JP2019220807A - 発振器、電子機器、および移動体 - Google Patents

発振器、電子機器、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】弾性部材を伝わって広がる導電性接着剤に起因する振動素子の発振特性の低下を抑制する。【解決手段】発振器は、基板と、振動素子と、振動素子が支持されている弾性部材41、42と、を備える。弾性部材は、基板と接続されている接続部41aと、振動素子に樹脂接着材を介して接続されている支持部41d、41eと、接続部と支持部とが連結されている連結部41b、41cと、を含む。支持部は、振動素子の主面に垂直な方向に沿った平面視において、振動素子と重なる第1部分41r、41sと、第1部分から、振動素子と重ならない位置に突出している第2部分41n、41kと、を有する。第1部分と連結部とは、第2部分を介して連結されている。【選択図】図4

Description

本発明は、発振器、電子機器、および移動体に関する。
従来、複数の弾性部材による3以上の支持部を介し、接着剤として、例えば導電性接着剤を用いて振動素子を支持することにより、振動素子の固定強度を確保しつつ、振動素子の特性低下を防止することが可能な振動デバイスが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−32244号公報
上述の特許文献1に記載されている振動デバイスでは、支持部において導電性接着剤によって弾性部材と振動素子とが接続されている。しかしながら、このような接続構成では、振動素子を支持部に接続するための導電性接着剤が、弾性部材を伝わって支持部からずれた位置まで広がることにより、振動素子の実質的な支持位置がずれてしまうおそれがあった。
本形態の発振器は、基板と、振動素子と、前記振動素子が支持されている弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記基板と接続されている接続部と、前記振動素子に接合部材を介して接続されている支持部と、前記接続部と前記支持部とが連結されている連結部と、を含み、前記支持部は、前記振動素子の主面に垂直な方向に沿った平面視において、前記振動素子と重なる第1部分と、前記第1部分から、前記振動素子と重ならない位置に突出している第2部分と、を有し、前記第1部分と前記連結部とは、前記第2部分を介して連結されていることを特徴とする。
上述の発振器において、前記平面視において、前記振動素子は、円形形状をなしており、前記第1部分は、前記平面視において、前記振動素子の保持基準点と、前記振動素子の中心とを結ぶ仮想線を基準として、±12度の範囲内に設けられていることが好ましい。
上述の発振器において、前記第1部分は、前記平面視において、前記振動素子の前記保持基準点と、前記振動素子の中心とを結ぶ前記仮想線を基準として、±10度の範囲内に設けられていることが好ましい。
上述の発振器において、前記保持基準点は、前記振動素子の応力に対する発振周波数変動が0となる前記振動素子の位置であることが好ましい。
上述の発振器において、前記第1部分は、前記第2部分より幅広であることが好ましい。
上述の発振器において、前記振動素子と前記第1部分とは、前記接合部材で接続され、前記接合部材は、樹脂接着剤であり、前記樹脂接着剤の粘度は、700±100[dPa・s]の範囲内にあることが好ましい。
上述の発振器において、前記弾性部材は、前記振動素子と接続されている複数の支持部と、前記複数の支持部のそれぞれと前記接続部とが、それぞれ連結されている複数の連結部と、を含んでいることが好ましい。
上述の発振器において、前記弾性部材は、金属板で構成され、前記連結部は、前記平面視で細長形状に延在し、且つ屈曲部を備えていることが好ましい。
上述の発振器において、前記振動素子は、SCカット水晶振動素子であることが好ましい。
本形態の電子機器は、上記のいずれか一つに記載の発振器と、前記発振器の出力信号に基づく信号処理を行う処理回路と、を備えていることを特徴とする。
本形態の移動体は、上記のいずれか一つに記載の発振器と、前記発振器の出力信号に基づく信号処理を行う処理回路と、を備えていることを特徴とする。
第1実施形態に係る発振器の概略構成を示す平面図。 第1実施形態に係る発振器の概略構成を示す図1のA−A’断面図。 SCカット水晶基板の構成を示す概略図。 弾性部材としての板バネの構成例を示す平面図。 板バネの構成例を示す正面図。 振動素子に対する板バネの取り付け位置を示す平面概念図。 振動素子の理想支持位置を説明するグラフ。 発熱素子の概略を模式的に示す正断面図。 第1実施形態に係る発振器の衝撃による周波数変化量を示すグラフ。 従来構造の発振器(比較例)の衝撃による周波数変化量を示すグラフ。 板バネの変形例1を示す平面図。 板バネの変形例2を示す平面図。 板バネの変形例2を示す正面図。 第2実施形態に係る発振器を示す平面図。 第2実施形態に係る発振器を示す図14のB−B’断面図。 第3実施形態に係る発振器の概略を示す正断面図。 電子機器の一例を示す機能ブロック図。 基地局の概略構成の一例を示すブロック図。 移動体の一例である自動車の構成を示す斜視図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
先ず、図1および図2を参照し、第1実施形態に係る発振器について説明する。図1は、第1実施形態に係る発振器の概略構成を示す平面図である。図2は、第1実施形態に係る発振器の概略構成を示す図1のA−A’断面図である。なお、図を分かり易くするため、図1は、蓋部材を省略(透視)した図としている。
図1および図2に示すように、第1実施形態に係る発振器100は、振動基板31の表裏の関係の両平面である第1の主面31aおよび第2の主面31bに励振電極32a,33aが形成された振動素子30と、振動素子30を支持する弾性部材としての板バネ41,42と、振動素子30や板バネ41,42を収納するパッケージ10と、パッケージ10との間に収納空間(搭載する空間)としての内部空間100aを形成する蓋部材としてのリッド20と、を有している。加えて、発振器100は、パッケージ10を構成する基板としてのベース基板11の外部平面の第2の面11bに、発熱素子50が備えられている。以下、振動素子30、パッケージ10、板バネ41,42、発熱素子50、およびリッド20について順次説明する。
(振動素子)
振動素子30は、圧電材料の一例である水晶により形成されたSCカット水晶基板(圧電基板)が振動基板31として用いられている。ここでSCカット水晶基板(圧電基板)について、図3を参照して説明する。図3は、SCカット水晶基板の構成を示す概略図である。
図3に示すように、本例のSCカット水晶基板1は、直交座標系(X,Y,Z)の2回の回転(φ1、θ1)を経て得られる水晶基板である。水晶結晶は三方晶系に属し、互いに直交する結晶軸X軸、Y軸、Z軸を有する。X軸、Y軸、Z軸は、夫々電気軸、機械軸、光学軸と呼称される。Z軸は、Z軸の回りに120°毎にX軸、Y軸の組がある3回対称軸であり、X軸は2回対称軸である。図3に示すように、水晶結晶の構成は、電気軸としてのX軸、機械軸としてのY軸、光学軸としてのZ軸からなる直交座標系(X,Y,Z)を用いて記述される。
図3に示すように、SCカット水晶基板1は、まず直交座標系(X,Y,Z)のX軸の回りに所定角度φ1(例えば34度)を回転し、この回転により得られた新たな直交座標系(X,Y’,Z’)のZ’軸の回りに所定角度θ1(例えば22度)を回転し、この回転により得られた直交座標系を(X’,Y”,Z’)とする。厚さ方向がY”軸方向と平行であり、両主面がX’Z’面(X’軸とZ’軸とで構成する平面)を含む矩形状の基板を切り出すと、通常のSCカット水晶基板1が得られる。そして、このSCカット水晶基板1から切り出された平板が、本実施形態の振動基板31(振動素子30)として用いられる。
なお、SCカット水晶基板1は、上述した直交座標系(X,Y,Z)の2回の回転(φ1、θ1)に続き、直交座標系(X’,Y”,Z’)のY”軸の回りに所定角度を回転させた新たな直交座標系(X”,Y”,Z”)において、厚さ方向がY”軸方向と平行であり、両主面がX”Z”面(X”軸とZ”軸とで構成する平面)を含む矩形状の基板とすることができる。
