JP2019213365A - 非接触電力伝送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】高い電力伝送効率と高い力率とを確保可能な非接触電力伝送システムを提供する。【解決手段】送電装置は、第1のコイルを含んで構成される第1の共振回路(送電部)と、インバータと、フィルタ回路とを備える。インバータは、所定の周波数調整範囲において送電電力の周波数fを調整可能である。受電装置は、第2のコイルを含んで構成される第2の共振回路(受電部)を備える。そして、第1のコイルと第2のコイルとの間の距離が小さい第1の領域よりもコイル間の距離が大きい第2の領域において、第1の共振回路の共振周波数f1及び第2の共振回路の共振周波数f2は、上記の周波数調整範囲に含まれ、かつ、その周波数調整範囲の下限fLよりも上限fUに近い。【選択図】図3

Description

本開示は、非接触電力伝送システムに関し、特に、送電装置から受電装置へ非接触で電力を伝送する非接触電力伝送システムに関する。
送電装置から受電装置へ非接触で電力を伝送する非接触電力伝送システムが知られている(たとえば特許文献1〜5参照)。このような非接触電力伝送システムにおいて、特開2013−243882号公報(特許文献6)には、送電装置の送電部及び受電装置の受電部の少なくとも一方に容量切替機構を設け、送電部から受電部への電力伝送効率がより大きくなるように容量切替機構を操作することが開示されている(特許文献6参照)。
特開2013−154815号公報 特開2013−146154号公報 特開2013−146148号公報 特開2013−110822号公報 特開2013−126327号公報 特開2013−243882号公報
送電部のコイルと受電部のコイルとの間の距離が大きいほど、コイル間の結合係数は小さくなる。結合係数が小さい場合に送電部から受電部への電力伝送効率を高めるために、特許文献6に記載の非接触電力伝送システムでは、容量切替機構を設けてインピーダンスを調整し、電力伝送効率を高めている。
しかしながら、非接触電力伝送システムが車両への大電力給電に用いられるような場合には、送電部及び受電部には数kVレベルの高電圧がかかり得るため、上記の容量切替機構には高い耐圧性が求められる。そのため、上記のような容量切替機構が設けられる送電部及び/又は受電部の体格が増加するとともにコストも高くなる。
また、システム全体としての効率化を図るためには、送電部から受電部への電力伝送効率とともに、送電の力率を改善することも必要である。
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、上記のような容量切替機構を設けることなく、高い電力伝送効率と高い力率とを確保可能な非接触電力伝送システムを提供することである。
本開示における非接触電力伝送システムは、送電装置から受電装置へ非接触で電力を伝送する非接触電力伝送システムであって、送電装置は、第1の共振回路(送電部)と、インバータと、フィルタ回路とを備える。第1の共振回路は、受電装置へ非接触で送電するための第1のコイルを含んで構成される。インバータは、交流の送電電力を生成して第1の共振回路へ供給するように構成される。フィルタ回路は、インバータと第1の共振回路との間に設けられる。インバータは、所定の周波数調整範囲において送電電力の周波数を調整可能である。受電装置は、第1の共振回路から非接触で受電するための第2のコイルを含んで構成される第2の共振回路(受電部)を備える。そして、第1のコイルと第2のコイルとの間の距離が小さい第1の領域よりもコイル間の距離が大きい第2の領域において、第1の共振回路の共振周波数及び第2の共振回路の共振周波数は、上記の周波数調整範囲に含まれ、かつ、その周波数調整範囲の下限よりも上限に近い。
第1のコイルと第2のコイルとの間の距離が大きく、そのためコイル間の結合係数が小さくても、インバータによって調整可能な送電電力の周波数を第2の共振回路の共振周波数に近づけることで、第1の共振回路から第2の共振回路への電力伝送効率を高めることができる。
また、システム全体の効率を高めるためには、力率の改善も必要となる。インバータと第1の共振回路(送電部)との間にフィルタ回路が設けられている場合には、第1の共振回路の共振周波数を高くすることで、力率を高めることができる(詳細は後述)。
