JP2017523385A - ガンマ線照射安定化デキストラン溶液及び使用方法 - Google Patents

ガンマ線照射安定化デキストラン溶液及び使用方法 Download PDF

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Abstract

ガンマ線への露出によってデキストラン溶液を滅菌させることによる血液分離の効率を増加させ、赤血球凝集剤の機能を果たすのに十分な分子量を維持する、ガンマ照射安定性デキストラン溶液及びキットが本明細書において提供される。この溶液は、初期分子量が500kDよりも大きい1〜10% wt/vのデキストランと2〜20重量%のアスコルビン酸を含む。コハク酸塩又はクエン酸塩のような無毒性促進剤を添加することができる。使用方法がさらに提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、ガンマ線照射安定化デキストラン溶液及び使用方法に関する。
赤血球(RBC)の全血からの分離は、あまり豊富でない細胞、例えば白血球又は幹細胞の分析又は治療使用の前に一般に必要とされる。多くの従来の血液細胞単離手順は、予備的な赤血球の減少及び試料体積の縮小を必要とする。これらの工程は一般に長期の細胞バンキング及び再生医療用途において実施され、そこでは直接移植又は将来の使用のための貯蔵のために、少ない量で最大の有核血液細胞を得ることが望ましい。
多くの場合、これらの方法では、全血から赤血球の沈降を増加させるための凝集剤としてデキストランが利用される。製造プロセスの重要な部分はキットの滅菌であり、確実に滅菌するのに十分な20〜50kGyの線量のガンマ線照射に付すことによって達成される。残念ながら、水中のデキストランはガンマ線照射に対して不安定であり、そのためデキストランの大幅な分子量分解が起こる。例えば、3300kD Mwのデキストランは、わずか20kGyの線量のガンマ線照射に付しただけで20kD未満まで分解してしまう。さらに、デキストランの添加によるRBC沈降強化能は、その分子量の関数であり、200kD未満の分子量では効果がない。その結果、デキストラン溶液は、溶液をオートクレーブ処理するか又は濾過することによって別々に滅菌した後、ガンマ線滅菌されたキットと再構成しなければならず、コスト及び製造中の潜在的な汚染が加算される。
したがって、安定性を保証するだけでなく、取扱い上のエラー及びコストを減らすために、デキストランを取扱い及び製造プロセスに直接的に導入することのできるガンマ線安定化デキストラン溶液が必要とされている。
米国特許出願公開第2009/081689号明細書
一般に、本発明の方法及びキットは、ガンマ線照射によって滅菌することができると同時に、その後に赤血球(RBC)凝集剤の機能を果たすのに十分な分子量を維持する、ガンマ安定性デキストラン溶液を提供する。デキストラン溶液は取扱い及び製造プロセスに直接的に組み込むことができるので、これは血液分離の効率を増加させる。
一実施形態は、ガンマ線照射に安定なデキストラン水溶液を提供する。この溶液は、500kD超の初期平均分子量を有するデキストラン1〜10wt/v%を含み、デキストランに対して2.0〜20.0重量%のアスコルビン酸又はその無機塩を有する。
別の実施形態では、500kD超の初期平均分子量を有するデキストラン、及びデキストランに対して2.0〜20.0重量%のアスコルビン酸又はその無機塩を含む、ガンマ線安定化デキストラン水溶液を製造するためのキットが提供される。
別の実施形態では、方法は、ガンマ線安定化水溶液を血液試料(末梢血、臍帯血)に添加し、その結果、赤血球(RBC)凝集及び沈降を増加させるとともに、大きな割合の総有核細胞(TNC)を回収することを提供する。この方法は、アスコルビン酸又はアスコルビン酸の無機塩を含むデキストラン溶液をガンマ線にあてる工程、血液試料を添加する工程、凝集体RBCをインキュベートする工程、及びTNCを回収する工程を含む。
本発明のこれら及びその他の特徴、態様及び利点は、添付の図を参照して以下の詳細な説明を読むとより良く理解されるであろう。
ガンマ線照射によって滅菌されるガンマ線安定化デキストラン溶液を用いて細胞を沈降させるプロセスの流れ図を示す図である。
以下の詳細な説明は例示的なものであり、本願の発明又は本発明の使用を制限することを目的としない。さらに、以下の詳細な説明に関して、前の発明の背景に提示されるどんな理論によっても制限される意図はない。特許請求される本発明の主題をより明白かつ簡潔に記載し示すために、以下の説明及びそれに添付される特許請求の範囲で使用される特定の用語に対して以下の定義が与えられる。
