JP2019507117A - P65の転写調節ドメインと蛋白質運搬ドメインとを含む新規融合蛋白質およびその用途 - Google Patents

P65の転写調節ドメインと蛋白質運搬ドメインとを含む新規融合蛋白質およびその用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、転写因子NF−κBのサブユニットであるp65の転写調節ドメインと蛋白質運搬ドメインとを含む新規融合蛋白質およびその用途に関する。本発明によれば、本発明の融合蛋白質は、競合阻害によってNF−κBおよびIL−2の転写を抑制し、LPSによる炎症性サイトカインの分泌を抑制し、脾臓細胞におけるIL−2、IFN−γ、IL−4、IL−17AおよびIL−10の生成を抑制する効果があることから、NF−κBの過活性−関連疾患の予防または治療組成物として有用に利用可能である。【選択図】図10

Description

本発明は、大韓民国未来創造科学部支援下の課題番号NRF−2014R1A2A1A10052466、2009−0083522(ERC)、10044494、および延世大学支援下の2015−22−0065によって行われたもので、前記課題番号NRF−2014R1A2A1A10052466の研究管理専門機関は「韓国研究財団」、研究事業名は「中堅研究者支援事業」、研究課題名は「免疫活性化制御細胞のTreg合わせ型免疫疾患新素材開発」、主管機関は「延世大学産学協力団」、研究期間は2014年11月1日〜2017年10月31日であり、前記課題番号2009−0083522(ERC)の研究管理専門機関は「韓国研究財団」、研究事業名は「韓国研究財団−理工学分野(SRC/ERC)」、研究課題名は「ERC/蛋白質機能制御履行研究センター(3/3、2段階)」、主管機関は「延世大学産学協力団」、研究期間は2009年9月1日〜2016年2月29日であり、前記課題番号10044494の研究管理専門機関は「情報通信技術研究振興センター」、研究事業名は「SWコンピューティング産業源泉技術開発事業」、研究課題名は「WiseKB:ビッグデータ理解基盤自己学習型知識ベースおよび推論技術開発」、主管機関は「(株)ソルトルックス」、研究期間は2013年7月1日〜2016年2月28日であり、前記課題番号2015−22−0065の研究管理専門機関は「延世大学」、研究事業名は「校内研究支援」、研究課題名は「[未来先導−国際]自己免疫疾患の病因性T細胞subset遺伝子発現を制御できる転写因子機能制御用の個人合わせ型蛋白質新薬開発」、主管機関は「延世大学産学協力団」、研究期間は2015年9月1日〜2016年8月31日である。
本発明は、転写因子NF−κBのサブユニットであるp65の転写調節ドメイン(transcription modulation domain、TMD)と蛋白質運搬ドメイン(protein transduction domain、PTD)とを含む新規融合蛋白質およびその用途に関する。
転写因子NF−κBによって調節されるサイトカイン(cytokine)は、腫瘍壊死因子−α(tumor necrosis factor−α、TNF−α)、インターロイキン−1(interleukin−1、IL−1)、インターロイキン−6および顆粒球大食細胞コロニー刺激因子(granulocyte−macrophage colony stimulating factor、GM−CSF)などがあり、ケモカイン(chemokine)は、インターロイキン−8、大食細胞炎症蛋白質−1α(macrophage−inflammatory protein−1α、MIP−1α)、走化性調節蛋白質−1(methyl accepting chemotaxis protein−1、MCP−1)およびエオタキシン(eotaxin)などがある。また、NF−κBによって調節される付着分子(adhesion molecule)は、E−セレクチン(E−selectin)、血管細胞付着分子−1(vascular cell adhesion molecule−1、VCAM−1)、内皮白血球付着分子−1(endothelial leukocyte adhesion molecule−1、ELAM−1)および細胞内付着分子−1(intercellular cell adhesion molecule−1、ICAM−1)があり、誘導酵素(inducible enzyme)は、シクロオキシゲナーゼ−2(cyclooxygenase−2、COX−2)などがあり、NF−κBは、体内のほぼすべての生理反応に関与している。