なお、本発明に係る水晶基板は、前述のようなSCカットに限定されるものではなく、厚みすべり振動で振動するATカット、BTカット、等の他の圧電基板にも広く適用できる。例えば、ATカット水晶基板の場合は、Y軸およびZ軸共にX軸を回転軸として略35°15′回転させて、夫々Y’軸、およびZ’軸とする。したがって、ATカット水晶基板は、直交する結晶軸X、Y’、Z’を有する。ATカット水晶基板は、厚さ方向がY’軸方向に沿っており、Y’軸に直交するXZ’面(X軸およびZ’軸を含む面)を含む面が主面であり、厚みすべり振動を主振動として振動する。このATカット水晶基板を加工して、振動素子30の素板としての振動基板31を得ることができる。また、振動素子30としては、上記以外にも、弾性表面波共振子や、MEMS(MICRO Electro Mechanical Systems)振動素子でも構わない。さらに、上記の振動素子30の基板材料としては、水晶の他、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電単結晶や、ジルコン酸チタン酸鉛等の圧電セラミックス等の圧電材料、又はシリコン半導体材料等を用いてもよいし、上記の振動素子の励振手段としては、圧電効果によるものを用いてもよいし、クーロン力による静電駆動を用いてもよい。
図1および図2に示すように、本実施形態の振動素子30は、前述したSCカット水晶基板1が適用された円形形状の板状(円板状)の振動基板31を用いたSCカット水晶振動素子である。振動素子30は、円板状の振動基板31の、互いに表裏の関係にある第1の主面31aと第2の主面31bに、電極として励振電極32a,33a、および接続電極32b,33bが形成されている。
励振電極32aは、略円形をなしており、振動基板31(振動素子30)における第1の主面31a(表の主面)の中央部に形成されている。また、接続電極32bは、第1の主面31aの一方の外周端側に形成されており、一方の端部が励振電極32aに接続され、他方の端部が振動基板31の外縁に向かって延設されている。また、励振電極33aは、略円形であり、振動基板31(振動素子30)における第2の主面31b(裏の主面)の中央部にあって、平面視で、表側の励振電極32aとほぼ重なるように形成されている。接続電極33bは、第2の主面31bの一方の外周端側に、平面視で、第1の主面31aの接続電極32bとほぼ重なるように形成されており、一方の端部が励振電極33aに接続され、他方の端部が振動基板31の外縁に向かって延設されている。
なお、本形態では、接続電極32bと接続電極33bとが、平面視で45度ほどずれた位置に配置されているが、接続電極32bと接続電極33bとの配置はこれに限らない。接続電極32bと接続電極33bとは、板バネ41,42に支持され、電気的接続が可能な位置に接続電極33bが配置されていればよく、接続電極32bと接続電極33bとが、例えば、平面視でほぼ重なるように配置されていてもよいし、本形態と異なる角度で配置されていてもよい。
(パッケージ)
図1および図2に示すパッケージ10は、底板となる基板としてのベース基板11と、ベース基板11の第2の面11bの反対面の振動素子30が載置される第1の面11aの周縁部に設けられている枠状の側壁12とを有している。パッケージ10は、振動素子30を収納するものである。また、側壁12の上面には、接合材としてのシールリング60が設けられている。
パッケージ10は、上面に開放する収納空間としての凹部(内部空間100a)を有している。凹部の開口は、接合材としてのシールリング60を介して側壁12に接合されている蓋部材としてのリッド20によって塞がれている。そして、パッケージ10は、凹部の開口がリッド20によって塞がれ、密封された内部空間100a(収納空間)が設けられる。密封された内部空間100aは、その内部圧力を所望の気圧に設定できる。例えば、内部空間100aに窒素ガスを充填しての大気圧としたり、真空(通常の大気圧より低い圧力(1×105Pa〜1×10-10Pa以下(JIS Z 8126−1:1999))の気体で満たされた空間の状態)としたりすることで、より安定した振動素子30の振動を継続することができる。なお、本実施形態の内部空間100aは、上記の真空に設定されている。
枠状の側壁12は、略四角形の周状に設けられており、上記凹部の上面に開口する開口形状が略四角形状をなしている。そして、板状のベース基板11と側壁12とに囲まれた凹部が振動素子30を収納する内部空間(収納空間)100aとなる。側壁12の上面に配設されている接合材としてのシールリング60は、例えばコバール等の合金で形成されている。シールリング60は、リッド20と側壁12とを接合する接合材としての機能を有しており、側壁12の上面に沿って枠状(本実施形態では略四角形状の周状)に設けられている。なお、側壁12の開口形状は、略四角形状に限定されるものではなく、他の形状であってもよく、その場合には、側壁12の開口形状に適合させた形状を有する枠状のシールリング60が配設される。
パッケージ10は、振動素子30やリッド20の熱膨張係数と一致、あるいは極力近い熱膨張係数を備えた材料によって構成され、本実施形態では、セラミックを用いている。パッケージ10は、所定の形状に成形されたグリーンシートを積層し、焼結することによって形成される。なお、グリーンシートは、例えば所定の溶液中にセラミックのパウダーを分散させ、バインダーを添加して生成される混練物がシート状に形成された物である。
パッケージ10を構成するベース基板11の第1の面11aには、少なくともPAD電極71a,71b,72が設けられている。PAD電極71aには導電性を有する導電性接着剤81を介して弾性部材としての板バネ41が接合され、PAD電極71bには後述するボンディングワイヤー90の一端が接続されている。また、PAD電極72には接合部材としての樹脂接着剤83を介して、弾性部材としての板バネ42が接合されている。PAD電極71a,71b,72は、例えば、銀・パラジウムなどの導電ペーストあるいはタングステンメタライズなどを用い、必要とされる形状を形成後に焼成を行い、その後ニッケルおよび金あるいは銀などをメッキすることによって形成される。少なくともPAD電極71a,71bは図示しないパッケージ10に形成された引回し配線によってベース基板11の第2の面11bに形成された外部接続電極11cと電気的に接続されている。
そして、PAD電極71aは、導電性接着剤81、板バネ41を介して、接合部材としての導電性を有する樹脂接着剤である導電性樹脂接着剤82aによって振動基板31の第2の主面31bに形成された励振電極33aの接続電極33bと電気的に接続されている。また、PAD電極71bは、ボンディングワイヤー90によって、振動基板31の第1の主面31aに形成された励振電極32aの接続電極32bと電気的に接続されている。
PAD電極72は、少なくとも対向するベース基板11の第1の面11aと、振動基板31の第2の主面31bと、の間隙(クリアランス)を形成し、振動素子30とベース基板11との接触を低減させる。更には、樹脂接着剤83の広がりを抑制するために、金属面のPAD電極72上に樹脂接着剤83を塗布することが好ましい。このように、PAD電極71a上に導電性接着剤81を介して板バネ41を接続するとともに、PAD電極72上に樹脂接着剤83を介して板バネ42を接続することで、板バネ41および板バネ42は同様の構成によって、ベース基板11に配置されることになる。すなわち、板バネ41および板バネ42は、ベース基板11の第1の面11aおよび凹部11dの底面と略平行な状態を保つことができる。したがって、板バネ41に導電性樹脂接着剤82a、および樹脂接着剤82bを介し接続され、且つ板バネ42に樹脂接着剤84a,84bを介して接続されている振動素子30は、ベース基板11の第1の面11aおよび凹部11dの底面と略平行な状態を保つことができる。これにより、振動基板31とベース基板11とを略平行に保つことができるため、ベース基板11の第1の面11aと、振動素子30の第2の主面31bとが接触する可能性を低減することもできる。なお、振動素子30の接地電極としてPAD電極72と接合させる場合には、導電性を有する樹脂接着剤83を用いるが、電気的な接続を要しない場合には絶縁性の接合材料を用いてもよい。また、樹脂接着剤82b、および樹脂接着剤84a,84bは、導電性の有無は問わず、適宜いずれかを選択することが可能である。
(板バネ)
ここで、図4、および図5を参照しながら、弾性部材としての板バネ41,42の詳細について説明する。図4は、弾性部材としての板バネの構成例を示す平面図である。図5は、板バネの構成例を示す正面図である。なお、板バネ41と板バネ42と、は同じ構成であるので、以下では、板バネ41によって説明し、板バネ42の説明は省略する。
弾性部材としての板バネ41は、図4に示すように、厚みt=0.05mm程度の板材から形成されている。板バネ41は、PAD電極71aと接続される接続部としての基部41aと、振動素子30と接続される複数の支持部としての第1支持部41dおよび第2支持部41eと、基部41aと第1支持部41dおよび第2支持部41eのそれぞれとの連結部としての第1支持腕41bおよび第2支持腕41cと、が設けられている。第1支持腕41bおよび第2支持腕41cは、二つの連結部として基部41aから互いに離間する方向に延設されている。なお、第1支持腕41bの延設端部には第1支持部41dが延設され、第2支持腕41cの延設端部には第2支持部41eが延設されている。そして、第1支持部41dおよび第2支持部41eは、振動素子30を支持する。
