JP2019503504A - 位置センシング機構、そのような機構を含むリソグラフィ装置、位置センシング方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

位置センシング機構、そのような機構を含むリソグラフィ装置、位置センシング方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019503504A
JP2019503504A JP2018529099A JP2018529099A JP2019503504A JP 2019503504 A JP2019503504 A JP 2019503504A JP 2018529099 A JP2018529099 A JP 2018529099A JP 2018529099 A JP2018529099 A JP 2018529099A JP 2019503504 A JP2019503504 A JP 2019503504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
position sensing
target
signal
phase modulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018529099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6553817B2 (ja
Inventor
フイスマン,サイモン,レイナルド
ポロ,アレッサンドロ
アクブルト,ドゥイギュ
グーアデン,セバスティアヌス,アドリアヌス
ボーフ,アリー,ジェフリー デン
ボーフ,アリー,ジェフリー デン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASML Netherlands BV
Original Assignee
ASML Netherlands BV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASML Netherlands BV filed Critical ASML Netherlands BV
Publication of JP2019503504A publication Critical patent/JP2019503504A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6553817B2 publication Critical patent/JP6553817B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F9/00Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically
    • G03F9/70Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically for microlithography
    • G03F9/7049Technique, e.g. interferometric
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B9/00Measuring instruments characterised by the use of optical techniques
    • G01B9/02Interferometers
    • G01B9/02001Interferometers characterised by controlling or generating intrinsic radiation properties
    • G01B9/02002Interferometers characterised by controlling or generating intrinsic radiation properties using two or more frequencies
    • G01B9/02003Interferometers characterised by controlling or generating intrinsic radiation properties using two or more frequencies using beat frequencies
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B9/00Measuring instruments characterised by the use of optical techniques
    • G01B9/02Interferometers
    • G01B9/02001Interferometers characterised by controlling or generating intrinsic radiation properties
    • G01B9/0201Interferometers characterised by controlling or generating intrinsic radiation properties using temporal phase variation
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B9/00Measuring instruments characterised by the use of optical techniques
    • G01B9/02Interferometers
    • G01B9/02097Self-interferometers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01DMEASURING NOT SPECIALLY ADAPTED FOR A SPECIFIC VARIABLE; ARRANGEMENTS FOR MEASURING TWO OR MORE VARIABLES NOT COVERED IN A SINGLE OTHER SUBCLASS; TARIFF METERING APPARATUS; MEASURING OR TESTING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01D5/00Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable
    • G01D5/26Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable characterised by optical transfer means, i.e. using infrared, visible, or ultraviolet light
    • G01D5/266Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable characterised by optical transfer means, i.e. using infrared, visible, or ultraviolet light by interferometric means

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

リソグラフィ装置(LA)のアライメントセンサ(AS)において、位置センシング放射(222)をターゲット(P1)に送出する。ターゲットからの反射又は回折の後、位置センシング放射(226)を処理して(228、336、338)、ターゲットの位置を決定する。基準放射(362)が位置センシング放射(226)と干渉すると共に、基準放射と位置センシング放射との間に相対位相変調が適用される。干渉放射は、適用された位相変調によって規定される時間変動成分を含む。干渉放射は2つの光検出器(338a、338b)に送出され、各光検出器は、他方の光検出器で受信されたものと逆位相の時間変動成分を受光する。光検出器からの差信号(i(t))は、時間変動成分を増幅して低ノイズにしたものを含む。これはターゲットの位置決定において用いられる。モードマッチングによって干渉を強化する。表面散乱放射は除去される。【選択図】図5

