JP2019506288A - 変性セルロース繊維および調製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、液体からヘイズ活性物質を人工浄化するための方法に用いる変性セルロース繊維を調製する方法に関する。また、本発明は、液体からヘイズ活性物質を人工浄化するための、本発明による方法により得られる変性セルロース繊維、および、1つ以上の変性セルロース繊維を含む補助濾過手段に関する。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体から混濁原因物質を人工浄化するための方法に用いる変性セルロース繊維を製造する方法に関する。また、本発明は、上記変性セルロース繊維を、液体から混濁原因物質を人工浄化するための濾過助剤として用いることに関する。
ビール、ワイン、果汁のような透明な飲料およびその他の液体の最も重要な質的特性には、味、香りおよび色の他に、物理化学的安定性および透明度も含まれる。発泡した透明なビール、ワインまたは果汁を得るためには、濾過をしなければならない。
特に、ビールの製造において、酵母細胞、ホップ樹脂またはタンパク質−タンニン化合物のような混濁物質は、熟成完了後、一定量、懸濁液中に残る。これらの物質は、ビールに、ミルキーで濁った外見を与える。また、そのような混濁原因物質は、ビールの味および芳香に負の影響をも与え得る。
従って、人工浄化としても知られている濾過は、熟成後、瓶詰め前にビールが通らなければならない最後の工程である。既に熟成(自然浄化)により、混濁原因物質の沈殿を通してビールのコロイド安定性は向上している。また、ビールの安定性は、安定剤および追加的濾過(人工浄化)を用いることによって向上し得る。濾過を必要とする最も重要な理由は以下を含む。
・酵母細胞、ホップ樹脂またはタンパク質タンニン化合物のような混濁物質の除去。
・濾過済みビールに新たな濁りを形成し得るタンパク質またはタンニンのような物質の追加的低減。
・酵母または細菌のような微生物の除去。
・透明な見た目。
・感覚的な向上。
透明で微生物を含まないビールを得るための様々な濾過方法が知られている。有力な方法の1つは、珪藻土、または、パーライト、セルロースおよびCrosspure(R)のような他の濾過助剤を用いた全量濾過を用いることである。調製されたフィルタ層(複数シート)としてのシートフィルタを用いること、および/または、上記の濾過助剤を用いることも一般的である。膜濾過(クロスフロー濾過)もまた、例えば、セパレータによる予備浄化と組み合わせて、醸造所において用いられることが多くなってきている。
これらのシステムのいずれを用いても高品質ビールを製造することはできる。当該業界で公知である全量濾過、シート濾過および膜濾過(クロスフロー濾過)のようなこの種の濾過には様々な欠点がある。
全量濾過において考慮すべき主な点は、珪藻土のような濾過助剤の使用であり、これに対しては、複数の健康面での反対意見があり、廃棄の必要性があるだけでなく、鉄のような酸化促進金属イオンが飲料原料に混入してしまうこともあり、これは、膜濾過と比較して大きな欠点であると考えられる。また、膜濾過方法は、利用可能な方法の種類に関して、また、それに伴う濾液の質の差に関して非常に非柔軟である。全量濾過の場合、未濾過ビールの質の変動に合わせて珪藻土混合物の粒径を調整することによって、濾過がより困難な液体の場合に、膜の濾過性能が自動的に低減する。上記理由から、膜濾過システムにおいては複数のモジュールが常に平行稼働しているので、連続処理が可能であるものの、大幅に高い投資コストとも関連付けられている。全量濾過と比較して、膜濾過は、稼働コストおよび設置コストの両方が大幅に高く、同様に、電力消費量および水消費量もまた高い。
珪藻土の使用に起因して生じるもう1つの重要な欠点は、重い金属イオンが混入してしまうこと、特に、酸化促進鉄または銅が混入することである。原材料(麦芽、ホップ、醸造水、酵母)に起因する鉄の混入に加えて、主には珪藻土プレコートから放出される鉄によって、また次いで連続的珪藻土添加から放出される鉄によって、ビール内に鉄が混入する。この鉄は、濾過開始時における全量濾過の最初の15分で大部分が析出し、その後連続的に減少する。しかし、珪藻土の連続的添加は、ビール内への均一的に高い鉄の混入に繋がる。ビール可溶鉄の総量および/または銅の総量は、比較的小さな程度であるが、珪藻土の多様性に依存する。推奨限界値は0.20mg/Lである。しかし、最新の研究結果によると、金属イオンはビールの酸化性およびコロイド安定性に強い影響を与えるため、ビールに関しては、<0.05mg/Lという大幅に低い値が望ましく、これを目標と設定すべきであるとされている。
ここで、珪藻土は、「健康を害する職業物質を検査するドイツ研究振興協会(DFG)」によるMACリスト(最大許容現場レベル)およびBAKリストにも含まれており、カテゴリ1「人間において発癌性有り」に分類されるべきものである。さらに、使用済み珪藻土の廃棄も「要監視特別廃棄物」として分類しなければならず、よって、廃棄が煩雑かつ高コストとなる。
さらに、濾過助剤として使い物にならなくなった使用済み珪藻土を再生する試みは、実際にはあまり成功していない。珪藻土の取り扱いおよび廃棄のさらなるより厳しい法律規制に関する予測できない状況、ならびに、膜濾過の分野における近年の技術開発の進歩のために、膜濾過を使用するように切り替えた醸造所もある。
前述の状況からすると、醸造所に現存する全量濾過設備および/またはシート濾過設備を継続して使用できるように、珪藻土を用いない全量濾過が理想的なビール濾過となるであろう。
これらの理由から、珪藻土が入っていない濾過助剤に対する緊急的な需要がある。
この点について、欧州特許第EP1333906B1号は、代替的な再生可能濾過助剤であるCrosspure(R)を記載している。この濾過助剤は70%がポリスチレンで構成されているが、ポリスチレンは、食品製造に関して既に認可を受けており、今日既に普及している。他の原料は、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)またはポリビニルポリピロリドン(PVPP)を含む。これらの濾過助剤により、微粒子の混濁原因物質は物理的な方法によって除去でき、溶解した混濁原因ポリフェノールは結合させることができる。