このように、ベース基板11に接続された弾性部材としての板バネ41に連結された複数の支持部である第1支持部41dおよび第2支持部41eに振動素子30が接続されている。すなわち、振動素子30は、ベース基板11に対して板バネ41を構成する複数の連結部である第1支持腕41bおよび第2支持腕41cを介した複数の支持部である第1支持部41dおよび第2支持部41eで支持されている。したがって、振動素子30が2箇所以上の位置でベース基板11と接続されていることから、外部からの応力がかかっても、2箇所以上の支持部(第1支持部41dおよび第2支持部41e)および複数の連結部(第1支持腕41bおよび第2支持腕41c)で応力を分散できるため、例えば、応力変化による振動素子30の振動特性変動、スプリアス、などの発生を低減することができる。
支持部としての第1支持部41dは、振動素子30の第1の主面31aに垂直な方向に沿った平面視において、振動素子30と重なる第1部分41rと、第1部分41rから振動素子30と重ならない位置に突出している第2部分41nと、を有している。即ち、第1支持部41dの第1部分41rと第1支持腕41bとは、第2部分41nを介して連結されている。また、支持部としての第2支持部41eは、振動素子30の第1の主面31aに垂直な方向に沿った平面視において、振動素子30と重なる第1部分41sと、第1部分41sから振動素子30と重ならない位置に突出している第2部分41kと、を有している。即ち、第2支持部41eの第1部分41sと、第2支持腕41cとは、第2部分41kを介して連結されている。なお、第1部分41r,41sは、それぞれ連結されている第2部分41n,41kよりも幅広に構成されている。換言すれば、第2部分41n,41kは、それぞれ連結されている第1部分41r,41sよりも幅狭に構成されている。このように第1部分41r,41sの幅と第2部分41n,41kの幅との構成とすれば、幅広の第1部分41r,41sで振動素子30を確実に支持することができ、接続強度を高めることができる。また、幅の狭い第2部分41n,41kにより、接合部材の広がりを留め易くすることができる。
連結部としての第1支持腕41bは、複数の屈曲部41fによる折り返し形状を設けながら、細幅状(細長形状)に延在するように設けられている。そして、屈曲部41fは、細幅状の延設部41iを介して第2部分41nに連結されている。また、連結部としての第2支持腕41cは、複数の屈曲部41gによる折り返し形状を設けながら、細幅状(細長形状)に延在するように設けられている。そして、屈曲部41gは、細幅状の延設部41hを介して第2部分41kに連結されている。このように、第1支持腕41bおよび第2支持腕41cに、それぞれ複数の屈曲部41f,41gを設けることにより、図5に示す矢印W方向への板バネ41の撓み易さを増すことができ、振動素子30を板バネ41に接続したときに、振動素子30のW方向への振動、あるいは外乱による移動に対して、より緩衝効果を高めることができる。
なお、第1支持腕41bおよび第2支持腕41cは、図4に示すように、振動素子30の外縁に沿って延在されることが好ましい。第1支持腕41bおよび第2支持腕41cが、振動素子30の外縁に沿って延在されることで板バネ41の平面に沿った方向(W方向に交差する方向)の第1支持腕41bおよび第2支持腕41cの剛性を高めることができ、振動素子30の励振方向に交差する方向の外乱の影響を受けにくい発振器100を得ることができる。
板バネ41と同様の構成を有する板バネ42は、延設された端部に第1支持部42dおよび第2支持部42eを有している。そして、第1支持部42dおよび第2支持部42eは、接合部材としての樹脂接着剤84a,84bを介して振動素子30を支持する。
板バネ41,42は、銅合金の一例であるりん青銅などのバネ性(弾性)を有する金属板材を、エッチング加工などを用いることによって形成することができる。なお、板バネ41,42の材料としては、弾性材であれば特に限定されないが、銅、他の銅合金(例えばベリリウム銅)を用いることが好適である。銅、りん青銅、あるいはベリリウム銅などの他の銅合金は、高導電性であり、熱伝導性が良く、且つ良好なバネ性を有していることから、板バネ41,42として用いることにより、振動素子30への発熱素子50からの熱エネルギーの伝導性を確保しつつ、振動素子30の応力緩和も行うことができる。
なお、板バネ41,42は、接続部としての基部41a,42aをベース基板11に固定し、第1支持部41d,42d、および第2支持部41e,42eによって振動素子30を支持することで、パッケージ10の中空領域である内部空間100aの中に振動素子30を配置することができる。これにより、板バネ41,42は、落下衝撃などの応力が発振器100に加わった場合の衝撃力が、自身の弾性によって吸収され、振動素子30に加わる衝撃力を減少させる、所謂緩衝作用を大きくすることができる。
(振動素子の取り付け)
振動素子30は、パッケージ10の側壁12に囲まれた凹部内に収納されている。振動素子30は、平面視で、第2の主面31bの接続電極33bと、第1支持部41dの第1部分41rとが重なるように配置されている。なお、第1部分41rは、全ての領域が振動素子30と重なるように配置されてもよいし、一部が重なるように配置されてもよい。また、振動素子30と第1支持部41dの第2部分41nの一部とが重なるように配置されてもよい。図4では、振動素子30と第1支持部41dの第1部分41rおよび第2部分41nとが重なる領域にハッチングを施してある。そして、振動素子30は、接続電極33bと、第1部分41rとが、接合部材としての導電性を有する樹脂接着剤、例えばポリイミド樹脂を含む導電性樹脂接着剤82aによって接続されている。
また、振動素子30は、平面視で、振動基板31と、第2支持部41eの第1部分41sとが重なるように配置されている。なお、第1部分41sは、全ての領域が振動基板31と重なるように配置されてもよいし、一部が重なるように配置されてもよい。また、振動素子30と第2支持部41eの第2部分41kの一部とが重なるように配置されてもよい。図4では、振動素子30と第2支持部41eの第1部分41sおよび第2部分41kとが重なる領域にハッチングを施してある。そして、振動素子30は、振動基板31と、第1部分41sとが、接合部材としての樹脂接着剤82bによって接続されている。
このように導電性樹脂接着剤82aによって振動素子30が板バネ41の第1支持部41dの第1部分41rに接続されることにより、導電性樹脂接着剤82aに含まれる樹脂により、振動素子30の応力緩和を図ることができると共に、電気的導通を確保することが可能となる。なお、第2支持部41eでの接続は、電気的導通の必要がないため、接続部材としての樹脂接着剤82bは、導電性を有していなくてもよいが、樹脂接着剤82bに含まれる樹脂により、振動素子30の応力緩和を図ることができる。
なお、第1支持部41dは、振動素子30の第1の主面31aに垂直な方向に沿った平面視において、振動素子30と重なる第1部分41rから振動素子30と重ならない位置に突出している第2部分41nと、を有している。同様に、第2支持部41eは、振動素子30の第1の主面31aに垂直な方向に沿った平面視において、振動素子30と重なる第1部分41sから振動素子30と重ならない位置に突出している第2部分41kを有している。
第1支持部41dおよび第2支持部41eに、第2部分41n,41kを有していることにより、導電性樹脂接着剤82a、および樹脂接着剤82bが、第1支持部41dおよび第2支持部41eを伝わって流れ出しても、振動素子30と重なっていない第2部分41n,41kで流出を止めることができる。即ち、振動素子30の外周方向への接合部材の流れ出し現象を防止することができ、振動素子30の実質的な支持位置に影響を与えずに済むことから、外部からの衝撃に起因して振動素子30に加わる応力に対する感度が変化せず、安定した発振特性を得ることができる。
また、樹脂接着剤である導電性樹脂接着剤82a、および樹脂接着剤82bの粘度は、700±100[dPa・s]の範囲内にあることが好ましい。振動素子30と第1部分41r,41sとの接着において、接合部材としての導電性樹脂接着剤82a、および樹脂接着剤82bの粘度を、700±100[dPa・s]の範囲内とすることにより、導電性樹脂接着剤82a、および樹脂接着剤82bの塗布性を確保することができる。また、導電性樹脂接着剤82a、および樹脂接着剤82bが、第1支持部41dおよび第2支持部41eを伝わって第1部分41r,41sからずれた位置まで広がる、所謂接合部材の流れ出し現象を抑制することができる。
