JP2019506459A - アルファ−1−アドレナリン受容体アゴニスト療法 - Google Patents

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Abstract

本明細書には、とりわけ、心疾患を処置する新規方法が提示される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年2月26日出願の米国仮特許出願第62/300,549号、及び2017年1月26日出願の米国仮特許出願第62/450,996号の利益を主張し、その全体があらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
ASCIIテキストファイルとして提出された配列表、表またはコンピュータプログラム表付録の参照
2017年2月24日にマシン形式IBM−PC、MS Windowsオペレーティングシステムで作成された5,878バイトのファイル48536−556001WO_ST25.TXT内に記載された配列表は、参照によって本明細書に組み込まれる。
連邦政府資金による研究開発の下でなされた発明の権利に関する記載
本発明は、アメリカ国立衛生研究所によって拠出された助成金番号R01 HL031113、K08 HL085293、HL080074、TR000111及びHL096836の下で政府支援により行われたものである。政府は、本発明において一定の権利を有する。
心筋疾患を処置するための多くの薬物は、アンタゴニストまたは阻害剤、例えば、ベータ−アドレナリン遮断薬、またはアンジオテンシン変換酵素阻害剤、またはアルドステロンもしくはアンジオテンシン受容体遮断薬などである。これらのアンタゴニストを使用するための基本的な根拠は、細胞にとって有毒または有害な細胞経路を遮断することである。これらの薬物は、心不全などの状態に効果的な可能性があるが、それらの有効性は限定されている。現在のところ、細胞にとって有益または有用な細胞経路を活性化する方法を採る薬物で、一般的に使用されているものはない。アルファ−1−アドレナリン受容体は、心臓内の多数の適応プロセスを制御する。現在の臨床用途において、アルファ−1−アドレナリン受容体アゴニストは、平滑筋収縮を刺激する、例えば、低血圧または尿失禁を処置するように設計されていて、平滑筋収縮をもたらす量で使用される。そのような平滑筋収縮は、多くの心臓または脳関連疾患を有する患者にとって有益ではない場合がある。本発明は、当該技術分野におけるこれらの及びその他の問題に対して解決策を提供する。
第1の態様では、心筋症の処置または予防を必要とする対象の心筋症を処置または予防する方法が提供され、本方法は、治療有効量または予防有効量のアルファ−1A(α1A)アドレナリン受容体アゴニストのダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む。
別の態様では、心不全の処置または予防を必要とする対象の心不全を処置または予防する方法が提供され、本方法は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む。実施形態では、本方法は心収縮を改善(例えば、増加)させることを含む。
別の態様では、心収縮の改善を必要とする対象の心収縮を改善する方法が提供され、本方法は、治療有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む。
別の態様では、心毒性の処置または予防を必要とする対象の心毒性を処置または予防する方法が提供され、本方法は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む。
別の態様では、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する方法が提供される。本方法は、α1Aアドレナリン受容体を、有効量の本明細書に記載される化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)と接触させることを含む。
ダブザルグロンは、無傷の野生型マウスにおいて血圧に影響を及ぼさないか、または心筋肥大を引き起こさない。図1Aでは、血圧(BP)及び心拍数(HR)を、雄マウスにおいてCODA Volume Pressure Recordingテールカフシステム(Kent Scientific)を使用し、10日連続で非侵襲的に測定した。10日間の全ての値は、少なくとも20回のカフ膨張の平均を表す。最初の5日間はマウスを装置に馴化させ、その間は薬物を投与しなかった。6〜10日目に、マウスにダブザルグロン(100ng/kg〜100μg/kg)または水を強制投与によって1日2回施した。HR及び収縮期BPは、5日間のダブザルグロンを用いた処置による影響を受けない。図1Bでは、雄マウスを、ダブザルグロン10μg/kgを用いて強制投与によって1日2回、7日間処置した。心重量(HW、mg単位)を脛骨長(TL、mm単位)に連動させた。 ダブザルグロンは、無傷の野生型マウスにおいて血圧に影響を及ぼさないか、または心筋肥大を引き起こさない。図1Cでは、定量的RT−PCRを、犠牲時に急速凍結した心臓組織を使用して実施した。標的転写物(ANP=心房性ナトリウム利尿ペプチド、MHCβ=ミオシン重鎖ベータ、α−skAct=アルファ骨格アクチン)を、2つの標準的な転写物(Polr2a=DNA指向性RNAポリメラーゼII、サブユニットA、TBP=TATA結合タンパク質)と比較して定量化した。 ダブザルグロンは、α1A−ARを活性化することによってドキソルビシン心毒性からマウスを保護する。野生型(WT)マウス及びα1A−ARが欠如しているノックアウト(AKO)マウスにベースライン心エコー検査を受けさせ、次いで、DOX20mg/kgまたはビヒクル対照(VC、リン酸緩衝生理食塩水)のいずれかを単回i.p.注射によって施し、続いて7日間、ダブザルグロン10μg/kgまたは水のいずれかを用いて強制投与によって1日2回処置した。7日目に、マウスを犠牲死させる前に心エコー検査を受けさせた。図2Aは、短縮率、収縮機能の程度、さらに代表的なMモード心エコー図画像である。結果を、ANOVAによって処置条件間で比較した。 ダブザルグロンは、α1A−ARを活性化することによってドキソルビシン心毒性からマウスを保護する。野生型(WT)マウス及びα1A−ARが欠如しているノックアウト(AKO)マウスにベースライン心エコー検査を受けさせ、次いで、DOX20mg/kgまたはビヒクル対照(VC、リン酸緩衝生理食塩水)のいずれかを単回i.p.注射によって施し、続いて7日間、ダブザルグロン10μg/kgまたは水のいずれかを用いて強制投与によって1日2回処置した。7日目に、マウスを犠牲死させる前に心エコー検査を受けさせた。図2Bは、マッソントリクロームで染色したこれらのマウス(すなわち、野生型マウス)の一部の心臓断面図である。線維化(加重平均コラーゲン含有量)を、Aperio ImageScopeソフトウェアを使用して定量化した。結果を、ANOVAによって処置条件間で比較した。 ダブザルグロンは、ドキソルビシンで処置したマウスの心臓においてミトコンドリア転写物発現及び機能を増強する。雄マウスをドキソルビシン20mg/kgまたはビヒクル(リン酸緩衝生理食塩水、PBS)のいずれかで単回腹腔内注射によって処置し、続いて7日間、ダブザルグロン10μg/kgまたは水のいずれかを用いて強制投与によって1日2回処置した。心臓組織を7日目の犠牲死直後に収集した。図3Aでは、RNAseqを、処置群(PBS+水、PBS+ダブザルグロン、ドキソルビシン+水、ドキソルビシン+ダブザルグロン)ごとに3匹のマウスの心臓から単離したRNAを使用してIllumina HiSeq2000システム上で実施した。遺伝子セット分析を、これらの4つのカテゴリー間におけるオムニバス検定からのDESeq2誘導統計値で実施した。ミトコンドリアプロセスに関与する遺伝子セットで高度に濃縮された結果が得られたため、その選択物を本明細書に示す。図3Bでは、全て配列決定したシトクロムCオキシダーゼサブユニット(25遺伝子)、ミトコンドリア複合体Iサブユニット(42遺伝子)、及びATPシンターゼサブユニット(17遺伝子)のRNA存在量を群ごとに集計し、ビヒクル処置と比較した。 ダブザルグロンは、ドキソルビシンで処置したマウスの心臓においてミトコンドリア転写物発現及び機能を増強する。雄マウスをドキソルビシン20mg/kgまたはビヒクル(リン酸緩衝生理食塩水、PBS)のいずれかで単回腹腔内注射によって処置し、続いて7日間、ダブザルグロン10μg/kgまたは水のいずれかを用いて強制投与によって1日2回処置した。心臓組織を7日目の犠牲死直後に収集した。図3Cでは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマコアクチベーター1−アルファ(PGC1α)の定量的RT−PCRを、マウス心臓組織(個々のバーがn)で実施した。図3Dでは、ATP含有量を新たに採取したマウス心臓組織(個々のバーが総n)で測定し、次いで、タンパク質含有量と比較して定量化した。結果を、4つの独立した実験についてビヒクル処置と比較して提示する。図3Eでは、チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)をマウス心筋でアッセイした。 新生児ラット心室筋細胞では、ダブザルグロンは、α1A−ARの古典的下流シグナル伝達パートナーであるERKを活性化する。新生児ラット心室筋細胞(NRVM)を、β−ARアンタゴニストプロプラノロールで前処置し、次いで、非選択的α1−ARアゴニストノルエピネフリン(NE)を陽性対照として使用して、様々な濃度のダブザルグロンに15分間曝露した。反応を直ちに停止し、溶解物を総ERK及びホスホ−ERK(pERK)についてブロットした。図4Aは、代表的なウェスタンブロットである。図4Bでは、EC50を5つの別個の実験間で4つの濃度のダブザルグロンから算出した。図4Cは、5つの異なるNRVM単離物を使用した実験に関するpERK/ERKの概要である。各実験の平均pERK/ERK比を少なくとも2つの個々のウェルから誘導し、ビヒクル処置NRVMのpERK/ERK比を基準として正規化した。 新生児ラット心室筋細胞では、ダブザルグロンは、α1A−ARの古典的下流シグナル伝達パートナーであるERKを活性化する。新生児ラット心室筋細胞(NRVM)を、β−ARアンタゴニストプロプラノロールで前処置し、次いで、非選択的α1−ARアゴニストノルエピネフリン(NE)を陽性対照として使用して、様々な濃度のダブザルグロンに15分間曝露した。反応を直ちに停止し、溶解物を総ERK及びホスホ−ERK(pERK)についてブロットした。図4D及び図4Eでは、マウスをDOX、DOX及びダブザルグロン、トラメチニブ(Tram)、またはDOX、ダブザルグロン及びTrmで7日間処置した。心臓溶解物をpERK及びERKについてブロットした。結果を、Tukeyの事後検定を用いる一元配置ANOVAを使用して比較した。図4Fでは、Tram、DOX及びTram、またはDOX、Tram及びダブザルグロンで処置した7日後、意識のある状態でマウスに心エコー検査を受けさせた。 新生児ラット心室筋細胞では、ダブザルグロンは、ドキソルビシンに起因するアポトーシス及び壊死性細胞死から保護する。新生児ラット心室筋細胞(NRVM)を、ダブザルグロン10μMの存在下及び不存在下でドキソルビシン2μMを用いて4時間処置した。アポトーシスを、FITC標識アネキシンVを使用して検出し、細胞死を、ヨウ化プロピジウムを使用して検出し、核をHoechstで標識した。図5Aは、各処置条件についての代表的な落射蛍光顕微鏡法である。 新生児ラット心室筋細胞では、ダブザルグロンは、ドキソルビシンに起因するアポトーシス及び壊死性細胞死から保護する。新生児ラット心室筋細胞(NRVM)を、ダブザルグロン10μMの存在下及び不存在下でドキソルビシン2μMを用いて4時間処置した。アポトーシスを、FITC標識アネキシンVを使用して検出し、細胞死を、ヨウ化プロピジウムを使用して検出し、核をHoechstで標識した。図5Bでは、蛍光強度を、3回の独立した実験についてImage Jソフトウェアを使用し、各実験について条件ごとに少なくとも2つのウェルを使用して分析した。 新生児ラット心室筋細胞では、ダブザルグロンは、ドキソルビシンでの処置後にアポトーシスの活性化因子を調節し、ミトコンドリア膜電位を保護する。新生児ラット心室筋細胞(NRVM)を、ダブザルグロン10μMの存在下及び不存在下でドキソルビシン2μMを用いて4時間処置した。図6Aでは、ミトコンドリア膜電位を、JC−1を使用して評価し、蛍光強度を、プレートリーダーを使用して定量化した。赤色は無傷のミトコンドリア膜電位を示し、緑色は変化したミトコンドリア膜電位を示す(相対的)。 新生児ラット心室筋細胞では、ダブザルグロンは、ドキソルビシンでの処置後にアポトーシスの活性化因子を調節し、ミトコンドリア膜電位を保護する。新生児ラット心室筋細胞(NRVM)を、ダブザルグロン10μMの存在下及び不存在下でドキソルビシン2μMを用いて4時間処置した。図6Bは、代表的な画像を提示する。溶解物を、選択したアポトーシスの調節因子及びミトコンドリア細胞死エフェクターについてブロットした。各実験における条件ごとに少なくとも2つのウェルを用いた3回の独立した実験からの代表的なウェスタンブロットを示す。 新生児ラット心室筋細胞では、ダブザルグロンは、ドキソルビシンでの処置後にアポトーシスの活性化因子を調節し、ミトコンドリア膜電位を保護する。新生児ラット心室筋細胞(NRVM)を、ダブザルグロン10μMの存在下及び不存在下でドキソルビシン2μMを用いて4時間処置した。図6Cは、代表的な知見概要を提示する。溶解物を、選択したアポトーシスの調節因子及びミトコンドリア細胞死エフェクターについてブロットした。各実験における条件ごとに少なくとも2つのウェルを用いた3回の独立した実験からの代表的な知見概要を示す。 Ro−115(すなわち、ダブザルグロン)は、毒性刺激から新生児ラット心室筋細胞を保護する。心保護ERKの活性化と一致して、ダブザルグロンは、毒性傷害によって引き起こされる筋細胞死を防止する。ダブザルグロン(Ro−115)が、Hによる酸化ストレスによって引き起こされる筋細胞死を防止することを図7に示す。 Ro−115(すなわち、ダブザルグロン)は、横行大動脈縮窄(AOC)によって引き起こされる圧負荷心筋症からマウスの心臓をインビボで保護する。0日目にマウスにTAC手術を施し、4週間後に浸透圧ミニポンプを皮下に移植して、Ro−115(すなわち、ダブザルグロン)またはビヒクルを連続して送達した。2用量のRo−115(すなわち、ダブザルグロン)、すなわち20ug/kg/日または200ug/kg/日を投与した。心機能をTAC前、及び2週間ごとに心エコー検査を使用して測定した。55日目の試験終了時に、Ro−115(すなわち、ダブザルグロン)の両用量は、ビヒクルと比較して心機能(短縮率)の有意な改善をもたらしたため、このことは心筋症の救済処置であることを示す。
I.定義
本明細書で使用される略語は、化学及び生物学技術分野内におけるそれらの従来の意味を有する。本明細書に示される化学構造及び式は、化学技術分野において既知の化学原子価の標準規則に従って構築される。
「薬学的に許容される賦形剤」及び「薬学的に許容される担体」は、対象への活性剤の投与及び対象による吸収を助ける物質を指し、患者に対して甚大かつ有害な毒物学的作用を引き起こすことなく、本発明の組成物中に含まれ得る。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、通常の生理食塩水、乳酸リンゲル、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味料、香味料、食塩水(リンゲル液など)、アルコール、油、ゼラチン、炭水化物、例えば、ラクトース、アミロースまたはデンプンなど、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、及び着色料などが挙げられる。そのような調製物は滅菌され、所望される場合に、本発明の化合物、薬剤、または薬物と有害反応を示さない補助剤、例えば、滑沢剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色剤、及び/または芳香物質などと混合され得る。当業者は、その他の薬学的賦形剤が本発明において有用であることを理解することになる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載される化合物上で見られる特定の置換基に応じて、比較的毒性のない酸または塩基で調製される活性化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、そのような化合物の中性形態を、純粋なまたは好適な不活性溶媒のいずれかにおいて十分な量の所望の塩基と接触させることによって得られ得る。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウムの塩、または同様の塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、そのような化合物の中性形態を、純粋なまたは好適な不活性溶媒のいずれかにおいて十分な量の所望の酸と接触させることによって得られ得る。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸一水素、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などの無機酸から誘導される塩、加えて酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、メタンスルホン酸などの比較的毒性のない有機酸から誘導される塩が挙げられる。アルギニン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸またはガラクツロン酸などの有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al.,“Pharmaceutical Salts”,Journal of Pharmaceutical Science,1977,66,1−19を参照のこと)。ある特定の本発明の化合物は、化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれにも変換可能な塩基性官能基及び酸性官能基の両方を含有する。
本明細書で使用される場合、「塩」という用語は、本発明の方法で使用される化合物の酸性塩または塩基性塩を指す。許容される塩の実例は、鉱酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸など)の塩、有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸など)の塩、第四級アンモニウム(例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルなど)の塩である。
したがって、本発明の化合物は、薬学的に許容される酸などを用いて塩として存在してよい。本発明は、そのような塩を含む。そのような塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩(例えば、(+)−酒石酸塩、(−)−酒石酸塩、またはラセミ混合物を含むそれらの混合物)、コハク酸塩、安息香酸塩、及びグルタミン酸などのアミノ酸との塩が挙げられる。これらの塩は、当業者に既知の方法によって調製されてよい。
塩形態に加えて、本発明はプロドラッグ形態の化合物を提供する。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で化学変化して本発明の化合物を提供するそれらの化合物である。さらに、プロドラッグは、エクスビボ環境において化学的または生化学的方法によって本発明の化合物に変換され得る。例えば、プロドラッグは、好適な酵素または化学試薬を含む経皮パッチリザーバ内に配置された場合に本発明の化合物に変換され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物(本明細書においては「本発明の化合物」とも称される)のプロドラッグは、本明細書に記載される方法(実施形態を含む)で使用されてよい。
本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態に加えて水和形態を含む溶媒和形態で存在し得る。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含される。本発明の特定の化合物は、複数の結晶形または非晶形で存在してよい。本発明の特定の化合物は、多形形態で存在し得る。一般に、全ての物理的形態は、本発明が意図する用途について同等であり、本発明の範囲内であることを意図する。
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心もしくはキラル中心)または二重結合を有してよく、絶対立体化学の観点から、エナンチオマー、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異性体、幾何異性体、立体異性体は、(R)−もしくは(S)−と、またはアミノ酸については(D)−もしくは(L)−と定義されてよく、個々の異性体は本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物は、不安定すぎて合成及び/または単離できないと当該技術分野において知られている化合物を含まない。本発明は、別段の指定がない限り、ラセミ体及び光学的に純粋な形態の化合物を含むことを意味する。光学活性(R)−及び(S)−、または(D)−及び(L)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製されてよいか、または従来技術を使用して分離されてよい。本明細書に記載される化合物がオレフィン結合またはその他の幾何学的非対称中心を含有する場合、別段の指定がない限り、化合物はE及びZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。
本明細書で使用される場合、「異性体」という用語は、同じ数及び種類の原子を有し、それゆえ同じ分子量を有するが、原子の構造配置または立体配置に関して異なる化合物を指す。
「互変異性体」という用語は、本明細書で使用される場合、平衡状態で存在し、ある異性体から別の異性体へと容易に変換される2つ以上の構造異性体のうち1つを指す。
本発明の特定の化合物が互変異性型で存在してよいことは当業者に明らかとなり、化合物のそのような互変異性型は全て本発明の範囲内である。
別段の記載がない限り、本明細書に記載される化合物はまた、化合物の全ての立体化学形態、すなわち、各不斉中心についてのR及びS立体配置を含むことを意味する。したがって、本化合物の単一の立体化学異性体に加えてエナンチオマー及びジアステレオマーの混合物が、本発明の範囲内である。
別段の記載がない限り、本明細書に記載される化合物はまた、1個以上の同位体濃縮原子の存在のみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムにより水素が置き換えられているか、または13Cもしくは14C濃縮炭素により炭素が置き換えられている本明細書に記載される化合物が、本発明の範囲内である。
本発明の化合物はまた、そのような化合物を構成する原子のうち1個以上に不自然な比率の原子同位体を含有してよい。例えば、化合物は、放射性同位体、例えば、トリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)、または炭素−14(14C)などで放射性標識されてよい。本発明の化合物に関する全ての同位体変化物は、放射性であるか否かを問わず、本発明の範囲内に包含される。
本明細書全体を通して、代替物はマルクーシュ群で記載されることに留意すべきである。マルクーシュ群の各要素は別個に考慮されるべきであり、それによって別の実施形態を含むことが特に考慮される。
「a」または「an」という用語は、本明細書で使用される場合、1つ以上を意味する。さらに、「substituted with a[n](で置換された)」という語句は、本明細書で使用される場合、特定の基が指定の置換基のいずれかまたは全てのうち1つ以上で置換されてよいことを意味する。例えば、アルキル基またはヘテロアリール基などの基が、「非置換C〜C20アルキル、または非置換2〜20員ヘテロアルキルで置換されている」場合、その基は、1つ以上の非置換C〜C20アルキル、及び/または1つ以上の非置換2〜20員ヘテロアルキルを含有してよい。さらに、部分がR置換基で置換されている場合、その基は「R置換された」と称されてよい。部分がR置換されている場合、その部分は少なくとも1つのR置換基で置換されていて、各R置換基は場合により異なる。
本発明の化合物の記載は、当業者に既知の化学結合の原理によって限定される。したがって、基が多数の置換基のうち1つ以上によって置換されていてもよい場合、そのような置換は、化学結合の原理に従って、本質的に不安定ではない、かつ/または周囲条件、例えば、水性条件、中性条件、及びいくつかの既知の生理学的条件などの下で不安定となる可能性があると当業者に知られているであろう化合物をもたらすように選択される。
「モジュレーター」という用語は、標的分子のレベルもしくは標的分子の機能または標的細胞のレベルもしくは機能を増加または減少させる組成物を指す(例えば、標的はα1アドレナリン受容体(例えば、α1A−AR)であってよく、増加または減少する機能は、受容体活性化もしくは受容体からの下流シグナル伝達(例えば、ERKタンパク質、リン酸化ERK、もしくは経路)であってよい、または標的は心細胞であってよく、モジュレーターは、細胞のレベルもしくは数を増加もしくは減少させてよい、もしくは細胞の健康もしくは生存を調節してよい)。いくつかの実施形態では、モジュレーターは、疾患の1つ以上の症状(例えば、細胞機能の消失、細胞の消失)の重症度を低減させる化合物である。いくつかの実施形態では、モジュレーターは、心筋細胞または心筋細胞機能の低下を低減させる。
「調製」という用語は、活性剤(例えば、化合物、薬物)と担体としての材料との製剤化を含むことを意図し、これは剤形をもたらし、その中でその他の担体を含む、または含まない活性成分が担体と会合状態にある。同様に、カシェ剤及びロゼンジ剤が含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びロゼンジ剤は、経口投与に好適な固体剤形として使用され得る。
「処置すること」または「処置」という用語は、いかなる客観的または主観的パラメータ、例えば、緩和、寛解、症状を軽減すること、または傷害、病状もしくは状態を患者にとってより忍容できるものにすること、変性または減退の速度を遅くすること、変性の最終地点をより衰弱の少ないものにすること、患者の肉体的または精神的健康を改善することなどを含む、傷害、疾患、病状または状態の処置または改善における成功のいかなる徴候も指す。症状の処置または改善は、理学的検査、神経精神医学的検査、及び/または精神医学的評価の結果を含む、客観的または主観的パラメータに基づくものであり得る。例えば、本明細書に提示される特定の方法は、心筋症の処置に成功する。例えば、本明細書に提示される特定の方法は、心毒性の処置に成功する。例えば、本明細書に提示される特定の方法は、心筋症の発生率を減少させること、及び/または心筋症の発症を予防、停止、逆転、もしくは遅くすることによって心筋症の処置に成功する。例えば、本明細書に提示される特定の方法は、心毒性の発生率を減少させること、及び/または心毒性の発症を予防、停止、逆転、もしくは遅くすることによって心毒性の処置に成功する。「処置すること」という用語及びその語形変化は、傷害、病状、状態、または疾患(例えば、心筋症または心毒性)の予防を含む。「処置すること」という用語及びその語形変化は、傷害、病状、状態、または疾患(例えば、心筋症または心毒性)の症状低減を含む。実施形態では、処置することは予防することである。実施形態では、処置することに予防することは含まない。
「有効量」は、定められた目的を達成するのに十分な量である(例えば、投与の目的である効果を達成する、疾患を処置する、酵素活性を増加させる、疾患または状態の1つ以上の症状を低減させる)。「有効量」の一例は、疾患の1つ以上の症状の処置、予防、または低減に寄与するのに十分な量であり、これは「治療有効量」とも称され得る。完全な治療効果は、必ずしも1用量の投与によって生じるとは限らず、一連の用量投与後のみ生じる場合がある(例えば、治療有効量が、そのような一連の用量で投与される場合に治療効果を有する各個別用量の量である場合、または治療有効量が、各用量によって治療効果が達成される際の各個別用量の量である場合の分割用量)。したがって、治療有効量は、1回以上の投与で投与されてよい。1つ以上の症状の「低減」(及びこの語句の文法的等価物)は、症状(複数可)の重症度もしくは頻度の減少、または症状(複数可)の排除を意味する。薬剤(例えば、化合物、薬物、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)の「予防有効量」は、対象に投与される場合、目的の予防効果、例えば、傷害、疾患、病状もしくは状態の発症(もしくは再発)を予防もしくは遅延させるか、または傷害、疾患、病状、もしくは状態、もしくはそれらの症状の発症(もしくは再発)の可能性を低減させる効果を有することになる薬剤(例えば、化合物、薬物、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)の量である。完全な予防効果は、必ずしも1用量の投与によって生じるとは限らず、一連の用量投与後のみ生じる場合がある。したがって、予防有効量は、1回以上の投与で投与されてよい。「活性減少量」は、本明細書で使用される場合、薬剤(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)が存在しない場合と比較して、酵素の活性を減少させるのに必要な薬剤(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)の量を指す。「機能破壊量」は、本明細書で使用される場合、薬剤(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)が存在しない場合と比較して、酵素またはタンパク質の機能を破壊するのに必要な薬剤(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)の量を指す。「機能増加量」は、本明細書で使用される場合、薬剤(例えば、化合物、薬物、アゴニスト、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)が存在しない場合と比較して、酵素またはタンパク質の機能を増加させるのに必要な薬剤(例えば、化合物、薬物、アゴニスト、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)の量を指す。正確な量は処置の目的に応じることになり、既知の技術を使用して当業者によって確認できることになる(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3,1992)、Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999)、Pickar,Dosage Calculations(1999)、及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照のこと)。
