行した後に、時間の経過に伴って第2の陽極酸化皮膜50が多孔質層42の孔43の下部から上部方向に成長し多孔質層42の孔43の空間を埋めることで、多孔質層42の孔43は、第2の陽極酸化皮膜50により完全に埋めてしまい、アルミニウム10の表面に、その表面及び内部に孔43のない表面ナノ酸化膜30を形成するようになる。
このように、第2の陽極酸化皮膜50が多孔質層42の孔43を完全に埋めるように形成するために、第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップS2と表面ナノ酸化膜30の形成ステップS3の場合に、前記クエン酸電解液タンク内に電流を流させる電圧は100Vから500Vの電圧であることが好ましい。
上記のように、クエン酸(C6H8O7)を利用した第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップS2は、0.02Mのクエン酸(C6H8O7)を基準として、次のようなプロセス条件を持つ。
0.02Mのクエン酸(C6H8O7)を利用して、第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップS2を実行する場合、0.02Mのクエン酸(C6H8O7)電解液タンク内に電流を流させる電圧は300Vであることが好ましく、10℃の温度で実行されることが好ましい。また、0.02Mのクエン酸(C6H8O7)を利用した第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップS2の実行時間は10分間であることが望ましい。
前述したステップを経て形成された本発明の好ましい実施形態による金属部品1の表面ナノ酸化膜30は、従来の表面に孔43が形成された多孔質層が存在しないため、その表面及び内部は孔43がないように形成される。
また、表面ナノ酸化膜30の厚さtは、プロセスガスに対して十分な耐食性、耐電圧性、及び耐プラズマ性を有するように形成される。
つまり、前述したステップを経て形成された本発明の好ましい実施形態による金属部品1の表面ナノ酸化膜30の厚さtは、好ましくは、数百nmに形成され、より好ましくは100nm以上〜1μm未満の間に形成される。
前述した第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1と第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップS2との間に、第1の陽極酸化皮膜40の除去ステップと、第1の陽極酸化皮膜40の再形成ステップとをさらに含んでもよい。
第1の陽極酸化皮膜40の除去ステップは、第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1で形成された第1の陽極酸化皮膜40を除去するステップである。このような第1の陽極酸化皮膜40の除去ステップは、第1の陽極酸化皮膜40を除去した後、第1の陽極酸化皮膜40の再形成ステップで形成される第1の陽極酸化皮膜40の孔43の整列度を高め、第2の陽極酸化皮膜50の形成ステップS2を実行するときに、第1の陽極酸化皮膜40の孔43内に第2の陽極酸化皮膜50を容易に形成させることができるという効果がある。
この場合、第1の陽極酸化皮膜40の除去ステップに使用される溶液は、1.8Wt%のクロム酸(CrO3)と6Wt%のリン酸(H3PO4)を混合した混合溶液であることが好ましい。
上記のように、1.8Wt%のクロム酸(CrO3)と6Wt%のリン酸(H3PO4)を混合した混合溶液を用いた第1の陽極酸化皮膜40の除去ステップは、次のようなプロセス条件を持つ。
1.8Wt%のクロム酸(CrO3)と6Wt%のリン酸(H3PO4)を混合した混合溶液を用いて、第1の陽極酸化皮膜40の除去ステップを実行する場合、45℃の温度で実行されることが好ましく、第1の陽極酸化皮膜40の除去ステップの実行時間は120分間であることが望ましい。