ここで、振動素子30と、板バネ41の第1支持部41dの第1部分41r、および板バネ42の第2支持部41eの第1部分41sとの、好ましい配置関係について、図6、および図7を参照して説明する。図6は、振動素子に対する板バネの取り付け位置を示す平面概念図である。図7は、振動素子の理想支持位置を説明するグラフである。なお、図7のグラフでは、略円形の振動素子30の外縁部分を支持したときの、その支持位置による周波数への影響度を表しており、横軸を振動素子の中心を基点とする角度(Ψ)、縦軸を周波数変化量(Δf/fを表す係数KF)としている。
図1に示して説明したが、本実施形態に係る発振器100は、SCカット水晶基板1を適用し、略円形の外形を有する振動基板31を用いた振動素子30が配設されている。そして、発振器100では、図6に示すように、略円形の振動素子30を、振動素子30の保持基準点の位置において、板バネ41,42の第1支持部41d,42dおよび第2支持部41e,42eによって支持している。
SCカット水晶基板1を適用している振動素子30では、図7に示すように、略円形の振動素子30の外縁部分の支持位置によって、支持応力変化(接合材の応力変化)による周波数変化量に差を生じることが知られている。図7に例示するように、SCカット水晶基板1を適用している振動素子30では、振動素子30の中心G(図6参照)を基点とする角度(Ψ)において、図中破線の丸印で囲む、0度、90度、180度の、90度ごとに支持応力の変化に起因する周波数変化を生じない位置を有している。なお、SCカット水晶基板1を適用している振動素子30では、同図では示されていないが、270度においても支持応力の変化に起因する周波数変化を生じない位置を有している。即ち、発振周波数変動が0(ゼロ)となる90度ごとの支持位置において、振動素子30を板バネ41,42の第1支持部41d,42dおよび第2支持部41e,42eで支持することにより、支持応力の変化に起因する周波数変化が生じないことになる。したがって、本実施形態における保持基準点は、支持位置としている支持応力変化(接合材の応力変化)による発振周波数変化量が0(ゼロ)となる90度ごとの点であり、図6に示すポイントP1,P3およびポイントP2,P4が相当する。但し、第1支持部41d,42dおよび第2支持部41e,42eは、所定の幅を有して振動素子30と重なることになることから、支持応力の変化に起因する周波数変化を生じない0(ゼロ)位置の前後に、所定の幅の支持領域が存在することになる。
そして、この支持領域としては、図6に示すように、振動素子30の応力に対する発振周波数変動が0(ゼロ)となる振動素子30の保持基準点であるポイントP1,P3では、ポイントP1,P3と振動素子30の中心Gとを結ぶ仮想線CL2を基準線として、その前後に配設される仮想線である角度θ1=12度の線分RL3と角度θ2=12度の線分RL4との間の範囲内(±12度の範囲内)に、第1支持部41d,42dと振動素子30との重なる部分が収まるようにすることが好ましい。換言すると、図4を参照して説明した、第1支持部41dの第1部分41rが、線分RL3と線分RL4との間の範囲内に配置されることが好ましい。また、振動素子30の保持基準点であるポイントP2,P4では、ポイントP2,P4と振動素子30の中心Gとを結ぶ仮想線CL1を基準線として、その前後に配設される仮想線である角度θ1=12度の線分RL1と角度θ2=12度の線分RL2との間の範囲内に、第2支持部41e,42eと振動素子30との重なる部分が収まるようにすることが好ましい。換言すると、図4を参照して説明した、第2支持部41eの第1部分41sが、線分RL1と線分RL2との間の範囲内(±12度の範囲内)に配置されることが好ましい。
このように、線分RL3と線分RL4との間の範囲内(仮想線CL2を基準線として、±12度の範囲内)、および線分RL1と線分RL2との間の範囲内(仮想線CL1を基準線として、±12度の範囲内)に、振動素子30と第1支持部41d,42d、および第2支持部41e,42eと、振動素子30との重なる部分が収まることで、振動素子30に加わる応力に対する感度の低い領域において振動素子30を支持することができる。つまり、発振器100は、外部からの衝撃に起因して振動素子30に加わる応力に対する感度が変化せず、安定した発振特性を得ることができる。
なお、線分RL3および線分RL4、線分RL1および線分RL2は、次のように設定されることが更に好適である。線分RL3および線分RL4は、保持基準点であるポイントP1,P3と振動素子30の中心Gとを結ぶ仮想線CL2を基準線として、その前後に配設される仮想線である角度θ1,θ2=10度として設定される。また、線分RL1および線分RL2は、保持基準点であるポイントP2,P4と振動素子30の中心Gとを結ぶ仮想線CL1を基準線として、その前後に配設される仮想線である角度θ1,θ2=10度として設定される。即ち、仮想線CL1,CL2を基準線として±10度の範囲内に、振動素子30と第1支持部41d,42d、および第2支持部41e,42eと、振動素子30との重なる部分が収まる。
このように、発振周波数変動が0(ゼロ)となる点(保持基準点)である振動素子30のポイントP1,P2,P3,P4に対して±10度の範囲内(±10度の範囲内)で振動素子30を支持することにより、接合部材の広がり範囲がばらついても、この範囲内に接合部材の広がりを留めることができる。換言すれば、振動素子30に加わる応力に対する感度の低い領域において振動素子30を支持することができ、外部からの衝撃に起因して振動素子30に加わる応力に対する感度の変化を低減でき、安定した発振特性を得ることができる。
なお、ベース基板11の第1の面11a側には、発振器100に外部からの衝撃力などによって、振動素子30とベース基板11との不用意な接触を低減するため、図1および図2に示すように、凹部11dが設けられていてもよい。凹部11dは、図1に示すように、平面視において、少なくとも、板バネ41,42の第1支持部41d,42d、および第2支持部41e,42eに干渉しない領域となるように凹部側壁11eを有する平面形状で形成する。
(リッド)
蓋部材としてのリッド20は、板状の部材である。リッド20は、パッケージ10の上面に開放する凹部(収納空間)の開口の周囲を、例えばシーム溶接法などを用いて接合され、パッケージ10の上面に開放する凹部(収納空間)の開口を塞いでいる。本実施形態のリッド20は、板状であるため形成が行い易く、さらには形状の安定性にも優れる。リッド20には、コバールの板材が用いられている。リッド20にコバールの板を用いることで、封止の際に、コバールで形成されているシールリング60とリッド20とが同じ溶融状態で溶融され、さらには合金化もされ易いため封止を容易に、且つ確実に行うことができる。なお、リッド20には、コバールに換えて他の材料の板材を用いてもよく、例えば、42アロイ、ステンレス鋼などの金属材料、またはパッケージ10の側壁12と同じ材料、本実施形態ではセラミック、などを用いることができる。なお、リッド20とパッケージ10との接合は、上記のシーム溶接法に限らず、例えば、樹脂、ガラス等の接着剤として機能する接合部材を介して接合してもよいし、リッド20とパッケージ10との接合部材として前述の樹脂やガラス等を用いる場合には、リッド20を樹脂やガラス等を用いることもできる。
(発熱素子)
発熱素子について図8を用いて概略を説明する。図8は、発熱素子の概略を模式的に示す正断面図である。図8に示す発熱素子50は、ベース基板11に接続された板バネ41,42を介して接続される振動素子30を加熱し、振動素子30の温度を一定に保つ、所謂恒温機能を有している電子部品である。
図8に示すように、基体としての発熱素子50は、半導体などから形成された基板51の機能面側に、パワートランジスターまたは発熱抵抗体などから構成される発熱体52、温度センサー53、機能素子54などが配設されている。発熱体52は、温度センサー53で検出された信号に基づいて温度コントロールされ、一定温度を保つことができる。機能面上には、電気的に絶縁体である中間層55が設けられている。中間層55の上面には、発熱体52に対向するように設けられた熱伝導層56と、発熱体52あるいは機能素子54などと、接続配線層57や図示しない他の配線層あるいは貫通電極58などを用いて接続された外部接続電極59が設けられている。熱伝導層56は、発熱体52に対向するように設けられることにより、広い面積で発熱体52からの熱(熱エネルギー)を熱伝導層56に伝えることができる。換言すれば、効率よく発熱体52の熱を熱伝導層56に伝えられる。なお、発熱素子50は、前述の中間層55を設けられていない構成など、他の構成であってもよい。また、発熱素子50は、少なくとも発熱体52を備えていればよく、発熱体52、温度センサー53、機能素子54等は、同一の基板51上に形成されていなくてもよい。
図1および図2に示すように、発熱素子50は、パッケージ10を構成するベース基板11の第2の面11bに熱伝導層56を密着させて、樹脂接着剤(図示せず)などによって固定されている。発熱素子50に設けられている外部接続電極59は、図1には図示されていない発熱素子接続電極に電気的に接続され、パッケージ10のベース基板11の第2の面11bに設けられている外部接続電極11cと電気的に接続されている。