しかし、再生可能なCrosspure(R)濾過助剤は、荒い濾過助剤および細かい濾過助剤の混合物から調製されるため、重大な欠点を有する。使用後およびその後の再生後において、荒い濾過助剤粒子と細かい濾過助剤粒子との不明な混合物が存在する。現在の技術では、この混合物は、まだ実用に不向き、つまり、十分経済的に分離することができない。よって、様々な未濾過ビールおよび/または例えばプレコートのような濾過方法ステップで要求される個々の濾過助剤の適用可能性に関してもはや適切な精度がない。十分な精度を達成するための高価な費用はやはり、比較対象の方法と比べて濾過コストが高くなる。
また、F.Braun、H.Eversら(Frank Braunら「複合フィルタ助剤をセルロース繊維に添加したビール濾過に関する大規模研究」醸造協会誌、刊行番号G−2011−0921−1107、2011) 等により、未処理のセルロース繊維およびシリカゾルをビールの濾過に使用する事はこれまでにも試みが行われてきた。これらの方法においては、トラップフィルタを用いて第2の濾過ステップも行われる。しかし、この方法では、珪藻土濾過で得られる濁度値(0.8/0.2EBC(90°/25°))(この値は高品質ビール濾過の参考値として用いられる)は得られない。
ここで、EBC単位(以下で未だに用いられている)は、ヨーロッパにおける醸造の科学的活動を推進するヨーロッパ醸造会議の頭文字である。EBC単位は、特に、ビールの濁度、ビールの色、および、ビールの苦み値を表すのに用いられる。
この方法によって求められEBC単位で表される濁度値は、MEBAKに従って求められる。MEBAKは、ビール麦汁、混合ビール飲料のための醸造業界の分析方法であり、分析に関する中央欧州ビール醸造者委員会の方法集(MEBAKの自主刊行物、D−85358Freising−Weihenstephan、2012、ISBN978−3−9805814−6−2、193〜194頁、2.14.1.2項)である。
Braunが記載した方法においては、複数の水平層のプレコートのために水平パイロットフィルタを用い、第2濾過ステップにおいて二次フィルタとして10μmカラムのトラップフィルタを用いる。これら2つの濾過ステップのために、Braunによる方法も非常に煩雑であり、従って高コストである。
Braunによる方法のもう1つの欠点は、PVPPまたはシリカゾルおよび/またはシリカゲルとの混合物として使用する際のセルロース繊維の廃棄である。よって、珪藻土を用いる場合と同じ問題が生じる。
従って、本発明の目的は、液体から混濁原因物質を人工浄化するための代替的な濾過助剤を利用可能にすることである。また、本発明の目的は、前述した現在の技術の欠点を克服する濾過助剤の材料を提供することである。
従って、本発明は、醸造科学の質的要件および経済的要件を満たし、さらに、使用の際にさらなる利点を与える、珪藻土の代わりとなる代替的な濾過助剤を提供する。
本発明の変性セルロース繊維を製造する方法によって代替的な濾過助剤が可能となり、この変性繊維は、液体から混濁原因物質を人工浄化するための方法において濾過助剤として用いた際に現在の技術の欠点を解消するものである。従って、この変性繊維を生成する方法およびこの変性繊維自体が、独立請求項の主題である。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
従って、本発明の主題の1つは、変性セルロース繊維を製造する方法であって、
I.準備ステップ:
a)80〜99.9重量%のセルロース繊維と、
0.1〜10重量%のクロスカルメロースナトリウムと、
0〜10重量%の1つ以上の添加剤と、
からなる繊維混合物を計量するステップと、
II.中性〜アルカリ範囲における膨潤および調製ステップ:
b)初期重量混合物を極性溶媒でいっぱいにするステップと、
c)pHを調節するステップと、
III.加熱ステップ:
d)攪拌しながら初期重量混合物を沸点まで加熱するステップと、
e)攪拌しながら初期重量物質を煮沸するステップと、
f)攪拌しながら初期重量混合物を冷却するステップと、
IV.洗浄ステップ:
g)極性溶媒を分離するステップと、
h)繊維を洗浄するステップと、
V.均質化ステップ:
i)攪拌することにより、湿潤マスをほぐすおよび/または粉末化するステップと、
VI.制作ステップ(任意に適用可能):
j)湿潤マスを乾燥するステップと、
k)変性セルロース繊維を単離し、任意に処理するステップと、
の1つ以上を包含する、方法である。
また、本発明の主題は、液体から混濁原因物質を人工浄化するための濾過助剤として用いることができる、本発明の方法によって得られる変性セルロース繊維であって、
a)80〜99.9重量%のセルロース繊維に基づく主機能物質と、
b)0.1〜10重量%のカルボキシメチルセルロースに基づく副機能物質と、
c)0〜10重量%の1つ以上の添加剤と、
からなる変性セルロース繊維である。
また、本発明の主題は、本発明により変性された1つ以上のセルロース繊維を含む濾過助剤である。
第1の方法ステップ(a)において、本発明の方法のために、80〜99.9重量%のセルロース繊維、0.1〜10重量%のクロスカルメロースナトリウムおよび0〜10重量%の1つ以上の添加剤からなる繊維混合物を計量する。
具体的には、第1に、80〜85重量%、82〜90重量%、85〜92重量%、87〜95重量%、90〜99重量%、92〜99.0重量%、90〜99.9重量%の分量のセルロース繊維を含み、第2に、ある分量のクロスカルメロースナトリウムおよびさらなる添加剤を含む繊維混合物が用いられ、本発明の方法にとって均衡のとれた重量比で用意される。
クロスカルメロースナトリウムの量は、典型的に、0.1〜3重量%、0.1〜0.5重量%、0.2〜1重量%、0.5〜1.5重量%、1〜3重量%、0.8〜2.5重量%、1.2〜3.5重量%、1.5〜3.8重量%、1.8〜4重量%、2〜4.5重量%、2.2〜4.8重量%、2.5〜6重量%、2.5〜8重量%、3.0〜8重量%、3.0〜6重量%、3.2〜7重量%、3.5〜9重量%、2.5〜9重量%、4.0〜10重量%、4.5〜10重量%である。100重量%に調整するために、通常、下記の1つ以上の添加剤を用意する。
