JP2019217580A - 切断工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことを抑制可能な切断工具を提供する。【解決手段】本体部3は、取付状態のおける丸鋸刃Bの刃部B1のうちの摺動面2Aに関して軸心Aと同じ側に位置する非突出部分B3の一部を覆う固定保護カバー45を有するハウジング4と、左右方向と直交する方向において取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1と対向する刃先対向壁83を有し、取付状態のおける丸鋸刃Bの刃部B1のうちの摺動面2Aに関して軸心Aとは反対側の空間に突出する突出部分B2の少なくとも一部を覆う初期回動位置と固定保護カバー内に一部が収容されるとともに突出部分B2の上記少なくとも一部を露出させる作業時回動位置との間でハウジング4に対して回動可能な回動保護カバー8と、を有し、刃先対向壁には、刃先対向壁に関して軸心Aとは反対側の空間と刃先対向壁に関して軸心Aと同じ側の空間とを連通させる連通孔が形成されている。【選択図】図14
Description
本発明は、切断工具に関する。
従来から、木材等の被切断材を切断するために切断工具が広く用いられている。特許文献1には、切断作業時に被切断材に対して摺動させるベースと、丸鋸刃を回転可能に支持するハウジングと、丸鋸刃の刃部のうちのベースよりも上方の部分を覆うとともにハウジングに固定されたソーカバーと、当該刃部の一部を覆うとともにハウジングに回動可能に設けられた保護カバーと、を備えた電動丸鋸が開示されている。
特許文献1に開示された電動丸鋸の保護カバーは、非切断作業時においては丸鋸刃の刃部のうちのベースよりも下方に突出する突出部分を覆っているが、切断作業時においてはソーカバー内に一部が収容されるとともに当該突出部分を露出させる位置まで回動する。
上述の特許文献1に開示された電動丸鋸の切断作業時においては、丸鋸刃の回転によって発生する気流によって、切粉等の異物がソーカバー内に収容された保護カバーの前端部から保護カバー内部に流入する場合があり、このような場合には、流入した切粉等の異物が保護カバーの後端部から排出され、被切断材の仕上面に衝突し当該仕上面を傷つけてしまう場合があった。
そこで、本発明は、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことを抑制可能な切断工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明は、被切断材を切断するための丸鋸刃が取付可能に構成され、前記丸鋸刃が取付けられた取付状態において前記丸鋸刃を第1方向に延びる軸心を中心に回転可能に支持する本体部と、切断作業の際に前記被切断材に対して摺動させる摺動面を有し、前記本体部を支持するベースと、を備える切断工具であって、前記本体部は、前記取付状態のおける前記丸鋸刃の刃部のうちの前記摺動面に関して前記軸心と同じ側に位置する非突出部分の一部を覆う第1保護カバーを有するハウジングと、前記第1方向と直交する第2方向において前記取付状態における前記丸鋸刃の前記刃部と対向する対向壁を有し、前記取付状態のおける前記丸鋸刃の前記刃部のうちの前記摺動面に関して前記軸心とは反対側の空間に突出する突出部分の少なくとも一部を覆う第1回動位置と前記第1保護カバー内に一部が収容されるとともに前記突出部分の前記少なくとも一部を露出させる第2回動位置との間で前記ハウジングに対して回動可能な第2保護カバーと、を有し、前記対向壁には、前記対向壁に関して前記軸心とは反対側の空間と前記対向壁に関して前記軸心と同じ側の空間とを連通させる第1連通孔が形成されていることを特徴とする切断工具を提供する。
このような構成によれば、対向壁に関して軸心とは反対側の空間と対向壁に関して軸心と同じ側の空間とを連通させる第1連通孔が対向壁に形成されている。このため、切断作業によって発生する切粉等の異物が対向壁に関して軸心と同じ側の空間(すなわち、第2保護カバーの内部)に流入してきた場合であっても、当該切粉等の異物を第1連通孔を介して対向壁に関して軸心とは反対側の空間に排出することができ、当該切粉等の異物が対向壁に沿って移動して被切断材に衝突することが抑制される。これにより、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことを抑制することができ、仕上面を良好とすることができる。
また、第2保護カバーの内部には丸鋸刃の回転によって風が発生しているところ、粉塵を第2保護カバーの内部から排出することで、粉塵が丸鋸刃の風によって周囲に飛散してしまうことを抑制できる。
また、第2保護カバーの内部には丸鋸刃の回転によって風が発生しているところ、粉塵を第2保護カバーの内部から排出することで、粉塵が丸鋸刃の風によって周囲に飛散してしまうことを抑制できる。
上記構成において、前記第1保護カバーには、前記第1保護カバーの内部と外部とを連通させる第2連通孔が形成されていることが好ましい。
このような構成によると、切断作業によって発生する切粉等の異物が第1保護カバーの内部に流入してきた場合であっても、当該切粉等の異物を第2連通孔を介して第1保護カバーの外部に排出することができる。これにより、当該切粉等の異物が被切断材に衝突することが抑制され、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをより抑制することできる。
上記構成において、前記取付状態の前記丸鋸刃は、前記切断作業時において所定の回転方向に回転し、前記第2保護カバーは、前記切断作業の際に前記被切断材に当接する当接部を有し、前記当接部の少なくとも一部は、前記第2保護カバーが前記第1回動位置に位置している状態において前記摺動面に関して前記軸心とは反対側の空間に位置し、前記第2回動位置は、前記第2保護カバーの前記一部が前記第1保護カバー内に収容されるとともに前記突出部分の前記少なくとも一部を露出させ且つ前記当接部が前記摺動面に関し前記軸心とは反対側の空間から退避した回動位置であり、前記第1連通孔は、前記第2保護カバーが前記第2回動位置に位置している状態において、前記第2連通孔よりも前記回転方向において上流側に位置していることが好ましい。
このような構成によると、切断作業時において、丸鋸刃の回転方向に空気流が発生し、第2保護カバーは第2回動位置に位置し且つ第1連通孔は第2連通孔よりも丸鋸刃の回転方向において上流側に位置している。このため、第2保護カバー内部に流入してきた切粉等の異物を第1連通孔を介して排出した後、さらに、第2連通孔を介して第1保護カバーの外部に排出することができる。これにより、当該切粉等の異物が被切断材に衝突することがより抑制され、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをより抑制することできる。
上記構成において、前記第1連通孔は、前記第2保護カバーが前記第2回動位置に位置している状態において、前記軸心よりも切断方向において下流側に位置していることが好ましい。
このような構成によると、第1連通孔が切断方向において軸心よりも上流側に位置している構成と比較して、第1連通孔付近の空気流の風量が大きい(すなわち、空気流の速度が速い)。このため、第2保護カバー内に流入してきた切粉等を異物を第1連通孔を介して効率良く排出することができる。これにより、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをより抑制することできる。
上記構成において、前記第2連通孔は、前記軸心よりも前記切断方向において上流側に位置していることが好ましい。
上記構成において、前記対向壁は、前記軸心を中心として円弧状に延びており、前記対向壁の前記回転方向における上流端側を構成する上流側壁と、前記対向壁のうちの前記上流側壁よりも前記回転方向における下流側を構成する下流側壁と、を有し、前記第1連通孔の少なくとも一部は、前記上流側壁の前記回転方向における下流端部と前記下流側壁の前記回転方向における上流端部とによって画成され、前記下流端部と前記軸心との前記第2方向における距離は、前記上流端部と前記軸心との前記第2方向における距離よりも大きいことが好ましい。
