JP2019214991A - 内燃機関の吸気ダクト - Google Patents

内燃機関の吸気ダクト

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知世 大野
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Abstract

【課題】通気抵抗を低減すること。【解決手段】吸気ダクト10は、曲がって延在する曲がり壁部11Aを有する筒状の側壁11を備えている。側壁11の内部を複数の流路W1,W2に区画するとともに曲がり壁部11Aの延在方向に沿って曲がって延在する曲がり部32を有するリブ30を備えている。リブ30のうち少なくとも曲がり部32には、通気性材料からなり、曲がり部32を介して隣り合う流路W1,W2同士を通気する通気部が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の吸気ダクトに関する。
車載内燃機関の吸気通路には、筒状の側壁を有する吸気ダクトが設けられている。また、車両への搭載上の都合や吸気管長を確保するなどの理由により、吸気ダクトの側壁に、湾曲して延在する湾曲壁部が設けられているものがある。また、こうした側壁に、側壁の内部を2つの流路に区画するリブが設けられているものがある(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の吸気ダクトの側壁は、半割筒状をなす一対の分割体により構成されている。側壁のうち湾曲壁部から略直線部分に移行する境界部位にわたる位置には、一方の分割体の側壁が内側へ突出されるとともに、他方の分割体を内側から支持する支持部が上記リブとして設けられている。支持部は、湾曲壁部の延在方向に沿って湾曲して延在する湾曲部を有している。
特開2004−196180号公報
ところで、特許文献1に記載の吸気ダクトの場合、支持部によって区画された2つの流路のうち支持部の外側に位置する流路(以下、外側流路)において吸気の剥離が生じやすく大きな渦流が発生しやすい。そのため、こうした渦流によって外側流路を流れる吸気の主流の流路断面積が制限されることで、吸気の圧力損失が増大する。その結果、通気抵抗が増大することとなる。
本発明の目的は、通気抵抗を低減することのできる内燃機関の吸気ダクトを提供することにある。
上記目的を達成するための吸気ダクトは、曲がって延在する曲がり壁部を有する筒状の側壁を備えたものにおいて、前記側壁の内部を複数の流路に区画するとともに前記曲がり壁部の延在方向に沿って曲がって延在する曲がり部を有するリブを備えており、前記リブのうち少なくとも前記曲がり部には、通気性材料からなり、前記曲がり部を介して隣り合う前記流路同士を通気する通気部が設けられている。
曲がり壁部を有する筒状の側壁を備えた吸気ダクトにおいては、リブによって区画された複数の流路のうち当該リブの外側に位置する流路(以下、外側流路)を流れる吸気が曲がり部から剥離することで渦流が生じやすい。また、内燃機関の運転中においては、外側流路において渦流が発生する場所では圧力が略0となる一方、リブの内側に位置する流路(以下、内側流路)の圧力は負圧となる。
上記構成によれば、曲がり部に、曲がり部を介して隣り合う流路同士を通気する通気部が設けられているため、外側流路において渦流が発生する場所のエアが、内側流路を流れるエアとの圧力差によって通気部を通じて内側流路へ流れるようになる。これにより、外側流路において発生する渦流を低減することができるため、外側流路を流れる吸気の主流の流路断面積が渦流によって制限されることを抑制できる。したがって、外側流路における吸気の圧力損失が低減される。よって、通気抵抗を低減することができる。
本発明によれば、通気抵抗を低減することができる。
本実施形態における内燃機関の吸気ダクトを示す斜視図。 同実施形態における吸気ダクトの平面図。 図2の3−3線に沿った断面図。 図2の4−4線に沿った断面図。 図2の5−5線に沿った断面図。 図5の6−6線に沿った断面図。 変更例における吸気ダクトの側壁とリブとを離間して示す分解斜視図。
以下、図1〜図6を参照して、内燃機関の吸気ダクト(以下、吸気ダクト10)の一実施形態について説明する。なお、以降において、吸気ダクト10内における吸気流れ方向の上流側及び下流側をそれぞれ単に上流側及び下流側と称する。