Description

(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2016年1月19日に出願された欧州特許出願第16151931.9号の優先権を主張する。この出願は参照により全体が本願に含まれる。
[0002] 本発明は、光学系に基づく位置センシング機構に関する。本発明は、例えばリソグラフィ技法によるデバイスの製造において使用できるインスペクション装置及びリソグラフィ装置に適用され得る。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。基板に連続するターゲット部分でパターンを繰り返すために、ステップ及び/又はスキャン動作が関与し得る。パターンを基板上にインプリントすることによって、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
[0004] リソグラフィプロセスでは、例えばデバイスにおける2つの層間のような異なるパターニングステップで形成されたパターン間の適正なアライメントを保証するため、基板上で極めて正確な位置測定を行う必要がある。回折及び干渉のような光学現象を用いて、基板上に形成されたアライメントマークから位置情報を得る高精度の位置センサが開発されている。位置センサの1つのタイプは、例えばUS2004033426A1号に記載されている自己参照干渉計に基づくものである。位置センサの様々な機能強化及び変更が開発されており、例えばUS2015261097A1号に開示されている。また、変更されたアライメントマークも開発されており、例えばUS2009195768A1号に開示されている。これらの公報の内容は参照により本願に含まれる。本開示はこの特定のタイプの干渉計に限定されない。
[0005] 多くの適用例では、基板及びアライメントマークの光学特性によって、高品質の信号を得ることが難しくなる。例えば、製造プロセスが進むにつれて、様々な材料層の下に埋まったアライメントマークを読み取ることが必要となり得る。位置センシング機構の光学系内の光検出器によって得られる光電流は極めて弱く、電子ノイズと区別することは難しい。最先端のリソグラフィ装置で採用されているセンサは、最良の品質の信号を得るためにいくつかの技法を用いている。例えば、様々な異なる波長及び偏光の放射から選択を行って、アライメントマークの上に重なった複数の層に最も貫通するものを見出している。それにもかかわらず、精度に対する要求はますます厳しくなり、一方で測定対象の構造はいっそう複雑になっている。信号品質を改善する1つの方法は、より長い時間をかけて測定を行うことである。しかしながら、商用リソグラフィ装置では極めて高いスループットを維持する必要があるため、これは望ましくないことがある。
[0006] 他のタイプの位置センサも既知であり、本開示の主題である。一例は、US6297876B1号(Bornebroek等)に開示されているようなATHENAセンサ、及び、US6285455B1号(Shiraishi)に開示されているようなレーザ干渉アライメント(LIA)センサである。
[0007] 非関連分野である量子光学分野において、高い検出帯域幅で単一光子イベントを極めて高感度で検出することが可能である平衡ヘテロダイン(balanced heterodyne)検出技法が開発されている。こういった技法は例えば、U Leonhardtの発表「Measuring the quantum state of light」(Cambridge University Press(1997))、S R Huisman等、Opt. Lett,. 34、p2739(2009)、及び、A I Lvovsky and M G Raymer、Rev. Mod. Phys., 81, p299(2009)に記載されている。これらの発表の内容は参照により本願に含まれる。この文脈において「帯域幅(bandwidth)」は、処理されている信号を得るために使用される放射の帯域幅でなく、処理されている信号の帯域幅に関する。
[0008] 本発明者等は、平衡ヘテロダイン検出技法を適用することによって位置センシング機構における精度向上が得られることを認識した。
[0009] 第1の態様における本発明は、
−位置センシング放射をターゲットに送出するための照明光学系と、
−ターゲットからの反射の後、位置センシング放射を集光するための集光光学系と、
−集光された位置センシング放射を受光し、集光された位置センシング放射を処理してターゲットの位置を決定するための位置信号処理システムと、を備え、
位置信号処理システムは更に、基準放射を集光された位置センシング放射と干渉させることによって干渉放射を与えるための基準ビームデリバリシステムを備え、
基準放射と位置センシング放射との間に相対位相変調を適用して、適用された位相変調によって規定された時間変動成分を干渉放射が含むようにし、
位置信号処理システムは、(i)干渉放射を2つの光検出器に送出して各光検出器が干渉放射の部分を受光するように構成された光学信号分割機構であって、各部分は他方の光検出器で受光された部分とは逆位相の時間変動成分を有する、光学信号分割機構と、(ii)2つの光検出器からの差信号を受信すると共に、適用された位相変調を参照して差信号の時間変動成分を抽出するように配置された検出器と、を含む、
位置センシング機構を提供する。
[0010] 本発明は、既存の位置センシング機構の物理的原理を変化させることなく、位置センシング機構の部分的な変更によって適用することができる。変えるのは、位置センシング機構内の基準ビームの送出及び光学信号の検出法である。
[0011] 本発明の一部として2つの光検出器について具体的に言及したが、追加の光検出器を有する実施形態を除外することは意図していない。これらは、位置センシング機構の一部として単独で又は対にして提供され得る。こういった追加の検出器は、最終的な位置測定を行うため、上記の2つの検出器からの信号と組み合わせて使用される信号を与えることができる。そのような変形は、上述し、以下でも説明される本発明の原理から逸脱しない。
[0012] 適用される位相変調の一例として、線形位相変動を適用することができる。位相シフトを線形に増大又は低減させると、位置センシング放射と基準放射との間に一定の相対周波数シフトが生じる。この周波数シフトによって、相対周波数シフトに対応した特性周波数を有する時間変動成分が干渉放射に生じる。例えばロックイン増幅器又はスペクトル解析器のような特定のスペクトル成分を選択するデバイスを用いて、光学系及び電子システムにおける他の信号から及びノイズから所望の位置信号を高品質で分離することができる。
[0013] 特定の実施形態において、位置センシング放射は、第1の波長範囲を有する第1の位置センシング放射と、第2の波長範囲を有する第2の位置センシング放射とを含み、基準放射は、実質的に第1の波長範囲を有する第1の基準放射と、実質的に第2の波長範囲を有する第2の基準放射と、を含み、第1の基準放射及び第1の位置センシング放射には第1の適用された位相変調が与えられ、第2の基準放射及び第2の位置センシング放射には第2の適用された位相変調が与えられて、位置信号処理システムで検出された干渉放射が第1の適用された位相変調に対応する第1の時間変動成分及び第2の適用された位相変調に対応する第2の時間変動成分を含むようになっており、位置信号処理システムは、第1及び第2の適用された位相変調の双方を参照して動作可能である1つ以上の検出器を含み、位置を決定するため第1及び/又は第2の位置センシング放射のどちらを用いるかを選択するように動作可能である。
[0014] 本発明は更に、アライメントセンサが前出の請求項のいずれかに記載の位置センシング機構を含むリソグラフィ装置を提供する。リソグラフィ装置は、基板に提供されたターゲットに対して位置センシングシステムを用いて実行された位置測定に応答して基板に対するパターンの適用を制御するための機構を更に備える。
[0015] 本発明は更に、
(a)位置センシング放射をターゲットに送出することと、
(b)ターゲットからの反射又は回折の後、位置センシング放射を集光することと、
(c)集光された位置センシング放射を処理してターゲットの位置を決定することと、を含み、
ステップ(c)は、
(c1)基準放射を集光された位置センシング放射と干渉させると共に、基準放射と位置センシング放射との間に相対位相変調を適用して、適用された位相変調によって規定された時間変動成分を干渉放射が含むようにするステップと、
(c2)干渉放射を2つの光検出器に送出して各光検出器が干渉放射の部分を受光するようにするステップであって、各部分は他方の光検出器で受光された部分とは逆位相の時間変動成分を有する、ステップと、
(c3)2つの光検出器からの差信号を受信し、適用された位相変調を参照して差信号の時間変動成分を抽出するステップであって、抽出された時間変動成分はターゲットの位置の決定において用いられる、ステップと、
を含む、位置センシング方法を提供する。
[0016] 本発明は更に、上述された本発明による位置センシング方法を用いて基板にパターンを適用するデバイス製造方法を提供する。
[0017] 本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、以下で述べる例の詳細な記載を検討することから、当業者には明らかとなろう。
[0018] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
本発明をアライメントセンサとして適用することができるリソグラフィ装置を示す。 既知のリソグラフィ装置における位置センシング機構の形態及び動作原理を概略的に示す。 本発明の一実施形態に従って平衡ヘテロダイン検出が適用される、変更された位置センシング機構における光学信号処理を概略的に示す。 図3の変更された位置センシング機構における電子信号処理を示す。 図2の位置センシング機構の変更を実装する光学系を概略的に示す。 複数の波長と共に動作する実施形態における電子信号処理の代替的な形態を示す。 本発明の別の実施形態における平衡ヘテロダイン検出の適用を概略的に示す。 本発明の別の実施形態における平衡ヘテロダイン検出の適用を概略的に示す。 図3の位置センシング機構における信号ビームと基準ビームとのモードマッチングの問題を示す。 モードマッチングが改善された、別の変更された位置センシング機構における光学信号処理を概略的に示す。 図10の別の変更された位置センシング機構を実装する光学系を概略的に示す。 図11の光学系における基準ターゲット(fiducial target)アセンブリを示す。 図10から図12の実施形態におけるフィルタリングの利点を示す。
[0019] 図1は、リソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PLと、
を備える。
[0020] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0021] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0022] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0023] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
