JP2019215229A - 熱流センサの校正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱面から吸熱面に向かう方向での一次元熱流密度を、放熱面の面内で均一に近づけることができる熱流センサの校正装置を提供する。【解決手段】熱流センサの校正装置20では、放熱面22aと吸熱面24aとに挟まれた領域のうち放熱面22aに平行な方向で被校正センサ10を除く部分に、複数の熱流分布監視用センサ30が配置される。被校正センサ10は、校正される熱流センサである。各熱流分布監視用センサ30の内部構造は、被校正センサ10の内部構造と同一である。これによれば、放熱面22aと吸熱面24aとに挟まれた領域のうち放熱面22aに平行な方向で被校正センサ10を除く部分に、何も部材が配置されない場合や、断熱材が配置される場合と比較して、放熱面22aと吸熱面24aとの間の熱流密度を均一に近づけることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、熱流センサの校正装置に関するものである。
特許文献1に熱流センサの校正装置が開示されている。熱流センサの校正装置は、既知の熱量の熱流を熱流センサに通過させる装置である。この校正装置では、放熱面と吸熱面との間に、校正される熱流センサである被校正センサが配置される。放熱面の放熱と吸熱面の吸熱とによって、放熱面から吸熱面に向かって被校正センサを通過する熱流が発生される。この発生される熱流は既知である。熱流センサの校正では、被校正センサから出力されるセンサ信号と既知の熱量とが関連付けられる。
特開2016−211991号公報
被校正センサの面積が放熱面の面積よりも小さい場合、放熱面と吸熱面とに挟まれた領域のうち被校正センサを除く部分に、部材が何も配置されない空洞の状態とされる。または、被校正センサを除く部分に断熱材が配置された状態とされる。これらの状態で、放熱面から吸熱面へ熱流を生じさせると、被校正センサが配置された領域と、被校正センサが配置されていない領域とでは、放熱面から吸熱面に向かう方向での一次元熱抵抗が異なる。すなわち、上記一次元熱抵抗が、放熱面の面内で不均一となる。このため、放熱面から吸熱面に向かう方向での一次元熱流密度が、放熱面の面内で不均一となる。これにより、熱流センサの校正の精度が低下してしまう。一次元は、一方向のことである。熱流密度は、単位時間、単位面積当たりの熱量であり、熱流束とも呼ばれる。
本発明は上記点に鑑みて、放熱面から吸熱面に向かう方向での一次元熱流密度を、放熱面の面内で均一に近づけることができる熱流センサの校正装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
熱流センサの校正装置であって、
校正される熱流センサである被校正センサ(10)の面積よりも面積が大きい放熱面(22a)を有する放熱部(22)と、
被校正センサの面積よりも面積が大きい吸熱面(24a)を有し、放熱面と吸熱面との間に被校正センサを挟むように配置される吸熱部(24)と、
放熱面と吸熱面とに挟まれた領域(R1)のうち放熱面に平行な方向(D1)で被校正センサを除く部分(R2)に配置され、放熱面と吸熱面との間の熱流密度を均一に近づけるための1つ以上の均一化構造体(30)とを備え、
放熱部および吸熱部は、放熱面の放熱と吸熱面の吸熱とによって、放熱面から吸熱面に向かって被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体を通過する熱流を発生させ、
被校正センサは、第1絶縁部材(12)に対して、熱電材料で構成された複数の第1熱電部材(130)のそれぞれと、複数の第1熱電部材とは異なる熱電材料で構成された複数の第2熱電部材(140)のそれぞれとが、交互に配置された構造であり、
複数の第1熱電部材のそれぞれと、複数の第2熱電部材のそれぞれとは、複数の導体パターン(111、121)によって、交互に直列に接続されており、
1つ以上の均一化構造体は、第2絶縁部材(32)に対して、熱電材料で構成された複数の第3熱電部材(330)のそれぞれと、複数の第3熱電部材とは異なる熱電材料で構成された複数の第4熱電部材(340)のそれぞれとが、交互に配置された構造である。
これによれば、1つ以上の均一化構造体の内部構造は、被校正センサと類似している。このため、放熱面と吸熱面とに挟まれた領域のうち被校正センサが配置された領域と、放熱面と吸熱面とに挟まれた領域のうち1つ以上の均一化構造体が配置された領域とにおいて、放熱面から吸熱面へ向かう方向での一次元熱抵抗を同じに近づけることができる。すなわち、この一次元熱抵抗を、放熱面の面内で均一に近づけることができる。よって、放熱面と吸熱面とに挟まれた領域のうち被校正センサを除く部分に、何も部材が配置されない場合や、断熱材が配置される場合と比較して、放熱面から吸熱面に向かう方向での一次元熱流密度を、放熱面の面内で均一に近づけることができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
校正される熱流センサの平面図である。 図1のII−II断面図である。 第1実施形態の校正装置の断面図である。 図3中の被校正センサおよび複数の熱流分布監視用センサの平面図である。 図3中の熱流分布監視用センサの平面図である。 図5のVI−VI断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
まず、本実施形態の校正装置によって校正される被校正センサである熱流センサについて説明する。熱流センサは、熱流の熱量の計測に用いられる。この熱量としては、単位時間および単位面積あたりの熱量(すなわち、熱流束)、指定された面積から放出される単位時間あたりの熱量(すなわち、熱流量)、指定された面積から指定された時間に放出される熱量(すなわち、総放熱量)が挙げられる。
図1、2に示すように、熱流センサ10は、第1絶縁部材12の内部に、複数の第1熱電部材130のそれぞれと、複数の第2熱電部材140のそれぞれとが、交互に配置された構造である。なお、図1では、図2中の第1保護部材110が省略されている。
第1絶縁部材12は、絶縁基材100と、第1保護部材110と、第2保護部材120とが積層されている。絶縁基材100、第1保護部材110、第2保護部材120は、フィルム状であって、熱可塑性樹脂等の可撓性を有する合成樹脂材料で構成されている。合成樹脂材料は、有機材料である。
