JP2019215640A - 運転者覚醒維持装置および運転者覚醒維持方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】音声による覚醒刺激と風による覚醒刺激との効果的な使い分けが可能な運転者覚醒維持装置を提供する。【解決手段】運転者覚醒維持装置10において、覚醒度判断部11は、自車両の運転者の覚醒度を判断する。同乗者検出部12は、自車両の運転者以外の搭乗者である同乗者を検出する。自車両内に同乗者がいるときに運転者の覚醒度が低下した場合には、覚醒刺激制御部13が、エアコン23を制御して運転者に風による覚醒刺激を与える。また、自車両内に同乗者がいないときに運転者の覚醒度が低下した場合には、覚醒刺激制御部13が、音声出力装置22を制御して運転者に音声による覚醒刺激を与える。【選択図】図1
Description
本発明は、車両の運転者の覚醒状態を維持させる運転者覚醒維持装置に関するものである。
車両の運転者の居眠りを防止する技術が種々提案されている。例えば下記の特許文献1には、車両が予め登録された危険地点に近づくと、エアコンの設定温度を下げたり風量を上げたりすることで運転者に覚醒刺激を与え、運転者の居眠りを防止する技術が提案されている。
エアコンの風により運転者に覚醒刺激を与える技術は、運転者以外の搭乗者(以下「同乗者」という)への影響が少ないため、覚醒刺激によって同乗者に不快感を与えたり、睡眠中の同乗者を起こしてしまったりすることを抑制できる。その反面、風による覚醒刺激は、警告音などの音声による覚醒刺激に比べると刺激が弱く、運転者の覚醒を促す効果は低い。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、音声による覚醒刺激と風による覚醒刺激との効果的な使い分けが可能な運転者覚醒維持装置を提供することを目的とする。
本発明に係る運転者覚醒維持装置は、車両の運転者の覚醒度を判断する覚醒度判断部と、車両の運転者以外の搭乗者である同乗者を検出する同乗者検出部と、同乗者がいるときに運転者の覚醒度が低下すると運転者にエアコンの風による覚醒刺激を与え、同乗者がいないときに運転者の覚醒度が低下すると運転者に音声による覚醒刺激を与える覚醒刺激制御部と、を備えるものである。
本発明によれば、車両内に同乗者がいるときには、風による覚醒刺激を用いることで、同乗者が覚醒刺激を不要に受けることが抑制される。一方、自車両内に同乗者がいないときには、音声による覚醒刺激を用いることで、運転者に強い覚醒刺激を与え、より確実に覚醒状態を維持させることができる。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る運転者覚醒維持システムの構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、当該システムは、車両に搭載された運転者覚醒維持装置10、車内カメラ21、音声出力装置22およびエアコン23を備えている。以下、当該システムが搭載された車両を「自車両」という。
図1は、実施の形態1に係る運転者覚醒維持システムの構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、当該システムは、車両に搭載された運転者覚醒維持装置10、車内カメラ21、音声出力装置22およびエアコン23を備えている。以下、当該システムが搭載された車両を「自車両」という。
運転者覚醒維持装置10は、車内カメラ21が撮影した運転者の映像に基づいて運転者の覚醒度を判断し、運転者の覚醒度が低下したときに音声出力装置22またはエアコン23を用いて運転者に覚醒刺激を与え、運転者の覚醒を維持させる。運転者覚醒維持装置10による音声出力装置22とエアコン23との使い分けについては後述する。
車内カメラ21は、自車両内の映像を撮影するカメラである。車内カメラ21は、自車両内のバックミラー(リアビューミラー)付近に設置され、運転者だけでなく同乗者(運転者以外の搭乗者)も撮影できるように、その撮影範囲は図2のように運転席、助手席、後部座席を含むように設定される。あるいは、座席ごとに車内カメラ21を設置してもよい。
音声出力装置22は、運転者に音声による覚醒刺激を与えるための手段である。音声出力装置22は、自車両のオーディオ機器のスピーカと兼用されていてもよいし、運転者覚醒維持装置10専用のスピーカやブザーでもよい。また、エアコン23は、運転者に風による覚醒刺激を与えるための手段として用いられるが、自車両内の温度や湿度を調整するための一般的なものでよい。