[0024] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0025] 本明細書で示すように、本装置は、(例えば透過マスクを使用する)透過タイプである。あるいは、装置は、(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)反射タイプでもよい。
[0026] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0027] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増やすための分野では周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板との間に液体が存在するというほどの意味である。
[0028] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に放射システムと呼ぶことができる。
[0029] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0030] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを横断した放射ビームBは、投影システムPLを通過し、投影システムPLは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2−Dエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めできる。一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0031] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードでは、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
3.別のモードでは、マスクテーブルMTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0032] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0033] 本開示の概念を紹介するため、差し当たり、アライメントセンサASは概ね、導入部で言及したUS6961116号に記載された形態のものであると仮定する。各アライメントマーク(図1の例ではP1、P2)は、基板に適用されているか又は基板内にエッチングされている製品層又は他の層に形成された一連のバーを含む。これらのバーは規則的に離間し、格子ラインとして機能するので、このマークは周知の空間周期(ピッチ)を有する回折格子と見なすことができる。これらの格子ラインの向きに応じて、マークは、X方向又はY方向における位置の測定を可能とするように設計できる。別の既知のタイプのマークは、X軸及びY軸の双方に対して45度に配置されたバーを有する。特許出願公開第US2009195768A号に記載されている技法を用いて、X及びYを組み合わせた測定を実行することができる。他のタイプのアライメントセンサに基づく例について、以下で更に説明する。
[0034] 図2は、本開示の一実施形態を形成するように適合できる既知のアライメントセンサASの概略ブロック図である。照明源220は、1以上の波長の放射のビーム222を提供し、これはスポットミラー223によって、対物レンズ224を通り、基板W上に位置するマークP1等のマークに送出される。
[0035] マークP1によって散乱すなわち回折された放射は、対物レンズ224によって捕捉され、情報伝達ビーム226にコリメートされる。この実施形態では上述のUS116号に開示されているタイプの自己参照干渉計228である放射処理要素は、ビーム226と干渉する。干渉ビーム230が半波長板232を介して偏光ビームスプリッタ234に送出される。偏光ビームスプリッタ234は第1の光学位置信号236を光検出器238に送出する。光検出器は単一の要素であるか、又は所望の場合には多数の画素を含むことも可能である。同様に、第2の光学位置信号240は、既知の方法で信号強度の正規化を可能とする第2の光検出器(図示せず)に送出することができる。
[0036] 実際の実施形態には、ここで詳しく記載する必要のない追加コンポーネントが含まれ得ることは、当業者には認められよう。例えば、半波長板232よりも前段にバビネソレイユ位相補償板(Babinet−Soleil phase compensator)が使用され得る。
[0037] スポットミラー223は、照明源からの放射を対物レンズへ向けるように機能するだけでなく、マークによって反射されたゼロ次放射を阻止することで、情報伝達ビーム226がマーク202によって回折された放射の高次信号のみを含むように機能する。この結果、242に示すように、検出器238に合焦される前の第1の光学位置信号236のプロファイルは、瞳内で反対側の位置に2つの一次回折スポットを含み得る。これらの回折スポットが組み合わされて検出器238で干渉すると、格子に対する位置に応じて周期的に変動する光学信号が得られる。増幅器244は、光検出器238からの強度信号を増幅し、これらを処理ユニット248に供給する。
[0038] グラフ250は、光検出器238から得られた強度信号I(x)のX方向アライメントマークに対する関係を位置Xの関数として概略的に示す。例えば線形スキャン移動を実行することによって、アライメントマークに対して様々な位置にスポットSが置かれると、強度信号においてこの周期的な曲線が描かれる。自己参照干渉計228における光学処理と処理ユニット248における計算処理を組み合わせることによって、基準フレームRFに対する基板上のX位置及びY位置の値Pが出力される。様々な周期性を有するマークをスキャンして、明確な位置測定を得る。処理ユニット248は図1に示されている制御ユニットLACUとは別のものであり得るか、又はそれらは同一の処理ハードウェアを共有し得る。これは設計上の好みと便宜上の問題である。処理ユニット248が別のものである場合、信号処理の一部は処理ユニット248及びユニットLACU内の別の部分において実行できる。
[0039] 導入部で述べたように、場合によっては、光学信号が弱いために、増幅された光電流は、放射の固有ショットノイズ及び検出器の電子ノイズのような様々なノイズ源に支配される可能性がある。この結果、位置測定の精度は低下する。本明細書に開示されるのは、平衡ヘテロダイン検出原理を適用していっそう強力な放射信号を得る、変更された位置センシング機構である。従って、検出される光電流は強くなり、そのノイズはショットノイズによってのみ限定されるので、信号対雑音比が良くなり、位置測定の精度が向上する。本明細書に開示される技法により満足させることができる望ましい属性には、低品質のアライメントマークであっても高速で精度の高い位置測定を実行することが含まれる。更に、基準ビームの強度制御によって検出感度を調整することができる。また、これらの技法により、スペクトル分解検出、すなわち様々な波長の放射を用いて実行される同時測定又は順次測定が容易になる。
[0040] 図3は、図2に示されているタイプの位置センシング機構において平衡ヘテロダイン検出を適用するための変更を概略的に示す。機構300は、位置センシング光学系302に基づいて変更された光学系である。光学系302は、図2に示されているものと同様のスポットミラー、対物レンズ、自己参照干渉計、半波長板、及びビームスプリッタ機構を含む。放射源320は、位置センシング放射322を位置センシング機構に与える。平衡ヘテロダイン検出技法を実装するため、この放射の一部はビームスプリッタ360によって捕らえられて基準放射362を与える。位相変調器364は、基準放射362に、位置センシング放射322に対する位相変調を適用する。減衰デバイス366は基準放射の強度の制御を行う。この変更された機構における位置信号336は、単一の光検出器上に合焦されず、ビームスプリッタ368において基準放射362と混合される。
[0041] 適用された相対位相変調のため、基準放射と位置信号放射との間の干渉は、図3に336a及び336bと示された1対の光学位置信号を生じる。これらの光学位置信号の各々は、位相変調器364によって適用された位相θの時間変動に相当する時間変動成分を担持する。2つの光学位置信号336a及び336bにおける時間変動成分は、相互に正確に逆位相である。これらの光学位置信号は、マッチングされた対の光検出器338a及び338b上に合焦される。2つの光検出器からの信号を減算することにより、時間変動成分が強調される。適用された位相変調の知識に基づく同期検出を使用すると、これらの光学位置信号を用いて信号対雑音比が改善された電子位置信号を得ることができる。
[0042] ここで図4を参照すると、電子(アナログ及び/又はデジタル)信号処理のブロック概略図が示されている。フォトダイオードD1及びD2は、図3の光学系の図における光検出器338a及び338bに相当する。この例では、フォトダイオードD1及びD2は電力供給の両端で直列に接続されている。2つのフォトダイオードが接続されているノードから、2つのフォトダイオードの光電流の差に対応して、従って2つのフォトダイオードにより観察される放射強度の差に応じて、アナログ電流信号が流れる。放射に対する応答ができる限り同一に近い、マッチングされたフォトダイオードが選択される。この機構は、双方の光検出器上で強度が同一である共通モード信号を打ち消し、2つの光学位置信号336a及び336bの強度の差のみを分離する。
[0043] 1つ以上の低ノイズ前置増幅器402は、増幅された差電流信号i(t)を検出回路404に供給する。検出回路404は、適用された位相変調に一致する時間変動成分に対して選択的である。例えば位相変調は、位置センシング放射322と基準放射との間の周波数シフトと事実上同等である、相対位相の一定の増大又は低減を含み得る。基準発振器406は、所望の周波数シフトの周波数を有する基準信号を発生し、これを検出回路404及び位相変調器364に供給する。グラフ408で示されているように、位相変調の結果は、発振器406により与えられた基準周波数に正確に対応する周波数成分を有する時間変動信号i(t)である。
[0044] 検出回路404は、ある範囲の位置について検出回路404により検出された周波数成分の振幅に基づいて位置検知信号I(x)を送出する。適用された位相変調の特性周波数が、位置測定に必要な帯域幅よりもはるかに高いと仮定すると、この信号は図2の従来の機構における位置信号I(x)に直接関連するが、ノイズ耐性(noise immunity)は著しく大きい。従来の機構と同様、アライメントマーク上でスポットSがある速度でスキャンされる場合、この信号はマークの格子構造に関連した主要周波数成分を担持する。これらの周波数成分は、既知の位置センシング機構で用いられる処理ユニット248と実質的に同じように処理ユニット448で解析することができるが、より正確な結果を生成する。適用された位相変調の特性周波数は、例えば数十キロヘルツ、数百キロヘルツ、メガヘルツ、又は数百メガヘルツであり得る。位置センシング帯域幅(すなわち1秒当たりの位置信号サンプル数)は、この特性周波数の何分の1かに限定され、ロックイン検出器(lock−in detector)のローパスフィルタ特性によって決定される。