絶縁基材100は、一面100aとその反対側の他面100bとを有する。絶縁基材100には、その厚さ方向に貫通する複数の第1貫通孔101および複数の第2貫通孔102が形成されている。複数の第1貫通孔101のそれぞれと、複数の第2貫通孔102のそれぞれとが、交互に配置されている。
複数の第1熱電部材130のそれぞれは、複数の第1貫通孔101のそれぞれの内部に配置されている。複数の第1熱電部材130は、熱電材料で構成されている。複数の第2熱電部材140のそれぞれは、複数の第2貫通孔102のそれぞれの内部に、配置されている。複数の第2熱電部材140は、複数の第1熱電部材130とは異なる熱電材料で構成されている。熱電材料としては、金属材料が挙げられる。金属材料には、単一の金属元素からなる純金属、複数の金属元素を含む合金、金属元素と非金属元素とを含む合金などが含まれる。
絶縁基材100の一面100aに、複数の第1導体パターン111が形成されている。導体パターンは、所定の形状とされた膜状の導体である。複数の第1導体パターン111のそれぞれは、複数の第1熱電部材130および複数の第2熱電部材140のうち隣り合う第1熱電部材130と第2熱電部材140とを接続する一方の接続部を構成している。絶縁基材100の他面100bに、複数の第2導体パターン121が形成されている。複数の第2導体パターン121のそれぞれは、複数の第1熱電部材130および複数の第2熱電部材140のうち隣り合う第1熱電部材130と第2熱電部材140とを接続する他方の接続部を構成している。このように、複数の第1熱電部材130のそれぞれと、複数の第2熱電部材140のそれぞれとは、複数の導体パターン111、121によって、交互に直列に接続されている。複数の導体パターン111、121は、銅等の金属材料によって構成される。
第1保護部材110は、絶縁基材100の一面100a側で、複数の第1導体パターン111を覆っている。第1保護部材110の外側の表面が熱流センサ10の一面10aである。第2保護部材120は、絶縁基材100の他面100b側で、複数の第2導体パターン121を覆っている。第2保護部材120の外側の表面が熱流センサ10の他面10bである。
一面10aから他面10bに向かう方向にて、熱流が熱流センサ10を通過する。このとき、熱流センサ10の一面10a側と他面10b側に温度差が生じる。すなわち、一方の接続部と他方の接続部とに温度差が生じる。これにより、ゼーベック効果によって複数の第1熱電部材130および複数の第2熱電部材140に熱起電力が発生する。熱流センサ10は、この熱起電力、具体的には、電圧をセンサ信号として出力する。
次に、図3、4に示す本実施形態の校正装置20について説明する。校正装置20は、熱流センサ10を校正する。以下では、校正される熱流センサ10を被校正センサ10と呼ぶ。図3中の第1方向D1は、放熱面22aに平行な方向である。図3中の第2方向D2は、放熱面22aに垂直な方向である。
校正装置20は、1つの放熱部22と、1つの吸熱部24と、複数の熱流分布監視用センサ30と、1つの第1緩衝シート26と、1つの第2緩衝シート28と、1つの熱漏れ監視用センサ40と、第1電圧計42と、第2電圧計44と、第3電圧計46とを備える。
放熱部22は、フィルム状である。放熱部22は、放熱する放熱面22aと、放熱面22aの反対側の裏面22bとを有する。放熱面22aの上側に被校正センサ10が設置される。被校正センサ10は、第1電圧計42に接続されている。放熱面22aの面積は、設置される被校正センサ10の面積よりも大きい。
放熱部22としては、主熱板220と保護熱板221とを含むものが用いられる。主熱板220は、被校正センサ10を通過する熱流を形成するために、発熱する。保護熱板221は、主熱板220の周りに配置されている。保護熱板221は、主熱板220から横方向への熱漏れを抑制するために、発熱する。
主熱板220および保護熱板221のそれぞれは、発熱抵抗体222と、発熱抵抗体222を封止する封止部材223とを有している。保護熱板221の発熱抵抗体222は、主熱板220の発熱抵抗体222に対して、電気的に接続されておらず、別回路として構成されている。発熱抵抗体222は、パターン形成された金属箔である。封止部材223は、熱可塑性樹脂で構成されている。
本実施形態では、主熱板220の発熱抵抗体222と、保護熱板221の発熱抵抗体222とが、共通の2枚の樹脂フィルムの間に配置された積層体が形成される。この積層体が熱プレスされる。これにより、主熱板220と保護熱板221とは、一体に成形された一体成形品として構成されている。なお、主熱板220と保護熱板221とは、別体として構成されていてもよい。
材質および寸法の一例を挙げると、発熱抵抗体222として、エッチングによりパターン形成された厚み0.05mmのSUS304のステンレス鋼箔が用いられる。樹脂フィルムとして、ポリエーテルイミド製のフィルムが用いられる。この場合、熱プレス後の放熱部22の総厚みは0.2mmである。また、主熱板220の発熱抵抗体222の平面形状は、短辺が64mm、長辺が60mmの長方形である。保護熱板221の発熱抵抗体222は、主熱板220の発熱抵抗体222の周囲全周の幅5mmの領域に設置される。
吸熱部24は、吸熱する吸熱面24aを有する。放熱面22aと吸熱面24aとの間に被校正センサ10が挟まれるように、被校正センサ10の上側に、吸熱部24が配置される。吸熱面24aは、被校正センサ10の面積よりも面積が大きい。
吸熱部24としては、冷却器240と金属プレート241とが貼り合わされたものが用いられる。冷却器240は、空冷、水冷、または、ペルチェ素子による冷却を行う。金属プレート241は、銅やアルミニウムなどの金属材料によって構成される。金属プレート241の被校正センサ10側の表面が、吸熱面24aに相当する。
一例を挙げると、冷却器240として、市販のペルチェ素子を内蔵したペルチェユニットが用いられる。金属プレート241として、銅ブロック242とジュラルミンブロック243とが張り合わせたものが用いられる。この場合、銅ブロック242の平面形状は、1辺80mmの正方形である。銅ブロック242の厚さは10mmである。ジュラルミンブロック243の平面形状は、1辺80mmの正方形である。ジュラルミンブロック243の厚さは、5mmである。
