JP2019218302A - アリールボロン酸誘導体の製造方法、および該アリールボロン酸誘導体を用いた放射性フッ素標識化合物の製造方法 - Google Patents

アリールボロン酸誘導体の製造方法、および該アリールボロン酸誘導体を用いた放射性フッ素標識化合物の製造方法 Download PDF

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木村 寛之
Hiroyuki Kimura
寛之 木村
健治 有光
Kenji Arimitsu
健治 有光
祐亮 屋木
Yusuke Yagi
祐亮 屋木
圭市 平野
Keiichi Hirano
圭市 平野
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Abstract

【課題】アリール基に18Fが導入された放射性フッ素標識化合物を簡便かつ短時間に製造することができる方法を提供すること。
【解決手段】特定のジアリールヨードニウム塩と放射性フッ化物イオンとを反応させる反応工程を含む、下記式(3)で表わされるアリールボロン酸誘導体の製造方法、および、該アリールボロン酸誘導体と脱離基を有する有機化合物とをクロスカップリング反応させる工程を含む、放射性フッ素標識化合物の製造方法。
Figure 2019218302

【選択図】なし

Description

本発明は、放射性フッ素原子を含有するアリールボロン酸誘導体の製造方法、および該アリールボロン酸誘導体を用いた放射性フッ素標識化合物の製造方法に関する。
陽電子放出型断層撮像(Positron Emission Tomography)(以下「PET」ともいう。)及び単光子放出型断層撮像(Single Photon Emission Computed Tomography)に代表される核医学検査は、心臓疾患や癌をはじめとする種々の疾患の診断に有効である。これらの方法は、特定の放射性同位元素でラベルされた薬剤(以下「放射性医薬品」と称する。)を投与し、該薬剤より直接的または間接的に放出されたγ線を検出する方法である。
このような核医学検査で投与される放射性医薬品として、例えば、18Fで標識された有機化合物が用いられ、化合物自体の安定性や体内動態の性質上、18Fをアリール基に導入することもある。ここで、18F標識技術としては、18-イオンを用いた求核置換反応による方法が広く知られており、比放射能の高い標識化合物が得られる傾向にあるため、放射性医薬品の製造方法として有用である。
しかしながら、アリール基に直接18Fを導入するためには、アリール基にカルボニル基などの電子吸引基が必要となること、反応が多段階となること、および、高温の反応条件が必要となることなどから、アリール基への18F標識は困難である場合が多い。
アリール基に18Fを直接導入する方法として、例えば特許文献1には、ヨードニウムイリド基を有するベンゼン誘導体化合物から18F標識アリール誘導体化合物を合成する方法が開示されている。
また、他の方法として、特許文献2の段落[0042]には、フッ化アリール化合物にボロン酸誘導基を導入してアリールボロン酸エステル化合物を合成した後、18F標識試薬とクロスカップリング反応させることにより、ボロン酸誘導基を18Fに置換して、アリール基に18Fが導入された化合物を得る方法が開示されている。
しかしながら、ボロン酸誘導基を有する標識前駆体の合成には、多段階の反応および精製が必要であり、低収率であるという問題があり、かつボロン酸誘導基の導入自体が煩雑であるために適用できる化合物が限定されるという問題がある。
18Fボロン酸誘導体化合物の合成法としては、非特許文献1のように多段階かつ遷移金属触媒を利用した合成方法が知られているが、その反応収率は低い傾向にある。また、非特許文献2には、ジアリールヨードニウム塩からPETによって生体の脳の分子イメージングのための放射性リガンドを合成する際に、マイクロ波や酸化触媒を用いることで反応収率を高めることができることが開示されている。
国際公開第2010/117435号公報 国際公開第2015/137175号公報
Zhanghua Gao, Veronique Gouverneur, and Benjamin G. Davis. Enhanced Aqueous Suzuki-Miyaura Couplomg Allows Site-Specific Polypeptide 18F-Labeling.J Am Chem Soc. 2013; 135(37):13612-15. Sanjay Telu, Joong-Hyun Chun, Fabrice G. Simeon,Shuiyu Lu, andVictor W. Pike. Syntheses of mGluR5 PET Radioligands through the Radiofluorination of Diaryliodnium Tosylates. Org Biomol Chem. 2011;9(19):6629-38
