JP2019219350A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Toshitugu Ishii
稔二 石井
尚宏 槇平
Naohiro Makihira
尚宏 槇平
潤 松橋
Jun Matsuhashi
潤 松橋
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Abstract

【課題】電気特性テストの信頼性を向上する。【解決手段】半導体装置の製造方法では、少なくとも、中空構造のアウタプランジャOPに形成されている複数の突起部PJ1の一部と、アウタプランジャOPに収容され、かつ、アウタプランジャOPとは独立に変位可能なインナプランジャIPに形成されている複数の突起部PJ2の一部とを半田ボールSBに接触させた状態で、集積回路の電気特性が測定される。【選択図】図14

Description

本発明は、半導体装置の製造技術に関し、例えば、プローブピンを使用して集積回路の電気特性を測定する工程に適用して有効な技術に関する。
特開2017−102073号公報(特許文献1)には、プローブピンを中空構造の第1プランジャ(アウタプランジャ)と第1プランジャに収容される第2プランジャ(インナプランジャ)とから構成する技術が記載されている。ここで、第2プランジャは、カップ型形状をしており、クリーニングシャフトとして機能することが記載されている。
特開2017−102073号公報
半導体装置の製造工程では、不良品を除外するために、半導体装置に形成されている外部端子にプローブピンを押し当てて、半導体装置に含まれる集積回路の電気特性をテストすることが行なわれている。この点に関し、テストの信頼性を向上するためには、プローブピンと外部端子との接触性能を良好にすることが望まれている。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態における半導体装置の製造方法では、少なくとも、中空構造の第1プランジャに形成されている複数の第1突起部の一部と、第1プランジャに収容され、かつ、第1プランジャとは独立に変位可能な第2プランジャに形成されている複数の第2突起部の一部とを外部端子に接触させた状態で、集積回路の電気特性が測定される。
一実施の形態によれば、電気特性テストの信頼性を向上することができる。
実施の形態における半導体装置の要部断面図である。 実施の形態におけるICテスト用ソケットの概略斜視図である。 実施の形態における半導体装置を挿入したICテスト用ソケットの一部を拡大して示す要部断面図である。 (a)は、関連技術におけるプローブピンの模式的な外観構成を示す図であり、(b)は、関連技術におけるプローブピンの模式的な構成を示す断面図である。 関連技術におけるプローブピンの動作を説明する断面図である。 図5に続くプローブピンの動作を説明する断面図である。 図6に続くプローブピンの動作を説明する断面図である。 図7に続くプローブピンの動作を説明する断面図である。 (a)は、実施の形態におけるプローブピンの模式的な外観構成を示す図であり、(b)は、実施の形態におけるプローブピンの模式的な構成を示す断面図である。 実施の形態におけるプローブピンの先端付近を拡大して示す図である。 実施の形態におけるプローブピンの動作を説明する断面図である。 図11に続くプローブピンの動作を説明する断面図である。 図12に続くプローブピンの動作を説明する断面図である。 図13に続くプローブピンの動作を説明する断面図である。 図14に続くプローブピンの動作を説明する断面図である。 インナプランジャに形成されている突起部の数を4個とした場合における突起部と半田ボールとの接続構成を示す断面図である。 インナプランジャに形成されている突起部の数を4個とした場合における突起部と半田ボールとの接続構成を示す平面図である。 インナプランジャに形成されている突起部の数を4個とした場合において、インナプランジャと半田ボールとの間に位置ずれが生じたときの突起部と半田ボールとの接続構成を示す断面図である。 インナプランジャに形成されている突起部の数を4個とした場合において、インナプランジャと半田ボールとの間に位置ずれが生じたときの突起部と半田ボールとの接続構成を示す平面図である。 インナプランジャに形成されている突起部の数を9個とした場合における突起部と半田ボールとの接続構成を示す断面図である。 インナプランジャに形成されている突起部の数を9個とした場合における突起部と半田ボールとの接続構成を示す平面図である。 インナプランジャに形成されている突起部の数を9個とした場合において、インナプランジャと半田ボールとの間に位置ずれが生じたときの突起部と半田ボールとの接続構成を示す断面図である。 インナプランジャに形成されている突起部の数を9個とした場合において、インナプランジャと半田ボールとの間に位置ずれが生じたときの突起部と半田ボールとの接続構成を示す平面図である。 インナプランジャに形成されている突起部に傾斜部を設けない構成を模式的に示す図である。 インナプランジャに形成されている突起部に傾斜部を設ける構成を模式的に示す図である。 アウタプランジャの先端部に内側から外側に向って傾斜している突起部が形成されている構成を模式的に示す図である。 アウタプランジャの先端部に外側から内側に向って傾斜している突起部が形成されている構成を模式的に示す図である。 実施の形態における第4特徴点を説明する図である。 コンタクト回数と接触抵抗値との関係を示すグラフである。 (a)は、変形例1におけるインナプランジャの模式的な構成を示す平面図であり、(b)は、(a)のA−A線における断面図である。 (a)は、変形例2におけるインナプランジャの模式的な構成を示す平面図であり、(b)は、(a)のA−A線における断面図である。 (a)は、変形例3におけるアウタプランジャの模式的な構成を示す平面図であり、(b)は、変形例3におけるアウタプランジャの模式的な構成を示す図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
<半導体装置>
半導体装置の一例として、図1に示すワイヤボンディング接続を採用したフェースアップボンディング構造のBGA型半導体装置(半導体パッケージ)を取り上げて説明する。
図1は、本実施の形態における半導体装置の要部断面図である。
図1に示すように、本実施の形態における半導体装置SMは、例えば、配線基板ISの上面に搭載された半導体チップSCを有する一方、配線基板ISの下面(配線基板ISの上面とは反対側の面)に、外部接続用端子としてボール状の外部端子OT(半田ボール)を複数有するパッケージ構造から構成されている。
(1)半導体チップ
半導体チップSCは、主面、およびこの主面とは反対側の裏面を有し、半導体チップSCの裏面が配線基板ISの上面と対向するように、配線基板ISの上面の中央部のチップ搭載領域にペースト状またはDAF(Die Attach Film)などのフィルム状の接着剤DFを介して半導体チップSCが搭載されている。
半導体チップSCの主面には、半導体素子と電気的に接続された複数のボンディングパッド(電極パッド)EPが配置されている。これらボンディングパッドEPは、半導体チップSCの多層配線層のうちの最上層の配線からなり、それぞれのボンディングパッドEPに対応して表面保護膜に形成された開口部により、その上面の一部が露出している。
(2)配線基板
配線基板ISは、例えばビルドアップ基板などであって、その厚さ方向と交差する平面形状が四角形になっている。配線基板ISは、例えば、コア材(基材)と、このコア材の一方の面(上面)側、他方の面(下面)側、および内部に配線を有する多層配線構造とから構成されている。
配線基板ISの上面には、チップ搭載領域の周囲の領域において、配線基板ISの各辺に沿って複数のボンディングリード(電極パッド)BLが配置されている。これらボンディングリードBLは、配線基板ISに形成された最上層の配線からなり、それぞれのボンディングリードBLの上面は、上面保護膜に形成された開口部により露出している。
配線基板ISの下面には、複数のバンプランド(電極パッド)BLRが配置されている。これらバンプランドBLRは、配線基板ISに形成された最下層の配線からなり、それぞれのバンプランドBLRの下面は、下面保護膜に形成された開口部により露出している。
(3)導電性部材
半導体チップSCの表面に配置された複数のボンディングパッドEPと、配線基板ISの上面に配置された複数のボンディングリードBLとが、複数の導電性ワイヤ(ボンディングワイヤ、ワイヤ)CWによってそれぞれ電気的に接続されている。導電性ワイヤCWには、例えば、15〜50μmφ程度のAu(金)線またはCu(銅)線が用いられる。
(4)封止体