図3に示すように、複数の熱流分布監視用センサ30は、被校正センサ10とともに、放熱面22aと吸熱面24aとの間に配置される。各熱流分布監視用センサ30は、放熱面22aと吸熱面24aとの間の熱流密度を均一に近づけるための均一化構造体である。
図4に示すように、各熱流分布監視用センサ30は、放熱面22aと吸熱面24aとに挟まれた領域R1のうち第1方向D1で被校正センサ10を除く部分R2に配置される。図4では、紙面に平行な方向が第1方向D1である。放熱面22aと吸熱面24aとに挟まれた領域R1は、第2方向D2で放熱面22aと対向する領域である。図4中の一点鎖線の斜線が付された領域が、被校正センサ10を除く部分R2である。換言すると、被校正センサ10を除く部分R2は、被校正センサ10の第1方向D1での周囲の部分である。
図5、6に示すように、各熱流分布監視用センサ30は、第2絶縁部材32の内部に、複数の第3熱電部材330のそれぞれと、複数の第4熱電部材340のそれぞれとが、交互に配置された構造である。なお、図5では、図6中の第1保護部材310が省略されている。
本実施形態では、第2絶縁部材32は、絶縁基材300と、第1保護部材310と、第2保護部材320とが積層されている。絶縁基材300、第1保護部材310および第2保護部材320は、フィルム状である。第2絶縁部材32の絶縁基材300、第1保護部材310および第2保護部材320のそれぞれは、第1絶縁部材12の絶縁基材100、第1保護部材110および第2保護部材120のそれぞれと同じ材料で構成されている。同じ材料とは、合成樹脂材料の場合、熱可塑性樹脂等の分類ではなく、ポリイミド等の合成樹脂材料の名称が同じであることを意味する。また、複数の合成樹脂材料が混合されている場合、同じ材料とは、混合されている各合成樹脂材料の名称が同じであることを意味する。なお、同じ材料には、不純物が含まれていてもよい。
このように、第2絶縁部材32は、第1絶縁部材12と同じ材料で構成される。「第2絶縁部材32は、第1絶縁部材12と同じ材料で構成される。」には、次のことが含まれる。第1絶縁部材12が複数の部材100、110、120で構成される場合、第2絶縁部材32も複数の部材300、310、320で構成される。その第2絶縁部材32を構成する複数の部材300、310、320のそれぞれは、第1絶縁部材12を構成する複数の部材100、110、120のそれぞれと同じ材料で構成される。なお、第1絶縁部材12は、1つの材料で構成されていてもよい。この場合、第2絶縁部材32も1つの材料で構成される。その第2絶縁部材32を構成する材料は、第1絶縁部材12を構成する材料と同じである。
絶縁基材300は、一面300aとその反対側の他面300bとを有する。絶縁基材300には、その厚さ方向に貫通する複数の第3貫通孔301および複数の第4貫通孔302が形成されている。複数の第3貫通孔301のそれぞれと、複数の第4貫通孔302のそれぞれとが、交互に配置されている。
複数の第3熱電部材330のそれぞれは、複数の第3貫通孔301のそれぞれの内部に配置されている。複数の第3熱電部材330は、複数の第1熱電部材130と同じ材料で構成されている。複数の第1熱電部材130と同じ材料とは、熱電材料を構成する主成分の元素の全部が同じであることを意味する。主成分とは、材料の性能に寄与する成分である。複数の第1熱電部材130と同じ材料には、不可避的な不純物や材料の性能に寄与しない不純物が含まれてもよい。
複数の第4熱電部材340のそれぞれは、複数の第4貫通孔402のそれぞれの内部に、配置されている。複数の第4熱電部材340は、複数の第2熱電部材140と同じ材料で構成されている。複数の第2熱電部材140と同じ材料とは、熱電材料を構成する主成分の元素の全部が同じであることを意味する。複数の第2熱電部材140と同じ材料には、不可避的な不純物や材料の性能に寄与しない不純物が含まれてもよい。
絶縁基材300の一面300aに、複数の第3導体パターン311が形成されている。複数の第3導体パターン311のそれぞれは、複数の第3熱電部材330および複数の第4熱電部材340のうち隣り合う第3熱電部材330と第4熱電部材340とを接続する一方の接続部を構成している。絶縁基材300の他面300bに、複数の第4導体パターン321が形成されている。複数の第4導体パターン321のそれぞれは、複数の第3熱電部材330および複数の第4熱電部材340のうち隣り合う第3熱電部材330と第4熱電部材340とを接続する他方の接続部を構成している。このように、複数の第3熱電部材330のそれぞれと、複数の第4熱電部材340のそれぞれとは、複数の導体パターン311、321によって、交互に直列に接続されている。熱流分布監視用センサ30の複数の導体パターン311、321は、被校正センサ10の複数の導体パターン111、121と同じ材料によって構成されている。
第1保護部材310は、絶縁基材300の一面300a側で、複数の第3導体パターン311を覆っている。第1保護部材310の外側の表面が熱流分布監視用センサ30の一面30aである。第2保護部材320は、絶縁基材300の他面300b側で、複数の第4導体パターン321を覆っている。第2保護部材320の外側の表面が熱流分布監視用センサ30の他面30bである。
さらに、各熱流分布監視用センサ30の全体の厚さは、被校正センサ10の全体の厚さと同じである。各熱流分布監視用センサ30を構成する各部材の厚さは、被校正センサ10を構成する各部材の厚さと同じである。また、複数の第3熱電部材330および複数の第4熱電部材340の大きさは、複数の第1熱電部材130および複数の第2熱電部材140の大きさと同じである。第3熱電部材330と第4熱電部材340との間隔は、第1熱電部材130と第2熱電部材140との間隔と同じである。
このように、各熱流分布監視用センサ30は、被校正センサ10と同一の内部構造を持つ。このため、各熱流分布監視用センサ30の熱物性および機械物性は、被校正センサ10の熱物性および機械物性と同じである。
