JP2019510507A - 合成抗体ライブラリーを作製する方法、前記ライブラリー、及びその適用 - Google Patents

合成抗体ライブラリーを作製する方法、前記ライブラリー、及びその適用 Download PDF

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Abstract

本開示は、コドン置き換えテクノロジーを用いることによりコンセンサス核酸配列のプールにおいて構築された合成抗体遺伝子発現ライブラリーに限定されない、抗体ライブラリーを作製する方法に関する。本開示はまた、本開示の方法を利用することにより作製された合成抗体ライブラリー、及び前記抗体ライブラリーの適用に関する。

Description

本開示は一般的に、バイオテクノロジー、遺伝子工学、及び免疫学の分野に関する。特に、本開示は、コドン置き換えテクノロジー(codon replacement technology)を用いることによりコンセンサス核酸配列のプールにおいて構築された合成抗体遺伝子発現ライブラリーに限定されない、抗体ライブラリーを作製する方法に関する。本開示はまた、本開示の方法を利用することにより作製された合成抗体ライブラリー、及び前記抗体ライブラリーの適用に関する。
最も頻繁に見出される再編成された抗体に関する一群のヒト免疫グロブリン(Ig)遺伝子であるヒト抗体レパートリーは、十分発現し、且つ全ての軽鎖(Vκ及びVλ)と状況に依存した様式でペア形成するヒト可変重鎖(VH)セグメントを含む。天然免疫系において、遺伝子の再編成によるこの多様性は、Bリンパ球成熟中、規則的な様式で生じる。抗原非依存性過程により生じるナイーブ多様性は、表面抗体を有するBリンパ球が中程度の親和性で抗原に遭遇する時、更に進化する。したがって、バージンB細胞の成熟B細胞への活性化、成熟、及び分化過程は、T細胞との協働から確実となり、B細胞の増殖、抗体の分泌、IgGの産生、体細胞超変異、及びメモリB細胞の産生を生じる。
ヒトモノクローナル抗体(mAb)及びそれらの誘導体は、生物薬剤産業の最も大きく、且つ最も速く成長している部門の一つである。抗体を作製し、且つ発現するための組換えDNAテクノロジーの最近の適用は、産業界及び学界からの科学者の間で大きな関心を集めている。
治療用mAbの一般的なフォーマットである、キメラ、ヒト化、及びヒトmAbは、ヒト定常ドメインを共有するが、それらの可変ドメインの起源によって識別される。ヒトmAbは、ヒト抗体レパートリーから完全に由来している一組の可変ドメインを有する。キメラ抗体は、ヒトコドン使用頻度を用いて人工的に開発されており、抗-抗体応答を生じ得る。これは、初期のモノクローナル抗体治療の最も重要な治療的限界の一つである。更に、この免疫応答の発生は、それの効力及び安全性に影響し得、例えば、標的結合の低下、クリアランス及び薬物動態の変化が生じ得る。更に、抗体のヒト化過程又はCDR配列のグラフティングからもたらされたヒト化抗体は、親抗体とは異なって抗原を結合する。したがって、ヒトモノクローナル抗体は、一般的に、非ヒト抗体レパートリー由来のモノクローナル抗体と比較した場合、より良い薬物動態学的及び薬力学的性質を有することが見られる。ヒト化mAbの免疫原性は、非ヒト及びキメラモノクローナル抗体と比較して、実質的に、より低い。
伝統的に、抗体の作製のために、免疫化及びマウスハイブリドーマテクノロジー等のアプローチに従っている。しかしながら、免疫化は、薬物分子開発の利用及び効力に直接影響する安全性及び薬物動態学的特性に関して限界がある。ハイブリドーマテクノロジーは、マウスにおける抗原の毒性又は非免疫原性に関して限界がある。ヒト抗原とそれぞれのマウス抗原との間の高い配列相同性を考えれば、自己抗原に対する抗体の作製は、困難であり得る。
より具体的には、ハイブリドーマテクノロジーに関連した限界は、多因子的である。抗体が形成されるエピトープに対して制御できない。抗体は、研究者にとって望ましい特徴を有して生成されているという希望をもって生成された後、広範囲に渡ってスクリーニングされなければならない。更に、感受性の高い抗原(例えば、膜タンパク質及び核酸)は、動物において破壊され得、一方、毒性抗原は動物を殺害し得る。ヒトとマウスとの間の高い配列相同性を考えれば、それぞれのマウス抗原は、マウスにおいて非免疫原性を生じ得、その場合、自己抗原に対する抗体の産生は、困難であり得る。より高い親和性を示す性質を合理的に導入することに関して抗体の更なる開発の見通しは、非常に制限があり、且つ行うことは困難である。
合成的多様性は、免疫化及びクローンの選択後、免疫グロブリンに見られる変異のパターンを模倣する。したがって、合成ライブラリーは、ライブラリーを構築及び開発するために用いられる配列の起源における免疫ライブラリー又はナイーブライブラリーとは根本的に異なる。合成ライブラリーにおいて、抗体多様性は、インシリコでデザインされ、制御された様式で合成され、一方、ナイーブライブラリーは、天然源から増幅され、多様性はランダムである。天然に由来したセグメントと合成的にデザインされたセグメントの比率は、半合成から完全合成まで、ライブラリーをデザインするライブラリーよって様々である。
幅広く多様な合成抗体ライブラリーを開発するために、アミノ酸の位置的及び組成的偏向性を理解することが、長さバリエーションの関連情報と共に探究され得る。更に、合成抗体レパートリーにおける多様性は単に、抗体-抗原相互作用の構造-機能研究により導かれる合理的デザインに頼っているだけである。1992年、49個のVH配列及び単一のVλ軽鎖配列を含む半合成scFv抗体ファージディスプレイライブラリーが、Hoogenboom及びWinterにより開発され、CDR-H3領域における5〜8個の残基が、PCRに基づいたアプローチによってランダム化され、1×107個のサイズをもつライブラリーを生じた。その後のライブラリーは、26個のカッパ配列及び21個のラムダ配列を加えて構築された。CDR-H3における4〜12個の残基、カッパCDR-L3における1〜3個の残基、及びラムダCDR-L3における0〜5個の残基のランダム化を通してライブラリーに、長さ可変性によってもたらされる多様性が導入され、結果として、最大6.5×1010個まで拡大されたライブラリーサイズを生じた。選択後、ある特定のフレームワーク(主に、VH1及びVH3)が、ファージディスプレイプラットフォームにおいて、インプットライブラリーからの予想を超えて、過剰に提示されているという驚くべきことを研究者は観察した。この観察は、重鎖及び軽鎖配列が使用頻度並びに安定性及び/又は発現レベルに基づいて同定/選択された単一のコンセンサス受容体配列の開発を促した。
ナイーブライブラリーとは違って、全ての型の抗原に結合するライブラリーの抗体の能力を妨げる単一のフレームワーク領域における変化を通して、選択的結合を導入することができる。様々なフォーマットの中で、一本鎖抗体(scFv)又はFabをコードする遺伝子は、重鎖V遺伝子及び軽鎖V遺伝子を、PCRを用いてランダムに組み合わせることにより作製され、コンビナトリアルライブラリーは、ファージの表面上のディスプレイのためにファージミド又は酵母においてクローニングすることができた。或いは、ライブラリーは、重鎖ドメイン又は軽鎖ドメインの相補性決定領域(CDR)への変異の人工的導入を通して得られうる。重鎖CDR3は、抗原結合へ大きく寄与するものであり、天然抗体においてCDRの中で最も可変性が高い。可変性重鎖遺伝子のCDR3は、サイズが様々であり、V-D-Jセグメントの再編成中の配列が、抗体多様性において支配的な役割を果たす。ナイーブライブラリーは、縮重プライマーを用いることにより、構築され、一方、合成ライブラリーは、CDR3アミノ酸組成のランダム化を通して作製される。いくつかの研究により、重鎖CDR3のバリエーションを有する中位サイズのライブラリー(5×107個のメンバー)が、新規な抗体特異性の同定の成功をもたらしたことが示された。50個のVH由来の4〜21個の残基、及び49個の異なるVH遺伝子における6〜15個の残基の重鎖CDR3配列の長さを有する、108個より多い分子のより大きいライブラリーが、異なる特異性を有する抗体断片の選択を可能にした。De Kruifと共同研究者により行われた研究は、6個から15個の残基までの範囲であるCDR-H3の長さの可変性を有する、49個のヒト生殖系列VH遺伝子及び7個の異なる軽鎖遺伝子(可変性カッパ由来の4個、可変性ラムダ由来の3個)を全て用いて、3.6×108個のライブラリーを構築することに成功した。そのアプローチは、6アミノ酸長のより短いCDR-H3の完全なランダム化を含み、一方、より長いCDR-H3については、そのデザインは、ヒト天然抗体配列に似るより低い多様性の領域に隣接した完全にランダム化されたアミノ酸残基のひと続きを含んだ。CDRH3は、抗体の特異性全体に強く寄与する。しかしながら、その他の5つのCDRもまた、抗体の特異性及び親和性に寄与し得
る。
CDR全てを組み合わせる別のアプローチは、CDR移植テクノロジー(CDR-Implantation Technology)又はCDRグラフティングテクノロジーを用いる。理解され得るように、6つのCDRの同時的且つランダムな組合せにより生じる機能のバリエーションの程度は莫大である。ハプテンとタンパク質抗原の両方に対する抗体断片の特定のセットを見出すことに関してのライブラリーの有用性は、最も小さいライブラリーから選択することができた;しかしながら、親和性は、中程度に低いことが予想される。これらの側面に関して行われた研究の大部分は、VH3フレームワークへの強い偏りがあるという観察をもたらした。例として、10倍大きいライブラリーの使用により、18個の異なる抗原に対するscFv断片が選択された。別の観察により、VH2を除く全てのVHファミリーが見出され、VH3ファミリーが強く過剰提示していると見られることが、示された。
初期ライブラリーを用いて行われた選択からの結果を蓄積することにより、より大きいライブラリーが、より高い親和性をもつ、より特異性の高い抗体を生じることが確認された。別の観察は、ある特定のフレームワーク(主にVH1及びVH3)が、一般的に、ファージディスプレイ選択後に過剰提示されており、その比率が、インプットライブラリーとは異なる場合が多いことである。これは、VH及びVLフレームワークの配列が、使用頻度に基づき、且つそれらの好ましい安定性のために選ばれた、単一受容体フレームワークライブラリーの開発をもたらしている。単一フレームワーク組合せで作製される一つのそのような例のライブラリーは、ヒト抗体に頻繁に見出されるフレームワークである重鎖フレームワークVH3_23を用いる場合が多い。この独占的な重鎖は軽鎖の大部分とペア形成し、細菌において良い発現を示し、ファージ上でよくディスプレイする。
Pini等は、VH3_23重鎖、及びVκ3_20生殖系列に対応する軽鎖を、それの発現レベル及び安定性の特性のために、用いており、CDR-L3及びCDR-H3における指定された位置が、ランダム化され、3×108個より多いライブラリーサイズを生じた。クローンの88%が、機能性抗体を発現することが示され、ナノモーラーレベルで一価親和性を有するscFvが選択された。Bioinvent社により、同じフレームワークがV_ラムダ(DPL3)と組み合わせて用いられて、n-CoDeR(登録商標)scFvライブラリーが作製された。このライブラリーについて多様性を導入するために、天然多様性が用いられた。この特定のライブラリーは、CDR配列のPCR増幅により1つの単一マスターフレームワークへ組み合わせられた、異なる生殖系列源の再編成された免疫グロブリン遺伝子から生じたインビボ形成のCDRをコードする配列からなる。1つの固定フレームワークだけが存在するため、他の生殖系列由来のCDR配列が、その固定フレームワークと組み合わせられた。これらのCDR領域がインシリコデザインと比較してより少ないT細胞エピトープを含有するという仮定で、CDR配列は様々な源から増幅された。この仮定は、インビボのプルーフリーディング機構の存在に基づいた。最初のライブラリーサイズは2×109個であったが、それは、10倍ずつ増加し、ナノモーラー未満範囲の親和性の選択分子であることが見出された。
別の例として、Leeと共同研究者は、類似したフレームワーク配列を用いて、単一のスキャフォールドに基づいた合成CDR配列を有するライブラリーを構築した。そのライブラリーは、ヒト化4D5抗体(Herceptin(登録商標)のフレームワーク配列(VH3_23及びV_カッパに由来したフレームワーク)を用いて構築された。加えて、カスタムテーラーのコドン選択を用いることにより、ヒトレパートリーの天然の多様性が模倣された。これらのライブラリーは、結果として、低いナノモーラー範囲での親和性を生じた。他方、scFv及びFabフォーマットと並行して、単一ドメイン合成抗体ライブラリーが、Tanhaらによって確立された。ヒトVHライブラリーは、23個のCDR3残基のうちの19個の完全なランダム化を通して、ラクダ化された(camelized)VH配列に基づいて構築された。
CDR-H1及びCDR-H2における合成多様性を、天然源由来のCDR-H3における長さ及び配列の多様性と組み合わせる別の例が文献に見られ、DyaxにおけるHoetと共同研究者が、生殖系列配列におけるホットスポット変異を導入し、CDRH1及びCDRH2領域に戦略的に配置した。これは、結果として、3.5×1010個のサイズをもつライブラリー、及びナノモーラー未満レベル範囲の親和性を有する、1.0×1010個のサイズをもつファージライブラリーを生じた。同様の原理に基づいて、Schoonbroodtと共同研究者は、抗炭水化物抗体のライブラリーを作製し、そのライブラリーは、限定された位置に塩基性残基を導入することにより、負に帯電した炭水化物を認識する抗体の作製のためにカスタマイズされた。いくつかの炭水化物結合性抗体に関して行われた配列アラインメント研究は、変異のための位置の指定を促進した。ライブラリーは、2個のヒト荷電炭水化物標的である、ヘパラン硫酸及び6-スルホシアリルルイスXコアに関して試験されて、成功した。別の例において、HUCAL(登録商標)と名付けられたデザイン化ライブラリーは、単一の生殖系列配列を用いることよりむしろ、複数の生殖系列ファミリーを代表するコンセンサス配列に基づいている。この概念は、ヒト抗体の構造多様性に寄与する異なるフレームワーク配列を組み入れている。
まとめると、そのアプローチは、免疫応答中に頻繁に用いられるヒトVHサブファミリー及びVLサブファミリーのそれぞれについての1つのコンセンサスフレームワークの概念を記載し、その結果として、VHについて7個のマスター遺伝子及びVLについての7個のマスター遺伝子を生じて、Fabフォーマットにおいて49個の可能な組合せが得られる。選択されていないライブラリーの257個のメンバーのシーケンシングにより、正しく、且つ潜在的機能性のある配列の頻度が、61%以下であることが示された。しかしながら、これらの新しく導入されたCDRと固定フレームワークとの間の構造的不適合性は、機能性抗体の形成を妨げる可能性がある。ライブラリースクリーニングから選択された抗体の最適化は、CDRの構造情報又はコンビナトリアル変異誘発に基づいた部位特異的変異を含む様々なインビトロストラテジーを含む。
全ての高親和性抗体は、インビボでの、多様性を導入する工程(体細胞超変異)及びその後の選択工程(クローン増殖)の組合せを通して免疫系により産生される。抗原刺激されたB細胞増殖中、免疫グロブリン遺伝子座は、非常に高率の体細胞変異を起こす。コンビナトリアル合成ライブラリーから得られた抗体の親和性を向上させるためにこれらの事象をインビトロで模倣するいくつかの異なるアプローチがある。インビトロでの親和性成熟について、選択された分子が、多様性を導入するためにランダム化され、その後、向上したバリアントを同定するために選択圧で選択され、そのバリアントが、次に、ターゲット型多様化ストラテジーと非ターゲット型多様化ストラテジーとの間で違いを生じ得る。
様々な非ターゲット型多様化アプローチの中で、エラープローンPCR及び変異誘発大腸菌(E. coli)株の使用が、多様性を生じる変異を導入するために利用される。しかしながら、配列多様性は、抗体配列全体へランダムに導入されるため、これは、保存フレームワーク領域において有害な変異の導入をもたらし、有望な候補を同定するために大きなレパートリーのスクリーニングを必要とする。ファージディスプレイと組み合わせたエラープローンPCRが、Hawkinsグループにより用いられ、ハプテン特異的抗体断片の親和性における中程度の4.5倍の上昇が観察された。別のグループは、後でファージディスプレイを行うことを組み合わせて、大腸菌変異誘発株mutD5を用いた。これは、結果として、phOx抗体断片の親和性の100倍の増加を生じた。広く用いられてはいないが、鎖シャッフリングは、非ターゲット型多様化のために存在する別の方法である。このアプローチは、2つの抗体鎖の一方の、他方の鎖を不変に保つ、レパートリーによる置き換えを伴う。Marksグループの研究により例示されているように、ハプテンphOxに対して特異的であるscFvに関する鎖シャッフリングの方法が、その後のスクリーニング実験に用いられた。様々な研究者のグループが、親和性成熟のために抗体鎖シャッフリングを用いて成功しており、結果として、erbB2特異的抗体断片の5〜6倍の親和性向上等の有意な親和性向上を生じ、一方、VEGF特異的抗体断片について、30倍の親和性向上が見られた。
合成ライブラリーを開発するためのデザイン化ストラテジーは、抗原結合に寄与すると予想される限定された位置に、主にCDR領域において、多様性を導入するためのターゲット型スキームを含む。CDRターゲット型変異誘発は、これらの領域の最適化が、タンパク質安定性又は機能性に関する問題を生じさせることなく、親和性を向上させる可能性が高いため、有利である。いくつかの採用された方法論の中で、CDRウォーキングが、制限された多様性の範囲に関して用いられており、単一CDRの4〜6個のアミノ酸の短いひと続きがターゲットされる。縮重オリゴヌクレオチドの使用により導入することができる並行型と逐次型の両方のCDRウォーキングがある。一つのそのような例は、gp120(HIV抗原)特異的抗体の親和性の向上である。
一連のライブラリーは、多様化のためにアミノ酸のサブセットを利用して構築された。これは、天然に存在する抗体配列空間のフレームワーク配列内の多様性を最大にするアプローチと対照的である。天然に存在するチロシン残基及びセリン残基がそれらの抗原結合部位において好まれることが、結晶解析及び関連所見から観察されている。Genentech社の研究者は、選択された溶媒露出CDR位置をランダム化して、小さな合成ライブラリーを作製し、後で、それは、VEGFに対するスクリーニングに成功し、低いナノモーラー親和性を有する有望な分子を生じた。
様々な合成コンビナトリアル抗体ライブラリーは、それらのデザイン、配列多様性の起源、及び作製方法に関して異なる。全てのこれらの側面は、ライブラリーの本質的な性質:i)サイズ及びii)機能多様性へ多因子的影響を及ぼす。これらは、次に、受け入れられ、且つ向上した生物物理学的特性を有する高親和性抗体をスクリーニングし、且つ生み出す能力において反映されるだろう。
より初期のライブラリーを用いて行われた選択及びスクリーニングにより、より大きいライブラリーが、より高い親和性をもつ、より特異性の高い抗体を生じるという予想が確認されている。いくつかのディスプレイ系及びタンパク質相互作用系が、抗体-抗原相互作用についての選択方法として確立されているが、最も好ましいのは、ファージ、酵母のいずれかの表面上、又はインビトロ転写後のリボソーム上の抗体のディスプレイである。対照的に、酵母ツーハイブリッド法又はタンパク質相補性アッセイ等の細胞内選択方法は、標的タンパク質の細胞内発現に直接、頼る。
リボソームディスプレイ方法は、RNA及びリボソーム複合体の相対的不安定性により、技術的に、より困難である。ファージディスプレイは、クローニングの容易さ、大きなライブラリーサイズを許容すること、一価ディスプレイ、及び様々な安定性パラメータを決定することの容易さにより最も受け入れられる方法である。しかしながら、ファージディスプレイに関して、原核生物発現系による適切なタンパク質フォールディングへの制限、及びディスプレイされた抗体断片の翻訳後修飾の欠如がある。これらの限界を克服するために、真核生物ディスプレイ系である、酵母ディスプレイプラットフォームは、それが、蛍光活性化細胞ソーター(FACS)ソーティング技術と適合性であるため、最適であり、そのソーティング技術は、溶液中において自然条件に近い抗体選択を可能にし、並行して、抗体発現レベル、結合した抗体の数、又は交差反応性のようなパラメータが評価され得る。しかしながら、酵母ディスプレイの場合における主要な問題は、相対的により小さいライブラリーサイズである。
本開示は、先行技術のそのような限界に取り組むことに向けられ、したがって、大きなライブラリーサイズを収容する能力があり、それにより、様々な親和性及び特異性を有する、多数の抗原に対する固有分子を同定し、作製する可能性を向上させることができる、高度に多様な抗体合成遺伝子ライブラリーをデザインし、且つ創出することを目的とする。
本開示の特徴は、添付の図と共になされた以下の説明から完全に明らかになるだろう。図は、本開示に従っていくつかの実施形態を描くのみであり、且つそれの範囲の限定としてみなされるべきではないという理解を以て、本開示は、添付の図を用いて、更に記載される。
CDRH3長さ分布の分析を示すグラフである。 重鎖CDRH3についての相対的アミノ酸頻度分布を示すグラフである。データは、14アミノ酸のCDRH3長さを表す。Kabat命名法に従っている。 ファージミドコンセンサス構築物を作製するためのストラテジーを示す図である。A. コンセンサス配列を含有するカッパ軽鎖(K1〜K4)の作製B. コンセンサス配列を含有するラムダ軽鎖(L1〜L3)の作製C. 重鎖可変領域へのフレームワーク3(FR3)とフレームワーク4(FR4)との間の合成CDRH3ライブラリーの概略図。 NcoI-HF及びXbaI酵素を用いた、H1Aコンセンサス構築物からの独立したクローンの分析を示すグラフである。 HindIII-HF及びAscI酵素を用いた、カッパ軽鎖可変領域を有するH1Aコンセンサス構築物からの代表的なクローンの分析を示すグラフである。K1ファミリー。 HindIII-HF及びAscI酵素を用いた、カッパ軽鎖可変領域を有するH1Aコンセンサス構築物からの代表的なクローンの分析を示すグラフである。K2ファミリー。 HindIII-HF及びAscI酵素を用いた、カッパ軽鎖可変領域を有するH1Aコンセンサス構築物からの代表的なクローンの分析を示すグラフである。K3ファミリー。 HindIII-HF及びAscI酵素を用いた、カッパ軽鎖可変領域を有するH1Aコンセンサス構築物からの代表的なクローンの分析を示すグラフである。K4ファミリー。 HindIII-HF及びAscI酵素を用いた、ラムダ軽鎖可変領域を有するH1Aコンセンサス構築物からの代表的なクローンの分析を示すグラフである。A. L1ファミリー、B. L2ファミリー、及びC. L3ファミリー。 リアルタイムPCRにより合成されたCDRH3ライブラリーの定量化を示すグラフである。 CDRH3合成ライブラリーのNGS配列分析を示すグラフである。A. 合成ライブラリーの配列の正確さB. 合成ライブラリーのCDRH3長さ分布 合成されたCDRH3ライブラリーの相対的アミノ酸頻度分布を示すグラフである。A. CDRH3長さ - 4アミノ酸B. CDRH3長さ - 5アミノ酸C. CDRH3長さ - 6アミノ酸D. CDRH3長さ - 7アミノ酸 合成されたCDRH3ライブラリーの相対的アミノ酸頻度分布を示すグラフである。A. CDRH3長さ - 8アミノ酸B. CDRH3長さ - 9アミノ酸C. CDRH3長さ - 10アミノ酸D. CDRH3長さ - 11アミノ酸 合成されたCDRH3ライブラリーの相対的アミノ酸頻度分布を示すグラフである。A. CDRH3長さ - 12アミノ酸B. CDRH3長さ - 13アミノ酸C. CDRH3長さ - 14アミノ酸D. CDRH3長さ - 15アミノ酸 合成されたCDRH3ライブラリーの相対的アミノ酸頻度分布を示すグラフである。A. CDRH3長さ - 16アミノ酸B. CDRH3長さ - 17アミノ酸C. CDRH3長さ - 18アミノ酸D. CDRH3長さ - 19アミノ酸 合成されたCDRH3ライブラリーの相対的アミノ酸頻度分布を示すグラフである。A. CDRH3長さ - 20アミノ酸B. CDRH3長さ - 21アミノ酸C. CDRH3長さ - 22アミノ酸D. CDRH3長さ - 23アミノ酸 重鎖プールのBstEII/BstBI及びXbaIでの制限消化を示す図である。A. コンセンサス構築物H1A〜H3ファミリーのプールB. コンセンサス構築物H4〜H6ファミリーのプール 合成されたCDRH3ライブラリーを含有するH1Aファミリープールの制限消化を示す図である。 CDRH3長さのバリエーションを示すH1A合成ライブラリーからの独立したクローンの配列分析を示すグラフである。 合成抗体遺伝子ライブラリーのプラークアッセイを示す写真である。 フローサイトメトリによる磁気ビーズコンジュゲーション効率の推定を示すグラフである。 1ラウンドのファージパニング後の合成抗体遺伝子ライブラリーのプラークアッセイを示す写真である。 パニングされたファージライブラリーからの抗体重鎖、抗体カッパ軽鎖、及び抗体ラムダ軽鎖のPCR増幅を示す図である。 酵母発現ベクターにおける独立したクローンの制限酵素消化を示す図である。重鎖クローン。 酵母発現ベクターにおける独立したクローンの制限酵素消化を示す図である。カッパ軽鎖クローン。 酵母発現ベクターにおける独立したクローンの制限酵素消化を示す図である。ラムダ軽鎖クローン。 CDRH3長さバリエーションを示す、酵母ベクターにおける独立したクローンの配列分析を示すグラフである。 Her2抗原に対する、カッパ軽鎖を有する酵母合成CDRH3ライブラリーのフローサイトメトリ分析を示すグラフである。A. 抗His抗体でのフローサイトメトリ分析B. 抗c-myc抗体でのフローサイトメトリ分析C. 標識Her2抗原でのフローサイトメトリ分析。 Her2抗原に対する、ラムダ軽鎖を有する酵母合成CDRH3ライブラリーのフローサイトメトリ分析を示すグラフである。A. 抗His抗体でのフローサイトメトリ分析B. 抗c-myc抗体でのフローサイトメトリ分析C. 標識Her2抗原でのフローサイトメトリ分析 Her2抗原に対する、カッパ軽鎖(A及びB)及びラムダ軽鎖(C及びD)を有する酵母合成CDRH3ライブラリーのフローサイトメトリソーティングを示すグラフである。酵母ライブラリーを、抗体の表面ディスプレイのためにガラクトースで24時間、誘導した。A. 未染色の酵母細胞B. 標識Her2抗原でソートされた酵母細胞C. 未染色の酵母細胞D. 標識Her2抗原でソートされた酵母細胞。
