JP2019215209A - 位置検出装置、レンズ装置、および、撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スケール部の内部構造の変化による位置検出誤差を低減することが可能な位置検出装置を提供する。【解決手段】位置検出装置(15)は、光学センサ(151)と、光学センサに対して相対移動可能なスケール部(152)と、スケール部を保持する保持部(1522)とを有し、スケール部は、反射率が異なる第一の領域(1521A、1521B)および第二の領域(1522)を有し、第一の領域と第二の領域との境界(EA、EB)は、光学センサとスケール部との相対移動方向に対して所定の傾き(θ)を有し、スケール部は、保持部に対する位置決めを行う位置決め部(HA1、HA2、HB1、HB2)を有し、位置決め部は、境界の延長線(EA2、EB2)上に配置されている。【選択図】図1
Description
本発明は、位置を検出する位置検出装置に関する。
近年、動画等の高精細化が進む撮像装置において、フォーカスレンズ等のレンズを高精度に位置決めを行うことが求められている。特許文献1には、2つの磁気センサの出力信号の差分を出力信号の和分で除算して位置信号を取得する位置検出装置が開示されている。これにより、組み立て時の位置ずれや、温度変化による磁束密度の変化等の特性変化による位置読み取り誤差を打ち消し、高精度な位置検出装置を提供することができる。特許文献2には、スケールの端部でスケールを接着固定することにより、温度変化によるスケールの膨張・伸縮による位置誤差を補正するリニアエンコーダが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された位置検出装置では、スケール部の内部に含まれる複数のエッジの間隔の相対的変化により生じる誤差を打ち消すことができない。特許文献2に開示されたリニアエンコーダでは、スケールの膨張・収縮方向がスケール端の接着精度に依存するため、高精度の位置決めを行うことができない。このように特許文献1または特許文献2の構成では、スケール部の内部構造の変化による位置検出誤差を低減することができない。
そこで本発明は、スケール部の内部構造の変化による位置検出誤差を低減することが可能な位置検出装置、レンズ装置、および、撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての位置検出装置は、光学センサと、前記光学センサに対して相対移動可能なスケール部と、前記スケール部を保持する保持部とを有し、前記スケール部は、反射率が異なる第一の領域および第二の領域を有し、前記第一の領域と前記第二の領域との境界は、前記光学センサと前記スケール部との相対移動方向に対して所定の傾きを有し、前記スケール部は、前記保持部に対する位置決めを行う位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記境界の延長線上に配置されている。
本発明の他の側面としてのレンズ装置は、レンズと前記位置検出装置とを有する。
本発明の他の側面としての撮像装置は、前記レンズ装置と、前記レンズ装置を介して形成された光学像を光電変換する撮像素子とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、スケール部の内部構造の変化による位置検出誤差を低減することが可能な位置検出装置、レンズ装置、および、撮像装置を提供する
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(位置検出装置を含む撮像装置の説明)
まず、図2および図3を参照して、本実施形態における位置検出装置を撮像装置に適用した一実施形態について説明する。図2は、撮像装置(デジタル一眼レフカメラ)100の構成図である。図2(a)は撮像装置100の断面図を示し、図2(b)は撮像装置100の上面図を示している。撮像装置100は、カメラ本体(撮像装置本体)2と、カメラ本体2に着脱可能なレンズ装置(交換レンズ)1とを備えて構成される。ただし本発明は、これに限定されるものではなく、レンズ装置とカメラ本体とが一体的に構成された撮像装置にも適用可能である。
まず、図2および図3を参照して、本実施形態における位置検出装置を撮像装置に適用した一実施形態について説明する。図2は、撮像装置(デジタル一眼レフカメラ)100の構成図である。図2(a)は撮像装置100の断面図を示し、図2(b)は撮像装置100の上面図を示している。撮像装置100は、カメラ本体(撮像装置本体)2と、カメラ本体2に着脱可能なレンズ装置(交換レンズ)1とを備えて構成される。ただし本発明は、これに限定されるものではなく、レンズ装置とカメラ本体とが一体的に構成された撮像装置にも適用可能である。
レンズ装置1において、10はレンズ装置1の光軸である。11は撮像光学系であり、フォーカスレンズ11a、および、フォーカスレンズ11aを把持する支持体11bを含む。12は、レンズ装置1の各部を制御するレンズ制御部である。13は、メモリ部である。14は、フォーカスレンズ11aを光軸10に沿った方向(光軸方向)に移動(駆動)するフォーカスレンズ駆動部(レンズ駆動手段)である。
15は、フォーカスレンズ11aの位置を検出する位置検出装置である。位置検出装置15は、フォーカスレンズ11aを把持する支持体11bに取り付けられている。位置検出装置15は、支持体11bと一体的に移動するスケール部152、および、レンズ装置1の鏡筒(レンズ鏡筒)の内壁に固定されるセンサ部151を備えて構成される。フォーカスレンズ11aが光軸方向に移動すると、支持体11bに取り付けられスケール部152は、フォーカスレンズ11bと共に光軸方向に移動し、レンズ鏡筒の内壁に固定されたセンサ部151との相対位置が変化する。センサ部151は、スケール部152との相対位置の変化(位置変化)を後述の方式で検知し、その位置変化をフォーカスレンズ11bの位置情報(フォーカスレンズ位置情報)としてレンズ制御部12に伝える。