繊維混合物に含まれる原料の合計は100重量%であり、これは、セルロース繊維、クロスカルメロースナトリウム、および/または、1つ以上の添加剤からなる。
繊維混合物は、長さや性質が異なる様々なセルロース繊維からなる。セルロース繊維は、セルロース、セルロース系繊維、穀物の繊維、木材の繊維、竹の繊維、木材チップの繊維、木材廃棄物の繊維、または、それらの混合物を含む繊維群であるとする。セルロース繊維に対して、カルボキシメチルセルロースおよび/または特にクロスカルメロースナトリウムを用いて発明的なターゲットを絞った処理を行うことによって、個々の繊維間のより強固な架橋が達成され、および/または、さらなる化合物を取り入れることによってより細かい枝分かれが達成される。これは、一方では繊維間の機械的接合によって、また、他方では変性セルロース繊維の向上した化学結合特性によって達成される。
本発明のセルロース繊維を処理することにより、特定のタンパク質の向上した結合力によって認識できるさらなる機能性が与えられ、これにより、混濁原因タンパク質および/またはタンパク質−ポリフェノール化合物さえも除去可能である。その結果、シリカゲルまたは珪藻土のような安定剤はほとんど不要であり、変性繊維の濾過助剤としての発明的な使用は比較的安価である。
カルボキシメチルセルロース(CMC)は、一部のヒドロキシ基がエーテルとしてカルボキシメチル基(−CH2−COOH)に結合したセルロースエーテル、即ち、セルロース誘導体である。製造に関して、セルロースを針葉樹木および落葉樹木から得て、セルロースは粉砕して、水酸化ナトリウム溶液を用いてより反応性の強いアルカリセルロースに変換する。アルカリセルロースからカルボキシメチルセルロースへのアルキル化はクロロ酢酸中で行われる。セルロース構造は維持され、酸性形態は水に不溶である。ただし、カルボキシメチルセルロースは、塩基性溶液に容易に可溶である。
EUでは、カルボキシメチルセルロースはE466の番号で食品添加物として認可されている。この点について、CMCを含む変性セルロース繊維からなる本発明の濾過助剤の廃棄は、低コストであり、この濾過助剤は、最も簡単な方法で堆肥化することができる。さらに、動物の飼料または飼料添加物としても認可が可能である。クロスカルメロースナトリウムは、架橋で生成されるカルボキシメチルセルロースの水不溶性の1変種である。
クロスカルメロースナトリウムは、医薬品製造および食品技術において添加剤として用いられる膨潤性で水不溶性の多糖類であることが一般に知られている。カルボキシメチルセルロースポリマー鎖の架橋は、カルボキシメチルセルロースにおける前の方法ステップからの余剰クロロ酢酸から形成されるグリコール酸によって生じる。形成される酸によるカルボキシル基の脱プロトン化によって、形成される他のポリマー鎖への結合が可能になる。架橋の度合いは、pHおよび温度によって制御できる。ここでは、架橋剤は用いられない。ポリマー鎖の架橋によってクロスカルメロースナトリウムは実際的に水に不溶であるが、水結合能力は高く、水を吸収することによって元の体積の4倍〜8倍まで膨潤する。この繊維の膨潤により、また、その結果として増大した体積により、混濁物質に対して向上した取り込み挙動(濾過挙動)がもたらされる。クロスカルメロースナトリウムは、事実上、アセトン、エタノール、トルエンおよびジエチルエーテルに不溶である。また、興味深いことに、クロスカルメロースナトリウムは、人体には吸収されない。
本発明の方法で使用する添加剤は、繊維混合物に添加することによって、濾過中または濾過後の変性セルロース繊維の製造および/または保管および/または処理および/または特性にプラスの効果をもたらし得る賦形剤および/または添加剤を含む。使用する添加剤は、高い環境適合性、低い健康リスク、高い経済性および高い安定性という要件を満たす。本発明の方法において好ましい添加剤は、例えば、ペクチン、カラギーナン、アイシングラス、親水コロイド、デンプン、ガロタンニン、シリカゾル、シリカゲル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)からなる添加剤群から選択される1つ以上の添加剤を含む。これらは、単独で添加してもよいし、混合して添加してもよい。これらの添加剤は、変性セルロース繊維の技術的有用性を向上し、また、そのフィルタ性能をさらに高める。
本発明の方法の方法ステップ(b)において、方法ステップ(a)の初期重量混合物を極性溶媒でいっぱいにする。極性溶媒の例は、水、アルコール、カルボン酸水溶液、アミン、または、これらの混合物を含む溶媒群から選択される溶媒を含む。
方法ステップ(c)において、セルロース繊維を処理するためにpHを調整する。pH調整は、繊維のワークアップにおいて反応プロセスを変化させるステップである。本発明の方法は、好ましくは、アルカリ性または弱アルカリ性〜中性のpH範囲内、または、弱酸性範囲内で行われる。本発明の方法は、pH6〜pH13のpH範囲で行うことができることが分かっている。
用いられる出発物質によっては、金属イオンのような不要な成分が洗い流されるようなpHにpH調整することが有利である。異なる出発物質の場合には他の原料が予想されるので、本発明によれば、1つ以上の酸または塩基を用いてpH調整することが可能である。当業者であれば、この目的のために、通常HClまたはNaOHを用いる。
様々なpHレベルでの実験において、pHをアルカリ性範囲内でpH≧9に調整し、少ない出発物質を用いることによって、極性溶媒における鉄レベルの顕著な増大が観察され得ることが分かっている。この鉄レベルの一部は、繊維のワークアップにおいて形成される酸化鉄として洗い流され、よって、濾過処理において後からビールに混入することはない(表1)。
Figure 2019506288
表1:部分濾過されたワークアップ溶液における鉄の実測値
従って、特に強調すべきは、この方法をアルカリ性範囲で実行すれば、本発明の変性繊維を濾過に応用する場合にさらなる利点が得られるということである。
ワークアップは、方法ステップ(d)〜(f)において攪拌しながら行われる。攪拌は例えばマグネチックスターラーで行ってもよいが、初期重量混合物を攪拌する他の方法を排除するものではなく、これらの方法に限定されるものでもない。
方法ステップ(d)および(e)において、初期重量混合物を攪拌しながら煮沸する。煮沸処理は最大360分かかり得る。用いる繊維および/または前処理および/または後処理によっては、煮沸処理は360分より長くもなり得る。