半導体チップSCおよび複数の導電性ワイヤCWは、配線基板ISの上面に形成された封止体RSによって封止されている。封止体RSは、低応力化を図る目的として、例えばフェノール系硬化剤、シリコーンゴムおよび多数のフィラー(例えばシリカ)などが添加されたエポキシ系の熱硬化性絶縁樹脂で形成されている。封止体RSは、例えばトランスファモールド法により形成される。
(5)外部端子
配線基板ISの下面に形成された複数のバンプランドBLRには、複数の外部端子OTが形成されており、これら外部端子OTは、複数のバンプランドBLRとそれぞれ電気的に、かつ機械的に接続されている。外部端子OTとしては、鉛を実質的に含まない鉛フリー半田組成の半田ボール、例えばSn−3[wt%]Ag−0.5[wt%]Cu(錫−3[wt%]銀−0.5[wt%]銅)組成の半田ボールが用いられる。
<ICテスト用ソケット>
次に、本実施の形態におけるICテスト用ソケットについて図2および図3を用いて説明する。図2は、本実施の形態におけるICテスト用ソケットの概略斜視図である。一方、図3は、本実施の形態における半導体装置を挿入したICテスト用ソケットの一部を拡大して示す要部断面図である。
図2および図3に示すように、ICテスト用ソケットTSは、検査時に半導体装置SMの複数の外部端子OTにそれぞれ接触させる複数のプローブピン(コンタクトピン、コンタクトプローブ、プローブ、探針)CP、複数のプローブピンCPを固定するソケットベース(プローブガイド)G1を備えている。さらに、ICテスト用ソケットTSは、半導体装置SMが収容可能なフローティング台座(パッケージガイド)G2、およびフローティング台座G2内に搭載した半導体装置SMを押圧するパッケージ押圧カバーG3を備えている。半導体装置SMをICテスト用ソケットTSに固定する際には、半導体装置SMに備わる複数の外部端子OTをフローティング台座G2の底面に向けて、フローティング台座G2内に半導体装置SMを搭載し、パッケージ押圧カバーG3を閉じる。これにより、フローティング台座G2の底面に設けられた複数の貫通孔からそれぞれ突出する複数のプローブピンCPの先端部と、半導体装置SMに備わる複数の外部端子OTとがそれぞれ接触して、両者の導通をとることができる。
<関連技術の説明>
以下では、まず、関連技術におけるプローブピンの構成について説明した後、この関連技術におけるプローブピンを使用した検査工程について説明する。
図4は、関連技術におけるプローブピンの模式的な構成を示す図である。特に、図4(a)は、関連技術におけるプローブピンの模式的な外観構成を示す図であり、図4(b)は、関連技術におけるプローブピンの模式的な構成を示す断面図である。
図4(a)および図4(b)に示すように、関連技術におけるプローブピンCP1は、中空構造のアウタプランジャOPと、このアウタプランジャOPに収容されるクリーニングシャフトCSとを有している。このとき、アウタプランジャOPは、コイルスプリングSP1と接続されており、コイルスプリングSP1の伸び縮みによって、上下方向(z方向)に変位可能に構成されている。同様に、クリーニングシャフトCSは、コイルスプリングSP2と接続されており、コイルスプリングSP2の伸び縮みによって、上下方向(z方向)に変位可能に構成されている。
次に、このように構成されているプローブピンCP1を使用して、例えば、図1に示す半導体装置SMの電気特性を検査する工程について説明する。
まず、図1に示す半導体装置SMと図2に示すICテスト用ソケットTSを準備する。そして、半導体装置SMに備わる複数の外部端子OTをフローティング台座G2の底面に向けて、フローティング台座G2内に半導体装置SMを搭載する。続いて、パッケージ押圧カバーG3を閉じる。これにより、フローティング台座G2の底面に設けられた複数の貫通孔から複数のプローブピンCPの先端部のそれぞれが突出し、半導体装置SMに備わる複数の外部端子OTと複数のプローブピンCPの先端部とが接触して、外部のテスタから所定の電気信号が半導体装置SMに対して送信されて電気特性の検査が行われる。
以下では、上述したプローブピンCPとして、関連技術におけるプローブピンCP1を使用することにより、半導体装置SMの電気特性を検査する際のプローブピンCP1の動作について簡単に説明する。
複数のプローブピンCP1を備えるICテスト用ソケットTSと電気特性の検査対象となる半導体装置SMとを準備し、半導体装置SMをICテスト用ソケットTSに挿入する。このとき、半導体装置SMは、例えば、BGA型のパッケージ構造体から構成され、外部端子OTとして半田ボールSBを有する。
まず、図5に示すように、プッシャーを下降させて半導体装置を押圧することにより、半導体装置に備わる半田ボールSBをプローブピンCP1に近づけて、半田ボールSBをクリーニングシャフトCSに当てる。
次に、図6に示すように、プッシャーをさらに下降させて半導体装置を押圧することにより、クリーニングシャフトCSのみを押圧し、アウタプランジャOPの内部にクリーニングシャフトCSを押し込み、半田ボールSBをアウタプランジャOPの先端部に当てる。
続いて、図7に示すように、プッシャーをさらに下降させて半導体装置を押圧することにより、アウタプランジャOPとクリーニングシャフトCSとを押圧して、アウタプランジャOPの先端部を半田ボールSBに刺し込む。そして、この状態で、テスタからプローブピンCP1へ所定の電気信号を送信して、半導体装置の電気特性を検査する。
その後、図8に示すように、プッシャーを上昇させて半導体装置をICテスト用ソケットに装着した時の元の位置に戻すことにより、アウタプランジャOPとクリーニングシャフトCSから半田ボールSBを離す。以上のようにして、関連技術におけるプローブピンCP1を使用して、半導体装置SM(図1参照)の電気特性を検査することができる。
ここで、上述した半導体装置SMの電気特性を検査する工程に対して、プローブピンCP1を繰り返して使用すると、プローブピンCP1のアウタプランジャOPの先端部に半田屑が付着する。そして、アウタプランジャOPの先端部に半田屑が付着すると、半田屑の付着に起因して、アウタプランジャOPと半田ボールSBとの接触抵抗がばらつく。
この点に関し、関連技術におけるプローブピンCP1では、例えば、図5〜図8に示すように、アウタプランジャOPの先端部からクリーニングシャフトCSを出入りさせている。この結果、関連技術におけるプローブピンCP1では、アウタプランジャOPの先端部に付着した半田屑がクリーニングシャフトCSの出入りによって削り取られる。
このように、関連技術におけるプローブピンCP1は、クリーニングシャフトCSを有することによって、アウタプランジャOPの先端部に付着した半田屑を除去することができるため、アウタプランジャOPの先端部への半田屑の付着に起因するアウタプランジャOPと半田ボールSBとの接触抵抗のばらつきを抑制できる。このことから、関連技術によれば、半導体装置の電気特性の測定を再現性よく安定して実施することができる。
ところが、本発明者が、関連技術におけるプローブピンCP1について検討した結果、改善の余地が存在することが明らかになった。そこで、以下では、関連技術に存在する改善の余地について説明することにする。
<関連技術に存在する改善の余地>
例えば、図4に示す関連技術のプローブピンCP1において、クリーニングシャフトCSは、クリーニングを主目的としたものであって、接触性能に特化した形状ではない。このことから、関連技術において、クリーニングシャフトCS自体は、プローブピンCP1と半田ボールSBとの電気的な接続に寄与することはない。つまり、関連技術におけるプローブピンCP1では、アウタプランジャOPの先端部だけがプローブピンCP1と半田ボールSBとの電気的な接続に寄与することになる。そして、アウタプランジャOPの先端部の形状は、既存の「4山クラウン」の形状と同等であることから、関連技術におけるプローブピンCP1の接触性能は、既存の「4山クラウン」のプローブピンの接触性能と同等となる。この結果、関連技術のプローブピンCP1においても、「4山クラウン」のプローブピンで生じる寿命の問題が顕在化する。
そして、「4山クラウン」のプローブピンは、半田ボールとプローブピンとの間の位置ずれが、半田ボールとプローブピンとの接触性能に大きな影響を与えることから、「4山クラウン」のプローブピンと同等の接触性能を有する関連技術におけるプローブピンCP1においても、半田ボールとプローブピンとの間の位置ずれが、半田ボールとプローブピンとの接触性能に大きな影響を与える。このことは、関連技術におけるプローブピンCP1でも、半田ボールとプローブピンとの間の位置ずれに起因する接触抵抗のばらつきが大きくなるという問題が顕在化することを意味する。
そして、関連技術においては、クリーニングシャフトCSの先端部がカップ形状をしているため、カップ形状の底部や外周縁部に半田屑が堆積しやすい。この場合、クリーニングシャフトCSを半田ボールに接触させた際、カップ形状の底部に堆積した半田屑に起因する半田ボールへのダメージ(圧痕の増大)や異物転写の懸念が存在する。また、カップ形状の外周縁部に堆積した半田屑が、クリーニングシャフトCSとアウタプランジャOPとの間の隙間に落下して、プローブピンCP1の摺動不良を引き起こす原因となるとともに、半導体装置への異物転写も懸念される。