図1のように、運転者覚醒維持装置10は、覚醒度判断部11、同乗者検出部12および覚醒刺激制御部13を備えている。
覚醒度判断部11は、車内カメラ21が撮影した自車両の運転者の映像を解析して、運転者の閉眼時間や瞬きの頻度などから、運転者の覚醒度を判断する。
同乗者検出部12は、車内カメラ21が撮影した自車両の各座席の映像を解析して、運転者以外の同乗者の有無を検出する。
覚醒刺激制御部13は、覚醒度判断部11による運転者の覚醒度の判断結果と、同乗者検出部12による同乗者の検出結果とに基づいて、音声出力装置22およびエアコン23を制御することで、運転者に与える覚醒刺激を制御する。具体的には、同乗者検出部12により運転者以外の同乗者が検出され、且つ、覚醒度判断部11が判断した運転者の覚醒度が一定レベルよりも低くなった場合に、覚醒刺激制御部13は、エアコン23を用いて運転者に風による覚醒刺激を与える。また、覚醒度判断部11により自車両内に運転者以外の同乗者が検出されず、且つ、覚醒度判断部11が判断した運転者の覚醒度が一定レベルよりも低くなった場合に、覚醒刺激制御部13は、音声出力装置22を用いて運転者に音声による覚醒刺激を与える。
図3は、実施の形態1に係る運転者覚醒維持装置10の動作を示すフローチャートである。以下、図3に基づいて、運転者覚醒維持装置10の動作を説明する。
運転者覚醒維持装置10が起動すると、同乗者検出部12は、車内カメラ21が撮影した自車両の各座席の映像を解析して、運転者以外の同乗者の有無を検出する(ステップS101)。また、覚醒度判断部11は、車内カメラ21が撮影した自車両内の映像から抽出した運転者の映像を解析して、運転者の覚醒度を判断する(ステップS102)。
ステップS102で判断された運転者の覚醒度が一定レベル以上(この状態を「覚醒状態」という)であった場合(ステップS103でYES)、運転者に覚醒刺激を与える必要が無いため、音声出力装置22およびエアコン23から覚醒刺激を出力させることなくステップS101へ戻る。
ステップS102で判断された運転者の覚醒度が一定レベル未満(この状態を「非覚醒状態」という)であった場合(ステップS103でNO)、覚醒刺激制御部13は、ステップS101において同乗者の存在が検出されたか否かを確認する(ステップS104)。同乗者の存在が検出されていなければ(ステップS104でNO)、覚醒刺激制御部13は、音声出力装置22を制御して音声による覚醒刺激を出力する(ステップS105)。一方、同乗者の存在が検出されていれば(ステップS104でYES)、覚醒刺激制御部13は、エアコン23を制御して風による覚醒刺激を出力する(ステップS106)。
運転者覚醒維持装置10は、以上のステップを繰り返し実行する。
このように、実施の形態1に係る運転者覚醒維持装置10は、自車両内に同乗者がいるときには、風による覚醒刺激を用いることで、同乗者が覚醒刺激を不要に受けることを抑制する。これにより、例えば、同乗者に不快感を与えたり、睡眠中の同乗者を起こしてしまったりすることが防止される。一方、自車両内に同乗者がいないときには、音声による覚醒刺激を用いることで、運転者に強い覚醒刺激を与え、より確実に覚醒状態を維持させることができる。このように、運転者覚醒維持装置10は、風による覚醒刺激と音声による覚醒刺激とを効果的に使い分けることができる。
なお、風による覚醒刺激は、温度による刺激でもよいし、風量や風向による刺激でもよい。また音声による覚醒刺激は、ブザー音(警報音)でもよいし、音楽や音声メッセージでもよい。
[変形例]
実施の形態1では、運転者の覚醒度を「覚醒状態」と「非覚醒状態」の2段階としたが、3段階以上にレベル分けし、覚醒度のレベルが低いほど覚醒刺激の強さ(例えば音声による覚醒刺激の音量や、風による覚醒刺激の風量など)を高くしてもよい。
実施の形態1では、運転者の覚醒度を「覚醒状態」と「非覚醒状態」の2段階としたが、3段階以上にレベル分けし、覚醒度のレベルが低いほど覚醒刺激の強さ(例えば音声による覚醒刺激の音量や、風による覚醒刺激の風量など)を高くしてもよい。
また、実施の形態1では、覚醒度判断部11は、車内カメラ21が撮影した自車両の運転者の映像から運転者の覚醒度を判断するものとしたが、運転者の覚醒度の判断手法はこれに限られない。例えば図4のように、運転者の脳波、脈拍、心拍数などの生体情報を取得する生体情報取得装置24を運転者覚醒維持装置10に接続し、覚醒度判断部11が、運転者の生体情報から運転者の覚醒度を判断するようにしてもよい。