濾過処理において濁度を低減し、濁度値を45EBCから19EBCまで低減する変性セルロース繊維は、60分の煮沸処理でも得られ得る。従って、セルロース繊維のワークアップは、後の濾過処理における濁度値の顕著な向上に繋がる。
好ましくは、煮沸は60℃〜105℃の範囲の煮沸温度、あるいは、60℃〜80℃、70℃〜90℃、80℃〜105℃に保たれる。煮沸を圧力下で行って、煮沸温度が各極性溶媒の沸点よりも高くなるようにしてもよい。産業的な製造においては、若干過剰な圧力での煮沸が行われる。
方法ステップ(f)において、繊維混合物を攪拌しながら冷却する。
方法ステップ(g)において、例えば、真空ポンプを用いて濾紙を通す吸引濾過によって、極性溶媒を初期重量混合物から分離する。本願において、極性溶媒の分離は真空ポンプに限定されない。本願において、従来技術において公知のさらなる方法を用いて吸引濾過および/または分離を行ってもよい。
方法ステップ(h)において、例えば、二重蒸溜水、水道水、弱アルカリ性または弱酸性の溶液、生理食塩水(例えば、NaCl溶液)を用いて、新たな吸引濾過によって、および/または、真空ポンプを用いた分離によって、初期重量混合物を洗浄する。
方法ステップ(i)において、湿潤マスを、攪拌によってほぐす、粉末化する、および/または、均質化する。当業者であれば知っている他のほぐす方法、粉末化方法または均質化方法を用いてもよい。
任意の方法ステップ(j)において、残留含水量が約2%〜10%になるまで湿潤マスを乾燥する。この乾燥によって、変性セルロース繊維はより安定かつ可搬になり、この処理ステップの後、自動的濾過用途に用いることができる。ただし、変性セルロース繊維は、直接、濾過方法に用いてもよい(例えば、方法ステップ(j)を用いずに現状の湿潤マスを用いた全量濾過)。例えば、変性セルロース繊維を後にプレスしてシートを形成して、例えばシートフィルタとして用いる場合には、乾燥の利点がある。
方法ステップ(k)において、変性繊維を単離する。単離とは、変性セルロース繊維が濾過処理において初めて変性処理から変換されることを意味するものであってもよい。
公知の従来技術の範囲内において、方法ステップ(b)および(d)〜(k)を組み合わせたり、順番を入れ替えたり、交換したり、修正したりすることが自由であることは言うまでもない。
用語「変性セルロース繊維」は、熱的作用、および/または、機械的作用、および/または、化学的作用、および/または、添加剤を用いて狙いを定めて変性させて濾過特性を向上させたセルロース繊維、を指すものとする。
例えば、繊維中の鉄含有量はセルロース繊維の発明的なワークアップによって顕著に低減でき、従って、濾過助剤として珪藻土を用いた場合と比較して、酸化作用を有する鉄の濾過関連の混入は顕著に低減される。その結果、より高いビールの酸化安定性が得られる。また、本発明によりワークアップされたセルロース繊維により、混濁原因タンパク質および/またはタンパク質ポリフェノール化合物のさらなる結合が可能になり、この添加剤効果によって、珪藻土または粗セルロース繊維を用いた濾過と比較して、より高いビールのコロイド安定性が得られる。
従って、同じコロイド安定性を得ながら、PVPPまたはシリカゾルまたはシリカゲルのような一般的に用いられている安定剤の添加を低減することができ、濾過がより安価に実行できるようになる。
セルロース繊維は、セルロース、セルロース系繊維、穀物の繊維、木材の繊維、竹の繊維、木材チップの繊維、木材廃棄物の繊維、または、それらの混合物からなる繊維群から選択される。繊維の平均繊維長は、<1〜500μmの範囲内である。「平均長の繊維」という表現は、製造関連のばらつきを指し、「長さが異なる繊維を組み合わせて用いる」という表現は、1〜500μmの平均範囲を指すものとする。繊維の繊維長(長い繊維、短い繊維)が異なり得るのは、デッドヘッド挙動が、セルロース繊維の平均繊維長および比重または繊度に大きな影響を与えるからである。セルロース繊維を用いて変性セルロース繊維を生成することは、これらの繊維を濾過助剤に用いる場合にさらなる利点をもたらす。
− 珪藻土濾過と比較してセルロース繊維の入手は高価であるにもかかわらず、収益性の側面は改善される。
− 同じ濾過能力に対して質量要件がより低いため、より低い稼働コストが実現できる。
濾過用繊維の製造のための出発物質として用いられるセルロースは再生可能な原材料である。地上で採掘できる珪藻土の元は約1500万年前の珪質藻類(珪藻類)の殻の化石が砕かれたものであり、従って、その量は限られている。この点において、この資源が不足することによって将来的にはおそらく価格上昇が起こるであろうことから、再生可能な原材料を手に入れられることは大きな利点であると考えざるを得ない。
既に述べたように、珪藻土は、粉塵発生の問題から既にMACおよびBAKリストに入れられており、カテゴリ1「人間において発癌性有り」に分類されている。
ビールの濾過について、上記の点から、珪藻土濾過の好適な代替物の探求が盛んになっている。セルロース繊維による濾過助剤を用いた濾過は、過度の粉塵発生を抑えた処理である。
珪藻土を用いた濾過と比較して、本発明の濾過助剤を用いた場合、ビールに混入する鉄イオンは皆無、または、少なくとも明らかに少ない。従って、形成されるラジカルが少なく、ビールの内因性抗酸化能は大幅に低減され、よって、酸化安定性が向上する。その結果、より安定した味が得られ、さらに、コロイド安定性が長持ちする。
従来技術において、ビールはPVPPまたはシリカゲルのような安定剤を用いて処理して、ビールの物理的安定性を向上させる。これにより、醸造処理中に混濁原因ポリフェノール(PVPP)、ポリビニルポリピロリドンまたはタンパク質(シリカゲル)、即ち、ポリフェノール−タンパク質化合物、が除去されて、販売できる状態のビールにおいてより高い濁度安定性が得られる。このステップは、典型的に、全量濾過および膜濾過のいずれでも行われる。
発明的なセルロース繊維の変性によって、繊維はさらなる機能性を持ち、これにより、混濁原因タンパク質および/またはタンパク質−タンニン化合物を濾過によって除去することができる。従って、価値の上昇が生み出され、これにより、さらなる安定剤の使用の低減、および/または、さらなる安定剤の使用の完全な回避によって、醸造所の投資コストだけでなく稼働コストも顕著に向上する。
