JP2019219358A - イムノクロマトグラフィー法に用いる二液混合装置及び容器本体の製造方法 - Google Patents

イムノクロマトグラフィー法に用いる二液混合装置及び容器本体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2種類の溶液を別個に内部に封入保持しておき、使用時に試験管内で開栓して同時に二液を排出できる容器を提供する。【解決手段】容器本体10は、左右に並設される第1容器と第2容器と、これらを連結するフランジ40とを有し、第1容器は、第1液を内部に液密に収納する第1液室21と、第1液室に連通する第1ノズル23とを有し、第1ノズル23の先端部には、第1脆弱部24が形成され、第2容器も第1容器と同様に構成される。容器本体10は、第1脆弱部と第2脆弱部34とが上縁部に連結される開封片50を有し、試験管60は、フランジの下面に当接する上縁部を有し、試験管はその内部に、容器本体のフランジよりも下方の部分を収納する。【選択図】図7

Description

本発明は、イムノクロマトグラフィー法に用いる二液混合装置及びその関連技術に関するものである。
更に詳しくは、本発明は、予め混合しておくと変質や反応進行などで安定性が低下してしまう2種類の液体について、隔離された液室に予め別個に充填して密封保存しておき、使用の際に開栓してそれぞれの液室の滴下口から二液を同時に排出させることで実質的に混合液とすることを可能とし、2種の液体の分離充填、分割保存、容易な開栓、本体に外圧をかけることによる二液の同時排出の機能を兼ね備えた容器に関するものである。
本装置は、生体試料を用いて病気の診断を行なうような検査薬の分野において、検体の前処理を行なう際に用いられるものであり、2種類の溶液が、それぞれ試験管などに滴下・混合される。その後、混合液に綿棒で採取した生体試料等が入れられ、生体試料中の検出したい物質を変化させたり露出させたりして反応しやすくする抽出操作が行われる。
例えば、感染症の診断、特に溶血性レンサ球菌(A群β溶血連鎖球菌:streptococcus pyogenes)抗原の検査においては、亜硝酸塩溶液(第1液)と酢酸溶液(第2液)とを使用直前に試験管内で混合し、亜硝酸を発生させ、菌体に存在する多糖体抗原を切り出して検出できるようにする必要がある。
通常、検査者は、別々の点眼容器に入っている2種類の溶液をそれぞれ試験管に滴下して混合し、患者の咽頭を拭って試料採取した綿棒をその中に入れて菌体の抽出処理を行なってから検査を開始する。
この場合、1テストに使用する2種類の溶液の液量は微量かつ正確でなければならず、点眼容器のノズル先端が試験管の壁面に接触しないように、かつ滴下数を確認しながら注意深く滴下操作を行なう必要がある。
図1は、従来のキット(第1例)の取り扱い説明図である。図1に示すように、A群ベータ溶血連鎖球菌抗原キットは、例えばミズホメディー株式会社の「クイックチェイサー Strep A(商標)」(添付文書:http://www.mizuho-m.co.jp/product/tenp/tenp_strep_570771-04.pdf)などがあり、これには2種の溶液がそれぞれに別の点眼容器に充填されている。
ここで用いられている2種の溶液は、第1液(抽出液A):2.0mol/L亜硝酸ナトリウム、第2液(抽出液B):0.2mol/L酢酸の2種であり、使用直前にそれぞれの液を3滴ずつ反応用の試験管に滴下して混合して用いられる。
このように多くの検査キットが2種の溶液を別々に点眼容器に充填して、それぞれを滴下して用いている。
また、一部の他の試薬では、キャップ付の抽出容器に予め1液目のみを充填、封入しておき、使用直前に開栓して二液目を滴下し混合し検査する方式も採られている。