この非接触電力伝送システムでは、コイル間の距離が大きい第2の領域において、第1の共振回路の共振周波数及び第2の共振回路の共振周波数は、周波数調整範囲に含まれ、かつ、周波数調整範囲の下限よりも上限に近い。すなわち、コイル間の結合係数が小さい場合に、第1及び第2の共振回路の共振周波数が周波数調整範囲内で相対的に高い値となるように、第1及び第2の共振回路が設計される。これにより、コイル間の距離が大きくても(結合係数が小さくても)、高い電力伝送効率を確保しつつ力率も改善することができる。
また、コイル間の距離が小さくなる(結合係数が大きくなる)に従って、第1の共振回路の共振周波数は上昇し、第2の共振回路の共振周波数は低下する(詳細は後述)。この非接触電力伝送システムでは、コイル間の距離が大きい第2の領域において、第2の共振回路の共振周波数は、周波数調整範囲の下限よりも上限に近いので、コイル間の距離が小さくなるに従って低下する第2の共振回路の共振周波数が周波数調整範囲の下限に達するまでの余裕が大きい。これは、コイル間の距離が小さくなっても、インバータにより送電電力の周波数を第2の共振回路の共振周波数に調整可能であることを意味する。したがって、この非接触電力伝送システムによれば、広範囲のコイル間の距離において(すなわち広範囲の結合係数において)、インバータにより送電電力の周波数を第2の共振回路の共振周波数に調整することができ、コイル間の効率を確保することができる。
本開示における非接触電力伝送システムによれば、高い電力伝送効率と高い力率とを確保することができる。
本開示の実施の形態に従う非接触電力伝送システムの全体構成図である。 コイル間の結合係数に応じてコイルのインダクタンスが変化することを示す図である。 コイル間の結合係数に応じて共振周波数が変化することを示す図である。 共振周波数f1とコイル間効率との関係を示す図である。 共振周波数f1と力率との関係を示す図である。 受電装置において所望の受電電力が確保される場合の、共振周波数f1とインバータにより調整される送電電力の周波数fとの関係を示す図である。 参考例として、コイル間の結合係数が大きい場合に周波数調整範囲内で共振周波数f1,f2を一致させたときに、結合係数に応じた共振周波数を示す図である。 コイル間の結合係数とコイル間効率との関係を示す図である。 他の実施の形態に従う非接触電力伝送システムの全体構成図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<非接触電力伝送システムの全体構成>
図1は、本開示の実施の形態に従う非接触電力伝送システムの全体構成図である。図1を参照して、この非接触電力伝送システムは、受電装置100と、送電装置200とを備える。受電装置100は、蓄電装置300に蓄えられた電力を用いて走行可能な車両に搭載され、受電装置100によって受電された電力は、蓄電装置300に蓄えられる。
たとえば、受電装置100は、車体の下面に配置され、送電装置200は、地面に配置される。そして、受電装置100が送電装置200に対向するように送電装置200に対して車両の位置合わせが行なわれた状態で、送電装置200から受電装置100へ磁界を通じて非接触で電力が伝送される。
送電装置200は、AC/DCコンバータ210と、インバータ220と、フィルタ回路230と、送電部240と、送電ECU(Electronic Control Unit)250と、通信部260とを含む。
AC/DCコンバータ210は、商用系統電源等の交流電源400から受ける交流電力を直流電力に変換してインバータ220へ供給する。AC/DCコンバータ210は、たとえば力率改善(PFC(Power Factor Correction))回路であるが、力率改善機能を有しない整流器を採用してもよい。
インバータ220は、AC/DCコンバータ210から受ける直流電力を、所定の周波数の送電電力に変換する。インバータ220は、送電ECU250からの制御信号に従ってスイッチング周波数を変更することにより、送電電力の周波数を変更することができる。この例では、インバータ220は、79kHzから90kHzの範囲で送電電力の周波数を変更することができる。インバータ220によって生成された送電電力は、フィルタ回路230を通じて送電部240へ供給される。インバータ220は、たとえば単相フルブリッジ回路を含んで構成される。
フィルタ回路230は、インバータ220と送電部240との間に設けられ、インバータ220から発生する高調波ノイズを抑制する。この例では、フィルタ回路230は、インダクタ232とキャパシタ234とを含む二次LCフィルタによって構成されているが、フィルタ回路230の構成はこれに限定されるものではない。