本発明のある実施形態において、方法ステップ(a)の繊維混合物は、92〜99重量%のセルロース繊維と、1〜8重量%のクロスカルメロースナトリウムと、0.4重量%の1つ以上の添加剤とからなる。
本発明の別の実施形態において、方法ステップ(a)の繊維混合物は、90〜99.9重量%のセルロース繊維と、0.1〜5重量%のクロスカルメロースナトリウムと、0〜5重量%の1つ以上の添加剤とからなる、または、90〜99重量%のセルロース繊維と、1〜5重量%のクロスカルメロースナトリウムと、0〜5重量%の1つ以上の添加剤とからなる組成物から選択される。96重量%のセルロース繊維と、3重量%のクロスカルメロースナトリウムと、1重量%の添加剤とを含む組成物は特に好ましい。
さらなる実施形態において、添加剤は、ペクチン、カラギーナン、アイシングラス、親水コロイド、デンプン、ガロタンニン、シリカゾル、シリカゲル、ポリビニルピロリドンおよび/またはポリビニルポリピロリドン(PVPP)からなる群から選択される。添加剤、特に、ペクチン、カラギーナン、アイシングラス、親水コロイド、デンプンを使用することから、産業的有用性を向上することが可能であり、濾過効率も向上することが可能である。よって、変性セルロース繊維のさらなる向上、および、例えば、特にタンパク質成分または金属イオンの向上した濾過が実現できる。
方法ステップ(d)におけるpHは、少なくとも1つの酸(好ましくは塩酸(HCl))および/または少なくとも1つの塩基(好ましくは水酸化ナトリウム(NaOH))を用いてpH6〜pH13、あるいは、pH7〜pH12、pH8〜pH11、pH8〜pH12、pH9〜pH11、pH7〜pH10、pH11〜pH12のpHに、または、水酸化ナトリウムを用いてpH>9に、あるいは、水酸化ナトリウムを用いてpH11〜pH13のpHに調整される。
pHを下げるには、塩酸またはリン酸または硫酸および硝酸または亜硫酸のような鉱酸を含む酸群から選択される酸を用いることができる。pHを挙げるには、水酸化ナトリウム、アンモニア、石灰水、アミンを含む塩基群から選択される塩基を用いることができる。
主機能原料としてのセルロース繊維は、セルロース、セルロース系繊維、穀物の繊維、木材の繊維、竹の繊維、木材チップの繊維、木材廃棄物の繊維、または、それらの混合物を含む繊維群から選択され、繊維の平均繊維長は<1μm〜500μmの範囲内である。
添加機能物質として、0.1〜10重量%のクロスカルメロースナトリウムが、カルボキシメチルセルロースの水不溶性の1変種として存在している。
ペクチン、カラギーナン、アイシングラス、親水コロイド、デンプン、ガロタンニン、シリカゾル、シリカゲル、ポリビニルピロリドンおよび/またはポリビニルポリピロリドンからなる群から選択される添加剤を添加剤として用いる。
変性または任意に乾燥または単離したセルロース繊維を人工浄化に用いる場合、本発明により変性されたセルロース繊維が再び水に溶解または水で膨潤した時、変性セルロース繊維のpHはpH5〜pH8の範囲内である。
また、本発明は、本発明により変性された1つ以上のセルロース繊維を含む濾過助剤を提供する。この濾過助剤は、例えば、全量管状フィルタとして、あるいは、全量シートフィルタとして生産され得る。そのために、本発明により変性され任意に乾燥された繊維を、技術要件に従って、積層し、突き固め、吸収し、プレスまたは注入する。
好ましくは、濾過助剤は、第1のステップにおいては、濾過助剤のプレコートを用いて液体から混濁原因物質を人工浄化するための方法において用いられ、第2のステップにおいては、濾過助剤を通して浄化する液体の濾過に用いられ、第3のステップにおいては、濾過中に通流添加物として濾過助剤を用いる。
本方法は、本願に記載のステップに限定されるものではなく、さらなるステップおよび/または中間ステップが行われてもよい。濾過助剤の使用もまた、単一の濾過助剤および/または上記のステップに限定されない。混合、および、主機能原料および/または副機能物質および/または1つ以上の添加剤の重量パーセント量が異なる様々な濾過助剤が用いられ得る。
本願では、全量濾過を人工浄化のための方法の一例として記載している。全量濾過においては、例えば、全量管状フィルタが用いられる。また、全量シートフィルタおよび/またはシートフィルタが用いられ得る。
本発明の方法を調整して、変性セルロース繊維を生成する際の様々な実験、および、得られた結果を、以下により詳細に説明するが、これらの実験は、研究所における実験およびTUベルリンの研究醸造所における実験に基づく一例として本発明をしているに過ぎず、変性に関して本発明の概念を限定するものではない。
図1は、珪藻土を用いたFiltrox濾過実験の濾過曲線を示す。 図2は、粗繊維/変性セルロース繊維Aを用いたFiltrox濾過実験の濾過曲線を示す。 図3は、粗繊維/変性セルロース繊維Aを用いた全濾過実験にわたる濁度曲線を示す。 図4は、クロスカルメロースナトリウム量を変化させたときの変性セルロース繊維の挙動を示す。 図5は、2重量%のクロスカルメロースナトリウムを含む変性繊維のワークアップにおいてpHレベルを変化させた実験を示す。 図6は、クロスカルメロースナトリウム−変性セルロース繊維Aを用いた実験の濾過曲線を示す。 図7は、変性セルロース繊維Aを用いたときの全濾過時間の濁度曲線を示す。 図8は、珪藻土を用いた場合の濾過曲線を示す。 図9は、珪藻土を用いた場合の濁度曲線を示す。 図10は、粗繊維/変性セルロース繊維Aを用いた場合の濾過曲線を示す。 図11は、粗繊維/変性セルロース繊維Aを用いた場合の濁度曲線を示す。 図12は、pH11のクロスカルメロースナトリウム3重量%を含む変性セルロース繊維Aを用いた場合の濾過曲線を示す。 図13は、pH11のクロスカルメロースナトリウム3重量%を含む変性セルロース繊維Aを用いた場合の濁度曲線を示す。 図14は、pH11のクロスカルメロースナトリウム3重量%を含む変性セルロース繊維AおよびBを用いた場合の濾過曲線を示す。 図15は、pH11のクロスカルメロースナトリウム3重量%を含む変性セルロース繊維AおよびBを用いた場合の濁度曲線を示す。 図16は、追加的実験におけるビールのESR測定値を示す。
変性セルロース繊維の安定性をより良く評価するために、セルロース繊維(繊維Aおよび繊維B)を用いてビール濾過実験を行った。