図2は、従来のキット(第2例)の取り扱い説明図である。図2に示すように、積水化学工業株式会社のA群ベータ溶血連鎖球菌抗原キット、「ラピッドテスタStrepA(商標)」(添付文書:http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ivd/PDF/400008_21400AMY00228000_A_01_07.pdf)の検体抽出液では、1液目の酢酸を内液としてガラスに封入してアンプルとして、二液目の亜硝酸ナトリウム液を外液としてアンプルと共にボトルに封入しておき、使用直前にボトルを指で強くはさんでボトル内のアンプルを割り、内液と外液を混合する方法が採られている。
従来、予め混合しておくと変質や反応進行などで安定性が低下してしまう2種類の液体については、それらを別々の点眼容器などに入れておき、使用する直前に必要な量をそれぞれ滴下混合する必要があった。
また、検査に用いる2種の溶液は、少量を一定の比率で混合する必要があるため、滴下量の間違いや誤差が発生しないようにしなければならない。
現行法のごとく点眼容器を用いる際には、ノズル先端が試験管の壁面に接触すると液滴が十分に形成されず目的の液量が得られないことがあり、必要量の液を滴下するためには注意深く滴下数量を確実に守る(数える)必要があった。不適切な液量は、検査結果の不具合に直結する。
更に、短時間に複数の検査を行なう際などには、多忙であるためにいずれか一方の液を誤って2回滴下してしまうなどのミスも発生しており、容易で確実に滴下できる方法が望まれていた。
そのうえ、病気の診断のための検査薬に用いる溶液は安全性としての問題があることがあり、例えば溶血性レンサ球菌の抗原検査に用いられる亜硝酸ナトリウムは劇物指定薬品である。
よって、検査者が測定を行なう際、開栓時や滴下時に、液が飛び散って目や口に入ったり、皮膚に接触したりしないよう注意が必要であった。
2種それぞれの溶液を保管する際には、混合や接触により反応開始してしまうことより、安定性の観点から接触しないようにそれぞれを確実に分離しておく必要がある。
また蒸発によって結晶化したり濃度が変化したりしないよう確実に密封保管しなければならない。
二液の混合された抽出溶液は、その後に検体採取した綿棒を挿入し抽出してからイムノクロマト法の検査などに用いられるため、液量としては1mL以下と少量でよく、多すぎると検体濃度が下がり感度が低くなってしまう。
例えば、試験片試薬であれば試験管内にて抽出後の溶液200〜400μLに漬け込んで反応させればよく、ハウジングに入った試験片試薬であれば、抽出後の溶液のうちの100〜150μL程度を試験片に滴下して反応させればよい。
検体抽出は、検体採取を行なった綿棒を挿入して溶液中で揉み解して、その後に綿棒を抜き取るため、試験用残液としては100〜400μLが望ましく、綿棒の吸水量を200μLと想定すると抽出操作前の混合した抽出液は300〜600μLが必要である。
よって混合前の2種の抽出液は、それぞれ150〜300μL程度と微量であることが望ましく、二液混合を行なうための容器としては小型でロスが出にくい精密なものが必要となる。
アンプルに封入する方法もあるが、特殊な製造装置が必要でありコストがかかり廃棄の際にもプラスチック容器とガラスが混在するため分別できないなどの問題があった。
また、1液のみを予め充填して封入する方法については、キャップ付きの容器しか使用できず開栓の手間がかかっていた。また、試験片を直接差し込んで測定するタイプの試薬では開口した試験管に予め充填して封入することができなかった。
特許文献1(特開2003−146380号公報)は、可撓性のある壁面からなる収容部(小袋状)の容器に分離されて収容された2つの製品を一緒に供給するための装置を開示する。
このものでは、2つの収容部の各出口オリフィスが互いに隣接するように当該収容部を重畳して固定的に保持され、固定手段に対して移動可能であって、2つの収容部の中身が所定の比率でその各出口オリフィスから押し出されるように2つの収容部を圧縮するのに適した手段として2つのプレートを有する装置を示している。