転写因子NF−κBは、同種またはヘテロ二量体で構成された、互いに異なるサブユニットから構成されている。NF−κB蛋白質は、RelA(p65)、c−Rel、Rel−B、NF−κB1(p50)およびNF−κB2(p52)が含まれ、前記p50およびp52は、それらの前駆体であるNF−κB1(p105)およびNF−κB2(p100)からそれぞれ生成される。NF−κB蛋白質は、すべてN末端のRHD(Rel−homology domain)と呼ばれる300個のアミノ酸を共通して有しているが、これらは、二量体形成、特定DNAとの結合およびIκB蛋白質との反応に関与する。また、核内に移動して転写因子として作用するための核位置信号(nuclear localization signal、NLS)も含んでいる。そして、NF−κBの構成蛋白質は、C末端のトランスアクチベーションドメイン(transactivation domain、TAD)の存在の有無によってclassI(NF−κB1、NF−κB2)とclassII(RelA/p65、RelB、c−Rel)に区分することができる。classIIは、他のNF−κB構成蛋白質なくても転写因子として作用できるトランスアクチベーションドメインを有しており、classIにはトランスアクチベーションドメインがない。この2種類のNF−κBの間で二量体が形成されてDNA転写因子として作用し、二量体の中でp50/p65の形態が最もありふれて存在する。RelA(p65)、RelBおよびc−Relは、C末端にトランスアクチベーションドメインを有していて、標的遺伝子の発現を活性化することができる。逆に、NF−κB1とNF−κB2であるp50とp52は、C末端にトランスアクチベーションドメインを有しておらず、p50とp52の同種二量体は、トランスアクチベーションドメインを有している補助因子(co−activator)のような蛋白質の結合なしには転写をすることができない。
蛋白質運搬ドメイン(Protein Transduction Domain、PTD)は、疎水性の強い短いペプチドで、共に融合した蛋白質やDNAおよびRNAなどの生理活性分子を細胞内に効果的に伝達することが知られている。本発明者らは、現在まで2種のPTDを開発し、前記PTDは、WO2003059940およびWO2003059941に詳しく開示されている。蛋白質運搬ドメインは、細胞質のみならず、核内にも生理活性分子を運搬できるため、本発明の核心物質である変形した転写因子を核内に伝達するのに適した特性を有している。
したがって、本発明者らは、NF−κBのサブユニットであるp65の転写調節ドメインと蛋白質運搬ドメインとを含む融合蛋白質を用いて、競合阻害によってNF−κBの転写および活性を抑制することにより、NF−κBの過度の活性によって引き起こされる疾患を効果的に治療しようとした。
本明細書全体にわたって多数の論文および特許文献が参照され、その引用が表示されている。引用された論文および特許文献の開示内容はその全体として本明細書に参照として組み込まれ、本発明の属する技術分野における水準および本発明の内容がより明確に説明される。
本発明者らは、NF−κBの過度の活性によって引き起こされる疾患を効果的に予防、改善または治療できる物質を開発すべく、鋭意研究努力した。その結果、NF−κBのサブユニットであるp65の転写調節ドメインと蛋白質運搬ドメインとを含む融合蛋白質を用いる場合、競合阻害によってNF−κBの転写および活性を抑制できることを確認することによって、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、NF−κBのサブユニットであるp65の転写調節ドメインと蛋白質運搬ドメインとを含む融合蛋白質を提供することである。
本発明の他の目的は、本発明の融合蛋白質を含むNF−κBの転写または活性抑制剤を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、本発明の融合蛋白質を有効成分として含むNF−κBの過活性−関連疾患の予防または治療用薬剤学的組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、NF−κBの転写または活性抑制方法およびNF−κBの過活性−関連疾患の予防、改善または治療方法を提供することである。
本発明の他の目的および利点は、下記の発明の詳細な説明、請求の範囲および図面によってより明確になる。
本発明の一態様によれば、本発明は、NF−κBのサブユニットであるp65の転写調節ドメインと蛋白質運搬ドメインとを含む融合蛋白質を提供する。本発明の融合蛋白質は、競合阻害によってNF−κBの転写を抑制する。
本発明者らは、NF−κBの過度の活性によって引き起こされる疾患を効果的に予防、改善または治療できる物質を開発すべく、鋭意研究努力した。その結果、NF−κBのサブユニットであるp65の転写調節ドメインと蛋白質運搬ドメインとを含む融合蛋白質を用いる場合、競合阻害によってNF−κBの転写および活性を抑制できることを確認した。
本明細書で使われる用語「転写調節ドメイン」は、転写因子を構成するドメインで、トランスアクチベーションドメインなしにDNA結合部位だけで構成されたドメインを意味する。下記の実施例で立証したように、本発明の融合蛋白質は、トランスアクチベーションドメインはないが、DNA結合部位を有しているため、目的のプロモーターに結合することはできるが、転写を促進することができない。したがって、本発明の融合蛋白質は、NF−κB遺伝子に対する優性ネガティブ変異体(dominant negative mutant)であるため、細胞内の野生型NF−κBに対する競合阻害剤として作用して、NF−κBの転写および活性を抑制することができる。