送電部240は、コイル242と、キャパシタ244とを含む。キャパシタ244は、コイル242に直列に接続されてコイル242と共振回路を形成する。送電部240は、インバータ220により生成される送電電力(交流電力)をインバータ220からフィルタ回路230を通じて受け、送電部240の周囲に生成される磁界を通じて、受電装置100の受電部110へ非接触で送電する。形成される共振回路の共振強度を示すQ値は、100以上であることが好ましい。
送電ECU250は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、送電装置200における各種機器の制御を行なう。たとえば、送電ECU250は、送電装置200から受電装置100への電力伝送の実行時に、所定の周波数を有する送電電力をインバータ220が生成するようにインバータ220のスイッチング制御を行なう。各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
通信部260は、受電装置100の通信部170と無線通信するように構成される。通信部260は、電力伝送の開始/停止に関する情報を受電装置100とやり取りしたり、受電装置100の受電状況(受電電圧や受電電流、受電電力等)を受電装置100から受信したりする。
受電装置100は、受電部110と、フィルタ回路120と、整流部130と、キャパシタ140と、リレー回路150と、充電ECU160と、通信部170とを含む。
受電部110は、コイル112と、キャパシタ114とを含む。キャパシタ114は、コイル112に直列に接続されてコイル112と共振回路を形成する。受電部110は、送電装置200の送電部240から出力される電力(交流)を、磁界を通じて非接触で受電する。コイル112及びキャパシタ114を含んで形成される共振回路のQ値も、100以上であることが好ましい。
フィルタ回路120は、受電部110と整流部130との間に設けられ、受電部110による受電時に発生する高調波ノイズを抑制する。この例では、フィルタ回路120は、キャパシタ122,126とインダクタ124とを含む三次LCフィルタによって構成されているが、フィルタ回路120の構成はこれに限定されるものではない。
整流部130は、受電部110によって受電された交流電力を整流して蓄電装置300へ出力する。整流部130は、たとえば4つのダイオードから成るダイオードブリッジ回路を含んで構成される。キャパシタ140は、整流部130の出力側に設けられ、整流部130の出力電圧を平滑化する。リレー回路150は、キャパシタ140と蓄電装置300との間に設けられ、受電部110により受電された電力による蓄電装置300の充電時にオン(導通状態)にされる。
充電ECU160は、CPU、メモリ、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、受電装置100における各種機器の制御を行なう。各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
通信部170は、送電装置200の通信部260と無線通信するように構成される。通信部170は、電力伝送の開始/停止に関する情報を送電装置200とやり取りしたり、受電装置100の受電状況(受電電圧や受電電流、受電電力等)を送電装置200へ送信したりする。
蓄電装置300は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置300は、たとえば、リチウムイオン電池或いはニッケル水素電池等の二次電池や、電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を含んで構成される。なお、リチウムイオン二次電池は、リチウムを電荷担体とする二次電池であり、電解質が液体の一般的なリチウムイオン二次電池のほか、固体の電解質を用いた所謂全固体電池も含み得る。
この非接触電力伝送システムにおいては、送電装置200において、インバータ220からフィルタ回路230を通じて送電部240へ、所定の周波数を有する交流電力が供給される。送電部240へ交流電力が供給されると、送電部240のコイル242と、受電部110のコイル112との間に形成される磁界を通じて、コイル242からコイル112へエネルギー(電力)が移動する。受電部110へ移動したエネルギー(電力)は、フィルタ回路120及び整流部130を通じて蓄電装置300へ供給される。
なお、送電部240においてキャパシタ244がコイル242に直列に接続され、かつ、受電部110においてキャパシタ114がコイル112に直列に接続されるような回路構成は、SS方式(一次直列二次直列方式)とも称される。