使用者は、収容部の先端を手で千切る、はさみなどで切断するなどして開口し、圧縮プレートで収容部を挟み込むことで、2つの製品を同時に供給することができる。
しかしながら、少なくとも2つの収納部(小袋)とそれを挟み込むための2枚のプレートを組み合わせて作られており、コストが高い。また、先端部を開ける際には内容物が手に付く可能性がある。
特許文献2(特開2005−145552号公報)は、プラスチック製のボトルに別々に充填された2種類の液体を、使用時に少量ずつ同時に両方のボトルから滴下することができる二液同時滴下ケースを開示する。
このものによると、最初にスクリューキャップを外した後、専用キャップを用いることで2回目以降に使用する際には、2本のボトルを同時に開栓して滴下できる様になる。
即ち、ボトルの一本ずつに対してキャップの取り外し、内容液の滴下、キャップの取り付けの操作を行って混合する必要がなくなり、取り出し操作を簡便化することができる。
しかしながら、容器以外に滴下ケースが必要であり、使いきりではないため液の安定性や安全性の懸念がある。あまり小さくもできず2つの先端部を試験管内に挿入するのも容易ではない。
特開2003−146380号公報 特開2005−145552号公報
以上の点に鑑み、本発明は、イムノクロマトグラフィー法に用いる二液混合装置であって、2種類の溶液を別個に内部に封入保持しておき、使用時に試験管内で開栓して同時に二液を排出することができる容器を提供することを目的とする。
第1の発明に係る二液混合装置は、イムノクロマトグラフィー法に用いられるものであって、容器本体と、試験管とを備え、容器本体は、左右に並設される第1容器と第2容器と、第1容器及び第2容器の外側を包囲して第1容器と第2容器とを連結するフランジとを有し、第1容器は、第1液を内部に液密に収納する第1液室と、第1液室の下部に設けられ第1液室に連通する第1ノズルとを有し、第1ノズルの先端部には、第1脆弱部が形成され、第2容器は、第1液とは異なる第2液を内部に液密に収納する第2液室と、第2液室の下部に設けられ第2液室に連通する第2ノズルとを有し、第2ノズルの先端部には、第2脆弱部が形成され、容器本体は、さらに、第1脆弱部と第2脆弱部とが上縁部に連結される開封片を有し、試験管は、フランジの下面に当接する上縁部を有し、上縁部がフランジの下面に当接すると、試験管はその内部に、容器本体のフランジよりも下方の部分を収納する。
この構成により、開封片を切断し、第1ノズルから第1液を吐出し、第2ノズルから第2液を吐出しても、第1液及び第2液は、試験管とフランジとに包囲されているため、検査者の体に液や反応物等が付着するおそれがなく、安全性が高い。
フランジを設けているため、試験管の一定の深さのほぼ中心に第1ノズル及び第2ノズルの各先端部が固定され、確実な滴下が可能である。そのため溶液は試験管の外に飛び散ったり皮膚や目等に付着したりすることなく操作者の安全性を確保できる。
第1液室及び第2液室内に、1回の測定に必要な分量を分注すれば、全量を押し出すことでそれぞれの必要な量が確実に排出される。操作者は液滴の量を注意深く確認する必要なく簡便に操作できる。使いきりタイプとすることで、開栓後の溶液の安定性や蒸発の問題もない。
好ましくは、試験管は、可撓性材料からなり、試験管の外側から外力を加えると、試験管が変形して、開封片がねじ切り可能となる。
これに代えて好ましくは、試験管は、非可撓性材料からなると共に、試験管の内部には、開封片に係合する係合部が形成されており、開封片が係合部に係合する状態において、容器本体に外力を加えると、開封片がねじ切り可能となる。
これらの構成により、開封片を容易に切断できる。
好ましくは、容器本体は、同一の樹脂を用いて一体成形される。
この構成により、複数の成型パーツを用いて組み立てる必要がなく、コストを最小に抑えることができる。生産工程においても、ただ1つの成型品の第1液室及び第2液室に、それぞれ2種の液を分注すればよいため、複数部品の組立ての必要がなくコストは最小に抑えられる。