さらに、関連技術におけるプローブピンCP1を評価した結果では、アウタプランジャOPとクリーニングシャフトCSとに加える荷重は、ともに30gfであり、関連技術におけるプローブピンCP1に加える総荷重は、60gfとなる。これは、既存のプローブピンに加える総荷重が35gf程度であることを考慮すると、関連技術におけるプローブピンCP1では、既存のプローブピンの約2倍の荷重を加える必要があることを意味する。この場合、ハンドラに加える総荷重が一定に制限されていることを考慮すると、関連技術におけるプローブピンCP1では、加える荷重が約2倍となることは、同時に使用可能なプローブピン数は半減することを意味する。したがって、関連技術におけるプローブピンCP1は、多ピン系の半導体装置の電気特性の検査や多数個の半導体装置の同時検査に対応することが困難となるという問題点が顕在化する。
このように、関連技術におけるプローブピンCP1には、様々な改善の余地が存在する。そこで、本実施の形態は、関連技術に存在する改善の余地に対する工夫を施している。以下では、この工夫を施した本実施の形態における技術的思想について説明する。
<実施の形態におけるプローブピンの構成>
本実施の形態におけるプローブピンは、半導体チップと、この半導体チップに形成された集積回路と電気的に接続する外部端子とを有する半導体装置の外部端子に接触させる構造体であって、半導体装置の電気特性を測定するために使用される。
図9は、本実施の形態におけるプローブピンの模式的な構成を示す図である。特に、図9(a)は、本実施の形態におけるプローブピンの模式的な外観構成を示す図であり、図9(b)は、本実施の形態におけるプローブピンの模式的な構成を示す断面図である。
図9(a)および図9(b)に示すように、本実施の形態におけるプローブピンCP2は、中空構造のアウタプランジャOPと、このアウタプランジャOPに収容されるインナプランジャIPとを備える。ここで、アウタプランジャOPは、z方向(第1方向)に伸縮可能なコイルスプリングSP1と接続されており、z方向に変位可能に構成されている。そして、アウタプランジャOPの先端部TP1には、複数の突起部PJ1が形成されているとともに、先端部TP1は、外側から内側に向って傾斜している傾斜部を含んでいる。
ここで、傾斜部の角度は45度以上であることが望ましく、傾斜部の先端は、鋭角であることが望ましい。例えば、アウタプランジャOPに形成されている突起部PJ1の個数は、例えば、4個である。アウタプランジャOPの先端部の径は、半田ボールの径によって決定される。例えば、φ=0.6mmの半田ボールの場合、アウタプランジャOPの先端径は、φ=0.45mm以下とすることが望ましいが、さらには、φ=0.36mmであることが望ましい。
一方、インナプランジャIPは、z方向(第1方向)に伸縮可能なコイルスプリングSP2と接続されており、上述したアウタプランジャOPとは独立して、z方向に変位可能に構成されている。そして、インナプランジャIPの先端部TP2には、例えば、それぞれピラミッド形状から構成される複数の突起部PJ2が形成されているとともに、先端部TP2は、外側から内側に向って傾斜している傾斜部を含んでいる。さらに、インナプランジャIPにおいては、先端部TP2の側面に溝DITが形成されている。
ここで、各ピラミッド形状の頂点は、等間隔で配置され、例えば、ピラミッド形状の傾斜面角度は、65度以上であり、鋭角であることが望ましい。また、例えば、各頂点間のピッチは、50μm以上であり、頂点の高さは、50μm以上であることが望ましい。
図10は、本実施の形態におけるプローブピンCP2の先端付近を拡大して示す図である。図10に示すように、アウタプランジャOPの先端部には、例えば、4つの大きな突起部PJ1が形成されている。一方、中空構造のアウタプランジャOPに収容されるインナプランジャIPの先端部の側面には、溝DITが形成されているとともに、溝DITの上方に、それぞれピラミッド形状からなる複数の突起部PJ2が形成されている。
図10において、インナプランジャIPの先端部に形成されている複数の突起部PJ2の個数は、例えば、9個であり、アウタプランジャOPの先端部に形成されている複数の突起部PJ1の個数(4個)よりも多くなっている。
なお、プローブピンCP2を構成するアウタプランジャOPとインナプランジャIPとコイルスプリングSP1とコイルスプリングSP2は、半導体装置SMに備わる半田ボールSBと電気的な接続を図るために、導電性材料から形成される。このように、本実施の形態では、プローブピンCP2と半田ボールSBとの電気的な接続をアウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方によって行なうように構成されている。
以上のようにして、本実施の形態におけるプローブピンCP2が構成されている。
<実施の形態におけるプローブピンの動作>
続いて、半導体装置の製造工程に含まれる半導体装置の電気特性の検査工程について説明し、この検査工程でのプローブピンの動作について説明する。
本実施の形態における半導体装置の製造方法は、(a)半導体チップと、半導体チップに形成された集積回路と電気的に接続する外部端子とを有する半導体装置を準備する工程と、(b)外部端子にプローブピンを接触させる工程とを備える。
ここで、外部端子に本実施の形態におけるプローブピンCP2を接触させる動作について説明する。まず、複数のプローブピンCP2を備えるICテスト用ソケットTS(図2参照)と電気特性の検査対象となる半導体装置SM(図1参照)とを準備し、半導体装置SMをICテスト用ソケットTSに挿入する。このとき、半導体装置SMは、例えば、BGA型のパッケージ構造体から構成され、外部端子OTとして半田ボールSBを有する。
図11に示すように、プッシャーを下降させて半導体装置を押圧することにより、半導体装置に備わる半田ボールSBをプローブピンCP2に近づけて、半田ボールSBをインナプランジャIPの先端部TP2に形成されている複数の突起部PJ2に当てる(あるいは、少なくとも、複数の突起部PJ2の一部に当てる)。このとき、図11に示すように、インナプランジャIPの側面に形成されている溝DITは、アウタプランジャOPの先端部TP1に形成されている突起部PJ1よりも高い位置にある。
その後、図12に示すように、プッシャーをさらに下降させて半導体装置を押圧することにより、インナプランジャIPの先端部TP2に形成されている複数の突起部PJ2を半田ボールSBに刺し込む(あるいは、少なくとも、複数の突起部PJ2の一部を半田ボールSBに刺し込む)。これにより、半田ボールSBと接触している突起部PJ2は、酸化されている半田ボールSBの表面を突き破ることになり、突起部PJ2と半田ボールSBとの電気的な接続が確保される。
次に、図13に示すように、プッシャーを下降させて半導体装置を押圧することにより、インナプランジャIPの一部をアウタプランジャOPの内部に押し込むように、インナプランジャIPを上下方向(z方向)に変位させる。この結果、アウタプランジャOPの先端部TP1に形成されている複数の突起部PJ1は、半田ボールSBに当たる(あるいは、少なくとも、複数の突起部PJ1の一部は、半田ボールSBに当たる)。
このとき、本実施の形態では、インナプランジャIPの一部をアウタプランジャOPの内部に押し込むように、インナプランジャIPを上下方向(z方向)に変位させる際、アウタプランジャOPの内側面とインナプランジャIPの側面とが擦れ合う。これにより、本実施の形態では、アウタプランジャOPの内側面がクリーニングされる。
その後、図14に示すように、プッシャーをさらに下降させて半導体装置を押圧することにより、アウタプランジャOPの先端部TP1に形成されている複数の突起部PJ1を半田ボールSBに刺し込む(あるいは、少なくとも、複数の突起部PJ1の一部を半田ボールSBに刺し込む)。これにより、半田ボールSBには、少なくとも、複数の突起部PJ1の一部と複数の突起部PJ2の一部とが刺し込まれる。これにより、半田ボールSBと接触している突起部PJ1は、酸化されている半田ボールSBの表面を突き破ることになり、突起部PJ1と半田ボールSBとの電気的な接続が確保される。
このように本実施の形態では、アウタプランジャOPに第1荷重を加えることにより、少なくとも複数の突起部PJ1の一部を半田ボールSB(外部端子OT)に接触させ、かつ、インナプランジャIPに第2荷重を加えることにより、少なくとも複数の突起部PJ2の一部を半田ボールSB(外部端子OT)に接触させる。このとき、第2荷重は、第1荷重よりも大きくてもよいし、第1荷重と第2荷重とは、等しくてもよい。
