JP2019218770A - 道路舗装構造と道路の舗装方法及び運動施設の舗装構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】発泡樹脂を含むことで、保水による十分な表面温度低減効果が得られる比較的低コストのコンクリート舗装材を用いた道路舗装構造と道路の舗装方法及び運動施設の舗装構造を提供する。【解決手段】砂とセメントを主成分とし、十分な量の連続気泡構造を有する発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを成型し加熱後にブロック状のコンクリート舗装材として地面に敷き詰める道路舗装構造であって、前記発泡樹脂は、加熱によって、前記コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通することを特徴とする道路舗装構造などにより提供する。【選択図】図2
Description
この発明は、発泡樹脂を含むことで、保水による十分な表面温度低減効果が得られる比較的低コストのコンクリート舗装材を用いた道路舗装構造と道路の舗装方法及び運動施設の舗装構造に関する。
近年、道路のアスファルト舗装やコンクリートを用いた高層ビルなどから放出された熱が大気中に蓄熱され、一帯が高温になるヒートアイランド現象が緑地の少ない都市部で大きな問題になっている。ヒートアイランド現象は、道路舗装だけでなく、テニスコートやマラソン、野球などの運動施設でも発生し、通気性が悪い環境や夏季において一層深刻である。
このため、アスファルト舗装やコンクリートに代えて、舗装材料として放熱性があり安価なものを用いることが提案されている。
例えば、特許文献1では、保水材を用いたブロック材が検討され、表面温度低下効果が確認されている。これは保水材として特定の気泡コンクリート粒体を特定量配合したもので、気泡コンクリート粒体は廃棄物が使用できるとしている。しかし、表層をモルタルブロックにすると、表面に連通する十分な量の孔がないために高い温度低下効果が得られないことがある。
例えば、特許文献1では、保水材を用いたブロック材が検討され、表面温度低下効果が確認されている。これは保水材として特定の気泡コンクリート粒体を特定量配合したもので、気泡コンクリート粒体は廃棄物が使用できるとしている。しかし、表層をモルタルブロックにすると、表面に連通する十分な量の孔がないために高い温度低下効果が得られないことがある。
また、軽量化を目的として、セメントに産業廃棄物のプラスチックを混合することも検討されており、例えば、特許文献2は、合成樹脂発泡ビーズを混合・成型し硬化させた後、加熱溶融し、気泡内部に樹脂被膜を形成するとしている。しかし、得られたコンクリートは気泡が表面と連通しているか明記されておらず、十分な水分吸い上げ機能を有するとはいえなかった。
また、特許文献3は、セメントと骨材に産業廃棄物の発泡樹脂と発熱材を混合した成型体に、マイクロ波照射し加熱乾燥するブロック材の製造方法である。この発明は、発泡樹脂を混合してブロック内部に多数の空隙を形成しようとするものであり、得られるブロック材は地盤から水分を吸い上げる揚水機能が高まるので、舗装表面から水分の蒸発により表面の温度上昇を抑制しうる。しかし、発熱材の混合で加熱効率が上げられても発泡樹脂が空隙形成に寄与せず、十分な舗装表面の温度上昇を抑制できない場合があった。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、発泡樹脂を含むことで、保水による十分な表面温度低減効果が得られる比較的低コストのコンクリート舗装材を用いた道路舗装構造と道路の舗装方法及び運動施設の舗装構造を提供することにある。
本発明者らは、かかる従来技術の問題を解決するために鋭意研究した結果、骨材とセメントを主成分とし、連続気泡構造を有する発泡樹脂を均一に分散した状態で含有するセメントペーストを用いてコンクリート舗装材とし、道路や運動施設を舗装すると、該コンクリート舗装材に含まれる発泡樹脂の連続気泡構造が、外部表面に開放した貫通孔と連通しているので、外気の温度が上昇したとき、連続気泡構造が短時間で水を吸い上げ、気泡から外部へと水を放出するため、舗装表面で十分な温度低下効果を発揮することを見出して本発明を完成させた。
本発明の第1の態様は、十分な量の連続気泡構造を有する発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを成型し、加熱後にブロック状のコンクリート舗装材として地面に敷き詰める道路舗装構造であって、前記発泡樹脂は、加熱によって、前記コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通することを特徴とする道路舗装構造である。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記発泡樹脂は、軟質発泡ポリウレタンの含有量が発泡樹脂全体の70重量%以上であることを特徴とする道路舗装構造である。
また、本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記発泡樹脂は、幅及び長さが平均1〜10mmであることを特徴とする道路舗装構造である。
また、本発明の第4の態様は、第1の態様において、前記コンクリート舗装材は、加熱により発熱する金属を含まないことを特徴とする道路舗装構造である。
また、本発明の第5の態様は、第1の態様において、前記コンクリート舗装材は、熱風加熱乾燥装置、赤外線加熱装置、又はマイクロ波照射装置により加熱されることを特徴とする道路舗装構造である。
また、本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記発泡樹脂は、幅及び長さが平均1〜10mmであることを特徴とする道路舗装構造である。
また、本発明の第4の態様は、第1の態様において、前記コンクリート舗装材は、加熱により発熱する金属を含まないことを特徴とする道路舗装構造である。
また、本発明の第5の態様は、第1の態様において、前記コンクリート舗装材は、熱風加熱乾燥装置、赤外線加熱装置、又はマイクロ波照射装置により加熱されることを特徴とする道路舗装構造である。
また、本発明の第6の態様は、十分な量の連続気泡構造を有する発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを用い、層状のコンクリート舗装材とする道路の舗装方法であって、前記セメントペーストで地面を所定の厚さに覆ってから、内部が50〜120℃の温度になるように加熱して、前記コンクリート舗装材中で前記発泡樹脂が、水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通することを特徴とする道路の舗装方法である。
また、本発明の第7の態様は、砂とセメントを主成分とし、十分な量の発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを用い、流動状態のセメントペーストで地面を覆ってから加熱し層状のコンクリート舗装材とするか、あらかじめセメントペーストを成型し硬化後に加熱してブロック状のコンクリート舗装材として地面に敷き詰めた運動施設の舗装構造であって、前記発泡樹脂は、加熱によって、前記コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通することを特徴とする運動施設の舗装構造である。
本実施形態によれば、コンクリート舗装材が、砂などの骨材とセメントを主成分とし、十分な量の発泡樹脂を含有するものであり、発泡樹脂は産業廃棄物を有効利用できることから安価な材料として道路や運動施設を舗装できる。
また、前記コンクリート舗装材に含まれる発泡樹脂が連続気泡構造を有し、その気泡が外表面に存在するマクロな空隙と連通しており、保水量、水の吸い上げ高さともに高いために舗装表面で高い温度低下効果を発揮し、その効果が長時間持続する。
そのため、ヒートアイランド現象が問題になっている道路舗装あるいは運動施設で有効に使用され健康被害を抑制できる。
また、前記コンクリート舗装材に含まれる発泡樹脂が連続気泡構造を有し、その気泡が外表面に存在するマクロな空隙と連通しており、保水量、水の吸い上げ高さともに高いために舗装表面で高い温度低下効果を発揮し、その効果が長時間持続する。
そのため、ヒートアイランド現象が問題になっている道路舗装あるいは運動施設で有効に使用され健康被害を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下説明する実施形態に限定されるものではない。
1.道路舗装構造
本実施形態の道路舗装構造は、十分な量の連続気泡構造を有する発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを成型し、加熱後にブロック状のコンクリート舗装材として地面に敷き詰める道路舗装構造であって、前記発泡樹脂は、加熱によって、コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通している。
発泡樹脂が、コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有しており、空隙を介して上下方向の貫通孔と連通していることから、保水効果が大きく、通行人が多い通りや遊歩道、インターロッキングなど道路舗装に好ましく適用できる。
本実施形態においては、砂とセメントを主成分とし、十分な量の発泡樹脂を均一に分散して含有し、舗装の施工時は流動状態であるセメントペーストを用い、地面を層状に覆ってから加熱され硬化するか、該セメントペーストをあらかじめブロック状に成型し加熱して硬化したもの(ブロック材)でコンクリート舗装材が形成される。
本実施形態の道路舗装構造は、十分な量の連続気泡構造を有する発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを成型し、加熱後にブロック状のコンクリート舗装材として地面に敷き詰める道路舗装構造であって、前記発泡樹脂は、加熱によって、コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通している。