図3、4に示すように、放熱面22aの全領域にわたって、被校正センサ10および複数の熱流分布監視用センサ30が配置される。放熱面22aの全領域は、主熱板220と保護熱板221との両方を合わせた領域の全部である。主熱板220と保護熱板221との両方を合わせた領域は、例えば、長辺が74mm、短辺が70mmの長方形である。本実施形態では、複数の熱流分布監視用センサ30は、放熱面22aに平行な方向で、放熱面22aからはみ出していない。しかしながら、複数の熱流分布監視用センサ30は、放熱面22aに平行な方向で、放熱面22aからはみ出して配置されてもよい。
一面30aから他面30bに向かう方向にて、熱流が各熱流分布監視用センサ30を通過する。このとき、各熱流分布監視用センサ30の一面30a側と他面30b側に温度差が生じる。これにより、ゼーベック効果によって複数の第3熱電部材330および複数の第4熱電部材340に熱起電力が発生する。各熱流分布監視用センサ30は、この熱起電力、具体的には、電圧をセンサ信号として出力する。各熱流分布監視用センサ30は、出力電圧に対して予め感度係数が値付けされている。各熱流分布監視用センサ30は、第2電圧計44に接続されている。
本実施形態では、複数の熱流分布監視用センサ30は、一体に成形された一体成形品として構成されている。しかしながら、各熱流分布監視用センサ30は、別体として構成されていてもよい。
第1緩衝シート26は、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と放熱面22aとの間に配置されている。第1緩衝シート26は、被校正センサ10、各熱流分布監視用センサ30および放熱面22aの表面形状に応じて変形可能である。
第2緩衝シート28は、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と吸熱面24aとの間に配置されている。第2緩衝シート28は、被校正センサ10、各熱流分布監視用センサ30および放熱面22aの表面形状に応じて変形可能である。
第1緩衝シート26および第2緩衝シート28は、空気よりも熱伝導が高い材料で構成されている。第1緩衝シート26および第2緩衝シート28は、放熱面22aの面内において、吸熱面24aに向かう方向への一次元熱抵抗を均一化させる。第1緩衝シート26および第2緩衝シート28としては、例えば、熱伝導率が3.3W/(m・K)であるシリコンゲルシートが用いられる。
第1緩衝シート26および第2緩衝シート28は、放熱面22aと同じ大きさである。第1緩衝シート26および第2緩衝シート28は、放熱面22aの全領域にわたって配置される。例えば、第1緩衝シート26および第2緩衝シート28の平面形状は、例えば、長辺が74mm、短辺が70mmの長方形である。第1緩衝シート26および第2緩衝シート28の厚さは、0.5mmである。
熱漏れ監視用センサ40は、放熱部22の裏面22bに設置されている。熱漏れ監視用センサ40は、熱漏れ監視用センサ40を通過する熱流の熱量に応じた電気信号、例えば、電圧を出力する。熱漏れ監視用センサ40の平面形状および大きさは、放熱部22と同じである。熱漏れ監視用センサ40は、第3電圧計46に接続されている。第3電圧計46は、熱漏れ監視用センサ40から出力される電圧値を計測する。
次に、校正装置20を用いた被校正センサ10の校正方法について説明する。
図3に示すように、被校正センサ10と、放熱部22と、吸熱部24と、複数の熱流分布監視用センサ30と、第1緩衝シート26と、第2緩衝シート28と、熱漏れ監視用センサ40とが配置された状態とされる。この状態で、主熱板220の発熱抵抗体222に一定の電力が供給される。冷却器240に電力が供給される。これにより、放熱面22aの放熱と吸熱面24aの吸熱とによって、放熱面22aから吸熱面24aに向かって被校正センサ10および複数の熱流分布監視用センサ30を通過する熱流が発生する。
このとき、第3電圧計46に表示される熱漏れ監視用センサ40の出力値がほぼゼロになるように、冷却器240への電力の供給量が調整される。これによって、放熱部22の裏面22bからの熱漏れが抑制された状態となる。
さらに、保護熱板221の発熱抵抗体222に電力が供給される。これにより、保護熱板221の発熱抵抗体222が発熱する。保護熱板221の発熱条件は、主熱板220の端部と中央部で、放熱面22aから吸熱面24aに向かう方向の一次元熱流密度が一様になるように設定される。これによって、第1方向D1での主熱板220から周囲空気への熱漏れが抑制された状態となる。
被校正センサ10は、被校正センサ10を通過した熱流の熱流密度に比例する電圧を出力する。被校正センサ10から出力される電圧が第1電圧計42によって計測される。また、主熱板220の発熱抵抗体222に供給された電力と、主熱板220の面積とに基づいて、被校正センサ10を通過する熱流の熱量が算出される。これが既知の熱量である。計測された電圧値と既知の熱量とに基づいて、被校正センサ10から出力される電圧と既知の熱量との関連付けが行われる。この関連付けは、ユーザまたは演算装置によって行われる。
また、各熱流分布監視用センサ30は、熱流センサ10と同様に、各熱流分布監視用センサ30の内部に存在する熱電変換素子のゼーベック効果により、熱流分布監視用センサ30を通過した熱流の熱流密度に比例する電圧を出力する。各熱流分布監視用センサ30から出力される電圧が、第2電圧計44によって計測される。
そして、各熱流分布監視用センサ30から出力された電圧値と、感度係数とに基づいて、熱流密度が算出される。この算出は、ユーザまたは演算装置によって行われる。算出された各熱流密度が熱流密度分布に相当する。算出された各熱流密度と規定範囲とが比較される。算出された各熱流密度が規定範囲内にあるか否かが判別される。この判別は、ユーザまたは判別装置によって行われる。このように、放熱面22aから吸熱面24aに向かう方向での一次元熱流密度が、放熱面22aの面内で均一または均一に近いことが監視される。換言すると、校正の不確かさが監視される。
以上の説明の通り、本実施形態では、各熱流分布監視用センサ30は、放熱面22aと吸熱面24aとに挟まれた領域R1のうち第1方向D1で被校正センサ10を除く部分R2に配置される。各熱流分布監視用センサ30の内部構造は、被校正センサ10と同一である。
