JP2019505590A - 癌の予防、処置および/または緩和における使用のための方法および組成物 - Google Patents
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Abstract
金属亜鉛とカドミウムの比率は、エラーがない細胞の増殖および分化に極めて重要である。癌の病因におけるカドミウムの役割の理解によって、癌をより詳しく理解する可能性ならびに癌の予防、処置および/または緩和についての可能性がもたらされる。
胎児血清、臍帯血または健常ドナー由来のヒト血清中および無傷の卵および卵製品を含む鳥類血清中のZn(II)濃度は、この血清または血清含有製品または卵を使用した細胞および組織培養法の信頼性および再現性にとって重要な意義がある。本明細書中で、血清製品、特に哺乳動物細胞または組織のインビトロ培養での使用が意図される血清製品の製造における方法段階が開示され、この方法段階においてZn(II)濃度が決定され、好ましくは所望の区間に調整される。血清または血清分画からなるかまたはこれを含有する様々な製品も開示される。
胎児血清、臍帯血または健常ドナー由来のヒト血清中および無傷の卵および卵製品を含む鳥類血清中のZn(II)濃度は、この血清または血清含有製品または卵を使用した細胞および組織培養法の信頼性および再現性にとって重要な意義がある。本明細書中で、血清製品、特に哺乳動物細胞または組織のインビトロ培養での使用が意図される血清製品の製造における方法段階が開示され、この方法段階においてZn(II)濃度が決定され、好ましくは所望の区間に調整される。血清または血清分画からなるかまたはこれを含有する様々な製品も開示される。
Description
本開示は、癌の病因を精査し、哺乳動物対象において癌を予防、処置または緩和する新しい原理を提案する。
本開示はまた、一般に、血液製剤(blood products)、血清製品(serum products)および細胞増殖培地、特に異なる起源の胎児血清からなるかまたはこれを含むような製品の作製および使用における改善に関するがこれに限定されない。鳥類の血清および卵製品も、関連性のある増殖培地であり、本明細書中で開示される知見および方法に基づいて改変され得る。
ヒト患者への投与を対象とした血液製剤、例えば全血製剤、血清および血漿製剤、ならびに血液分画なども本明細書中に含まれる。
癌は、体内の無制御の細胞分裂によって引き起こされる疾患に対する総称である。この用語は、このような無制御の細胞分裂から生じる悪性増殖または腫瘍を特に指すことが多い。歴史的記録から、癌は古代から人類に脅威を与え、人類にとって理解できないものであったことが示される。今日の世界においては、医療が発展し、寿命が延びるとともに、癌の有病率が上昇してきたと思われる。癌のうち一部の形態は治癒し得るが、一方で結果は不確かで有り、癌は依然として謎が多く恐い診断である。
Siddhartha Mukherjee Ph.D.,M.D.は、彼の受賞作である「The Emperor of All Maladies:A Biography of Cancer」において、「悪性と正常増殖とを区別する治療介入が可能か否かは不明である。おそらく癌は、我々が所有するまとまりがつかず、繁殖力があり、侵襲的で適応性のある細胞および遺伝子に対する、まとまりがつかず、繁殖力があり、侵襲的で適応性のある双子であり、我々の身体から切り離すことは不可能である。おそらく、癌は我々の生存の内在的外側限界を定めている。我々の細胞が分裂して体が老化するにつれ、そして突然変異が突然変異の上に否応なく蓄積されるにつれて、癌は、生命体としての我々の発生において最終的な終着点となろう。」と述べている。
しかし、発明者は上記の結論に同意しない。代わりに、発明者は、細胞増殖が極めて高速かつ効率的であるが、癌の発生があるとしてもごく僅かであるという、哺乳動物の発生期間があることに注目する。これは、妊娠期間、すなわち、受精で始まり出産で終わる胎児が発生する期間である。この期間の持続時間は種間で異なる。ヒトにおいて、妊娠期間は約9か月である。より小さく、寿命が短い哺乳動物は一般に妊娠期間がより短く、例えばマウスの場合は約19〜21日であり、ウサギの場合は約31日である。逆に、より大きく寿命が長い哺乳動物は妊娠期間がより長い傾向があり、例えば象の場合は約21か月であり、マッコウクジラの場合は約14〜16か月である。
妊娠期間中、極めて迅速な細胞分化および増殖が起こる。他の者も気付いているであろうと思われるが、例えばVincent T.DeVita Jr.およびElizabeth DeVita−Raeburnの著書「The Death of Cancer:After Fifty Years on the Front Lines of Medicine,a Pioneering Oncologist Reveals Why the War on Cancer is Winnable−and How we can Get There」(Sarah Crichton Books,2015)において、この著者は、「胚細胞が赤ん坊を作製するまで僅か9か月しかなく、胚細胞は極めて高速で働かねばならない。」と結論付けている。それにもかかわらず、この高速作業中に「間違い」は殆ど発生しない。明らかに、侵害要因がないか、または非常に効果的な調節および修復機序が働いているかの何れかである。発明者は、これらを同定するため、および癌に対抗することにおいてそれらを役立てるための挑戦を受け入れた。
発明者は、言うまでもなく、胎児が神経芽細胞腫、白血病または奇形腫を発症する例があるが、これらの疾患は極めて稀であるという事実を認識している。哺乳動物胎児の代謝および発生が成体哺乳動物におけるものと同じ遺伝子によって制御されるので、子宮内で過ごす期間と分娩後の生活との間でどのような条件または因子、分子または他の因子が異なるかを調べることは興味深いものとなる。
さらに、高速であり、十分に制御された増殖期は、迅速かつ的確に下方制御されているはずである。胚の期間における十分に制御された高速の増殖と様々な形態の癌で遭遇する無制御の病理学的増殖との間の類似点および相違点は、幅広い研究の対象となってきた。いくつかの関連論文を添付の参考文献リストに列挙しているが、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
良性および悪性の両方の細胞増殖を制御する要因を理解することは、癌の予測、検出および処置能力に重要である。重要な研究は、細胞培養でインビトロで行われている。より具体的には、インビトロ細胞、組織および器官培養の技術は、純粋および応用科学、医学および産業にとって非常に重要である。とりわけ、これは動物実験を代替する、主要な代替手段と考えられる。この使用には、実験の信頼性および再現性に対して求められる高い必要条件がある。
細胞はインビトロで生存および増殖するために複雑な環境を必要とする。したがって、インビトロで細胞を首尾よく培養するためには、培地を細胞に添加する必要がある。通常、培地は動物血清を含有するが、それは、これがホルモン、増殖因子、必須元素、タンパク質、アミノ酸、核酸などの基本成分を含有するからである。細胞増殖のために使用される最も一般的なタイプの血清は、ウシ胎児血清(FBS、fetal bovine serum)であり、ウシ胎仔血清(FCS、fetal calf serum)としても知られている。他の種からの血清も利用可能である。
FBSは、人間の消費に適した健康な雌親からの屠殺場で回収された胎児から得られる。血清はまた、ウマ、ネコ、イヌ、ウサギなどの他の種からも入手可能であり、主にこれらの種の細胞が培養されるときに使用される。細胞培養において、血清は、多岐にわたる巨大分子タンパク質、低分子量栄養素、水不溶性成分のための担体タンパク質ならびにホルモンおよび付着因子などの細胞のインビトロ増殖に必要な他の化合物の供給源を提供する。血清はまた、培地に緩衝能を付加し、毒性成分に結合するかまたはこれを中和する。これまで、血清を完全に無血清培地に置き換える試みの成功は限定的なものであった。したがって、血清は、ライフサイエンス分野全体内の研究および製造にとって極めて重要な原材料または試薬であるとみなさなければならない。
血清製造工程において、全血を無菌的に回収し、凝固させる。血清を血餅から分離したら、それをプールし、凍結させる。次に、選択されたバッチを凍結融解し、内毒素およびヘモグロビン含量について試験し、許容された材料のみをプールし、完全にブレンドする。次いで、一連のプレフィルターおよび膜フィルターを用いて、プール血清を濾過滅菌する。例えば、0.1ミクロンの滅菌グレードのフィルターまたは一連のこのようなフィルターを使用し得る。濾過後、血清を無菌的にボトルに分注し、最終製品の無菌性を確保する。
受精卵を増殖培地として使用することは、大規模な方法、例えば予防、治療および診断目的のための例えばワクチンおよび抗体の産生において使用される動物血清の代替手段である。
細胞培養目的の動物血清にはいくつかの製造業者があり、その総ては、製品が、無菌性、純度および他の品質基準に関する高い要件を確実に満たすように細心の注意を払っている。ある製造業者は、以下の表1で示される以下の特性を列挙する:
製造者はまた、安定性および生物学的性能も試験し、すなわち細胞増殖を促進する際の血清の効力を検査する。しかし、注意点として、製造者は、血清が生物学的物質であり、組成がロットごとに変動する未定義の成分混合物であることおよび、一部の細胞タイプが血清性能の変動に敏感であることを強調していることが多い。結果として、顧客は、独自の培養システムおよび細胞を用いて血清試料を評価することが奨励される。その一方で、製造者は、試験が完了するまで特定のロットの量を保管しておく。このようにして、顧客は特定の用途に最も適した血清を選択し得る(Biological Industries Israel Beit Haemek Ltd.,Kibbutz Beit Haemek,25115,Israelからの製品パンフレットE49/2 07/15)。