発泡樹脂が、コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有しており、空隙を介して上下方向の貫通孔と連通していることから、保水効果が大きく、通行人が多い通りや遊歩道、インターロッキングなど道路舗装に好ましく適用できる。
本実施形態においては、砂とセメントを主成分とし、十分な量の発泡樹脂を均一に分散して含有し、舗装の施工時は流動状態であるセメントペーストを用い、地面を層状に覆ってから加熱され硬化するか、該セメントペーストをあらかじめブロック状に成型し加熱して硬化したもの(ブロック材)でコンクリート舗装材が形成される。
(1)セメントペースト
本実施形態で用いるセメントペーストは、砂とセメントを主成分とし、十分な量の発泡樹脂を含有しており、水を含む発泡樹脂が所定温度以上に加熱されると、連続気泡構造から水やガスを放出し空隙を四方八方に向かって広げ、コンクリート舗装材の表面で貫通し水の流路を形成する。
本実施形態で用いるセメントペーストは、砂とセメントを主成分とし、十分な量の発泡樹脂を含有しており、水を含む発泡樹脂が所定温度以上に加熱されると、連続気泡構造から水やガスを放出し空隙を四方八方に向かって広げ、コンクリート舗装材の表面で貫通し水の流路を形成する。
セメントは、一般的なコンクリート舗装などに用いられる資材でよく、種類によって限定されない。すなわち、セメントとしては、ポルトランドセメント、エコセメント、アルミナセメントなどが挙げられる。また、砂は、粒径が5mm以下であればよく、一部を粒径が5mmを超える砂利や砕石に置換しても良い。天然骨材のほか粉砕物、人工軽量材、スラグ材などの人工骨材や再生骨材が挙げられる。
一方、発泡樹脂は、合成樹脂中にガスを細かく分散させ、発泡体(フォーム)または多孔質体に成形されたもので、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂などが挙げられる。
ウレタン系樹脂では、一般にポリイソシアネート(主としてジイソシアネート)とジオールを反応させてポリウレタンを合成する際に、イソシアネート基と水との反応で発生した炭酸ガス(二酸化炭素)が同時に形成されたウレタンポリマーに取り込まれて、固まりセル構造の発泡体となる。連続気泡の発泡体は、通常スラブ法やモールド法で形成することができ、親水性基と連続気泡構造を有するウレタン系樹脂は保水性が良く、水吸い上げ性も高い。ウレタン系樹脂は、軟質発泡ポリウレタン、硬質ポリウレタンに分類され、密度や気泡率などによって様々な品種のものがあり、発泡倍率60〜100倍の軟質発泡ポリウレタンは、連続気泡を有しクッション材、自動車内装材、緩衝材、吸音材のほか、家庭用のスポンジとして汎用され、発泡倍率が小さい硬質ポリウレタンは独立気泡を有するものが大半であり、畳床など断熱材として汎用されている
また、オレフィン系樹脂にも同様に連続気泡構造を有するものがあり、本実施形態でも使用できるが、120℃を超えるような高温に加熱されると形状が部分的に損なわれることがある。
また、公知の発泡樹脂にはスチロール系樹脂もあるが、水や空気を通さない球状の気泡が独立し気泡が連続しておらず、親水性基がないこともあり水吸い上げ性が低い。
また、オレフィン系樹脂にも同様に連続気泡構造を有するものがあり、本実施形態でも使用できるが、120℃を超えるような高温に加熱されると形状が部分的に損なわれることがある。
また、公知の発泡樹脂にはスチロール系樹脂もあるが、水や空気を通さない球状の気泡が独立し気泡が連続しておらず、親水性基がないこともあり水吸い上げ性が低い。
そのため本実施形態では、発泡ポリウレタンの使用が好ましく、混合物の場合は、軟質発泡ポリウレタンの含有量が発泡樹脂全体の70重量%以上になることが好ましい。軟質発泡ポリウレタンの含有量は80重量%以上がより好ましく、90重量%以上が特に好ましい。
発泡ポリウレタンには、ナイロン、ポリオレフィンなど他の材料と組み合わせたスポンジ積層体や複合体の形態で市場に流通しているものがある。この廃棄物を用いる場合、選別の工程あるいは粉砕の工程で他の材料と仕分け、ウレタン系樹脂のみとするのが好ましいが、本実施形態では、他の材料の割合が10重量%以下の含有量であれば差し支えない。
発泡樹脂がコンクリート舗装材の表面温度低下性能を発揮するには、セメントペースト内部に均一に分散している必要がある。均一とは、樹脂の粒状体が一か所に偏在しないというほどの意味であり、厳密に均等に存在する必要はない。
まず、主成分の砂とセメント、水、発泡樹脂を用意し、砂とセメントを混合し、これに水と発泡樹脂を配合する。この他に、添加剤成分として、消泡剤、分散剤、顔料などを配合しても良いが、本実施形態では、加熱乾燥の効率を高めるために金属などの発熱材を用いる必要がなく、むしろ発熱材による発泡樹脂の過度な温度上昇を避けることが望ましい。
骨材の砂は、セメントを1とすると体積比で1〜10程度混合することができ、体積比で3〜8が良い。ここで砂の一部を粒径が大きい砂利に置換してもよく、その割合は、セメントを1とすると体積比で0.1〜2程度混合することができる。骨材は舗装材の強度を高め発泡樹脂との間に空隙を生じしやすくするが、舗装の厚さが1cm未満と薄い用途などでは、骨材の配合を省略できることもある。
骨材の砂は、セメントを1とすると体積比で1〜10程度混合することができ、体積比で3〜8が良い。ここで砂の一部を粒径が大きい砂利に置換してもよく、その割合は、セメントを1とすると体積比で0.1〜2程度混合することができる。骨材は舗装材の強度を高め発泡樹脂との間に空隙を生じしやすくするが、舗装の厚さが1cm未満と薄い用途などでは、骨材の配合を省略できることもある。
発泡樹脂は、粒径(幅及び長さ)が平均1〜10mmの粒状体を使用し、特に平均8mm以下、更には平均5mm以下のサイズに粉砕されたものが好ましい。サイズが平均10mmを超えていると、混合性や機械的強度を低下させる場合があり、また平均1mm未満のものは連続気泡構造が小さいので好ましくない。あらかじめ発泡樹脂の粒状体を機械処理して、表面を粗雑化させ水を気泡に取り込み易くし、骨材との混合性を向上させることができる。
また、発泡樹脂の量は、セメントを1とすると体積比で0.1〜10の割合で混合することができ、1〜5が好ましく、2〜4がより好ましい。発泡樹脂は密度が小さく軽量なので、含有量は、多くても全体の10重量%で、通常5重量%以下にすぎない。
この配合物をミキサーで均一になるまで混合する。材料の混合順に制約はないが、水と発泡樹脂の配合は同じタイミングがよい。水の量はセメントの体積を1とすると、当初3〜5とする。水が少なすぎると均一な混練がしにくく、多すぎると骨材が分離し強度が低下するので好ましくない。水は一括混合でもよいが、樹脂の量が多い場合は追加投入して混練しやすくする。
かかるセメントペーストを後述する方法で、層状コンクリート舗装材にして、その断面をみたとき、連続気泡を有する発泡樹脂が、内部に幅及び長さが平均1〜10mmの粒状体で存在するようになる。
(2)ブロック状のコンクリート舗装材
本実施形態で用いるブロック状のコンクリート舗装材(以下、ブロック材ともいう)は、上記の砂とセメントを主成分とし、十分な量の連続気泡を有する発泡樹脂を分散したセメントペーストと同様な組成であり、前記のように原料配合物を十分に混合・混練できたところで、混練物を型枠に入れ半硬化体を得た後、その成型体を加熱乾燥することで製造される。
本実施形態で用いるブロック状のコンクリート舗装材(以下、ブロック材ともいう)は、上記の砂とセメントを主成分とし、十分な量の連続気泡を有する発泡樹脂を分散したセメントペーストと同様な組成であり、前記のように原料配合物を十分に混合・混練できたところで、混練物を型枠に入れ半硬化体を得た後、その成型体を加熱乾燥することで製造される。
型枠の大きさや形状は、特に制限されないが、例えば、縦、横各10〜50cm、厚さ3〜15cmのサイズが例示でき、縦、横各10〜40cm、厚さ3〜10cmのサイズが好ましい。型枠内の混練物は、例えば大気下に室温〜50℃で放置し、養生し徐々に硬化させる。この時点で骨材である砂や砂利によって半硬化体に空隙ができセメントに細孔が生じるが、特に軟質発泡ポリウレタンは柔軟性があるため、骨材やセメントで圧迫されても変形するだけで実質的な空隙を生じにくい。
その後、半硬化体を加熱乾燥する。加熱乾燥装置は、特に限定されず、ガスや石油を燃料とする熱風加熱乾燥装置や電気による赤外線加熱装置、マイクロ波照射装置などが使用できる。加熱乾燥の熱風の供給、循環機構も制限されないが、80〜150℃の空気流を一定して供給でき、温度と時間を制御しやすい装置が望ましい。
ブロック状の半硬化体を加熱乾燥する場合はマイクロ波照射装置の使用が好ましいため、以下、マイクロ波照射による製造について詳述する。マイクロ波照射装置としては、特に制限されず、試験用の小型のものから工業用のベルトコンベアを備えた大型のものまで使用できる。
ブロック状の半硬化体を加熱乾燥する場合はマイクロ波照射装置の使用が好ましいため、以下、マイクロ波照射による製造について詳述する。マイクロ波照射装置としては、特に制限されず、試験用の小型のものから工業用のベルトコンベアを備えた大型のものまで使用できる。
次に、半硬化体を装置内に装入し、マイクロ波を照射する。照射条件は半硬化体のサイズや発泡樹脂の量などによって異なるので一概に規定できないが、例えば1kWの電力を印加し、10分〜2時間とすることができ20分〜1時間が好ましい。連続照射でも構わないが、半硬化体への加熱効果を確認するために間欠的に照射することができる。最初は比較的低温で加熱し、1〜5分間隔で繰り返し照射し、徐々に高温に加熱してゆくのがよい。マイクロ波照射条件により、最終的に半硬化体の内部(中心部)が50℃以上、120℃以下、好ましくは60〜110℃となるように加熱され、全体的に乾燥が進んでいく。
マイクロ波照射により半硬化体内部の水が加熱され、発泡樹脂は加熱後もほぼ原形をとどめるが、軟質のものほど加熱により変形しやすい。ただ軟質発泡ポリウレタンでは、たとえ加熱で軟化変形しても、120℃以下かつ短時間であれば溶融しないものが多く、樹脂自体は連続気泡構造を維持して砂や砂利の外周に付着しているか、セメントに取り囲まれた状態となって存在する。
