JP2019501306A - 着用可能な物品及び着用可能な物品を製造するための方法 - Google Patents

着用可能な物品及び着用可能な物品を製造するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、エラストマー材料から形成され、且つ表面(2)を有する手袋(9)であって、安定化プロバイオティックが表面(2)の一部上に提供されて活性層(3)を形成し、及び表面(2)の一部が着用者の皮膚(21)と接触する、手袋を提供する。本発明は、着用可能な物品、エラストマー手袋(9)を製造するための方法、及び着用可能な物品を製造するための方法も提供する。

Description

本発明は、着用可能な物品及び着用可能な物品を製造するための方法に関する。
医療診療所は、そのサービスを提供する許可を受けるために、国の衛生基準を遵守すると共に、例えばイギリスのCare Quality Commissionなどの政府機関による規制を受けなければならない。過去数年間にわたり、英国及び海外の両方で焦点が当てられたいくつかの研究では、外科手術及び病院における医療関連感染(すなわち、HAI)の罹患率に注目が向けられている。HAIという用語は、医療の場で罹患されるか、又は他の場所から医療の場に持ち込まれるあらゆる感染症を包含する。HAIの最も一般的な原因のいくつかとしては、MRSA、MSSA、クロストリジウム・ディフィシル(C.diff)及び大腸菌(E.coli)及びノロウイルスが挙げられる。問題に対する国民の認識が大きくなったことを受けて、これらの感染症の蔓延を低減するために新たな措置が導入された。これらの措置は、既存のプロトコルに取り込まれており、全ての医療診療所はこれを遵守しなければならない。過去数十年間にわたって英国で導入された措置は、衛生、特に手指衛生に関するプロトコルがかなり強化されたことを意味している。
世界保健機関は、例えば、2009年に医療における手指衛生に関するそのガイドラインの最終版を発表し、2006年保健法(Health Act)は、HAIの予防及び管理を目的とした実施規則を導入した。手指衛生は現在厳しく規制されており、医療従事者は、各患者と接触する前及び接触した後にその手を清浄にすることが義務付けられる。また、労働者は、血液又は他の体液と接触する可能性がある状況で手袋を着用しなければならない。このような状況では、患者間で、且つ場合により潜在的に汚染された物体に触れた後、及び単独の患者の処置中に手袋を取り換えることが義務付けられる。手袋を着用する前及び手袋を取り外した後に再度手を洗浄しなければならない。
HAIの蔓延を食い止めるために適切な衛生基準の順守は不可欠であるとみなされるが、定期的に水に浸漬し、石鹸、アルコール、及び洗浄剤などの刺激物質で手を繰り返し洗浄することにより、特定の衰弱性の皮膚状態が発症し得る。医療従事者の間で広がっている最も一般的な状態の1つは、刺激性接触皮膚炎(ICD)である。洗浄剤への暴露により引き起こされるこの炎症性の皮膚状態は、初期段階では皮膚の赤み及びかゆみをもたらし、処置されなければ悪化して滲出及び亀裂を生じ得る。皮膚の亀裂及び開放創は、病院及び他の同様の環境により頻繁に存在する細菌による感染の可能性を非常に高める。
(非特許文献1)によって発表されたものなどのいくつかの研究は、近年、医療労働者の間で報告されているICDの症例の増大が、手指衛生に関するより厳しいプロトコルと、英国におけるクリーンユアハンズ(cleanyourhands)キャンペーンなどのキャンペーンの導入とに起因するとしている。同様のキャンペーン及び規制は他の場所でも導入されており、従って、医療労働者の間のICDの罹患率は世界中の問題であり、英国のみの問題ではない。
これに加えて、労働者が、保護衣類品を形成する材料との定期的な接触に関連するアレルギーを患うことがよくある。これは、特に、伝統的にラテックスから作られる医療グレードの手袋に関して当てはまる。ニトリル及びビニルなどの他の材料を用いて製造された手袋がより広く利用可能になりつつあるが、ビニルは、ラテックスよりも漏れやすい傾向があり、ニトリルは、依然としてより高価な代替品である。手袋を適切に着用することは、引き裂き及び汚染を防止するために重要である。手袋をより簡単に装着できるようにするため、且つ手を乾燥した状態に保つために、コーンスターチなどの粉末が内部に添加されている。しかしながら、コーンスターチは、ラテックスタンパク質に付着し、風媒性になり、使用者に喘息及び他のより重篤なアレルギー反応を引き起こし得る。また、ポリマーコーティングなどの潤滑剤も、(特許文献1)に記載されるように、医療用手袋の内側を滑らかにするために一般的に使用される。
医療機関の雇用主は、その雇用者の健康に対して責任があり、従って、厳しい衛生プロトコルを順守しなければならないことの結果として生じる皮膚炎、アレルギー反応及び他の皮膚状態の発症に対処するための措置を講じる義務がある。
中性PH石鹸は、アルカリ性の代替品よりも皮膚に対する刺激がより少ない可能性があり、いくつかの病院で導入されている。洗浄剤又は石鹸による洗浄の代替として、手を消毒するために、アルコールゲル及びフォームに基づく消毒薬を手に擦り込むことができる。これらのゲルは、皮膚を刺激する程度がより低い傾向があるが、特定の状況(例えば、ノロウイルスの蔓延の危険がある場合)では適切でない。危険性のある人は、皮膚炎から生じる皮膚の乾燥を少なくするために保湿又は皮膚軟化薬クリームを手に塗るように勧められることが多い。しかしながら、それがディスペンサーで簡単に提供され、及びその塗布が現在の病院プロトコルの一部を形成していなければ、実践者は、多くの場合、皮膚軟化薬を塗布することを失念するであろう。
(特許文献2)に記載される手袋は、皮膚接触表面に保湿コーティングを有する。保湿剤は、アロエ・ベラ(Aloe vera)であり得、着用中に罹患皮膚を保湿し、鎮静化するのに役立つ。
(特許文献3)には、医療従事者による使用のための手袋などのエラストマー物品が記載されている。この手袋は、抗菌剤が導入された水系コーティングを含む。抗菌剤は、処理表面上の細菌(全ての種類)のレベルを低減する役割を果たし得る。(特許文献4)は、同様の物品を記載している。
皮膚細菌叢という用語は、一般的に、皮膚上、主に表層及び毛包内に存在する微生物を指す。この皮膚細菌叢の表面層は、主に非病原性であり得る(及び非病原性細菌に対する病原性細菌のレベルは、正常な人では、ほとんど一定に保たれる傾向がある)。皮膚表面の病原性細菌のレベルを低下させることを目的とした洗浄剤による皮膚の定期的な清浄化は、人の正常な皮膚細菌叢の一部を形成する無害又は食品グレード(GRAS)の細菌のレベルも低下させ得る。栄養分を他のタイプの細菌と競合することがなければ、一過性の病原性細菌は、はるかに容易に繁殖する傾向があるであろう。洗浄剤による手の洗浄、手袋の装着及び取り外し、並びに再洗浄の繰り返しは、皮膚細菌叢の自然のバランスを撹乱する傾向があり、皮膚への感染及び損傷の可能性を増大させるであろう。