その前に、濾過助剤の珪藻土をFiltroxシステムで用いて、比較濾過および/または参照濾過を行った。2回プレコート(VA)および濾過(表2)が行われた。
濾過開始直後、差圧の顕著な増大が見られる(図1)。しかし、濾過は、一定の流量ではなく、抵抗に応じて流量を自動的に調整して行った。フィルタ管を第1のコート後に完全に閉じ、濁度値は、0.9/0.3EBC90℃/25℃と、パイロットフィルタプラントとしては非常に良好な範囲内であった。
Figure 2019506288
珪藻土参考濾過と比較して、セルロース繊維濾過は、常に、変性セルロースおよび/またはセルロース系繊維に合わせて添加量を調整しながら同じFiltroxシステム上で行った。
セルロース繊維濾過は、プレコートおよび濾過を行った(表3)。図2は、粗繊維を用いた濾過の非典型的な濾過曲線を示している。フィルタをビールで満たしてすぐに、25℃値が濁度測定値範囲(>2.1EBC)の外側であった(図3)。セルロース系繊維(粗繊維)Aの濾過性能は、濁度値が1.4/1.8EBC90℃/25℃となり、20℃のビールの濾過には適切ではなかった。0℃においては、値は、3.5/2.5EBC90℃/25℃で濁度範囲(>2EBC)である。
Figure 2019506288
結果として、以下のように結論づけることができる。
・未改質セルロースに基づく濾過助剤および/または粗繊維は、濾過に関する従来のプラント技術に用いることができる。
・セルロース系濾過助剤は、再生可能な原材料から生成されるので、永久的な濾過助剤と考えることができる。
・濾過後のセルロース系繊維/濾過助剤の廃棄は、問題無しと分類することができる。
用いられるセルロース系粗繊維および/またはこれに対応する濾過助剤は、一般的にコートにおいて良い濾過助剤特性(高速循環、それによる高速なスループット時間、均質な分布、それによる低いフィルタ抵抗)を示すが、適切な濾過性能を有していない、即ち、層厚が比較的大きいにもかかわらず、ここまで用いられている形状および切断サイズを用いた場合に、ビールが濾過されない、あるいは、謳われているようには透明まで濾過されない。濁度値が高いので、>40EBC(90℃)および>15EBC(25℃)の未処理セルロースに基づいく粗繊維は、ビールの濾過には不適切として分類されなければならない。
本発明のセルロース系粗繊維のワークアップに様々な量(0、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5%)のクロスカルメロースナトリウムを用いて、Stabifix Filter Check装置を用いて改質後のフィルタ特性を調べた。従って、粗セルロース繊維Aは、本発明の方法によるクロスカルメロースナトリウムを用いて変性させた。図4は、Stabifix Filter Check装置を用いたラボフィルタテストにおいて求められたデータを示す。
Stabifix Filter Check装置の測定方法は、MEBAK(麦汁、ビール、混合ビール飲料のための醸造業界の分析方法であり、中央欧州工業醸造分析委員会の方法集(MEBAKの自主刊行物、D−85350Freising−Weihenstephan、2012、ISBN978−3−9805814−6−2、271〜273頁、2.20.2項))に基づくものであり、この方法を、この点において、さらなる要件に準拠するべく改変した。
ワークアップに0.5重量%のクロスカルメロースナトリウムを用いることによる濁度値の向上は限られたものであったが、Stabifix(研究所スケール)珪藻土濾過の範囲内において、3.4EBC(90℃)および/または0.8EBC(25℃)という値の顕著に向上した濁度値が得られた。
ワークアップに用いるクロスカルメロースナトリウムの量を約2.5%まで上げると、濾過特性がさらに顕著に向上する。クロスカルメロースナトリウムの量がさらに多くなると、濁度は線形領域に入るようである。
別の予備実験において、pHがワークアップに与える影響を確かめた(表4)。本発明の方法により、pH3〜pH5の範囲内にpHを調整したクロスカルメロースナトリウム、pHを変えないクロスカルメロースナトリウム、および/または、pH9〜pH11のpH範囲のクロスカルメロースナトリウムを用いてセルロース繊維Aを変性させた。pHが中性〜アルカリ性の範囲内を超えた場合にのみ濾過性能の顕著な向上が得られた。図5は、pH3〜pH11.5のpH範囲のクロスカルメロースナトリウム2重量%を用いた場合の結果を示す。pH範囲>9において、さらなる明確な濾過特性の向上が見られる。
Figure 2019506288
表4:クロスカルメロースナトリウムを用いて処理したセルロース繊維Aを用いた濾過後の濁度値
Filtrox設備を用いた後の実験において、本発明の方法で変性した繊維Aに基づくクロスカルメロースナトリウム2重量%を含むセルロース繊維をワークアップした。珪藻土参考濾過と比較して、同じFiltrox設備上で、セルロース系粗繊維に合わせて添加量を調整して、変性セルロース繊維を用いた濾過を行った。変性セルロース繊維を用いた繊維濾過のために、プレコートおよび濾過を行った(表5)。
Figure 2019506288
繊維Aに基づくクロスカルメロースナトリウム−変性セルロースを用いた濾過実験は、珪藻土濾過の曲線(図1)とは対照的に、典型的な濾過曲線(図6)を示したが、これは粗繊維A濾過の曲線(図2)と似ている。このようにして確認された非典型的な濾過曲線は、非常に低い、または、濾過中かろうじて測定可能である差圧に現れている。これにより、濾過効果の一部は吸収によるものであると結論づけることができる。珪藻土濾過において、差圧は、最も重要な影響因子であるが、吸収は微少である。