こうした半硬化体の加熱により、骨材である砂や砂利、セメント相互の間に形成されていた空隙や細孔に微妙な変化が生じる。すなわち水を含んだ発泡樹脂が加熱されると、樹脂は、既存の空隙と細孔のネットワークを利用するかたちで、連続気泡からガスと水を放出し、その流体移動がミクロ孔を起点とする小さな空隙を作り、周辺の樹脂によって生じた小流路51をまきこんで連結し大流路52を形成する。
マイクロ波照射によるブロック材の詳細な製造方法は、例えば前記特許文献3(特許第5150782号公報)にも記載されており、この第1実施形態を参考にすれば前記特許文献2を大幅に上回る表面温度低下性能のものが得られる。ここにマイクロ波照射条件について詳細な記載はないが、金属の発熱材を存在させて内部の熱効率を上げるとしている。発熱材を多くするほど生産性を高められるものの、半硬化体が爆裂しないように金属を発熱材として存在させないほうがよい。
また発熱材へのマイクロ波照射で樹脂が溶融し、空隙内で残渣になりマクロ孔が部分的に閉塞すると、樹脂自体の保水性も損なわれるので、コンクリート舗装材として十分には表面温度上昇を抑制できない場合がある。そのため、本実施形態でブロック材を調製する際には金属などの発熱材を用いず、マイクロ波照射条件は、樹脂がそのまま残存し連続した気泡状態を維持することが重要である。
こうして得られるブロック材は、保水量が0.1g/cm3以上、吸い上げ高さが70%以上であると、表面温度低下効果を発揮し、その性能が長時間持続する。
図1に示すように、ブロック状のコンクリート舗装材1は、セメントを主成分とし、発泡樹脂2を含有している。表面のごく一部に成型時に生じた小さな窪みや凸部がみられるものの、セメントの中に砂や砂利が含まれ概ね平坦部4を形成し、内径4mm以上のマクロな貫通孔5が、略均一に存在している。発泡樹脂2は、ブロック材1の表面では小さくて目立たないが、内部では質感が異なる骨材に混ざって、均一に分散した状態にある。
図2は、図1のブロック材1をA−A断面で切断した内部の樹脂と空隙(流路)のネットワーク構造を模式的に示している。発泡樹脂2は、軟質発泡ポリウレタンであり連続気泡構造を有しているが、骨材との混合時に加圧や摩擦を受け気泡が圧縮されたため、その多くが中央が膨らんだ芋状やラグビーボールのような断面略楕円形を呈している。また、発泡樹脂2の表面への突出数は少ない。この他に図示しないが、製造条件によっては短く小さい樹脂が、平坦部4に略均一な分散状態で多数存在することもある。
ブロック材中央表面に太さ0.5mm、長さ40mmの直線を4本引き、その線に囲まれた正方形の枠内を計数対象とする。本実施形態では、内径4mm以上の貫通孔5(これを、マクロ孔という)が表面の任意の4cm四方、面積16cm2当たりに平均1個以上存在するのが好ましい。ただ、内径10mmを超えるような大きなマクロ孔はブロック材1の強度を低下させやすいので平均1個未満とする。ブロック材1の性能を高めるためには、内径4〜9mmのマクロ孔が平均10個以下存在し、平均2〜7個存在するのがより好ましい。なお、ブロック材1には、マクロ孔以外に内径4mm未満の細孔(ミクロ孔)も多数存在する。
本実施形態では、ブロック材1の水吸い上げ高さが、70%以上であることが望ましい。吸い上げ高さは、保水性舗装ブロック品質規格検討委員会が試験方法を定めており、乾燥時の重量(Wd)測定値と吸水30分後の重量(W30m)測定値と吸水24時間後の重量(W24h)測定値とから、次の式(1)で算出される。水の吸い上げ高さは、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、さらには95%以上が好ましい。
(W30m−Wd)×100/(W24h−Wd) ・・・式(1)
(W30m−Wd)×100/(W24h−Wd) ・・・式(1)
ただし、本実施形態では、水の吸い上げ高さがこの範囲にあるだけでなく、保水量が特定値以上でなければ所望の温度低下効果が得られない。
また、保水量は、保水性舗装ブロック品質規格検討委員会が試験方法を定めており、乾燥したブロック材1の重量(Wd)、24時間水槽で水を吸わせた後のブロック材1の重量(W24h)を測定し、その差(W24h−Wd)を体積(V)で割った数値であり、式(2)で示される。前記のように、従来、ヒートアイランド対策のブロック材1としては、保水量が0.15g/cm3以上でなければ良好な性能が得られないといわれている。
(W24h−Wd)/V ・・・式(2)
また、保水量は、保水性舗装ブロック品質規格検討委員会が試験方法を定めており、乾燥したブロック材1の重量(Wd)、24時間水槽で水を吸わせた後のブロック材1の重量(W24h)を測定し、その差(W24h−Wd)を体積(V)で割った数値であり、式(2)で示される。前記のように、従来、ヒートアイランド対策のブロック材1としては、保水量が0.15g/cm3以上でなければ良好な性能が得られないといわれている。
(W24h−Wd)/V ・・・式(2)
本実施形態でも保水量が0.15g/cm3以上のものが望ましいが、0.12g/cm3以下でも吸い上げ高さなどの条件によっては効果を示すものがある。本実施形態で用いるブロック材は、その保水量が0.1g/cm3以上である。保水量は0.1g/cm3未満では所望の温度低下性能が得られないことがある。ただし、保水量が0.3g/cm3を超えるものを得るには、発泡樹脂2の使用量が増え硬化後の加熱乾燥に時間がかかり、また骨材の相対的減少によって機械的強度が低下することがある。
ブロック材1は、成分や組成が異なる2層以上の多層構造とすることができる。本実施形態の目的を損なわないためには、上面は降雨や散水を浸透すること、下面は地面20に浸透した水を吸い上げること、その中間部は、上面と下面からの水を可能な限り多量に蓄えられることが重視される。そのために、中間部に例えば骨材の一成分として公知の気泡コンクリートの粉砕物を活用してもよい。
この発明によるブロック状のコンクリート舗装材1は、歩道や歩道に面した広場などの舗装のほか、車道に面した駐車場の舗装にも幅広く適用できる。すなわち本実施形態では、前記した砂とセメントを主成分とし、十分な量の連続気泡をもつ発泡樹脂2を含有したブロック材1やインターロッキングなどをコンクリート舗装材として用いて、地面20に敷き並べコンクリート舗装材として道路舗装することができる。
2.道路の舗装方法
本発明の道路の舗装方法は、十分な量の連続気泡構造を有する発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを用い、層状のコンクリート舗装材とする道路の舗装方法であって、前記セメントペーストで地面を所定の厚さに覆ってから、内部が50〜120℃の温度になるように加熱して、前記コンクリート舗装材中で前記発泡樹脂が、水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通している。
本発明の道路の舗装方法は、十分な量の連続気泡構造を有する発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを用い、層状のコンクリート舗装材とする道路の舗装方法であって、前記セメントペーストで地面を所定の厚さに覆ってから、内部が50〜120℃の温度になるように加熱して、前記コンクリート舗装材中で前記発泡樹脂が、水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通している。
(1)層状のコンクリート舗装材
本発明では、まず、十分に混合・混練したセメントペーストを施工する道路面に流し硬化させる。セメントペースト混練物は、例えば室温〜50℃の大気下に放置し、養生させることができる。この時点で骨材である砂や砂利によって半硬化体に微小な空隙ができセメントに細孔が生じる。これらに比べ樹脂は柔軟性があるため、特に軟質発泡ポリウレタンは骨材やセメントで圧迫されても変形するだけで実質的な空隙を生じにくい。
本発明では、まず、十分に混合・混練したセメントペーストを施工する道路面に流し硬化させる。セメントペースト混練物は、例えば室温〜50℃の大気下に放置し、養生させることができる。この時点で骨材である砂や砂利によって半硬化体に微小な空隙ができセメントに細孔が生じる。これらに比べ樹脂は柔軟性があるため、特に軟質発泡ポリウレタンは骨材やセメントで圧迫されても変形するだけで実質的な空隙を生じにくい。
セメントペーストにより形成される層の厚さは、特に制限されないが、例えば、1〜10cmの範囲が例示でき、特に2〜5cmの厚さが好ましい。厚さが1cm未満では、十分な温度低下が期待できず、一方、10cmを超えると加熱時間がかかりすぎて生産性が低下する。
その後、半硬化体を加熱乾燥する。加熱乾燥装置は、特に限定されず、ガスや石油を燃料とする熱風加熱乾燥装置や電気による赤外線加熱装置、マイクロ波照射装置などが使用できる。好ましいのは、熱風加熱乾燥装置や電気による赤外線加熱装置であり、加熱領域を対象の半硬化体に集中できるフードやガイド板を有し、温度と時間を制御しやすい装置が望ましい。
その後、半硬化体を加熱乾燥する。加熱乾燥装置は、特に限定されず、ガスや石油を燃料とする熱風加熱乾燥装置や電気による赤外線加熱装置、マイクロ波照射装置などが使用できる。好ましいのは、熱風加熱乾燥装置や電気による赤外線加熱装置であり、加熱領域を対象の半硬化体に集中できるフードやガイド板を有し、温度と時間を制御しやすい装置が望ましい。
次に、熱風加熱乾燥装置を用いた場合で舗装方法を説明する。まず、半硬化体の上に装置を設置し、熱源からの位置を調整する。熱源の場所は、特に制限されるわけではなく、装置の上方にあっても、側面に付属していてもよい。ただし、熱源から半硬化体までの距離は、例えば30cm以下と近接させ、特に10cm以下が好ましい。30cmよりも離れると熱効率が低下する。装置を設置した後、熱源を稼働させ、100〜200℃の空気流を供給して、半硬化体の表面が80〜150℃になるようにするのが好ましい。熱風の供給時にはファンによる熱風の循環機構を用いることができるし、熱源自体を前後・左右に水平移動させるか、揺動させてもよい。
熱源が半硬化体の表面に接触する加熱ローラーを使用すれば、直接熱が作用するので効率的な乾燥が行われる。加熱ローラーの大きさは、例えば直径5〜30cmの範囲とすることができる。