このため、放熱面22aと吸熱面24aとに挟まれた領域R1のうち被校正センサ10が配置された領域と、放熱面22aと吸熱面24aとに挟まれた領域R1のうち各熱流分布監視用センサ30が配置された領域とにおいて、放熱面22aから吸熱面24aへ向かう方向での一次元熱抵抗を同じに近づけることができる。すなわち、この一次元熱抵抗を、放熱面22aの面内で均一に近づけることができる。よって、被校正センサ10を除く部分R2に、何も部材が配置されない場合や、断熱材が配置される場合と比較して、放熱面22aから吸熱面24aに向かう方向での一次元熱流密度を、放熱面22aの面内で均一に近づけることができる。この結果、被校正センサ10の校正の精度を高めることができる。
なお、本実施形態では、複数の熱流分布監視用センサ30のそれぞれは、隙間なく配置されている。しかしながら、各熱流分布監視用センサ30の配線の取出し等の理由により、熱流分布監視用センサ30同士の間をあけて配置されていてもよい。この場合であっても、被校正センサ10を除く部分R2の全部が空間とされる場合と比較して、一次元熱流密度を、放熱面22aの面内で均一に近づけることができる。
ところで、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の表面に凹凸がある等の理由により、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と放熱面22aとの間の密着状態にばらつきが生じる場合がある。同様に、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と吸熱面24aとの間の密着状態に、ばらつきが発生する場合がある。この場合、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と放熱面22aとの間の接触熱抵抗、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と吸熱面24aとの間の接触熱抵抗に、ばらつきが生じる。これも、放熱面22aから吸熱面24aに向かう方向での一次元熱流密度が、放熱面22aの面内で不均一となる原因の1つである。
これに対して、本実施形態では、第1緩衝シート26は、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と放熱面22aとの間に配置されている。第2緩衝シート28は、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と吸熱面24aとの間に配置されている。これによれば、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と放熱面22aとの間の密着状態を均一に近づけることができる。このため、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と放熱面22aとの間の接触熱抵抗を均一に近づけることができる。同様に、これによれば、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と吸熱面24aとの間の密着状態を均一に近づけることができる。このため、被校正センサ10および各熱流分布監視用センサ30の両方と吸熱面24aとの間の接触熱抵抗を均一に近づけることができる。よって、放熱面22aから吸熱面24aに向かう方向での一次元熱流密度を、放熱面22aの面内で均一に近づけることができる。
また、放熱面22aと吸熱面24aとに挟まれた領域R1のうち被校正センサ10を除く部分R2での熱流密度分布を把握する方法として、本実施形態と異なる次の方法が考えられる。すなわち、放熱面22aの複数個所と吸熱面24aの複数個所のそれぞれの温度を図示しない温度計によって計測する。放熱面22aと吸熱面24aとの間の部材の熱伝導率、放熱面22aと吸熱面24aとの温度差、放熱面22aと吸熱面24aとの間の部材の厚みに基づいて、フーリエの法則を利用して、熱流密度を算出する。
しかしながら、本実施形態のように、放熱部22と被校正センサ10との間等に、緩衝シート26、28を挟み、これらを加圧して密着させた状態で校正を行う場合、加圧によって放熱面22aと吸熱面24aとの間の部材の厚みが変化する。このため、放熱面22aと吸熱面24aとの間の部材の熱伝導率、厚みの正確な把握が困難となる。熱流密度を算出することが困難となる。よって、被校正センサ10を除く部分R2での熱流密度分布を把握することが困難となる。
これに対して、本実施形態では、放熱面22aと吸熱面24aとに挟まれた領域R1のうち被校正センサ10を除く部分R2に、複数の熱流分布監視用センサ30が配置されている。各熱流分布監視用センサ30は、被校正センサ10と同様に、複数の熱電変換素子を有しており、熱流センサとして機能する。すなわち、各熱流分布監視用センサ30は、放熱面22aから吸熱面24aに向かって各熱流分布監視用センサ30を通過する熱流の熱量に比例した電圧を出力することができる。
このため、各熱流分布監視用センサ30の出力電圧に対して予め感度係数を値付けしておくことで、各熱流分布監視用センサ30の出力電圧に基づいて、熱流密度を計測することができる。よって、加圧による放熱面22aと吸熱面24aとの間の部材の熱伝導率、厚みの変化の影響を考慮しなくとも、被校正センサ10を除く部分R2での熱流密度分布を把握することができる。そして、この熱流密度分布から、放熱面22aから吸熱面24aに向かう方向での一次元熱流密度が、放熱面22aの面内で均一に近い状態であることを確認することができる。
(他の実施形態)
(1)第1実施形態では、各熱流分布監視用センサ30の内部構造は、被校正センサ10の内部構造と同一であるが、同一でなくてもよい。すなわち、各熱流分布監視用センサ30の全体の厚さ、熱流分布監視用センサ30を構成する各部材の厚さは、被校正センサ10と異なっていてもよい。また、複数の第3熱電部材330および複数の第4熱電部材340の大きさは、複数の第1熱電部材130および複数の第2熱電部材140の大きさと異なっていてもよい。第3熱電部材330と第4熱電部材340との間隔は、第1熱電部材130と第2熱電部材140との間隔と異なっていてもよい。さらに、各熱流分布監視用センサ30の第2絶縁部材32、複数の第3熱電部材330および複数の第4熱電部材340が、それぞれ、被校正センサ10の第1絶縁部材12、複数の第1熱電部材130および複数の第2熱電部材140と異なる材料で構成されていてもよい。このような場合であっても、各熱流分布監視用センサ30の内部構造は、被校正センサ10の内部構造と類似している。これによっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