(非特許文献2)の論文において、著者らは、病院内の硬表面で使用するための清浄化剤に非病原性微生物を適用することの有効性に関する研究の結果を提示した。バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)及びバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)の胞子を清浄化剤に導入し、3つの病院において数か月間にわたって様々な硬表面で使用した。従来の洗浄剤に基づく製品を用いて清浄化した表面と比較して、微生物含有物質を用いて清浄化した表面は、はるかに低レベルの多数の一般的な病原性細菌(60〜70%低下)と、試験した微生物における抗生物質への耐性レベルの低下とを含むことが分かった。
国際公開第A−2005/110,749号パンフレット 米国特許出願公開第A−2015/089,714号明細書 米国特許出願公開第A−2007/104,766号明細書 英国特許第2501940号明細書
Stocks et al.in the British Journal of Dermatology(2015;173,pp165−171) Vandini et al.(2014)entitled"Hard Surface Biocontrol in Hospitals Using Microbial−Based Cleaning Products"
本発明の第1の態様によると、エラストマー材料から形成され、且つ表面を有する手袋であって、安定化プロバイオティックがこの表面の一部上に提供されて活性層を形成し、及びこの表面の一部が着用者の皮膚と接触する、手袋が提供される。
本発明は、正常な着用中に皮膚上の有益な細菌のレベルを補充又は追加することができるエラストマー手袋を提供する。これらは、病原性微生物と競合して、有害な細菌のレベルを制御するのに役立つ。着用可能な物品が、プロトコル要求により医療関係者が着用しなければならないような手袋である場合、使用者は、単にプロトコルに従うのみで、プロバイオティクス(例えば、皮膚の表面に自然に存在するものなど)によるその皮膚の再コロニー形成を促進することになる。皮膚の表面の微生物学的な平衡を回復させることが可能な活性層が提供される。従って、手袋は、皮膚炎及び同様の状態の発症を予防するため、及び罹患皮膚がより簡単に感染することを防止するための特に有効な方法を提供する。不活性な手袋が活性な予防物品になる。
使用者は、付加的な手順を実行することを記憶している必要がない。使用者は、その手を洗浄した後に手袋以外の何らかのものに触る必要もなく、これは、さらなる有害物質との接触のあらゆる危険を除外する。従って、実践者が必要な行動を実行することを怠るという結果になり得る任意の付加的なステップを取る必要がなく、着用者は、単に現在の病院衛生プロトコルに従うことを要求されるのみである。
皮膚表面の病原性物質のレベルを低減することにより、感染の危険も低減される。これは、洗浄剤による洗浄の繰り返しのために皮膚が刺激性接触皮膚炎を患う可能性のある場合に特に重要である。さらに、衣類品を取り外した後に病原性微生物を患者又は別の表面へ移行させる可能性が低減される。
医療グレードの手袋などの保護衣類は、物品が交差感染に対するバリアとしての機能を果たせるように、病原体が着用者の皮膚に触れることを防止し得る材料から形成されなければならない。ラテックス、ビニル又はニトリルなどのエラストマー材料が特に適している。また、病院で一般的に使用されるタイプのエラストマー製の着用可能な物品に本発明の活性層を適用することは、製造プロセスに対してなされる必要がある変化を最小限にするか又はさらに全くなくし、従って最終的に物品のコストを削減するであろう。
エラストマー手袋は、医療環境において最も頻繁に使用される使い捨ての保護衣類品の1つである。上記で説明したように、手指衛生に関する現在のプロトコルは、皮膚の種々の障害を引き起こし得る(Stocks et Al.(British Journal of Dermatology(2015,173 pp 165−171))。手袋上に活性プロバイオティック層を提供することは、これらの障害に対処し、感染を予防し、手の微生物学的な平衡を回復させるのに役立ち得る。
皮膚接触表面上に活性層を適用することは、プロバイオティクスが着用者の皮膚上に移行することを可能にし、その皮膚上のプロバイオティクスのレベルを上昇させ、従って有益な細菌の量も増大させる。
実施形態において、活性層は、皮膚接触表面の全体に提供される。製造の観点からこれは簡単であり、且つ活性層を皮膚接触表面の全体(例えば、手袋の内部表面全体)に適用することにより、プロバイオティクスが移行される皮膚の面積が増大され、着用者に対する有益な効果が最大になる。
実施形態において、活性層は、実質的に均一であるように適用される。この場合も同様に、均一層は、達成するのがより容易であり、製造と製造プロセスの自動化とを簡単にすることができる。
実施形態において、活性層は、表面から0.01〜10ミクロンの深さまで延在する。表面内にベシクルを埋め込む(又は部分的に埋め込む)ことにより、表面への密着を改善することができるが、少なくとも一部のベシクルは、破裂するとプロバイオティクスを皮膚上へ移行させることができるように表面に十分に近くなければならない。製造中、硬化前に活性層が物品に適用されると、活性層は、物品の表面内へいくらか延出し得る。実施形態において、活性層は、1ミクロン〜0.5mmの範囲の厚さを有する。
実施形態において、プロバイオティクスは、正常な人の皮膚細菌叢の一部を構成する微生物を含むことができる。このように皮膚細菌叢の自然のバランス又は平衡を回復することができる。正常な皮膚細菌叢の一部を形成する表皮ブドウ球菌(staphylococcus epidermidis)などの多数の無害な細菌は、病原性細菌と効果的に競合して、そのレベルを最小限に保持するのに役立ち得る。表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)は、病原性であり得る黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のレベルを低下させることにおいて特に有効である。一般的に、皮膚細菌叢の一部を形成するプロバイオティクスを使用することは不可欠ではない。任意の無害又は食品グレードの細菌を使用することができる。特定の細菌は、炎症を低減するのに役立つことが見出されており、これらも活性層の一部として使用したときに有益であり得る。
活性層中のプロバイオティクスの濃度は、正常な人の手の皮膚上の細菌の濃度と同様であり得、又はこの量を皮膚へ移行させるように設計され得る。実施形態において、活性層中のプロバイオティクスの濃度は、500〜5000CFU/cmの範囲である。これにより、無害な細菌のレベルを病原性微生物と競合できるレベルまで回復させるために十分である、生存可能な微生物が着用者の皮膚へ移行されることが可能になる。理想的には、活性層中のプロバイオティクスの全体数及び濃度は、病原性細菌が最低レベルに維持され得ることを保証するためにできるだけ高いであろう。物品に適用される濃度は、当然ながら、物品の製造及び貯蔵のコスト及び実用性にも依存し得る。