また、運転者覚醒維持装置10が行う処理の一部を、外部のサーバー上で行ってもよい。例えば、運転者の映像を解析して運転者の覚醒度を判断する覚醒度判断部11の処理は、比較的演算負荷が高いため、それをサーバー上で行うようにすると運転者覚醒維持装置10の演算負荷を抑制できる。また、サーバーが、複数の車両から運転者の映像を取得して、覚醒度が低下したときの運転者の挙動を学習することにより、覚醒度の判断精度の向上に寄与できるという効果も得られる。
[ハードウェア構成例]
図5および図6は、それぞれ運転者覚醒維持装置10のハードウェア構成の例を示す図である。図1に示した運転者覚醒維持装置10の構成要素の各機能は、例えば図5に示す処理回路50により実現される。すなわち、運転者覚醒維持装置10は、車両の運転者の覚醒度を判断し、運転者以外の搭乗者である同乗者を検出し、同乗者がいるときに運転者の覚醒度が低下すると運転者にエアコン23の風による覚醒刺激を与え、同乗者がいないときに運転者の覚醒度が低下すると運転者に音声による覚醒刺激を与えるための処理回路50を備える。処理回路50は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されたプログラムを実行するプロセッサ(中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)とも呼ばれる)を用いて構成されていてもよい。
図5および図6は、それぞれ運転者覚醒維持装置10のハードウェア構成の例を示す図である。図1に示した運転者覚醒維持装置10の構成要素の各機能は、例えば図5に示す処理回路50により実現される。すなわち、運転者覚醒維持装置10は、車両の運転者の覚醒度を判断し、運転者以外の搭乗者である同乗者を検出し、同乗者がいるときに運転者の覚醒度が低下すると運転者にエアコン23の風による覚醒刺激を与え、同乗者がいないときに運転者の覚醒度が低下すると運転者に音声による覚醒刺激を与えるための処理回路50を備える。処理回路50は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されたプログラムを実行するプロセッサ(中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)とも呼ばれる)を用いて構成されていてもよい。
処理回路50が専用のハードウェアである場合、処理回路50は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものなどが該当する。運転者覚醒維持装置10の構成要素の各々の機能が個別の処理回路で実現されてもよいし、それらの機能がまとめて一つの処理回路で実現されてもよい。
図6は、処理回路50がプログラムを実行するプロセッサ51を用いて構成されている場合における運転者覚醒維持装置10のハードウェア構成の例を示している。この場合、運転者覚醒維持装置10の構成要素の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせ)により実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリ52に格納される。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、運転者覚醒維持装置10は、プロセッサ51により実行されるときに、車両の運転者の覚醒度を判断する処理と、運転者以外の搭乗者である同乗者を検出する処理と、同乗者がいるときに運転者の覚醒度が低下すると、運転者にエアコン23の風による覚醒刺激を与える処理と、同乗者がいないときに運転者の覚醒度が低下すると、運転者に音声による覚醒刺激を与える処理と、が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ52を備える。換言すれば、このプログラムは、運転者覚醒維持装置10の構成要素の動作の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