「対照」または「対照実験」は、その明らかに通常の意味に従って使用され、実験のある手順、試薬、または変数の削除を除いて、実験の対象または試薬が、並行実験と同様に扱われる実験を指す。いくつかの場合には、対照は、実験効果の評価において比較の基準として使用される。実施形態では、対照は、α1アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)を投与されていない患者である。実施形態では、対照は、α1アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)を投与されていない生体試料である。実施形態では、対照は、α1アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)を投与されていない細胞である。実施形態では、対照は、ダブザルグロンを投与されていない細胞である。実施形態では、対照は、ダブザルグロンを投与されていない患者である。実施形態では、対照は、ダブザルグロンを投与されていない生体試料である。
「接触すること」は、その明らかに通常の意味に従って使用され、少なくとも2つの異なる種(例えば、薬剤(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、アゴニスト、もしくはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)、生体分子を含む化学化合物、または細胞)が、反応、相互作用または物理的接触をするのに十分に近位になることを可能にするプロセスを指す。しかしながら、得られた反応生成物は、添加試薬間の反応から直接、または反応混合物中で生成され得る、添加試薬のうち1種以上の中間体から生成され得ると理解されるべきである。
「接触すること」という用語は、2つの種が反応、相互作用、または物理的接触を可能にすることを含んでよく、2つの種とは、本明細書に記載されるような薬剤(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、アゴニスト、もしくはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)及び受容体(例えば、α1アドレナリン受容体、α1A−AR、α1B−AR、もしくはα1D−AR)、または本明細書に記載されるような薬剤(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、アゴニスト、もしくはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)及び心細胞もしくは心臓細胞であってよい。実施形態では、受容体はα1A−ARである。実施形態では、受容体はヒトα1A−ARである。
本明細書で定義される場合、「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」などの用語は、標的−薬剤(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト)またはタンパク質−阻害剤相互作用に関連して、阻害剤または薬剤(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト)の不存在下における標的またはタンパク質の活性または機能と比較して、標的またはタンパク質の活性または機能に負の影響を与えること(例えば、減少)を意味する。したがって、阻害は、部分的にまたは完全に刺激を遮断すること、活性化を減少、予防、もしくは遅延させること、またはシグナル伝達もしくは酵素活性を不活性化、脱感作、もしくは下方制御することを少なくとも部分的に含む。いくつかの実施形態では、「阻害剤」は、例えば、結合して部分的にまたは完全に、DNA複製、細胞生存能、または細胞生存に必要な刺激を遮断すること、活性化を減少、予防、もしくは遅延させること、またはシグナル伝達もしくは酵素活性を不活性化、脱感作、もしくは下方制御することによってDNA複製を阻害する化合物または細胞死を誘導する化合物であってよい。
本明細書で定義される場合、「活性化」、「活性化する」、「活性化すること」、「増加させる」、「増加させること」などの用語は、標的−薬剤(例えば、化合物、薬物、アゴニスト)またはタンパク質−アゴニスト相互作用に関連して、活性剤または薬剤(例えば、化合物、薬物、アゴニスト、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)の不存在下における標的またはタンパク質の活性または機能と比較して、標的またはタンパク質の活性または機能に正の影響を与えること(例えば、増加)を意味する。したがって、活性化は、部分的にまたは完全に刺激を増加させること、活性化を増加、可能に、もしくは促進すること、またはシグナル伝達もしくは酵素活性を活性化、高感度化、もしくは上方制御することを少なくとも部分的に含む。いくつかの実施形態では、「活性剤」は、例えば、結合して部分的にまたは完全に、DNA複製、細胞生存能、または細胞生存に必要な刺激を増加させること、活性化を増加、可能に、もしくは促進すること、またはシグナル伝達もしくは酵素活性を活性化、高感度化、もしくは上方制御することによってDNA複製を増加させる化合物または細胞死を低減させる化合物であってよい。実施形態では、活性剤はダブザルグロンである。実施形態では、活性剤は、ダブザルグロンまたはその類似体、誘導体、もしくはプロドラッグである。
「患者」または「処置または予防を必要とする対象」は、本明細書で提供されるような薬剤(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、アゴニスト、もしくはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)または医薬組成物の投与によって処置され得る状態に罹患している、または罹患しやすい生物を指す。非限定的な例としては、ヒト、その他の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、サル、雌ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ)及びその他の非哺乳動物が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者または処置もしくは予防を必要とする対象は、疾患または状態(例えば、心筋損傷、心筋症、心毒性、または心不全)を有するヒトである。
「疾患」または「状態」は、本明細書で提供される化合物または方法で処置されることができる患者または対象の存在状態または健康状態を指す。いくつかの実施形態では、疾患は、心筋損傷(例えば、心筋症、心毒性、心不全)に関連する(例えば、それによって引き起こされる)疾患である。いくつかの場合には、「疾患」または「状態」は、心筋症、心毒性、心不全、または心血管疾患を指す。いくつかの実施形態では、疾患は心筋損傷である。いくつかの実施形態では、疾患は心不全である。いくつかの実施形態では、疾患は心筋症である。いくつかの実施形態では、疾患は心毒性である。いくつかの実施形態では、疾患は、対象への抗がん剤投与と関連する心毒性である。いくつかの実施形態では、疾患は、対象へのアントラサイクリン投与と関連する心毒性である。いくつかの実施形態では、疾患は、対象へのドキソルビシン投与と関連する心毒性である。いくつかの実施形態では、疾患は肥大型心筋症である。いくつかの実施形態では、疾患は拘束型心筋症である。いくつかの実施形態では、疾患は拡張型心筋症である。いくつかの実施形態では、疾患は拡張型心筋症である。いくつかの実施形態では、疾患は拡張型うっ血性心筋症である。いくつかの実施形態では、疾患はうっ血性心筋症である。いくつかの実施形態では、疾患は、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋炎症、心筋梗塞、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、圧負荷誘導心肥大、または冠動脈インターベンションと関連する、またはそれによって引き起こされる心筋症である。いくつかの実施形態では、疾患は、心筋症と関連する、またはそれによって引き起こされる心不全である。いくつかの実施形態では、疾患は、心筋症と関連する、またはそれによって引き起こされる(例えば、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋炎症、心筋梗塞、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、圧負荷誘導心肥大、または冠動脈インターベンションと関連する、またはそれによって引き起こされる)心不全である。いくつかの実施形態では、疾患は、特発性心筋症と関連する、またはそれによって引き起こされる心不全である。いくつかの実施形態では、疾患は心血管疾患である。いくつかの実施形態では、疾患は、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋炎症、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、圧負荷誘導心肥大、または冠動脈インターベンションと関連する、またはそれによって引き起こされる心筋症である。いくつかの実施形態では、疾患は、心筋症と関連する、またはそれによって引き起こされる(例えば、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋炎症、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、圧負荷誘導心肥大、または冠動脈インターベンションと関連する、またはそれによって引き起こされる)心不全である。いくつかの実施形態では、疾患は、高血圧、心臓弁膜症、心筋炎症、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、圧負荷誘導心肥大、または冠動脈インターベンションと関連する、またはそれによって引き起こされる心筋症である。いくつかの実施形態では、疾患は、心筋症と関連する、またはそれによって引き起こされる(例えば、高血圧、心臓弁膜症、心筋炎症、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、圧負荷誘導心肥大、または冠動脈インターベンションと関連する、またはそれによって引き起こされる)心不全である。実施形態では、疾患は、心筋梗塞と関連する、またはそれによって引き起こされる心筋症ではない。いくつかの実施形態では、疾患は、心筋梗塞と関連する、またはそれによって引き起こされる心筋症と関連する、またはそれによって引き起こされる心不全ではない。実施形態では、疾患は、心筋虚血と関連する、またはそれによって引き起こされる心筋症ではない。いくつかの実施形態では、疾患は、心筋虚血と関連する、またはそれによって引き起こされる心筋症と関連する、またはそれによって引き起こされる心不全ではない。
本明細書で使用される場合、「心血管疾患」という用語は、心臓及び血管を含む、循環系に影響を及ぼす疾患または状態を指す。実施形態では、心血管疾患は、アテローム性動脈硬化症によって引き起こされる、または悪化する疾患を含む。本明細書で提供される化合物または方法を用いて処置されてよい例示的な心血管疾患としては、心筋損傷、アルコール性心筋症、心筋症、心毒性、アントラサイクリン投与と関連する心筋症、アントラサイクリン投与と関連する心毒性、ドキソルビシン投与と関連する心毒性、ドキソルビシン投与と関連する心筋症、抗がん剤投与と関連する心筋症、抗がん剤投与と関連する心毒性、冠動脈疾患、先天性心疾患、不整脈原性右室心筋症、拘束型心筋症、緻密化障害心筋症、糖尿病、高血圧、高ホモシステイン血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、心不全、肺性心、高血圧性心疾患、左心室肥大、冠動脈心疾患、(うっ血性)心不全、高血圧性心筋症、心不整脈、炎症性心疾患、心内膜炎、炎症性心肥大、心筋炎、弁膜性心疾患、発作、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋炎症、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術と関連する心筋症、冠動脈インターベンションまたは心筋梗塞と関連する心筋症、心臓タンパク質の遺伝子変化によって引き起こされる心筋症、1種以上の心臓タンパク質の遺伝子変異と関連する心筋症、1種以上の心臓タンパク質の異常発現または機能と関連する心筋症が挙げられる。
本明細書で提供される化合物または方法を用いて処置されてよい例示的な心血管疾患としては、心筋損傷、アルコール性心筋症、心筋症、心毒性、アントラサイクリン投与と関連する心筋症、アントラサイクリン投与と関連する心毒性、ドキソルビシン投与と関連する心毒性、ドキソルビシン投与と関連する心筋症、抗がん剤投与と関連する心筋症、抗がん剤投与と関連する心毒性、冠動脈疾患、先天性心疾患、不整脈原性右室心筋症、拘束型心筋症、緻密化障害心筋症、糖尿病、高血圧、高ホモシステイン血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、心不全、肺性心、高血圧性心疾患、左心室肥大、冠動脈心疾患、(うっ血性)心不全、高血圧性心筋症、心不整脈、炎症性心疾患、心内膜炎、炎症性心肥大、心筋炎、弁膜性心疾患、発作、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋炎症、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術と関連する心筋症、冠動脈インターベンションまたは心筋梗塞と関連する心筋症、心臓タンパク質の遺伝子変化によって引き起こされる心筋症、1種以上の心臓タンパク質の遺伝子変異と関連する心筋症、1種以上の心臓タンパク質の異常発現または機能と関連する心筋症が挙げられる。
本明細書で提供される化合物または方法を用いて処置されてよい例示的な心血管疾患としては、心筋損傷、アルコール性心筋症、冠動脈疾患、先天性心疾患、不整脈原性右室心筋症、拘束型心筋症、緻密化障害心筋症、糖尿病、高血圧、高ホモシステイン血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、心不全、肺性心、高血圧性心疾患、左心室肥大、冠動脈心疾患、(うっ血性)心不全、高血圧性心筋症、心不整脈、炎症性心疾患、心内膜炎、炎症性心肥大、心筋炎、弁膜性心疾患、発作、高血圧、心臓弁膜症、心筋炎症、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術と関連する心筋症、冠動脈インターベンションと関連する心筋症、心臓タンパク質の遺伝子変化によって引き起こされる心筋症、1種以上の心臓タンパク質の遺伝子変異と関連する心筋症、1種以上の心臓タンパク質の異常発現または機能と関連する心筋症が挙げられる。いくつかの実施形態では、心血管疾患を処置することは、心血管疾患によって引き起こされる状態または症状を処置することを含む。そのような処置の非限定的な例は、心筋梗塞が生じた後、心筋梗塞に起因する合併症を処置することである。いくつかの実施形態では、心血管疾患は心筋症である。いくつかの実施形態では、心筋症は、別の疾患(例えば、心血管疾患)によって引き起こされ、心筋症の処置は、心筋症の原因疾患(例えば、心血管疾患)を処置することを含む。いくつかの実施形態では、心筋症は拡張型心筋症である。いくつかの実施形態では、心筋症は肥大型心筋症である。いくつかの実施形態では、心筋症は、肥大型、拘束型、または拡張型である。実施形態では、心血管疾患は心筋梗塞を含まない。実施形態では、心血管疾患を処置することは、心筋梗塞と関連する、またはそれによって引き起こされる(例えば、心筋梗塞が生じた後の)状態または症状を処置することを含まない。実施形態では、心血管疾患は心筋虚血を含まない。実施形態では、心血管疾患を処置することは、心筋虚血と関連する、またはそれによって引き起こされる(例えば、心筋虚血が生じた後の)状態または症状を処置することを含まない。実施形態では、心血管疾患は虚血性心疾患を含まない。実施形態では、心血管疾患は心筋症である。実施形態では、心血管疾患は心毒性である。実施形態では、心血管疾患は、アントラサイクリン投与と関連する心筋症である。実施形態では、心血管疾患は、アントラサイクリン投与と関連する心毒性である。実施形態では、心血管疾患は、ドキソルビシン投与と関連する心毒性である。実施形態では、心血管疾患は、ドキソルビシン投与と関連する心筋症である。実施形態では、心血管疾患は、抗がん剤投与と関連する心筋症である。実施形態では、心血管疾患は、抗がん剤投与と関連する心毒性である。
本明細書で使用される場合、「心筋症」という用語は、心臓に影響を及ぼす疾患または状態を指し、心筋(例えば、心筋の細胞)が損傷するか、または心筋(例えば、心筋の細胞)の機能が障害される(例えば、健康で十分に機能する心臓、心筋、もしくは心筋細胞と比較して)。本明細書で提供される化合物または方法を用いて処置されてよい例示的な心筋症としては、心筋損傷、アルコール性心筋症、不整脈原性右室心筋症、拘束型心筋症、緻密化障害心筋症、心不全、(うっ血性)心不全、高血圧性心筋症、心臓手術と関連する心筋症、冠動脈インターベンションまたは心筋梗塞と関連する心筋症、心臓タンパク質の遺伝子変化によって引き起こされる心筋症、1種以上の心臓タンパク質の遺伝子変異と関連する心筋症、1種以上の心臓タンパク質の異常発現または機能と関連する心筋症、及びアントラサイクリン(例えば、ドキソサイクリン)処置と関連する心筋症が挙げられる。いくつかの実施形態では、心筋症を処置することは、心筋症によって引き起こされる状態または症状を処置することを含む。いくつかの実施形態では、心筋症は、別の疾患(例えば、心血管疾患)によって引き起こされ、心筋症の処置は、心筋症の原因疾患(例えば、心血管疾患)を処置することを含む。いくつかの実施形態では、心筋症は拡張型心筋症である。いくつかの実施形態では、心筋症は肥大型心筋症である。いくつかの実施形態では、心筋症は、肥大型、拘束型、または拡張型である。
本明細書で使用される場合、「心毒性」という用語は、心臓に影響を及ぼす疾患または状態を指し、毒性剤(例えば、外因性毒性剤、アントラサイクリン、ドキソルビシン、対象に投与される、全身に投与される、心臓に投与される、局所的に投与される、別の疾患(例えば、がん)を処置するために対象に投与される薬剤)によって、心筋(例えば、心筋の細胞)が損傷するか、または心筋(例えば、心筋の細胞)の機能が障害される(例えば、健康で十分に機能する心臓、心筋、もしくは心筋細胞と比較して)。実施形態では、心毒性としては、心筋症、心筋損傷、アルコール性心筋症、不整脈原性右室心筋症、拘束型心筋症、緻密化障害心筋症、心不全、(うっ血性)心不全、高血圧性心筋症、心臓手術と関連する心筋症、冠動脈インターベンションまたは心筋梗塞と関連する心筋症、心臓タンパク質の遺伝子変化によって引き起こされる心筋症、1種以上の心臓タンパク質の遺伝子変異と関連する心筋症、アントラサイクリン(例えば、ドキソサイクリン)処置と関連する心毒性、及びアントラサイクリン(例えば、ドキソサイクリン)処置と関連する心筋症、心臓、心臓組織、心筋、または心臓細胞に対して毒性のある薬剤の投与と関連する全てが挙げられる。いくつかの実施形態では、心毒性を処置することは、心毒性によって引き起こされる状態または症状を処置することを含む。実施形態では、心毒性は心房性不整脈を含む。実施形態では、心毒性は心室性不整脈を含む。実施形態では、心毒性は伝導系異常を含む。実施形態では、心毒性は、QT間隔の延長を含む。
本明細書で使用される場合、「疾患関連細胞」という用語は、疾患または状態と関連する細胞を意味し、これらとしては、疾患を開始する細胞、疾患を伝播する細胞、疾患を引き起こす細胞、疾患の1つ以上の症状を引き起こす細胞、疾患の顕著な特徴である細胞、疾患の症状を引き起こす特定のタンパク質またはmRNA分子を含有する細胞が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、疾患は、心毒性または心筋症であり、疾患関連細胞としては、心筋細胞(heart muscle cell)、心筋細胞(cardiac muscle cell)、または心筋細胞(cardiomyocyte)が挙げられる。
「発現」という用語は、検出可能なレベルで転写または翻訳される遺伝子を指す。本明細書で使用される場合、発現は「過剰発現」も包含し、これは正常細胞と比較して、通常は疾患関連細胞において検出可能なほど高レベルで転写または翻訳される遺伝子を指す。発現は、タンパク質を検出するための従来技術(例えば、ELISA、ウェスタンブロッティング、フローサイトメトリー、免疫蛍光法、免疫組織化学など)またはmRNAを検出するための従来技術(例えば、RT−PCR、PCR、ハイブリダイゼーションなど)を使用して検出され得る。
本明細書で使用される場合、「マーカー」という用語は、任意の生化学的マーカー、血清学的マーカー、遺伝子マーカー、または疾患(例えば、心筋症、心血管疾患)の予後を診断もしくは提供するために使用され得る、その他の臨床的特徴もしくは超音波検査による特徴を指す。
「試料」という用語は、生検及び剖検試料などの組織切片、ならびに組織学的目的で採取した凍結切片を含む。そのような試料としては、血液及び血液画分または産物(例えば、血清、血漿、血小板、赤血球など)、痰、組織、培養細胞(例えば、初代培養、外植片、及び形質転換細胞)、大便、尿、その他の生体液(例えば、前立腺液、胃液、腸液、腎液、肺液、脳脊髄液など)などが挙げられる。試料は、典型的には「対象」、例えば、真核生物、最も好ましくは哺乳動物、例えば、霊長類、例えば、チンパンジーまたはヒト、雌ウシ、イヌ、ネコ、げっ歯類、例えば、モルモット、ラット、マウス、ウサギなど、または鳥類、爬虫類、もしくは魚類などから得られる。いくつかの実施形態では、試料はヒトから得られる。
「生検」は、診断または予後評価のために組織試料を摘出するプロセス、及び組織検体それ自体を指す。当該技術分野において既知の任意の生検技術が、本発明の診断及び予後予測方法に適用され得る(例えば、筋生検または心生検)。適用される生検技術は、その他の要因の中でも、評価される組織タイプ(例えば、心臓、筋肉など)に応じることになる。代表的な生検技術としては、切除生検、切開生検、針生検、及び外科的生検が挙げられるが、これらに限定されない。内視鏡検査またはX線透視検査によって行われる診断または予後予測は、「コア針生検」、または一般に細胞の懸濁液を得る「穿刺吸引生検」を必要とし得る。生検技術は、例えば、Harrison’s Principles of Internal Medicine,Kasper,et al.,eds.,16th ed.,2005,Chapter 70、及びPart Vの全体で述べられている。
本明細書で使用される場合、「投与すること」という用語は、対象への経口投与、非経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、髄腔内、鼻腔内もしくは皮下投与、または徐放デバイス、例えば、ミニ浸透圧ポンプの移植を意味する。投与は任意の経路によるものであり、例えば、非経口及び経粘膜(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯肉、経鼻、膣内、直腸内、または経皮)を含む。非経口投与としては、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、皮下、腹腔内、心室内、及び頭蓋内が挙げられる。その他の送達方法としては、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が挙げられるが、これらに限定されない。「共投与する」とは、本明細書に記載される組成物が、1つ以上の追加療法、例えば、心筋症もしくは心毒性の処置に有用な追加の薬剤(例えば、化合物、薬物、阻害剤、アンタゴニスト、アゴニスト)または心筋症関連疾患もしくは心毒性関連疾患に関する1つ以上のその他の症状の処置に有用な薬剤の投与と同時に、その直前に、またはその直後に投与されることを意味する。本発明の薬剤(例えば、化合物、薬物、アゴニスト、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、患者に単独で投与され得るか、または共投与され得る。共投与は、別個のまたは組み合わせた薬剤(例えば、化合物、薬物、アゴニスト、またはダブザルグロン、もしくはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)(2種以上の薬剤(例えば、化合物、薬物、アゴニスト))の同時投与または順次投与を含むことを意味する。したがって、調製物はまた、所望される場合に、その他の活性物質と組み合わされ得る(例えば、代謝分解を低減させるために)。本発明の組成物は、アプリケータースティック、溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、ペースト剤、ゼリー剤、塗布剤、散剤、及びエアロゾル剤として製剤化されて、経皮的に、局所経路によって送達され得る。
「類似体」は、化学及び生物学内のその明らかに通常の意味に従って使用され、別の化合物(すなわち、いわゆる「参照」化合物)に構造的に類似しているが、組成、例えば、異なる元素の原子によるある原子の置き換え、または特定の官能基の存在、または別の官能基によるある官能基の置き換え、または参照化合物の異性体を含む、参照化合物の1つ以上のキラル中心に関する絶対立体化学が異なる化学化合物を指す。したがって、類似体は、参照化合物と機能及び外観が類似または同等であるが、構造または起源が異なる化合物である。いくつかの実施形態では、参照化合物はダブザルグロンである。実施形態では、ダブザルグロン類似体は、ダブザルグロンと類似しているが、構造が同一ではない化合物であり、心筋症もしくは心毒性または心筋症の症状もしくは心毒性の症状に対して類似の(例えば、同一の)機能を有する。
「ダブザルグロン」という用語は、N−[6−クロロ−3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメトキシ)−2−メチルフェニル]メタンスルホンアミド、または任意のその塩形態(例えば、N−[6−クロロ−3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメトキシ)−2−メチルフェニル]メタンスルホンアミド臭化水素酸塩)、または任意のその異性体を指す。ダブザルグロンはまた、非選択的α1ARアゴニストのフェニレフリンよりも強力かつより選択的なα1A ARアゴニストであることが示されている。ダブザルグロンはまた、非選択的α1ARアゴニストのフェニレフリン、メトキサミン、及びミドドリンよりも強力かつより選択的なα1A ARアゴニストであることが示されている。実施形態では、ダブザルグロンは、N−[6−クロロ−3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメトキシ)−2−メチルフェニル]メタンスルホンアミドである。ダブザルグロンは、アルファ−1A−アドレナリン受容体における部分アゴニストである。実施形態では、ダブザルグロンは、N−[6−クロロ−3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメトキシ)−2−メチルフェニル]メタンスルホンアミドの塩形態である。実施形態では、ダブザルグロンは、N−[6−クロロ−3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメトキシ)−2−メチルフェニル]メタンスルホンアミド臭化水素酸塩である。
「血圧」は、心臓が収縮する時(収縮期圧)の及び心臓が安静な時(拡張期圧)の動脈の壁に対する血液の圧力である。いくつかの実施形態では、高血圧の血圧は、約140mmHg以上の収縮期圧及び/または約90mmHg以上の拡張期圧と見なされてよい。いくつかの実施形態では、高血圧の血圧は、140mmHg以上の収縮期圧及び/または90mmHg以上の拡張期圧と見なされてよい。「望ましくない血圧」または「不健康な血圧」または「高血圧」は互換性のある用語であり、正常の血圧レベルを超える、または健康な血圧レベルを超える血圧レベル(例えば、高血圧の血圧)を指す。いくつかの実施形態では、高血圧は、当業者(例えば、医者、心臓専門医、内科医、医師)によって決定される/決定され得る。いくつかの実施形態では、高血圧は、高血圧の血圧である。いくつかの実施形態では、高血圧は、140/90mmHg以上である。いくつかの実施形態では、高血圧または望ましくない血圧または不健康な血圧は、アメリカ心臓協会によって推奨される望ましい血圧範囲よりも高い血圧である。いくつかの実施形態では、高血圧または望ましくない血圧または不健康な血圧は、アメリカ心臓協会によって高血圧性または前高血圧性として分類される血圧である。