このような構成によると、上流側壁のうちの第1連通孔を画成している部分(すなわち、上流側壁の回転方向における下流端部)と軸心との距離が、下流側壁のうちの第1連通孔を画成している部分(すなわち、下流側壁の回転方向における上流端部)と軸心との距離よりも大きい。このため、第2保護カバー内に流入してきた切粉等の異物は、上流側壁に沿って運ばれて、第1連通孔まで円滑に案内される。これにより、第2保護カバー内に流入してきた切粉等の異物を第1連通孔から円滑に排出することができる。これにより、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをさらに抑制することできる。
上記構成において、前記上流端部には、前記回転方向における上流側に向かうに従って徐々に前記軸心に近づくように傾斜する傾斜面が規定されていることが好ましい。
このような構成によると、第2保護カバー内に流入してきた切粉等の異物は、傾斜面によって第1連通孔まで円滑に案内される。これにより、第2保護カバー内に流入してきた切粉等の異物を第1連通孔からより円滑に排出することができ、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをより抑制することできる。
上記構成において、前記対向壁は、前記軸心を中心として円弧状に延びており、前記対向壁の前記回転方向における上流端側を構成する上流側壁と、前記対向壁のうちの前記上流側壁よりも前記回転方向における下流側を構成する下流側壁と、を有し、前記第1連通孔の少なくとも一部は、前記上流側壁の前記回転方向における下流端部と前記下流側壁の前記回転方向における上流端部とによって画成され、前記上流端部は、前記下流端部よりも前記第2方向における前記軸心に近づく方向に突出する突出部を有していることが好ましい。
このような構成によると、下流側壁の上流端部が上流側壁の下流端部よりも第2方向において前記軸心に近づく方向に突出する突出部を有しているため、第2保護カバー内に流入してきた切粉等の異物は、上流側壁に沿って運ばれた後に、突出部によって第1連通孔まで円滑に案内される。これにより、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをより抑制することできる。
上記構成において、前記突出部は、前記軸心に近づくに従って前記回転方向における上流側に向かうように突出していることが好ましい。
このような構成によると、突出部が軸心に近づくに従って回転方向における上流側に向かうように突出しているため、第2保護カバー内に流入してきた切粉等の異物を突出部によって第1連通孔までより円滑に案内することができる。これにより、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをさらに抑制することできる。
上記構成において、前記突出部の少なくとも一部は、第2方向から見て、前記取付状態における前記丸鋸刃の前記刃部と重なっていることが好ましい。
このような構成によると、ユーザが予め決められた規定のサイズよりも大きいサイズの丸鋸刃を本体部に取付けようとした場合に、突出部が当該丸鋸刃に干渉する。これにより、規定のサイズよりも大きいサイズの丸鋸刃が本体部に取付けられることが防止され、切断工具の適切な使用を促進することができる。
上記課題を解決するために、本発明はさらに、被切断材を切断するために第1方向に延びる軸心を中心に回転する丸鋸刃と、前記丸鋸刃を回転させるためのモータを収容する本体部と、前記被切断材に対して摺動させる摺動面を有して前記本体部を支持するベースと、本体に所定の範囲で回転可能に支持され、前記丸鋸刃の一部を覆う回動保護カバーと、を有し、前記回動保護カバーの、前記丸鋸刃と同一平面上に位置する部分には、第1連通孔が設けられ、前記回動保護カバーが、前記摺動面から突出する前記丸鋸刃を覆わないような位置に回動している際、前記第1連通孔は、切断方向において前記軸心よりも下流側に位置することを特徴とする切断工具を提供している。
このような構成によると、回動保護カバーの、丸鋸刃と同一平面上に位置する部分には、第1連通孔が設けられ、回動保護カバーが、摺動面から突出する丸鋸刃を覆わないような位置に回動している際、第1連通孔は、切断方向において軸心よりも下流側に位置している。このため、切断作業によって発生する切粉等の異物が回動保護カバーの内部に流入してきた場合であっても、当該切粉等の異物を第1連通孔を介して回動保護カバーの外部に排出することができ、当該切粉等の異物が回動保護カバーの内周面に沿って移動して被切断材に衝突することが抑制される。これにより、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことを抑制することができ、仕上面を良好とすることができる。また、回動保護カバーの内部には丸鋸刃の回転によって風が発生しているところ、粉塵を回動保護カバーの内部から排出することで、粉塵が丸鋸刃の風によって周囲に飛散してしまうことを抑制することができる。
上記構成において、前記摺動面から前記本体部とは反対側に突出する前記丸鋸刃の突出量を調整可能な突出量調整機構をさらに有し、前記摺動面から突出する前記丸鋸刃の突出量が最大のとき、前記第1連通孔は、前記切断方向において前記軸心よりも下流側に位置することが好ましい。
上記構成において、前記回動保護カバーが、前記摺動面から突出する前記丸鋸刃を覆わないような位置に回動している際、前記回動保護カバーにおいて、前記丸鋸刃と同一平面上に位置し、且つ前記軸心よりも前記切断方向において上流側に位置する部分には、連通孔が設けられないことが好ましい。
上記構成において、前記本体部に固定され、前記丸鋸刃の一部を覆う固定保護カバーを有し、前記固定保護カバーには、前記第1保護カバーの内部と外部とを連通させる第2連通孔が形成され、前記第1連通孔は、前記回動保護カバーが前記摺動面から突出する前記丸鋸刃を覆わないような位置に回動している際、前記切断方向において前記第2連通孔よりも下流側に位置していることが好ましい。
本発明によれば、切断作業時において被切断材の仕上面が傷つくことを抑制可能な切断工具を提供することができる。
本発明の実施の形態の第1の実施形態による切断工具の一例である電動丸鋸1について、図1乃至図14を参照しながら説明する。電動丸鋸1は、木材や金属製のパイプ等の被切断材を切断するための電動式の工具であり、電池パックPを電源として駆動する。以下の説明においては、図中の矢印によって示されている「前」を前方向、「後」を後方向、「上」を上方向、「下」を下方向、「右」を右方向、「左」を左方向と定義する。
図1は電動丸鋸1の外観を示す右側面図であり、図2は電動丸鋸1の外観を示す平面図であり、図3は電動丸鋸1の外観を示す斜視図である。図1乃至図3に示されているように、電動丸鋸1は、切断作業時に被切断材に対して摺動させるベース2と、被切断材を切断するための丸鋸刃Bを取付け可能な本体部3とを備えている。
図1に示されているように、ベース2は、平面視略矩形の板状部材であり、例えばアルミ等の金属製である。ベース2の長手方向は、電動丸鋸1で切断作業を行う場合の切断方向(すなわち、前方向)と一致しており、ベース2の底面には、切断作業時に被切断材に対して摺動させる摺動面2Aが規定されている。また、ベース2には、前後方向に延びる長孔2a(開口)が形成されている。ベース2の長孔2aには、本体部3に取付けられた状態の丸鋸刃Bの下部が挿通されている。
ここで、丸鋸刃Bについて説明する。丸鋸刃Bは、中央に貫通穴が形成された円板形状をなす回転刃であり、その周縁部全域には複数の刃を有する刃部B1が形成されている。丸鋸刃Bが本体部3に取付けられた状態において刃部B1のうちの摺動面2Aよりも下方に突出する部分によって、被切断材が切断される。なお、以下の説明においては、刃部B1のうち摺動面2Aよりも下方に突出する部分を「突出部分B2」と呼び、刃部B1のうち突出部分B2以外の部分を「非突出部分B3」と呼ぶ。
図1乃至図3に示されているように、本体部3は、丸鋸刃Bを取付けた状態で丸鋸刃Bを回転可能に支持するように構成されており、ベース2の上方に位置するとともにベース2に回動可能に支持されている。詳細には、本体部3は、突出量調整機構21を介してベース2に支持されており、図1乃至図4に示されているように、ハウジング4と、モータ5と、動力伝達部6と、丸鋸刃Bを取付け可能な出力軸部7と、回動保護カバー8とを有している。図4は、図2のIV−IV線に沿った断面図である。
突出量調整機構21は、丸鋸刃Bの摺動面2Aからの下方への突出量(以下、単に「丸鋸刃Bの突出量」と呼ぶ)を変更及び調整するための機構であり、回動支持部211及びリンク機構212を有している。
回動支持部211は、ベース2の前部においてベース2から上方に延びるように設けられており、左右方向に延びる回動軸211Aを有している。リンク機構212は、リンク212A及び操作レバー212Bを有している。