したがって、本開示は、約4アミノ酸から約23アミノ酸までの長さを有する、抗体分子の重鎖の改変CDRを含む抗体分子の合成ライブラリーであって、前記CDRの長さが4アミノ酸である場合、位置2におけるアミノ酸アスパラギン酸の頻度が約20%であり、前記CDRの長さが5ら17アミノ酸までの範囲である場合、最後の位置におけるアミノ酸アスパラギン酸の頻度が約40%から約80%までの範囲であり、若しくは最後から2番目の位置におけるアミノ酸チロシンの頻度が約40%から約65%までの範囲であり、又は前記CDRの長さが18から23アミノ酸までの範囲である場合、最後の位置におけるアミノ酸バリンの頻度が約20%から約67%までの範囲であり、若しくは最後の位置におけるアミノ酸イソロイシンの頻度が約17%から約24%までの範囲である、合成ライブラリー;少なくとも1つの所定の特徴を有する抗体分子をスクリーニング及び同定する工程、同定された分子を、CDR3重鎖(CDRH3)の長さ分布分析及び前記CDRH3内のアミノ酸の出現頻度に基づいて分析して、最適な鎖長及びアミノ酸頻度を決定する工程、変化した抗体分子をデザインし、その後、分子を、上記で定義されているように前記最適な鎖長及びアミノ酸頻度に基づいてコドン置き換えテクノロジーに供して、改変CDRH3を有する抗体分子を得る工程、並びに前記分子をクローニングして、ライブラリーを形成する工程を含む、上記のような合成ライブラリーを得る方法;上記のような、又は上記のような方法により得られるような合成ライブラリーから単離された抗体分子;配列番号1、3、5、7、9、11、若しくは13から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号2、4、6、8、10、12、若しくは14から選択される重鎖コンセンサスアミノ酸配列、配列番号15、17、19、若しくは21から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号16、18、20、又は22から選択される軽鎖コンセンサスアミノ酸配列、又は配列番号23、25、若しくは29から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号24、26、若しくは28から選択されるコンセンサスアミノ酸配列、配列番号30〜49、64〜79、若しくは92〜103から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるフレームワーク領域、及び配列番号50〜63、80〜91、又は104〜112から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるCDRを含む抗体分子であって、前記CDRの長さが4である場合、位置2、3、及び4におけるアミノ酸アルギニンの頻度が約18%から約20%まで様々であり、前記CDRの長さが5である場合、位置3におけるアミノ酸プロリンの頻度が約20%であり、前記CDRの長さが6である場合、位置4におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約25%であり、前記CDRの長さが7である場合、位置5におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約43.63%であり、前記CDRの長さが8である場合、位置6におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約35.24%であり、前記CDRの長さが9である場合、位置7におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約44.15%であり、前記CDRの長さが10である場合、位置8におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約55.93%であり、前記CDRの長さが11である場合、位置9におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.27%であり、前記CDRの長さが12である場合、位置10におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約52.70%であり、前記CDRの長さが13である場合、位置11におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.39%であり、前記CDRの長さが14である場合、位置12におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.77%であり、前記CDRの長さが15である場合、位置13におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.81%であり、前記CDRの長さが16である場合、位置14におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約50.47%であり、前記CDRの長さが17である場合、位置15におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約37.93%であり、前記CDRの長さが18である場合、位置16におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約37.96%であり、前記CDRの長さが19である場合、位置17におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約40.09%であり、前記CDRの長さが20である場合、位置1におけるアミノ酸グルタミン酸の頻度が約15.56%であり、前記CDRの長さが21である場合、位置19におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約35.45%であり、前記CDRの長さが22である場合、位置20におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約36.27%であり、前記CDRの長さが23である場合、位置21におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約43.24%である、抗体分子;並びに、癌、関節リウマチ、神経障害、感染性疾患、及び代謝障害、又はそれらの任意の組合せを含む群から選択される疾患の処置のための治療用物質において、診断用物質として、予後診断用物質(prognostics)として、研究目的で、標的発見、機能ゲノミクスにおける検証、又は抗体若しくは抗体の誘導体が利用される任意の適用で使用するための、上記の合成抗体ライブラリー、又は上記の方法により得られるような合成抗体ライブラリーに関する。
本明細書において別段の定義がない限り、本開示と関連して用いられる科学的及び技術的用語は、当業者により一般的に理解されている意味を有するものとする。更に、文脈によって特に要求されない限り、文脈及び/又は適用に適切であるとみなされる場合、単数形の用語は、複数形を含むものとし、複数形の用語は、単数形を含むものとする。様々な単数形/複数形の入換えは、明瞭さを目的として、本明細書に明確に示され得る。一般的に、本明細書に記載されたバイオテクノロジー、免疫学、分子細胞生物学、組換えDNAテクノロジーに関連して用いられる術語体系及びそれらの技術は、当技術分野においてよく知られ、且つ一般的に用いられるものである。本明細書に引用されたある特定の参考文献及び他の文書は、参照により本明細書に明確に組み入れられている。矛盾する場合、定義を含む本明細書が支配する。材料、方法、図、及び例は、例証となるのみであり、限定することを意図するものではない。
更に、開示された抗体合成ライブラリーの方法、調製、及び使用は、別段の指示がない限り、分子生物学、生化学、コンピュータ化学、細胞培養、組換えDNAテクノロジー、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、及び関連分野における通常の技術を利用する。これらの技術、それらの原理、及び必要条件は、文献に説明されており、当業者に知られている。
抗体合成ライブラリーを作製する方法、抗体合成ライブラリーを構成する核酸、及び本開示の他の実施形態が開示され、且つ記載される前に、本明細書に用いられる専門用語は、特定の実施形態のみを記載することを目的とし、限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。本明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかに特に指図しない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書に用いられる場合、本開示の産物に関係する、用語「ライブラリー(library)」及び「ライブラリー(libraries)」は、この開示内で交換可能に用いられる。更に、それは、核酸配列のコレクション又はプールを指す。
本明細書に用いられる場合、本開示の関連における用語「プールすること」、「プールされた」、「プール(pool)」、「プール(pools)」は、本開示の方法を利用することにより得られる試料/核酸配列/核酸断片/遺伝子クローン/増幅産物/抗体を組み合わせることを意味する。
本明細書に用いられる場合、用語「抗原」は、身体において免疫応答を誘導する任意の外来物質を指す。
本明細書に用いられる場合、用語「抗体」は、全部又は一部において、天然源に由来し得、又は合成的に産生され得る、免疫グロブリンを指す。用語「抗体」及び「免疫グロブリン」は、他に指示がない限り、本明細書を通して同意語として用いられる。
本明細書に用いられる場合、用語「抗体」は、ポリクローナル抗体調製物とモノクローナル抗体調製物の両方を含み、以下も含む:キメラ抗体分子、F(ab')2及びF(ab)断片、Fv分子、一本鎖Fv分子(scFv)、二量体及び三量体抗体断片、ミニボディ、ヒト化モノクローナル抗体分子、ヒト抗体、抗体のFc領域を含む融合タンパク質、並びにこれらの分子から生じた任意の機能性断片(ただし、誘導分子が親抗体分子の免疫学的機能性を保持する場合)。
本明細書に用いられる場合、本開示における用語「モノクローナル抗体」は、均一な抗体集団を有する抗体組成物を指す。この抗体は、抗体の種若しくは源に、又はそれが作製される様式によって限定されない。その用語は、免疫グロブリン全体、加えて、Fab、F(ab')2、Fv、及び他の断片等の断片、加えて、親モノクローナル抗体分子の免疫学的結合特性を示すキメラ及びヒト化の均一な抗体集団を包含する。
本明細書に用いられる場合、「抗体断片」は、抗原結合活性を示す能力を保持する抗体全体の一部である。Fab又はscFvという用語は、特定の言及がある、抗体断片として用いられる。
本明細書に用いられる場合、「抗体ディスプレイライブラリー」は、標的抗原に対するスクリーニング方法論に適した細胞又は無細胞の表面上に抗体を発現するプラットフォームを指す。本明細書において、ファージディスプレイライブラリー及び酵母ディスプレイライブラリーが、別段の指示がない限り、正確な仕様で用いられる。
本明細書に用いられる場合、用語「合成ライブラリー」は、合成的にデザインされたVHレパートリーをコードする一群の核酸配列(コレクション)を指す。
本明細書に用いられる場合、用語「VH」は、天然で軽鎖又は軽鎖の部分がない哺乳類において見出すことができる型の抗体の単一重鎖可変ドメインを指す。
本明細書に用いられる場合、用語「VL」は、抗体の単一軽鎖可変ドメインを指す。それらは、定常ドメイン配列に基づいた2つの型で見出される。したがって、Vk(カッパ定常領域を有する)及びVl(ラムダ定常領域)と理解される。
本明細書に用いられる場合、用語「CDR」は、抗体構造の相補性決定領域を指す。
本明細書に用いられる場合、用語「レパートリー」は、遺伝的多様性を示す一群(コレクション)を意味する。
本明細書に用いられる場合、用語「フレームワーク領域」は、抗体分子の構造エレメントをコードする抗体分子の核酸配列領域を指すように、本明細書で用いられる。
本明細書に用いられる場合、用語「フランキング領域」は、言及された領域に隣接したヌクレオチド配列及び/又はアミノ酸配列を指すように用いられる。
本明細書に用いられる場合、用語「ランダム化」は、特定のデザインに基づいたアミノ酸及び/又はヌクレオチド配列多様性の創出を指すように用いられる。
本明細書に用いられる場合、用語「Aga2p」は、酵母表面上に対象とする抗体をディスプレイするアンカータンパク質として用いられる酵母タンパク質を指す。
本明細書に用いられる場合、用語「免疫グロブリン」は、特定の抗原を特異的に認識し、且つ結合することにより免疫応答の重要な部分として働く糖タンパク質分子を指す。
本明細書に用いられる場合、用語「PCR」は、適切なプライマーを用いてDNAのセグメントを増幅するために用いられる分子生物学技術である、ポリメラーゼ連鎖反応を指す。
本明細書に用いられる場合、用語「プライマー」は、DNA合成を惹起するDNA又はRNAの短い断片を指す。
本明細書に用いられる場合、「ベクター」は、特定の指定された制限部位において抗体遺伝子を収容するクローニング系又は発現系に関係する。したがって、ファージミドベクター(ファージディスプレイ系に適用できる)又は酵母ベクター(酵母ディスプレイ系に適用できる)と理解される。
本明細書に用いられる場合、用語「ファージミド」は、プラスミドとして複製され得、またウイルス粒子において一本鎖DNAとしてパッケージングされ得る、DNA発現系を指す。ファージミドは、抗体遺伝子のレパートリー全体を収容するために用いられ、細菌への感染後、それは、組換えタンパク質をディスプレイするファージ粒子を生成するためにヘルパーファージにより提供される追加のタンパク質を必要とする。
本明細書に用いられる場合、用語「ファージ」は、細菌に感染し、且つ増幅するウイルス粒子を意味する。
本明細書に用いられる場合、「ヘルパーファージ」は、機能的ファージ粒子を産生するために全ての必要とされるタンパク質/材料を供給する特定のファージ粒子を指す。
本明細書に用いられる場合、用語「プラーク」は、細胞破壊により細菌の菌叢上に形成された目に見える構造を指す。
本明細書に用いられる場合、「ファージ増幅」は、ファージ粒子の成長を指す。
本明細書に用いられる場合、用語「パニング」は、特定の標的/抗原に対する結合性物質について選択する親和性選択技術を指す。
本明細書に用いられる場合、「サケ精子DNA」は、ファージDNA沈殿を助ける、サケ精子から単離された低分子量デオキシリボ核酸を指す。
本明細書に用いられる場合、「ssDNA」は、一本鎖DNAを指す。
本明細書に用いられる場合、「位置的相関指数」は、特定の長さのCDRに存在する特異的な頻度のアミノ酸が、異なる位置にどのように関係づけられるかを定義する確率的値を指す。
本明細書に用いられる場合、「同等者集団シーケンシング」は、大きなライブラリーの真の代表としていくつかの個々のクローンに由来したヌクレオチド配列を含む一連の過程を指す。
本明細書に用いられる場合、「コドン置き換えテクノロジー」は、制御された多様化をもたらす、対象とする特定の部位におけるアミノ酸組成の完全なカスタマイズへと、あらかじめ構築されたトリヌクレオチドビルディングブロックを用いることを指す。
本明細書に用いられる場合、「コンセンサス配列」は、インシリコでデザインされる、免疫グロブリンのヒト重鎖可変領域及び軽鎖可変領域に限定されない合成DNAの核酸配列をコードするアミノ酸配列を指す。
本明細書に用いられる場合、「シャノンエントロピー」は、真の多様性を推定するためのパラメータを指す。
本開示は、約4アミノ酸から約23アミノ酸までの長さを有する、抗体分子の重鎖の改変CDRを含む抗体分子の合成ライブラリーであって、
・前記CDRの長さが4アミノ酸である場合、位置2におけるアミノ酸アスパラギン酸の頻度が約20%であり;
・前記CDRの長さが5から17アミノ酸までの範囲である場合、最後の位置におけるアミノ酸アスパラギン酸の頻度が約40%から約80%までの範囲であり、若しくは最後から2番目の位置におけるアミノ酸チロシンの頻度が約40%から約65%までの範囲であり;又は
・前記CDRの長さが18から23アミノ酸までの範囲である場合、最後の位置におけるアミノ酸バリンの頻度が約20%から約67%までの範囲であり、若しくは最後の位置におけるアミノ酸イソロイシンの頻度が約17%から約24%までの範囲である、
合成ライブラリーに関する。
ある実施形態において、合成ライブラリーは、約4アミノ酸から約23アミノ酸までの長さを有し、アミノ酸頻度の特定の組合せを有する、抗体分子の重鎖の改変CDRを含む抗体分子を含み、
・前記CDRの長さが4アミノ酸である場合、位置1及び3におけるアミノ酸グリシンの頻度が約16から36%の範囲であり;
・前記CDRの長さが5アミノ酸である場合、最初の3個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約20から38%の範囲であり;
・前記CDRの長さが6アミノ酸である場合、最初の4個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約11から35%の範囲であり;
・前記CDRの長さが7アミノ酸である場合、最初の4個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約12から38%の範囲であり;
・前記CDRの長さが8アミノ酸である場合、最初の5個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約14から34%の範囲であり;
・前記CDRの長さが9アミノ酸である場合、最初の6個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約12から43%の範囲であり;
・前記CDRの長さが10アミノ酸である場合、最初の7個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約14から30%の範囲であり;
・前記CDRの長さが11アミノ酸である場合、最初の8個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約14から28%の範囲であり;
・前記CDRの長さが12アミノ酸である場合、最初の9個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約15から28%の範囲であり;
・前記CDRの長さが13アミノ酸である場合、最初の10個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約13から26%の範囲であり;
・前記CDRの長さが14アミノ酸である場合、最初の11個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約8から26%の範囲であり;
・前記CDRの長さが15アミノ酸である場合、最初の12個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約8から30%の範囲であり;
・前記CDRの長さが16アミノ酸である場合、最初の13個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約7から35%の範囲であり;
・前記CDRの長さが17アミノ酸である場合、最初の14個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約7から36%の範囲であり;
・前記CDRの長さが18アミノ酸である場合、最初の15個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約7から30%の範囲であり;
・前記CDRの長さが19アミノ酸である場合、最初の16個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約7から45%の範囲であり;
・前記CDRの長さが20アミノ酸である場合、最初の17個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約3から44%の範囲であり;
・前記CDRの長さが21アミノ酸である場合、最初の18個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約2から44%の範囲であり;
・前記CDRの長さが22アミノ酸である場合、最初の19個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約3から58%の範囲であり;又は
・前記CDRの長さが23アミノ酸である場合、最初の20個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約0.5から58%の範囲である。
別の実施形態において、合成ライブラリーは、それぞれ、約4アミノ酸から約23アミノ酸までの長さを有し、位置におけるアミノ酸頻度の特定の組合せを有する、抗体分子の重鎖の改変CDRを含む抗体分子を含み、
前記CDRの長さが4である場合、
a.位置1及び2におけるアミノ酸アスパラギン酸の頻度が、それぞれ、約10%及び約20%であり;
b.位置1〜3におけるアミノ酸プロリンの頻度が約0.05%から約0.15%まで様々であり、位置4においては約15%であり;
c.位置1におけるアミノ酸アルギニンの頻度が約5%であり、位置2、3、及び4においては約18%から約20%まで様々であり、
前記CDRの長さが5である場合、
a. 位置1、2、3、4、及び5におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約3%、0.05%、20%、0.1%、及び6%であり;
b. 位置1、2、3、4、及び5におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約6%、18%、0.2%、0.1%、及び0.05%であり、
前記CDRの長さが6である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、及び6におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約3.00%、0.15%、2%、25%、0.05%、及び3.5%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、及び6におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約3.43%、5.61%、0.09%、0.06%、7.79%、及び0.08%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、及び6におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約0.05%、7.78%、7.48%、4.37%、4.53%、及び1.77%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、及び6におけるアミノ酸セリンの頻度が、それぞれ、約1.76%、9.44%、8.13%、8.93%、0.26%、及び1.43%であり、
前記CDRの長さが7である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、及び7 におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約3.65%、0.18%、0.08%、3.09%、43.63%、0.15%、及び3.01%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、及び7 におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約3.33%、7.19%、12.74%、1.11%、0.21%、0.09%、及び3.34%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、及び7におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約0.09%、4.68%、0.23%、2.74%、3.95%、0.06%、及び3.53%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、及び7におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約6.98%、15.99%、3.98%、4.13%、1.00%、1.16%、及び0.67%であり、
前記CDRの長さが8である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、及び8におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約4.56%、6.02%、2.69%、4.00%、1.82%、35.24%、0.98%、及び2.61%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、及び8におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約3.17%、3.28%、3.30%、5.44%、2.19%、2.99%、0.93%、及び4.74%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、及び8におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約0.05%、6.05%、3.76%、1.04%、3.79%、1.47%、0.68%、及び4.64%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、及び8におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約6.24%、5.58%、8.88%、8.36%、5.24%、0.10%、0.88%、及び3.18%であり、
前記CDRの長さが9である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、及び9におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.96%、1.92%、2.31%、2.13%、2.36%、2.05%、44.15%、0.86%、及び2.59%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、及び9におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.68%、2.83%、3.24%、3.36%、3.13%、3.94%、1.12%、0.93%、及び4.74%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、及び9におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約0.98%、3.49%、3.57%、3.96%、3.79%、9.19%、3.71%、1.06%、及び5.26%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、及び9におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約4.93%、9.19%、9.45%、9.10%、9.50%、3.21%、0.07%、0.83%、及び3.97%であり、
前記CDRの長さが10である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.12%、2.44%、2.27%、2.49%、2.18%、2.78%、2.64%、55.93%、0.56%、及び2.32%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.66%、2.95%、3.25%、3.15%、3.22%、3.10%、1.22%、1.35%、0.91%、及び4.76%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.42%、3.12%、3.57%、2.78%、3.00%、2.81%、4.00%、1.22%、0.78%、及び4.08%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.28%、9.13%、9.97%、9.70%、10.04%、9.91%、4.20%、0.07%、1.12%、及び3.81%であり、