更に好ましくは、開封片がねじ切られ第1ノズル及び第2ノズルの両方が開口しても、開封片は、第1容器及び第2容器の少なくとも一方に少なくとも部分的に連結され、開封片が、第1容器及び第2容器と共に、試験管から抜き取り可能となる。
この構成により、開封片を第1容器及び第2容器と連結された状態のまま、試験管から抜き取ることができる。つまり、試験管内に開封片が残置され、開封片がその後の処理を妨げることはない。具体的には、その後引き続き試験管内の二液の混合液に綿棒を挿入して抽出処理をしたり、試験片を差し込んで反応させたりするのに、たいへん好都合である。
本願発明によれば、次の効果が得られる。
第1に、混合状態で長期保管すると変質する可能性がある不安定な2種類の液体を、2つの隔離された第1液室、第2液室に別個に保存することができるため長期の安定性が保たれる。
第2に、試験管内で開封片を固定し容器本体を捻って回転させることにより、開封片を切断し、第1ノズル及び第2ノズルをそれぞれ、同時に開口させ、引き続き、第1容器及び第2容器に外部から力を加えることにより、第1液及び第2液のほぼ全量を確実に試験管内に排出できる。
第3に、フランジを設けたことにより、容器本体を試験管に挿入した際の差し込み深さと位置を規定できるだけでなく、滴下時の液の跳ね返りや人体への付着も防止できる。
第4に、特に危険を伴う溶血性レンサ球菌の検査において、従来点眼ビンでそれぞれ別個に数滴ずつを注意深く反応用の試験管に滴下していた処理を、容易、安全かつ確実に実施できる。
以下図面を参照しながら、本発明の各実施の形態を説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る容器本体(封止前)の正面図、図4は、同容器本体(封止前)の斜視図、図5は、本発明の実施の形態1に係る容器本体(封止後)の斜視図である。
ここで、容器本体10の構成は、以下の実施の形態1〜3において、共通であり、実施の形態1〜3では、使用される試験管が相違する。
二液混合装置は、イムノクロマトグラフィー法に用いられるものであって、容器本体と、試験管とを備える。
図3に示すように、容器本体10は、左右に並設される第1容器20と第2容器30と、第1容器20及び第2容器30の外側を包囲して第1容器20と第2容器30とを連結するフランジ40とを有する。フランジ40は、その上面41と下面42とを有する。
第1容器20は、第1液を内部に液密に収納する第1液室21と、第1液室21の下部に設けられ第1液室21に連通する第1ノズル23とを有し、第1ノズル23の先端部には、第1脆弱部24が形成される。
同様に、第2容器30は、第1液とは異なる第2液を内部に液密に収納する第2液室31と、第2液室31の下部に設けられ第2液室31に連通する第2ノズル33とを有し、第2ノズル33の先端部には、第2脆弱部34が形成される。
図6(a)〜図6(d)は、本発明の実施の形態1に係る二液混合装置の操作工程図であるが、図6(a)に示すように、試験管60は、フランジ40の下面42に当接する上縁部61を有し、上縁部61がフランジ40の下面42に当接すると、試験管60はその内部に、容器本体10のフランジ40よりも下方の部分を収納する。
容器本体10は、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの可撓性のある樹脂を用いて、射出成型により一体的に形成される。容器本体10は、試験管60に挿入して使用されるため、フランジ40を除く容器本体10の外寸は、試験管60の内寸より小さく作製されるが、フランジ40の外径は、試験管60の上縁部61と同じかやや大きめに形成される。
容器本体10の上下方向途中に、水平なフランジ40を設けているため、容器本体10を試験管60に挿入する際に、差し込む深さを規定するとともに、液の跳ね返りを防止することもできる。
また、図3に示すように、容器本体10は、さらに、第1脆弱部24と第2脆弱部34とが上縁部51に連結される開封片50を有する。