本発明の一実施形態によれば、本発明のNF−κBは、RelA(p65)、c−Rel、Rel−B、NF−κB1(p50)およびNF−κB2(p52)から構成された群より選択されたNF−κBである。本発明の特定の実施形態によれば、本発明のNF−κBは、RelA(p65)である。
本発明の一実施形態によれば、本発明のNF−κBの転写調節ドメインは、配列リスト第1配列のアミノ酸配列からなる。本発明の他の実施形態によれば、本発明の配列リスト第1配列のアミノ酸配列からなるNF−κBの転写調節ドメインは、配列リスト第3配列のヌクレオチド配列によってコードされる。
本明細書で使われる用語「蛋白質運搬ドメイン」は、7−50個のアミノ酸からなる、疎水性の強い短いペプチドで、120kDa以上の分子量を、蛋白質のみならず、DNAまたはRNAを細胞内に伝達できるドメインを意味する。下記の実施例で立証したように、本発明の蛋白質運搬ドメインが付着しない蛋白質(つまり、転写調節ドメインだけで構成されたp65−TMD)の場合、本発明の融合蛋白質とは異なり、NF−κBおよびIL−2の転写抑制、LPSによる炎症性サイトカインの分泌抑制、脾臓細胞におけるIL−2、IFN−γ、IL−4、IL−17AおよびIL−10の生成抑制効果がないことを確認することができた。
本発明の一実施形態によれば、本発明の蛋白質運搬ドメインは、Hph−1、Sim−2、Tat、VP22、Antp(antennapedia)、Pep−1(peptide−1)、PTD−5(protein transduction domain−5)、7R、9R、11RおよびCTP(cytoplamic transduction peptide)から構成された群より選択される。本明細書の用語「7R」、「9R」および「11R」は、アルギニン(arginine)がそれぞれ7個、9個および11個から構成されたペプチドを意味する。本発明の特定の実施形態によれば、本発明の蛋白質運搬ドメインは、Hph−1である。
本発明の一実施形態によれば、本発明の蛋白質運搬ドメインは、配列リスト第2配列のアミノ酸配列からなる。本発明の他の実施形態によれば、本発明の配列リスト第2配列のアミノ酸配列からなる蛋白質運搬ドメインは、配列リスト第4配列のヌクレオチド配列によってコードされる。
本発明の一実施形態によれば、本発明の融合蛋白質は、配列リスト第5配列のアミノ酸配列を含む。本発明の特定の実施形態によれば、本発明の配列リスト第5配列のアミノ酸配列を含む融合蛋白質は、配列リスト第6配列のヌクレオチド配列によってコードされる。
本発明の他の態様によれば、本発明は、本発明の融合蛋白質を含むNF−κBの転写または活性抑制剤を提供する。下記の実施例で立証したように、本発明の融合蛋白質は、NF−κBおよびIL−2の転写および活性を抑制し(図6)、LPSによる炎症性サイトカインの分泌抑制し(図7)、脾臓細胞における抗−CD3/CD28で刺激されたT細胞の活性化によって発現するIL−2、IFN−γ、IL−4、IL−17AおよびIL−10の生成を抑制して(図9)、NF−κBによるT細胞の増殖、分化および炎症性サイトカインの分泌誘導活性を抑制できることを確認し、したがって、NF−κBの過度の活性によって引き起こされる疾患を効果的に予防、改善または治療できることを確認することができた。
発明のさらに他の態様によれば、本発明は、本発明の融合蛋白質を有効成分として含む、NF−κBの過活性−関連疾患の予防または治療用薬剤学的組成物を提供する。
本明細書で使われた用語、「治療」は、(a)疾患、疾病または症状の進行の抑制;(b)疾患、疾病または症状の軽減;または(c)疾患、疾病または症状を除去することを意味する。本発明の組成物は、代謝疾患の症状の進行を抑制するか、これを除去または軽減させる役割を果たす。したがって、本発明の組成物は、それ自体でNF−κBの過活性−関連疾患の治療用組成物になってもよく、あるいは他のNF−κBの過活性−関連疾患の治療用組成物と共に投与され、これら疾患に対する治療補助剤として適用されてもよい。そこで、本明細書において、用語「治療」または「治療剤」は、「治療補助」または「治療補助剤」の意味を含む。
下記の実施例で立証したように、本発明の融合蛋白質は、NF−κBおよびIL−2の転写を抑制し、LPSによる炎症性サイトカインの分泌を抑制し、脾臓細胞におけるIL−2、IFN−γ、IL−4、IL−17AおよびIL−10の生成を抑制する。したがって、本発明の融合蛋白質は、多様なNF−κBの過活性−関連疾患の効率的な予防または治療組成物として有用に利用可能である。