さらに、現在、大規模な製造施設で細胞培養法を用いて、治療および診断で使用される広範囲の薬物および試薬が合成される。細胞培養は、ワクチン産業において、ならびに抗体の産生においても広く使用される。最近、細胞培養は、再建手術および移植における使用のために、組織およびまた器官の作製においても使用されている。これらの血清および血清製品の使用は全て、信頼性および再現性において極めて高い要求が伴う。
発明者は、細胞培地および細胞培養方法の品質および信頼性を改善する必要性を認識した。発明者はまた、癌を予防、緩和または処置するための新しいアプローチの発見を目指して、癌の裏側の原因因子を調べることにも着手した。
発明者は、2種類の金属、亜鉛およびカドミウムの生物学的役割および体内でのそれらの挙動、分布および比率を研究した。ある1つの重要な発見は、亜鉛が胎盤障壁を通過して発生中の胎児に入る一方で、健常胎盤が効率的にカドミウムと結合するということである。この発見の結果として、発明者は、癌を研究するとき、および癌を処置するときの両方において、これら2種類の金属の濃度およびそれらの比率を分析し、認識することが非常に重要であると仮定する。例えば、患者に投与される血液製剤は、カドミウムを全く含有しないか、またはカドミウムの含有ができる限り少ないことが重要である。同様に、例えば細胞増殖を研究する場合、細胞培地中のこれらの金属の濃度を知ることは非常に重要である。
理論に縛られることを望むものではないが、発明者は、カドミウムの癌促進効果は、密着結合(tight injunction)、すなわち膜が一緒に結合して流体に対する実質的に不透過性の障壁を形成する2つの細胞の密接に連結した領域に対する金属の影響と関連性があると考える。これは、脊椎動物においてのみ存在する結合複合体の一種である。発明者は、密着結合の破壊が転移を促進すると考える。
発明者は、驚くべきことに、金属の濃度、特にZn(II)の濃度が、異なるバッチの異なる動物由来の血清製品中で著しく変動することも見出した。同時に、発明者は、金属、特にZn(II)の濃度がとりわけ血清製品を含有する培地中で培養される細胞の増殖に重要な影響を及ぼすと主張する。これによって、金属の濃度、特にZn(II)の濃度が分かっていることが重要となり、Zn(II)の濃度を所望のレベルに調整することが同様に重要となる。
「調整される」という用語は、ここで、初期レベルおよび所望のレベルに応じて、濃度が上昇または低下することを意味し得る。これは、治療におけるこのような使用として使用されることが意図される血清製品、ならびに抗体またはワクチンなどの薬物の製造での使用を意図した血清製品、または診断アッセイおよびキットで使用される試薬などの試薬、例えば抗体などに適切である。これはまた、治療、例えば再建手術または移植での使用のための、細胞、組織またはさらに器官の培養における使用のための血清製品にも適切である。
本発明の一態様は、このような使用が意図される胎児血清製品中の真のZn(II)濃度を知ることの重要性に関する。結果として、本発明の一実施形態は、血清製品、特に細胞または組織のインビトロ培養での使用が意図される血清製品の製造における方法段階に関し、この方法段階においてZn(II)濃度が決定される。好ましくは、血清中のZn(II)濃度は、所望の区間に調整され、より好ましくは、問題となる他の培養パラメーターと相関して増減させられる。
好ましい実施形態によれば、Zn(II)濃度は、最終血清製品において約50〜約200μmol/Lの区間に調整される。代替的な実施形態によれば、Zn(II)濃度は、最終製品中で約50μmol/Lに調整される。
さらに別の代替的な実施形態によれば、Zn(II)濃度は、最終血清製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整される。
一実施形態によれば、Zn(II)濃度の調整は、Zn(II)の最終濃度が最終血清製品中約50〜約200μmol/Lの区間となるような比率で、Zn(II)濃度が異なる少なくとも2つの異なる血清バッチの胎児血清を混合することによって行われる。
一実施形態によれば、Zn(II)濃度の調整は、胎児血清を分離法、例えば、超遠心分離に供し、形成されたペレットを除去することによって行われる。
上記実施形態全てと自由に組み合わせ可能な一実施形態によれば、胎児血清は、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ネコ、イヌおよびウサギから選択される哺乳動物由来の胎児血清である。特定の実施形態によれば、ヒト血清が関与する場合、これは、ヒト臍帯血清または健常ドナーから得られる血清である。
本発明の別の態様は、胎児血清中に存在するエキソソームの重要性、それらのZn(II)の含有量および血清製品のZn(II)含有量を調整することを受け入れる可能性に関する驚くべき発見である。血清中のエキソソームおよびおそらくは他のマイクロおよびナノ粒子が血清中に存在するZn(II)の大部分を含有するという徴候(例のセクションおよび分析結果を参照)があるだけでなく、エキソソームが、細胞間のシグナル伝達において、および異なる起源の細胞の増殖において重要な役割を果たすという徴候もある。エキソソームが、血清中のZnの輸送体および貯蔵場所として機能すること、およびこの機能を利用して、血清製品の品質および様々な用途における細胞培養条件の両方を最適化し得ることが考えられる。
発明者はまた、エキソソームがカドミウムを吸収可能であること、およびエキソソームが血液および血清製品中のカドミウムの重要な担体であり得るという徴候も見出した。この発見により、汚染されたエキソソームを除去することにより、血液および血清製品中のカドミウム含有量を減少させることが可能となる。一実施形態によれば、高濃度のカドミウムを含むエキソソームを除去し、亜鉛を含有するエキソソームにより置換し得る。
本発明の別の態様は、血清を回収し、エキソソームが分離されている製品に関し、これは、エキソソーム濃度が指定されていないか、またはされており、対応してZn(II)の所望の濃度が指定されている、一連の製品を形成する。好ましくは、異なる種から血清が回収され、ウシ、鳥類およびヒト血清製品およびエキソソーム分画など、種特異的製品の産生が可能になる。好ましい実施形態は、臍帯血の回収および特定の濃度のエキソソームおよび対応して異なる所望のZn(II)濃度のヒト血清分画の調製に関する。
発明者は、胎児血清製品が使用される製造および研究用途における信頼性があり一貫した結果を保証するために、エキソソーム濃度ならびにZn(II)濃度を知り、好ましくは予め設定された所望のレベルに調整する必要があることに気付いた。
したがって、上記実施形態の全てと自由に組み合わせ可能な別の実施形態によれば、血清中のエキソソーム濃度が決定され、最終製品中の濃度が所望の区間内の値に調整される。
上記の実施形態の全てと自由に組み合わせ可能なさらに別の実施形態によって、エキソソームの直径が決定され、および/または特定の種からの血清中のエキソソーム中のZn(II)濃度が決定され、最終製品中のZn(II)濃度が所望の区間内の値に調整される、すなわち増減される、特定の種の胎児血清に基づく胎児血清製品の製造または調製における方法段階も利用可能になる。これは、所望の濃度を達成するために、Zn(II)含有分画、例えばエキソソーム分画、を分離して除去することによって、またはこのような分画を添加することによって、行われ得る。
同様に、カドミウム濃度は、汚染されたエキソソームを除去し、それらを健全で汚染されていないエキソソームで置き換えることによって減少させ得る。
したがって、本発明の重要な態様は、ヒト臍帯血清または健常ドナー血清を含む新規かつ改善された胎児血清製品、とりわけ上記実施形態で記載された段階の1つ以上を含む方法(1つまたは複数)に従って製造される胎児血清製品の提供である。
一例は、Zn(II)濃度が約50〜約200μmol/Lの区間に調整されている胎児血清製品である。別の例は、Zn(II)濃度が約50μmol/Lに調整されている胎児血清製品である。好ましい例は、Zn(II)の濃度が最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整されている、胎児血清製品である。
重要な態様は、製品を使用する前にZn(II)濃度を決定し、知るべきだということである。したがって、一実施形態は、好ましくは、必ずしも必要ではないが、上記段階の1つ以上を用いて製造される胎児血清製品に関し、この胎児血清製品においては、この製品中のZn(II)濃度が決定され、パッケージ上で、または添付の製品データシートにおいて示される。
本発明のさらに別の態様は、細胞または組織培養が、生産方法、診断方法、治療または研究の一部であるか否かに関わらず、細胞または組織培養のための方法に関する。この態様の一実施形態は、胎児血清製品を含有する培地を使用したインビトロでの細胞または組織培養のための方法であり、この方法において、培地中のZn(II)濃度が決定され、所望のレベルに調整される。
上記実施形態において、好ましくは、培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が50〜約200μmol/Lの区間中の値に調整され、より好ましくは培地中のZn(II)濃度が約50μmol/Lに調整される。より好ましくは、培地中のZn(II)の濃度は、最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間内の値に調整される。
本発明の別の態様は、培地中のZn(II)濃度が決定され、選択されたレベルに調整され、細胞もしくは組織培養の持続時間中および/またはこの培養を反復するときに、前記レベルで維持される、胎児血清製品を含有する培地を用いたインビトロでの細胞または組織培養のための方法に関する。