前記CDRの長さが11である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、及び11におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.10%、2.30%、2.51%、2.24%、2.47%、2.43%、2.24%、2.10%、54.27%、0.58%、及び2.76%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、及び11におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.68%、2.74%、2.98%、3.40%、2.98%、3.33%、3.54%、4.20%、0.97%、1.26%、及び4.40%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、及び11におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.61%、3.72%、2.90%、3.27%、3.07%、2.90%、2.98%、5.78%、3.05%、0.99%、及び4.22%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、及び11におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.62%、9.57%、10.06%、10.35%、9.61%、9.14%、10.00%、2.18%、0.00%、1.11%、及び4.14%であり、
前記CDRの長さが12である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、及び12におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.06%、2.42%、2.08%、2.44%、1.88%、2.46%、2.59%、2.34%、2.17%、52.70%、0.65%、及び2.49%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、及び12におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.59%、3.31%、3.58%、3.12%、3.24%、3.27%、3.62%、6.42%、1.28%、0.89%、1.14%、及び4.65%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、及び12におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.62%、3.52%、3.50%、3.43%、3.64%、2.72%、3.35%、4.82%、6.23%、3.16%、0.82%、及び3.96%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、及び12におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.18%、10.28%、10.15%、10.64%、10.28%、10.11%、10.11%、5.52%、2.88%、0.00%、0.80%、及び3.50%であり、
前記CDRの長さが13である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、及び13におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.02%、2.09%、2.13%、2.28%、2.44%、2.32%、2.49%、2.40%、4.51%、4.85%、54.39%、0.86%、及び2.65%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、及び13におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.61%、3.28%、3.34%、3.07%、3.47%、3.22%、3.32%、3.34%、9.54%、2.13%、0.94%、1.11%、及び4.16%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、及び13におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.86%、3.70%、3.49%、3.53%、3.07%、3.07%、3.24%、3.24%、1.98%、4.26%、2.61%、0.75%、及び3.38%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、及び13におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.85%、9.77%、9.46%、9.38%、9.86%、9.94%、9.90%、9.54%、5.14%、1.34%、0.00%、0.81%、及び3.13%であり、
前記CDRの長さが14である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、及び14におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.00%、2.48%、2.33%、2.42%、2.37%、3.01%、2.42%、2.22%、2.79%、4.02%、4.09%、54.77%、0.70%、及び1.96%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、及び14におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.46%、3.49%、3.56%、3.41%、3.23%、3.58%、3.27%、3.25%、3.19%、2.04%、2.37%、0.92%、1.54%、2.94%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、及び14におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.82%、3.58%、3.41%、3.10%、2.86%、3.45%、2.50%、3.05%、2.53%、7.32%、5.36%、3.05%、0.81%、及び0.26%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、及び14におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.78%、9.69%、8.94%、9.53%、10.04%、9.89%、9.82%、10.26%、10.22%、10.26%、1.82%、0.00%、0.90%、及び1.14%であり、
前記CDRの長さが15である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、及び15におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.07%、2.02%、2.25%、2.29%、2.82%、2.43%、2.38%、2.32%、3.74%、3.23%、4.03%、4.38%、54.81%、0.80%、及び2.29%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、及び15におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.80%、3.32%、2.91%、2.98%、3.42%、3.46%、2.89%、3.44%、1.93%、2.34%、2.73%、2.77%、0.78%、1.33%、及び2.54%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、及び15におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.65%、3.44%、3.62%、3.58%、3.09%、3.12%、2.66%、2.61%、7.66%、6.92%、7.40%、3.12%、2.43%、0.69%、及び0.23%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、及び15におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.96%、10.13%、9.26%、9.58%、10.32%、10.09%、9.01%、9.67%、11.10%、10.45%、9.67%、3.42%、0.00%、0.83%、及び0.85%であり、
前記CDRの長さが16である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、及び16におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.12%、1.57%、1.75%、2.62%、2.85%、2.50%、2.85%、2.21%、2.97%、2.74%、3.38%、3.38%、2.39%、50.47%、1.22%、及び2.91%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、及び16におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.87%、2.33%、3.03%、2.85%、3.67%、2.56%、3.32%、2.74%、2.68%、1.98%、2.39%、2.27%、0.17%、0.64%、0.81%、及び2.79%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、及び16におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.44%、16.94%、3.61%、6.00%、3.61%、3.61%、3.73%、3.38%、7.51%、10.30%、11.76%、8.21%、4.95%、2.56%、0.81%、及び1.34%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、及び16におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約6.40%、9.72%、8.91%、9.84%、10.01%、9.14%、9.66%、9.49%、8.21%、9.60%、8.15%、8.96%、0.58%、0.00%、1.34%、及び0.99%であり、
前記CDRの長さが17である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、及び17におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.06%、1.37%、2.47%、2.96%、2.91%、2.01%、2.85%、2.44%、3.05%、2.59%、3.31%、3.37%、2.59%、0.64%、37.93%、0.70%、及び3.31%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、及び17におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.64%、4.56%、3.14%、2.47%、3.69%、3.25%、3.11%、3.84%、3.55%、2.27%、1.95%、1.74%、2.35%、1.71%、0.00%、1.28%、1.39%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、及び17におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.79%、7.29%、3.31%、10.52%、2.44%、4.50%、3.89%、4.53%、3.95%、9.79%、9.82%、10.20%、10.32%、2.32%、1.63%、1.25%、及び7.90%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、及び17におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.81%、14.44%、9.97%、8.95%、8.78%、9.47%、8.37%、9.47%、9.33%、9.82%、10.29%、9.76%、9.85%、1.31%、0.00%、1.16%、及び1.02%であり、
前記CDRの長さが18である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、及び18におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.05%、1.37%、2.07%、2.43%、3.39%、2.28%、2.73%、3.39%、2.83%、2.53%、3.59%、3.19%、3.14%、3.14%、0.56%、37.96%、1.11%、及び3.39%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、及び18におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.66%、2.78%、2.83%、1.52%、2.33%、3.64%、3.90%、2.73%、3.64%、4.25%、2.02%、2.53%、2.63%、2.94%、0.51%、0.05%、1.32%、及び1.42%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、及び18におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.02%、4.35%、3.64%、11.69%、11.03%、3.29%、4.61%、3.54%、5.31%、4.55%、11.39%、8.76%、10.17%、8.76%、5.11%、2.13%、0.91%、及び9.67%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、及び18におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.97%、9.77%、9.01%、9.56%、8.50%、8.96%、9.36%、9.11%、10.98%、9.46%、10.58%、8.96%、9.36%、8.25%、2.23%、0.05%、0.76%、及び0.86%であり、
前記CDRの長さが19である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、及び19におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.17%、0.81%、2.20%、3.08%、2.84%、3.28%、6.30%、8.97%、2.40%、3.08%、3.39%、3.73%、3.45%、1.19%、4.20%、0.44%、40.09%、1.02%、及び3.49%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、及び19におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.98%、1.69%、2.88%、2.84%、2.64%、1.76%、4.03%、2.57%、4.30%、3.12%、2.47%、2.10%、2.64%、11.45%、7.31%、0.03%、0.00%、1.46%、及び1.19%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、及び19におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.54%、10.26%、3.66%、11.62%、9.82%、9.92%、0.44%、4.03%、4.27%、5.25%、9.85%、9.99%、8.84%、2.44%、3.05%、2.78%、1.42%、0.81%、及び9.72%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、及び19におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.38%、12.09%、7.92%、9.04%、9.21%、8.53%、0.61%、1.76%、9.18%、8.91%、10.19%、8.77%、9.11%、3.93%、0.54%、1.08%、0.00%、0.95%、及び1.05%であり、
前記CDRの長さが20である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20におけるアミノ酸グルタミン酸の頻度が、それぞれ、約15.56%、4.65%、3.96%、7.86%、4.75%、2.14%、0.82%、3.96%、4.59%、3.99%、5.19%、4.71%、5.03%、0.31%、3.99%、0.06%、0.06%、0.00%、2.39%、及び0.00%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.66%、2.67%、3.17%、1.13%、2.01%、0.31%、3.52%、3.49%、3.36%、3.21%、2.36%、2.64%、2.42%、4.34%、4.09%、3.96%、1.16%、0.09%、1.45%、及び1.07%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.39%、3.49%、3.61%、3.11%、11.44%、1.76%、1.38%、4.37%、3.71%、5.00%、10.09%、9.90%、9.90%、6.38%、4.87%、6.44%、0.31%、1.19%、0.91%、及び9.55%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.41%、8.67%、9.71%、4.87%、9.37%、1.98%、3.49%、8.74%、9.21%、8.89%、8.96%、9.87%、10.47%、4.43%、1.67%、4.09%、2.83%、0.00%、0.97%、及び1.26%であり、
前記CDRの長さが21である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.00%、2.07%、0.28%、2.93%、2.31%、5.82%、6.92%、7.44%、7.10%、7.13%、7.20%、11.47%、0.59%、0.65%、4.34%、6.17%、2.20%、0.17%、35.45%、2.17%、及び2.58%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.65%、0.14%、4.17%、2.79%、3.44%、1.52%、1.31%、0.93%、1.17%、1.38%、1.76%、2.89%、6.48%、0.41%、4.20%、0.24%、4.51%、0.34%、0.00%、1.03%、及び2.17%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.20%、9.06%、4.48%、4.24%、4.13%、2.86%、2.55%、2.24%、3.10%、3.38%、3.31%、18.05%、6.44%、8.54%、2.79%、2.89%、8.27%、1.10%、1.83%、1.55%、及び8.23%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.99%、3.82%、8.96%、9.20%、9.20%、4.27%、4.13%、4.68%、4.99%、4.62%、4.00%、10.27%、6.30%、9.68%、5.99%、1.79%、3.41%、1.72%、0.24%、1.00%、及び0.03%であり、
前記CDRの長さが22である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、及び22におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.04%、5.37%、3.13%、6.33%、3.67%、0.27%、6.95%、6.49%、7.34%、3.79%、3.28%、3.79%、5.99%、7.34%、0.19%、0.27%、0.19%、0.31%、3.24%、36.27%、0.85%、及び9.35%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、及び22におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.50%、0.00%、4.21%、0.19%、4.17%、4.21%、1.04%、1.43%、1.51%、1.85%、2.90%、2.01%、1.27%、1.08%、0.39%、0.27%、0.12%、7.61%、0.12%、0.08%、1.47%、及び0.00%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、及び22におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.74%、7.96%、4.75%、18.23%、8.50%、3.59%、2.47%、2.94%、2.74%、10.31%、10.35%、9.62%、3.13%、3.05%、13.90%、0.27%、5.37%、0.23%、0.31%、1.78%、1.39%、and 2.47%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、及び22におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.83%、17.50%、8.42%、5.06%、4.52%、4.79%、4.91%、4.48%、4.60%、9.39%、8.42%、8.57%、4.36%、4.44%、0.58%、3.59%、6.06%、0.23%、6.30%、0.04%、0.77%、及び0.00%であり、
前記CDRの長さが23である場合、
a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、及び23におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.00%、0.29%、0.15%、0.49%、8.00%、3.07%、3.76%、0.59%、9.03%、3.90%、4.25%、9.42%、0.44%、3.90%、0.34%、3.32%、3.51%、0.10%、3.90%、0.39%、43.24%、0.83%、及び4.73%であり;
b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、及び23におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.24%、0.05%、0.15%、0.15%、4.69%、5.32%、0.10%、0.15%、14.84%、0.20%、4.49%、4.64%、4.25%、5.42%、0.10%、8.30%、0.05%、0.10%、4.69%、0.00%、0.00%、1.12%、及び0.00%であり;
c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、及び23におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約0.24%、9.91%、3.71%、3.61%、5.32%、2.73%、3.61%、3.81%、7.42%、2.10%、6.69%、4.34%、2.93%、8.39%、11.27%、3.17%、0.20%、0.24%、0.34%、4.05%、0.88%、1.22%、及び9.22%であり;
d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、及び23におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約0.44%、4.39%、8.69%、22.40%、7.76%、4.49%、4.05%、3.42%、0.78%、9.13%、10.35%、3.66%、11.52%、3.95%、0.29%、8.25%、0.20%、6.69%、0.20%、0.44%、0.00%、1.95%、及び0.05%である。
更に別の実施形態において、CDRは、CDR1、CDR2、及びCDR3を含む群から選択され、好ましくは、CDRはCDR3である。
まだ尚、別の実施形態において、
・抗体分子の重鎖は、配列番号1、3、5、7、9、11、又は13から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号2、4、6、8、10、12、又は14から選択されるコンセンサスアミノ酸配列を含み;
・抗体分子の軽鎖(カッパ)は、配列番号15、17、19、若しくは21から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号16、18、20、若しくは22から選択されるコンセンサスアミノ酸配列を含み、又は抗体分子の軽鎖(ラムダ)は、配列番号23、25、若しくは29から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号24、26、若しくは28から選択されるコンセンサスアミノ酸配列を含み;
・重鎖のフレームワーク領域1、2、及び3は、配列番号30〜49から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み;
・重鎖のCDR1及びCDR2は、配列番号50〜63から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み;
・軽鎖(カッパ)のフレームワーク領域1、2、3、及び4は、配列番号64〜79から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み;
・軽鎖(カッパ)のCDR1、CDR2、及びCDR3は、配列番号80〜91から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み;
・軽鎖(ラムダ)のフレームワーク領域1、2、3、及び4は、配列番号92〜103から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み;
・軽鎖(ラムダ)のCDR1、CDR2、及びCDR3は、配列番号104〜112から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含む。
まだ尚、別の実施形態において、ライブラリーは、約1010〜約1011個のクローンを含み、合成抗体ライブラリーは、ファージ若しくは酵母の表面上に発現した一群の抗体分子(コレクション)であり、又はファージ若しくは酵母若しくはそれらの組合せから単離された一群の抗体分子(コレクション)である。
本開示はまた、以下の工程を含む、上記のような合成ライブラリーを得る方法に関する:
a)少なくとも1つの所定の特徴を有する抗体分子をスクリーニング及び同定する工程、
b)同定された分子をCDR3重鎖(CDRH3)の長さ分布分析及び前記CDRH3内のアミノ酸の出現頻度に基づいて分析して、最適な鎖長及びアミノ酸頻度を決定する工程、
c)変化した抗体分子をデザインし、その後、分子を、上記のように定義されているように、前記最適な鎖長及びアミノ酸頻度に基づいて、コドン置き換えテクノロジーに供して、改変CDRH3を有する抗体分子を得る工程、並びに
d)前記分子をクローニングして、ライブラリーを形成する工程。
ある実施形態において、スクリーニング工程は、重複(redundancy)の除去のために、利用可能なオンラインデータベース(IMGTデータベース)に由来する抗体遺伝子配列を分析することを含み、所定の特徴が、アノテーションレベル、種、立体配置の型、再編成された遺伝子の型、及び機能性、又はそれらの任意の組合せを含む群から選択される。
別の実施形態において、デザインする工程は、配列番号2、4、6、8、10、12、又は14から選択される重鎖アミノ酸配列、及び配列番号16、18、20、22、24、26、又は28から選択される軽鎖アミノ酸配列、並びに配列番号30〜112から選択される核酸配列によりコードされる1つ又は複数のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域及びCDRを含む抗体分子を合成することを含む。
更に別の実施形態において、改変CDRH3を有する抗体分子は、ファージベクターにより個々にディスプレイされ、又はファージベクター、その後、酵母ベクターにより逐次的にディスプレイされる。
まだ尚、別の実施形態において、ファージ又は酵母ベクターによる抗体分子のディスプレイは以下の工程を含む:
対応する抗体遺伝子をファージへクローニングして、ファージ抗体ライブラリーを得、その後、ディスプレイされた分子を抗原に対してスクリーニングして、パニングされたファージ抗体ライブラリーを得る工程、
パニングされたファージ抗体ライブラリーを、前記抗体分子の酵母の表面上でのディスプレイのために酵母へ移入し、その後、酵母にディスプレイされた抗体分子を抗原に対してスクリーニングして、酵母でスクリーニングされた抗体ライブラリーを得る工程、及び
所望の機能的特性を有するファージ若しくは酵母にディスプレイされた抗体を選択して、合成抗体ライブラリーを形成し、又は所望の機能的特性を有する選択された抗体分子をファージ抗体ライブラリー若しくは酵母抗体ライブラリーから単離して、スクリーニングされた抗体合成ライブラリーを作製する工程。
まだ尚、別の実施形態において、抗体分子は、ファージ又は酵母ベクターへのクローニングのために、Fab又はscFvのフォーマットであり、ファージベクターへの形質転換効率は、約109〜約1010の範囲であり、酵母ベクターへの形質転換効率は、約106から約108の範囲である。
まだ尚、別の実施形態において、ファージライブラリーを得るためのスクリーニング工程は、磁気ビーズ上にコーティングされた抗原でパニングして、対象とする抗体を単離することを含み、前記ファージディスプレイスクリーニング/パニングは、非結合性抗体を除去するために利用される。
まだ尚、別の実施形態において、表面ディスプレイによる酵母ライブラリーを得るためのスクリーニング工程は、競合抗原エピトープ、抗体パラトープ立体構造、配列及び配列モチーフ、又はそれらの任意の組合せを利用することにより行われて、タバコエッチウイルス(Tobacco Etch Virus)(TEV)、エンテロキナーゼ、トロンビン、第Xa因子、HRV 3Cプロテアーゼ、及び類似したプロテアーゼ切断部位、又はそれらの任意の組合せを含む群から選択されるプロテアーゼ切断部位を用いてFab又はscFv分子を単離する。
まだ尚、別の実施形態において、合成抗体ライブラリーは、ファージ若しくは酵母の表面上に発現した一群の抗体分子(コレクション)であり、又はファージ若しくは酵母若しくはそれらの組合せから単離された一群の抗体分子(コレクション)である。
本開示はまた、上記のような、又は上記のような方法により得られるような、合成ライブラリーから単離される抗体分子に関する。
本開示はまた、
・配列番号1、3、5、7、9、11、又は13から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号2、4、6、8、10、12、又は14から選択される重鎖コンセンサスアミノ酸配列;
・配列番号15、17、19、若しくは21から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号16、18、20、若しくは22から選択される軽鎖コンセンサスアミノ酸配列、又は配列番号23、25、若しくは29から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号24、26、若しくは28から選択されるコンセンサスアミノ酸配列;
・配列番号30〜49、64〜79、又は92〜103から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるフレームワーク領域;及び
・配列番号50〜63、80〜91、又は104〜112から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるCDR
を含む抗体分子であって、
前記CDRの長さが4である場合、位置2、3、及び4におけるアミノ酸アルギニンの頻度が約18%から約20%まで様々であり;
前記CDRの長さが5である場合、位置3におけるアミノ酸プロリンの頻度が約20%であり;
前記CDRの長さが6である場合、位置4におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約25%であり;
前記CDRの長さが7である場合、位置5におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約43.63%であり;
前記CDRの長さが8である場合、位置6におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約35.24%であり;
前記CDRの長さが9である場合、位置7におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約44.15%であり;
前記CDRの長さが10である場合、位置8におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約55.93%であり;
前記CDRの長さが11である場合、位置9におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.27%であり;
前記CDRの長さが12である場合、位置10におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約52.70%であり;
前記CDRの長さが13である場合、位置11におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.39%であり;
前記CDRの長さが14である場合、位置12におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.77%であり;
前記CDRの長さが15である場合、位置13におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.81%であり;
前記CDRの長さが16である場合、位置14におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約50.47%であり;
前記CDRの長さが17である場合、位置15におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約37.93%であり;
前記CDRの長さが18である場合、位置16におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約37.96%であり;
前記CDRの長さが19である場合、位置17におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約40.09%であり;
前記CDRの長さが20である場合、位置1におけるアミノ酸グルタミン酸の頻度が約15.56%であり;
前記CDRの長さが21である場合、位置19におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約35.45%であり;
前記CDRの長さが22である場合、位置20におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約36.27%であり;
前記CDRの長さが23である場合、位置21におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約43.24%である、
抗体分子に関する。
本開示はまた、癌、関節リウマチ、神経障害、感染性疾患、及び代謝障害、又はそれらの任意の組合せを含む群から選択される疾患の処置のための治療用物質において、診断用物質として、予後診断用物質として、研究目的で、標的発見、機能ゲノミクスにおける検証、又は抗体若しくは抗体の誘導体が利用される任意の適用で使用するための、上記の、又は上記の方法により得られるような合成抗体ライブラリーに関する。
本開示は、抗体ライブラリー、非限定的に、合成抗体遺伝子発現ライブラリーのデザイン又はそれを作製する方法に関する。前記合成抗体ライブラリーは、相補性決定領域(CDR)に制限せずに、多様性を有するコンセンサスアミノ酸配列のプールにおいて構築される。
本開示の非限定的実施形態において、CDRは、CDR1、CDR2、及びCDR3を含む群から選択される。
本開示の別の非限定的実施形態において、合成ライブラリーは、コドンを置き換えるテクノロジー/コドン置き換えテクノロジーにより正確にデザインされたオリゴヌクレオチドを利用することにより構築される。
前記テクノロジーの基礎は、抗体CDRの特別の位置における特定のアミノ酸残基を置換することに由来する。CDR領域のアミノ酸配列及び長さの極度の可変性により、各位置は、所定の頻度で、複数のアミノ酸で置換される。そのような置換は、多様な抗原認識のための必要条件である、抗体レパートリーを表す、多数の独立した分子をもたらす。合成されたオリゴヌクレオチドは、各位置においてアミノ酸多様性を表すように、可変性コドンでデザインされる。
本開示の更に別の非限定的実施形態において、コドン置き換えテクノロジーは、インシリコ分析データから得られるインプットを用いて、アミノ酸組成の偏りを導入する。前記分析について、公的に入手可能な抗体データベースからのいくつかの抗体のアミノ酸配列が利用される。特定の位置における特定のアミノ酸分子の存在の頻度は、インシリコで決定される。得られたデータは、アミノ酸頻度の多様性を表すオリゴヌクレオチド配列の合成に用いられる。
本開示の好ましい実施形態において、コンセンサスアミノ酸をコードする核酸配列には、インシリコでデザインされる、免疫グロブリンのヒト重鎖可変領域及び軽鎖可変領域に限定されない合成DNAが挙げられる。
本開示の非限定的実施形態において、合成抗体ライブラリーを作製する方法は、コンビナトリアルツールを利用することによる、特定の抗原についてのスクリーニング手順を含む。
例示的な実施形態において、コンビナトリアルツールには、ファージディスプレイテクノロジー及び酵母ディスプレイテクノロジーが挙げられる。別の実施形態において、方法は、合成抗体遺伝子発現ライブラリーを創出するために、ファージディスプレイテクノロジー及び/又は酵母ディスプレイテクノロジーを利用することによるスクリーニングを利用する。更に別の実施形態において、方法は、合成抗体遺伝子発現ライブラリーを創出するために、ファージディスプレイテクノロジー、その後、酵母ディスプレイテクノロジーを逐次的に利用することによるスクリーニングを利用する。
本開示の非限定的実施形態において、合成抗体遺伝子発現ライブラリーは、特定の治療標的、すなわち、抗原に対する所望の機能的特性をもつ固有抗体分子の、向上した親和性及び特異性での単離を可能にする。
本開示の別の非限定的実施形態において、抗体の所望の機能的特性は、非限定的に、親和性、特異性、製造可能性、新しいエピトープの生成、熱安定性、抗原性、溶解性、凝集及び触媒活性、又はそれらの任意の組合せ、並びに商品の商業化の成功に関係した任意の他の特性を含む群から選択される。
本開示の更に別の非限定的実施形態において、合成抗体遺伝子発現ライブラリーを作製する方法は、2つの別個のスキャニングツール、1)ファージディスプレイテクノロジー及び2)酵母ディスプレイテクノロジーを利用することにより、コンセンサスアミノ酸配列のプールの発現を逐次的に探索することを含む。これらのテクノロジーの逐次的使用は、ファージに基づいたライブラリーの特徴である、抗体遺伝子多様性のより大きいセットを活用することを可能にする。その後、抗体クローンは、酵母ディスプレイ系を通してスクリーニングされる。抗体遺伝子発現のための酵母系の使用は、真核生物タンパク質翻訳、プロセシング、及び細胞表面上での抗体産物の適切なフォールディングを理由に、有利である。更に、酵母発現は、抗原性標的との高い特異性での適切な相互作用を可能にする。これらの2つの補完的な系を用いて得られる情報は、商業化の可能性に関してより高い成功率をもつ「リード分子」(すなわち、抗原に特異的な抗体)を生み出す。
本開示に採用される発現プロファイリング及びスクリーニングストラテジーは、ファージから酵母ディスプレイプラットフォームの間を円滑に移行することを可能にする。ファージディスプレイは、ハイスループット形式で、抗体-抗原相互作用のストリンジェンシー及び特異性に焦点を絞られる一次スクリーニングのためにライブラリーサイズ(約1011)を収容し、同時に、スクリーニングされた分子は再び、酵母プラットフォームによる抗体ディスプレイのためにコンビナトリアル又は非コンビナトリアル過程を経る。したがって、各プラットフォームは、機能的に特異的であるが、構造的に様々な抗体部分を生成するパイプラインにコンビナトリアルに寄与する。2つの異なるディスプレイ系による、抗原上、又は抗原発現細胞上、又は抗原コーティング化粒子上での複数ラウンドの選択の過程は、様々な所望の抗体特性、例えば、非限定的に、親和性、特異性、製造可能性、新しいエピトープ、熱安定性、抗原性、溶解性、抗体の凝集、触媒活性等をポジティブに、又はネガティブに選択するために極めて有益である。本方法は、様々な抗原性標的に対する固有分子の同定を促進する、ライブラリーにおける多様性を保存することを可能にする。高い多様性を有するヒト抗体の合成ライブラリーの作製は、新しい抗体同定及び更なる商業的開発のためのとてつもなく大きい供給源としての役割を果たす。
本開示の非限定的実施形態において、方法論はまた、多様性が2つのプラットフォーム間で変換され、様々な操作された抗体フォーマット、例えば、非限定的に、キメラ抗体分子、Fab断片、F(ab')2断片、Fv分子、scFv、scFab、二量体及び三量体抗体断片、ミニボディ、ヒト化モノクローナル抗体分子、ヒト抗体、抗体のFc領域を含む融合タンパク質、これらの分子から生じた任意の機能性断片(ただし、誘導分子が親抗体分子の免疫学的機能性を保持する場合)、並びに全ての他の抗体フォーマットとして探索されるストラテジーを含む。
別の非限定的実施形態において、本開示の方法はまた、酵母接合型(酵母の一倍体/二倍体生活環の性質)に基づいたストラテジーを組み入れることを含み、そのことにより、2つの別個の酵母ベクターから酵母におけるより大きいライブラリー(scFv又はFab又は完全抗体)の作製を可能にし、親和性向上のための鎖ランダム化もまた受け入れられる。
本開示の更に別の非限定的実施形態において、合成ライブラリーサイズ及び多様性等の性質は、抗体特異性及び親和性の向上を達成することに直接的に結びつけられると思われる。
合成抗体ライブラリー、好ましくは合成ヒト抗体ライブラリーを作製又は開発する本方法は、下記のフローチャートに示されている。
より具体的には、抗原に対するスクリーニングも含む、合成抗体ライブラリー、好ましくは合成ヒト抗体遺伝子発現ライブラリーを作製する本方法は、以下の行為/工程を含む:
a)抗体アミノ酸配列のインシリコ分析の行為/工程;
b)インシリコアプローチにより重鎖CDR3多様性をデザインし、創出する行為/工程;コドン置き換えテクノロジーによる全体の多様性の合成の行為/工程;
c)コンセンサス抗体核酸配列のファージミドベクターへのクローニングの行為/工程;合成核酸レパートリーをファージミドベクターへ組み入れて、合成ファージライブラリーを作製する行為/工程;
d)ファージディスプレイライブラリーを特定の抗原又は抗原産生細胞に対してスクリーニングする行為/工程;
e)工程d)のスクリーニングされた産物を酵母ベクターへ移入/クローニングし、その後、前記産物を抗原に対してスクリーニングする行為/工程;及び
f)所望の機能的特性を有する抗体分子を酵母ライブラリーから選択する行為/工程。
好ましい実施形態において、ライブラリーは、合理的デザインアプローチを採用することにより更に向上し、抗体構造情報を用いて、様々な所望の抗体特性、例えば、非限定的に、親和性、特異性、製造可能性、新しいエピトープ、熱安定性、抗原性、溶解性、抗体の凝集、触媒活性等をポジティブに、又はネガティブに選択する。
好ましい実施形態において、ヒト合成抗体ライブラリーを作製する本方法は、以下の工程を含む。多数のヒト抗原-抗体構造をインシリコで分析し、それから得られた情報に基づいて、合成DNAが生み出され、コドン置き換えテクノロジーを利用することにより、合成DNAの核酸配列をコードするアミノ酸配列において遺伝子変化が実行される。その後、抗体をコードする変化した核酸を、ファージ及び/又は酵母ベクターへクローニングし、続いて、特定の抗原標的に対する約2〜約5ラウンドのライブラリースクリーニングを実行する。その後、スクリーニングされた分子のプールを、酵母ベクターへクローニングし、特定の抗原標的に対する約1〜約3ラウンドのスクリーニングを行う。標的抗原に対するより高い親和性又は他の所望の抗体の特徴を示す特定の集団を単離し、個々のクローンを分離し、それから得られたクローン集団は、更なる抗体開発のために特定の分子を選択するために用いられる。
本開示の例示的な実施形態において、ヒト合成抗体ライブラリーを作製する方法は、以下の工程を含む。
工程1:様々なデータベースからダウンロードされたいくつかの抗体配列に行われたインシリコ分析に基づいて変化した核酸配列又は合成DNAを創出する工程。前記工程は、特定のファージ発現ベクターにおいてヒト免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)の高度に最適化されたコンセンサス配列の使用を可能にする、正確に制御されたデザインを創出する工程を含む。コンセンサス領域は、可変性の高いCDR領域と共に散在する。CDR領域は、アミノ酸配列、加えて、各CDRの長さに関して可変である。CDR長さ及びCDRアミノ酸組成に関する情報を分析して、各位置におけるアミノ酸可変性の頻度を導く;同様に、長さ分布も決定する。特定のCDRにおけるアミノ酸置換と対応するCDRの長さのこの複合は、多様な抗原認識において寄与するだろう。好ましくは、合成抗体ライブラリーのデザイン、構築、及び適用のための完全な方法は、相補性決定領域に制限されない、多様性を有するコンセンサス重鎖及び軽鎖配列において構築される。合成分子の多様性は、重鎖可変領域配列のCDR3のアミノ酸頻度の位置的多様性及び様々な長さ分布のインシリコ分析及び理解を通して導かれる、アミノ酸の分布マトリックスのストラテジー的デザインにより達成される。このように得られたアミノ酸組成の多様性は、コドン置き換えテクノロジーを用いてDNA分子を作製するために用いられる。工程2:合成的に調製されたDNA断片を一カ所に収集/プールし、特定のセットのファージミドベクターにおいてクローニングする。ライブラリー分子の膨大なサイズ及び多様性を捕獲するという概念を以て、前記ファージミドベクターへのクローニングを実行する。工程3:前記ベクターを、抗体遺伝子を発現するために用い、特定の抗原標的に対するスクリーニングに供する。好ましくは、分子のライブラリーのスクリーニングを、特定の抗原に対する1ラウンドの選択によるバイオパニングによって行う。非結合性物質を洗い流し、結合したクローンを選択的に溶出し、大腸菌に限定されない宿主において、選択されたクローンを再増幅することにより、ライブラリーから特定の結合性物質を選択する。工程4:ファージディスプレイプラットフォームからの選択された分子のプールを、酵母ディスプレイプラットフォームへ移入する。好ましくは、ファージディスプレイプ
ラットフォームにおいてスクリーニングされた選択された分子のプールを、選択された多様性、すなわち、重鎖及び軽鎖の組合せをランダム化して、又はランダム化せずに、真核生物系へ移入し、それにより、重鎖及び軽鎖の特定の組合せ有り又は無しで、選択された分子のプールを保存する。この移入は、ファージディスプレイプラットフォームにおける重鎖及び軽鎖のフォールディング及びペア形成に関する問題を克服するために特定的に行われる。酵母ディスプレイプラットフォームは、異なるフォーマットでの様々な抗体部分を発現する様々な設定を含む。工程5:酵母プラットフォームを用いることによりディスプレイされた分子/抗体断片を、特定の抗原標的に対してスクリーニングする。標的抗原に対するより高い親和性を示す特定の抗体集団を分離する。これらの選択されたプールを更に、必要ならば、抗原特異性について試験する。工程6:スクリーニングされた抗体のプールからの個々のクローンを分離し、クローン集団を、「リード分子」をコードする核酸配列を単離するために用いる。いくつかのバイオインフォマティクスツールを用いる抗体-抗原相互作用研究の注意深い分析及び理解は、リード分子の核酸配列において更なる変化を組み入れることを可能にするだろう。
コンビナトリアルアプローチにより、すなわち、ランダムに組み合わせられた重鎖及び軽鎖という概念を利用することにより、開発されるヒト合成抗体レパートリーを発現するファージ及び酵母ディスプレイプラットフォームの逐次的使用により、幅広い種類の治療標的をスクリーニングし、向上した親和性及び特異性を有する固有抗体分子の同定へと導くことが可能になる。加えて、利用される別のアプローチは、様々な抗体フォーマットにおける特定の組合せを未変化の状態を保つという柔軟性を活用して、ファージから酵母へ移行することにより、ファージディスプレイライブラリースクリーニングから得られる重鎖及び軽鎖の特定の組合せを保存する。逐次的、又はコンビナトリアルな酵母ディスプレイ系/プラットフォーム及びファージディスプレイ系を用いる柔軟性は、Fab、scFv、scFab分子又は任意の抗体フォーマット等の様々なアウトプットフォーマットのためだけでなく、一倍体細胞発現及び二倍体細胞発現についての都合の良い選択でもある。複数の選択肢利用可能性により、このコンビナトリアルな酵母ディスプレイとファージディスプレイの形式を、免疫グロブリン構造を模倣するリガンドを選択するための独特で、柔軟で、且つ不可欠なプラットフォームにさせている。
抗原及び抗体の構造-機能分析の詳細な理解により、アミノ酸配列モチーフの更なる改変が可能になり、それにより、増加した親和性、安定性、発現、効力等を有するリード分子を作製する見通しが強まる。したがって、本開示は、様々な疾患の標的に対する固有のモノクローナル抗体同定だけでなく、機能ゲノミクスの分野において標的発見及び検証において重要な役割を果たすことも達成する。
本開示はまた、本開示の方法を利用することにより調製される合成核酸配列のレパートリーを含む抗体遺伝子発現ライブラリーに関する。
合成ライブラリー等の抗体ライブラリーは、特定の治療標的、すなわち、抗原に対する所望の機能的特性を有する新規な抗体断片又は分子の単離を可能にする。前記ライブラリーのカテゴリーの固有性は、免疫系由来の天然抗体の範囲を超える親和性及び特異性を有する、制御された様式でデザインされる幅広い種類の抗体を有することであり、その抗体は、より高い親和性及び特異性で抗原をターゲットする可能性をもち得る。しかしながら、ナイーブ抗体ライブラリーに関して、それにおける情報は、例えば、体細胞超変異又は他の生理学的現象に起因する、関心対象であり得る、アミノ酸可変性を含まない。更に、ナイーブライブラリー親和性は、本開示においてのような合成ライブラリー親和性と比較した場合、中程度であると予想され、ナイーブライブラリーにおける抗体レパートリーは、抗原遭遇により、少なくとも有意には形づけられていないからである。対照的に、合成ライブラリーの抗原に対する親和性は、高く、且つ特異的であると予想され、免疫化及びクローン選択後の免疫グロブリンに見られる変異のパターンを模倣するために、インシリコ研究が利用されているからである。
本開示はまた、本開示の方法により調製された合成核酸配列のレパートリーを含む抗体遺伝子発現ライブラリーの、抗原標的に対してスクリーニングするための使用に関する。
非限定的実施形態において、本開示の抗体遺伝子発現ライブラリーは、いくつかの分野において適用され、その分野には、治療学、診断学、予後診断学、研究目的、及び抗体又は抗体の誘導体が利用される事実上、いかなる適用も挙げられるが、それらに限定されない。
前述の態様を要約すれば、本開示は、特に、様々な親和性及び特異性を有する、多数の抗原に対する抗体又は抗体断片をスクリーニングし、且つ作製するために用いることができる高度に多様で、且つ機能的な合成抗体レパートリーの創出に関する。本開示のこの独占的デザイン及び合成抗体ライブラリーの作製は、本開示により実行されているような抗体配列多様性の分析及び抗体-抗原相互作用の構造-機能研究から得られる知識に加えて、既存の技術的分野の理解、並びに既存の合成抗体ライブラリー及び天然抗体レパートリーにおいて行われた研究からの貴重な洞察に深く依存している。
この本開示は、コドン置き換えテクノロジーを用いることにより、相補性決定領域(CDR3)に制限されない、多様性を有するコンセンサスアミノ酸配列のプールにおいて構築された、適切にデザインされた抗体ディスプレイ方法論のデザイン及び作製についてのストラテジーを記載する。加えて、この開示はまた、相対的に保存されたフレームワーク領域に存在する特定の改変をもたらす。配列多様性はさておき、長さのバリエーションもまた、考慮されており、データベースにおけるCDRの様々な長さの分布に焦点が絞られており、Fab抗体分子の等価表示に向けたストラテジーが組み入れられている。
本開示は、2つの別個のスキャニングツールである、ファージディスプレイテクノロジーと酵母ディスプレイテクノロジーを利用することにより、クローンのプールの発現プロファイルを逐次的に探索する。これらのテクノロジーの逐次的使用により、ファージに基づいたライブラリーの特徴である、抗体遺伝子多様性のより大きいセットを活用することが可能になり、その後、抗体クローンを、酵母ディスプレイ系によりスクリーニングすることができる。抗体遺伝子発現のための酵母ディスプレイ系の使用は、真核生物タンパク質翻訳、プロセシング、及び細胞表面上の抗体産物の適切なフォールディングという理由で有利である。酵母発現は高い特異性での抗原性標的との適切な相互作用を可能にすると仮定される。これらの2つの補完的系を用いて得られる情報は、商業化の可能性に関してより高い成功率をもつ「リード分子」をもたらすだろう。提案された方法論はまた、多様性が2つのプラットフォームの間で変換され、Fab、scFv、scFab、及び本開示の前述のセクションにおいて詳述されているような他の抗体フォーマットにより例示されるような様々な操作された抗体フォーマットとして探索することができるストラテジーを含む。候補抗体分子は更に、抗体-抗原相互作用の構造-機能研究により導かれる合理的デザインを通して最適化される。