発熱素子50からの熱(熱エネルギー)は、熱伝導層56または外部接続電極59等を介してベース基板11に伝えられる。ベース基板11に伝えられた熱は、真空気密に保持された内部空間100aには伝達され難いため、ベース基板11の第1の面11aに固定された板バネ41,42の基部41a,42aにPAD電極71a,72を介して伝達される。
上述したように、板バネ41,42はりん青銅などの金属、すなわち熱伝導率の高い材料で構成されていることから、基部41a,42aに伝わった熱は効率よく第1支持部41d,42d、および第2支持部41e,42eへ伝えられる。そして、第1支持部41d,42dおよび第2支持部41e,42eから振動素子30へ発熱素子50からの熱が送られる。
以上説明した第1実施形態に係る発振器100によれば、第1支持部41dおよび第2支持部41eが、振動素子30と重なる第1部分41r,41sと、第1部分41r,41sから振動素子30と重ならない位置に突出している第2部分41n,41kとを有している。したがって、接合部材である導電性樹脂接着剤82a、および樹脂接着剤82bが、第1支持部41dおよび第2支持部41eの第1部分41r,41sから第2部分41n,41kへ伝わって広がったとしても、第2部分41n,41kは振動素子30と重なっていないことから、広がった導電性樹脂接着剤82a、および樹脂接着剤82bが振動素子30に接触することが無い。これにより、導電性樹脂接着剤82a、および樹脂接着剤82bが広がっても、振動素子30の実質的な支持位置に影響を与えずに済むことから、外部からの衝撃に起因して振動素子30に加わる応力に対する感度が変化せず、安定した発振特性を得ることができる。なお、板バネ41の第1支持部41dおよび第2支持部41eと同様な構成の、板バネ42の第1支持部42dおよび第2支持部42eにおいても、同様な効果を奏することができる。
ここで、発振器100に衝撃を加えたときの周波数変動の確認結果を図9に示し説明する。なお、従来構造の発振器に同条件の衝撃を加えたときの周波数変動の確認結果を図10に比較例として示す。図9は、第1実施形態に係る発振器100の衝撃による周波数変化量を示すグラフであり、12N(ニュートン)の衝撃を、1回、3回、5回と繰り返し加えたときのそれぞれの周波数変化量をプロットしたものである。図10は、従来構造の発振器(比較例)の衝撃による周波数変化量を示すグラフであり、図9と同様に、12N(ニュートン)の衝撃を、1回、3回、5回と繰り返し加えたときのそれぞれの周波数変化量をプロットしたものである。
図9のグラフに示されているように、衝撃を累積していったときの、本実施形態に係る発振器100の周波数変化は、図10に示す比較例としての従来構造の発振器と比較して、周波数の変化が明らかに小さい状態で推移していることが分かる。そして、衝撃印加12N×5回のときのバラツキの大きさで比較しても、1/6〜1/8程度に収まっていることが分かる。このように、上述した実施形態の発振器100の構成を用いることにより、耐衝撃特性が向上することを確認することができた。
(板バネの変形例)
次に、板バネの変形例を、図11、図12、および図13を参照して説明する。ここで、図11は、板バネの変形例1を示す平面図である。図12は、板バネの変形例2を示す平面図である。図13は、板バネの変形例2を示す正面図である。なお、上述の第1実施形態と同様の構成は、同符号を付し、その説明を省略する。
(変形例1)
図11に示すように、変形例1に係る板バネ45は、接続部としての基部41aと、支持部としての第1支持部45dおよび第2支持部45eと、基部41aと第1支持部45dおよび第2支持部45eのそれぞれとの連結部としての第1支持腕45bおよび第2支持腕45cと、が設けられている。第1支持腕45bの延設端部には第1支持部45dが延設され、第2支持腕45cの延設端部には第2支持部45eが延設されている。第1支持腕45bは、複数の屈曲部41fによる折り返し形状を設けながら、細幅状(細長形状)に延在するように設けられている。そして、屈曲部41fは、細幅状の延設部45iを介して第2部分45nに連結されている。また、第2支持腕45cは、複数の屈曲部41gによる折り返し形状を設けながら、細幅状(細長形状)に延在するように設けられている。そして、屈曲部41gは、細幅状の延設部45hを介して第2部分45kに連結されている。
第1支持部45dは、振動素子30の第1の主面31aに垂直な方向に沿った平面視において、振動素子30と重なる第1部分45rと、第1部分45rから振動素子30と重ならない位置に突出している第2部分45nと、を有している。ここで、第2部分45nは、第1部分45rから振動素子30の直径方向に沿った方向に突出している。即ち、第1支持部45dの第1部分45rと、第1支持腕45bとは、第2部分45nを介して連結されている。
また、支持部としての第2支持部45eは、振動素子30の第1の主面31aに垂直な方向に沿った平面視において、振動素子30と重なる第1部分45sと、第1部分45sから振動素子30と重ならない位置に突出している第2部分45kと、を有している。ここで、第2部分45kは、第1部分45sから振動素子30の直径方向に沿った方向に突出している。即ち、第2支持部45eの第1部分45sと、第2支持腕45cとは、第2部分45kを介して連結されている。
第1支持腕45bは、複数の屈曲部41fによる折り返し形状を設けながら、細幅状(細長形状)に延在するように設けられている。また、第2支持腕45cは、複数の屈曲部41gによる折り返し形状を設けながら、細幅状(細長形状)に延在するように設けられている。
このような、変形例1に係る板バネ45によれば、前述した第1実施形態と同様な効果を奏することができる。
(変形例2)
前述の第1実施形態では、平板状の板バネ41,42を例示して説明したが、板バネは平板状に限らない。図12、および図13に示すように、変形例2に係る板バネ43は、板厚方向に段加工(ディプレス)されて曲げられた段部Cが設けられている。
変形例2に係る板バネ43は、接続部としての基部43aと、支持部としての第1支持部43dおよび第2支持部43eと、基部43aと第1支持部43dおよび第2支持部43eのそれぞれとの連結部としての第1支持腕43bおよび第2支持腕43cと、が設けられている。第1支持腕43bの延設端部には第1支持部43dが延設され、第2支持腕43cの延設端部には第2支持部43eが延設されている。第1支持腕43bは、複数の屈曲部43fによる折り返し形状を設けながら、細幅状(細長形状)に延在するように設けられている。そして、屈曲部43fは、細幅状の延設部43iを介して第2部分43nに連結されている。また、第2支持腕43cは、複数の屈曲部43gによる折り返し形状を設けながら、細幅状(細長形状)に延在するように設けられている。そして、屈曲部43gは、細幅状の延設部43hを介して第2部分43kに連結されている。
変形例2に係る板バネ43には、基部43aから延在する第1支持腕43bおよび第2支持腕43cのそれぞれの先端部分である延設部43i,43hのそれぞれに段部Cが設けられている。そして、第1支持腕43bの段部Cよりも先端側に第1支持部43dが設けられ、第2支持腕43cの段部Cよりも先端側に第2支持部43eが設けられている。なお、段部Cは、第1支持腕43bおよび第2支持腕43cのそれぞれの先端部分でなく、他の部位に設けられている構成でもよく、あるいは曲げられた部分(段部C)が複数設けられている構成でもよい。
板バネ43のように、段加工された段部Cが設けられていることにより、板バネ43は第1支持部43d、および第2支持部43eの位置だけで振動素子30と接することになり、第1支持腕43b、第2支持腕43c、および基部43aと振動素子30とが接触する可能性を低減することができる。即ち、第1支持腕43bおよび第2支持腕43cと振動素子30との不要な接触による振動特性への影響を低減することが可能となる。加えて、前述した第1実施形態と同様な効果を奏することができる。
(第2実施形態)
次に、図14、および図15を参照して、第2実施形態に係る発振器について説明する。ここで、図14は、第2実施形態に係る発振器を示す平面図である。図15は、第2実施形態に係る発振器を示す図14のB−B’断面図である。なお、図を分かり易くするため、図14は、蓋部材を省略(透視)した図としている。なお、第2実施形態に係る発振器200は、第1実施形態に係る発振器100における振動素子30の形態が異なる形態であり、その他の構成要素において第1実施形態に係る発振器100と共通する構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