[0045] 本例における検出回路404は、ロックイン検出器(ロックイン増幅器としても知られる)である。ロックイン検出は一般に、信号の特定周波数成分の狭帯域検出を実行できる技法として知られている。このように、所望の信号の低ノイズ検出は、適用された位相変調を用いて周期変動で対象の信号を「タグ付けする(tag)」ことによって達成できる。対象の信号は、例えば選択された周波数ωで信号を変調することによってタグ付けされる。ロックイン検出器は、選択された周波数ωにロックされて、対象の信号を記録すると共に、ロックイン検出の帯域幅を超えている他の信号又はノイズを無視する。位置センシング放射322と基準放射362との間に相対周波数シフトが適用される場合、ビームが干渉する際にビート周波数(beat frequency)が生じる。相対周波数シフトに等しいビート周波数は、ロックイン検出器のためのロックイン周波数として使用される。
[0046] 数学的な用語では、ノイズ耐性が増大したこの信号の発生を以下のように表現することができる。2つのフォトダイオードD1及びD2における光学位置信号の強度は、以下の形態で記述できる個々の光電流ID1及びID2を生じる。
ここで、|Esig|は光学位置センシング信号336の振幅を表し、|Eref|は基準放射362の振幅を表し、θは所与の時点で適用された相対位相を表す。この目的のため、位置センシング放射及び基準放射は、ビームスプリッタ368で再結合される際にコヒーレントな状態のままであることが仮定される。
[0047] 2つのフォトダイオード電流が相互に減算されると(平衡検出)、差電流Lが得られる。上記の式を用いて、この差電流の強度は以下のように示すことができる。
ここで、cは光から電子への変換を記述する定数である。この式から、この差の強度は適用される位相差のコサインに応じて変動することがわかる。適用される周波数シフトは、位相差θが経時的に線形に増大し(θ=ωt)、グラフ408に示される特性周波数変動を与えることを暗示する。原理上、適切なマッチング検出回路404が利用可能であるならば、任意の位相変調が適用され得る。例えば、純粋な周波数シフトの代わりに、非線形の位相変動を用いて特性周波数チャープ(chirp)を発生させることも可能である。
[0048] 再び図4の信号I(x)を参照すると、ロックイン増幅器(検出回路404)によって出力された信号の正確な形態は、グラフ410に示されるオフセットサイン形態(offset sine form)を有するのではなく、正弦関数の絶対値であり得る。選択された解析アルゴリズムに応じて、この信号は直接処理するか、又は図示したものと同じ形態I(x)を有する信号を得るため二乗することができる。いずれにせよ、対象の信号はアライメントマークにおける格子構造のピッチに直接関連する周波数を有し、この周波数における信号の位相は位置情報を担持する。
[0049] また、この式は位置センシング信号の光学増幅を表すことがわかる。差電流の振幅は、位置センシング信号自体の強度と基準放射の強度との積に依存する。従って、単に基準放射の強度を増大させることにより、所望の信号を増幅することができる。検出感度は減衰デバイス366を用いて制御できる。これによって、検出システムのダイナミックレンジの増大が可能となる。例えば、アライメントマークによって回折された放射の強度レベルが高い場合、検出システムの高い感度を維持しながら第1の基準ビームの強度レベルを低減させることができる。一方、アライメントマークによって反射された放射の強度レベルが検出システムの動作に必要な閾値強度レベルを下回る場合、減衰デバイス366の活性化によって第1の基準ビームの強度レベルを必要な量だけ増大させることができる。処理ユニット248をアクチュエータ(図示せず)に接続して、必要に応じて自動的に減衰デバイスを制御することができる。
[0050] 共通ソースから得られた異なる放射ビーム間のコヒーレンスがソース放射の空間的コヒーレンス及び時間的コヒーレンスに依存することは、当業者には認められよう。時間的コヒーレンスは、コヒーレンス時間を用いて表現することができるが、一般的にはコヒーレンス長を用いて表現される(これらは、伝送媒体に何が存在するとしても単に光の速度によって関連付けられる)。2つのビームが進行する経路長がソース放射のコヒーレンス長内で同一である場合、これらのビームは干渉する。2つの経路における波動間の位相関係は固定される。単色レーザは、実際の光学系で見られるいかなる距離よりもはるかに長いコヒーレンス長を有する放射を生成するので、コヒーレント光源と考えられる。しかしながら、広帯域放射は、通常インコヒーレント光であると考えられる場合であっても、その空間帯域幅に関連した(小さい)コヒーレンス長を有する。空間的コヒーレンスは、放射ビームの長手方向でなく横断方向(波面の横断方向)のコヒーレンスを指す。共通ソースから得られた2つのビーム間で有用な干渉を得るため、ビーム内の各ポイントにおける空間シフトは、他方のビームの対応するポイントのコヒーレンスエリア内にあるべきである。
[0051] 放射源320がレーザ等のコヒーレンス源である事例では、これらのコヒーレンス要件を満たすことは難しくない。実際には、ある程度のインコヒーレンスを意図的に導入して、光学系内で望ましくない「スペックル」及び望ましくない反射による干渉を排除することができる。図3の光学機構において、経路長の差が無視できる(すなわち、使用される放射のコヒーレンス長よりも短い)ならば、インコヒーレント光源(及び、例えば光学フィルタ等の追加コンポーネント)を使用することも可能である。この制約は設計上の困難を生じ得る。他方でこれは、放射源の選択肢を広げると共に、空間的にコヒーレントなソースを使用する場合に生じる「スペックル」及び望ましくない反射による干渉を管理する必要をなくす。2つの光検出器を直列に接続して平衡検出を用いることは、これらの望ましくない放射成分を排除するという利点も与え得る。
[0052] 位相変調器364は、例えば電気光学変調器、ファイバ変調器、磁気光学変調器、ゼーマン効果に基づく変調器、及び/又は音響光学変調器であり得る。例示のため、位相変調器364は音響光学変調器(AOM:acousto−optic modulator)とすることができる。位相変調器を制御して線形に変化する位相シフトθを適用する場合、これを周波数シフトと呼ぶことができる。周波数シフタとして機能するように制御されたAOMは、対象の放射に対して透明な結晶内で音響波を伝搬することによって動作する。これらの音響波は結晶内である種の移動するブラッグ格子を形成する。この移動する格子によって回折された一次放射では、周波数シフトはAOMの変調周波数に等しい。
[0053] 減衰デバイス366は、例えば中性フィルタ(neutral density filter)とすることができる。減衰デバイス366は、基準放射の経路内の別の場所に配置され得る。減衰の程度は、例えばモータ付き中性フィルタホイールによって制御可能とすることができる。
[0054] 図5は、図3の光学系300について可能な1つのレイアウトを示す。他にも多くのレイアウトが想定され得る。図2と共通するコンポーネントには同一の参照符号が与えられている。このため、例えば対物レンズからの情報担持放射226は自己参照干渉計228に入射する。この結果得られる干渉ビーム230は、半波長板232を通過して偏光ビームスプリッタ234に至る。これは、既知の位置センシング機構において実行されるのと全く同じである。しかしながら、これに加えて、基準放射362が既存のビームスプリッタ234に送出されて、位置センシング干渉ビーム230と組み合わされる。基準放射362は、例えば光ファイバ502及び追加の半波長板504によって送出することができる。位置センシング放射及び基準放射がコヒーレントであるように、光ファイバ502は放射源220から発することができる。偏光ビームスプリッタ234の出力において、干渉放射を別の偏光ビームスプリッタ508に送出する追加の半波長板506が提供されている。別の偏光ビームスプリッタ508は、干渉放射に対して第1及び第2の光学位置信号336a及び336bを発生させる。この特定の実施形態では、基準放射及び信号放射は共線(collinear)であるが、要素234と508との間で直交偏光状態を有することに留意すべきである。要素506及び508の組み合わせが同一偏光状態の2つの直交偏光ビームを投影し、ビームスプリッタ368としても機能するので、信号ビーム及び基準ビームは干渉放射を与えて光検出器338a及び338bで光学位置信号336a及び336bを形成する。
[0055] 従って、要素504、234、506、及び508の組み合わせは、図3に示す概略機構において説明した機能を実装する。図3の機構では、この組み合わせ及び分割は単一のビームスプリッタ368で実行された。当業者は、必要なコンポーネントの他の多くのレイアウトを想定することができる。半波長板232、504、及び506は、放射の偏光を回転させて、偏光ビームスプリッタにおいて50%対50%の分割を可能とする機能を実行する。当業者はこれを従来の技法として認めるであろう。言うまでもなく、異なるタイプの位置センシング機構では、更に別の変更を適用して平衡ヘテロダイン検出技法を実装することも可能である。図7以降を参照して、以下で別の例について図示し記載する。
[0056] 基準ビーム経路に別の要素を含ませて、基準ビームの波面を光学位置信号の波面とマッチングさせることができる。これは、平衡検出において最大の検出効率を達成するためである。そのような要素は、例えば空間光変調器、又はMEMSデバイス、又はファイバの2Dアレイとすることができる。アライメントマークの格子パターンは既知であるので、瞳面における1以上の回折次数の位置(位置センシング光学信号の角度分布)は既知である。以下で更に説明する図9から図12の例は、この目的のためのモードマッチングデバイスを含む。
[0057] 既知のアライメントセンサにおけるように、位置センシング放射240の補足的成分はビームスプリッタ234から出射し、図示したものと同様に並列検出分岐において使用することができる。既知のアライメントセンサにおいて、これら2つの分岐は「和」及び「差」分岐と称され、「和」分岐を用いて強度正規化信号を得て、測定全体の精度を向上させることができる。
[0058] 光検出器338a及び338bは、例えばフォトダイオードデバイス及び/又は適合された(すなわちロックイン)フォトダイオードデバイスから構成できる。当業者は、既知のロックイン方法及び/又は位相感応性検出方法を適合させて、本明細書に記載されているように振幅及び位相像を検出することができる。ロックイン機能を用いて、強度だけでなく、所望の場合は振幅及び位相値(A、φ)を計算し使用することができる。ロックイン機能及びヘテロダイン検出の詳細な動作については、上記の導入部の最後に言及した参考文献に詳しく記載されている。