ただし、各熱流分布監視用センサ30の第2絶縁部材32は、有機材料と、金属材料と、主成分が非金属元素から構成される無機材料との3種類の材料のうち被校正センサ10の第1絶縁部材12と同じ種類の材料で構成されることが好ましい。例えば、第1絶縁部材12が有機材料で構成される場合、第2絶縁部材32も有機材料で構成されることが好ましい。第1絶縁部材12が無機材料で構成される場合、第2絶縁部材32も無機材料で構成されることが好ましい。
さらに、複数の第3熱電部材330は、上記の3種類の材料のうち複数の第1熱電部材130と同じ種類の材料で構成されることが好ましい。複数の第4熱電部材340は、上記の3種類の材料のうち複数の第2熱電部材140と同じ種類の材料で構成されることが好ましい。例えば、複数の第1熱電部材130および複数の第2熱電部材140が金属材料で構成される場合、複数の第3熱電部材330および複数の第4熱電部材340も金属材料で構成されることが好ましい。複数の第1熱電部材130および複数の第2熱電部材140が有機材料で構成される場合、複数の第3熱電部材330および複数の第4熱電部材340も有機材料で構成されることが好ましい。
これらの場合、熱流分布監視用センサ30の内部構造は、被校正センサ10とより類似している。このため、放熱面22aから吸熱面24aに向かう方向での熱流密度を、放熱面22aの面内でより均一に近づけることができる。
また、複数の第1熱電部材130が金属材料で構成される場合、複数の第3熱電部材330も金属材料で構成される。この場合、さらに、複数の第3熱電部材330における主成分のうち含有率が最も高い最多成分の元素は、複数の第1熱電部材130における最多成分の元素と同じであることが好ましい。または、複数の第3熱電部材330における主成分のうち含有率が最も高い第1主成分の元素と含有率が2番目に高い第2主成分の元素とのそれぞれは、複数の第1熱電部材130における第1主成分の元素と第2主成分の元素と同じであることが好ましい。なお、第1実施形態では、複数の第3熱電部材330における最多成分の元素は、複数の第1熱電部材130における最多成分の元素と同じである。また、第1実施形態では、複数の第1熱電部材130と複数の第3熱電部材330とが、第1主成分と第2主成分とを含む場合、複数の第3熱電部材330における第1主成分の元素と第2主成分の元素とのそれぞれは、複数の第1熱電部材130における第1主成分の元素と第2主成分の元素と同じである。
同様に、複数の第2熱電部材140が金属材料で構成される場合、複数の第4熱電部材340も金属材料で構成される。この場合、さらに、複数の第4熱電部材340における最多成分の元素は、複数の第2熱電部材140における最多成分の元素と同じであることが好ましい。または、複数の第4熱電部材340における第1主成分の元素と第2主成分の元素とのそれぞれは、複数の第2熱電部材140における第1主成分の元素と第2主成分の元素と同じであることが好ましい。なお、第1実施形態では、複数の第4熱電部材340における最多成分の元素は、複数の第2熱電部材140における最多成分の元素と同じである。また、第1実施形態では、複数の第2熱電部材140と複数の第4熱電部材340とが、第1主成分と第2主成分とを含む場合、複数の第4熱電部材340における第1主成分の元素と第2主成分の元素とのそれぞれは、複数の第2熱電部材140における第1主成分の元素と第2主成分の元素と同じである。
これらの場合、熱流分布監視用センサ30の内部構造は、被校正センサ10とより類似している。このため、放熱面22aから吸熱面24aに向かう方向での熱流密度を、放熱面22aの面内でより均一に近づけることができる。
(2)熱流分布監視用センサ30は、熱流センサとして用いられなくてもよい。この場合、熱流分布監視用センサ30において、複数の導体パターン311、321が形成されていないものを均一化構造体として用いてもよい。この場合であっても、第1実施形態と同様に、放熱面22aから吸熱面24aに向かう方向での熱流密度を、放熱面22aの面内で均一に近づけることができる。
ただし、第1実施形態のように、熱流分布監視用センサ30を均一化構造体として用いることが好ましい。この場合、熱流分布監視用センサ30では、複数の第3熱電部材330のそれぞれと、複数の第4熱電部材340のそれぞれとは、複数の導体パターン311、321によって、交互に直列に接続された構造である。このため、熱流分布監視用センサ30の内部構造は、被校正センサ10とより類似している。これにより、放熱面22aから吸熱面24aに向かう方向での熱流密度を、放熱面22aの面内でより均一に近づけることができる。
(3)第1実施形態では、熱流センサ10は、第1絶縁部材12の内部に、複数の第1熱電部材130のそれぞれと、複数の第2熱電部材140のそれぞれとが、交互に配置された構造である。しかしながら、複数の第1熱電部材130のそれぞれと、複数の第2熱電部材140のそれぞれとが、交互に配置された構造体が、第1絶縁部材12から露出していてもよい。すなわち、熱流センサ10は、第1絶縁部材12に対して、複数の第1熱電部材130のそれぞれと、複数の第2熱電部材140のそれぞれとが、交互に配置された構造であればよい。この場合、各熱流分布監視用センサ30は、熱流センサ10と同様に、第2絶縁部材32に対して、複数の第3熱電部材330のそれぞれと、複数の第4熱電部材340のそれぞれとが、交互に配置された構造であればよい。
(4)第1実施形態では、複数の熱流分布監視用センサ30が用いられていた。しかしながら、1つの熱流分布監視用センサ30が、被校正センサ10を除く部分R2に配置されてもよい。
(5)第1実施形態では、吸熱部24が放熱部22の上側に配置されている。しかしながら、吸熱部24が放熱部22の下側に配置されてもよい。
(6)第1実施形態では、熱流センサ10および複数の熱流分布監視用センサ30において、熱電部材130、140、330、340が貫通孔101、102、301、302の内部に配置されている。しかしながら、熱電部材130、140、330、340が絶縁基材100の表面に配置されていてもよい。