第1の陽極酸化皮膜40の再形成ステップは、前述した第1の陽極酸化皮膜40の除去ステップの後に、アルミニウム10へさらに第1の陽極酸化皮膜40を形成するステップであって、その方法及びプロセス条件は前述した第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1と同じである。つまり、前述した第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1で使用される電解液として、硫酸(Sulfuric Acid、H2SO4)、リン酸(Phosphoric Acid)、シュウ酸(Oxalic Acid、C2H2O4)などを使用することができ、第1の陽極酸化皮膜40の形成ステップS1で、前述したプロセス条件を利用して、第1の陽極酸化皮膜40の再形成ステップを実行することができる。
以下、図4を参照して、前述した本発明の好ましい実施形態の金属部品1が、その内面を構成するか、或いは内部部品として配置されるCVDプロセスチャンバ(Chemical Vapor Deposition process chamber)100について説明する。
図4に示すように、CVDプロセスチャンバ100は、CVDプロセスチャンバ100の外部に備わる気体流量装置(MFC、Mass Flow Controller)110と、CVDプロセスチャンバ100の内部に配置されて基板Sを支持するサセプタ(Susceptor)120と、CVDプロセスチャンバ100の上部に配置されるバッキングプレート(Backing plate)130と、バッキングプレート130の下部に配置されて基板Sにプロセスガスを供給するディフューザ(Diffuser)140と、サセプタ120とディフューザ140との間に配置されて基板Sの辺縁をカバーするシャドウフレーム(Shadow frame)150とを含んで構成される。
CVDプロセスチャンバ100の内部には、サセプタ120やバッキングプレート130、ディフューザ140、シャドウフレーム150などが配置され、プロセスガスによる化学的気相蒸着(CVD)が起こるよう反応空間を提供する。
CVDプロセスチャンバ100の上部に、バッキングプレート130と連通して、プロセスガスを供給するプロセスガス供給部(図示せず)を備え、CVDプロセスチャンバ100の下部に、化学的気相蒸着プロセスを実行したプロセスガスが排気される排気部160を備えてもよい。
気体流量装置110は、CVDプロセスチャンバ100の内部空間で流動する気体、つまり、プロセスガスを制御する役割を果たす。
サセプタ120は、CVDプロセスチャンバ100の内部の下部空間に配置され、化学的気相蒸着プロセス中に基板Sを支持する役割を果たす。
サセプタ120の内部に、プロセス条件に応じて、基板Sを加熱するためのヒータ(図示せず)を備えてもよい。
バッキングプレート130は、前記プロセスガス供給部と連通するようにCVDプロセスチャンバ100の上部に配置され、前記プロセスガス供給部から供給されるプロセスガスを、後述するディフューザ140に流動させて、プロセスガスがディフューザ140によって均等に噴射されることに寄与する役割を果たす。
ディフューザ140は、バッキングプレート130の下部にサセプタ120と対向するように配置され、基板Sにプロセスガスを均一に噴射する役割を果たす。
また、ディフューザ140には、ディフューザ140の上面と下面を貫通する複数の貫通孔141が形成される。
貫通孔141は、上部の直径が下部の直径よりも大きいオリフィス(Orifice)形状を有してもよい。
また、貫通孔141は、ディフューザ140の全域にわたって均一な密度で形成されることができ、これにより、基板Sの全領域へ一定的にガスを噴射することができる。
すなわち、前記ガス供給部から供給されたプロセスガスは、バッキングプレート130を介してディフューザ140に流入され、前記プロセスガスは、ディフューザ140の貫通孔141を介して基板Sに均一に噴射される。
シャドウフレーム150は、基板Sの辺縁部にフィルムが蒸着されることを防止する役割を果たし、サセプタ120とディフューザ140との間に配置される。
この場合、シャドウフレーム150は、CVDプロセスチャンバ100の側面に固定されることができる。
前述したCVDプロセスチャンバ100の内面、サセプタ120、バッキングプレート130、ディフューザ140、シャドウフレーム150、排気部160のうちの少なくともいずれか1つの基材の材質は、アルミニウム10の材質であることが好ましい。