本発明のさらに別の態様は、鳥類血清製品および特に卵白および卵黄に関する。発明者は、卵が哺乳動物血清よりも多量のZn(II)を含有することを見出した。卵黄中のZn(II)濃度は、50〜70マイクロモラーの区間にあり得る。発明者は、鳥類血清または卵製品が使用される培養方法の再現性を確実にするために、Zn(II)濃度が分かっていることが非常に重要であることを主張する。さらに、鳥類血清および/または卵においてもZn(II)濃度を所望のレベルに調整することもまた好ましい。これは、例えば、飼料を調整することによって、または種特異的Zn(II)含有分画を鳥類血清製品に、または卵に添加することによって達成され得る。
したがって、本発明の一実施形態は、変更すべきところは変更して、すなわち必要な変更を行い、本明細書中で開示される方法または方法段階に従って製造される鳥類血清製品に関する。
したがって、一実施形態は、Zn(II)濃度が約50〜約200μmol/Lの区間に調整されている鳥類血清製品である。好ましくは、この鳥類血清製品は、Zn(II)濃度が約50μmol/Lに調整されている。
好ましい実施形態によれば、鳥類血清製品は、Zn(II)濃度が最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整されている。
特定の実施形態は、製品中のZn(II)濃度が決定されており、パッケージ上で、または添付の製品データシート上で示される、鳥類血清製品である。
前記態様の別の実施形態は、鳥類血清製品を含有する培地を使用したインビトロでの細胞または組織培養のための方法であり、この方法において、培地中のZn(II)濃度が決定され、所望のレベルに調整される。好ましくは、培地中のZn(II)濃度は、50〜約200μmol/Lの区間中の値に調整される。より好ましくは、培地中のZn(II)濃度は約50μmol/Lに調整される。
さらに別の実施形態は、細胞および/または組織培養における、または抗体およびワクチンの製造における鳥類血清および/または卵の使用であり、卵に接種するための既知の方法を使用して、Zn(II)濃縮血清または血清分画を受精卵に添加する方法段階を含む。このZn(II)濃縮血清または血清分画は、種特異的であり、すなわち、鶏卵に添加する場合、ニワトリ血清が使用され、アヒル卵に添加する場合、アヒル血清が使用される。濃縮血清または分画のZn(II)濃度が決定され、血清または分画は、当業者にとって公知であるように、必要な品質管理にも供される。
さらに、上記態様および実施形態と自由に組み合わせ可能な実施形態によれば、培養しようとする細胞はヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度は、最終製品/Lで、約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間内の値に調整される。卵の場合、Zn(II)濃度は、トリ、例えばニワトリまたはアヒルに与えられる飼料の組成および量を調整することによって影響され得る。
別の態様は、培地中のZn(II)濃度が決定され、選択されたレベルに調整され、培養の持続時間中および/またはこの培養を反復するときに、前記レベルで維持されることを特徴とする、鳥類血清製品を含有する培地を用いたインビトロでの細胞または組織培養のための新規方法である。
別の実施形態は、種特異的Zn(II)濃縮血清または分画、例えば、細胞、組織および器官培養物中の種特異的エキソソーム分画の使用である。このような種特異的血清または血清分画は、種特異的条件下での細胞培養において製造し得る。
本発明の別の目的は、癌の誘導におけるカドミウムの役割についての発明者の理解に基づいて、哺乳動物対象における癌の予防、処置および緩和のための方法を提供することである。
これおよび他の目的は、参照により本明細書中に組み込まれる、独立請求項において定義される態様および実施形態によって達成される。さらなる有利な実施形態は、参照により本明細書中に組み込まれる、従属請求項で特定されている。
添付の図面を参照して、以下の説明、例および請求項において、様々な態様および実施形態がより詳細に開示される。
本発明を説明する前に、本明細書中で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその同等物によってのみ限定されるので、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a、an)」および「その(the)」は、文脈により別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。
また、「約」という用語は、適用される場合、与えられた値の+/−2%、好ましくは数値の+/−5%、最も好ましくは+/−10%の偏差を示すために使用される。
「胎児血清製品」という用語は、生産、診断、治療における、または研究用途における使用のための試薬または基質として市販される場合、胎児血清それ自体ならびに、胎児血清を含むこのような使用のための製品の両方を示すために使用される。
ヒトに関して、血清およびエキソソームの供給源は、好ましくは臍帯血であるが、健常ドナーからの血液製剤を使用し得ることは排除されない。
これまでの一般的な理解は、ウシ胎児血清(ウシ胎仔血清)が、真核細胞および組織のインビトロでの細胞培養のための最も適切な血清補充物であるということである。これは、抗体レベルが非常に低く、より多くの増殖因子を含有するからであり、これにより、多くの様々な細胞培養適用における多用途性がもたらされる。球状タンパク質のウシ血清アルブミン(BSA)は、ウシ胎児血清の主要成分である。ウシ胎児血清中の豊富な種類のタンパク質は、培養細胞が生存し、増殖し、分裂し得る培地中で培養細胞を維持する。
明らかに、胎児血清および卵製品を含む鳥類血清の他の特性は、まだ詳細な精査を受けていない。しかし、発明者は、ヒト血清中のZn(II)の形態の亜鉛の正常濃度が約10〜約20μmol/L(いくつかの情報源は9〜18μmol/Lの範囲を報告し、他のものは6〜14μmol/Lの範囲を報告)の範囲である一方で、ウシ胎児血清を含む動物血清中の濃度は、かなり広い区間内で変動することを発見した。発明者が依頼した分析から、0.5μmol/L〜91.4μmol/Lの範囲のZn(II)濃度が明らかになった。
発明者はまた、血清試料中のカドミウムの濃度も調べ、その濃度が、使用した方法の検出限界を下回ったことを見出した。カドミウムが癌の発生における寄与因子であるという強い示唆があるため、濃度の変化が培養物中の細胞および/または組織の増殖に影響を及ぼすと思われるので、発明者は、培地中のカドミウムの濃度を知り、好ましくは調節される、すなわち所望のレベルに/所望のレベルで調整および/または維持されることが重要であると主張する。
カドミウムは、銅、亜鉛、コバルト、マンガンおよびモリブデンなどの他の遷移金属とは異なり、必須の栄養素特性を欠いているので、水銀および鉛とともに非必須元素と呼ばれている。これらの金属は、一般に哺乳動物にとって有毒であると考えられており、体内の必須元素の作用を模倣することが多く、代謝過程を妨害し、疾病を引き起こす。WHO情報によれば、腎臓、骨格系および呼吸器系においてカドミウムが毒性作用を発揮し、ヒト発癌物質として分類されることが確立されている。カドミウムが環境中に存在するレベルは一般的に低い。しかし、人間の活動により、これらのレベルが大幅に上昇した。
カドミウムは、大気移動によって放出源から長距離を移動し得る。それは多くの生物、特に軟体動物および甲殻類に容易に蓄積される。野菜、穀物およびデンプン質の根で見られる濃度はより低い。ヒトへの曝露は、主に汚染食品の消費、タバコ煙の能動的および受動的吸入、および非鉄金属産業の労働者による吸入から生じる。WHOは、地球環境的なカドミウム放出を減少させ、職業的および環境的曝露を減少させるための国家的、地域的および世界的行動を呼び掛けている。
カドミウムの最も危険な特徴は、それが哺乳動物の体内、主に肝臓および腎臓に蓄積することである。肝臓および腎臓のカドミウム濃度は短期曝露後には同等であるが、長期曝露の場合には腎臓濃度が肝臓濃度を超える傾向がある。
カドミウムについての参照レベルは、健常非喫煙者の血中のカドミウムが約5nmol/L未満であることを示す。これは、発明者により依頼された試験によって確認されており、5.3nmol/Lの濃度を示す。常習性喫煙者についてのカドミウム濃度は一般にはるかに高いが、約18nmol/L未満であることが多い。急性毒性は、50ng/mL前後の濃度で観察される。
発明者の実験的研究に基づいて、発明者は、哺乳動物における癌の予防、処置および/または緩和における使用のための方法を利用可能にし、この哺乳動物は、カドミウムの量を減少させるおよび/またはこの哺乳動物の体内の亜鉛に対するカドミウムの割合を変化させる処置に供される。このアプローチの重要性は、胎盤が、胎児にカドミウムが入ることを妨げ、妊娠期間中に起こる細胞の非常に迅速で、効果的でかつ同時に、実質的にエラーがない増殖および分化を確実にするという発明者の発見によって支持される。
上記の方法は、癌の転移および再発の予防に適用され得、好ましくは腫瘍の外科的除去と組み合わせて行われ得、好ましくは既に外科的手順の前に開始され、腫瘍の外科的除去の後に継続して行われ得る。
上記の方法はまた、腫瘍の外科的除去および1つ以上の細胞増殖抑制薬(1つまたは複数)の投与と組み合わせて適用され得る。
同様に、上記実施形態による方法は、放射線療法と組み合わせて行われ得る。
上記の実施形態と自由に組み合わせ可能な別の実施形態によれば、処置はさらに、鉄、セレンおよび亜鉛から選択される金属、好ましくは亜鉛の無毒性用量の投与を含む。