加熱時間は施工面積や加熱温度によって異なるので一概に規定できないが、例えば、5分〜1時間とすることができる。5分より短いと貫通孔が十分に形成されない場合があり、1時間を超えると樹脂の連続気泡が部分的に損なわれる恐れがある。連続加熱でも構わないが、半硬化体への加熱効果を確認するために、中断して3〜10分間隔で繰り返し間欠加熱することができる。装置の種類や加熱条件にもよるが、半硬化体内部の中心部が50℃以上、120℃以下、好ましくは80〜110℃となるように加熱するのがより好ましい。
加熱時間は施工面積や加熱温度によって異なるので一概に規定できないが、例えば、5分〜1時間とすることができる。5分より短いと貫通孔が十分に形成されない場合があり、1時間を超えると樹脂の連続気泡が部分的に損なわれる恐れがある。連続加熱でも構わないが、半硬化体への加熱効果を確認するために、中断して3〜10分間隔で繰り返し間欠加熱することができる。装置の種類や加熱条件にもよるが、半硬化体内部の中心部が50℃以上、120℃以下、好ましくは80〜110℃となるように加熱するのがより好ましい。
熱風加熱により半硬化体内部の水が加熱され、発泡樹脂2の温度も上昇する。樹脂が加熱されると連続気泡からガスや水が放出され、周辺平坦部4にある微細な空隙の小流路51に入り、細い流路は途中で他の流路と合流し徐々に拡大し、太い空隙の大流路52となり上下面または側面に開放した貫通孔5へ連通している。軟質発泡ポリウレタンの場合、高温に加熱されても120℃以下であれば溶融しにくいので、樹脂自体は連続気泡構造を維持して砂や砂利の外周に付着しているか、セメントに取り囲まれた状態となって存在する。こうしてセメントの硬化反応も進行して乾燥し層状のコンクリート舗装材となる。
層状のコンクリート舗装材は、一回で形成してもよいが、一層の厚さを薄めにして複数回積層して所定の厚さにすることもできる。複数回積層したほうが、上下方向への貫通孔5が増えて大流路52のネットワーク構造を形成しやすい。
半硬化体の中に発熱材が存在すると、加熱時に温度が上昇しすぎて樹脂が溶融する恐れがある。空隙内で溶融し残渣になり通孔が部分的に閉塞すると、樹脂自体の保水性も損なわれるので、コンクリート舗装材として十分には表面温度上昇を抑制できない場合がある。
前記と同様、ブロック材の中央表面に太さ0.5mm、長さ40mmの直線を4本引き、その線に囲まれた正方形の枠内を計数対象とする。内径4mm以上の貫通孔5(マクロ孔)がコンクリート舗装材表面の任意の4cm四方、面積16cm2当たりに平均1個以上存在するのが好ましい。ただ、内径10mmを超えるような大きなマクロ孔はブロック材1の強度を低下させやすいので平均1個未満とする。ブロック材1の性能を高めるためには、内径4〜9mmのマクロ孔が平均10個以下存在し、平均2〜7個存在するのがより好ましい。舗装材には、マクロ孔以外に内径4mm未満の細孔(ミクロ孔)も多数存在する。
図3は、地面20の上に層状になったコンクリート舗装材6の内部の発泡樹脂2と空隙(流路)のネットワーク構造を模式的に示している。発泡樹脂2は軟質発泡ポリウレタンであり連続気泡構造を有しているが、骨材との混合時に加圧や摩擦を受け気泡が圧縮されたため、その多くがラグビーボールのような芋状や断面略楕円形を呈している。
また、発泡樹脂2が加熱されると連続気泡からガスや水を放出し、周辺にある微細な空隙の小流路51に入り、細い小流路51は途中で他の小流路51と合流し徐々に拡大し、太い空隙の大流路52となり上下面に開放した貫通孔5へ連通している。また、上下方向の大流路52のほうが左右方向の大流路52よりも多く形成されている。
また、発泡樹脂2が加熱されると連続気泡からガスや水を放出し、周辺にある微細な空隙の小流路51に入り、細い小流路51は途中で他の小流路51と合流し徐々に拡大し、太い空隙の大流路52となり上下面に開放した貫通孔5へ連通している。また、上下方向の大流路52のほうが左右方向の大流路52よりも多く形成されている。
こうして層状に形成されるコンクリート舗装材6は、保水量が0.1g/cm3以上、吸い上げ高さが70%以上となって、表面温度低下効果を発揮し、その性能が長時間持続する。
(2)ブロック状のコンクリート舗装材
図4は、本実施形態のブロック状のコンクリート舗装材1を歩道に適用した場合である。地面20をブロック状のコンクリート舗装材1の厚さとほぼ同程度の深さ10cmに掘り下げ、ブロック材1を敷き詰めるようにしており、周囲に縦横サイズは同じであるが厚さが1/2程度のコンクリート平板10を配置している。
図4は、本実施形態のブロック状のコンクリート舗装材1を歩道に適用した場合である。地面20をブロック状のコンクリート舗装材1の厚さとほぼ同程度の深さ10cmに掘り下げ、ブロック材1を敷き詰めるようにしており、周囲に縦横サイズは同じであるが厚さが1/2程度のコンクリート平板10を配置している。
ブロック状のコンクリート舗装材1は、内部で水を保持した発泡樹脂2が空隙の細い小流路51につながっており、四方八方に伸びた小流路51は多数の樹脂と連結し、太い大流路52となる。本実施形態で用いるブロック材1は、このような構造であるため、貫通孔5からの水の吸い上げが早く、樹脂からガスが抜け水に置換されても網目状態の構造体に次々と水が入りこんできて高い保水能を発揮する。
この歩道は、中央に一列のブロック材1を所定数設置したシンプルなものである。歩道の幅が広く距離が長いなどの道路や、より大きな温度低下効果を得たいときには、ブロック材1の数を増やせばよく、カーブや傾斜箇所、階段などでは配置を変形することもできる。
ブロック材1を単に配置するだけでなく、例えば周囲の環境にあわせ、シャワーや霧吹き設備を設けたり、地面20の比較的浅い位置にブロック材1の側に向けて散水管40を設けても良い。また、ブロック材1の形状や大きさも任意に変更でき、美観を有したインターロッキングにすることもできる。
ブロック材1は、使用環境にもよるが、表面に付着した埃やゴミが貫通孔5に入り込み、苔が生えたりして孔を塞ぎやすい。これを抑制するために、表層部分に酸化チタンの粒状体を配合させておくことができる。例えば深さ5mmまでの表層部分に、粒径0.1mm以下の酸化チタンの粒状体をセメントに対して0.1〜5重量%配合させておくことで孔の閉塞を低減できる。
本実施形態で使用するブロック材1は、保水量が0.1g/cm3以上、特に0.1〜0.3g/cm3、かつ吸い上げ高さが70%以上であると、後述する実施例のとおり、散水や降雨による表面温度低下がブロック材1を不使用のときに比べ顕著に大きくなるので、歩道などの道路舗装では大きな体感温度の低下を得ることができ、この効果が長時間継続する。
本実施形態により、このような顕著な性能が得られることのメカニズムに関しては、まだ十分には解明できていないが、特定の発泡樹脂を含んだブロック状のコンクリート舗装材1の特異な内部構造にあることは明らかである。
ブロック状のコンクリート舗装材1は、気泡が連続して存在する発泡樹脂2を、セメントや骨材と混合し水で混練した後、養生した半硬化体に熱風やマイクロ波照射などを作用させ所定の温度で加熱乾燥して製造されている。加熱された発泡樹脂2は、骨材の砂や砂利の壁面で圧迫され内部からガスと水を放出して、セメントや骨材との境界に微細なミクロ孔を生じ、既存の空隙によって形成されていた小流路51が近辺あるいは上下面や側面のマクロな貫通孔5と連通する。即ち、貫通孔5(マクロ孔)から毛細管現象で空隙を通して水が入ると中にあった空気がその空隙を通して気泡として貫通孔5から出て行く。水や気泡が何度も通ることにより、大流路52となり貫通孔5(マクロ孔)が大きくなると推測される。
ブロック状のコンクリート舗装材1は、気泡が連続して存在する発泡樹脂2を、セメントや骨材と混合し水で混練した後、養生した半硬化体に熱風やマイクロ波照射などを作用させ所定の温度で加熱乾燥して製造されている。加熱された発泡樹脂2は、骨材の砂や砂利の壁面で圧迫され内部からガスと水を放出して、セメントや骨材との境界に微細なミクロ孔を生じ、既存の空隙によって形成されていた小流路51が近辺あるいは上下面や側面のマクロな貫通孔5と連通する。即ち、貫通孔5(マクロ孔)から毛細管現象で空隙を通して水が入ると中にあった空気がその空隙を通して気泡として貫通孔5から出て行く。水や気泡が何度も通ることにより、大流路52となり貫通孔5(マクロ孔)が大きくなると推測される。
これに対して、従来技術では、空隙形成材として合成樹脂をセメントや骨材に配合し混合、成型しており、その後に合成樹脂が高温に加熱され消失するから、空隙だけで保水しており本実施形態のような連続気泡が存在しないので大きな表面温度低下を得ることができない。
3.運動施設の舗装構造
本実施形態の運動施設の舗装構造は、砂とセメントを主成分とし、十分な量の発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを用い、流動状態のセメントペーストで地面を覆ってから加熱し層状のコンクリート舗装材6とするか、あらかじめセメントペーストを成型し硬化後に加熱してブロック状のコンクリート舗装材として地面に敷き詰めた運動施設の舗装構造であって、前記発泡樹脂は、加熱によって、コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を介して舗装面の貫通孔と連通している。
本実施形態では、かかるコンクリート舗装材を用いて、テニスコート、ゲートボールコート、プールサイドをはじめ各種スポーツ運動施設の舗装を行うものである。層状のコンクリート舗装材6とする場合は、前記道路の舗装方法と同様にして施工できる。
本実施形態の運動施設の舗装構造は、砂とセメントを主成分とし、十分な量の発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを用い、流動状態のセメントペーストで地面を覆ってから加熱し層状のコンクリート舗装材6とするか、あらかじめセメントペーストを成型し硬化後に加熱してブロック状のコンクリート舗装材として地面に敷き詰めた運動施設の舗装構造であって、前記発泡樹脂は、加熱によって、コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を介して舗装面の貫通孔と連通している。