実施形態において、プロバイオティクスは、ベシクル内にカプセル化され得る。これは、安定化を補助するのに役立ち得、物品が着用されたときに、プロバイオティクスを皮膚へ移行させるためにベシクルが破裂又は溶解可能であることを意味する。また、ベシクルは、輸送及び貯蔵中にプロバイオティクスを手袋の表面上に保持するためにも役立つ。
実施形態において、ベシクルは、1〜300ミクロンの平均最大寸法径(measurement across)を有する。複数のベシクルは、粉末、流体、クリーム、又はゲルの形態であり、これは製造中に物品に適用するのが容易である。
実施形態において、物品が着用されるときにベシクルの少なくとも一部が破裂して、プロバイオティクスの少なくとも一部を着用者の皮膚へ移行させる。皮膚上に移行すると、プロバイオティクスは、再活性化され、且つ再生することができる。
実施形態において、活性層は、粉末形態である。実施形態において、活性層は、流体、クリーム又はゲルの形態である。表面に適用する前に粉末を流体、クリーム又はゲルに添加することもできる。
実施形態において、活性層は、表面が摂氏27〜60度の温度であるときに物品に適用されている。エラストマー物品は、この温度で完全に硬化されておらず、これは、プロバイオティック含有層が表面に付着できる(又は場合により部分的に表面内に埋め込まれる)ことを意味する。硬化されると、着用者が物品を着用するまで、安定化状態のプロバイオティクスと共に活性層は表面上に保持される。
実施形態において、活性層は、1つ又は複数のスプレーガンを用いて表面上に噴霧されている。噴霧は、プロバイオティック混合物の一様な層を提供する。噴霧が起こる時間を制御することにより、層の厚さも容易に管理することができる。
また、超音波技術を使用して表面に活性層を付けることもできる。超音波技術を使用する利点は、着用者の皮膚と接触する手袋の表面が湿った状態にされず、より快適なことである。
実施形態において、活性層は、粘着剤物質をさらに含む。この粘着剤は、ベシクル又は安定化プロバイオティクスの表面への結合を促進し、使用前に活性層が剥がれ落ちることを防止するのに役立ち得る。
本発明の第2の態様によると、表面を有する着用可能な物品であって、安定化プロバイオティックがこの表面の一部上に提供されている、物品が提供される。
本発明の第3の態様によると、エラストマー手袋を製造するための方法であって、手袋を作るための材料を所望の形状に形成することと、手袋の皮膚接触表面上に安定化プロバイオティック材料を提供して、活性層を形成することとを含む方法が提供される。
実施形態において、材料を表面の少なくとも一部上に提供することは、スプレーガンを用いて材料を表面上に噴霧することを含む。
実施形態において、表面が摂氏27〜60度の温度であるとき、材料が表面上に提供される。
実施形態において、本方法は、材料を表面上に提供する前にプロバイオティック材料をベシクル内にカプセル化することをさらに含む。
実施形態において、本方法は、手袋を冷却及び硬化させることをさらに含む。
実施形態において、所望の形状を形成するために成形器が使用され、及び本方法は、成形器上にあるときの外部表面が手袋の内部表面になるように手袋を成形器から剥離することをさらに含む。エラストマー手袋の場合、既存の製造方法は実質的に変更されない。活性層が提供されるステップの追加が必要とされるのみである。このように、既存の機械類及び技術を依然として使用することができる。
実施形態において、安定化プロバイオティック材料は、手袋に適用される前に超音波霧化を用いてミストに形成される。これにより、プロバイオティック含有溶液の極めて一様なコーティングの適用が可能になる。
実施形態において、ミストはトンネル内で形成され、及び手袋は、プロバイオティック物質を表面に適用するためにトンネルを通過させられる。
実施形態において、手袋は、搬送ベルト上でトンネルを通過させられる。
本発明の第4の態様によると、着用可能な物品を製造するための方法であって、着用可能な物品を作るための材料を所望の形状に形成することと、物品の表面の少なくとも一部上に安定化プロバイオティック材料を提供することとを含む方法が提供される。
本発明の実施形態は、ここで、添付図面を参照して詳細に説明される。
手袋の表面を通る断面を示す 活性層内のベシクルのサイズ分布の1つの可能性を示す。 着用可能な物品の表面を通る断面を示し、ベシクルは表面中に埋め込まれている。 着用可能な物品の表面を通る断面を示し、プロバイオティック物質を適用する前に表面に粘着剤が適用されている。 着用可能な物品の表面を通る断面を示し、ベシクルは表面中に埋め込まれておらず、活性層の厚さは変化する。 手袋が成形器から剥離されているときの、皮膚接触表面上に活性層を有する手袋を示す。 表面の伸長により破裂している、着用可能な物品の表面上のベシクルを示す。 製造中に複数の物品をプロバイオティクスでコーティングする方法を示す。 従来技術のエラストマー手袋を示す。 内側表面上にプロバイオティック層を有するエラストマー手袋を示す。 撹乱前の人間の手の皮膚の正常な状況を示し、有益な細菌と病原性であり得る細菌との間の健康なバランスが存在する。 人間の手の皮膚の撹乱状況を示し、有益な細菌と病原性であり得る細菌との間の撹乱されたバランスが存在する。 プロバイオティック層を有する手袋を装着した後、正常な健康状態をもたらす微生物学的なバランスが回復された人間の手の皮膚を示す。
エラストマー材料から形成される手袋は、病原体の蔓延を防止するため、且つ患者及び労働者を感染から保護するために、医療診療所において且つ獣医学的な作業を実行する際に使用される。上述のように、現在のプロトコルでは、特定の手順を実行する間にこれらの手袋を着用しなければならないこと、及び各手順後又は感染性である可能性がある物質と接触する際に取り換えなければならないことが指示される。同様に、フェイスマスク、眼の保護、及び任意の他の保護衣類品など、このような環境下で着用される大部分の他の個人用保護具にも同じことが当てはまる。以下の記載における特定の例は、1つ又は複数の手袋を指すが、本発明は、プロバイオティクスが任意の皮膚接触表面に適用された任意の他の物品(保護物品であり得る)に適用可能である。ここで、皮膚接触表面は、物品が着用されたときに皮膚に面して皮膚に触れることができる物品の任意の部分を指す。皮膚接触表面のいくつかの部分は、必ずしも実際に皮膚に触れなくてもよい。一例として、手袋の場合、手袋の内部表面全体が皮膚接触と呼ばれるであろう。しかしながら、一部の使用者により着用される場合、指のごく先端部分又は折り目部分の内部表面は、実際には、常に着用者と直接接触するわけではないことがあり得る。
安定化プロバイオティクスの活性層は、医療環境以外で着用される衣類にも適用可能である。例えば、運動靴の靴底又は失禁用衣類は、悪臭のある又は有害な細菌の成長を低減することを促進し得るプロバイオティクスを含む活性層を含み得る。活性層を運動靴に適用するための効率的な方法は、プロバイオティクスを噴霧形態で適用することであり得る。層が容易に再適用されるように、液体又は粉末形態の安定化プロバイオティクスを含有する噴霧ボトル又は蓋に孔のあるボトルが使用者に販売され得る。