本発明は、アリール基に18Fが導入された放射性フッ素標識化合物を簡便かつ短時間に製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、ボロン酸誘導基を導入した18F標識試薬と標識前駆体とをクロスカップリング反応させることにより、アリール基に18Fが導入された放射性フッ素標識化合物を簡便かつ短時間で製造することができることを見出した。
また、ボロン酸誘導基を導入した18F標識試薬については、ボロン酸誘導基が導入されたジアリールヨードニウム塩と、放射性フッ化物イオンとを反応させることにより、簡便かつ短時間で製造することができる方法を見出した。
本発明の一態様は、下記式(1)で表わされるジアリールヨードニウム塩と、放射性フッ化物イオンとを、反応させる反応工程を含む、下記式(3)で表わされる放射性フッ素原子を含有するアリールボロン酸誘導体(18F標識試薬)の製造方法である。
[Rx−Ar1−I+−Ar2][X-] (1)
[式(1)中、Rxは下記式(2)で表わされる基であり、Ar1は置換基を有していてもよい2価のアリール基であり、Ar2は置換基を有していてもよい1価のアリール基であり、X-は1価の陰イオンである。]
Figure 2019218302
Figure 2019218302
式(2)および(3)中、R1〜R6は、独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、nは0または1であり、Ar1は、前記式(1)で定義したとおりである。
また、本発明の別の態様は、前記製造方法で得られたアリールボロン酸誘導体と、脱離基を有する有機化合物とをクロスカップリング反応させる工程を含む、放射性フッ素標識化合物の製造方法である。
本発明によれば、標識前駆体側へのボロン酸誘導基の導入が不要となるため、標識前駆体の合成が簡便となり、アリール基に18Fが導入された放射性フッ素標識化合物を簡便かつ短時間に製造することができるとともに、広範囲の化合物に適用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[アリールボロン酸誘導体の製造方法]
本発明の放射性フッ素原子を含有するアリールボロン酸誘導体(18F標識試薬)の製造方法は、後述するジアリールヨードニウム塩と、放射性フッ化物イオンとを反応させる工程を含むことを特徴とする。
<ジアリールヨードニウム塩>
本発明で用いられるジアリールヨードニウム塩は、下記式(1)で表わされる。
[Rx−Ar1−I+−Ar2][X-] (1)
式(1)中、Rxは下記式(2)で表わされる基であり、Ar1は置換基を有していてもよい2価のアリール基であり、Ar2は置換基を有していてもよい1価のアリール基であり、X-は1価の陰イオンである。
Figure 2019218302
式(2)中、R1〜R6は、独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、nは0または1、好ましくは0である。
前記炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基などが挙げられる。これらの中では、メチル基およびエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記Rxの構造としては、例えば、下記構造が挙げられる。
Figure 2019218302
前記構造中のMeはメチル基であり、前記Rxの構造としては、前記構造以外にも、前記構造中のメチル基がエチル基等の他のアルキル基または水素原子に置き換わった構造も挙げられる。中でも上段右端のテトラメチル体(R1,R2,R3およびR4がメチル基であり、nが0である)が、Rxの構造として好ましい。
前記Ar1は、2価のアリール基であれば特に限定されず、目的の標識化合物の構造に適したアリール基を採用することができる。2価のアリール基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、テトラセニレン基、ペンタセニレン基などが挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。これらの中では、合成手順の容易さ及び合成されるアリールボロン酸誘導体の汎用性の高さから、フェニレン基が好ましい。
前記Ar2は、1価のアリール基であれば特に限定されず、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基などが挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
前記置換基としては、特に限定されず、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロアリール基、ハロゲン原子などが挙げられる。
前記Ar1と前記Ar2は、例えば、前者がフェニレン基で、後者がフェニル基のように、同じアリールに由来する基からなっていてもよく、また、前者がフェニレン基で、後者がナフチル基のように、異なるアリールに由来する基からなっていてもよい。
前記X-は、ジアリールヨードニウム塩を形成することができる1価の陰イオンであれば特に限定されず、例えば、OCOCF3 -、BF4 -、PF6 -、OAc-、OTs-、Cl-、OTf-およびB(C654 -などが挙げられる。