いくつかの態様では、「関連」または「と関連する」という用語は、医学的事象、生物学的化合物または第2疾患に関連する第1疾患(例えば、タンパク質関連疾患、別の疾患と関連する心筋症)について記載するために本明細書で使用される。そのような医学的事象、生物学的化合物または第2疾患に関連する第1疾患について記載するために使用される場合、「関連」または「と関連する」という用語は、第1疾患(例えば、心筋症)が、医学的事象、生物学的化合物または第2疾患(例えば、心毒性)に起因する、それと相関する、それによって引き起こされる、またはそれの症状であることを意味する。例えば、高血圧と関連する心筋症は、高血圧に(完全にもしくは部分的に)起因する心筋症または疾患の特定の症状が高血圧によって(完全にもしくは部分的に)引き起こされる心筋症であってよい。例えば、抗がん剤投与(例えば、アントラサイクリン)と関連する心筋症は、抗がん剤投与(例えば、アントラサイクリン)に(完全にもしくは部分的に)起因する心筋症または疾患の特定の症状が抗がん剤投与(例えば、アントラサイクリン)によって(完全にもしくは部分的に)引き起こされる心筋症であってよい。例えば、抗がん剤投与(例えば、アントラサイクリン)と関連する心毒性は、抗がん剤投与(例えば、アントラサイクリン)に(完全にもしくは部分的に)起因する心毒性または疾患の特定の症状が抗がん剤投与(例えば、アントラサイクリン)によって(完全にもしくは部分的に)引き起こされる心毒性であってよい。例えば、心損傷(心筋損傷)と関連する心不全は、心損傷(例えば、心筋損傷)に(完全にまたは部分的に)起因する心不全であってよく、疾患の特定の症状が心損傷(例えば、心筋損傷)によって(完全にまたは部分的に)引き起こされる。例えば、心筋症と関連する心不全は、心筋症に(完全にまたは部分的に)起因する心不全であってよく、疾患の特定の症状が心筋症によって(完全にまたは部分的に)引き起こされる。例えば、心毒性と関連する心不全は、心毒性に(完全にまたは部分的に)起因する心不全であってよく、疾患の特定の症状が心毒性によって(完全にまたは部分的に)引き起こされる。本明細書で使用される場合、疾患と関連すると記載されているものが、原因物質である場合は、疾患の処置に関する標的であり得る。例えば、心筋症と関連する心不全または心筋症関連心不全は、心筋症が心不全を引き起こす場合にダブザルグロンで処置されてよい。例えば、高血圧と関連する心筋症は、高血圧を有する対象が、高血圧を有しない対象と比較した場合に発症するリスクが高い心筋症であってよい。いくつかの実施形態では、第1疾患が医学的事象、生物学的化合物または第2疾患「関連」である、またはそれら「と関連する」場合、第1疾患(またはその症状)は、医学的事象、生物学的化合物または第2疾患によって引き起こされる。
「異常な」という用語は、本明細書で使用される場合、正常とは異なることを指す。酵素活性について記載するために使用される場合、異常なは、正常対照または正常な非疾患対照試料の平均を超える、またはそれ未満の活性を指す。異常な活性は疾患をもたらす活性の量を指してよく、異常な活性を正常量または非疾患関連量に戻すことによって(例えば、本明細書に記載されるような化合物を投与すること、または方法を使用することによって)、疾患または1つ以上の疾患症状の低減がもたらされる。
心筋症は心筋の疾患であり、これは心臓細胞機能不全または心筋機能不全を特徴としてよい。心疾患のこの形態は、多くの場合に一般的な症状及び血流パターンの両方に特徴があり、診断が可能となる。診断技術の改善と共に、この疾患の認識を増加させることによって、心筋症が心不全の主な原因であり、これは高い罹患率及び死亡率を有することが示された。心筋症は、心室筋の様々な構造異常または機能異常に起因し得る。心筋症には3つの臨床的分類が存在する:肥大型、拘束型、及び拡張型うっ血性。拡張型心筋症は、虚血性または非虚血性(例えば、毒性、遺伝性、特発性など)として分類される、収縮期機能不全障害及び心室拡張が生じる場合の心筋機能の障害である。拘束型心筋症は、例えば、アミロイドまたはあるその他の異物による浸潤によって引き起こされる、心腔を適切に満たすことができないように硬くなった心室壁の結果として生じる稀な形態である。肥大型心筋症は心室肥大を特徴とし、先天性または後天性であって、高血圧によって通常引き起こされる場合がある。疾患の3つ全ての種類に関する予後は最善でも経過観察であり、多くの場合に不良である。心筋症の現在の処置は、ベータ遮断薬、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、抗凝固剤の使用、及び心臓移植を含む。心筋症がひどく進行すると、それはうっ血性心不全を引き起こし、労作時あるいは安静時の息切れ、脚、足首及び足の腫脹、体液による腹部の膨満(膨張)、疲労、不整脈、ならびにめまい、ふらつき及び失神を含む、生理学的症状を伴う。
α1アドレナリン受容体(α1−AR)は、交感神経系応答の重要なメディエーターであり、それらは特に心血管恒常性、例えば、細動脈平滑筋収縮及び心収縮などに関与する。加えて、α1−ARは、より最近では心肥大、心保護、及び虚血プレコンディショニングに関与している。α1−ARは、カテコールアミン、ノルエピネフリン及びエピネフリンによって活性化される。
α1アドレナリン受容体は、Gタンパク質結合受容体のスーパーファミリーメンバーであり、細胞成長及び機能の調節に関する効果を媒介する(Shibata et al.2003,J.Bio.Chem.278:672−678)。α1−ARは、3つのサブタイプ:α1A−、α1B−、及びα1D−ARからなる(Graham et al.,1996.Circ.Res.78:737−749)。3つの異なるα1−ARサブタイプは、異なる組織及び様々な細胞型で発現される。結果として、個々の組織におけるα1−ARの各々によって媒介される生理作用に関する研究は、複数のα1−ARサブタイプの共存によって複雑になる(Minneman et al.1994,Mol.Pharmacal.46:929−936、Minneman and Esbenshade,1994.Annu.Rev.Pharmacal.Toxicol.,34:117−133、Weinberg et.al,1994、Biochem.Bio−phys Res.Commun.201:1296−1304、Esbenshade et al.1995、Mol.Pharmacal.47:977−985、Shibata et al.1995、Mol.Pharmacal.48:250−258)。アルファ−1−アドレナリン受容体アゴニストは、心疾患及び脳疾患の処置及び予防に有用であると本明細書で示される。さらに、アルファ−1−アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、機能レベル、例えば、心収縮、ならびに栄養/保護レベル、例えば、細胞死の予防及び傷害の修復の両方において有益なプロセスを増加させることが注目すべき点である。いくつかの実施形態では、本発明は、平滑筋収縮に対して効果を有する用量未満の用量でのアルファ−1−アドレナリンアゴニストの使用を含む。
「マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ」及び「MAPK」ならびに「細胞外シグナル調節キナーゼ」及び「ERK」という用語は、MAPキナーゼシグナル伝達経路においてキナーゼ活性を有するタンパク質(ホモログ、アイソフォーム、及びその機能的断片を含む)を指す。本用語は、MAPキナーゼ活性を(例えば、野生型MAPキナーゼと比較して、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の活性内に)維持するMAPKのあらゆる組換えもしくは天然に存在する形態またはそのバリアントを含む。実施形態では、MAPK遺伝子によってコードされるMAPキナーゼタンパク質は、MAPK1またはERK2のEntrez 5594、UniProt P28482、またはRefSeq(タンパク質)NP_002736に示されている、またはそれらに対応するアミノ酸配列を有する。実施形態では、MAPキナーゼ遺伝子は、RefSeq(mRNA)NM_002745(MAPK1またはERK2)に示されている核酸配列を有する。実施形態では、アミノ酸配列または核酸配列は、本出願の出願時に知られている配列である。実施形態では、配列は、NP_002736.3(MAPK1またはERK2)に対応する。実施形態では、配列は、NM_002745.4(MAPK1またはERK2)に対応する。実施形態では、MAPキナーゼは、ヒトMAPキナーゼ、例えば、ヒト発がん性MAPキナーゼなどである。実施形態では、MAPK遺伝子によってコードされるMAPキナーゼタンパク質は、MAPK3またはERK1のEntrez 5595、UniProt P27361、またはRefSeq(タンパク質)NP_002737に示されている、またはそれらに対応するアミノ酸配列を有する。実施形態では、MAPキナーゼ遺伝子は、RefSeq(mRNA)NM_002746(MAPK3またはERK1)に示されている核酸配列を有する。実施形態では、アミノ酸配列または核酸配列は、本出願の出願時に知られている配列である。実施形態では、配列は、NP_002737.2(MAPK3またはERK1)に対応する。実施形態では、配列は、NM_002746.2(MAPK3またはERK1)に対応する。実施形態では、MAPキナーゼは、ヒトMAPキナーゼ、例えば、ヒト発がん性MAPキナーゼなどである。実施形態では、「ERK」はERK2を指す。実施形態では、「ERK」はERK1を指す。実施形態では、「ERK」はERK1/2の両方を指す。
「アルファ−1Aアドレナリン受容体」及び「α1A」及び「α1A−AR」及び「ADRA1A」という用語は、アルファ−1Aアドレナリン受容体シグナル伝達経路において活性を有するタンパク質(ホモログ、アイソフォーム、及びその機能的断片を含む)を指す。本用語は、α1A−AR活性を(例えば、野生型α1A−ARと比較して、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の活性内に)維持するα1A−ARのあらゆる組換えもしくは天然に存在する形態またはそのバリアントを含む。実施形態では、α1A−AR遺伝子によってコードされるα1A−ARタンパク質は、Entrez 148、UniProt P35348、またはRefSeq(タンパク質)NP_000671に示されている、またはそれらに対応するアミノ酸配列を有する。実施形態では、α1A−AR遺伝子は、RefSeq(mRNA)NM_000680に示されている核酸配列を有する。実施形態では、アミノ酸配列または核酸配列は、本出願の出願時に知られている配列である。実施形態では、配列は、NP_000671.2に対応する。実施形態では、配列は、NM_000680.3に対応する。実施形態では、α1A−AR遺伝子によってコードされるα1A−ARタンパク質は、Entrez 148、UniProt P35348、またはRefSeq(タンパク質)NP_150645に示されている、またはそれらに対応するアミノ酸配列を有する。実施形態では、α1A−AR遺伝子は、RefSeq(mRNA)NM_033302に示されている核酸配列を有する。実施形態では、アミノ酸配列または核酸配列は、本出願の出願時に知られている配列である。実施形態では、配列は、NP_150645.2に対応する。実施形態では、配列は、NM_033302.3に対応する。
II.処置の方法
第1の態様では、心筋症の処置または予防を必要とする対象の心筋症を処置または予防する方法が提供され、本方法は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む。実施形態では、本方法はダブザルグロンを投与することを含む。
別の態様では、心筋症の処置または予防を必要とする対象の心筋症を処置または予防する方法が提供され、本方法は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロンを投与することを含む。
本方法の実施形態では、心筋症は拡張型心筋症である。本方法の実施形態では、心筋症は肥大型心筋症である。本方法の実施形態では、心筋症は、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋炎症、心筋梗塞、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、圧負荷誘導心肥大、または冠動脈インターベンションと関連する。実施形態では、本方法は心筋症を処置することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は心筋症を予防することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は心筋症を予防することを含まない。実施形態では、本方法は、アントラサイクリン処置と関連する心筋症を含む。実施形態では、心筋症はアントラサイクリン処置と関連する。いくつかの実施形態では、心筋症はドキソルビシン処置と関連する。実施形態では、心筋症は化学療法処置と関連する。実施形態では、心筋症は特発性心筋症である。実施形態では、心筋症は心筋梗塞と関連する。実施形態では、心筋症は、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋炎症、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、圧負荷誘導心肥大、または冠動脈インターベンションと関連する。実施形態では、心筋症は心筋虚血と関連する。実施形態では、心筋症は、高血圧、心臓弁膜症、心筋炎症、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、圧負荷誘導心肥大、または冠動脈インターベンションと関連する。実施形態では、本方法は、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アドリアマイシン、またはバルルビシン)による処置を受けている患者の心筋症を処置または予防することを含む。実施形態では、心筋症は、心毒性と関連する(例えば、それによって引き起こされる)。実施形態では、本方法は、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アドリアマイシン、またはバルルビシン)による処置を受けている患者の心筋症を処置することを含む。実施形態では、本方法は、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アドリアマイシン、またはバルルビシン)による処置を受けている患者の心筋症を予防することを含む。実施形態では、本方法は、アントラサイクリン誘発性心筋症を予防することを含む。実施形態では、本方法は心筋症を処置することを含むが、予防することは含まない。実施形態では、本方法は、アントラサイクリン誘発性心筋症を処置することを含むが、予防することは含まない。実施形態では、本方法は、患者の心筋症を予防することを含む。実施形態では、本方法はダブザルグロンを投与することを含む。
別の態様では、心不全の処置または予防を必要とする対象の心不全を処置または予防する方法が提供され、本方法は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は心収縮を改善(例えば、増加)させることを含む。実施形態では、本方法は心臓発生を改善(例えば、増加)させることを含む。実施形態では、本方法は、心不全の処置を必要とする対象の心不全を処置することである。実施形態では、本方法は、心不全の予防を必要とする対象の心不全を予防することである。実施形態では、本方法は、心不全の処置を必要とする対象の心不全を処置することであるが、予防することではない。実施形態では、本方法はダブザルグロンを投与することを含む。
別の態様では、心収縮の改善を必要とする対象の心収縮を改善する方法が提供され、本方法は、治療有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む。いくつかの実施形態では、心収縮を改善することは、心不全を処置する。実施形態では、心収縮を改善することは、心収縮の量を改善すること、心収縮の強さを改善すること、または収縮の長さを改善することを含む。実施形態では、本方法はダブザルグロンを投与することを含む。
別の態様では、心毒性の処置または予防を必要とする対象の心毒性を処置または予防する方法が提供され、本方法は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む。実施形態では、本方法はダブザルグロンを投与することを含む。
実施形態では、本方法は心毒性を処置することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は心毒性を予防することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は心毒性を予防することを含まない。実施形態では、本方法は、アントラサイクリン処置と関連する心毒性を含む。実施形態では、心毒性はアントラサイクリン処置と関連する。いくつかの実施形態では、心毒性はドキソルビシン処置と関連する。実施形態では、心毒性は化学療法処置と関連する。実施形態では、心毒性は特発性心毒性である。実施形態では、本方法は、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アドリアマイシン、またはバルルビシン)による処置を受けている対象の心毒性を処置または予防することを含む。実施形態では、心毒性を処置することは、心毒性によって誘発される状態または症状を処置することを含む。実施形態では、心毒性は心房性不整脈を含む。実施形態では、心毒性は心室性不整脈を含む。実施形態では、心毒性は伝導系異常を含む。実施形態では、心毒性は、QT間隔の延長を含む。実施形態では、本方法は、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アドリアマイシン、またはバルルビシン)による処置を受けている患者の心毒性を処置することを含む。実施形態では、本方法は、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アドリアマイシン、またはバルルビシン)による処置を受けている患者の心毒性を予防することを含む。実施形態では、本方法はダブザルグロンを投与することを含む。
本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として増加しない。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として50mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として40mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として30mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として20mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として10mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として9mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として8mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として7mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として6mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として5mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として4mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として3mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として2mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、対象の血圧は、投与の結果として1mmHg以下の量で増加する。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンの投与後に増加する、または増加しない血圧は、収縮期血圧である。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンの投与後に増加する、または増加しない血圧は、拡張期血圧である。本方法のいくつかの実施形態では、患者の血圧は、投与の結果として正常血圧から高血圧の血圧になることはない。本方法のいくつかの実施形態では、患者の収縮期血圧は、投与の結果として正常血圧から高血圧の血圧になることはない。本方法のいくつかの実施形態では、患者の拡張期血圧は、投与の結果として正常血圧から高血圧の血圧になることはない。本方法のいくつかの実施形態では、患者の血圧は、投与の結果として正常血圧から前高血圧の血圧になることはない。本方法のいくつかの実施形態では、患者の収縮期血圧は、投与の結果として正常血圧から前高血圧の血圧になることはない。本方法のいくつかの実施形態では、患者の拡張期血圧は、投与の結果として正常血圧から前高血圧の血圧になることはない。本方法のいくつかの実施形態では、患者の血圧は、投与の結果として高血圧または望ましくない血圧または不健康な血圧になることはない。本方法のいくつかの実施形態では、患者の血圧は、投与の結果として140/90mmHgを超えて増加しない。実施形態では、本方法はダブザルグロンを投与することを含む。
本方法のいくつかの実施形態では、有効量は、約0.0001〜10000、0.001〜1000、0.01〜100、0.1〜10、0.005〜0.1、0.005〜0.05、または0.007〜0.02マイクログラム/キログラム患者体重である。本方法のいくつかの実施形態では、有効量は、約0.01マイクログラム/キログラム患者体重である。本方法のいくつかの実施形態では、有効量は、0.01マイクログラム/キログラム患者体重である。本方法のいくつかの実施形態では、有効量は、1日に患者に投与される総量である(例えば、約0.0001〜10000、0.001〜1000、0.01〜100、0.1〜10、0.005〜0.1、0.005〜0.05、もしくは0.007〜0.02マイクログラム/キログラム患者体重/日または約0.01マイクログラム/キログラム患者体重/日)。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、または100000マイクログラムダブザルグロン/キログラムそれを必要とする患者または対象/投与である。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、または100000マイクログラムダブザルグロン/キログラムそれを必要とする患者または対象/日である。
本方法のいくつかの実施形態では、有効量は、約0.0001〜10000、0.001〜1000、0.01〜100、0.1〜100、1〜100、10〜100、25〜75、1〜50、1〜20、5〜15、10〜1000、10〜500、10〜250、10〜150、50〜150、75〜125、または100〜125マイクログラム/キログラム患者体重である。本方法のいくつかの実施形態では、有効量は、約10マイクログラム/キログラム患者体重である。本方法のいくつかの実施形態では、有効量は、100マイクログラム/キログラム患者体重である。本方法のいくつかの実施形態では、有効量は、1日に患者に投与される総量である(例えば、約0.0001〜10000、0.001〜1000、0.01〜100、0.1〜100、1〜100、10〜100、25〜75、1〜50、1〜20、5〜15、10〜1000、10〜500、10〜250、10〜150、50〜150、75〜125、または100〜125マイクログラム/キログラム患者体重/日または約10マイクログラム/キログラム患者体重/日または約100マイクログラム/キログラム患者体重/日)。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、または100000マイクログラムダブザルグロン/キログラムそれを必要とする患者または対象/投与である。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、または100000マイクログラムダブザルグロン/キログラムそれを必要とする患者または対象/日である。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約20マイクログラムダブザルグロン/キログラム患者または対象である。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約20マイクログラムダブザルグロン/キログラム患者または対象/日である。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約40マイクログラムダブザルグロン/キログラム患者または対象/日である。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約1.5mgである。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約3.0mg/日である。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約0.5〜2.5mgである。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約0.5〜5mgである。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約0.5〜10mgである。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、約0.5〜25mgである。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、20マイクログラムダブザルグロン/キログラム患者または対象である。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、20マイクログラムダブザルグロン/キログラム患者または対象/日である。本方法のいくつかの実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、40マイクログラムダブザルグロン/キログラム患者または対象/日である。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、1.5mgである。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、3.0mg/日である。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、0.5〜2.5mgである。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、0.5〜5mgである。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、0.5〜10mgである。本方法の実施形態では、ダブザルグロンを必要とする患者または対象に投与されるダブザルグロンの有効量は、0.5〜25mgである。
本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に1回投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に1日投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に2日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に3日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に4日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に5日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に6日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に7日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に2週間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に3週間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に4週間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に約1か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に約2か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に約3か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に約4か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に約5か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に約6か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に約7、8、9、10、11、または12か月間投与される。
本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれを超える年数の間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、それを必要とする患者または対象に疾患(例えば、心筋症、心毒性、心筋症と関連する疾患、化学療法処置(例えば、アントラサイクリン処置、ドキソルビシン処置)と関連する心筋症、または化学療法処置(例えば、アントラサイクリン処置、ドキソルビシン処置)と関連する心毒性)の持続期間中に投与される。本方法のいくつかの実施形態では、投与は、非経口、静脈内、動脈内、頬側、舌下、口腔、経口、経皮、または経鼻のものである。本方法のいくつかの実施形態では、投与は、心臓に対するものである。本方法のいくつかの実施形態では、投与は、心筋に対するものである。