なお、特に図示しないが、コイル242,112の構造は特に限定されない。たとえば、送電部240と受電部110とが正対する場合に、送電部240と受電部110とが並ぶ方向に沿う軸に巻回される渦巻形状やらせん形状のコイルをコイル242,112の各々に採用することができる。或いは、送電部240と受電部110とが正対する場合に、送電部240と受電部110とが並ぶ方向を法線方向とするフェライト板に電線を巻回して成るコイルをコイル242,112の各々に採用してもよい。
<共振周波数の設定>
受電装置100が搭載される車両の車高が積載物等によって変化すると、受電部110のコイル112と送電部240のコイル242との間の距離(以下「コイル間距離」と称する。)が変化し、コイル112,242間の結合係数が変化する。具体的には、コイル間距離が大きい(車高が高い)ほど、結合係数は小さくなる。
結合係数が小さい場合にコイル242からコイル112への電力伝送効率(以下「コイル間効率」と称する。)を高めるために、送電部240及び受電部110に容量切替機構を設けてインピーダンスを調整可能とし、コイル間効率を高めることも考えられる。しかしながら、このような容量切替機構は、送電部240及び受電部110の体格増加を招くとともにコストも高くなる。
また、システム全体としての効率化を図るためには、コイル間効率とともに、送電の力率を改善することも必要である。
そこで、本実施の形態では、送電部240及び受電部110に容量切替機構を設けることなく、高い電力伝送効率と高い力率とを確保するための手法が示される。具体的には、以下に説明されるように、コイル間距離が大きく(車高が高く)結合係数が小さい場合に、送電装置200の共振回路の共振周波数f1及び受電装置100の共振回路の共振周波数f2が、インバータ220による送電電力の周波数調整範囲(79kHz〜90kHz)に含まれ、かつ、その周波数調整範囲の下限よりも上限に近くなるように、各共振回路が設計される。これにより、高いコイル間効率と高い力率とを確保することが可能となる。以下、詳しく説明する。
上述のように、車高の変化に伴なってコイル間距離が変化すると、コイル112,242間の結合係数が変化する。そして、結合係数が変化すると、コイル112,242のインダクタンスが変化し、インダクタンスが変化することによって共振回路の共振周波数が変化する。
図2は、コイル112,242間の結合係数に応じてコイル112,242のインダクタンスが変化することを示す図である。図2において、横軸は、コイル112,242間の結合係数を示す。縦軸は、結合係数が小さい場合にインダクタンスが互いに同等となるコイル112,242について、結合係数が小さい場合のインダクタンスを基準として、結合係数に応じたインダクタンスの変化率を示す。なお、インダクタンスは、JIS C5321に定められた測定法に準拠した方法で、インピーダンスアナライザ或いはLCRメータを用いて計測されたものである。
図2を参照して、L1は、送電部240のコイル242のインダクタンスを示し、L2は、受電部110のコイル112のインダクタンスを示す。結合係数が大きくなるに従って、インダクタンスL1は低下し、インダクタンスL2は増加する。
結合係数によってインダクタンスL1,L2がこのような変化を示すのは、以下のとおりである。結合係数が大きいときは、コイル間距離が小さいため、送電部240のコイル242は、車体下面の金属ボディの影響を受けて漏れインダクタンスが大きくなる。その結果、結合係数が大きいときは、結合係数が小さいときに比べてコイル242のインダクタンスL1は低下する。一方、受電部110のコイル112では、コイル242の影響を受けて、結合係数が大きいときは、結合係数が小さいときに比べてインダクタンスL2が増加する。
このように結合係数に応じてインダクタンスが変化することにより、結合係数に応じて各共振回路の共振周波数が変化する。
図3は、コイル112,242間の結合係数に応じて共振周波数が変化することを示す図である。なお、図3では、送電装置200のキャパシタ244,234及び受電装置100のキャパシタ114,122の各々のキャパシタンスは一定である(可変キャパシタではない)。図3において、横軸は結合係数を示し、縦軸は共振回路の共振周波数を示す。周波数fU,fLは、それぞれ送電電力の周波数調整範囲の上限及び下限を示す。すなわち、送電電力の周波数fは、インバータ220によって下限fLから上限fUの範囲で調整可能である。この例では、下限fL及び上限fUは、それぞれ79kHz及び90kHzである。
図3を参照して、f1は、送電装置200の共振回路の共振周波数を示し、f2は、受電装置100の共振回路の共振周波数を示す。結合係数が大きくなるに従って、共振周波数f1は上昇し、共振周波数f2は低下する。