本発明の一実施形態によれば、本発明のNF−κBの過活性−関連疾患は、炎症疾患または自己免疫疾患である。本発明の他の実施形態によれば、本発明のNF−κBの過活性−関連疾患は、敗血症性ショック、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、全身性紅斑性狼瘡、リウマチ関節炎、潰瘍性大腸炎、涙腺炎、アルツハイマー疾患、脳卒中、動脈硬化症、血管再狭窄、I型糖尿病、II型糖尿病、蕁麻疹、結膜炎、乾癬、全身性炎症反応症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、結節性多発関節炎、混合結合組織症、シェーグレン症候群、痛風、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、糖尿性網膜症、多発性硬化症、クローン病、慢性甲状腺炎、セリアック病、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、ウイルス疾患、細菌性疾患、放射線による障害、動脈硬化、血管腫、血管線維腫、再潅流障害および心臓肥大症から構成される群より選択される疾患である。本発明の特定の実施形態によれば、本発明のNF−κBの過活性−関連疾患は、敗血症性ショックである。微生物に感染して全身に深刻な炎症反応が現れる敗血症性ショックは、血管を循環する内毒素と炎症媒介物質によって心脈管系と血管運動因子の異常症状が現れる。これによって脱水と血管内液体の流出による低血量症が発生し、毛細管上に血管の収縮と弛緩が起こって血液の供給に異常が生じ、血管炎と血栓は組織への還流をさらに困難にして、最終的に、組織に低酸素症と代謝性酸症を誘発させる。特に、内毒素は、兔疫細胞(大食細胞、顆粒細胞、樹枝状細胞、リンパ球)でNF−κBを活性化させて、腫瘍壊死因子、インターロイキン1と6のようなサイトカインを分泌させ、このようなサイトカインは、好中球、内皮細胞、血小板、または炎症媒介因子を放出する細胞を刺激して全身的な反応が現れる。下記の実施例で立証したように、本発明の融合蛋白質は、LPSによって誘導した敗血症ショック動物モデルにおいて炎症性サイトカインの分泌を抑制し、生存率を増加させることを確認した(図10)。
したがって、本発明によれば、本発明の融合蛋白質は、NF−κBの過活性−関連疾患を予防または治療する効果がある。
本発明の組成物が薬剤学的組成物として製造される場合、本発明の薬剤学的組成物は、薬剤学的に許容される担体を含む。本発明の薬剤学的組成物に含まれる薬剤学的に許容される担体は、製剤時に通常用いられるものであって、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸マグネシウムおよびミネラルオイルなどを含むが、これらに限定されるものではない。本発明の薬剤学的組成物は、前記成分のほか、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などを追加的に含んでもよい。好適な薬剤学的に許容される担体および製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(19th ed.,1995)に詳しく記載されている。
本発明の薬剤学的組成物は、経口または非経口投与することができ、非経口投与の場合には、静脈内注入、皮下注入、筋肉注入、腹腔注入、経皮投与などで投与することができる。本発明の一実施形態によれば、本発明の薬剤学的組成物は、腹腔注入によって投与される。
本発明の薬剤学的組成物の好適な投与量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢、体重、性、病的状態、飲食、投与時間、投与経路、排泄速度および反応感応性のような要因によって多様に処方可能である。本発明の薬剤学的組成物の1日投与量は、例えば、0.0001−1000mg/kgである。
本発明の薬剤学的組成物は、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できる方法により、薬剤学的に許容される担体および/または賦形剤を用いて製剤化することにより、単位用量の形態で製造されるか、または多用量容器内に入れられて製造される。この時、剤形は、オイルまたは水性媒質中の溶液、懸濁液、シロップ剤または乳化液の形態であるか、エキス剤、散剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤またはカプセル剤の形態であってもよいし、分散剤または安定化剤を追加的に含んでもよい。
本発明のNF−κBの転写または活性抑制剤、そしてNF−κBの過活性−関連疾患の予防または治療用薬剤学的組成物は、上述した融合蛋白質と共通するため、前記融合蛋白質との関係において共通する内容は、本発明の過度の複雑性を回避するためにその記載を省略する。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明は、本発明の融合蛋白質を有効成分として含む組成物を投与する段階を含む、NF−κBの転写または活性抑制方法を提供する。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明は、本発明の融合蛋白質を有効成分として含む組成物を、これを必要とする個体に投与する段階を含む、NF−κBの過活性−関連疾患の予防、改善または治療方法を提供する。