16はフォーカス操作リング(フォーカス操作手段)、17は電子的にレンズ位置等の情報を液晶表示する液晶表示部(表示手段)である。18は、ズーム操作リング(ズーム操作手段)、19は撮像光学系11を通過する光量を調整する絞りである。
カメラ本体2において、21はカメラ本体2の各部を制御するカメラ制御部である。22は、CMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子(撮像センサ)であり、レンズ装置1(撮像光学系11)を介して形成された光学像(被写体像)を光電変換し、画像データ(撮像信号)を出力する。23は、レンズ装置1からの光線を分割および反射させるクイックリターンミラーユニットであり、メインミラー23aとサブミラー23bとを有する。
24は、光学像の測距(焦点検出)を行うAFユニット(焦点検出部)である。25は、撮影画像や撮影設定等を表示する表示部である。26aは、操作部の一つであるレリーズ釦である。27は、レンズ装置1との通信を行う電気接点である。28は、ユーザが光学像を観察するファインダー光学系である。30は、接眼レンズである。
図3は、撮像装置100のブロック図である。図3において、図2と同じ機能を有する構成要素には同じ番号を付している。レンズ装置1のレンズ制御部12は、フォーカスレンズ駆動部14、絞り19、および、液晶表示部17の駆動を制御する。またレンズ制御部12は、位置検出装置15からの信号に基づいてフォーカスレンズ11aの位置を算出する。またレンズ制御部12は、回転量検出部161(図2参照)からの信号に基づいてフォーカス操作リング16の回転量を算出する。またレンズ制御部12は、電気接点27を介してカメラ制御部21と通信を行い、カメラ制御部21からの駆動命令等を受けとる。フォーカスレンズ駆動部14は、レンズ制御部12からの駆動命令に基づいて、フォーカスレンズ11aを光軸方向に平行に移動することにより、撮像素子22に集光する光束の焦点状態を調整する(フォーカス制御を行う)。このときフォーカスレンズ11aの位置は、後述のように、位置検出装置15により測定され、レンズ制御部12に伝えられる。
回転量検出部161は、ユーザがフォーカス操作リング16を回転操作した際の回転量(操作量)を検出する。レンズ制御部12は、その回転量(操作量)に応じて、フォーカスレンズ駆動部14に駆動命令を送信する。ピント位置算出手段(レンズ制御部12またはカメラ制御部21)は、前述のように推定された現在のフォーカスレンズ11aの位置に基づいて、現在の撮像光学系11により形成された光束が撮像素子22に結像するときの結像面からのピント位置を算出する。
例えば、カメラ本体2の1.5m前方に被写体が存在し、この被写体にピントが合っている場合、合焦距離は1.5mとなる。そして、算出されたピント位置情報およびフォーカスレンズ11aに関する情報が液晶表示部17に表示される。またレンズ制御部12は、カメラ制御部21からの命令を受け、絞り19を制御して絞りばね(不図示)を絞り込むことで撮像光学系11の光量を調整する。なおレンズ制御部12は、レンズ駆動制御部、表示制御部、および、合焦距離を換算する距離換算部として機能する。またレンズ制御部12は、センサ部151から出力される信号に基づいてセンサ部151とスケール部152との相対位置情報を算出する算出部として機能する。
撮像光学系11を通過した光束は、クイックリターンミラーユニット23が図1(a)のようにダウン状態である場合、メインミラー23aおよびサブミラー23bにより反射し、それぞれファインダー光学系28およびAFユニット24に光束の一部が導かれる。カメラ制御部21は、AFユニット24に集光された光線を用いて、いわゆる位相差検出方式による焦点状態の検出(焦点検出)を行う。ファインダー光学系28に導かれた光線は、接眼レンズ30を介してユーザに導かれる。
一方、クリックリターンミラーユニットが光軸10から退避するアップ状態である場合、撮像光学系11を通過した光束は、撮像素子22に集光する。撮像素子22は、受光した光に対して光電変換を行ってアナログデータ(撮像信号)を出力する。撮像素子22から出力されたアナログデータは、A/D変換器(不図示)で量子化処理が行われ、デジタルデータに変換される。
画像処理部31は、ホワイトバランス回路、ガンマ補正回路、および、補間演算回路等を有し、カメラ制御部21の命令を受けて、撮像素子22から取得した信号(撮像信号)に基づいて画像データを生成する。画像処理部31で生成された画像データは、メモリ部32に記憶される。
カメラ制御部21は、CPU(中央演算処理装置)等を備え、レンズ装置1およびカメラ本体2の制御を統括する。カメラ制御部21は、撮像の際のタイミング信号等を生成して各部に出力する。カメラ制御部21は、レリーズ釦26a等の操作部26から操作指示を受け付けた場合、操作指示に応じてAFユニット24や撮像素子22等を制御するとともに、レンズ制御部12へ命令信号を送信する。
(位置検出装置)
次に、図1を参照して、フォーカスレンズ11aの位置を検出する位置検出装置15の構成について説明する。図1は、位置検出装置15の構成図である。図1(a)は位置検出装置15の斜視図、図1(b)は上面図、図1(c)は側面図である。
次に、図1を参照して、フォーカスレンズ11aの位置を検出する位置検出装置15の構成について説明する。図1は、位置検出装置15の構成図である。図1(a)は位置検出装置15の斜視図、図1(b)は上面図、図1(c)は側面図である。
位置検出装置15は、センサ部151およびスケール部152を有する。図1(a)に示されるように、センサ部151は、スケール部152に対して相対的にX軸方向に移動可能であり、スケール部152を走査してセンサ部151とスケール部152との相対的な位置情報を取得する。センサ部151は、第一のフォトリフレクタ(第一のセンサ)151Aおよび第二のフォトリフレクタ(第二のセンサ)151Bを有する光学センサである。