本実施形態では、かかるコンクリート舗装材を用いて、テニスコート、ゲートボールコート、プールサイドをはじめ各種スポーツ運動施設の舗装を行うものである。層状のコンクリート舗装材6とする場合は、前記道路の舗装方法と同様にして施工できる。
一方、ブロック状のコンクリート舗装材1を用いた場合では、図5のようにして、本実施形態の運動施設が舗装される。
本実施形態では、前記したブロック材1を、厚さとほぼ同程度の深さ5〜15cmに掘り下げた地面20に所定数設置している。ブロック材1の下部には、シート状の遮水材30を敷き、端部には散水管40を敷設してノズル先端がブロック材の側面を向くようにするのが好ましい。
本実施形態では、前記したブロック材1を、厚さとほぼ同程度の深さ5〜15cmに掘り下げた地面20に所定数設置している。ブロック材1の下部には、シート状の遮水材30を敷き、端部には散水管40を敷設してノズル先端がブロック材の側面を向くようにするのが好ましい。
前記の通り、ブロック材1中では水を保持した樹脂が細い小流路51につながっており、四方八方に伸びた小流路51は多数の樹脂と連結し、太い大流路52となって外部に貫通した構造であるため、多量の水を円滑に運ぶようになる。本実施形態で用いるブロック材1は、貫通孔5からの水の吸い上げが早く、樹脂からガスが抜け水に置換されても網目状態の構造体に次々と水が入りこんできて高い保水能を発揮する。
そのため散水管40のノズルからブロック材1の側面、底面に向かい十分な量を散水すると、ブロック材1の下部にシート状の遮水材30が敷かれているので、ブロック材1のマクロな貫通孔5から水がブロック材1の内部へと浸透し、発泡樹脂2と空隙によって保水され、気温が上昇すると吸い上げられ、ブロック材1の表面から揮散する。なお、散水はブロック材1の底面が濡れる程度で構わないが、底面から上に数mm浸水すればブロック材1の下部からの吸い上げが十分なものとなる。
ブロック材1の下部に敷いている遮水材30は必須ではない。しかし地面20が透水性である場合は、下地として遮水性のある材料を入れることが望ましい。遮水性のある材料としては、アスファルト、ゴムなど緻密で空隙のない素材が利用できる。
また、ブロック材1自体は、十分な機械的強度を有するものの、運動によるブロック材1の損傷を抑制するゴムのような衝撃吸収材を入れることが好ましい。遮水性の機能も有している衝撃吸収材を入れることで、プレーヤーの足腰への負担を軽減することにもなる。厚みは特に制限されないが、ブロック材1の機能を発揮させるには例えば1〜5mmが好ましい。
また、コートの外周部に散水管だけでなくシャワーを配置することもできる。この他に余剰水の貯留槽や循環機構を併設することができる。好ましいのは外周部4方向の地面20に散水管を配置しブロック材1の外周を包囲することであり、これによりブロック材1全体の保水量を効率的に高めることができる。もちろんノズルのバルブを制御してコートの一部だけに散水するようにしてもよい。
この他に、周囲の環境にあわせ、専用の温度センサーや監視装置などを設けても良い。また、ブロック材1の形状や大きさも任意に変更でき、ブロック材の厚みは施工場所や施工方法などに応じて様々に変えることができ、厚いものほど強度が高まり保守点検を省力化でき、補修のコストなども低減できる。
本実施形態により使用するブロック材1は、保水量が0.1g/cm3以上、特に0.1〜0.3g/cm3、かつ吸い上げ高さが70%以上であると、後述する実施例のとおり、散水や降雨による温度低下がブロック材1を不使用のときに比べ10〜15℃と大きくなるので、運動量が多いテニス場などでは競技者が大きな体感温度の低下を得ることができる。このように、前記ブロック材1に含有される発泡樹脂2が連続気泡構造を有し、その気泡が内部や外表面に存在するマクロな空隙と連通しているためにブロック材1の表面で高い温度低下効果を発揮し、その効果が長時間持続する。従来の気泡コンクリートでは、降雨後、平均3日間といわれているが、本実施形態では平均5日間効果が継続することが確認できている。
以上は本実施形態により、ブロック材1をテニスコートに適用したものであるが、この実施形態はあくまでも一例であって、セメントペーストを施工場所に流して半硬化させた後で加熱し硬化させる場合も同様であり、むしろ経済的に有利な場合がある。また、テニスコートの外周部に適用してもよく、同様にゲートボール、野球、サッカーやラグビーのグラウンド、陸上競技場、校庭などの運動施設にも適用できる。
次に、実施例を比較例とともに示す。ただし、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
<セメントペーストの調製>
骨材の砂、砂利とセメントと水、樹脂成分として発泡樹脂を最大粒径10mm(平均粒径5mm)に粉砕したものを用意した。次に、セメントの体積を1とすると、砂5、砂利1、水5、樹脂3の体積割合で配合し、この配合物をミキサーで均一になるまで0.5時間混合しセメントペーストを得た。なお発泡樹脂は90%が連続気泡構造の軟質発泡ポリウレタンであり、独立気泡構造の硬質ポリウレタンが10%含まれたものである。
<セメントペーストの調製>
骨材の砂、砂利とセメントと水、樹脂成分として発泡樹脂を最大粒径10mm(平均粒径5mm)に粉砕したものを用意した。次に、セメントの体積を1とすると、砂5、砂利1、水5、樹脂3の体積割合で配合し、この配合物をミキサーで均一になるまで0.5時間混合しセメントペーストを得た。なお発泡樹脂は90%が連続気泡構造の軟質発泡ポリウレタンであり、独立気泡構造の硬質ポリウレタンが10%含まれたものである。
<ブロック材の調製>
(1)得られたセメントペーストを型枠に移し、常温の大気中で養生して30cm×30cm×10cmの半硬化体を得た。
(2)次に、この半硬化体を型枠より取り出して、マイクロ波照射装置に装入し1.2kW、10分間マイクロ波照射し、1分間中断(外観目視のため保持)した後、同じ条件でマイクロ波照射を繰り返し、乾燥したブロック材を得た。
(3)乾燥重量は16kgで、発泡樹脂が略均一に含まれ、表面には全く亀裂はないが、各面の4cm四方(面積16cm2)には、内径4mm以上のマクロ孔が平均4個存在した。次に、大量の水を張った水槽にブロック材を沈め、そのまま30分間放置し空隙に水を吸わせた。ブロック材を取り出し、重量を測定し吸い上げ高さを求めた。この測定値から前記の式(1)で算出される吸い上げ高さは90%であった。
その後、水槽に再びブロック材を沈め、24時間放置し樹脂と空隙に水を吸わせた。ブロック材を取り出し、重量を測定した。これらの測定値と体積から前記の式(2)で算出される保水量は、0.14g/cm3であった。
なお、孔の平均径と個数は、ブロック材中央表面に太さ0.5mm、長さ40mmの直線を4本引き、その線に囲まれた4cm四方(面積16cm2)の正方形の枠内にある4mm以上のマクロ孔の個数を計数した。
(4)また、ブロック材内部の軟質のポリウレタンは、全ての実験が終了後、ブロック材の中央部を切断し、ブロック材断面の3か所で4cm四方(断面積16cm2)に存在する幅・長さが4mm以上の粒状体の個数を数え平均した。幅・長さが4mm以上の軟質のポリウレタン粒状体が、ブロック材内部の任意の4cm四方、断面積16cm2に平均3個存在した。
(1)得られたセメントペーストを型枠に移し、常温の大気中で養生して30cm×30cm×10cmの半硬化体を得た。
(2)次に、この半硬化体を型枠より取り出して、マイクロ波照射装置に装入し1.2kW、10分間マイクロ波照射し、1分間中断(外観目視のため保持)した後、同じ条件でマイクロ波照射を繰り返し、乾燥したブロック材を得た。
(3)乾燥重量は16kgで、発泡樹脂が略均一に含まれ、表面には全く亀裂はないが、各面の4cm四方(面積16cm2)には、内径4mm以上のマクロ孔が平均4個存在した。次に、大量の水を張った水槽にブロック材を沈め、そのまま30分間放置し空隙に水を吸わせた。ブロック材を取り出し、重量を測定し吸い上げ高さを求めた。この測定値から前記の式(1)で算出される吸い上げ高さは90%であった。
その後、水槽に再びブロック材を沈め、24時間放置し樹脂と空隙に水を吸わせた。ブロック材を取り出し、重量を測定した。これらの測定値と体積から前記の式(2)で算出される保水量は、0.14g/cm3であった。
なお、孔の平均径と個数は、ブロック材中央表面に太さ0.5mm、長さ40mmの直線を4本引き、その線に囲まれた4cm四方(面積16cm2)の正方形の枠内にある4mm以上のマクロ孔の個数を計数した。
(4)また、ブロック材内部の軟質のポリウレタンは、全ての実験が終了後、ブロック材の中央部を切断し、ブロック材断面の3か所で4cm四方(断面積16cm2)に存在する幅・長さが4mm以上の粒状体の個数を数え平均した。幅・長さが4mm以上の軟質のポリウレタン粒状体が、ブロック材内部の任意の4cm四方、断面積16cm2に平均3個存在した。
<ブロック材の使用>
(1)得られたブロック材を深さ10cm掘り下げた地面に設置し、その周囲を深さ5cm掘り下げて一般のコンクリート平板(30cm×30cm×5cm)を配置した。すなわち発泡樹脂を含むブロック材を中心として、通常のコンクリート平板8枚が取り囲んだ配置とした。なお、その外周に比較例1のコンクリート硬化体を設置した。
(2)初夏の昼、気温25℃を超えた時間にブロック材の上から約500mlの水を散水した。1時間後にブロック材の表面温度を放射温度計(表品名:シンワ No.73010)で測定した。ブロック材の表面温度は38℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、7度低かった。
さらに2時間後にブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は32℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、8.5度低かった。なお、温度差が5度以上になる効果は、その3時間後まで継続した。
以上の結果を表1、図6に示す。なお図6にはブロック材から10m離れたアスファルト舗装でも同様に測定した結果を併記した。