図1及び図2に示すように、吸気ダクト10は全体として四角筒状の側壁11を有し、上流側端部には吸気が導入される導入口12が設けられ、下流側端部にはエアクリーナ等に接続される接続口14が設けられている。
側壁11には、導入口12と接続口14との間に、湾曲して延在する曲がり壁部11Aが設けられている。
側壁11は、第1分割体20と第2分割体40とから構成されている。第1分割体20及び第2分割体40は、側壁11をその周方向において2つに分割して構成している。
図3及び図4に示すように、第1分割体20は、樹脂成形体からなり、平板状の頂壁21を有している。頂壁21の幅方向(同図の左右方向)の両端部21bよりも内側の部分には、第2分割体40に向かって突設された一対の接合部24aが設けられている。各接合部24aは、側壁11の延在方向の全体にわたって延在している。
第2分割体40は、樹脂成形体からなり、第1分割体20の頂壁21に対向する底壁43と、底壁43の幅方向の両端から屈曲するとともに第1分割体20の各接合部24aに向かって延在する一対の側壁42とを有しており、樋状をなしている。第2分割体40の各側壁42の内面と、第1分割体20の各接合部24aの内面とは平らに連なっている。
本実施形態では、第1分割体20及び第2分割体40が同一の樹脂材料によって形成されている。
各側壁42の端部には、外側に向かって突出するフランジ44が設けられている。各フランジ44は、第1分割体20の頂壁21に向かって延在するとともに接合部24aの外面に接合された第1接合部44aと、第1接合部44aから屈曲して外側に向かって延在するとともに頂壁21の端部21bに接合された第2接合部44bとを有している。フランジ44は、側壁11の延在方向の全体にわたって設けられている。なお、第1分割体20の接合部24a及び両端部21bと、第2分割体40の接合部44a,44bとは例えば接着剤を介して接合されている。
図1及び図2に示すように、第1分割体20の頂壁21には、側壁11の内部を2つの流路W1,W2に区画する板状のリブ30が突設されている。なお、以降において、リブ30によって区画された2つの流路W1,W2のうち、リブ30の外側に位置する流路を外側流路W1と称し、リブ30の内側に位置する流路を内側流路W2と称する。
図2に示すように、リブ30は、側壁11の延在方向において曲がり壁部11Aを含む部分に側壁11の延在方向に沿って設けられている。すなわち、図1及び図2に示すように、リブ30は、曲がり壁部11Aに設けられ、曲がり壁部11Aの延在方向に沿って湾曲して延在する曲がり部32と、曲がり部32の上流側端から上流側に向かって延在する上流側ストレート部31と、曲がり部32の下流側端から下流側に向かって延在する下流側ストレート部33とを有している。
図3に示すように、上流側ストレート部31は、非通気性の樹脂成形体からなり、第1分割体20と一体成形されている。上流側ストレート部31の先端部31aは、底壁43から離間している。
図4に示すように、曲がり部32は、通気性の繊維成形体からなり、第1分割体20とは別体にて形成されている。曲がり部32の先端部32aは、底壁43から離間している。第1分割体20の頂壁21の内面には、曲がり部32の基端部32bを曲がり部32の厚さ方向の両側から挟持する一対の挟持部25が突設されている。なお、第1分割体20の頂壁21及び各挟持部25と、曲がり部32の基端部32bとは接着材を介して接合されている。なお、曲がり部32が、本発明に係る通気部に相当する。
ストレート部31,33及び曲がり部32は、突出方向の先端側ほど幅が小さくされた先細状をなしている(図3及び図4参照)。
下流側ストレート部33は、上流側ストレート部31と同様にして、非通気性の樹脂成形体からなり、第1分割体20と一体成形されている。下流側ストレート部33の先端部33aは、底壁43から離間している。(図5参照)。なお、上流側ストレート部31及び下流側ストレート部33が、本発明に係る非通気部に相当する。
図6に示すように、曲がり部32の延在方向における両端面には、一対の突条32cがそれぞれ設けられている。上流側ストレート部31の下流側端面には、突条32cが嵌合される凹溝31cが設けられている。また、下流側ストレート部33の上流側端面には、突条32cが嵌合される凹溝33cが設けられている。曲がり部32の両突条32cと、ストレート部31,33の凹溝31c,33cとは、接着剤を介して接合されている。