そして、本実施の形態では、少なくとも複数の突起部PJ1の一部と複数の突起部PJ2の一部とが半田ボールSB(外部端子OT)に接触した状態で、テスタからプローブピンCP2へ所定の電気信号が送信されて、半導体装置の電気特性が測定される。この結果、半導体装置の電気特性の良否が検査されることになる。特に、本実施の形態では、例えば、図14に示すように、プローブピンCP2と半田ボールSBとの電気的な接続が、アウタプランジャOPに形成された突起部PJ1と、インナプランジャIPに形成された突起部PJ2の両方で確実に行なわれていることから、半導体装置の電気的特性の検査精度を向上することができる。
その後、図15に示すように、プッシャーを上昇させて半導体装置をICテスト用ソケットに装着した時の元の位置に戻すことにより、アウタプランジャOPとインナプランジャIPから半田ボールSBを離す。以上のようにして、本実施の形態におけるプローブピンCP2を使用して、半導体装置SM(図1参照)の電気特性を検査することができる。
<実施の形態における特徴>
<<第1特徴点>>
続いて、本実施の形態における特徴点について説明する。本実施の形態における第1特徴点は、例えば、図14に示すように、プローブピンCP2と半田ボールSB(外部端子OT)との電気的な接続を、アウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方で行なう点にある。これにより、本実施の形態によれば、プローブピンCP2と半田ボールSB(外部端子OT)との電気的な接続信頼性を向上できる結果、半導体装置の電気的特性の検査精度を向上することができる。
例えば、図4に示す関連技術におけるコンタクトピンCP1も、中空構造のアウタプランジャOPの内部にクリーニングシャフトCSが収納されている点で、中空構造のアウタプランジャOPの内部にインナプランジャIPが収納されている図9に示す本実施の形態におけるコンタクトピンCP2と類似する構成を有しているように思われる。
この点に関し、図4に示す関連技術におけるコンタクトピンCP1では、クリーニングシャフトCSを絶縁材料から構成することが望ましいとされており、このクリーニングシャフトCSを半田ボールとの電気的な接触に使用するという思想は存在しない。
すなわち、関連技術におけるクリーニングシャフトCSは、クリーニングシャフトCSをアウタプランジャOPの先端部から出入りさせることによって、アウタプランジャOPの先端部に付着した半田屑を除去するために設けられており、関連技術には、このクリーニングシャフトCSを半田ボールとの電気的な接触を取るために使用するという思想はまったく存在しない。なぜなら、関連技術において、クリーニングシャフトCSを半田ボールとの電気的な接続に使用する思想が存在するのであれば、クリーニングシャフトCSを絶縁材料から構成することが望ましいという言及はしないはずだからである。
関連技術において、クリーニングシャフトCSを絶縁材料から構成することが望ましいとしている理由は、以下の通りである。
例えば、アウタプランジャOPとクリーニングシャフトCSとの間の隙間に半田屑などの異物が挟まって、クリーニングシャフトCSが摺動不良となった場合、クリーニングシャフトCSを絶縁材料から構成していると、アウタプランジャOPが半田ボールとの電気的な接続を取ることができなくなる。この結果、関連技術では、この状態をプローブピンCP1の接触不良として迅速に検出することができる。
例えば、クリーニングシャフトCSをアウタプランジャOPと同じ導電性材料から構成しているとする。この場合、摺動不良によって、アウタプランジャOPと半田ボールとの電気的な接続が確保することができなくなっても、アウタプランジャOPから突き出ている摺動不良のクリーニングシャフトCSには、半田ボールが接触するため、クリーニングシャフトCSによって、プローブピンCP1と半田ボールとの間の電気的な接続が確保されることになる。このことから、クリーニングシャフトCSの摺動不良が生じても、プローブピンCP1の抵抗値が大幅に上昇することなく、プローブピンCP1の抵抗値の大幅な上昇を検知することによって、迅速に、クリーニングシャフトCSの摺動不良が発生していると判断することができなくなる。
言い換えれば、クリーニングシャフトCSを絶縁材料から構成する場合には、クリーニングシャフトCSの摺動不良が生じると、プローブピンCP1の抵抗値が大幅に上昇することになり、プローブピンCP1の抵抗値の大幅な上昇を検知することによって、迅速に、クリーニングシャフトCSの摺動不良が発生していると判断することができることになる。このような理由から、関連技術においては、クリーニングシャフトCSを絶縁材料から構成することが望ましいとしており、このクリーニングシャフトCSを半田ボールとの電気的な接触を取るために使用するという思想はまったく存在しない。
さらに言えば、関連技術におけるクリーニングシャフトCSの先端部は、カップ形状をしている。この場合、クリーニングシャフトCSが半田ボールに接触しても、酸化されている半田ボールの表面を突き破ることができず、クリーニングシャフトCSによるプローブピンCP1と半田ボールとの間の良好な電気的な接続は確保することは困難である。すなわち、クリーニングシャフトCSの先端部の形状をカップ形状としている点からも、関連技術では、クリーニングシャフトCSを半田ボールとの電気的な接続に使用する思想が存在しないことが裏付けられているということができる。
これに対し、本実施の形態における第1特徴点では、図14に示すように、プローブピンCP2と半田ボールSB(外部端子OT)との電気的な接続を、アウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方で行なっている。これにより、本実施の形態における第1特徴点によれば、以下に示す第1利点と第2利点とを得ることができる。
まず、第1特徴点における第1利点について説明する。上述したように、本実施の形態では、アウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方が、プローブピンCP2と半田ボールSBとの間の電気的な接続に寄与している。このため、本実施の形態によれば、プローブピンCP2と半田ボールSBとの間の電気的な接続信頼性を向上することができる。つまり、関連技術のようにアウタプランジャOPだけで、プローブピンCP1と半田ボールSBとの電気的な接続を実現しているのではなく、本実施の形態では、プローブピンCP2と半田ボールSBとの間の電気的な接続をアウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方で確実に行なっている。このことから、本実施の形態では、関連技術に比べて、プローブピンCP2と半田ボールSBとの間の電気的な接続を安定化させることができるため、半導体装置の電気的特性の検査精度を向上することができる。
続いて、第1特徴点における第2利点について説明する。例えば、関連技術において、アウタプランジャOPとクリーニングシャフトCSとに加える荷重は、ともに30gfであり、関連技術におけるプローブピンCP1に加える総荷重は、60gfとなる。これは、既存のプローブピンに加える総荷重が35gf程度であることを考慮すると、関連技術におけるプローブピンCP1では、既存のプローブピンの約2倍の荷重を加える必要があることを意味する。この場合、ハンドラに加える総荷重が一定に制限されていることを考慮すると、関連技術におけるプローブピンCP1では、加える荷重が約2倍となることは、同時に使用可能なプローブピン数は半減することを意味する。したがって、関連技術におけるプローブピンCP1は、多ピン系の半導体装置の電気特性の検査や多数個の半導体装置の同時検査に対応することが困難となる。
これに対し、本実施の形態では、プローブピンCP2と半田ボールSBとの間の電気的な接続をアウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方で確実に行なっている。このことから、例えば、インナプランジャIPに加える荷重と、アウタプランジャOPに加える荷重とを組み合わせた総荷重を少なくしても、アウタプランジャOPだけでプローブピンCP1と半田ボールSBとの電気的な接続を行なっている関連技術に比べて、プローブピンCP2と半田ボールSBとの間の電気的な接続信頼性を確保することができるのである。すなわち、アウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方を半田ボールSBとの電気的な接続に寄与させるという本実施の形態における第1特徴点によれば、本実施の形態におけるプローブピンCP2に加える総荷重を小さくできるという利点を得ることができる。この点が、本実施の形態における第1特徴点からもたらされる第2利点である。これにより、本実施の形態における第1特徴点によれば、たとえ、ハンドラに加える総荷重が一定に制限されていても、プローブピンCP2に加える荷重をほぼ現状維持することができるため、同時に使用可能なプローブピン数の減少を抑制することができる。したがって、本実施の形態におけるプローブピンCP2によれば、多ピン系の半導体装置の電気特性の検査や多数個の半導体装置の同時検査に対応することが可能となる。