(7)本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能であり、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、熱流センサの校正装置は、放熱部と、吸熱部と、1つ以上の均一化構造体とを備える。放熱部および吸熱部は、放熱面の放熱と吸熱面の吸熱とによって、放熱面から吸熱面に向かって被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体を通過する熱流を発生させる。被校正センサは、第1絶縁部材に対して、熱電材料で構成された複数の第1熱電部材のそれぞれと、複数の第1熱電部材とは異なる熱電材料で構成された複数の第2熱電部材のそれぞれとが、交互に配置された構造である。複数の第1熱電部材のそれぞれと、複数の第2熱電部材のそれぞれとは、複数の導体パターンによって、交互に直列に接続されている。1つ以上の均一化構造体は、第2絶縁部材に対して、熱電材料で構成された複数の第3熱電部材のそれぞれと、複数の第3熱電部材とは異なる熱電材料で構成された複数の第4熱電部材のそれぞれとが、交互に配置された構造である。
また、第2の観点によれば、第2絶縁部材は、有機材料と、金属材料と、主成分が非金属元素から構成される無機材料との3種類の材料のうち第1絶縁部材と同じ種類の材料で構成される。複数の第3熱電部材は、3種類の材料のうち複数の第1熱電部材と同じ種類の材料で構成される。複数の第4熱電部材は、3種類の材料のうち複数の第2熱電部材と同じ種類の材料で構成される。
これによれば、1つ以上の均一化構造体の内部構造は、被校正センサとより類似している。このため、放熱面から吸熱面に向かう方向での熱流密度を、放熱面の面内でより均一に近づけることができる。
また、第3の観点によれば、複数の第1熱電部材および複数の第3熱電部材は、金属材料で構成される。複数の第3熱電部材における含有率が最も高い最多成分の元素は、複数の第1熱電部材における最多成分の元素と同じである。または、複数の第3熱電部材における含有率が最も高い第1主成分の元素と含有率が2番目に高い第2主成分の元素とのそれぞれは、複数の第1熱電部材における第1主成分の元素と第2主成分の元素と同じである。複数の第2熱電部材および複数の第4熱電部材は、金属材料で構成される。複数の第4熱電部材における最多成分の元素は、複数の第2熱電部材における最多成分の元素と同じである。または、複数の第4熱電部材における第1主成分の元素と第2主成分の元素とのそれぞれは、複数の第2熱電部材における第1主成分の元素と第2主成分の元素と同じである。
これによれば、1つ以上の均一化構造体の内部構造は、被校正センサとより類似している。このため、放熱面から吸熱面に向かう方向での熱流密度を、放熱面の面内でより均一に近づけることができる。
また、第4の観点によれば、第2絶縁部材は、第1絶縁部材と同じ材料で構成される。複数の第3熱電部材は、複数の第1熱電部材と同じ材料で構成される。複数の第4熱電部材は、複数の第2熱電部材と同じ材料で構成される。
これによれば、1つ以上の均一化構造体の内部構造は、被校正センサとより類似している。このため、放熱面から吸熱面に向かう方向での熱流密度を、放熱面の面内でより均一に近づけることができる。
また、第5の観点によれば、校正装置は、第1緩衝シートと、第2緩衝シートとを備える。第1緩衝シートは、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の両方と放熱面との間に配置される。第1緩衝シートは、被校正センサ、1つ以上の均一化構造体および放熱面の表面形状に応じて変形可能である。第2緩衝シートは、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の両方と吸熱面との間に配置される。第2緩衝シートは、被校正センサ、1つ以上の均一化構造体および吸熱面の表面形状に応じて変形可能である。
ところで、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の表面に凹凸がある等の理由により、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の両方と放熱面との間の密着状態、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の両方と吸熱面との間の密着状態に、ばらつきが発生する場合がある。この場合、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の両方と放熱面との間の接触熱抵抗、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の両方と吸熱面との間の接触熱抵抗に、ばらつきが生じる。これによっても、放熱面から吸熱面に向かう方向での一次元熱流密度が、放熱面の面内で不均一となる。
これに対して、第2の観点によれば、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の両方と放熱面との間の密着状態を均一に近づけることができる。このため、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の両方と放熱面との間の接触熱抵抗を均一に近づけることができる。同様に、これによれば、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の両方と吸熱面との間の密着状態を均一に近づけることができる。このため、被校正センサおよび1つ以上の均一化構造体の両方と吸熱面との間の接触熱抵抗を均一に近づけることができる。よって、放熱面から吸熱面に向かう方向での一次元熱流密度を、放熱面の面内で均一に近づけることができる。
また、第6の観点によれば、複数の第3熱電部材のそれぞれと、複数の第4熱電部材のそれぞれとは、複数の導体パターンによって、交互に直列に接続されている。これによれば、均一化構造体の内部構造は、被校正センサとより類似している。このため、放熱面から吸熱面に向かう方向での熱流密度を、放熱面の面内でより均一に近づけることができる。