結合係数によって共振周波数f1,f2がこのような変化を示すのは、共振周波数の計算式から理解できる。送電装置200のキャパシタ244,234のキャパシタンスをそれぞれC1,C11とし、受電装置100のキャパシタ114,122のキャパシタンスをそれぞれC2,C21とすると、共振周波数f1,f2はそれぞれ次式によって示される。
f1=1/2π×√((C1+C11)/(L1×C1×C11)) …(1)
f2=1/2π×√((C2+C21)/(L2×C2×C21)) …(2)
図2で説明したように、結合係数が大きくなるに従って、インダクタンスL1は低下し、インダクタンスL2は増加する。したがって、式(1),(2)から、結合係数が大きくなるに従って、インダクタンスL1が低下することにより共振周波数f1は上昇し、インダクタンスL2が増加することにより共振周波数f2は低下することが分かる。
ここで、共振周波数と、インバータ220により調整される送電電力の周波数fとの関係についても説明しておく。送電電力の周波数fを共振周波数f2に近づけることで、コイル間効率を高めることができる。コイル間効率ηは、次式によって示される。
Figure 2019213365
ωは、角周波数であり、ω=2πfの関係を満たす。Lmは、コイル112,242の相互インダクタンスであり、RLは、受電部110以降のインピーダンスである。また、r1は、コイル242の抵抗値であり、r2は、コイル112の抵抗値である。
式(3)から、ωL2=1/ωC2のとき、すなわち、ω=√(1/(L2×C2))のとき、コイル間効率ηは最大となる。この角周波数ωに対応する周波数f0は、式(2)で示される共振周波数f2とは厳密には一致しないが、その差は小さく、送電電力の周波数fを共振周波数f2に近づけることで、コイル間効率ηを高めることができる。
そして、この実施の形態に従う非接触電力伝送システムでは、図3に示されるように、結合係数が小さい領域において、共振周波数f1,f2が、周波数fの調整範囲(下限fL〜上限fU)に含まれ、かつ、下限fLよりも上限fUに近くなるように、式(1),(2)中の回路定数が設計される。これにより、結合係数が小さい場合に、高いコイル間効率と高い力率とを確保することが可能となる(理由は後述)。
また、結合係数が大きくなるに従って低下する共振周波数f2が周波数調整範囲の下限fLに達するまでの結合係数の範囲を大きくすることができるので(図3中の範囲B)、結合係数が大きい場合でも(kBまで)、インバータ220により送電電力の周波数fを共振周波数f2に調整することができ、コイル間効率を高めることができる。以下、図4から図8を用いて、さらに詳しく説明する。
図4は、共振周波数f1とコイル間効率との関係を示す図である。この図4では、受電電力は一定であり、送電電力の周波数fの調整範囲において、共振周波数f1,f2が互いに同等の状態で共振周波数f1を可変としたときのコイル間効率が示されている。
図4を参照して、k1は、結合係数が小さい領域の結合係数を示し、k1が示す線は、結合係数がk1であるときの推移を示す。一方、k2は、結合係数が大きい領域の結合係数を示し、k2が示す線は、結合係数がk2であるときの推移を示す。
結合係数が小さい場合(k1)、共振周波数f1が高いほどコイル間効率は向上する。なお、結合係数が大きい場合は(k2)、送電電力の周波数fの調整範囲全域における共振周波数f1に対して、コイル間効率は高く、かつ、変化は小さい。
なお、結合係数が大きい場合(k2)と比べて結合係数が小さい場合(k1)のコイル間効率が低いのは、式(3)において、相互インダクタンスLmが小さくなるとコイル間効率ηが低下することからも分かる。また、共振周波数f1が高いほどコイル間効率が向上するのは、インバータ220により送電電力の周波数fを共振周波数f1,f2に合わせることでコイル間効率が高められるところ、式(3)において、共振周波数f1,f2に応じて角周波数ω(周波数fに比例)が高くなることによりコイル間効率ηが高くなることからも分かる。
このように、結合係数が小さい領域では、共振周波数f1が高いほどコイル間効率は高くなる。
図5は、共振周波数f1と力率との関係を示す図である。この図5でも、受電電力は一定であり、送電電力の周波数fの調整範囲において、共振周波数f1,f2が互いに同等の状態で共振周波数f1を可変としたときの力率が示されている。
図5を参照して、結合係数が小さい場合(k1)、共振周波数f1が高いほど、コイル間効率と同様に力率も向上する。なお、結合係数が大きい場合は(k2)、共振周波数f1が高くなると力率が低下する傾向にあるが、結合係数が小さい場合(k1)よりも力率は高い。