図3に示されているように、リンク212Aは、ベース2の後部においてベース2から上方に延びるように設けられている。リンク212Aには、リンク212Aを左右方向に貫通するとともに回動軸211Aを中心として側面視略円弧状に延びる長孔(不図示)が形成されている。リンク212Aの長孔には、本体部3に設けられた不図示の左右方向に延びる係止ネジが挿通されている。
操作レバー212Bは、本体部3の係止ネジと螺合している螺合部と当該螺合部から延びる延出部とを有している。操作レバー212Bの延出部を螺合部を中心に図1における時計回りに回動させることで螺合部と本体部3の係止ネジとの螺合を緩ませることができ、操作レバー212Bの延出部を螺合部を中心に図1における反時計回りに回動させることで当該螺合部と本体部3の係止ネジとの螺合を締付けることができる。
ここで、丸鋸刃Bの突出量を変更する際の操作について説明する。まず、ユーザは、操作レバー212Bを操作して螺合部と係止ネジとの螺合を緩め、本体部3を図1の状態(丸鋸刃Bの突出量が最大の状態)から回動軸211Aを中心に図1における時計回りにベース2に対して所望の回動位置まで回動させる。この状態で操作レバー212Bを再び操作して当該螺合部と当該係止ネジとの螺合を締付け、本体部3をベース2に対して固定する。これにより、ベース2に対する本体部3の回動位置が変更され、丸鋸刃Bの突出量が変更される(すなわち、丸鋸刃Bの被切断材に対する切込み深さが変更される)。なお、本明細書に添付の図面のうちの丸鋸刃Bが表れている図面はすべて、丸鋸刃Bが本体部3に取付けられ且つ丸鋸刃Bの突出量が最大の状態を示している。
ハウジング4は、モータ収容部41、電池装着部42、ハンドル部43、ギヤ収容部44、及び固定保護カバー45を有している。
図2に示されるように、モータ収容部41は、ハウジング4の前部において左右方向に延びる部分であり、例えば、樹脂製である。また、図4に示されているように、モータ収容部41は、モータ5及びインバータ回路基板54を収容している。
モータ5は、出力軸部7を回転駆動するための駆動源であり、本実施の形態ではDCブラシレスモータである。図4に示されているように、モータ5は、回転軸51と、ロータ52と、ステータ53とを有している。
図4に示されているように、回転軸51は、左右方向に延びる軸であって、軸受を介してモータ収容部41に回転可能に支承されている。回転軸51の右端部には、ピニオン51Aが設けられている。ピニオン51Aは、ギヤ収容部44の内部に突出しており、動力伝達部6に接続されている。
ロータ52は、複数の永久磁石を有する回転子であり、回転軸51と一体に回転するように回転軸51に固定されている。ステータ53は、3相巻線を有する固定子である。
インバータ回路基板54は、側面視において円環形状をなしており、回転軸51が挿通された状態でステータ53の左方に配置されている。インバータ回路基板54の右側面には、モータ5を駆動するためのインバータ回路が搭載されている。
図1乃至図3に示されているように、電池装着部42は、モータ収容部41の後部から後方に延びる部分であり、電池パックPが着脱可能に構成されている。また、電池装着部42内には、モータ5の制御を行う制御部等が収容されている。電池装着部42は、電池パックPが装着された状態で電池パックPの出力端子部と接続される入力端子部を有しており、当該入力端子部からインバータ回路を介してモータ5に電力が供給される。なお、電池パックPの装着は、電池パックPを電池装着部42の後方から前方に向けてスライドさせることによって行う。
図1乃至図3に示されているように、ハンドル部43は、モータ収容部41及び電池装着部42の上方で前後方向に延び、切断作業時にユーザによって把持される部分である。ハンドル部43の前端部はモータ収容部41の前上部に接続され、ハンドル部43の後端部は電池装着部42の後上部に接続されている。ハンドル部43には、モータ5の始動及び停止を制御するための手動操作可能なトリガスイッチ43Aが設けられている。トリガスイッチ43Aに対して引操作(上方に押込む操作)がなされるとモータ5の駆動が開始され、当該引操作が解除されるとモータ5の駆動が停止される。
ギヤ収容部44は、モータ収容部41の右方に設けられており、例えば金属製である。ギヤ収容部44は、動力伝達部6及び出力軸部7の一部を収容しており、円筒延出部44Aを有している。図4に示されているように、円筒延出部44Aは、ギヤ収容部44の右下部に設けられており、右方に延びる円筒形状をなしている。
図4に示されているように、動力伝達部6はギヤ収容部44に収容されている。動力伝達部6は、詳細は省略するが、複数の金属製の歯車を有しており、モータ5の回転軸51の回転を減速して出力軸部7に伝達する減速機構である。
出力軸部7は、出力軸71及び刃取付部72を有している。出力軸71は、左右方向に延びており、出力軸71の右端部はギヤ収容部44から右方に突出している。出力軸71は、左右方向に延びる軸心Aを中心に回転可能にギヤ収容部44に支承されており、動力伝達部6を介して伝達される回転軸51の回転力を受けて図1等に示されている回転方向R(図1等における反時計回り)に回転する。また、出力軸71の右端部には螺合孔71aが形成されている。螺合孔71aは、出力軸71の右端面から左方に窪む雌ネジ孔である。なお、軸心Aは、ベース2よりも上方且つ回転軸51よりも下方に位置している。左右方向は、本発明における「第1方向」の一例である。回転方向Rは、本発明における「回転方向」の一例である。
刃取付部72は、出力軸71の右端部に設けられており、円筒部72Aと、拡径部72Bと、固定部材72Cと、固定ネジ72Dとを有している。
円筒部72Aは、左右方向に延びる円筒形状を有すると共に収容部44の円筒延出部44Aの半径方向内方に位置し、出力軸71の右部を挿通させた状態で出力軸71と一体に回転するように設けられている。拡径部72Bは、円筒部72Aの右端部から出力軸71の半径方向外方に拡径した部分であり、円筒部72Aと一体に形成されている。固定部材72Cは、拡径部72Bと協働して丸鋸刃Bを保持する部材であり、側面視中央に貫通孔が形成された円環形状をなしている。固定ネジ72Dは、刃取付部72に丸鋸刃Bを固定するための雄ネジであり、出力軸71の螺合孔71aに螺合可能である。
ここで、丸鋸刃Bの取付方法について説明する。丸鋸刃Bを刃取付部72に取付ける場合には、まず、出力軸71の螺合孔71aに螺合されている固定ネジ72Dの螺合を解除し、固定ネジ72D及び固定部材72Cを拡径部72Bから取外す。その後、固定部材72Cと拡径部72Bとで丸鋸刃Bを挟んだ状態とし、固定部材72Cの貫通孔及び丸鋸刃Bの貫通孔に固定ネジ72Dを挿通させ、固定ネジ72Dを螺合孔71aに螺合させて締付ける。これにより、丸鋸刃Bは、刃取付部72に取付けられ且つ固定される、すなわち、本体部3に回転可能に支持される。丸鋸刃Bは、刃取付部72に取付けられた状態(以下、「取付状態」と呼ぶ)で出力軸71が回転することで、出力軸71と一体に軸心Aを中心に回転方向Rに回転する。以下の説明においては、回転方向Rと反対の方向を「反回転方向」と呼び、出力軸71の半径方向を単に「半径方向」と呼び、出力軸71の周方向を単に「周方向」と呼ぶ。また、本実施の形態において、出力軸71の周方向及び半径方向は、取付状態における丸鋸刃Bの周方向及び半径方向とそれぞれ一致する。半径方向は、本発明における「第2方向」の一例である。
図1乃至図3に示されているように、固定保護カバー45は、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1の一部を覆うカバーであり、ギヤ収容部44の右部に固定されている。詳細には、固定保護カバー45は、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1の非突出部分B3のうちの周方向における略150°分を覆っており、第1固定カバー451と第2固定カバー452とを有している。固定保護カバー45は、本発明における「第1保護カバー」の一例である。
図2、図4、及び図5に示されているように、第1固定カバー451は、ギヤ収容部44と一体に形成された金属製の部分であり、固定保護カバー45の左側を構成している。第1固定カバー451は、第1円弧壁451Aと第1突出壁451Bとを有している。第1円弧壁451Aは、半径方向において所定の寸法をもって軸心Aを中心として円弧状に延びる壁部である。第1突出壁451Bは、第1円弧壁451Aの周縁部の略全域から右方に突出する壁部である。図5は、電動丸鋸1の外観を示す斜視図であり、第2固定カバー452を捨象した図である。