[0059] すでに述べたように、異なる位相変調を適用し異なる時間変動成分を検出することによって、複数の信号を光学系において組み合わせると共に検出システムで分離させることができる。図2の既知の位置センシング機構において、順次に又は並行してのいずれかで多数の異なる波長及び/又は広帯域放射を与えることは習慣的に行われる。これらの光学信号が既知の技法によって並行して適用される場合、時分割又はスペクトルフィルタを使用して、異なる信号を逆多重化(de−multiplex)しなければならない。ヘテロダイン検出技法を用いると、光学フィルタを用いることなく、別個の光検出器を用いることなく、かつ、それらの間の時間的順序付けを失うことなく、異なる光学波長の位置センシング放射を多重化及び逆多重化することができる。これは、各波長をそれ自身の基準信号と干渉させ、それぞれに異なる位相変調を適用することによって実行される。
[0060] 図6は、図4の電子信号処理機構の代替的な実施形態を示す。前述の通り、マッチングされた対の光検出器を直列に接続し、差電流を1つ以上の前置増幅器602によって増幅する。時間変動信号i(t)をデジタル信号プロセッサ604に送出する。デジタル信号プロセッサ604は、専用のデジタル信号処理(DSP:digital signal processing)回路、又は適宜プログラミングされた汎用のマイクロプロセッサを含み得る。デジタル信号プロセッサ604は、個別のロックイン検出器を設けるのではなく、例えば高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を実装することによるスペクトル解析モジュール606を含む。グラフ610に示されているように、モジュール606は時間変動信号i(t)のスペクトル解析を実行し、別個の周波数成分を有する3つの独立した強度レベルを分解する。これらの周波数成分が3つの異なる波長λ1、λ2、λ3の基準放射に適用された周波数シフトに対応することがわかっているので、デジタル信号プロセッサ604は、オリジナルの時間変動信号i(t)から3つの独立した位置センシング信号I(x、λ1)、I(x、λ2)、I(x、λ3)を抽出することができる。これらの各々は別個の位置測定を表しており、平衡ヘテロダイン検出技法の光学増幅及びノイズ除去特性から利点が得られる。
[0061] 位置出力モジュール608は、これら3つの位置信号を受信し、単一の位置測定値Pを出力する。位置出力モジュール608は、3つの信号を何らかの方法で組み合わせるか、又はこの特定のアライメントタスクに使用するのに「最良の」ものを単に選択すればよい。例えば図6のグラフ610を見ると、位置による最大の変動を示すのは位置依存信号I(x、λ2)であるので、波長λ2が最良の信号を与えると判断できる。同時に、この波長は位置測定を不正確にゆがめるプロセス変動の影響を受けやすいので、別の波長が好ましいはずであることが認識される場合がある。本開示は、どのようにこれが実行されるかには関係せず、位置依存信号自体を与える多くの方法に関係する。
[0062] 図7は、異なるタイプの位置センシング機構において平衡ヘテロダイン検出の原理を適用するための機構を概略的に示す。この事例における機構700は、特許US6297876B1(Bornebroek等)に開示されているATHENAセンサの位置センシング原理に基づいている。US6297876B1の概念は参照により本願に含まれる。所定の格子フィーチャを有するアライメントマーク702が基板704上に提供されている。位置センシング機構は、スポットミラー710を介して軸上放射ビーム708でアライメントマークを照明する光源706を含む。アライメントマークによるこの放射の回折は、軸外放射ビーム712を発生させ、これは光学系714によって捕捉される。
[0063] 光学系714は、照明されたアライメントマークを基準格子720上に結像する。アライメントマークのピッチ及び向きが基準格子のピッチ及び向きと一致するならば、基準格子は軸外ビーム722を回折して、それらを再結合させ干渉させて光学位置センシング信号724を与えるようにする。既知のアライメントセンサが単一の光検出器を有する場合、図7の変更された位置センシング機構は平衡ヘテロダイン検出システムを有する。
[0064] 図3の例におけるように平衡ヘテロダイン検出技法を実装するため、放射源706からの放射の一部を用いて基準放射730を与える。位相変調器732は、基準放射730に、位置センシング放射708に対する位相変調を適用する。位相変調は周波数基準源734によって制御される。減衰デバイス(図示せず)は基準放射の強度の制御を行う。この変更された機構における位置センシング信号724は、単一の光検出器上に合焦されず、ビームスプリッタ736において基準放射730と混合される。
[0065] 適用された相対位相変調のため、基準放射と位置信号放射との間の干渉は、図7に724a及び724bと示された1対の光学位置信号を生じる。これらの光学位置信号の各々は、位相変調器732によって適用された位相θの時間変動に相当する時間変動成分を担持する。2つの光学位置信号724a及び724bにおける時間変動成分は、相互に正確に逆位相である。これらの光学位置信号は、マッチングされた対の光検出器738a及び738b上に合焦される。2つの光検出器からの信号を減算することにより、時間変動成分が強調される。適用された位相変調の知識に基づく同期検出を使用すると、光学位置信号を用いて信号対雑音比が改善された電子位置信号を得ることができる。同期検出は、図4から図6を参照して上述したように実装することができる。
[0066] 光学系714は、本開示の原理を説明するのに充分な極めて簡略化した形態で示されている。光学系714は実際には、複数の高次回折ビームを別個に処理するため、及び様々な波長の放射を別個に処理するため、追加要素を含み得る。そのような機構の詳細はUS6297876B1で見ることができる。更に、US6297876B1に示されているように基準格子は透過型とすることができるが、図7では反射型の基準格子720が示されている。単純な基準格子720を一例として示すが、軸外ビームは多種多様な技法により再結合することができる。代替案には、(プログラマブル)位相及び/又は振幅マスク、AOM、自由空間光学部品等が含まれる。様々なターゲット格子を用いた測定を可能とするため、複数の利用可能な基準格子から基準格子720を選択することができる。これらは、例えばピッチ及び又は向きが異なるものであり得る。
[0067] 図8は、別のタイプの位置センシング機構800において適用される平衡ヘテロダイン検出技法を示す。この例は、例えば特許公報US6285455B1(Shiraishi)(この内容は参照により本願に含まれる)に開示された、いわゆるレーザ干渉アライメント(LIA:Laser Interferometric Alignment)を実装している。Shiraishiの具体例では、LIAセンサは投影レンズを介して動作するように構成されている。本開示は、センサが投影レンズを介して動作するか又は投影レンズの外側で動作するかに関わりなく適用される。
[0068] LIA位置センシング機構は図7のATHENAセンサと同様の原理を適用しており、図8の参照符号802〜838a/838bは、図7の要素702〜738a/738bと同様の機能を有するコンポーネントを示す。しかしながら、図7のセンサと比較すると、以下の記載からわかるように、コンポーネントを通る光路は事実上逆転している。この結果、アライメントマーク802及び基準格子820の役割はそれらに対応する702及び720とは事実上逆転している。位置センシング機構は、スポットミラー810を介して軸上放射ビーム808で基準格子820を照明する光源806を含む。基準格子によるこの放射の回折は、軸外放射ビーム812を発生させ、これらは光学系814によって捕捉される。
[0069] 光学系814は、基準格子820によって回折された放射をアライメントマーク802上に送出する。基準格子のピッチ及び向きがアライメントマークのピッチ及び向きと一致するならば、基準格子は軸外ビーム822を回折して、それらを再結合させ干渉させて位置センシング光学信号824を与えるようにする。既知のアライメントセンサが単一の光検出器を有する場合、図8の変更された位置センシング機構は平衡ヘテロダイン検出システムを有する。
[0070] 図3の例におけるように平衡ヘテロダイン検出技法を実装するため、放射源806からの放射の一部を用いて基準放射830を与える。位相変調器832は、基準放射830に、位置センシング放射808に対する位相変調を適用する。位相変調は周波数基準源834によって制御される。減衰デバイス(図示せず)は基準放射の強度の制御を行う。この変更された機構における位置信号824は、単一の光検出器上に合焦されず、ビームスプリッタ836において基準放射830と混合される。
[0071] 適用された相対位相変調のため、基準放射と位置信号放射との間の干渉は、図8に824a及び824bと示された1対の光学位置信号を生じる。これらの光学位置信号の各々は、位相変調器832によって適用された位相θの時間変動に相当する時間変動成分を担持する。2つの光学位置信号824a及び824bにおける時間変動成分は、相互に正確に逆位相である。これらの光学位置信号は、マッチングされた対の光検出器838a及び838b上に合焦される。2つの光検出器からの信号を減算することにより、時間変動成分が強調される。適用された位相変調の知識に基づく同期検出を使用すると、光学位置信号を用いて信号対雑音比が改善された電子位置信号を得ることができる。同期検出は、図4から図6を参照して上述したように実装することができる。
[0072] 単純な基準格子820が一例として示されているが、軸外ビームは多種多様な技法により発生させることができる。代替案には、(プログラマブル)位相及び/又は振幅マスク、AOM、自由空間光学部品等が含まれる。様々なターゲット格子を用いた測定を可能とするため、複数の利用可能な基準格子から基準格子820を選択することができる。これらは、例えばピッチ及び又は向きが異なるものであり得る。
[0073] 従来技術に記載されたLIAセンサの例はいわゆるヘテロダイン検出を含むことに留意するべきである。その場合、干渉して光学位置信号を形成する2つの回折次数が位相変調されて、光学位置信号自体が特性ビート周波数を有するようになっている。これに対して本開示では、平衡ヘテロダイン検出は、位置センシング光学信号824と基準放射830との間の位相変調を使用する。この平衡ヘテロダイン検出技法は、すでに上述したように、弱い位置センシング信号の検出を改善する。
[0074] ここで図9を参照すると、平衡ヘテロダイン検出技法の適用は、以下で説明する「モードマッチング」に注目することによって改善できる。図9に示すように、平衡ヘテロダイン検出によって可能となる性能向上は、光学位置信号932(破線で示されている)と位相変調基準放射962(点線で示されている)との間の有効干渉に依存する。検出器表面は概略的に938で表されている。(a)に示す状況では、ビーム及び波面は極めて良好に重複し、検出器表面上で一体化される際に打ち消し合わない干渉パターン940を与える。一方、状況(b)では、ビームの重複は少なく、検出器表面上で部分的に打ち消し合う干渉パターン940’を与える。光学位置信号932はそれ自体が異なる回折信号間の干渉の生成物であるが、ここでの検討は、光学位置信号932と位相変調基準放射962との間の干渉に関係することに留意されたい。