図1は、活性プロバイオティック層を有する手袋の表面の一部の断面を示す。これに関連して、活性とは、層内の微生物の少なくとも一部が生存可能であるという事実を指す。製造プロセスが完了した直後に層内の微生物が全て生存可能であることが望ましい。好ましくは、層内の微生物の少なくとも90%、より好ましくは少なくとも98%がこの時点で生存可能である。断面は、外部1から内部2までの表面全体を通して取られる。着用者の手と接触することになるのは内部表面2である。図面において、プロバイオティック材料の層3は、手袋の内部表面2にのみ適用される。ここで、プロバイオティック材料は、1〜300ミクロンの直径を有する実質的に球形のベシクル4内に保持される。ベシクルは、全てが同じ程度まで表面2を貫通するわけではないため、層3の厚さは、ベシクルの直径よりもわずかに大きくなり得る。実施形態において、層3の厚さは、より多くのベシクルを表面の特定の部分に適用することによって変わり得る。ベシクルは、ベシクルを互いに付着させて層を手袋の表面に保持する物質が提供され(又はその物質から形成され)得る。また、層3は、表面のいくつかの部分において他の部分よりも厚いこともある。
図7Aは、手袋の内側表面及び外側表面の両方の断面と共に従来技術のエラストマー手袋を示す。手袋の内側表面も外側表面もプロバイオティクスの層を含まず、従って、手袋を形成するエラストマー材料のみが使用中に着用者の皮膚と接触することになる。図7Bは、本発明の実施形態に従うエラストマー手袋を示す。上記のように、プロバイオティクスの層が手袋の表面に提供されている。この場合、プロバイオティクスが着用者の皮膚と接触してそこへ移行され得るために、層は内側表面に提供されている。
図8A〜8Cは、本発明に従う手袋の着用者の皮膚細菌叢に対する効果を示す。図8Aは、正常なバランスレベルの細菌叢又は微生物叢を有する典型的な皮膚の健康な状態を示す。皮膚の表面21は、バイオフィルム又は保護層19を含み、保護層19内で嫌気性細菌が保護され得る。表面層20上の有益な細菌(プラス記号で示される)は、手の洗浄などの撹乱の影響を受けやすく、このタイプの活動により容易に除去又は破壊され得る。図8Bは、このような撹乱が手の皮膚細菌叢に与える効果を示す。バイオフィルムにより保護された細菌は影響を受けないが、清浄化中に殺菌剤が皮膚に適用されると、表面細菌叢の多くは、除去又は全滅されていることがあり得る。一般に、有益な細菌は、皮膚への典型的な撹乱によってより大きく影響を受けることになり、従って有益な細菌の有害な細菌に対する相対量が低減され得る。このように撹乱の結果として有益な細菌が欠けると、皮膚が脆弱になり、感染につながり得る。図8Cは、内側の皮膚接触表面にプロバイオティック層を有する手袋が使用者により着用された後の、手の皮膚を通る断面を示す。皮膚細菌叢は、撹乱前の状態に戻されており、皮膚表面の健康なレベルの有益な細菌が回復されている。
プロバイオティクスは、手袋の内部表面のみ、手袋の外部のみ、又は手袋の内部及び外部の両方に適用され得る。少なくとも内部表面に活性層が提供されることが好ましい。なぜなら、刺激性接触皮膚炎などの状態(これにより感染の影響をより受けやすくなる)を患う可能性があるのは実践者であり、及び微生物の皮膚への移行は、着用者にとってより有効であり得るからである。医療用手袋の外側にプロバイオティクスを適用すると、患者の皮膚又は身体の状態を慎重に管理しなければならないという点で問題があることもあり、且つ付加的な物質の適用は、この環境を妨害し得る。
正常な皮膚細菌叢は常在性及び一過性の両方の微生物を含有し、正常な人では1平方センチメートルの皮膚上に数千の細菌(又は数千のコロニー形成単位)が存在し得る。常在細菌のうち、表皮ブドウ球菌(staphylococcus epidermidis)は、ジフテロイド(diphtheroid)などのコリネバクテリウム(corynebacteria)と共に最も一般的であり、特に手のひらにおいて大きい役割を果たす。黄色ブドウ球菌(staphylococcus aureus)などの正常な皮膚細菌叢の一部を形成する細菌のいくつかは病原性であり得るが、他の細菌は無害であると考えられる。個人の皮膚上の一過性の細菌の量は、人によって大きく異なる可能性があり、皮膚の水分レベル及び酸性度、並びに温度に依存し得る。存在する種々の微生物の割合は、それでも各成人に対してかなり一貫している傾向がある。異なる個人の皮膚上の集団間のばらつきと同様に、種々の微生物の罹患率は、存在する身体部分によって異なる。正常な細菌叢は、大きく3つのタイプに分けることができ、そのそれぞれにおいて、自然レベルの異なる種類の細菌が異なってバランスを保っている。手、顔、及び体幹は同じカテゴリーに入り、これは、手の正常な皮膚細菌叢を構成する細菌の組み合わせ、割合及び濃度が、顔及び体幹の正常な皮膚細菌叢に近いものも表すことを意味する。
着用可能な物品に適用される活性層内の種々のプロバイオティクスは、好ましくは、無害であると共に、皮膚上の病原性細菌とできるだけ効率的に競合することができる。エラストマー手袋を形成する際に適用される活性層は、手の皮膚において見出される各種類の細菌(又は各種類の非病原性細菌)の正常な割合をできるだけ厳密に表すように製造され得る。このレベルは、異なる身体部分と接触するように設計された物品について異なり得る。異なる人の皮膚細菌叢に存在する異なる種類の細菌の割合及び量には、明らかにかなりの量のばらつきが存在し、従って平均を取るべきである。従って、「正常な」皮膚細菌叢は、ここで、全ての区域の世界人口を包含する人々の広がりにおいて観察されるであろう各微生物の平均量を指す。いずれも場合も、「正常」であると考えることができる値には著しい広がりがあり得る。
或いは、製造を簡単にするために、皮膚上に一般的に存在する最も顕著な細菌又は最も顕著な少数の細菌のみが活性層において使用され得る。正常な皮膚細菌叢は、関係する身体の領域に大きく依存し、上述のように、顔、体幹及び手は、少なくとも、最も多くみられる細菌について同様のバランスを示す傾向がある。これは、顔、手及び体幹との接触が目的とされる物品内の活性層へ同じ組成物を適用しても、活性層の構成の変更を必要とせずにこれらの領域の自然の皮膚細菌叢を(少なくともある程度)表し得ることを意味する。また、プロバイオティクスは、皮膚における病原性の成長の制御を最も効果的に促進し得るものを表すように選択することもできる。これらが正常な皮膚細菌叢の一部又はかなりの部分を形成することは必須ではなく、例えば、上述の清浄化剤において使用されるものに関して且つ場合によりそれと同様の割合でバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)及び/又はバチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)を使用することもできる。