また、CVDプロセスチャンバ100で使用される基板Sは、ウェハ(Wafer)又はガラス(Glass)であってもよい。
前記のような構成を有するCVDプロセスチャンバ100は、前記プロセスガス供給部から供給されるプロセスガスがバッキングプレート130に流入した後、ディフューザ140の貫通孔141を介して基板Sに噴射されることにより、基板Sに化学的気相蒸着プロセスを行うことになる。
前記プロセスガスは、プラズマ状態のガスとして強い腐食性と浸食性を持っており、CVDプロセスチャンバ100の内面とCVDプロセスチャンバ100の内部に配置される部品、すなわち、サセプタ120やバッキングプレート130、ディフューザ140、シャドウフレーム150、排気部160などは、前記プロセスガスと接触することになる。
本発明の好ましい実施形態によれば、CVDプロセスチャンバ100の内面のうちの少なくとも一部の面及び/又は前記CVDプロセスチャンバ100をなす内部部品の少なくともいずれか1つの表面には、孔43のない表面ナノ酸化膜30が形成される。
CVDプロセスチャンバ100は、プロセスガスが流動するCVDプロセスチャンバ100の内面に表面ナノ酸化膜30を形成することができ、CVDプロセスチャンバ100の下部に備わる排気部160の内面にも、表面ナノ酸化膜30を形成してもよい。
ディフューザ140には、その上面と下面を貫通する貫通孔141が形成され、前記プロセスガスは、貫通孔を通過して流れるため、ディフューザ140の表面だけでなく、前記貫通孔141にも表面ナノ酸化膜30を形成することができる。
上記のように、CVDプロセスチャンバ100の内面と前記部品の表面に、孔のない表面ナノ酸化膜30を十分な厚さで形成することで、耐食性、耐電圧性、及び耐プラズマ性を向上させながら、同時に、従来の孔43によるアウトガスやパーティクル生成の問題が解消され、プロセスチャンバによって製造される完成品の歩留まりが向上され、プロセスチャンバ100のプロセス効率も向上され、メンテナンスサイクルが高くなる。
以下、図5を参照して、前述した本発明の好ましい実施形態の金属部品1が、その内面を構成するか、或いは内部部品といて配置されるドライエッチング装置(Dry etching)200について説明する。
図5に示すように、ドライエッチングプロセスチャンバ200は、ドライエッチングプロセスチャンバ200の外部に備わる気体流量装置210と、ドライエッチングプロセスチャンバ200の内部に配置されて基板Sを支持する下部電極(Bottom electrode)220と、下部電極220の上部に配置されて基板Sにプロセスガスを供給する上部電極(Upper eletrode)230と、ドライエッチングプロセスチャンバ200の内壁に配置される裏張り(Wall liner)240とを含んで構成される。
ドライエッチングプロセスチャンバ200には、下部電極220と、上部電極230と、裏張り240とが設けられ、プロセスガスによるドライエッチングが起こるよう反応空間を提供する。
また、ドライエッチングプロセスチャンバ200の上部に、後述する上部電極230にプロセスガスを供給するプロセスガス供給部(図示せず)を備え、ドライエッチングプロセスチャンバ200の下部に、ドライエッチングプロセスを実行したプロセスガスが排気される排気部250を備えてもよい。
気体流量装置210は、ドライエッチングプロセスチャンバ200の内部空間で流動する気体、つまり、プロセスガスを制御する役割を果たす。
下部電極220は、ドライエッチングプロセスチャンバ200の内部の下部空間に配置され、ドライエッチングプロセス中に基板Sを支持する役割を果たす。
また、下部電極220は、基板Sの静電気の発生を最小限に抑える静電チャック(ESC、Electrode Static Chuck)(図示せず)と、基板Sの周囲のプロセスガスの流れを一定に維持させるバッフル(Baffle)(図示せず)を備えてもよい。これにより、基板Sに均一なエッチングを発生させることができる。
上部電極230は、ドライエッチングプロセスチャンバ200の下部にサセプタ120と対向するように配置され、基板Sにプロセスガスを均一に噴射する役割を果たす。