上記の実施形態と自由に組み合わせ可能な別の実施形態によれば、処置はさらに、カドミウムの量の減少または亜鉛に対するカドミウムの割合の変化を含み、この減少または変化は輸血によって行われる。
輸血に対する代替物としてまたは補充物として、単離されたエキソソームまたは濃縮されたエキソソーム分画を使用し得る。発明者は、エキソソームが周囲の血清から亜鉛を吸収し得ることを実験的に示した。これに基づいて、エキソソームを含む血清に亜鉛を添加し、次いで、亜鉛を「負荷された」エキソソーム分画を分離することにより、エキソソームの亜鉛含有量を増加させることが示唆される。
これに関して、喫煙者は血中のカドミウム濃度が高いこと、および、したがって喫煙者は献血に不適格となるはずであるか、または少なくとも喫煙者からの血液は癌患者に与えられないようにすべきであるという言及は非常に重要である。したがって、発明者は、献血者に喫煙習慣を報告するように求めること、および喫煙ドナーから得た血液を決して使用しないか、制限を付けて使用するか、またはカドミウムが除去されるかもしくは、カドミウムレベルが低下するように処置することを示唆する。別の場合では、HIVおよびC型肝炎の場合に現在行われるのと同様に、提供された血液をカドミウム含有量についてスクリーニングした場合に有利であり、癌に罹患している患者または疾患に罹患しているかもしくはかかりやすい全体的な健康を害している患者が、体にカドミウムを導入するリスクのある血液製剤を受けないことが確実になり得る。
上記の実施形態と自由に組み合わせ可能な別の実施形態によれば、カドミウムの量の減少または亜鉛に対するカドミウムの割合の変化は、体外透析により行われる。
上記の実施形態による方法において、カドミウムの量の減少または亜鉛に対するカドミウムの割合の変化は、食事調整により行われる。
示唆されたアプローチの長所は、処置の侵襲性が最小限であり、亜鉛補給または食事調整の場合、比較的安全であり、実行しやすいということである。さらなる長所は、示唆されるアプローチが、哺乳動物の身体の修復および回復の固有の能力に依存していることであり、これは、胎児発生中の実質的に欠点のない細胞の分化および増殖によって実証される。他の長所は、本記載、例および特許請求の範囲の検討を行えば、当業者にとって明らかとなろう。
発明者の実験的研究において、発明者は、超遠心分離によってエキソソーム分画またはペレットを血清から単離し得ることも見出した。これにより、Zn(II)濃度を低下させるだけでなく、それをまた増加させる可能性が開かれる。エキソソームペレットを再懸濁し、例えば胎児または鳥類血清に、または受精卵に、または卵製品にエキソソームを添加することによってZn(II)濃度を調整するために使用し得る。
受精卵でのワクチン作製の場合、卵に抗原を接種するのと同時に、またはそれを伴って、マイクロインジェクションまたは他の公知の方法によって卵にZn(II)が豊富なエキソソーム分画を導入し得る。特定の鳥類の使用のために、および卵への添加のために、エキソソーム分画が、同種の鳥類(1つまたは複数)由来の血液から調製される。これにより、卵での抗体産生を最適化し、またワクチン作製を調整または最適化する可能性が開かれる。
本発明の第1の態様は、診断および治療を含む医学における、ならびに診断および治療におけるおよび研究における使用のための試薬および物質の産生における使用を意図した胎児血清製品における真のZn(II)濃度を知ることの重要性に関する。
結果として、本発明の一実施形態は、血清製品、特に哺乳動物細胞または組織のインビトロ培養での使用が意図される血清製品の製造における方法段階に関し、この方法段階においてZn(II)の濃度が決定される。好ましくは、血清中のZn(II)濃度を所望の区間に調整し、より好ましくは顕著に低下させる。
好ましい実施形態によれば、Zn(II)濃度は、最終血清製品において、約10〜約500μmol/L、好ましくは約50〜約200μmol/Lの区間に調整される。代替的な実施形態によれば、Zn(II)濃度は、最終製品中で約50μmol/Lに調整される。
さらに別の代替的な実施形態によれば、Zn(II)濃度は、最終血清製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整される。
一実施形態によれば、Zn(II)濃度の調整は、Zn(II)の最終濃度が最終血清製品中約50〜約200μmol/Lの区間となるような比率で、Zn(II)濃度が異なる少なくとも2つの異なる血清バッチの胎児血清を混合することによって行われる。
一実施形態によれば、Zn(II)濃度の調整は、胎児血清を超遠心分離に供し、形成されたペレットを除去するか、または適用できる場合他の分離方法を使用することによって行われる。
上記実施形態全てと自由に組み合わせ可能な一実施形態によれば、胎児血清は、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ネコ、イヌおよびウサギから選択される哺乳動物由来の胎児血清である。現在最も頻繁に使用される胎児血清はウシ胎児血清(BFS、bovine fetal serum)であり、ウシ胎仔血清(FCS,fetal calf serum)としても知られる。
本発明の別の態様は、胎児血清中に存在するエキソソームの重要性の認識に関する。血清中のエキソソームおよびおそらくは他のマイクロおよびナノ粒子が血清中に存在するZn(II)の主部を含有するという徴候(例のセクションを参照)があるだけでなく、エキソソームが、細胞間のシグナル伝達において、および異なる起源の細胞の増殖において重要な役割を果たすという徴候もある。
発明者は、胎児血清製品が使用される製造および研究用途における信頼性があり一貫した結果を保証するために、エキソソーム濃度ならびにZn(II)濃度を知り、好ましくは予め設定された所望のレベルに調整する必要があることに気付いた。
したがって、上記実施形態の全てと自由に組み合わせ可能な別の実施形態によれば、血清中のエキソソーム濃度が決定され、最終製品中の濃度が所望の区間内の値に調整される。
上記の実施形態の全てと自由に組み合わせ可能なさらに別の実施形態によって、エキソソームの直径が決定され、および/または特定の種からの血清中のエキソソーム中のZn(II)濃度が決定され、最終製品中のZn(II)濃度が所望の区間内の値に調整される、特定の種の胎児血清に基づく胎児血清製品の製造または調製における方法段階が利用可能になる。
したがって、本発明の重要な態様は、新規かつ改善された胎児血清製品、とりわけ、上記実施形態で記載された段階の1つ以上を含む方法(1つまたは複数)に従って製造される胎児血清製品の提供である。
一例は、Zn(II)濃度が約50〜約200μmol/Lの区間に調整されている胎児血清製品である。別の例は、Zn(II)濃度が約50μmol/Lに調整されている胎児血清製品である。好ましい例は、Zn(II)の濃度が最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整されている、胎児血清製品である。
重要な態様は、製品を使用する前にZn(II)濃度を決定し、知るべきだということである。したがって、一実施形態は、好ましくは、必ずしも必要ではないが、上記段階の1つ以上を用いて製造される胎児血清製品に関し、この製品中のZn(II)濃度がパッケージ上で、または添付の製品データシートにおいて示される。
本発明のさらに別の態様は、細胞または組織培養が、生産方法、診断方法、治療または研究の一部であるか否かに関わらず、細胞または組織培養のための方法に関する。この態様の一実施形態は、胎児血清製品を含有する培地を使用したインビトロでの細胞または組織培養のための方法であり、この方法において、培地中のZn(II)濃度が決定され、所望のレベルに調整される。
上記実施形態において、好ましくは、培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が50〜約200μmol/Lの区間中の値に調整され、より好ましくは培地中のZn(II)濃度が約50μmol/Lに調整される。より好ましくは、培地中のZn(II)濃度は、最終製品/Lで、約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間内の値に調整される。
本発明の別の態様は、培地中のZn(II)濃度が決定され、選択されたレベルに調整され、細胞もしくは組織培養の持続時間中および/またはこの培養を反復するときに、前記レベルで維持される、胎児血清製品を含有する培地を用いたインビトロでの細胞または組織培養のための方法に関する。
本発明のさらに別の態様は、鳥類血清製品および特に卵白および卵黄に関する。発明者は、卵が哺乳動物血清よりも多量のZn(II)を含有することを見出した。卵黄中のZn(II)濃度は、50〜70マイクロモラーの区間にあり得る。発明者は、鳥類血清または卵製品が使用される培養方法の再現性を確実にするために、Zn(II)濃度が分かっていることが非常に重要であることを主張する。さらに、Zn(II)濃度を所望のレベルに調整することも好ましい。
したがって、本発明の一実施形態は、変更すべきところは変更して、すなわち必要な変更を行い、本明細書中で開示される方法または方法段階に従って製造される鳥類血清製品に関する。
したがって、一実施形態は、Zn(II)濃度が約50〜約200μmol/Lの区間に調整されている鳥類血清製品である。好ましくは、この鳥類血清製品は、Zn(II)濃度が約50μmol/Lに調整されている。
好ましい実施形態によれば、鳥類血清製品は、Zn(II)濃度が最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整されている。
特定の実施形態は、製品中のZn(II)濃度がパッケージ上で、または添付の製品データシートにおいて示される、鳥類血清製品である。