別に指定されない限り、冠詞の「a」とは、1又は1以上の、冠詞「a」によって修飾される語を示す。別に指定されない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される構成成分の量、分子量などの性質、反応条件などを表す全ての数は、全ての例において「約(about)」という用語で修飾されていると理解される。したがって、他にそうでないことが示されていない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは本発明によって得ようとする望ましい性質によって変化する可能性のある近似値である。少なくとも、特許請求の範囲と同等物の学説の適用を制限する試みではなく、各々の数値パラメータは、少なくとも報告される有効数字の数を考慮し、通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
「デキストラン」とは、α−結合D−グルコピラノシル繰り返し単位の直鎖状骨格を有し、一般に3000Da〜2000000Daの範囲の分子量を有する、分子量≧1000ダルトン(Da)の多糖類を示す。それは分子量によって分類される場合が多い。例えば、デキストラン500とは、500kDaの平均分子量を示す。デキストラン1230とは、1230kDaの平均分子量を示す。
「キット」は、本明細書において、所与アッセイ、試験、又はプロセスに必要な1又はそれ以上の反応体又は添加剤をいう。キットには、キット中に存在する反応体又は添加剤を使用するための一連の指示、加工条件を維持するために必要な任意の緩衝液、又はその他の使用のための随意材料も含まれてよい。特定の例では、キットは、所与アッセイ、試験、又はプロセス用に予め測定した量の反応体又は添加剤を含んでよい。
ある種の実施形態では、ガンマ線安定化デキストラン溶液が提供され、この溶液は、デキストラン、アスコルビン酸又はアスコルビン酸の無機塩の水溶液を含む。ある種の実施形態では、デキストラン溶液は、水溶液中約1〜10重量%のデキストランである。好ましくは、デキストランは、水溶液中1〜5重量%、より好ましくは2〜4重量%のデキストランである。ある種の実施形態では、添加したデキストランの赤血球沈降強化能は、分子量の関数であり、200kD未満の分子量ではそれは効果がない。したがって、ある種の実施形態では、ガンマ線照射後のデキストランの分子量は、約200kDよりも大きい。好ましい実施形態では、分子量は、約200〜800kDの範囲内であり、最も好ましくは、デキストランの分子量は、ガンマ線照射後に約400〜600kDの範囲内である。ある種の実施形態では、ガンマ線の線量は、20〜50kGyの間であり、より好ましくは25〜45kGyの線量である。
ある種の実施形態では、アスコルビン酸は無機塩であり、それには、限定されるものではないが、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸亜鉛又はそれらの組合せが挙げられる。ある種の実施形態では、無機塩はアスコルビン酸ナトリウムである。
ある種の実施形態では、アスコルビン酸又はその無機塩は、デキストラン水溶液に約2〜20重量%添加され、好ましい実施形態では4〜15重量%、より好ましくは4〜10重量%添加される。ある種のその他の実施形態では、無機塩は直接にデキストランに約2〜20重量%で添加され、好ましい実施形態では4〜15重量%、より好ましくは4〜10重量%で添加される。アスコルビン酸又はその無機塩は、放射線安定剤として作用することができ、RBCの沈降を強化するための凝集剤の機能を果たすのに十分な濃度にデキストラン分子量を保つ。
ある種の実施形態では、ガンマ線安定化デキストラン溶液は、緩衝液をさらに含んでよい。緩衝液は、4.0〜8.0のpHを維持する有機塩又は無機塩、例えばリン酸緩衝生理食塩水(PBS)などを含む。溶液はまた、その他の無毒性促進剤、例えば、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム及びその組合せを含んでもよい。無毒性促進剤の使用、血液細胞を凝集させる方法と、システム及び方法に関連したその使用は、参照により本明細書に援用される米国特許出願第12/325672号、標題「SYSTEMS AND METHODS FOR PROCESSING COMPLEX BIOLOGICAL MATERIALS」にさらに記載されている。