図14、および図15に示すように、本実施形態に係る発振器200では、搭載される振動素子230の、接続電極232bおよび接続電極233bの配置が第1実施形態に係る発振器100の振動素子30と異なっている。第2実施形態に係る発振器200の振動素子230では、振動基板31の第1の主面31a上に形成された励振電極232aから延在する接続電極232bと、第2の主面31b上に形成された励振電極233aから延在する接続電極233bと、が平面視で重ならないように配置、形成されている。
振動素子230は、第1の主面31aに形成される接続電極232bから、振動基板31の外周面を回り込む接続側面電極232cが延在され、さらに接続側面電極232cから振動基板31の第2の主面31b面に延在される裏面電極232dが設けられている。そして、裏面電極232dは、板バネ42の第2支持部42eに、導電性接着剤284bによって固定され、電気的に接続されている。また、振動素子230は、振動基板31の第2の主面31b上に形成された励振電極233aから延在する接続電極233bが設けられている。そして、励振電極233aは、板バネ41の第1支持部41dに、導電性樹脂接着剤82aによって固定され、電気的に接続されている。
板バネ41は、基部41aを導電性接着剤81によってPAD電極271に固定され、電気的に接続されている。PAD電極271は、図示しないパッケージ210の内部配線によってベース基板211の外部に形成された外部接続電極211cのいずれかと電気的に接続されている。また板バネ42は、基部42aを導電性接着剤283によってPAD電極272に固定され、電気的に接続されている。PAD電極272は、図示しないパッケージ210の内部配線によってベース基板211の外部に形成された外部接続電極211cのいずれかと電気的に接続されている。なお、板バネ41および板バネ42は、前述した第1実施形態と同様な構成を有している。
第2実施形態に係る発振器200では、励振電極232a,233aと、PAD電極271,272と、の電気的な接続にボンディングワイヤーを用いず、板バネ41の第1支持部41dと、板バネ42の第2支持部42eと、に接続電極233bおよび裏面電極232dを直接、導電性樹脂接着剤82a,284bを介して接続および固定することにより、振動素子230を幾何学的にバランスよく板バネ41および板バネ42で支持することができる。したがって、衝撃力等の応力による、振動素子と支持部との接続強度が低下してしまう可能性を低減したり、振動素子230の振動のバランスをより良好とすることで、振動素子230を励振させた時にスプリアス等が発生する可能性を低減したりすることができる。また、第1実施形態と同様な構成の板バネ41および板バネ42を用いているために、板バネ41の第2部分41n,41kは振動素子230と重なっていないことから、広がった導電性樹脂接着剤82a,284bが振動素子230に接触することが無い。これにより、導電性樹脂接着剤82a,284bが広がっても、振動素子230の実質的な支持位置に影響を与えずに済むことから、外部からの衝撃に起因して振動素子230に加わる応力に対する感度が変化せず、安定した発振特性を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、図16を参照して、第3実施形態に係る発振器について説明する。ここで、図16は、第3実施形態に係る発振器の概略を示す正断面図である。なお、図16に示す本実施形態の発振器1000に用いられている振動素子(不図示)は、前述の第1実施形態の発振器100と同じ構成である。したがって、以下の説明では、振動素子(不図示)および発振器100については、同符号を付してその詳細な説明は省略する。
図16に示す発振器1000は、プリント基板1010上に被せられた金属または樹脂製のキャップ1020によって形成された内部空間1000aを有している。キャップ1020は、プリント基板1010上に半田または接着剤などの接合部材1030を用いて接続されている。この内部空間1000aは、非気密、即ち大気開放されていてもよいし、気密空間であってもよい。内部空間1000aには、プリント基板1010に接続板1040によって接続されている第1実施形態と同様の発振器100と、プリント基板1010上に接続されている回路素子1050とを備えている。発振器100は、プリント基板1010に対向するように配置され、プリント基板1010に接続板1040を介して接続されている。なお、接続板1040は、発振器100とプリント基板1010との電気的な接続を図る機能も有している。回路素子1050は、発振器100に備える発熱素子50を制御する機能を少なくとも有している。また、発振器100の裏面には、他の回路構成部品1060を備えていてもよい。また、プリント基板1010上には、回路素子1050に加えて、電子部品1070を備えていてもよい。プリント基板1010の裏面(外面)には、外部接続端子1010aが設けられている。外部接続端子1010aは、図示しないが、回路素子1050、電子部品1070などと電気的接続がされている。
第3実施形態に係る発振器1000では、前述した第1実施形態の発振器100の効果を有することで、外部からの衝撃力等の応力に対して影響を受けにくい発振器1000を提供できるとともに、使用環境の温度変化による周波数の変動を抑制可能な、所謂周波数温度特性の精度を高めた発振器100を用いた発振器1000を提供することが可能となる。即ち、使用環境の温度変化による特性変動を減少させた発振器1000を提供することが可能となる。なお、第3実施形態では、発振器1000を例に説明したが、回路素子1050の搭載されていない、所謂温度補償型の発振器にも同様な構成を適用することが可能である。
<電子機器>
次いで、本発明の一実施形態に係る発振器100,200,1000のいずれかを適用した電子機器について、図17および図18に基づき、詳細に説明する。
先ず、図17を参照して、本実施形態の電子機器の構成の一例について説明する。図17は、本実施形態の電子機器の構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態の電子機器300は、発振器310、CPU(Central Processing Unit)320、逓倍回路330、ROM(Read Only Memory)340、RAM(Random Access Memory)350、通信部360を含んで構成されている。なお、本実施形態の電子機器は、図17の構成要素(各部)の一部を省略又は変更し、あるいは、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
発振器310は、発振源からの信号に基づき所望の周波数の発振信号を出力するものである。
逓倍回路330は、発振器310が出力する発振信号を所望の周波数に逓倍して出力する回路である。逓倍回路330が出力する発振信号は、CPU320のクロック信号として使用されてもよいし、CPU320が通信用の搬送波を生成するために使用されてもよい。
CPU320(処理回路の一例)は、ROM340等に記憶されているプログラムに従い、例えば、発振器310が出力する発振信号あるいは逓倍回路330が出力する発振信号に基づいて各種の計算処理や制御処理を行う。
ROM340は、CPU320が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。
RAM350は、CPU320の作業領域として用いられ、ROM340から読み出されたプログラムやデータ、CPU320が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。
通信部360は、CPU320と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
発振器310として、例えば、外部からの衝撃力等の応力に対して影響を受けにくい上記実施形態で説明した発振器100,200,1000のいずれかを適用することにより、信頼性の高い電子機器を実現することができる。
このような電子機器300としては種々の電子機器が考えられ、例えば、GPS(Global Positioning System)モジュール、ネットワーク機器、放送機器、人工衛星や基地局で利用される通信機器、パーソナルコンピューター(例えば、モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター)、スマートフォンや携帯電話機などの移動体端末、ディジタルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えば、インクジェットプリンター)、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、移動体端末基地局用機器、テレビ、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、リアルタイムクロック装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ゲーム用コントローラー、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(Point Of Sale)端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)等が挙げられる。