クロスカルメロースナトリウム−変性セルロース繊維を用いた場合の微少な差圧は、濾過をより長時間にわたって行うことを可能にし、よって、より大きな分量を濾過することを可能にするので、非常に有利である。珪藻土濾過の場合、濾過中に差圧が着実に増大するので、許容最大圧力の5〜6バールで濾過を終了しなければならない。これは、上昇する入力圧力を用いて均一な濾過性能を得るような現行の珪藻土添加量のためにフィルタ層が着実に増大することに起因する。クロスカルメロースナトリウム−変性セルロース繊維を用いた濾過では、差圧の増大が小さい、および/または、かろうじて測定可能であるので、明確により長時間、よってより経済的な濾過が可能となる。濁度値(図7)は、粗セルロース繊維を用いた濾過で得られる濁度値(図3)と比較して大幅に低く、全て測定範囲内(<2.1EBC)である。研究所での20℃での濁度測定値も、0.9/0.4EBC(90°/25°)と、明確に透明なビールの範囲内である。さらに、これらの値は、同じFiltroxパイロットプラントでの珪藻土濾過の値(0.9/0.4EBC90°/25°)と同じ範囲内である。0℃でも、変性セルロース系繊維を用いることによって1.1/0.5EBC(90°/25°)という良い濁度値が測定されており、これらの濁度値は、不可視の範囲内である。従って、未処理のセルロース系繊維の濁度値と比較して、濁度値を1/3まで顕著に低減することが可能である。
クロスカルメロースナトリウムおよび/または変性セルロース系繊維はタンパク質に結合できる点は特筆すべきである。通流添加と、濾過ケークの形成との間において、ビール内に堆積および/または凝集が容易に起こり得る。このような堆積および/または凝集は、クロスカルメロースナトリウムで変性したセルロース繊維によって結合される。よって、濁度のタンパク質側安定化は、本発明の方法によって変性したセルロース繊維を用いた濾過によって達成し得る。2重量%のクロスカルメロースナトリウムおよび粗セルロース繊維Aを用いた実験の未濾過物質(ビール)および濾過済みビールのビール分析の結果を表6で比較する。
Figure 2019506288
表6:標準的ビール分析結果
Filtroxプラントを用いたさらなる実験において、本発明の方法によって変性したセルロース繊維Aを3重量%のクロスカルメロースナトリウムでワークアップし、変性セルロース繊維Bを3重量%のクロスカルメロースナトリウムでワークアップした。珪藻土参考濾過(表7)と比較して、変性セルロース繊維を用いた濾過は、同じFiltroxパイロットプラントを用いて、変性粗セルロース繊維に合わせて添加量を調整して行った(表8)。セルロース繊維濾過(繊維A)、プレコートおよび濾過を行った。組み合わせA+B(それぞれpH11のクロスカルメロースナトリウム3重量%を含む変性セルロース繊維AおよびB)について、第1のプレコートおよび第2のプレコートおよび現行の添加量を用いた濾過を行った(表9)。
Figure 2019506288
Figure 2019506288
Figure 2019506288
変性セルロース繊維を用いた濾過の明確な利点を、図面中の重要なデータから見ることができる。よって、図8は、通常の珪藻土濾過の濾過曲線を示す。珪藻土濾過においては通例であるように、差圧はほぼ線形に増大する。インライン測定による濁度値(図9)は、(パイロットプラントにおいては測定値を常に幾分高くする)工業的には通例であるように、直接的には珪藻土濾過の範囲内ではない。
粗繊維濾過(セルロース繊維A)においては、やはり非常に非典型的な濾過曲線が得られており(図10)、測定可能な圧力差がない。濁度値は非常に高く、常に測定範囲外である(図11)。
(pH11のクロスカルメロースナトリウム3%を用いて変性した)変性セルロース繊維Aを用いた濾過において、粗繊維Aと同様に非典型的な濾過曲線が見られる(図12)。濁度値(図13)は、濾過期間全体を通してインライン測定することが可能であり、濾過時間にわたって少ししか増大しない。2回のプレコート(pH11のクロスカルメロースナトリウム3%を用いたセルロース繊維A、および、pH11のクロスカルメロースナトリウム3を用いたセルロース繊維B)を用いた実験も、濾過曲線においてほぼ圧力差が存在しない(最大0.2バール)ことを示している(図14)。ここでは、濾過中に濁度のより大きな線形増大(図15)がある。
表10は、珪藻土、粗セルロース繊維A、pH11のクロスカルメロースナトリウム3重量%を用いたセルロース繊維A、および、それぞれpH11のクロスカルメロースナトリウム3重量%を用いたセルロース繊維A/セルロース繊維Bを用いた実験で得られた未濾過ビールおよび濾過済みビールのビール分析の結果を示している。元の麦汁含有量は、未濾過ビールと比較して若干の希釈効果を示しているが、これは、この処理の技術的側面に起因するものである。ただし、この希釈は行われた全ての実験において類似しており、追加の値および個々のアルコール含有量においても反映されている。珪藻土の場合でも、変性セルロース繊維濾過の場合でも、濾過処理に起因して色値は自然な現象を示してる。pHは全てのビールにおいて類似しており、SOにおける若干の現象は、微少な希釈効果および濾過中の微量の酸素混入によって説明できる。変性セルロース繊維Aを用いた場合、珪藻土と比較して、ポリフェノール含有量は顕著に低い。このことは、コロイドビール安定性にとってプラスの効果をもたらし、保存/熟成中に濁る傾向が低減される。珪藻土と比較して、変性セルロース繊維に起因するより大きな排出が遊離アミノ窒素で検出され得る。濁度値は、全体としてはまだ、透明なビールのガイドライン値には対応しないが、それでも、変性セルロース繊維(珪藻土2.2/2.5EBC(90°/25°)、粗セルロース繊維3.1/3.9EBC(90°/25°)、および、変性セルロース繊維A1.5/1.3EBC(90°/25°))を用いた時に顕著な向上が得られる。変性セルロース繊維を用いた濾過に対して得られる濁度値は、同じパイロットプラント上での対照珪藻土濾過よりも低い。換言すれば、珪藻土と比較して、変性セルロース繊維を用いて得られるビールは少なくとも同等の透明度を有する。本願の処理をさらに調整することによって、さらなる向上が期待できる。変性セルロース繊維Aおよび変性セルロース繊維Bを組み合わせて用いた場合、別の顕著な濾過性能の増大(より低い濁度値1.0/0.8EBC(90°/25°))が濾過開始時において検出され得る。低温(0℃)では、変性セルロース繊維を用いることによって、少なくとも珪藻土濾過で得られる値に等しい値が得られる。変性セルロース繊維を用いた場合、未濾過ビールの質によって、濾過パラメータ(コート量、通流添加量、クロスカルメロース量、繊維形状)を調整することが可能であり、濾過が困難なビールであっても、圧力差の増大なしに、濾過して透明な製品を得ることができる。