非限定的実施形態において、本方法により得られた候補抗体分子は更に、抗体-抗原相互作用の構造-機能研究により導かれる合理的デザインを通して最適化される。薬物、特に抗体に基づいた薬物の開発の過程は、困難で、時間がかかり、費用がかかる。合理的薬物デザインの基礎を集合的に形成する、いくつかの集学的アプローチが、これらの問題に対処するのに必要とされる。モノクローナル抗体薬の製造可能性の成功のための必要条件は、溶解性、凝集、抗原性、安定性等の様々な生物学的な、及び/又は相関した特性に依存する。これらの特性の多くは、インシリコアプローチを通して予測することができる、抗体の異なる構造モチーフに依存する。例示されているように、合理的で、証拠に基づいており、より速い、構造に基づいた薬物デザインは、少し例を挙げるだけでも、癌化学療法、薬物耐性感染、神経学的疾患の分野において、大いに貢献している。これらの方法の生じた結果は、合成抗体ライブラリー構築及び選択された分子の製造可能性を向上させるために本開示に利用される。
本開示は、一般的に、バイオテクノロジー、遺伝子工学、及び免疫学の分野に関する。本開示は、特に、様々な親和性及び特異性をもつ、多数の抗原に対する抗体又は抗体断片をスクリーニングし、且つ作製するために用いることができる高度に多様で機能的な合成抗体レパートリーの創出に関する。まとめると、本開示の関心は、合成抗体レパートリーのより効率的な利用を目指して、コンビナトリアルアプローチと共に逐次的又はコンビナトリアルライブラリー技術の周辺に集中している。抗体の合成ライブラリーは、強い特異性及びより高い親和性のヒトmAbのインビトロでの選択を可能にする。それのデザインのおかげで、この技術は、選択されたmAbの遺伝子分析(核酸レベル)と機能的分析(タンパク質レベル)の両方を可能にし、したがって、ヒト免疫系の機構に関する研究を促進させる。そのようなライブラリーを包含するトランスレーショナルリサーチアプローチは、新しい将来の治療に集結し得る。
本開示は更に、以下の実施例を参照して記載され、その実施例は、本来、例証となるのみであり、いかなる形であっても本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
利用される材料:
DPBS(GIBCO、米国);FBS(Moregate Biotech社、オーストラリア);dNTP(Ambion、米国);1Kb ラダー(Invitrogen、米国);Phusion酵素(NEB社、米国);アガロース(SIGMA社、米国);PCR精製キット(Qiagen社、米国);アガロース(SIGMA社、);ゲル溶出キット(Qiagen社、米国);Mini prepキット(Qiagen社、米国);dATP(NEB社、米国);T4 DNAリガーゼ(NEB社、米国);LB寒天(Himedia社、インド)、Neb5alpha(NEB社、米国);アンピシリン(MP Biomedicals社、米国);NcoI-HF(NEB社、米国);XbaI(NEB社、米国);HindIII-HF(NEB社、米国);AscI(NEB社、米国);BstEII(NEB社、米国);BstBI(NEB社、米国);AscI(NEB社、米国);NotI(NEB社、米国)、TG1細胞(Lucigen社、米国);PCR精製キット(Qiagen社、米国);LB寒天(Himedia社、インド);Mini prepキット(Qiagen社、米国);LBブロス(Himedia社、インド);アンピシリン(MP Biomedicals社、米国);dam-/dcm-コンピテント大腸菌(NEB社、米国);カナマイシン(MP biomedicals社、米国);M13KO7ヘルパーファージ(Thermo Scientific、米国);グリセロール(Fischer Scientific社、米国);PEG 8000(SIGMA社、米国);塩化ナトリウム(SIGMA社、米国);PBS(SIGMA社、米国);BSA(Biovision社、米国);抗FLAG(Sigma社、米国);HRPヤギ抗マウス(Biolegend社、米国);TMB基質(Sunmodics社、米国);Herclon(登録商標)(Roche社、米国);ヤギ抗ヒト_IgGFc-HRPコンジュゲート型(Bethyl社、米国);Tween 20(Fisher Scientific社、USA);Her2(Acrobiosystems社、中国)。
(実施例1)
合成抗体ライブラリー作製のための一般的な手順
合成ライブラリーの成功は、多様でなければならない固有デザイン、及び十分大きくあるべきである最終ライブラリーサイズに単に依存するだけである。合成抗体ライブラリーサイズと多様性、及び抗体特異性と親和性は直接、関連づけられる。多様性及び固有性を網羅する合理的な数のクローンを有するために、多数の抗体配列をインシリコで分析する。コドン置き換えテクノロジーを用いて、確実性及び多様性を以て、変化した抗体配列を合成し、アクセッション番号MTCC 25125を有する自社製ファージミドベクターへクローニングする。合成ライブラリーのプールを表す特定のベクターにおけるクローニングされた遺伝子を、特定の抗原に対して、ただストリンジェンシーだけに基づいて、パニングする。選択された分子のプールを、特定の酵母ディスプレイベクター(アクセッション番号MTCC 25126、MTCC 25127、及びMTCC 25128)へ、コンビナトリアル又は非コンビナトリアルアプローチにより、移入する。しかしながら、重鎖と軽鎖のランダム化は、2つのディスプレイ系にわたる違いを補正するために許可される。ディスプレイされた断片を、特定の抗原性標的に対してスクリーニングし、標的抗原に対するより高い親和性を示す集団を分離する。選択されたプールを任意で、抗原特異性について試験し、プールからの個々のクローンを分離し、クローン集団を、リード分子をコードする核酸配列を単離するために用いる。
(実施例2)
抗体配列を、NCBI、V-base、Genbank等により例示されるような様々なウェブサイトからダウンロードする。機能的な生殖系列抗体配列及び再編成された抗体配列を、IMGTデータベースからダウンロードする。重複配列(redundant sequences)の除去後、おおよその数として、4300個の固有配列を分析する。同じ抗原又は標的に対する抗体配列の複数のエントリーもまた、分析において考慮に入れない。重鎖のCDR3領域(CDRH3)が、主として、抗原結合に関与するため、CDRH3多様性のみが、合成ライブラリーにおいて組み入れられるように計画される。
全てのCDRH3配列を、更なる分析のために、抽出し、アラインメントする。CDRH3配列の長さ分布分析により、長さのバリエーションが4から36アミノ酸までの範囲であることが示されている。24アミノ酸より長いCDRH3長さにおいて観察されるアミノ酸のより低い多様性及び頻度分布により、多様性を導入するために23アミノ酸までの長さで進めることが決定された。アミノ酸組成分布は、各位置について推定される。出現/存在の頻度の規定のパーセンテージを有するアミノ酸の特定の混合物についての計算された確率指数に基づいて、合成マトリックスをデザインし、その後、コドン置き換えテクノロジーを用いて合成する。合成されたCDRH3レパートリーに次世代シーケンシングを実施し、理論的デザインと比較する。これらの多様性についてのフランキング領域は、全ての7つの重鎖サブファミリー、すなわち、H1A、H1B、H2、H3、H4、H5、及びH6と適合性である。これらのフランキング領域はまた、コンセンサス配列構築物への侵入点の様式として用いられる特定の制限部位と付着している。全ての7つの重鎖サブファミリー、4つのカッパ軽鎖サブファミリー、及び3つのラムダ軽鎖サブファミリーについてのコンセンサス配列を、ヒトコドン最適化し、合成し、(配列表に列挙された配列による)全ての49個の組合せとして自社製ファージミドベクターへ組み入れる。これは、Fabフォーマットを維持するために行われる。しかしながら、ファージミドベクターにおける全ての49個のコンセンサス配列構築物は、重鎖サブファミリーの存在に基づいて7つのファミリーのプールへ分類され、全ての構築物は、1つの重鎖の下、等モル比率でプールされる。特定の重鎖ファミリーに隣接するCDRH3多様性が、特定の制限部位BstEII/BstBIとXbaIの間に組み入れられる。CDRH3レパートリーのクローニングを、Fabフォーマットにおいて、109より高い形質転換効率で実行し、挿入断片の存在の確認は制限消化分析により行われ、その挿入断片の存在は90〜95%以上である。任意で、機能的多様性を推定するために、同等者集団シーケンシングが更に実行され、その機能的多様性は80%より高いと予想される。全ての7つの細菌ライブラリーを、2×1010〜5×1010の範囲である等しい細胞数でプールする。ファ
ージライブラリー作製を、6×1010〜1011である計算された数のファージ粒子を用いて注意深く実行する。抗原に対するパニング実験について、結合性物質をより良く制御するために、磁気ビーズに基づいたアプローチを採用する。磁気Dynabeadsにコーティングされる抗原の調製について、ビーズコンジュゲーション効率は90%より高く設定される。更に、107個以下のファージ粒子に関して非結合性物質のみを除去するために、パニングは、1ラウンドに固定される。この工程は、酵母ディスプレイライブラリースクリーニングの次の工程で十分調整される。いかなる偏った増幅、又は標的に関係していない集団の濃縮を回避するために、固定された90分間のファージ増幅持続時間を利用する。パニングされたナイーブライブラリーを移入するために、ssDNAをサケ精子DNAの存在下で単離し、続いて、挿入断片、すなわち、重鎖及び短鎖レパートリーを増幅する。精製されたレパートリーを消化し、2つの異なるフォーマット、Fabフォーマット及びscFvフォーマットにおいて酵母発現ベクターへライゲーションする。抗体重鎖及び軽鎖を、同じベクターから同じプロモーターからか又は2つの別々のプロモーターからかのいずれかで、発現するように、及び酵母接合型を用いて2つの別々のベクターから発現するように、複数の酵母ベクターをデザインする。全ての場合において、酵母における形質転換効率は、107より高く得られる。形質転換された酵母細胞を、重鎖、軽鎖、及び全集団の15〜50%以上であるFab分子発現についてチェックする。接合型について、接合効率は、30〜50%の範囲である。重鎖及び軽鎖、それぞれについて、FLAG、c-Myc、及び(His)6タグ、並びにV5タグ等の複数のタグを用いて発現分析を実施する。抗原結合についてのフローに基づいたソーティングは、抗原と、重鎖又は軽鎖のいずれかとの両方について二重ポジティブに関して分析される。ソートされた酵母クローンを収集し、成長させ、特定の抗原に対して2〜3より多いラウンドでスクリーニングし、その後、それらを個々に成長させ、結合研究について試験する。
以下のフローチャートは、本開示の重要な過程工程を記載する。
段階1:合成多様性のデザインから始まって、ファージにおける合成抗体ライブラリーの創出までの過程工程
段階2:独立した結合性物質のフローソーティングを用いる、ファージライブラリースクリーニングから酵母クローン生成を含む過程工程
配列分析
抗体配列を、IMGTデータベース(http://www.imgt.org/IMGT_jcta/jcta?livret=0)からダウンロードし、再編成された配列を以下のパラメータを用いて同定する: ANNOTATION_LEVEL=完全アノテーション化、SPECIES=ホモサピエンス(ヒト); CONFIGURATION_TYPE=生殖系列型、再編成型、GENE_TYPE= variable、diversity、joining; FUNCTIONALITY=機能的、生産的、GROUP=IGHV。配列は、重複チェックのフィルターにかけられ、それにより、総数約4300個の配列が約2830個の配列に減少する。最初の配列はまた、同じ抗原に対する抗体配列の任意の複数のエントリーがあるかどうかもチェックされる。固有配列のみが、その後の分析のために保持される。
抗原-抗体相互作用において行われた多数の構造-機能研究は、重鎖のCDR3(CDRH3)が、標的との最大数の接触点を生じ、抗原結合において主に寄与することを示唆する。したがって、デザインを通して多様性を導入するための好ましいCDRはCDRH3である。しかしながら、合成ライブラリーの効率及び生産性は、多様性を提供する固有デザインにもっぱら基づくライブラリーの多様性及びサイズ、並びにそのサイズを収容する支援技術に依存する。CDRH3配列は、フレームワーク3配列及びフレームワーク4配列の相対的に保存された境界に基づいて抽出される。
全てのCDRH3配列は、各配列位置における長さ及び組成に基づいて分類される。得られたCDRH3配列は、4から36までの範囲の異なる長さに渡った(図1)。長さバリエーションについて見られたガウス頻度分布は明らかに、天然におけるCDRH3長さの限定的な偏りを示している。著しいことには、24アミノ酸より長いCDRH3を有する抗体集団の頻度が極めて低かった。したがって、4から23アミノ酸までの範囲であるCDRH3長さに焦点を絞って研究することが決定された。長さのソーティング後、それぞれのCDRH3配列を、組成の偏りについて分析し、特定の位置についての20個の天然アミノ酸のそれぞれについての出現の頻度を決定する。アミノ酸についての位置的優先度が決定され(図2)、それの天然の存在に類似していることが見出される。天然において見られるアミノ酸多様性の偏りは、同様に、そのデザインにおいて保存されるだろう。しかしながら、全ての20個のアミノ酸置き換えと共に全てのCDRH3の長さの完全なランダム化は、1023より多い天文学的数字を生じるだろう。本開示において、多様性を損なうことなくその数を低下させるための精緻な方法が展開される。
したがって、合成ライブラリーデザインにおける位置的相関の独特な概念が導入される。しかしながら、CDRH3の長さの増加と共にアミノ酸の数が下がるが、長さ4〜10のCDRH3領域に存在する全ての20個のアミノ酸の確率等の配列分析から生じるいくつかの所見がある。少数の顕著な特徴は、相関分析するまでもなく、際立っている。例えば、各長さにおいて、ほとんど全ての位置において高い出現確率を有するグリシンにより例示されるように、1つの優勢なアミノ酸により一定不変に占められるある特定の位置がある。別の所見は、40%から58%までの範囲の出現率で、チロシン(Y)で終わるCDRH3領域についての強い優先度に関係し、同時に、最後から2番目の残基について、54%から85%までの範囲の確率でアスパラギン酸(D)であるという強い傾向が見られる。興味深いことに、最後の残基におけるチロシンの優先は、14のCDRH3長さまで見られ、一方、CDRH3長さが15アミノ酸以降、チロシンの優先は軽減し、バリンへとシフトする。配列位置相関もまた考慮される。例えば、デザインされた配列は、最後の位置におけるチロシンと最後から2番目の位置におけるアスパラギン酸/バリンと同じ比率を有するべきである。最初の配列分析は、ライブラリーを合成するためにランダム化される必要がある総数270個の位置を生じる。更なる分析を行うために、異なるCDRH3長さにおける異なる位置間の確率が計算される。次に、2個の位置あたり1つの数を生じるように、20個の個々のアミノ酸についての確率差が加えられ、別のペアの位置と比較される。差がより小さいことは、位置の類似性がより高いことを意味する。例示されているように、長さ8位置7の長さ21位置19との確率差値は1.98であるが、長さ12位置10と長さ11位置9の間の確率差値は0.15であり、したがって、前者のペアより後者のペアにおいてアミノ酸組成頻度のより高い類似性を示している。したがって、原理上、限度内に存在する同じ混合物が合成のために用いることができ、それにより、多様性を損なうことがない。確率差の数を0.5として進めることが決定された。その上、アウトプット値及び対応するアミノ酸分布を、手作業でチェックし、その値と一致することを見出す。いくつかの研究者のグループについて見られた以前の成功に基づいて、レ
パートリーを合成するためにコドン置き換えテクノロジーを採用する。コドン置き換えテクノロジーは、特定の位置を多様化するために、ビルディングブロックとして最適なトリヌクレオチドの使用を含む。これは、縮重コドンを用いるランダム化等の通常のテクノロジーを用いることによるよりも、有意により高い品質のライブラリーを達成するために、望ましくない停止コドン又はアミノ酸の出現を避けるアミノ酸組成の完全なカスタマイズを可能にする。まとめると、コドン置き換えテクノロジーは、アウトオブフレーム、停止コドン、及び望ましくないアミノ酸含有配列をほとんど含まない、所望のアミノ酸の組入れに対して完全な制御を提供する。したがって、そのテクノロジーは、最も多くの影響を与えることが予想される位置において合理的な多様性を生み出す。しかしながら、位置的相関指数なしに、完全な多様性を引き出すのに必要とされる270個の固有混合物がある。合成ライブラリーをデザインするための位置的相関概念の導入により、アミノ酸混合物が270個から101個の固有混合物へ減少している。この概念は、過程全体を極めて効率的に、且つ合成及び次の工程に関連したいくつかのテクノロジー的制限と適合性にさせる。この概念の結果は、12個の固有のアミノ酸混合物群であり、その代表的な混合物は選択される必要がある。代表的な混合物はいかなる組合せをも見逃すべきではないため、これは重要である。この困難を克服するために、真の多様性の概念、すなわち、シャノンエントロピーが利用され、これは、情報内容の予測不能性を測定する。シャノンエントロピー測定は、系における豊富度及び存在度等の2つのパラメータを含む。豊富度は、アミノ酸の種類を示し、一方、存在度は出現の確率を含む。計算は以下の方程式を用いて実施され、Piはアミノ酸の出現の確率に関する。
プログラムをベンチマーク問題で試験するために、1つのアミノ酸の確率が1であり、他の19個のアミノ酸がゼロであるという、2つの既知の状況が提供される。第2の条件について、全ての20個のアミノ酸は、最高の多様性を示す等しい出現確率を有することであった。ゼロ多様性について、値は1であり、最大多様性について、値は0.05である。前に言及されているように、ライブラリーの合成は、その産物に対してより良く制御するためにコドン置き換えテクノロジーを通して行われる。コドンの選択はヒトコドン使用頻度に制限される。
コンセンサス構築物の作製
再編成された配列はある特定の位置においてアミノ酸残基に偏っており、支配的な配列の選択は、抗原に対するスクリーニング後に見られることが、生殖系列ファミリーにおいて見られる。したがって、最も頻繁に用いられる配列の選択に関して完全な非偏向性を後で有するために、(配列表のような)コンセンサス配列が合成され、一定のバックグラウンドとして用いられ、それに、CDRH3多様性が、合成ライブラリーの作製のために導入される。重鎖と軽鎖の両方のCDR1及びCDR2領域について、再編成された配列のコンセンサスは、対応するファミリーの1つの生殖系列配列のアミノ酸配列と置き換えられる。したがって、この手順は、いかなる偏りも除去し、再編成された配列及び変異した配列のCDRは、それらの特定の抗原に対する選択により、変異していることが知られているからである。
7個の重鎖及び7個の軽鎖(4個のカッパ軽鎖及び3個のラムダ軽鎖)のコンセンサス配列は、ヒトについてコドン最適化され、Geneart(Thermo Fischer社、ドイツ)から合成される。合成された遺伝子は、自社製ファージミドベクター(アクセッション番号MTCC 25125)へのそれぞれのエントリーのために適合性制限部位に隣接している。したがって、合計49個の個々のコンセンサス配列含有構築物が作製される(図3A及び図3B)。CDRH3の合成多様性を組み入れるために、H1A、H1B、H4、及びH5ファミリーについてFR3において5' BstEII部位が選ばれ、H2、H3、及びH6重鎖ファミリーについて5'BstBI制限部位が固定される。XbaIが、全ての重鎖ファミリーについての3'制限部位として決定される(図3C)。11μgの重鎖(H1A、H1B、H2、H3、H4、H5、及びH6)が、カッパか又はラムダいずれかの軽鎖定常領域を含有する対応するファージミドベクターと共に、NcoI-HF及びXbaIを用いて、総体積100μLにおいて37℃で3時間、消化される(Table 1)(表1)。消化された試料を、ゲル溶出し、切り取られたゲルを3体積のBuffer QX1溶液を混合することにより溶解する。30μLのQIAEX IIビーズを加え、30秒間、ボルテックスし、その後、50℃で10分間、インキュベートする。ビーズに以下の一連の洗浄を行う:まず、500μLのQX1で、続いて500μLのPEバッファーで2回、洗浄する。DNAを、30μLのヌクレアーゼフリーの水で溶出する。溶出されたDNAを、Table 2(表2)に記載されているようなライゲーション設定に用い、4℃で一晩、インキュベートする。
5μLのライゲーションされた試料を、dam-/dcm- コンピテント大腸菌へ熱ショック方法により形質転換し、その後、LB寒天-アンピシリン培地上に蒔かれた形質転換細胞を一晩、インキュベートする。クローンを、NcoI-HF及びXbaIでの制限消化により確認する(図4;Table 3(表3))。同様に、重鎖コンセンサス構築物を、H1B、H2、H3、H4、H5、及びH6について作製する。
更に、H1Aコンセンサス配列含有ファージミド構築物(軽鎖カッパ又は軽鎖ラムダ定常領域)を、midi prepキットを用いて単離し、バルク量で、軽鎖カッパ(K1、K2、K3、及びK4)及び軽鎖ラムダ(L1、L2、及びL3)コンセンサス配列と共に、HindIII-HF及びAscI制限酵素で消化する(Table 4)(表4)。
消化された試料を、上記のようにゲル溶出する。溶出されたDNAを、Table 5(表5)に記載されているような、K1〜K4及びL1〜L3、個々についてのライゲーション設定に用い、4℃で一晩、インキュベートする。
5μLのライゲーションされた試料を、dam-/dcm- コンピテント大腸菌へ熱ショック方法により形質転換し、その後、LB寒天-アンピシリン培地上に蒔かれた形質転換細胞を一晩、インキュベートする。それぞれの軽鎖についてのクローンを、HindIII-HF及びAscIでの制限消化により確認する(図5及び図6)。H1B、H2、H3、H4、H5、及びH6含有ファージミドコンセンサス構築物について同一の方法論に従って、総数49個の構築物を作製する。
多様性の合成及び検証
デザインされたCDRH3多様性の合成は、コドン置き換えテクノロジーを用いて完成される。合成されたライブラリーを、リアルタイムPCRにより定量化する(図7)。ライブラリーを、Ion Torrent PGM, Hi-Q-View chemistryを用いる次世代シーケンシングにより分析する。配列あたり読み取りの平均数は24.4である。分析により、105174個の配列のうち10947個が、リーディングフレーム内に欠失(3409個)、挿入(6558個)、又は置換(1525個)を有する間違った配列を含有することが示されている(図8A)。ライブラリーの生存率は91.2%であることが見出され、一方、ライブラリーの正確さは89.6%である。各CDRH3長さについての合成された分子の数は、おおよそで、等しく大量であることが見出される(図8B)。天然CDRH3長さ分布と違って、合成されたCDRH3長さ分布は、いかなるガウス分布にも従わない(図8C)。これはおそらく、4から23までの範囲の異なる長さを有する分子の偏りのない存在がある、デザインされたライブラリーの強さを暗示する。更に、4〜10アミノ酸長のCDRH3のパーセンテージ出現率(他のCDRH3長さと比較した場合、天然レパートリーにおいて少数しか存在しない)は、増加している;それにより、合成プールにおいて多様な分子の候補数を増加させる。加えて、10〜19アミノ酸長を有するCDRH3の支配的ロットは、類似したパーセンテージの出現頻度で同じようなレベルに維持される;したがって、これらのセグメントにおける最大多様性が保持される。20から23アミノ酸までの範囲のCDRH3長さに関して、天然レパートリーと合成されたレパートリーとの間で有意な変化は見られない。アミノ酸頻度分布分析を、全ての合成されたCDRH3長さについて実施する(図9〜図13)。合成ライブラリーはまた、同等者集団シーケンシングによりサンガーシーケンシングによって分析される。合計96個の個々のクローンが選び取られ、シーケンシングされる。95個のうち5個の配列が、リーディングフレーム内に欠失(1)、挿入(0)、又は置換(4)を有する間違った配列を含有した。まとめると、同等者集団シーケンシングから得られたライブラリーの正確さは95%であることが見出される。
重鎖及び軽鎖を含有するコンセンサス構築物への多様性の組入れ
合成ライブラリーを作製するために、(カッパ又はラムダのいずれかの軽鎖と共に)固定した重鎖を含有する個々の構築物をプールする。H1A重鎖ファミリーについて例示されているように、以下の組合せを有する7個の構築物がある:H1A-K1、H1A-K2、H1A-K3、H1A-K4、H1A-L1、H1A-L2、及びH1A-L3。これらの構築物全てを、それぞれ2.9μgの等量でプールし、H1A構築物のマスタープールを作製する。
CDRH3多様性を、前述のデザインに従って合成する。その多様性は、それぞれの重鎖ファミリー、すなわち、H1A、H1B、H2、H3、H5、及びH6と関連づけられる。全てのライブラリーは、それぞれのBstEII/BstBI及びXbaI制限酵素と関連づけられ、その制限酵素は、ライブラリーの遊離、その後、コンセンサス構築物の個々の重鎖プールへの組入れのために適切に用いられる。
コンセンサス構築物のH1Aプールについて、BstEII及びXbaI制限部位を有するH1Aフランキング領域と適合性のCDRH3多様性が、H1A合成ライブラリーの作製に用いられる。10μgのH1Aプールコンセンサス構築物及び15μgのH1A-CDRH3多様性プールを、総体積100μLにおいて、BstEIIを用いて65℃で8時間、続いて、XbaIを用いて、37℃で一晩、逐次的に消化する(図14及び図15;Table 6(表6))。同様に、H1B、H2、H3、H4、H5、及びH6構築物について、同一の方法論に従う(図14)。消化された試料を、ゲル溶出し、切り取られたゲルを3体積のBuffer QX1溶液を混合することにより溶解する。30μLのQIAEX IIビーズを加え、30秒間、ボルテックスし、その後、50℃で10分間、インキュベートする。ビーズに以下の一連の洗浄を行う:まず、500μLのQX1で、続いて500μLのPEバッファーで2回、洗浄する。DNAを、30μLのヌクレアーゼフリーの水で溶出する。溶出されたDNAを、Table 7(表7)に記載されているようなライゲーション設定に用い、4℃で一晩、インキュベートする。
25〜50ngのライゲーション混合物を、25μLのTG1細胞へエレクトロポレーションにより形質転換し、エレクトロポレーションにおいて、1.0mmキュベットを、1800ボルト、600オーム、及び10μFの最適な設定で用いる。回復培地における回復後、200μLの形質転換細胞を、144mmプレート上に広げ、37℃で一晩、インキュベートする。合計6〜8個のプレートがあり、次の日、そこからコロニーを掻き取り、20%グリセロールを用いてストックを作製する。形質転換効率は、希釈プレーティングにより計算され、109〜約1010の範囲、好ましくは約109であることが見出される。
細胞の総数を、グリセロールストックのバイアルあたり、希釈プレーティングにより決定し、1012個であることが見出される。コロニーを5mL LB-Amp中に接種し、プラスミドを単離する。単離されたプラスミドを、制限消化分析によりチェックし、プールにおけるCDRH3ライブラリーの存在について確認する。