本明細書で使われた用語、「投与」または「投与する」は、本発明の組成物の治療的有効量を、前記組成物を必要とする個体(つまり、対象体)に直接的に投与することにより、対象の体内で同量が形成されるようにすることをいう。したがって、用語「投与」は、本発明の有効成分(本発明の融合蛋白質)を病変部位に注入することを含むので、用語「投与する」は、「注入する」と同じ意味で使われる。
組成物の「治療的有効量」は、組成物を投与しようとする個体に治療的または予防的効果を提供するのに十分な抽出物の含有量を意味し、よって、「予防的有効量」を含む意味である。本明細書で使われた用語、「個体」は、制限なく、ヒト、マウス、ラット、ギニーピッグ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、サル、チンパンジー、ヒヒまたはアカゲザルを含む。具体的には、本発明の個体は、ヒトである。
本発明のNF−κBの転写または活性抑制方法、そしてNF−κBの過活性−関連疾患の予防、改善または治療方法は、上述した融合蛋白質およびその用途を共通するため、前記融合蛋白質、NF−κBの転写または活性抑制およびNF−κBの過活性−関連疾患と共通する内容は、本発明の過度の複雑性を回避するためにその記載を省略する。
本発明の特徴および利点をまとめると、次の通りである:
(a)本発明は、NF−κBのサブユニットであるp65の転写調節ドメインと蛋白質運搬ドメインとを含む融合蛋白質およびその用途を提供する。
(b)本発明の融合蛋白質は、競合阻害によってNF−κBおよびIL−2の転写を抑制し、LPSによる炎症性サイトカインの分泌を抑制し、脾臓細胞におけるIL−2、IFN−γ、IL−4、IL−17AおよびIL−10の生成を抑制する効果があることから、NF−κBの過活性−関連疾患の予防または治療組成物として有用に利用可能である。
図1は、本発明の融合蛋白質の一実施形態であるp65転写調節ドメイン(p65−TMD)とHph−1(PTD)との組換え融合蛋白質(nt−p65−TMD)の構造を示す。DBD:DNA binding domain、IBD:IκB binding domain、NLS:nuclear localization sequence、TAD:transactivation domain。 図2は、本発明の融合蛋白質(nt−p65−TMD)のクマシーブルー染色の結果を示す。 図3は、本発明の融合蛋白質(nt−p65−TMD)のBV2とJurkat T細胞内伝達の結果を示す。 図4は、本発明の融合蛋白質(nt−p65−TMD)のBV2とHeLa細胞核内伝達の結果を示す。 図5は、本発明の融合蛋白質(nt−p65−TMD)のBV2と脾臓細胞における細胞毒性の結果を示す。 図6は、本発明の融合蛋白質(nt−p65−TMD)の競合的な転写抑制効果を示す。 図7は、LPSによって発現するTNF−α、IL−1βおよびIL−6に対する、本発明の融合蛋白質(nt−p65−TMD)の発現抑制効果を示す。 図8Aは、本発明の融合蛋白質(nt−p65−TMD)が抗CD3/CD28で刺激されたT細胞の活性化によるNF−κBの転写を特異的に抑制することを示す。図8Bは、本発明の融合蛋白質(nt−p65−TMD)が抗−CD3/CD28で刺激されたT細胞の活性化による信号伝達経路には影響を及ぼさない結果を示す。 図9は、本発明の融合蛋白質(nt−p65−TMD)が抗CD3/CD28で刺激されたT細胞の活性化によって発現するIL−2、IFN−γ、IL−4、IL−17AおよびIL−10の発現抑制結果を示す。 図10は、本発明の融合蛋白質(nt−p65−TMD)が敗血症性ショック動物モデルにおいて炎症性サイトカインTNF−α、IL−1βおよびIL−6の分泌を抑制することにより、生存率を増加させることを確認した結果を示す。
以下、実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の要旨により本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
[実施例1:p65の転写調節ドメインと蛋白質運搬ドメインとを含む組換え融合蛋白質の製造]