次に、図4を参照して、フォトリフレクタ(第一のフォトリフレクタ151A)の構造および機能について説明する。図4は、第一のフォトリフレクタ151Aの構成図である。図4(a)は第一のフォトリフレクタ151Aの斜視図、図4(b)は第一のフォトリフレクタ151Aおよびスケール部152の側面図である。以下、図4では第一のフォトリフレクタ151Aについて説明するが、第二のフォトリフレクタ151Bの構成および機能は第一のフォトリフレクタ151Aと同様である。
第一のフォトリフレクタ151Aは、LEDを含む発光部1511と、フォトダイオードを備えた受光部1512とを有する。発光部1511からの光は、図4(b)に示されるように、第一のフォトリフレクタ151Aに対向して配置されたスケール部152に当たって反射し、受光部1512による光電変換により電荷が生じ、反射光の強度を信号電圧として計測することができる。第一のフォトリフレクタ151Aを含むセンサ部151に対向して配置されるスケール部152は、発光部(LED)1511から発せられる光に対して、反射率が異なる2つの領域(低い反射率を示す低反射領域と高い反射率を示す高反射領域)有する。
図1(a)〜(c)に示されるように、スケール部152は、黒色で示される低反射スケール1521A、1521Bと、低反射スケール1521A、1521Bの下に敷かれた白色で示される高反射スケール下地1522で構成される。本実施形態において、低反射スケール1521A、1521Bは第一の領域に相当し、高反射スケール下地1522は第二の領域に相当する。また、低反射スケール1521Aは第一の分割領域に相当し、低反射スケール1521Bは第二の分割領域に相当する。
低反射スケール1521A、1521Bは、一例として、黒色塗装された樹脂部材からなる。高反射スケール下地1522は、一例として、白色塗装された樹脂部材からなる。ただし、これに限定されるものではなく、低反射スケール1521A、1521Bと高反射スケール下地1522とが互いに反射率が異なる部材で形成されていれば、他の部材であってもよい。
低反射スケール1521A、1521Bには、図1(b)の上面図に示されるように開口KA、KBが設けられており、開口KA、KBを通して下に配置されている高反射スケール下地1522が露出している。2つの第一のフォトリフレクタ151Aおよび第二のフォトリフレクタ151Bは、低反射スケール1521A、1521Bの開口KA、KBの縁におけるエッジEA、EBの略直上に配置されている。このときエッジEA、EBは、黒色で示される低反射領域と白色で示される高反射領域との境界となっている。高反射領域と低反射領域の境界部が請求項1おけるエッジに相当する。なお本実施形態において、低反射スケール1521A、1521Bと高反射スケール下地1522の2つの部品を用いて、高反射領域と低反射領域との境界であるエッジEA、EBを形成している。ただし本発明は、これに限定されるものではなく、一つの部品に黒色塗装や白色塗装を行ってエッジEA、EBを形成してもよい。本発明は、互いに反射率の異なる領域が形成されていれば適用可能である。
高反射領域と低反射領域との境界線を表すエッジEA、EBは、途中で断続的に途切れることなく、なめらかに連なる形状のエッジであり、本実施形態では直線形状で形成される。直線形状のエッジEA、EBは、図1(b)に示されるように、センサ部151とスケール部152との相対移動方向(X軸方向)に対し、角度θ、−θを有する状態で形成される。このため、エッジEA、EB上の点の位置は、相対移動方向(X軸方向)の位置の変化に対応して、角度θ、−θに対応する量だけY軸方向にも位置が変化する。
図1(a)に示されるように、低反射スケール1521A、1521Bとその下に配置される高反射スケール下地1522は、土台部(スケール土台部)1523の上に配置されている。低反射スケール1521A、1521Bおよび高反射スケール下地1522は、土台部1523に立てられた円柱状の位置決めピンPA1、PA2、PB1、PB2により互いの位置が規定されている。低反射スケール1521Aは、エッジEAを延長したエッジ延長線EA2上に中心を有する位置決め穴(第一の穴)HA1および位置決め穴(第二の穴)HA2を有する。位置決め穴HA1は円状(略真円状)に形成され、位置決め穴HA2はエッジ延長線EA2と平行な方向に延びた長穴で形成される。同様に、低反射スケール1521Bは、エッジ延長線EB2上に中心を有する位置決め穴(第一の穴)HB1および位置決め穴(第二の穴)HB2を有する。位置決め穴HB1は円状(略真円状)に形成され、位置決め穴HB2はエッジ延長線EB2と平行な方向に延びた長穴で形成される。
低反射スケール1521A、1521Bの下に配置された高反射スケール下地1522は、位置決め穴HA1、HA2、HB1、HB2の直下に、対応する位置決め穴よりも大きい穴(不図示)を有する。土台部1523に設けられた位置決めピンPA1、PA2、PB1、PB2は、図1(c)に示されるように、高反射スケール下地1522、低反射スケール1521A、1521Bに開けられた前述の穴を貫通する位置に配置されている。
また、低反射スケール1521Aにおける位置決め穴HA1、HA2は、土台部1523(または高反射スケール下地1522)に対して位置決めを行う位置決め部(低反射スケール1521Aの位置を規定する位置規定構造)である。位置決め穴HA1、HA2は、スケール部152の位置を規定する位置決めピンPA1、PA2が挿入される一対の位置決め穴である。また、低反射スケール1521Bにおける位置決め穴HB1、HB2は、土台部1523(または高反射スケール下地1522)に対して位置決めを行う位置決め部(低反射スケール1521Bの位置を規定する位置規定構造)である。位置決め穴HB1、HB2は、スケール部152の位置を規定する位置決めピンPB1、PB2が挿入される一対の位置決め穴である。位置決めピンPA1、PA2は、スケール部152の位置決め穴HA1、HA2にそれぞれ挿入される一対の位置決めピン(第一のピン、第二のピン)である。また位置決めピンPB1、PB2は、位置決め穴HB1、HB2にそれぞれ挿入される一対の位置決めピン(第一のピン、第二のピン)である。