ストレート部31,33及び曲がり部32の幅は、リブ30の延在方向の全体にわたって同一とされており、ストレート部31,33と曲がり部32とは平らに連なっている。
次に、曲がり部32を構成する繊維成形体について詳細に説明する。
繊維成形体は、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)からなる芯部と同PET繊維よりも融点の低い変性PETからなる鞘部(いずれも図示略)とを有する周知の芯鞘型の複合繊維からなる不織布と、PET繊維からなる不織布とにより構成されている。なお、上記複合繊維の鞘部をなす変性PETが繊維同士を結合するバインダとして機能する。
変性PETの配合割合は30〜70%であることが好ましい。本実施形態では、変性PETの配合割合が50%とされている。
なお、こうした複合繊維としては他に、PETよりも融点の低いPP(ポリプロピレン)を有するものであってもよい。
繊維成形体の目付け量は、500g/m〜1500g/mであることが好ましい。本実施形態では、繊維成形体の目付け量が800g/mとされている。
曲がり部32は、所定の厚さ(例えば30〜100mm)の上記不織布シートを熱圧縮(熱プレス)することにより成形されている。
曲がり部32の通気度(JISL1096,A法(フラジール形法))は、3cm/cm・sとされている。また、曲がり部32の板厚としては、1.0〜3.0mmであることが好ましい。本実施形態では、曲がり部32の板厚が1.0mmとされている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
曲がり壁部11Aを有する筒状の側壁11を備えた吸気ダクト10においては、リブ30の外側に位置する流路W1(以下、外側流路W1)を流れる吸気が曲がり部32から剥離することで渦流が生じやすい。
吸気ダクト10においては、内燃機関の運転中、リブ30の外側流路W1において渦流が発生する場所では圧力が略0となる一方、リブ30の内側に位置する流路(内側流路W2)の圧力は負圧となる。このため、外側流路W1において渦流が発生する場所のエアが、内側流路W2を流れるエアとの圧力差によって曲がり部32を通じて内側流路W2へ流れるようになる。これにより、外側流路W1において発生する渦流を低減することができるため、外側流路W1を流れる吸気の主流の流路断面積が渦流によって制限されることを抑制できる。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
(1)吸気ダクト10は、曲がって延在する曲がり壁部11Aを有する筒状の側壁11を備えている。側壁11の内部を複数の流路W1,W2に区画するとともに曲がり壁部11Aの延在方向に沿って曲がって延在する曲がり部32を有するリブ30を備えている。リブ30のうち少なくとも曲がり部32には、通気性材料からなり、曲がり部32を介して隣り合う流路W1,W2同士を通気する曲がり部32が設けられている。
こうした構成によれば、上述した作用を奏することから、通気抵抗を低減することができる。
(2)曲がり部32全体が通気部である。
こうした構成によれば、外側流路W1において渦流が発生する場所のエアを、曲がり部32全体を通じて内側流路W2へ流すことが可能となる。これにより、外側流路W1において発生する渦流を一層低減することができる。
(3)曲がり部32は、圧縮成形された繊維成形体からなる。
こうした構成によれば、不織布などの繊維成形体によって曲がり部32を容易に具現化することができる。また、繊維成形体の圧縮度合に応じて曲がり部32における通気度を容易に制御することができる。
(4)リブ30は、樹脂成形体からなり、側壁11と一体成形されるとともに曲がり部32に固定された上流側ストレート部31及び下流側ストレート部33を有している。
こうした構成によれば、リブ全体が繊維成形体によって構成される場合に比べてリブ30の剛性を高めることができる。したがって、吸気ダクト10が吸気負圧によって変形して閉塞することを抑制することができる。
(5)側壁11の周方向において側壁11を分割して構成する第1分割体20と第2分割体40とを有している。第1分割体20は、樹脂成形体からなり、上流側ストレート部31及び下流側ストレート部33は、第1分割体20と一体成形されている。