また、本実施形態の電子機器300の一例として、上述した発振器310を基準信号源として用いて、例えば、端末と有線または無線で通信を行う端末基地局用装置等として機能する伝送装置が挙げられる。発振器310として、例えば、上記の各実施形態の発振器100,200,1000のいずれかを適用することにより、例えば通信基地局などに利用可能な、従来よりも周波数精度の高い、高性能、高信頼性を所望される電子機器300を実現することも可能である。
また、本実施形態の電子機器300の他の一例として、通信部360が外部クロック信号を受信し、CPU320(処理部)が、当該外部クロック信号と発振器310の出力信号あるいは逓倍回路330の出力信号(内部クロック信号)とに基づいて、発振器310の周波数を制御する周波数制御部と、を含む、通信装置であってもよい。この通信装置は、例えば、ストレータム3などの基幹系ネットワーク機器やフェムトセルに使用される通信機器であってもよい。
<基地局>
ここで、図18を参照して、本実施形態の基地局の構成の一例について説明する。図18は、本実施形態の基地局の概略構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の基地局400は、受信装置410、送信装置420及び制御装置430を含んで構成されている。なお、本実施形態の電子機器は、図18の構成要素(各部)の一部を省略又は変更し、あるいは、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
受信装置410は、受信アンテナ412、受信部414、処理部416、および発振器418を含んで構成されている。
発振器418は、発振源からの信号に基づき所望の周波数の発振信号を出力するものである。
受信アンテナ412は、携帯電話機やGPS衛星などの移動局(不図示)から、各種の情報が重畳された電波を受信する。
受信部414は、発振器418が出力する発振信号を用いて、受信アンテナ412が受信した信号を所望の中間周波数(IF:Intermediate Frequency)帯の信号に復調する。
処理部416(処理回路の一例)は、発振器418が出力する発振信号を用いて、受信部414が復調した中間周波数帯の信号をベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号に含まれている情報を復調する。
制御装置430は、受信装置410(処理部416)が復調した情報を受け取り、当該情報に応じた各種の処理を行う。そして、制御装置430は、移動局に送信する情報を生成し、当該情報を送信装置420(処理部426)に送出する。
送信装置420は、送信アンテナ422、送信部424、処理部426及び発振器428を含んで構成されている。
発振器428は、発振源からの信号に基づき所望の周波数の発振信号を出力するものである。
処理部426(処理回路の一例)は、発振器428が出力する発振信号を用いて、制御装置430から受け取った情報を用いてベースバンド信号を生成し、当該ベースバンド信号を中間周波数帯の信号に変換する。
送信部424は、発振器428が出力する発振信号を用いて、処理部426からの中間周波数帯の信号を変調して搬送波に重畳する。
送信アンテナ422は、送信部424からの搬送波を電波として携帯電話機やGPS衛星などの移動局に送信する。
受信装置410が有する発振器418や送信装置420が有する発振器428として、例えば、例えば、外部からの衝撃力等の応力に対して影響を受けにくい上記実施形態で説明した発振器100,200,1000のいずれかを適用することにより、通信性能に優れた信頼性の高い基地局を実現することができる。
<移動体>
次に、発振器100,200、または発振器1000を用いた移動体について、図19に基づき、詳細に説明する。なお、以下では、発振器100を用いた移動体の一例としての自動車を例示して説明する。
先ず、本発明に係る移動体の一例として自動車を示し、図19を参照しながら説明する。図19は、移動体の一例として例示する自動車を模式的に示す斜視図である。
自動車1500には、発振器100が内蔵されている。具体的には、図19に示すように、自動車1500には、発振器100の出力信号に基づく信号処理を行う処理回路を含む車体姿勢制御装置1502が備えられている。車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を判定し、判定結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。
自動車1500は、耐衝撃性が向上し、且つ恒温状態が保たれる発振器100などを用いているため、衝撃や振動などの加わる虞のある厳しい条件下で使用されても、高い信頼性を有することができる。
なお、発振器100は、他にもキーレスエントリーシステム、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロールシステム(エンジンシステム)、自動運転用慣性航法の制御機器、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
また、移動体に適用される発振器100は、上記の例示の他にも、例えば、二足歩行ロボットや電車などの移動や姿勢制御、ラジコン飛行機、ラジコンヘリコプター、およびドローンなどの遠隔操縦あるいは自律式の飛行体の移動や姿勢制御、農業機械(農機)、もしくは建設機械(建機)などの移動や姿勢制御、ロケット、人工衛星、船舶、およびAGV(無人搬送車)などの制御において利用することができる。以上のように、各種移動体の移動(位置)や姿勢制御の実現にあたって、発振器100、および発振器100の出力信号に基づく信号処理を行うそれぞれの処理回路(不図示)が組み込まれる。
このような移動体は、耐衝撃性が向上し、且つ恒温状態が保たれる発振器100、および発振器100の出力信号に基づく信号処理を行うそれぞれの処理回路を備えているので、衝撃や振動などが加わったり、使用温度環境が厳しかったりするなどの厳しい条件下で使用されても、優れた信頼性を有することができる。
上述した実施形態は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態、応用例、および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
以下に、上述した実施形態から導き出される内容を、各態様として記載する。
[態様1]本態様に係る発振器は、基板と、振動素子と、前記振動素子が支持されている弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記基板と接続されている接続部と、前記振動素子に接合部材を介して接続されている支持部と、前記接続部と前記支持部とが連結されている連結部と、を含み、前記支持部は、前記振動素子の主面に垂直な方向に沿った平面視において、前記振動素子と重なる第1部分と、前記第1部分から、前記振動素子と重ならない位置に突出している第2部分と、を有し、前記第1部分と前記連結部とは、前記第2部分を介して連結されていることを特徴とする。
本態様によれば、支持部が、振動素子と重なる第1部分と、第1部分から振動素子と重ならない位置に突出している第2部分とを有している。したがって、接合部材が支持部の第1部分から第2部分へ伝わって広がったとしても、第2部分は振動素子と重なっていないことから、広がった接合部材が振動素子に接触することが無い。これにより、接合部材が広がっても、振動素子の実質的な支持位置に影響を与えずに済むことから、外部からの衝撃に起因して振動素子に加わる応力に対する感度が変化せず、安定した発振特性を得ることができる。
[態様2]上記態様に記載の発振器において、前記平面視において、前記振動素子は、円形形状をなしており、前記第1部分は、前記平面視において、前記振動素子の保持基準点と、前記振動素子の中心とを結ぶ仮想線を基準として、±12度の範囲内に設けられていることが好ましい。
本態様によれば、振動素子を保持する基準位置となる保持基準点に対して±12度の範囲内に設けられている第1部分で振動素子を支持することにより、接合部材の広がり範囲がばらついても、この範囲内に接合部材の広がりを留めることができる。換言すれば、振動素子に加わる応力に対する感度の低い領域において振動素子を支持することができ、外部からの衝撃に起因して振動素子に加わる応力に対する感度の変化を低減でき、安定した発振特性を得ることができる。