ここで、メモリ52は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)およびそのドライブ装置等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
以上、運転者覚醒維持装置10の構成要素の機能が、ハードウェアおよびソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、運転者覚醒維持装置10の一部の構成要素を専用のハードウェアで実現し、別の一部の構成要素をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えば、一部の構成要素については専用のハードウェアとしての処理回路50でその機能を実現し、他の一部の構成要素についてはプロセッサ51としての処理回路50がメモリ52に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
以上のように、運転者覚醒維持装置10は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
<実施の形態2>
実施の形態2に係る運転者覚醒維持システムの構成は図1と同様である。ただし、実施の形態2では、覚醒度判断部11が、運転者の覚醒度だけでなく、同乗者の覚醒度も判断する。また、覚醒刺激制御部13は、自車両内に同乗者が存在していても、覚醒度の低下した同乗者がいない場合、すなわち同乗者の全員が覚醒状態であった場合には、音声出力装置22を用いて運転者に音声による覚醒刺激を与える。
実施の形態2に係る運転者覚醒維持システムの構成は図1と同様である。ただし、実施の形態2では、覚醒度判断部11が、運転者の覚醒度だけでなく、同乗者の覚醒度も判断する。また、覚醒刺激制御部13は、自車両内に同乗者が存在していても、覚醒度の低下した同乗者がいない場合、すなわち同乗者の全員が覚醒状態であった場合には、音声出力装置22を用いて運転者に音声による覚醒刺激を与える。
図7は、実施の形態2に係る運転者覚醒維持装置10の動作を示すフローチャートである。以下、図7に基づいて、実施の形態2の運転者覚醒維持装置10の動作を説明する。
運転者覚醒維持装置10が起動すると、同乗者検出部12は、車内カメラ21が撮影した自車両の各座席の映像を解析して、運転者以外の同乗者の有無を検出する(ステップS201)。また、覚醒度判断部11は、車内カメラ21が撮影した自車両内の映像から、運転者の映像およびステップS201で検出された同乗者の映像を抽出し、それらの映像を解析して、運転者および同乗者の覚醒度を判断する(ステップS202)。
ステップS202で運転者が覚醒状態と判断された場合(ステップS203でYES)、運転者に覚醒刺激を与える必要が無いため、音声出力装置22およびエアコン23から覚醒刺激を出力させることなくステップS201へ戻る。
ステップS202で運転者が非覚醒状態と判断された場合(ステップS203でNO)、覚醒刺激制御部13は、ステップS201において同乗者の存在が検出されたか否かを確認する(ステップS204)。同乗者の存在が検出されていなければ(ステップS204でNO)、覚醒刺激制御部13は、音声出力装置22を制御して音声による覚醒刺激を出力する(ステップS205)。
一方、同乗者の存在が検出されていれば(ステップS204でYES)、覚醒刺激制御部13は、さらに、ステップS202で同乗者の全員が覚醒状態と判断されたか否かを確認する(ステップS206)。同乗者の全員が覚醒状態と判断されていれば(ステップS206でYES)、同乗者に覚醒刺激が与えられても大きな支障はないため、覚醒刺激制御部13は、音声出力装置22を制御して音声による覚醒刺激を出力する(ステップS205)。しかし、同乗者の1人以上が非覚醒状態と判断されていれば(ステップS206でNO)、同乗者に覚醒刺激が不要に与えられないように、覚醒刺激制御部13は、エアコン23を制御して風による覚醒刺激を出力する(ステップS207)。
運転者覚醒維持装置10は、以上のステップを繰り返し実行する。
このように、実施の形態2に係る運転者覚醒維持装置10は、自車両内に同乗者がいるときでも、覚醒度が低下した同乗者がいなければ、運転者に音声による覚醒刺激を与え、より確実に運転者の覚醒状態を維持させる。よって、同乗者に支障のない範囲で、運転者に効果的に覚醒刺激を与えることができる。
<実施の形態3>