本実施形態は、位置決め穴HA1、HA2、HB1、HB2および位置決めピンPA1、PA2、PB1、PB2をそれぞれエッジEA、EBの延長線(エッジ延長線EA2、EB2)上に配置することを特徴の一つとする。本実施形態の構成により、後述するように、スケール部152の温度膨張・収縮が位置検出信号に及ぼす影響を低減することができる。
次に、図5を参照して、位置検出装置15による位置検出方法について説明する。図5は、位置検出方法の説明図である。図5(a)は、センサ部151がスケール部152に対してX方向に移動した場合の、X座標X1、X2、X3となる各位置において、第一のフォトリフレクタ151Aおよび第二のフォトリフレクタ151Bが検知する範囲α1〜α3、β1〜β3を示す図である。X座標X1〜X2までの距離、X座標X2〜X3までの距離は互いに等しいものとする。図5(a)中のX2で示される、各エッジの略中央の位置にセンサ部151が存在する場合を考える。このとき、第一のフォトリフレクタ151Aは図5(a)の検知範囲α2の位置に存在し、第二のフォトリフレクタ151Bは図5(a)の検知範囲β2の位置に存在する。このとき、検知範囲α2、β2において黒色で示される低反射領域と白色で示される高反射領域との面積比は、図5(a)に示されるように略半分となっている。
図5(b)は、センサ部151のX座標位置に対する、第一のフォトリフレクタ151Aおよび第二のフォトリフレクタ151Bが示す信号電圧VA、VBのグラフを示す。位置X2において、第一のフォトリフレクタ151Aおよび第二のフォトリフレクタ151Bの検知範囲では低反射領域と高反射領域との面積比が略半々となり、この状態は点M2で示され、このときの信号電圧をV2とする。
ここから、センサ部151が紙面右方向(X軸正方向)に移動し、図5(a)において位置X3で示される各エッジの略右端付近の位置に到達した場合を考える。このとき第一のフォトリフレクタ151Aは、図5(a)中の検知範囲α3に、第二のフォトリフレクタ151Bは図5(a)中の検知範囲β3の位置に存在する。第一のフォトリフレクタ151Aの検知範囲α3内に含まれる黒色で示される低反射領域と白色で示される高反射領域との面積比は、検知範囲α2において略半々である。一方、黒色の低反射領域が減少し、白色の高反射領域が増加している。このとき、高反射領域である白色領域の比率が増えているため、第一のフォトリフレクタ151Aの受光部が受ける光量が増し、光電変換することにより得られる電荷量が増して信号電圧が増加する。この状態は、図5(b)における点M3Aで示され、信号電圧はV3とする。このとき、V3>V2である。
逆に、図5(a)に示される、第二のフォトリフレクタ151Bの検知範囲β3に含まれる黒色で示される低反射領域と白色で示される高反射領域との面積比は、黒色の低反射領域が増加し、白色の高反射領域が減少している。このとき、高反射領域である白色領域の比率が減少しているため、第二のフォトリフレクタ151Bの受光部が受ける光量が減り、光電変換することにより得られる電荷量が減って、信号電圧が減少する。この状態は、図5(b)における点M3Bで示され、信号電圧はV1とする。このとき、V1<V2である。このため、紙面右方向にセンサ部151が移動すると、フォトリフレクタ151Aが示す信号電圧VAは増加し、第二のフォトリフレクタ151Bが示す信号電圧VBは減少することとなる。
前述とは逆に、紙面左方向(X軸負方向)にセンサ部151が移動し、図5(a)においてX1で示される各エッジの略左端付近の位置に到達した場合を考える。このときフォトリフレクタ151Aは、検知範囲α1に、第二のフォトリフレクタ151Bは検知範囲β1の位置に存在する。第一のフォトリフレクタ151Aの検知範囲α1内に含まれる黒色で示される低反射領域と白色で示される高反射領域との面積比は、前述の検知範囲α2において略半々であるのに対して、黒色の低反射領域は増加し、白色の高反射領域は減少している。このとき、高反射領域である白色領域の比率が減少しているため、第一のフォトリフレクタ151Aの受光部が受ける光量が減少し、光電変換することにより得られる電荷量が減じて、信号電圧が減少する。この状態は、図5(b)中の点M1Aで示され、信号電圧はV1とする。このとき、V1<V2である。
このため、図5(a)に示される、第二のフォトリフレクタ151Bの検知範囲β1に含まれる黒色で示される低反射領域と白色で示される高反射領域との面積比は、黒色の低反射領域が減少し、白色の高反射領域が増加している。このとき、高反射領域である白色領域の比率が増加しているため、第二のフォトリフレクタ151Bの受光部が受ける光量が増加し、光電変換することにより得られる電荷量が増して信号電圧が増加する。この状態は、図5(b)における点M1Bで示され、信号電圧はV3とする。このとき、V3>V2である。よって、紙面左方向にセンサ部151が移動すると、フォトリフレクタ151Aが示す信号電圧VAは減少し、フォトリフレクタ151Bが示す信号電圧VBは増加する。
前述のように、センサ部151のX方向における位置の変化に対応し、第一のフォトリフレクタ151Aおよび第二のフォトリフレクタ151Bのそれぞれの信号電圧VA、VBは変化する。図5(b)は、その相関を示すグラフである。本実施形態において、低反射領域と高反射領域との境界であるエッジEA、EBは直線である。このため、X方向における位置の変化に対し、信号電圧が比例して変化する線形グラフとなっている。図5(b)において、実線で示される信号電圧VAのグラフは位置Xの増加に対して線形に単調増加し、二点鎖線で示される信号電圧VBのグラフはXの増加に対して線形に単調減少する。このように信号電圧VA、VBは単調増加または単調減少であるため、X座標の位置の値に対して、信号電圧VA、VBの値は一対一に対応する。このため、信号電圧VA、VBを測定することにより、センサ部151とスケール部152との間の相対位置であるX座標を取得することができる。