例えば、本実施の形態におけるプローブピンCP2では、インナプランジャIPに加える荷重と、アウタプランジャOPに加える荷重とを相違させても、プローブピンCP2と半田ボールSBとの間の電気的な接続信頼性を確保できる。
本実施の形態におけるプローブピンCP2の第2利点は、プローブピンCP2に加える総荷重を関連技術に比べて低減できることが重要なのであって、例えば、アウタプランジャOPに加える荷重とインナプランジャIPに加える荷重とを相違させる場合だけでなく、アウタプランジャOPに加える荷重とインナプランジャIPに加える荷重とを等しくすることもできる。なお、より多ピン系の半導体装置の電気特性の検査や、より多数個の半導体装置の同時検査に対応する必要がなければ、本実施の形態におけるプローブピンCP2に加える総荷重を関連技術におけるプローブピンCP1に加える総荷重と同等とすることもできる。この場合、本実施の形態におけるプローブピンCP2によれば、プローブピンCP2と半田ボールSBとの間の電気的な接続信頼性のさらなる向上を図ることができる。このように、本実施の形態におけるプローブピンCP2によれば、より多ピン系の半導体装置の電気特性の検査や、より多数個の半導体装置の同時検査に対応する必要がある用途から、それほど多ピン系の半導体装置の電気特性の検査や多数個の半導体装置の同時検査に対応する必要のない用途までの幅広い用途に使用することができる。
本実施の形態における第1特徴点は、プローブピンCP2と半田ボールSB(外部端子OT)との電気的な接続を、アウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方で行なう点にあるが、本実施の形態では、この第1特徴点を以下に示す構成で具現化している。具体的に、例えば、図9に示すように、アウタプランジャOPの先端部TP1に突起部PJ1を設けるとともに、インナプランジャIPの先端部TP2にも突起部PJ2を設けている。これにより、例えば、図14に示すように、アウタプランジャOPの先端部TP1に形成されている突起部PJ1を半田ボールSBに突き刺すことができるとともに、インナプランジャIPの先端部TP2に形成されている突起部PJ2を半田ボールSBに突き刺すことができる。この結果、アウタプランジャOPの突起部PJ1は、半田ボールSBの酸化されている表面を突き破り、かつ、インナプランジャIPの突起部PJ2も、半田ボールSBの酸化されている表面を突き破ることになる。したがって、アウタプランジャOPとインナプランジャIPのいずれもが、半田ボールSBとの電気的な接続を実現することができる。このように、本実施の形態によれば、アウタプランジャOPの先端部TP1に突起部PJ1を設けるとともに、インナプランジャIPの先端部TP2にも突起部PJ2を設ける構成によって、プローブピンCP2と半田ボールSB(外部端子OT)との電気的な接続を、アウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方で行なうという第1特徴点が具現化されていることがわかる。
さらに、上述した第1特徴点を具現化するにあたって、本実施の形態では、例えば、アウタプランジャOPとインナプランジャIPとを独立して変位可能に構成している。具体的に、本実施の形態では、例えば、図9(b)に示すように、アウタプランジャOPは、コイルスプリングSP1によってz方向に変位可能に構成されている一方、インナプランジャIPは、コイルスプリングSP1とは独立別個なコイルスプリングSP2によって、z方向に変位可能に構成されている。これにより、上述した第1特徴点を具現化することができる結果、アウタプランジャOPと半田ボールSBとの接続信頼性を確保しながら、インナプランジャIPと半田ボールSBとの接続信頼性を確保できる。
なぜなら、アウタプランジャOPとインナプランジャIPとを独立して変位可能に構成しなければ、例えば、図11〜図15に示す動作を実現することができないからである。つまり、アウタプランジャOPとインナプランジャIPとを独立して変位させることにより初めて、図11〜図15に示す動作が実現されて、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2を半田ボールSBに突き刺すことができるとともに、アウタプランジャOPに形成されている突起部PJ1を半田ボールSBに突き刺すことができるのである。
このように、アウタプランジャOPとインナプランジャIPとを独立して変位可能に構成することにより、図11〜図15に示す動作が実現されて、例えば、図14に示すように、プローブピンCP2と半田ボールSB(外部端子OT)との電気的な接続を、アウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方で行なうことができる。したがって、アウタプランジャOPとインナプランジャIPとを独立して変位可能に構成することは、プローブピンCP2と半田ボールSB(外部端子OT)との電気的な接続を、アウタプランジャOPとインナプランジャIPの両方で行なうという第1特徴点を具現化するために必要な工夫点ということができる。
この第1特徴点の具現化構成によれば、以下の利点を得ることができる。すなわち、本実施の形態によれば、アウタプランジャOPの突起部PJ1とインナプランジャIPの突起部PJ2の両方が半田ボールSBとの電気的な接続に寄与する。このことは、アウタプランジャOPの突起部だけが半田ボールSBとの電気的な接続に寄与する関連技術におけるプローブピンCP1よりも、本実施の形態におけるプローブピンCP2の方が安定した多点接触が得られることを意味する。言い換えれば、本実施の形態によれば、関連技術よりも、多点接触を構成する1接触当たりの荷重が小さくなることを意味する。したがって、本実施の形態では、プローブピンCP2の先端部を半田ボールSBに押し付けることに起因するプローブピンCP2の先端部へのダメージを低減することができる。このことから、本実施の形態によれば、プローブピンCP2の耐摩耗性の向上を図ることができる結果、プローブピンCP2の長寿命化を実現できるという顕著な効果が得られる。
<<第2特徴点>>
次に、本実施の形態における第2特徴点について説明する。
まず、本実施の形態における第2特徴点には、上述した第1特徴点を前提として、インナプランジャIPによる半田ボールSBとの電気的な接続を主とし、アウタプランジャOPによる半田ボールSBとの電気的な接続を従とする思想が根底にある。
この背景のもと、本実施の形態における第2特徴点は、インナプランジャIPの先端部TP2に形成されている突起部PJ2の数を増加させている点にある。例えば、インナプランジャIPの先端部TP2に形成されている突起部PJ2の数は、アウタプランジャOPの先端部TP1に形成されている突起部PJ1の数よりも多くなっている。これにより、本実施の形態によれば、主となるインナプランジャIPによる半田ボールSBとの電気的な接続信頼性を向上することができる。
以下では、このことについて具体的に説明する。
図16は、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を4個とした場合における突起部PJ2と半田ボールSBとの接続構成を示す断面図である。図17は、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を4個とした場合における突起部PJ2と半田ボールSBとの接続構成を示す平面図である。
図16および図17に示すように、突起部PJ2と半田ボールSBとの間に位置ずれが生じていない場合には、4個の突起部PJ2が半田ボールSBと接触して、インナプランジャIPと半田ボールSBとの接続信頼性を確保することができる。
次に、図18は、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を4個とした場合において、インナプランジャIPと半田ボールSBとの間に位置ずれが生じたときの突起部PJ2と半田ボールSBとの接続構成を示す断面図である。図19は、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を4個とした場合において、インナプランジャIPと半田ボールSBとの間に位置ずれが生じたときの突起部PJ2と半田ボールSBとの接続構成を示す平面図である。