図16は、濾過がビールの酸化安定性に与える影響を調べるためのビールのESR測定(電子スピン共鳴測定)を示している。EAP判定(内因性抗酸化能)の結果は、珪藻土濾過と比較したセルロース繊維濾過の基本的な利点を示している。なぜなら、珪藻土と比較して、ビールに混入する鉄が顕著に少ないからである。従って、鉄イオンによって酸素活性が低減され、より少ないラジカルがFenton反応システムによって形成される。結果的に、濾過によるビールの内因性抗酸化能の損失が低減され、保存期間における味の安定性が長持ちする。このことは、特に、クロスカルメロースナトリウム−変性セルロース繊維について当てはまる。粗セルロース繊維を用いる場合、珪藻土のESR信号強度の約半分でT600値を得ることができ、それにより、ラジカルの生成が大幅に低減する。さらに、クロスカルメロースナトリウムを用いた変性セルロース繊維を用いた場合、濾過処理中に、濾過ケークから鉄が洗い流されるので(表10)、粗繊維濾過の開始時と終了時で識別可能な差が生じ、ESR信号強度はほぼ理想的に未濾過ビールのレベルとなり、これにより、珪藻土濾過のマイナスの効果をほぼ完全に防止することができる。本発明のセルロース繊維Aのワークアップに起因して大量の鉄が既にセルロース繊維から除去されており、鉄がそれ以上ビールに混入し得ないという事実から説明がつく。若干高くなったESR値は、濾過中の酸素導入レベルが低いことから説明できる。
処理済みセルロース繊維Bを用いる場合、繊維処理におけるより小さな鉄の排出のために技術的条件に起因して、ビール中により多くの鉄が混入する。これは、変性セルロース繊維Aの下にある濾過ケークの容量を使い果たすと同時に顕著になる。この時が、濁度も上昇する時である。それにもかかわらず、本発明の処理を調整することによって、変性セルロース繊維Bを用いた場合であっても鉄の混入をさらに最小化することができる。
電子スピン共鳴分光法によるEAP判定は、MEBAK(ビール麦汁および混合ビール飲料のための醸造業界の分析方法であり、中央欧州工業醸造分析委員会の方法集(MEBAKの自主刊行物、D−85350Freising−Weihenstephan、2012、ISBN978−3−9805814−6−2、207〜218頁、2.15.3項)に従って行われた。
Figure 2019506288
表10:標準ビール分析結果

Claims (15)

  1. 液体から混濁原因物質を人工浄化するための変性セルロース繊維を生成する方法であって、
    ・80〜99.9重量%のセルロース繊維と、
    0.1〜10重量%のクロスカルメロースナトリウムと、
    0〜10重量%の1つ以上の添加剤と、
    からなる 繊維混合物を計量するステップと、
    ・中性〜アルカリ性の媒体中で前記繊維混合物を膨潤およびワークアップするステップと、
    ・前記繊維混合物を煮沸するステップと、
    ・洗浄するステップと、
    ・前記変性繊維を単離するステップと、
    を包含する、方法。
  2. 変性セルロース繊維を製造するための前記繊維混合物は均質化されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記セルロース繊維は、セルロース、セルロース系繊維、穀物の繊維、木材の繊維、竹の繊維、木材チップの繊維、木材廃棄物の繊維、および、それらの混合物を含む繊維群から選択され、前記繊維の平均繊維長は<1〜500μmの範囲内である、請求項2に記載の方法。
  4. ステップ(a)による前記繊維混合物は、92〜99重量%のセルロース繊維と、1〜8重量%のクロスカルメロースナトリウムと、0〜4重量%の1つ以上の添加剤とを含む、請求項2または3に記載の方法。
  5. ステップ(a)による前記繊維混合物は、90〜99.9重量%のセルロース繊維と、0.1〜5重量%のクロスカルメロースナトリウムと、0〜5重量%の1つ以上の添加剤とからなる、または、90〜99重量%のセルロース繊維と、1〜5重量%のクロスカルメロースナトリウムと、0〜5重量%の1つ以上の添加剤とからなる組成物から選択される、請求項3に記載の方法。
  6. 1つ以上の添加剤は、ペクチン、カラギーナン、アイシングラス、親水コロイド、デンプン、ガロタンニン、シリカゾル、シリカゲル、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルポリピロリドン、ならびに、その混合物からなる添加剤群から選択される、請求項1〜4に記載の方法。
  7. 前記繊維混合物のワークアップのために、少なくとも1つの酸および/または少なくとも1つの塩基で、pHをpH6からpH13の間の値に調整する、請求項1〜4に記載の方法。
  8. 前記繊維混合物の完成のために、残留含水量が2〜10重量%になるように湿潤マスを乾燥する、請求項1〜7に記載の方法。
  9. 前記完成繊維混合物を、湿潤または乾燥マスとして、さらなる方法ステップにおいて処理し、濾過助剤および/またはフィルタシートを形成する、請求項1〜8に記載の方法。
  10. a)80〜99.9重量%のセルロース繊維に基づく主機能物質と、
    b)0.1〜10重量%のカルボキシメチルセルロースに基づく副機能物質と、
    c)0〜10重量%の1つ以上の添加剤と、
    からなる、液体から混濁原因物質を人工浄化するための変性セルロース繊維であって、
    請求項1〜9に記載の方法によって生成される、変性セルロース繊維。
  11. 前記カルボキシメチルセルロースは水不溶性クロスカルメロースナトリウムとして用いられる、請求項9に記載の変性セルロース繊維。
  12. 前記乾燥または単離した変性セルロース繊維の再入水時のpHはpH5〜pH8の範囲内である、請求項10および11のいずれかに記載の変性セルロース繊維。
  13. 請求項10〜12に記載の1つ以上の変性セルロース繊維の濾過助剤としての使用。
  14. 全量管フィルタ、全量シートフィルタ、全量ディスクフィルタ、全量リーフフィルタまたは層状シートフィルタとして調製するための請求項13に記載の濾過助剤の使用。
  15. 請求項13または14に記載の1つ以上の濾過助剤を用いることを特徴とする、濁った液体を人工浄化するための方法。
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