約109の形質転換効率は、プールに存在する多数の独立したクローンを示し、それゆえに、最大の多様性を引き出している。コロニーを掻き取り、将来の使用のためにグリセロールストックとして保存する。バイアルあたりの細胞の推定数は、完全な多様性を表す1012個である。代表的なクローンのうちの少数は、プラスミド単離に用いられ、任意で、同等者集団シーケンシングのために送付される。シーケンシング結果は、クローニングされた分子のほとんど全てが機能性であり、異なるCDRH3配列、及び4酸から22アミノ酸までの範囲の長さを有することを示している(図16)。これは、有意な量の多様性の合成ライブラリーから細菌ライブラリーへの移行を示す(図16)。他の重鎖ファミリーについて同様のストラテジーに従い、細菌ストックを作製する。
細菌合成ライブラリーの調製
ファージライブラリー作製を進める前に、細胞の数に関する寄与が同じに保たれている、CDRH3多様性を含有する全ての重鎖ファミリーのマスターストックを作製することが必須である。これは、もしあれば、標的分子に対するスクリーニング後に選択される重鎖ファミリーの優先度に関する情報を本発明者らに提供するだろう、偏りのないシナリオを利用することを目的として行われる。したがって、全ての重鎖合成ライブラリーを、ファミリーあたり1010個の細胞数でプールする。プールされたライブラリーは、ファージライブラリー調製のための次の工程に用いられる。
ファージライブラリー作製
プールされた合成ライブラリーを含有する細菌マスターグリセロールストックの1mlを、200ml LB-AMP培地中、600nmにおけるODが0.8に達するまで、37℃で成長させる。更に、M13KO7ヘルパーファージを細菌へ10の感染効率(MOI)で加え、37℃で更に30分間、インキュベートする。感染後、感染した細菌を遠心分離し、ペレットを、100μg/ml アンピシリン及び25μg/ml カナマイシンを含む200mlのLBへ再懸濁し、その後、30℃、250rpmで一晩、増殖させる。懸濁液を、4℃、8000rpmで15分間、遠沈し、その後、ペレットを捨てる。分離された上清を、上清の1/4体積のPEG/NaCl溶液と混合し、その混合物を氷上で1時間、インキュベートする。その混合物を10000gで15分間、遠心分離し、ファージペレットを20mlのPBSへ再懸濁する。グリセロールを、ファージ懸濁液全体へ50%の最終濃度まで加え、ファージライブラリーストックとして1mlのアリコートで、-80℃において凍結する。
ヘルパーファージの添加と共に、多様性をディスプレイするファージ粒子を、沈殿させ、精製し、将来の使用のためにグリセロールストックとして保存する。プラーク形成アッセイから導かれるファージライブラリーの推定数は、約1010〜約1011、好ましくは約1011pfu/mLであることが見出される(図17)。
ライブラリーのスクリーニング/パニングについてのストラテジー
合成ライブラリーのスクリーニングは、これが、特定の標的抗原に対する候補結合性物質の流れを生じるため、最も重要な工程である。結合性物質の作製及び生成の全過程を考えると、パニングの目的は、ナイーブレパートリーのプールから非特異的結合性物質を除去することである。したがって、結合工程、増幅工程、及び制限消化工程、並びに配列確認工程からなるファージスクリーニングストラテジーは、注意深く決定される必要がある。効率的結合を有することに加えて、抗原とファージ分子の比率もまた、結合中、いかなる種類の偏向性も回避するために、それに応じて決定されなければならない。
ファージディスプレイされた抗体のライブラリーは、他のクローンより良く、標的と結合するクローン、及び他のクローンより速く増幅するクローンを含有する。これらの特徴はたいてい、非依存的である。これはまた、増幅のより長い時間が、結合性物質の多様性の損失へ追いやる可能性があることを示す。更に、標的に関係しない抗体の濃縮がある可能性がある。
実際、上記で言及された基準を維持すると、抗原分子のファージ粒子に対する比率は、少なくとも10〜100倍高く維持される。非特異的結合性物質の濃縮のいかなる種類も回避するために、増幅は、90分間以下に維持される。
ファージ数の推定
TG1細菌プレートからの単一コロニーを、3ml LB培地中に、細菌として接種し、OD600≒0.9まで、37℃で成長させる。0.7%のアガロースを、Milli-Q水中に調製し、15mlのファルコンチューブにおいてそれぞれ3mlのアリコートとして50℃で保存する。ファージ上清及びペレットを、10-1から10-4までそれぞれの工程で希釈する。100μlの希釈されたファージ及び100μlのTG1細胞を、アガロースアリコートのそれぞれに加え、混合し、その後すぐに、LB寒天プレート上に広げる。そのプレートを37℃インキュベータ内で一晩、インキュベートする。プラーク形成が観察され、それを次の日にカウントする。パニングされた分子の数を、観察されたプラークの数に基づいて計算する。
ビーズコンジュゲーション
Dynabeadsの、約108個のビーズに相当する0.5mgの量を計り、0.1Mリン酸ナトリウムバッファー、pH7.4に溶解する。この懸濁液を、30秒間、ボルテックスし、その後、連続回転させながら、室温で10分間、インキュベートする。その懸濁液を、0.1Mリン酸ナトリウムバッファーで2回、洗浄し、100μLの0.1Mリン酸ナトリウムバッファーへ再び、再懸濁する。Her2、リガンド溶液(約100μL)を、10μgのビーズ懸濁液に加える。更に、懸濁液を、100μLの硫酸アンモニウム溶液(3M硫酸アンモニウム)を加える前に、よく混合する。その混合物を、ゆっくり傾けるが、連続的に回転させながら、37℃で20時間、インキュベートする。インキュベーション後、チューブを、磁気分離のために、磁石ホルダー上に1分間、置く。(チューブが配置された)磁石ホルダーを、キャップ内にビーズが残っていないことを確実にするために、注意深く、2回、ひっくり返す。上清を除去し、ビーズを、BSA(0.05%)を含有する1mLの1×PBSで4回、洗浄する。最後に、ビーズを、BSA(0.05%)を含む100μLの1×PBS中に再懸濁し、パニングに用いる。
FACSによるビーズコンジュゲーション効率
パニングのための磁気分離に基づいたアプローチを実施するために、抗原コーティング化磁気ビーズの作製を行う。コンジュゲーション効率を、フローサイトメーターを用いて決定する(図18)。精製されたHer2を抗原として用いる。実験は、様々な抗体組合せをもつ約105個のビーズのインキュベーションから開始する。ここにおいて、リガンドと結合する抗体は、ビオチンで標識されている。N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル活性化ビオチンが、ビオチン化試薬の最も人気のある型である。NHSエステルは、pH7〜9バッファーにおいて一級アミノ基(-NH)と効率的に反応して、安定なアミド結合を形成する。抗体及び他のタンパク質は一般的に、各ポリペプチドのN末端に加えて、複数のリジン(K)残基を含有するため、それらは、NHS活性化試薬での標識のための標的として利用可能な複数の一級アミンを有する。ビオチン標識の程度は、そのタンパク質上のアミノ基のサイズ及び分布、並びに用いられる試薬の量に依存する。10mM ビオチン溶液を、2.2mgのスルホ-NHS-ビオチンを500μLの水と混合することにより作製する。抗Her2抗体である、トラスツズマブの1×PBS中の溶液を、濃度2mg/mLで作製する。27μLのビオチン溶液を、1mLのトラスツズマブへ加え、その後、氷上で2時間、インキュベートする。Thermo Scientific ZebaSpin脱塩カラムを用いて、その溶液から過剰な、結合していないビオチン分子を脱塩する。タンパク質濃度を、分光光度計を用いて推定し、その濃度は、有意な変化がないことが見出される。非特異的抗体である、リツキシマブもまた、ビオチン化し、ビオチン化後の濃度推定は2mg/mLである。Alexa 633フルオロフォアを有するストレプトアビジンを、ビオチン化の程度を引き出すための二次抗体として用いる。1μLのビーズ単独、及びHer2リガンドでコーティングされたビーズを、抗体なし、0.05mg/mLの濃度でのビオチン化トラスツズマブ、ビオチン化リツキシマブと、混合し、その後、体積を、0.5%BSAを含有する1×PBSで100μLにする。その混合物を、氷上で2時間、インキュベートし、その後、0.5%BSAを含有する1×PBSで洗浄する。最後に、0.5%BSAを含有する1×PBSにおける25μLのストレプトアビジン- alexa 633溶液中に再懸濁し、読み取りを行う前に、体積を500μLに増加させる。全てのフロー実験は、Accuri C6フローサイトメーターを用いることにより行われ、分析は、BD Accuri C6ソフトウェアを用いることにより行われる。第一に、ゲートを固定するために前方及び側方散乱データが観察され、その後、FLH4フィルターにより蛍光が読まれる。少なくとも10000個のデータ点が各試料について収集される。
パニング
新鮮に画線されたTG1細菌プレートからの単一コロニーを、3ml LB培地に接種し、OD600≒0.9まで、37℃でインキュベートし、これを、後でファージ感染に用いる。100μl 0.5% MPBSを、抗原コンジュゲート化磁気ビーズの100μlの懸濁液に加え、室温で2時間、インキュベートする。ファージライブラリーアリコートを解凍し、ファージ粒子を、250μl(ファージ懸濁液体積の1/4)PEG/NaCl溶液(20% PEG 8000及び2.5M NaCl)で沈殿させ、氷上で30分間、インキュベートし、その後、10,000gで10分間、その沈殿したファージを遠心分離する。上清を捨て、ファージペレットを、200μl PBS溶液中に再懸濁する。ファージ懸濁液(200μl)を、抗原でコンジュゲートされたビーズに加え、回転装置上、室温で2時間、インキュベートする。ビーズを、1ml 0.05% PBST(PBS中 0.05% Tween-20)で少なくとも2回、洗浄する。最後に、ファージ粒子結合性物質と結合した磁気ビーズを100μl PBS中に再懸濁する。10μLのビーズ懸濁液を、後でのプラークアッセイのために別に取っておく。その懸濁液の残りの90μlを、前に調製された成長したTG1細胞の2mlに加え、その混合物を、37℃で1時間、インキュベートする。インキュベーション後、それを、アンピシリンを含有する10ml LB培地へ希釈して、25μg/mlの最終濃度にする。250rpmで振盪させながら、37℃で更に2時間のインキュベーション後、アンピシリンの濃度を、100μg/mlの最終濃度に増加させる。M13KO7、ヘルパーファージを、増幅されたTG1細胞へ10のMOIで混合し、37℃で更に30分間、インキュベートする。ヘルパーファージに感染した細菌を遠沈し、ペレットを、100μg/ml アンピシリン及び25μg/ml カナマイシンを追加した10mlのLB培地へ再懸濁し、その後、ファージ増幅のために30℃で90分間、インキュベートする。細菌培養物を、10,000gで10分間の遠心分離によりペレット化して、沈降させる。ペレットを捨て、上清を、その上清にPEG/NaCl溶液(上清の1/4の体積)を加えることにより、増幅されたファージ分子の沈殿のために用いる。その混合物を、氷上で30分間、インキュベートし、その後、沈殿したファージを10,000gで10分間、回転させる。上清を捨て、ペレットを、1mlのPBS中に再懸濁する。増幅したファージの数を推定するために、増幅したファージ懸濁液の10μLからプラークアッセイを実施し、一方、沈殿したファージの残りを、長期保存のために、50% グリセロールと共に-80℃冷凍庫で保存する。
プラークアッセイは、ファージ粒子の数を確実にするために工程ごとに実施する。TG1細菌プレートからの単一コロニーを、3ml LB培地中に細菌として接種し、OD600≒0.9まで、37℃で成長させる。0.7%のアガロースを、Milli-Q水中に調製し、15mlのファルコンチューブにおいてそれぞれ3mlのアリコートとして50℃で保存する。ファージ上清及びペレットを、10-1から10-4までそれぞれの工程で希釈する。100μlの希釈されたファージ及び100μlのTG1細胞を、アガロースアリコートのそれぞれに加え、混合し、その後すぐに、LB寒天プレート上に広げる。そのプレートを37℃インキュベータ内で一晩、インキュベートする。プラーク形成が観察され、それを次の日にカウントする。パニングされた分子の数を、観察されたプラークの数に基づいて計算する(図19)。
ファージssDNAの単離、並びにPCRによる重鎖及び軽鎖多様性の増幅
増幅されたファージの1バイアルを解凍し、200μlの20% PEG/2.5M NaClを5μgのサケ精子DNAと共にそれに加え、その混合物を数回、反転させ、その後、4℃で2時間、そのまま留めておく。(更なる選択及びソーティングのためにパニングされたプールを酵母ディスプレイ系へ移行させるために、結合性物質のssDNAは、それがパニングされた多様性を表すように、十分な量で単離されなければならない。剪断され、且つ煮沸されたサケ精子DNAの使用は、特に、パニングされたssDNAの収量を向上させる。)使用前に、サケ精子DNAを剪断し、煮沸する。サケDNAの重量を測定し、ヌクレアーゼフリーの水と、5mg/mLの濃度まで混合する。そのDNAを、22ゲージの針を用いた3回の穏やかな混合で剪断し、その後、5分間、煮沸する。更に、断片化されたDNAを、将来の使用のために-20℃でアリコートとして保存する。ファージ、PEG/NaCl、及びサケ精子DNAを含有する混合物を、4℃において、14,000rpmで10分間、遠心分離し、上清を捨てる。ここで留意されるべき点は、ファージペレットが見られない場合、混合物を同じ速度で短時間、再び、回転させることである。上清を注意深く、ピペットで取り出し、ペレットのみを残す。ペレットを、100μlのヨウ化物バッファー(10mM Tris-HCl (pH 8.0)、1mM EDTA、4M ヨウ化ナトリウム(NaI))中に、チューブをボルテックスすることにより、完全に再懸濁する。250μlの100% エタノールを加え、-80℃で一晩、インキュベートする。その調製物を、4℃において、14,000rpmで30分間、遠心分離し、上清を捨てる。ぺレットを、0.5mlの70% エタノールで2回、洗浄し、続いて、ペレットを乾燥させる。ssDNAを含有するペレットを、20μLのヌクレアーゼフリーの水に再懸濁する。
PCR増幅は、Vh、Vl、及びVkプライマーの特定のセットを用いて行われ、ssDNAは、Vhについて約500bpであり、一方、Vk及びVlについて約600bpである正しいサイズへ増幅される。PCRサイクルの使用は、PCRに媒介される変異の組入れの機会を避けるため、限られた数に保たれる。単位複製配列をゲル溶出し、VhについてNcoI-HF及びNotI-HFで消化され、一方、Vk又はVlについてHindIII-HF及びAscIを用いる(図20)。PCR設定詳細はTable 8(表8)に提供されている。
重鎖及び軽鎖ライブラリーの酵母シャトルベクターへの構築
プロトコールは、酵母系においてスクリーニング及びソーティングを行うためにファージから酵母発現ベクターへの全ての結合性物質の移行を含む。最良の結合性物質を更に選択し、ランク付けするために適合した方法、すなわち、FACSを用いる、親和性に基づいた方法が利用される。
抗体フォーマットの選択として、Fabが好ましく、これが、粗製の抗体調製物についての迅速なハイスループット親和性スクリーニングアッセイを開発するのを促進するだろうからである。Fabライブラリーは、接合系を活用することにより生成され、軽鎖ライブラリー及び重鎖ライブラリーは、異なる酵母発現ベクター(アクセッション番号MTCC 25126、MTCC 25127、及びMTCC 25128)においてクローニングされる。しかしながら、軽鎖について独占的にデザインされ、且つ作製された自社製の酵母発現ベクターと共に、パニングされた分子のカッパ及びラムダ軽鎖PCRプールは、HindIII-HF及びAscIで消化され、その後、高度にコンピテントな細胞である、TG1へ個々にライゲーション及び形質転換される。
同様に、HC鎖プール及びそれぞれのベクターを、NcoI-HF及びNotI-HFで消化し、その後、高度にコンピテントな細胞である、TG1へライゲーション及び形質転換する。重鎖のパニングされたライブラリーと軽鎖のパニングされたライブラリーの両方について得られた形質転換効率は>107cfuである。これらのベクターに加えて、全てのベクターに共通している独占的性質を以て作製されるいくつかの発現ベクターがあり、一方、酵母表面上にディスプレイされる抗体断片のフォーマットは様々であり得るが、移入された可変性プールは、ずっと一定のままである。
重鎖ライブラリーと軽鎖ライブラリーの両方についての得られた形質転換コロニーを、重鎖についてNcoI-HF/NotI-HF(図21A)並びに軽鎖カッパ(図21B)及びラムダ(図21C)についてHindIII-HF/AscIを用いて挿入断片遊離についてチェックし、その後、それらを、グリセロールストック調製物のために掻き取る。両方の鎖についての挿入断片遊離は、パニングされた分子の存在を確認した。グリセロールストックを、将来の使用のために-80℃で保存する。table 9(表9)、table 10(表10)、及びtable 11(表11)は、酵母ベクターにおいてライブラリーを構築することに適用できる成分を提供する。
代表的なクローンのうちの少数を、プラスミド単離に用い、同等者集団シーケンシングのために送付する。シーケンシング結果は、クローニングされた分子のほとんど全てが、生産的且つ多様であり、CDRH3の長さが、4から22アミノ酸までの範囲であることを示す(図22)。
酵母における重鎖及び軽鎖ライブラリーの形質転換
大量のプラスミドDNA単離を、両方のライブラリーのために行い、その後、確認のために、それぞれの酵素で制限消化を行う。検証において、1μgの各DNAをとり、Frozen-EZ Yeast transformation II Kit(商標)によりOD600 1.2〜1.5で酵母細胞へ形質転換する。EBY100-ura3Δ-4及びYVH10を、重鎖ライブラリー及び軽鎖ライブラリー(カッパ及びラムダ)それぞれの細胞表面ディスプレイのための宿主として用いる。
より具体的には、5ml YPDブロスにおける酵母細胞を、振盪させながら、30℃で一晩、成長させる。一晩の培養物を、OD600 約0.2〜0.3まで、50mlへと希釈し、OD600 約1.2〜1.5まで成長させ、15mlの細胞を500gで4分間、ペレット化し、上清を捨てる。1mlのEZ1溶液を加えて、ペレットを洗浄する。細胞を再ペレット化し、上清を捨てる。200μl EZ2溶液を加えて、ペレットを再懸濁する。200μlのコンピテント細胞を、1μg DNA(5μl未満の体積における)と混合し、500μl EZ3溶液を加え、十分に混合し、30℃で1.30〜2.00時間、インキュベートする。このインキュベーション中、15〜20分間ごとに指ではじき、又はボルテックスすることにより、活発に混合した。100μlの上記の形質転換混合物を、適切なドロップアウト合成グルコースプレート上に蒔く。プレートを30℃で2〜4日間、インキュベートして、形質転換体を成長させる。重鎖のパニングされたライブラリーと軽鎖のパニングされたライブラリーとの両方を、約106の効率で、酵母株(EBY100-ura3Δ及びYVH10)へ成功裏に形質転換する。
酵母接合による酵母二倍体ライブラリーの構築
ライブラリーのFabフォーマットを表面上にディスプレイするために、重鎖ライブラリー、及びカッパ又はラムダのいずれかの軽鎖ライブラリーを表す2つの成長した一倍体細胞間の接合を、同数の一倍体細胞を混合することにより実施する。接合効率は、単一選択プレートにおける総コロニーの数で割った二重選択プレートにおける二倍体コロニーの数として計算され、計算された接合パーセンテージは約25%である。更に、二倍体細胞を、いずれの成長及び発現分析の前にも、二重ドロップアウト培地(Ura-、Trp-)において濃縮する。
より具体的には、p414GAL1へのHCパニング化ライブラリーを含有するEBY100-ura3Δ-4(MATa)形質転換体、及びp416GAL1へのLCパニング化ライブラリー(カッパ及びラムダ)を含有するYVH10(MATα)形質転換体を、それぞれ、Trp- ドロップアウトグルコース培地及びUra- ドロップアウトグルコース培地の5mlにおいて30℃、220rpmで一晩、成長させる。その後、一倍体細胞を、最初の細胞OD600≒0.3で、新鮮に調製された上記選択培地へ再接種し、それらが最適な密度約1.2〜1.8に達するまで成長させる。2つの成長した一倍体細胞の接合を、ボルテックスにより同数の細胞(1.0OD)を混合し、それらをYPD寒天プレートに広げ、30℃で一晩、インキュベートすることにより、実施する。細胞を、1mlの二重選択Ura- Trp-二重ドロップアウトグルコース培地と共に優しく掻き取ることにより収集し、遠心分離(2,500g、3分間)によりペレット化する。細胞を、1mlの滅菌冷却脱イオン水での再懸濁により洗浄し、遠心分離して、残存する培地成分を除去する。接合効率を推定するために、洗浄された細胞を、総体積1mlのUra- Trp-二重ドロップアウトグルコース培地中に再懸濁し、段階希釈し、二重選択Ura- Trp-二重ドロップアウトグルコース寒天プレート、Trpドロップアウトグルコース寒天プレート、及びUra- ドロップアウトグルコース寒天プレート上へ広げる。プレートを30℃で2〜3日間、インキュベートし、コロニーの数をカウントする。接合効率パーセンテージは、単一選択プレートにおける総コロニーの数で割った、二重選択プレートにおける二倍体コロニーの数として計算される。必要とされる場合にはいつでも、二倍体を濃縮するために、その後、細胞を、Ura- Trp-二重ドロップアウトグルコース培地へOD600=0.1の非常に低い細胞密度で接種し、30℃で24時間、成長させる。
酵母細胞の抗体遺伝子発現及びフローソーティング分析
重鎖プール及び軽鎖プールを発現するプラスミドを有するサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)2Nライブラリーを、20mlのSDCAA培地へ接種し、30℃で一晩、成長させる。一晩成長した培養物のOD600を測定し、それに従って、20ml SDCAA Ura- Trp-二重ドロップアウトグルコース培地(非誘導培養)及び20ml 2×SGCAA培地(誘導培養)に、最終OD600nmが0.4になるように、接種する。非誘導及び誘導細胞を、20℃で、24〜48時間の範囲の異なる時点の間、成長させる。
全てのフロー分析について、標識バッファー、0.5%BSAを含有する1×PBSを調製し、その後、約106個の細胞(誘導/非誘導)を100μl LBへ移す。細胞を、4℃において10000rpmで2分間、遠沈する。上清を注意深く、細胞をかき乱すことなく除去する。適切な濃度での25μlの一次抗体(軽鎖について抗His、又は重鎖について抗c-Myc抗体、又はビオチン化Her2についてSTREP-Alexa 633)を試料に加え、4℃で30分間、インキュベートする(抗体希釈溶液の全ての調製は標識バッファー中で行われるべきである)。更に100μlの標識バッファーを試料チューブに加え、その後、細胞を標識バッファーで2回、洗浄する。フルオロフォアとコンジュゲートした25μlの二次抗体を試料チューブへ混合する。試料を再び、4℃で20分間、インキュベートする。細胞を、上記で述べられているように、100μl 標識バッファーで2回、洗浄し、細胞を350μlの1×PBS中に再懸濁し、その後、試料をフローサイトメーターで分析する。
ソーティング研究について、抗原結合を、ビオチン化抗原(Her2)を用いてモニターし、ビオチン化抗原陽性の現象に基づいて選択及びソートする。10mM ビオチン溶液を、2.2mgのスルホ-NHS-ビオチンを500μLの水と混合することにより作製する。1×PBS中の抗原、Her2溶液を、1mg/mLの濃度で作製する。0.28mMである20倍モル濃度過剰のビオチン溶液を、1mLのHer2溶液に加えて、反応を開始させ、その後、氷上で2時間、インキュベートする。Thermo Scientific Zebaスピン脱塩カラムを用いて、溶液から過剰の結合していないビオチン分子を脱塩する。ビオチン化Her2の濃度は、0.56mg/mLであることが見出される。500nMのビオチン化抗原を用いて、結合実験を実施する。
軽鎖及び重鎖の発現が、有意なパーセンテージで観察される。軽鎖発現を、抗His抗体により探索し、約0.2〜0.4%であることが見出され(図23A及び図24A)、一方、抗c-Myc抗体で探索される重鎖は、約19〜22%であることが見出される(図23B及び図24B)。更に、ビオチン化Her2抗原での発現分析は、1.5〜1.8%であることが見出される(図23C及び図24C)。この結果は、酵母表面上でのFab形成の成功を示す。加えて、ビオチン化Her2でのソーティングもまた探索され、約1.3〜2%で染色されて、Her2抗原に対して陽性であることが見出される(図25)。これは、他の研究者により見出され、且つ共有された結果に一致している。この結果はまた、二重栄養要求性マーカーで選択された二倍体が、重鎖と会合した軽鎖を発現することを示している。
本開示により利用されるアプローチの利点
1. 本開示の方法により得られる合成ライブラリーは、分子の種類を最大限にするための、そして、合成工程及びその後のスクリーニング工程に関連したテクノロジー的限界を克服するためのCDRH3の効率的なデザインであることを考慮すれば、より高度な抗体多様性を有する。これらは、抗体配列のより大きいデータセットから単に導かれた、特定の一連のインシリコ分析を用いて実行される。
a. 非-重複配列を除去して、生殖系列配列の同定によりふるいにかけた抗体データベース。
b. 重鎖CDR3配列の同定、その後の、アミノ酸出現頻度の推定及び長さ分析。
c. 位置的相関因子の導入によるデザインの分布マトリックスの作製、その後、様々な位置に渡るアミノ酸確率指数決定。
d. 真の多様性の概念の導入、すなわち、シャノンエントロピーに基づいた同定及び固有アミノ酸頻度分布の選択。
本発明者らが知る限りでは、このアプローチは、抗体ライブラリー空間において初めて言及される。
2. 合成ライブラリーのデザインに基づいて、重鎖CDR3の非常に類似したアミノ酸組成の多様性が合成後、達成されている。
3. 次世代シーケンシング及び同等者集団シーケンシング研究により判定された場合の合成ライブラリーの生産性は、80%から95%までの範囲である。
4. CDRH3長さ(4〜23アミノ酸)分布研究は、全てのCDRH3長さの均一な存在を示し
、天然レパートリーにおいては少数しか存在しないCDRH3長さ、特に、9アミノ酸までのCDRH3の長さについて存在する有意な量の多様性を確認している。したがって、4から23アミノ酸までの範囲のCDRH3長さについての偏りがなく、且つ均一の多様性の存在が達成される。
5. 本開示は、ファージと酵母抗体表面ディスプレイの独特な組合せを利用し、それは、大きなライブラリーサイズ(1011個より多いクローン)をスクリーニングすることを可能にし、酵母の翻訳後修飾のために抗体構造のより良いフォールディングを促進する。
6. ライブラリーは、前記抗体の結合の性質の向上のために抗体CDR最適化又はモチーフグラフティングアプローチを組み入れる。
7. ライブラリーは、高い抗体安定性、より少ない抗体凝集、より低い免疫原性、より良い溶解性、及び前記抗体の製造可能性の向上のための他の抗体の特徴のための抗体合理的デザインを組み入れる。
8. 本開示は、独占的スクリーニング方法論を採用し、その方法論において、ファージディスプレイスクリーニングが、非結合性物質だけを除去するために利用され、一方、その後の酵母スクリーニングが、結合性物質の親和性に基づいた選択を実行するために利用される。