図1に示すように、ある種の実施形態では、細胞を沈降させる方法は、赤血球(RBC)を含む試料から得られる割合の増加した総有核細胞(TNC)の回収を改善し、この方法は、アスコルビン酸又はアスコルビン酸の無機塩を含む上述のガンマ線安定化デキストラン溶液にRBC試料を添加する工程(工程A)を含む。ある種の実施形態では、この方法は、複数のRBCを凝集及び沈降させるための試料のインキュベーション(工程C)及び/又は結果として起こるTNCの回収(工程D)をさらに含む。例えば、工程C及びDは、一般に長期の細胞バンキング及び再生医療用途において実施され、そこでは直接移植又は将来の使用のための貯蔵のために、少ない量で最大の有核血液細胞を得ることが望ましい(工程D)。ある種の実施形態では、TNCを回収する方法は、収集の前に液相の濃縮を含むことがある。液相は血漿及びデキストランを含み、したがって濃縮は、遠心分離、膜濾過、又は方法の組合せをはじめとするいくつかの方法によって達成されてよい。
ある種の実施形態では、RBCを含む試料は全血であり、ある種のその他の実施形態では、RBCを含む試料は血液成分、例えば限定されるものではないが、骨髄及び動員された末梢血をはじめとする単離された血液画分である。
ある種の実施形態では、ガンマ線安定化デキストラン溶液を製造するために必要な反応体及び添加剤を含むキットが提供される。キットは、デキストラン、アスコルビン酸又はアスコルビン酸の無機塩からなる。ある種の実施形態では、デキストランは、ガンマ線に露出した後に約200kDよりも大きい分子量(MW)を維持するために十分なMWを有する。ある種の実施形態では、デキストランの初期分子量は500kDよりも大きく、好ましい実施形態では750kDよりも大きく、最も好ましくは1000kDよりも大きい。ある種のその他の実施形態では、デキストランの初期分子量は、1000kD〜2000kDの間であり、好ましい実施形態では、デキストランの初期分子量は、約1000〜1500kDである。
ある種の実施形態では、キットの構成部品は、水溶液に加えると、水溶液中約1〜10重量%のデキストランのガンマ線安定化デキストラン溶液を生じる量で乾式混合される。好ましくは、デキストランは、水溶液中で使用した場合、1〜5重量%、より好ましくは2〜4重量%のデキストランである。
ある種の実施形態では、キットは、緩衝液、例えばリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、生理食塩水及び又はその他の無毒性促進剤、例えば、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム及びその組合せなどをさらに含んでよい。添加剤は、水溶液中で一緒に添加されると、ガンマ線安定化デキストラン溶液が得られるような方法で合してよい。ある種の実施形態では、キットは、個々の成分が別々に提供されるような方法で準備される。その他の実施形態では、キットは、固体形態の成分が予め混合され一緒に供給されるような方法で準備される。さらに他の実施形態では、キットは、ある特定の成分が溶液中に供給されるように準備される。
血液細胞を沈降させる本発明の方法及びキットは、通常、RBC沈降を加速するためにガンマ線安定化デキストラン溶液を添加することを含む。例えば、一実施形態では、赤血球を含む試料は、照射されたガンマ線安定化デキストラン溶液を添加し、それに続いて試料をインキュベートし、総有核細胞(TNC)を最後に回収することによって処理される。
赤血球を含む試料からある割合のTNCを回収する1又は複数の方法は、照射を受けたガンマ線安定化デキストラン溶液を所定濃度で添加し、試料をインキュベートし、総有核細胞を最後に回収することを含む。
本発明の実行は、説明のためだけに本明細書に提示され、どんな形であれ本発明を制限すると解釈されるべきではない、以下の実施例からより十分に理解されるであろう。
材料:ヒト臍帯血を実験に使用した。この実施例で使用したデキストラン1230は、GEヘルスケア(ウプサラ、スウェーデン)より入手した。ギ酸アンモニウム及びアスコルビン酸ナトリウムは、シグマ−アルドリッチ(ミズーリ州セントルイス)より入手可能である。クエン酸ナトリウムは、サーモフィッシャー・サイエンティフィック(マサチューセッツ州ウォルサム)より入手した。純粋なデキストラン試料は、約37.5mMのクエン酸ナトリウム及び2.25%(w/v)のデキストランを40%(v/v)の生理食塩水(バクスター、イリノイ州ディアフィールド)及び31.6%(v/v)の注射水(バクスター、イリノイ州)に溶解することによって調製した。デキストラン及びクエン酸ナトリウムを2時間溶解させた後、望ましい体積になるように残りの生理食塩水を添加した。全ての試料は、分析の前に少なくとも2時間溶解させた。
デキストランの分析は、ゲル浸透クロマトグラフィーを多角度レーザー光散乱と組合せて用いて達成した。