前記態様の別の実施形態は、鳥類血清製品を含有する培地を使用したインビトロでの細胞または組織培養のための方法であり、この方法において、培地中のZn(II)濃度が決定され、所望のレベルに調整される。好ましくは、培地中のZn(II)濃度は、50〜約200μmol/Lの区間中の値に調整される。より好ましくは、培地中のZn(II)濃度は約50μmol/Lに調整される。
さらに、上記態様および実施形態と自由に組み合わせ可能な実施形態によれば、培養しようとする細胞はヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度は、最終製品/Lで、約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間内の値に調整される。卵の場合、Zn(II)濃度は、トリ、例えばニワトリまたはアヒルに与えられる飼料の組成および量を調整することによって影響され得る。
別の態様は、培地中のZn(II)の濃度が決定され、選択されたレベルに調整され、培養の持続時間中および/またはこの培養を反復するときに、前記レベルで維持される、鳥類血清製品を含有する培地を用いたインビトロでの細胞または組織培養のための新規方法である。
興味深いことに、胚性幹細胞がカドミウムの非存在下で培養された場合、腫瘍形成の徴候なく迅速な増殖および分化が達成される。しかし、不死化細胞株、腫瘍細胞株を培養する場合、これは従来、様々な量のカドミウムを含有することが、発明者によって、今回示されている10%ウシ胎児血清の存在下で行われている。
これらの結果に照らして、カドミウムイオンが胚組織に移行するのを阻止する胎盤の能力はかなり重要であることは極めて妥当であると思われる。発明者は、カドミウムが重要な因子であるものでどれが最も有害な反応であると明確に主張する立場にいるものではないが、カドミウムイオンは、多くの重要なシグナル伝達分子のリン酸化状態および細胞増殖、細胞分化、有糸分裂周期、発癌性の形質転換および受容体エンドサイトーシスに関わる細胞過程を一緒に制御する、ホスファターゼとキナーゼとの間の作用バランスを撹乱することが考えられる。
発明者が提案した別の理論は、細胞接着、異なる組織層の分離および細胞移動において重要な役割を果たすことが知られる膜貫通タンパク質の一群であるカドヘリンを含む反応において、カドミウムがカルシウムに取って代わるということである。興味深いことに、上皮カドヘリン−カテニン複合体の機能不全は、腫瘍転移と関連付けられている。発明者は、これを可能にするのは、Ca2+イオン(114m)とCd2+イオン(109pm)との間のイオン半径の類似性であると推測している。
発明者は、上記効果が密着結合の機能に直接影響を及ぼし、妨害し、例えば、これにより、癌性細胞が病的組織を離れ、血流およびリンパ系において移動し、健常組織に入ることが可能になると考える。この場合、高いカドミウム濃度は、癌の転移を直接促進し得る。
発明者により示唆される別の理論は、金属カドミウムおよび亜鉛の存在、それらの濃度およびそれらの間の比率が、DNA複製ならびに複製エラーの酵素的補正に関与する酵素の機能に直接影響を及ぼすということである。
例
例1.異なる起源の血清中のZn(II)濃度の分析
発明者は、異なるバッチの血清およびまた異なる動物由来の血清の分析を依頼した。FBSの異なるバッチのこれらの分析から、バッチ間のZn(II)濃度の顕著な変動が明らかになった。様々な動物からの血清の分析から、動物間の顕著な変動が明らかになった。
例1.異なる起源の血清中のZn(II)濃度の分析
発明者は、異なるバッチの血清およびまた異なる動物由来の血清の分析を依頼した。FBSの異なるバッチのこれらの分析から、バッチ間のZn(II)濃度の顕著な変動が明らかになった。様々な動物からの血清の分析から、動物間の顕著な変動が明らかになった。
分析は、原子吸光分析(AAS)およびPerkin−Elmer(Norwalk,CT,USA)から得られた標準試料を用いて、認定された実験室で実施した。結果を表2で示す。
全体として、この分析は、地理的な起源および異なる動物種由来の両方を含む、異なる起源の血清中のZn(II)濃度のかなりの変動が実際にあることを示す。血清および特にウシ胎仔血清は、培地に10%の量で添加されることが多い細胞培養における標準成分である。それにもかかわらず、どの血清が使用されてきたか、またはこの血清の特性に関する何らかの情報、例えば金属イオン濃度に関する情報の表示が見られることは、皆無ではないにせよ、滅多にない。
Zn(II)イオンは細胞代謝において基本的な役割を果たすので、発明者は、Zn(II)濃度が既知であり、既知の範囲に調整されることはかなり重要であると結論付ける。発明者は、Zn(II)濃度の変動は、血清補充増殖培地を用いた実験および生物製剤の産生の両方において、考慮すべきエラーの原因であることを示唆する。結果的に、細胞培地中の最終濃度が、ヒト血清中のZn(II)の形態の亜鉛の通常濃度の範囲内、すなわち約10〜約20μmol/Lの範囲内に入るように、Zn(II)の濃度を調整することが好ましい。好ましくは、信頼できる結果および製品の均一な品質を保証するために、全ての実験において、および全ての製造バッチにおいて、同じ濃度を確実なものとする。
例2.胎児血清試料中のCd濃度の分析
発明者はまた、いくつかの血清試料中のカドミウムの分析も依頼した。発明者の知る限り、カドミウムは人体にとって有益な機能があることは知られていない。しかし、ヒト血清中のカドミウムと癌との間には有意な関連性を示す疫学的証拠が存在する。
発明者はまた、いくつかの血清試料中のカドミウムの分析も依頼した。発明者の知る限り、カドミウムは人体にとって有益な機能があることは知られていない。しかし、ヒト血清中のカドミウムと癌との間には有意な関連性を示す疫学的証拠が存在する。
標準的手順およびPerkin−Elmer(Norwalk,CT,USA)からの原子吸光分析(AAS)装置を使用して、認定された実験室(VITA Laboratorio,VITA−Terveyspalvelut,Helsinki,Finland)でカドミウム濃度を決定した。結果から、胎児血清はカドミウム不含であるか、または分析法の検出限界(ここでは4.5μmol/L)を下回るレベルのカドミウムしか含有されないことが示される。結果を表3で示す。
カドミウムに曝露されたことがない非喫煙者は、5nmol/L以下の濃度を示すはずであると一般に考えられる。喫煙者はより高い濃度を示すが、18nmol/L未満である。50nmol/Lは、医学的処置を開始する必要がある閾値である(分析会社VITA Laboratorioにより提供された情報)。
上記の結果から、健常な非喫煙者に対する閾値が確認される。常習性喫煙者の血液の分析はまだ行われておらず、例えば喫煙停止後どの程度の期間、献血者として不適格とすべきかを判断するために、カドミウム濃度が時間とともにどのように変化するかを知ることは興味深い。
この実験はまた、発明者が強く主張する手順である、カドミウムの含有量に関してドナー血液をスクリーニングすることが実行可能であることを示す。
例3.異なる起源の血清からの粒子の分離、最初の試行
発明者はまた、無細胞血清試料を超遠心分離に供する研究も依頼した。この研究は、2015年11月にVTT Technical Research Centre of Finland Ltd,Espoo,Finlandで行われた。製造者の指示に従い、超遠心分離機(Beckman Optima TM LE−BOK)を使用した。この研究の目的は、200nm(0.2μm)未満の直径を有する粒子が超遠心分離を用いて無細胞血清試料から分離され得るか否かを試験することであった。
発明者はまた、無細胞血清試料を超遠心分離に供する研究も依頼した。この研究は、2015年11月にVTT Technical Research Centre of Finland Ltd,Espoo,Finlandで行われた。製造者の指示に従い、超遠心分離機(Beckman Optima TM LE−BOK)を使用した。この研究の目的は、200nm(0.2μm)未満の直径を有する粒子が超遠心分離を用いて無細胞血清試料から分離され得るか否かを試験することであった。
全部で8検体の試料が2つ組で供給され、これらを発明者の指示に従い、−20℃で保存した。安定化試薬(DTT、DL−ジチオスレイトール)も発明者によって供給され、これを+4℃で保存した。試料を150,000xgで+4℃にて20時間、超遠心分離した。超遠心分離中に1本の試験管が破損したが、この試験管を除き、この試験から、全ての試験管にペレットが形成されたことが示された。いくつかの試料において、2つのペレットが形成されたことが確認され、一方は「緩い」と記載され、他方は糊状および溶解困難と記載された。
例4.異なる起源の血清からの粒子の分離、第2の試行
発明者は、無細胞血清試料を超遠心分離に供した第2の研究を依頼した。この研究は、2015年12月にVTT Technical Research Centre of Finland Ltd,Espoo,Finlandで行われた。製造者の指示に従い、超遠心分離機(Beckman Optima TM LE−BOK)を使用した。この研究の目的は、200nm(0.2μm)未満の直径を有する粒子が超遠心分離を用いて無細胞血清から分離され得るか否かを試験することであった。
発明者は、無細胞血清試料を超遠心分離に供した第2の研究を依頼した。この研究は、2015年12月にVTT Technical Research Centre of Finland Ltd,Espoo,Finlandで行われた。製造者の指示に従い、超遠心分離機(Beckman Optima TM LE−BOK)を使用した。この研究の目的は、200nm(0.2μm)未満の直径を有する粒子が超遠心分離を用いて無細胞血清から分離され得るか否かを試験することであった。