図1乃至図4に示されているように、第2固定カバー452は、第1固定カバー451にネジ止め等によって固定された樹脂製の部材であり、固定保護カバー45の右側を構成している。第2固定カバー452は、第2円弧壁452Aと第2突出壁452Bとを有しており、第2固定カバー452には、排出孔452aが形成されている。
第2円弧壁452Aは、第1円弧壁451Aと同様に、半径方向において所定の寸法をもって軸心Aを中心として円弧状に延びる壁部である。第2円弧壁452Aの半径方向における寸法は、第1円弧壁451Aよりも大きく構成されている。第2突出壁452Bは、第2円弧壁452Aの周縁部の略全域から左方に突出する壁部である。
第1固定カバー451及び第2固定カバー452は、第2突出壁452Bと第1突出壁451Bとを当接させた状態でネジ止め等によって互いに固定されており、第1円弧壁451A、第1突出壁451B、第2円弧壁452A、及び第2突出壁452Bのそれぞれの内表面によって、丸鋸刃Bの刃部B1の周方向における所定範囲(本実施形態においては、略150°の範囲)を収容する側面視円弧形状の収容空間45aが画成されている。
排出孔452aは、収容空間45a(すなわち、固定保護カバー45内部)と外部とを連通する孔であり、第2円弧壁452Aの後部、すなわち、第2円弧壁452Aの回転方向Rにおける下流部に形成されている。また、排出孔452aは、軸心Aよりも切断方向において上流側に位置している。切断作業時に丸鋸刃Bの回転によって発生する気流によって収容空間45a(すなわち、固定保護カバー45内部)に吸入された切粉や異物等は、排出孔452aを介して、収容空間45aから外部へ排出される。排出孔452aは、本発明における「第2連通孔」の一例である。
回動保護カバー8は、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1の一部を覆う樹脂製のカバーであり、軸心Aを中心として回動可能に設けられている。詳細には、固定保護カバー45は、左右方向に所定の寸法を有するとともに取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1のうちの周方向における略150°分を覆っており、図4、及び図6乃至図8に示されているように、回動筒部81と、スプリング係止部82と、刃先対向壁83と、内側接続壁84と、外側壁85とを有している。また、回動保護カバー8の左右方向の寸法は、収容空間45aの左右方向の寸法よりも小さく構成されている。回動保護カバー8は、本発明における「第2保護カバー」の一例である。
回動保護カバー8は、外力が働いていない状態においては、後述のスプリング8Aによって、図1、図4、図7、及び図8に示されている状態に維持されている。以下、図1、図4、図7、及び図8に示されている回動保護カバー8の位置を「初期回動位置」と呼び、回動保護カバー8の構成に関する説明においては回動保護カバー8が初期回動位置に位置している状態を基準にして説明する。図6は、電動丸鋸1の回動保護カバー8の外観を示す斜視図である。図7は、電動丸鋸1の右側面図であり、第2固定カバー452を捨象した図である。図8は、電動丸鋸1の回動保護カバー8の左右方向中央を通り且つ軸心Aに直交する断面を示す図であり、第2固定カバー452を捨象した図である。
図4及び図6に示されているように、回動筒部81は、左右方向に延びる円筒形状をなしており、ギヤ収容部44の円筒延出部44Aを挿通させた状態で、軸心Aを中心に円筒延出部44Aに対して回動可能に設けられている。これにより、回動保護カバー8がハウジング4に対して回動可能に構成される。
図7及び図8に示されているように、スプリング係止部82は、回動筒部81の上部から上方に突出する部分であり、スプリング係止部82には、スプリング8Aを係止するための係止孔が形成されている。スプリング8Aは、前後方向に延びており、その後端は、ギヤ収容部44の右側面の後部に係止されており、その前端は、スプリング係止部82の係止孔に係止されている。スプリング8Aは、回動保護カバー8が初期回動位置に位置している状態において自然長である。このため、回動筒部81を初期回動位置から反回転方向に回動させると、スプリング8Aは伸長され回動筒部81を回転方向Rに回動させる方向の付勢力を発生させる。これにより、回動保護カバー8全体を反回転方向に回動させた場合、スプリング8Aによって、回動保護カバー8全体を回転方向Rに回動させる方向の付勢力が回動保護カバー8に付与される。
刃先対向壁83は、軸心Aを中心として側面視略円弧状に延び、半径方向に所定の厚みを有するとともに左右方向に所定の寸法を有する壁である。刃先対向壁83は、取付状態の丸鋸刃Bの半径方向外方に位置し、刃先対向壁83の内表面は、刃部B1の刃先と半径方向において対向している。また、刃先対向壁83の周方向の長さは、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1のうちの周方向における略150°分を覆う長さである。刃先対向壁83は、上流側壁831及び下流側壁832を有しており、刃先対向壁83には、連通孔83aが形成されている。連通孔83aは、円板状である丸鋸刃Bと同一平面上に位置する。すなわち、連通孔83aは、丸鋸刃Bと左右方向でオーバーラップする位置関係にある。さらに言い換えると、連通孔83aの少なくとも一部は、半径方向から見て丸鋸刃Bと重なっている。刃先対向壁83は、本発明における「対向壁」の一例である。
図6及び図8に示されているように、上流側壁831は、刃先対向壁83の回転方向Rにおける上流側部分を構成するとともに軸心Aを中心として側面視略円弧状に延びる壁であり、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1のうちの周方向における略30°分と半径方向において対向している。上流側壁831の回転方向Rにおける下流端部は、連通孔83aの一部を画成しており(詳細については、後述する)、当該下流端部の内表面と軸心Aとの半径方向における距離は、D1である。
下流側壁832は、刃先対向壁83のうちの上流側壁831よりも回転方向Rにおける下流側部分を構成するとともに軸心Aを中心として側面視略円弧状に延びる壁であり、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1のうちの周方向における略120°分と半径方向において対向している。下流側壁832の回転方向Rにおける上流端部は、連通孔83aの一部を画成しており(詳細については、後述する)、当該上流端部の内表面と軸心Aとの半径方向における距離は、上流側壁831の回転方向Rにおける下流端部の内表面と軸心Aとの半径方向における距離であるD1よりも小さいD2である。すなわち、下流側壁832の回転方向Rにおける上流端部は、上流側壁831の回転方向Rにおける下流端部よりも軸心Aの近くに位置している。また、下流側壁832は、図6に示されているように、傾斜部832Aと、右側接続壁832Bと、左側接続壁832Cとを有している。
なお、上流側壁831の外表面と軸心Aとの半径方向における距離及び下流側壁832の外表面と軸心Aとの半径方向における距離は、固定保護カバー45の第1突出壁451B及び第2突出壁452Bの内表面と軸心Aとの半径方向における距離よりも小さく構成されている。これにより、収容空間45aに回動保護カバー8の少なくとも一部が収容可能である。
図6に示されているように、傾斜部832Aは、下流側壁832の回転方向Rにおける上流端部の一部を構成しており、傾斜面832Dを有している。傾斜面832Dは、図8に示されているように、回転方向Rにおける上流側に向かうに従って徐々に軸心Aに近づくように傾斜した面である。傾斜面832Dの回転方向Rにおける上流端は、下流側壁832の内表面の回転方向Rにおける上流端と接続されている。傾斜面832Dは、本発明における「傾斜面」の一例である。
図6に示されているように右側接続壁832Bは、下流側壁832の回転方向Rにおける上流端部の一部を構成しており、傾斜部832Aの右部と上流側壁831の回転方向Rにおける下流端部の右部とを接続している。左側接続壁832Cは、下流側壁832の回転方向Rにおける上流端部の一部を構成しており傾斜部832Aの左部と上流側壁831の回転方向Rにおける下流端部の左部とを接続している。