水相ゲル浸透クロマトグラフィーと組合せた静的光散乱分析は、Agilent 1100シリーズHPLCを、Wyatt Optilab DSP干渉屈折計とインラインのWyatt Technologies Dawn EOS多角度光散乱検出器と組合せて用いて達成した。光散乱検出器は、屈折率(DRI)データ獲得の上流で18°の散乱光を収集する。DRI検出器の機能は、モル質量を求めるための第一原理計算の式で使用する既知の屈折率増分値(DN/DC)を用いて、所与分析物のRI応答から濃度項を提供することである。クロマトグラフィーは、2mMのギ酸アンモニウム(pH4−5)の定組成溶離を用いて達成した。モル質量値は、Zimmの形式論から誘導されるように、第一原理計算を用いて得られた。
GPC分離は、2本のTosoh PWカラム:1−G6000及び1−G3000水系SECカラム(7.5×300mm)を、表1に概説されるように周囲温度で1ml 分−1の流量で連続して用いることによって達成した。
表2は、1.0〜10.0重量%でデキストラン水溶液に添加され、その後40kGyの線量のガンマ線照射(コバルト60)に露出されたアスコルビン酸又はそのナトリウム塩の効果を示す。
表3のデータから分かるように、低い20kGyの線量のガンマ線でさえも深刻なMwの低下が見られた。しかし、分子量の保持と比較して、添加したアスコルビン酸塩重量%に対する重要な反応は、特に4重量%前後で観察された。
20kGyの低い線量で(表3)、かなり少ないアスコルビン酸塩が分子量を保持するために必要とされた。
200kDよりも大きいMwを有するデキストランが最適な沈降性能に望ましい。アスコルビン酸塩の存在下で出発高分子量デキストランの組合せを使用することにより、その目的は達成される。しかし、アスコルビン酸塩が存在するため、臍帯血沈降性能を確認することがさらに望ましい。
赤血球凝集の程度を、20ml管(Globe Scientific製)中5mlの臍帯血(ニューヨーク血液センター提供)を表4の10mlのデキストラン水溶液と混合することにより、インビトロで測定した。対照試料もアスコルビン酸ナトリウムを含めずに調製した。管に蓋をかぶせ、管を上下に反転させることによって内容物をよく混合した。内容物を重力によって沈殿させ、RBCペレットの高さを0、10、20、40、及び60分に測定した。
表4に示すように、上記試料のいくつかを臍帯血に添加して、RBC沈降性能を評価した。
表4は、アスコルビン酸ナトリウムの存在下のガンマ照射デキストランが、アスコルビン酸ナトリウムを含む又は含まない非照射デキストランと同様の程度まで、RBCを凝集させることを示す。
本発明の特定の特徴だけが本明細書に例示され、記載されたが、多くの修正及び変更が当業者に思い浮かぶであろう。そのため、添付される特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内にある全てのそのような修正及び変更を網羅することを目的とすることは理解される。
[実施態様1]
ガンマ線照射に安定なデキストラン水溶液であって、
500kD超の初期平均分子量を有するデキストラン1〜10wt/v%と、
デキストランに対して2.0〜20.0重量%のアスコルビン酸又はその無機塩
を含む、デキストラン水溶液。
[実施態様2]
デキストランが750kD超の初期分子量を有する、実施態様1に記載の溶液。
[実施態様3]
デキストランが約1000〜1500kDの初期分子量を有する、実施態様2に記載の溶液。
[実施態様4]
無機塩がアスコルビン酸ナトリウムである、実施態様1に記載の溶液。
[実施態様5]
緩衝液、無毒性促進剤又はそれらの組合せをさらに含む、実施態様1に記載の溶液。
[実施態様6]
無毒性促進剤が、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム又はそれらの組合せである、実施態様5に記載の溶液。
[実施態様7]
緩衝液が、4.0〜8.0のpHを維持する有機塩又は無機塩を含む、実施態様5に記載の溶液。
[実施態様8]
ガンマ線安定化デキストラン水溶液を製造するためのキットであって、
500kD超の初期平均分子量を有するデキストランと、
デキストランに対して2.0〜20.0重量%のアスコルビン酸又はその無機塩と
を含む、キット。
[実施態様9]
デキストランが750kD超の初期分子量を有する、実施態様8に記載のキット。
[実施態様10]
デキストランが約1000〜1500kDの初期分子量を有する、実施態様9に記載のキット。
[実施態様11]
無機塩がアスコルビン酸ナトリウムである、実施態様8に記載のキット。
[実施態様12]
緩衝液、無毒性促進剤又はそれらの組合せをさらに含む、実施態様8に記載のキット。
[実施態様13]