図18および図19に示すように、突起部PJ2と半田ボールSBとの間に位置ずれが生じると、4個の突起部PJ2のうちの2個の突起部PJ2しか半田ボールSBと接触に寄与しなくなる場合があり、インナプランジャIPと半田ボールSBとの接続信頼性を確保することが困難となる。つまり、4個の突起部PJ2のうちの2個の突起部PJ2しか半田ボールSBと接触に寄与しなくなると、半田ボールSBとの接触に寄与する2個の突起部PJ2に荷重が集中する結果、突起部PJ2の摩耗が進んで、半田ボールSBとの接触不安定性が増大する。このように、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を4個とする場合には、突起部PJ2と半田ボールSBとの間に位置ずれが生じると、半田ボールSBとの接触に寄与する突起部PJ2の数が極端に減少することによって、接触不安定性が増大するとともに、荷重の集中による摩耗の進行が大きくなり、インナプランジャIPの寿命が短くなってしまう。
次に、図20は、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を9個とした場合における突起部PJ2と半田ボールSBとの接続構成を示す断面図である。図21は、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を9個とした場合における突起部PJ2と半田ボールSBとの接続構成を示す平面図である。
図20および図21に示すように、突起部PJ2と半田ボールSBとの間に位置ずれが生じていない場合には、格子状に均等に配置された突起部PJ2(例えば、9個)が半田ボールSBと接触して、インナプランジャIPと半田ボールSBとの接続信頼性を確保することができる。
続いて、図22は、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を9個とした場合において、インナプランジャIPと半田ボールSBとの間に位置ずれが生じたときの突起部PJ2と半田ボールSBとの接続構成を示す断面図である。図23は、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を9個とした場合において、インナプランジャIPと半田ボールSBとの間に位置ずれが生じたときの突起部PJ2と半田ボールSBとの接続構成を示す平面図である。
図22および図23に示すように、突起部PJ2と半田ボールSBとの間に位置ずれが生じても、例えば、9個の突起部PJ2のうちの7個の突起部PJ2が半田ボールSBと接触に寄与するため、インナプランジャIPと半田ボールSBとの接続信頼性を確保できる。なお、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を4個から9個に増加させる場合には、突起部PJ2と半田ボールSBとの間にどのような位置ずれが生じても、半田ボールSBの中央付近に突起部PJ2を接触させることができる結果、突起部PJ2の数が4個の場合に比べて、複数の突起部PJ2による多点接触を安定的に実現することができる。さらに、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を9個とする場合には、突起部PJ2の数が4個の場合よりも、多点接触によって、荷重が分散されるため、耐摩耗性を向上することができる。
以上のことから、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の数を増加させるという本実施の形態における第2特徴点によれば、突起部PJ2と半田ボールSBとの多点接触を安定して実現できる。この結果、本実施の形態における第2特徴点によれば、インナプランジャIPと半田ボールSBとの間の接続信頼性を向上することができるとともに、荷重分散による突起部PJ2の耐摩耗性の向上を通じて、インナプランジャIPの長寿命化を図ることができる。さらに、本実施の形態における第2特徴点によれば、インナプランジャIPと半田ボールSBとの間に位置ずれが生じる場合であっても、接触点が充分多い多点接触を実現できる結果、位置ずれの影響を受けにくい信頼性に優れたインナプランジャIPと半田ボールSBとの電気的な接続を確保することができる。
<<第3特徴点>>
上述したように、本実施の形態における第1特徴点を具現化するために、本実施の形態では、例えば、図11〜図15に示すように、アウタプランジャOPとインナプランジャIPとを独立して変位可能に構成している。そして、この構成を実現するためには、アウタプランジャOPの内側面とインナプランジャIPの側面との間に隙間を設ける必要がある。なぜなら、アウタプランジャOPの内側面とインナプランジャIPの側面との間に隙間が存在しないと、アウタプランジャOPとインナプランジャIPとを独立して変位可能に構成することができなくなるからである。ここで、例えば、本実施の形態におけるプローブピンCP2と半田ボールSBとを接触させる際に発生する異物(半田屑)などが、上述した隙間に挟まると、図11〜図15に示す動作に支障を来すことになる。言い換えれば、アウタプランジャOPの内側面とインナプランジャIPの側面との間に存在する隙間に異物が挟まると、プローブピンCP2の摺動不良が生じてしまう。
そこで、本実施の形態では、プローブピンCP2の摺動不良を抑制するために、以下に示す第3特徴点を有している。具体的に、本実施の形態における第3特徴点は、例えば、図11に示すように、インナプランジャIPの先端部TP2を外側から内側に向って傾斜させている点にある。これにより、本実施の形態における第3特徴点によれば、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の先端に異物が付着した場合であっても、アウタプランジャOPの内側面とインナプランジャIPの側面との間に存在する隙間に、この異物が挟まるポテンシャルを低減することができる。
以下に、この点について説明する。
図24は、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2に傾斜部を設けない構成を模式的に示す図である。図24に示すように、突起部PJ2に傾斜部を設けない場合、突起部PJ2の先端に付着した異物20は、インナプランジャIPとアウタプランジャOPとの間の隙間10に挟まりやすくなる。なぜなら、突起部PJ2の先端の直下に隙間10が存在するため、突起部PJ2の先端に付着した異物20は、異物20の直下に存在する隙間10に落下するポテンシャルが大きくなるからである。
これに対し、図25は、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2に傾斜部SLP2を設ける構成を模式的に示す図である。図25に示すように、突起部PJ2に傾斜部SLP2を設けると、必然的に、突起部PJ2の先端と隙間10との間の距離(L)が大きくなるため、突起部PJ2の半田ボールへの突き刺さりで排斥された異物(半田)は、傾斜部SLP2に留まる。この結果、突起部PJ2の先端に付着した異物20が、隙間に落下するポテンシャルは小さくなる。このようにして、本実施の形態における第3特徴点によれば、インナプランジャIPに形成されている突起部PJ2の先端に付着した異物20が、アウタプランジャOPの内側面とインナプランジャIPの側面との間に存在する隙間10に挟まるポテンシャルを低減することができる。この結果、本実施の形態によれば、プローブピンCP2の摺動不良を抑制することができる。以上のことから、本実施の形態における第3特徴点は、インナプランジャIPに付着した異物に起因するプローブピンCP2の摺動不良を未然に防止するための工夫点ということができる。
<<第4特徴点>>
本実施の形態では、アウタプランジャOPとインナプランジャIPとを独立して変位可能に構成しており、例えば、図11から図15に示すように、インナプランジャIPは、アウタプランジャOPの内部に押し込まれる第1動作と、アウタプランジャOPから突き出される第2動作とが繰り返される。ここで、アウタプランジャOPの先端部TP1に形成されている突起部PJ1は、半田ボールSBに突き刺さることから、突起部PJ1の先端には、異物(半田屑)が付着する。そして、この突起部PJ1の先端に付着した異物が、アウタプランジャOPの内側面とインナプランジャIPの側面との間に存在する隙間に挟まると、プローブピンCP2の摺動不良が生じてしまう。
ここで、例えば、図26は、アウタプランジャOPの先端部に内側から外側に向って傾斜している突起部PJ3が形成されている構成を模式的に示す図である。図26において、アウタプランジャOPの先端部に形成されている突起部PJ3の先端に異物(半田屑)20が付着した場合、インナプランジャIPの上下動作(第1動作と第2動作)が行なわれても、この異物20は除去されずに残存する。したがって、アウタプランジャOPの先端部に内側から外側に向って傾斜している突起部PJ3を設ける構成では、突起部PJ3の先端に付着した異物20が、何らかの原因で剥離して隙間10に挟み込まれるポテンシャルが存在する。すなわち、図26に示すように、アウタプランジャOPの先端部に内側から外側に向って傾斜している突起部PJ3を形成する構成では、プローブピンCP2の摺動不良を効果的に防止する観点から改善の余地がある。