図6及び図8に示されているように、連通孔83aは、刃先対向壁83よりも半径方向内方の空間(すなわち、刃先対向壁83に関して軸心Aと同じ側の空間)と刃先対向壁83よりも半径方向外方の空間(すなわち、刃先対向壁83に関して軸心Aと反対側の空間)とを連通させる孔である。連通孔83aは、上流側壁831の回転方向Rにおける下流端部と下流側壁832の回転方向Rにおける上流端部とによって画成されている。より詳細には、連通孔83aは、傾斜面832Dと、右側接続壁832Bの左側面と、左側接続壁832Cの右側面と、上流側壁831の回転方向Rにおける下流端部の内表面とによって画成されている。連通孔83aは、本発明における「第1連通孔」の一例である。
内側接続壁84は、刃先対向壁83の左縁部の略全域と回動筒部81とを接続する部分であり、側面視において軸心Aを中心とした略扇形状をなしている。内側接続壁84は、取付状態の丸鋸刃Bの刃部B1の左側面と左右方向において対向しており、切断作業時に被切断材に当接させる当接部84Aを有している。
当接部84Aは、内側接続壁84の回転方向Rにおける下流端部を構成する部分であり、回転方向Rにおける下流側に向かって凸となるように湾曲している。
外側壁85は、刃先対向壁83の右縁部の略全域から半径方向内方に所定長延びる部分であり、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1の右側面と左右方向において対向している。
回動保護カバー8においては、刃先対向壁83の内表面、内側接続壁84の右側面、及び外側壁85の左側面によって、取付状態の丸鋸刃Bの刃部B1の周方向における一部を収容する収容空間8aが画成されている。
次に、図9乃至図11を参照しながら、電動丸鋸1の動作及び電動丸鋸1を用いた切断作業について説明する。図9乃至図11は、電動丸鋸1を用いた切断作業について説明する図であり、図9は、回動保護カバー8が初期回動位置に位置している状態を示し、図10は、回動保護カバー8が初期回動位置から反回転方向に略60°回動した状態を示し、図11は、回動保護カバー8が初期回動位置から反回転方向に略150°回動した作業時回動位置に位置している状態を示している。なお、図9乃至図11においては、図面の煩雑をさけるため、取付状態の丸鋸刃Bを2点鎖線で示してる。
ユーザが、丸鋸刃Bを刃取付部72に取付けた状態で、ハンドル部43を握った手の指でトリガスイッチ43Aに対して引操作を行うと、図示せぬ制御部がモータ5の駆動を開始し、回転軸51が回転を開始する。回転軸51が回転すると、回転軸51の回転力がピニオン51A及び動力伝達部6を介して出力軸71に伝達され、出力軸71(出力軸部7)と丸鋸刃Bが軸心Aを中心に回転方向Rに一体に回転する。
丸鋸刃Bを回転させた状態で、ユーザが、ベース2の摺動面2Aの前端部を被切断材Wの上面W1に当接させ、この状態から摺動面2Aを上面W1に対して摺動させながら電動丸鋸1を切断方向(前方向)に移動させると、被切断材Wの後端上部が僅かに切断され、図9に示されているように、回動保護カバー8の当接部84Aが被切断材Wの後端面に当接した状態となる。図9に示されている状態においては、回動保護カバー8は初期回動位置に位置しており、スプリング8Aは自然長のままである。また、初期回動位置に位置している回動保護カバー8は、取付状態の丸鋸刃Bの突出部分B2のうちの周方向における略120°分と、非突出部分B3のうちの周方向における略30°分を覆っている。初期回動位置は、本発明における「第1回動位置」の一例である。取付状態の丸鋸刃Bの刃部B1の突出部分B2のうちの初期回動位置に位置している回動保護カバー8によって覆われている部分は、本発明における「突出部分の少なくとも一部」の一例である。
図9に示されている状態から、ユーザが、摺動面2Aを上面W1に対して摺動させながら電動丸鋸1をさらに切断方向(前方向)に移動させて被切断材Wをさらに切断すると、当接部84Aが被切断材Wの後端面によって後方に押され、図10に示されているように、回動保護カバー8全体がスプリング8Aの付勢力に抗して反回転方向に回動する。図10に示されている状態においては、回動保護カバー8は初期回動位置から反回転方に略60°回動した回動位置に位置しており、スプリング8Aは、自然長から伸長され、回動保護カバー8を回転方向Rに回転させる方向に付勢している。
さらに、図10に示された状態から、ユーザが、摺動面2Aを上面W1に対して摺動させながら電動丸鋸1をさらに切断方向(前方向)に移動させて被切断材Wをさらに切断すると、回動保護カバー8はスプリング8Aの付勢力に抗してさらに反回転方向に回動し、図11に示されているように、作業時回動位置に到達する。作業時回動位置は、回動保護カバー8が初期回動位置から反回転方向に略150°回動した回動位置である。回動保護カバー8が作業時回動位置に位置している状態(図11に示されている状態)においては、回動保護カバー8は、突出部分B2のうちの初期回動位置に位置している状態で覆っていた部分(突出部分B2のうちの、図9の状態において回動保護カバー8によって覆われている部分)を完全に露出させており、ベース2の摺動面2Aから下方に突出する丸鋸刃Bの部分(すなわち、突出部分B2)を覆わない状態となる。また、回動保護カバー8が作業時回動位置に位置している状態においては、回動保護カバー8の一部は、固定保護カバー45の収容空間45a内に収容され、且つ回動保護カバー8の当接部84Aは、被切断材Wの上面W1に当接している(すなわち、当接部84Aは摺動面2Aに関して軸心Aとは反対側の空間から退避している)。さらに、図11に示されている状態においては、スプリング8Aは、図10の状態からさらに伸長され回動保護カバー8を回転方向Rに回転させる方向に付勢している。作業時回動位置は、本発明における「第2回動位置」の一例である。
図11に示されている状態から、ユーザが、摺動面2Aを上面W1に対して摺動させながら電動丸鋸1をさらに切断方向(前方向)に移動させると、回動保護カバー8が作業時回動位置に位置した状態のまま被切断材Wが切断されていき、突出部分B2の後端部が被切断材Wの前端よりも前方に到達すると被切断材Wに対する切断作業が完了する。なお、切断作業が完了し、ユーザが、摺動面2A及び当接部84Aを上面W1から離間させると、回動保護カバー8は、スプリング8Aの付勢力によって初期回動位置まで戻る。
次に、図12乃至図14を参照しながら、切粉等の異物の排出孔452aからの排出について、連通孔83aと排出孔452a及び軸心Aとの位置関係と併せて説明する。図12乃至図14は、切粉等の異物の排出孔452aからの排出を説明する図であり、回動保護カバー8の左右方向中央を通り且つ軸心Aに直交する断面を示している。図12は、図9に示されている状態(回動保護カバー8が初期回動位置に位置している状態)における回動保護カバー8の断面を示し、図13は、図10に示されている状態における回動保護カバー8の断面を示し、図14は、図11に示されている状態(回動保護カバー8が作業時回動位置に位置している状態)における回動保護カバー8の断面を示している。なお、図12乃至図14においては、図面の煩雑をさけるため、取付状態の丸鋸刃Bを2点鎖線で示してる。
図12に示されているように、回動保護カバー8が初期回動位置に位置している状態において、連通孔83aは、排出孔452aよりも回転方向Rにおける下流側に位置しており且つ軸心Aよりも後方(すなわち、切断方向において軸心Aよりも上流側)に位置している。また、図12に示されている状態においては、丸鋸刃Bの回転によって、主に矢印Eによって示されている空気流が発生している。このため、切断作業において発生する切粉等は、当該空気流によって、固定保護カバー45の回転方向Rにおける上流端から収容空間45a(すなわち、固定保護カバー45の内部)に吸入される。そして、収容空間45aに吸入された切粉等は、固定保護カバー45の内表面に沿って運ばれ、排出孔452aから外部に排出される。
図13に示されている状態においては、図12の状態と同様に、連通孔83aは、排出孔452aよりも回転方向Rにおける下流側に位置しており且つ軸心Aよりも後方(すなわち、切断方向において軸心Aよりも上流側)に位置している。また、図13の状態においては、図12に示されている状態と同様の空気流が発生している。このため、切断作業によって発生する切粉等の大半は、図12に示されている状態と同様に、当該空気流によって排出孔452aから外部に排出される。