本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に1回投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に1日投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に2日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に3日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に4日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に5日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に6日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に7日間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に2週間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に3週間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に4週間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に約1か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に約2か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に約3か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に約4か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に約5か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に約6か月間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に約7、8、9、10、11、または12か月間投与される。
本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれを超える年数の間投与される。本方法のいくつかの実施形態では、有効量のダブザルグロンが、それを必要とする患者または対象に疾患(例えば、心筋症、心毒性、心筋症と関連する疾患、化学療法処置(例えば、アントラサイクリン処置、ドキソルビシン処置)と関連する心筋症、または化学療法処置(例えば、アントラサイクリン処置、ドキソルビシン処置)と関連する心毒性)の持続期間中に投与される。本方法のいくつかの実施形態では、投与は、非経口、静脈内、動脈内、頬側、舌下、口腔、経口、経皮、または経鼻のものである。本方法のいくつかの実施形態では、投与は、心臓に対するものである。本方法のいくつかの実施形態では、投与は、心筋に対するものである。
いくつかの実施形態では、本方法は、有効量のダブザルグロンを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、有効量のダブザルグロンの類似体を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、有効量のダブザルグロンの異性体を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、有効量のダブザルグロンの薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、有効量のダブザルグロンのプロドラッグを含む。
ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグの治療有効量であって、哺乳動物での使用について、血圧に対して全く影響を及ぼさないか、または血圧の大幅な増加を一切もたらさない、もしくは血圧の許容される増加をもたらし(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50mmHg、または正常血圧を前高血圧もしくは高血圧の血圧に変化させない、または血圧を不健康な血圧もしくは高血圧もしくは望ましくない血圧にさせない、または血圧を140/90mmHg超にさせない)、さらに心筋症または心毒性の発症または進行を予防する治療有効量は、当該技術分野において標準的な方法によって決定される。例えば、異なる用量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、患者(例えば、心筋症に罹患している、もしくは心筋症を発症するリスクがある、または心毒性に罹患している患者もしくは心毒性を発症するリスクがある患者または化学療法(例えば、アントラサイクリン処置)と関連する心筋症もしくは心毒性に罹患している、もしくはそれに罹患するリスクがある人)に投与され、続いて血圧のモニタリングを行う。ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが心筋症の発症を予防するのに、またはその進行を低減させるのに効果的であるか否かを決定するためのアッセイは当業者に既知であり、短縮率、駆出率、拡張末期容積及びトロポニンレベルのモニタリングを含む(Bielecka−Dabrowa et al.2008,Cardiology J.278:1−5、Nellessen et al.2006,Clin.Cardial.29:219−224に記載されている方法)。ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが心毒性の発症を予防するのに、またはその進行を低減させるのに効果的であるか否かを決定するためのアッセイは当業者に既知であり、短縮率、駆出率、拡張末期容積及びトロポニンレベルのモニタリングを含む(Bielecka−Dabrowa et al.2008,Cardiology J.278:1−5、Nellessen et al.2006,Clin.Cardial.29:219−224に記載されている方法)。一実施形態では、血圧が処置の24時間後に測定される場合でも血圧の増加は一切観察されず、別の実施形態では、血圧が処置の48時間、72時間、1週間または1か月後に測定される場合でも血圧の増加は一切観察されない。さらに別の実施形態では、血圧が48時間後、72時間後、1週間後、または1か月後に測定される場合、血圧は、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグでの処置後に10%未満または15%未満増加する。いくつかの実施形態では、血圧は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグの投与後に(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50mmHg)増加する。いくつかの実施形態では、血圧は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグの投与後に増加するが、正常から前高血圧または正常から高血圧または前高血圧から高血圧の血圧へと変化させない。いくつかの実施形態では、血圧は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグの投与後に増加するが、望ましくない血圧、高血圧、または不健康な血圧にならない。いくつかの実施形態では、血圧は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグの投与後に増加するが、140/90mmHg超にならない。
ダブザルグロンの治療有効量であって、哺乳動物での使用について、血圧に対して全く影響を及ぼさないか、または血圧の大幅な増加を一切もたらさない、もしくは血圧の許容される増加をもたらし(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50mmHg、または正常血圧を前高血圧もしくは高血圧の血圧に変化させない、または血圧を不健康な血圧もしくは高血圧もしくは望ましくない血圧にさせない、または血圧を140/90mmHg超にさせない)、さらに心筋症または心毒性の発症または進行を予防する治療有効量は、当該技術分野において標準的な方法によって決定される。例えば、異なる用量のダブザルグロンが、患者(例えば、心筋症に罹患している、もしくは心筋症を発症するリスクがある、または心毒性に罹患している患者もしくは心毒性を発症するリスクがある患者または化学療法(例えば、アントラサイクリン処置)と関連する心筋症もしくは心毒性に罹患している、もしくはそれに罹患するリスクがある人)に投与され、続いて血圧のモニタリングを行う。ダブザルグロンが心筋症の発症を予防するのに、またはその進行を低減させるのに効果的であるか否かを決定するためのアッセイは当業者に既知であり、短縮率、駆出率、拡張末期容積及びトロポニンレベルのモニタリングを含む(Bielecka−Dabrowa et al.2008,Cardiology J.278:1−5、Nellessen et al.2006,Clin.Cardial.29:219−224に記載されている方法)。ダブザルグロンが心毒性の発症を予防するのに、またはその進行を低減させるのに効果的であるか否かを決定するためのアッセイは当業者に既知であり、短縮率、駆出率、拡張末期容積及びトロポニンレベルのモニタリングを含む(Bielecka−Dabrowa et al.2008,Cardiology J.278:1−5、Nellessen et al.2006,Clin.Cardial.29:219−224に記載されている方法)。一実施形態では、血圧が処置の24時間後に測定される場合でも血圧の増加は一切観察されず、別の実施形態では、血圧が処置の48時間、72時間、1週間または1か月後に測定される場合でも血圧の増加は一切観察されない。さらに別の実施形態では、血圧が48時間後、72時間後、1週間後、または1か月後に測定される場合、血圧は、ダブザルグロンでの処置後に10%未満または15%未満増加する。いくつかの実施形態では、血圧は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロンの投与後に(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50mmHg)増加する。いくつかの実施形態では、血圧は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロンの投与後に増加するが、正常から前高血圧または正常から高血圧または前高血圧から高血圧の血圧へと変化させない。いくつかの実施形態では、血圧は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロンの投与後に増加するが、望ましくない血圧、高血圧、または不健康な血圧にならない。いくつかの実施形態では、血圧は、治療有効量または予防有効量のダブザルグロンの投与後に増加するが、140/90mmHg超にならない。
心筋症の進行は、血清バイオマーカー、例えば、クレアチンキナーゼ、トロポニン、ST2(例えば、可溶性ST2)、GDF−15、または脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)などのレベルを測定することによって部分的にモニターされてよい。心毒性の進行は、血清バイオマーカー、例えば、クレアチンキナーゼ、トロポニン、ST2(例えば、可溶性ST2)、GDF−15、または脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)などのレベルを測定することによって部分的にモニターされてよい。
心筋症の進行は、短縮率(FS)または駆出率(EF)を測定することによって部分的に評価されてよい。心毒性の進行は、短縮率(FS)または駆出率(EF)を測定することによって部分的に評価されてよい。FSは、収縮状態と弛緩状態との間における左心室の直径の変化をMモードトレーシングで測定し、式:[(LV拡張末期径−LV収縮末期径)/LV拡張末期径)]×100に従って比を算出することによって左心室性能を測定するために使用される。EFは、[(LV拡張末期容積−LV収縮末期容積)/LV拡張末期容積)]×100として、2次元エコーによって決定される左心室容積から算出される。FSまたはEFの減少は、心損傷を示している。実施形態では、治療有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象と比較した場合に、FSまたはEFの5〜30%超(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30%超)の低減を防止する。別の実施形態では、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象へのダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグの投与は、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象と比較した場合に、FSまたはEFの5%超の低減を防止する。一実施形態では、治療有効量のダブザルグロンは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロンは、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象と比較した場合に、FSまたはEFの5〜30%超(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30%超)の低減を防止する。別の実施形態では、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象へのダブザルグロンの投与は、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象と比較した場合に、FSまたはEFの5%超の低減を防止する。
一実施形態では、治療有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象と比較した場合に、拡張末期容積の5〜30%超(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30%超)の増加を防止する。別の実施形態では、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象へのダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグの投与は、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象と比較した場合に、拡張末期容積の5%超の増加を防止する。一実施形態では、治療有効量のダブザルグロンは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロンは、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象と比較した場合に、拡張末期容積の5〜30%超(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30%超)の増加を防止する。別の実施形態では、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象へのダブザルグロンの投与は、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象と比較した場合に、拡張末期容積の5%超の増加を防止する。
いくつかの実施形態では、心筋症または心毒性は、X線(例えば、胸部)、心エコー図、心電図、心臓カテーテル法、心生検、コンピュータ断層撮影、及び磁気共鳴画像法からなる群から選択される方法によって検出される。
クレアチンキナーゼ(CK)またはトロポニンは、筋細胞ネクローシスが生じる場合に筋細胞から放出されることが周知である。したがって、血清中のCKまたはトロポニンのレベル測定は、対象の心筋症または心毒性の発症及び進行を評価するために行われてよい。血清CKレベルの測定は、当業者に既知の方法を使用して、例えば、診断キットを使用して、グルコキナーゼとグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼとの共役反応によって行われる。一実施形態では、治療有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中に見られるCKレベルと比較した場合に、対象の血清中におけるCKのレベルを低減させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中でそれぞれ見られるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)レベルと比較した場合に、対象の血清中におけるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベルを低減させる。一実施形態では、治療有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中に見られるGDF−15レベルと比較した場合に、対象の血清中におけるレベルGDF−15を増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中でそれぞれ見られるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)レベルと比較した場合に、対象の血清中におけるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベルを調節しない。いくつかの実施形態では、治療有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中でそれぞれ見られるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)レベルと比較した場合に、対象の血清中におけるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベルを改善する。いくつかの実施形態では、対象の血清中におけるBNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベル改善は、レベルを低下させることである。いくつかの実施形態では、対象の血清中におけるBNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベル改善は、レベルを増加させることである。いくつかの実施形態では、対象の血清中におけるBNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベル改善は、アメリカ心臓協会によって推奨される通りである。いくつかの実施形態では、対象の血清中におけるBNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベルを改善するものの決定は、当業者(例えば、医者、心臓専門医、内科医)の技能の範囲内で十分に行われる。
一実施形態では、治療有効量のダブザルグロンは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロンは、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中に見られるCKレベルと比較した場合に、対象の血清中におけるCKのレベルを低減させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のダブザルグロンは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロンは、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中でそれぞれ見られるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)レベルと比較した場合に、対象の血清中におけるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベルを低減させる。一実施形態では、治療有効量のダブザルグロンは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロンは、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中に見られるGDF−15レベルと比較した場合に、対象の血清中におけるレベルGDF−15を増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のダブザルグロンは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロンは、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中でそれぞれ見られるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)レベルと比較した場合に、対象の血清中におけるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベルを調節しない。いくつかの実施形態では、治療有効量のダブザルグロンは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロンは、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中でそれぞれ見られるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)レベルと比較した場合に、対象の血清中におけるトロポニン、BNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベルを改善する。いくつかの実施形態では、対象の血清中におけるBNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベル改善は、レベルを低下させることである。いくつかの実施形態では、対象の血清中におけるBNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベル改善は、レベルを増加させることである。いくつかの実施形態では、対象の血清中におけるBNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベル改善は、アメリカ心臓協会によって推奨される通りである。いくつかの実施形態では、対象の血清中におけるBNP、GDF−15、またはST2(例えば、可溶性ST2)のレベルを改善するものの決定は、当業者(例えば、医者、心臓専門医、内科医)の技能の範囲内で十分に行われる。
心筋症または心毒性の別の指標は、心筋細胞アポトーシスの増加である。心筋細胞アポトーシスは、当該技術分野において既知の方法、例えば、MRIによるものを含み、場合により、プローブ、例えば、アネキシンV(ANX)、超常磁性酸化鉄(SPIO)、SPIO複合化ANX(ANX−SPIO)、その他の検出可能部分と複合化されたANX、その他のホスファチジルセリン結合検出可能部分、またはその他の当該技術分野において既知のMRIプローブなどを含む方法によって測定されてよい(Dash,R.et al.Magn.Reson.Med.2011、66:1152−1162を参照のこと、その全体が本明細書に組み込まれる)。心筋症または心毒性は、心臓組織の線維化の増加を伴う場合もある。線維化は、シリウスレッド染色という当業者に周知の方法を使用して測定されてよい。一実施形態では、治療有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグは、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象と比較した場合に、心臓の線維化面積を低減させる。一実施形態では、治療有効量のダブザルグロンは、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象に投与され、ダブザルグロンは、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象と比較した場合に、心臓の線維化面積を低減させる。
一実施形態では、本方法は、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の短縮率と比較した場合に、対象における短縮率の5%〜30%超(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30%超)の減少を防止する。一実施形態では、本方法は、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の短縮率と比較した場合に、対象における短縮率の5%〜30%超(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30%超)の減少を防止する。
一実施形態では、本方法は、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中におけるクレアチンキナーゼまたはトロポニンの量と比較した場合に、対象の血清中におけるクレアチンキナーゼまたはトロポニンの量の2倍、4倍、または5倍超の増加を防止する。一実施形態では、本方法は、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中におけるST2、GDF−15、またはBNPの量と比較した場合に、ST2(インターロイキン1受容体様1)(例えば、可溶性ST2)、GDF−15(増殖分化因子15)、またはBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)の量の増加を防止する。一実施形態では、本方法は、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中におけるST2、GDF−15、またはBNPの量と比較した場合に、ST2(インターロイキン1受容体様1)(例えば、可溶性ST2)、GDF−15(増殖分化因子15)、またはBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)の量を増加させる。一実施形態では、本方法は、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の血清中におけるST2、GDF−15、またはBNPの量と比較した場合に、ST2(インターロイキン1受容体様1)(例えば、可溶性ST2)、GDF−15(増殖分化因子15)、またはBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)の量を減少させる。
一実施形態では、本方法は、ダブザルグロンを投与していない、心筋症または心毒性に罹患している、またはそのリスクがある対象の心臓において、心臓線維化面積のパーセンテージの1%〜20%超(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20%超)の増加を防止する。
いくつかの実施形態では、本方法は、患者の心収縮を改善(例えば、増加)させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、心筋細胞の死を予防することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、心筋の修復を刺激することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞(例えば、心筋細胞)または組織(例えば、心臓組織)の同化作用プロセスまたは機能を刺激することを含む。
本明細書に記載されるダブザルグロンの投与または使用を含む方法のいずれも、代わりにダブザルグロンの類似体を投与または使用してよい。本明細書に記載されるダブザルグロンの投与または使用を含む方法のいずれも、代わりにダブザルグロンの薬学的に許容される塩を投与または使用してよい。本明細書に記載されるダブザルグロンの投与または使用を含む方法のいずれも、代わりにダブザルグロンのプロドラッグを投与または使用してよい。
本発明の化合物は、患者に単独で投与され得るか、または共投与され得る。共投与は、別個のまたは組み合わせた化合物(2種以上の化合物)の同時投与または順次投与を含むことを意味する。したがって、調製物はまた、所望される場合に、その他の活性物質と組み合わされ得る(例えば、代謝分解を低減させるために)。
本発明の化合物は、多種多様な経口、非経口及び局所剤形で調製及び投与され得る。経口調製物としては、患者が摂取するのに好適な錠剤、丸剤、散剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ロゼンジ剤、カシェ剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、懸濁液などが挙げられる。本発明の化合物はまた、注射、すなわち、静脈内、頭蓋内、心臓内投与、筋肉内、皮内、皮下、十二指腸内、または腹腔内の注射によって投与され得る。また、本明細書に記載される化合物は、吸入、例えば、鼻腔内吸入によって投与され得る。さらに、本発明の化合物は経皮投与され得る。複数の投与経路(例えば、筋肉内、経口、経皮)が、本発明の化合物を投与するために使用され得ることも想定される。したがって、本発明は、薬学的に許容される賦形剤及び1種以上の本発明の化合物を含む医薬組成物も提供する。