蛋白質運搬ドメイン(PTD)のHph−1(配列リスト第4配列)を、p65の転写調節ドメインのp65−TMD(配列リスト第2配列)とpET−28a(+)ベクター(Novagen)にクローニングして、組換え融合DNA(nt−p65−TMD)(配列リスト第6配列)を製作した。前記組換え融合DNAをBL21CodonPlus(DE3)−RIPL大腸菌菌株(Invitogen)に形質転換させた。前記形質転換菌株を培養した後、1mM IPTG(isopropyl−β−D−thiogalactopyranoside、Duchefa)を入れて、37℃で5時間蛋白質を発現するように誘導した。その後、細胞のみを集めて分解用緩衝液(10mM イミダゾール、50mM NaHPO、300mM NaClおよびpH8.0)に溶解させた後、粉砕機で細胞を分解させた。融合蛋白質は、蛋白質の前部分に人為的に結合させておいた6個のヒスチジン(Histidine)を用いてNi−NTAビーズ(Qiagen)と結合させた。カラム(HisTrap chromatography columns、Bio−Rad)に蛋白質を入れて洗浄用緩衝液(30mM イミダゾール、50mM NaHPO、300mM NaClおよびpH8.0)で十分に洗浄し、溶出用緩衝液(250mM イミダゾール、50mM NaHPO、300mM NaClおよびpH8.0)で蛋白質を分離した。PD−10Sephadex G−25(GE Healthcare)を用いて緩衝液を10%グリセロールPBSに切り替えながらイミダゾールとNaClを除去した。得られた蛋白質にはLPSのようなエンドトキシンが存在するので、これを除去するために、SPビーズ(SP SepharoseTM Fast Flow、GE Healthcare)によりもう一度精製をした。これを再び結合用緩衝液(50mM NaHPO、300mM NaCl、pH6.0)で結合させた後、これをカラムに入れて溶出用緩衝液(50mM NaHPO、2M NaCl、pH6.0)で蛋白質を分離した。最後に、PD−10Sephadex G−25によりNaClを除去し、緩衝液を10%グリセロールPBSに切り替えた後、最終的に得られた蛋白質(配列リスト第5配列、組換え融合蛋白質)は実験前まで80℃で保管した(図1および2参照)。
[実施例2:nt−p65−TMD組換え融合蛋白質の細胞内伝達の確認]
(2−1.ウェスタンブロットを利用した細胞内伝達の確認)
BV2ミクログリア細胞とジャーカット(Jurkat)T細胞を用いて、実施例1のnt−p65−TMDを濃度別(0、0.1、0.5、1、2および5μM)または時間別(0、1、2、4、6、12、24および48h)に組換え融合蛋白質と共に培養し、ウェスタンブロットで蛋白質伝達の有無を確認した。
その結果、濃度に比例してよく伝達されることを確認し、48時間後にも細胞培養液内で蛋白質が構造をよく維持しつつ持続的に伝達されることを確認した(図3参照)。
(2−2.抗体を用いて細胞の核まで伝達されるか否かの確認)
実施例1のnt−p65−TMD組換え融合蛋白質5μMを、1時間、BV2ミクログリア細胞およびHeLa細胞と共に培養をし、PBSで洗った後、0.2%Triton X−100(Sigma−Aldrich)を用いて細胞に隙間を設けた後、その間に蛍光標識抗体を前記組換え融合蛋白質に結合させた。次に、DAPI染色剤(Invitrogen)を用いて細胞の核を染色した後、蛍光顕微鏡により蛍光の位置を確認して、組換え融合蛋白質が伝達された位置を確認した。
その結果、融合蛋白質はPTDの性質によって細胞の核までよく伝達されたことを確認した(図4参照)。
[実施例3:nt−p65−TMD組換え融合蛋白質の細胞毒性の確認]
大腸菌菌株から発現して得た蛋白質からLPSが完全に除去されて細胞や動物で毒性を示さないことを確認するために、細胞毒性テストを行った。BV2ミクログリア細胞および脾臓細胞に多様な濃度の蛋白質を伝達した後に、生きている細胞に存在するジヒドロゲナーゼによって色を示す基質のWST−8を入れて共に培養した。
その結果、処理した融合蛋白質の濃度に関係なく、蛋白質を処理しない細胞と比較して全く毒性を示さないことを確認することができた(図5参照)。
[実施例4:nt−p65−TMD組換え融合蛋白質の転写因子の特異的抑制効果の確認]
(4−1.HEK293T細胞におけるNF−κBおよびIL−2の転写抑制効果の確認)
実施例1のnt−p65−TMD組換え融合蛋白質がNF−κBおよびIL−2サイトカイン遺伝子のプロモーターに野生型p65の代わりに結合して発現を抑制するかを直接的に確認するために、ルシフェラーゼレポーター遺伝子(luciferase reporter gene)を用いた。まず、HEK293T細胞に、下位にルシフェラーゼを有するNF−κBおよびIL−2プロモーターと野生型p65遺伝子を核内注入(transfection)した後、nt−p65−TMD組換え融合蛋白質で処理した。
その結果、組換え融合蛋白質で処理した場合に、ルシフェラーゼの発現が効果的に抑制されたことを確認することができた。これは、nt−p65−TMDが野生型p65の競合阻害剤として作用してNF−κBおよびIL−2プロモーターのp65の結合サイトを塞いだことを意味する(図6参照)。
(4−2.BV2ミクログリア細胞における炎症性サイトカインの分泌抑制効果の確認)
BV2ミクログリア細胞に、実施例1のnt−p65−TMD組換え融合蛋白質を処理した後、1時間後にLPS(1μg/ml、E.coli serotype O55:B5、Sigma−Aldrich)を処理して24時間培養した。