[0075] 一般に、振幅A及びAを有する2つの放射フィールドは、単一画素センサ上で干渉する場合、以下の形態の光電流を与える。
ここで、Sは光から光電流への変換を含む線形係数(linear factor)であり、M1,2はモードマッチ効率であり、Δ1,2は2つの放射フィールド間の位相差である。
[0076] 上記の式における左の項
は、ショットノイズ量を決定する非干渉項である。右の項(2M1,2cos(Δ1,2))は、望ましい信号を含む干渉項である。モードマッチ効率は0から1の間の範囲であり得る。1に近い値は「良好な」干渉を示し、フィールドが検出器表面で相互にコヒーレントに加算することを意味する。0に近い小さい値は、フィールドが相互にインコヒーレントに加算し、望ましい干渉信号が失われることを示す。従って、平衡ヘテロダイン検出において最適な信号対雑音比を得るには、光学位置信号と位相変調基準ビームとの間でこのモードマッチ効率をできる限り高くするべきである。
[0077] 図7及び図8の位置センシング機構では、アライメントマーク702/802と基準格子720/820との間に存在するマッチングのため、モードマッチ効率は高いと予想される。しかしながら、自己参照干渉計に基づく位置センシング機構では、図3から図6の例は良好なモードマッチングを保証する具体策を持たず、従ってサブ光学マッチング(sub−optical matching)が行われ得る。
[0078] 図10は、図3に示すものと同じであるがモードマッチングデバイス1070を含む、変更された位置センシング機構1000における光学信号処理を概略的に示す。参照符号1002から1068は図3の機構における要素302から368に相当する要素を示し、それらの機能は上記の要素と全く同じとすることができる。モードマッチングデバイス1070は、その名前が示すように、検出器1038a及び1038bで信号が干渉する前に、基準放射1062を調節して光学位置信号1024と事実上モードマッチングさせる。
[0079] 図11は、図5の光学系におけるモードマッチングデバイス1070の1つの実装を示す。図11では図5と同じ参照符号を使用し、それらの要素の機能は上述の要素と全く同じとすることができる。モードマッチングデバイス1070は、対物レンズ224と性能をマッチングさせた対物レンズ1180と、アライメントマークP1と形態をマッチングさせた基準ターゲット1182の形態の基準構造と、を備えている。スポットミラー1184を用いて、基準放射1062は光ファイバ502から対物レンズ1102を通過し、基準ターゲットによって反射及び回折され、対物レンズを介して光学系内に戻る。図5においてと同様、基準放射は、干渉ビーム230における光学位置信号位置検知信号と干渉する。
[0080] マッチングされた対物レンズ1180及び基準ターゲット1182によって調節されるので、回折次数、光学系の瞳、並びにそれらの相対的な位相及び強度の構成は、位置情報を担持する干渉信号230の回折次数のものといっそう良好にマッチングされる。マッチングされた対物レンズ1180を使用することは、双方の干渉信号で光学収差が同じであることを意味する。従って、モードマッチング値M1,2は1に近付くように増大し、平衡ヘテロダイン検出の性能の利点はいっそう充分に実現される。
[0081] 基準ターゲット1182のような基準構造は、高反射性材料(例えばアルミニウム、金等)で容易に作製して、光学的損失を最小限に抑えることができる。あるいはこれは、アライメントマークP1と同様に基板上に形成された実際のアライメントマークから構成できる。更に、このシステムは安定し長持ちするものであり得る。基準ターゲットは、複数の波長に対応するように設計できる。
[0082] 次に図12を参照すると、図11の機構を用いて、いくつかの異なる形態のアライメントマーク及びその他のターゲットの位置を測定することが想定され得る。例えば、X及びYの位置決め、並びに粗動位置決め及び微動位置決めのため、異なるマークが存在し得る。基準ターゲット1182が現在測定されているマークの形態と一致できるように、それぞれ特定の形態のアライメントマークに一致させた基準ターゲット1182a、1182b、1182c等の多種多様な基準構造を有する基準ユニット1200を提供することができる。基準ユニット1200は例えば、多くの異なる基準ターゲットを含む1片の金属又はウェーハであり得る。モードマッチングデバイス1070は、測定前に適切な基準格子を選択するように動作される。適切な基準ターゲットを選択する際、基準ユニット1200をわずかに平行移動させると共に回転させることができる。適切な格子及び向きを選択した後、この機構は、マッチングした設計を有するターゲットの位置を測定する準備が整った状態になる。図示する例では、X及びY位置の測定のため、同様の基準ターゲットが異なる向きで与えられている。代替的な実装では、同一の基準ターゲットを異なる向きに回転させてX及びY位置の測定に使用することも可能である。
[0083] 様々な固定基準ターゲットを与えることに対する代替案として、モードマッチングデバイス1070は、例えばプログラマブル空間光変調器(SLM:spatial light modulator)を含むことができる。既知のタイプのSLMは、液晶SLM又はマイクロミラーアレイ(DMD)を含む。こういった解決策は、専用の基準ターゲットとしてはあまり有効でない場合があり、何らかの潜在的な誤差の原因に注意を払う必要がある。SLM画素の大きさが典型的なピッチ寸法と一致しない場合、これを補償するため追加の拡大光学部品が必要となる。誤差は、ピッチの大きさ及び格子の向きと正確に一致しない可能性のあるSLM画素の整数の性質(integer nature)とグリッドレイアウトによって生じ得る。
[0084] 図13は、図11に示されているモードマッチングによる平衡ヘテロダイン検出の別の利点を示す。グラフは、検出器上に合焦される前の、光学系の瞳における放射強度分布を表す。瞳における半径方向位置NAが横軸に沿って表されている。既知のように、集光光学系の瞳における所与の位置は、ターゲットによって反射、回折、又は散乱された特定の放射角に対応する。放射強度Iが縦軸に沿って表されている。回折ベースのアライメントセンサでは、表面散乱によって検出器表面にスプリアス光強度1302が追加され、アライメント信号に追加ノイズを与える。図11の機構は、表面散乱に起因したノイズを2つの方法で低減させることができる。
[0085] 第1の方法は、アライメントマークからの干渉ビーム230内の回折次数(グラフの破線)のみを増幅させることである。その理由は、モードマッチングデバイス1070により行われるモードマッチングによって、これらの同じ回折次数内の基準放射1062(点線)のみが強力であることが保証されるからである。これらの狭い位置(回折角)の外側の散乱放射1302は増幅されない。第2に、変調周波数fを中心とした小さい帯域幅のみを同期検出器によって測定して、更に測定ノイズを低減させる。
[0086] 結論として、平衡ヘテロダイン検出の利点は検出システムの感度の著しい増大である。この結果、信号対雑音比が改善される。その理由は、信号が光学干渉によって増幅され、ロックイン周波数の周囲の周波数で発生したノイズのみがロックイン検出器によって観察され得るからである。ノイズレベル低減の直接的な結果として、位置測定はいっそう正確になる(及び/又はより高速な位置センシングが可能となる)。更に、ロックイン周波数を選択できることにより、いくつかの波長のうち所与のアライメントマークに対して最強の又は最も信頼性の高い位置信号を生じる波長を用いて位置センシングを実行することができる。複数の波長は、波長の混合(blending)なしで同時に適用することができる。
[0087] 更に、減衰デバイス366を介して放射源により送出された基準放射の強度を制御することによって、検出システムのダイナミックレンジの増大が達成される。複数の波長が提供される場合、その各々のために別個の減衰デバイスを基準放射に含ませてもよい。
[0088] 平衡ヘテロダイン検出技法は、多種多様な既知のタイプの位置センシング機構において適用できる。図7及び図8のような機構では、基準格子とターゲットとの間のマッチングは、光学位置信号が光軸に整合された単純なビームであることを意味するので、モードマッチングは比較的単純であり得る。他の状況では、例えば自己参照干渉計に基づくセンサでは、光学位置信号における角度及び/又は位相の分布はより複雑となり得る。そのようなセンサでは、上で示したように、別の方策を用いて信号ビームと基準ビームとの間のモードマッチングを改善することができる。これは、図11の例では、光学要素及び/又は基準ターゲットをマッチングさせることを含み得る。いずれの場合であっても、基準放射の角度分布を望ましい回折角にマッチングさせることは、散乱放射の除去を改善し、これによって位置信号における信号対雑音比を向上させることができる。
[0089] 本開示では、位置センシング機構をリソグラフィ装置におけるアライメントセンサとして使用することに特に言及したが、開示される機構は、すでに述べたように、他のタイプの機能的装置においても用途を有し得ることを理解するべきである。
[0090] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、赤外線、可視放射、紫外線(例えば、約365,355,248,193,157又は126nmの波長を有する)(EUV)放射(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)を含むが、これらに限定されない。これはアライメントセンサにもリソグラフィ装置全体にも当てはまる。リソグラフィ装置はまた、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームによってパターンを適用してもよい。
[0091] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの合焦又は焦点外れの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指すことができる。
[0092] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。更に、装置の部分は、上記で開示したような方法を述べる機械可読命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態を実装することができる。
[0093] 上記の説明は例示的なものであり、限定するものではない。従って、以下に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載された本発明に対して変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。