本発明の化合物から医薬組成物を調製するために、薬学的に許容される担体は、固体または液体のいずれでもあり得る。固体形態調製物としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤が挙げられる。固体担体は、希釈剤、香味剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、または封入材料としても機能してよい1種以上の物質であり得る。
好適な固体賦形剤としては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ペクチン、デキストリン、デンプン、トラガント、低融点ワックス、ココアバター、炭水化物、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含むが、これらに限定されない糖、トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモ、またはその他の植物由来のデンプン、セルロース、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムなど、ならびにアラビア及びトラガントを含むゴム、加えて、例えば、ゼラチン及びコラーゲンを含むが、これらに限定されないタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。所望により、崩壊剤または可溶化剤、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、またはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムなどが添加されてよい。
糖衣錠コアは、濃縮糖液などの好適なコーティングを用いて提供され、これはまた、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、carbopolゲル、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有してよい。染料または顔料が、製品の識別のために、または活性化合物の量(すなわち、投与量)を特徴付けるために錠剤または糖衣錠コーティングに添加されてよい。本発明の医薬調製物はまた、例えば、ゼラチンから作製されたプッシュフィットカプセル剤、加えてゼラチン及びグリセロールまたはソルビトールなどのコーティングから作製された密封軟カプセル剤を使用して経口的に使用され得る。
液体形態調製物としては、溶液、懸濁液、及びエマルジョン、例えば、水または水/プロピレングリコール溶液が挙げられる。非経口注射について、液体調製物は、ポリエチレングリコール水溶液中において溶液状態で製剤化され得る。
非経口適用が必要または所望される場合、本発明の化合物に特に好適な混合物は、注射剤、滅菌溶液、好ましくは油性溶液または水溶液、加えて懸濁液、エマルジョン、または坐剤を含む植込錠である。特に、非経口投与用の担体としては、デキストロース水溶液、生理食塩水、純水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、落花生油、ゴマ油、ポリオキシエチレン−ブロックポリマーなどが挙げられる。アンプルは便利な単位投与量である。本発明の化合物はまた、リポソーム中に組み込まれ得るか、または経皮ポンプもしくはパッチを介して投与され得る。本発明での使用に好適な医薬混合物は当業者に周知であり、例えば、Pharmaceutical Sciences(17th Ed.,Mack Pub.Co.,Easton,PA)及びWO96/05309に記載されていて、その両方の教示が参照によって本明細書に組み込まれる。
経口使用に好適な水溶液は、活性成分を水中に溶解し、所望に応じて好適な着色剤、香味料、安定剤、及び増粘剤を添加することによって調製され得る。経口使用に好適な水性懸濁液は、粘性材料、例えば、天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴム、ならびに分散剤または湿潤剤、例えば、天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)などを含む水中に微粉化活性成分を分散させることによって作製され得る。水性懸濁液はまた、1種以上の防腐剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルなど、1種以上の着色剤、1種以上の香味剤及び1種以上の甘味剤、例えば、スクロース、アスパルテームまたはサッカリンなどを含有し得る。製剤は、オスモル濃度について調整され得る。
使用直前に経口投与用の液体形態調製物に変換することを意図する固体形態調製物もまた含まれる。そのような液体形態としては、溶液、懸濁液、及びエマルジョンが挙げられる。これらの調製物は、活性成分に加えて、着色剤、香味料、安定剤、緩衝液、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有してよい。
油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールなどを含有し得る。甘味剤、例えば、グリセロール、ソルビトールまたはスクロースなどが、味の良い経口調製物を提供するために添加され得る。これらの製剤は、アスコルビン酸などの抗酸化剤の添加によって保存され得る。注射用油性ビヒクルの一例として、Minto,J.Pharmacol.Exp.Ther.281:93−102,1997を参照のこと。本発明の医薬製剤は、水中油型エマルジョンの形態でもあり得る。油相は、上に記載される植物油もしくは鉱物油、またはそれらの混合物であり得る。好適な乳化剤としては、天然に存在するゴム、例えば、アカシアゴム及びトラガカントゴムなど、天然に存在するホスファチド、例えば、大豆レシチンなど、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されたエステルまたは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエートなど、ならびにこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどが挙げられる。エマルジョンは、シロップ剤及びエリキシル剤の製剤中におけるような甘味剤及び香味剤も含有し得る。そのような製剤は、粘滑剤、防腐剤、または着色剤も含有し得る。
本発明の組成物は、持続放出及び/または快適さを提供するための成分をさらに含んでよい。そのような成分は、高分子量の陰イオン性粘液模倣ポリマー、ゲル化多糖及び微粉化薬物担体基質を含む。これらの成分は、米国特許第4,911,920号、同第5,403,841号、同第5,212,162号、及び同第4,861,760号においてさらに詳細に述べられている。これらの特許の内容全体は、あらゆる目的のためにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明によって提供される医薬組成物は、活性成分が治療有効量で、すなわち、その意図される目的を達成するのに効果的な量で含有される組成物を含む。特定の適用に効果的な実際の量は、とりわけ、処置されている条件に依存することになる。疾患を処置する方法で投与される場合、そのような組成物は、所望の結果、例えば、標的分子(例えば、α1アドレナリン受容体)の活性の調節、及び/または疾患症状(例えば、心筋症もしくは心毒性)の進行の低減、排除、もしくは遅延を達成するのに効果的な量の活性成分を含有することになる。本発明の化合物に関する治療有効量の決定は、特に本明細書での詳細な開示を考慮すると、当業者の能力の範囲内で十分に行われる。
哺乳動物に投与される投与量及び頻度(単回または複数回用量)は、様々な要因、例えば、哺乳動物が別の疾患に罹患しているかどうか、及びその投与経路、レシピエントのサイズ、年齢、性別、健康状態、体重、体格指数、及び食事、処置されている疾患症状の性質及び程度、併用処置の種類、処置されている疾患の合併症またはその他の健康関連問題に応じて変動し得る。その他の治療レジメンまたは薬剤が、出願人らの発明の方法及び化合物と併用して使用され得る。確立された投与量(例えば、頻度及び期間)の調整及び操作は、当業者の能力の範囲内で十分に行われる。
本明細書に記載されるいかなる化合物についても、治療有効量は、細胞培養アッセイから最初に決定され得る。標的濃度は、本明細書に記載される方法または当該技術分野において既知の方法を使用して測定される場合、本明細書に記載される方法を達成することができる活性化合物(複数可)のそれらの濃度であることになる。当該技術分野において周知の通り、ヒトで使用するための治療有効量も、動物モデルから決定され得る。例えば、ヒトのための用量は、動物に効果的であることが見出されている濃度を達成するように製剤化され得る。ヒトにおける投与量は、上記の通り、化合物の有効性をモニターし、投与量を多くまたは少なく調整することによって調整され得る。上に記載される方法及びその他の方法に基づいて、ヒトにおいて最大の有効性を達成するように用量を調整することは、当業者の能力の範囲内で十分に行われる。
投与量は、患者及び用いられている化合物の要件に応じて変動してよい。患者に投与される用量は、本発明との関連において、患者に有益な治療応答を経時的にもたらすのに十分であるべきである。用量の量も、あらゆる有害な副作用の存在、性質、及び程度によって決定されることになる。特定の状況に対する適切な投与量の決定は、実施者の技術の範囲内である。
投与量及び間隔は、処置されている特定の臨床的適応に効果的な投与化合物のレベルを提供するために個別に調整され得る。これにより、個体の疾患状態の重症度に見合った治療レジメンが提供されることになる。
本明細書で提供される教示を利用して、実質的な毒性を引き起こすことなく、さらに特定の患者によって示される臨床症状を処置するのに効果的である、効果的な予防的または治療的処置レジメンが計画され得る。この計画は、要因、例えば、化合物の効力、相対的バイオアベイラビリティ、患者体重、有害な副作用の存在及び重症度、好ましい投与方法ならびに選択された薬剤の毒性プロファイルなどを考慮することによる、活性化合物の慎重な選択を含むべきである。
特定の化合物に関する毒性と治療効果との比はその治療指数であり、LD50(集団の50%に致死性の化合物の量)とED50(集団の50%に効果的な化合物の量)との比として表され得る。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイ及び/または動物試験から得られた治療指数データは、ヒトで使用するための投与量の範囲を決定する際に使用され得る。そのような化合物の投与量は、好ましくは、毒性がほとんどまたは全くないED50を含む血漿濃度の範囲内にある。投与量は、用いられる剤形及び利用される投与経路に応じて、この範囲内で変動してよい。例えば、Fingl et al.,In:THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS,Ch.1,p.l,1975を参照のこと。正確な製剤、投与経路及び投与量は、患者の状態及び化合物が使用される特定の方法を考慮して、個々の医師によって選択され得る。
別の実施形態では、本発明の組成物は、非経口投与、例えば、静脈内(IV)投与または体腔もしくは器官の内腔への投与などに有用である。投与のための製剤は、薬学的に許容される担体中に溶解させた本発明の組成物の溶液を通常含むことになる。用いられ得る中でも許容されるビヒクル及び溶媒は、水及びリンゲル液、等張塩化ナトリウムである。加えて、減菌固定油が、溶媒または懸濁媒として慣例的に用いられ得る。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性固定油が用いられ得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸も同様に注射剤の調製に使用され得る。これらの溶液は無菌であり、一般に望ましくない物質を含まない。これらの製剤は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌されてよい。製剤は、およその生理学的条件に必要な場合に、薬学的に許容される補助物質、例えば、pH調整剤及び緩衝剤、毒性調整剤、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含有してよい。これらの製剤中における本発明の組成物の濃度は幅広く変動し得、選択された特定の投与方法及び患者の要望に従って、液量、粘度、体重などに主に基づいて選択されることになる。IV投与について、製剤は滅菌注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性または油性懸濁液などであり得る。この懸濁液は、これらの好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、既知の技術に従って製剤化され得る。滅菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒、例えば、1,3−ブタンジオールの溶液中などの滅菌注射用溶液または懸濁液であり得る。
別の実施形態では、本発明の組成物の製剤は、細胞膜と融合する、または形質膜陥入されるリポソームの使用によって、すなわち、細胞の表面膜タンパク質受容体に結合してエンドサイトーシスをもたらす、リポソームに結合される受容体リガンドを用いることによって送達され得る。リポソームを使用することによって、特にリポソーム表面が標的細胞に特異的な受容体リガンドを持っているか、またはさもなければ、特定の器官を選択的に対象とする場合、本発明の組成物の送達をインビボで標的細胞に集中させることができる。(例えば、Al−Muhammed,J.Microencapsul.13:293−306,1996、Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698−708,1995、Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46:1576−1587,1989を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、共投与は、1種の活性剤を、第2活性剤の0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20、または24時間以内に投与することを含む。共投与は、2種の活性薬剤を同時に、およそ同時に(例えば、互いに約1、5、10、15、20、もしくは30分以内)、または任意の順序で順次に投与することを含む。いくつかの実施形態では、共投与は、共製剤化、すなわち、両方の活性剤を含む単一の医薬組成物を調製することによって達成され得る。その他の実施形態では、活性剤は別々に製剤化され得る。別の実施形態では、活性剤及び/または補助剤は、互いに連結または複合化されてよい。
非限定的な例として、本明細書に記載される組成物、薬物、及び化合物は、例えば、ベータ−アドレナリン遮断薬、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、またはアルドステロンもしくはアンジオテンシン受容体遮断薬を含むが、これらに限定されない心筋症または心毒性の薬剤と共投与され得るか、またはそれらと組み合わせて使用され得る。非限定的な例として、本明細書に記載される組成物、薬物、及び化合物は、疾患(例えば、心筋症、心毒性、心筋損傷)を処置するために、組成物、薬物、または化合物(例えば、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)の細胞取り込み(例えば、心細胞による取り込み)の増加に有用なその他の薬剤と共投与され得るか、またはそれらと組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、細胞取り込みは、細胞中の輸送体タンパク質を活性化することによって増加する。
本発明の医薬組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌されてよいか、または無菌条件下で作製されてよい。水溶液は、使用のためにパッケージングされ得る、または無菌条件下で濾過して凍結乾燥され得るので、凍結乾燥調製物は投与前に滅菌水溶液と組み合わされる。組成物は、およその生理学的条件に必要な場合に、薬学的に許容される補助物質、例えば、pH調整剤及び緩衝剤、等張化剤、湿潤剤など、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、及びオレイン酸トリエタノールアミンなどを含有し得る。
経口投与に好適な製剤は、(a)溶液、例えば、希釈剤、例えば、水、生理食塩水、またはPEG400中に懸濁させた有効量のパッケージングされたダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグなど、(b)液体、固体、顆粒剤またはゼラチンとして、所定量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを各々含有するカプセル剤、サシェ剤、または錠剤、(c)適切な液体中の懸濁液、及び(d)好適なエマルジョンを含み得る。錠剤形態は、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、微結晶セルロース、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ならびにその他の賦形剤、着色剤、充填剤、結合剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、防腐剤、香味剤、色素、崩壊剤、及び薬学的に適合する担体のうち1種以上を含み得る。ロゼンジ剤形態は、香味料、例えば、スクロース中にダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを含み得、加えてトローチは、不活性基剤、例えば、ゼラチン及びグリセリンまたはスクロース及びアカシアエマルジョン、ゲルなどの中に、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを含み、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグに加えて、当該技術分野において既知の担体を含有する。
好適なアルファ−1アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、単独でまたはその他の好適な成分と組み合わせて、吸入を介して投与されるためのエアロゾル製剤(すなわち、それらは「噴霧され」得る)にされ得る。エアロゾル製剤は、加圧された許容される噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの中に注入され得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル製剤は、好適なアルファ−1アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)を肺に投与するために使用される。
非経口投与、例えば、関節内(関節中)、静脈内、筋肉内、腫瘍内、皮内、腹腔内、頭蓋内、心臓内、及び皮下経路によるものなどに好適な製剤としては、抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、及び製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性及び非水性の等張滅菌注射液、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び防腐剤を含み得る水性及び非水性の滅菌懸濁液が挙げられる。注射液及び懸濁液は、滅菌の散剤、顆粒剤、及び錠剤からも調製され得る。本発明の実施において、組成物は、例えば、静脈内注入、心臓内投与によって、経口的に、局所的に、腹腔内に、膀胱内に、頭蓋内に、または髄腔内に投与され得る。非経口投与、経口投与、及び静脈内投与は、好ましい投与の方法である。化合物の製剤は、単位用量または複数回用量の密閉容器、例えば、アンプル及びバイアルなどの中に提示され得る。
医薬調製物は、好ましくは単位剤形である。そのような形態では、調製物は、適切な量の活性成分、例えば、ダブザルグロンを含有する単位用量に小分けにされる。そのような形態では、調製物は、適切な量の活性成分、例えば、ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを含有する単位用量に小分けにされる。単位剤形は、パッケージングされた調製物であり得、そのパッケージは別個の量の調製物、例えば、バイアルまたはアンプル中にパッケージングされた錠剤、カプセル剤、及び散剤などを含有する。また、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、またはロゼンジ剤それ自体であり得るか、または単位剤形は、パッケージングされた形態の適切な数のこれらのいずれかであり得る。組成物は所望により、その他の適合性のある治療剤も含有し得る。
本明細書に記載される化合物は、互いに組み合わせて、心筋症、心毒性、心血管疾患の処置に有用なことが知られているその他の活性剤と組み合わせて、または単独では効果的でない場合もあるが、活性剤の有効性に寄与する可能性がある補助剤と組み合わせて使用され得る。
別の態様では、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する方法が提供される。本方法は、α1Aアドレナリン受容体を、有効量の本明細書に記載される化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)と接触させることを含む。実施形態では、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節することは、アルファ−1アドレナリン受容体の活性を増加させることである。実施形態では、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節することは、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)が存在しない場合と比較して、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させることである。α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する方法のいくつかの実施形態では、化合物は、その他のアドレナリン受容体の活性を調節することについて効果が弱い。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも2倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも5倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも10倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも50倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも100倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも1000倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する方法のいくつかの実施形態では、化合物は、その他のα1アドレナリン受容体の活性を調節することについて効果が弱い。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも2倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも5倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも10倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも50倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも100倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも1000倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。
別の態様では、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる方法が提供される。本方法は、α1Aアドレナリン受容体を、有効量の本明細書に記載される化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)と接触させることを含む。実施形態では、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させることは、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)が存在しない場合と比較して、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させることである。α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる方法のいくつかの実施形態では、化合物は、その他のアドレナリン受容体の活性を増加させることについて効果が弱い。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも2倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも5倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも10倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも50倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも100倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも1000倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる方法のいくつかの実施形態では、化合物は、その他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させることについて効果が弱い。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも2倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも5倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも10倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも50倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも100倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも1000倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。
本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、ERKを活性化する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、ERKの活性を増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、ERKの細胞保護活性を増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、細胞死(例えば、アントラサイクリン投与と関連する細胞死)を低減させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、シトクロムc放出(例えば、膜からの、ミトコンドリアからの、ミトコンドリア膜からの)を低減させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、ミトコンドリア膜電位の低減または消失を軽減する(例えば、低減または抑制した)。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、心不全を予防する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、心不全を処置する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、収縮期心不全を処置する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、心筋細胞傷害(例えば、アントラサイクリン処置と関連する)を処置する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、心房性ナトリウム利尿ペプチド、ベータミオシン重鎖、またはアルファ−骨格アクチンの転写または発現レベルを調節しない。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、アントラサイクリン処置と関連する収縮機能の減少を予防または処置する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、心臓線維化(例えば、アントラサイクリン処置と関連する)を処置または予防する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、シトクロムcオキシダーゼタンパク質のレベルを増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、複合体1タンパク質のレベルを増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、複合体1タンパク質及びATPシンターゼタンパク質のレベルを増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、細胞中のATPレベル(例えば、心筋細胞、心臓細胞で、アントラサイクリン処置と関連する心臓細胞中のATPレベルと比較した心臓細胞中のATPレベル)を増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、ERKリン酸化を増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、細胞死(例えば、アポトーシスまたはネクローシス)を低減させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、アントラサイクリン処置と関連する細胞死(例えば、アポトーシスまたはネクローシス)を低減させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、シトクロムc放出(例えば、アントラサイクリン処置と関連する)を低減させた。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、カスパーゼ切断またはPARP切断(例えば、アントラサイクリン処置と関連する)を低減させた。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、心肥大を引き起こさない。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、血圧を増加させない。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、心拍数を増加させない。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、筋収縮の力またはエネルギーを(例えば、化合物が存在しない場合と比較して)増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、ERKの活性を(例えば、化合物が存在しない場合と比較して)増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロンまたはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ)は、MEKの活性を(例えば、化合物が存在しない場合と比較して)増加させる。