前記ジアリールヨードニウム塩は、公知の方法、例えば、Rx−Ar1−RxとAr2−I(X)2とを反応させることにより得ることができる(Angew.Chem.Int.Ed.2012,51,12555−12558等参照)。
<酸化触媒>
本発明では、反応速度を高める観点から、酸化触媒を用いることが好ましい。前記酸化触媒としては、特に限定されないが、例えば、ニトロキシルラジカルおよび有機銅化合物が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。特に、ニトロキシラジカルと有機銅化合物とを、それぞれ1種以上用いると、収率が向上するため好ましい。
前記ニトロキシラジカルとしては、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(4H−TEMPO)、2−アザアダマンタン-N-オキシル(AZADO)、1−メチル−2−アザアダマンタン-N-オキシル(1−Me−AZADO)、9‐アザビシクロ[3.3.1]ノナン N−オキシル(ABNO)などが挙げられる。これらの中では、TEMPO、4H−TEMPOが好ましい。
前記有機銅化合物としては、例えば、アセチレン銅、スルホン酸銅、カルボン酸銅、銅錯化物などが挙げられ、好ましくは、スルホン酸銅であり、より好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸銅(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)である。
前記酸化触媒は、反応基質100質量部に対して、好ましくは150〜200質量部で用いることができる。このような範囲で酸化触媒を用いることにより、高効率で反応を行うことができる。
<反応工程>
本発明では、前記ジアリールヨードニウム塩と放射性フッ化物イオンとを反応させる。
放射性フッ化物イオンとしては[18F]フッ化物イオンが好ましい。[18F]フッ化物イオンは、[18O]水にサイクロトロンで加速した陽子を照射して18O(p,n)18Fの核反応を発生させることにより、製造することができる。製造した[18F]フッ化物イオンは、[18F]フッ化物イオンを含むターゲット水を通液して陰イオン交換樹脂に[18F]フッ化物イオンを吸着させる工程と、樹脂に吸着させた[18F]フッ化物イオンを塩基で溶離する工程とを経て調製されることが好ましい。
本明細書における「陰イオン交換樹脂」としては、核反応18O(p,n)18Fで得られる水溶液を流したときに、[18F]フッ化物イオンを保持し、[18O]水を通過させる樹脂が充填された固相抽出(SPE)カートリッジを用いることが好ましい。より好ましくは、陰イオン交換樹脂として、第4級アンモニウムが充填材に固定化されたカートリッジを用いることができ、例えば、Waters社から販売されているQMAカートリッジを使用することができる。
前記「吸着」という用語は、陰イオン交換樹脂に[18F]フッ化物イオンが保持されることをいう。
前記「溶離」という用語は、[18F]フッ化物イオンよりも陰イオン交換樹脂に対して吸着性の強い陰イオンを用いて、前記陰イオン交換樹脂に保持された[18F]フッ化物イオンを陰イオン交換樹脂から脱離させることをいう。ここで用いられる前記塩基としては炭酸カリウム又はテトラアルキルアンモニウム炭酸水素塩がある。
陰イオン交換樹脂から[18F]フッ化物イオンを脱離させるための塩基は、水などの溶媒に溶解して用いることが好ましい。
前記ジアリールヨードニウム塩と放射性フッ化物イオンとの反応は、前記のようにして調製された[18F]フッ化物イオンの存在下に実行することもできる。
相関移動触媒としては、例えば、クリプタンド、クラウンエーテルおよびテトラアルキルアンモニウム塩が挙げられる。クリプタンドとしては、例えば、メルク社からクリプトフィックス222の商品名で市販されたものを用いることができる。
本発明では、前記反応は、前述した酸化触媒下に行うことが好ましい。
また、前記反応は、収率を高める観点から、マイクロ波を照射しながら行われることが好ましい。
前記「マイクロ波」としては、例えば波長が100〜1000μm、好ましくは120〜150μmであって、振動数が2400〜2500MHz、好ましくは2450MHz前後である電磁波を用いることができる。前記酸化触媒の存在下でマイクロ波を照射しながら前記反応を行うことにより、極めて短時間(好ましくは10分以内、より好ましくは5分以内)で反応を完了させることができる。
前記反応は、非プロトン性極性溶媒中で行われることが好ましい。非プロトン性極性溶媒としては、例えば、アセトニトリル(MeCN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒が挙げられる。
前記反応は、好ましくは90〜200℃、より好ましくは90〜180℃で行われる。これにより、前記反応を短時間で収率良く行うことができる。
<アリールボロン酸誘導体>
本発明の製造方法で得られる、放射性フッ素原子を含有するアリールボロン酸誘導体(18F標識試薬)は下記式(3)で表わされる。
Figure 2019218302