この点に関し、例えば、図27は、アウタプランジャOPの先端部に外側から内側に向って傾斜している突起部PJ1が形成されている構成を模式的に示す図である。図27において、アウタプランジャOPの先端部に形成されている突起部PJ1の先端に異物(半田屑)20が付着した場合、インナプランジャIPの上下動作(第1動作と第2動作)が行なわれることによって、この異物20のうちの隙間10に形成されている部分20aは、除去される。すなわち、異物20の部分20aは、インナプランジャIPの上下動作(第1動作と第2動作)に伴う擦れ合わせによって除去される。図27に示すように、アウタプランジャOPの先端部に外側から内側に向って傾斜している突起部PJ1を形成する構成では、インナプランジャIPの上下動作(第1動作と第2動作)が異物20のうちの隙間10に形成されている部分20aを除去するクリーニング動作として寄与することになる。このことから、アウタプランジャOPに図27に示す突起部PJ1を設ける構成は、アウタプランジャOPに図26に示す突起部PJ3を設ける構成よりも、隙間10に異物が挟まることによるプローブピンCP2の摺動不良を効果的に防止する観点から有用であることがわかる。
ただし、インナプランジャIPの上下動作(第1動作と第2動作)によって削り取られた異物20の部分20aが隙間10の外部に放出されるときは問題がないが、例えば、図27に示すように、この削り取られた異物20の部分20aが隙間10に挟み込まれた場合には、かえって、プローブピンCP2の摺動不良を引き起こす可能性があるため、さらなる改善の検討が必要である。
そこで、本実施の形態では、さらなる工夫を施している。図28は、本実施の形態における第4特徴点を説明する図である。図28において、本実施の形態における第4特徴点は、インナプランジャの先端部の側面に溝DITが形成されている点にある。これにより、例えば、図28に示すように、インナプランジャIPの上下動作(第1動作と第2動作)によって削り取られた異物20の部分20aが隙間10の内部に存在しても、この異物20の部分20aは、インナプランジャIPの側面に形成された溝DITに捕獲される。この結果、本実施の形態における第4特徴点によれば、たとえ、インナプランジャIPの上下動作(第1動作と第2動作)によって削り取られた異物20の部分20aが隙間10に入り込んでも、プローブピンCP2の摺動不良を抑制することができる。
<実施の形態における効果の検証>
次に、本実施の形態におけるプローブピンCP2の有用性について説明する。図29は、コンタクト回数(回)と接触抵抗値(mΩ/Pin)との関係を示すグラフである。図29において、グラフ(A)は、関連技術におけるプローブピンを示すグラフであり、グラフ(B)は、既存の「9山クラウン構造」のプローブピンを示すグラフである。また、グラフ(C)は、既存の「21山クラウン構造」のプローブピンを示すグラフである。さらに、グラフ(D)は、本実施の形態におけるプローブピン(低荷重)を示すグラフであり、グラフ(E)は、本実施の形態におけるプローブピン(高荷重)を示すグラフである。
図29に示すように、コンタクト回数が増えるにしたがって、最も接触抵抗値が高くなってしまうプローブピンは、グラフ(A)に示す関連技術におけるプローブピンであることがわかる。この結果は、関連技術におけるプローブピンのクリーニングシャフトが、半田ボールとの接触に寄与しておらず、実質的に、関連技術におけるプロ―ブピンは、既存の「4山クラウン構造」と同等であることから理解できる。
次に、図29において、関連技術におけるプローブピンの次に接触抵抗値が高くなるプローブピンは、グラフ(B)に示す「9山クラウン構造」のプローブピンであり、その次に接触抵抗値が高くなるプローブピンは、グラフ(C)に示す「21山クラウン構造」のプローブピンであることがわかる。この傾向は、多点接触の接触点数が増加するほど接触抵抗値が低くなるということから定性的に理解することができる。
続いて、図29において、本実施の形態におけるプローブピン(低荷重)と、本実施の形態におけるプローブピン(高荷重)とは、他のプローブピンに比べて、接触抵抗値が低くなっており、本実施の形態におけるプローブピン(低荷重+高荷重)のいずれもが、他のプローブピンに比べて、接触安定性を確保できる有用性を有していることがわかる。
この結果は、その他のプローブピンには存在しない上述した特徴点による効果と考えることができ、これによって、他のプローブピンの性能に比べて、本実施の形態におけるプローブピンの性能が非常に優れていることが裏付けられているということができる。
<変形例1>
図30は、本変形例1におけるインナプランジャIPの模式的な構成を示す図である。特に、図30(a)は、本変形例1におけるインナプランジャIPの模式的な構成を示す平面図であり、図30(b)は、図30(a)のA−A線における断面図である。
図30(a)に示すように、本変形例1におけるインナプランジャIPは、5個の突起部PJ2Aと、4個の突起部PJ2Bとを有している。ここで、図30(b)に示すように、突起部PJ2Aの高さは、「h」だけ突起部PJ2Bの高さよりも高くなっている。言い換えれば、突起部PJ2Bの高さは、「h」だけ突起部PJ2Aの高さよりも低くなっている。このように、本変形例1の特徴点は、例えば、図30(a)および図30(b)に示すように、インナプランジャIPの先端部に、高さの異なる突起部PJ2Aと突起部PJ2Bとが形成されている点にある。特に、本変形例1では、中央部の突起部を高さの高い突起部PJ2Aから構成している。
例えば、インナプランジャIPに9個の突起部を形成する場合、半田ボールの中央部に接触する突起部は摩耗しやすく、特に、高温時の拡散摩耗(材質による侵食)による接触異常の原因となる。この点に関し、本変形例1におけるインナプランジャIPによれば、中央部に配置された突起部PJ2Aの摩耗によって半田ボールとの接触性が低下しても、予め低く設計している外周部の突起部PJ2Bが半田ボールとの接触を補填する結果、コンタクト回数が増加しても、インナプランジャIPと半田ボールとの接続信頼性を確保することができる。
<変形例2>
図31は、本変形例2におけるインナプランジャIPの模式的な構成を示す図である。特に、図31(a)は、本変形例2におけるインナプランジャIPの模式的な構成を示す平面図であり、図31(b)は、図31(a)のA−A線における断面図である。
図31(a)に示すように、本変形例2におけるインナプランジャIPは、4個の突起部PJ2Aと、5個の突起部PJ2Bとを有している。ここで、図31(b)に示すように、突起部PJ2Aの高さは、「h」だけ突起部PJ2Bの高さよりも高くなっている。言い換えれば、突起部PJ2Bの高さは、「h」だけ突起部PJ2Aの高さよりも低くなっている。このように、本変形例2の特徴点は、例えば、図31(a)および図31(b)に示すように、インナプランジャIPの先端部に、高さの異なる突起部PJ2Aと突起部PJ2Bとが形成されている点にある。特に、本変形例2では、中央部の突起部を高さの低い突起部PJ2Bから構成している。
本変形例2によれば、摩耗しやすい中央部の突起部を高さの低い突起部PJ2Bから構成することにより、コンタクト回数の少ない段階では、中央部の突起部を接触補助の突起部として機能させる一方、コンタクト回数が多くなって、その他の高い突起部PJ2Aが摩耗する段階で、中央部の突起部PJ2Bが有効に作用するようにできる。このとき、摩耗の進んだ突起部PJ2Aも接触を補うことになる結果、コンタクト回数が多くなっても、安定した接触性を確保することができる。
<変形例3>
図32は、本変形例3におけるアウタプランジャOPの模式的な構成を示す図である。特に、図32(a)は、本変形例3におけるアウタプランジャOPの模式的な構成を示す平面図であり、図32(b)は、図32(a)のA−A線における断面図である。
図32(a)に示すように、本変形例3におけるアウタプランジャOPは、4個の突起部PJ1Aと、4個の突起部PJ1Bとを有している。ここで、図31(b)に示すように、突起部PJ1Aの高さは、「h」だけ突起部PJ1Bの高さよりも高くなっている。言い換えれば、突起部PJ1Bの高さは、「h」だけ突起部PJ1Aの高さよりも低くなっている。このように、本変形例3の特徴点は、例えば、図32(a)および図32(b)に示すように、アウタプランジャOPの先端部に、高さの異なる突起部PJ1Aと突起部PJ1Bとが形成されている点にある。