第1容器20及び第2容器30に対して、開封片50を相対的に回転させねじ切ると、第1脆弱部24及び第2脆弱部34を破断させることができ、その結果、第1ノズル23、第2ノズル33が開口することになる。
図3、図4に示すように、容器本体10の形成が完了した後、第1液、第2液を、それぞれ第1液室21、第2液室32に分注する前には、第1上端部22と第2上端部32とは、それぞれ開口状態にある。
これに続いて、第1上端部22と第2上端部32とを介して、第1液室21に第1液を、第2液室31に第2液を、それぞれ必要量分注する。
分注後に、図5に示すように、第1上端部22、第2上端部32を5mm程度溶着して内部の各液を封止する。この封止は、一般的な熱溶着であることが、液密性及び液の保存性を考慮すると望ましい。しかしながら、封止は、超音波溶着、接着剤又は固定治具を用いる接着によることもできる。
このようにして図5に示すように、第1液、第2液を、それぞれ第1液室21、第2液室31に分注して封止された容器本体10は、二液を非接触で保管可能な製品形態となる。
使用時には、第1容器20及び第2容器30に対して相対的に、開封片50を捻って回転させるなどして力を加え、肉薄の脆弱部24、34を破断し、開栓することができる。なお、開栓の方法は本体の長手方向を軸にして回転させると容易であり好ましい。しかしながら、脆弱部24、34を結ぶ線で折り曲げることで開栓しても良い。
最も好ましくは、図6(b)に示すように、開封片50を第1容器20及び第2容器30に対して約90°回転させ、図6(c)に示すように、第1ノズル23、第2ノズル33の先端側を開口させ、図6(d)に示すように、第1液室21及び第2液室31に外部から指で押すなどして圧力を加えることで、第1液及び第2液を、同時に排出することができる。
ここで、2つの開口した先端部の距離は、滴下しようとする試験管60の内径に合わせて設計することができ、開栓が容易な様に10mm以下より望ましくは4〜6mm程度が望ましい。
なお、容器本体10の材質は、可撓性であるだけでなく、内部に保管する液に対して安定なものがよく、また内部の液が視認できるよう透明、もしくは半透明であることが望ましくポリエチレン、ポリプロピレンなどが適している。
このような粘性の強い樹脂で成型することで、図6(c)、図6(d)及び図7(b)に示すように、開封片50は、開栓時に完全には切断されず、容器本体10と一部で連結したまま保持される。したがって、容器本体10を試験管から抜き取る際には開封片50も容器本体10と一緒に抜き取られることになる。
これは、図8に示すように、この後に行なう検体採取した綿棒73の抽出操作や、図9に示すように、試験片74による測定操作を行なう際に、開封片50が試験管60内部に留まって邪魔にならず、たいへん都合がよい。
本明細書における「試験管」とは、一般的な意味よりも広義であり、後続する実施の形態1〜3により明らかなように、可撓性試験管、内部に開封片50を固定できるようなリブを設置した非可撓性の試験管、滴下ノズルを取り付けることができる抽出容器を含む概念であることが理解されねばならない。
(実施の形態1)
実施の形態1では、試験管60は、可撓性材料からなり、図7(a)、図7(b)に示すように、試験管60の外側から外力を加えると、試験管60が変形して、開封片50がねじ切り可能となる。
A群ベータ溶血連鎖球菌抗原キットを構成すべく、ポリエチレン樹脂をインジェクション成型して、図3、図4に示す容器本体10を作製する。
図6(a)等に示すように、試験管60もまた、可撓性樹脂を用いて先細りの形状に成型されている。
試験管60の上縁部61の内径が11mm、外径が13mmであることから、試験管60内へ挿入可能とすべく、容器本体10の外寸は10mmとする。
開封片50の幅は9mmとし、フランジ40の外寸14mmとする。フランジ40の下面42が試験管60の上縁部61に当接すると、容器本体10のフランジ40よりも下方の部分が、試験管60内に約35mmの深さまで挿入され、且つ固定される。このように、試験管60はその内部に、容器本体10のフランジ40よりも下方の部分を収納するものである。