その結果、LPSによって活性化されて発現するTNF−α、IL−1βおよびIL−6がnt−p65−TMD組換え融合蛋白質によって発現が抑制されたことを確認することができた(図7参照)。
(4−3.ジャーカットT細胞におけるNF−κBの転写因子の特異的抑制効果の確認)
実施例1のnt−p65−TMD組換え融合蛋白質が抗CD3(1μg/ml、BD Pharmingen)および抗CD28(1μg/ml、BD Pharmingen)で刺激されたジャーカットT細胞の活性化によって活性化されたNF−κBの転写を特異的に抑制するか否かを確認した。T細胞が活性化されると、NF−κBのみならず、NFATの転写も活性化されるため、nt−p65−TMD融合蛋白質がNFATの転写には影響を及ぼさずにNF−κBだけを抑制する場合、nt−p65−TMD組換え融合蛋白質がNF−κBに特異的な競合阻害剤として作用することを確認することができる。したがって、これを確認するために、ルシフェラーゼレポーター遺伝子を用いた。まず、ジャーカットT細胞に、下位にルシフェラーゼを有するNF−κBおよびNFATレポーター遺伝子を、電気穿孔法(elctroporation)を利用して核内注入した後、抗CD3および抗CD28で刺激されたジャーカットT細胞をnt−p65−TMD組換え融合蛋白質で処理した。
その結果、組換え融合蛋白質を処理したNF−κBの場合に、ルシフェラーゼの発現が効果的に抑制されたが、NFATには影響を及ぼさないことを確認することができた(図8A参照)。
(4−4.細胞内信号伝達蛋白質のリン酸化)
実施例1のnt−p65−TMD組換え融合蛋白質が細胞内の多様な信号伝達体系に関連する蛋白質のチロシンリン酸化に関与するかを確認するために、ウェスタンブロットを利用した。ジャーカットT細胞にnt−p65−TMD 2μMを1時間処理した後、抗CD3(2.5μg/ml)および抗CD28(2.5μg/ml)で刺激を与えて、ZAP−70、p38、JNKおよびERKのチロシンリン酸化の有無を観察した。
その結果、nt−p65−TMDはこれらのリン酸化には影響を及ぼさないことを確認することができた(図8B参照)。
(4−5.脾臓細胞におけるサイトカインIL−2、IFN−γ、IL−4、IL−17AおよびIL−10の生成抑制)
6−8週齢の雌C57BL/6マウスの脾臓から脾臓細胞を分離し、実施例1のnt−p65−TMDを1時間処理して、組換え融合蛋白質を細胞内に伝達した。この細胞を抗CD3(1μg/ml)および抗CD28(1μg/ml)で刺激した後、72時間培養した。その後、培養液に存在するサイトカインの量を、ELISAを利用して測定した。
その結果、nt−p65−TMDを処理した場合、IL−2、IFN−γ、IL−4、IL−17AおよびIL−10の発現量が大きく抑制されることを確認することができた。また、T細胞活性化の指標になるCD69の発現量をFACS Calibur(BD Biosciences)を用いて確認した結果、nt−p65−TMDはT細胞におけるCD69の発現には影響を及ぼさないことを確認することができた(図9参照)。
[実施例5:敗血症ショック動物モデルにおけるnt−p65−TMDの治療効果の確認]
6−8週齢の雄BALB/cマウスにLPS(20mg/kg)を腹腔注入して、敗血症ショック動物モデルにした。その後、2時間、14時間経過時、それぞれ実施例1のnt−p65−TMD組換え融合蛋白質を腹腔内注入し、6日間観察した。
その結果、nt−p65−TMDを処理した場合、炎症性サイトカインであるTNF−α、IL−1βおよびIL−6の分泌を抑制して、それによる生存率が大きく増加したことを確認することができた(図10参照)。
[実施例6:組換え融合蛋白質の急性毒性実験]
大韓実験供給センターから供給された6週齢の特定病原体不在(specific pathogen−free、SPF)SD系ラットを用いて、急性毒性実験を下記のように行った:各グループあたり2匹ずつの動物に、本発明の実施例1の組換え融合蛋白質を1g/kgの用量で1回経口投与後、動物のへい死の有無、臨床症状および体重変化を観察し、血液学的検査と血液生化学的検査を実施し、解剖して、肉眼で腔臓器と胸腔臓器の異常の有無を観察した。
その結果、実験物質を投与したすべての動物で特異的な臨床症状やへい死した動物はおらず、体重変化、血液検査、血液生化学検査および解剖と所見などからも毒性変化は観察されなかった。したがって、本発明の実施例1の組換え融合蛋白質はラットでそれぞれ1g/kgまでも毒性を示しておらず、経口投与の最小致死量(LD50)が1g/kg以上である安全な物質と判断されることを確認することができた。
(参考文献)
Park et al., Intranuclear interactomic inhibition of NF-kB suppresses LPS-induced severe sepsis, Biochemical and Biophysical Research Communications, 2015;464:711-717.