Claims (34)

  1. 位置センシング放射をターゲットに送出するための照明光学系と、
    前記ターゲットからの反射又は回折の後、前記位置センシング放射を集光するための集光光学系と、
    前記集光された位置センシング放射を受光し、前記集光された位置センシング放射を処理して前記ターゲットの位置を決定するための位置信号処理システムと、を備え、
    前記位置信号処理システムは更に、基準放射を前記集光された位置センシング放射と干渉させることによって干渉放射を与えるための基準ビームデリバリシステムを備え、
    前記基準放射と前記位置センシング放射との間に相対位相変調を適用して、前記適用された位相変調によって規定された時間変動成分を前記干渉放射が含むようにし、
    前記位置信号処理システムは、(i)前記干渉放射を2つの光検出器に送出して各光検出器が前記干渉放射の部分を受光するように構成された光学信号分割機構であって、各部分は他方の光検出器で受光された部分とは逆位相の前記時間変動成分を有する、光学信号分割機構と、(ii)前記2つの光検出器からの差信号を受信すると共に、前記適用された位相変調を参照して前記差信号の時間変動成分を抽出するように配置された検出器と、を含む、
    位置センシング機構。
  2. 前記2つの光検出器は、いかなる増幅又は変換にも先立って前記差信号を発生するように直列に接続されている、請求項1に記載の機構。
  3. 前記位置信号処理システムは
    自己参照干渉計を含む、請求項1又は2に記載の機構。
  4. 前記基準ビームデリバリシステムは、前記基準放射における回折信号を特定のターゲットの回折信号とマッチングさせるためのモードマッチングデバイスを含む、請求項3に記載の機構。
  5. 前記モードマッチングデバイスは、前記ターゲットの形態とマッチングする形態を有する基準構造を含む、請求項4に記載の機構。
  6. 前記モードマッチングデバイスは、異なるターゲットとマッチングするように選択可能である複数の基準構造を含む、請求項5に記載の機構。
  7. 前記集光光学系は、対物レンズを含み、
    前記モードマッチングデバイスは、前記集光光学系の前記対物レンズとマッチングする対物レンズを更に含む、請求項5又は6に記載の機構。
  8. 前記位置信号処理システムは、前記ターゲットにより発生された軸外回折信号を受信すると共に前記軸外回折信号を軸上光学位置信号に再結合するように配置された基準要素を含む、請求項1又は2に記載の機構。
  9. 前記照明系は、軸外回折信号を発生させるように配置された基準要素を含み、この軸外回折信号は次いで前記ターゲットによって軸上位置信号に再結合される、請求項1又は2に記載の機構。
  10. 前記基準ビームデリバリシステムは、特定の回折角のみの集光放射との干渉を引き起こし、これによって他の角度で前記ターゲット表面により散乱された放射との干渉を回避するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の機構。
  11. 前記位置信号処理システムは、前記ターゲットに対する前記集光光学系の複数の位置で集光された前記位置センシング放射を用いて前記位置を決定するように配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の機構。
  12. 前記位置信号処理システムは、前記ターゲットに対する前記集光光学系のスキャン移動中に集光された前記位置センシング放射を用いて前記位置を決定するように配置されている、請求項11に記載の機構。
  13. 前記位置センシング放射及び前記基準放射は、1以上のコヒーレント放射源から得られた放射を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の機構。
  14. 前記位置センシング放射は、第1の波長範囲を有する第1の位置センシング放射と、第2の波長範囲を有する第2の位置センシング放射と、を含み、
    前記基準放射は、実質的に前記第1の波長範囲を有する第1の基準放射と、実質的に前記第2の波長範囲を有する第2の基準放射と、を含み、
    前記第1の基準放射及び第1の位置センシング放射には第1の適用された位相変調が与えられ、前記第2の基準放射及び第2の位置センシング放射には第2の適用された位相変調が与えられて、前記位置信号処理システムで検出された前記干渉放射が前記第1の適用された位相変調に対応する第1の時間変動成分及び前記第2の適用された位相変調に対応する第2の時間変動成分を含むようになっており、
    前記位置信号処理システムは、前記第1及び第2の適用された位相変調の双方を参照して動作可能である1つ以上の検出器を含み、前記位置を決定するため前記第1及び/又は第2の位置センシング放射のどちらを用いるかを選択するように動作可能である、請求項1から13のいずれか一項に記載の機構。
  15. 前記基準ビームデリバリシステムは、前記基準放射の強度を調整可能に低減させるための1つ以上の調整可能減衰器を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の機構。
  16. 前記又は各適用された位相変調によって前記位置センシング放射と前記基準放射との間に相対周波数シフトが生じ、前記干渉放射における前記時間変動成分は前記相対周波数シフトに対応する特性周波数を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の機構。
  17. アライメントセンサが請求項1から16のいずれか一項に記載の位置センシング機構を含むリソグラフィ装置であって、
    基板に提供されたターゲットに対して前記位置センシングシステムを用いて実行された位置測定に応答して前記基板に対するパターンの適用を制御するための機構を更に備える、リソグラフィ装置。
  18. (a)位置センシング放射をターゲットに送出することと、
    (b)前記ターゲットからの反射又は回折の後、前記位置センシング放射を集光することと、
    (c)前記集光された位置センシング放射を処理して前記ターゲットの位置を決定することと、を含み、
    前記ステップ(c)は、
    (c1)基準放射を前記集光された位置センシング放射と干渉させると共に、前記基準放射と前記位置センシング放射との間に相対位相変調を適用して、前記適用された位相変調によって規定された時間変動成分を前記干渉放射が含むようにするステップと、
    (c2)前記干渉放射を2つの光検出器に送出して各光検出器が前記干渉放射の部分を受光するようにするステップであって、各部分は他方の光検出器で受光された部分とは逆位相の前記時間変動成分を有する、ステップと、
    (c3)前記2つの光検出器からの差信号を受信し、前記適用された位相変調を参照して前記差信号の時間変動成分を抽出するステップであって、前記抽出された時間変動成分は前記ターゲットの前記位置の決定において用いられる、ステップと、
    を含む、位置センシング方法。
  19. 前記2つの光検出器は、いかなる増幅又は変換にも先立って前記差信号を発生するように直列に接続されている、請求項18に記載の方法。
  20. 前記集光された位置センシング放射は、自己参照干渉計を用いて処理される、請求項18又は19に記載の方法。
  21. 基準放射は、前記基準放射における回折信号が特定のターゲットの回折信号とマッチングするように送出される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記基準放射は、前記ターゲットの形態とマッチングする形態を有する基準構造を介して送出される、請求項21に記載の方法。
  23. 異なるターゲットとマッチングさせるため異なる形態を有する複数の基準構造から前記基準構造を選択することを予備ステップとして更に含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記回折された放射は、第1の対物レンズを介して集光され、
    前記基準放射は、マッチングしている第2の対物レンズを介して送出される、請求項22又は23に記載の方法。
  25. 前記ターゲットにより発生された軸外回折信号を受信すると共に前記軸外回折信号を軸上光学位置信号に再結合するように基準要素が配置されている、請求項18又は19に記載の方法。
  26. 前記ターゲットとの相互作用に先立って前記位置センシング放射における軸外回折信号を発生させるように基準要素が配置され、
    前記軸外回折信号は、次いで前記ターゲットによって軸上位置信号に再結合される、請求項18又は19に記載の方法。
  27. 前記基準放射は、特定の回折角のみの集光放射と干渉し、これによって他の角度で前記ターゲット表面により散乱された放射との干渉を回避するように配置されている、請求項18から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記位置センシング放射は、前記ターゲットに対する前記集光光学系の複数の位置で集光される、請求項18から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記位置は、前記ターゲットに対する前記集光光学系のスキャン移動中に集光された前記位置センシング放射を用いて決定される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記位置センシング放射及び前記基準放射は、1以上のコヒーレント放射源から得られた放射を含む、請求項18から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記位置センシング放射は、第1の波長範囲を有する第1の位置センシング放射と、第2の波長範囲を有する第2の位置センシング放射と、を含み、
    前記基準放射は、実質的に前記第1の波長範囲を有する第1の基準放射と、実質的に前記第2の波長範囲を有する第2の基準放射と、を含み、
    前記第1の基準放射及び第1の位置センシング放射には第1の適用された位相変調が与えられ、前記第2の基準放射及び第2の位置センシング放射には第2の適用された位相変調が与えられて、前記干渉放射が前記第1の適用された位相変調に対応する第1の時間変動成分及び前記第2の適用された位相変調に対応する第2の時間変動成分を含むようになっており、
    前記ステップ(c3)は、前記第1及び第2の適用された位相変調の一方又は双方を参照して実行されて、前記位置を決定するため前記第1及び/又は第2の位置センシング放射のどちらを用いるかを選択する、請求項18から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記基準放射の強度を調整して光学位置センシング信号の光学増幅を調整することを更に含む、請求項18から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記又は各適用された位相変調によって前記位置センシング放射と前記基準放射との間に相対周波数シフトが生じ、前記干渉放射における前記時間変動成分は前記相対周波数シフトに対応する特性周波数を含む、請求項28から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 請求項28から33のいずれか一項に記載の位置センシング方法を用いて基板上のターゲットの位置を測定することと、
    前記位置測定を用いることに応答して基板に対してパターンを適用することと、
    を含む、デバイスを製造する方法。
JP2018529099A 2016-01-19 2017-01-16 位置センシング機構、そのような機構を含むリソグラフィ装置、位置センシング方法、及びデバイス製造方法 Active JP6553817B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP16151931.9 2016-01-19
EP16151931 2016-01-19
PCT/EP2017/050806 WO2017125352A1 (en) 2016-01-19 2017-01-16 Position sensing arrangement and lithographic apparatus including such an arrangement, position sensing method and device manufacturing method