しかしながら、図13に示されている状態においては、回動保護カバー8の回転方向Rにおける上流端が排出孔452aよりも回転方向Rにおける上流側に位置しているため、回動保護カバー8の回転方向Rにおける上流端付近から切粉等が僅かに回動保護カバー8の収容空間8a(すなわち、回動保護カバー8の内部)に流入してくる場合がある。このような場合、収容空間8aに流入してきた切粉等は、連通孔83aを介して固定保護カバー45の収容空間45aに再び流入し、固定保護カバー45の回転方向Rにおける下流端から排出されてベース2の上面に衝突するが、被切断材Wの上面W1には衝突しない。このため、連通孔83aが排出孔452aよりも回転方向Rにおける下流側に位置している状態においても、被切断材Wの仕上面(上面W1)が傷つくことが抑制される。これにより、仕上面を良好にすることができる。
図14に示されているように、回動保護カバー8が作業時回動位置に位置している状態において、連通孔83aは、排出孔452aよりも回転方向Rにおける上流側に位置しており且つ軸心Aよりも前方、すなわち、切断方向において軸心Aよりも下流側に位置している。また、図14に示されている状態においては、回動保護カバー8の回転方向Rにおける上流端が軸心Aよりも前方に位置しているため、丸鋸刃Bの回転によって、矢印Eによって示されている空気流に加え、当該空気流から分岐した矢印Fによって示される空気流が発生する。このため、切断作業によって発生する切粉等の半分程度は、図12に示されている状態と同様に、矢印Eで示されている空気流によって排出孔452aから外部に排出されるが、残りの半分程度は、回動保護カバー8の回転方向Rにおける上流端付近から収容空間8aに流入してくる。
しかしながら、上流側壁831のうちの連通孔83aを画成している部分(すなわち、上流側壁831の回転方向Rにおける下流端部)と軸心Aとの距離が下流側壁832のうちの連通孔83aを画成している部分(すなわち、下流側壁832の回転方向Rにおける上流端部)と軸心Aとの距離よりも大きく、且つ、連通孔83aを画成している傾斜面832Dが反回転方向に向かうに従って軸心Aに近づくように傾斜しているため、収容空間8aに流入してきた切粉等は、上流側壁831の内表面に沿って運ばれ、傾斜面832Dによって連通孔83aまで円滑に案内される。これにより、図14に示されている状態において収容空間8aに流入してきた切粉等は、固定保護カバー45によって提供される収容空間45aに円滑に戻される。
そして、図14に示されている状態においては、連通孔83aは排出孔452aよりも回転方向Rにおいて上流側に位置しているため、収容空間45aに戻された切粉等は排出孔452aから排出される。このため、切断作業中に回動保護カバー8の内部(収容空間8a)に流入してきた切粉等が回動保護カバー8の回転方向Rにおける下流端から排出されて被切断材Wの上面W1に衝突することが抑制される。これにより、被切断材Wの仕上面(上面W1)が傷つくことが抑制され、仕上面を良好にすることができる。
また、図14に示されている状態において、連通孔83aは軸心Aよりも前方(切断方向において下流側)に位置している。このため、図14に示されている状態において連通孔83aが軸心Aよりも後方(すなわち、切断方向において上流側)に位置している構成と比較して、連通孔83a付近の空気流の風量が大きい(すなわち、空気流の速度が速い)。これにより、収容空間8aに流入してきた切粉等を連通孔83aを介して収容空間45aに効率良く案内することができる。
上述したように、本発明の第1の実施の形態による電動丸鋸1は、被切断材を切断するための丸鋸刃Bが取付可能に構成されるとともに取付状態において丸鋸刃Bを左右方向に延びる軸心Aを中心に回転可能に支持する本体部3と、切断作業の際に被切断材に対して摺動させる摺動面2Aを有し本体部3を支持するベース2と、を備えている。また、本体部3は、取付状態のおける丸鋸刃Bの刃部B1のうちの摺動面2Aに関して軸心Aと同じ側に位置する非突出部分B3の一部を覆う固定保護カバー45を有するハウジング4と、半径方向において取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1と対向する刃先対向壁83を有する回動保護カバー8と、を備えている。さらに、回動保護カバー8は、取付状態のおける丸鋸刃Bの刃部B1のうちの摺動面2Aに関して軸心Aとは反対側の空間に突出する突出部分B2の少なくとも一部を覆う初期回動位置と、固定保護カバー45内に一部が収容されるとともに突出部分B2の初期回動位置において覆っていた当該少なくとも一部を露出させる作業時回動位置との間でハウジング4に対して回動可能であり、刃先対向壁83には、刃先対向壁83に関して軸心Aとは反対側の空間と刃先対向壁83に関して軸心Aと同じ側の空間とを連通させる連通孔83aが形成されている。
このような構成によれば、切断作業によって発生する切粉等の異物が刃先対向壁83に関して軸心と同じ側の空間(すなわち、回動保護カバー8の内部)に流入してきた場合であっても、当該切粉等の異物を連通孔83aを介して刃先対向壁83に関して軸心とは反対側の空間に排出することができ、当該切粉等の異物が刃先対向壁83に沿って移動して被切断材に衝突することが抑制される。これにより、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことを抑制することができ、仕上面を良好とすることができる。また、被切断材の上面に異物が付着した場合、丸鋸刃Bの回転によって発生する風によって、異物が周囲に飛散する可能性があるが、本発明によれば、回動保護カバー8の内部にある異物は当該風の影響を受けて周囲に飛散する虞があるが、異物が被切断材に衝突することを抑制できるので、被切断材に付着する異物の量を減少させることができ、ひいては周囲に異物が飛散してしまうことを抑制できる。
また、電動丸鋸1における固定保護カバー45には、固定保護カバー45の内部と外部とを連通させる排出孔452aが形成されている。このため、切断作業によって発生する切粉等の異物が固定保護カバー45の内部に流入してきた場合であっても、当該切粉等の異物を排出孔452aを介して固定保護カバー45の外部に排出することができる。これにより、当該切粉等の異物が被切断材に衝突することが抑制され、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをより抑制することできる。特に、排出孔452aは、丸鋸刃Bの回転方向に沿うようにして後方に開口しているので、切粉等の異物を丸鋸刃Bの作業位置から遠ざけて、異物が作業に悪影響を与えることを抑制できる。
また、電動丸鋸1においては、取付状態の丸鋸刃Bは切断作業時において回転方向Rに回転し、回動保護カバー8は切断作業の際に被切断材に当接する当接部84Aを有し、当接部84Aの少なくとも一部は回動保護カバー8が初期回動位置に位置している状態において摺動面2Aに関して軸心Aとは反対側の空間に位置している。さらに、電動丸鋸1においては、回動保護カバー8が作業時回動位置に位置している状態で、回動保護カバー8の一部は固定保護カバー45内に収容され、回動保護カバー8は突出部分B2のうちの初期回動位置に位置している状態で覆っていた部分を露出させ、当接部84Aは摺動面2Aに関し軸心Aとは反対側の空間から退避し、連通孔83aは排出孔452aよりも回転方向Rにおいて上流側に位置している。
このような構成によると、切断作業時において、回転方向Rに流れる空気流が発生し、回動保護カバー8は作業時回動位置に位置し且つ連通孔83aは排出孔452aよりも回転方向Rにおいて上流側に位置する。このため、回動保護カバー8内部に流入してきた切粉等の異物を連通孔83aを介して排出した後、さらに、排出孔452aを介して固定保護カバー45の外部に排出することができる。これにより、当該切粉等の異物が被切断材に衝突することがより抑制され、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをより抑制することできる。
また、本発明の第1の実施の形態による電動丸鋸1においては、連通孔83aは、回動保護カバー8が作業時回動位置に位置している状態において、軸心Aよりも切断方向(前方向)において下流側に位置している。このため、回動保護カバー8が作業時回動位置に位置している状態において連通孔83aが切断方向において軸心Aよりも上流側に位置している構成と比較して、連通孔83a付近の空気流の風量が大きい(すなわち、空気流の速度が速い)。これにより、回動保護カバー8内に流入してきた切粉等を異物を連通孔83aを介して効率良く排出することができ、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをより抑制することできる。