(スケールの温度膨張・収縮に起因する誤差)
しかしながら、スケール部152の連続的に変化するエッジEA、EBを第一のフォトリフレクタ151A、151B等の光学センサを用いて検知する位置検出装置では、周囲の環境温度の変化により位置検出結果に誤差が生じる可能性がある。撮像装置100は、温暖条件下から寒冷条件下までの様々な条件下で用いられるため、周囲の環境温度の変化にさらされるが、このときにフォーカスレンズ11aの位置検出結果に影響があると、合焦精度の低下さらには画質の低下を招く。
しかしながら、スケール部152の連続的に変化するエッジEA、EBを第一のフォトリフレクタ151A、151B等の光学センサを用いて検知する位置検出装置では、周囲の環境温度の変化により位置検出結果に誤差が生じる可能性がある。撮像装置100は、温暖条件下から寒冷条件下までの様々な条件下で用いられるため、周囲の環境温度の変化にさらされるが、このときにフォーカスレンズ11aの位置検出結果に影響があると、合焦精度の低下さらには画質の低下を招く。
環境温度による変化の一影響として、スケール部152の温度膨張・収縮により位置検出結果に生じる誤差がある。これは、スケール部152の温度膨張・収縮に伴う寸法変化により生じる誤差である。すなわち、第一のフォトリフレクタ151Aおよび第二のフォトリフレクタ151Bが検知するエッジEA、EBの位置が変化し、第一のフォトリフレクタ151Aおよび第二のフォトリフレクタ151Bの信号電圧が変化してしまう。
ここで、図6を参照して、比較例について説明する。図6は、比較例としてのスケール部の温度膨張・収縮の影響の説明図である。図6に示されるスケール部は、低反射スケール1521A’およびその下に敷かれる高反射スケール下地1522’を有する。低反射スケール1521A’は開口KA’を有し、開口KA’を通じて高反射スケール下地1522’が露出している。
第一のフォトリフレクタ151A’は、開口KA’の縁であるエッジEA’の略直上に配置されている。低反射スケール1521A’および高反射スケール下地1522’は、土台部(不図示)の上に配置されている。ここで、低反射スケール1521’は、土台部に対して、特許文献2と同様に下端の長辺部2521において接着固定されている。このとき、図6(a)の基準温度状態から温度が上昇し、スケール部が温度膨張した場合の様子を図6(b)に示す。低反射スケール1521A’は、下端の長辺部2521を固定部として、それを起点に図6(b)に示されるように紙面上方向(Y軸正方向)に膨張し、その寸法が変化する。このとき、Y軸方向に対する膨張量を考えると、以下のようになる。
エッジEA’までのY方向の距離を距離LAとすると、開口KA’のエッジEA’の膨張によるY方向への移動量ΔLAは、スケール部の熱膨張率をα’とすると、ΔLA=距離LA×熱膨張率α’となる。よって、エッジEA’が図6(b)の上方向(Y方向)に移動量ΔLAだけ移動することとなり、第一のフォトリフレクタ151A’が検知する範囲における黒色領域がΔLAだけ減少し、白色領域がΔLAだけ増加する。高反射領域である白色領域が増加したことにより、信号電圧はΔLAに比例した量だけ増加する。すなわち、信号電圧の値が温度の上下により変動するため、位置検出誤差が生じる。このように、基本的にエッジEA’と固定部(長辺部2521)との間に、距離に比例して、温度膨張・収縮による寸法変化が生じる。その結果、第一のフォトリフレクタ151A’の直下におけるエッジEA‘の位置が変化するため、低反射領域と高反射領域との面積比が変化し、信号電圧に誤差が生じる。
(スケール部の熱膨張・収縮誤差打ち消し効果)
本実施形態は、以下の構成により、前述の熱膨張・収縮によるスケール部の寸法の変化が信号電圧に及ぼす影響を解消(または低減)する。位置検出装置15には、図1(b)に示されるように、スケール部152に含まれる直線状のエッジEA(およびエッジEB)の延長線上に対になる2つの位置決め穴である位置決め穴HA1(例えば、丸穴)と位置決め穴HA2(例えば、長穴)が設けられている。
本実施形態は、以下の構成により、前述の熱膨張・収縮によるスケール部の寸法の変化が信号電圧に及ぼす影響を解消(または低減)する。位置検出装置15には、図1(b)に示されるように、スケール部152に含まれる直線状のエッジEA(およびエッジEB)の延長線上に対になる2つの位置決め穴である位置決め穴HA1(例えば、丸穴)と位置決め穴HA2(例えば、長穴)が設けられている。
次に、図7を参照して、本実施形態の構成を採用した場合において、熱膨張・収縮によるスケール部の寸法の変化が信号電圧に及ぼす影響を打ち消す効果について説明する。図7は、本実施形態におけるスケール部の温度膨張・収縮方向の説明図である。
図7(a)は、低反射スケール1521A’において、位置決め穴HA1’HA2’の位置をエッジEA’の延長線上に配置した場合の基準温度状態における上面図を示す。図7(b)は、温度膨張後の状態を示す図である。このとき、位置決め穴HA1’は略真円形状に形成され、位置決めピンPA1’が図7(a)に示されるように挿入されていることにより、位置が固定されている。これに対し、他方の位置決め穴HA2’は、エッジEA’の延長線EA2’の方向に延びた長穴で形成され、位置決めピンPA2’が図7(a)に示されるように挿入されている。これにより、図7(a)に示されるように低反射スケール1521A’は、位置決め穴HA1’を固定点として、長穴で形成された位置決め穴HA2’により、位置決め穴HA1’の点を中心に回転する方向に移動することができない。一方、低反射スケール1521A’は、エッジ延長線方向において膨張・収縮による移動が可能である。