図8は、実施の形態3に係る運転者覚醒維持システムの構成を示す機能ブロック図である。図8の運転者覚醒維持システムの構成は、図1の構成に対し、運転者覚醒維持装置10にGPS(Global Positioning System)受信機25、地図情報記憶装置26および交通情報受信機27を接続させるとともに、運転者覚醒維持装置10内に車両位置特定部14を追加したものである。
図8は、実施の形態3に係る運転者覚醒維持システムの構成を示す機能ブロック図である。図8の運転者覚醒維持システムの構成は、図1の構成に対し、運転者覚醒維持装置10にGPS(Global Positioning System)受信機25、地図情報記憶装置26および交通情報受信機27を接続させるとともに、運転者覚醒維持装置10内に車両位置特定部14を追加したものである。
GPS受信機25は、GPS衛星からの測位信号に基づいて、自車両の位置(緯度および経度)を算出する。地図情報記憶装置26は、地図情報を記憶した記憶媒体である。交通情報受信機27は、外部との通信により、例えば渋滞情報、道路工事情報、チェーン規制情報などの交通情報を取得する。
図8では、GPS受信機25、地図情報記憶装置26および交通情報受信機27をそれぞれ個別のブロックとして示したが、それらは一台のナビゲーション装置に内蔵されていてもよい。また、地図情報記憶装置26は、自車両の外部から通信により運転者覚醒維持装置10へ地図情報を提供するサーバーであってもよい。さらに、交通情報受信機27は、VICS(Vehicle Information and Communication System)(「VICS」は登録商標)センタなどから交通情報を取得する交通情報専用の通信機であってもよいし、インターネットを通して交通情報を取得する携帯電話やスマートフォンなどの汎用の通信機であってもよい。
運転者覚醒維持装置10の車両位置特定部14は、GPS受信機25が算出した自車両の位置を、地図情報記憶装置26に記憶されている地図情報と照合することで、自車両の地図上の位置を特定する。さらに、車両位置特定部14は、交通情報受信機27が受信した交通情報が示す渋滞区間、道路工事区間、チェーン規制区間の地図上の位置を特定する。
また、覚醒刺激制御部13は、車両位置特定部14により特定された自車両の位置と、運転者が特に注意を払うべき特定の地点(以下「要注意地点」という)との位置関係を監視し、自車両内に同乗者が存在していても、自車両の進行方向前方に要注意地点が存在する場合、すなわち自車両が要注意地点に近づいた場合には、音声出力装置22を用いて運転者に音声による覚醒刺激を与える。
なお、自車両の進行方向は、車両位置特定部14が特定した自車両の位置の履歴から判断できる。また、自車両のジャイロスコープ(不図示)から自車両の向きの情報を取得して判断してもよい。また、自車両が要注意地点に近づいたか否かの判断は、例えば、自車両から要注意地点までの距離が予め定められた閾値以下になったか否かで判断されてもよいし、自車両が要注意地点に到達するまでの残り時間が予め定められた閾値以下になったか否かで判断してもよい。
要注意地点としては、事故多発地点、踏切、急カーブ、合流地点、渋滞区間の開始地点、工事区間、チェーン規制区間などがある。これらのうち、事故多発地点、踏切、急カーブ、合流地点など、静的な要注意地点の位置は、地図情報記憶装置26に記憶された地図情報に含まれている。また、渋滞区間の開始地点、工事区間、チェーン規制区間など、動的な要注意地点の位置は、交通情報受信機27が取得した交通情報に含まれている。
図9は、実施の形態3に係る運転者覚醒維持装置10の動作を示すフローチャートである。以下、図9に基づいて、実施の形態3の運転者覚醒維持装置10の動作を説明する。
運転者覚醒維持装置10が起動すると、同乗者検出部12は、車内カメラ21が撮影した自車両の各座席の映像を解析して、運転者以外の同乗者の有無を検出する(ステップS301)。また、覚醒度判断部11は、車内カメラ21が撮影した自車両内の映像から抽出した運転者の映像を解析して、運転者の覚醒度を判断する(ステップS302)。
ステップS302で運転者が覚醒状態と判断された場合(ステップS303でYES)、運転者に覚醒刺激を与える必要が無いため、音声出力装置22およびエアコン23から覚醒刺激を出力させることなくステップS301へ戻る。