また、上部電極230には、上部電極230の上面と下面を貫通する複数の貫通孔231が形成される。
貫通孔231は、上部の直径が下部の直径よりも大きなオリフィス形状を有してよい。
また、貫通孔231は、上部電極230の全域にわたって均一な密度で形成されることができ、これにより、基板Sの全領域に一定的にガスを噴射することができる。
すなわち、前記ガス供給部から供給されるプロセスガスは、上部電極230に流入され、前記プロセスガスは、上部電極230の貫通孔231を介して基板Sに均一に噴射される。
裏張り240は、ドライエッチングプロセスチャンバ200の内壁に着脱可能に配置することができ、ドライエッチングプロセスチャンバ200の汚染を低減する役割を果たす。
つまり、ドライエッチングプロセスを長期間実行することによって、ドライエッチングプロセスチャンバ200の内部に汚染が発生すると、裏張り240を分離して洗浄したり、新しい裏張り240を配置したりして、ドライエッチングプロセスチャンバ200の内部の環境を改善することができる。
前述したドライエッチングプロセスチャンバ200の内部と、下部電極220、下部電極220の静電チャック、下部電極220のバッフル、上部電極230、裏張り240、排気部250のうちの少なくともいずれか1つの基材の材質は、アルミニウムの材質からなることが好ましい。
また、ドライエッチングプロセスチャンバ200に使用される基板Sは、ウェハ(Wafer)又はガラス(Glass)であってもよい。
上記のような構成を有するドライエッチングプロセスチャンバ220は、前記プロセスガス供給部から供給されるプロセスガスが上部電極230に流入されて、上部電極230の貫通孔231を介して基板Sに噴射され、基板Sにドライエッチングプロセスを行うことになる。
この場合、前記プロセスガスは、プラズマ状態のガスとして強い腐食性と浸食性を持っており、ドライエッチングプロセスチャンバ200の内面とドライエッチングプロセスチャンバ200の部品、すなわち、下部電極220、下部電極220の静電チャック、下部電極220のバッフル、上部電極230、裏張り240、排気部250などは、前記プロセスガスと接触することになる。
本発明の好ましい実施形態によれば、ドライエッチングプロセスチャンバ200の内面のうちの少なくとも一部の面及び/又は前記ドライエッチングプロセスチャンバ200をなす内部部品の少なくともいずれか1つの表面には、孔43のない表面ナノ酸化膜30が形成される。
ドライエッチングプロセスチャンバ200は、プロセスガスが流動するCVDプロセスチャンバ100の内面に表面ナノ酸化膜30を形成することができ、ドライエッチングプロセスチャンバ200の下部に備わる排気部250の内面にも、表面ナノ酸化膜30を形成してもよい。
下部電極220と下部電極220の静電チャック、下部電極220のバッフル、裏張り240のそれぞれは、その表面に表面ナノ酸化膜30を形成することができ、上部電極230は、上部電極230の表面と上部電極230の貫通孔231の両方に表面ナノ酸化膜30を形成することができる。
上記のように、ドライエッチングプロセスチャンバ200の内面と前記部品の表面に、孔のない表面ナノ酸化膜30を十分な厚さで形成することで、耐食性、耐電圧性、及び耐プラズマ性を向上させながら、同時に、従来の孔43によるアウトガスやパーティクル生成の問題が解消され、プロセスチャンバ200によって製造されている完成品の歩留まりが向上し、プロセスチャンバ200のプロセスの効率も向上され、メンテナンスサイクルが高くなる。
一方、金属部品1は、その内面を構成するか、或いは内部部品として配置される部品であり、基材がアルミニウムの材質からなるすべての部品、例えば、シャワーヘッド(Shower head)や、チャンバゲート(Chamber gate)、チャンバポート(Chamber port)、クーリングプレート(Cooling plate)、チャンバエアノズル(Chamber air nozzle)などの場合でも、本発明の好ましい実施形態の表面ナノ酸化膜30を形成することができる。
前述したように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明について様々な修正又は変形を実施することができる。