これらの結果から、ブロック材は、保水量、吸い上げ高さが大きいので、気温上昇時にコンクリート内に速やかに水を吸引し表面から継続的に蒸発できるため、表面温度を低下させるからコンクリート舗装材として使用できる。
(1)得られたブロック材を深さ10cm掘り下げた地面に設置し、その周囲を深さ5cm掘り下げて一般のコンクリート平板(30cm×30cm×5cm)を配置した。すなわち発泡樹脂を含むブロック材を中心として、通常のコンクリート平板8枚が取り囲んだ配置とした。なお、その外周に比較例1のコンクリート硬化体を設置した。
(2)初夏の昼、気温25℃を超えた時間にブロック材の上から約500mlの水を散水した。1時間後にブロック材の表面温度を放射温度計(表品名:シンワ No.73010)で測定した。ブロック材の表面温度は38℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、7度低かった。
さらに2時間後にブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は32℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、8.5度低かった。なお、温度差が5度以上になる効果は、その3時間後まで継続した。
以上の結果を表1、図6に示す。なお図6にはブロック材から10m離れたアスファルト舗装でも同様に測定した結果を併記した。
これらの結果から、ブロック材は、保水量、吸い上げ高さが大きいので、気温上昇時にコンクリート内に速やかに水を吸引し表面から継続的に蒸発できるため、表面温度を低下させるからコンクリート舗装材として使用できる。
(実施例2)
実施例1で得られたブロック材を深さ10cm掘り下げた地面に所定個数、図4のように設置し、周囲に一般の30cm×30cm×5cmのコンクリート平板を配置した状態とした。ブロック材には内径4mm以上の孔が平均2.5個存在した。実施例1と同じ条件で測定した吸い上げ高さは83%、保水量は、0.12g/cm3であった。
1時間後にブロック材の表面温度を放射温度計(表品名:シンワ No.73010)で測定し比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、6度低かった。
さらに2時間後にブロック材の表面温度を測定し、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、8度低かった。以上の結果を表1に示す。
この状態で、歩道舗装として3ヶ月使用した。その間、施工から38日目、54日目、82日目にブロック材の表面温度を測定した。なお、その外周に比較例1のコンクリート硬化体を設置している。
(1)38日目:梅雨時季の曇り空、風があり気温31℃を超えた時間に、ブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は23.6℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、14.4度低かった。この日まで5日間、降雨がなかったので、表面温度の低下は主としてブロック材に蓄えられていた水によるものであり、長時間持続性が期待される。
(2)54日目:夏日の晴れ間、無風で気温32℃を超えた時間に、ブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は31.9℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、1.9度低かった。さらに4時間後に温度を測定すると、ブロック材の表面温度は33.5℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、6.5度低かった。
(3)82日目:真夏の晴れ間、無風で気温34℃を超えた時間に、ブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は43.1℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、11.9度低かった。
結果を表1、図7に示す。なお図7にはブロック材から10m離れたアスファルト舗装でも同様に測定した結果を併記した。
約3ヶ月経過後、ブロック材を取り出して上表面を観察すると、大きな亀裂はなく内径4mm以上のマクロ孔が平均10個存在した。側面には孔から下方に水の流下による汚れ痕が多数確認できた。また、底面は、水の流下、停滞によって孔の周辺にわずかに腐食痕が確認された。
約3か月経過後も、ブロック材は、コンクリートに保水された水が気温上昇により徐々に気化して表面温度を低下させており、初期の性能を維持していた。
実施例1で得られたブロック材を深さ10cm掘り下げた地面に所定個数、図4のように設置し、周囲に一般の30cm×30cm×5cmのコンクリート平板を配置した状態とした。ブロック材には内径4mm以上の孔が平均2.5個存在した。実施例1と同じ条件で測定した吸い上げ高さは83%、保水量は、0.12g/cm3であった。
1時間後にブロック材の表面温度を放射温度計(表品名:シンワ No.73010)で測定し比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、6度低かった。
さらに2時間後にブロック材の表面温度を測定し、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、8度低かった。以上の結果を表1に示す。
この状態で、歩道舗装として3ヶ月使用した。その間、施工から38日目、54日目、82日目にブロック材の表面温度を測定した。なお、その外周に比較例1のコンクリート硬化体を設置している。
(1)38日目:梅雨時季の曇り空、風があり気温31℃を超えた時間に、ブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は23.6℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、14.4度低かった。この日まで5日間、降雨がなかったので、表面温度の低下は主としてブロック材に蓄えられていた水によるものであり、長時間持続性が期待される。
(2)54日目:夏日の晴れ間、無風で気温32℃を超えた時間に、ブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は31.9℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、1.9度低かった。さらに4時間後に温度を測定すると、ブロック材の表面温度は33.5℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、6.5度低かった。
(3)82日目:真夏の晴れ間、無風で気温34℃を超えた時間に、ブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は43.1℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、11.9度低かった。
結果を表1、図7に示す。なお図7にはブロック材から10m離れたアスファルト舗装でも同様に測定した結果を併記した。
約3ヶ月経過後、ブロック材を取り出して上表面を観察すると、大きな亀裂はなく内径4mm以上のマクロ孔が平均10個存在した。側面には孔から下方に水の流下による汚れ痕が多数確認できた。また、底面は、水の流下、停滞によって孔の周辺にわずかに腐食痕が確認された。
約3か月経過後も、ブロック材は、コンクリートに保水された水が気温上昇により徐々に気化して表面温度を低下させており、初期の性能を維持していた。
(実施例3)
実施例1において、発泡樹脂として最大粒径10mm(平均粒径5mm)に粉砕したものを用意し、セメントの体積を1とすると、砂5.1、砂利0.9、水5の体積割合とし、樹脂4の割合で配合し、この配合物をミキサーで均一になるまで1時間混合しセメントペーストを得た。なお発泡樹脂は95%が連続気泡の軟質発泡ポリウレタンであり、独立気泡の硬質ポリウレタンが5%含まれている。それ以外は実施例1と同様にしてブロック材を作製した。
乾燥重量は16kgで、表面には全く亀裂はないが、各面中央には、内径4mm以上の孔が平均5個存在した。また、幅・長さが4mm以上の軟質のポリウレタン粒状体が、ブロック材内部の4cm四方(面積16cm2)に平均4個存在した。
次に大量の水を張った水槽にこれを沈め、30分間放置し空隙に水を吸わせた。水槽からブロック材を取り出し、重量を測定した。その後、水槽に再びこれを沈め、24時間放置し空隙に水を吸わせ、水槽からブロック材を取り出し、再び重量を測定した。吸い上げ高さは95%、保水量は、0.18g/cm3であった。
実施例1と同様に、得られたブロック材を10cmの深さに掘り下げた地面に設置し、周囲を5cmの深さに掘り下げて30cm×30cm×5cmの一般のコンクリート平板を配置した。すなわちブロック材を中心としてコンクリート平板8枚が取り囲んだ配置とした。なお、その外周に比較例1のコンクリート硬化体を設置している。
真夏の昼、気温35℃を超えた時間にこの状態でブロック材の上から約500mlの水を散水した。1時間後にブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は39℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、温度が13度低かった。さらに2時間後に表面温度を測定すると、ブロック材の表面温度は35℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、15度低かった。
実施例1よりも性能が高かったのは、軟質の発泡樹脂を増量し、十分に分散させたためと考えられる。結果を表1に示す。
以上の結果から、本実施形態で用いたブロック材は、保水量が十分大きく、吸い上げ高さも大きいので、気温上昇時にコンクリート内に速やかに水を吸引し表面から継続的に蒸発でき、表面温度を低下させることができる。