以上、本発明の特定部分を詳細に述べたが、当業界における通常の知識を有する者にとってこのような具体的な記述は単に好ましい実施形態に過ぎず、これによって本発明の範囲が制限されない点は明らかである。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付した請求項とその等価物によって定義されるべきであろう。

Claims (17)

  1. NF−κBの転写調節ドメインおよび蛋白質運搬ドメインを含む融合蛋白質であって、前記融合蛋白質は、競合阻害によってNF−κBの転写を抑制する、融合蛋白質。
  2. 前記NF−κBは、RelA(p65)、c−Rel、Rel−B、NF−κB1(p50)およびNF−κB2(p52)から構成された群より選択されたNF−κBであることを特徴とする、請求項1に記載の融合蛋白質。
  3. 前記NF−κBは、RelA(p65)であることを特徴とする、請求項1に記載の融合蛋白質。
  4. 前記NF−κBの転写調節ドメインは、配列リスト第1配列のアミノ酸配列からなることを特徴とする、請求項1に記載の融合蛋白質。
  5. 前記NF−κBの転写調節ドメインは、配列リスト第3配列のヌクレオチド配列によってコードされることを特徴とする、請求項4に記載の融合蛋白質。
  6. 前記蛋白質運搬ドメインは、Hph−1、Sim−2、Tat、VP22、Antp(antennapedia)、Pep−1(peptide−1)、PTD−5(protein transduction domain−5)、7R、9R、11RおよびCTP(cytoplasmic transduction peptide)から構成された群より選択されたことを特徴とする、請求項1に記載の融合蛋白質。
  7. 前記蛋白質運搬ドメインは、Hph−1であることを特徴とする、請求項1に記載の融合蛋白質。
  8. 前記蛋白質運搬ドメインは、配列リスト第2配列のアミノ酸配列からなることを特徴とする、請求項1に記載の融合蛋白質。
  9. 前記蛋白質運搬ドメインは、配列リスト第4配列のヌクレオチド配列によってコードされることを特徴とする、請求項8に記載の融合蛋白質。
  10. 前記融合蛋白質は、配列リスト第5配列のアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項1に記載の融合蛋白質。
  11. 前記融合蛋白質は、配列リスト第6配列のヌクレオチド配列によってコードされることを特徴とする、請求項10に記載の融合蛋白質。
  12. 請求項1に記載の融合蛋白質を含む、NF−κBの転写または活性抑制剤。
  13. 請求項1に記載の融合蛋白質を有効成分として含む、NF−κBの過活性−関連疾患の予防または治療用薬剤学的組成物。
  14. 前記NF−κBの過活性−関連疾患は、炎症疾患または自己免疫疾患であることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
  15. 前記NF−κBの過活性−関連疾患は、敗血症性ショック、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、全身性紅斑性狼瘡、リウマチ関節炎、潰瘍性大腸炎、涙腺炎、アルツハイマー疾患、脳卒中、動脈硬化症、血管再狭窄、I型糖尿病、II型糖尿病、蕁麻疹、結膜炎、乾癬、全身性炎症反応症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、結節性多発関節炎、混合結合組織症、シェーグレン症候群、痛風、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、糖尿性網膜症、多発性硬化症、クローン病、慢性甲状腺炎、セリアック病、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、ウイルス疾患、細菌性疾患、放射線による障害、動脈硬化、血管腫、血管線維腫、再潅流障害および心臓肥大症から構成される群より選択される疾患であることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
  16. 請求項1に記載の融合蛋白質を有効成分として含む組成物を投与する段階を含む、NF−κBの転写または活性抑制方法。
  17. 請求項1に記載の融合蛋白質を有効成分として含む組成物を、これを必要とする個体に投与する段階を含む、NF−κBの過活性−関連疾患の予防、改善または治療方法。
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