こうした構成によれば、例えば射出成形によって側壁11と上流側ストレート部31及び下流側ストレート部33とを同時に形成することができる。また、吸気ダクト10を構成する部品点数を低減することができる。このため、吸気ダクト10を容易に形成することができる。
(6)第1分割体20の内面には、曲がり部32の厚さ方向の両側から曲がり部32の基端部32bを挟持する挟持部25が突設されている。
こうした構成によれば、第1分割体20の頂壁21から突設された挟持部25によって、曲がり部32の基端部32bがその厚さ方向の両側から挟持されている。このため、曲がり部32とは異なる材料からなる側壁11に対して曲がり部32をより安定して固定することができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において曲がり部32を構成する繊維成形体によってリブ30全体を形成してもよい。
・上記実施形態では、曲がり部32全体を通気部として構成したが、曲がり部の一部に通気部が設けられる構成であってもよい。
・側壁に対するリブの固定態様は、上述した構成に限られるものではない。例えば、図7に示すように、第1分割体120の頂壁121にリブ130に対応した形状を有する貫通孔123を設け、貫通孔123を通じてリブ130が挿入される構成としてもよい。この場合、リブ130の基端側に係止板134を設け、係止板134の下面と頂壁121の上面とを固定すればよい。こうした構成によれば、吸気ダクト110の側壁111に対して、リブ130を容易に組付けることができる。なお、図7に示す構成のうち上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、上記実施形態と対応する構成については、「100」を加算した「1**」を付すことにより重複する説明を省略する。
・第1分割体及び第2分割体の双方、あるいは第1分割体及び第2分割体のいずれか一方を繊維成形体によって形成してもよい。こうした構成によれば、吸気音の音波の圧力が側壁を構成する繊維成形体を通過する際に繊維を振動させて熱エネルギに変換されることで、吸気騒音を低減することができる。
10,110…吸気ダクト、11,111…側壁、11A…曲がり壁部、12…導入口、14…接続口、20,120…第1分割体、21,121…頂壁、21b…端部、123…貫通孔、24a…接合部、25…挟持部、30,130…リブ、31,131…上流側ストレート部、33,133…下流側ストレート部、31a,32a,33a…先端部、31c,33c…凹溝、32,132…曲がり部、32b…基端部、32c…突条、134…係止板、40,140…第2分割体、42…側壁、43…底壁、44…フランジ、44a…第1接合部、44b…第2接合部。

Claims (6)

  1. 曲がって延在する曲がり壁部を有する筒状の側壁を備えた内燃機関の吸気ダクトにおいて、
    前記側壁の内部を複数の流路に区画するとともに前記曲がり壁部の延在方向に沿って曲がって延在する曲がり部を有するリブを備えており、
    前記リブのうち少なくとも前記曲がり部には、通気性材料からなり、前記曲がり部を介して隣り合う前記流路同士を通気する通気部が設けられている、
    内燃機関の吸気ダクト。
  2. 前記曲がり部全体が前記通気部により構成されている、
    請求項1に記載の内燃機関の吸気ダクト。
  3. 前記通気部は、圧縮成形された繊維成形体からなる、
    請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気ダクト。
  4. 前記リブは、樹脂成形体からなり、前記側壁と一体成形されるとともに前記通気部に固定された非通気部を有している、
    請求項3に記載の内燃機関の吸気ダクト。
  5. 前記側壁の周方向において前記側壁を分割して構成する第1分割体と第2分割体とを有しており、
    前記第1分割体は、樹脂成形体からなり、
    前記非通気部は、前記第1分割体と一体成形されている、
    請求項4に記載の内燃機関の吸気ダクト。
  6. 前記第1分割体の内面には、前記通気部の厚さ方向の両側から前記通気部の基端部を挟持する挟持部が突設されている、
    請求項5に記載の内燃機関の吸気ダクト。
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