[態様3]上記態様に記載の発振器において、前記第1部分は、前記平面視において、前記振動素子の前記保持基準点と、前記振動素子の中心とを結ぶ前記仮想線を基準として、±10度の範囲内に設けられていることが好ましい。
本態様によれば、振動素子を保持する基準位置となる保持基準点に対して±10度の範囲内に設けられている第1部分で振動素子を支持することにより、接合部材の広がり範囲がばらついても、更に狭い範囲内に接合部材の広がりを留めることができる。換言すれば、振動素子に加わる応力に対する感度の低い領域において振動素子を支持することができ、外部からの衝撃に起因して振動素子に加わる応力に対する感度の変化を更に低減でき、より安定した発振特性を得ることができる。
[態様4]上記態様に記載の発振器において、前記保持基準点は、前記振動素子の応力に対する発振周波数変動が0となる前記振動素子の位置であることが好ましい。
本態様によれば、保持基準点が振動素子の応力に対する発振周波数変動が0となる振動素子の位置であることから、振動素子に加わる応力に対する感度の低い領域において振動素子を支持することができる。
[態様5]上記態様に記載の発振器において、前記第1部分は、前記第2部分より幅広であることが好ましい。
本態様によれば、幅広の第1部分で振動素子を確実に支持することができ、接続強度を高めることができる。また、第1部分よりも幅の狭い第2部分により、接合部材の広がりを留め易くすることができる。
[態様6]上記態様に記載の発振器において、前記振動素子と前記第1部分とは、前記接合部材で接続され、前記接合部材は、樹脂接着剤であり、前記樹脂接着剤の粘度は、700±100[dPa・s]の範囲内にあることが好ましい。
本態様によれば、振動素子と第1部分との接着において、接合部材としての樹脂接着剤の粘度を、700±100[dPa・s]の範囲内とすることにより、樹脂接着剤の塗布性を確保しつつ、樹脂接着剤が弾性部材を伝わって支持部からずれた位置まで広がる、所謂樹脂接着剤の流れ出し現象を抑制することができる。
[態様7]上記態様に記載の発振器において、前記弾性部材は、前記振動素子と接続されている複数の支持部と、前記複数の支持部のそれぞれと前記接続部とが、それぞれ連結されている複数の連結部と、を含んでいることが好ましい。
本態様によれば、基板に接続された弾性部材に連結された複数の支持部に振動素子が接続されている。すなわち、振動素子は、基板に対して弾性部材を構成する複数の連結部を介した複数の支持部で支持されていることから、上述の効果に加えて以下の効果を奏することができる。本態様では、振動素子が2箇所以上の位置で基板と接続されていることから、外部からの応力がかかっても、2箇所以上の支持部および複数の連結部で応力を分散できるため、例えば、応力変化による振動素子の振動特性変動、スプリアス、などの発生を低減することができる。
[態様8]上記態様に記載の発振器において、前記弾性部材は、金属板で構成され、前記連結部は、前記平面視で細長形状に延在し、且つ屈曲部を備えていることが好ましい。
本態様によれば、平面視で細長形状に延在し、且つ屈曲部を備えている金属板によって振動素子が支持されている。このような構成の弾性部材では、応力がかかったときの変形(撓み)の自由度が増すことから振動素子を支持した時の応力の吸収、あるいは放散がされ易く、振動素子の振動特性低下を低減することができる。また、衝撃力などの緩衝効果等も得られることにより、振動素子の支持強度の低下を低減することができる。
[態様9]上記態様に記載の発振器において、前記振動素子は、SCカット水晶振動素子であることが好ましい。
本態様によれば、SCカット水晶振動素子を用いることで、スプリアス振動による周波数ジャンプや抵抗上昇が少なく、温度特性も安定している振動素子を容易に得ることができる。
[態様10]本態様に係る電子機器は、上記態様のいずれか一つに記載の発振器と、前記発振器の出力信号に基づく信号処理を行う処理回路と、を備えていることを特徴とする。
本態様によれば、上述の発振器の効果を享受でき、耐衝撃性を向上させた電子機器が得られる。
[態様11]本態様に係る移動体は、上記態様のいずれか一つに記載の発振器と、前記発振器の出力信号に基づく信号処理を行う処理回路と、を備えていることを特徴とする。
本態様によれば、上述の発振器の効果を享受でき、耐衝撃性を向上させた移動体が得られる。
10…パッケージ、11…ベース基板、11a…第1の面、11b…第2の面、11c…外部接続電極、11d…凹部、12…側壁、20…リッド、30…振動素子、31…振動基板、31a…第1の主面、31b…第2の主面、32a,33a…励振電極、32b,33b…接続電極、41…板バネ、41a,42a…基部、41b…第1支持腕、41c…第2支持腕、41d,42d…第1支持部、41e,42e…第2支持部、41f,41g…屈曲部、41i,41h…延設部、41r,41s…第1部分、41n,41k…第2部分、42…板バネ、50…発熱素子、60…シールリング、71a,71b,72…PAD電極、81…導電性接着剤、82a…接合部材としての導電性樹脂接着剤、83,84a,84b…樹脂接着剤、90…ボンディングワイヤー、100,200…発振器、100a…内部空間、300…電子機器、400…基地局、1000…発振器、1500…移動体としての自動車。

Claims (11)

  1. 基板と、
    振動素子と、
    前記振動素子が支持されている弾性部材と、を備え、
    前記弾性部材は、
    前記基板と接続されている接続部と、
    前記振動素子に接合部材を介して接続されている支持部と、
    前記接続部と前記支持部とが連結されている連結部と、を含み、
    前記支持部は、
    前記振動素子の主面に垂直な方向に沿った平面視において、前記振動素子と重なる第1部分と、
    前記第1部分から、前記振動素子と重ならない位置に突出している第2部分と、を有し、
    前記第1部分と前記連結部とは、前記第2部分を介して連結されていることを特徴とする発振器。
  2. 請求項1において、
    前記平面視において、前記振動素子は、円形形状をなしており、
    前記第1部分は、
    前記平面視において、前記振動素子の保持基準点と、前記振動素子の中心とを結ぶ仮想線を基準として、
    ±12度の範囲内に設けられていることを特徴とする発振器。
  3. 請求項2において、
    前記第1部分は、
    前記平面視において、前記振動素子の前記保持基準点と、前記振動素子の中心とを結ぶ前記仮想線を基準として、
    ±10度の範囲内に設けられていることを特徴とする発振器。
  4. 請求項2または3において、
    前記保持基準点は、前記振動素子の応力に対する発振周波数変動が0となる前記振動素子の位置であることを特徴とする発振器。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項において、
    前記第1部分は、前記第2部分より幅広であることを特徴とする発振器。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項において、
    前記振動素子と前記第1部分とは、前記接合部材で接続され、
    前記接合部材は、樹脂接着剤であり、
    前記樹脂接着剤の粘度は、700±100[dPa・s]の範囲内にあることを特徴とする発振器。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項において、
    前記弾性部材は、
    前記振動素子と接続されている複数の支持部と、
    前記複数の支持部のそれぞれと前記接続部とが、それぞれ連結されている複数の連結部と、を含んでいることを特徴とする発振器。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項において、
    前記弾性部材は、金属板で構成され、
    前記連結部は、前記平面視で細長形状に延在し、且つ屈曲部を備えていることを特徴とする発振器。
  9. 請求項1ない8のいずれか一項において、
    前記振動素子は、SCカット水晶振動素子であることを特徴とする発振器。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の発振器と、
    前記発振器の出力信号に基づく信号処理を行う処理回路と、
    を備えていることを特徴とする電子機器。
  11. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の発振器と、
    前記発振器の出力信号に基づく信号処理を行う処理回路と、
    を備えていることを特徴とする移動体。
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