「正常な」皮膚細菌叢は、着用者の特定の特徴に応じてその構成が異なり得るため、実施形態において、物品は、特に、特定のタイプの人に対して予想される皮膚細菌叢の組成を再現するように設計され得る。他方で、活性層に対する異なる組成物の使用は、コスト及び時間がかかり得るため、製造される全ての物品で使用するための単一の組成物を提供することがより効率的であると思われる。
活性層内に存在する種々のプロバイオティクスの濃度及び相対的割合は、正常な皮膚細菌叢を表す(又はこれを補充する)ようにすることができ、細菌は、皮膚において1平方センチメートル当たり1000コロニー形成単位を超える量で存在し得る(身体のいずれの部分に関係しているかによる)。製造、貯蔵、及び輸送中の一部の生物の死と、着用者の皮膚への移行の失敗(例えば、無傷のままであるベシクルを含有することによる)とを見越して、着用可能な物品の表面により高い濃度、例えば1平方センチメートル当たり約5000コロニー形成単位の濃度が適用され得る。
着用可能な物品の表面に適用されるプロバイオティクスは、製品が貯蔵及び分配される間の期間を通して生存可能でなければならない。医療用手袋及び他の使い捨て供給品は、一般に大量に購入されて、必要とされるまで貯蔵される。職員の数と、手袋が使用される速度とに応じて、手袋は、数か月又はさらに数年間貯蔵される必要があり得る。従って、材料は、プロバイオティクスを長期間にわたって生存可能にするために安定化されなければならない。
安定化とは、微生物の数がほぼ一定のままであり、微生物が生存可能であり続けるために、温感及び水分などの刺激的な環境条件への微生物の暴露を制限することを指す。プロバイオティクスの安定化方法は、広く研究されている。これは、一般的に、腸内細菌叢のバランスを取るための摂取可能な物質として、製薬業界におけるその使用を目的としている。プロバイオティクスは、従来、室温よりも低い温度での貯蔵が必要とされている。医療用手袋などを冷蔵庫などの冷却環境で貯蔵することは可能であるが、これはコストがかかり、理想的ではない。しかしながら、より最近の安定化方法は、プロバイオティクスを室温で長期間生存させることを可能にする。例えば、国際公開第A−2005/047489号パンフレットには、室温で安定化状態を保つことができる、プロバイオティクスを含有する微粉末の製造方法が記載されている。これを達成するために、凍結又は噴霧乾燥された細菌濃縮物は、低含水量を有する安定剤に添加される。
好ましい実施形態では、手袋又は着用可能な物品に適用される際、プロバイオティック材料はカプセル化形態である。従って、プロバイオティック物質は、プロバイオティクスを環境から保護するのに役立ち得る複数の微細なベシクル内に含有される。これらのベシクルは、輸送及び貯蔵に耐えるように十分に強力でなければならないが、プロバイオティクスを皮膚の表面に放出させるために手袋又は物品が着用されたときに、これらを放出させることができなければならない。
カプセル化プロバイオティクス(通常、食用カプセルで用いる)を製造するために一般的に使用される1つの方法は、噴霧乾燥によるものである。マトリックス内の懸濁液中のプロバイオティクスは霧化され、次に霧化粒子に粒子熱風の流れを高速で通過させることによって乾燥される。乾燥ステップの熱によりプロバイオティクスが死滅する可能性を低減するために保護剤を添加することができるが、これらは、通常、完全に有効ではなく、この方法の成功は、使用されるプロバイオティクスの特定の混合物に依存し得る。噴霧−冷却も同様の技術を使用するが、粒子を乾燥させるために熱い空気流ではなく冷たい空気流を用いる。
流体床アグロメレーション及びコーティングは、コーティングされる材料の粒子を流動化し、次に霧化物質を噴霧することを含む。コーティング材料は、一般的に脂質に基づくが、炭水化物及びタンパク質を使用することもできる。凍結乾燥は、広く使用されるもう1つのカプセル化技術である。凍結乾燥中、担体材料と共にプロバイオティクスを含有する粒子は凍結温度に曝された後、真空中で粒子から水の昇華が行われる。低温による微生物の死滅を防止するために抗凍結剤(又は複数の抗凍結剤)を添加することができる。真空乾燥も同様に機能するが、温度をゼロよりも低くすることはない。
乳化中、水は、油などの疎水性物質(乳化剤と共に)と十分に混合され、プロバイオティクスは、油の液滴内に捕捉される。カプセル化粒子を製造するために使用される他の既知の技術には、とりわけ、コアセルベーション、押出、及びドリッピングが含まれる。これらは、例えば、Chavarri、Maranon及びVillaranによる論文「Encapsulation Technology to Protect Probiotic Bacteria」において詳細に記載されている。
上記の技術は、全て安定化混合物をもたらすことができ、活性プロバイオティック層を有する着用可能な物品の製造において使用するのに適切であり得るが、プロバイオティクスを安定化するためのあらゆる方法を使用することができる。
実質的に球形であるベシクルは、一般的に、上記の技術のいくつかから得られるであろう。本発明で使用するための球形ベシクルは、好ましくは、1〜300ミクロンの範囲の直径を有し得る。使用されるベシクルが球形でない場合又は形状の混合物が含まれる場合、全ての粒子の最大寸法径の平均サイズは、1〜300ミクロンの範囲であり得る。ベシクルが長尺形態を有する場合、例えば、粒子は、その最長の寸法に沿って平均して1〜300ミクロンであり得る。図2は、3つの異なる最大寸法径(それぞれx、y及びz)を有する3つの異なる形状5、6、及び7を有するベシクルで構成された混合物を示す。形状5を有するn個の粒子、形状6を有するl個の粒子、及び形状7を有するm個の粒子が存在する。平均最大寸法径は、(X・・・)+(Y・・・)+(Z・・・)/n+l+mとして計算することができる。この平均は、1〜300ミクロンの範囲でなければならない。当然ながら、混合物中には、図面に示される3つよりも多数のより異なる形状が存在し得る。
ベシクル内に含有されていない安定化プロバイオティック物質を使用して本発明の着用可能な物品を製造することもできるが、以下に詳細に説明されるように、ベシクルは、適用するのが容易であり、着用者の皮膚により圧力がかけられるまで、プロバイオティック材料を手袋又は物品の表面で安定した状態に保持し得る。安定化プロバイオティクスをエラストマー物品の表面に適用するために、ベシクルを含む粉末、流体、クリーム又はゲルは、製造中の正確な段階で表面に適用されなければならない。適用中の物品及び環境の温度は、ベシクル内のプロバイオティクスが死滅されないようにあまり高くないことが不可欠である。より具体的には、物品の製造の直後に微生物の少なくとも90%が依然として生存可能であることが好ましい。実施形態において、ベシクルを物品に結合するために、物品の材料は、適用の時点で完全に硬化又は凝固されていないことも好ましい。このようにして、プロバイオティック材料の活性層は表面に適用され、ある程度その中に埋め込まれることができる。また、活性層は、水和物質又は粘着剤など添加剤を含むこともできる。