全部で8検体の試料が2つ組で供給され、これらを発明者の指示に従い、−20℃で保存した。安定化試薬(DTT、DL−ジチオスレイトール)も発明者によって供給され、これを+4℃で保存した。
4検体の血清試料を氷上で融解させ、体積を測定した。各試料を等体積ずつ2つに分け、1xPBSで10mLの最終体積に希釈した。次いで、発明者により供給された0.2μmシリンジフィルターを用いて試料を濾過した。
最初の試験運転では、各試料の一部を個々の超遠心分離管に移した。第2の試験運転では、超遠心分離の前に発明者の指示に従い、試料をDTTで処理した。全ての試料を150,000xgで+4℃にて20時間超遠心分離することにより処理した。全ての試験管においてペレットを検出し得た。
最初の試験運転では、全ての試料で緩いペレットが見られ、ある1つの試料では、さらに、小さく、より密度の高いペレットが観察された。各試料から上清を回収し、ペレットを含まないように細心の注意を払った。DTTをペレットに添加し、試料を37℃で温置し、2分ごとにボルテックス処理した。この処理の間、試料はゲルを形成した。しかし、このゲルは、各試料について10mLの総体積まで1xPBSの添加により、溶解された。再懸濁したペレットを、30〜37℃の温度にて150,000xgで1時間、もう一度遠心分離した。遠心分離時間(1時間)の後半部分まで37℃の所望の温度に達する問題があった。各試料において、2回目の遠心分離の結果、薄赤色の半透明固形ペレットが生じ、上記例2および3において緩いペレットは報告されなかった。
2回目の試験運転において、同じ条件を使用して超遠心分離を行ったところ、得られたペレットの外観は異なっていた。それらはより大きく、2層から構成されると思われ、上部はより大きく、より緩いペレットであり、下部はより赤みを帯びた硬いペレットであった。
両方の試験運転において、硬いペレットを溶解することが困難であったので、短くした5mLピペットチップを用いて発明者が供給した試験管にこれらを移し、おそらく残存しているであろうペレット断片を滅菌ループで回収した。発明者の指示に従い、2滴の65%硝酸を各試験管に添加して溶解を促進させた。さらなる分析のために試料を発明者に返還した。
例5.ウシ胎仔血清試料から単離したエキソソームの分析
例3および4で得られたペレットをPBS中で洗浄し、当技術分野で公知の方法を用いて、例えばフローサイトメトリー分析(FACS)、透過型電子顕微鏡(TEM)分析、免疫金染色またはNanoSight LM10(NanoSight Ltd)分析を用いて、それらのエキソソーム含有量を定性的にまたは定量的に分析し得る。同様に、胎児血清中のエキソソームの濃度は、当業者に公知の方法によって決定され得る。好ましくは、より大きな粒子を除去する濾過による前処理に試料を供する。
例3および4で得られたペレットをPBS中で洗浄し、当技術分野で公知の方法を用いて、例えばフローサイトメトリー分析(FACS)、透過型電子顕微鏡(TEM)分析、免疫金染色またはNanoSight LM10(NanoSight Ltd)分析を用いて、それらのエキソソーム含有量を定性的にまたは定量的に分析し得る。同様に、胎児血清中のエキソソームの濃度は、当業者に公知の方法によって決定され得る。好ましくは、より大きな粒子を除去する濾過による前処理に試料を供する。
例6.Zn(II)濃度の分析
例2および3で得られたペレットをPBS中で洗浄し、Perkin Elmer原子吸光装置(AAS)を用いて原子吸光分析によりZn(II)濃度を測定した。結果を以下の表4で示す:
例2および3で得られたペレットをPBS中で洗浄し、Perkin Elmer原子吸光装置(AAS)を用いて原子吸光分析によりZn(II)濃度を測定した。結果を以下の表4で示す:
この分析から、超遠心分離によって、上清からZn(II)を減少させること、またはいくつかの試料においてはそれを排除することに成功したことが示される。
上記の例は、Zn(II)が無細胞血清中に存在するエキソソーム中に含有されること、およびまた超遠心分離またはおそらく他の分離方法を用いて血清中のZn(II)の濃度を顕著に低下させ得るかまたはさらに排除し得ることを示す。大部分の試験において、上清中のZn(II)濃度は約1μmol/L以下に減少した。
一般的な理解は、今まで、血清中の金属がアルブミンに結合することであったが、現在の予備実験からは、Zn(II)の少なくとも一部が血清中の粒子状物質、例えばエキソソームに結合していることおよびこれが、例えば超遠心分離により濃縮および除去され得ることが示される。
例7.CdおよびZn同位体の濃縮を調べる全身オートラジオグラフィー
発明者は、カドミウムおよび亜鉛の放射性同位体を用いて胎盤の機能を調べる研究を依頼した。妊娠雌マウスに、Philips Ltd.,Eindhoven,Hollandから入手した8μcの109CdCl2を静脈内注射した。同位体の注入は、標準的な方法に従い尾静脈に行った。屠殺日が、交配後の膣栓の存在により決定される受胎後18日目とほぼ一致するようにマウスに注射を行った。アセトンおよび液体二酸化炭素の混合物(約−80℃)に浸漬することによって、マウスをエーテル麻酔下で屠殺した。次いで、標準的技法に従い−10℃の低温室でマウスに対して矢状に切開を行い、得られた切片をセルローステープに貼り付けた。
発明者は、カドミウムおよび亜鉛の放射性同位体を用いて胎盤の機能を調べる研究を依頼した。妊娠雌マウスに、Philips Ltd.,Eindhoven,Hollandから入手した8μcの109CdCl2を静脈内注射した。同位体の注入は、標準的な方法に従い尾静脈に行った。屠殺日が、交配後の膣栓の存在により決定される受胎後18日目とほぼ一致するようにマウスに注射を行った。アセトンおよび液体二酸化炭素の混合物(約−80℃)に浸漬することによって、マウスをエーテル麻酔下で屠殺した。次いで、標準的技法に従い−10℃の低温室でマウスに対して矢状に切開を行い、得られた切片をセルローステープに貼り付けた。
次に、各切片を同位体標準物質と一緒にX線フィルムに並置した。切片およびフィルムは、曝露が完了するまで−10℃に保った。様々な器官におけるカドミウムおよび亜鉛濃度の桁の決定は、標準物質と比較する、器官によって生じるオートラジオグラフィー曝露の濃度測定比較を通じて行った。
オートラジオグラフィー実験から、これら2種類の金属の挙動における顕著な相違が示された。Znが胎盤を通過し、胎児組織で濃縮された一方、Cdは胎盤障壁を通過しなかった。この裏にある機序は完全には理解されていないが、発明者は、メタロチオネインタンパク質がカドミウムに結合し、それが胎児への移行を阻止することにおいて重要な機能を有すると考える。
この理論は、発明者によって依頼された、マウス胚からの胚組織中のカドミウム濃度の別個の分析の結果によって裏付けられる。その結果から、カドミウム濃度は非常に低く、約4.4ナノモル/Lを下回る値〜約5.3ナノモル/Lの範囲であり、一方で、同じ試料中の亜鉛濃度は30〜40マイクロモル/Lの範囲であったことが示された。さらなる分析作業が進行中である。
発明者によって依頼された関連研究から、ウシ胎仔血清中のエキソソームは、亜鉛がその血清に添加される場合に亜鉛を吸収可能であることが示された。これに基づいて、発明者は、エキソソームが同様にカドミウムを吸収可能であると推論する。したがって、ドナー血液および血液製剤は、癌の処置を受けており、処置の一部として、または貧血、免疫防御の障害など、処置の副作用を緩和するために、輸血または血液製剤の投与を受けている患者でのカドミウム負荷を増加させ得るリスクがある。例えば転移においてマイナスの結果を伴うことが疑われる、カドミウムを含有するドナー血液またはカドミウムを含有する血液製剤が患者に与えられるというリスクを除外するために、発明者は、ドナー血液中のカドミウム含有量を決定し、カドミウム含有量が健常対象で通常遭遇するレベルを超える血液または血液製剤を廃棄するスクリーニング段階を提案する。好ましくは、カドミウムのレベルは、ゼロまたは可能な限り低いものであるべきであり、いくつかの製品について、これは、エキソソーム分画を分離し、場合によりそれを適合性のある供給源からの汚染されていないエキソソームで置き換えることによって達成され得る。ドナー血液およびそれから作製された製品中のカドミウム濃度を最小限に抑えるための最も簡単なアプローチは、喫煙者であるか否かを示すように献血者に要求し、ドナーとして不適格とするか、または癌患者に投与してはいけないという表示を血液に付すことである。
要約すると、発明者は、カドミウムが胎児組織に移入するのを防止する胎盤の能力は、妊娠中に起こる細胞の迅速かつ実質的にエラーのない増殖および分化にとって非常に重要であると推論する。
逆に、哺乳類生物が分娩後およびその後生存している間ずっとカドミウムに晒される場合、亜鉛とカドミウムとの間のバランス崩壊は、癌などであるが限定されない、異なる疾患の裏にある原因要素となると思われる。
発明者の発見は、研究、バイオテクノロジー生産および治療の両方における使用のための血液および血清製品の作製に対する新しいアプローチのための基礎を形成する。
実施形態のリスト
1.血清中のZn(II)濃度が決定され、所望の特定の値に調整される、血清製品、特に胎児血清製品の製造における方法。
2.血清中のZn(II)濃度が決定され、最終製品中で所望の区間に濃度が調整される、血清製品の製造における方法段階。
3.Zn(II)濃度が最終製品中で約50〜約200μmol/Lの区間に調整される、実施形態1および2の何れか1つに記載の方法。
4.Zn(II)濃度が、最終製品中で約50μmol/Lに調整される、実施形態1に記載の方法。
5.Zn(II)濃度が、最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整される、実施形態1および2の何れか1つに記載の方法。