第1上端部22から第1液室21内に第1液(抽出液A:すなわち2.0mol/L亜硝酸ナトリウムの300μL)を、第2上端部32から第2液室31内に第2液(抽出液B:すなわち0.2mol/L酢酸の300μL)をそれぞれ分注する。この分注は、機械を用いても良いし、手作業によっても良い。
分注後に、図5に示すように、第1上端部22及び第2上端部32に熱を加えて圧着することで完全に溶着させ、第1液室21及び第2液室31の両方を、密封して容器本体10の作製を完了する。
キットの測定に際しては、図6(a)のように、容器本体10の前記下方の部分を反応用の試験管60内に挿入し、図6(b)のようにフランジ40が試験管60の上縁部61に当接するまで差し込む。よって開封片50の先端は、試験管の口から35mmの深さで固定された。
反応用の試験管60は可撓性材質でできており、図6(b)および図7(a)に示すように、試験管60内に挿入された開封片50を試験管60の外側から指で挟んで固定し、図7(a)の矢印で示すように、容器本体10を90度程度回転させ図6(b)の状態にすることで、脆弱部24、34を破断させ、試験管60内にて容易に第1ノズル23、第2ノズル33を露出させる。
なお、第1ノズル23と第2ノズル33との間の距離は、5.5mmであり開栓が容易であった。
このとき、開封片50と第1ノズル23及び第2ノズル33とは、完全に切り離されてしまうのではなく、これらの間の樹脂は、少なくとも部分的に残存し、開封片50は、第1ノズル23及び第2ノズル33の少なくとも一方と連結された状態のままとなる。
引き続き、図6(d)に示すように、第1液室21及び第2液室31に外側から指で力を加えることで、第1液及び第2液の全量を、試験管60内に押し出すことができる。
開封片50の周囲の樹脂は、完全に切断されるわけではなく、第1ノズル23及び第2ノズル33の少なくとも一方と連結したままであるため、滴下後は、開封片50は、滴下後も容器本体10と一体的に接続されており、第1液室21及び第2液室31と共に、試験管60から抜き取ることができる。
その後、A群ベータ溶血連鎖球菌抗原の検査は、操作法に従い試験管内で検体採取を行なった綿棒の抽出処理(図8)の後に、試験片を漬け込んで免疫反応による検査(図9)を通常通り行なうことができる。
このように、開栓がフランジ40と試験管60とで閉鎖された空間内で実施されるため、操作者に液が飛び跳ねることもなく非常に安全であり、全量を押し出して排出するため液量についての注意を特に払うことなく、検査を正しく実施できるものである。
(実施の形態2)
図10(a)は、本発明の実施の形態2に係る試験管の平面図、図10(b)は、同試験管の正面図、図10(c)は、同試験管の斜視図である。
実施の形態2では、実施の形態1と異なり、試験管70は、非可撓性材料からなると共に、試験管70の内部には、開封片50に係合する係合部72が形成されており、開封片50が係合部72に係合する状態において、容器本体10に外力を加えると、開封片50がねじ切り可能となる。
容器本体10は、実施の形態1と同様に作製する。試験管70の内部に、複数の係合部72を設ける。本例では、係合部72としてリブ状の2本の突条を左右一対に設けたが、これは例示に過ぎず、係合部72は、開封片50と係合可能である限り、任意に変更できる。本例では、係合部72は、内径11mmの試験管70の内壁に向かい合うように高さ2.5mmで設けてある。
キットの測定に際しては、図11に示すように、容器本体10の前記下方の部分を反応用の試験管70内に挿入し、フランジ40が試験管70の上縁部71に当接するまで差し込む。
試験管70は、非可撓性であり内部に係合部72が設置されているため、挿入された開封片50を試験管70の内部で回転させようとすると、開封片50が係合部72に邪魔されることにより、固定され、そこから容器本体10を90°程度回転させると、試験管70内にて第1ノズル23及び第2ノズル33を容易に開栓できる。