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019503504A true JP2019503504A (ja) 2019-02-07
JP6553817B2 JP6553817B2 (ja) 2019-07-31

Family

ID=55177840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018529099A Active JP6553817B2 (ja) 2016-01-19 2017-01-16 位置センシング機構、そのような機構を含むリソグラフィ装置、位置センシング方法、及びデバイス製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10317808B2 (ja)
JP (1) JP6553817B2 (ja)
WO (1) WO2017125352A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022526282A (ja) * 2019-04-08 2022-05-24 エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. リソグラフィ測定のためのセンサ装置及び方法
JP2022540988A (ja) * 2019-07-24 2022-09-21 エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. オンチップウェーハアライメントセンサ

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112912796A (zh) * 2018-10-23 2021-06-04 Asml荷兰有限公司 检查设备
TW202107042A (zh) * 2018-11-14 2021-02-16 加拿大商11093606加拿大公司 空間調變裝置
JP2022544187A (ja) 2019-08-09 2022-10-17 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 計測デバイスおよびそのための位相変調装置
TWI767291B (zh) 2019-08-09 2022-06-11 荷蘭商Asml荷蘭公司 對準裝置及微影裝置
CN110806680B (zh) * 2019-10-31 2020-11-24 清华大学 激光干涉光刻系统
US11609506B2 (en) * 2021-04-21 2023-03-21 Kla Corporation System and method for lateral shearing interferometry in an inspection tool

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07159124A (ja) * 1993-12-03 1995-06-23 Canon Inc 位置ずれ計測方法及びそれを用いた計測装置
JPH08124847A (ja) * 1994-08-30 1996-05-17 Canon Inc 位置ずれ計測方法及びそれを用いた位置ずれ計測装置
US20100067019A1 (en) * 2008-06-17 2010-03-18 Chien Chou Differential-Phase Polarization-Sensitive Optical Coherence Tomography System
JP2012173218A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Canon Inc 干渉計及び測定方法
JP2015004643A (ja) * 2013-06-24 2015-01-08 アストロデザイン株式会社 空間周波数再現装置
JP2016070894A (ja) * 2014-10-02 2016-05-09 アストロデザイン株式会社 光学的距離計測装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3570728B2 (ja) 1997-03-07 2004-09-29 アーエスエム リソグラフィ ベスローテン フェンノートシャップ 離軸整列ユニットを持つリトグラフ投射装置
AU1174599A (en) 1997-11-20 1999-06-15 Nikon Corporation Mark detection method and mark position sensor
US6313918B1 (en) 1998-09-18 2001-11-06 Zygo Corporation Single-pass and multi-pass interferometery systems having a dynamic beam-steering assembly for measuring distance, angle, and dispersion
DE60319462T2 (de) 2002-06-11 2009-03-12 Asml Netherlands B.V. Lithographischer Apparat und Verfahren zur Herstellung eines Artikels
US7126693B2 (en) * 2004-03-29 2006-10-24 Carl Zeiss Meditec, Inc. Simple high efficiency optical coherence domain reflectometer design
TW200846626A (en) 2007-03-08 2008-12-01 Nikon Corp Position measurement module, position measurement apparatus, stage apparatus, exposure apparatus, and method for manufacturing decive
NL1036476A1 (nl) 2008-02-01 2009-08-04 Asml Netherlands Bv Alignment mark and a method of aligning a substrate comprising such an alignment mark.
TWI516746B (zh) * 2012-04-20 2016-01-11 賽格股份有限公司 在干涉編碼系統中執行非諧循環錯誤補償的方法、裝置及計算機程式產品,以及微影系統
NL2011173A (en) 2012-07-30 2014-02-03 Asml Netherlands Bv Position measuring apparatus, position measuring method, lithographic apparatus and device manufacturing method.
WO2015120070A1 (en) 2014-02-05 2015-08-13 Kla-Tencor Corporation Grazing order metrology

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07159124A (ja) * 1993-12-03 1995-06-23 Canon Inc 位置ずれ計測方法及びそれを用いた計測装置
JPH08124847A (ja) * 1994-08-30 1996-05-17 Canon Inc 位置ずれ計測方法及びそれを用いた位置ずれ計測装置
US20100067019A1 (en) * 2008-06-17 2010-03-18 Chien Chou Differential-Phase Polarization-Sensitive Optical Coherence Tomography System
JP2012173218A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Canon Inc 干渉計及び測定方法
JP2015004643A (ja) * 2013-06-24 2015-01-08 アストロデザイン株式会社 空間周波数再現装置
JP2016070894A (ja) * 2014-10-02 2016-05-09 アストロデザイン株式会社 光学的距離計測装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022526282A (ja) * 2019-04-08 2022-05-24 エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. リソグラフィ測定のためのセンサ装置及び方法
US11526091B2 (en) 2019-04-08 2022-12-13 Asml Holding N.V. Sensor apparatus and method for lithographic measurements
JP7361787B2 (ja) 2019-04-08 2023-10-16 エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. リソグラフィ測定のためのセンサ装置及び方法
JP2022540988A (ja) * 2019-07-24 2022-09-21 エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. オンチップウェーハアライメントセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017125352A1 (en) 2017-07-27
JP6553817B2 (ja) 2019-07-31
US20190049866A1 (en) 2019-02-14
US10317808B2 (en) 2019-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6553817B2 (ja) 位置センシング機構、そのような機構を含むリソグラフィ装置、位置センシング方法、及びデバイス製造方法
JP6712349B2 (ja) アライメントシステム
US9778025B2 (en) Method and apparatus for measuring asymmetry of a microstructure, position measuring method, position measuring apparatus, lithographic apparatus and device manufacturing method
US7564534B2 (en) Alignment system and method
US10247940B2 (en) Objective lens system
JP6246330B2 (ja) アライメントセンサ、リソグラフィ装置およびアライメント方法
US20190302570A1 (en) Radiation Source
US9921489B2 (en) Focus monitoring arrangement and inspection apparatus including such an arrangement
US11525737B2 (en) Wavelength tracking system, method to calibrate a wavelength tracking system, lithographic apparatus, method to determine an absolute position of a movable object, and interferometer system
CN109478019A (zh) 用于检查设备的照射源、检查设备和检查方法
US20200142319A1 (en) Alignment Measurement System
US10942461B2 (en) Alignment measurement system

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190704

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6553817

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250