式(3)中、Ar1は前記式(1)で定義したとおりであり、R1〜R6およびnは前記式(2)で定義したとおりである。なお、式(3)中のAr1におけるボロン酸誘導体基と18Fの位置関係(すなわち位置異性体)は、特に限定されない。例えばAr1がフェニレン基の場合、18Fは、ボロン酸誘導体基に対して、オルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよいが、合成手順の容易さ及び合成されるアリールボロン酸誘導体の汎用性の高さから、パラ位であることが好ましい。また、Ar1がナフチレン基、アントラセン基、テトラセン基、ペントラセン基の場合、位置異性体のいずれであってもよいが、前述と同様の観点から、立体障害のより少ない位置異性体であることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、放射性フッ素原子を含有するアリールボロン酸誘導体(18F標識試薬)を、簡便かつ短時間で製造することができる。
[放射性フッ素標識化合物の製造方法]
本発明の放射性フッ素標識化合物の製造方法は、前述したアリールボロン酸誘導体(18F標識試薬)と、脱離基を有する有機化合物(標識前駆体)とをクロスカップリング反応させる工程を含むことを特徴とする。
<標識前駆体>
本発明で用いられる標識前駆体は、脱離基を有する有機化合物であり、前述したアリールボロン酸誘導体を用いてクロスカップリング反応を実行できるものであれば、限定されない。脱離基としては、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、トリフラート基などのハロゲン化アルキルスルホン酸エステル基などが例示される。
標識前駆体は、具体的には、下記式(4)で表わされる。
y−Y (4)
式(4)中、Ryは、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、1価のアリール基、1価のヘテロアリール基などであり、Yは脱離基である。
前記Ryの構造は、クロスカップリング反応を阻害する構造でなければ特に限定されず、目的の標識化合物の構造に応じて決定することができる。すなわち、前記標識前駆体の構造は、目的の標識化合物における任意のアリール基の部分を前記Yに置き換えた構造とすればよい。このように、本発明では、標識前駆体側にはボロン酸誘導基を導入する必要がないため、標識前駆体の入手または合成は容易である。
<クロスカップリング反応>
本発明におけるクロスカップリング反応としては、鈴木−宮浦クロスカップリング反応を採用することができる。鈴木−宮浦クロスカップリング反応は、遷移金属触媒と求核種の作用により、有機ホウ素化合物と脱離基を有する芳香族化合物とをクロスカップリングさせる化学反応のことである。本反応は、分子内に存在する他の官能基や立体障害の影響が比較的少なく、温和な反応条件で行うことができるため広範な化合物に適用することができる。
前記「遷移金属触媒」という用語は、脱離基を有する芳香族化合物に酸化的付加し、次いで有機ホウ素化合物との間で配位子交換を行い、その後に還元的脱離を行うことによって脱離し、炭素−ホウ素結合を生じる反応を触媒するものであればよく、例えばパラジウム触媒、ニッケル触媒、銅触媒、ルテニウム触媒、鉄触媒、イリジウム触媒が挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記「求核種」という用語は、有機ホウ素化合物のホウ素上に付加して錯体を形成し、炭素−ホウ素結合を活性化させて配位子交換の段階を容易とするものであればよく、又は配位子として遷移金属触媒の前記脱離基を有する芳香族化合物への酸化的付加直後に生成する有機中間体上の脱離基と置換されて反応性を高めるものであればよい。例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウムなど。以下同じ。)の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩、アルカリ金属のフッ化物等の無機塩基、アルカリ金属アルコキシド、トリアルキルアミン、ピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等の有機塩基である。
前記クロスカップリング反応は、マイクロ波を照射しながら行うことが望ましい。前記「マイクロ波」という用語は前述の定義のとおりである。
<放射性フッ素標識化合物>
本発明の製造方法で得られる放射性フッ素標識化合物は、下記式(5)で表わすことができる。
y−Ar118F (5)
式(5)中、Ryは前記式(4)で定義したとおりであり、Ar1は前記式(1)で定義したとおりである。
式(5)で表される化合物として、例えば、アリールフッ素部位を持つ公知の医薬品を種々選択することができ、本発明のアリールボロン酸誘導体を用いることで、例えば、F−DOPA、ピタバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、シタグリプチン、エスシタロプラム、アナセトラピブ、アトルバスタチン、セルチンドールなどのアリールフッ素部位を18Fで標識することが可能になる。