このとき、開封片50と第1ノズル23及び第2ノズル33とは、完全に切り離されてしまうのではなく、これらの間の樹脂は、少なくとも部分的に残存し、開封片50は、第1ノズル23及び第2ノズル33の少なくとも一方と連結された状態のままとなる。
引き続き、実施の形態1と同様に、第1液室21及び第2液室31に外側から指で力を加えることで、第1液及び第2液の全量を、試験管60内に押し出すことができる。
なお、係合部72は、試験管70に挿入された開封片50の回転を止めることができれば足りるものであり、その形状や寸法等は、自由に設定できる。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3に係る試験管の斜視図である。
実施の形態3では、実施の形態1と同様に、試験管80は、可撓性材料からなり、試験管80の外側から外力を加えると、試験管80が変形して、開封片50がねじ切り可能となる。
容器本体10は、実施の形態1と同様に作製する。実施の形態3では、容器本体10の内部の第1液及び第2液を、試験管ではなく図16のように滴下キャップ82を装着できる可撓性の試験管80に滴下する。
試験管80は、通常では抽出容器と呼ばれるものであるが、上述したように、本明細書における「試験管」とは、一般的な意味よりも広義であり、このような抽出容器を含む。
実施の形態1と同様に、図13に示すように、容器本体10を試験管80に挿入して、試験管80外部から開封片50を固定し、容器本体10を開封片50に対して相対的に回転させて、第1ノズル23、第2ノズル33を開栓する。
その後、図14に示すように、第1液及び第2液を、試験管80内へ滴下する。
図15に示すように、検体を採取した綿棒73を試験管80内にて操作し、図16に示すように滴下キャップ82を試験管80の上縁部81に装着する。
図17に示すように、滴下キャップ82から抽出後の液体を滴下することが可能であるため、ここでは測定にハウジングタイプの試験片90を用いる。すなわち試験片90の試料滴下部91に、試験管80内の抽出後の溶液3滴を滴下キャップ82から滴下すれば、免疫反応による検査を実施できる。
なお、本実施の形態では感染症の診断として、A群ベータ溶血連鎖球菌抗原キットに用いる抽出液について説明したが、二液を別個に分離保管しておいて、使用時に同時に排出することが望まれるようなものに応用が可能であることは言うまでもない。
さらに、第1液室21、第2液室31の容量を1mL以下とし全体のサイズを小さくすることで、先端部も小さくまとめることができるため、内径10〜15mm程度の試験管内であっても開封片50や先端部が挿入可能なサイズに設計可能であり、さらに2つの脆弱部24、34も近接して設置できるため、回転により容易に開栓が可能である。
勿論、上述した数値群は、例示に過ぎず、各請求項により特定される本願発明の範囲内において、当業者が想起する種々の設計変更が可能であり、係る変更を施しても本願発明の保護範囲に包含されることは言うまでもない。
従来のキット(第1例)の取り扱い説明図 従来のキット(第2例)の取り扱い説明図 本発明の実施の形態1に係る容器本体(封止前)の正面図 本発明の実施の形態1に係る容器本体(封止前)の斜視図 本発明の実施の形態1に係る容器本体(封止後)の斜視図 (a)本発明の実施の形態1に係る二液混合装置の操作工程図 (b)本発明の実施の形態1に係る二液混合装置の操作工程図 (c)本発明の実施の形態1に係る二液混合装置の操作工程図 (d)本発明の実施の形態1に係る二液混合装置の操作工程図 (a)本発明の実施の形態1に係る二液混合装置の操作工程図 (b)本発明の実施の形態1に係る二液混合装置の操作工程図 本発明の実施の形態1に係る試験管の操作工程図 本発明の実施の形態1に係る試験管の操作工程図 (a)本発明の実施の形態2に係る試験管の平面図 (b)本発明の実施の形態2に係る試験管の正面図 (c)本発明の実施の形態2に係る試験管の斜視図 本発明の実施の形態2に係る二液混合装置の操作工程図 本発明の実施の形態3に係る試験管の斜視図 本発明の実施の形態3に係る二液混合装置の斜視図 本発明の実施の形態3に係る二液混合装置の操作工程図 本発明の実施の形態3に係る試験管の操作工程図 本発明の実施の形態3に係る試験管の操作工程図 本発明の実施の形態3に係る試験管の操作工程図