6.Zn(II)濃度の調整が、Zn(II)の最終濃度が最終製品中約50〜約200μmol/Lの区間となるような比率で、Zn(II)の濃度が異なる少なくとも2つの異なる血清バッチの胎児血清を混合することによって行われる、実施形態1および2の何れか1つに記載の方法。
7.Zn(II)濃度の調整が、胎児血清を超遠心分離に供し、形成されたペレットを除去することによって行われる、実施形態1および2の何れか1つに記載の方法。
8.胎児血清が、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ネコ、イヌおよびウサギから選択される哺乳類由来の胎児血清である、実施形態1および2の何れか1つに記載の方法。
9.血清中のエキソソーム濃度が決定され、最終製品中の濃度が、所望の区間内の値に調整される、胎児血清製品の製造または調製における方法段階。
10.エキソソームの直径が決定され、および/または特定の種からの血清中のエキソソーム中のZn(II)濃度が決定され、最終製品中のZn(II)濃度が所望の区間内の値に調整される、特定の種の胎児血清に基づく胎児血清製品の製造または調製における方法段階。
11.実施形態1〜10の何れか1つに記載の方法に従い製造された血清製品、好ましくは胎児血清製品。
12.Zn(II)濃度が約50〜約200μmol/Lの区間に調整されている血清製品、好ましくは胎児血清製品。
13.Zn(II)濃度が約50μmol/Lに調整されている、血清製品、好ましくは胎児血清製品。
14.Zn(II)濃度が最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整されている、血清製品、好ましくは胎児血清製品。
15.前記製品中のZn(II)濃度がパッケージ上で、または添付の製品データシートにおいて示される、実施形態11〜14の何れか1つに記載の血清製品。
16.培地中のZn(II)濃度が決定され、所望のレベルに調整される、胎児血清製品を含有する培地を使用したインビトロでの細胞または組織培養のための方法。
17.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が50〜約200μmol/Lの区間中の値に調整される、実施形態16に記載の方法。
18.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が約50μmol/Lに調整される、実施形態16に記載の方法。
19.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が、最終製品/Lで、約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間内の値に調整される、実施形態16に記載の方法。
20.培地中のZn(II)濃度が決定され、選択されたレベルに調整され、培養の持続時間中および/または前記培養を反復するときに、前記レベルで維持される、胎児血清製品を含有する培地を用いたインビトロでの細胞または組織培養のための方法。
21.請求項1〜10の何れか1つの方法に従い、変更すべきところは変更して、製造される、鳥類血清製品。
22.Zn(II)濃度が約50〜約200μmol/Lの区間に調整されている、鳥類血清製品。
23.Zn(II)濃度が約50μmol/Lに調整されている、鳥類血清製品。
24.Zn(II)濃度が最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整されている、鳥類血清製品。
25.前記製品中のZn(II)濃度がパッケージ上で、または添付の製品データシートにおいて示される、実施形態11〜14の何れか1つに記載の鳥類血清製品。
26.培地中のZn(II)濃度が決定され、所望のレベルに調整される、鳥類血清製品を含有する培地を使用したインビトロでの細胞または組織培養のための方法。
27.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が50〜約200μmol/Lの区間中の値に調整される、実施形態26に記載の方法。
28.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が約50μmol/Lに調整される、実施形態26に記載の方法。
29.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が、最終製品/Lで、約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間内の値に調整される、実施形態26に記載の方法。
30.培地中のZn(II)濃度が決定され、選択されたレベルに調整され、培養の持続時間中および/または前記培養を反復するときに、前記レベルで維持される、鳥類血清製品を含有する培地を用いたインビトロでの細胞または組織培養のための方法。
31.哺乳動物における癌の予防、処置および/または緩和における方法であって、前記哺乳動物が、カドミウムの量を減少させるかまたは前記哺乳動物の体内の亜鉛に対するカドミウムの割合を変化させる処置に供される、方法。
32.腫瘍の外科的切除と組み合わせた、上記実施形態に記載の方法。
33.腫瘍の外科的切除および1つ以上の細胞増殖抑制薬(1つまたは複数)の投与と組み合わせた、上記実施形態に記載の方法。
34.放射線療法と組み合わせた、上記実施形態に記載の方法。
35.さらに、鉄、セレンおよび亜鉛から選択される金属、好ましくは亜鉛の無毒性用量の投与を含む、上記実施形態に記載の方法。
36.カドミウムの量の減少または亜鉛に対するカドミウムの割合の変更が輸血により行われる、上記実施形態に記載の方法。
37.カドミウムの量の減少または亜鉛に対するカドミウムの割合の変更が体外透析により行われる、上記実施形態に記載の方法。
38.カドミウムの量の減少または亜鉛に対するカドミウムの割合の変更が食事調整により行われる、上記実施形態に記載の方法。
39.血液中のカドミウム濃度が決定され、高濃度のカドミウムを含有する血液をヒトでの使用に対して不適格とする、ドナー血液の取り扱いにおける方法段階。
40.ドナー血液の回収における方法段階であって、献血者が、喫煙者であるか、または喫煙習慣があったが停止しているかを示すように求められ、その場合に提供された血液がカドミウム含量についての分析に供され、含有されるカドミウム濃度が高い血液をヒトでの使用について不適格とする、方法段階。
41.癌の処置における段階であって、患者の血液中のカドミウムレベルが決定され、健常集団にとって典型的なレベルと比較した場合の高いレベルが、疾患を悪化させる可能性がある、および癌の処置の一部としてカドミウム濃度を低下させるための行動を促す要因として指摘される、段階。
実施形態のリスト
1.血清中のZn(II)濃度が決定され、所望の特定の値に調整される、血清製品、特に胎児血清製品の製造における方法。
2.血清中のZn(II)濃度が決定され、最終製品中で所望の区間に濃度が調整される、血清製品の製造における方法段階。
3.Zn(II)濃度が最終製品中で約50〜約200μmol/Lの区間に調整される、実施形態1および2の何れか1つに記載の方法。
4.Zn(II)濃度が、最終製品中で約50μmol/Lに調整される、実施形態1に記載の方法。
5.Zn(II)濃度が、最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整される、実施形態1および2の何れか1つに記載の方法。
6.Zn(II)濃度の調整が、Zn(II)の最終濃度が最終製品中約50〜約200μmol/Lの区間となるような比率で、Zn(II)の濃度が異なる少なくとも2つの異なる血清バッチの胎児血清を混合することによって行われる、実施形態1および2の何れか1つに記載の方法。
7.Zn(II)濃度の調整が、胎児血清を超遠心分離に供し、形成されたペレットを除去することによって行われる、実施形態1および2の何れか1つに記載の方法。
8.胎児血清が、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ネコ、イヌおよびウサギから選択される哺乳類由来の胎児血清である、実施形態1および2の何れか1つに記載の方法。
9.血清中のエキソソーム濃度が決定され、最終製品中の濃度が、所望の区間内の値に調整される、胎児血清製品の製造または調製における方法段階。
10.エキソソームの直径が決定され、および/または特定の種からの血清中のエキソソーム中のZn(II)濃度が決定され、最終製品中のZn(II)濃度が所望の区間内の値に調整される、特定の種の胎児血清に基づく胎児血清製品の製造または調製における方法段階。
11.実施形態1〜10の何れか1つに記載の方法に従い製造された血清製品、好ましくは胎児血清製品。
12.Zn(II)濃度が約50〜約200μmol/Lの区間に調整されている血清製品、好ましくは胎児血清製品。
13.Zn(II)濃度が約50μmol/Lに調整されている、血清製品、好ましくは胎児血清製品。
14.Zn(II)濃度が最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整されている、血清製品、好ましくは胎児血清製品。
15.前記製品中のZn(II)濃度がパッケージ上で、または添付の製品データシートにおいて示される、実施形態11〜14の何れか1つに記載の血清製品。
16.培地中のZn(II)濃度が決定され、所望のレベルに調整される、胎児血清製品を含有する培地を使用したインビトロでの細胞または組織培養のための方法。
17.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が50〜約200μmol/Lの区間中の値に調整される、実施形態16に記載の方法。
18.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が約50μmol/Lに調整される、実施形態16に記載の方法。