ここで、温度膨張前の図7(a)から温度膨張後の図7(b)に移行する場合を考えると、前述の説明より、低反射スケール1521A’は、位置決め穴HA1’を基準点(固定点として)、それを起点に位置決め穴HA2’の方向に膨張する。このとき、温度膨張により、低反射スケール1521A’のエッジEA’が移動可能な方向は、位置決め穴HA1’から位置決め穴HA2’へ向かう方向である。この方向は、前述のように、膨張前のエッジEA’の延長線EA2’上である。すなわち、膨張によりエッジEA’が移動可能な方向は、図7(b)に示されるように膨張前のエッジEA’の延長線上となり、膨張前と膨張後のエッジEA’は、フォトリフレクタ検知範囲においては互いに重なった位置に存在することになる。よって、膨張前後において第一のフォトリフレクタ151A’の直下のエッジ位置は変化しないため、黒色領域と白色領域との面積の比が変化せず、信号電圧が変化しない。以上のとおり、本実施形態の構成によれば、温度膨張・収縮によるスケール部の寸法変化の際におけるエッジEA’の移動方向を限定することで、フォトリフレクタの信号電圧の変動を抑制(低減)することができる。
(信号電圧の差分を位置信号として用いる方式)
また本実施形態において、単純に前述の図5(b)に示される信号電圧VA、VBを位置信号として用いる代わりに、信号電圧VAと信号電圧VBとの差分を位置信号として用いることが好ましい。以下、これに関して詳述する。
また本実施形態において、単純に前述の図5(b)に示される信号電圧VA、VBを位置信号として用いる代わりに、信号電圧VAと信号電圧VBとの差分を位置信号として用いることが好ましい。以下、これに関して詳述する。
信号電圧差分をVCとすると、VC=(VA−VB)であり、X座標位置と信号電圧差分VCの相関を表したグラフを図5(c)に示す。信号電圧差分VCは、Xの増加に対し、線形に単調増加をするグラフとなり、単調増加であるため、X座標位置の値に対して、一対一に対応し、信号電圧差分VCを得ることで、センサ部151とスケール部152の相対位置であるX座標を得ることができる。
信号電圧差分VCを位置信号として用いる理由は、移動方向に垂直なY方向に対して部品取り付けの際の取り付け位置誤差や、位置検出装置15が衝撃を受け、センサ部とスケール部がY方向に相対的にずれた場合の誤差を打ち消す効果があることである。
図8は、翻字し携帯におけるスケール部152のY軸方向ずれ影響打ち消し効果の説明図であり、スケール部152の上面図を示す。図8(a)における通常状態から、Y方向にセンサ部151とスケール部152とが幅ΔYだけ位置ズレを生じた状態を図8(b)に示す。このとき、Y方向にずれた分だけ、第一のフォトリフレクタ151Aおよび第二のフォトリフレクタ151Bが検知する範囲における白色領域と黒色領域との面積比にずれが生じ、位置検出結果に誤差が生じる。スケール部152がセンサ部151に対し、Y方向に幅ΔYだけずれた場合、第一のフォトリフレクタ151Aが検知する範囲では、幅ΔYだけの黒色で示される低反射領域が減り、幅ΔYだけの白色で示される高反射領域が増え、そのため、信号電圧が増加する。このときの増加量をδVとする。
これに対し、第二のフォトリフレクタ151Bが検知する範囲では、同様に幅ΔYだけの黒色で示される低反射領域が減り、幅ΔYだけの白色で示される高反射領域が増えている。このため第二のフォトリフレクタ151Bの信号電圧は、第一のフォトリフレクタ151Aの信号電圧の増分と同じ量のδVだけ増加している。このとき、第一のフォトリフレクタAの信号電圧は(VA+δV)であり、第二のフォトリフレクタBの信号電圧は(VB+δV)である。
両者の差分をとった電圧VCは、VC=(VA+δV)−(VB+δV)=VA−VBであり、Y方向へのずれの影響であるδVを打ち消している。これは、第一のフォトリフレクタ151Aと第二のフォトリフレクタ151Bに対し、エッジEAとエッジEBとが同じ量(幅ΔY)だけずれており、信号電圧の変化量が等しく、差分をとることで変化量を打ち消しあうことができるためである。このため本実施形態では、前述のように第一のフォトリフレクタ151Aおよび第二のフォトリフレクタ151Bの両者の信号電圧の差分をとった電圧VCを位置信号として用いる。これにより、Y方向へのセンサ部151とスケール部152との位置ずれの影響を受けない(または、位置ずれの影響を受けにくい)位置検出を行うことが可能となる。レンズ制御部12(カメラ制御部21)は、第一のフォトリフレクタ151Aと第二のフォトリフレクタ151Bとの信号電圧の差分に相当する電圧VCを位置信号として用いることで、センサ部151とスケール部152との相対位置情報を算出することができる。
本実施形態において、エッジEBを含む低反射スケール1521Bは、図1(b)に示されるように、エッジEAを含む低反射スケール1521Aとは繋がっていない別体の部品で構成されることが好ましい。すなわち、低反射スケール1521Aと低反射スケール1521Bとが一体の部品で形成される場合、一つの部品内に温度膨張・収縮の影響の低減のためにエッジ延長線EA2、EB2の上に2つずつ位置決めピンが置かれることとなる。この構成では、温度膨張・収縮が起きた際に一つの部品内で、エッジ延長線EA2、EB2の異なる2つの方向に温度膨張しようとする力が働き、その結果、部品が歪む可能性がある。このため、各フォトリフレクタに対応するスケール部同士は、別体として構成されることが好ましい。
本実施形態において、図1(b)に示される位置決めピンPA1、PA2、PB1、PB2を有する土台部1523の温度膨張係数は、低反射スケール1521A、1521B等のスケール部の温度膨張係数より低いことが好ましい。これは、低反射スケールの位置を規定する位置決めピン群自体が温度膨張、収縮により、低反射スケール内でのエッジの温度膨張・収縮量より大きく変動する場合、土台部1523のピン群の温度膨張による移動の影響の方が大きく現れるためである。土台部1523としては、例えば、温度膨張係数が低い金属やセラミックが用いられる。