本変形例3のように、アウタプランジャOPに形成されている突起部の総数を4個から8個にすることにより、例えば、アウタプランジャOPに形成されている突起部とインナプランジャIPに形成されている突起部の総数を増加させることができる、この結果、本変形例3によれば、プローブピンCP2の多点接触数が増加することによって、より安定した接触性を確保することができる。
さらに、本変形例3にように、アウタプランジャOPに形成されている8個の突起部のうちの4個の突起部を予め低く設定することにより、コンタクト回数が多くなって、高さの高い突起部の摩耗が進行したとしても、高さの低い突起部が接触性を担保する結果、コンタクト回数の少ない段階から多い段階にわたって、安定した接触性を確保できる。
<変形例4>
実施の形態では、外部端子として、半田ボールを備えるBGA構造の半導体装置を例に挙げて説明したが、実施の形態における技術的思想は、これに限らず、例えば、QFP構造の半導体装置やQFN構造の半導体装置に幅広く適用することができる。
特に、QFP構造の半導体装置やQFN構造の半導体装置に対する電気特性の検査工程に、実施の形態におけるプローブピンCP2を適用する場合に、以下に示す利点を得ることができる。具体的に、実施の形態におけるプローブピンCP2は、アウタプランジャOPとインナプランジャIPとが別駆動で外部端子との接触に寄与する構造である。このため、外部端子に異物などが存在して、アウタプランジャOPとインナプランジャIPのいずれかの接触不良が生じても、別駆動のもう一方のプランジャによって、外部端子との接触性を確保できる。したがって、本実施の形態におけるプローブピンCP2を使用することにより、QFP構造の半導体装置やQFN構造の半導体装置に対する電気特性の検査精度を向上することができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
前記実施の形態は、以下の形態を含む。
(付記1)
半導体チップと、前記半導体チップに形成された集積回路と電気的に接続する外部端子とを有する半導体装置の前記外部端子に接触させるプローブピンであって、
前記プローブピンは、
中空構造からなり、かつ、複数の第1突起部が形成された第1先端部を有し、かつ、第1方向に変位可能な第1プランジャと、
前記第1プランジャに収納され、かつ、複数の第2突起部が形成された第2先端部を有し、かつ、前記第1プランジャとは独立に前記第1方向に変位可能な第2プランジャと、
を備える、プローブピン。
(付記2)
付記1に記載のプローブピンにおいて、
前記複数の第2突起部のそれぞれは、ピラミッド形状から構成される、プローブピン。
(付記3)
付記1に記載のプローブピンにおいて、
前記第1先端部は、外側から内側に向って傾斜している傾斜部を含む、プローブピン。
(付記4)
付記1に記載のプローブピンにおいて、
前記第2先端部は、外側から内側に向って傾斜している傾斜部を含む、プローブピン。
(付記5)
付記1に記載のプローブピンにおいて、
前記第2先端部の側面には、溝が形成されている、プローブピン。
(付記6)
付記1に記載のプローブピンにおいて、
前記複数の第1突起部は、
第1高さの第1高突起部と、
前記第1高さよりも低い第1低突起部と、
を含む、プローブピン。
(付記7)
付記1に記載のプローブピンにおいて、
前記複数の第2突起部は、
第2高さの第2高突起部と、
前記第2高さよりも低い第2低突起部と、
を含む、プローブピン。
CP1 プローブピン
CP2 プローブピン
DIT 溝
IP インナプランジャ
OP アウタプランジャ
OT 外部端子
PJ1 突起部
PJ1A 突起部
PJ1B 突起部
PJ2 突起部
PJ2A 突起部
PJ2B 突起部
SB 半田ボール
SC 半導体チップ
SLP2 傾斜部
TP1 先端部
TP2 先端部

Claims (14)

  1. (a)半導体チップと、前記半導体チップに形成された集積回路と電気的に接続する外部端子とを有する半導体装置を準備する工程、
    (b)前記外部端子にプローブピンを接触させる工程、
    を備える、半導体装置の製造方法であって、
    前記プローブピンは、
    中空構造からなり、かつ、複数の第1突起部が形成された第1先端部を有し、かつ、第1方向に変位可能な第1プランジャと、
    前記第1プランジャに収容され、かつ、複数の第2突起部が形成された第2先端部を有し、かつ、前記第1プランジャとは独立に前記第1方向に変位可能な第2プランジャと、
    を有し、
    前記(b)工程では、少なくとも前記複数の第1突起部の一部と前記複数の第2突起部の一部とが前記外部端子に接触した状態で、前記集積回路の電気特性が測定される、半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(b)工程では、前記第1プランジャに第1荷重を加えることにより、少なくとも前記複数の第1突起部の一部を前記外部端子に接触させ、かつ、前記第2プランジャに第2荷重を加えることにより、少なくとも前記複数の第2突起部の一部を前記外部端子に接触させる、半導体装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第2荷重は、前記第1荷重よりも大きい、半導体装置の製造方法。
  4. 請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1荷重と前記第2荷重とは、等しい、半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記複数の第2突起部のそれぞれは、ピラミッド形状を有する、半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1先端部は、外側から内側に向って傾斜している傾斜部を含む、半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第2先端部は、外側から内側に向って傾斜している傾斜部を含む、半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第2先端部の側面には、溝が形成されている、半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記外部端子は、半田ボールを含み、
    前記(b)工程は、
    (b1)少なくとも前記複数の第2突起部の一部を前記半田ボールに接触させる工程、
    (b2)前記(b1)工程後、前記第2プランジャの一部を前記第1プランジャの内部に押し込むように、前記第2プランジャを前記第1方向に変位させる工程、
    (b3)前記(b2)工程後、少なくとも前記複数の第1突起部の一部を前記半田ボールに接触させる工程、
    を有する、半導体装置の製造方法。
  10. 請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第2先端部の側面には、溝が形成されており、
    前記(b1)工程において、前記溝は、前記複数の第1突起部よりも高い位置にある、
    半導体装置の製造方法。
  11. 請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(b2)工程では、前記第2プランジャの一部を前記第1プランジャの内部に押し込むように、前記第2プランジャを前記第1方向に変位させる際、前記第1プランジャの内側面と前記第2プランジャの側面とが擦れ合うことにより、前記第1プランジャの前記内側面がクリーニングされる、半導体装置の製造方法。
  12. 請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記半田ボールの表面は、酸化されており、
    前記(b1)工程では、前記半田ボールと接触している第2突起部は、酸化されている前記半田ボールの表面を突き破り、
    前記(b3)工程では、前記半田ボールと接触している第1突起部は、酸化されている前記半田ボールの表面を突き破っている、半導体装置の製造方法。
  13. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記複数の第1突起部は、
    第1高さの第1高突起部と、
    前記第1高さよりも低い第1低突起部と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
  14. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記複数の第2突起部は、
    第2高さの第2高突起部と、
    前記第2高さよりも低い第2低突起部と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
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