実施例1において、発泡樹脂として最大粒径10mm(平均粒径5mm)に粉砕したものを用意し、セメントの体積を1とすると、砂5.1、砂利0.9、水5の体積割合とし、樹脂4の割合で配合し、この配合物をミキサーで均一になるまで1時間混合しセメントペーストを得た。なお発泡樹脂は95%が連続気泡の軟質発泡ポリウレタンであり、独立気泡の硬質ポリウレタンが5%含まれている。それ以外は実施例1と同様にしてブロック材を作製した。
乾燥重量は16kgで、表面には全く亀裂はないが、各面中央には、内径4mm以上の孔が平均5個存在した。また、幅・長さが4mm以上の軟質のポリウレタン粒状体が、ブロック材内部の4cm四方(面積16cm2)に平均4個存在した。
次に大量の水を張った水槽にこれを沈め、30分間放置し空隙に水を吸わせた。水槽からブロック材を取り出し、重量を測定した。その後、水槽に再びこれを沈め、24時間放置し空隙に水を吸わせ、水槽からブロック材を取り出し、再び重量を測定した。吸い上げ高さは95%、保水量は、0.18g/cm3であった。
実施例1と同様に、得られたブロック材を10cmの深さに掘り下げた地面に設置し、周囲を5cmの深さに掘り下げて30cm×30cm×5cmの一般のコンクリート平板を配置した。すなわちブロック材を中心としてコンクリート平板8枚が取り囲んだ配置とした。なお、その外周に比較例1のコンクリート硬化体を設置している。
真夏の昼、気温35℃を超えた時間にこの状態でブロック材の上から約500mlの水を散水した。1時間後にブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は39℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、温度が13度低かった。さらに2時間後に表面温度を測定すると、ブロック材の表面温度は35℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、15度低かった。
実施例1よりも性能が高かったのは、軟質の発泡樹脂を増量し、十分に分散させたためと考えられる。結果を表1に示す。
以上の結果から、本実施形態で用いたブロック材は、保水量が十分大きく、吸い上げ高さも大きいので、気温上昇時にコンクリート内に速やかに水を吸引し表面から継続的に蒸発でき、表面温度を低下させることができる。
(実施例4)
実施例1において、発泡樹脂として最大粒径10mm(平均粒径5mm)に粉砕したものを用意し、セメントの体積を1とすると、砂5、砂利1、水5の体積割合とし、樹脂3の割合で配合し、この配合物をミキサーで均一になるまで1時間混合しセメントペーストを得た。なお発泡樹脂は70%が連続気泡の軟質発泡ポリウレタンであり、独立気泡の硬質ポリウレタンが30%含まれている。それ以外は実施例1と同様にしてブロック材を作製した。
乾燥重量は16kgで、表面には全く亀裂はないが各面中央には、内径4mm以上の孔が平均2個存在していた。幅・長さが4mm以上の軟質のポリウレタン粒状体が、ブロック材断面の4cm四方(面積16cm2)に平均3個存在した。
次に大量の水を張った水槽にこれを沈め、30分間放置し空隙に水を吸わせた。水槽からブロック材を取り出し、重量を測定した。その後、水槽に再びこれを沈め、24時間放置し空隙に水を吸わせ、水槽からブロック材を取り出し、再び重量を測定した。吸い上げ高さは72%、保水量は、0.10g/cm3であった。
実施例1と同様に、得られたブロック材を深さ10cm掘り下げた地面に設置し、周囲に30cm×30cm×5cmのコンクリート平板を配置した。すなわちブロック材を中心としてコンクリート平板8枚が取り囲んだ配置とした。なお、その外周に比較例1のコンクリート硬化体を設置している。
真夏の昼、気温35℃を超えた時間にこの状態でブロック材の上から約500mlの水を散水した。1時間後にブロック材の表面温度の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は44℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、温度が5度低かった。さらに2時間後に表面温度を測定すると、ブロック材の表面温度は41℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、7度低かった。
実施例1よりも性能が低かったのは、独立気泡の硬質ポリウレタンの量が多かったためと考えられる。結果を表1に示す。
以上の結果から、本実施形態で用いたブロック材は、保水量が十分大きく、吸い上げ高さも大きいので、気温上昇時にコンクリート内に速やかに水を吸引し表面から継続的に蒸発でき、表面温度を低下させることができる。
実施例1において、発泡樹脂として最大粒径10mm(平均粒径5mm)に粉砕したものを用意し、セメントの体積を1とすると、砂5、砂利1、水5の体積割合とし、樹脂3の割合で配合し、この配合物をミキサーで均一になるまで1時間混合しセメントペーストを得た。なお発泡樹脂は70%が連続気泡の軟質発泡ポリウレタンであり、独立気泡の硬質ポリウレタンが30%含まれている。それ以外は実施例1と同様にしてブロック材を作製した。
乾燥重量は16kgで、表面には全く亀裂はないが各面中央には、内径4mm以上の孔が平均2個存在していた。幅・長さが4mm以上の軟質のポリウレタン粒状体が、ブロック材断面の4cm四方(面積16cm2)に平均3個存在した。
次に大量の水を張った水槽にこれを沈め、30分間放置し空隙に水を吸わせた。水槽からブロック材を取り出し、重量を測定した。その後、水槽に再びこれを沈め、24時間放置し空隙に水を吸わせ、水槽からブロック材を取り出し、再び重量を測定した。吸い上げ高さは72%、保水量は、0.10g/cm3であった。
実施例1と同様に、得られたブロック材を深さ10cm掘り下げた地面に設置し、周囲に30cm×30cm×5cmのコンクリート平板を配置した。すなわちブロック材を中心としてコンクリート平板8枚が取り囲んだ配置とした。なお、その外周に比較例1のコンクリート硬化体を設置している。
真夏の昼、気温35℃を超えた時間にこの状態でブロック材の上から約500mlの水を散水した。1時間後にブロック材の表面温度の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は44℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、温度が5度低かった。さらに2時間後に表面温度を測定すると、ブロック材の表面温度は41℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、7度低かった。
実施例1よりも性能が低かったのは、独立気泡の硬質ポリウレタンの量が多かったためと考えられる。結果を表1に示す。
以上の結果から、本実施形態で用いたブロック材は、保水量が十分大きく、吸い上げ高さも大きいので、気温上昇時にコンクリート内に速やかに水を吸引し表面から継続的に蒸発でき、表面温度を低下させることができる。
(実施例5)
運動場を深さ15cm掘り下げ整地し、衝撃吸収作用を有するシート状の遮水材を敷いた後、実施例1に記載の方法と同様にして得られたブロック材を用いて、図5のように所定数設置し、最外部に散水管を取り巻き、排水設備も設けて、テニスコートを施工した。なお、テニスコートに隣接して比較例1のコンクリート硬化体を参照用に設置した。ブロック材には内径4mm以上の孔が平均3個存在した。実施例1と同じ条件で測定した吸い上げ高さは90%、保水量は、0.13g/cm3であった。
実施例3と同様、真夏の昼、気温35℃を超えた時間にブロック材の側面から約500mlの水を散水し、底面から上に数mm浸水する状態にした。1時間後にブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は40℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、8度低かった。さらに2時間後に表面温度を測定すると、ブロック材の表面温度は31℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、10度低かった。以上の結果を表1に示す。
約3ヶ月間、テニスコートとして使用した後、ブロック材を取り外し、その上表面を観察すると、大きな亀裂はなく側面には孔から下方に水の流下による浸み痕が確認できた。また、底面は、水の流下、停滞による腐食痕が孔の周辺に確認された。
約3ヶ月経過したことで、上表面は土埃などで孔の一部が閉塞されており、底面は、水の流下、停滞によって孔の周辺に腐食痕が生じていたが、気温上昇によるコンクリートに保水された水が徐々に気化して表面温度を低下させており、初期の性能を維持していた。
運動場を深さ15cm掘り下げ整地し、衝撃吸収作用を有するシート状の遮水材を敷いた後、実施例1に記載の方法と同様にして得られたブロック材を用いて、図5のように所定数設置し、最外部に散水管を取り巻き、排水設備も設けて、テニスコートを施工した。なお、テニスコートに隣接して比較例1のコンクリート硬化体を参照用に設置した。ブロック材には内径4mm以上の孔が平均3個存在した。実施例1と同じ条件で測定した吸い上げ高さは90%、保水量は、0.13g/cm3であった。
実施例3と同様、真夏の昼、気温35℃を超えた時間にブロック材の側面から約500mlの水を散水し、底面から上に数mm浸水する状態にした。1時間後にブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は40℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、8度低かった。さらに2時間後に表面温度を測定すると、ブロック材の表面温度は31℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、10度低かった。以上の結果を表1に示す。
約3ヶ月間、テニスコートとして使用した後、ブロック材を取り外し、その上表面を観察すると、大きな亀裂はなく側面には孔から下方に水の流下による浸み痕が確認できた。また、底面は、水の流下、停滞による腐食痕が孔の周辺に確認された。