なお、結合係数が小さい場合(k1)に、共振周波数f1が高いほど力率が向上するのは、以下の理由による。送電装置200はフィルタ回路230を備えているところ、共振周波数f1が高いと、インバータ220により送電電力の周波数fを共振周波数f1に合わせるために周波数fも高められるので、フィルタ回路230のインピーダンスが大きくなる。そのため、所望の電力を確保するためにインバータ出力電圧のデューティが大きくなり、その結果、力率が向上する。
このように、結合係数が小さい領域では、共振周波数f1が高いほど力率も高くなる。
図6は、受電装置100において所望の受電電力が確保される場合の、共振周波数f1とインバータ220により調整される送電電力の周波数fとの関係を示す図である。この図6でも、受電電力は一定であり、周波数fの調整範囲において、共振周波数f1,f2が互いに同等の状態で共振周波数f1を可変としたときの周波数fが示されている。
図6を参照して、結合係数が小さい場合(k1)、共振周波数f1が低いと、受電電力を確保するために送電電力の周波数fが高められる。送電電力の周波数fを高めると力率が改善されるので、送電電力が大きくなり、その結果、受電電力が確保される。但し、この場合は、送電電力の周波数fが共振周波数f2から乖離するとともに共振周波数f1も低いので、コイル間効率は悪く(図4)、力率も悪い(図5)。
共振周波数f1が高くなるに従って、コイル間効率及び力率が改善されるので(図4,図5)、受電電力を確保するための周波数fと共振周波数f1との乖離は小さくなる。また、周波数fと共振周波数f2との乖離も小さくなるので、この点でもコイル間効率が改善される。
以上のように、結合係数が小さい場合、共振周波数f1,f2が高いとコイル間効率及び力率を高めることができる。そこで、この実施の形態に従う非接触電力伝送システムでは、コイル間距離が大きい領域(結合係数が小さい領域)において、共振周波数f1,f2が周波数調整範囲の下限fLよりも上限fUに近くなるように、共振回路が設計される。これにより、コイル間距離が大きくても(結合係数が小さくても)、高いコイル間効率と高い力率とを確保することができる。
そして、再び図3を参照して、上記の構成によれば、共振周波数f2が周波数調整範囲の下限fLに達するまでの結合係数の範囲を大きくすることができるので(範囲B)、結合係数が大きい場合でも、インバータ220により送電電力の周波数fを共振周波数f2に調整してコイル間効率を高めることができる。
図7は、参考例として、コイル112,242間の結合係数が大きい場合に周波数調整範囲内で共振周波数f1,f2を一致させたときに、結合係数に応じた共振周波数を示す図である。この図7でも、送電装置200のキャパシタ244,234及び受電装置100のキャパシタ114,122の各々のキャパシタンスは一定である(可変キャパシタではない)。
図7を参照して、この参考例では、結合係数が小さい領域において、共振周波数f1,f2のいずれも、インバータ220による送電電力の周波数fの調整範囲を外れてしまうので、周波数fを共振周波数f1,f2に合わせる調整を行なうことができない。特に、結合係数が小さい領域において、周波数fと共振周波数f2との乖離が大きく、コイル間効率は著しく悪化する可能性がある。
図8は、コイル112,242間の結合係数とコイル間効率との関係を示す図である。図8を参照して、S1が示す線は、図3に示したように、結合係数が小さい領域において共振周波数f1,f2が下限fLよりも上限fUに近くなるように共振回路が設計される場合の特性を示す。一方、S2が示す線は、図7に参考例として示したように、結合係数が大きい場合に周波数調整範囲内で共振周波数f1,f2が一致するように共振回路が設計される場合の特性を示す。
図7の参考例に対応するS2は、図7で説明したように、結合係数が小さい場合にコイル間効率が著しく低下している。これに対して、この実施の形態に対応するS1は、結合係数が小さい領域において高いコイル間効率を確保することができている。また、結合係数が大きい領域においても、インバータ220により送電電力の周波数fを共振周波数f2に調整し得るので、コイル間効率の低下を抑制できている。
以上のように、この実施の形態では、コイル間距離が大きい領域(結合係数が小さい領域)において、送電装置200の共振回路の共振周波数f1、及び受電装置100の共振回路の共振周波数f2は、インバータ220による送電電力の周波数調整範囲の下限fLよりも上限fUに近い。すなわち、この実施の形態では、結合係数が小さい場合に、共振周波数f1,f2が周波数調整範囲内で高い値となるように、各共振回路が設計される。これにより、コイル間距離が大きくても(結合係数が小さくても)、高い電力伝送効率を確保しつつ力率も高めることができる。