また、図1(b)に示される位置決め穴HA1の半径は、位置決めピンPA1の半径と嵌め合い公差の関係にある。一例として、位置決め穴HA1の半径の公差をJISにおけるH9の公差域、位置決めピンPA1の半径の公差をf9の公差域とする。ここで、位置決め穴HA1は前述のように略真円形状に形成される。例えば、位置決め穴HA1は、略真円形状で構成される丸穴である。また、位置決め穴H2である長穴の幅も同様に、位置決めピンPA1の半径と嵌め合い公差の関係にある。長穴の幅の公差は、位置決め穴A1の半径の公差と同様にH9の公差域とする。位置決め穴HA2は、前述のようにエッジ延長線EA2と平行な方向に延びた長穴で形成されている。すなわち位置決め穴HA2は、位置決め穴間を結ぶ直線の延長方向に延びる形状の長穴に相当する。
本実施形態の構成は、位置決め穴と位置決めピンとの間のガタつきを低減しつつ、スケール部が位置決め穴HA1、HA2を結ぶ直線の延長方向に自由に温度膨張、収縮を行うために穴とピンの間の摩擦を減らすための寸法関係を有する。位置決め穴HB1と位置決めピンPB1との関係、および、位置決め穴HB2と位置決めピンPB2との関係も同様である。本実施形態において、好ましくは、前述の嵌め合いの公差域を持つ関係は、丸穴の半径は位置決めピンの円柱の半径よりも2μm〜60μmの範囲で大きく、長穴の幅は位置決めピンの半径よりも2μm〜60μmの範囲で大きい関係にある。
本実施形態において、低反射スケール1521A、1521Bは、エッジ延長線EA2、EB2の方向に自由に温度膨張・収縮できる必要があるため、これらのスケール部の保持方法として、以下のように固定されることが好ましい。図9は、本実施形態におけるスケール部152の保持方法の説明図である。図9(a)はスケール部152の上面図、図9(b)は図9(a)中のD−D’断面図を示す。
図9に示されるスケール部152は、図1(b)に示されるスケール部に、開口を有するカバー部材1524を上から被せた構成を有する。カバー部材1524は、一例として、板金の打ち抜き加工等によって形成されている。図9(b)に示されるように、カバー部材1524を用いて低反射スケール1521Bの端部を覆うことにより、低反射スケール1521BがZ方向に抜け落ちないように保持されている。
カバー部材1524は、図9(b)に示される保持部としての土台部1523に対し、ネジにより固定されている。このとき、低反射スケール1521とカバー部材1524との間に隙間H(空間)が形成されている。隙間Hが0である場合、カバー部材1524と低反射スケール1521とが接触し、摩擦が生じるため、低反射スケール1521が自由に温度膨張・収縮できず、前述のように温度膨張・収縮方向を制御することができない。このため本実施形態では、低反射スケール1521とカバー部材1524との間には30μm〜80μm程度の隙間Hが存在することが好ましい。
図10は、2つのスケール部が土台部の位置決めピンを共通で用いる構成の説明図である。本実施形態において、低反射スケール1521A、1521Bの位置を規定する位置決めピンとして、図10に示されるように、丸穴である位置決め穴HA1、HB1に関して共通の一本の位置決めピンPA1’を用いることができる。共通の位置決めピンPA1’を用いる(互いの丸穴に挿入される土台部に設けられた位置決めピンとして共通の一本の位置決めピンを使用する)ことにより、低反射スケール1521A、1521B同士の相対位置の誤差を減らすことができる。
このように本実施形態において、位置検出装置15は、光学センサ(センサ部151)、光学センサに対して相対移動可能なスケール部152、および、スケール部を保持する土台部1523を有する。スケール部は、反射率が異なる第一の領域(低反射スケール1521A、1521B)および第二の領域(高反射スケール下地1522)を有する。第一の領域と第二の領域との境界(エッジEA、EB)は、光学センサとスケール部との相対移動方向(図1中のX軸方向)に対して所定の傾き(角度θ)を有する。スケール部は、土台部に対する位置決めを行う位置決め部(位置決め穴HA1、HA2、HB1、HB2)を有する。位置決め部は、境界の延長線(エッジ延長線EA2、EB2)上に配置されている。
好ましくは、第一の領域は、相対移動方向に対して所定の傾きを有するエッジEA、EBを有する。第二の領域は、第一の領域と土台部との間に設けられている。エッジは、第一の領域と第二の領域との境界に相当する。より好ましくは、エッジは、相対移動方向に対して所定の傾きを有する直線状のエッジである。
好ましくは、位置決め部は位置決め穴HA1、HA2、HB1、HB2であり、土台部は位置決め穴に挿入される位置決めピンPA1、PA2、PB1、PB2を有する。より好ましくは、位置決め穴は、第一の穴(位置決め穴HA1、HB1)と第二の穴(位置決め穴HA2、HB2)とを含む。位置決めピンは、第一の穴に挿入される第一のピン(位置決めピンPA1、PB1)と第二の穴に挿入される第二のピン(位置決めピンPA2、PB2)とを含む。より好ましくは、第一の穴は丸穴であり、第二の穴は境界の延長方向に延びる長穴である。より好ましくは、第一のピンおよび第二のピンはそれぞれ、円柱形状のピンである。
好ましくは、位置決め穴の径は、位置決めピンの径よりも大きい。また好ましくは、撮像装置100(レンズ装置1)は、光学センサから出力される信号に基づいて光学センサとスケール部との相対位置情報を算出する算出部(レンズ制御部12またはカメラ制御部21)を有する。より好ましくは、光学センサは、第一のセンサ(第一のフォトリフレクタ151A)および第二のセンサ(第二のフォトリフレクタ151B)を有する。第一の領域は、第一の分割領域(低反射スケール1521A)および第二の分割領域(低反射スケール1521B)を有する。境界は、第一の分割領域と第二の領域との第一の境界(エッジEA)、および、第二の分割領域と第二の領域との第二の境界(エッジEB)を有する。第一のセンサは第一の境界に関する第一の位置情報を取得し、第二のセンサは第二の境界に関する第二の位置情報を取得する。算出部は、第一のセンサから出力される第一の信号と第二のセンサから出力される第二の信号との差分に基づいて、相対位置情報を算出する。