約3ヶ月経過したことで、上表面は土埃などで孔の一部が閉塞されており、底面は、水の流下、停滞によって孔の周辺に腐食痕が生じていたが、気温上昇によるコンクリートに保水された水が徐々に気化して表面温度を低下させており、初期の性能を維持していた。
(比較例1)
実施例1において、発泡樹脂を混合しないで、コンクリート半硬化体を得た。すなわち、前記実施例1と同様に、骨材の砂、砂利と、セメントと、水を用い、発泡ポリウレタンを用いず、セメントの体積を1とすると、砂5、砂利1、水5の体積割合とし、この配合物をミキサーで均一になるまで0.5時間混合した。
得られたセメントペーストを型枠に移し、常温で大気中に放置し、養生して30cm×30cm×10cmのコンクリート硬化体を得た。
実施例1と同じ条件で、吸い上げ高さを測定したところ1%以下、保水量は、0.01g/cm3以下であった。このようなコンクリート硬化体では、気温上昇により内部に十分な水を保水できずおmm度低下性能が得られない。
実施例1において、発泡樹脂を混合しないで、コンクリート半硬化体を得た。すなわち、前記実施例1と同様に、骨材の砂、砂利と、セメントと、水を用い、発泡ポリウレタンを用いず、セメントの体積を1とすると、砂5、砂利1、水5の体積割合とし、この配合物をミキサーで均一になるまで0.5時間混合した。
得られたセメントペーストを型枠に移し、常温で大気中に放置し、養生して30cm×30cm×10cmのコンクリート硬化体を得た。
実施例1と同じ条件で、吸い上げ高さを測定したところ1%以下、保水量は、0.01g/cm3以下であった。このようなコンクリート硬化体では、気温上昇により内部に十分な水を保水できずおmm度低下性能が得られない。
(比較例2)
上記実施例1のブロック材の調製において、骨材の砂、砂利とセメントと水、樹脂として100%が独立気泡の発泡スチロール樹脂を平均粒径5mmに粉砕したものを同量配合した。実施例1と同様にして、セメントペーストにマイクロ波照射して比較用のブロック材を作製した。
乾燥重量は16kgで、亀裂はないが各表面の4cm四方(面積16cm2)には内径4mm以上の孔が平均0.5個存在していた。幅・長さが4mm以上の発泡スチロール粒状体は、ブロック材断面の4cm四方(面積16cm2)に平均3個存在した。
次に実施例1と同様に、大量の水を張った水槽にこれを沈め、30分間放置し空隙に水を吸わせ、重量を測定した。その後、水槽に再びこれを沈め、24時間放置し空隙に水を吸わせ、重量を測定した。吸い上げ高さは40%、保水量は、0.06g/cm3であった。
実施例3と同様に、得られたブロック材を深さ10cm掘り下げた地面に設置し、周囲に30cm×30cm×5cmのコンクリート平板を配置した。すなわちブロック材を中心としてコンクリート平板8枚が取り囲んだ配置とした。なお、その外周に比較例1のコンクリート硬化体を設置している。
実施例3と同様、真夏の昼、気温35℃を超えた時間にブロック材の上から約500mlの水を散水した。1時間後にブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は48℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、2度低かった。さらに2時間後にブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は47℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、3度低かった。以上の結果を表1に示す。
実施例1よりも性能が低かったのは、連続気泡の発泡ポリウレタンに代えて、独立気泡の発泡スチロール樹脂を使用したためと考えられる。このブロック材は、発泡樹脂成分に由来したマクロ孔が少ないので、保水量および吸い上げ高さがともに小さく、表面温度をさほど低下できないから、道路舗装などに使用しても所望の性能を期待できない。
上記実施例1のブロック材の調製において、骨材の砂、砂利とセメントと水、樹脂として100%が独立気泡の発泡スチロール樹脂を平均粒径5mmに粉砕したものを同量配合した。実施例1と同様にして、セメントペーストにマイクロ波照射して比較用のブロック材を作製した。
乾燥重量は16kgで、亀裂はないが各表面の4cm四方(面積16cm2)には内径4mm以上の孔が平均0.5個存在していた。幅・長さが4mm以上の発泡スチロール粒状体は、ブロック材断面の4cm四方(面積16cm2)に平均3個存在した。
次に実施例1と同様に、大量の水を張った水槽にこれを沈め、30分間放置し空隙に水を吸わせ、重量を測定した。その後、水槽に再びこれを沈め、24時間放置し空隙に水を吸わせ、重量を測定した。吸い上げ高さは40%、保水量は、0.06g/cm3であった。
実施例3と同様に、得られたブロック材を深さ10cm掘り下げた地面に設置し、周囲に30cm×30cm×5cmのコンクリート平板を配置した。すなわちブロック材を中心としてコンクリート平板8枚が取り囲んだ配置とした。なお、その外周に比較例1のコンクリート硬化体を設置している。
実施例3と同様、真夏の昼、気温35℃を超えた時間にブロック材の上から約500mlの水を散水した。1時間後にブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は48℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、2度低かった。さらに2時間後にブロック材の表面温度を測定した。ブロック材の表面温度は47℃であり、比較例1のコンクリート硬化体の表面温度と比べると、3度低かった。以上の結果を表1に示す。
実施例1よりも性能が低かったのは、連続気泡の発泡ポリウレタンに代えて、独立気泡の発泡スチロール樹脂を使用したためと考えられる。このブロック材は、発泡樹脂成分に由来したマクロ孔が少ないので、保水量および吸い上げ高さがともに小さく、表面温度をさほど低下できないから、道路舗装などに使用しても所望の性能を期待できない。
1 コンクリート舗装材(ブロック材)
2 発泡樹脂
4 平坦部
5 貫通孔
6 コンクリート舗装材(層状)
10 コンクリート平板
20 地面
30 遮水材
40 散水管
51 小流路
52 大流路
2 発泡樹脂
4 平坦部
5 貫通孔
6 コンクリート舗装材(層状)
10 コンクリート平板
20 地面
30 遮水材
40 散水管
51 小流路
52 大流路
Claims (7)
- 砂とセメントを主成分とし、十分な量の連続気泡構造を有する発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを成型し、加熱後にブロック状のコンクリート舗装材として地面に敷き詰める道路舗装構造であって、
前記発泡樹脂は、加熱によって、前記コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通することを特徴とする道路舗装構造。 - 前記発泡樹脂は、軟質発泡ポリウレタンの含有量が発泡樹脂全体の70重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の道路舗装構造。
- 前記発泡樹脂は、幅及び長さが平均1〜10mmであることを特徴とする請求項1に記載の道路舗装構造。
- 前記コンクリート舗装材は、加熱により発熱する金属を含まないことを特徴とする請求項1に記載の道路舗装構造。
- 前記発泡樹脂は、熱風加熱乾燥装置、赤外線加熱装置、又はマイクロ波照射装置により加熱されることを特徴とする請求項1に記載の道路舗装構造。
- 十分な量の連続気泡構造を有する発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを用い、層状のコンクリート舗装材とする道路の舗装方法であって、
前記セメントペーストで地面を所定の厚さに覆ってから、内部が50〜120℃の温度になるように加熱して、前記コンクリート舗装材中で前記発泡樹脂が、水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通することを特徴とする道路の舗装方法。 - 砂とセメントを主成分とし、十分な量の発泡樹脂を均一に分散して含有するセメントペーストを用い、流動状態のセメントペーストで地面を覆ってから加熱し層状のコンクリート舗装材とするか、あらかじめセメントペーストを成型し加熱後にブロック状のコンクリート舗装材として地面に敷き詰めた運動施設の舗装構造であって、
前記発泡樹脂は、加熱によって、コンクリート舗装材中で水を保持する連続気泡構造を有したまま、空隙を広げて舗装面の貫通孔と連通することを特徴とする運動施設の舗装構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018117714A JP2019218770A (ja) | 2018-06-21 | 2018-06-21 | 道路舗装構造と道路の舗装方法及び運動施設の舗装構造 |
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---|---|---|---|
JP2018117714A JP2019218770A (ja) | 2018-06-21 | 2018-06-21 | 道路舗装構造と道路の舗装方法及び運動施設の舗装構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019218770A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113789695A (zh) * | 2021-10-21 | 2021-12-14 | 安徽建筑大学 | 一种冻土区微波加热自愈合路面的材料组成设计方法 |
-
2018
- 2018-06-21 JP JP2018117714A patent/JP2019218770A/ja active Pending
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CN113789695A (zh) * | 2021-10-21 | 2021-12-14 | 安徽建筑大学 | 一种冻土区微波加热自愈合路面的材料组成设计方法 |
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