また、この実施の形態では、コイル間距離が小さい領域(結合係数が大きい領域)においても、インバータ220により送電電力の周波数fを共振周波数f2に調整し得る。すなわち、この実施の形態によれば、広範囲のコイル間距離において(すなわち広範囲の結合係数において)、インバータ220により送電電力の周波数fを共振周波数f2に調整することができ、コイル間効率を確保することができる。
なお、上記の実施の形態では、送電部240及び受電部110の回路構成は、SS方式(一次直列二次直列方式)であるものとしたが、本開示の適用範囲は、SS方式のシステムに限定されるものではなく、それ以外の方式のものであってもよい。
図9は、他の実施の形態に従う非接触電力伝送システムの全体構成図である。この図9では、一例として、送電部及び受電部の回路構成がSP方式(一次直列二次並列方式)の非接触電力伝送システムが示される。
図9を参照して、この非接触電力伝送システムは、図1に示したシステム構成において、受電装置100に代えて受電装置100Aを備える。受電装置100Aは、図1に示した受電装置100において、受電部110及びフィルタ回路120に代えて、それぞれ受電部110A及びフィルタ回路120Aを含む。
受電部110Aは、コイル112と、キャパシタ116とを含む。キャパシタ116は、コイル112に並列に接続されてコイル112と共振回路を形成する。コイル112及びキャパシタ116を含んで形成される共振回路のQ値も、100以上であることが好ましい。フィルタ回路120Aは、インダクタ124とキャパシタ126とを含む二次LCフィルタによって構成されている。
このようなSP方式の回路構成の場合、受電装置100Aのキャパシタ116のキャパシタンスをC2とすると、受電装置100Aの共振回路の共振周波数f2は次式によって示される。
f2=1/2π×√(1/(L2×C2)−(C2×RL)2) …(4)
L2は、コイル112のインダクタンスであり、RLは、受電部110A以降のインピーダンスである。なお、送電装置200の共振回路の共振周波数f1は、上述の式(1)によって示される。
SP方式は、共振周波数f2の計算式がSS方式と異なるけれども、SP方式を採用した非接触電力伝送システムにおいても、上述の図2から図8に示した特性が現われる。したがって、SP方式或いはその他の方式を採用した非接触電力伝送システムにおいても、上記のSS方式の場合と同様に共振回路を設計することによって、高い電力伝送効率と高い力率とを確保することができる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
100 受電装置、110,110A 受電部、112,124,232,242 コイル、114,116,122,126,140,234,244 キャパシタ、120,120A,230 フィルタ回路、130 整流部、150 リレー回路、160 充電ECU、170,260 通信部、200 送電装置、210 AC/DCコンバータ、220 インバータ、240 送電部、250 送電ECU、300 蓄電装置、400 交流電源。

Claims (1)

  1. 送電装置から受電装置へ非接触で電力を伝送する非接触電力伝送システムであって、
    前記送電装置は、
    前記受電装置へ非接触で送電するための第1のコイルを含んで構成される第1の共振回路と、
    交流の送電電力を生成して前記第1の共振回路へ供給するように構成されたインバータと、
    前記インバータと前記第1の共振回路との間に設けられるフィルタ回路とを備え、
    前記インバータは、所定の周波数調整範囲において前記送電電力の周波数を調整可能であり、
    前記受電装置は、前記第1の共振回路から非接触で受電するための第2のコイルを含んで構成される第2の共振回路を備え、
    前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の距離が小さい第1の領域よりも前記距離が大きい第2の領域において、前記第1の共振回路の共振周波数及び前記第2の共振回路の共振周波数は、前記周波数調整範囲に含まれ、かつ、前記周波数調整範囲の下限よりも上限に近い、非接触電力伝送システム。
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