さらに、これによれば、均一化構造体は、被校正センサと同様に、複数の熱電変換素子を有しており、熱流センサとして機能する。すなわち、均一化構造体は、放熱面から吸熱面に向かって均一化構造体を通過する熱流の熱流密度に応じたセンサ信号を出力することができる。このため、均一化構造体のセンサ信号に対して予め感度係数を値付けしておくことで、センサ信号に基づいて、熱流密度を計測することができる。よって、放熱面と吸熱面とに挟まれた領域のうち被校正センサを除く部分での熱流密度分布を把握することができる。そして、この熱流密度分布から、放熱面から吸熱面に向かう方向での一次元熱流密度が、放熱面の面内で均一に近い状態であることを確認することができる。
10 熱流センサ、被校正センサ
20 校正装置
22 放熱部
22a 放熱面
24 吸熱部
24a 吸熱面
30 熱流分布監視用センサ

Claims (6)

  1. 熱流センサの校正装置であって、
    校正される熱流センサである被校正センサ(10)の面積よりも面積が大きい放熱面(22a)を有する放熱部(22)と、
    前記被校正センサの面積よりも面積が大きい吸熱面(24a)を有し、前記放熱面と前記吸熱面との間に前記被校正センサを挟むように配置される吸熱部(24)と、
    前記放熱面と前記吸熱面とに挟まれた領域(R1)のうち前記放熱面に平行な方向(D1)で前記被校正センサを除く部分(R2)に配置され、前記放熱面と前記吸熱面との間の熱流密度を均一に近づけるための1つ以上の均一化構造体(30)とを備え、
    前記放熱部および前記吸熱部は、前記放熱面の放熱と前記吸熱面の吸熱とによって、前記放熱面から前記吸熱面に向かって前記被校正センサおよび前記1つ以上の均一化構造体を通過する熱流を発生させ、
    前記被校正センサは、第1絶縁部材(12)に対して、熱電材料で構成された複数の第1熱電部材(130)のそれぞれと、前記複数の第1熱電部材とは異なる熱電材料で構成された複数の第2熱電部材(140)のそれぞれとが、交互に配置された構造であり、
    前記複数の第1熱電部材のそれぞれと、前記複数の第2熱電部材のそれぞれとは、複数の導体パターン(111、121)によって、交互に直列に接続されており、
    前記1つ以上の均一化構造体は、第2絶縁部材(32)に対して、熱電材料で構成された複数の第3熱電部材(330)のそれぞれと、前記複数の第3熱電部材とは異なる熱電材料で構成された複数の第4熱電部材(340)のそれぞれとが、交互に配置された構造である、熱流センサの校正装置。
  2. 前記第2絶縁部材は、有機材料と、金属材料と、主成分が非金属元素から構成される無機材料との3種類の材料のうち前記第1絶縁部材と同じ種類の材料で構成され、
    前記複数の第3熱電部材は、前記3種類の材料のうち前記複数の第1熱電部材と同じ種類の材料で構成され、
    前記複数の第4熱電部材は、前記3種類の材料のうち前記複数の第2熱電部材と同じ種類の材料で構成される、請求項1に記載の熱流センサの校正装置。
  3. 前記複数の第1熱電部材および前記複数の第3熱電部材は、金属材料で構成され、
    前記複数の第3熱電部材における含有率が最も高い最多成分の元素は、前記複数の第1熱電部材における前記最多成分の元素と同じであり、または、前記複数の第3熱電部材における含有率が最も高い第1主成分の元素と含有率が2番目に高い第2主成分の元素とのそれぞれは、前記複数の第1熱電部材における前記第1主成分の元素と前記第2主成分の元素と同じであり、
    前記複数の第2熱電部材および前記複数の第4熱電部材は、金属材料で構成され、
    前記複数の第4熱電部材における前記最多成分の元素は、前記複数の第2熱電部材における前記最多成分の元素と同じであり、または、前記複数の第4熱電部材における前記第1主成分の元素と前記第2主成分の元素とのそれぞれは、前記複数の第2熱電部材における前記第1主成分の元素と前記第2主成分の元素と同じである、請求項1に記載の熱流センサの校正装置。
  4. 前記第2絶縁部材は、前記第1絶縁部材と同じ材料で構成され、
    前記複数の第3熱電部材は、前記複数の第1熱電部材と同じ材料で構成され、
    前記複数の第4熱電部材は、前記複数の第2熱電部材と同じ材料で構成される、請求項1に記載の熱流センサの校正装置。
  5. 前記被校正センサおよび前記1つ以上の均一化構造体の両方と前記放熱面との間に配置され、前記被校正センサ、前記1つ以上の均一化構造体および前記放熱面の表面形状に応じて変形可能な第1緩衝シート(26)と、
    前記被校正センサおよび前記1つ以上の均一化構造体の両方と前記吸熱面との間に配置され、前記被校正センサ、前記1つ以上の均一化構造体および前記吸熱面の表面形状に応じて変形可能な第2緩衝シート(28)とを備える、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱流センサの校正装置。
  6. 前記複数の第3熱電部材のそれぞれと、前記複数の第4熱電部材のそれぞれとは、複数の導体パターン(311、321)によって、交互に直列に接続されている、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱流センサの校正装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111795762A (zh) * 2020-07-22 2020-10-20 南京理工大学 一种热流计动态特性校准装置及方法
CN112362196A (zh) * 2020-12-04 2021-02-12 中国科学院力学研究所 一种热流静态校准的构造方法
CN113176013A (zh) * 2021-06-02 2021-07-27 中国空气动力研究与发展中心超高速空气动力研究所 一种用于热流测试的薄膜热电阻热流计和同轴热电偶的标定方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111795762A (zh) * 2020-07-22 2020-10-20 南京理工大学 一种热流计动态特性校准装置及方法
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