また、上述の電動丸鋸1における刃先対向壁83は、軸心Aを中心として略円弧状に延びており、刃先対向壁83の回転方向Rにおける上流側部分を構成する上流側壁831と、刃先対向壁83のうちの上流側壁831よりも回転方向Rにおける下流側の部分を構成する下流側壁832と、を有している。さらに、電動丸鋸1においては、連通孔83aの少なくとも一部は上流側壁831の回転方向Rにおける下流端部と下流側壁832の回転方向Rにおける上流端部とによって画成され、上流側壁831の下流端部と軸心Aとの半径方向における距離(すなわち、D1)は、下流側壁832の上流端部と軸心Aとの半径方向における距離(すなわち、D2)よりも大きい。
このような構成によると、上流側壁831のうちの連通孔83aを画成している部分(すなわち、上流側壁831の回転方向Rにおける下流端部)と軸心Aとの距離が、下流側壁832のうちの連通孔83aを画成している部分(すなわち、下流側壁832の回転方向Rにおける上流端部)と軸心Aとの距離よりも大きい。このため、回動保護カバー8内に流入してきた切粉等の異物は、上流側壁831に沿って運ばれて、連通孔83aまで円滑に案内される。これにより、回動保護カバー8内に流入してきた切粉等の異物を連通孔83aから円滑に排出することができる。これにより、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをさらに抑制することできる。
また、上述した電動丸鋸1における下流側壁832の上流端部には、回転方向Rにおける上流側に向かうに従って徐々に軸心Aに近づくように傾斜する傾斜面832Dが規定されてる。このため、回動保護カバー8内に流入してきた切粉等の異物は、傾斜面832Dによって連通孔83aまで円滑に案内される。これにより、回動保護カバー8内に流入してきた切粉等の異物を連通孔83aからより円滑に排出することができ、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことをより抑制することできる。
次に、図15を参照しながら、本発明の第2の実施の形態による切断工具の一例である電動丸鋸201について説明する。電動丸鋸201は、電動丸鋸1が備えていた回動保護カバー8に替えて、回動保護カバー208を備えている。図15は、電動丸鋸201の回動保護カバー208の左右方向中央を通り且つ軸心Aに直交する断面を示す図であり、第2固定カバー452を捨象した図である。なお、図15においては、図面の煩雑をさけるため、取付状態の丸鋸刃Bを2点鎖線で示してる。
電動丸鋸201は、回動保護カバー8に替えて、回動保護カバー208を備えている点のみが電動丸鋸1と異なり、他の構成及び要素は電動丸鋸1と同一である。なお、電動丸鋸201における電動丸鋸1と同一の構成及び要素は、電動丸鋸1におけるそれらが奏する効果と同一の効果を奏する。以下においては、なお、電動丸鋸201における電動丸鋸1と同一の構成及び要素には、同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成及び要素についてのみ説明する。
回動保護カバー208は、回動保護カバー8が有していた刃先対向壁83に替えて、刃先対向壁283を有している。回動保護カバー208は、刃先対向壁83に替えて、刃先対向壁283を備えている点のみが回動保護カバー8と異なり、他の構成及び要素は回動保護カバー8と同一である。回動保護カバー208は、本発明における「第2保護カバー」の一例である。
図15に示されているように、刃先対向壁283は、取付状態の丸鋸刃Bの半径方向外方に位置し、軸心Aを中心として略円弧状に延びるとともに半径方向に所定の厚みを有する壁であり、上流側壁931及び下流側壁932を有している。また、刃先対向壁283の周方向の長さは、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1のうちの周方向における略150°分を覆う長さであり、刃先対向壁283の内表面は、刃部B1の刃先と半径方向において対向している。さらに、刃先対向壁283には、連通孔283aが形成されている。刃先対向壁283は、本発明における「対向壁」の一例である。
上流側壁931は、刃先対向壁283の回転方向Rにおける上流側部分を構成するとともに軸心Aを中心として略円弧状に延びる壁であり、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1のうちの周方向における略30°分と半径方向において対向している。上流側壁931は、上流側傾斜部931Aを有している。
上流側傾斜部931Aは、上流側壁931の回転方向Rにおける下流端部を構成しており、上流側傾斜面931Bを有している。上流側傾斜面931Bは、回転方向Rにおける下流側に向かうに従って徐々に軸心Aから遠ざかるように傾斜した面である。上流側傾斜面931Bの回転方向Rにおける下流端は、上流側壁931の外表面の回転方向Rにおける下流端と接続されている。
下流側壁932は、刃先対向壁283のうちの上流側壁931よりも回転方向Rにおける下流側を構成するとともに軸心Aを中心として略円弧状に延びる壁であり、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1のうちの周方向における略120°分と半径方向において対向している。下流側壁932は、突出リブ932Aと、図示せぬ右接続壁と、図示せぬ左接続壁とを有している。
突出リブ932Aは、下流側壁932の回転方向Rにおける上流端部の一部を構成しており、上流側壁931の内表面よりも半径方向内方に突出している。より詳細には、突出リブ932Aは、軸心Aに近づくに従って回転方向Rにおける上流側に徐々に向かうように突出している。また、突出リブ932Aは、左右方向に所定の寸法を有しており、半径方向視において取付状態の丸鋸刃Bの刃部B1と重なっており、突出リブ932Aの突出端と取付状態の丸鋸刃Bの刃部B1との間には、僅かな隙間が形成されている。なお、本実施の形態における突出リブ932Aの突出端と取付状態の丸鋸刃Bの刃部B1との半径方向における離間距離は、略1mmである。
また、突出リブ932Aは、下流側傾斜面932Bを有している。下流側傾斜面932Bは、回転方向Rにおける上流側に向かうに従って徐々に軸心Aに近づくように傾斜した面であり、上流側傾斜面931Bと対向している。下流側傾斜面932Bは、本発明における「傾斜面」の一例である。
図示せぬ右接続壁は、下流側壁932の回転方向Rにおける上流端部の一部を構成しており、突出リブ932Aの右部と上流側傾斜部931Aの右部とを接続している。図示せぬ左接続壁は、下流側壁932の回転方向Rにおける上流端部の一部を構成しており、突出リブ932Aの左部と上流側傾斜部931Aの左部とを接続している。突出リブ932Aは、本発明における「突出部」の一例である。
連通孔283aは、刃先対向壁283よりも半径方向内方の空間(すなわち、刃先対向壁283に関して軸心Aと同じ側の空間)と刃先対向壁283よりも半径方向外方の空間(すなわち、刃先対向壁283に関して軸心Aと反対側の空間)とを連通させる孔である。連通孔283aは、上流側壁931の回転方向Rにおける下流端部と下流側壁932の回転方向Rにおける上流端部とによって画成されている。より詳細には、連通孔283aは、上流側傾斜部931Aの上流側傾斜面931Bと、図示せぬ右接続壁の左側面と、図示せぬ左接続壁の右側面と、突出リブ932Aの下流側傾斜面932Bとによって画成されている。連通孔283aは、本発明における「第1連通孔」の一例である。
上述したように、本発明の第2の実施の形態による電動丸鋸201における刃先対向壁283は、軸心Aを中心として円弧状に延びており、刃先対向壁283の回転方向Rにおける上流端側を構成する上流側壁931と、刃先対向壁283のうちの上流側壁931よりも回転方向Rにおける下流側を構成する下流側壁932と、を有し、連通孔283aの少なくとも一部は、上流側壁931の回転方向Rにおける下流端部と下流側壁932の回転方向Rにおける上流端部とによって画成され、下流側壁932の上流端部は、上流側壁931の下流端部よりも半径方向内方に突出する突出リブ932Aを有している。
このような構成によると、回動保護カバー208に流入してきた切粉等の異物は、上流側壁931に沿って運ばれた後に、突出リブ932Aによって連通孔283aまで円滑に案内される。これにより、切断作業時に被切断材へ向かう異物の量を減少させることができ、被切断材の仕上面が傷つくことや、周囲に異物が飛散してしまうことをより抑制することできる。