9. ファージ及び酵母の表面発現に用いられるベクターは独特である。
10. ファージライブラリーから選択されたクローンは、重鎖及び軽鎖の特定の組合せ有り又は無しでの、scFv又はFabを含む異なる抗体フォーマットで酵母ライブラリーへ移行され、それにより、向上したスクリーニング過程で最初の多様性を保持する。
11. 本開示はまた、ディスプレイプラットフォームにおいてFab及び/又はscFv配列の複数のバリアントを収容することの柔軟性、並びにFabフォーマット及び/又はscFvフォーマットにおけるパニングされた分子をコンビナトリアル及び非コンビナトリアルアプローチにより酵母発現系へ移行する柔軟性を提供する。
開示及び例示は、明快さ及び理解のための例証及び例として提供されているが、様々な変化及び改変が、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、実施され得ることは、当業者には明らかである。したがって、前述の説明及び例は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
本開示の実施形態の説明は、最新の知識を適用することにより、様々な適用のための改変及び/又は適応に容易に適している本実施形態の一般的な性質を明らかにする。その一般的な概念から逸脱することのない、本開示のそのような特定の実施形態、並びに、したがって、そのような適応及び改変は、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内に理解され、且つみなされるべきであり、且つそのように意図される。
本明細書に利用される句又は用語は、説明を目的とし、いかなる限定も意図するものではないこともまた理解されるべきである。本開示を通して、どこで用いられようとも、語「含む(comprise)」、又は「含む(comprises)」若しくは「含むこと(comprising)」等の語尾変化形は、述べられた要素、整数、若しくは工程、又は要素群、整数群、若しくは工程群の包含を含意するが、任意の他の要素、整数、若しくは工程、又は要素群、整数群、若しくは工程群の排除を含意するものではないと理解されるべきである。
数的な限度又は範囲が本明細書で述べられている場合、その端点が含まれる。また、数的限度又は範囲内の値及び部分的範囲は、あたかも明確に全部書き出されているかのように、具体的に含まれる。
本開示における任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、内容及び/又は適用にとって適切であるとみなされるように、複数形から単数形へ、及び/又は単数形から複数形へ言い換えることができる。様々な単数形/複数形の入換えは、明快さのために本明細書において明確に示される場合がある。
この明細書に含まれている文書、行為、材料、装置、文献等のいかなる議論も、単に、本開示についての内容を提供することを目的とするのみである。これらの事項のいくつか、又は全部が、それがこの出願の優先日の前のどこかに存在したため、先行技術の基礎の一部を形成し、又は本開示に関係した分野における共通の一般的知識であるという許可として解釈されるべきではない。
この出願を通して引用された全ての参考文献、特許、及び公開された特許出願の内容は、全ての目的のために参照により本明細書に組み入れられている。

Claims (18)

  1. 約4アミノ酸から約23アミノ酸までの長さを有する、抗体分子の重鎖の改変CDRを含む抗体分子の合成ライブラリーであって、
    ・前記CDRの長さが4アミノ酸である場合、位置2におけるアミノ酸アスパラギン酸の頻度が約20%であり;
    ・前記CDRの長さが5から17アミノ酸までの範囲である場合、最後の位置におけるアミノ酸アスパラギン酸の頻度が約40%から約80%までの範囲であり、若しくは最後から2番目の位置におけるアミノ酸チロシンの頻度が約40%から約65%までの範囲であり;又は
    ・前記CDRの長さが18から23アミノ酸までの範囲である場合、最後の位置におけるアミノ酸バリンの頻度が約20%から約67%までの範囲であり、若しくは最後の位置におけるアミノ酸イソロイシンの頻度が約17%から約24%までの範囲である、
    合成ライブラリー。
  2. 長さが約4アミノ酸から約23アミノ酸まで様々であり、アミノ酸頻度の特定の組合せを有する、抗体分子の重鎖の改変CDRを含む抗体分子を含み、
    ・前記CDRの長さが4アミノ酸である場合、位置1及び3におけるアミノ酸グリシンの頻度が約16から36%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが5アミノ酸である場合、最初の3個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約20から38%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが6アミノ酸である場合、最初の4個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約11から35%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが7アミノ酸である場合、最初の4個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約12から38%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが8アミノ酸である場合、最初の5個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約14から34%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが9アミノ酸である場合、最初の6個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約12から43%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが10アミノ酸である場合、最初の7個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約14から30%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが11アミノ酸である場合、最初の8個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約14から28%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが12アミノ酸である場合、最初の9個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約15から28%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが13アミノ酸である場合、最初の10個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約13から26%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが14アミノ酸である場合、最初の11個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約8から26%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが15アミノ酸である場合、最初の12個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約8から30%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが16アミノ酸である場合、最初の13個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約7から35%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが17アミノ酸である場合、最初の14個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約7から36%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが18アミノ酸である場合、最初の15個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約7から30%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが19アミノ酸である場合、最初の16個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約7から45%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが20アミノ酸である場合、最初の17個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約3から44%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが21アミノ酸である場合、最初の18個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約2から44%の範囲であり;
    ・前記CDRの長さが22アミノ酸である場合、最初の19個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約3から58%の範囲であり;又は
    ・前記CDRの長さが23アミノ酸である場合、最初の20個の位置におけるアミノ酸グリシンの頻度が約0.5から58%の範囲である、
    請求項1に記載の合成ライブラリー。
  3. 長さが約4アミノ酸から約23アミノ酸まで様々であり、各位置におけるアミノ酸頻度の特定の組合せを有する、抗体分子の重鎖の改変CDRを含む抗体分子を含み、
    前記CDRの長さが4である場合、
    a. 位置1及び2におけるアミノ酸アスパラギン酸の頻度が、それぞれ、約10%及び約20%であり;
    b. 位置1〜3におけるアミノ酸プロリンの頻度が約0.05%から約0.15%まで様々であり、位置4においては約15%であり;
    c. 位置1におけるアミノ酸アルギニンの頻度が約5%であり、位置2、3、及び4においては約18%から約20%まで様々であり、
    前記CDRの長さが5である場合、
    a. 位置1、2、3、4、及び5におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約3%、0.05%、20%、0.1%、及び6%であり;
    b. 位置1、2、3、4、及び5におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約6%、18%、0.2%、0.1%、及び0.05%であり、
    前記CDRの長さが6である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、及び6におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約3.00%、0.15%、2%、25%、0.05%、及び3.5%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、及び6におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約3.43%、5.61%、0.09%、0.06%、7.79%、及び0.08%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、及び6におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約0.05%、7.78%、7.48%、4.37%、4.53%、及び1.77%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、及び6におけるアミノ酸セリンの頻度が、それぞれ、約1.76%、9.44%、8.13%、8.93%、0.26%、及び1.43%であり、
    前記CDRの長さが7である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、及び7におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約3.65%、0.18%、0.08%、3.09%、43.63%、0.15%、及び3.01%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、及び7におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約3.33%、7.19%、12.74%、1.11%、0.21%、0.09%、及び3.34%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、及び7におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約0.09%、4.68%、0.23%、2.74%、3.95%、0.06%、及び3.53%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、及び7におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約6.98%、15.99%、3.98%、4.13%、1.00%、1.16%、及び0.67%であり、
    前記CDRの長さが8である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、及び8におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約4.56%、6.02%、2.69%、4.00%、1.82%、35.24%、0.98%、及び2.61%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、及び8におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約3.17%、3.28%、3.30%、5.44%、2.19%、2.99%、0.93%、及び4.74%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、及び8におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約0.05%、6.05%、3.76%、1.04%、3.79%、1.47%、0.68%、及び4.64%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、及び8におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約6.24%、5.58%、8.88%、8.36%、5.24%、0.10%、0.88%、及び3.18%であり、
    前記CDRの長さが9である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、及び9におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.96%、1.92%、2.31%、2.13%、2.36%、2.05%、44.15%、0.86%、及び2.59%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、及び9におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.68%、2.83%、3.24%、3.36%、3.13%、3.94%、1.12%、0.93%、及び4.74%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、及び9におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約0.98%、3.49%、3.57%、3.96%、3.79%、9.19%、3.71%、1.06%、及び5.26%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、及び9におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約4.93%、9.19%、9.45%、9.10%、9.50%、3.21%、0.07%、0.83%、及び3.97%であり、
    前記CDRの長さが10である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.12%、2.44%、2.27%、2.49%、2.18%、2.78%、2.64%、55.93%、0.56%、及び2.32%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.66%、2.95%、3.25%、3.15%、3.22%、3.10%、1.22%、1.35%、0.91%、及び4.76%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.42%、3.12%、3.57%、2.78%、3.00%、2.81%、4.00%、1.22%、0.78%、及び4.08%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.28%、9.13%、9.97%、9.70%、10.04%、9.91%、4.20%、0.07%、1.12%、及び3.81%であり、
    前記CDRの長さが11である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、及び11におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.10%、2.30%、2.51%、2.24%、2.47%、2.43%、2.24%、2.10%、54.27%、0.58%、及び2.76%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、及び11におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.68%、2.74%、2.98%、3.40%、2.98%、3.33%、3.54%、4.20%、0.97%、1.26%、及び4.40%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、及び11におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.61%、3.72%、2.90%、3.27%、3.07%、2.90%、2.98%、5.78%、3.05%、0.99%、及び4.22%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、及び11におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.62%、9.57%、10.06%、10.35%、9.61%、9.14%、10.00%、2.18%、0.00%、1.11%、及び4.14%であり、
    前記CDRの長さが12である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、及び12におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.06%、2.42%、2.08%、2.44%、1.88%、2.46%、2.59%、2.34%、2.17%、52.70%、0.65%、及び2.49%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、及び12におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.59%、3.31%、3.58%、3.12%、3.24%、3.27%、3.62%、6.42%、1.28%、0.89%、1.14%、及び4.65%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、及び12におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.62%、3.52%、3.50%、3.43%、3.64%、2.72%、3.35%、4.82%、6.23%、3.16%、0.82%、及び3.96%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、及び12におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.18%、10.28%、10.15%、10.64%、10.28%、10.11%、10.11%、5.52%、2.88%、0.00%、0.80%、及び3.50%であり、
    前記CDRの長さが13である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、及び13におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.02%、2.09%、2.13%、2.28%、2.44%、2.32%、2.49%、2.40%、4.51%、4.85%、54.39%、0.86%、及び2.65%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、及び13におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.61%、3.28%、3.34%、3.07%、3.47%、3.22%、3.32%、3.34%、9.54%、2.13%、0.94%、1.11%、及び4.16%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、及び13におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.86%、3.70%、3.49%、3.53%、3.07%、3.07%、3.24%、3.24%、1.98%、4.26%、2.61%、0.75%、及び3.38%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、及び13におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.85%、9.77%、9.46%、9.38%、9.86%、9.94%、9.90%、9.54%、5.14%、1.34%、0.00%、0.81%、及び3.13%であり、
    前記CDRの長さが14である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、及び14におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.00%、2.48%、2.33%、2.42%、2.37%、3.01%、2.42%、2.22%、2.79%、4.02%、4.09%、54.77%、0.70%、及び1.96%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、及び14におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.46%、3.49%、3.56%、3.41%、3.23%、3.58%、3.27%、3.25%、3.19%、2.04%、2.37%、0.92%、1.54%、2.94%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、及び14におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.82%、3.58%、3.41%、3.10%、2.86%、3.45%、2.50%、3.05%、2.53%、7.32%、5.36%、3.05%、0.81%、及び0.26%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、及び14におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.78%、9.69%、8.94%、9.53%、10.04%、9.89%、9.82%、10.26%、10.22%、10.26%、1.82%、0.00%、0.90%、及び1.14%であり、
    前記CDRの長さが15である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、及び15におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.07%、2.02%、2.25%、2.29%、2.82%、2.43%、2.38%、2.32%、3.74%、3.23%、4.03%、4.38%、54.81%、0.80%、及び2.29%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、及び15におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.80%、3.32%、2.91%、2.98%、3.42%、3.46%、2.89%、3.44%、1.93%、2.34%、2.73%、2.77%、0.78%、1.33%、及び2.54%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、及び15におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約1.65%、3.44%、3.62%、3.58%、3.09%、3.12%、2.66%、2.61%、7.66%、6.92%、7.40%、3.12%、2.43%、0.69%、及び0.23%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、及び15におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.96%、10.13%、9.26%、9.58%、10.32%、10.09%、9.01%、9.67%、11.10%、10.45%、9.67%、3.42%、0.00%、0.83%、及び0.85%であり、