ステップS302で運転者が非覚醒状態と判断された場合(ステップS303でNO)、覚醒刺激制御部13は、ステップS301において同乗者の存在が検出されたか否かを確認する(ステップS304)。同乗者の存在が検出されていなければ(ステップS304でNO)、覚醒刺激制御部13は、音声出力装置22を制御して音声による覚醒刺激を出力する(ステップS305)。
一方、同乗者の存在が検出されていれば(ステップS304でYES)、覚醒刺激制御部13は、車両位置特定部14により特定された自車両と要注意地点との位置関係を確認する(ステップS306)。自車両の前方に要注意地点が存在すれば(ステップS307でYES)、運転者を覚醒状態に戻すことを最優先に考え、覚醒刺激制御部13は、音声出力装置22を制御して音声による覚醒刺激を出力する(ステップS305)。しかし、自車両の前方に要注意地点が存在しなければ(ステップS307でNO)、同乗者に覚醒刺激が不要に与えられないように、覚醒刺激制御部13は、エアコン23を制御して風による覚醒刺激を出力する(ステップS308)。
運転者覚醒維持装置10は、以上のステップを繰り返し実行する。
このように、実施の形態3に係る運転者覚醒維持装置10は、自車両内に同乗者がいるときでも、要注意地点に近づいたときには、運転者に音声による覚醒刺激を与える。よって、要注意地点の走行時に運転者をより確実に覚醒状態にすることができる。
<実施の形態4>
図10は、実施の形態4に係る運転者覚醒維持システムの構成を示す機能ブロック図である。図10の運転者覚醒維持システムの構成は、図1の構成に対し、運転者覚醒維持装置10にさらにオーディオ機器28を接続させるとともに、運転者覚醒維持装置10内にオーディオ機器監視部15を追加したものである。
図10は、実施の形態4に係る運転者覚醒維持システムの構成を示す機能ブロック図である。図10の運転者覚醒維持システムの構成は、図1の構成に対し、運転者覚醒維持装置10にさらにオーディオ機器28を接続させるとともに、運転者覚醒維持装置10内にオーディオ機器監視部15を追加したものである。
オーディオ機器28は、ラジオやCDプレーヤなど、音声(音楽を含む)を再生する機器であるが、例えばテレビやDVDプレーヤなど、音声とともに映像を出力する機器も含まれる。
運転者覚醒維持装置10のオーディオ機器監視部15は、オーディオ機器28の動作を監視するものである。オーディオ機器監視部15は、少なくとも、オーディオ機器監視部15が再生動作中か否か、すなわち自車両内に音声を出力しているか否か、を判断できればよい。
オーディオ機器監視部15が再生動作中の場合、音声による覚醒刺激がオーディオ機器監視部15の出力音声にかき消されて、運転者に届かないおそれがある。そこで、覚醒刺激制御部13は、オーディオ機器監視部15からオーディオ機器28の動作状態の情報を取得し、オーディオ機器監視部15が再生動作中の場合には、音声による覚醒刺激は効果的でないと判断し、自車両内に同乗者が存在していないときでも、エアコン23を用いて運転者に風による覚醒刺激を与える。
図11は、実施の形態4に係る運転者覚醒維持装置10の動作を示すフローチャートである。以下、図11に基づいて、実施の形態4の運転者覚醒維持装置10の動作を説明する。
運転者覚醒維持装置10が起動すると、同乗者検出部12は、車内カメラ21が撮影した自車両の各座席の映像を解析して、運転者以外の同乗者の有無を検出する(ステップS401)。また、覚醒度判断部11は、車内カメラ21が撮影した自車両内の映像から抽出した運転者の映像を解析して、運転者の覚醒度を判断する(ステップS402)。
ステップS402で運転者が覚醒状態と判断された場合(ステップS403でYES)、運転者に覚醒刺激を与える必要が無いため、音声出力装置22およびエアコン23から覚醒刺激を出力させることなくステップS401へ戻る。
ステップS402で運転者が非覚醒状態と判断された場合(ステップS403でNO)、覚醒刺激制御部13は、ステップS401において同乗者の存在が検出されたか否かを確認する(ステップS404)。同乗者の存在が検出されていなければ(ステップS404でNO)、覚醒刺激制御部13は、オーディオ機器監視部15を通してオーディオ機器28の動作状態を確認する(ステップS405)。オーディオ機器28が再生動作中でなければ(ステップS406でNO)、覚醒刺激制御部13は、音声出力装置22を制御して音声による覚醒刺激を出力する(ステップS407)。しかし、オーディオ機器28が再生動作中であれば(ステップS406でYES)、音声による覚醒刺激は有効でないと判断し、覚醒刺激制御部13は、エアコン23を制御して風による覚醒刺激を出力する(ステップS408)。