上記のとおり、本発明によれば、アリール基に18Fが導入された標識化合物を簡便な方法でかつ短時間で製造することができる。また、本発明の方法は広範囲の化合物に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
<合成例>
下記反応スキームに従って、ジアリールヨードニウム塩(化合物3)の合成を行った。詳細は後述する。
Figure 2019218302
1,4−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)ベンゼン(化合物1、300mg、0.91mmol)の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール/ジクロロメタン(5:1)混合溶液(6mL)に、室温で攪拌しながら酢酸(104μL、1.8mmoL)およびビストリフルオロアセトキシヨードベンゼン(化合物2、390mg、0.91mmol)を順に加えて14時間攪拌した。反応終了後、メタノール(1mL)を加えた後、溶媒を留去して得られた粗生成物に対し、ジエチルエーテル(2mL)を加えて1時間攪拌した。析出した固体を、吸引ろ過により回収し、減圧下にて乾燥することにより、白色固体のフェニル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル−ヨードニウムトリフルオロ酢酸塩(化合物3、183mg、収率:49%)を得た。得られた白色固体のスペクトルデータは、公知文献(Angewandte Chemie, International Edition (2012), 51(50), 12555-12558)のデータと一致した。
[実施例1〜7]
下記反応スキームに従って、前記合成例で得られたジアリールヨードニウム塩(化合物3)から、放射性フッ素原子を含有する芳香族ボロン酸誘導体([18F]TDBFB)の合成を下記表1に示す条件で行った。詳細は後述する。
Figure 2019218302
18F]フッ化カリウムおよび炭酸カリウムを含有する水/アセトニトリル混合溶液(5〜10μL,37〜74MBq(1〜2mCi)、炭酸カリウム濃度:12μmol/ml、クリプトフィックス222(商品名)濃度:24μmol/ml、MeCN/H2O=96/4)と、クリプトフィックス222(商品名、10〜12mg)のアセトニトリル(300μL)溶液とを反応容器に入れ、アルゴン気流下、120℃で共沸脱水を3回行った。残渣に、合成したフェニル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル−ヨードニウムトリフルオロ酢酸塩(化合物3、5.0mg)(実施例6では化合物3を3.0mgとした。)のジメチルホルムアミド(200μL)溶液(実施例4〜6ではアセトニトリル溶液とし、実施例7ではジメチルスルホキシド溶液とした。)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO、3.0mg)を加えて撹拌した後、表1に示す条件で反応させた。なお、マイクロ波(波長:122μm、振動数2450MHz)の照射はサイダ社製のマイクロ波照射装置を用いて行い、加熱はブロックヒーターを用いて行った。反応終了後、室温(25℃)まで冷却し、反応液をTLCで分析して収率を求めた。結果を表1に示す。
(分析TLC条件)
TLC板:TLC Silica gel 60 F254(Merck社製)
移動相:酢酸エチル:ヘキサン=10:1(体積比)
RI検出器:Mini Gita star
Rf値:[18F]F-=0、[18F]TDBFB=0.59(非標識体TDBFB(和光純薬工業株式会社製)でRf値を確認した。以下同様。)
Figure 2019218302
[実施例8]
下記反応スキームに従って、前記合成例で得られたジアリールヨードニウム塩(化合物3)から、放射性フッ素原子を含有する芳香族ボロン酸誘導体([18F]TDBFB)の合成を下記表2に示す条件で行った。詳細は後述する。
Figure 2019218302
18F]フッ化カリウムおよび炭酸カリウムを含有する水/アセトニトリル混合溶液(5〜10μL,37〜74MBq(1〜2mCi)、炭酸カリウム濃度:12μmol/ml、クリプトフィックス222(商品名)濃度:24μmol/ml、MeCN/H2O=96/4)と、クリプトフィックス222(商品名、10〜12mg)のアセトニトリル(300μL)溶液とを反応容器に入れ、アルゴン気流下、120℃で共沸脱水を3回行った。残渣に、合成したフェニル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル−ヨードニウムトリフルオロ酢酸塩(化合物3、5.0mg)のアセトニトリル(200μL)溶液およびテトラキス(アセトニトリル)銅(I)トリフルオロメタンスルホネート(CuOTf(MeCN)4、3.0mg)を加えて攪拌した後、表2に示す条件で反応させた。なお、マイクロ波(波長:122μm、振動数2450MHz)の照射はサイダ社製のマイクロ波照射装置を用いて行い、加熱はブロックヒーターを用いて行った。反応終了後、室温(25℃)まで冷却し、反応液をTLCで分析して収率を求めた。結果を表2に示す。
(分析TLC条件)
TLC板:TLC Silica gel 60 F254(Merck社製)