    前記CDRの長さが16である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、及び16におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.12%、1.57%、1.75%、2.62%、2.85%、2.50%、2.85%、2.21%、2.97%、2.74%、3.38%、3.38%、2.39%、50.47%、1.22%、及び2.91%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、及び16におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.87%、2.33%、3.03%、2.85%、3.67%、2.56%、3.32%、2.74%、2.68%、1.98%、2.39%、2.27%、0.17%、0.64%、0.81%、及び2.79%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、及び16におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.44%、16.94%、3.61%、6.00%、3.61%、3.61%、3.73%、3.38%、7.51%、10.30%、11.76%、8.21%、4.95%、2.56%、0.81%、及び1.34%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、及び16におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約6.40%、9.72%、8.91%、9.84%、10.01%、9.14%、9.66%、9.49%、8.21%、9.60%、8.15%、8.96%、0.58%、0.00%、1.34%、及び0.99%であり、
    前記CDRの長さが17である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、及び17におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.06%、1.37%、2.47%、2.96%、2.91%、2.01%、2.85%、2.44%、3.05%、2.59%、3.31%、3.37%、2.59%、0.64%、37.93%、0.70%、及び3.31%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、及び17におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.64%、4.56%、3.14%、2.47%、3.69%、3.25%、3.11%、3.84%、3.55%、2.27%、1.95%、1.74%、2.35%、1.71%、0.00%、1.28%、1.39%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、及び17におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.79%、7.29%、3.31%、10.52%、2.44%、4.50%、3.89%、4.53%、3.95%、9.79%、9.82%、10.20%、10.32%、2.32%、1.63%、1.25%、及び7.90%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、及び17におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.81%、14.44%、9.97%、8.95%、8.78%、9.47%、8.37%、9.47%、9.33%、9.82%、10.29%、9.76%、9.85%、1.31%、0.00%、1.16%、及び1.02%であり、
    前記CDRの長さが18である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、及び18におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.05%、1.37%、2.07%、2.43%、3.39%、2.28%、2.73%、3.39%、2.83%、2.53%、3.59%、3.19%、3.14%、3.14%、0.56%、37.96%、1.11%、及び3.39%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、及び18におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.66%、2.78%、2.83%、1.52%、2.33%、3.64%、3.90%、2.73%、3.64%、4.25%、2.02%、2.53%、2.63%、2.94%、0.51%、0.05%、1.32%、及び1.42%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、及び18におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.02%、4.35%、3.64%、11.69%、11.03%、3.29%、4.61%、3.54%、5.31%、4.55%、11.39%、8.76%、10.17%、8.76%、5.11%、2.13%、0.91%、及び9.67%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、及び18におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.97%、9.77%、9.01%、9.56%、8.50%、8.96%、9.36%、9.11%、10.98%、9.46%、10.58%、8.96%、9.36%、8.25%、2.23%、0.05%、0.76%、及び0.86%であり、
    前記CDRの長さが19である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、及び19におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.17%、0.81%、2.20%、3.08%、2.84%、3.28%、6.30%、8.97%、2.40%、3.08%、3.39%、3.73%、3.45%、1.19%、4.20%、0.44%、40.09%、1.02%、及び3.49%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、及び19におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.98%、1.69%、2.88%、2.84%、2.64%、1.76%、4.03%、2.57%、4.30%、3.12%、2.47%、2.10%、2.64%、11.45%、7.31%、0.03%、0.00%、1.46%、及び1.19%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、及び19におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.54%、10.26%、3.66%、11.62%、9.82%、9.92%、0.44%、4.03%、4.27%、5.25%、9.85%、9.99%、8.84%、2.44%、3.05%、2.78%、1.42%、0.81%、及び9.72%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、及び19におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.38%、12.09%、7.92%、9.04%、9.21%、8.53%、0.61%、1.76%、9.18%、8.91%、10.19%、8.77%、9.11%、3.93%、0.54%、1.08%、0.00%、0.95%、及び1.05%であり、
    前記CDRの長さが20である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20におけるアミノ酸グルタミン酸の頻度が、それぞれ、約15.56%、4.65%、3.96%、7.86%、4.75%、2.14%、0.82%、3.96%、4.59%、3.99%、5.19%、4.71%、5.03%、0.31%、3.99%、0.06%、0.06%、0.00%、2.39%、及び0.00%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.66%、2.67%、3.17%、1.13%、2.01%、0.31%、3.52%、3.49%、3.36%、3.21%、2.36%、2.64%、2.42%、4.34%、4.09%、3.96%、1.16%、0.09%、1.45%、及び1.07%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.39%、3.49%、3.61%、3.11%、11.44%、1.76%、1.38%、4.37%、3.71%、5.00%、10.09%、9.90%、9.90%、6.38%、4.87%、6.44%、0.31%、1.19%、0.91%、及び9.55%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.41%、8.67%、9.71%、4.87%、9.37%、1.98%、3.49%、8.74%、9.21%、8.89%、8.96%、9.87%、10.47%、4.43%、1.67%、4.09%、2.83%、0.00%、0.97%、及び1.26%であり、
    前記CDRの長さが21である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.00%、2.07%、0.28%、2.93%、2.31%、5.82%、6.92%、7.44%、7.10%、7.13%、7.20%、11.47%、0.59%、0.65%、4.34%、6.17%、2.20%、0.17%、35.45%、2.17%、及び2.58%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.65%、0.14%、4.17%、2.79%、3.44%、1.52%、1.31%、0.93%、1.17%、1.38%、1.76%、2.89%、6.48%、0.41%、4.20%、0.24%、4.51%、0.34%、0.00%、1.03%、及び2.17%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.20%、9.06%、4.48%、4.24%、4.13%、2.86%、2.55%、2.24%、3.10%、3.38%、3.31%、18.05%、6.44%、8.54%、2.79%、2.89%、8.27%、1.10%、1.83%、1.55%、及び8.23%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.99%、3.82%、8.96%、9.20%、9.20%、4.27%、4.13%、4.68%、4.99%、4.62%、4.00%、10.27%、6.30%、9.68%、5.99%、1.79%、3.41%、1.72%、0.24%、1.00%、及び0.03%であり、
    前記CDRの長さが22である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、及び22におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.04%、5.37%、3.13%、6.33%、3.67%、0.27%、6.95%、6.49%、7.34%、3.79%、3.28%、3.79%、5.99%、7.34%、0.19%、0.27%、0.19%、0.31%、3.24%、36.27%、0.85%、及び9.35%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、及び22におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.50%、0.00%、4.21%、0.19%、4.17%、4.21%、1.04%、1.43%、1.51%、1.85%、2.90%、2.01%、1.27%、1.08%、0.39%、0.27%、0.12%、7.61%、0.12%、0.08%、1.47%、及び0.00%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、及び22におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約2.74%、7.96%、4.75%、18.23%、8.50%、3.59%、2.47%、2.94%、2.74%、10.31%、10.35%、9.62%、3.13%、3.05%、13.90%、0.27%、5.37%、0.23%、0.31%、1.78%、1.39%、and 2.47%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、及び22におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約5.83%、17.50%、8.42%、5.06%、4.52%、4.79%、4.91%、4.48%、4.60%、9.39%、8.42%、8.57%、4.36%、4.44%、0.58%、3.59%、6.06%、0.23%、6.30%、0.04%、0.77%、及び0.00%であり、
    前記CDRの長さが23である場合、
    a. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、及び23におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が、それぞれ、約0.00%、0.29%、0.15%、0.49%、8.00%、3.07%、3.76%、0.59%、9.03%、3.90%、4.25%、9.42%、0.44%、3.90%、0.34%、3.32%、3.51%、0.10%、3.90%、0.39%、43.24%、0.83%、及び4.73%であり;
    b. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、及び23におけるアミノ酸アスパラギンの頻度が、それぞれ、約0.24%、0.05%、0.15%、0.15%、4.69%、5.32%、0.10%、0.15%、14.84%、0.20%、4.49%、4.64%、4.25%、5.42%、0.10%、8.30%、0.05%、0.10%、4.69%、0.00%、0.00%、1.12%、及び0.00%であり;
    c. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、及び23におけるアミノ酸プロリンの頻度が、それぞれ、約0.24%、9.91%、3.71%、3.61%、5.32%、2.73%、3.61%、3.81%、7.42%、2.10%、6.69%、4.34%、2.93%、8.39%、11.27%、3.17%、0.20%、0.24%、0.34%、4.05%、0.88%、1.22%、及び9.22%であり;
    d. 位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、及び23におけるアミノ酸アルギニンの頻度が、それぞれ、約0.44%、4.39%、8.69%、22.40%、7.76%、4.49%、4.05%、3.42%、0.78%、9.13%、10.35%、3.66%、11.52%、3.95%、0.29%、8.25%、0.20%、6.69%、0.20%、0.44%、0.00%、1.95%、及び0.05%である、
    請求項1に記載の合成ライブラリー。
  4. CDRが、CDR1、CDR2、及びCDR3を含む群から選択され、好ましくは、CDRがCDR3である、請求項1に記載の合成ライブラリー。
  5. ・抗体分子の重鎖が、配列番号1、3、5、7、9、11、又は13から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号2、4、6、8、10、12、又は14から選択されるコンセンサスアミノ酸配列を含み;
    ・抗体分子の軽鎖(カッパ)が、配列番号15、17、19、若しくは21から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号16、18、20、若しくは22から選択されるコンセンサスアミノ酸配列を含み、又は抗体分子の軽鎖(ラムダ)が、配列番号23、25、若しくは29から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号24、26、若しくは28から選択されるコンセンサスアミノ酸配列を含み;
    ・重鎖のフレームワーク領域1、2、及び3が、配列番号30〜49から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み;
    ・重鎖のCDR1及びCDR2が、配列番号50〜63から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み;
    ・軽鎖(カッパ)のフレームワーク領域1、2、3、及び4が、配列番号64〜79から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み;
    ・軽鎖(カッパ)のCDR1、CDR2、及びCDR3が、配列番号80〜91から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み;
    ・軽鎖(ラムダ)のフレームワーク領域1、2、3、及び4が、配列番号92〜103から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み;
    ・軽鎖(ラムダ)のCDR1、CDR2、及びCDR3が、配列番号104〜112から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含む、
    請求項1に記載の合成ライブラリー。
  6. ライブラリーが約1010〜約1011個のクローンを含み、合成抗体ライブラリーが、ファージ若しくは酵母の表面上に発現した一群の抗体分子であり、又はファージ若しくは酵母若しくはそれらの組合せから単離された一群の抗体分子である、請求項1に記載の合成ライブラリー。
  7. a)少なくとも1つの所定の特徴を有する抗体分子をスクリーニング及び同定する工程、
    b)同定された分子を、
    CDR3重鎖(CDRH3)の長さ分布分析及び前記CDRH3内のアミノ酸の出現頻度に基づいて分析して、最適な鎖長及びアミノ酸頻度を決定する工程、
    c)変化した抗体分子をデザインし、その後、分子を、請求項1に規定の前記最適な鎖長及びアミノ酸頻度に基づいて、コドン置き換えテクノロジーに供して、改変CDRH3を有する抗体分子を得る工程、並びに
    d)前記分子をクローニングして、ライブラリーを形成する工程
    を含む、請求項1に記載の合成ライブラリーを得る方法。
  8. スクリーニング工程が、重複の除去のために、利用可能なオンラインデータベース(IMGTデータベース)に由来する抗体遺伝子配列を分析することを含み、所定の特徴が、アノテーションレベル、種、立体配置の型、再編成された遺伝子の型、及び機能性、又はそれらの任意の組合せを含む群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. デザインする工程が、配列番号2、4、6、8、10、12、又は14から選択される重鎖アミノ酸配列、及び配列番号16、18、20、22、24、26、又は28から選択される軽鎖アミノ酸配列、並びに配列番号30〜112から選択される核酸配列によりコードされる1つ又は複数のアミノ酸配列を有するフレームワーク領域及びCDRを含む抗体分子を合成することを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 改変CDRH3を有する抗体分子が、ファージベクターにより個々にディスプレイされ、又はファージベクター、その後、酵母ベクターにより逐次的にディスプレイされる、請求項7に記載の方法。
  11. ファージ又は酵母ベクターによる抗体分子のディスプレイが
    対応する抗体遺伝子をファージへクローニングして、ファージ抗体ライブラリーを得、その後、ディスプレイされた分子を抗原に対してスクリーニングして、パニングされたファージ抗体ライブラリーを得る工程、
    パニングされたファージ抗体ライブラリーを、前記抗体分子の酵母の表面上でのディスプレイのために酵母へ移入し、その後、酵母にディスプレイされた抗体分子を抗原に対してスクリーニングして、酵母でスクリーニングされた抗体ライブラリーを得る工程、及び
    所望の機能的特性を有するファージ若しくは酵母にディスプレイされた抗体分子を選択して、合成抗体ライブラリーを形成し、又は所望の機能的特性を有する選択された抗体分子をファージ抗体ライブラリー若しくは酵母抗体ライブラリーから単離して、スクリーニングされた抗体合成ライブラリーを作製する工程
    を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 抗体分子が、ファージ又は酵母ベクターへのクローニングのためのFab又はscFvのフォーマットであり、ファージベクターへの形質転換効率が約109から約1010の範囲であり、酵母ベクターへの形質転換効率が約106から約108の範囲である、請求項10又は11に記載の方法。
  13. ファージライブラリーを得るためのスクリーニング工程が、磁気ビーズ上にコーティングされた抗原でパニングして、対象とする抗体を単離することを含み、前記ファージディスプレイスクリーニング/パニングが、非結合性抗体を除去するために利用される、請求項11に記載の方法。
  14. 表面ディスプレイによる酵母ライブラリーを得るためのスクリーニング工程が、競合抗原エピトープ、抗体パラトープ立体構造、配列及び配列モチーフ、又はそれらの任意の組合せを利用することにより行われて、タバコエッチウイルス(Tobacco Etch Virus)(TEV)、エンテロキナーゼ、トロンビン、第Xa因子、HRV 3Cプロテアーゼ、及び類似したプロテアーゼ切断部位、又はそれらの任意の組合せを含む群から選択されるプロテアーゼ切断部位を用いてFab又はscFv分子を単離する、請求項11に記載の方法。
  15. 合成抗体ライブラリーが、ファージ若しくは酵母の表面上に発現した一群の抗体分子であり、又はファージ若しくは酵母若しくはそれらの組合せから単離された一群の抗体分子である、請求項7に記載の方法。
  16. 請求項1に記載の合成ライブラリー、又は請求項7に記載の方法により得られるような合成ライブラリーから単離された抗体分子。
  17. ・配列番号1、3、5、7、9、11、又は13から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号2、4、6、8、10、12、又は14から選択される重鎖コンセンサスアミノ酸配列;
    ・配列番号15、17、19、若しくは21から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号16、18、20、若しくは22から選択される軽鎖コンセンサスアミノ酸配列、又は配列番号23、25、若しくは29から選択される対応する核酸配列によりコードされる配列番号24、26、若しくは28から選択されるコンセンサスアミノ酸配列;
    ・配列番号30〜49、64〜79、又は92〜103から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるフレームワーク領域;及び
    ・配列番号50〜63、80〜91、又は104〜112から選択されるコンセンサス核酸配列によりコードされるCDR
    を含む抗体分子であって、
    前記CDRの長さが4である場合、位置2、3、及び4におけるアミノ酸アルギニンの頻度が約18%から約20%まで様々であり;
    前記CDRの長さが5である場合、位置3におけるアミノ酸プロリンの頻度が約20%であり;
    前記CDRの長さが6である場合、位置4におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約25%であり;
    前記CDRの長さが7である場合、位置5におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約43.63%であり;
    前記CDRの長さが8である場合、位置6におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約35.24%であり;
    前記CDRの長さが9である場合、位置7におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約44.15%であり;
    前記CDRの長さが10である場合、位置8におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約55.93%であり;
    前記CDRの長さが11である場合、位置9におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.27%であり;
    前記CDRの長さが12である場合、位置10におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約52.70%であり;
    前記CDRの長さが13である場合、位置11におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.39%であり;
    前記CDRの長さが14である場合、位置12におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.77%であり;
    前記CDRの長さが15である場合、位置13におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約54.81%であり;
    前記CDRの長さが16である場合、位置14におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約50.47%であり;
    前記CDRの長さが17である場合、位置15におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約37.93%であり;
    前記CDRの長さが18である場合、位置16におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約37.96%であり;
    前記CDRの長さが19である場合、位置17におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約40.09%であり;
    前記CDRの長さが20である場合、位置1におけるアミノ酸グルタミン酸の頻度が約15.56%であり;
    前記CDRの長さが21である場合、位置19におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約35.45%であり;
    前記CDRの長さが22である場合、位置20におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約36.27%であり;
    前記CDRの長さが23である場合、位置21におけるアミノ酸フェニルアラニンの頻度が約43.24%である、
    抗体分子。
  18. 癌、関節リウマチ、神経障害、感染性疾患、及び代謝障害、又はそれらの任意の組合せを含む群から選択される疾患の処置のための治療用物質において、診断用物質として、予後診断用物質として、研究目的で、標的発見、機能ゲノミクスにおける検証、又は抗体若しくは抗体の誘導体が利用される任意の適用で使用するための、請求項1に記載の合成抗体ライブラリー、又は請求項7の方法により得られるような合成抗体ライブラリー。
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