一方、ステップS401において同乗者の存在が検出されていれば(ステップS404でYES)、覚醒刺激制御部13は、エアコン23を制御して風による覚醒刺激を出力する(ステップS408)。
運転者覚醒維持装置10は、以上のステップを繰り返し実行する。
このように、実施の形態4に係る運転者覚醒維持装置10は、自車両内に同乗者がいないときでも、オーディオ機器28が再生動作中のときには、運転者に風による覚醒刺激を与える。それにより、オーディオ機器28の出力音声の影響を受けることなく、運転者を覚醒状態に維持させることができる。特に、運転者覚醒維持装置10が音声による覚醒刺激を出力する際にオーディオ機器28の音量を下げることができないシステムにおいて有効である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
10 運転者覚醒維持装置、11 覚醒度判断部、12 同乗者検出部、13 覚醒刺激制御部、14 車両位置特定部、15 オーディオ機器監視部、21 車内カメラ、22 音声出力装置、23 エアコン、24 生体情報取得装置、25 GPS受信機、26 地図情報記憶装置、27 交通情報受信機、28 オーディオ機器、50 処理回路、51 プロセッサ、52 メモリ。
Claims (6)
- 車両の運転者の覚醒度を判断する覚醒度判断部と、
前記車両の前記運転者以外の搭乗者である同乗者を検出する同乗者検出部と、
同乗者がいるときに前記運転者の覚醒度が低下すると前記運転者にエアコンの風による覚醒刺激を与え、同乗者がいないときに前記運転者の覚醒度が低下すると前記運転者に音声による覚醒刺激を与える覚醒刺激制御部と、
を備える運転者覚醒維持装置。 - 前記覚醒度判断部はさらに、同乗者の覚醒度も判断し、
前記覚醒刺激制御部は、同乗者がいても、覚醒度の低下した同乗者がいない場合は、前記運転者の覚醒度が低下すると前記運転者に音声による覚醒刺激を与える、
請求項1に記載の運転者覚醒維持装置。 - 前記車両の位置を特定する車両位置特定部をさらに備え、
前記覚醒刺激制御部は、同乗者がいても、前記車両の前方に特定の地点が存在する場合は、前記運転者の覚醒度が低下すると前記運転者に音声による覚醒刺激を与える、
請求項1に記載の運転者覚醒維持装置。 - 前記特定の地点は、事故多発地点、踏切、急カーブ、合流地点、渋滞区間の開始地点、工事区間、チェーン規制区間のうちの1つ以上を含む、
請求項3に記載の運転者覚醒維持装置。 - 前記車両のオーディオ機器の動作を監視するオーディオ機器監視部をさらに備え、
前記覚醒刺激制御部は、同乗者がいなくても、前記オーディオ機器が再生動作中の場合は、前記運転者の覚醒度が低下すると前記運転者に前記エアコンの風に覚醒刺激を与える、
請求項1に記載の運転者覚醒維持装置。 - 運転者覚醒維持装置の覚醒度判断部が、車両の運転者の覚醒度を判断し、
前記運転者覚醒維持装置の同乗者検出部が、前記車両の前記運転者以外の搭乗者である同乗者を検出し、
同乗者がいるときに前記運転者の覚醒度が低下すると、前記運転者覚醒維持装置の覚醒刺激制御部が、前記運転者にエアコンの風による覚醒刺激を与え、
同乗者がいないときに前記運転者の覚醒度が低下すると、前記覚醒刺激制御部が、前記運転者に音声による覚醒刺激を与える、
運転者覚醒維持方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018111510A JP2019215640A (ja) | 2018-06-12 | 2018-06-12 | 運転者覚醒維持装置および運転者覚醒維持方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018111510A JP2019215640A (ja) | 2018-06-12 | 2018-06-12 | 運転者覚醒維持装置および運転者覚醒維持方法 |
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2018
- 2018-06-12 JP JP2018111510A patent/JP2019215640A/ja active Pending
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