19.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が、最終製品/Lで、約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間内の値に調整される、実施形態16に記載の方法。
20.培地中のZn(II)濃度が決定され、選択されたレベルに調整され、培養の持続時間中および/または前記培養を反復するときに、前記レベルで維持される、胎児血清製品を含有する培地を用いたインビトロでの細胞または組織培養のための方法。
21.請求項1〜10の何れか1つの方法に従い、変更すべきところは変更して、製造される、鳥類血清製品。
22.Zn(II)濃度が約50〜約200μmol/Lの区間に調整されている、鳥類血清製品。
23.Zn(II)濃度が約50μmol/Lに調整されている、鳥類血清製品。
24.Zn(II)濃度が最終製品中で約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整されている、鳥類血清製品。
25.前記製品中のZn(II)濃度がパッケージ上で、または添付の製品データシートにおいて示される、実施形態11〜14の何れか1つに記載の鳥類血清製品。
26.培地中のZn(II)濃度が決定され、所望のレベルに調整される、鳥類血清製品を含有する培地を使用したインビトロでの細胞または組織培養のための方法。
27.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が50〜約200μmol/Lの区間中の値に調整される、実施形態26に記載の方法。
28.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が約50μmol/Lに調整される、実施形態26に記載の方法。
29.培養しようとする細胞がヒト細胞であり、培地中のZn(II)濃度が、最終製品/Lで、約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間内の値に調整される、実施形態26に記載の方法。
30.培地中のZn(II)濃度が決定され、選択されたレベルに調整され、培養の持続時間中および/または前記培養を反復するときに、前記レベルで維持される、鳥類血清製品を含有する培地を用いたインビトロでの細胞または組織培養のための方法。
31.哺乳動物における癌の予防、処置および/または緩和における方法であって、前記哺乳動物が、カドミウムの量を減少させるかまたは前記哺乳動物の体内の亜鉛に対するカドミウムの割合を変化させる処置に供される、方法。
32.腫瘍の外科的切除と組み合わせた、上記実施形態に記載の方法。
33.腫瘍の外科的切除および1つ以上の細胞増殖抑制薬(1つまたは複数)の投与と組み合わせた、上記実施形態に記載の方法。
34.放射線療法と組み合わせた、上記実施形態に記載の方法。
35.さらに、鉄、セレンおよび亜鉛から選択される金属、好ましくは亜鉛の無毒性用量の投与を含む、上記実施形態に記載の方法。
36.カドミウムの量の減少または亜鉛に対するカドミウムの割合の変更が輸血により行われる、上記実施形態に記載の方法。
37.カドミウムの量の減少または亜鉛に対するカドミウムの割合の変更が体外透析により行われる、上記実施形態に記載の方法。
38.カドミウムの量の減少または亜鉛に対するカドミウムの割合の変更が食事調整により行われる、上記実施形態に記載の方法。
39.血液中のカドミウム濃度が決定され、高濃度のカドミウムを含有する血液をヒトでの使用に対して不適格とする、ドナー血液の取り扱いにおける方法段階。
40.ドナー血液の回収における方法段階であって、献血者が、喫煙者であるか、または喫煙習慣があったが停止しているかを示すように求められ、その場合に提供された血液がカドミウム含量についての分析に供され、含有されるカドミウム濃度が高い血液をヒトでの使用について不適格とする、方法段階。
41.癌の処置における段階であって、患者の血液中のカドミウムレベルが決定され、健常集団にとって典型的なレベルと比較した場合の高いレベルが、疾患を悪化させる可能性がある、および癌の処置の一部としてカドミウム濃度を低下させるための行動を促す要因として指摘される、段階。
さらなる詳細な説明なく、当業者は、例を含む本記載を用いて、本発明を最大限に利用し得ると考えられる。また、本発明は、発明者にとって現在公知の最良の形態を構成するその好ましい実施形態に関して本明細書中で記載されているが、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者にとって自明であるような様々な変更および修正をなし得ることを理解されたい。
したがって、様々な態様および実施形態が本明細書中で開示されているが、他の態様および実施形態は当業者にとって明らかであろう。本明細書中で開示される様々な態様および実施形態は、例示を目的とするものであり、限定するものではなく、本発明の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
引用文献
Claims (18)
- 血清製品、特に胎児血清製品の製造における方法であって、血清中のZn(II)濃度が決定され、所望の特定の値に調整される、方法。
- Zn(II)濃度が、最終製品中で約50〜約200μmol/Lの区間に、最終製品中で約50μmol/Lの濃度に、または最終製品中で、約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間に調整される、請求項1に記載の方法。
- 前記Zn(II)濃度の前記調整が、以下の操作のうち1つ:
−Zn(II)の最終濃度が最終製品中で所望の区間に入るような比率で、Zn(II)濃度が異なる少なくとも2つの異なる血清バッチの血清を混合すること、または
−血清を超遠心分離に供し、形成されるペレットを除去すること
により行われ、
前記濃度が、前記製品に付随するパッケージまたは製品情報において示される、請求項1および2の何れか一項に記載の方法。 - 前記胎児血清が、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ネコ、イヌおよびウサギから選択される哺乳動物由来の胎児血清である、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
- Zn(II)濃度が調節されている胎児血清製品、特に特定の種の胎児血清に基づく胎児血清製品の製造または調製における方法段階であって、
エキソソームの直径が決定され、および/または前記特定の種からの血清中のエキソソーム中のZn(II)濃度が決定され、最終製品中の前記Zn(II)濃度が所望の区間内の値に調整される、方法段階。 - 請求項1〜5の何れか一項に記載の方法に従い製造される、血清製品、好ましくは胎児血清製品。
- Zn(II)濃度が最終製品中で約50〜約200μmol/Lの区間、約50μmol/L、または約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満に調整される、血清製品、好ましくは胎児血清製品。
- 前記製品中の前記Zn(II)濃度が、前記血清製品のパッケージ上で、または添付の製品データシートにおいて示される、請求項6および7の何れか一項に記載の血清製品。
- 胎児血清製品を含有する培地を使用してインビトロで細胞または組織を培養するための方法であって、前記培地中のZn(II)濃度が決定され、所望のレベルに調整される、方法。
- 前記培養される細胞がヒト細胞であり、前記培地中の前記Zn(II)濃度が、最終製品中で、50〜約200μmol/Lの前記区間中の値に、約50μmol/Lの値に、または約15μmol/L未満、好ましくは約10μmol/L未満、より好ましくは約5μmol/L未満の区間内の値に調整される、請求項9に記載の方法。
- 前記培地中の前記Zn(II)濃度が決定され、選択されたレベルに調整され、前記培養の持続時間中および/または前記培養を反復するときに、前記レベルで維持される、請求項9〜10の何れか一項に記載の方法。
- 哺乳動物における癌の予防、処置および/または緩和における方法であって、前記哺乳動物が、カドミウムの量を減少させるかまたは前記哺乳動物の体内の亜鉛に対するカドミウムの割合を変化させる処置に供される、方法。
- 腫瘍の外科的切除、放射線療法、および1つ以上の細胞増殖抑制薬の投与のうちの1つ以上の段階と組み合わせた、請求項12に記載の方法。
- さらに、鉄、セレンおよび亜鉛から選択される金属、好ましくは亜鉛の無毒性用量の投与を含む、請求項12または13に記載の方法。
- カドミウムの量の減少または亜鉛に対するカドミウムの割合の変化が、輸血;体外透析;食事調整;またはそれらの組み合わせのうち1つ以上により行われる、請求項12〜14の何れか一項に記載の方法。
- ドナー血液の取り扱いにおける方法段階であって、血液中のカドミウム濃度が決定され、高濃度のカドミウムを含有する血液がヒトでの使用に対して不適格とされる、方法段階。
- ドナー血液の回収における方法段階であって、前記ドナーが、喫煙者であるか、または喫煙習慣があったが止めているかを示すように求められ、その場合に、提供された血液がカドミウム含有量についての分析に供され、含有されるカドミウム濃度が高い血液をヒトでの使用に対して不適格とする、方法段階。
- 癌の処置における段階であって、患者の血液中のカドミウムレベルが決定され、健常集団にとって典型的なレベルと比較した場合の高いレベルが、前記疾患を悪化させる可能性がある、および癌の前記処置の一部としてカドミウム濃度を低下させるための行動を促す要因として指摘される、段階。
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