別の態様では、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する方法が提供される。本方法は、α1Aアドレナリン受容体を、有効量の本明細書に記載される化合物(例えば、ダブザルグロン)と接触させることを含む。実施形態では、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節することは、アルファ−1アドレナリン受容体の活性を増加させることである。実施形態では、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節することは、化合物(例えば、ダブザルグロン)が存在しない場合と比較して、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させることである。α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する方法のいくつかの実施形態では、化合物は、その他のアドレナリン受容体の活性を調節することについて効果が弱い。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも2倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも5倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも10倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも50倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも100倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも1000倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する方法のいくつかの実施形態では、化合物は、その他のα1アドレナリン受容体の活性を調節することについて効果が弱い。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも2倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも5倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも10倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも50倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも100倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を調節するよりも、少なくとも1000倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を調節する。
別の態様では、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる方法が提供される。本方法は、α1Aアドレナリン受容体を、有効量の本明細書に記載される化合物(例えば、ダブザルグロン)と接触させることを含む。実施形態では、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させることは、化合物(例えば、ダブザルグロン)が存在しない場合と比較して、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させることである。α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる方法のいくつかの実施形態では、化合物は、その他のアドレナリン受容体の活性を増加させることについて効果が弱い。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも2倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも5倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも10倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも50倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも100倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のアドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも1000倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる方法のいくつかの実施形態では、化合物は、その他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させることについて効果が弱い。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも2倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも5倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも10倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも50倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも100倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。本方法のいくつかの実施形態では、化合物は、それがその他のα1アドレナリン受容体の活性を増加させるよりも、少なくとも1000倍高く、α1Aアドレナリン受容体の活性を増加させる。
本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、ERKを活性化する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、ERKの活性を増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、ERKの細胞保護活性を増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、細胞死(例えば、アントラサイクリン投与と関連する細胞死)を低減させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、シトクロムc放出(例えば、膜からの、ミトコンドリアからの、ミトコンドリア膜からの)を低減させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、ミトコンドリア膜電位の低減または消失を軽減する(例えば、低減または抑制した)。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、心不全を予防する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、心不全を処置する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、収縮期心不全を処置する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、心筋細胞傷害(例えば、アントラサイクリン処置と関連する)を処置する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、心房性ナトリウム利尿ペプチド、ベータミオシン重鎖、またはアルファ−骨格アクチンの転写または発現レベルを調節しない。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、アントラサイクリン処置と関連する収縮機能の減少を予防または処置する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、心臓線維化(例えば、アントラサイクリン処置と関連する)を処置または予防する。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、シトクロムcオキシダーゼタンパク質のレベルを増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、複合体1タンパク質のレベルを増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、複合体1タンパク質及びATPシンターゼタンパク質のレベルを増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、細胞中のATPレベル(例えば、心筋細胞、心臓細胞で、アントラサイクリン処置と関連する心臓細胞中のATPレベルと比較した心臓細胞中のATPレベル)を増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、ERKリン酸化を増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、細胞死(例えば、アポトーシスまたはネクローシス)を低減させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、アントラサイクリン処置と関連する細胞死(例えば、アポトーシスまたはネクローシス)を低減させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、シトクロムc放出(例えば、アントラサイクリン処置と関連する)を低減させた。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、カスパーゼ切断またはPARP切断(例えば、アントラサイクリン処置と関連する)を低減させた。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、心肥大を引き起こさない。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、血圧を増加させない。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、心拍数を増加させない。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、筋収縮の力またはエネルギーを(例えば、化合物が存在しない場合と比較して)増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、ERKの活性を(例えば、化合物が存在しない場合と比較して)増加させる。本明細書に記載される方法の実施形態では、化合物(例えば、ダブザルグロン)は、MEKの活性を(例えば、化合物が存在しない場合と比較して)増加させる。
III.追加の実施形態
実施形態P1.心筋症の処置または予防を必要とする対象の心筋症の処置方法または予防方法であって、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む、前記方法。
実施形態P2.前記心筋症が、アントラサイクリン投与、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋梗塞、心筋炎症、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、遺伝子変異、心臓タンパク質の遺伝子変化、または冠動脈インターベンションと関連する、実施形態P1に記載の方法。
実施形態P3.前記心筋症が、アントラサイクリン投与と関連する、実施形態P1に記載の方法。
実施形態P4.前記アントラサイクリンが、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アドリアマイシン、またはバルルビシンである、実施形態P3に記載の方法。
実施形態P5.前記ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、前記アントラサイクリンと共投与される、実施形態P2〜P4の1つに記載の方法。
実施形態P6.前記ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、前記アントラサイクリンの投与前に投与される、実施形態P1〜P4の1つに記載の方法。
実施形態P7.前記ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグが、前記アントラサイクリンの投与後に投与される、実施形態P1〜P4の1つに記載の方法。
実施形態P8.前記方法が、前記心筋症を処置することを含む、実施形態P1〜P7の1つに記載の方法。
実施形態P9.前記方法が、前記心筋症を予防することを含む、実施形態P1〜P7の1つに記載の方法。
実施形態P10.前記患者の血圧が、前記投与の結果として増加しない、実施形態P1〜P9の1つに記載の方法。
実施形態P11.前記患者の血圧が、前記投与の結果として50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1mmHg以下の量で増加する、実施形態P1〜P9の1つに記載の方法。
実施形態P12.前記血圧が収縮期血圧である、実施形態P11に記載の方法。
実施形態P13.前記有効量が、約0.001〜1000、0.1〜100、1〜50、または5〜25マイクログラム/キログラム患者体重である、実施形態P1〜P12の1つに記載の方法。
実施形態P14.前記有効量が、約20マイクログラム/キログラム患者体重である、実施形態P1〜P12の1つに記載の方法。
実施形態P15.前記有効量が、20マイクログラム/キログラム患者体重である、実施形態P1〜P12の1つに記載の方法。
実施形態P16.前記有効量が、1日に前記患者に投与される総量である、実施形態P1〜P15の1つに記載の方法。
実施形態P17.前記投与が、非経口、静脈内、動脈内、頬側、舌下、口腔、経口、経皮、または経鼻のものである、実施形態P1〜P16の1つに記載の方法。
実施形態P18.心細胞ミトコンドリア機能不全の処置方法または予防方法であって、前記心細胞を、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、前記方法。
実施形態P19.心細胞死の処置方法または予防方法であって、前記心細胞を、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、前記方法。
実施形態P20.前記心細胞死がアポトーシスである、実施形態P19に記載の方法。
実施形態P21.前記心細胞死がネクローシスである、実施形態P19に記載の方法。
実施形態P22.心不全の処置または予防を必要とする患者の心不全の処置方法または予防方法であって、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む、前記方法。
IV.さらなる実施形態
実施形態1.心筋症の処置または予防を必要とする対象の心筋症の処置方法または予防方法であって、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む、前記方法。
実施形態2.前記心筋症が、アントラサイクリン投与、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋梗塞、心筋炎症、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、遺伝子変異、心臓タンパク質の遺伝子変化、または冠動脈インターベンションと関連する、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.前記心筋症が、アントラサイクリン投与と関連する、実施形態1に記載の方法。
実施形態4.前記アントラサイクリンが、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アドリアマイシン、またはバルルビシンである、実施形態3に記載の方法。
実施形態5.前記ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ(例えば、ダブザルグロン)が、前記アントラサイクリンと共投与される、実施形態2〜4の1つに記載の方法。
実施形態6.前記ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ(例えば、ダブザルグロン)が、前記アントラサイクリンの投与前に投与される、実施形態1〜4の1つに記載の方法。
実施形態7.前記ダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ(例えば、ダブザルグロン)が、前記アントラサイクリンの投与後に投与される、実施形態1〜4の1つに記載の方法。
実施形態8.前記方法が、前記心筋症を処置することを含む(例えば、しかし、予防することは含まない)、実施形態1〜7の1つに記載の方法。
実施形態9.前記方法が、前記心筋症を予防することを含む(例えば、しかし、処置することは含まない)、実施形態1〜7の1つに記載の方法。
実施形態10.前記患者の血圧が、前記投与の結果として増加しない、実施形態1〜9の1つに記載の方法。
実施形態11.前記患者の血圧が、前記投与の結果として50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1mmHg以下の量で増加する、実施形態1〜9の1つに記載の方法。
実施形態12.前記血圧が収縮期血圧である、実施形態11に記載の方法。
実施形態13.前記有効量が、約0.001〜1000、0.1〜100、1〜50、または5〜25マイクログラム/キログラム患者体重である、実施形態1〜12の1つに記載の方法。
実施形態14.前記有効量が、約20マイクログラム/キログラム患者体重である、実施形態1〜12の1つに記載の方法。
実施形態15.前記有効量が、20マイクログラム/キログラム患者体重である、実施形態1〜12の1つに記載の方法。
実施形態16.前記有効量が、1日に前記患者に投与される総量である、実施形態1〜15の1つに記載の方法。
実施形態17.前記投与が、非経口、静脈内、動脈内、頬側、舌下、口腔、経口、経皮、または経鼻のものである、実施形態1〜16の1つに記載の方法。
実施形態18.心細胞ミトコンドリア機能不全の処置方法または予防方法であって、前記心細胞を、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、前記方法。
実施形態19.心細胞死の処置方法または予防方法であって、前記心細胞を、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、前記方法。
実施形態20.前記心細胞死がアポトーシスである、実施形態19に記載の方法。
実施形態21.前記心細胞死がネクローシスである、実施形態19に記載の方法。
実施形態22.心不全の処置または予防を必要とする患者の心不全の処置方法または予防方法であって、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグ(例えば、ダブザルグロン)を投与することを含む、前記方法。
V.実施例
3つのアルファ−1アドレナリン受容体(α1−AR)サブタイプ:A、B、及びDが存在する。α1A及びBが心筋で見られるのに対して、α1Dは冠動脈で優勢である。経口α1A−ARアゴニストのダブザルグロンは、尿失禁の処置に関する複数の臨床試験で十分に忍容されたが、有効性の欠如ゆえに開発が中止された。ドキソルビシン(DOX)は、広く使用されている抗腫瘍剤であるが、心不全をもたらし得る用量制限心毒性を有する。DOX誘導性心毒性の処置選択肢は限られている。α1A−ARが欠如している(AKO)マウス及び野生型(WT)同腹仔をDOXで処置し、次いで経口の非昇圧かつ非肥大用量のダブザルグロンまたはビヒクルで7日間処置した。ダブザルグロンは収縮機能を維持し、DOX処置WTマウスの心臓線維化を制限した。AKOマウスは、DOX後に生存及び収縮機能が悪化し、ダブザルグロンによっても改善しなかった。DOX処置心臓組織に対するRNAseqは、ミトコンドリア機能及びエネルギー産生に関連する経路にダブザルグロンが媒介する差を確認し、ダブザルグロンはDOX後も心臓のATP産生を維持した。これらの有益な効果は、トラメチニブでのERK1/2阻害によって無効となった。心筋細胞では、ダブザルグロンがDOX誘導性細胞死から保護し、ミトコンドリア膜電位を維持した。十分に忍容された経口アゴニストのダブザルグロンを用いたα1A−ARの選択的活性化は、恐らく心筋細胞中のミトコンドリア機能の保存に部分的に起因して、DOX心毒性を予防する。アルファ−1−アドレナリン受容体アゴニストは、心筋傷害及び疾患の予防及び処置に使用され得る。本発明の一部は、心筋疾患を処置するために、または心筋疾患の発症を予防するために心筋細胞またはその他の心細胞中でアルファ−1アドレナリン受容体を活性化する1種以上の薬物を使用することである。疾患の存在後、アルファ−1アドレナリンアゴニストを投与することによって処置される疾患としては、心毒性、心不全、高血圧または弁疾患または虚血または特発性による心筋症、気絶心筋、冬眠心筋、心筋梗塞後の心筋機能不全、心臓手術後の心筋機能不全、冠動脈インターベンション後の心筋機能不全、アントラサイクリン誘発性心筋症、その他のがん化学療法誘発性心筋症、肺高血圧症またはその他の原因による右室不全が挙げられるが、これらに限定されないだろう。疾患の存在前にアルファ−1アドレナリンアゴニストを投与することによって予防される疾患は同じであることになり、2つの特定の例は、アントラサイクリン誘発性心筋症及び冠動脈インターベンションまたはバイパスまたはその他の侵襲的手順前のプレコンディショニングである。
全ての心臓適応症について、1種以上の薬物が、アルファ−1−アドレナリン受容体を活性化するために投与されることになり、受容体は通常、ノルエピネフリンまたはエピネフリンなどのカテコールアミンによって活性化される。薬物は、アルファ−1−アドレナリン受容体の全てのサブタイプ(現在3つの既知のサブタイプが存在する)、またはサブタイプの1つもしくは2つのみ、またはサブタイプの特定の活性状態のみ(受容体は複数の活性状態を有する)を活性化する可能性がある。薬物の効果は、細胞、例えば、心筋細胞中の受容体後シグナル伝達を増加させることであり、このシグナル伝達増加は、有益な同化作用もしくは栄養もしくは代謝プロセスを増加させることによって、または細胞傷害もしくは細胞死から保護する機序を刺激することによって、または心臓発生を増加させることによって心臓において有益な効果を有することになる。心臓におけるα1A活性化の治療可能性は、十分に調査されてきたわけではない。ドキソルビシン(DOX)は、広く使用されている抗腫瘍剤であるが、心不全をもたらし得る用量制限心毒性を有する。DOX誘導性心毒性の処置選択肢は限られている。選択的経口α1Aアゴニストのダブザルグロンは、臨床試験で十分に忍容されたが、尿失禁の処置における有効性の欠如ゆえに開発が中止された。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される薬物もしくは化合物(例えば、ダブザルグロン)及び/または方法は、アルファ−1Aサブタイプに結合する。別の有益な機序は、本明細書において上に記載された栄養及び保護の機序に加えて、急性適応プロセスを刺激することである。このことは、収縮を活性化することによって心機能を改善することを含む。
実施例1.
経口の選択的アルファ−1Aアドレナリン受容体アゴニストは、ドキソルビシン心毒性を予防する
マウスをDOXで処置し、続いて経口により非昇圧かつ非肥大用量のダブザルグロンまたはビヒクルで7日間処置した。野生型マウスにおいてダブザルグロンによる処置は収縮機能を維持し、線維化を制限したが、α1A−ARが欠如しているマウスには全く効果がなかった。心臓組織に対するRNAseqは、ミトコンドリア機能及びエネルギー産生に関連する経路に差を確認し、ダブザルグロンはDOX後もATP産生を維持した。心筋細胞では、ダブザルグロンが細胞保護ERKを活性化し、DOX誘導性細胞死から保護して、シトクロムc放出及びアポトーシスエフェクターを低減させ、ミトコンドリア膜電位の消失を軽減した。十分に忍容された経口アゴニストのダブザルグロンを用いたα1A−ARの選択的活性化は、恐らく心筋細胞中のミトコンドリア機能の保存に部分的に起因して、ドキソルビシン(DOX)心毒性を予防する。
細胞及び動物における多数の研究による証拠は、アルファ−1アドレナリン受容体(α1−AR)が心臓において多数の保護的役割を果たすことを示している。[1]3つのα1−ARサブタイプ:α1A、α1B、及びα1Dが存在する。げっ歯類及びヒト心筋では、α1A及びα1Bが優勢であり、測定可能なα1Dは一切ない。α1Dは、ヒト及びマウス冠動脈において主要なα1−ARサブタイプであり、その場合、その活性化は血管収縮を促進する。[2、3]α1Bの役割は不明確なままであるが、非選択的α1−ARアゴニストの心保護効果が、α1Aによって媒介されることを複数系統の証拠が示唆している。α1Aを過剰発現するマウスは収縮性を増加させ、[4]虚血再灌流傷害、[5]心筋梗塞、[6]及び横行大動脈縮窄から保護される。[7]これらの有益なプロセスの無効は、ALLHATにおいて非選択的ドキサゾシンで処置した高血圧患者で、心不全(HF)の発症が2倍増加した原因である可能性もある。[8]動物及びヒト実験からのこの証拠及びその他の証拠は、心筋α1−ARの活性化が、HFにおいて治療上有効であり得たことを示唆している。
この研究では、発明者らは選択的α1Aアゴニストのダブザルグロンを使用して、心筋α1Aの選択的刺激が、血管α1−AR活性化を介する後負荷を増加させることなく、心保護を付与し得るという発明者らの仮説を試験した。ダブザルグロン(本明細書においては、Ro115−1240、または1240とも称される)は、尿失禁の処置のために開発された。それは、前臨床試験において優れたα1A選択性を示し[9]、第1相試験(11)2つの第2相無作為化多施設試験(Roche NN16378及びNN16691、roche−trials.com)、ならびに後続の非盲検試験(Roche NN16586)において合計1,223人の女性に十分に忍容された。重要なことには、これらの試験のいずれにおいても、ダブザルグロンを受けた対象のBPに有意な変化は一切なく、このことは、選択用量が血管緊張に影響を及ぼさなかったことを示唆している。第2相試験の中間分析で、ダブザルグロンとプラセボ群との間での尿失禁に臨床的に有意義な差は一切ないことが明らかとなった時、登録を終了して、ダブザルグロンのさらなる開発を中止した。
発明者らは最初に、アントラサイクリン傷害モデルを使用してダブザルグロンの治療有効性を試験することを選択した。[11〜13]DOXを含むアントラサイクリンは、非常に効果的かつ一般的に使用されている化学療法剤であるが、用量制限心毒性を有する。アントラサイクリン誘発性心筋症の発生率は、現在の投薬レジメンにより低下してきたが、左心室機能不全は、依然としてアントラサイクリンレシピエントの20〜30%で発症し[14、15]、今も収縮期HFの重要な原因である。多数の機序が、アントラサイクリン投与後の心筋細胞傷害の一因となっているが、ミトコンドリア機能不全及び心筋細胞エネルギー産生の広範な欠如が、病因の中心となっている。[16]
発明者らは、ダブザルグロンが、α1A−ARを活性化することによってインビトロ及びインビボでDOXの心毒性効果から保護することを示し、ミトコンドリア機能の保存が、この利益の基礎となる1つの新規機序であることを実証する。
実施例2.