無毒性促進剤が、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム又はそれらの組合せである、実施態様12に記載のキット。
[実施態様14]
緩衝液が、4.0〜9.0のpHを維持する有機塩又は無機塩を含む、実施態様12に記載のキット。
[実施態様15]
赤血球(RBC)を含む試料中の細胞を凝集させる方法であって、
a.デキストラン水溶液を得る工程であって、デキストラン水溶液が、
500kD超の初期平均分子量を有するデキストラン1〜10wt/v%、及び
デキストランに対して2.0〜20.0重量%のアスコルビン酸又はその無機塩
を含む、工程と、
b.溶液を20〜50kGyの線量のガンマ線に露出させる工程と、
c.試料をデキストラン水溶液に添加する工程と
を含む、方法。
[実施態様16]
デキストランが750kD超の初期分子量を有する、実施態様15に記載の方法。
[実施態様17]
デキストランが約1000〜1500kDの初期分子量を有する、実施態様16に記載の方法。
[実施態様18]
無機塩がアスコルビン酸ナトリウムである、実施態様15に記載の方法。
[実施態様19]
水溶液が緩衝液、無毒性促進剤又はそれらの組合せをさらに含む、実施態様15に記載の方法。
[実施態様20]
無毒性促進剤が、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム又はそれらの組合せである、実施態様19に記載の方法。
[実施態様21]
緩衝液が、4.0〜8.0のpHを維持する有機塩又は無機塩を含む、実施態様19に記載の方法。
[実施態様22]
試料をインキュベートして赤血球を凝集及び沈降させる工程と、所望により総有核細胞(TNC)を試料から回収する工程をさらに含む、実施態様15に記載の方法。
[実施態様23]
TNCを回収する工程が、遠心分離、膜濾過又はそれらの組合せを使用する、液相の濃縮を含み、液相が血漿及びデキストランを含む、実施態様22に記載の方法。

Claims (15)

  1. ガンマ線照射に安定なデキストラン水溶液であって、
    500kD超の初期平均分子量を有するデキストラン1〜10wt/v%と、
    デキストランに対して2.0〜20.0重量%のアスコルビン酸又はその無機塩
    を含む、デキストラン水溶液。
  2. デキストランが750kD超の初期分子量を有する、請求項1に記載の溶液。
  3. デキストランが約1000〜1500kDの初期分子量を有する、請求項2に記載の溶液。
  4. 無機塩がアスコルビン酸ナトリウムである、請求項1に記載の溶液。
  5. 緩衝液、無毒性促進剤又はそれらの組合せをさらに含む、請求項1に記載の溶液。
  6. 無毒性促進剤が、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム又はそれらの組合せである、請求項5に記載の溶液。
  7. 緩衝液が、4.0〜8.0のpHを維持する有機塩又は無機塩を含む、請求項5に記載の溶液。
  8. ガンマ線安定化デキストラン水溶液を製造するためのキットであって、
    500kD超の初期平均分子量を有するデキストランと、
    デキストランに対して2.0〜20.0重量%のアスコルビン酸又はその無機塩と
    を含む、キット。
  9. デキストランが750kD超の初期分子量を有する、請求項8に記載のキット。
  10. デキストランが約1000〜1500kDの初期分子量を有する、請求項9に記載のキット。
  11. 無機塩がアスコルビン酸ナトリウムである、請求項8に記載のキット。
  12. 緩衝液、無毒性促進剤又はそれらの組合せをさらに含む、請求項8に記載のキット。
  13. 無毒性促進剤が、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム又はそれらの組合せである、請求項12に記載のキット。
  14. 緩衝液が、4.0〜9.0のpHを維持する有機塩又は無機塩を含む、請求項12に記載のキット。
  15. 赤血球(RBC)を含む試料中の細胞を凝集させる方法であって、
    a.デキストラン水溶液を得る工程であって、デキストラン水溶液が、
    500kD超の初期平均分子量を有するデキストラン1〜10wt/v%、及び
    デキストランに対して2.0〜20.0重量%のアスコルビン酸又はその無機塩 を含む、工程と、
    b.溶液を20〜50kGyの線量のガンマ線に露出させる工程と、
    c.試料をデキストラン水溶液に添加する工程と
    を含む、方法。
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