10 容器本体
20 第1容器
21 第1液室
22 第1上端部
23 第1ノズル
24 第1脆弱部
30 第2容器
31 第2液室
32 第2上端部
33 第2ノズル
34 第2脆弱部
40 フランジ
41 上面
42 下面
50 開封片
51 上縁部
60、70、80 試験管
61、71、81 上縁部
72 係合部
73 綿棒
74、90 試験片
82 滴下キャップ
91 試料滴下部

Claims (7)

  1. 容器本体と、試験管とを備え、
    前記容器本体は、
    左右に並設される第1容器と第2容器と、前記第1容器及び前記第2容器の外側を包囲して前記第1容器と前記第2容器とを連結するフランジとを有し、
    前記第1容器は、
    第1液を内部に液密に収納する第1液室と、前記第1液室の下部に設けられ前記第1液室に連通する第1ノズルとを有し、前記第1ノズルの先端部には、第1脆弱部が形成され、
    前記第2容器は、
    前記第1液とは異なる第2液を内部に液密に収納する第2液室と、前記第2液室の下部に設けられ前記第2液室に連通する第2ノズルとを有し、前記第2ノズルの先端部には、第2脆弱部が形成され、
    前記容器本体は、さらに、前記第1脆弱部と前記第2脆弱部とが上縁部に連結される開封片を有し、
    前記試験管は、
    前記フランジの下面に当接する上縁部を有し、前記上縁部が前記フランジの前記下面に当接すると、前記試験管はその内部に、前記容器本体の前記フランジよりも下方の部分を収納することを特徴とするイムノクロマトグラフィー法に用いる二液混合装置。
  2. 前記試験管は、可撓性材料からなり、前記試験管の外側から外力を加えると、前記試験管が変形して、前記開封片がねじ切り可能となる請求項1記載のイムノクロマトグラフィー法に用いる二液混合装置。
  3. 前記試験管は、非可撓性材料からなると共に、前記試験管の内部には、前記開封片に係合する係合部が形成されており、前記開封片が前記係合部に係合する状態において、前記容器本体に外力を加えると、前記開封片がねじ切り可能となる請求項1記載のイムノクロマトグラフィー法に用いる二液混合装置。
  4. 前記容器本体は、同一の樹脂を用いて一体成形される請求項1から3のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー法に用いる二液混合装置。
  5. 前記開封片がねじ切られ前記第1ノズル及び前記第2ノズルの両方が開口しても、前記開封片は、前記第1容器及び前記第2容器の少なくとも一方に少なくとも部分的に連結され、前記開封片が、前記第1容器及び前記第2容器と共に、前記試験管から抜き取り可能となる請求項4に記載のイムノクロマトグラフィー法に用いる二液混合装置。
  6. 請求項4又は5に記載のイムノクロマトグラフィー法に用いる二液混合装置を構成する前記容器本体を製造する方法であって、
    前記容器本体を、同一の樹脂を用いて一体成形すると共に、前記第1液室の第1上端部と前記第2液室の第2上端部を開口させておく工程と、
    前記第1上端部から前記第1液室に第1液を注入する工程と、
    前記第2上端部から前記第2液室に第2液を注入する工程と、
    前記第1上端部と前記第2上端部とを封止する工程とを含む方法。
  7. 前記封止する工程は、熱溶着による請求項6記載の方法。
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