ダブザルグロンによる選択的α1−AR活性化は、野生型マウスの心拍数、血圧、または心臓の大きさに影響を及ぼさない。
フェニレフリンなどの非選択的α1−ARアゴニストがBPを増加させ、心筋細胞肥大を引き起こし得ることを考慮し、発明者らは、選択的α1Aアゴニストのダブザルグロンが同様の効果を有するかどうかを決定しようと努めた。未処置マウスを5日間、毎日テールカフ装置で訓練した。6〜10日目に、マウスにダブザルグロン(1〜100μg/kg/日)またはビヒクルを強制投与によって1日2回、5日間施し、毎日BP測定を実施した。5日後、ビヒクルで処置したマウスといずれかの用量のダブザルグロンで処置したマウスとの間に、収縮期BPまたはHRの差は一切なかった(図1A)。
心肥大に対するα1Aアゴニストの効果を試験するために、発明者らは、ダブザルグロン(1〜100μg/kg/日)またはビヒクルを強制投与によって1日2回、7日間投与した。いずれの用量でも、体重または心重量に測定可能な変化は一切なく(表1)、ダブザルグロン及び水で処置した野生型マウスと比較した場合、脛骨長に連動させた心重量に差を見出すことはできなかった。(図1B)。総じて、これらの知見は、非選択的α1−AR活性化に起因した2つの特性について、ダブザルグロンの選択用量は血管緊張を増加させない、または心肥大を促進させないということを示唆している。
Figure 2019506459
発明者らはqRT−PCRを使用し、ダブザルグロンで処置したマウスの心臓において、従来より認められている肥大の分子マーカーをアッセイした。心房性ナトリウム利尿ペプチド、ベータミオシン重鎖、またはアルファ−骨格アクチンの転写物存在量に変化は一切なかった。(図1C)
実施例3.
ダブザルグロンは、α1A−ARを活性化することによってドキソルビシン心毒性から保護する。
α1Aの治療活性化がDOX誘導性心傷害を予防し得るかどうかを試験するために、発明者らは、WTマウス及びα1Aが欠如しているマウス(AKO)をDOX20mg/kgの腹腔内(i.p.)注射で処置し、続いて7日間、水またはダブザルグロン10μg/kgのいずれかを用いた強制投与を1日2回実施した。(図2A)WT及びAKOマウスのベースライン心重量に差は一切なかった。(表2)DOXで処置した全ての動物は、それらの体重を10〜15%損失した。そのままの心重量及び脛骨長に連動させた心重量は、ビヒクル処置WT及びAKO対照物よりも、DOXで処置したマウスでより低かった。(表2)生存は、DOXで処置した野生型マウスでは78%及びDOXで処置し、ダブザルグロンを強制投与したマウスでは86%(フィッシャーの正確確率検定によりp=NS)であった。DOXで処置した16匹のAKOマウスの生存は、38%(フィッシャーの正確確率検定により、DOX処置WTマウスに対してp=0.08)であって、ダブザルグロン投与による影響を受けなかった。
Figure 2019506459
DOX処置は生存を減少させ、この減少は、この実験及びこの時間経過においてダブザルグロンでの処置によって十分に軽減されなかった。DOXで処置したAKOマウスの生存は50%であって、表2に見られる通り、ダブザルグロン投与による影響を受けなかった。
7日目の意識のある状態での心エコー検査により、ダブザルグロンの投与によって予防された、WTマウスのDOX処置後の収縮機能減少が明らかとなった。(図2A、表3)
Figure 2019506459
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げっ歯類(20)及びヒト(21)の先行研究は、α1−AR活性化が、悪化していく心臓組織の変力作用を増加させるが、無傷の心臓の収縮性に対して最小効果を有することを実証した。WTマウスのDOX処置後、7日目の意識のある状態での心エコー検査により、ダブザルグロンの投与によって予防された収縮機能の減少が明らかとなった。(図2B、表3)短縮率及び左室収縮末期容積の両方は、DOX後にダブザルグロンを施した動物で維持された(表3)が、ダブザルグロンは、無傷のマウスの心エコー検査パラメータに対して全く効果がなかった。WT及びAKOマウスのベースライン収縮機能に差は一切なかった。(図2B)しかしながら、生存しているDOX処置AKOマウスは、DOX処置WTマウスよりも有意に低い短縮率を有した。(p<0.01、図2B)この収縮機能における大幅な低減は、ダブザルグロンによっても回復しなかった。(図2B)マッソントリクロームによって検出されたように、線維化の量はDOX後に有意に増加した(図2C)が、ダブザルグロンによる処置はこの増加を軽減しなかった。
要約すると、ダブザルグロンによる処置は、DOX投与後の収縮機能を維持し、線維化を低減させた。DOXで処置したAKOマウスは生存が悪化し、WTマウスよりも大幅に収縮機能を障害した。さらにAKOでは、パラメータがダブザルグロンによって影響を受けることはなく、このことは、ダブザルグロンの有益な効果にはα1Aの存在が必要であることを示している。
実施例4.
ダブザルグロンは、ドキソルビシンによる処置後もミトコンドリア機能転写物の存在量をインビボで維持し、PGC1αを上方制御してATP合成を回復させる。
DOX後の、ダブザルグロンの心保護効果の背景にある機序を調査するために、発明者らはRNAseqを使用して、ダブザルグロンの有無にかかわらず、DOXで処置したマウスの心臓組織を分析した。全ての群間で転写物存在量のオムニバス検定を、DESeq2を用いて実施し、群はカテゴリー変数としてコードした。101の遺伝子を、q<0.05閾値を満たすことによって有意と同定した(5%偽発見率を有する遺伝子のセット)。注記、対象となる可能性のある遺伝子を表4中に見出すことができる。
Figure 2019506459
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遺伝子セット分析を、DESeq2から算出した単変量統計に基づいて実施した。(表5及び表6)顕著な差を、図3Aに見られるように、ミトコンドリア機能に関連した多数の経路において同定した。
Figure 2019506459
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これらのミトコンドリア経路内の転写物に関するさらなる分析によって、DOXが複合体I(42遺伝子)及びATPシンターゼサブユニット(17遺伝子)の存在量を減少させたことが明らかとなった。(図3B)ダブザルグロンによる処置は、これらの遺伝子セットの発現を回復させて、DOX後にシトクロムCオキシダーゼサブユニット(25遺伝子)の発現も増加させた。DOXの不存在下におけるダブザルグロンによる処置は、複合体Iサブユニット存在量を増加させたが、シトクロムCまたはATPシンターゼに対して有意な効果を一切有しなかった。(図3B)。電子伝達及びその他の主なミトコンドリアタンパク質をコードする遺伝子の多くは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマコアクチベーター1−アルファによる転写調節下にある。(22)発明者らは、DOXが、先行報告と一致してPGC1α存在量をインビボで減少させた(図3C)ことを見出した。(23)ダブザルグロンによる処置は、DOXまたはビヒクル対照のいずれかで処置したマウスの心臓においてPGC1α存在量を増加させた。(図3C)。これらの転写の差に関する機能効果を評価するために、発明者らは、新たに採取した心臓ホモジネート中のATP含有量をアッセイした。DOXは、先行報告と一致して、未処置の心臓と比較してATP含有量を23±7%減少させた。(17)(図3D)ダブザルグロンによる処置は、DOX処置マウスの心臓においてATP含有量を回復させたが、無傷のマウスではATPに影響を及ぼすことはなかった。高度に選択的なMEK阻害剤のトラメチニブを使用して、発明者らは、ERK1/2の活性化の阻害が、DOX後のATP合成に対するダブザルグロンの有益な効果を無効にしたことを見出した。酸化ストレスは、DOX心毒性の病理生物学の中核であり、ミトコンドリア機能障害に部分的に起因する。(24)これらの転写の知見に関する機能的影響をさらに評価するために、発明者らは、マウス心臓組織においてチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)を測定した。脂質過酸化の尺度であるTBARSは、DOXで処置したマウスの心臓においてより豊富であった。ダブザルグロンの共投与によってTBARS含有量を正常化した。(図3E)要約すると、ダブザルグロンは、DOXで処置したマウスの心臓においてミトコンドリア機能に関連する転写物の低減から保護し、ATP含有量を維持して酸化ストレスを低減させた。これらの有益な効果は、ERK1/2の活性化及びPGC1αの上方制御によって媒介される可能性がある。
これらの転写の差に関する機能効果を評価するために、発明者らは、新たに採取した心臓ホモジネート中のATP含有量をアッセイした。DOXは、未処置の心臓と比較してATP含有量を23±7%減少させた。(図3C)ダブザルグロンによる処置は、DOX処置マウスの心臓においてATP含有量を回復させたが、未処置マウスではATPに影響を及ぼすことはなかった。
要約すると、ダブザルグロンは、DOXで処置したマウスの心臓においてミトコンドリア機能に関連する転写物の低減から保護し、ATP含有量を維持した。
ダブザルグロンは、ドキソルビシンに起因する細胞死から新生児ラット心室筋細胞を保護する。ERK1/2活性化は、ダブザルグロンの心保護効果に寄与する。新生児ラット心室筋細胞(NRVM)はα1A及びα1Bサブタイプを発現し、これらは非選択的α1−AR活性化の効果を評価し、α1−AR生物学をインビボで正確に予測するために広範に使用されている。(25、26)無傷のNRVMに対するα1Aアゴニストの効果を試験するために、発明者らは、様々な濃度のダブザルグロンを投与した。処置の15分後、発明者らは、α1Aの古典的下流シグナル伝達パートナーであり、α1A活性化の細胞保護効果をインビトロで媒介するERKの活性化についてNRVM溶解物をブロットした(図4A)。(13)ダブザルグロンは、用量依存的方法でERKリン酸化を増加させ、EC50は4.8×10−7Mであった。(図4B)pERK/ERK比はダブザルグロン10μMによる処置後、おおよそ1.5倍増加し、効果はノルエピネフリン(NE)1μMと同等であった(非選択的α−AR遮断薬のプロプラノロール1μMの存在下において)。(図4C)。次いで、発明者らは、トラメチニブを使用して、ダブザルグロンの心保護効果におけるERK活性化の役割をインビボで試験した。トラメチニブ(強制投与により1日1回、1mg/kg)は、ほぼ完全にERK活性化を排除した。(図4D及び図4E)DOXも、先行報告と一致してERK活性化を低減させた。(27)ダブザルグロンによる処置は、その効果を部分的に軽減したが、トラメチニブ後のERK活性化を回復させることはできなかった。(図4D及び図4E)トラメチニブとDOX及びダブザルグロンとの共投与は、収縮機能に対するダブザルグロンの保護効果を無効にし(図4F)、このことは、α1A媒介陽性変力作用にはERK活性化が必要であることを示唆している。
α1Aアゴニストの細胞保護効果を試験するために、発明者らは、ダブザルグロン10μMの存在下及び不存在下においてDOX2μMでNRVMを処置し、次いで、アネキシンV−Fluos及びヨウ化プロピジウムを使用してアポトーシス及び細胞死をアッセイした(図5A)。DOXによる4時間の処置によってアポトーシス(アネキシンV染色)、ならびに壊死性細胞死(アネキシンV及びヨウ化プロピジウムで共染色)が増加した。(図5B)ダブザルグロンによる同時処置は、これらの効果を無効にした。DOXの不存在下におけるダブザルグロンによる処置は、未処置細胞と比較した場合にアネキシンVまたはヨウ化プロピジウム染色を変化させなかった。
実施例5.
ダブザルグロンは、新生児ラット心室筋細胞においてアポトーシスの活性化因子及びミトコンドリア膜電位を調節する。
ダブザルグロンによる処置が、DOX曝露後もミトコンドリア機能をインビボで維持し、インビトロで細胞死から保護したという発明者らの知見を考慮して、発明者らは、NRVMのミトコンドリア機能面に対するダブザルグロンの効果を調査しようと努めた。ミトコンドリア膜電位の維持はATP生成に必須であり、膜電位の消失は、シトクロムc放出を増加させて[24]、プロアポトーシスエフェクターの活性化をもたらすことによりアポトーシスの一因となり得る。DOXは、ミトコンドリア膜電位を維持するための細胞能力に干渉し、ミトコンドリア機能不全はドキソルビシン心毒性に大いに寄与する。[25]
ミトコンドリア膜電位に対するα1A活性化の効果を試験するために、発明者らは、ダブザルグロン10μMの存在下及び不存在下において、4時間DOX2μMでNRVMを処置し、次いで膜透過性色素のJC−1で染色した。JC−1は、低ミトコンドリア膜電位では緑色蛍光モノマーとして、及び高ミトコンドリア膜電位では赤色蛍光凝集体として存在する。DOXは、ミトコンドリア膜電位の大幅な消失をもたらし、この電位はダブザルグロンの共投与によって部分的に回復された。(図6A〜図6C)。
DOX誘導性アポトーシスに対するα1A媒介ミトコンドリア保護の役割を調査するために、発明者らは、シトクロムc及びアポトーシスの下流エフェクターについてNRVMの溶解物をイムノブロットした。DOXはシトクロムc放出を増加させ、カスパーゼ及びPARPの切断を引き起こしたため、このことはドキソルビシン細胞傷害の先行する特徴付けと一致して、ミトコンドリア損傷が内因性アポトーシス経路の活性化を誘導したことを示唆している。[26]ダブザルグロンの共投与は、これらの変化を無効にした(図6A〜図6C)。
要約すると、ダブザルグロンによるα1A−ARの活性化は、ミトコンドリア膜電位に対するDOXの有害作用を軽減し、ミトコンドリア損傷に対するアポトーシス応答に関する重要な要素の活性化を無効にした。これらの知見は、ミトコンドリア機能の保存が、α1A活性化の細胞保護効果の根拠となる可能性があることを示唆している(図5A〜図5B)。
本研究の重要な知見は、経口の選択的α1A−ARアゴニストのダブザルグロンが、アントラサイクリン誘発性心毒性から保護することの実証である。発明者らは、ダブザルグロンのα1Aサブタイプ選択性及びダブザルグロンが2つの大きな無作為化臨床試験で十分に忍容されたという事実を理由として、ダブザルグロンを研究することを選択した。発明者らは、その心保護効果がミトコンドリア機能の保存を部分的に介して媒介され、その機序が以前よりα1A活性化に起因していたものではなかったことを見出した。
α1−ARは、心血管生物学において中心的な役割を果たす。それらは、脈管構造におけるそれらの役割で最もよく知られていて、α1−AR活性化は血管収縮を促進する。心臓α1−ARは、β1−ARと比較して目立たないAR亜集団であるが、それらは心臓において多数の重要なプロセスに寄与している。[27]高用量では、非選択的α1−ARアゴニスト、例えば、フェニレフリン及びノルエピネフリンなどは、BPを実験的かつ臨床的に増加させる。重要なことには、非選択的α1−ARアゴニストの非昇圧用量は心肥大を引き起こし得、このことは直接の及び負荷非依存的な効果を示している。[28]この研究では、発明者らは、ある範囲のダブザルグロン用量で処置したマウスのBPまたはHRに対して何の効果もなかったことを見出した。発明者らは、後続の実験では10μg/kgを使用することを選択し、その理由とは、ダブザルグロンが開発中であった時、この用量ではブタまたはウサギのいずれにおいてもBPに対して全く効果がなかったからである[9]。これらの知見は、尿失禁の可能な処置としてダブザルグロンを用いた公開されたヒトの経験を反映し、その際に1日2回の1.5mgの経口投与は、BPまたはHRを変化させなかった。[10]
発明者らは、α1Aの活性化が、様々な遺伝子改変α1Aマウスモデルと一致して、心筋肥大を引き起こさなかったことも見出した。発明者らは、先天性C57Bl6の背景を持つα1Aが欠如しているマウスが、混合型背景を持つα1AKOマウスと一致して、正常な心臓の大きさを有することを本明細書で示す。[29]心臓の大きさは、全体的及び心臓特異的α1A過剰発現を有するマウスでも正常である。[4〜6]心筋α1サブタイプの両方が欠如している(α1ABKO)マウスは小さい心臓を有し、先天的背景を持つα1Bが欠如しているマウスでも同様である。[30]総じて、これらの知見は、非選択的α1−ARアゴニストによって誘導された心筋細胞肥大が、α1Bサブタイプによって媒介されていることを示唆している。
α1−ARは、血管受容体として最もよく知られていて、α1−AR活性化は血管収縮を促進する。高用量では、フェニレフリンなどの非選択的α1−ARアゴニストは、BPを実験的かつ臨床的に増加させる。この研究では、発明者らは、ある範囲のダブザルグロン用量で処置したマウスのBPまたはHRに対して何の効果もなかったことを見出した。発明者らは、後続の実験では10μg/kgを使用することを選択し、その理由とは、Rocheがブタ及びウサギでこの用量を研究したからである。(10)発明者らの知見は、尿失禁の処置としてダブザルグロンを用いた公開されたヒトの経験を反映し、その際に1日2回の1.5mgの経口投与は、BPまたはHRを変化させなかった。((11)及びroche−trials.com)
心臓α1−ARは、α1−ARと比較して目立たないAR亜集団であるが、それらは心臓において多数の重要なプロセスに寄与している。(26)非選択的α1−ARアゴニストの非昇圧用量は心肥大も引き起こし得、このことは、心臓に対する直接の及び負荷非依存的な効果を示している。(30)発明者らは、α1Aの活性化が、全体的及び心臓特異的α1A過剰発現を有するマウスにおいて心臓の大きさが正常であるという事実と一致して、心筋肥大を引き起こさなかったことを見出した。(4〜6)先天性C57Bl6の背景を持つα1AKOマウスも、正常な心臓の大きさ及び血圧を有する。心筋α1サブタイプの両方が欠如している(α1ABKO)マウスは、小さい心臓を有する。(31)総じて、これらの知見は、α1Bサブタイプが非選択的α1−ARアゴニストによって誘導された心筋細胞肥大を媒介していることを示唆している。
発明者らは、非昇圧用量のダブザルグロンの経口投与が、WTマウスをDOX心毒性から保護したことを見出した。この有益な効果はAKOマウスにはなく、このことは、ダブザルグロンの適応効果がα1Aのオンターゲット活性化に起因することを示している。DOX処置AKOマウスの高い死亡率及び非常に悪化した収縮機能は、α1A−ARの心保護機能をさらに補強する。その他の研究室は、α1Aのトランスジェニック過剰発現を使用して心保護効果を確認したが、発明者らの研究室では、AKOマウスの心傷害に対してより高い感受性を実証することが第1研究である。そのため、発明者らは、新規の薬理学的機能獲得及び新規の遺伝子機能喪失方法の両方を使用して心臓α1A−ARの適応機能を支持する証拠を提示する。
心筋細胞ミトコンドリアにおけるα1−ARの機能は、これまで少しも十分な程度まで調査されてこなかった。発明者らの研究では、ダブザルグロンは、NRVMにおけるDOX誘導性アポトーシス及びネクローシスから保護し、内因性アポトーシスエフェクターのレベルを減少させたため、このことは、この利益がミトコンドリア完全性及び機能の保存と関連する可能性があることを示唆している。発明者らのRNAseq結果の分析は、以前では認識されていなかったα1A活性の機序である、治療的α1A活性化後のミトコンドリア機能及び代謝と関連する経路の回復を示した。DOXによる処置がこれらの経路内で転写物存在量を減少させたのに対して、ダブザルグロンの共投与は、複合体I、シトクロムcオキシダーゼ、及びATPシンターゼ遺伝子の発現を回復させた。ダブザルグロンによる処置は、心筋ATPレベルのDOX誘導性低減を無効にし、このことは転写変化の機能的意義を示している。発明者らは、これらの知見に対するその他の細胞型による寄与を除外することはできないが、それらは、α1Aが心臓の非筋細胞上では発現されないため、心筋細胞の変化を表す可能性が最も高いと思われる。(32)
発明者らは、ダブザルグロンが、NRVMにおいてα1Aの古典的下流シグナル伝達パートナーであるERKを活性化し、DOXで処置したマウスの心臓においてERK活性化を部分的に回復させることを示す。高度に選択的なMEK阻害剤のトラメチニブを使用して、発明者らは、ERKリン酸化が、変力作用及びATP合成に対するダブザルグロンの保護効果に重要であることを実証する。ERK活性化は、アデノウイルス構築物をインビトロで使用した先行研究におけるα1A媒介細胞保護にとって重要であることが見出された(13)が、発明者らの実験は、α1AアゴニストによるインビボでのERK活性化を示すことが第1である。興味深いことに、ダブザルグロン媒介心保護は、無傷の心臓に見られるレベルまで、ERK活性化を完全に回復させる必要はない。DOXの広範な細胞効果を考慮すると、DOXは複数の経路を介してERK活性化を障害し、その全てがα1A活性化によって改変されるとは限らない可能性がある。α1−ARは、複数の経路、すなわち、PKC依存性(33)及びPKC非依存性(34)の両方を介してERKを活性化し得、このことはシグナル伝達の回復を示唆している。さらに、α1A活性化は、活性化ERKの標的をカベオラとすることによって、活性化ERKの存在量に対するDOXの有害作用を軽減する可能性があり、その場合、その機能が、これまでにインビトロで示されたように増強される。(35、36)
発明者らは、20mg/kgのDOXを腹腔内投与したが、この用量は、ヒトではおおよそ60mg/m2まで相対成長的に調整する(fda.gov/downloads/Drugs/Guidances/UCM078932.pdf)。この調整用量は、乳がん及びリンパ腫の処置に関する典型的な範囲の上限であるが、発明者らの研究で観察した死亡率は心機能の傷害と比例せず、このことは、マウスが、この用量でヒト応答を十分に代表するものではない非心毒性を患う可能性があることを示唆している。急性DOX心毒性と関連する病因及びシグナル伝達は恐らく、慢性的なDOX心筋症とは異なり、このモデルにおける酸化ストレスの寄与が不均衡に表されている可能性がある。
慢性心筋症は、DOX関連心疾患罹患率のうち最も重大な疾患であるが、多数の研究は、急性DOX心毒性が、これまでの見解(11%(37)〜21%(38))よりも一般的であり、転帰不良と予測することを示している。ある最近の研究では、32%の対象でDOX後に急性にTnIが上昇した。駆出率(EF)は、大半の対象において3か月で測定可能なほどに低下し、初期+TnIによってEFの長期低減が予想された。(39)フォローアップ研究では、著者らは、証拠に基づくHF療法の早期開始が、慢性アントラサイクリン心筋症から保護したことを見出した。(40)総じて、これらの知見は、急性DOX心毒性が臨床的に有意義かつ使用可能な実体である可能性があることを示唆している。
ダブザルグロンは、NRVMにおけるDOX誘導性アポトーシス及びネクローシスから保護し、シトクロムc及び内因性アポトーシスエフェクターのレベルを減少させたため、このことは、この利益がミトコンドリア完全性及び機能の保存と関連する可能性があることを示唆している。興味深いことに、先行研究は、非選択的α1−AR活性化と活性酸素種の生成とを関連付けした[31、32]が、α1−ARは明らかに、酸化ストレスを誘導する心傷害、例えば、虚血再灌流、心筋梗塞、及びドキソルビシンなどから保護する。[27]そのため、心筋α1の効果は、サブタイプ、背景、及び用量に依存する可能性がある。
ミトコンドリア機能不全及び心筋細胞エネルギー障害は、病因にかかわらず、HFの病理生物学の中核である。[34]下方制御されて機能不全となるβ−ARとは異なり、α1Aの存在量は、悪化していくヒト心臓組織中で維持される、または増加する。[36、37]HFを処置するために非選択的α1−ARアゴニストを使用する方向性は、一般に使用される用量での血管緊張に対する効果を考慮すると、直観的に魅力がない。α1Aの長期にわたる2倍の全身性過剰発現は、寿命の延長、がん発生率の減少[40]、及び認知の改善と関連する。[41]
実施例6.