好ましくは、第一の分割領域および第二の分割領域のそれぞれに設けられた第一の穴には、共通の一つの第一のピン(位置決めピンPA1’)が挿入されている。また好ましくは、土台部の温度膨張係数は、スケール部の温度膨張係数よりも小さい。また好ましくは、位置検出装置は カバー部材1524を有し、スケール部は土台部とカバー部材との間に配置されている。また好ましくは、カバー部材とスケール部との間には隙間Hが形成されている。
本実施形態の位置検出装置は、スケール部が含む直線形状のエッジの位置が温度膨張・収縮により移動することで生じる位置検出信号の変化を解消(または低減)することができる。このため本実施形態によれば、スケール部の内部構造の変化による位置検出誤差を低減することが可能な位置検出装置、レンズ装置、および、撮像装置を提供する
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
15 位置検出装置
151 センサ部(光学センサ)
152 スケール部
1521A 低反射スケール(第一の領域、第一の分割領域)
1521B 低反射スケール(第一の領域、第二の分割領域)
1522 高反射スケール下地(第二の領域)
1523 土台部
EA、EB エッジ(境界)
EA2、EB2 エッジ延長線(延長線)
HA1、HA2、HB1、HB2 位置決め穴(位置決め部)
151 センサ部(光学センサ)
152 スケール部
1521A 低反射スケール(第一の領域、第一の分割領域)
1521B 低反射スケール(第一の領域、第二の分割領域)
1522 高反射スケール下地(第二の領域)
1523 土台部
EA、EB エッジ(境界)
EA2、EB2 エッジ延長線(延長線)
HA1、HA2、HB1、HB2 位置決め穴(位置決め部)
Claims (15)
- 光学センサと、
前記光学センサに対して相対移動可能なスケール部と、
前記スケール部を保持する保持部と、を有し、
前記スケール部は、反射率が異なる第一の領域および第二の領域を有し、
前記第一の領域と前記第二の領域との境界は、前記光学センサと前記スケール部との相対移動方向に対して所定の傾きを有し、
前記スケール部は、前記保持部に対する位置決めを行う位置決め部を有し、
前記位置決め部は、前記境界の延長線上に配置されていることを特徴とする位置検出装置。 - 前記第一の領域は、前記相対移動方向に対して前記所定の傾きを有するエッジを有し、
前記第二の領域は、前記第一の領域と前記保持部との間に設けられており、
前記エッジは、前記第一の領域と前記第二の領域との前記境界に相当することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。 - 前記エッジは、前記相対移動方向に対して前記所定の傾きを有する直線状のエッジであることを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
- 前記位置決め部は、位置決め穴であり、
前記保持部は、前記位置決め穴に挿入される位置決めピンを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の位置検出装置。 - 前記位置決め穴は、第一の穴と第二の穴とを含み、
前記位置決めピンは、前記第一の穴に挿入される第一のピンと前記第二の穴に挿入される第二のピンとを含むことを特徴とする請求項4に記載の位置検出装置。 - 前記第一の穴は、丸穴であり、
前記第二の穴は、前記境界の延長方向に延びる長穴であることを特徴とする請求項5に記載の位置検出装置。 - 前記第一のピンおよび前記第二のピンはそれぞれ、円柱形状のピンであることを特徴とする請求項6に記載の位置検出装置。
- 前記位置決め穴の径は、前記位置決めピンの径よりも大きいことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の位置検出装置。
- 前記光学センサから出力される信号に基づいて前記光学センサと前記スケール部との相対位置情報を算出する算出部を更に有することを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の位置検出装置。
- 前記光学センサは、第一のセンサおよび第二のセンサを有し、
前記第一の領域は、第一の分割領域および第二の分割領域を有し、
前記境界は、前記第一の分割領域と前記第二の領域との第一の境界、および、前記第二の分割領域と前記第二の領域との第二の境界を有し、
前記第一のセンサは、前記第一の境界に関する第一の位置情報を取得し、
前記第二のセンサは、前記第二の境界に関する第二の位置情報を取得し、
前記算出部は、前記第一のセンサから出力される第一の信号と前記第二のセンサから出力される第二の信号との差分に基づいて、前記相対位置情報を算出することを特徴とする請求項9に記載の位置検出装置。 - 前記第一の分割領域および前記第二の分割領域のそれぞれに設けられた前記第一の穴には、共通の一つの前記第一のピンが挿入されていることを特徴とする請求項10に記載の位置検出装置。
- 前記保持部の温度膨張係数は、前記スケール部の温度膨張係数よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の位置検出装置。
- カバー部材を更に有し、
前記スケール部は、前記保持部と前記カバー部材との間に配置されており、
前記カバー部材と前記スケール部との間には隙間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の位置検出装置。 - レンズと、
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の位置検出装置と、を有することを特徴とするレンズ装置。 - 請求項14に記載のレンズ装置と、
前記レンズ装置を介して形成された光学像を光電変換する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
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