移動相:酢酸エチル:ヘキサン=10:1(体積比)
RI検出器:Mini Gita star
Rf値:[18F]F-=0、[18F]TDBFB=0.59
Figure 2019218302
[実施例9]
下記反応スキームに従って、前記合成例で得られたジアリールヨードニウム塩(化合物3)から、放射性フッ素原子を含有する芳香族ボロン酸誘導体([18F]TDBFB)の合成を下記表3に示す条件で行った。詳細は後述する。
Figure 2019218302
18F]フッ化カリウムおよび炭酸カリウムを含有する水/アセトニトリル混合溶液(50μL,1.11GBq(30mCi)、炭酸カリウム濃度:12μmol/ml、クリプトフィックス222(商品名)濃度:24μmol/ml、MeCN/H2O=96/4)と、クリプトフィックス222(商品名、11.3mg)のアセトニトリル(300μL)溶液とを反応容器に入れ、アルゴン気流下、120℃で共沸脱水を3回行った。残渣に、合成したフェニル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェニル−ヨードニウムトリフルオロ酢酸塩(化合物3、5.0mg)のアセトニトリル(200μL)溶液、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO、3.0mg)およびテトラキス(アセトニトリル)銅(I)トリフルオロメタンスルホネート(CuOTf(MeCN)4、3.0mg)を加えて攪拌した後、表3に示す条件で反応させた。なお、マイクロ波(波長:122μm、振動数2450MHz)の照射はサイダ社製のマイクロ波照射装置を用いて行い、加熱はブロックヒーターを用いて行った。反応終了後、室温(25℃)まで冷却し、反応液をTLCで分析して収率を求めた。さらに、反応液をHPLCに導入して分離精製し、非標識体TDBFBのHPLC保持時間と完全に一致することで[18F]TDBFBが得られたことを確認した。[18F]フッ化カリウムに対する放射化学的収率は12%、放射化学的純度は99%以上であった。HPLCからの分取液を精製水(20mL)で希釈した後、Sep‐Pak Light C18カートリッジ(ウォーターズ社製、アセトニトリル(5mL)、精製水(5mL)で前処理したもの)に通し、さらに精製水(10mL)でカートリッジを洗浄した。カートリッジをアルゴンガスで乾燥した後、トルエン(5mL)で溶出させ、[18F]TDBFB溶液を得た。結果を表3に示す。
(分析TLC条件)
TLC板:TLC Silica gel 60 F254(Merck社製)
移動相:酢酸エチル:ヘキサン=10:1(体積比)
RI検出器:Mini Gita star
Rf値:[18F]F-=0、[18F]TDBFB=0.59
(分取HPLC条件)
カラム:Cosmosil(登録商標)5C18−AR−II,10×250mm(ナカライテスク社製)
移動相:アセトニトリル:蒸留水=70:30(体積比)
RI検出器:US−3000 radioHPLC detecter(ユニバーサル技研製)
UV検出器:波長220nm、SPD−20A((株)島津製作所製)
流速:5.0mL/min
保持時間:10分
(分析HPLC条件)
カラム:Cosmosil(登録商標)5C18−MS−II,4.6×150mm(ナカライテスク社製)
移動相:アセトニトリル:蒸留水=20:80→80:20(20分)(体積比)
RI検出器:US−3000 radioHPLC detecter(ユニバーサル技研製)
UV検出器:波長220nm、SPD−20A((株)島津製作所製)
流速:1.0mL/min
保持時間:8.7分
Figure 2019218302
[実施例10]
下記反応スキームに従って、実施例9で得られた[18F]TDBFBを用いて、[18F]pitavastatinの合成を行った。詳細は後述する。
Figure 2019218302
メチル(3R,5S,6E)−7−(4−ブロモ−2−シクロプロピルキノリン−3−イル)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエート (pitavastatin precursor) は、公知文献(Org. Biomol. Chem., 2015, 13, 1113.)のScheme 3, 4に従い、合成を行った。pitavastatin precursor(2.0mg)炭酸カリウム(4.0mg)、およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(4.0mg)を含むトルエン(100μL)溶液に、[18F]TDBFBの水/トルエン混合溶液(400μCi、75μL)を加えて攪拌した後、マイクロ波照射下、120℃で2分間加熱した。なお、マイクロ波(波長:122μm、振動数2450MHz)の照射はサイダ社製のマイクロ波照射装置を用いて行い、加熱はブロックヒーターを用いて行った。反応終了後、室温(25℃)まで冷却した後、反応液をTLC及びHPLCで分析した。
(分析TLC条件)
TLC板:TLC Silica gel 60 F254(Merck社製)
移動相:酢酸エチル:ヘキサン=2:1(体積比)