手袋又は他の着用可能なエラストマー物品は、ラテックス、ニトリル、ビニル、ネオプレン、ポリウレタン、ブチル、任意の他のエラストマー材料、又は2つ以上の材料の組み合わせなどの高分子/エラストマー材料から形成することができ、これらの組み合わせは、エラストマー特性を有する。これらの物品は、一般的に、ディップ成形技術を用いて製造される。例えば、ラテックス又はニトリル手袋の場合、原材料はゴム粒子の水系エマルションであり、これに、架橋を開始してポリマーを形成させるのに役立つ硫黄が添加される。所望の形状を有する成形器(又はモールド)が変性エマルション内に浸漬され、エマルションが乾燥される。成形器上で形成される皮膚の厚さは、成形器が浸漬されるエマルションの粘度、浸漬速度及び/又は成形器が浸漬される回数に依存し得る。冷却した後、物品は、仕上げのために成形器から取り外される。他のエラストマー材料から物品を形成するためのプロセスも同様である。これらは、当該技術分野においてよく知られており、本明細書において記載される。しかしながら、エラストマー物品の製造が一般的に冷却又は硬化ステップを含み得ることは言及する価値がある。
プロバイオティックベシクルは、エラストマー物品の通常の製造中、冷却又は硬化プロセスが依然として完了しておらず、従って物品の材料が完全には硬化していない時点で適用されるべきである。この時点で、ベシクルは、図1に示されるように物品の表面内へある程度埋め込まれ得、又はやや粘着性の表面に密着し得る。ベシクルは、適用後にさらなる加熱に曝されないように、冷却プロセス中に適用され得る。物品を形成する材料の適用の時点の最適温度範囲は、摂氏27〜60度である。この温度は、使用される材料の種類にわずかに依存して異なり得る。温度は、材料が完全には凝固されないように十分に高くなければならないが、存在する微生物の大部分(98%を超える)が生存可能であり続けるように十分に低くなければならない。プロバイオティクスは、ベシクルの表面によってある程度保護され、コーティング内の材料の全てが表面の温度になるまでにいくらか時間がかかるため、適用の最適温度は、個々の微生物が生存できないと予想されるであろう温度よりも高いこともあり得る。このより高い温度は、ベシクルの表面へのより良好な付着を可能にする。
好ましくは、ベシクルは、ベシクルが通過し得る小さい孔を有するノズルを用いて、最適温度又は最適な表面硬度で物品へ噴霧されるであろう。好ましくは、ノズルの孔は、プロバイオティック混合物が容易に適用され得るようなサイズにされるが、一様なコーティングを提供するためにそれでも十分に離間されている。物品の表面全体にわたって均一なコーティングが所望される場合、表面全体を被覆するために、物品が成形器上にある間にスプレーガンを物品の周りで回転させる(又は物品及び成形器を組み合わせて回転させる)ことができる。表面の一部のみがコーティングされることが所望される場合、必要とされる領域にのみ噴霧するために、物品上にテンプレートを保持することができる。
一般的に、物品全体を被覆する実質的に均一のコーティングは、最小量の廃棄物をもたらすという点で最も効果的且つ最も効率的であろう。より小さい領域、例えば指先及び手のひらと接触し得る手袋の内部のみの噴霧は材料を節約するが、それでも手袋を取り外した後に病原体によるコロニー形成から保護するであろう(これらは、病原性材料と接触することになる可能性が最も高い領域である)。回転の必要性を回避するために、物品の周りで方向付けられたいくつかのスプレーガンを使用することもできる。一様なコーティングを達成するために、スプレーガンノズルは、好ましくは、物品が関係するスプレーガンノズルに最も近い地点で物品の表面から5〜200センチメートルの距離に配置され得るが、これは、使用されるスプレーガンの種類に依存し得る。このようにしてスプレーガンを使用すると、現在利用可能である着用可能なエラストマー物品を製造するために使用される従来の製造プロセスを最小限に適応させて、プロバイオティック層の容易な適用が可能になる。噴霧プロセスは、完全に自動化することができ、既存の製造ラインに組み込むことが可能になる。
プロバイオティック層を物品により良好に付着させるために、粘着剤材料を複数のベシクルに添加することも可能である。粘着剤との混合物は、表面材料が完全に冷却される前に適用することができる(例えば、上記のようなスプレーガンを用いる)。或いは、粘着剤との混合物は、物品の硬化及び冷却後に適用することができる。硬化後にエラストマー物品の表面に粘着剤を適用し、この上にベシクルを適用することができる。物品が硬化及び冷却された後に適用されたベシクルは、表面内に埋め込まれないであろう。これにより、ベシクルが貯蔵中に破裂する可能性がより高くなり、その表面への付着はそれほど強くないことができる。
ベシクルは、流体、ゲル又はクリーム(特定の実施形態では、粉末形態のベシクルを流体、ゲル又はクリームに添加することにより生じ得る)で提供することができ、これらも、硬化中又は硬化後のいずれかで物品の表面に適用することができる。流体、ゲル又はクリームの使用は、プロバイオティック層が適用される物品がラテックスから形成される場合、着用者が物品を取り外すときにエアロゾルが放出されることを防止し得るため、特に有利であり得る。しかしながら、ベシクルを粉末形態で冷却前に適用しても、表面上の適所に保持され得るため、この効果を達成できるであろう。流体溶液中のプロバイオティクスは、上記のように物品の表面上に噴霧することができる。
プロバイオティック材料がどのように適用されるにしても、上記のプロセスから得られるエラストマー物品は、表面の少なくとも一部上に提供された活性プロバイオティック層を有することになる。これに関連して、活性層は、エラストマー物品の表面上の領域、又はエラストマー物品の表面中に部分的に延在する領域のいずれか(使用される適用技術に依存する)であり、且つプロバイオティック材料を含む領域を指す。図3A及び3Bは、手袋の表面を断面で示す。図3Aでは、プロバイオティック材料(ここではベシクル4で示される)は、表面材料を硬化させる前又は材料がわずかに柔らかいときに適用される。図3Bでは、粘着剤物質8は、ベシクルが適用される前に、硬化した表面プロバイオティックの表面に適用される。ベシクルは、粘着剤のやや外側に延在し得るため、粘着剤が硬化されても、ベシクルは依然として破裂してその内容物を放出することができる。図3Aの活性層は、表面2自体の中に延在し、図3Bの活性層はそうではない。ここで、活性層3はベシクルの直径と同様であるか又はそれよりもわずかに大きい厚さを有して示されているが、活性層はより厚いことができる。図3Cでは、ベシクルは、単に、硬化前にわずかに溶融した物品の材料へ密着させることによって表面に付着している。これは、たとえベシクルが埋め込まれるように材料が十分に柔らかくなくても、粘着剤を添加することなく達成することができる。ベシクルは、互いにある程度密着して、より厚い層の形成を可能にし得る(ベシクルの殻を形成する材料が十分に樹脂性でない場合、これを促進するために、粘着剤を添加することができる)。図3Cの活性層は、例えば、より厚い部分及びより薄い部分を含む。