方法及び実験の設定
ダブザルグロン化学構造の検証。ダブザルグロンを公開済み化学構造1によって合成した。化合物の純度(>95%)及び同一性を、核磁気共鳴(NMR)スペクトル及びマススペクトル(MS)によって確認した。1H NMRスペクトルをプロトンに対して400MHzでVarian Mercury分光計上で取得した。MSデータを、エレクトロスプレーイオン化(ESI)源を用いたAgilent 6110シングル四重極質量分析計を使用して陽イオンモードで取得した。
動物.C57Bl6Jマウスは、Jackson Laboratoryから、または発明者らの繁殖コロニーからのものであった。Paul C.Simpsonからのα1A−ARノックアウト(AKO)マウスは、少なくとも10世代のC57Bl6J背景を持つコンジェニック系であって、発明者らの動物施設でヘテロ接合交配によって作製した。8〜12週齢の雄を全ての実験に使用した。新生同腹仔を有する雌のSprague−Dawleyラットは、Charles Riverからのものであった。動物飼育及び実験プロトコールは、UNC IACUCによって承認され、Guide for the Care and the use of Laboratory Animals(National Research Council Committee for the Update of the Guide for the Care and Use of Laboratory Animals,2011)に従った。
テールカフ血圧測定:テールカフ血圧(BP)及び心拍数(HR)を、CODA Volume Pressure Recordingテールカフシステム(Kent Scientific)を使用し、反復測定によって覚醒マウスから得た。2匹のマウスをデータ収集前に5日間、装置で訓練した。収縮期BP及びHR測定値は、毎日午後のマウス1匹当たり少なくとも20回のテールカフ膨張の平均を表す。
ドキソルビシン注射、ダブザルグロン及びトラメチニブ強制投与:マウスを3日間の飼育で訓練し、次いで0日目にマウスに心エコー検査を受けさせた。1日目に、マウスに0.5ccのインスリンシリンジを使用して、DOX20mg/kgまたは生理食塩水ビヒクルの腹腔内(i.p.)注射を受けさせた。1日目〜7日目に、マウスにダブザルグロン10 g/kgまたは生理食塩水を強制投与(Kent #FNC20−1.5)によって、体重の1%の量で1日2回施した。一部のマウスにトラメチニブ(Selleck)1mg/kgを強制投与によって1日1回、単独でまたはドキソルビシンもしくはダブザルグロンと組み合わせたいずれかで施した。7日目に、マウスに心エコー検査を受けさせ、イソフルランの過剰投与後に頸椎脱臼によって犠牲死させた。
定量的逆転写酵素PCR(qRT−PCR):全RNAを細胞及び組織から単離し(QiagenRNeasy Plus mini kit #74134)、NanoDrop(ThermoScientific)を使用して分析した。qRT−PCRのために、1 gのRNAを、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Life Technologies #4368814)を使用して逆転写した。2ステップqRT−PCR反応物は、2%のcDNA産物を含有していた。全ての反応を、Roche 480 Light Cycler中で3回反復して実施した。PCR産物の相対的定量はΔΔCt法を使用し、2つの有効な参照遺伝子(Tbp及びPolr2a)と比較した。類似した効率を全てのプライマーで確認した。全てのプローブ及びプライマーは、Rocheからのものであった。
qRT−PCRプライマー:
参照遺伝子:
Tbp マウスF:ggcggtttggctaggttt(配列番号:1)、
R:gggttatcttcacacaccatga(配列番号:2)、UPLプローブ#107、
ラットF:ggggagctgtgatgtgaagt(配列番号:3)、
R:ccaggaaataattctggctcata(配列番号:4)、UPLプローブ#97、
Polr2a マウスF:aatccgcatcatgaacagtg(配列番号:5)、
R:tcatcatccattttatccacca(配列番号:6)、UPLプローブ#69、
ラット:F:ttcggctcagtggagagg(配列番号:7)、
R:gctcccaccatttctccag(配列番号:8)、UPLプローブ#71。
標的遺伝子:
アルファ1A−AR マウスF:attgtggtgggatgcttcgtcct(配列番号:9)、
R:tgtttccggtggcttgaaattcgg(配列番号:10)、UPLプローブ#105、
ラットF:ggttgcttcgtcctctgct(配列番号:11)、
R:gaaatccgggaagaaagacc(配列番号:12)、UPLプローブ#105、
ANF マウスF:cacagatctgatggatttcaaga(配列番号:13)、
R:cctcatcttctaccggcatc(配列番号:14)、UPLプローブ#25、
ラットF:cacagatctgatggatttcaaga(配列番号:15)、
R:cctcatcttctaccggcatc(配列番号:16)、UPLプローブ#25、
skAct マウスF:cctgccatgtatgtggctatc(配列番号:17)、
R:ccagaatccaacacgatgc(配列番号:18)、UPLプローブ#56、
ラットF:tgaagcctcacttcctaccc(配列番号:19)、
R:cgtcacacatggtgtctagtttc(配列番号:20)、UPLプローブ#81、
MHC−ベータ マウスF:ctgcaggacctggtggac(配列番号:21)、
R:ggaacttggacaggttggtg(配列番号:22)、UPLプローブ#64、
ラットF:ctccacgcaccctcactt(配列番号:23)、
R:catgaccagggggttgtc(配列番号:24)、UPLプローブ#80、
PGC1−アルファ マウスF:agcctgcgaacatatttgaga(配列番号:25)、
R:atgagggcaatccgtcttc(配列番号:26)、UPLプローブ#47、
ラットF:gcagtcgcaacatgctca(配列番号:27)、
R:gggtcatttggtgactctgg(配列番号:28)、UPLプローブ#6。
マウス心エコー検査:意識のある状態での経胸壁心エコー検査を、McAllister Heart Institute Animal Models Coreにおいて、VisualSonics Vevo 2100超音波システム(VisualSonics,Inc.、トロント、オンタリオ州、カナダ)を使用して、ゆるく拘束したマウスで実施した。2次元及びMモード心エコー検査を、乳頭筋レベルにおいて傍胸骨長軸像で実施した。左室収縮機能を、短縮率(%FS=[(LVEDD−LVESD)/LVEDD]×100)によって評価した。報告値は、マウス1匹当たり少なくとも5回の心周期の平均を表す。超音波検査者及び調査者は、画像取得及び分析の間、マウスの処置条件について盲検状態であった。
マウス心臓組織学:マウスをヘパリン処置し、心臓を10mLのPBSで、続いて20mLの4%PFA/PBSで23Gの翼状針によって灌流し、切除して4%PFA/PBS中に24時間置き、次いで70%EtOHに移した。心臓を、UNC Histology Research Coreにおいて標準的な方法を使用して染色した。線維化を、各処置群からの4つまたは5つの心臓の、3つのマッソントリクローム(MT)染色切片で分析した。スライドを、Aperio ScanScope(Aperio Technologies、ビスタ、カリフォルニア州)を使用してスキャンし、Aperio ImageScopeソフトウェアで分析した。Algorithm Positive Pixel Count v9を使用して、色相値(0.66)及び色相幅(0.1)を使用したMTによるコラーゲン染色を測定した。N正値/N合計値を使用して、各切片の加重平均コラーゲン含有量(%)を決定した。
RNAseq:RNAseqを、Carolina Center for Genome Sciences High Throughput Sequencing Facilityで実施した。ライブラリーを、全RNAについてIllumina RNA TruSeqキットを使用して調製した。シングルリードシーケンシング(1×100)を、Illumina HiSeq 2000システム上で実施した。QC合格リードを、MapSplice.3を使用してマウス参照ゲノム(mm9)にアラインメントした。アラインメントプロファイルを、Picard Tools v1.64(broadinstitute.github.io/picard/)によって決定した。アラインメントしたリードを、SAMtoolsを使用して選別かつ索引付けし、トランスクリプトーム座標へと変換して、次いで、UBU v1.0(github.com/mozack/ubu)を使用してインデル、大きなインサート、及びゼロマッピングクオリティについてフィルタリングした。各試料についての転写物存在量の推定を、UCSC knownGene転写物及び遺伝子定義を使用し、期待値最大化アルゴリズム4のRSEMを使用して実施した。全てのRNAseq試料に関する生RSEMリード総数を、全体の上位四分位数.5を基準として正規化した。遺伝子レベルの差次的発現試験を、RパッケージDESeq2で実行したLoveら(2014)の方法を使用して実施した。遺伝子セットレベル試験を、Efron及びTibshirani(2006)の方法ならびに分子署名データベースのmSigdb.6で定義されるような遺伝子セットを使用して実施した。GEOアクセッション番号は、承認待ちである。
ATP活性アッセイ:マウスの心臓を取り出し、製造業者の指示に従ってルシフェリン−ルシフェラーゼATPアッセイ(ThermoFisher Scientific A22066)のために直ちに処理した。組織を均質化し、95℃で7分間加熱して、14000rpmで5分間遠心分離した。上清中の総タンパク質を、Bradford Assay(Pierce #23200)を使用して定量化した。発光を560nmで測定した。
NRVM単離及び培養:雌のSprague−Dawleyラットは、Charles Riverからのものであった。NRVMを先に記載した通りに単離した。7簡潔に述べると、1〜2日齢ラット仔の心臓を細かく刻み、コラゲナーゼ(Worthington)含有溶液中で連続して消化し、濾過して、次いで前播種して非筋細胞を除外した。次いで、NRVMをラミニンコーティングディッシュ上の、5%ウシ胎児血清(Sigma F2442)を含むDMEM中に24時間播種した。インスリン、トランスフェリン、及びBrdUの存在下における36〜96時間の血清飢餓後、実験を実施した。
NRVM中のERK活性化:血清飢餓状態のNRVMをアドレナリンアゴニスト及びアンタゴニストで15分間処置し、次いで、プロテアーゼ(Sigma P8340)及びホスファターゼ阻害剤(Roche PhosSTOP #04906837001)を含有するRIPA緩衝液中に氷上で急速に溶解させた。溶解物を急速凍結し、−80Cで保存した。
アネキシンV−fluos:36時間の血清飢餓後、NRVMを、ダブザルグロン10 Mの存在下及び不存在下においてDOX2 Mまたはビヒクルで4時間処置した。細胞を冷PBSで2回洗浄し、次いで、10μLのフルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識アネキシンV、2μLのヨウ化プロピジウム(PI)及び1μg/mLのHoechst33342(Molecular Probes、アメリカ)を含む、200μlの結合緩衝液(10mM HEPES、140mM NaCl、及び2.5mM CaCl2、pH7.4)を用いて15分間室温でインキュベートした。それらを落射蛍光顕微鏡(Olympus IX81倒立光学顕微鏡、UNC Microscopy Core)下で調査した。画像を、Image Jソフトウェアを使用して分析した。実験は、各処置条件について2回反復し、3回独立して実施した。352の核の平均を、実験ごとに6つの顕微鏡視野の平均で計数した。
ミトコンドリア膜電位:NRVMのミトコンドリア膜電位を、5,5’,6,6’−テトラクロロ−1,1’,3,3’−テトラエチルベンズイミダゾリルカルボシアニンヨウ化物(JC−1)反応によって決定した。細胞を、製造業者のプロトコールに従ってJC−1(Mitoprobe、Cayman Chemical Company)で染色した。簡潔に述べると、血清飢餓状態のNRVMを、ダブザルグロンの存在下または不存在下においてDOXまたはビヒクルで処置した。JC−1 2μMをそれぞれに30分間添加した。細胞を培地で1回洗浄し、次いでプレートリーダー(CLARIOstar、BMG LABTECH、ドイツ)によって分析した。JC−1緑色蛍光を488nmで励起し、発光を、530±40nmフィルターを使用して検出した。JC−1赤色蛍光を488nmで励起し、発光を、613±20nmフィルターを使用して検出した。
イムノブロッティング及び抗体:均質化した組織または細胞を、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤(上記の通り)を含むRIPA緩衝液中に溶解し、溶解物をQiashredderに通過させた。均等なタンパク質存在量を、Bradfordアッセイ(組織溶解物)または均等な細胞数(NRVM)で確保した。試料を140vで2時間、氷上においてNovex NuPAGE4〜12%Bis−Trisゲル上で実行し、次いで90Vで1時間、氷上でPVDF膜へと移した。膜を、5%ミルク中において室温で1時間ブロックした。発明者らは、Cell Signalingキット#9100(pERK Thr202/Tyr204 1:250、ERK 1:1000、抗ウサギHRP 1:1000)を使用した。BID:(Santa Cruz、SC−11423)、シトクロムC:(Santa Cruz、SC−13560)、AIF:(Santa Cruz、SC−13116)、カスパーゼ8:(MBL international corporation、JM−3020−100)、PARP:(Cell Signaling、#9532)、カスパーゼ3:(Cell Signaling、#9665)、切断型カスパーゼ3:(Cell Signaling、#9664)
薬物:ダブザルグロンを合成した。発明者らは、ノルエピネフリン(Sigma #N5785)、プロプラノロール(Sigma P−8688)、DOX(Tocris #2252)、及びトラメチニブ(Selleck S2673)も使用した。
統計:全ての結果を平均±SEMとして提示した。比較を、Tukey事後分析(Graphpad Prism)を用いたt検定(2群)または一元配置ANOVA(3群)を使用して行った。ERK活性化のEC50を、シグモイド用量反応分析(Prism)を使用して算出した。
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本明細書に記載される実施例及び実施形態は例示目的のためだけにすぎず、それらを考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆されることになり、本出願の趣旨及び範囲内ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであると理解される。本明細書で引用された全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。

Claims (22)

  1. 心筋症の処置または予防を必要とする患者の心筋症の処置方法または予防方法であって、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む、前記方法。
  2. 前記心筋症が、アントラサイクリン投与、高血圧、心臓弁膜症、心筋虚血、心筋梗塞、心筋炎症、心不全、肺高血圧症、気絶心筋、冬眠心筋、心臓手術、遺伝子変異、心臓タンパク質の遺伝子変化、または冠動脈インターベンションと関連する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記心筋症が、アントラサイクリン投与と関連する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記アントラサイクリンが、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アドリアマイシン、またはバルルビシンである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ダブザルグロンが、前記アントラサイクリンと共投与される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記ダブザルグロンが、前記アントラサイクリンの投与前に投与される、請求項3に記載の方法。
  7. 前記ダブザルグロンが、前記アントラサイクリンの投与後に投与される、請求項3に記載の方法。
  8. 前記方法が、前記心筋症を処置することを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記方法が、前記心筋症を予防することを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記患者の血圧が、前記投与の結果として増加しない、請求項1に記載の方法。
  11. 前記患者の血圧が、前記投与の結果として50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1mmHg以下の量で増加する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記血圧が収縮期血圧である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記有効量が、約0.001〜1000、0.1〜100、1〜50、または5〜25マイクログラム/キログラム患者体重である、請求項1に記載の方法。
  14. 前記有効量が、約20マイクログラム/キログラム患者体重である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記有効量が、20マイクログラム/キログラム患者体重である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記有効量が、1日に前記患者に投与される総量である、請求項1に記載の方法。
  17. 前記投与が、非経口、静脈内、動脈内、頬側、舌下、口腔、経口、経皮、または経鼻のものである、請求項1に記載の方法。
  18. 心細胞ミトコンドリア機能不全の処置方法または予防方法であって、前記心細胞を、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、前記方法。
  19. 心細胞死の処置方法または予防方法であって、前記心細胞を、有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、前記方法。
  20. 前記心細胞死がアポトーシスである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記心細胞死がネクローシスである、請求項19に記載の方法。
  22. 心不全の処置または予防を必要とする患者の心不全の処置方法または予防方法であって、治療有効量または予防有効量のダブザルグロン、またはその類似体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを投与することを含む、前記方法。
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