また、突出リブ932Aは、軸心Aに近づくに従って回転方向Rにおける上流側に向かうように突出しているため、回動保護カバー208内に流入してきた切粉等の異物を突出リブ932Aによって連通孔283aまでより円滑に案内することができる。これにより、切断作業時に被切断材の仕上面が傷つくことや、周囲に異物が飛散してしまうことをさらに抑制することできる。
また、突出リブ932Aの少なくとも一部は、半径方向から見て、取付状態における丸鋸刃Bの刃部B1と重なっている。このため、ユーザが予め決められた規定のサイズよりも大きいサイズの丸鋸刃を本体部3に取付けようとした場合に、突出リブ932Aが当該丸鋸刃に干渉する。これにより、規定のサイズよりも大きいサイズの丸鋸刃が本体部3に取付けられることが防止され、電動丸鋸201の適切な使用を促進することができる。
以上、本発明の第1の実施の形態及び第2の実施の形態について詳細に説明したが、本発明による切断工具は、上述した実施の形態や変形例に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、第1の実施の形態による電動丸鋸1においては、ベース2から下方に突出する丸鋸刃Bの突出量が最大の状態で、軸心Aと連通孔83aの位置関係を説明したが、丸鋸刃Bの突出量が最大の状態でなくてもよい。例えば、突出量が小さく、被切断材への切込深さを浅くしている場合にも、連通孔83aが切断方向(前方向)において軸心Aよりも下流側に位置することで、本発明の効果を得ることができる。
また、第2の実施の形態における突出リブ932Aの突出端と取付状態の丸鋸刃Bの刃部B1との半径方向における離間距離は、1mmであったが、これに限定されず、ユーザが予め決められた規定のサイズよりも大きいサイズの丸鋸刃を本体部3に取付けようとした場合に、突出リブ932Aが当該丸鋸刃に干渉する程度の離間距離であればよい。
1…電動丸鋸 2…ベース 2A…摺動面 3…本体部 4…ハウジング 45…固定保護カバー 8…回動保護カバー 83…刃先対向壁 A…軸心 B…丸鋸刃 B1…刃部 B2…突出部分 B3…非突出部分
Claims (14)
- 被切断材を切断するための丸鋸刃が取付可能に構成され、前記丸鋸刃が取付けられた取付状態において前記丸鋸刃を第1方向に延びる軸心を中心に回転可能に支持する本体部と、
切断作業の際に前記被切断材に対して摺動させる摺動面を有し、前記本体部を支持するベースと、を備える切断工具であって、
前記本体部は、
前記取付状態のおける前記丸鋸刃の刃部のうちの前記摺動面に関して前記軸心と同じ側に位置する非突出部分の一部を覆う第1保護カバーを有するハウジングと、
前記第1方向と直交する第2方向において前記取付状態における前記丸鋸刃の前記刃部と対向する対向壁を有し、前記取付状態のおける前記丸鋸刃の前記刃部のうちの前記摺動面に関して前記軸心とは反対側の空間に突出する突出部分の少なくとも一部を覆う第1回動位置と前記第1保護カバー内に一部が収容されるとともに前記突出部分の前記少なくとも一部を露出させる第2回動位置との間で前記ハウジングに対して回動可能な第2保護カバーと、を有し、
前記対向壁には、前記対向壁に関して前記軸心とは反対側の空間と前記対向壁に関して前記軸心と同じ側の空間とを連通させる第1連通孔が形成されていることを特徴とする切断工具。 - 前記第1保護カバーには、前記第1保護カバーの内部と外部とを連通させる第2連通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切断工具。
- 前記取付状態の前記丸鋸刃は、前記切断作業時において所定の回転方向に回転し、
前記第2保護カバーは、前記切断作業の際に前記被切断材に当接する当接部を有し、
前記当接部の少なくとも一部は、前記第2保護カバーが前記第1回動位置に位置している状態において前記摺動面に関して前記軸心とは反対側の空間に位置し、
前記第2回動位置は、前記第2保護カバーの前記一部が前記第1保護カバー内に収容されるとともに前記突出部分の前記少なくとも一部を露出させ且つ前記当接部が前記摺動面に関し前記軸心とは反対側の空間から退避した回動位置であり、
前記第1連通孔は、前記第2保護カバーが前記第2回動位置に位置している状態において、前記第2連通孔よりも前記回転方向において上流側に位置していることを特徴とする請求項2に記載の切断工具。 - 前記第1連通孔は、前記第2保護カバーが前記第2回動位置に位置している状態において、前記軸心よりも切断方向において下流側に位置していることを特徴とする請求項3に記載の切断工具。
- 前記第2連通孔は、前記軸心よりも前記切断方向において上流側に位置していることを特徴とする請求項4に記載の切断工具。
- 前記対向壁は、前記軸心を中心として円弧状に延びており、前記対向壁の前記回転方向における上流端側を構成する上流側壁と、前記対向壁のうちの前記上流側壁よりも前記回転方向における下流側を構成する下流側壁と、を有し、
前記第1連通孔の少なくとも一部は、前記上流側壁の前記回転方向における下流端部と前記下流側壁の前記回転方向における上流端部とによって画成され、
前記下流端部と前記軸心との前記第2方向における距離は、前記上流端部と前記軸心との前記第2方向における距離よりも大きいことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の切断工具。 - 前記上流端部には、前記回転方向における上流側に向かうに従って徐々に前記軸心に近づくように傾斜する傾斜面が規定されていることを特徴とする請求項6に記載の切断工具。
- 前記対向壁は、前記軸心を中心として円弧状に延びており、前記対向壁の前記回転方向における上流端側を構成する上流側壁と、前記対向壁のうちの前記上流側壁よりも前記回転方向における下流側を構成する下流側壁と、を有し、
前記第1連通孔の少なくとも一部は、前記上流側壁の前記回転方向における下流端部と前記下流側壁の前記回転方向における上流端部とによって画成され、
前記上流端部は、前記下流端部よりも前記第2方向における前記軸心に近づく方向に突出する突出部を有していることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の切断工具。 - 前記突出部は、前記軸心に近づくに従って前記回転方向における上流側に向かうように突出していることを特徴とする請求項8に記載の切断工具。
- 前記突出部の少なくとも一部は、第2方向から見て、前記取付状態における前記丸鋸刃の前記刃部と重なっていることを特徴とする請求項8又は9に記載の切断工具。
- 被切断材を切断するために第1方向に延びる軸心を中心に回転する丸鋸刃と、
前記丸鋸刃を回転させるためのモータを収容する本体部と、
前記被切断材に対して摺動させる摺動面を有して前記本体部を支持するベースと、
本体に所定の範囲で回転可能に支持され、前記丸鋸刃の一部を覆う回動保護カバーと、を有し、
前記回動保護カバーの、前記丸鋸刃と同一平面上に位置する部分には、第1連通孔が設けられ、
前記回動保護カバーが、前記摺動面から突出する前記丸鋸刃を覆わないような位置に回動している際、前記第1連通孔は、切断方向において前記軸心よりも下流側に位置することを特徴とする切断工具。 - 前記摺動面から前記本体部とは反対側に突出する前記丸鋸刃の突出量を調整可能な突出量調整機構をさらに有し、
前記摺動面から突出する前記丸鋸刃の突出量が最大のとき、前記第1連通孔は、前記切断方向において前記軸心よりも下流側に位置することを特徴とする請求項11に記載の切断工具。 - 前記回動保護カバーが、前記摺動面から突出する前記丸鋸刃を覆わないような位置に回動している際、前記回動保護カバーにおいて、前記丸鋸刃と同一平面上に位置し、且つ前記軸心よりも前記切断方向において上流側に位置する部分には、連通孔が設けられないことを特徴とする請求項11又は12に記載の切断工具。
- 前記本体部に固定され、前記丸鋸刃の一部を覆う固定保護カバーを有し、
前記固定保護カバーには、前記第1保護カバーの内部と外部とを連通させる第2連通孔が形成され、
前記第1連通孔は、前記回動保護カバーが前記摺動面から突出する前記丸鋸刃を覆わないような位置に回動している際、前記切断方向において前記第2連通孔よりも下流側に位置していることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の切断工具。
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