エラストマー手袋の製造中、成形器は手の形状をしており、物品の成形器からの除去は剥離により行われ、その結果、成形器上にあるときの物品の外側表面は、最終的に手袋の内部表面になる。手袋9を成形器10から剥離するプロセスは図4に示される。プロバイオティック含有ベシクル11は、この時点で手袋の外側表面上に見えており、手袋が剥離されているところの内部表面12は、最終的に外部表面になるであろう。これは、成形器から除去する前に外部表面を処理することにより、最終物品の内部表面の処理が製造中に容易に達成可能であることを意味する。手袋の外部表面を処理することが所望される場合、手袋は、上記のように製造し、剥離により成形器から除去し、且つ内側を再度外側に向けて処理表面を手袋の外部表面に戻す(成形器上で又は成形器から外して)ことができる。ベシクルを内側表面及び外側表面の両方に適用するために、適用の最適温度まで材料を再加熱することを必要とし得、又は(製造中のエラストマー材料の温度が高くなり過ぎないという条件で)プロバイオティック材料を成形器に適用し得る。
ベシクルは、プロバイオティクスを含有するために外側コーティング又は外皮を含み得る。このコーティングは、ベシクルが貯蔵中にその形態を保持できるように十分に強力でなければならないが、物品が着用者の皮膚と接触したときにベシクルが破裂できるように十分に弱くなければならない。実施形態において、使用者の手の水分がベシクルコーティングを溶解させて、内側に保持されたプロバイオティクスを放出させるように、外皮は、可溶性又は部分的に可溶性である材料から形成され得る。この場合に得られる物品は、非常に乾燥した条件下で貯蔵される必要があり、これは常に可能ではないことがあり得る。
物品が着用されたときに生じる、含有するエラストマー材料の変形も、ベシクルを破裂させ得る力をベシクルに与えることができる。一般に、物品は、関係する身体部分(例えば、エラストマー手袋の場合には手)にフィットするためにわずかに伸長される必要があるような程度に十分に小さいであろう。ベシクルは表面材料中に埋め込まれ、材料が硬化すると表面材料に付着される傾向があるため、図5に示されるように、着用されると、ベシクルを包囲する材料の伸長はベシクルを破裂させるのに十分であり得る。ここで、手袋の表面材料2は、ベシクル4を破裂させて、プロバイオティクス又はプロバイオティック含有混合物13を放出させるために、矢印で示される方向に伸長されている。
実施形態において、ベシクルは、表面に垂直に加えられる圧力がベシクルを破裂させるのに十分にならないように物品の表面に十分に深く埋め込まれている。このように、ベシクルが破裂してプロバイオティクスが不安定化する危険がなく、物品を積み重ねるようにして貯蔵することができる。この場合、着用者が着用可能な物品を着用したときに、ベシクルを破壊するために材料の伸長が必要とされるであろう。他の実施形態では、ベシクルは、表面に垂直な圧力がかけられると破裂することができる。この場合、物品は、着用時ほど伸長することを必要としない(特に、使用中、ベシクルは着用者の皮膚からの圧力下で破壊される)。貯蔵中にベシクルにかかる垂直な力が十分である可能性がある場合、輸送又は貯蔵中にビヒクルを破裂される圧力がかからないように、物品は、箱又はより小さいパイル(pile)内に保持されることが必要であり得る。
エラストマー手袋上にプロバイオティック層を提供するための好ましい方法が以下に記載される。エラストマー手袋の特定の例が記載されるが、本方法は、プロバイオティック層を他の物品に適用するために使用することができる。
本方法は、その成形器上の手袋を、プロバイオティクスを含有する流体の液滴で構成された薄いミストを含有するトンネルに通過させることを含む。このミストは、超音波霧化技術を用いて生成される。超音波ノズルは、高周波振動(圧電トランスデューサにより生じる)を使用して、ノズル先端でフィルム内に波を引き起こす。波の特定の振幅が達成されると、フィルムの液滴が落下してミストを形成する。この技術は、極めて微細なミストの生成を可能にし、使用される振動の特性を調整することにより、ミストの特徴(例えば、粒径)を極めて正確に制御することができる。
図6は、この方法を示す。図は、製造ラインを示し、依然として成形器上にある複数の手袋13が搬送ベルト14に沿ってトンネル15内に運ばれる。リザーバー16はプロバイオティック含有流体を保持し、この流体は、容器又は管17に沿ってトンネル内の噴霧ノズルまで流れるか又はポンピングされる。プロバイオティック流体は、トンネル内に含有される流体の小滴のミスト又は霧を生成するために上記の超音波技術を用いて、トンネル内で手袋に適用される。手袋及び成形器がトンネルを通過する際、液滴が手袋の表面に付着して、その上にプロバイオティック層を形成する。処理された手袋18はトンネルを出る。
トンネルは、任意の防水性材料から形成することができ、且つ永久的に設置され得るか、又はある程度の柔軟性を提供するために折り畳み可能且つ取り外し可能であり得る。加えて、トンネルは必ずしも円筒形である必要はなく、任意の形状、例えば直方体であり得る。搬送ベルトの代わりに、手袋は、移動フレームから吊り下げられて、このようにトンネルを通過させられ得る。
適用方法は、1つの噴霧装置のみを用いても機能し得るが、流体の一様なコートを手袋に適用するために、いくつかの装置(それぞれが1つ又は複数の噴霧ノズルを有する)が、トンネルの内側表面の周りに且つそれに沿って離間して配置されることが好ましい。ノズルは、トンネルの入口の周り(及び/又は出口の周り)に位置決めされ得、又はトンネルの口の周りに等間隔に位置決めされ得る。例えば、円形の入口及び/又は出口の周りに30度の間隔で12個の噴霧装置が位置決めされ得る。加えて、噴霧装置は、管の内側に沿って、例えば全長にわたって間隔を置いて位置決めされ得る。リザーバーから、トンネルに沿って間隔を置いて位置決めされた異なるノズル若しくはノズルシステムへいくつかの管が通っていることができ、又は管は、ノズルのそれぞれに通じるいくつかの出口を含み得る。好ましくは、できるだけ一様なコーティングを提供するために、ノズルは、トンネルに沿って且つ円周又は外周に等間隔で離間して配置される。
トンネル内に含有されるミストの密度はかなり一貫しているため、結果として適用されるプロバイオティック流体コーティングは、均一又はほぼ均一になる。成形器上にある間の手袋の外側表面は、最終的に手袋の内側表面(使用中に着用者の皮膚と接触し得る)を形成することになるため、トンネル内で適用されたコーティングは、手袋の最終的な内側表面になる。コーティングの厚さは、トンネルの長さ又はその中で生成されるミストの密度を変化させることにより、必要に応じて調整することができる。
加えて、所望の厚さのコーティングが適用されることを保証するために、トンネルの長さは、製造ラインの速度(搬送ベルトの移動速度に影響を与え得る)に応じて調整する必要があり得る。製造プロセスに適合するようにトンネルの長さを調整する可能性は、プロバイオティック層の適用によって製造プロセスができるだけ変更されないことを保証する。従って、このステップを従来の製造プロセスに組み込むことは、安価であり、且つ簡単なはずであり、その結果、プロバイオティック層を有する手袋を提供することの利益は、製造における付加的なコスト、従って手袋を得る上での付加的なコストを上回るであろう。