RI検出器:Mini Gita star
Rf値:[18F]pitavastatin = 0.09
(分析HPLC条件)
カラム:Cosmosil(登録商標)5C18−AR−II,4.6×150mm(ナカライテスク社製)
移動相:アセトニトリル:蒸留水=70:30(体積比)
RI検出器:US−3000 radioHPLC detecter(ユニバーサル技研製)
UV検出器:波長254nm、SPD−20A((株)島津製作所製)
流速:1.0mL/min
保持時間:5.7分
以上の結果から、本発明によれば、アリール基に18Fが導入された標識化合物を簡便な方法でかつ短時間で製造することができることが示された。また、本発明の方法は、アリールフッ素部位を有する広範囲の化合物に適用することができることが示唆された。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で表わされるジアリールヨードニウム塩と、放射性フッ化物イオンとを反応させる反応工程を含む、下記式(3)で表わされる放射性フッ素原子を含有するアリールボロン酸誘導体の製造方法。
    [Rx−Ar1−I+−Ar2][X-] (1)
    [式(1)中、Rxは下記式(2)で表わされる基であり、Ar1は置換基を有していてもよい2価のアリール基であり、Ar2は置換基を有していてもよい1価のアリール基であり、X-は1価の陰イオンである。]
    Figure 2019218302
    Figure 2019218302
    [式(2)および(3)中、R1〜R6は、独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、nは0または1であり、Ar1は、前記式(1)で定義したとおりである。]
  2. 前記ジアリールヨードニウム塩と前記放射性フッ化物イオンとの反応が、酸化触媒の存在下で行われる、請求項1に記載のアリールボロン酸誘導体の製造方法。
  3. 前記ジアリールヨードニウム塩と前記放射性フッ化物イオンとの反応が、マイクロ波を照射しながら行われる、請求項1または2に記載のアリールボロン酸誘導体の製造方法。
  4. 前記ジアリールヨードニウム塩と前記放射性フッ化物イオンとの反応が、非プロトン性極性溶媒中で行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアリールボロン酸誘導体の製造方法。
  5. 前記ジアリールヨードニウム塩と前記放射性フッ化物イオンとの反応が、90〜200℃の温度で行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアリールボロン酸誘導体の製造方法。
  6. 前記酸化触媒が、ニトロキシルラジカルおよび有機銅化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアリールボロン酸誘導体の製造方法。
  7. 前記ニトロキシルラジカルが、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(4H−TEMPO)、2−アザアダマンタン−N−オキシル(AZADO)、1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(1−Me−AZADO)または9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン N−オキシル(ABNO)であり、
    前記有機銅化合物が、アセチレン銅、スルホン酸銅、カルボン酸銅または銅錯化物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアリールボロン酸誘導体の製造方法。
  8. 前記nが0であり、前記R1〜R6が独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、前記Ar1が置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基、アントラセン基、テトラセン基またはペンタセン基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアリールボロン酸誘導体の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法で得られたアリールボロン酸誘導体と、脱離基を有する有機化合物とをクロスカップリング反応させる工程を含む、放射性フッ素標識化合物の製造方法。
  10. 前記クロスカップリング反応が、マイクロ波を照射しながら行われる、請求項9に記載の放射性フッ素標識化合物の製造方法。
  11. 下記式(3)で表される、放射性フッ素原子を含有するアリールボロン酸誘導体。
    Figure 2019218302
    [式(3)中、R1〜R6は、独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、nは0または1であり、Ar1は、置換基を有していてもよい2価の芳香族基である。]
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