手袋は、通常の硬化プロセス中、トンネルを通過させることができる。その結果、プロバイオティック層の適用は製造時間を増大させず、プロバイオティック層を含まない従来のエラストマー手袋を製造するために現在使用されているプロセスに対して最小限の調整が必要とされる。プロバイオティクスは、プロバイオティック流体の浴槽に手袋を浸すことにより、又は従来の噴霧ピストルを使用することにより適用することができるが、製造プロセスを減速させず、且つ着用者にとってより快適である乾燥感を最終製品に与えるという点で、上記の超音波噴霧技術が好ましい。
本発明の実施形態は、図示される実施例を特に参照して記載された。しかしながら、記載される実施例に対し、本発明の範囲内で変化形態及び修正形態がなされ得ることが認識されるであろう。

Claims (30)

  1. エラストマー材料から形成され、且つ表面を有する手袋であって、安定化プロバイオティックが前記表面の一部上に提供されて活性層を形成し、及び前記表面の前記一部が着用者の皮膚と接触する、手袋。
  2. 前記活性層が前記皮膚接触表面の全体に提供される、請求項1に記載の手袋。
  3. 前記活性層が実質的に均一であるように適用される、請求項1又は2に記載の手袋。
  4. 前記活性層が前記表面から0.01〜10ミクロンの深さまで延在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の手袋。
  5. 前記活性層が1ミクロン〜0.5mmの範囲の厚さを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の手袋。
  6. 前記プロバイオティクスが、正常な人の皮膚細菌叢の一部を構成する微生物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の手袋。
  7. 前記活性層中のプロバイオティクスの濃度が500〜5000CFU/cmの範囲である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の手袋。
  8. 前記プロバイオティクスがベシクル内にカプセル化されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の手袋。
  9. 前記ベシクルが、1〜300ミクロンの平均最大寸法径を有する、請求項8に記載の手袋。
  10. 前記物品が着用されるときに前記ベシクルの少なくとも一部が破裂して、前記プロバイオティクスの少なくとも一部を前記着用者の前記皮膚へ移行させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の手袋。
  11. 前記活性層が粉末の形態である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の手袋。
  12. 前記活性層が流体、クリーム又はゲルの形態である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の手袋。
  13. 前記表面が摂氏27〜60度の温度であるとき、前記活性層が前記物品に適用されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の手袋。
  14. 前記活性層が、1つ又は複数のスプレーガンを用いて前記表面上に噴霧されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の手袋。
  15. 前記活性層が粘着剤物質をさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の手袋。
  16. 表面を有する着用可能な物品であって、安定化プロバイオティックが前記表面の一部上に提供されている、物品。
  17. エラストマー手袋を製造するための方法であって、
    前記手袋を作るための材料を所望の形状に形成することと、
    前記手袋の皮膚接触表面上に安定化プロバイオティック材料を提供して、活性層を形成することと
    を含む方法。
  18. 前記材料を前記表面の少なくとも一部上に提供することが、スプレーガンを用いて前記材料を前記表面上に噴霧することを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記表面が摂氏27〜60度の温度であるとき、前記材料が前記表面上に提供される、請求項17又は18に記載の方法。
  20. 前記材料を前記表面上に提供する前に前記プロバイオティック材料をベシクル内にカプセル化することをさらに含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記手袋を冷却及び硬化させることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
  22. 前記所望の形状を形成するために成形器が使用され、及び前記方法が、前記成形器上にあるときの外部表面が前記手袋の内部表面になるように前記手袋を前記成形器から剥離することをさらに含む、請求項17〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記安定化プロバイオティック材料が、前記手袋に適用される前に超音波霧化を用いてミストに形成される、請求項17〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記ミストがトンネル内で形成され、及び前記手袋が、前記プロバイオティック物質を前記表面に適用するために前記トンネルを通過させられる、請求項23に記載の方法。
  25. 前記手袋が搬送ベルト上で前記トンネルを通過させられる、請求項24に記載の方法。
  26. 着用可能な物品を製造するための方法であって、
    前記着用可能な物品を作るための材料を所望の形状に形成することと、
    前記物品の表面の少なくとも一部上に安定化プロバイオティック材料を提供することと
    を含む方法。
  27. 手袋であって、実質的に添付図面の図1〜6及び7Bの任意の1つ又は複数に図示され、且つ/又はそれを参照して説明される手袋。
  28. 着用可能な物品であって、実質的に添付図面の図1〜6及び7Bの任意の1つ又は複数に図示され、且つ/又はそれを参照して説明される着用可能な物品。
  29. エラストマー手袋を製造するための方法であって、実質的に添付図面の図1〜6及び7Bの任意の1つ又は複数に図示され、且つ/又はそれを参照して説明される方法。
  30. 着用可能な物品を製造するための方法であって、前記着用可能な物品が、実質的に添付図面の図1〜6及び7Bの任意の1つ又は複数に図示され、且つ/又はそれを参照して説明される、方法。
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